【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類以上の色または透明性の異なる部分を有する回転体またはそれに近い形状の表示素子を、回転させて表面に向ける色を変えることによって画像や文字等を表示することが可能な表示媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化ネットワークの急速な発展に伴い、さまざまな情報がデジタル化され、ビジネスや日常生活の面で利用されるようになった。その結果、電子情報社会となりペーパーレス化が進むと考えられていたが、紙の消費量そのものは減ることはなかった。このことは、地球環境保護の観点からも好ましいものとは言えない。このような背景を基に最近では、電子ドキュメントの長所である表示内容の書き換えの容易性と紙ドキュメントの長所である形状可変性とを併せ持つ表示媒体いわゆる電子ペーパーの開発が盛んに行われている。
【0003】
電子ペーパーの候補技術の1つとして、2色以上の部分を有する回転体粒子の向きを制御することによって表示を行う手法が提案されており、何回も書き換えが可能、画像保持のためのエネルギーが不要等電子ペーパーとして必要とされる特性を有しているのに加え、高解像度化、大面積化、低コスト化等が可能になると期待されており、種々の用途が期待されている。また、理論的には白の表示の明るさやコントラストの高いものが得られると言われている。
【0004】
この手法の粒子の向きの制御には電界、磁界、またはこれらの組み合わせが提案されており、種々の用途が期待されている。
【0005】
これらの媒体化にあたっては、媒体シート中に多数のドメインやセルを形成してその各々に表示素子1個を液体と共に封じ込めた構成にする手法や、表示素子を各々マイクロカプセル化してシート化する手法や、媒体全面または媒体を複数に分割したセルの1つに多数の表示素子を液体または気体と共に封じ込める手法等が提案されている。
【0006】
しかしながら、表示素子どうしあるいは表示素子と壁材が接触すると、摩擦力や粘着力等書き換え時の表示素子の回転を阻害する力を生じ、これらの弱い力は表示された画像等の保持能力として働くが、強過ぎると書き換え性が低下するあるいは書き換えができなくなるという問題を生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような表示素子の回転の阻害に関わる問題点を解消し、安定した書き換えが可能な表示媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、2種類以上の色または透明性の異なる部分を有する球形またはそれに近い形状の表示素子を、回転させて表面に向ける色を変えることによって画像や文字等を表示することが可能な表示媒体において、該表示素子の平均粒径の50%以下でかつ0.1μm以上の平均粒径の球形またはそれに近い形状であってかつ表示素子の駆動作用により移動を生じない小粒子を該表示素子とは別に含有させることにより、安定した書き換えが可能な表示媒体が得られることを見出した。
【0009】
従来の粒子回転タイプの表示媒体では、表示素子どうしあるいは表示素子と壁材が接触すると、これらの表示素子は比較的粒径が大きいために接触面積が大きくなり、表示素子の回転を阻害する大きな摩擦力や粘着力等を生じてしまうことに気がつき、本発明に至った。本発明では、表示素子とは別に粒径の小さな小粒子を含有させることにより、表示素子が直接接するのが小粒子だけとなって接触面積が非常に小さくなり、かつ小粒子が回転可能なためにベアリングとして働いて、従来の粒子回転タイプの表示媒体に比べて表示素子の回転を安定化できたと考えられる。
【0010】
本発明の表示素子の形状は球形またはそれに近い形状であればよく、これにより容易に観察側に向ける色を変えることができ、画像や文字等の表示に好適である。
【0011】
本発明の表示素子とは別に含有させる小粒子の形状も球形またはそれに近い形状であるのが好ましく、これにより表示素子との接触面積を非常に小さくすることができ、またそれ自身も自由に回転が可能になるために、ベアリングとしての役割を果たすことが可能になる。
【0012】
該小粒子の材質は上記効果を発揮するために、硬く、非粘着性であるものが好ましく、樹脂、セラミックス、金属等有機物、無機物いずれであってもよい。特に樹脂は比重が周りを満たす分散媒と近くできるため好適に使用される。樹脂の中でもガラス転移温度が高いものが、硬さ、非粘着性の点で好適であり、具体的にはガラス転移温度30℃以上のものが好ましく、50℃以上のものがさらに好ましく、80℃以上のものがさらに好ましい。
【0013】
本発明の表示素子とは別に含有させる小粒子は、表示素子の回転を安定化するのが目的で含有させるものであるため、表示素子と表示素子の間、あるいは表示素子と壁の間に存在している必要がある。したがって表示の書き換えのために表示素子を駆動する作用、例えば磁場や電場によって移動を生じないものであることが望ましい。
【0014】
