JP2004271320A - 流速制御装置 - Google Patents

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峰雪 村上
Tomoo Kamakura
友男 鎌倉
Kazuhisa Matsuda
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Abstract

【課題】流速計測領域に対して非侵襲で、観測領域を透明面に限定せず、マイクロ流れに適用できて実時間計測可能であると共に、自己の流速を計測して、且つ、その流速に応じてマイクロ流れ場の発生を駆動制御する流速制御装置を提供することである。
【解決手段】流体制御装置に於いて、超音波トランスデューサ11により流路10内に超音波を照射し、所定の位置において音響流を発生させる。上記超音波トランスデューサ11の駆動信号は駆動信号発生器12で設定されて発生される。超音波トランスデューサ11からの超音波によって流体中に生じる音響流の反射エコーから、流速計15にて流速が測定される。上記流速計15で得られた流速値に基づいて、制御器16が上記駆動信号発生装置12を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流速計測領域に対して非侵襲で、観測領域を透明面に限定せず、マイクロ流れに適用することができる実時間計測可能な流速計に関する。更に詳細には、この流速計で検出された流速に応じてマイクロ流れ場を制御する流速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の応用展開分野として、バイオ・環境・IT分野が注目されている。その具体的な展開として、僅か数10mm角のガラスやシリコンの基板上にマイクロマシニング技術を用いて、化学分析や化学合成に必要な機能を集積し、化学分析・合成システムそのものの小型化を図る研究が、世界中で精力的に取り組まれている。
【0003】
この研究分野は、μTAS(Micro Total Analysis Systems)と称されており、従来の実験室で使用する分析装置と比較して、以下に述べる多くの特長を有している。すなわち、分析時間の高速化が可能、分析装置の小型化や可搬化が可能、消費する溶媒や試料の低減が可能、分析コストの低減が可能等である。また、ハイスループットで安価な分析を、医療や環境測定の現場で実現する新しい技術として期待されている。
【0004】
このμTASの分野に於いて、流れは、その代表寸法が表面張力の影響が現れる数ミリ以下であり、ミリオーダからサブミクロンオーダまでが「マイクロ流れ」と称される。マイクロ流れを発生させる手段としては、シリンジポンプ等で流体に圧力をかける方法、ポンプの代わりに電圧を印加した際に発生する電気浸透流を利用する方法等が主流である。
【0005】
このようなマイクロ流れの場合、その流速に応じて、流れ場を制御するフィードバック制御技術が殆ど提案されていないだけでなく、マイクロ流れの計測手法も確立されていない。マイクロ流れでは、これまで通常サイズの流れで無視されていた要因が顕在化する可能性があるため、例え低レイノルズ数の層流条件であっても、通常サイズの流れで得られた知見をマイクロ領域にそのまま外挿することができない場合があり、流れ場を解析的・数値的に求めることが困難なことが多い。
【0006】
例えば、以下のような理由である。1)作動流体が高分子や添加剤を含んだ非ニュートン流体であったり、粒子・結晶・気泡・液滴・生物細胞等を含む混相流であることが多い。2)微細加工技術の種類によっては流路に加工屑や凝固物が残り、平滑流路とは様相を全く異にすることがある。3)物理化学的、或いは電気化学的効果(壁面近傍の高分子吸着層の影響や壁面上の電気二重層の影響等)がマイクロ流れでは顕在化する。そのため、マイクロ流れの速度場を直接測定することの重要性が再認識されつつある。
【0007】
マイクロ流れの流速計測として、従来提案・開発されている手法は、マイクロPIVや分子マーカを利用するもの、マイクロセンサを利用するものがある。
【0008】
ここで、PIV(Particle Imaging Velocimetry)とは、流れ場に投入した微小トレーサ粒子の動きを解析することによって速度分布を測定する手法である。標準的には、ダブルパルスのシート光で流れ場を照明し、シート光面内の速度二成分を測定する。トレーサ粒子の動きが局所の流体速度と同一であると仮定できれば、撮影されたトレーサ粒子の動きから流体速度とその二次元分布を知ることができる。
【0009】
したがって、上記マイクロPIVは、標準的な流体計測手法として普及しつつあるPIVをマイクロ流れの速度場計測に適用し、視野範囲を顕微鏡により微小化したものである。マイクロPIVでは、顕微鏡下焦点深度内で二次元速度ベクトルを計測する。
【0010】
例えば、落射型蛍光顕微鏡に油浸式対物レンズを用いて被写界深度を限定し、照明光からの反射や迷光を除去するために蛍光粒子をトレーサとしたマイクロPIVが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
また、分子マーカを利用した流れ場計測も、開示されている(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照)。
【0012】
【特許文献1】
1999 Experiments in Fluidics 第27巻、第414頁〜第419頁「PIV measurements of a microchannel flow」
【0013】
【特許文献2】
1998 Analytical Chemistry 第70−13巻、第2459頁〜第2467頁「Imaging of pressure and electrokinetically driven flows through opencapillaries」
【0014】
【特許文献3】
特許第3276454号公報
上述したトレーサ粒子と周囲流体との間に大きなスリップ速度が発生し得る場合(界面動電現象が関与する電気浸透や電気泳動等)に利用される。分子マーカとしては、蛍光染料、燐光染料、フォトクロミック染料等が用いられる。分子マーカで速度を可視化するためには、細いレーザビーム或いは薄いレーザシートで分子マーカを含む流体を照射し、それによって発色した流体塊の移動を追跡する。
【0015】
更に、マイクロセンサを用いる方法では、半導体製造技術を利用して作製したマイクロ熱線流速センサが報告されている(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。ポリシリコン製のワイヤは全長が10〜160μm、矩形断面が1×0.5μmである。
【0016】
【特許文献4】
1994 Proceeding of Solid−State Sensor and Actuator Workshop 第264頁〜第267頁「A micro−machined polysilicon hot−wire anemometry」
【0017】
【特許文献5】
