JP2004270731A - Differential device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に用いられるデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に図6のようなデファレンシャル装置501が記載されている。このデファレンシャル装置501は、デフケース503、複数組のヘリカルピニオンギア505,507、出力側ヘリカルサイドギア509,511、デフケース503に形成された収容孔513,515などから構成されている。ピニオンギア505,507は互いに噛み合っており、ピニオンギア505は一方のサイドギア509と噛み合い、ピニオンギア507は他方のサイドギア511と噛み合っている。各収容孔513,515はピニオンギア505,507をそれぞれ摺動回転自在に収容している。
【0003】
また、各ピニオンギア505,507は、サイドギア509,511と各別に噛み合う第1のギア部と、互いに噛み合う第2のギア部と、第1と第2のギア部を連結する小径の軸部から構成されている。
【0004】
エンジンの駆動力はデフケース503からヘリカルピニオンギア505,507とヘリカルサイドギア509,511を介して車輪側に配分される。また、トルクを伝達している間、ピニオンギア505,507はサイドギア509,511との噛み合い反力と遠心力とにより、収容孔513,515の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が生じると共に、ヘリカルギアの噛み合いスラスト力によって、ピニオンギア505,507及びサイドギア509,511の各端面がデフケース503に押圧されて摩擦抵抗が生じ、これらの摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−165049号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、各ピニオンギア505,507の第1と第2のギア部を連結する軸部は小径であるから、収容孔513,515の壁面と摺動することはなく、従って、差動制限力の発生に関与しない。
【0007】
ところが、デファレンシャル装置501のような構成の装置では、従来、ピニオンギア505,507の各軸部と対向する収容孔513,515の壁面にも機械加工が施されており、収容孔513,515の加工面積と加工時間がそれだけ長くなり、工具(カッター)の寿命が短くなっている。
【0008】
また、収容孔513,515とピニオンギア505,507との摺動面は、差動制限機能を安定させ、焼き付きを防止するために、充分に潤滑する必要があるが、袋状に形成された収容孔513,515に充分なオイルを供給するのは難しい。
【0009】
そこで、この発明は、収容孔に支持されたピニオンを介して出力部材を連結するように構成されたデファレンシャル装置において、収容孔内面の加工面積を低減し、また、収容孔の潤滑機能を向上させたデファレンシャル装置の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1のデファレンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動される回転部材と、前記回転部材の内部に回転自在に設けられた一対の出力部材と、第1の噛み合い部及び第2の噛み合い部を有し、一方の前記出力部材と前記第1の噛み合い部で噛み合う第1のピニオンと、第1の噛み合い部及び第2の噛み合い部と、これらの間に形成された連結軸部とを有し、前記第1の噛み合い部で他方の前記出力部材と噛み合い、前記第2の噛み合い部で前記第1ピニオンの前記第2の噛み合い部と噛み合う第2のピニオンと、前記回転部材に設けられ、前記第1と第2のピニオンが収容される収容孔の内壁に加工された摺動内面とを備え、前記第1と第2のピニオンが前記収容孔の内壁の前記摺動内面と摺動することにより差動制限力が発生するデファレンシャル装置において、前記収容孔の、前記第1と第2のピニオンに対する非摺動内面を非加工部としたことを特徴としている。
【0011】
このように、本発明のデファレンシャル装置は、第1と第2のピニオンと摺動せず、差動制限力の発生に関与しない収容孔の内面を非加工部にし、例えば、鋳造や鍛造のままの素材に近い状態で用いることにより、差動制限力を低下させずに、収容孔の加工面積が狭くなり、加工時間が短縮されて、工具(カッター)の寿命がそれだけ長くなり、加工時間の短縮とカッター寿命の向上とによってコストが低減される。
【0012】
なお、本発明において非加工部は、例えば、鋳造のまま(鋳肌)の状態、あるいは、鍛造のままの状態である。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたデファレンシャル装置であって、前記非加工部が、前記非摺動内面部分に設けられ、前記収容孔を内外に連通する窓部であることを特徴とし、請求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0014】
また、請求項2の構成では、収容孔の非摺動内面部分に内外を連通する窓部(非加工部)を設けたことによって、収容孔にオイルが入り易くなり、ピニオンとの摺動部の潤滑・冷却機能が向上するから、差動制限機能が安定し、焼き付きが防止される。
【0015】
また、窓部を設けたことによって回転部材が軽量化され、デファレンシャル装置の車載性が向上する。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1に記載されたデファレンシャル装置であって、前記非加工部が、前記非摺動内面部分に設けられた肉抜き部であることを特徴とし、請求項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0017】