本発明の表示素子とは別に含有させる小粒子は、表示素子どうしの接触よりも接触面積が小さくなければ効果は得られない。接触面積は表示素子や小粒子の弾性等にもよるが、一般に小粒子が表示素子の50%以下の平均粒径であれば効果を得ることが可能である。小粒子は表示素子と表示素子の間、あるいは表示素子と壁の間に存在して表示素子と表示素子の間を広げる効果を有しているため、表示特性を上げるために小粒子の平均粒径は表示素子の平均粒径の25%以下であることがより好ましい。これらの効果をさらに発揮するためには小粒子の平均粒径は表示素子の平均粒径の10%以下であることがさらに好ましい。
【0015】
一方該小粒子が小さ過ぎても凝集や吸着等を起こし易くなって効果が低下するため、小粒子の粒径は0.1μm以上が好ましい。0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。
【0016】
本発明の表示素子とは別に含有させる小粒子は、表示の書き換えにおいて表示濃度変化には寄与しないので、透明な粒子が好適に使用される。また、小粒子は常に見えるため、特定の色を付与または強めるために着色したものを用いるのも有効で、例えば白等の背景の色を強調するために背景色と同色の白等の粒子を用いるのも有効である。
【0017】
本発明の表示素子とは別に含有させる小粒子は、表示素子と表示素子の間、あるいは表示素子と壁の間に存在している必要があるため、表示素子と壁の間の空間を満たす成分中に体積含率で5%以上含まれることが好ましく、これ以下では回転性安定化の効果が得られにくい。高い安定性を得るためには体積含率で10%以上含まれることがより好ましく、15%以上含まれることがさらに好ましい。
【0018】
一方該小粒子が多く含まれ過ぎると逆に小粒子に関係する摩擦等が大きくなって表示素子の回転を阻害するため、表示素子と壁の間の空間を満たす成分中の該小粒子の体積含率は60%以下であることが好ましい。50%以下がより好ましく、40%以下がさらに好ましい。
【0019】
本発明の効果は表示素子が回転し難くなり易い表示素子濃度の高い場合に特に有用であり、表示素子が壁で囲まれた空間内の全組成物中に体積含率で15%以上含まれる場合に効果的である。20%以上含まれる場合にはより効果的であり、30%以上含まれる場合にはさらに効果的である。
【0020】
本発明の表示素子とは別に含有させる小粒子は、表示素子と表示素子の間、あるいは表示素子と壁の間に存在している必要があるため、該表示素子および小粒子の周りを満たす分散媒が、少なくとも表示書き換え時以外では流動性が低下する物質または組成物であることが好ましい。これにより該小粒子の移動が抑制され、表示素子の回転の安定性が長期に渡って保持される。
【0021】
少なくとも表示書き換え時以外では流動性が低下する物質または組成物としては、少なくとも表示書き換え時以外では粘性の高い、溶剤に有機または無機のチキソトロピック剤、増稠剤等を添加したものが好適に使用される。このような添加剤の代表的な例として、シリカ微粒子、ベントナイト、有機ベントナイト等が挙げられる。また、温度を高くしたときに流動性を発現するワックス類や流動性の低下する粘性液状物等、特定の状況、作用等により流動性が変化する物質または組成物等も好適に使用される。
【0022】
使用する表示素子の粒径は用途に応じて適宜選択可能である。たとえばA4サイズで画像解像度が250dpiを必要とするならば、表示素子の粒径は、100μm以下が好ましく、大型表示あるいは看板用途として使用するならば実際に見る距離で個々の表示素子が気にならない程度まで素子サイズを大きくしてもかまわない。また、実用上表示素子の粒径の下限は1μmである。
【0023】
表示素子および小粒子の粒径の測定は、粒径に応じて撮影レンズ、顕微鏡、電子顕微鏡等を適宜選択してこれらの写真を撮影し、粒子像の面積を計測して円形と仮定したときの直径を求めるか、長径と短径を計測してその平均を求めればよく、以上の計測は30個の粒子像について行ってその平均を平均粒径とする。撮影した画像をコンピュータに取り込んで画像処理ソフト等で上記処理を行っても良い。
【0024】
本発明中の表示素子を特定の方向に向ける制御には、何れの手法を用いても構わない。例えば、磁界、電界等を作用させて制御する手法が挙げられる。これらの中でも、通常片側からのみ作用させるために表示素子の移動を生じやすい磁場を用いる方式において特に効果的である。以上のような手法はこれまでに種々提案されており、従来の表示素子の代わりに本発明の表示媒体を用いれば、従来公知の何れの手法も用いることが可能である。
【0025】
本発明の表示素子は、いずれの手法を用いて製造しても良い。例えば従来公知の製造法によって製造したものを用いることができる。樹脂、ワックス、これらに染料・顔料や磁性粉等を練り込んだものあるいは磁石等の球状の素子材を樹脂等に埋め込んで噴霧、蒸着、感光等で着色したもの、素子材を埋め込まずに蒸着やスパッタ等で着色したもの、メッキ槽に半分浮かべてメッキしたもの、2種類の溶融ワックス等を合体・飛翔させて粒子化したもの等が挙げられる。また、素子材を一時的に固定して塗料を塗工して着色する手法は、色だけではなく磁性や特定の電気特性を持った塗料等を塗工することができ、効果的である。また、以上の製造に用いられる材料も、必要な表示特性、耐久性等の特性が得られるものであればいずれを用いても構わない。
【0026】
