JP2004266519A - 移動通信端末及び通信システム - Google Patents

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JP2004266519A JP2003053913A JP2003053913A JP2004266519A JP 2004266519 A JP2004266519 A JP 2004266519A JP 2003053913 A JP2003053913 A JP 2003053913A JP 2003053913 A JP2003053913 A JP 2003053913A JP 2004266519 A JP2004266519 A JP 2004266519A
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Ryoji Ono
良司 小野
Masahiro Kuroda
正博 黒田
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Abstract

【課題】適正な基地局とサーバを選択するとともに、その基地局からサーバに至る適正な有線経路を選択して、サービスの品質や可用性を高めることができる移動通信端末及び通信システムを得ることを目的とする。
【解決手段】経路情報収集手段21により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、各基地局を経由して各サーバに至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する性能算出手段22を設け、その性能算出手段22によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局から当該サーバに至る有線経路とを選択して設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、接続対象の基地局とサーバ等を選択する移動通信端末及び通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線ネットワーク技術の進展に伴って、屋内外における無線ネットワークの利用が拡大している。一地点において使用可能な無線ネットワークの種類、即ち、無線通信メディアや無線通信事業者の種類は、現状では限られているが、無線ネットワーク技術の一層の進展と普及によって、一地点で利用可能な無線ネットワークが複数存在し、利用者がそのうちの一つを選択して利用する状況が生じると予想される。
【0003】
このような状況に対し、利用者が利用可能な複数の無線ネットワークの中から、適切な無線ネットワークを選択して接続を行うための技術が発案されている。これらの技術では、端末が接続する無線基地局またはアクセスポイント(以下、基地局と総称する)までの信号強度、無線ネットワーク部分のRTT(Round Trip Time)、BER(Bit Error Rate)、FER(Frame Error Rate)、利用可能帯域幅、スループットなどの計測や、各無線ネットワーク毎の課金情報、セキュリティ情報、最大帯域幅などの記録と、それら計測結果および記録の複数の無線ネットワークに対する比較によって、利用者にとって最適な基地局または無線ネットワークを選択する。
このような通信システムは、例えば、以下の特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−265844公報(段落番号[0020]から[0026]、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の通信システムは以上のように構成されているので、利用者にとって最適な基地局を選択することができる。しかし、特定のサービスを提供するサーバにアクセスが集中して、そのサーバに過大な負荷が発生したり、そのサーバの周辺、もしくは、そのサーバに至る経路に局所的なトラヒックの集中が発生したりすることにより、サービスの品質低下や、サービスを提供できない状況に陥っても、その状況を回避することができない課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、適正な基地局とサーバを選択するとともに、その基地局からサーバに至る適正な有線経路を選択して、サービスの品質や可用性を高めることができる移動通信端末及び通信システムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る移動通信端末は、経路情報収集手段により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、各基地局を経由して各サーバに至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する性能算出手段を設け、その性能算出手段によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局から当該サーバに至る有線経路とを選択して設定するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による通信システムを示す構成図であり、図において、サーバ1,2は同一のサービスを提供し、バックボーンネットワーク3を構成するルータ5,7と接続されている。バックボーンネットワーク3は複数のルータ4〜7と、ルータ間のリンクから構成されている。ゲートウェイルータ8,9(以下、GRと称する)は無線通信事業者が管轄するルータであり、バックボーンネットワーク3を構成するルータ4,6と接続されている。