特開平7−58346号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術のマイクロPIVの場合、空間分解能がCCDの画素数、被写界深度、回折限界に起因する粒子像径や、散乱光強度、または蛍光強度等、複数の要因の最適化が非常に困難である。加えて、光学的計測であるため、観測領域が透明である等、光学的アクセスが不可欠となる。
【0019】
また、分子マーカを利用した方法の場合、毛管電気泳動への適用では、毛管流路への光学的アクセスを確保する必要上、大きな開口数による顕微鏡撮影は難しいため、被写界深度が大きくなってしまう。
【0020】
その他に問題となるのが、分子拡散によるマーカの「ぼやけ」があり、観察時間を長くする等、対処しなければならない。また、上記PIV及び分子マーカを用いる方法では、流速の実時間計測は困難であるため、マイクロ流れ場のフィードバック制御には利用することはできない。
【0021】
一方、マイクロ熱線流速センサは、センサそのものはμmサイズで実時間計測可能であるが、挿入タイプであることと、サポートやハーネスの微細化が難しいという課題を有している。
【0022】
したがって本発明は、流速計測領域に対して非侵襲で、観測領域を透明面に限定せず、マイクロ流れに適用できて実時間計測可能であると共に、自己の流速を計測して、且つ、その流速に応じてマイクロ流れ場の発生を駆動制御する流速制御装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、流体中に分散され、流れ場に対して影響を及ぼさない大きさの微粒子を含む流体の流れ場を計測制御する流体制御装置に於いて、流体中に超音波を照射し、所定の位置において音響流を発生させる送波用超音波トランスデューサと、上記送波用超音波トランスデューサの駆動信号を設定して発生する駆動信号発生装置と、上記送波用超音波トランスデューサからの超音波によって流体中に生じる音響流の反射エコーを利用して流速を測定する流速計と、上記流速計で得られた流速値に基づき上記駆動信号発生装置を制御する制御器と、を具備することを特徴とする。
【0024】
このように構成することにより、音響レンズまたは集束音源の超音波トランスデューサを用いるので、焦点というマイクロな領域で流れ場(音響マイクロ流)を発生させることができる。また、この焦点に於ける反射エコーを検出するため、流速計測領域に対して非侵襲で、観測領域を透明面に限定せず、局所(マイクロ)流れに適用することができる。更に、流速値vを制御器にフィードバックすることで駆動信号を更新できるため、焦点というマイクロな領域の流速を観測しながら流れの発生と制御が可能である。
【0025】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記流速計は、上記送波用超音波トランスデューサから照射された超音波により流体中の微粒子に於いて発生する反射エコーを受波する受波用超音波トランスデューサと、上記受波用超音波トランスデューサで受波された反射エコーのドップラ効果による周波数偏移を検出する周波数偏移検出器と、上記周波数偏移検出器で検出された周波数偏移量から流速を算出する流速算出器と、を具備することを特徴とする。
【0026】
このように構成することにより、送波用超音波トランスデューサの駆動により、超音波の伝搬方向に沿って音響流が発生すると、同時に流体に分散されている微粒子からの反射エコーが起こり、この反射エコーはドップラシフトを受け低周波側へ変化し(f−Δf)、周波数偏移検出器はドップラシフトによる周波数偏移量−△fを検出する。この周波数偏移量−△fは音響流の流速に応じて変化する値であり、流速算出器は周波数偏移量−△fに基づき流速vを算出するため、実時間計測が可能である。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記駆動信号発生装置の駆動信号は、任意のデューティ比のバースト波であることを特徴とする。
【0028】
このように構成することにより、バースト波の長さ、バースト波の間隔によって、音響流の流速が変化するため、駆動信号発生装置の駆動信号を任意のデューティー比のバースト波とすることで、音響流の流速制御が可能となる。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記受波用超音波トランスデューサは送波用超音波トランスデューサを兼ねており、上記流体中に発生させた音響流の流速を計測することを特徴とする。
【0030】
このように構成することにより、送受波一体とすることで、送波用超音波トランスデューサと、受波用超音波トランスデューサの音軸合わせが不要となるだけではなく、音響流を発生させながら、同時に、自らの流速を計測することが可能となる。
【0031】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記送波用超音波トランスデューサは、集束超音波ビームを発生することを特徴とする。
【0032】
このように構成することにより、超音波トランスデューサ自体が集束音源となっているため、別途音響レンズを設ける必要がない。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記送波用超音波トランスデューサは、流体が満たされた流路/容器の壁面外部に設けられ、該壁面を介して超音波を発生し、上記壁面は、少なくとも上記送波用超音波トランスデューサが設けられている部分が、超音波トランスデューサと流路/容器内部の流体が音響整合される材質で、且つ、流路内部の任意の位置に焦点を生じさせる音響レンズとなっていることを特徴とする。
【0034】
このように構成することにより、流路/容器の壁面が音響整合層となっているので、流体に直接超音波トランスデューサの振動面を露出できない構成であっても、流体に対して効率的に超音波エネルギを透過させ、且つ流体内の所定の位置に焦点を生じさせることができる。
【0035】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記送波用超音波トランスデューサは、振動面が流路の壁面を兼用して構成されることを特徴とする。
【0036】
このように構成することにより、振動面が直接流体に接するので、超音波に対する減衰が非常に大きい材質の流路/容器の場合や、超音波の透過率が低い材質の流路/容器の場合等に有効である。
【0037】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記受波用超音波トランスデューサは、流体が満たされた流路/容器の壁面外部に設けられ、該壁面を介して超音波を発生し、上記壁面は、少なくとも超音波トランスデューサが設けられている部分が超音波トランスデューサと流路/容器内部の流体が音響整合される材質で、且つ、流路内部の任意の位置に焦点を生じさせる音響レンズとなっていることを特徴とする。
【0038】
このように構成することにより、流路/容器の壁面が音響整合層となっているので、流体から受波用超音波トランスデューサに対して効率的に超音波エネルギを透過させることができる。
【0039】
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記受波用超音波トランスデューサは、信号検出面が流路の壁面を兼用して構成されることを特徴とする。