本発明の表示媒体は、表示素子、小粒子、分散媒、そして必要であればその他の添加物を混合した組成物を、均一に入れることができればいずれの手法によって表示媒体化してもよく、該組成物を均一に入れることが可能な手法であれば従来公知のいずれの手法も用いることが可能である。例えば、2枚のシート間に該組成物を入れる方法、表示媒体を小さなセルに分けてそれぞれに該組成物を入れる方法、該組成物をマイクロカプセル化する方法等が挙げられる。また、素子材に磁気塗料を塗工した場合等、表示素子どうしの相互作用が弱い場合等には、個々のセルに複数の表示素子を入れるのも有効である。
【0027】
【実施例】
以下、表示素子の回転の安定性を向上させる実施例によって本発明を詳細に説明するが、これは本発明の効果を具体的に説明するためのものであって、これによって本発明が限定されるものではない。
【0028】
<実施例1>
〔材料〕
*表示素子用粒子:平均粒子径100μmの白色の架橋アクリル球状微粒子 (タフチックAR650L−W、東洋紡績社製)
*粒子に塗工する着色塗料:金属鉄磁性分(DM−86、同和鉱業社製)と塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体(MR−110、日本ゼオン社製)とを分散させた黒色の磁性塗料
*小粒子:平均粒子径8μmの透明の架橋アクリル球状微粒子(MBX−8、積水化成品工業社製)
*粒子と共にセルに入れる液体:溶剤(アイソパーM、エクソン化学社製)に微細なシリカ(アエロジル200,アエロジル社製)を分散させたチキソ性液体。
【0029】
上記の着色塗料を白色粒子に着色部の表面積が粒子の表面積の約半分になるように塗工した後、塗工部中心がS極になるように着磁させ、磁石に付着するものだけを分級して、表示媒体用表示素子を製造した。横向きの磁場を与えて該表示素子の塗工部を横に向けた写真を撮影し、その10個について塗工領域を求めたところ、表示素子を地球に見立てると平均で北緯12度以北(最大南緯29度以北、最小北緯49度以北)の領域が塗工されていた。また、その30個について長径と短径を計測してその平均を求めたところ、120μmであった。粒径が原材料よりも大きくなったのは、小さい粒子には磁性の塗料が塗工されず、それらが磁石による分級で除かれたためと推測される。
【0030】
得られた表示素子33.3重量部、上記の小粒子16.7重量部および溶剤(アイソパーM)50重量部の混合物を、背面は白、表面は透明の2枚の188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの間にギャップが0.5mmになるようなスペーサと共に挟んで密封し、表示媒体を作製した。各々の比重は、表示素子1.3、小粒子1.2、分散媒0.79であるので、表示素子は全組成物中体積含率で25%含まれ、小粒子は表示素子以外の成分中18%含まれる。
【0031】
<実施例2>
溶剤(アイソパーM)の替わりにチキソ性液体を37.5重量部用いた他は実施例1と同様にして表示媒体を作製した。表示素子は全組成物中体積含率で25%含まれ、小粒子は表示素子以外の成分中18%含まれる。
【0032】
<実施例3>
上記の表示素子を50重量部、小粒子を12.5重量部および溶剤(アイソパーM)を37.5重量部用いた他は実施例1と同様にして表示媒体を作製した。表示素子は全組成物中体積含率で40%含まれ、小粒子は表示素子以外の成分中18%含まれる。
【0033】
<実施例4>
溶剤(アイソパーM)の替わりにチキソ性液体を37.5重量部用いた他は実施例3と同様にして表示媒体を作製した。表示素子は全組成物中体積含率で40%含まれ、小粒子は表示素子以外の成分中18%含まれる。
【0034】
<比較例1>
上記の表示素子を35.3重量部および上記チキソ性液体64.7重量部用いて上記小粒子を用いなかった他は実施例1と同様にして表示媒体を作製した。表示素子は全組成物中体積含率で25%含まれ、小粒子は含まれない。
【0035】
<比較例2>
上記の表示素子を52.2重量部および上記チキソ性液体47.8重量部用いて上記小粒子を用いなかった他は実施例1と同様にして表示媒体を作製した。表示素子は全組成物中体積含率で25%含まれ、小粒子は含まれない。
【0036】
〔評価〕
得られた表示媒体の背面にフェライト磁石のN極を接して置いた後S極を接して置いて、表示素子の反転による白表示および黒表示が可能か観察した。表示の反転が可能であった部分についてマクベス濃度計RD915にて反射濃度を測定し、白表示時の反射率およびコントラストを求めた。
【0037】