基地局12〜14は無線通信事業者内ネットワーク10,11を介してGR8,9と接続されている。なお、基地局12〜14はいわゆるアクセスポイントも含む概念である。
ここで、無線通信事業者とは、基地局を設置し、各基地局に接続する移動通信端末をバックボーンネットワーク3に接続するサービスを提供している事業者のことであり、無線通信事業者内ネットワーク10,11とは、無線通信事業者が各基地局に接続する移動通信端末をバックボーンネットワーク3に接続するために構成するネットワークのことである。
【0009】
移動通信端末15〜17は例えばPDA(Personal DigitalAssistance)や携帯電話端末などが該当し、基地局12〜14と無線ネットワークを介して接続可能な端末である。
なお、図1のシステム内には複数の利用者が存在し、各々の利用者が移動通信端末を保持する。移動通信端末15〜17は、データ通信用の無線通信デバイスを1個以上装着している。利用者は移動通信端末15〜17に装着されている無線通信デバイスで利用可能な一つ以上の通信事業者と契約している。
無線通信デバイス及び無線通信メディアとしては、無線LAN(802.11b、802.11a)、Bluetooth、UWB(Ultrawideband)、PHS、携帯電話デバイス(PDC、W−CDMA、CDMA2000)などがある。
さらに、移動通信端末15〜17は、周囲に存在する他の移動通信端末と、基地局を経由せずに直接通信を行うための無線通信デバイス(以下、端末間通信用デバイス)を装着している。端末間通信用デバイスの無線通信メディアとしては、前掲の無線通信メディアのうち一つを使用できる。実装によっては、端末間通信用デバイスをデータ通信用の無線通信デバイスと兼用することも可能である。
【0010】
図2はこの発明の実施の形態1による移動通信端末を示す構成図であり、図において、経路情報収集手段21は基地局12〜14に至る無線経路に関する無線経路情報と、基地局12〜14からサーバ1,2に至る有線経路に関する有線経路情報とを収集する。
性能算出手段22は経路情報収集手段21により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、基地局12〜14を経由してサーバ1,2に至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する。選択設定手段23は性能算出手段22によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局からサーバに至る有線経路とを選択して設定する。
【0011】
次に動作について説明する。
この実施の形態1では、まだいずれの基地局にも接続していない移動通信端末が、利用者の要求する特定のサービスを受けるために、接続すべき適切なサーバと基地局を選択するとともに、その基地局からサーバに至るまでの経路を選択する例を説明する。なお、以下に示す種々のデータの内容、メッセージ形式および計算内容は実装の一例を示すものであり、本発明を実施する方法を限定するものではない。
【0012】
まず、利用者が混雑する市街地で、移動通信端末15を使用して、インターネット上のコンテンツを閲覧する状況を想定する。近隣には、PDAや携帯電話端末などの移動通信端末16〜19を保持し、インターネット上のコンテンツを閲覧したり、VoIP(Voice over IP)によって音声通話サービスを利用していたり、あるいは、ビデオストリーミングなどのネットワーク負荷の高いコンテンツを閲覧している利用者が雑多に多数存在する。
図3は利用者に関係するネットワーク状況を模式的に示したものである。実際にはネットワークには多数のゲートウェイルータ、無線通信事業者内ネットワーク及び基地局が接続されているが、図3には移動通信端末15から接続可能な3つの基地局12〜14と、これらが接続されている2つの無線通信事業者内ネットワーク10,11及びGR8,9のみを示している。
【0013】
利用者は、“URL1”で一意に表される“コンテンツ1”の表示を移動通信端末15に指示する。
これにより、移動通信端末15は、“コンテンツ1”を表示するため、ネットワーク接続を行って“コンテンツ1”を取得する必要があることを検知する。
