JP2004271322A - 搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法及びそのシステム - Google Patents

搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法及びそのシステム Download PDF

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Abstract

【課題】搬送波の1波長の単位で計測できるような測位信号を構成する。
【解決手段】1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成し、搬送波を生成し、クロックの第1分周数のパルスを単位として駆動されるテレメトリ信号を生成し、第1分周数の約数である第2分周数のパルスを単位として駆動される第1の擬似雑音符号を生成し、テレメトリ信号と第1の擬似雑音符号とをチップ単位で論理演算し、クロックの1パルスを単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成し、第1の測位符号と第2の測位符号とをチップ単位で論理演算して搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号を生成し、及び搬送波を搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号で変調して搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航行衛星の測位信号の生成方法に関し、より詳しくは、少なくとも4個の人工衛星を使用して、人工衛星内部で生成した測位信号を地表面に向かって放射させ、地表面付近で前記測位信号を受信させて、処理することによって測位を行わせる航行衛星システムに用いられる搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号の生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在最も普及している航行衛星システムは米国のGPS(Global Positioning System)である。類似の設計思想に基づいた航行衛星システムとしてロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)が存在するが、完成度が低いので、GPSが実用化されているものの総てを代表すると言える。GPSは軌道半径26,561km、軌道傾斜角55度、6種類の軌道面に標準として24個の人工衛星が投入され、全地球域にわたり測位のサービスを提供している。GPSは非特許文献1に詳細が記述されている。
【0003】
【非特許文献1】
ブラッドフォード・W・パーキンソン他(Bradford W. Parkinson, et al.)著,「グローバル・ポジショニング・システム:セオリー・アンド・アプリケーションズ 第I巻及び第II巻(Global Positioning System: Theory and Applications Volume I&II), アメリカン・インスティテュート・オブ・エアロノーティクス・アンド・アストロノーティクス・インコーポレイテッド(American Institute of Aeronauticsand Astronautics, Inc.)、ワシントンDC,米国(Washington DC, USA)
最近のGPSの動向は非特許文献2、3に示されている。GPSが年代と共に変化する型式とその開発、運用の時系列は非特許文献3に最新版が示されている。ある年代の型式をブロックと定義していて、現在はブロックIIRの打ち上げが完了して、ブロックIIFの時代に入り、将来的にはGPS IIIが登場する計画が示されている。ユーザの立場で見たシステムの改善は民生用、軍用共に新しい信号が増えることである。システムの内部ではUHF帯の衛星間通信回線が付加される。新しい信号が増えることで、民生用、軍用共に利便性が増大する。また、ブロックIIF以前に無かったUHF帯の衛星間通信回線が付加されることで、それ以前のシステムでは実現できなかった性能の向上が図られている。
【非特許文献2】
S.C.フィッシャー他(S. C. Fisher, et al.)著,「GPS IIF−ザ・ネキスト・ジェネレーション(GPS IIF TheNext Generation)」,p.24−47,プロシーディングス・オブ・ザ・IEEE,第87巻、第1号、1999年1月(Proceedings of the IEEE, Vol.87, No.1, Jan. 1999)
【非特許文献3】
J.E.クラーク(J. E. Clark)著,「GPS モダーナイゼーション(GPS Modernization),p.2773−2803, ION GPS 2001,2001年9月(Sept.2001),ソルトレーク・シティ(Salt Lake City),ユタ州,米国(UT, USA)
GPS全体の基本になる構成要素は非特許文献1の第I巻の11ページ 「イントロダクション・アンド・ヘリテージ・オブ・ナブスター(Introduction and Heritage of NAVSTAR)」 に示されている。非特許文献1では、GPS群120を宇宙部分(Space Segment)と定義し、管制局123、モニター局124、125、126、127を管理部分(Control Segment)と定義している。図8は、GPSの全体の構成を説明する図である。
【0004】
GPS衛星121はColorado Springs管制局123によって時刻が管理された原子時計を搭載して、前記原子時計を原振として生成した測位信号と、Colorado Springs局123から送られてきた衛星の位置、状態などに関するテレメトリ信号を搬送波に変調して地球域に送信する。観測者は少なくとも4個のGPS衛星121からの信号を受信して自分の位置を検出する。
【0005】
GPS衛星121から送信される測位信号は以下の通りである(GPSの信号構成については非特許文献1の72ページを参照する。)。図7は、測位信号の基本構成を説明する図である。C/A符号140は、搬送波に変調された測位信号を示す。搬送波周波数は1227.6MHzまたは1575.42MHzで、これに1.023MbpsのチップレートのPN符号が位相変調されて、測位信号が構成される。C/A符号の構成ではPN符号のビットの0または1に応じて、搬送波がπ相または0相となるような2値の位相変調がなされる様子を示している。C/A符号1ビット141はπ相の測位符号の1例を示す。
【0006】
P符号145の搬送波は、C/A符号の搬送波と同じである。それに変調されるPN符号は10.23Mbpsのチップレートであり、C/A符号の10倍の細かさである。C/A符号の1チップの中にP符号は10チップある。図7において、P符号145の最初の1ビットは、論理値が1すなわち位相がπ相の場合の例を示している。その後に連続するチップは、0、0、π、0、π、0、π、π、0の各相の順序で並んでいる。
【0007】
GPSの宇宙部分、管理部分は、測位信号をユーザに送信することによって測位サービスを提供している。このようにシステム全体を使用して行う測位を単独測位方式と言う。この単独測位を核として、単独測位では達成できなかった精度の向上や、信頼性の向上を図るため、補完システムや、相対測位が構築され、さらに拡充されている。
【0008】
相対測位では、観測地点の付近に地上での絶対位置が判明している基準点を置く。基準点と観測点の両地点で航行衛星からの測位信号を受信して、受信信号を比較して、信号の位相差より両地点間の距離を算出する。この場合の測位信号には搬送波の位相も使用できるので、基準点と計測点間の計測精度は、10km程度の測定距離に対して誤差が1cm程度の高精度な測位が可能である。
【0009】
GPSを航空管制に使用した場合は、飛行期間の全般にわたって瞬時、瞬時のシステムの信頼性が課題であり、さらに離着陸段階では信頼性と共に位置精度の向上が課題である。また、測量、地球観測のような静的な利用ではミリメートル単位での位置精度の検出が課題である。この課題を解決するため、GPS補完システムが提案され、構築されている。非特許文献1、Volume IIに広域に適応されるWide Area Augmentation System(WAAS)、や狭域に適応されるLocal Area Augmentation System(LAAS)が記述されている。WAASは広域のGPS補完システムの一般名称であるが、米国のGPS広域補完システムは固有名詞として使われている。日本の等価システムはMSAS、欧州のシステムはEGNOSである。LAASは地球観測、測量、空港の近辺で精密測位を必要とする所に構築されている。以上のGPS補完システムはGPSを核として、GPSを補完したシステム構成であるが、他にGPSを全く客観的な観測対象として測位精度の向上を目指したInternational GPS Service(IGS)システムが存在する。
