【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高齢化に伴い生じる骨粗鬆症をはじめ種々の骨疾患に対する治療薬に関する薬効評価等を目的として実験動物等から摘出した微小骨の骨密度を正確に測定するため骨密度評価器具(ファントム)、およびそれを用いた骨密度評価システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来X線CT装置はX線管電圧120kVのX線を用いて被写体のX線透過像を得、被写体各部のX線に対する線吸収係数(以下単に吸収係数という)を求め、吸収係数に比例した値を濃淡像として表示するものである。骨組織はカルシュームおよび燐の化合物でその化学組成は既知であり、骨組織固有の質量吸収係数を持つ。逆に、CT装置で描出された骨像領域に含まれる画素値即ち吸収係数値を骨組織固有の質量吸収係数で除すると骨の密度を知ることができる。
【0003】
この原理を応用した骨診断法として[非特許文献1]に記載されているように、pQCT(peripheral Quantitative Computed Tomography)装置が使用されている。
【0004】
【非特許文献1】
http://www.med.nagasaki−u.ac.jp/radiolgy/bmd−4.html
【0005】
また、X線CT装置はX線源としてX線管使用しており、X線管より得られるX線は連続スペクトルを持つためX線が被写体を透過するに従ってX線スペクトルに含まれる低X線エネルギ成分の割合が減少しX線エネルギの平均値が高くなる、所謂ビームハードニング効果と呼ばれる特性を持っている。ビームハードニング効果によりCT装置で計測された被写体中央部のX線吸収係数が周辺部のそれに比して低値を示す、あるいは被写体寸法により吸収係数値が変化する。
【0006】
また、微細構造を持つ摘出骨のCT装置による骨密度吸収係数測定の方法として、マイクロフォーカスX線管を使用した高分解能CT装置を用い、皮質骨相当の材質の円筒内に海綿骨相当の骨密度を持った材質を充填したファントム数種類(それぞれのファントムは海綿体相当骨密度は異なるように調整されている)を実測し、実測したX線吸収係数と骨密度間の検量線を得た上で、検査対象となる骨サンプルの実測吸収係数を上記検量線をもとに骨密度量に換算する方法が試みられている。(特許文献1参照)
【0007】
【特許文献1】
特開平11−155852号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記ビームハードニングの影響を避けるため、pQCT装置においては形状および寸法の個体差が比較的少ない腕に計測部位を限定する。また医用CT装置を利用したQCTソフトウェアにおいては脊髄に測定部位を限定し較正用ファントムとともに計測し個体差による測定誤差を補正する等の工夫がなされている。一方、摘出骨は、被写体寸法が数mmから数cmと多様であり、またサンプル形状も一定ではないためpQCT装置やQCTソフトウェアでおこなわれているような測定部位を限定するという対策は講じられない。
【0008】
また、網状骨のような微細構造を持つ部分の吸収係数を正確に測定しようとすると被写体の微細構造に見合った検出器の分解能が要求される。
ところが、pQC装置や医用CT装置の分解能は数100μm程度であり数10の網状骨を含む摘出骨の吸収係数を正しく測定することはできない。
【0009】
また、[特許文献1]の方法では医用CT装置の分解能不足の問題は解消されるが、被測定サンプルの寸法、形状、構造がファントム形状に近似できる被写体のみに限定され、異なる部位や異種動物の骨密度比較等には適用できない。
【0010】
本発明の目的は高分解能でかつ、多様な大きさ、形状の被写体に対応可能なX線CTによる骨密度評価器具を提供することにある。
【0011】
また、上記骨密度評価器具を用いて高分解能でかつ多様な大きさ、形状の被写体に対応可能な骨密度評価システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、少なくとも皮質骨のX線吸収係数と同等より高いX線吸収係数を持つ材質の容器と、この容器に内包されるように取り付けられる既知のX線吸収係数の複数の骨密度評価のための部材と、これらの部材のうちの任意の部材に沿って、前記容器に被写体を収容するための空隙を備えたことによって達成される。
【0013】
また、被写体にX線を照射するX線源と、このX線源と対向配置され、前記被写体の投影データを検出するX線検出器と、これらのX線源とX線検出器とを回転走査するスキャナ部と、このスキャナ部によって前記X線源から前記被検体へ多方向からX線を照射し、前記X線検出器によって多方向からの投影データを得、該得られた多方向の投影データより前記被写体のX線吸収係数を求める手段と、請求項1のX線CTによる骨密度評価器具と、この骨密度評価器具の任意の部材のうちの所定の部材を参照して前記骨密度評価器具に収容された被写体の骨密度検量線を生成する手段とを備えたことによって達成される。
