JP2004275300A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技機本体に対して前扉枠を閉じる際に、遊技球を遊技機本体へ挟み込むことを防止できるようにした遊技機を得る。
【解決手段】本体枠12に対して前扉枠13を開閉可能に支持するための支持金具82、本体枠12の遊技領域より下方位置に突設された遮蔽板161、下部段差面165、及び前面板14の上面平坦部167は、前扉枠13を開放した際に、遊技領域より下方に配置された段差部として存在する。これら支持金具82、遮蔽板161、下部段差面165及び上面平坦部167は、その上面を手前に傾斜する傾斜面とされている。従って、前扉枠13の開放時に遊技領域から落下した遊技球が前記各段差部に至っても傾斜面に沿って落下していくため、前扉枠13の閉鎖時に前扉枠13と本体枠12との間に遊技球を挟み込むおそれがなくなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコ遊技機等の弾球遊技機では、外枠,本体枠,遊技盤等からなる遊技機本体と、その遊技機本体の前面側に配置される前面扉とを備えている。そして、遊技盤の前面側には遊技領域が形成され、遊技球発射ハンドルを操作すると遊技球が遊技領域に向けて発射されるようになっている。遊技領域には入賞口,入賞装置等の各種遊技機器が設けられ、遊技領域に沿って遊技球が落下していく様子やその途中で入賞装置等に入賞する様子を遊技者に楽しませるようになっている。
【0003】
前面扉は遊技機本体の一側部を軸として開閉可能とされており、遊技領域の途中で遊技球が詰まった場合等の不具合があると、遊技ホールの店員が前面扉を開放してその球詰まりを解消するサービスを行なう。ここで、遊技機本体における前面扉の下端と対応する位置には、前面扉の収まりをよくするために、手前側への段差部が形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−346165号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記従来の遊技機においては、前面扉を開放すると、遊技領域内の遊技球が落下し、前面扉の下端部に対応した遊技機本体の段差部上に停留してしまうことがあった。遊技球が前記段差部に停留している状態で前面扉を閉じると、遊技機本体と前面扉との間に遊技球を挟み込んでしまうおそれがあるため、店員は段差部に停留している遊技球を取り除く作業を行なった上で前面扉を閉じるようにしている。従って、店員がいちいち段差部に遊技球が停留しているか否かを確認したり、停留している遊技球を取り除く作業をしなければならず、店員の負担が大きく、また遊技者にとってもその作業中を含めて遊技が中断されるため遊技に対する集中力が損なわれる可能性がある。
【0006】
また、店員が段差部に停留している遊技球に気が付かなかったり、そのような遊技球の存在を確認する手間を怠った場合には、遊技機本体と前面扉との間に遊技球を挟み込んでしまい、遊技機本体や前面扉が破損するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機本体に対して前面扉を閉じる際に、遊技機本体の段差部に停留する遊技球が遊技機本体と前面扉との間に挟み込まれることを防止することを主たる目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0009】
手段1.遊技球が落下する遊技領域が形成された遊技盤と、
該遊技盤を支持する遊技機本体と、
該遊技機本体の一側部にて開閉可能に支持され、閉鎖された際には前記遊技領域の手前側に配置されて当該遊技領域を落下する遊技球が手前に落下しないように被覆する前面扉と
を備え、遊技機本体には、該前面扉が閉鎖された状態で前面扉下端と対応する位置に手前側への段差部が形成されてなる遊技機において、
前記遊技機本体に対して前記前面扉を閉じる際、前記段差部に至る遊技球が遊技機本体と前面扉との間で挟み込まれることを防止するための挟み込み防止手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0010】
手段1によれば、遊技領域において球詰まり等が発生した場合に遊技ホールの店員が前面扉を開放してその球詰まりを解消するサービスを行なうとき、遊技球が落下して段差部に遊技球が至っても、前面扉の閉鎖時に挟み込み防止手段によって遊技機本体との間に遊技球が挟み込まれるのを防止することができる。従って、店員がいちいち段差部に遊技球が停留しているか否かを確認したり、停留している遊技球を取り除く作業をしなくてもよいし、遊技機本体や前面扉が破損するおそれも低減される。
【0011】
手段2.遊技球が落下する遊技領域が形成された遊技盤と、
該遊技盤を支持する遊技機本体と、
該遊技機本体の一側部にて開閉可能に支持され、閉鎖された際には前記遊技領域の手前側に配置されて当該遊技領域を落下する遊技球が手前に落下しないように被覆する前面扉と
を備え、遊技機本体には、前面扉の下端において当該前面扉を開閉可能に支持する支持部材を設けた遊技機において、
前記遊技機本体に対して前記前面扉を閉じる際、前記支持部材に至る遊技球が遊技機本体と前面扉との間で挟み込まれることを防止するための挟み込み防止手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0012】
手段2によれば、遊技領域において球詰まり等が発生した場合に遊技ホールの店員が前面扉を開放してその球詰まりを解消するサービスを行なうとき、遊技球が落下して前面扉を開閉可能に支持する支持部材に遊技球が至っても、前面扉の閉鎖時に挟み込み防止手段によって遊技機本体との間に遊技球が挟み込まれるのを防止することができる。従って、店員がいちいち支持部材に遊技球が停留しているか否かを確認したり、停留している遊技球を取り除く作業をしなくてもよいし、遊技機本体や前面扉が破損するおそれも低減される。
【0013】
手段3.遊技球が落下する遊技領域が形成された遊技盤と、
該遊技盤を支持する遊技機本体と、
該遊技機本体の一側部にて開閉可能に支持され、閉鎖された際には前記遊技領域の手前側に配置されて当該遊技領域を落下する遊技球が手前に落下しないように被覆する前面扉と
を備えた遊技機において、
前記遊技機本体には、前記遊技領域の直下位置において遮蔽板を設けることにより、遮蔽板下方から遊技領域への不正部材の侵入を阻止する構成とし、
前記遊技機本体に対して前記前面扉を閉じる際、前記遮蔽板に至る遊技球が遊技機本体と前面扉との間で挟み込まれることを防止するための挟み込み防止手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0014】
手段3によれば、遊技領域において球詰まり等が発生した場合に遊技ホールの店員が前面扉を開放してその球詰まりを解消するサービスを行なうとき、遊技球が落下して遮蔽板に遊技球が至っても、前面扉の閉鎖時に挟み込み防止手段によって遊技機本体との間に遊技球が挟み込まれるのを防止することができる。従って、店員がいちいち段差部に遊技球が停留しているか否かを確認したり、停留している遊技球を取り除く作業をしなくてもよいし、遊技機本体や前面扉が破損するおそれも低減される。
【0015】
手段4.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記挟み込み防止手段は、前記段差部(手段1)、支持部材(手段2)、遮蔽板(手段3)の上面に至る遊技球が当該上面に停留しないように構成した停留防止手段であることを特徴とする遊技機。
【0016】
手段4によれば、遊技球が段差部等の上面に至る遊技球がその位置に停留しないように構成することで、遊技球が遊技機本体と前面扉との間に挟み込まれるのを防止することができる。
【0017】
手段5.手段4において、停留防止手段は、前記段差部(手段1)、支持部材(手段2)、遮蔽板(手段3)の上面に形成した傾斜部により構成され、その傾斜部に沿って遊技球が当該上面から退避されることで当該上面に遊技球が停留されるのを防止したものであることを特徴とする遊技機。
【0018】
手段5によれば、段差部等の上面に傾斜部を設けるという簡易な手段によって遊技球の停留を防止できるため、停留防止のための構成が簡易になってコスト低減を図ることができる。
【0019】
手段6.手段5において、前記傾斜部は、手前側に傾斜されていることを特徴とする遊技機。
【0020】
手段6によれば、段差部等の上面に至った遊技球は手前側に案内されることから、遊技球が遊技機内部に入り込むおそれがない。
【0021】
手段7.遊技球が落下する遊技領域が形成された遊技盤と、
該遊技盤を支持する遊技機本体と、
該遊技機本体の一側部にて開閉可能に支持され、閉鎖された際には前記遊技領域の手前側に配置されて当該遊技領域を落下する遊技球が手前に落下しないように被覆する前面扉と