【0010】
測位の精度の向上は各種ユーザに応じて色々な工夫がなされてきた。単独測位を補完して、伝搬媒体の補正情報広報、基準局の設定等のWAAS、LAAS、さらに世界に広く観測局を置いてより正確な衛星情報の提供を図るIGSの動向がある。いずれの場合も単独測位が基本になって、それに補完要素を付け加えて精度の向上を目指している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
GPS単独のC/A符号を用いた誤差は非特許文献1の481ページに約10mであると記載されている。このデータは理論的に算出された値である。一方、実測値に基づく誤差は3シグマ内100mで、多くの誤差は50m以内に存在している。非特許文献1のデータの前提は単一の擬似距離計測に含まれる衛星、伝搬媒質、受信機などの誤差要素を基に算出しているが、後者はこれらの誤差要素の他に、観測者が測位している時の星座で決まるGDOP(Geometrical Dilution of Position)の値が係数として入っていて、実測値を示している。通常1より大きく、6以下の値であるGDOPは前者の誤差に掛け算で係り、後者の値を得る。即ち、後者が現実に得られる単独測位の精度である。測位信号が測位精度に及ぼす影響は測位符号の周波数に依存する。GPSのC/A符号の1.023Mbps、P符号の10.23Mbpsがそれに該当する周波数である。この周波数と前記の誤差と直接関わり、現在の測位符号は前記のシステム内部の誤差要素と同じ程度の精度が得られる値に選択されている。これに対して、航行衛星システムの精度の向上を図るためにはその核となる単独測位の精度の向上を達成することが基本的に必要である。本発明では航行衛星システム内部の誤差要素が現在より改善されるようになった時、それに見合う航行衛星システムの核となる単独測位システムに用いられる精度の改善が図られる測位信号を構築することが課題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題の解決は、以下の特徴を有する本発明によって達成される。請求項1に記載の発明は、1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するステップと、当該クロックに対応する周波数の搬送波を生成するステップと、当該クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、当該クロックの、当該第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成するステップと、当該テレメトリ信号と当該第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成するステップと、当該クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成するステップと、当該第1の測位符号と当該第2の測位符号とを当該第2の測位符号の1チップ単位で論理演算をすることによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号を生成するステップと、当該搬送波を当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成するステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴に加えて、当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する当該ステップは、当該搬送波を当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するステップと、当該クロックに対応する周波数の搬送波を生成するステップと、当該クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、当該クロックの、当該第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成するステップと、当該テレメトリ信号と当該第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成するステップと、当該クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成するステップと、当該搬送波を当該第1の測位符号と当該第2の測位符号との組み合わせでQPSK変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するステップと、当該クロックに対応する周波数の搬送波を生成するステップと、当該クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、当該クロックの、当該第1分周数より小さい複数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成するステップと、当該テレメトリ信号と当該第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成するステップと、当該クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成するステップと、当該搬送波を当該第2の測位符号で変調するステップと、当該搬送波で変調された当該第2の測位信号を当該第1の測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成するステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の特徴に加えて、当該搬送波を当該第2の測位符号で変調する当該ステップは、当該搬送波を当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調し、及び当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する当該ステップは、当該搬送波で変調された当該第2の測位信号を当該第1の測位符号でBPSK変調することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、当該擬似雑音符号は、PN符号であることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、当該論理演算は、モデューロ2演算であることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明の発明は、請求項7に記載の発明の特徴に加えて、当該モデューロ2演算は、排他的論理和であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、当該第2の測位符号の符号の1周期の長さは、当該第1の測位符号の1チップの長さの1/2倍以上かつ1倍以下であることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明の特徴は、請求項1から9のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、当該第1の測位符号の特定の1チップの開始時と当該第2の測位符号の特定の1周期の開始時とが一致しており、かつ、当該第1の測位符号の所定の複数のチップ区間が経過した直後に当該第2の測位符号の新たな符号の1周期が開始されるように、当該第2の測位符号の生成シーケンスをリセットすることを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明の特徴は、1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するクロック生成手段と、当該クロックに対応する周波数の搬送波を生成する搬送波生成手段と、当該クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するテレメトリ信号生成手段と、当該クロックの、当該第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成する第1の擬似雑音符号生成手段と、当該テレメトリ信号と当該第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成する第1の測位符号生成手段と、当該クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成する第2の測位符号生成手段と、当該第1の測位符号と当該第2の測位符号とを当該第2の測位符号の1チップ単位で論理演算をすることによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号生成手段と、当該搬送波を当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