また、請求項3の構成では、非摺動内面部分に肉抜き部を設けたことによって回転部材が軽量化され、デファレンシャル装置の車載性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1〜図3によってフロントデフ1(本発明の第1実施形態:デファレンシャル装置)の説明をする。
【0019】
この車両の動力系は、エンジン(原動機)、トランスミッション、フロントデフ1(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)、前車軸、左右の前輪、左右の後輪などから構成されており、エンジンの駆動力はトランスミッションからフロントデフ1に伝達され、フロントデフ1から前車軸を介して左右の前輪に配分される。
【0020】
[フロントデフ1の構成]
フロントデフ1は、エンジンの駆動力によって回転駆動されるデフケース3(回転部材)と、デフケース3の内部に回転自在に支承された左右一対のヘリカルサイドギア5,7(出力部材)と、第1のギア部9(噛み合い部)と第2のギア部11(噛み合い部)を有し、サイドギア5(一方の出力部材)と第1のギア部9で噛み合うヘリカルピニオンギア13(第1のピニオン)と、第1のギア部15(噛み合い部)と第2のギア部17(噛み合い部)と、各ギア部15,17を連結する小径の軸部19(各噛み合い部の間に形成された連結軸部)とを有している。また、フロントデフ1は、第1のギア部15でサイドギア7(他方の出力部材)と噛み合い、第2のギア部17でピニオンギア13の第2のギア部11と噛み合うヘリカルピニオンギア21(第2のピニオン)と、デフケース3に設けられ、第1と第2のピニオンギア13,21がそれぞれ収容される収容孔23,25及びこれらの内壁に加工された摺動内面27,29と、第2のピニオンギア21(軸部19)に対向し、その周囲を覆うようにして設けられた窓部31(収容孔のピニオンに対する非摺動内面に設けられた非加工部:収容孔を内外に連通する窓部)から構成されている。そして、下記のように、第1と第2のピニオンギア13,21が収容孔23,25内壁の摺動内面27,29と摺動することによって差動制限力が発生する。
【0021】
デフケース3は、内部にオイル溜りが形成されたトランスミッションケースに収容されており、デフケース3にはリングギアが固定されている。このリングギアはトランスミッションの出力ギアと噛み合っており、エンジンの駆動力はトランスミッションを介してデフケース3を回転させる。
【0022】
図1のように、デフケース3は左のカバー33と右のケーシング本体35から構成されている。
【0023】
カバー33は、フランジ部37と、回転軸と同軸のボス部39と、ボス部39の内周に形成された螺旋状のオイル溝41と、ボス部39の内周から放射状に形成され、オイル溝41と収容孔23とを連通するオイル流路43と、収容孔23に連通した開口45と、サイドギア5の支承部47が設けられている。
【0024】
また、ケーシング本体35には、上記の各収容孔23,25及び摺動内面27,29及び窓部31と、フランジ部49と、回転軸と同軸のボス部51と、ボス部51の内周に形成された螺旋状のオイル溝53と、ボス部51の内周から放射状に形成され、オイル溝53と収容孔25とを連通するオイル流路55と、収容孔25に連通した開口57と、サイドギア7の支承部59が設けられている。また、ケーシング本体35にはスピードメータ用のパルスギア61が溶接されている。
【0025】
各収容孔23,25の摺動内面27,29は、ケーシング本体35を、例えば、鋳造した後、あるいは、鍛造した後に切削加工されるが、窓部31は上記のように非加工部であり、鋳造の際、あるいは、鍛造の際に形成され、切削加工はされていない。
【0026】
カバー33とケーシング本体35は、互いの間に設けられた嵌合部63によってセンターリングしながら、各フランジ部37,49を突き合わせ、ボルトで固定されている。
【0027】
左のサイドギア5は、中空のボス部65によってカバー33の支承部47に回転自在に支承されており、左前車軸はカバー33のボス部39から貫入し、サイドギア5のスプライン部67に連結されている。右のサイドギア7は、中空のボス部69によってケーシング本体35の支承部59に回転自在に支承されており、右前車軸はケーシング本体35のボス部51から貫入し、サイドギア7のスプライン部71に連結されている。また、各サイドギア5,7はそれぞれの対向部に形成された係合部73によって互いの自由端を支承し、センターリングしている。
【0028】
また、サイドギア5,7の間(係合部73の外周側)にはスラストワッシャ75が配置され、サイドギア5,7とデフケース3との間にはスラストワッシャ77がそれぞれ配置されている。
【0029】
図2のように、収容孔23,25は周方向に4対設けられており、ピニオンギア13はそれぞれ収容孔23に回転自在に収容され、ピニオンギア21はそれぞれ収容孔25に回転自在に収容されている。図1と図3のように、軸部19を持ったピニオンギア21は、軸部を持たないピニオンギア13より長くなっており、収容孔25,23はピニオンギア21,13に応じて長短に形成されている。
【0030】
[フロントデフ1の動作と作用]
デフケース3を回転させるエンジンの駆動力は各ピニオンギア13,21からサイドギア5,7を介して左右の前輪に配分される。また、悪路などで前輪間に駆動抵抗差が生じ、前輪のいずれかが空転すると、エンジンの駆動力はピニオンギア13,21の自転に伴って左右の前輪に差動分配される。
【0031】
このようにトルクを伝達している間、ピニオンギア13,21(ギア部9,11,15,17)の歯先はサイドギア5,7との噛み合い反力と遠心力とにより収容孔23,25の摺動内面27,29に押し付けられて摺動抵抗が発生する。また、ヘリカルギアの噛み合いスラスト力によってピニオンギア13,21の左端面はカバー33(収容孔23,25の左端面)に押し付けられ、ピニオンギア13,21の右端面はケーシング本体35(収容孔23,25の右端面)に押し付けられて摺動抵抗が発生し、さらに、スラストワッシャ77を介しデフケース3とサイドギア5,7との間で、また、スラストワッシャ41を介してサイドギア5,7の間で摺動抵抗が発生する。