を備え、遊技機本体には、前面扉の下端において当該前面扉を開閉可能に支持する支持部材を設けた遊技機において、
前記支持部材は、前記前面扉の下端に挿入されて開閉軸を構成する突起軸と、その突起軸を支持する支持板とを備え、
前記支持板の上面は、突起軸の支持部分を略水平面としかつその他の部分を支持板外へ遊技球を導く傾斜面とされていることを特徴とする遊技機。
【0022】
手段7によれば、遊技領域において球詰まり等が発生した場合に遊技ホールの店員が前面扉を開放してその球詰まりを解消するサービスを行なうとき、遊技球が落下して前面扉を開閉可能に支持する支持部材の上面に遊技球が至っても、傾斜面に沿って遊技球が支持部材外へ導かれるので、遊技機本体と前面扉との間に遊技球が挟み込まれるのを防止することができる。従って、店員がいちいち支持部材の上面に遊技球が停留しているか否かを確認したり、停留している遊技球を取り除く作業をしなくてもよいし、遊技機本体や前面扉が破損するおそれも低減される。しかも、支持部材の上面のうち前面扉を支持する突起軸については略水平面上に形成されているため、軸がずれてしまうおそれがなく、開閉軸線を上下方向に維持できる。
【0023】
手段8.手段7において、前記傾斜面は、手前側に傾斜されていることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段8によれば、支持部材の上面に至った遊技球は手前側に案内されることから、遊技球が円滑に支持部材外へ導かれる。
【0025】
手段9.手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記前面扉の下部には、遊技球の払出を受けるとともに遊技球の発射位置へ導く球受皿を一体に設けたことを特徴とする遊技機。
【0026】
手段9によれば、前面扉の下部に球受皿を有しているため、前面扉の開閉時の慣性力が高まるが、上記のように遊技球の挟み込みが防止されるため、前面扉等の破損防止効果が一層高められる。
【0027】
手段10.遊技球が落下する遊技領域が形成された遊技盤と、
該遊技盤を前記遊技領域が前面側に露出するように支持する遊技機本体と、
該遊技機本体の一側部にて開閉可能に支持され、閉鎖された際には前記遊技領域の手前側に配置される前面扉と
を備え、
前記前面扉には、遊技領域を視認可能とする視認窓が形成されるとともに、その視認窓の下部に遊技球の払出を受けるとともに遊技球を発射位置へ導く球受皿を一体に設け、
前記遊技機本体には、前記前面扉の下端において当該前面扉を開閉可能に支持する支持金具を設け、
前記支持金具は、前記前面扉の下端に挿入されて開閉軸を構成する突起軸と、その突起軸を支持する支持板とを備え、
該支持板の上面は、前記突起軸の支持部分を略水平面とし、かつそれよりも横方向内側を手前に傾斜させた傾斜面としたことを特徴とする遊技機。
【0028】
手段10によれば、遊技領域において球詰まり等が発生した場合に遊技ホールの店員が前面扉を開放してその球詰まりを解消するサービスを行なうとき、遊技球が落下して前面扉を開閉可能に支持する支持部材の上面に遊技球が至っても、傾斜面に沿って遊技球が手前に案内されて支持部材外へ円滑かつ即座に導かれるので、遊技機本体と前面扉との間に遊技球が挟み込まれるのを防止することができる。従って、店員がいちいち支持部材の上面に遊技球が停留しているか否かを確認したり、停留している遊技球を取り除く作業をしなくてもよいし、遊技機本体や前面扉が破損するおそれも低減される。しかも、支持部材の上面のうち前面扉を支持する突起軸については略水平面上に形成されているため、軸がずれてしまうおそれがなく、開閉軸線を上下方向に維持できる。
【0029】
特に、遊技領域を拡張する場合には前面扉の視認窓が大きくなって前面扉の剛性が低くなってしまうが、本手段では前面扉の下部に球受皿を一体に設けて下部剛性を高めているので、前面扉の開閉時に当該扉が変形してしまうおそれを回避し得る。ただし、この場合には前面扉の重量が高くなることも相俟って当該扉の開閉時の慣性力が高くなり、万一遊技球を挟み込んでしまうと、開閉軸部分が破損してしまうおそれが高い。特に、開閉軸近傍、すなわち支持金具上での球の挟み込みは開閉軸部分に与えるダメージが大である。この点、本手段によれば、支持金具上での遊技球の挟み込みが防止されるので、遊技領域を拡張した遊技機において非常に効果が高い。
【0030】
手段11.手段10において、前記遊技機本体には、前記前面扉が閉鎖された状態で前面扉下端と対応する位置に手前側への段差部を形成することにより、前面扉の閉鎖時に前面側を遊技機本体の下部表面と前面扉の表面とがほぼ面一となるように構成されており、前記段差部に対応して前記支持金具の支持板が設置されていることを特徴とする遊技機。
【0031】
手段11においては、支持金具の支持板が段差部に設けられることから、前面扉の開放時には遊技領域から支持板上に遊技球が至りやすい。しかし、本手段によれば、手段10に示した構成により支持板上に遊技球が停留することはない。
【0032】
手段12.手段10又は11において、前記支持金具には前記前面扉が一定以上開放されると該前面扉と当接してそれ以上の開放を阻止するストッパを設け、該ストッパを前記突起軸よりも横方向外側に配置したことを特徴とする遊技機。
【0033】
手段12によれば、ストッパの存在により、前面扉が一定以上開放されてしまい、隣接する遊技者に干渉するといった不具合が解消される。そして、そのストッパは突起軸よりも横方向外側に設けられているので、前面扉の開放時にストッパ側に遊技球が至る心配は殆どなく、ストッパに当接するまで前面扉を確実に開放させることができる。しかも、ストッパを前面扉の支持金具に設けたので、ストッパとしての機能面でも優れるし、ストッパを支持金具の一部として折り曲げ形成すれば構成の簡素化も図ることができる。
【0034】
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
【0035】
遊技領域を拡張した遊技機:左右一側部側を中心に左右他側部側が開閉可能となるように構成され、遊技盤(遊技盤30)を支持した遊技機本体(本体枠12等)と、
前記遊技盤の前面に設けられたレール部材(レールユニット50)により略円形状に区画された遊技領域と、
前記遊技機本体の前面側にて前記左右一側部側を中心に前記左右他側部が開閉可能となるよう支持され、閉鎖状態において前記遊技領域を視認可能な視認窓(窓部101)を有した前面扉(前扉枠13)と
を備え、
前記遊技機本体の前記左右一側部には長尺状の補強部材(軸受け金具235)を上下方向へ延びるように設けるとともに、前記遊技機本体の前記左右他側部には前記遊技機本体及び前面扉の開放を禁止するように施錠する施錠装置(シリンダ錠91、連動杆248等)を設け、
該施錠装置は、遊技機本体の前記左右他側部に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材(連動杆248)と、遊技機本体の前記左右他側部のうち前記遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ前記連動部材を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材(シリンダ錠91)とを備え、該鍵部材の操作による前記連動部材の上下一方への移動により遊技機本体の施錠が解除されるとともに、前記連動部材の上下他方への移動により前記前面扉の施錠が解除されるように構成し、
前記遊技盤を前記遊技機本体の幅内において前記補強部材及び連動部材を左右に振り分けて配置するための領域を残した幅となるように形成するとともに、前記遊技盤の左右両側部には前記遊技機本体の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように部分的に凹部(切欠38)を形成し、さらに、前記レール部材のうち、前記遊技領域の最大幅となる位置を、遊技盤の左右端位置に至るように配設することにより、
遊技領域を拡張したことを特徴とする遊技機。
【0036】
弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ229等)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニット50の球案内通路)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、可変表示ユニット35等)とを備えた遊技機。
【0037】