実施例1〜2および比較例1〜2の表示媒体に対して、表示の状況、得られた白表示時の反射率およびコントラストの値を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1のように該表示素子の平均粒径の50%以下0.1μm以上の平均粒径の球形またはそれに近い形状であってかつ表示素子の駆動作用により移動を生じない小粒子を該表示素子とは別に含有する表示媒体を用いた実施例1〜3の表示媒体は、小粒子を用いない比較例1〜3に比べて、表示素子の回転の安定性を高くすることができた。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、表示書き換えの安定性を高くすることが可能になる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention can display an image, a character, or the like by rotating a rotating body having two or more types of colors or different transparent parts or a display element having a shape close to the rotating body to change a color directed to the surface. It relates to a display medium.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the rapid development of information networks, various types of information have been digitized and used in business and daily life. As a result, it was thought that the electronic information society would become paperless, but paper consumption itself did not decrease. This is not preferable from the viewpoint of global environmental protection. Against this background, the development of display media, so-called electronic paper, which has both the ease of rewriting display contents, which is the advantage of electronic documents, and the shape variability, which is the advantage of paper documents, has been actively performed. .
[0003]
As one of the candidate technologies for electronic paper, there has been proposed a method of performing display by controlling the direction of a rotating particle having a portion of two or more colors, which can be rewritten many times, energy for image retention. Are expected to be able to achieve higher resolution, larger area, lower cost, etc., in addition to having the characteristics required as electronic paper, such as unnecessary. Thus, various applications are expected. It is theoretically said that a white display having high brightness and high contrast can be obtained.
[0004]
An electric field, a magnetic field, or a combination thereof has been proposed for controlling the direction of particles in this method, and various applications are expected.
[0005]
In making these media, a method of forming a large number of domains and cells in a medium sheet and enclosing one display element with a liquid in each of them, or a method of microencapsulating each display element to form a sheet. In addition, a technique has been proposed in which a large number of display elements are sealed together with a liquid or a gas in the entire surface of a medium or in one of a plurality of divided cells of a medium.