【0040】
このように構成することにより、振動面が直接流体に接するので、超音波に対する減衰が非常に大きい材質の流路/容器の場合や、超音波の透過率が低い材質の流路/容器の場合等に有効である。
【0041】
請求項10に記載の発明は、上記受波用超音波トランスデューサは、上記送波用超音波トランスデューサの音軸に対して0度より大きく180度未満の角度を有して配置されていることを特徴とする。
【0042】
このように構成することにより、送受信軸がある角度で設定されていても、反射エコーによるドップラシフトを検出することができる。また、送波用超音波トランスデューサと受波用超音波トランスデューサを別々に設けるため、検出感度の高い受波用トランスデューサの信号処理を簡単にすることができる。
【0043】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の発明に於いて、上記送波用超音波トランスデューサは、上記流体中の微粒子の流れの向きが変わる部分に配置されることを特徴とする。
【0044】
このように構成することにより、振動面が流体中の微粒子の流れの向きと同じ方向になるので、装置を小型化するのに効率が良くなる。
【0045】
請求項12に記載の発明は、請求項1若しくは2に記載の発明に於いて、上記送波用超音波トランスデューサは、上記音響流の流速を測定する点に焦点をもたせた音響レンズを有することを特徴とする。
【0046】
このように構成することにより、流体中の焦点という局所的な微小領域で選択的に流れ場を発生させることができる。
【0047】
請求項13に記載の発明は、流体中に分散され、流れ場に対して影響を及ぼさない大きさの微粒子を含む流体の流れ場を計測制御する流体制御装置に於いて、流体中に超音波を照射し、音響流を発生させる送波用超音波トランスデューサと、上記送波用超音波トランスデューサの駆動信号を設定して発生する駆動信号発生装置と、上記送波用超音波トランスデューサからの超音波によって流体中に生じる音響流の反射エコーを利用して流速を測定する流速計と、上記駆動信号発生装置からの信号がバースト波を含むパルス送信であって、送波信号の送波時間と受波信号の受波時間を検出し、その時間差を計測する時間差検出器と、上記時間差検出器で得られた時間差から微粒子の位置を同定する微粒子位置同定器と、上記流速計で得られた流速値に基づき上記駆動信号発生装置を制御する制御器と、を具備することを特徴とする。
【0048】
このように構成することにより、駆動信号発生装置からの信号をバースト波を含むパルス送信とした場合、駆動信号の送波時間(T0)から一定時間遅れて反射エコーが受波される(T1)。この時間差は送波された音波が微粒子の存在する位置まで到達し、微粒子で反射された音波が受波用トランスデューサへ戻るまでの時間であるため、予め音響媒体の音速がわかっていれば、この時間差(T1−T0)が検出できれば微粒子の位置が同定できる。しかも、その粒子の速度もドップラシフトから計測することが可能、すなわち、微粒子位置と速度の同時計測が可能である。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明に係る流速制御装置に於いて、流れ場は音響流によって発生・制御されるものである。音響流には、例えば、以下のような特徴を有している。すなわち、1)流れの幅は超音波ビームの幅にほぼ等しい。2)超音波の周波数を高くすることで、小さな音響パワーでも速い流れを引き起こすことが可能である。3)流れを阻止する膜または板があっても、超音波がその膜または板を透過すれば流れが再び発生する。4)駆動信号を任意のデューティ比のバースト波にすることで、流速を容易に制御することができる。
【0050】
音響流を観測する際に、送波した超音波が流体中に浮遊する粒子から反射し、その反射波が流速の情報(ドップラ周波数)を含んで超音波トランスデューサで受波される。すなわち、自らの流速を計測する自己計測ができるため、音響流を高集束超音波ビームによって発生させることにより、焦点というマイクロな領域の流速を観測しながら流れの発生及び制御を行うことが可能である。
【0051】
以下、図面を参照して、本発明に係る流速制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0052】
図1は、本発明に係る流速制御装置に於ける第1の実施の形態の構成を示した図、図2は図1の流速計及び音響流についての詳細な構成を示した図である。
【0053】
図1に於いて、流速制御装置は、流路10の長手方向に超音波を発生する超音波トランスデューサ(送波用超音波トランスデューサ)11と、この超音波トランスデューサ11を駆動する信号を発生する駆動信号発生装置12と、この駆動信号発生装置12からの駆動信号を増幅する信号増幅器13と、上記流路10内部の所定の位置に於ける液体の流速を検出する流速計15と、この流速計15により得られた流速値に基づいて駆動信号を制御する制御器16と、から構成されている。
【0054】
上記超音波トランスデューサ11は、流れ場に対して影響を及ぼさない所定の大きさの微粒子が分散された液体が、内部に満たされた流路10の流路壁より外部に接着して設けられているもので、後述するように、流路10の壁面を介して流路長手方向に超音波を発生するものである。
【0055】
上記流速計15は、図2に示されるように、超音波トランスデューサ20と、上記流路10内部の任意の位置に焦点を生じさせる音響レンズ22が形成されていて上記流路10の壁面を構成する流路壁21と、上記超音波トランスデューサ20で受波された反射エコーのドップラ効果による周波数偏移を検出するドップラ周波数偏移検出器(周波数偏移検出器)23と、このドップラ周波数偏移検出器23で検出された周波数偏移量から流速を算出する流速算出器24と、を備えて構成されている。
【0056】
ここで、上記超音波トランスデューサ20は、該超音波トランスデューサ20から流路10内部の液体に超音波を照射すると共に、液体中に分散されている微粒子から発生する反射エコーを受波するものである。また、上記流路壁21は、少なくとも超音波トランスデューサ20が接着されている部分が、該超音波トランスデューサ20と流路10内部の液体が音響整合される材質で構成されている。
【0057】
上記音響レンズ22は、後述する音響流の流速を測定したい点に焦点28をもたせるようにして、流路壁21の所定箇所に凹面形状に形成されている。
【0058】
更に、上記流速算出器24には、周波数偏移量と流速の関係が、関数として予め用意されており、周波数偏移量が入力されると流速値が得られる構成となっている。
【0059】
次に、この発明の第1の実施の形態の作用を説明する。
【0060】
先ず、駆動信号発生装置12により、所定のデューティ比のバースト波形で、周波数f、電圧Vに設定された駆動信号が発生される。この駆動信号は、信号増幅器13により、その振幅が増幅される。ここで増幅された後の駆動信号により、超音波トランスデューサ11(超音波トランスデューサ20)が振動されて超音波が発生される。
【0061】