移動通信端末15におけるネットワーク接続と“コンテンツ1”の取得は、以下のステップで行われる(図8を参照)。
まず、移動通信端末15は、詳細は後述するが、近隣に存在する移動通信端末(以下、近隣端末という)から無線経路情報と有線経路情報を収集する(ステップST1)。
次に、移動通信端末15は、その無線経路情報と有線経路情報から接続対象の基地局とサーバを選択するとともに、その基地局からサーバに至るまでの経路を選択する(ステップST2)。
最後に、移動通信端末15は、その選択した基地局に接続して、その選択した経路を利用できるよう設定し、その選択したサーバからコンテンツを取得する(ステップST3)。
【0014】
ここで、移動通信端末15における無線経路情報と有線経路情報の収集について具体的に説明する(図9を参照)。
まず、移動通信端末15の経路情報収集手段21は、基地局を経由せずに通信可能な近隣端末を検出する(ステップST11)。
即ち、移動通信端末15の経路情報収集手段21は、基地局を経由せずに他の移動通信端末と通信するための端末間通信用デバイスを使用して、近隣端末を検出する。その検出方法は、端末間通信用デバイス及び端末間通信用デバイスが使用する無線通信メディアに依存する。これらは公知の技術で実現可能である。
【0015】
ここでは説明の便宜上、近隣端末として移動通信端末16〜19が検出されたものとする。移動通信端末16〜18はいずれも基地局と接続してデータ通信を行っている。一方、移動通信端末19はいずれの基地局とも接続していない。移動通信端末15は、移動通信端末16〜19のうちのどの端末が基地局と接続し、どの端末が基地局と接続していないかの情報を保持していない。移動通信端末15は、移動通信端末16〜19のいずれともメッセージ交換が可能である。
【0016】
移動通信端末15の経路情報収集手段21は、近隣端末である移動通信端末16〜19を検出すると、その移動通信端末16〜19に対して情報提供要求メッセージを送信する(ステップST12)。情報提供要求メッセージには、無線経路情報と有線経路情報を要求することを示すデータが記載されている。
即ち、情報提供要求メッセージは、例えば下記に示すように、メッセージの宛先、メッセージの送信元、情報提供要求メッセージであることを示すラベル、要求するデータを表す要求データ指定の列を保持している。
情報提供要求メッセージ:=<宛先、送信元、“情報提供要求”、{要求データ指定、…}>
【0017】
メッセージの送信元及び宛先には、端末間通信用デバイス上で一意な値であって、かつ、メッセージの送信先の指定に使用できる値が使用される。例えば、通信がIPベースで行われる場合にはIPアドレスが使用され、通信がBluetooth上のL2CAP上で行われる場合にはBluetoothデバイスアドレスが使用できる。
要求データの指定は、例えば下記に示すように、データの種類を表すデータ種別と、要求するデータの詳細を指定する引数とから構成される。引数は0個以上の要素を持つ列である。
要求データ指定:=<データ種別を示すラベル、{引数、…}>
データ種別は、予め、その種類と、ラベルと、引数及び応答の形式とが規定されるものとする。図7はデータ種別、その引数、要求に対して得られる情報の例を示している。 なお、具体的な情報提供要求メッセージは、例えば、以下のようになる。
<移動通信端末16(または17,18,19)、移動通信端末15、“情報提供要求”、{<“無線経路情報”、{}>、<“有線経路情報”、{URL1}>}>
【0018】
近隣端末である移動通信端末16〜19は、移動通信端末15から情報提供要求メッセージを受信すると、詳細は後述するが、無線経路情報と有線経路情報を取得して、その無線経路情報と有線経路情報を含む情報提供メッセージを移動通信端末15に送信する。
移動通信端末15の経路情報収集手段21は、近隣端末である移動通信端末16〜19から情報提供メッセージを受信する(ステップST13)。情報提供メッセージには、0個以上の無線経路情報と有線経路情報とが記載されている。
【0019】
ここで、近隣端末である移動通信端末16〜19における無線経路情報と有線経路情報の取得と提供について具体的に説明する(図10を参照)。
近隣端末は、移動通信端末15から情報提供要求メッセージを受信すると、その情報提供要求メッセージの要求データ種別に無線経路情報が含まれている場合、無線経路情報を自端末上で取得する(ステップST21)。
即ち、近隣端末における無線経路情報は、近隣端末が現在接続している基地局についての信号強度と、その基地局との間のネットワーク性能から構成されており、これらは、近隣端末上で取得可能である。
【0020】
例えば、近隣端末の一つである移動通信端末16は、無線通信デバイスのうち、移動通信端末16が接続している基地局12との通信に使用している無線通信デバイスを使用して、基地局12の信号強度と、基地局12との通信におけるネットワーク品質を計測する。ネットワーク品質としては、例えば、移動通信端末16が基地局12を経由したネットワークにおける伝送速度を表すスループット、移動通信端末16から基地局12までの通信における遅延を表すRTT(Round Trip Time)など、または、それらのうちの一つ以上の組み合わせが利用できる。