[0006]
However, when the display elements contact each other or the display element and the wall material, a force such as a frictional force or an adhesive force that hinders the rotation of the display element at the time of rewriting is generated, and these weak forces act as a holding ability of a displayed image or the like. However, if it is too strong, there arises a problem that rewriteability deteriorates or rewrite becomes impossible.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems relating to the hindrance of rotation of a display element and to provide a display medium capable of performing stable rewriting.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the object of the present invention, a spherical or nearly spherical display element having two or more types of colors or different transparency portions is rotated to change the color directed to the surface. In a display medium capable of displaying images, characters, and the like, the display element has a spherical shape or a shape close to 50% or less of the average particle diameter of the display element and an average particle diameter of 0.1 μm or more and drives the display element. It has been found that a stable rewritable display medium can be obtained by incorporating small particles that do not move by the action separately from the display element.
[0009]
In a conventional particle rotation type display medium, when the display elements come into contact with each other or the display element and the wall material, these display elements have a relatively large particle size, so that the contact area becomes large, and a large area that hinders the rotation of the display element. The inventors have noticed that frictional force, adhesive force, and the like are generated, and have reached the present invention. In the present invention, by including small particles having a small particle size separately from the display element, the display element is in direct contact with only the small particles, the contact area becomes very small, and the small particles can rotate. It is considered that the rotation of the display element could be stabilized as compared with the conventional particle rotation type display medium by acting as a bearing.
[0010]
The shape of the display element of the present invention may be a spherical shape or a shape close to the spherical shape, whereby the color directed to the observation side can be easily changed, which is suitable for displaying images and characters.
[0011]
The shape of the small particles to be contained separately from the display element of the present invention is also preferably a spherical shape or a shape close thereto, so that the contact area with the display element can be made extremely small, and the particle itself can rotate freely. Becomes possible, it becomes possible to play a role as a bearing.
[0012]
The material of the small particles is preferably hard and non-adhesive in order to exhibit the above effects, and may be any of organic and inorganic substances such as resin, ceramics and metal. Particularly, the resin is preferably used because the specific gravity can be close to the dispersion medium that fills the surrounding area. Among the resins, those having a high glass transition temperature are preferable in terms of hardness and non-adhesiveness. Specifically, those having a glass transition temperature of 30 ° C. or higher are preferable, those having a glass transition temperature of 50 ° C. or higher are more preferable, and those of 80 ° C. The above are more preferred.
[0013]
Since the small particles contained separately from the display element of the present invention are contained for the purpose of stabilizing the rotation of the display element, they exist between the display element and the display element or between the display element and the wall. Need to be. Therefore, it is desirable that the operation of driving the display element for rewriting the display, for example, one that does not move due to a magnetic field or an electric field.
[0014]
The effect of the small particles contained separately from the display element of the present invention cannot be obtained unless the contact area is smaller than the contact between the display elements. Although the contact area depends on the elasticity of the display element and the small particles, the effect can be generally obtained if the small particles have an average particle size of 50% or less of the display element. Small particles exist between the display element and the display element or between the display element and the wall and have an effect of expanding the space between the display elements. Therefore, in order to improve the display characteristics, the average particle size of the small particles is increased. The diameter is more preferably 25% or less of the average particle diameter of the display element. In order to further exert these effects, the average particle size of the small particles is more preferably 10% or less of the average particle size of the display element.
[0015]
On the other hand, if the small particles are too small, aggregation and adsorption are likely to occur, and the effect is reduced, so that the particle size of the small particles is preferably 0.1 μm or more. 0.5 μm or more is more preferable, and 1 μm or more is further preferable.
[0016]
Since small particles contained separately from the display element of the present invention do not contribute to a change in display density in rewriting display, transparent particles are preferably used. In addition, since small particles are always visible, it is effective to use colored ones to add or enhance a specific color.For example, particles such as white of the same color as the background color are used to emphasize the background color such as white. It is also effective to use.
[0017]
Since the small particles to be contained separately from the display element of the present invention need to be present between the display element and the display element or between the display element and the wall, a component that fills the space between the display element and the wall. It is preferable that the content is 5% or more by volume content, and below this, it is difficult to obtain the effect of stabilizing the rotation. In order to obtain high stability, the content is more preferably at least 10% by volume, and even more preferably at least 15% by volume.
[0018]
On the other hand, if the small particles are contained in too much, on the contrary, the friction and the like related to the small particles become large and hinder the rotation of the display element, so that the volume of the small particles in the component that fills the space between the display element and the wall The content is preferably 60% or less. 50% or less is more preferable, and 40% or less is further preferable.