また、前記生成手段によって生成された骨密度検量線に基づいて前記被写体の骨密度量を算出する手段を備えたことによって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
先ず本発明の実施形態に係る骨密度測定用治具10の実施形態について図1により説明する。図1は、本実施形態に係る骨密度測定用治具10を説明する斜視図である。この骨密度測定用治具10は、外容器11と外容器11の内壁に取り付けられた複数の較正用ファントム12、これら較正用ファントム12のうちの任意のものに沿って被写体を収容するための空隙13から構成される。
【0016】
この外容器11は皮質骨のX線吸収係数と同等またはそれより高いX線吸収係数を持つ材質例えば0.2mm厚さのアルミニュウム、または0.1mm厚さの銅をからなり、本容器内に収納した被写体から発生する散乱X線に対してフィルター効果を発揮しかつ内部に収容した骨サンプルのX線透過像に不均一な容器像が重ならないように継ぎ目のないパイプ状での容器である。また容器の直径は被写体となる摘出骨を収容するに充分な寸法を持てば良い、例えばラットまたはマウスの大腿骨を対象とした場合その直径6mmから10mmの寸法である。
【0017】
外容器11に取り付けられた複数の較正用ファントム12は外容器の内径に対し約10%の直径を持つ柱状である。複数の較正用ファントムはそれぞれ既知で且つ異なる骨密度に相当するX線吸収係数を持つものでなければならない。
【0018】
較正用ファントムの最も高い骨密度を持つものは、被写体が持つと予想される最大の骨密度と同程度できればそれ以上の骨密度を持つことが望ましい。較正用ファントムの最小骨密度を持つものは、被写体が持つと予想される最小の骨密度と同程度できればそれ以下の骨密度を持つことが望ましい。その他の較正用ファントムの骨密度は上記骨密度値の中間の値を持つ。
【0019】
既知の骨密度をもつ較正用ファントムは例えば特許第3300690号公報に記載された方法でハイドロキシアパタイト、カーボン粉末および結合材とを所定の密度となるように混合し固化した骨組織の成分比率を模擬したもの等が使用される。
【0020】
次に、本発明に係る上記骨密度測定用治具10と高分解能μフォーカスX線CT装置を組み合わせた骨密度測定装置の1実施形態について図3を用いて説明する。図3は本形態に係る骨密度測定装置の構成図である。この骨密度測定装置はCTスキャナ部30、制御部40から構成され、被写体20は骨密度測定用治具10に収められCTスキャナ部の回転ステージ35に取り付けられる。
【0021】
図2において符号30〜43で示す各要素の内、符号41で示す中央制御装置に骨密度算出機能が組み込まれている以外は小サンプルの高分解能CT画像を得るために使用されるCT装置の一例であり本発明に固有のものではない。
【0022】
以下、簡単に骨密度測定用治具10内に納められた被写体20のCT画像を得ための各要素の働きを説明する。
【0023】
スキャナ部30を構成する各要素はX線遮蔽材壁31で囲われた測定室内に組み込まれている。スキャナ部30の測定室内にはX線管32、X線管制御装置33、X線フィルタ34、回転ステージ35、回転ステージ制御装置36、およびX線検出器37等を備えている。被検体となる骨サンプル20は前述の測定治具10に納められ回転ステージ35の上に取り付けられる。制御部40には中央制御装置41はディスプレイ装置42、キーボードおよびマウス等中央制御装置を操作するためのキーボードやマウス等の操作装置43を備えている。
【0024】
スキャナ部30に使用されるX線管は回転ステージ35上の小サンプルが持つ微細構造の鮮鋭なX線映像を検出装置37に投影するため、焦点寸法が10ミクロンメータ以下のX線管、所謂マイクロフォーカスX線管が適している。
【0025】
回転ステージはX線ビームの中心軸(X線管焦点から検出器中心に向かう線)をY軸とすると、Y軸方向に直交した回転軸を持ち(以下Z軸)その回転面はZ軸に直交する面はY軸方向を含む。
以下、上記で定義したY,Z軸方向に対し右手直交座標系の方向をX軸方向として説明を進める。
回転ステージは一般に被写体の投影像がX線検出器の有効視野内に適切な大きさで投影されるようY軸方向に移動できる機構、被写体の計測面をXY面高さに一致させるようZ軸方向に上下できる機構、その他被写体をCT計測の有効視野内収めるための被写体位置調整機構等を持つ。
【0026】
X線検出器37はラインセンサ、X線イメージインテンシファイアあるいはフラットパネル等が使用される。ラインセンサは、ビームセンター軸を含むXY面上のX軸方向の位置に置かれるビームセンターを含むX軸方向の1次元の透過像データがCT画像再構成演算に利用される。