段と、することを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明の特徴に加えて、当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段は、当該搬送波を当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調することを特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するクロック生成手段と、当該クロックに対応する周波数の搬送波を生成する搬送波生成手段と、当該クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、当該クロックの、当該第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成する第1の擬似雑音符号生成手段と、当該テレメトリ信号と当該第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成する第1の測位符号生成手段と、当該クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成する第2の測位符号生成手段と、当該搬送波を当該第1の測位符号と当該第2の測位符号との組み合わせでQPSK変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段と、を有することを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するクロック生成手段と、当該クロックに対応する周波数の搬送波を生成する搬送波生成手段と、当該クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するテレメトリ信号生成手段と、当該クロックの、当該第1分周数より小さい複数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成する第1の擬似雑音符号生成手段と、当該テレメトリ信号と当該第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成する第1の測位符号生成手段と、当該クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成する第2の測位符号生成手段と、当該搬送波を当該第2の測位符号で変調する変調手段と、当該搬送波で変調された当該第2の測位信号を当該第1の測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明の特徴に加え、当該搬送波を当該第2の測位符号で変調する当該変調手段は、当該搬送波を当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調し、及び当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する当該搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段は、当該搬送波で変調された当該第2の測位信号を当該第1の測位符号でBPSK変調することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
航行衛星から送信される測位信号は、搬送波の特性と深く関わっている。GPSの搬送波は1.57542GHzのLと、1.2276GHzのLが現用であり、更に1.17645GHzのLの使用が計画されている。非特許文献1の70ページにはLバンドとCバンドの比較がなされている。実際に使われたLバンドと同様にCバンドも使用可能な周波数であることを示している。1GHzより低い搬送波は、電離層や、大気層での伝搬中の屈折が大きくて、補正が難しく、また、10GHz以上は伝搬中の減衰が大きくて、利用し難いなどの制約を受ける。従って、本発明では1GHz以上、10GHz以下の範囲で新規な測位信号を構築する。
【0028】
表1に1GHz以上、10GHz以下の範囲で航行衛星に適した周波数の配分の一覧を示した。航行衛星に適したと言う意味は以下の業務に配分されていると言うことである。また、この業務に配分されていると言うことは、その配分が現在使われているか、または将来使用される可能性を持つと言うことである。将来の使用に関する規定は現在脚注に記載されてないが、使用計画が明確になった段階で、国際的に話し合われ、規定されると考える。
業務内容は次の定義による。
無線測位業務:無線測位のための無線通信業務
無線測位衛星業務:1または2以上の宇宙局を使用する無線測位のための無線通信業務
無線航行業務:無線航行のための無線測位業務
無線航行衛星業務:無線航行のための無線測位衛星業務
海上無線航行業務:船舶およびその運航の安全ための無線航行業務
航空無線航行業務:航空機およびその運航の安全のための無線航行業務
これらの定義のもと、現在の航行衛星の周波数が選ばれ、また、将来の航行衛星システムの測位信号の搬送波もこの範囲で周波数が選ばれることを示している。
【0029】
【表1】
Figure 2004271322
注: 無印 一次業務 * 共同使用 # 二次業務
これから図面を参照し、本発明に係る測位信号の生成方法について説明する。まず、本発明の測位信号の一般式を式(1)に示す。
【数1】
Figure 2004271322
ここで、SΠ(t)は時間の関数である測位信号を示す。Pは信号電力、XC(t)は搬送波に駆動されたPN符号、XG(t)は準C/A信号のPN符号、XD(t)はテレメトリのビットストリーム、ωは搬送波の周波数、φは初期位相である。なお、準C/A信号とは、現行のC/A信号と同様の機能を有するが、周波数はそれと異なっていてもよい信号のことを表すために本明細書で使用する用語である。測位信号は測位信号の振幅部と搬送波より成り立つ。振幅部に含まれる準C/A符号を第1の測位符号、搬送波に駆動されたPN符号を第2の測位符号(搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号)と称する。ここで、XC(t)、XG(t)、及びXD(t)は、論理状態に応じて+1または−1の値を取る。XC(t)XG(t)XD(t)の値が−1であれば、cos(ωt+φ)の符号がマイナスになり、符合がプラスのときと比較すると位相が反転することになる。
【0030】
GPSの測位符号はC/A信号およびP信号である。いずれの符号も時間の単位と、生成多項式を使って生成するPN符号の符号長と密接な関係を保って決められた。従って、これらに使用されているPN符号を駆動するクロック周波数は一つの重要な基準となる。しかし、新規な測位符号の選択に当たっては、本発明の実施時に使用する搬送波周波数、PN符号の符号長を勘案して具体的な数値を定めるべきである。本発明ではC/A信号の考え方を踏襲した信号として、準C/A信号を定義し、第1の測位符号と称する。
【0031】
本発明の測位信号は第1の測位符号である準C/A信号のPN符号を用いるのみならず、搬送波をクロックとして、このクロックのパルスに駆動されるPN符号である第2の測位符号も用いることを特徴とした信号形式を有する。以下に式(1)で示した測位信号の生成過程や、特性について説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態に係る搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム200のブロック図である。搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム200は、時刻ユニット2、搬送波PN符号生成器3、制御ロジック4、準C/A信号PN符号生成器6、及びTLM生成器9から構成される。図9は、本発明の一実施形態に係る搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム200の動作フロー図である。これから図1及び図9を参照して、測位信号の生成過程を説明する。搬送波クロック1が、航行衛星内に在る超高安定な発振周波数を持ち、かつ管制局が持つ一次基準に準拠した時刻と同期した衛星内部の基準周波数の原振から生成される(ステップS101)。搬送波クロック1の周波数は、本実施例においては、原振の発振周波数と同じであるが、原振の発振周波数を逓倍したものや、分周したものであってもよい。時刻ユニット2は搬送波クロック1の入力を得て、それを分周することによって、航行衛星システムに必要な周波数や、タイミング信号を生成するユニットである。そして、クロックに対応する周波数の搬送波を生成する(ステップS103)。
【0033】