発生された超音波は、流路壁21を経て流路10内部の液体中に放射される。この液体中での超音波の伝搬に応じて、音響流(直進流)29と称される流れが、集束超音波ビーム27によって音響レンズ22の焦点28より発生される。この定常流の発生要因としては、例えば、超音波が液体中に伝搬していく際に、液体の粘性や体積粘性の影響で超音波が吸収され、この超音波の吸収に伴い伝搬方向に超音波のエネルギ差が生じて圧力勾配が生じるためと考えられている(例えば、特許文献6参照)。
【0062】
【特許文献6】
1997年電子情報通信学会論文誌 A、第J−80−A巻、第10号、第1614頁〜第1620頁「音響流の発生機構について」
流路10内の音波エネルギ分布は、超音波トランスデューサの放射エネルギの積分で求められる。本実施の形態に於いて、超音波トランスデューサ20では、流路10の一部が音響レンズ22を構成していることにより、図2に示されるように、所定の位置に焦点28が結ばれる。このため、この焦点位置で超音波エネルギが最大となり、これに伴い音響流速も焦点位置で最大となる。
【0063】
超音波トランスデューサ20の駆動により音響流が発生すると、同時に液体に分散されている微粒子からの反射エコー30が起こる。この反射エコー30は、ドップラシフトを受けて低周波側へ変化する(f−△f)。
【0064】
ドップラ周波数偏移検出器23のFFTにより、ドップラシフトによる周波数偏移量−△fが検出される。この周波数偏移量−△fは、音響流29の流速に応じて変化する値であり、周波数偏移量−△fに基づいて流速算出器24に与えられている関数により流速値vが算出される。
【0065】
流速算出器24で得られた流速値vは、制御器16にフィードバックされる。そして、その流速値vに基づいて、駆動信号発生装置12から出力される駆動信号が変更される。
【0066】
以上のように、第1の実施の形態によれば、同一の超音波トランスデューサで音響流を発生させながら、自らの流速を測る自己計測を行うことができ、且つ、流速のフィードバック制御により流れ場のコントロールが可能である。加えて、本実施の形態では、外部に超音波トランスデューサが設けられた流路壁の一部が音響レンズを構成しているため、流路内部の焦点位置に於いて音響流速は最大になると共に、この焦点に於ける反射エコーを選択的に検出することが可能となる。
【0067】
ところで、本実施の形態では、超音波トランスデューサが流路の外部に設けられた構成となっているため、流路内部に発生する音響流の流速は、流路壁を透過してくる超音波エネルギの強さに依存する。超音波のエネルギ透過率は、下記(1)式で表せるように、流路壁の厚さLと、超音波の伝達媒体である流路壁中での波長λの関係で決定される。
【0068】
【数1】
Figure 2004271320
【0069】
ここで、ρは超音波トランスデューサの密度、cは超音波トランスデューサ中での音速、ρは流路壁の密度、cは流路壁内部での音速、ρは流路内の液体密度、cは流路内の液体中での音速、λは流路壁中での波長、Lは流路壁の厚さを表している。
【0070】
図3は、流路壁の厚さLと音波エネルギ透過率Tとの関係を示す曲線図である。
【0071】
例えば、超音波トランスデューサの材質としてPVDF、流路壁の材質としてアクリル、流路内の液体として水をそれぞれ用いて、超音波の周波数が100MHzの場合を示す。図3に示されるように、流路壁の厚さLを1/4波長の奇数倍の値に設定すると、超音波エネルギの透過率Tが最大となる。また、超音波トランスデューサ、流路壁、流路内の液体の音響インピーダンスが同程度であれば、流路壁の厚さLによらず全体的に透過率Tを大きくすることができる。
【0072】
流路内に透過された超音波エネルギは、その音圧Pに依存した駆動力Fによって、液体中で音響流を発生させる。
【0073】
【数2】
Figure 2004271320
【0074】
ここで、音響レンズを用いた場合、流路内部に放射された超音波ビームの音圧Pは、下記(3)式で与えられる。
【0075】
【数3】
Figure 2004271320
【0076】
ここで、Pは音響レンズからの初期音圧、dは焦点距離、Lはレイリー長、aは音響レンズの開口半径、kは超音波の波数、xは音響レンズから径方向の距離、zは音響レンズから音軸方向の距離である。また、αは吸収係数であり、周波数のほぼ2乗に比例する係数であることから、高い周波数の超音波ほど、音響流が発生しやすい。
【0077】
図4は、焦点位置(Z=2mm)に於ける半径方向の超音波ビームにより生じる音響流の流速分布を示す曲線図である。
【0078】
例えば、流路中の液体が水であって、超音波の周波数が100MHz、音響レンズの開口半径aが1mm、焦点距離dが2mm、初期音圧5kPaの場合、超音波ビームによる流速の全半値幅は約100μmとなる。
【0079】
ここで、音響流の流れの幅は、超音波ビームの幅にほぼ等しくなることが知られている。焦点領域に於ける超音波ビーム幅を狭くするには、下記(4)式で定義される音響レンズの集束利得Gが大きくなるように音源特性を設定すれぱよい。
【0080】
【数4】
Figure 2004271320
【0081】
すなわち、超音波の波長λ(または周波数f)、開口径a、開口面の曲率Rを最適に選択することで、更に細く鋭い音響流とすることができる。
【0082】
以上説明した第1の実施の形態の流速制御装置は、音響流を高集束超音波ビームによって発生させることにより、焦点という領域の流速を観測しながら、マイクロ流れに適用できる流れの発生及び制御が実時間でできるだけでなく、センサ部/流れ駆動源の流路内挿入を必要としない非侵襲での流速計測機構を備えたものである。
【0083】
尚、この発明の実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0084】
例えば、流路壁外部へ超音波トランスデューサを設ける手段は、接着に限らず、接合や蒸着、スパッタ、ゾルゲル法、水熱合成法、ジェットプリンティング法、スクリーン印刷法等、とすることができ、流路壁は音響整合をとるために多層とすることができる。
【0085】
流路形状及び寸法に制限はなく、上述した実施の形態で図示されたものに限らない。例えば、円弧状の流路や幅の広い流路であっても構わない。
【0086】
また、音響レンズは、上述した第1の実施の形態のように、凹面形状を有したレンズに限られるものではない。例えば、図5に示されるように、流路壁21と異なる材質から成り、流路10との境界が曲面で構成された音響レンズ22aを用いて、超音波トランスデューサ20からの音を遅延させることで、所定の位置に焦点28aを生じさせる構成となっているものでも良い。この場合、27aは集束超音波ビーム、29aは音響流、30aは反射エコーである。
【0087】
液体に分散される微粒子は、初めから液体に分散した状態だけではなく、必要に応じて導入または滴下されても構わない。更に、液体の代わりに気体を用いても構わない。
【0088】
尚、駆動信号発生装置からの信号波形は、バースト波のみならず、必要に応じて、正弦波、矩形波、チャープ波の他、任意波形としても構わない。駆動信号発生装置からの信号振幅が、音響流を発生せしめるのに十分な大きさとなる場合には、信号増幅器13はなくてもよい。
【0089】