【0021】
ここでは、例としてスループットを使用することにする。信号強度及びネットワーク品質(あるいは、スループット、RTT)の測定は、公知の技術を利用できるので、ここでは詳細に触れない。
ここでは計測結果を、以下のように表すものとする。
信号強度:ST_16_12
スループット:SP_16_12
移動通信端末16は、計測した信号強度とスループットとから、無線経路情報を生成する。 無線経路情報は例えば以下のようになる。
{基地局12、ST_16_12、SP_16_12}
【0022】
次に、近隣端末は、移動通信端末15から受信した情報提供要求メッセージの要求データ種別に有線経路情報が含まれている場合、近隣端末が現在接続している基地局を経由して有線経路情報を取得する(ステップST22)。
即ち、有線経路情報は、要求データ指定の引数に指定されたURLで表されるコンテンツを提供するサーバのアドレス、基地局からサーバまでの経路、サーバまでの経路上のネットワーク品質から構成されるので、バックボーンネットワーク3を含む基地局以上のネットワークから情報を取得する必要がある。
有線経路情報の取得方法には、いくつかの方法がある。以下では、メッセージ交換による方法と、公知の技術であるCDN(Contents Delivery Network)技術を利用する方法について説明する。
【0023】
最初にメッセージ交換により有線経路情報を取得する方法について説明する(図11を参照)。
まず、近隣端末は、近隣端末からバックボーンネットワーク3を構成するルータ4〜7まで、有線経路情報を要求する情報提供要求メッセージを順に送信する(ステップST31)。
これにより、バックボーンネットワーク3を構成するルータ4〜7間で有線経路情報を要求する情報提供要求メッセージを送受信する(ステップST32)。
【0024】
即ち、例えば、移動通信端末16は、有線経路情報を要求する情報提供要求メッセージを基地局12に送信する。その情報提供要求メッセージには、移動通信端末15から送信された情報提供要求メッセージに含まれる要求データ指定のうち、有線経路情報と同じ要求データ指定のみが含まれる。例えば、情報提供要求メッセージは以下のようになる。
<基地局12、移動通信端末16、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
【0025】
基地局12は、移動通信端末16から情報提供要求メッセージを受信すると、その情報提供要求メッセージと同じ要求データ指定を持つ情報提供要求メッセージをGR8に送信する。
<GR8、基地局12、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
GR8は、基地局12から情報提供要求メッセージを受信すると、その情報提供要求メッセージと同じ要求データ指定を持つ情報提供要求メッセージをルータ4に送信する。
<ルータ4、GR8、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
【0026】
ルータ4は、GR8から情報提供要求メッセージを受信すると、“URL1”で表されるコンテンツを提供するサーバがルータ4に接続されていないことを検知し、さらに、ルータ4に接続されているルータ5とルータ6に対して、その情報提供要求メッセージと同じ要求データ指定を持つ情報提供要求メッセージを送信する。
<ルータ5、ルータ4、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
<ルータ6、ルータ4、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
【0027】
このようにして、情報提供要求メッセージがルータ4〜7間で送受信され、“URL1”で表されるコンテンツを提供するサーバが自身に接続されているルータまで、情報提供要求メッセージが送信される(図4を参照)。
例えば、“URL1”で表されるコンテンツを提供するサーバ2が自身に接続されているルータ7は、ルータ6から情報提供要求メッセージを受信する。
<ルータ7、ルータ6、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
また、“URL1”で表されるコンテンツを提供するサーバ1が自身に接続されているルータ5は、ルータ4から情報提供要求メッセージを受信する。
<ルータ5、ルータ4、“情報提供要求”、{<“有線経路情報”、{URL1}>}>
【0028】
バックボーンネットワーク3を構成するルータ4〜7のうち、いずれか一つ以上のルータが、情報提供要求メッセージに記載されたURLで表されるコンテンツを提供するサーバを発見する(ステップST33)。