【0027】
X線イメージインテンシファイア等の2次元センサーを使用した場合、特開平8−24248号公報に記載のコンビームCTの原理に基き、ビームセンターを含むXZ面への2次元投影データを取り込み、コンビームCTの原理による画像再構成演算に利用される。
【0028】
制御部40の中央制御装置41はスキャナ部30のX線制御装置33および回転ステージ制御装置36を介しX線管32および回転ステージ35の動作を制御すると同時に、回転ステージ上の被写体20を透過しX線検出器37で検出され出力された被写体のX線投影データを収集し、その投影データにCT画像再構成アルゴリズムを適用し(2次元センサーを使用した場合は、コンビームCT画像再構成原理を使用する。)被写体の断層像を作成する。このようにして得たれたCT画像の各画素は被写体20の各点に対応する吸収係数に対応した値を持つ。
【0029】
以上、図2の符号30〜43で述べた高分解能マイクロフォーカスCT装置は回転ステージ35がY軸方向に移動し、被写体サイズに応じて適切な分解能と視野が得られるようにX線検出器37に任意の拡大率で被写体像を投影できること、および被写体の材質厚さに応じた最適のX線透過能を持つX線エネルギを選択できるようX線管電圧も60kV〜150kV程度の範囲で自由に調整できる構造を持っている。このことはX線吸収係数を定量的取り扱う面で、X線管焦点−被写体−検出器管距離が固定され、管電圧120kVに固定された医用X線CT装置とは大きく異なる点である。
【0030】
中央制御装置41はまた、得られたCT画像をディスプレイ装置42に吸収係数に対応した濃淡像として表示することができる。また、本発明に係る骨密度算出するために、骨密度測定治具10内に納められた被写体20の骨サンプルおよび較正用ファントム12の画像を基に、骨密度検量線の作成および骨サンプルの指定部位の骨密度を算出するソフトェアが組み込まれている。
被写体の骨密度算出用CT画像の獲得、骨密度検量線の作成および獲得された被写体のCT画像上で骨密度評価領域を指定しその領域ついての平均骨密度を算出するその方法の詳細については後述する。
【0031】
次に、この骨密度測定装置の作用とともに、本発明に係る骨密度測定方法の1実施形態について図3〜図8を用いて説明する。図3は本発明に係る骨密度測定を説明するフローチャート図である。図4は本発明に係る骨密度測定治具10を用いて被写体を撮影したときに表示される画像を説明する図である。図5、図6はCT画像から検量線を得る手順と被写体の骨密度を求める手順を説明する図およびグラフである。
【0032】
本発明の実施形態に係る骨密度測定法におけるステップ1において、上述した骨密度測定用治具10内に被写体を収め、図2で説明した高分解能CT装置の回転ステージ35に取り付けた上で、回転ステージ35を回転させながらX線検出器37でX線透過像を検出し、各回転角度毎のX線透過像を中央制御装置で収集する。
【0033】
ステップ2においては、ステップ1収集された透過画像をCT画像再構成アルゴリズムによりCT画像を作成する。得られた画像をディスプレイ装置に表示させると、図4に示すように骨密度測定用治具10納められた状態の被写体20の画像である。即ち、CT計測有効視野51内に骨密度測定治具10の外容器11の像52、較正用ファントム12の像53および被写体20の像60が表示される。
【0034】
表示された画像中の画素は吸収係数値に比例した輝度で表示され実際の被写体像の各点は吸収係数の差に応じて濃淡のコントラストを持っているが図5では一様な白レベルの画像として簡略化して図示している。
【0035】
ステップ3においては、検量線作成ソフトを起動し3−1〜3−3のステップを繰り返し検量線を作成する。図5は本発明内係る検量線作成ソフトの1実施形態の表示画面である。本ソフトを起動すると、第1の基準データ測定領域70が1つCT画像上に表示される。表示された基準データ測定領域70は画像上表示された較正用ファントム像53の何れかを操作装置43で指定すると、較正用ファンム像53の中央に80%直径で設定され、その領域の吸収係数の平均値Xaが算出される。操作装置43からその較正用ファントムの既知の骨密度データYaを入力し吸収係数データと骨密度のデータ対(X1,Y1)を中央制御装置41に記憶装置に保存する。第1の基準データ測定領域70に対する吸収係数データと骨密度のデータ対が確定すると、第2、第3の基準データ測定領域70が1づつCT画像上に表示され同様な手順で全ての較正用ファントム12に関する吸収係数と骨密度のデータ対(X1,Y1),・・・・(Xn,Yn),・・・が保存される。ここで、nは正の整数で最大値は標準ファントム本数に一致する。
【0036】