可変表示装置を備えた弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ229等)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニット50の球案内通路)と、遊技領域内に配置された作動口(作動口33)、可変表示装置(第1図柄表示装置41)及び可変入賞装置(可変入賞装置32)とを備え、作動口への遊技球の入球を検知すると可変表示装置に表示される図柄を可変表示し、その停止時の図柄が特定図柄である場合に可変入賞装置を所定態様で開放させるようにした遊技機。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2,3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
【0039】
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用(リユース)が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
【0040】
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機10には右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。ABS樹脂を用いることにより、比較的低コストで耐衝撃性の高い本体枠12を得ることができる。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12とにより遊技機本体が構成される。
【0041】
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
【0042】
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。球抜きレバー19には球抜き穴を塞ぐ側へ球抜きレバー19を付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられ、球抜きレバー19の操作が解除された際には付勢部材の付勢力によって閉鎖板が球抜き穴の開放位置に復帰する構成となっている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
【0043】
ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。灰皿21は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられており、その右側面と背面とでベース部15に対面している。具体的な図示は省略するが、灰皿21の右側面には当該灰皿21を回動可能な状態で片持ち支持するための支軸が設けられ、同背面には灰皿21が図示のように上方に開口した位置でベース部15に係止される係止部が設けられている。前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。前面板14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。なお、灰皿21が近くに配置されている関係上、下皿16と奥壁パネル17とを構成する部位に関しては難燃性のABS樹脂を用い、仮に誤ってたばこ等を置いても燃えにくくなるよう構成することが好ましい。
【0044】
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。前扉枠14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。
【0045】
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
【0046】
本パチンコ機10では、ガラス扉枠と前飾り枠とを個別に設けこれらを前面枠(本実施の形態の本体枠に相当)に対して各々開閉可能とすると共に前飾り枠に上皿を設けていた従来構成と異なり、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13とし、前扉枠13に対して一体的に上皿23を設ける構成としている。この場合、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13としたため、当該前扉枠13においてガラス支持構造の強度向上が実現できる。つまり、本パチンコ機10では、遊技領域の拡張を目的とし、その遊技領域拡張に伴い大きめのガラス137を前扉枠13に搭載している。従って、ガラス周囲の枠部分が幅狭になり、強度低下の問題が懸念されるが、ガラス下方に上皿一体の枠部分を設けること等によりガラス支持構造の十分な強度が確保できる。なお、ガラス137の縦横寸法は、従来一般に405mm×405mmであったのに対し、本パチンコ機10では453mm×434mmとしている。
【0047】
また、前扉枠13は、少なくともその開閉の際に遊技球発射ハンドル18と干渉しないようにして下方に拡張されている。具体的な数値を示すと、パチンコ機下端から前扉枠13の下端までの寸法Laは、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機下端から上皿23の上端までの寸法Lbも小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では約261mmとなっている。ここで、上皿23の位置を下げたことにより、遊技ホールにおいてパチンコ機10左側に並設される球貸し装置のノズル先端との上下方向の距離が大きくなって貸球のこぼれ落ち等が懸念されるが、本実施の形態では、当該ノズルからの貸球排出部分となる左側部分において、膨出部22の壁面を他の壁面より高くした立ち上げ部22aを形成している。これにより、上皿23の位置を下げた構成にあっても貸球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。立ち上げ部22aの高さ寸法は上皿23の下げ寸法に見合うものであれば良く、その最大高さ寸法は本実施の形態では25mmとされている。
【0048】
なお、前扉枠13においては、上皿形成のための膨出部22が手前側に大きく膨出して設けられるが、上皿23より上方のそれ以外の部位(後述する環状電飾部102等)は、球貸し装置のノズルとの干渉を避けるべく手前側への膨出が制限されている。具体的には、外枠11からの手前側への寸法が45〜50mmに制限されている。
【0049】
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30は、従来と同様、上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている。
【0050】
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。アウト口36は、遊技盤30の下端略中央を逆U字状に切り欠いて形成されている。そのため、アウト口を穴状に形成していた従来構成に比べ、アウト口形成が容易となる(但し、図4では手前側にレールユニット50が重ねて設けられているため、アウト口36が閉じた状態で示されている)。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
【0051】
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
【0052】
前述したとおり、本パチンコ機10では上皿23の位置を下げられており、それに伴い上皿23の最下流部に設けた遊技球の取込口の位置も同様に下げられている。この場合、遊技球取込口が比較的高い位置にあった従来構成では、遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なり、遊技盤30には遊技球取込口に対応する切欠を設ける必要があったが、本パチンコ機10では、遊技球取込口を下げたことにより遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なることがなく、遊技球取込口用の切欠の形成が不要となる。故に、遊技盤30の製作工程上、有利な構成となる。
【0053】
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
【0054】
第1図柄表示装置41は8インチサイズの比較的大型の液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、8インチ以外の10インチ,7インチ等の液晶ディスプレイを備えたもの、ワイドサイズのディスプレイを備えたもの、又はCRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
【0055】
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。なお、表示部45は、複数のランプ(LED)を交互に点灯させることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置41(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。