【0032】
ピニオンギア13,21の噛み合い反力とヘリカルギアの噛み合いスラスト力は、フロントデフ1の伝達トルクに比例するから、これらの摺動抵抗によってトルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0033】
車両は、このトルク感応型差動制限機能により、大きな駆動トルクが掛かる発進時や加速時に前輪の空転が防止され、車体の挙動が安定して操縦性が向上すると共に、走行中は走行性、安定性、操縦性が向上する。
【0034】
上記のように、デフケース3に設けられた開口45,57と窓部31は収容孔23,25と連通しており、オイル流路43,55はボス部39,51のオイル溝41,53と収容孔23,25とを連通している。デフケース3(リングギア)が回転すると、オイル溜りからオイルが掻き上げられ、開口45,57と窓部31から流出入すると共に、オイル溝41,53のネジポンプ作用によって流入が促進される。流入したオイルは、各ギア5,7、13,21の噛み合い部、収容孔23,25とピニオンギア13,21との摺動部、サイドギア5,7の支承部47,59と係合部73、スラストワッシャ75,77,77などを潤滑・冷却した後、遠心力により開口45,57と窓部31から外部に排出されてオイル溜りに戻る。
【0035】
さらに、このようなオイルの移動と循環は、サイドギア5,7とピニオンギア13,21の噛み合い回転に伴うヘリカルギアのポンプ作用によって促進され、潤滑・冷却効果が向上する。
【0036】
[フロントデフ1の効果]
フロントデフ1は、上記のように構成されたことによって次のような効果が得られる。
【0037】
ピニオンギア21と摺動しない収容孔25の内面(軸部19との対向部)に非加工の窓部31を設けたから、収容孔25の加工面積が狭くなり、加工時間が短縮されて、工具(カッター)の寿命がそれだけ長くなり、加工時間の短縮とカッター寿命の向上とによってコストが低減される。
【0038】
また、窓部31を設けたことによって収容孔25にオイルが入り易くなり、ピニオンギア21と摺動する摺動内面29の潤滑・冷却機能が向上するから、差動制限機能が安定すると共に、焼き付きが防止される。
【0039】
また、窓部31を設けたことによってデフケース3(ケーシング本体35)が軽量化され、フロントデフ1の車載性が向上する。
【0040】
[第2実施形態]
図4と図5によってフロントデフ101(第2実施形態:デファレンシャル装置)の説明をする。フロントデフ101は、上記のフロントデフ1の窓部31と異なった非加工部を設けた例であり、以下、フロントデフ1と同機能の部材に同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
【0041】
[フロントデフ101の構成]
図5のように、ケーシング本体35には、ピニオンギア21(軸部19)に対向し、その周囲を覆うようにして設けられた肉抜き部103(収容孔のピニオンに対する非摺動内面に設けられた非加工部)が設けられている。
【0042】
この肉抜き部103は上記のように非加工部であり、鋳造の際、あるいは、鍛造の際に形成されており、収容孔23,25の摺動内面27,29と異なって、切削加工はされていない。
【0043】
[フロントデフ101の効果]
フロントデフ101は、このように構成されたことによって次のような効果が得られる。
【0044】
ピニオンギア21と摺動しない収容孔25の内面(軸部19との対向部)に非加工の肉抜き部103を設けたから、収容孔25の加工面積が狭くなり、加工時間が短縮されて、工具(カッター)の寿命がそれだけ長くなり、加工時間の短縮とカッター寿命の向上とによってコストが低減される。
【0045】
また、肉抜き部103を設けたことによってデフケース3(ケーシング本体35)が軽量化され、フロントデフ101の車載性が向上する。
【0046】
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
本発明のデファレンシャル装置において、非加工部は、鋳造や鍛造に限らず、切削や研削のような機械加工でなければ、どのような方法で形成してもよい。
【0047】
また、ピニオンギアとサイドギアは、ヘリカルギアに限らず、スパーギア(平歯車)でもよい。
【0048】
また、本発明のデファレンシャル装置は、フロントデフに限らず、リヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)やセンターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)にも用いることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のデファレンシャル装置は、ピニオンと摺動せず、差動制限力の発生に関与しない収容孔の内面を非加工部にしたことにより、収容孔の加工面積が狭くなり、加工時間が短縮されて、工具(カッター)の寿命が長くなり、加工時間の短縮とカッター寿命の向上とによってコストが低減される。
【0050】
請求項2のデファレンシャル装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0051】
また、収容孔と外部とを連通する窓部を設けたことによって収容孔内部の潤滑・冷却機能が向上し、差動制限機能が安定すると共に、焼き付きが防止される。
【0052】
また、窓部を設けたことによって回転部材が軽量化され、車載性が向上する。
【0053】
請求項3のデファレンシャル装置は、請求項1の構成と同等の効果を得ることができる。