[0019]
The effect of the present invention is particularly useful when the display element has a high display element concentration in which the display element tends to be difficult to rotate, and the display element is contained in the entire composition in the space surrounded by the wall in a volume content of 15% or more. It is effective in the case. It is more effective when the content is 20% or more, and more effective when the content is 30% or more.
[0020]
The small particles to be contained separately from the display element of the present invention need to be present between the display element and the display element or between the display element and the wall. It is preferable that the medium is a substance or a composition whose fluidity is reduced at least except at the time of rewriting display. Thereby, the movement of the small particles is suppressed, and the rotation stability of the display element is maintained for a long time.
[0021]
As a substance or composition whose fluidity is reduced at least other than at the time of display rewriting, a substance obtained by adding an organic or inorganic thixotropic agent, a thickener, etc. to a solvent having a high viscosity at least other than at the time of display rewriting is preferably used. Is done. Representative examples of such additives include silica fine particles, bentonite, and organic bentonite. In addition, substances or compositions whose fluidity changes depending on specific situations, actions, and the like, such as waxes that exhibit fluidity when the temperature is increased, viscous liquid substances that decrease fluidity, and the like, are also preferably used.
[0022]
The particle size of the display element used can be appropriately selected according to the application. For example, if the A4 size requires an image resolution of 250 dpi, the particle size of the display element is preferably 100 μm or less. If the display element is used for a large display or a signboard, the individual display elements do not matter at the actual viewing distance. The element size may be increased to the extent. Further, the lower limit of the particle size of the display element is practically 1 μm.
[0023]
The measurement of the particle size of the display element and small particles is based on the assumption that a photographing lens, a microscope, an electron microscope, etc. are appropriately selected according to the particle size, these photographs are taken, the area of the particle image is measured, and the shape is circular. Or the average may be determined by measuring the major and minor diameters. The above measurement is performed on 30 particle images, and the average is defined as the average particle diameter. The above processing may be performed by capturing a captured image into a computer and using image processing software or the like.
[0024]
For controlling the display element in a specific direction in the present invention, any method may be used. For example, there is a method of controlling by applying a magnetic field, an electric field, or the like. Among them, the method is particularly effective in a method using a magnetic field which tends to cause the movement of the display element because it normally acts only from one side. Various methods as described above have been proposed so far, and any conventionally known methods can be used if the display medium of the present invention is used instead of the conventional display element.
[0025]
The display element of the present invention may be manufactured using any method. For example, those manufactured by a conventionally known manufacturing method can be used. Resins, waxes, kneaded dyes, pigments, magnetic powders, etc., or spherical element materials such as magnets, etc. embedded in resin and colored by spraying, vapor deposition, photosensitivity, etc., vapor deposition without embedding element materials And those which are colored by sputtering or the like, those which are half-floated and plated in a plating tank, and those which are obtained by combining and flying two types of molten wax or the like to form particles. In addition, a method of temporarily fixing the element material and applying a paint to apply a color is effective because not only the color but also a paint having magnetism or specific electric characteristics can be applied. In addition, any material may be used as the material used in the above manufacturing as long as necessary characteristics such as display characteristics and durability can be obtained.
[0026]
The display medium of the present invention, the display element, small particles, a dispersion medium, and if necessary, a composition in which other additives are mixed, the display medium may be formed by any method as long as it can be uniformly added. Any conventionally known technique can be used as long as the composition can be uniformly introduced. For example, a method of putting the composition between two sheets, a method of dividing a display medium into small cells and putting the composition into each cell, a method of microencapsulating the composition, and the like can be given. Further, when the interaction between display elements is weak, such as when a magnetic paint is applied to the element material, it is effective to put a plurality of display elements in each cell.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to an example that improves the rotation stability of the display element. However, this is for specifically describing the effect of the present invention, and the present invention is not limited thereto. Not something.
[0028]
<Example 1>
〔material〕
* Display element particles: white crosslinked acrylic spherical fine particles having an average particle diameter of 100 μm (Toughtic AR650L-W, manufactured by Toyobo Co., Ltd.)