これから周波数の低い信号から順に説明する。テレメトリ(TLM)信号20は、時刻情報、衛星の軌道情報、各種補正情報などTLM内容12を情報として含む信号である。テレメトリ信号20は、搬送波クロック1を分周したパルスによって、すなわち、複数の整数(「第1分周数」と称する)のパルス数の搬送波クロック1をビット単位として駆動される。搬送波クロック1のパルスを分周数個をまとめてビット単位にすることによって、搬送波の周波数を分周数分の一に低くすることができる。GPSのTLMクロック10は50bpsの伝送速度を持つ。航行衛星のシステム設計の結果に基づいて必要なテレメトリ項目を定め、GPSに準じた伝送速度のTLMクロック10が選択される。テレメトリ信号20の枠組みを決めるフレームやサブフレームはフレーム同期信号11に準拠して作成され、テレメトリのTLM内容12は2値のデータで構成されるワード(語)で表現され、そのサブフレームの中に規則に従って組み込まれる。TLM生成器9は、時刻ユニット2からTLMクロック10及びフレーム同期信号11を取得し、それらとTLM内容12に基づいて、TLM内容12をフレームに組み込んだ、TLMクロック10を単位として駆動されるテレメトリ信号XD(t)20を生成して出力する(ステップS105)。
【0034】
GPSのC/A信号は10ステージ(10次元)の生成多項式で生成されたPN符号(擬似雑音)を測位信号に使用する。本発明でも擬似雑音特性の優れた生成多項式に相当するシフトレジスタより生成されるPN符号を使用して測位符号を構築する。
【0035】
なお、優れた擬似雑音特性とは以下の3点の条件を満たすものである。
i.1周期内の0と1の出現の総数の差は1である。
ii.0と1、00と11、000と111等の対の組み合わせが同じ割合で、かつ短い程多く、長い程少なく出現する。
iii.符号長の相関特性は自己相関以外は符号長分の1である。
【0036】
本発明ではGPSのC/A信号に準ずる信号として、準C/A信号を定義し、それは測位のために使用できる特徴を有するため第1の測位符号と称する。準C/A信号は、符号長及び符号のクロックが、C/A信号のそれに近い値を持つ信号であり、それらの具体的な値は実際の測位信号の設計条件に従って、設定時に定められる。準C/A信号に使用されるPN符号生成の多項式は、10次元以上であることが望ましい。10次元では0、1のアンバランスは1/1000であるため、それより短くなるとアンバランスが増すからである。本発明では準C/A信号の要素以外にもアンバランスの要因があるので、準C/A信号単一ではアンバランスは1/1000を超える程度が望ましい。
Figure 2004271322
する図である。図2では、各信号の間のタイミングの関係を明確に示すために、時間軸をそろえた上で、特定のタイミングにおいて各信号間を点線で結んでいる。図2(A)は、テレメトリ信号を2値のデータで表したものであるTLM信号(XD(t))20を示し、図2(B)は、それを拡大して示す。図2(B)に示されるTLM信号20と、図2(C)に示されるPN符号である準C/A信号PN符号(XC/A(t))21とを、準C/A信号PN符号21の1パルス単位で論理演算を行ったものが、図2(D)に示される準C/A信号22である。その論理演算は、モデューロ2演算であり、好適には図示しているように排他的論理和の論理演算である。TLM信号20が1の時は、準C/A信号PN符号21と準C/A信号22とは逆相であり、TLM信号20が0の時は、それらは同相となる。以下に準C/A信号22の生成過程を詳細に説明する。準C/A信号PN符号生成器6は、10次元内外の次数の生成多項式に相当するシフトレジスタである。準C/A信号クロック7は、C/A信号に準じた繰り返し周波数を持ち、準C/A信号PN符号生成器6を駆動する。リセット信号8は、航行衛星システムの時系列で定められた時刻に準C/A信号生成器6の内容をゼロ・リセットするための信号である。
【0037】
準C/A信号PN符号生成器6は、時刻ユニット2から準C/A信号クロック7を取得し、それによって駆動される準C/A信号PN符号21を出力する(ステップS107)。準C/A信号PN符号生成器6の出力は、第1の擬似雑音符号であるX準C/A信号PN符号21である。TLMクロック10は、周波数が準C/A信号クロック7の整数分の一であり、それらはパルス単位でタイミングが同期している。準C/A信号PN符号生成器6が出力する準C/A信号PN符号は、複数の整数(「第2分周数」と称する)のパルス数の搬送波クロック1をチップ単位として駆動される。ここで、第2分周数は、前述の第1分周数より小さく、かつ、第1分周数の約数である。このように第1分周数及び第2分周数を定めることによって、それぞれの信号を同期させることができる。従って、準C/A信号PN符号21と準C/A信号20は論理演算が可能である。次に、準C/A信号PN符号生成器6及びTLM生成器9の後段のモデューロ2演算部において、TLM信号20と準C/A信号PN符号21との、準C/A信号PN符号21の1チップ単位でのモデューロ2演算の論理演算が実施され、準C/A信号22が生成される(ステップS109)。この準C/A信号22は、前述のように、第1の測位符号と称する。
【0038】
搬送波PN符号生成器3は、搬送波クロック1で駆動される生成多項式に相当するシフトレジスタより成る、第2の測位符号を生成するPN符号生成器である。生成多項式の次数は10次元以上程度とする。本発明における搬送波は、搬送波としての役割と、論理回路の駆動用のクロックとしての役割とを持つ。表1に示されるように航行衛星システムに使用される搬送波は1GHzから5GHz程度までの範囲である。このような高いクロックのパルス単位における論理演算が最近の技術の進歩により可能になってきている。
【0039】
搬送波PN符号生成器3は、搬送波クロック1に駆動されてPN符号を生成する(ステップS111)。そのPN符号は、航行衛星システムの時系列で定められた時刻と定められた搬送波の波数に達した時刻に制御ロジック4よりリセット信号5を受けてゼロ・リセットされ、第2の測位符号である搬送波PN符号(XC(t))23となる。すなわち、第1の測位符号の特定の1チップの開始時と第2の測位符号の特定の1周期の開始時とが一致しており、かつ、第1の測位符号の所定の複数のチップ区間が経過した直後に当該第2の測位符号の新たな符号の1周期が開始されるように、第2の測位符号の生成シーケンスがリセットされる。
【0040】
搬送波クロック1の周波数の整数分の一(第1分周数分の一)が準C/Aクロックの周波数で、両者のタイミングは一致している。従って、搬送波PN符号23と準C/A信号22は、搬送波クロック1の1パルスを1チップ単位として論理演算が可能であり、その論理演算(モデューロ2又は排他的論理和)により搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号24の出力信号を得る。すなわち、搬送波PN符号生成器3の後段のモデューロ2演算部において、搬送波PN符号23と準C/A信号22との、搬送波PN符号23の1チップ単位(すなわち搬送波クロック1の1パルス単位)でのモデューロ2演算の論理演算が実施され、搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号24が生成される(ステップS113)。この信号が本発明に係る式(1)で示した測位信号の振幅の部分に該当する。次に、搬送波を搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号24で変調(BPSK変調)すると、式(1)で示した測位信号である搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号25が得られる(ステップS115)。
【0041】
なお、ステップS113以降において、搬送波PN符号23と準C/A信号22との論理演算を行うことなく、まず、搬送波を搬送波PN符号23で変調し、次に、その搬送波PN符号23で変調された搬送波を、さらに準C/A信号22で変調することによっても、同じく搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号25を得ることができる。
【0042】
図3は、従来の測位信号の生成過程の一例を説明する図である。図3では、各信号の間のタイミングの関係を明確に示すために、時間軸をそろえた上で、特定のタイミングにおいて各信号間を点線で結んでいる。ここでは搬送波は符号化されていないので、図3(C)に示すように、搬送波は同じ論理値を反復するものとして表されている。図3(A)及び図3(B)に示されるC/A信号と、図3(D)に示される搬送波クロックとを論理演算、ここでは排他的論理和の論理演算を行うことによって、図3(D)に示される測位信号が生成される。測位信号は、C/A信号と同じ論理値の信号となる。C/A信号20が0の時は、搬送波クロックとC/A信号とは同相であり、C/A信号が1の時は、それらは逆相となる。C/A信号を衛星から送信する際には、そのC/A信号は搬送波に変調されて測位信号となる。図3(E)には、C/A信号に応答してBPSK変調(Binary Phase Shift Keying,2相位相変調)を行ったBPSK変調測位信号の波形の例を示す。なお、図3では、搬送波クロックを論理値の連続として表しているが、搬送波を連続する論理値のクロックとしてではなく、連続する波形の信号とすることもできる。すなわち、搬送波をクロックの1パルス周期に整合した周期を有する(すなわち周波数がクロックの周波数の整数倍であり、かつクロックの1パルスの開始時が1周期の開始時である)正弦波信号とすることもできる。このようにすると、C/A信号と搬送波クロックとの論理演算に代えて、C/A信号と搬送波の信号との乗算によって、C/A信号を搬送波に重畳させて変調することができる。この場合、C/A信号とそのような搬送波とを乗算することによって、直ちにBPSK変調測位信号を得ることができる。