【0056】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0057】
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、より具体的には、摩擦抵抗を低減するべくフッ素配合のポリカーボネート樹脂が用いられている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部52は内レール部51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。
【0058】
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
【0059】
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
【0060】
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。ここで、レールユニット50の上下及び左右の各端部は略直線状に形成されている。つまり、レールユニット50の上下及び左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。レールユニット50は、遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置に至るように配設されている。なお、レールユニット50の球案内通路に対応する部位のなかでも特に遊技球の受け入れ部位に関しては、当該レールユニット50を強固に取り付けて遊技球の飛びを安定させるべく、該当するフランジ56が他よりも多い箇所(本実施の形態では3カ所、他は2カ所)でネジ止めされている。
【0061】
内レール部51及び外レール部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。凸部57は、内レール部51の外周部から下方へ延びるように形成され、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路76(図3参照)に導く機能を有する。遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58a,58bが形成されている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。
【0062】
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
【0063】
次に、遊技領域について説明する。遊技盤30の盤面はレールユニット50(内外レール部51,52)により内外領域に区画され、略円形状に区画された内側領域が遊技領域とされている。特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0064】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て内レール部51及び外レール部52によって囲まれる領域のうち、内外レール部51,52の対向部分である球案内通路の領域を除いた領域として説明する。つまり、遊技領域は球案内通路部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール部52によってではなく内レール部51によって特定される。また、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定され、遊技領域の下側限界位置はアウト口36が形成された遊技盤30の下端位置によって特定され、遊技領域の上側限界位置は外レール部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
【0065】
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。すなわち、遊技領域の幅寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上又は480mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さ寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとすることができる。なお、遊技領域の幅又は高さが一定値以上となると、遊技領域の一部が遊技盤30の盤面を越えることも考えられるが、その越えた領域については他の部材を遊技盤面に沿って設けること等によって補えばよい。
【0066】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、本実施の形態のように従来と同様の大きさの遊技盤30を使用している前提下では相当に遊技領域を拡大しているといえる。なお、パチンコ機10の外形は遊技ホールへの設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。なお、80%以上を確保するには遊技領域の形状を略円形状とすることは困難となるため、隅部(例えば右下隅部や右上隅部)を拡張したような形状とすることが好ましい。
【0067】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0068】
遊技領域の拡張に関連して、可変表示ユニット35の両側に位置するスルーゲート34は、該ゲート34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の作動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。また、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、比較的大型の可変表示ユニット35を遊技領域中央に設けても、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34、風車37、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための三角釘等の誘導釘)、他の役物などを余裕をもって配設することができ、可変表示ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の流れが単調とならず、遊技球の挙動を存分に楽しませることができる。
【0069】
遊技盤30の左右両側部に切欠38が形成されて本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉が回避されていること、レールユニット50において遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置にまで至るようになっていることは既に述べたが、更に後述するように、本体枠12の左右両側部に設けられる補強部材(軸受け金具235:図9参照)と施錠装置(基枠247、連動杆248等:図9参照)とを配置するための領域を残した幅となるようにして本体枠12に遊技盤30が取り付けられている。これらのことからも、遊技領域の拡張が図られている。
【0070】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース25に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後球案内通路を通じて遊技領域に案内される。前述のとおり遊技領域が従来よりも大幅に拡張されたことにより、球案内通路の曲率は小さくなっているため、打出球を安定化させるための工夫が必要となる。そこで、本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くして発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、また発射レール61を遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成することで発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で球案内通路に案内できるようにしている。さらに打出球の安定化を図るべく、発射レール61を設置した金属板62を大型化すると共に該金属板62を多数箇所(本実施の形態では15〜20カ所)でネジ止めしており、これにより発射レール61が遊技盤30に対して強固に位置決めされている。
【0071】
発射レール61と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部のファール球通路76に通じる隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0072】