マイクロフォーカスX線装置では被写体のX線吸収特性に合わせ適宜X線管電圧が調整されるので吸収係数の測定値XnはCT計測時のX線条件での吸収係数に比例している。
【0037】
X線吸収係数は骨密度は比例するため、ステップ3で得た吸収係数と骨密度のデータ対をXY面にプロットし直線でむすぶことにより、骨密度の検量線となることは容易に理解できる。しかし、検出器に入射するX線強度はX線の持つ光子の統計変動による量子雑音および測定回路の雑音等により実測された吸収係数はこれらの雑音による揺らぎが含まれる。ステップ4においてはこれら雑音の影響を除くため、図6で示すように、上記でプロットされた(X1,Y1),・・・・(Xn,Yn),・・・の最小二乗法による近似直線を求めこれを検量線とする。
【0038】
第5のステップでは図7に示すように被写体のCT画像上で骨密度を測定したい位置に関心領域71を設定し、その領域内の平均吸収係数Xを算出する。
【0039】
第6のステップでは第5のステップで得た平均吸収係数Xを第4ステップで得た検量線グラフにより骨密度を算出する。図8は被写体のCT画像上で設定した位置について得られた平均吸収係数Xを検量線から骨密度を算出する原理を説明したものである。
【0040】
図8において検量グラフにおいて横軸上に測定値Xを設定すると、X点に対応した検量線上の座標点(X,Y)が決まる、この座標点のY座標値が求める骨密度である。
【0041】
以上説明した実施形態によれば、次に示す効果がある。
(1)マイクロフォーカスX線管を使用した高分解能X線CT装置を使用することにより微細構造をもつ摘出骨のX線吸収係数を的確に描出すると同時に、皮質骨のX線吸収係数と同等またはそれより高いX線吸収係数を持つ材質でできた外容器で被写体を取り囲むことにより、容器内に収納した被写体に入射する低エネルギX線および被写体で散乱散乱された低エネルギX線に対してフィルター効果を発揮させ、ビームハードニング効果によるCT装置で計測されたX線吸収係数の不均一性を軽減することができる。
【0042】
(2)被写体と同時に計測した、既知の骨密度をもつファントムのX線吸収係数測定値から検量線を作成することにより、被写体寸法による微小なX線吸収係数の変動分を補償た骨密度値を測定できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は高分解能でかつ多様な大きさ、形状の被写体に対応可能なX線CTによる骨密度評価器具を提供することができる。
また、上記骨密度評価器具を用いて高分解能でかつ多様な大きさ、形状の被写体に対応可能な骨密度評価システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る骨密度測定用治具を説明する斜視図である。
【図2】本実施形態に係る骨密度測定装置の構成図である。
【図3】本発明に係る骨密度測定を説明するフローチャート図である。
【図4】本発明に係る骨密度測定治具を用いて被写体を撮影したときに表示される画像を説明する図である。
【図5】本発明内係る検量線作成ソフトの1実施形態の表示画面である。
【図6】CT画像から検量線を得る手順と被写体の骨密度を求める手順を説明する図である。
【図7】被写体の骨密度を測定したい位置に関心を設定する1実施形態の表示画面である。
【図8】検量線により骨密度を算出する原理を説明する図。
【符号の説明】
10 骨密度測定用治具、11 外容器、12 較正用ファントム、13 空隙、20 被写体、30 スキャナ部、31 X線遮蔽壁、32 X線管、33 X線制御装置、34 X線フィルター、35 回転ステージ、36 回転ステージ制御装置 37 X線検出器、40 制御部 、41 中央制御装置、42 ディスプレイ装置、43 操作装置、51 CT計測有効視野、52 骨密度測定治具10の外容器11の像、53 較正用ファントム12の像、60 被写体20の像、70 基準データ測定領域、71 骨密度測定位置に設定された関心領域[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention provides a bone density evaluation instrument (phantom) for accurately measuring the bone density of micro-bones extracted from experimental animals and the like for the purpose of evaluating the efficacy of a therapeutic agent for various bone diseases such as osteoporosis caused by aging. And a bone density evaluation system using the same.