【0043】
図4は、本発明に係る測位信号の生成過程の一例を説明する図である。図4には、従来の測位符号に近い特性を持つ第1の測位符号(準C/A信号22)と、搬送波の周波数の1周期を単位とした測位符号である第2の測位符号とから、搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50を構成する過程を示している。図4では、各信号の間のタイミングの関係を明確に示すために、時間軸をそろえた上で、特定のタイミングにおいて各信号間を点線で結んでいる。
【0044】
準C/A信号22の1ビットに、αサイクルの搬送波が存在するとする。すると、GPSのLについては、搬送波周波数が1575.42MHzでC/A符号の周波数は1.023MHzであるので、αは1540となり、またLについては、搬送波周波数が1227.6MHzであって、αは1200となる。なお、αの物理的意味に関しては、GPSではC/A符号の周波数を逓倍して搬送波周波数を得ているため、αはその際の逓倍数を示している。
【0045】
準C/A信号22(第1の測位符号)は、図4(A)及び図4(B)に示されるように、準C/A信号PN符号生成器6から出力されるPN符号である準C/A信号PN符号XC/A(t)21の1ビットの期間毎に、そのビットの論理値(0又は1)に応じて2相の位相(0相又はπ相)のいずれかに、その内部に含まれる搬送波がその2相のいずれかに位相変調される。この第1の測位符号と搬送波の関係は、GPSにおけるものと同じ関係である。ここで、準C/A符号1ビット32は、θを変数として、θ相の位相を持つものとしている。2相位相変調では、θ相は準C/A符号の各ビットの0または1に応じて、0相またはπ相のいずれかをとる。なお、搬送波は、準C/A信号の周波数を整数倍に逓倍して得られるので、準C/A符号1ビットの中に当該逓倍数に等しいαサイクルの搬送波の波形が正確に存在し、それらの搬送波は、αサイクル単位で0相またはπ相に変調される。
【0046】
本発明では、搬送波は、前述のように第1の測位符号である準C/A信号PN符号生成器6からの準C/A信号PN符号XC/A(t)21によって同期変調されるだけでなく、さらに、搬送波PN符号生成器3から生成される第2の測位符号である搬送波PN符号40によっても同期変調される。図4(C)に示される第2の測位符号である搬送波PN符号40は、搬送波クロック1で駆動された搬送波PN符号生成器3が、符号長毎に所定のPN符号を繰り返して出力することによって生成される。搬送波PN符号生成器3のPN符号長は、搬送波の波数でβサイクル41である。搬送波PN符号40は、搬送波のβサイクル毎に同じPN符号を繰り返す。搬送波PN符号40の生成多項式の次数uと符号長の関係を式(2)に示す。
【数2】
Figure 2004271322
搬送波PN符号は、擬似雑音特性の優れた符号を生成する生成多項式に対応するシフトレジスタから生成されるものとする。生成多項式の次数に相当するシフトレジスタの段数をuすると、符号長の長さは式(2)に示した通りである。即ちu=10の時、符号長は1023サイクルであり、よって搬送波PN符号の1周期をβサイクルとするとβは1023になる。搬送波PN符号(XC(t))40は、搬送波の一波毎に搬送波PN符号生成器3の内容に応じて0または1が割り当てられる。すなわち、搬送波PN符号40は、搬送波の周波数の1周期を1パルスとしたときの当該1パルスを単位として駆動される、搬送波クロック単位で論理値が変化するデータである。搬送波PN符号40の符号長βは、典型的には、生成多項式の次数であるuの値に応じて、2047、4095のような不連続な値を取る。
【0047】
準C/A信号22のαの値は、搬送波周波数と準C/A符号の周波数との関係で決まる。搬送波PN符号40のβの値は、搬送波PN符号生成器3の生成多項式の次数で決まる。αサイクルとβサイクルの符号長の符号の新たな符号周期の開始時点が、ある周期毎に一致するような関係にするため、両者をそれぞれ適当な整数であるn、mで乗じた上で対応させ、その際の端数のサイクルをδサイクルと定義する。このような、α、β、δの関係は、以下の式(3)で示される。
【数3】
Figure 2004271322
搬送波PN符号の良好な擬似雑音特性を維持するため、α、β、δは式(4)の条件を満たす必要がある。それは、前記PN符号の0、1生成のアンバランスについて述べた通り、δサイクルは、正常なPN符号に符号周期を途中で中断した信号を接続した形式に成っているので、中断した符号部分が、nαサイクル33の符号長にとって、0、1のバランスを良好に保つ範囲に選ばれなければならないからである。
【数4】
Figure 2004271322
図4(D)に示される搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50は、第1の測位符号(準C/A信号22)と第2の測位符号(搬送波PN符号40)とを論理演算によって融合させることによって生成される。図4(E)には、搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50に応答してBPSK変調(2相位相変調)を行ったBPSK変調測位信号の波形の例を示す。これから、搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50の性質について、それの特徴的な各部を符号セグメント52から55の部分に分解した上で説明する。搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50の第1セグメント52は、搬送波PN符号40の1番目のβサイクルと、それに対応する準C/A信号22の1番目のαサイクルの前段部分との論理演算による出力である。第2セグメント53は、搬送波PN符号40の2番目のβサイクルの前段部分と、それに対応する準C/A信号22の1番目のβサイクルの後段部分との論理演算の出力である。第3セグメント54は、搬送波PN符号40の2番目のβサイクルの第2セグメント53より後段の部分と、それに対応する準C/A信号22の部分との論理演算の出力である。第4セグメント55は、搬送波PN符号40の最後のδサイクルの部分と、それに対応する準C/A信号22の部分との論理演算の出力である。第3セグメント54と第4セグメント55の間は省略したが、第1セグメント52から第4セグメント55の間の各セグメントで示した方法と同様な方法で、搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50は生成される。この搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号50が本発明に係る測位信号である。
【0048】
準C/A信号31のαサイクルがn回進行した所で、搬送波PN符号生成器3は、制御ロジック4からリセット信号5を受けてシフトレジスタの内容をリセットする。その際、搬送波PN符号40のシフトレジスタは、δサイクル進行したところで、リセットされる。この様にして、nαサイクル33を1周期として繰り返す測位信号を生成することができる。PN符号化搬送波の設定に当たっては式(3)、(4)の関係を満たすようなα、β、δの値を選択する必要がある。
【0049】
次に、現行のC/A信号70を取り上げ、それに適した搬送波PN符号を選択し、それぞれ具体的な数値を例示して検討する。図5は、本発明に係る具体的な測位信号の生成過程の一例を説明する図である。図5においては、図4に示される本発明に係る測位信号の一般的な構成に、GPSのL搬送波とC/A信号70を具体的に適用した測位信号が示されている。L搬送波の周波数は1575.42MHzで、C/A信号70の周波数は1.023MHzである。C/A信号70の1ビットの期間には、1540サイクル(=1575.42MHz/1.023MHz)の搬送波の波数が存在する。図5(A)及び図5(B)においては、C/A信号70の最初の2ビットは、0相、π相の順(0、1の論理値の順)に並んでいる。その2ビットの期間中の搬送波の波数は3080サイクルで、図4のパラメータで表わすと、αは1540、nは2となる。
【0050】