ファール球が球案内通路内を逆流してくる際、その多くは外レール部52に沿って流れ、外レール部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は球案内通路内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路76に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路76に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0073】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前扉枠13側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の発射基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材63,64を設置してある。これにより、前扉枠13側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には、基端部を中心に回動可能に支持された打球槌が設けられ、打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や槌シャフト部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(基端部と反対側の先端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果も得られる。
【0074】
また、本体枠12の前面において発射レール61の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
【0075】
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
【0076】
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
【0077】
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
【0078】
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図5に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
【0079】
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
【0080】
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
【0081】
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
【0082】
次に、前扉枠13について図1,図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、前扉枠13の背面図である。
【0083】
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になる形状であってもよい。前扉枠13の窓部101上方において、最も狭い部位のフレーム幅は約61mmである。本実施の形態における上記フレーム幅寸法は、本体枠12において外レール部52の最上部(遊技領域の上端)と本体枠12の上端との間の距離とほぼ一致するものであって、85mm〜95mm程度の上記フレーム幅を有する従来機種に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域における上部領域の視認性が確保されやすくなると共に、大型の可変表示ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。窓部101上方のフレーム幅(最狭部位)の寸法は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下としても差し支えない。
【0084】
前扉枠13の左右のフレーム部分は、フレーム幅を小さくするには制約があり、前扉枠13自体の強度及びガラス支持強度を確保するのに十分な幅寸法を必要とする。本実施の形態では、左右の各フレーム部分において最も狭い部位のフレーム幅を何れも約44mmとしている。この場合、本パチンコ機10にあっては遊技領域を大幅に拡張したことから、パチンコ機10の正面から見て左側すなわち開閉軸線側では、前扉枠13のフレーム幅が上記の通り約44mmとなるのに対し、レールユニット50の外レール部52の左端位置と本体枠12の左端位置との距離が約21mmとなり、後者の寸法がかなり小さいものとなっている。つまり本構成では、前扉枠13を閉鎖した状態において、球案内通路の一部が、前扉枠13の左側フレーム部分と重複し覆い隠されるようになる。しかしながら、球案内通路において遊技球が一時的に視認困難となったとしても、かかる球案内通路は遊技球が遊技領域に案内されるまでの通過領域に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。以上により、前扉枠13の十分な強度及びガラス支持強度を確保しつつも、遊技に何ら支障を及ぼすことなく遊技領域の拡張が可能となる。
【0085】
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
【0086】
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。なお、環状電飾部102は、内外二重の樹脂カバー層とその内側に収容された発射板付き発光体(LED)とよりなり、樹脂カバー層の各々の内側面には各層で縦横に交差する向きに突条(又は波状の突起)が設けられている。外側の樹脂カバー層は透明であり、内側の樹脂カバー層は有色である。従って、環状電飾部102を発光させれば、多数に分散化された状態、又は立体感を伴った状態の電飾が実現できるようになる。樹脂カバー層には、ガラス粉末入りの樹脂材料を用いると良い。このような樹脂カバー層の構成は、他の電飾部(例えば中央電飾部103や賞球ランプ105)に適用することもできる。
【0087】
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
【0088】
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
【0089】
図5の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
【0090】
図5の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
【0091】
下側の補強板134には、前記発射レール61に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図5に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール61の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール61から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
【0092】
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
【0093】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
【0094】
前述した通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前扉枠13を閉じた状態にあっては、内外のレール部51,52間に形成された球案内通路の一部が前扉枠13により覆い隠される構成となっている。それ故、球案内通路では手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らず戻ってくると、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前扉枠13に、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図5の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0095】
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0096】
