JP2004275010A - 農園芸用資材 - Google Patents

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Abstract

【課題】害虫防除機能を有したものとすると共に、施肥状態において降雨にあっても肥料の溶出量が多くなることなく、降雨量が多い場合にも肥料が流出してしまうことなく、設置場所にも制限を受けることなく、また植物の葉などに引っ付いてしまうようなことはなく、植物の葉などを傷つけることのない農園芸用資材を提供する。
【解決手段】本体1の栽培手段2から露出した部分に害虫防除手段3を設けたものとしている。さらに、前記本体1に、栽培手段2への設置手段4を設けたものとしている。そして、前記本体1は、水、水保持材、肥料、薬剤より選ばれる少なくとも一種を栽培手段2に供給できるようにしたものとしている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、屋内外に置いたプランターや鉢、田畑、庭地などで植物を栽培するときに用いる農園芸用資材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、農園芸用資材として、例えば図16に示したように、肥料又は廃棄物に圧力をかけて棒状あるいは円板状、キューブ状等に成形した圧密化肥料31としたものが存在する。この圧密化肥料31は、保存スペースを削減でき、保存性が良好で取扱いが容易であり、その施肥に際しても、取扱いが容易で施肥面積に対してポイント的に施肥できるという効果を有する(特許文献1参照)。
【0003】
また、害虫防除材として、例えば図17に示したように、粘着材が塗布された粘着フィルム42を複数の段面を持つアコーディオン構成としたり、また粘着フィルム42の周囲に色彩枠44を付して粘着トラップ41としたものが存在する。この粘着トラップ41は、粘着フィルム42をアコーディオン構成とすることで占有空間当たりの粘着面を増大すると共に、粘着フィルム42の周囲に色彩枠44を付すことで誘引効果を増大させ、飛翔性農業害虫の補殺率を向上させるという効果を有する(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−305872号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−4754号公報(第3頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の農園芸用資材では、肥料又は廃棄物に圧力をかけて棒状あるいは円板状、キューブ状等に成形したといっても、肥料の表面は保護部材で覆われてはおらず、施肥状態において降雨にあうと、その表面に直接雨が当たり、肥料の溶出量が多くなったり、降雨量が多い場合には肥料が流出してしまうなどの問題点を有していた。
【0006】
さらに、上記従来の害虫防除材では、粘着フィルム42をアコーディオン構成としているため、不用意に伸縮してしまうので取り扱い難いものとなり、その設置場所にも制限を受けるという問題点を有していた。また、設置場所において風に煽られるなどすると、粘着フィルム42が栽培している植物の葉などに引っ付いてしまって、剥がすことができなくなったり、剥がすことができても植物の葉などを傷つけることがあるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、害虫防除機能を有したものとすると共に、施肥状態において降雨にあっても肥料の溶出量が多くなることなく、降雨量が多い場合にも肥料が流出してしまうことなく、設置場所にも制限を受けることなく、また植物の葉などに引っ付いてしまうようなことはなく、植物の葉などを傷つけることのない農園芸用資材を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明の農園芸用資材は、本体1の栽培手段2から露出した部分に害虫防除手段3を設けたものとしている。
【0009】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記本体1に、栽培手段2への設置手段4を設けたものとしている。
【0010】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記本体1が、水、水保持材、肥料、薬剤より選ばれる少なくとも一種を栽培手段2に供給できるようにしたものとしている。
【0011】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記本体1が、管状体、筒状体、板状体、ネット状体、シート状体の何れかからなるものとしている。
【0012】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記肥料が、固形状または液状の肥料であるものとしている。
【0013】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記薬剤が、土壌殺菌剤、植物成長調整剤、除草剤、根茎調節剤、土壌生物防除剤、誘引剤、殺虫剤、有害生物忌避剤、昆虫成長調整剤より選ばれる少なくとも一種であるものとしている。
【0014】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記栽培手段2が、田畑、庭地、プランター、鉢の何れかであるものとしている。
【0015】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記害虫防除手段3が、粘着捕獲層であるものとしている。
【0016】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記害虫防除手段3が、設置手段4を兼用したものとしている。
【0017】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記設置手段4が、本体1の一部を利用したものとしている。
【0018】
さらに、この発明の農園芸用資材は、前記設置手段4が、本体1に設けた差込部22、貼付部23、起立部24、吊り下げ部25、挟み部26の何れかであるものとしている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の農園芸用資材を実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0020】
この発明の農園芸用資材は、水、水保持材、肥料、薬剤より選ばれる少なくとも一種を、本体1から栽培手段2に供給できるようにし、栽培手段2から露出した部分に害虫防除手段3を設けたものとしている。
【0021】
この発明の農園芸用資材において、前記肥料は、栽培植物の生長に必要な栄養分であれば、特に種類、成分などは限定されることはないが、固形状または液状の肥料とすることができる。
【0022】
この発明の農園芸用資材において、前記薬剤は、土壌殺菌剤、植物成長調整剤、除草剤、根茎調節剤、土壌生物防除剤、誘引剤、殺虫剤、有害生物忌避剤、昆虫成長調整剤より選ばれる少なくとも一種であるものとしており、固形状または液状の薬剤とすることができる。
【0023】