【0054】
また、肉抜き部を設けたことによって回転部材が軽量化され、車載性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の断面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】各実施形態に用いられたギア組の斜視図である。
【図4】第2実施形態の断面図である。
【図5】図4のY−Y断面図である。
【図6】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 フロントデフ(デファレンシャル装置)
3 デフケース(回転部材)
5,7 ヘリカルサイドギア(一対の出力部材)
9 第1のギア部(噛み合い部)
11 第2のギア部(噛み合い部)
13 ヘリカルピニオンギア(第1のピニオン)
15 第1のギア部(噛み合い部)
17 第2のギア部(噛み合い部)
19 各ギア部15,17を連結する軸部(各噛み合い部の間に形成さ れた連結軸部)
21 ヘリカルピニオンギア(第2のピニオン)
23,25 収容孔
27,29 収容孔23,25の内壁に加工された摺動内面
31 窓部(収容孔のピニオンに対する非摺動内面に設けられた非加工部:収容孔を内外に連通する窓部)
101 フロントデフ(デファレンシャル装置)
103 肉抜き部(収容孔のピニオンに対する非摺動内面に設けられた非加工 部)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a differential device used for a vehicle.
[0002]
[Prior art]
Patent Document 1 discloses a
[0003]
Further, each of the
[0004]
The driving force of the engine is distributed from the
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-61-165049
[Problems to be solved by the invention]
However, since the shafts connecting the first and second gears of the
[0007]
However, in a device having a configuration such as the
[0008]
The sliding surfaces between the
[0009]
Therefore, the present invention provides a differential device configured to connect an output member via a pinion supported by a housing hole, to reduce a processing area of an inner surface of the housing hole, and to improve a lubrication function of the housing hole. The purpose is to provide a differential device.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The differential device according to claim 1, wherein the rotating member is rotatably driven by a driving force of an engine, a pair of output members rotatably provided inside the rotating member, a first meshing portion and a second meshing portion. A first pinion that meshes with one of the output members at the first meshing portion, a first meshing portion and a second meshing portion, and a connecting shaft formed therebetween. A second pinion that meshes with the other output member at the first meshing portion and meshes with the second meshing portion of the first pinion at the second meshing portion; A sliding inner surface machined on an inner wall of the accommodation hole in which the first and second pinions are accommodated, wherein the first and second pinions slide on the inner sliding surface of the inner wall of the accommodation hole; Differential limiting force In the differential apparatus, the housing hole, is characterized in that the non-sliding inner surface for said first and second pinions and the non-processed portion.