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図6はパチンコ機10の背面図、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【0097】
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
【0098】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図8の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0099】
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
【0100】
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
【0101】
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
【0102】
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図9は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図10は本体枠12を後方より見た斜視図、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
【0103】
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図9にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
【0104】
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
【0105】
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
【0106】
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0107】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿23の裏側に配置されており、上皿23に至る球排出口(図2の球通路樋138)より針金やフィルム等を差し込み、さらにその針金やフィルム等を本体枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで、本パチンコ機10では、図10に示すように、排出通路盤217には、球通路樋138の上部位置に対応する高さ位置に、本体枠12に重なり合うようにしてパチンコ機10前方に延びるプレート219を設けた。従って、本体枠12と排出通路盤217との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0108】
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
【0109】
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。
【0110】
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図9に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
【0111】
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
【0112】
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図12に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
【0113】
上記の如く本体枠12の左右一側部(図9では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図9では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
【0114】
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
【0115】
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。遊技球分配部245は、本体枠12に対してネジ等により強固に取り付けられている。従って、遊技球分配部245の設置部位における浮き上がりが防止され、隙間から針金やフィルム等を侵入させることによる不正行為が防止できるようになっている。なお、本体枠12の下端部には、奥壁パネル17の裏側に設置されたスピーカ20の背後を囲むための合成樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、スピーカボックス246がスピーカ音を後方へ逃さないように機能することで低音域の音質改善が図られている。
【0116】
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図13〜図16に基づいて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0117】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。なお、基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
【0118】
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0119】
音声ランプ制御装置272は、例えば主制御装置271又は表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス275に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置272上には電源中継基板276が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板276を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給されるようになっている。
【0120】
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
【0121】
ここで、図15及び図16に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に回動操作式の固定具277が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具277が挿通されるように主制御装置271を載置し、その状態で固定具277を回動操作することで主制御装置271がロックされる。従って、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具277をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
【0122】
また、取付台251において、主基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。従って、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
【0123】
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。
【0124】
主制御装置271は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部を前後に重ねて配置される。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御基板271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。なお、基板搭載面252の裏面には格子状のリブ258が設けられており、主制御装置271の支持強度が高められている。
【0125】
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。従って、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0126】
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図17〜図19に基づいて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