搬送波PN符号75は、10次の生成多項式から生成されるPN符号を想定している。搬送波PN符号75の1符号周期、すなわち1符号長は、1023サイクルであり、その符号の時系列の変化を時間tの関数としてXC(t)と表している。搬送波PN符号75の1符号周期(搬送波の1023サイクル)を3回繰り返し、更に搬送波が11サイクル進んだところで、C/A信号70の2ビット分である3080サイクルに達するので、この時点で搬送波PN符号生成器3は制御ロジック4よりリセット信号5を受けて、内容をリセットする。図4の搬送波PN符号のパラメータの値については、mは3、βは1023、δは11となる。なお一般に、第2の測位符号の符号の1周期の長さは、前記第1の測位符号の1チップの長さの1/2倍以上かつ1倍以下であると好適である。
【0051】
搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号80は、第1の測位符号(準C/A信号22)と第2の測位符号(搬送波PN符号75)とを論理演算によって融合させることによって生成される。これから、搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号80の性質について、それの特徴的な各部を符号セグメント81から85の部分に分解した上で説明する。搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号80の第1セグメント81は、搬送波PN符号75の1番目の1023サイクルと、それに対応するC/A信号70の1番目の1540サイクルの前段部分との論理演算による出力である。第2セグメント82は、搬送波PN符号75の2番目の1023サイクルの前段部分である517サイクルの部分と、それに対応するC/A信号70の1番目の1540サイクルの後段部分との論理演算の出力である。第3セグメント83は、搬送波PN符号75の2番目の1023サイクルの第2セグメント82より後段の部分である506サイクルと、それに対応するC/A信号70の部分との論理演算の出力である。第4セグメント84は、搬送波PN符号75の3番目の1023サイクルの部分と、それに対応するC/A信号70の部分との論理演算の出力である。第5セグメント85は、搬送波PN符号75の最後の11サイクルの部分と、それに対応するC/A信号70の部分との論理演算の出力である。搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号80の3080サイクルは、以上のセグメントから構成される。上記のα、β、δ、n、mを式(4)に代入すると、δ/(mβ+δ)は3.57x10−3となるから、擬似雑音特性は許容の範囲であると考えられる。
【0052】
このように図5の例は、本発明をGPSのLに適応させたときもので、搬送波の波数3080サイクル毎に同じ形態の信号が繰り返す測位信号を示している。図5(A)及び(B)は、C/A信号70を表わし、図5(C)は搬送波PN符号75を表わし、図5(D)は搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号80を表わし、図5(E)は搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号80に応答してBPSK変調(2相位相変調)を行ったBPSK変調測位信号の波形の例を示す。
【0053】
図6は、本発明に係る具体的な測位信号の生成過程の一例を説明する図である。図6においては、図4に示される本発明に係る測位信号の一般的な構成に、GPSのL搬送波と、C/A信号70を具体的に適用した測位信号が示されている。L搬送波の周波数は1227.6MHzで、C/A信号70の周波数は1.023MHzである。C/A信号70の1ビットの期間には、1200サイクル(=1227.6MHz/1.023MHz)の搬送波の波数が存在する。図6(A)及び図6(B)においては、C/A信号70の最初の3ビットは、0相、π相、π相の順(0、1、1の論理値の順)、そして最後のビットはπ相(1の論理値)のように並んでいる。その6ビットの期間中の搬送波の波数は7200サイクルで、図4のパラメータで表わすと、αは1200、nは6となる。
【0054】
搬送波PN符号105は、10次の生成多項式から生成されるPN符号を想定している。搬送波PN符号105の1符号周期、すなわち1符号長106は、1023サイクルであり、その符号の時系列の変化を時間tの関数としてXC(t)と表している。搬送波PN符号105の1符号周期(搬送波の1023サイクル)を7回繰り返し、さらに搬送波が39サイクル進んだところで、C/A信号70の6ビット分である7200サイクルに達するので、この時点で搬送波PN符号生成器3は制御ロジック4よりリセット信号5を受けて、内容をリセットする。図4の搬送波PN符号のパラメータの値については、mは7、βは1023、δは39となる。
【0055】
搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号110は、第1の測位符号(準C/A信号22)と第2の測位符号(搬送波PN符号105)とを論理演算によって融合させることによって生成される。これから、搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号110の性質について、それの特徴的な各部を符号セグメント111から115の部分に分解した上で説明する。搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号110の第1セグメント111は、搬送波PN符号105の1番目の1023サイクルと、それに対応するC/A信号70の1番目の1200サイクルの前段部分との論理演算による出力である。第2セグメント112は、搬送波PN符号105の2番目の1023サイクルの前段部分である177サイクルの部分と、それに対応するC/A信号70の1番目の1200サイクルの後段部分との論理演算の出力である。第3セグメント113は、搬送波PN符号75の2番目の1023サイクルの第2セグメント112より後段の部分である846サイクルと、それに対応するC/A信号70の部分との論理演算の出力である。第4セグメント114は、搬送波PN符号105の3番目の1023サイクルのC/A信号70の2番目の1200サイクルが終了するまでの部分と、それに対応するC/A信号70の部分との論理演算の出力である。第5セグメント115は、搬送波PN符号75の最後の39サイクルの部分と、それに対応するC/A信号70の部分との論理演算の出力である。搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号110の7200サイクルは、以上のセグメントから構成される。
【0056】
上記のα、β、δ、m、nを式4に代入すると、δ/(mβ+δ)は5.42x10−3となるから擬似雑音特性は許容の範囲と考える。図6(A)及び(B)は、C/A信号70を表わし、図6(C)は搬送波PN符号105を表わし、図6(D)は搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号110を表わし、図6(E)は搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号110に応答してBPSK変調(2相位相変調)を行ったBPSK変調測位信号の波形の例を示す。
【0057】
本発明に係る測位信号を受信点において受信し、測位を行う時は、受信点が持つ時刻のバイアス成分を含んだ擬似距離の検出が必要である。4個の衛星からその受信点において測位信号を受信して、それぞれの測位信号から擬似距離を検出した後、受信点の測位を行う方法はGPSの方法と同一である。
【0058】
式(1)の信号形式は、以下の式(5)の形式で示すこともできる。
【数5】
Figure 2004271322
式(5)では、準C/A符号XG(t)と搬送波PN符号XC(t)を直交変調で分離した形式で表現している。この構成では振幅P、Pの値は独立に選択できる。ここで、φ、φは初期位相である。この場合、生成される信号はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調されたものとなり、XC(t)とXG(t)XD(t)とを独立して復調することができる。
【0059】
本発明に係る測位信号から擬似距離を検出する方法は以下の通りである。第1の測位符号に組み込まれている時刻情報の内容は、非特許文献1の77ページ、Fig.12、Fig.13に示されている。即ち、管制局が持つ標準時刻に基づいて生成されている航行衛星の時刻は、テレメトリ信号XD(t)20のフレームの先頭時刻を示すZ−countおよびHOWによって明示されている。さらに、XD(t)20とXC/A(t)21の2つの信号の時刻は同期している。従って、受信点において、受信時点のDX(t)20の内容からHOW、Z−countを読みとり、DX(t)20とXC/A(t)21の時刻関係から擬似距離を検出できる。
【0060】