この発明の農園芸用資材において、前記本体1は、厚紙、木材、合成樹脂材などからなるものとしており、管状体、筒状体、板状体、ネット状体、シート状体などとすることができる。さらに、前記本体1には、栽培手段2に設置した場合に、この栽培手段2へ設置し易くするための設置手段4を設けたものとすることができる。前記栽培手段2は、田畑、庭地、プランター、鉢などとすることができる。さらに、前記設置手段4としては、本体1と別部材としたものは勿論、本体1の一部を利用したもの、すなわち本体1の下端を尖らせたものとし、栽培手段2に差し込み易くしたものとしたり、本体1の一部を打ち出して、その打ち出し片を支えにしたものなどとすることができる。
【0024】
この発明の農園芸用資材において、前記害虫防除手段3は、粘着捕獲層とすることができる。そして、この粘着捕獲層には、必要に応じて、誘引剤、殺虫剤、昆虫成長調整剤、紫外線防止剤、着色剤、安定剤などの機能性物質を混ぜ合わせたものとすることができる。
【0025】
図1に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11とし、切り離し可能とした連結部12を介して、複数個、並列に連結したものとしている。中央の容器11は、他の容器11より大容量にしており、水または液状の薬剤や肥料などを収容し、栽培手段2に差し込むなどして設置した場合に、容器11の下部に設けた注入口(図示せず)から徐々に栽培手段2の土中などに注入されるようにして、その収容物を本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。中央以外の容器11には、固形状の肥料や薬剤などを収容したものとしており、栽培手段2に差し込むなどして設置した場合に、容器1aの下部に設けた開口(図示せず)から徐々に栽培手段2の土中などに吸収されるようにして、その収容物を本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、これら中央以外の容器11の側周部には粘着捕獲層とした害虫防除手段3が設けられているが、必要に応じて中央の容器11の側周部にも害虫防除手段3を設けることができる。また、前記中央以外の容器11は、連結部12から一個ずつ、または複数個ずつ切り離して使用することもできる。例えば、栽培手段2が植木鉢である場合には、その切り離した容器11を植木鉢の植物の周囲に差し込むなどして使用することができる。なお、前記中央以外の容器11に収容する肥料や薬剤などは、それぞれ同種のものであっても、異種のものであってもよい。
【0026】
図2に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11とし、切り離し可能とした連結部12を介して、複数個、並列に連結したものとしている。複数個、並列に連結した容器11は、すべて同容量にしており、水保持材、固形状の肥料や薬剤などを収容し、栽培手段2に差し込むなどして設置した場合に、容器11の下部に設けた開口(図示せず)から徐々に栽培手段2の土中に吸収されるようにして、その収容物を本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、これらの容器11の側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3が設けられている。また、これらの容器11は、連結部12から一個ずつ、または複数個ずつ切り離し、図1に示したものと同様にして使用することもできる。なお、前記容器11に収容する水保持材、肥料や薬剤などは、それぞれ同種のものであっても、異種のものであってもよい。
【0027】
図3に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる筒状の支持体13とし、この支持体13の中心部には棒状とした固形肥料Fがその下端を本体1の下部から突出させて収容され、この固形肥料Fと支持体13の間には誘引剤などの固形状の薬剤Dが収容されている。そして、この本体1を栽培手段2に差し込むなどして設置した場合に、前記固形肥料Fは、その下端から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、この支持体13の側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3が設けられている。また、前記薬剤Dが誘引剤である場合には、この誘引剤は害虫を誘引するために本体1の上部から揮散するようにし、粘着捕獲層とした害虫防除手段3に害虫が粘着捕獲され易いようにしている。
【0028】
図4に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の支持体13とし、この支持体13の上部には誘引剤などの薬剤Dが収容され、支持体13の下部には固形肥料Fが収容されている。そして、この本体1を栽培手段2に差し込むなどして設置した場合に、前記固形肥料Fは、本体1の下部口(図示せず)から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、この支持体13の側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3が設けられている。また、薬剤Dが誘引剤である場合には、害虫を誘引するために本体1の上部口14から揮散するようにし、粘着捕獲層とした害虫防除手段3に害虫が粘着捕獲され易いようにしている。
【0029】
図5に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状のホルダー15としており、このホルダー15に棒状の固形肥料Fを保持したものとしている。そして、この固形肥料Fは、栽培手段2に埋めることにより栽培手段2に設置し、栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、ホルダー15には、連結部12を介して切り離し可能として、並列に連結した板状体16の表裏面に、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。この板状体16に設けた害虫防除手段3は、切り目16aから一個ずつ、または複数個ずつ切り離し、図1に示したものと同様にして使用することができる。
【0030】
図6に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部に液体肥料を収容したものとしている。そして、この本体1を栽培手段2に設置した場合に、前記液体肥料は、容器11の下部に設けた滴下口(図示せず)から滴下させ、栽培手段2の土中などに徐々に浸透していくようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、容器11には、連結部12を介して切り離し可能として、並列に連結した板状体16の表裏面に、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。この板状体16に設けた害虫防除手段3も、図5に示したものと同様に構成されており、図1に示したものと同様にして使用することができる。
【0031】