【0127】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0128】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0129】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
【0130】
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
【0131】
次に、裏パックユニット203の構成を図20〜図22に基づいて説明する。図20は裏パックユニット203の正面図、図21は裏パックユニット203の分解斜視図である。図22はタンクレールの分解斜視図である。
【0132】
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
【0133】
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
【0134】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0135】
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有している。レール本体361の上流部には球面状の球受部362が形成され、球受部362によりタンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれるようになっている。レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に塵埃を落下させるための開口部365が設けられている。レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。整流板367は、下流側ほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、その下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが発生し難くなっている。なお、レール本体361が帯電防止のために黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は球詰まり等を目視で確認できるように透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。整流板367には、遊技球の流下を阻止するための手動式のストッパ369が取り付けられている。
【0136】
図20,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0137】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0138】
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
【0139】
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット103を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット103を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
【0140】
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
【0141】
ここで、図2,3,5及び図23に基づいて、遊技機本体を構成する本体枠12や前面板14に形成される各種段差部について説明する。なお、図23は、本体枠12に対して前扉枠13を開閉可能に支持すべく前扉枠13の下端部に配置された支持金具82の拡大斜視図である。
【0142】
第1の段差部は、図2に示すように、前面枠13の下端部を開閉可能に支持する支持部材としての支持金具82に設けられている。そこで、支持金具82の詳細について図23に基づき説明する。支持金具82は、本体枠12の左側下部位置に設けられている。支持金具82は、前扉枠13を支持するのに必要な剛性を持った金属で形成されている。支持金具82は、およそL字の形状をした金属板を、鉛直面89と水平面90とから構成される2平面となるように中途で略直角に折り曲げた形状とされている。そして、水平面90が第1の段差部となっている。鉛直面89側には、2つの位置決め孔94と、3つのネジ孔95とが設けられている。本体枠12の前面側には手前側に突出した突起とネジ穴とが設けられており、その突起に各位置決め孔94を挿入して位置決めした上で、そのネジ穴にはネジ孔95を介してネジ止めすることで、支持金具82が本体枠12に固定される。水平面90側には、その左端に、鉛直方向に折り曲げた平面状のストッパー85が設けられている。ストッパー85は、前扉枠13が開き過ぎることを防止するために設けられている。ストッパー85の右側には、2段の円筒形の頭部を上方へ起立させた突起軸84が設けられている。突起軸84は、前扉枠13の下端面に形成された軸穴に挿入されて当該前扉枠13を開閉可能に支持するための支持軸とされている。突起軸84の右側には、手前に向かって下方へ傾かせた傾斜面96が設けられている。傾斜面96は、水平面90のうち、鉛直面側89から遊技球半径長以下の水平面幅を残した状態で形成されるとともに、前扉枠13の開放時に前扉枠13の裏面側から遊技球半径長以下の水平面幅を残した状態で形成されている。従って、前扉枠13が支持された状態では、遊技球は傾斜面96に沿って手前に落下するため、支持金具82上に遊技球が停留されることはない。
【0143】
第2の段差部は、本体枠12のうち、遊技盤30が配置される領域の直下位置に設けられた遮蔽板161によって形成されている。そこで、遮蔽板161について説明する。遮蔽板161は本体枠12と一体形成されている。遮蔽板161は、本体枠12に設けられた発射レール61から発射される遊技球の通路と交差する位置に設けられている。従って、遮蔽板161は、遊技球通路を妨げないように、左側と右側とに分断されて一対設けられている。左右の各遮蔽板161は、前扉枠13を閉じた状態では、前扉枠13の裏面側に取り付けられた補強金具134の折り返し部163の直下に配置される。また、左右の各遮蔽板161は、前扉枠13を閉じた状態では、先端が前扉枠13の裏面側に当接する起立長で形成されている。なお、右側の遮蔽板161の中央寄りは、本体枠12からの起立長が一部短くなっている欠損部162とされ、その欠損部162のみ前扉枠13の裏面側に取り付けられた樹脂ケース136の溝164に嵌合するようになっている。このように、前扉枠13閉鎖時には、遮蔽板161及び欠損部162の先端が前扉枠13の裏面側や樹脂ケース136の溝164に当接されることで、本体枠12と前扉枠13との間に折り返し部分が形成されることとなる。そして、折り返し部分の存在により、本体枠12と前扉枠13との間において遮蔽板161下方から上方(遊技領域)へ針金やフィルム等を進入させることができず、本体枠12と前扉枠13との間を介しての不正を防止することができる。ここで、本実施の形態では、遮蔽板161及びその一部である欠損部162の上面全体は、手前に向かって下方へ傾斜させた傾斜面となっている。従って、遊技球はその傾斜面に沿って手前に落下するため、遮蔽板161(欠損部162を含む)上に遊技球が停留されることはない。
【0144】
第3の段差部は、本体枠12において、前面扉13の閉鎖時において当該前面扉13の下面166に対応する位置に、下部段差面165として形成されている。下部段差面165は、本体枠12に対し前面扉13を閉じた場合に、前面扉13の下面166に相対向するように形成されている。下部段差面165の左方には前記支持金具82が設けられている。ここで、本実施の形態では、下部段差面165は、手前に向かって下方へ傾斜させた傾斜面となっている。従って、遊技球はその傾斜面に沿って手前に落下するため、下部段差面165上に遊技球が停留されることはない。
【0145】
第4の段差部は、本体枠12の下部に固定された前面板14の上面平坦部167に形成されている。上面平坦部167は、前記下部段差面165に連続するように配置されている。ここで、本実施の形態では、上面平坦部167は、手前に向かって下方へ傾斜させた傾斜面となっている。従って、遊技球はその傾斜面に沿って手前に落下するため、上面平坦部167上に遊技球が停留されることはない。
【0146】
次に、上記の如く構成されたパチンコ遊技機10の特徴的作用、すなわち以上説明した第1〜第4の段差部に傾斜面を形成した構成に基づく作用を中心として説明する。
【0147】