* Coloring paint applied to particles: Metallic iron magnetic component (DM-86, manufactured by Dowa Mining Co., Ltd.) and vinyl chloride / vinyl acetate / vinyl alcohol copolymer (MR-110, manufactured by Zeon Corporation) are dispersed. Black magnetic paint * Small particles: Transparent crosslinked acrylic spherical fine particles with an average particle diameter of 8 μm (MBX-8, manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.)
* Liquid to be put into cell together with particles: thixotropic liquid in which fine silica (Aerosil 200, manufactured by Aerosil) is dispersed in a solvent (Isoper M, manufactured by Exxon Chemical).
[0029]
After applying the above-mentioned colored paint to the white particles so that the surface area of the colored portion is about half of the surface area of the particles, magnetize the coated portion so that the center of the coated portion becomes the S pole, and remove only those that adhere to the magnet. After classification, a display element for a display medium was manufactured. A horizontal magnetic field was applied to take a picture of the display element with the coated part directed sideways, and the coating area was obtained for ten of them. The area of maximum north latitude 29 degrees north and minimum north latitude 49 degrees north) was coated. In addition, the major axis and the minor axis were measured for 30 of them, and the average thereof was found to be 120 μm. The reason why the particle size became larger than that of the raw material is presumed to be that the small particles were not coated with a magnetic paint and were removed by classification with a magnet.
[0030]
A mixture of 33.3 parts by weight of the obtained display element, 16.7 parts by weight of the above-described small particles and 50 parts by weight of a solvent (Isoper M) was mixed with two 188 μm polyethylene terephthalate (PET) having a white back surface and a transparent front surface. ) A film was sandwiched between the films together with a spacer having a gap of 0.5 mm to form a display medium. Since the specific gravities are 1.3 for the display element, 1.2 for the small particles, and 0.79 for the dispersion medium, the display element is 25% by volume in the total composition, and the small particles are components other than the display element. 18% of the total.
[0031]
<Example 2>
A display medium was produced in the same manner as in Example 1 except that 37.5 parts by weight of a thixotropic liquid was used instead of the solvent (Isoper M). The display element contains 25% by volume in the total composition, and the small particles contain 18% in components other than the display element.
[0032]
<Example 3>
A display medium was produced in the same manner as in Example 1 except that 50 parts by weight of the above display element, 12.5 parts by weight of small particles, and 37.5 parts by weight of a solvent (Isoper M) were used. The display device contains 40% by volume of the total composition, and the small particles contain 18% of components other than the display device.
[0033]
<Example 4>
A display medium was prepared in the same manner as in Example 3, except that 37.5 parts by weight of a thixotropy liquid was used instead of the solvent (Isoper M). The display device contains 40% by volume of the total composition, and the small particles contain 18% of components other than the display device.
[0034]
<Comparative Example 1>
A display medium was prepared in the same manner as in Example 1 except that the above display element was used in an amount of 35.3 parts by weight and the thixotropic liquid was used in an amount of 64.7 parts by weight without using the small particles. The display element contained 25% by volume in the total composition and did not contain small particles.
[0035]
<Comparative Example 2>
A display medium was produced in the same manner as in Example 1 except that the above display element was used in an amount of 52.2 parts by weight and the thixotropic liquid was used in an amount of 47.8 parts by weight, and the small particles were not used. The display element contained 25% by volume in the total composition and did not contain small particles.
[0036]
[Evaluation]
After placing the N pole of the ferrite magnet in contact with the back surface of the obtained display medium and then placing the S pole in contact, it was observed whether white display and black display by inversion of the display element were possible. The reflection density of the portion where the display could be inverted was measured by a Macbeth densitometer RD915, and the reflectance and contrast at the time of white display were obtained.
[0037]
Table 1 shows the display conditions, and the obtained reflectance and contrast values for white display with respect to the display media of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2.
[0038]
[Table 1]
[0039]
As shown in Table 1, small particles that are 50% or less of the average particle size of the display element and have a spherical shape with an average particle size of 0.1 μm or more or a shape close to the sphere and that do not move due to the driving action of the display element. The display media of Examples 1 to 3 using the display medium separately contained could have higher rotation stability of the display element than those of Comparative Examples 1 to 3 using no small particles.
[0040]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to enhance the stability of display rewriting.