第1の測位符号と第2の測位符号の時刻関係は同期している。搬送波PN符号XC(t)23は搬送波をクロックとして、PN符号を生成する搬送波PN符号生成器3に含まれる生成多項式の次数によって定められた符号長βサイクルを持つ。そのβサイクルのうち、ある時点における符号長の中の特定の1チップに注目したとき、そのチップの生成時点と、生成多項式即ち、それに対応するシフトレジスターのその時刻における内容は一対一の対応をなす。さらに、XC(t)23は、βサイクルの符号長をn回繰り返し、さらにXC(t)23をδサイクル経過した後、符号の初期状態に強制的に戻される。そして、その戻された時点と第1の測位信号の準XC/A(t)21のPN符号を構成する1チップの内の搬送波の開始時点は一致している。従って、受信点において受信点が持つ時計の時刻における搬送波PN符号生成器3の生成多項式の内容、即ちシフトレジスターの内容を読みとり、さらにその読みとった時点とXC(t)23のδサイクルが終了する時点までの時間を特定することにより、第1の測位信符号の準C/A信号のPN符号の開始時点と関係を搬送波の一波長の細かさで特定することができるので、それに該当する擬似距離を第2の測位符号の細かさで検出できる。
【0061】
GPS、GLONASSは1.2〜1.5GHz近辺のLバンド帯を使用している。Galileoも同様である。従って、上記の実施の形態では、Lバンド帯への適応例について記述した。さらに、Galileoや、将来計画として、4〜5GHz近辺のCバンド帯を利用する検討が議論され始めている。そこで、本発明のCバンド帯についての適用例を以下に記述する。Cバンド帯としては4200〜4400、5000〜5250MHzを対象として扱った。この配分は一次業務で、一部を除き、共同使用のないものである。使用が具体的に成るとき国際的に提案され、審議されることになる。
【0062】
表2にGPSのLバンド帯と前記対象としているCバンド帯との周波数の値の比較を示す。対象としている範囲内で、比率の最小は2.67倍、最大は4.46倍である。搬送波周波数を高くした場合、単位時間当たりの波数が増加する訳であるから、同じ割合で準C/A符号の繰り返し周期を大きくできれば、図5、6で示したものと同様な信号の構成が可能である。ただし、搬送波周波数には配分の制限があり、準C/A符号は時間の単位との整数関係が望ましいなどの制限がある。これらの制限を考慮した上で、搬送波周波数と、準C/A信号の選択がなされるべきである。
【0063】
【表2】
Figure 2004271322
【0064】
ここではCバンド帯に拡張した場合として、一番比率の大きい場合を想定して、Cバンドへの適応例を検討する。Cバンド搬送波が使われ、Lバンドに比較して周波数が一番高い4.46倍を想定する。その時のα、β、δについて以下に検討する。αは準C/A符号の周波数から搬送波を生成するときの逓倍数であるから、準C/A符号の周波数の選び方で信号の骨格が定まる。準C/A符号の周波数として表3のケース1を使った場合、逓倍数αはLバンドに比較して4倍程度高くなり、4000〜5000近辺になる。このとき搬送波PN符号の符号長βは、αの数に近い12次の生成多項式から4095ビットの符号長のXC(t)を選ぶと、図5、6と同様な構成ができる。δ、n、mは周波数が確定したときに決めるとよい。
【0065】
【表3】
Figure 2004271322
【0066】
次に準C/A符号の周波数を表3のケース2を採用した場合、αは2000近辺になるので、搬送波PN符号長のβとしては11次の生成多項式の2047ビットが適していて、δ、n、mは最終的に定められる。
さらに、準C/A符号の周波数を表3のケース3を採用した場合、αは1000近辺になるので、搬送波PN符号長のβとしては10次の生成多項式の1023ビットが適していて、δ、n、mは最終的に定められる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によると、搬送波の1波長の単位で計測することができるような測位信号を構成することができ、極めて高精度の測位を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム200のブロック図である。
【図2】準C/A信号22の生成過程を説明する図である。
【図3】従来の測位信号の生成過程の一例を説明する図である。
【図4】本発明に係る測位信号の生成過程の一例を説明する図である。
【図5】本発明に係る具体的な測位信号の生成過程の一例を説明する図である。
【図6】本発明に係る具体的な測位信号の生成過程の一例を説明する図である。
【図7】図7は、測位信号の基本構成を説明する図である。
【図8】GPSの全体の構成を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム200の動作フロー図である。
【符号の説明】
1 搬送波クロック
2 時刻ユニット
3 搬送波PN符号生成器
4 制御ロジック
5 リセット信号
6 準C/A信号PN符号生成器
7 準C/A信号クロック
8 リセット信号
9 TLM生成器
10 TLMクロック
11 フレーム
12 TLM内容
20 TLM信号(XD(t))
21 準C/A信号PN符号(XC/A(t))
22 準C/A信号
23 搬送波PN符号(XC(t))
24 搬送波駆動擬似雑音符号型測位符合
25 搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号
40 搬送波PN符号
50 搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号
70 C/A信号
75 搬送波PN符号
80 搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号
105 搬送波PN符号
110 搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号
120 GPS衛星群
121 GPS衛星
123 管制局
124 Hawaii局
125 Kwajalein局
126 Diego Garcia局
127 Ascension Is.局
140 C/A符号
145 P符号
200 搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム

Claims (15)

  1. 1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するステップと、
    前記クロックに対応する周波数の搬送波を生成するステップと、
    前記クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、
    前記クロックの、前記第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成するステップと、
    前記テレメトリ信号と前記第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成するステップと、
    前記クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成するステップと、
    前記第1の測位符号と前記第2の測位符号とを当該第2の測位符号の1チップ単位で論理演算をすることによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号を生成するステップと、
    前記搬送波を前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成するステップと、を有することを特徴とする搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  2. 前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する前記ステップは、前記搬送波を前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調することを特徴とする請求項1に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  3. 1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するステップと、
    前記クロックに対応する周波数の搬送波を生成するステップと、
    前記クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、
    前記クロックの、前記第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成するステップと、
    前記テレメトリ信号と前記第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成するステップと、
    前記クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成するステップと、