例えば、ルータ7は、ルータ6から情報提供要求メッセージを受信すると、その情報提供要求メッセージに記載された“URL1”で表されるコンテンツを提供するサーバ2を検出する。
なお、ルータ5も、“URL1”で表されるコンテンツを提供するサーバ1を検出する。
【0029】
バックボーンネットワーク3を構成するルータ4〜7のうち、コンテンツを提供するサーバを発見したルータ5,7は、そのルータから発見したサーバまでの経路と、そのルータから発見したサーバまでのネットワーク性能とを使用して、情報提供メッセージを生成する(ステップST34)。
即ち、ルータ7は、サーバ2までのネットワーク性能を計測する。前述と同様に、ネットワーク性能としてはスループットやRTTなど、または、それらのうちの一つ以上の組み合わせが利用できる。ここではスループットを利用する例を説明する。計測結果を以下のように表すものとする。
スループット:SP_7_2
ルータ7は、以下のような有線経路情報を生成する。
{URL1、サーバ2、{ルータ7、サーバ2}、SP_7_2}
【0030】
さらに、有線経路情報を含む情報提供メッセージを生成する。情報提供メッセージは、例えば以下に示すように、メッセージの宛先、メッセージの送信元、情報提供メッセージであることを示すラベル、提供データの列を保持している。
情報提供メッセージ:=<宛先、送信元、“情報提供”、{提供データ、…}>
提供データは、例えば、データの種類を表すデータ種別と、提供するデータの詳細とから構成される。
提供データ:=<データ種別を示すラベル、提供するデータ>
具体的な情報提供メッセージは、例えば以下のようになる。
<ルータ6、ルータ7、“情報提供”、{<“有線経路情報”、{URL1、サーバ2、{ルータ7、サーバ2}、SP_7_2}>}>
【0031】
バックボーンネットワーク3を構成するルータ4〜7のうち、コンテンツを提供するサーバを発見したルータ5,7は、情報提供要求メッセージが送信された経路と逆の経路で、近隣端末まで情報提供メッセージを順に送信する(ステップST35)。
経路上のノードは、情報提供要求メッセージを送信した経路を再現するように、情報提供メッセージに自ノードのアドレスを追加する。また、自ノードからサーバまでのネットワーク性能を算出して、情報提供メッセージに記載されているネットワーク性能を置き換える。
【0032】
例えば、ルータ7は、図5に示すように、情報提供メッセージをルータ6に送信する。
ルータ6は、その情報提供メッセージに含まれる有線経路情報のうち、サーバ2までの経路を取り出し、先頭にルータ6を追加する。これは、ルータ6からサーバ2までの経路を表している。また、ルータ6からルータ7までのネットワーク性能を計測し、ルータ7からサーバ2までの経路上のネットワーク性能から、ルータ6からサーバ2までのネットワーク性能を算出する。ここでは、ネットワーク性能としてスループットを用いているが、上記算出方法は公知技術によって可能であり、その算出した値をSP_6_2と表すものとする。
【0033】
このようにして得られた経路とネットワーク性能を使用して、情報提供メッセージを生成し、ルータ4に返送する。
<ルータ4、ルータ6、“情報提供”、{<“有線経路情報”、{URL1、サーバ2、{ルータ6、ルータ7、サーバ2}、SP_6_2}>}>
詳細は略すが、同様にして、ルータ5は、情報提供メッセージをルータ4に返送する。
<ルータ4、ルータ5、“情報提供”、{<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{ルータ5、サーバ1}、SP_5_1}>}>
【0034】
ルータ4は、ルータ5から受信した情報提供メッセージに含まれる有線経路情報からネットワーク性能(SP_5_1)を取り出し、そのネットワーク性能(SP_5_1)と、ルータ4からルータ5までのネットワーク性能(SP_4_5)とから、ルータ4からサーバ1までのネットワーク性能(SP_4_1)を算出する。
同様に、ルータ6から受信した情報提供メッセージに含まれる有線経路情報からネットワーク性能(SP_6_2)を取り出し、そのネットワーク性能(SP_6_2)と、ルータ4からルータ6までのネットワーク性能(SP_4_6)とから、ルータ4からサーバ2までのネットワーク性能(SP_4_2)を算出する。
【0035】
このようにして得られたネットワーク性能SP_4_1とSP_4_2とを比較して、性能の良い方を得るのに使用した有線経路情報を採用する。
例えば、SP_4_1>SP_4_2であるとすると、ルータ5から受信した情報提供メッセージに含まれる有線経路情報が採用される。これは、少なくともバックボーンネットワーク3上の経路については、より有利なサーバ及び経路を移動通信端末が選択するのは自明であるため、最もネットワーク性能の良い経路のみを使用すればよいからである。
【0036】
ルータ4は、ルータ5から受信した情報提供メッセージに含まれる有線経路情報から経路を取り出し、先頭にルータ4を追加する。これはルータ4からサーバ1までの経路である。