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。
【0090】
図6は、本発明の第2の実施の形態に於ける流速制御装置の一部を拡大した構成を示した図である。
【0091】
尚、以下に述べる実施の形態に於いて、上述した第1の実施の形態と同じ部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明は省略する。
【0092】
図6に於いて、第2の実施の形態の流速制御装置に於ける基本的な構成は、上述した第1の実施の形態の流速制御装置と同じであるが、流速計を構成する部分について、超音波トランスデューサとして、音響流を発生せしめる送波用超音波トランスデューサ33と、この送波用超音波トランスデューサ33の音軸に対して角度θで配置された受波用超音波トランスデューサ34の2つを用いた点が異なった構成となっている。尚、角度θは、0°<θ<180°の範囲で設定されている。
【0093】
すなわち、第2の実施の形態に於ける流速計は、上述した送波用超音波トランスデューサ33と、受波用超音波トランスデューサ34と、音響レンズ22が形成された流路壁21と、受波用超音波トランスデューサで受波された反射エコー38のドップラ効果による周波数偏移を検出するドップラ周波数偏移検出器23と、流速算出器24と、を備えている。
【0094】
そして、上記流路壁21は、少なくとも、送波用及び受波用の2つの超音波トランスデューサ33及び34が接着されている部分が、各超音波トランスデューサと流路10内部の液体が音響整合される材質であって、且つ、送波用超音波トランスデューサ33からの集束超音波ビーム35に対して流路10内部の任意の位置に焦点36を生じさせる音響レンズ22が形成されている。尚、37は上記焦点36で発生する音響流である。
【0095】
次に、この第2の実施の形態の作用を説明する。
【0096】
図6には示されない駆動信号発生装置に於いて、所定の波形、周波数f、電圧Vに設定された駆動信号は、信号増幅器13で増幅された後、送波用超音波トランスデューサ33に入力される。すると、流路10内部の液体中に音響流(直進流)37が発生する。音響レンズ22の焦点36の位置では、音響流速が最大となると同時に、液体に分散されている微粒子からの反射エコー38が発生する。
【0097】
この反射エコー38によるドップラシフト(f−△f)は、受波用超音波トランスデューサ34により受波される。そして、ドップラ周波数偏移検出器23のFFTにより、ドップラシフトによる周波数偏移量−△fが検出される。次いで、流速算出器24により、この周波数偏移量−△fに基づいて流速vが算出される。
【0098】
このように、第2の実施の形態によれば、送波用超音波トランスデューサ33と受波用超音波トランスデューサ34とを別々に設けるため、検出感度の高い受波用トランスデューサの信号処理を簡単にすることができる。
【0099】
尚、本発明の第2の実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0100】
例えば、流路壁外部へ超音波トランスデューサを設ける手段は、接着に限らず、接合や蒸着、スパッタ、ゾルゲル法、水熱合成法、ジェットプリンティング法、スクリーン印刷法等とすることができ、流路壁は音響整合をとるために多層とすることができる。
【0101】
また、流路形状及び寸法に制限はなく、上述した実施の形態で図示されたものに限られるものではない。例えば、円弧状の流路や幅の広い流路であっても構わない。
【0102】
また、音響レンズ22aは、図7に示されるように、流路壁21と異なる材質から成り、流路10との境界が曲面で超音波トランスデューサからの音を遅延させることで所定の位置に焦点36aを生じさせる構成となっているものでも構わない。この場合、35aは集束超音波ビーム、37aは音響流、38aは反射エコーである。
【0103】
液体に分散される微粒子は、初めから液体に分散した状態だけではなく、必要に応じて導入または滴下されても構わない。更に、液体の代わりに気体を用いても構わない。
【0104】
尚、駆動信号発生装置からの信号波形はバースト波のみならず、必要に応じて、正弦波、矩形波、チャープ波の他、任意波形としても構わない。駆動信号発生装置からの信号振幅が音響流を発生せしめるのに十分な大きさとなる場合には、信号増幅器13はなくてもよい。
【0105】
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。
【0106】
図8は、本発明の第3の実施の形態に於ける流速制御装置の一部を拡大した構成を示した図である。この第3の実施の形態の流速制御装置に於ける基本的な構成は、上述した第1の実施の形態の流速制御装置と同じであるが、流速計部分について、超音波トランスデューサを外側から流路壁に挿入し、トランスデューサ外周の水密性を保った状態で振動面が流路内部に露出した構成になっている。水密は接着、接合、ネジ止め、Oリング等の手法で保たれているものとする。
【0107】
すなわち、図8に於いて、凹面超音波トランスデューサ42は、流路壁41の外側より流路壁41内に挿入されている。そして、凹面超音波トランスデューサ42の流路40側に形成された凹面42aは、流路壁41と共に流路壁を兼用した構成となっている。
【0108】
この凹面超音波トランスデューサ42より液体中に伝搬された超音波により、音響流(直進流)45と称される流れが、集束超音波ビーム43によって凹面42aの焦点44より発生される。
【0109】
この第3の実施の形態は、超音波に対する減衰が非常に大きい材質の流路壁の場合や、超音波の透過率が低い材質の流路壁の場合等に有効である。
【0110】
尚、この発明の第3の実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0111】
例えば、超音波トランスデューサは、流速計測位置に於ける液体の流れを妨げない構成であれば、流路壁を介さず流路内部に配置されていても構わない。流路形状及び寸法に制限はなく、上述した実施の形態で図示されたものに限らない。例えば、円弧状の流路や幅の広い流路であっても構わない。
【0112】
また、超音波トランスデューサの放射面に、図9に示されるように、流路壁41と異なる材質から成り、凹面超音波トランスデェーサ42からの音を遅延させることで所定の位置に焦点44aを生じさせる音響レンズ47が設けられていても良い。この場合、43aは集束超音波ビーム、45aは音響流、46aは反射エコーである。
【0113】
液体に分散される微粒子は、初めから液体に分散した状態だけではなく、必要に応じて導入または滴下されても構わない。更に、液体の代わりに気体を用いても構わない。
【0114】
駆動信号発生装置からの信号波形はバースト波のみならず、必要に応じて、正弦波、矩形波、チャープ波の他、任意波形としても構わない。駆動信号発生装置からの信号振幅が音響流を発生せしめるのに十分な大きさとなる場合には、信号増幅器13はなくても良い。
【0115】
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。
【0116】