[0002]
[Prior art]
A conventional X-ray CT apparatus obtains an X-ray transmission image of a subject using X-rays having an X-ray tube voltage of 120 kV, obtains a line absorption coefficient (hereinafter simply referred to as an absorption coefficient) for each part of the subject with respect to X-rays, and is proportional to the absorption coefficient. The value is displayed as a grayscale image. Bone tissue is a compound of calcium and phosphorus whose chemical composition is known and has a mass absorption coefficient inherent to bone tissue. Conversely, the density of bone can be known by dividing the pixel value, ie, the absorption coefficient value, included in the bone image region drawn by the CT apparatus by the mass absorption coefficient specific to bone tissue.
[0003]
As described in [Non-Patent Document 1], a pQCT (peripheral Quantitative Computed Tomography) apparatus is used as a bone diagnostic method applying this principle.
[0004]
[Non-patent document 1]
http: // www. med. nagasaki-u. ac. jp / radiology / bmd-4. html
[0005]
Further, the X-ray CT apparatus uses an X-ray tube as an X-ray source, and since the X-ray obtained from the X-ray tube has a continuous spectrum, low X-rays included in the X-ray spectrum as the X-ray passes through the subject. It has a so-called beam hardening effect in which the ratio of energy components decreases and the average value of X-ray energy increases. The X-ray absorption coefficient of the central part of the subject measured by the CT apparatus is lower than that of the peripheral part due to the beam hardening effect, or the absorption coefficient value changes depending on the dimensions of the subject.
[0006]
In addition, as a method of measuring a bone density absorption coefficient of a resected bone having a microstructure using a CT apparatus, a high-resolution CT apparatus using a microfocus X-ray tube is used. Several types of phantoms filled with a material with high density were measured (each phantom was adjusted so that the bone density equivalent to the corpus cavernosum was different), and a calibration curve between the measured X-ray absorption coefficient and bone density was obtained. Thus, a method of converting the measured absorption coefficient of a bone sample to be inspected into a bone density based on the above calibration curve has been attempted. (See Patent Document 1)
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-11-155852 [Problems to be solved by the invention]
In order to avoid the influence of the beam hardening, in the pQCT apparatus, the measurement site is limited to an arm having relatively small individual differences in shape and size. Further, in QCT software using a medical CT device, a device is devised such that a measurement site is limited to the spinal cord, measurement is performed together with a calibration phantom, and a measurement error due to individual differences is corrected. On the other hand, the size of the extirpated bone varies from several mm to several cm, and the shape of the sample is not constant, so that no measure is taken to limit the measurement site as performed by the pQCT apparatus or QCT software. .
[0008]
Further, in order to accurately measure the absorption coefficient of a portion having a fine structure such as a reticular bone, a resolution of a detector corresponding to the fine structure of a subject is required.
However, the resolution of a pQC device or a medical CT device is about several hundreds of micrometers, and the absorption coefficient of an extirpated bone including tens of reticular bones cannot be measured correctly.
[0009]
Further, the method of [Patent Document 1] solves the problem of insufficient resolution of a medical CT apparatus, but is limited to subjects whose dimensions, shape, and structure of a sample to be measured can approximate a phantom shape. It cannot be applied to the comparison of bone density.
[0010]
An object of the present invention is to provide a bone density evaluation instrument by X-ray CT which has a high resolution and can cope with subjects of various sizes and shapes.
[0011]
It is still another object of the present invention to provide a bone density evaluation system capable of coping with a subject having a high resolution and various sizes and shapes by using the bone density evaluation instrument.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The object is to provide a container made of a material having an X-ray absorption coefficient higher than at least the same as that of cortical bone, and a plurality of bone density evaluations of known X-ray absorption coefficients attached to be contained in the container. And a space for accommodating a subject in the container along any one of these members.
[0013]
An X-ray source for irradiating the subject with X-rays; an X-ray detector arranged to face the X-ray source and detecting projection data of the subject; and rotating the X-ray source and the X-ray detector. A scanner unit for scanning, the scanner unit irradiates X-rays from the X-ray source to the subject from multiple directions, obtains projection data from multiple directions by the X-ray detector, and obtains the obtained multiple directions. Means for calculating an X-ray absorption coefficient of the subject from the projection data, a bone density evaluation device by X-ray CT according to claim 1, and a predetermined member among arbitrary members of the bone density evaluation device. Means for generating a bone density calibration curve of a subject accommodated in the density evaluation instrument.
Further, the present invention is achieved by providing means for calculating a bone density amount of the subject based on a bone density calibration curve generated by the generating means.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. In the description of the drawings, the same elements will be denoted by the same reference symbols, without redundant description.