こうして得た経路及び予想使用可能帯域から情報提供メッセージを生成し、GR8に送信する。
<GR8、ルータ4、“情報提供”、{<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_4_1}>}>
【0037】
GR8は、ルータ4から情報提供メッセージを受信すると、その情報提供メッセージに含まれる有線経路情報からネットワーク性能(SP_4_1)を取り出し、そのネットワーク性能(SP_4_1)と、GR8からルータ4までのネットワーク性能とから、GR8からサーバ1までのネットワーク性能(SP_8_1)を算出する。また、同様に経路を取り出し、先頭にGR8を追加する。これはGR8からサーバ1までの経路である。こうして得られた経路及びネットワーク性能を使用して情報提供メッセージを生成し、基地局12に送信する。
<基地局12、GR8、“情報提供”、{<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_8_1}>}>
【0038】
基地局12は、GR8から情報提供メッセージを受信すると、同様にして情報提供メッセージを生成し、近隣端末である移動通信端末16に送信する。
<移動通信端末16、基地局12、“情報提供”、{<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_12_1}>}>
このようにして、近隣端末である移動通信端末16は、有線経路情報を取得する。
【0039】
近隣端末は、上記のようにして、無線経路情報と有線経路情報を取得すると、これらを使って情報提供メッセージを生成し、その情報提供メッセージを情報提供要求メッセージの送信元である移動通信端末15に送信する(ステップST23)。
即ち、近隣端末である移動通信端末16は、無線経路情報と有線経路情報を取得すると、下記に示すようにして、無線経路情報と有線経路情報とを情報提供メッセージにまとめて、移動通信端末15に送信する。
<移動通信端末15、移動通信端末16、“情報提供”、{<“無線経路情報”、{基地局12、ST_16_12、SP_16_12}>、<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_12_1}>}>
【0040】
同様に、移動通信端末17〜19も、取得した無線経路情報と有線経路情報を情報提供メッセージにまとめて、移動通信端末15に送信する。
<移動通信端末15、移動通信端末17、“情報提供”、{<“無線経路情報”、{基地局12、ST_17_13、SP_17_13}>、<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{基地局13、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_13_1}>}>
<移動通信端末15、移動通信端末18、“情報提供”、{<“無線経路情報”、{基地局14、ST_18_14、SP_18_14}>、<“有線経路情報”、{URL1、サーバ2、{基地局14、GR9、ルータ6、ルータ7、サーバ2}、SP_14_2}>}>
<移動通信端末15、移動通信端末18、“情報提供”、{}>
移動通信端末18は、いずれの基地局にも接続していないので、提供できる情報は存在せず、提供するデータは空である。
【0041】
移動通信端末15は、一つ以上の近隣端末から情報提供メッセージを受信する(ステップST13)。
移動通信端末15が近隣端末から受信した情報提供メッセージをまとめると、以下のようになる。
<“無線経路情報”、{基地局12、ST_16_12、SP_16_12}>
<“無線経路情報”、{基地局13、ST_17_13、SP_17_13}>
<“無線経路情報”、{基地局14、ST_18_14、SP_18_14}>
<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_12_1}>
<“有線経路情報”、{URL1、サーバ1、{基地局13、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}、SP_13_1}>
<“有線経路情報”、{URL1、サーバ2、{基地局14、GR9、ルータ6、ルータ7、サーバ2}、SP_14_2}>
【0042】
上記の例では、有線経路情報について、経路上の基地局とサーバの組み合わせはそれぞれ一意である。しかし実際には、複数の有線経路情報について、同一の基地局及びサーバの組み合わせを含む場合があり得る。この場合には、それらのうち、最もネットワーク性能の良いもののみを残して、他を破棄することができる。
【0043】
次に、CDN技術を用いて有線経路情報を取得する方法について説明する(図12を参照)。
近隣端末は、バックボーンネットワーク3に向けて、有線経路情報が要求されているコンテンツを取得するために使用すべきサーバを探索するためのメッセージを送信し、サーバのアドレスを取得する(ステップST41)。