図7に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の支持体13とし、多数の孔を開けるなどしてこの支持体の側周部をメッシュ状としており、支持体13の内部には固形肥料Fを収容したものとしている。そして、この固形肥料Fは、支持体13の下端を栽培手段2に埋めることにより栽培手段2に設置し、栽培手段3の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、支持体13の上下部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。また、前記支持体13の上下側周部には害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。
【0032】
図8に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂フィルムからなる円筒状のパック型支持体13としており、この支持体13の内部に液状または固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。そして、この支持体13の収容物は、支持体13の下端を栽培手段2に埋めることにより栽培手段2に設置し、栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。さらに、支持体13の下部には差し込み用の補強カバー18を被せ、支持体13の上部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。また、前記支持体の上側周部には害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。
【0033】
図9に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部に液体の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、この容器11の側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。また、容器11の下部には、細管状とした差込ノズル兼把持部19を設けており、この部分を把持し、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。そして、この容器11の収容物は、前記差込ノズル兼把持部19を栽培手段2に差し込むことにより栽培手段2に設置し、先端に設けた開口部(図示せず)から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。
【0034】
図10に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の下半部の側周部に複数の供給孔20を設けたものとし、容器11の内部には固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、容器11の上半部の側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。また、容器11の下部は、円錐形状にして尖らせた差込部22として、この部分を設置手段4としたものとしており、この設置手段4により栽培手段2に差し込み易くし、本体1を栽培手段2へ設置し易いようにしている。そして、本体1を栽培手段2に設置した場合に、前記収容物は、下半部に設けた複数の供給孔20から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。なお、容器11の側周部に剥離可能とした密封シール21を貼り付けておき、本体1を持ち易くしたり、容器11の収容物が供給孔20から出ないようにしている。
【0035】
図11に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部に液状または固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、容器11の上部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。前記容器11の上側周部には害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。また、容器11の下部の側周部には、縦方向に形成した溝に粘着剤などを装填した貼付部23として、この部分を設置手段4としたものとしており、この設置手段4を、例えば栽培手段2である植木鉢の内側面などへ貼着させることにより、本体1を栽培手段2へ設置し易くしている。そして、本体1を栽培手段2に設置した場合に、前記収容物は、容器11の下端を栽培手段2に接触させて、先端に設けた開口部(図示せず)から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。
【0036】
図12に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部に液状または固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、容器11の下部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。前記容器11の下側周部には害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。また、容器11の下部は、円錐形状にして尖らせた差込部22として、この部分を設置手段4としたものとしており、この設置手段4により栽培手段2に差し込み易くし、本体1を栽培手段2へ設置し易くしている。そして、本体1を栽培手段2に設置した場合に、前記容器11の収容物は、先端に設けた開口部(図示せず)から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。
【0037】
図13に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部に液状または固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、容器11の上部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。前記容器11の上側周部には、害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。また、容器11の下部には、容器11の周囲に張り出させた支持脚などの起立部24とした設置手段4を設けたものとしており、この設置手段4を、例えば栽培手段2である庭地の土表面に支持させることにより、本体1を栽培手段2へ設置し易くしている。そして、本体1を栽培手段2に設置した場合に、前記収容物は、容器11の下端を栽培手段2に接触させて、先端に設けた開口部(図示せず)から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。なお、図示した支持脚24は、容器11とは別部材として取り付けたものとしているが、容器11の一部を打ち出して、その打ち出し片を支持脚にすることもできる。
【0038】