[0015]
First, an embodiment of a bone density measuring jig 10 according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 1 is a perspective view illustrating a bone density measuring jig 10 according to the present embodiment. The bone density measuring jig 10 includes an outer container 11, a plurality of calibration phantoms 12 attached to the inner wall of the outer container 11, and an object for accommodating a subject along any one of the calibration phantoms 12. It is composed of a gap 13.
[0016]
The outer container 11 is made of a material having an X-ray absorption coefficient equal to or higher than the X-ray absorption coefficient of cortical bone, for example, 0.2 mm thick aluminum or 0.1 mm thick copper. This is a seamless pipe-shaped container that exerts a filter effect on scattered X-rays generated from the stored subject and prevents the non-uniform container image from overlapping the X-ray transmission image of the bone sample stored inside. . The diameter of the container may be sufficient to accommodate the extirpated bone as a subject. For example, when the femur of a rat or a mouse is targeted, the diameter is 6 mm to 10 mm.
[0017]
The plurality of calibration phantoms 12 attached to the outer container 11 have a columnar shape having a diameter of about 10% of the inner diameter of the outer container. The plurality of calibration phantoms must each have an X-ray absorption coefficient corresponding to a known and different bone density.
[0018]
It is desirable for the calibration phantom having the highest bone density to have a bone density higher than the maximum bone density expected to be possessed by the subject, if possible. It is desirable that the calibration phantom having the minimum bone density has a bone density lower than the minimum bone density expected to be possessed by the subject, if it can be achieved. The bone density of other calibration phantoms has an intermediate value between the above bone density values.
[0019]
A calibration phantom having a known bone density simulates a component ratio of bone tissue obtained by mixing hydroxyapatite, carbon powder and a binder so as to have a predetermined density by the method described in, for example, Japanese Patent No. 3300690. What is done is used.
[0020]
Next, an embodiment of a bone density measuring apparatus in which the bone density measuring jig 10 according to the present invention is combined with a high-resolution μ-focus X-ray CT apparatus will be described with reference to FIG. FIG. 3 is a configuration diagram of the bone density measuring device according to the present embodiment. The bone density measuring device includes a CT scanner unit 30 and a control unit 40. The subject 20 is housed in a bone density measuring jig 10 and attached to a rotating stage 35 of the CT scanner unit.
[0021]
In FIG. 2, of the CT devices used to obtain a high-resolution CT image of a small sample, except that a bone density calculation function is incorporated in a central control device denoted by reference numeral 41 among the components denoted by reference numerals 30 to 43. It is an example and not specific to the present invention.
[0022]
Hereinafter, the function of each element for obtaining a CT image of the subject 20 stored in the bone density measuring jig 10 will be briefly described.
[0023]
Each element constituting the scanner unit 30 is incorporated in a measurement room surrounded by an X-ray shielding material wall 31. An X-ray tube 32, an X-ray tube controller 33, an X-ray filter 34, a rotary stage 35, a rotary stage controller 36, an X-ray detector 37, and the like are provided in the measurement room of the scanner unit 30. The bone sample 20 to be a subject is housed in the above-mentioned measuring jig 10 and attached on the rotating stage 35. The control unit 40 includes a central control device 41, a display device 42, and an operation device 43 such as a keyboard and a mouse for operating the central control device such as a keyboard and a mouse.
[0024]
The X-ray tube used in the scanner unit 30 projects a sharp X-ray image of the fine structure of the small sample on the rotating stage 35 onto the detection device 37. A microfocus X-ray tube is suitable.
[0025]
Assuming that the center axis of the X-ray beam (the line from the focal point of the X-ray tube to the center of the detector) is the Y axis, the rotary stage has a rotation axis orthogonal to the Y axis direction (hereinafter referred to as the Z axis). The orthogonal plane includes the Y-axis direction.
Hereinafter, the description will proceed with the direction of the right-handed rectangular coordinate system with respect to the Y and Z axis directions defined above as the X axis direction.
The rotary stage is generally a mechanism that can move in the Y-axis direction so that a projected image of the subject is projected in an appropriate size within the effective field of view of the X-ray detector, and the Z-axis so that the measurement surface of the subject matches the XY plane height. It has a mechanism that can move up and down in the direction, a subject position adjustment mechanism for keeping the subject within the effective field of view for CT measurement, and the like.
[0026]
As the X-ray detector 37, a line sensor, an X-ray image intensifier, a flat panel, or the like is used. In the line sensor, one-dimensional transmission image data in the X-axis direction including the beam center located at the position in the X-axis direction on the XY plane including the beam center axis is used for the CT image reconstruction calculation.