[0011]
As described above, the differential device of the present invention does not slide on the first and second pinions and makes the inner surface of the receiving hole not involved in the generation of the differential limiting force a non-processed portion. By using the material close to the material, the working area of the receiving hole is reduced, the working time is shortened, and the life of the tool (cutter) is prolonged, without reducing the differential limiting force. The cost is reduced by shortening and improving cutter life.
[0012]
In the present invention, the non-processed portion is, for example, in a state of casting (casting surface) or a state of forging.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, in the differential device according to the first aspect, the non-processed portion is a window provided on the non-sliding inner surface portion and communicating the housing hole in and out. As a feature, the same operation and effect as the configuration of claim 1 can be obtained.
[0014]
According to the second aspect of the present invention, since the non-sliding inner surface portion of the housing hole is provided with a window (non-processed portion) communicating the inside and the outside, the oil easily enters the housing hole, and the sliding portion with the pinion is provided. Since the lubrication / cooling functions are improved, the differential limiting function is stabilized and seizure is prevented.
[0015]
In addition, the provision of the window reduces the weight of the rotating member and improves the on-boardability of the differential device.
[0016]
The invention according to
[0017]
Further, in the configuration of the third aspect, the weight of the rotating member is reduced by providing the lightening portion on the non-sliding inner surface portion, and the vehicle mountability of the differential device is improved.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
[First Embodiment]
The front differential 1 (first embodiment of the present invention: differential device) will be described with reference to FIGS.
[0019]
The power system of this vehicle includes an engine (motor), a transmission, a front differential 1 (a differential device for distributing the driving force of the engine to the left and right front wheels), a front axle, left and right front wheels, left and right rear wheels, and the like. The driving force of the engine is transmitted from the transmission to the front differential 1, and is distributed from the front differential 1 to the left and right front wheels via the front axle.
[0020]
[Configuration of front differential 1]
The front differential 1 includes a differential case 3 (rotating member) rotatably driven by the driving force of the engine, a pair of left and right
[0021]
The
[0022]
As shown in FIG. 1, the
[0023]
The
[0024]
In the
[0025]
The sliding
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
A
[0029]
As shown in FIG. 2, four pairs of receiving
[0030]
[Operation and operation of front differential 1]
The driving force of the engine for rotating the
[0031]
During the transmission of the torque in this manner, the tooth tips of the pinion gears 13 and 21 (
[0032]
Since the meshing reaction force of the pinion gears 13 and 21 and the meshing thrust force of the helical gear are proportional to the transmission torque of the front differential 1, a torque-sensitive differential limiting function can be obtained by these sliding resistances.
[0033]
This torque-sensitive differential limiting function prevents the front wheels from spinning when starting or accelerating when a large drive torque is applied, stabilizing the behavior of the vehicle body, improving maneuverability, Stability and maneuverability are improved.
[0034]
As described above, the
[0035]
Further, such movement and circulation of the oil are promoted by the pump action of the helical gear accompanying the meshing rotation of the side gears 5, 7 and the pinion gears 13, 21, and the lubrication and cooling effects are improved.
[0036]
[Effect of front differential 1]
The front differential 1 has the following effects by being configured as described above.
[0037]
Since the
[0038]
In addition, the provision of the
[0039]
In addition, the provision of the
[0040]
[Second embodiment]
The front differential 101 (second embodiment: differential device) will be described with reference to FIGS. 4 and 5. The
[0041]
[Configuration of Front Diff 101]
As shown in FIG. 5, the
[0042]
This lightened
[0043]
[Effect of front differential 101]
The
[0044]
Since the
[0045]
Further, by providing the lightening
[0046]
[Other embodiments included in the scope of the present invention]
In the differential device of the present invention, the non-processed portion is not limited to casting or forging, and may be formed by any method as long as it is not a mechanical process such as cutting or grinding.
[0047]
Further, the pinion gear and the side gear are not limited to helical gears, but may be spur gears (spur gears).
[0048]
Further, the differential device of the present invention is not limited to the front differential, but may be a rear differential (a differential device that distributes the driving force of the engine to the left and right rear wheels) or a center differential (a differential device that distributes the driving force of the engine to the front wheels and the rear wheels). ) Can also be used.