図14に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部には液状または固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、容器11の下部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。また、容器11の上部には、吊り紐などの吊り下げ部25とした設置手段4を設けたものとしており、この設置手段4を、例えば栽培手段2である植木鉢に設置した植木用支持棒など吊るすことにより、本体1を栽培手段2へ設置し易くしている。そして、本体1を栽培手段2に設置した場合に、前記容器11の収容物は、その容器11の下部に設けた滴下口(図示せず)から滴下させ、栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。なお、前記容器11の下側周部には、害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしているが、前記吊り紐25とした設置手段4を手で持つようにして、本体1を持ち易くしてもよい。
【0039】
図15に示したこの発明の農園芸用資材は、本体1を合成樹脂材からなる円筒状の容器11としており、この容器11の内部に液状または固形の肥料や薬剤を収容したものとしている。さらに、容器11の上部を除いた側周部には、粘着捕獲層とした害虫防除手段3を設けたものとしている。前記容器11の上側周部には害虫防除手段3を設けたものとせず、この部分を把持部17とし、手などに粘着しないものとして、本体1を持ち易くしている。また、容器11の下部の側周部には、一個所または複数個所を縦方向に切り欠いた溝などの挟み部26とした設置手段4を設けたものとしており、この設置手段4を、例えば栽培手段2である植木鉢の側部などへ挟み込むことにより、本体1を栽培手段2へ設置し易くしている。そのため、本体1を栽培手段2に設置した場合には、害虫防除手段3の一部が隠れてしまうことがないので、害虫防除効果も阻害されることがなく、前記収容物は、容器11の下端を栽培手段2に接触させて、先端に設けた開口部(図示せず)から栽培手段2の土中などに徐々に吸収されるようにして、本体1から栽培手段2に供給できるようにしている。
【0040】
なお、この発明の農園芸用資材は、何れの実施形態においても、害虫防除手段3を粘着捕獲層とした場合には、この粘着捕獲層をプランター、鉢などとした栽培手段2の内側面などに貼着させることにより、栽培手段2に設置することができるので、害虫防除手段3が設置手段4を兼用したものとすることもできる。
【0041】
【発明の効果】
この発明の農園芸用資材は、以上に述べたように構成されているので、害虫防除機能を有したものとなり、施肥状態において降雨にあっても肥料の溶出量が多くなることなく、降雨量が多い場合にも肥料が流出してしまうことなく、設置場所にも制限を受けることなく、また植物の葉などに引っ付いてしまうようなことはなく、植物の葉などを傷つけることのないものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の農園芸用資材の第1実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図2】この発明の農園芸用資材の第2実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図3】この発明の農園芸用資材の第3実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図4】この発明の農園芸用資材の第4実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図5】この発明の農園芸用資材の第5実施形態を示す斜視図である。
【図6】この発明の農園芸用資材の第5実施形態の変形例を示す一部断面斜視図である。
【図7】この発明の農園芸用資材の第6実施形態を示す斜視図である。
【図8】この発明の農園芸用資材の第7実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図9】この発明の農園芸用資材の第8実施形態を示す一部断面斜視図である。
【図10】この発明の農園芸用資材の第9実施形態を示す斜視図である。
【図11】この発明の農園芸用資材の第10実施形態を示す斜視図である。
【図12】この発明の農園芸用資材の第10実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図13】この発明の農園芸用資材の第10実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図14】この発明の農園芸用資材の第10実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図15】この発明の農園芸用資材の第10実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図16】従来の農園芸用資材の一例を示す斜視図である。
【図17】従来の害虫防除材の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
2 栽培手段
3 害虫防除手段
4 設置手段
22 差込部
23 貼付部
24 起立部
25 吊り下げ部
26 挟み部

Claims (11)

  1. 本体(1)の栽培手段(2)から露出した部分に害虫防除手段(3)を設けたことを特徴とする農園芸用資材。
  2. 前記本体(1)に、栽培手段(2)への設置手段(4)を設けたことを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  3. 前記本体(1)が、水、水保持材、肥料、薬剤より選ばれる少なくとも一種を栽培手段(2)に供給できるようにしたものであることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  4. 前記本体(1)が、管状体、筒状体、板状体、ネット状体、シート状体の何れかからなることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  5. 前記肥料が、固形状または液状の肥料であることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  6. 前記薬剤が、土壌殺菌剤、植物成長調整剤、除草剤、根茎調節剤、土壌生物防除剤、誘引剤、殺虫剤、有害生物忌避剤、昆虫成長調整剤より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  7. 前記栽培手段(2)が、田畑、庭地、プランター、鉢の何れかであることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  8. 前記害虫防除手段(3)が、粘着捕獲層であることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  9. 前記害虫防除手段(3)が、設置手段(4)を兼用したものであることを特徴とする請求項1記載の農園芸用資材。
  10. 前記設置手段(4)が、本体(1)の一部を利用したものであることを特徴とする請求項2記載の農園芸用資材。
  11. 前記設置手段(4)が、本体(1)に設けた差込部(22)、貼付部(23)、起立部(24)、吊り下げ部(25)、挟み部(26)の何れかであることを特徴とする請求項2記載の農園芸用資材。
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