[0027]
When a two-dimensional sensor such as an X-ray image intensifier is used, two-dimensional projection data on an XZ plane including a beam center is captured based on the principle of the con-beam CT described in Japanese Patent Application Laid-Open No. H8-24248, and the con-beam CT is used. It is used for image reconstruction calculation based on the principle of.
[0028]
The central control unit 41 of the control unit 40 controls the operation of the X-ray tube 32 and the rotary stage 35 via the X-ray control unit 33 and the rotary stage control unit 36 of the scanner unit 30 and simultaneously transmits the object 20 on the rotary stage. X-ray projection data of a subject detected and output by the X-ray detector 37 is collected, and a CT image reconstruction algorithm is applied to the projection data (in the case of using a two-dimensional sensor, the principle of con-beam CT image reconstruction is used. Use.) Create a tomographic image of the subject. Each pixel of the CT image thus obtained has a value corresponding to the absorption coefficient corresponding to each point of the subject 20.
[0029]
As described above, the high-resolution microfocus CT apparatus described with reference numerals 30 to 43 in FIG. 2 moves the rotary stage 35 in the Y-axis direction, and obtains an X-ray detector 37 so that an appropriate resolution and a visual field can be obtained according to the size of the subject. The X-ray tube voltage can be freely set within a range of about 60 kV to 150 kV so that an image of a subject can be projected at an arbitrary magnification rate, and X-ray energy having an optimum X-ray transmittance according to the material thickness of the subject can be selected. Has an adjustable structure. This is a point that, in terms of quantitatively treating the X-ray absorption coefficient, is significantly different from a medical X-ray CT apparatus in which the X-ray tube focus-subject-detector tube distance is fixed and the tube voltage is fixed at 120 kV.
[0030]
The central controller 41 can also display the obtained CT image on the display device 42 as a grayscale image corresponding to the absorption coefficient. Further, in order to calculate the bone density according to the present invention, a bone density calibration curve is created and a bone sample is created based on the image of the bone sample of the subject 20 and the image of the calibration phantom 12 placed in the bone density measurement jig 10. Software for calculating the bone density at the specified site is incorporated.
For details of the method of obtaining a bone density calculation CT image of a subject, creating a bone density calibration curve, and specifying a bone density evaluation area on the obtained subject CT image and calculating the average bone density for that area, It will be described later.
[0031]
Next, an embodiment of the bone density measuring method according to the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 3 is a flowchart illustrating the bone density measurement according to the present invention. FIG. 4 is a diagram illustrating an image displayed when a subject is photographed using the bone density measurement jig 10 according to the present invention. 5 and 6 are diagrams and graphs for explaining a procedure for obtaining a calibration curve from a CT image and a procedure for obtaining a bone density of a subject.
[0032]
In step 1 of the bone density measurement method according to the embodiment of the present invention, the subject is placed in the above-described bone density measurement jig 10 and attached to the rotating stage 35 of the high-resolution CT apparatus described with reference to FIG. An X-ray transmission image is detected by the X-ray detector 37 while rotating the rotary stage 35, and an X-ray transmission image for each rotation angle is collected by the central controller.
[0033]
In step 2, a CT image is created from the acquired transmission image in step 1 by a CT image reconstruction algorithm. When the obtained image is displayed on the display device, as shown in FIG. 4, it is an image of the subject 20 in a state where the jig 10 for measuring bone density is contained. That is, an image 52 of the outer container 11 of the bone density measuring jig 10, an image 53 of the calibration phantom 12, and an image 60 of the subject 20 are displayed in the CT measurement effective visual field 51.
[0034]
The pixels in the displayed image are displayed with a luminance proportional to the absorption coefficient value, and each point of the actual subject image has a contrast of light and shade according to the difference of the absorption coefficient. It is shown in a simplified form as an image.
[0035]
In step 3, the calibration curve creation software is started, and the steps 3-1 to 3-3 are repeated to create a calibration curve. FIG. 5 is a display screen of one embodiment of the calibration curve creation software according to the present invention. When this software is started, one first reference data measurement area 70 is displayed on the CT image. When one of the calibration phantom images 53 displayed on the image is designated by the operation device 43, the displayed reference data measurement region 70 is set at the center of the calibration phantom image 53 with an 80% diameter, and the absorption coefficient of the region is set. mean values X a of is calculated. To save the operation unit 43 to the storage device known type the bone density data Y a absorption coefficient data and the data pairs of bone density (X 1, Y 1) to the central control unit 41 of the calibration phantom. When the data pair of the absorption coefficient data and the bone density for the first reference data measurement region 70 is determined, the second and third reference data measurement regions 70 are displayed one by one on the CT image, and all calibration data are obtained in the same procedure. Data pairs (X 1 , Y 1 ),... (X n , Y n ) of the absorption coefficient and the bone density for the phantom 12 are stored. Here, n is a positive integer and the maximum value corresponds to the standard number of phantoms.