図10は、本発明の第4の実施の形態に於ける流速制御装置の一部を拡大した構成を示した図である。この第4の実施の流速制御装置に於ける基本的な構成は、上述した第3の実施の形態の流速制御装置と同じであるが、流速計部分について、超音波トランスデューサとして、音響流を発生せしめる送波用超音波トランスデューサと、送波用超音波トランスデューサの音軸に対して角度θで配置された受波用超音波トランスデューサの2つを用いた構成となっている。尚、角度θは、0°<θ<180°の範囲で設定されている。
【0117】
図10に於いて、送波用超音波トランスデューサ49は、流路壁41の外側より流路壁41内に挿入されている。そして、送波用超音波トランスデューサ49の流路40側に形成された凹面49aは、流路壁41と共に流路壁を兼用した構成となっている。同様に、受波用超音波トランスデューサ50は、流路壁41の外側より流路壁41内に挿入されており、この受波用超音波トランスデューサ50の流路壁41内の端面が流路壁を兼用した構成となっている。尚、51は送波用超音波トランスデューサ49の凹面49aから発生される集束超音波ビーム51であり、52は上記凹面49aの焦点、53はこの焦点52より発生する音響流、54は上記焦点52より生じる反射エコーである。
【0118】
また、上記送波用トランスデューサ49及び受波用トランスデューサ50は、それぞれトランスデューサ外周の水密性を保った状態で振動面が流路内部に露出した構成になっている。水密は接着、接合、ネジ止め、Oリング等の手法で保たれているものとする。
【0119】
このように構成された第4の実施の形態による流速制御装置は、超音波に対する減衰が非常に大きい材質の流路壁の場合や、超音波の透過率が低い材質の流路壁の場合等に有効である。また、受波用超音波トランスデューサの配置の自由度が高まる、という効果が得られる。更に、送波用と受波用の各超音波トランスデューサを分離するために、信号のS/Nを高くすることが可能である。
【0120】
尚、この発明の第4の実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0121】
例えば、送波用トランスデューサ49及び受波用トランスデューサ50の各超音波トランスデューサは、流速計測位置に於ける液体の流れを妨げない構成であれば、流路壁を介さず流路内部に配置されていても構わない。また、流路形状及び寸法に制限はなく、上述した実施の形態で図示されたものに限らない。例えば、円弧状の流路や幅の広い流路であっても構わない。
【0122】
また、送波用超音波トランスデューサ49の放射面に、図11に示されるように、流路壁41と異なる材質から成り、送波用超音波トランスデューサ49からの音を遅延させることで所定の位置に焦点52aを生じさせる音響レンズ47が設けられていても良い。この場合、51aは集束超音波ビーム、53aは音響流、54aは反射エコーである。。
【0123】
液体に分散される微粒子は、初めから液体に分散した状態だけではなく、必要に応じて導入または滴下されても構わない。更に、液体の代わりに気体を用いても構わない。
【0124】
また、駆動信号発生装置からの信号波形はバースト波のみならず、必要に応じて、正弦波、矩形波、チャープ波の他、任意波形としても構わない。駆動信号発生装置からの信号振幅が音響流を発生せしめるのに十分な大きさとなる場合には、信号増幅器13はなくてもよい。
【0125】
次に、本発明に係る第5の実施の形態について説明する。
【0126】
図12は、本発明に係る流速制御装置に於ける第5の実施の形態の構成を示した図である。この第5の実施の形態の流速制御装置の構成は、上述した第1の実施の形態の流速制御装置に加え、微粒子位置計測計57を加えた構成となっている。
【0127】
すなわち、微粒子位置計測計57は、送波信号の送波時間(T0)と受波信号受波時間(T1)を検出し、その時間差(T1−T0)を計測する時間差検出器58と、この時間差検出器58で得られた時間差(T1−T0)から微粒子の位置を同定する微粒子位置同定器59とから構成されている。
【0128】
駆動信号発生装置12からの信号をバースト波を含むパルス信号とした場合、駆動信号の送波時間(T0)から一定時間遅れて、超音波トランスデューサ11で反射エコーが受波される(Tl)。この時間差(T1−T0)は、送波された音波が微粒子の存在する位置まで到達し、微粒子で反射された音波が受波用トランスデューサへ戻るまでの時間である。したがって、予め音響媒体の音速がわかっていれば、この時間差(T1−T0)を検出することによって、微粒子の位置を同定することができる。
【0129】
この第5の実施の形態によれば、時間差検出器58で得られた時間差(T1−T0)から、微粒子の位置を同定することができると共に、同時にその反射エコーを生じた微粒子に於ける速度を計測することが可能である。
【0130】
尚、この発明の第5の実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。例えば、駆動信号発生装置12からの信号波形はバースト波のみならず、必要に応じて、単パルス波、チャープ波の他、任意波形としても構わない。
【0131】
また、駆動信号発生装置12からの信号振幅が音響流を発生せしめるのに十分な大きさとなる場合には、信号増幅器13はなくてもよい。
【0132】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0133】
図13は、本発明の第6の実施の形態に係る流速制御装置の具体的な構成例を示した図である。
【0134】
図13に於いて、流速制御装置は、水槽61内に超音波を発生する送波用超音波トランスデューサ63及び反射エコー76を受波する受波用超音波トランスデューサ64と、上記送波用超音波トランスデューサ63を駆動する信号を発生する駆動信号発生装置65と、この駆動信号発生装置65からの駆動信号を増幅するRFアンプ66と、上記水槽61内の受波用超音波トランスデューサ64で受波された液体の流速を検出する流速計67と、から構成されている。また、この流速計67は、レシーバ68と、短波受信用の受信機(短波受信機)70と、FFT処理や流速算出等を行うパーソナルコンピュータ71とから構成されている。
【0135】
上記送波用トランスデューサ63は音響流発生用のものであり、例えば、駆動周波数5MHz、開口直径27mm、焦点距離50mmの集束音源である。そして、この送波用トランスデューサ63が、例えば、縦横高さが30×15×15cmの水槽61の側面に取り付けられている。
【0136】
この送波用超音波トランスデューサ63は、その外周の水密性を保った状態で振動面が流路内部に露出した構成になっており、水密は接着、接合、ネジ止め、Oリング等の手法で保たれているものとする。また、駆動波形は300mVppの正弦波であり、50dBのRFアンプ66を通して上記送波用超音波トランスデューサ63の振動子に加えている。
【0137】
送波用超音波トランスデューサ63より発生された超音波が水槽61内の液体中に放射されると、音響流75が集束超音波ビーム73によって焦点74より発生される。また、上記音響流75が発生すると同時に生じた反射エコー76は、受波用超音波トランスデューサ64で受波される。この受波用超音波トランスデューサ64では、トレーサ用の微粒子が焦点74付近を流れ去るときのドップラ信号の受信に、開口直径7mmの円形平面振動子が用いられている。尚、音軸との角度θは45°としている。