    前記搬送波を前記第1の測位符号と前記第2の測位符号との組み合わせでQPSK変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成するステップと、を有することを特徴とする搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  4. 1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するステップと、
    前記クロックに対応する周波数の搬送波を生成するステップと、
    前記クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、
    前記クロックの、前記第1分周数より小さい複数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成するステップと、
    前記テレメトリ信号と前記第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成するステップと、
    前記クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成するステップと、
    前記搬送波を前記第2の測位符号で変調するステップと、
    前記搬送波で変調された前記第2の測位信号を前記第1の測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成するステップと、を有することを特徴とする搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  5. 前記搬送波を前記第2の測位符号で変調する前記ステップは、前記搬送波を前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調し、及び前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する前記ステップは、前記搬送波で変調された前記第2の測位信号を前記第1の測位符号でBPSK変調することを特徴とする請求項4に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  6. 前記擬似雑音符号は、PN符号であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  7. 前記論理演算は、モデューロ2演算であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  8. 前記モデューロ2演算は、排他的論理和であることを特徴とする請求項7に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  9. 前記第2の測位符号の符号の1周期の長さは、前記第1の測位符号の1チップの長さの1/2倍以上かつ1倍以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  10. 前記第1の測位符号の特定の1チップの開始時と前記第2の測位符号の特定の1周期の開始時とが一致しており、かつ、当該第1の測位符号の所定の複数のチップ区間が経過した直後に当該第2の測位符号の新たな符号の1周期が開始されるように、当該第2の測位符号の生成シーケンスをリセットすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成方法。
  11. 1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するクロック生成手段と、
    前記クロックに対応する周波数の搬送波を生成する搬送波生成手段と、
    前記クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するテレメトリ信号生成手段と、
    前記クロックの、前記第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成する第1の擬似雑音符号生成手段と、
    前記テレメトリ信号と前記第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成する第1の測位符号生成手段と、
    前記クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成する第2の測位符号生成手段と、
    前記第1の測位符号と前記第2の測位符号とを当該第2の測位符号の1チップ単位で論理演算をすることによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号生成手段と、
    前記搬送波を前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段と、を有することを特徴とする搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム。
  12. 前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段は、前記搬送波を前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調することを特徴とする請求項11に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム。
  13. 1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するクロック生成手段と、
    前記クロックに対応する周波数の搬送波を生成する搬送波生成手段と、
    前記クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するステップと、
    前記クロックの、前記第1分周数より小さい数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成する第1の擬似雑音符号生成手段と、
    前記テレメトリ信号と前記第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成する第1の測位符号生成手段と、
    前記クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成する第2の測位符号生成手段と、
    前記搬送波を前記第1の測位符号と前記第2の測位符号との組み合わせでQPSK変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段と、を有することを特徴とする搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム。
  14. 1パルスが搬送波の周波数の一周期に対応するクロックを生成するクロック生成手段と、
    前記クロックに対応する周波数の搬送波を生成する搬送波生成手段と、
    前記クロックの第1分周数のパルスをビット単位として駆動される少なくとも時刻情報を含む二値デジタル信号であるテレメトリ信号を生成するテレメトリ信号生成手段と、
    前記クロックの、前記第1分周数より小さい複数であって当該第1分周数の約数である第2分周数のパルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第1の擬似雑音符号を生成する第1の擬似雑音符号生成手段と、
    前記テレメトリ信号と前記第1の擬似雑音符号とを当該第1の擬似雑音符号の1チップ単位で論理演算することによって第1の測位符号を生成する第1の測位符号生成手段と、
    前記クロックの1パルスをチップ単位として駆動される擬似雑音符号である第2の測位符号を生成する第2の測位符号生成手段と、
    前記搬送波を前記第2の測位符号で変調する変調手段と、
    前記搬送波で変調された前記第2の測位信号を前記第1の測位符号で変調することによって搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段と、を有することを特徴とする搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム。
  15. 前記搬送波を前記第2の測位符号で変調する前記変調手段は、前記搬送波を前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位符号でBPSK変調し、及び
    前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号を生成する前記搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成手段は、前記搬送波で変調された前記第2の測位信号を前記第1の測位符号でBPSK変調することを特徴とする請求項14に記載の搬送波駆動擬似雑音符号型測位信号生成システム。
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