遊技球が遊技球発射装置から発射されると、遊技盤30上へと案内するための球案内通路を通じて、所定の遊技領域内へと打ち出される。打ち出された遊技球は、遊技領域内に設けられた釘や風車37等の各種部材等を経過し、再び遊技球を貯留するタンクへと戻っていく。しかし、遊技領域ではその性質上、遊技球が遊技盤30に設けられた釘や風車37等の各種部材に引っ掛かり、球詰まりを生じる場合がある。球詰まりが生じると、遊技ホールの店員は、遊技領域内に引っ掛かった遊技球を取り除くサービスを行なうべく、前扉枠13を開放する。その際、釘や風車37等の各種部材に引っ掛かっていた遊技球が落下する場合がある。落下する遊技球は、時に、遊技領域の下方にある支持金具82、遮蔽板161(及び欠損部162)、下部段差面165、上面平坦部167等の各段差部へこぼれ落ちることがあり、またそのこぼれ落ちた遊技球は当該各段差部上に停留することがある。しかし、本実施の形態では、そのような事象に対処するべく、各段差部には手前に向かって下方へ傾かせた傾斜面が設けられているので、たとえ遊技球が前記段差部上にこぼれ落ちても、前記段差部上に停留することはなく、遊技球は自然に下方へ転動する。例えば、図23に示すように、遊技球Bが前扉枠13を支持する支持金具82上に流下したとしても、2点鎖線矢印の軌跡のように、遊技球Bは自然と下方へ転動する。
【0148】
従って、各段差部に遊技球が落下しても、段差部上に形成された傾斜により、遊技球を自然に転動させることができるので、わざわざ手を入れるなどの人為的手段を講じることなく、遊技球を前記段差部上から取り除くことができる。そのため、遊技ホールの店員がわざわざ段差部上に遊技球が停留しているか否かを確認したり、その遊技球を取り除く作業を行なう必要がなくなって、球詰まり解消等のサービスを円滑に提供することができる。
【0149】
また、遊技球が段差部に停留していると、前扉枠13を閉じる際に、遊技球が前扉枠13閉鎖の邪魔となり、前扉枠13を完全に閉じることができなくなるが、本実施の形態では、遊技球が前記段差部に停留することがないので、遊技球が前扉枠13閉鎖の邪魔をすることなく、確実に前扉枠13を閉じることができる。
【0150】
また、本体枠12と前扉枠13との間に遊技球を挟み込むことにより発生する本体枠12又は前扉枠13の破損も回避することができる。特に、前扉枠13を支持する支持金具82は、遊技機本体に対して前扉枠13の開閉を行う開閉軸線付近に位置するので、前扉枠13を閉じる際に、誤って遊技球を支持金具82上で挟むと、前扉枠13に強く応力がかかってしまう。前扉枠13に強く応力がかかることで、前扉枠13を支持している突起軸84が歪んで前扉枠13の開閉が困難になったり、また、前扉枠13が外れてしまうといった事態も起こりうる。しかし、本実施の形態では、支持金具82上で遊技球を挟み込むことがないので、そのように前扉枠13の開閉に悪影響を及ぼすような事態を回避することができる。さらに、支持金具82における段差部を全て傾斜面96とせず、突起軸84を支持する部分は水平面90を維持していることから、突起軸84の軸方向を上下方向に固定することが容易である。
【0151】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0152】
(a)上記実施の形態では、遊技球が本体枠12等の遊技機本体前面に形成される段差部に停留することを防止する手段として、段差部に手前に向かって下方へ傾斜させた傾斜面を形成することとしたが、遊技球が前記段差部に停留しない構造であれば、いかなる形状でも適用できる。例えば、前記段差部上面に傾斜面を形成するのではなく、長方体や球面体などの突構造を設けることにより、遊技球が停留しないように構成することができる。また、傾斜面の形成についても別部材を段差部に取り付けることによるものであってもよい。また、段差部の傾斜は、一定の方向、つまり、手前に向かって傾かせることのみに限定されるものではない。例えば、傾斜面を左右に傾かせることで、遊技球が前記段差部に停留しないように構成してもよい。また、傾斜面は、その傾斜角を大きくしたり、湾曲面として形成してもよい。
【0153】
(b)上記実施の形態では、遊技球が本体枠12等の遊技機本体前面に形成される段差部に停留することを防止する手段として、段差部に手前に向かって下方へ傾斜させた傾斜面を形成することとしたが、傾斜以外の手法で対処してもよい。例えば、段差部の突出量を遊技球の半径以下とすること等が考えられる。また、段差部にはその奥側に遊技球が退避される空間部を形成し、前扉枠13を閉鎖する際に段差部にある遊技球が空間部へ退避されるように構成しても遊技球の挟み込みが防止される。
【0154】
(c)上記実施の形態では、前扉枠13を支持するために設けられた支持金具82を、本体枠12とは別体として別途取り付けを行うようにしたが、本体枠12と一体に形成してもよい。また、支持金具82の形状は上記実施の形態において例示したものに限定されない。
【0155】
(d)上記実施の形態では、前扉枠13に前後一対のガラス137を取り付けたが、所定の透明性を有していれば、いかなる材質のものを採用してもよい。例えば、「ガラス」に代えて「樹脂板」を採用してもよい。
【0156】
(e)上記実施の形態では、従来に比べて遊技領域が比較的大きいパチンコ機10について説明したが、これに限らず、従来のような遊技領域や窓部等を有するパチンコ機等の遊技機にも適用できる。また、上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば可変表示ユニット35等のないパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図である。
【図3】パチンコ機を構成する本体枠の前面構成を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】前扉枠の構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図8】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図9】本体枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図10】本体枠の背面構成を示す斜視図である。
【図11】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図12】軸受け金具の構成を示す斜視図である。
【図13】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図14】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図15】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図16】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図17】第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図18】第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図19】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図20】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図21】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図22】タンクレールの分解斜視図である。
【図23】前扉枠を支持する支持金具の拡大斜視図である。
【符号の説明】
10…遊技機としてのパチンコ機、11,12,14…遊技機本体の主要部である外枠,本体枠及び前面板、13…前面扉としての前扉枠、30…遊技盤、38…切欠、50…レールユニット、91…シリンダ錠、101…窓部、235…軸受け金具、248…連動杆、82…支持部材としての支持金具、84…開閉軸としての突起軸、90…水平面、96…段差部としての傾斜面、161…段差部としての遮蔽板、162…段差部としての欠損部、165…段差部としての下部段差面、167…段差部としての上面平坦部。

Claims (1)

  1. 遊技球が落下する遊技領域が形成された遊技盤と、
    該遊技盤を支持する遊技機本体と、
    該遊技機本体の一側部にて開閉可能に支持され、閉鎖された際には前記遊技領域の手前側に配置されて当該遊技領域を落下する遊技球が手前に落下しないように被覆する前面扉と
    を備え、遊技機本体には、該前面扉が閉鎖された状態で前面扉下端と対応する位置に手前側への段差部が形成されてなる遊技機において、
    前記遊技機本体に対して前記前面扉を閉じる際、前記段差部に至る遊技球が遊技機本体と前面扉との間で挟み込まれることを防止するための挟み込み防止手段を備えたことを特徴とする遊技機。
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