【0138】
上記受波用超音波トランスデューサ64で受信された信号は、レシーバ68で増幅されて、例えば、5MHzに同調された受信機70のアンテナ69に疎に結合される。受信機70で得られたドップラ音は、パーソナルコンピュータ71に取り込まれた後、FFT処理される。このFFT処理された信号から、流速値が出力されて駆動信号発生装置65にフィードバックされる。
【0139】
上記トレーサ用の微粒子には、コピー用ミスノン(成分は酸化チタン)が用いられ、実験時の水温を18℃とした場合、1回のミスノン滴下で数回のドップラ信号が検出される。
【0140】
図14は、FFT処理されたドップラ信号のスペクトルの代表例を示した図である。
【0141】
約120Hz付近に強いスペクトルのピークがみられる。これから、パーソナルコンピュータ71にて流速を求めると、約2.3cm/sとなる。
【0142】
このようにして、構成が簡単で安価な流速制御装置を提供することができる。
【0143】
尚、上述した実施の形態に於いて、流路の形状はT字形状若しくはそれに近い形状として説明したが、これに限られるものではない。流路中の微粒子の流れの向きが変わる形状であって、この向きが変わる部分に少なくとも送波用の超音波トランスデューサが配置されるものであればよい。
【0144】
また、流速計から駆動信号発生装置に流速をフィードバックして制御するようにしていたが、オープンループであっても良い。
【0145】
尚、請求項1に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2、第3、第4、第6の実施の形態が対応する。そして、請求項1に記載の発明によれば、音響レンズまたは集束音源の超音波トランスデューサを用いるので、焦点というマイクロな領域で流れ場(音響マイクロ流)を発生させることができる。また、この焦点に於ける反射エコーを検出するため、流速計測領域に対して非侵襲で、観測領域を透明面に限定せず、局所(マイクロ)流れに適用することができる。更に、流速値vを制御器にフィードバックすることで駆動信号を更新できるため、焦点というマイクロな領域の流速を観測しながら流れの発生と制御が可能である。
【0146】
請求項2に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2、第3、第4、第6の実施の形態が対応する。そして、請求項2に記載の発明によれば、送波用超音波トランスデューサの駆動により、超音波の伝搬方向に沿って音響流が発生すると、同時に流体に分散されている微粒子からの反射エコーが起こり、この反射エコーはドップラシフトを受け低周波側へ変化し(f−Δf)、周波数偏移検出器はドップラシフトによる周波数偏移量−△fを検出する。この周波数偏移量−△fは音響流の流速に応じて変化する値であり、流速算出器は周波数偏移量−△fに基づき流速vを算出するため、実時間計測が可能である。
【0147】
請求項3に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2、第3、第4の実施の形態が対応する。そして、請求項3に記載の発明によれば、バースト波の長さ、バースト波の間隔によって、音響流の流速が変化するため、駆動信号発生装置の駆動信号を任意のデューティー比のバースト波とすることで、音響流の流速制御が可能となる。
【0148】
請求項4に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2の実施の形態が対応する。そして、請求項4に記載の発明によれば、送受波一体とすることで、送波用超音波トランスデューサと、受波用超音波トランスデューサの音軸合わせが不要となるだけではなく、音響流を発生させながら、同時に、自らの流速を計測することが可能となる。
【0149】
請求項5に記載の発明に関する実施の形態は、第3、第4の実施の形態が対応する。そして、請求項5に記載の発明によれば、超音波トランスデューサ自体が集束音源となっているため、別途音響レンズを設ける必要がない。
【0150】
請求項6に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2の実施の形態が対応する。そして、請求項6に記載の発明によれば、流路/容器の壁面が音響整合層となっているので、流体に直接超音波トランスデューサの振動面を露出できない構成であっても、流体に対して効率的に超音波エネルギを透過させ、且つ流体内の所定の位置に焦点を生じさせることができる。
【0151】
請求項7に記載の発明に関する実施の形態は、第3、第4の実施の形態が対応する。そして、請求項7に記載の発明によれば、振動面が直接流体に接するので、超音波に対する減衰が非常に大きい材質の流路/容器の場合や、超音波の透過率が低い材質の流路/容器の場合等に有効である。
【0152】
請求項8に記載の発明に関する実施の形態は、第2の実施の形態が対応する。そして、請求項8に記載の発明によれば、流路/容器の壁面が音響整合層となっているので、流体から受波用超音波トランスデューサに対して効率的に超音波エネルギを透過させることができる。
【0153】
請求項9に記載の発明に関する実施の形態は、第4の実施の形態が対応する。そして、請求項9に記載の発明によれば、振動面が直接流体に接するので、超音波に対する減衰が非常に大きい材質の流路/容器の場合や、超音波の透過率が低い材質の流路/容器の場合等に有効である。
【0154】
請求項10に記載の発明に関する実施の形態は、第2、第4の実施の形態が対応する。そして、請求項1に記載の発明によれば、送受信軸がある角度で設定されていても、反射エコーによるドップラシフトを検出することができる。また、送波用超音波トランスデューサと受波用超音波トランスデューサを別々に設けるため、検出感度の高い受波用トランスデューサの信号処理を簡単にすることができる。
【0155】
請求項11に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2、第3、第4、第5の実施の形態が対応する。そして、請求項11に記載の発明によれば、振動面が流体中の微粒子の流れの向きと同じ方向になるので、装置を小型化するのに効率が良くなる。
【0156】
請求項12に記載の発明に関する実施の形態は、第1、第2、第3、第4の実施の形態が対応する。そして、請求項12に記載の発明によれば、このように構成することにより、流体中の焦点という局所的な微小領域で選択的に流れ場を発生させることができる。
【0157】
請求項13に記載の発明に関する実施の形態は、第5の実施の形態が対応する。そして、請求項13に記載の発明によれば、駆動信号発生装置からの信号をバースト波を含むパルス送信とした場合、駆動信号の送波時間(T0)から一定時間遅れて反射エコーが受波される(T1)。この時間差は送波された音波が微粒子の存在する位置まで到達し、微粒子で反射された音波が受波用トランスデューサへ戻るまでの時間であるため、予め音響媒体の音速がわかっていれば、この時間差(T1−T0)が検出できれば微粒子の位置が同定できる。しかも、その粒子の速度もドップラシフトから計測することが可能、すなわち、微粒子位置と速度の同時計測が可能である。