[0049]
【The invention's effect】
The differential device of the present invention does not slide with the pinion, and the inner surface of the receiving hole that is not involved in the generation of the differential limiting force is a non-processed portion, so that the processing area of the receiving hole is reduced, and the processing time is reduced. Thus, the life of the tool (cutter) is prolonged, and the cost is reduced by shortening the processing time and improving the life of the cutter.
[0050]
According to the differential device of the second aspect, the same effect as that of the configuration of the first aspect can be obtained.
[0051]
In addition, the provision of the window communicating the housing hole with the outside improves the lubrication and cooling functions inside the housing hole, stabilizes the differential limiting function, and prevents image sticking.
[0052]
In addition, the provision of the window reduces the weight of the rotating member and improves the on-board property.
[0053]
According to the differential device of the third aspect, the same effect as that of the configuration of the first aspect can be obtained.
[0054]
In addition, the provision of the lightening portion reduces the weight of the rotating member and improves the on-board performance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a first embodiment.
FIG. 2 is a sectional view taken along line XX of FIG.
FIG. 3 is a perspective view of a gear set used in each embodiment.
FIG. 4 is a sectional view of a second embodiment.
FIG. 5 is a sectional view taken along line YY of FIG. 4;
FIG. 6 is a sectional view of a conventional example.
[Explanation of symbols]
1 front differential (differential device)
3 differential case (rotating member)
5,7 Helical side gear (a pair of output members)
9 1st gear part (meshing part)
11 2nd gear part (meshing part)
13 Helical pinion gear (first pinion)
15 1st gear part (meshing part)
17 2nd gear part (meshing part)
19 Shaft for connecting each
21 Helical pinion gear (second pinion)
23, 25 Housing holes 27, 29 Sliding
101 Front differential (differential device)
103 Lightening part (non-working part provided on the non-sliding inner surface of the receiving hole with respect to the pinion)
Claims (3)
前記回転部材の内部に回転自在に設けられた一対の出力部材と、
第1の噛み合い部及び第2の噛み合い部を有し、一方の前記出力部材と前記第1の噛み合い部で噛み合う第1のピニオンと、
第1の噛み合い部及び第2の噛み合い部と、これらの間に形成された連結軸部とを有し、前記第1の噛み合い部で他方の前記出力部材と噛み合い、前記第2の噛み合い部で前記第1ピニオンの前記第2の噛み合い部と噛み合う第2のピニオンと、
前記回転部材に設けられ、前記第1と第2のピニオンが収容される収容孔の内壁に加工された摺動内面とを備え、
前記第1と第2のピニオンが前記収容孔の内壁の前記摺動内面と摺動することにより差動制限力が発生するデファレンシャル装置において、
前記収容孔の、前記第1と第2のピニオンに対する非摺動内面を非加工部としたことを特徴とするデファレンシャル装置。A rotating member that is rotationally driven by the driving force of the engine;
A pair of output members rotatably provided inside the rotating member,
A first pinion having a first meshing portion and a second meshing portion, wherein one of the output members meshes with the first meshing portion;
A first meshing portion, a second meshing portion, and a connecting shaft formed therebetween; the first meshing portion meshes with the other output member; the second meshing portion A second pinion that meshes with the second meshing portion of the first pinion;
A sliding inner surface provided on the rotating member and machined on an inner wall of an accommodation hole in which the first and second pinions are accommodated;
In a differential device in which the first and second pinions slide on the sliding inner surface of the inner wall of the housing hole to generate a differential limiting force,
A differential device, wherein a non-sliding inner surface of the housing hole with respect to the first and second pinions is a non-processed portion.
前記非加工部が、前記非摺動内面部分に設けられ、前記収容孔を内外に連通する窓部であることを特徴とするデファレンシャル装置。The invention according to claim 1,
The differential device, wherein the non-processed portion is a window provided in the non-sliding inner surface portion and communicating the housing hole in and out.
前記非加工部が、前記非摺動内面部分に設けられた肉抜き部であることを特徴とするデファレンシャル装置。The invention according to claim 1,
The differential device, wherein the non-processed portion is a lightened portion provided on the non-sliding inner surface portion.
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003058822A JP2004270731A (en) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | Differential device |
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---|---|
JP2004270731A true JP2004270731A (en) | 2004-09-30 |
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ID=33121842
Family Applications (1)
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JP2003058822A Pending JP2004270731A (en) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | Differential device |
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-
2003
- 2003-03-05 JP JP2003058822A patent/JP2004270731A/en active Pending
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