[0036]
In a microfocus X-ray apparatus, the measured value Xn of the absorption coefficient is proportional to the absorption coefficient under X-ray conditions during CT measurement because the X-ray tube voltage is appropriately adjusted according to the X-ray absorption characteristics of the subject.
[0037]
Since the bone density of the X-ray absorption coefficient is proportional to the bone density, it can be easily understood that a data curve of the absorption coefficient and the bone density obtained in step 3 is plotted on an XY plane, and a straight line is drawn to obtain a calibration curve of the bone density. . However, the intensity of the X-rays incident on the detector includes fluctuations due to quantum noise due to statistical fluctuation of photons of the X-rays and the absorption coefficient actually measured due to noise in the measurement circuit. In step 4, as shown in FIG. 6, the minimum two of (X 1 , Y 1 ),... (X n , Y n ),. An approximate straight line is obtained by the multiplicative method and is used as a calibration curve.
[0038]
In the fifth step, as shown in FIG. 7, a region of interest 71 is set at the position where the bone density is to be measured on the CT image of the subject, and the average absorption coefficient X in that region is calculated.
[0039]
In the sixth step, the bone density is calculated from the average absorption coefficient X obtained in the fifth step using the calibration curve graph obtained in the fourth step. FIG. 8 illustrates the principle of calculating the bone density from the calibration curve of the average absorption coefficient X obtained at the position set on the subject CT image.
[0040]
In FIG. 8, when the measurement value X is set on the horizontal axis in the calibration graph, a coordinate point (X, Y) on the calibration curve corresponding to the point X is determined. The Y coordinate value of this coordinate point is the bone density to be obtained.
[0041]
According to the embodiment described above, the following effects can be obtained.
(1) By using a high-resolution X-ray CT apparatus using a microfocus X-ray tube, the X-ray absorption coefficient of an extirpated bone having a fine structure can be accurately depicted, and at the same time as the X-ray absorption coefficient of cortical bone or By surrounding the subject with an outer container made of a material having a higher X-ray absorption coefficient, it is possible to filter low energy X-rays incident on the subject contained in the container and low energy X-rays scattered and scattered by the subject. This makes it possible to reduce the non-uniformity of the X-ray absorption coefficient measured by the CT apparatus due to the beam hardening effect.
[0042]
(2) A bone density value compensated for a minute variation in the X-ray absorption coefficient due to the size of the subject by creating a calibration curve from the measured values of the X-ray absorption coefficient of a phantom having a known bone density measured simultaneously with the subject. Can be measured.
[0043]
【The invention's effect】
The present invention can provide a bone density evaluation instrument using X-ray CT that can handle subjects of various sizes and shapes with high resolution.
In addition, it is possible to provide a bone density evaluation system which is capable of responding to subjects having high resolution and various sizes and shapes by using the bone density evaluation instrument.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view illustrating a jig for measuring bone density according to an embodiment.
FIG. 2 is a configuration diagram of a bone density measurement device according to the present embodiment.
FIG. 3 is a flowchart illustrating a bone density measurement according to the present invention.
FIG. 4 is a diagram illustrating an image displayed when a subject is photographed using the bone density measurement jig according to the present invention.
FIG. 5 is a display screen of one embodiment of calibration curve creation software according to the present invention.
FIG. 6 is a diagram illustrating a procedure for obtaining a calibration curve from a CT image and a procedure for obtaining a bone density of a subject.
FIG. 7 is a display screen according to an embodiment for setting an interest in a position where the bone density of a subject is to be measured.
FIG. 8 is a view for explaining the principle of calculating bone density using a calibration curve.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 10 Jig for bone density measurement, 11 outer container, 12 calibration phantom, 13 gap, 20 subject, 30 scanner unit, 31 X-ray shielding wall, 32 X-ray tube, 33 X-ray controller, 34 X-ray filter, 35 Rotating stage, 36 Rotating stage controller 37 X-ray detector, 40 controller, 41 Central controller, 42 Display device, 43 Operating device, 51 CT measurement effective visual field, 52 Image of outer container 11 of bone density measuring jig 10 53, image of calibration phantom 12, 60 image of subject 20, 70 reference data measurement region, 71 region of interest set at bone density measurement position