【0158】
【発明の効果】
したがって本発明は、流速計測領域に対して非侵襲で、観測領域を透明面に限定せず、マイクロ流れに適用できて実時間計測可能であると共に、自己の流速を計測して、且つ、その流速に応じてマイクロ流れ場の発生を駆動制御する流速制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流速制御装置に於ける第1の実施の形態の構成を示した図である。
【図2】図1の流速計及び音響流についての詳細な構成を示した図である。
【図3】流路壁の厚さLと音波エネルギ透過率Tとの関係を示す曲線図である。
【図4】焦点位置(Z=2mm)に於ける半径方向の超音波ビームにより生じる音響流の流速分布を示す曲線図である。
【図5】図2に示される第1の実施の形態の流速制御装置の変形例を示した図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に於ける流速制御装置の一部を拡大した構成を示した図である。
【図7】図6に示される第2の実施の形態の流速制御装置の変形例を示した図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に於ける流速制御装置の一部を拡大した構成を示した図である。
【図9】図8に示される第3の実施の形態の流速制御装置の変形例を示した図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に於ける流速制御装置の一部を拡大した構成を示した図である。
【図11】図10に示される第4の実施の形態の流速制御装置の変形例を示した図である。
【図12】本発明に係る流速制御装置に於ける第5の実施の形態の構成を示した図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る流速制御装置の具体的な構成例を示した図である。
【図14】FFT処理されたドップラ信号のスペクトルの代表例を示した図である。
【符号の説明】
10…流路、11…超音波トランスデューサ、12…駆動信号発生装置、13…信号増幅器、15…流速計、16…制御器、20…超音波トランスデューサ、21…流路壁、22…音響レンズ、23…ドップラ周波数偏移検出器、24…流速算出器、28…焦点、30…反射エコー。

Claims (13)

  1. 流体中に分散され、流れ場に対して影響を及ぼさない大きさの微粒子を含む流体の流れ場を計測制御する流体制御装置に於いて、
    流体中に超音波を照射し、所定の位置において音響流を発生させる送波用超音波トランスデューサと、
    上記送波用超音波トランスデューサの駆動信号を設定して発生する駆動信号発生装置と、
    上記送波用超音波トランスデューサからの超音波によって流体中に生じる音響流の反射エコーを利用して流速を測定する流速計と、
    上記流速計で得られた流速値に基づき上記駆動信号発生装置を制御する制御器と、
    を具備することを特徴とする流速制御装置。
  2. 上記流速計は、
    上記送波用超音波トランスデューサから照射された超音波により流体中の微粒子に於いて発生する反射エコーを受波する受波用超音波トランスデューサと、
    上記受波用超音波トランスデューサで受波された反射エコーのドップラ効果による周波数偏移を検出する周波数偏移検出器と、
    上記周波数偏移検出器で検出された周波数偏移量から流速を算出する流速算出器と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の流速制御装置。
  3. 上記駆動信号発生装置の駆動信号は、任意のデューティ比のバースト波であることを特徴とする請求項1に記載の流速制御装置。
  4. 上記受波用超音波トランスデューサは送波用超音波トランスデューサを兼ねており、上記流体中に発生させた音響流の流速を計測することを特徴とする請求項2に記載の流速制御装置。
  5. 上記送波用超音波トランスデューサは、集束超音波ビームを発生することを特徴とする請求項1に記載の流速制御装置。
  6. 上記送波用超音波トランスデューサは、流体が満たされた流路/容器の壁面外部に設けられ、該壁面を介して超音波を発生し、
    上記壁面は、少なくとも上記送波用超音波トランスデューサが設けられている部分が、超音波トランスデューサと流路/容器内部の流体が音響整合される材質で、且つ、流路内部の任意の位置に焦点を生じさせる音響レンズとなっていることを特徴とする請求項1に記載の流速制御装置。
  7. 上記送波用超音波トランスデューサは、振動面が流路の壁面を兼用して構成されることを特徴とする請求項1に記載の流速制御装置。
  8. 上記受波用超音波トランスデューサは、流体が満たされた流路/容器の壁面外部に設けられ、該壁面を介して超音波を発生し、
    上記壁面は、少なくとも超音波トランスデューサが設けられている部分が超音波トランスデューサと流路/容器内部の流体が音響整合される材質で、且つ、流路内部の任意の位置に焦点を生じさせる音響レンズとなっていることを特徴とする請求項2に記載の流速制御装置。
  9. 上記受波用超音波トランスデューサは、信号検出面が流路の壁面を兼用して構成されることを特徴とする請求項2に記載の流速制御装置。
  10. 上記受波用超音波トランスデューサは、上記送波用超音波トランスデューサの音軸に対して0度より大きく180度未満の角度を有して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の流速制御装置。
  11. 上記送波用超音波トランスデューサは、上記流体中の微粒子の流れの向きが変わる部分に配置されることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の流速制御装置。
  12. 上記送波用超音波トランスデューサは、上記音響流の流速を測定する点に焦点をもたせた音響レンズを有することを特徴とする請求項1若しくは2に記載の流速制御装置。
  13. 流体中に分散され、流れ場に対して影響を及ぼさない大きさの微粒子を含む流体の流れ場を計測制御する流体制御装置に於いて、
    流体中に超音波を照射し、音響流を発生させる送波用超音波トランスデューサと、
    上記送波用超音波トランスデューサの駆動信号を設定して発生する駆動信号発生装置と、
    上記送波用超音波トランスデューサからの超音波によって流体中に生じる音響流の反射エコーを利用して流速を測定する流速計と、
    上記駆動信号発生装置からの信号がバースト波を含むパルス送信であって、送波信号の送波時間と受波信号の受波時間を検出し、その時間差を計測する時間差検出器と、
    上記時間差検出器で得られた時間差から微粒子の位置を同定する微粒子位置同定器と、
    上記流速計で得られた流速値に基づき上記駆動信号発生装置を制御する制御器と、
    を具備することを特徴とする流速制御装置。
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