例えば、移動通信端末16は、“URL1”に記載されているホスト名について、DNSサーバに問い合わせて名前解決を行う。DNSサーバがCDN技術を実装している場合、DNSサーバは、問い合わせを受けたホスト名に対するアドレスとして、移動通信端末16から基地局12及びGR8を通って、“URL1”で表されるコンテンツを取得するのに最適なサーバを選択して、移動通信端末16へ返送する。
【0044】
次に、近隣端末は、バックボーンネットワーク3に向けて、その取得したアドレスまでの可能な経路を探索するメッセージを送信し、その経路を取得する(ステップST42)。
例えば、移動通信端末16は、移動通信端末16から上記のアドレスで表されるサーバまでの可能な経路を検出する。この経路の検出方法には、公知の技術を利用することが可能であり、ここでは詳細に触れない。
【0045】
次に、近隣端末は、バックボーンネットワーク3に向けて、その取得した経路のネットワーク品質を計測するメッセージを送信し、可能な経路のそれぞれのネットワーク品質を取得する(ステップST43)。
例えば、移動通信端末16は、基地局12から得たそれぞれの経路を通ってサーバに至るまでのネットワーク性能を検出する。このような遠隔地のネットワーク性能の検出には公知の技術を利用することが可能であり、ここでは詳細に触れない。
最後に、近隣端末は、最もネットワーク品質の良い経路を採用する(ステップST44)。
例えば、移動通信端末16は、検出したネットワーク性能を相互に比較して、最も性能の良い経路を採用する。
【0046】
このようにして、移動通信端末16は、“URL1”で表されるコンテンツを取得するのに最適なサーバと、そのサーバまでの経路と、その経路に沿って基地局からサーバまでのネットワーク性能とを取得することができる。
以降の説明との整合のため、CDN技術を用いても、以下の値が得られたと仮定する。
サーバ:サーバ1
経路:{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}
ネットワーク性能:SP_12_1
繰り返しとなるが、上記のようにして近隣端末が得た基地局からサーバまでの経路及びそのネットワーク性能は、この時点で、すでに最適化されている。即ち、基地局からサーバまでの経路については、基地局とサーバの組み合わせに関して最適なものが選択されている。
【0047】
移動通信端末15は、近隣端末から無線経路情報と有線経路情報を取得すると、上述したように、これらの情報を用いて、接続対象の基地局及びサーバを選択し、その基地局からサーバに至るまでの経路を選択する(ステップST2)。
具体的には次の通りである(図13を参照)。
まず、移動通信端末15の経路情報収集手段21は、自端末から接続可能な基地局の全てについて無線経路情報を取得する(ステップST51)。
即ち、移動通信端末15において取得する無線経路情報は、近隣端末において取得される無線経路情報に対応するものであるが、移動通信端末15は、全ての基地局と接続しているわけではないので、端末と基地局との間のネットワーク性能は計測できない。したがって、無線経路情報は、典型的には、移動通信端末15から観測可能な基地局についての信号強度から構成される。
【0048】
移動通信端末15は、移動通信端末15の無線通信デバイスのうち、基地局12への接続に使用する無線通信デバイス、基地局13への接続に使用する無線通信デバイス、基地局14への接続に使用する無線通信デバイスを使用し、基地局12、基地局13及び基地局14の信号強度を計測する。
ここで、これらの無線通信デバイスは、それぞれ物理的に同じデバイスであってもよいし、異なるデバイスであってもよい。例えば、基地局12〜14がいずれも802.11a無線LANのアクセスポイントであるなら、これらの無線通信デバイスは、全て同一の802.11a無線LANデバイスを指してもよい。あるいは、一つの無線通信デバイスで複数の無線通信メディアでの通信が可能なデバイス(ソフトウェア無線デバイスなど)を利用するならば、例えば、基地局12〜14がそれぞれ異なる無線通信メディアの基地局であっても、これらの無線通信デバイスが全て物理的に同一の無線通信デバイスである構成をとり得る。
【0049】
ここでは計測結果を、以下のように表すものとする。
基地局12の信号強度:ST_15_12
基地局13の信号強度:ST_15_13
基地局14の信号強度:ST_15_14
移動通信端末15は、計測した信号強度から無線経路情報を生成する。無線経路情報は以下のようになる。
{基地局12、ST_15_12}
{基地局13、ST_15_13}
{基地局14、ST_15_14}
【0050】
移動通信端末15の性能算出手段22は、近隣端末から取得した無線経路情報及び有線経路情報と、自端末で取得した無線経路情報とから、可能な全ての基地局及びサーバについてのネットワーク性能予測と、その基地局からサーバまでの経路についてのネットワーク性能予測とを算出する(ステップST52)。
具体的には次のようにしてネットワーク性能予測を算出する。
【0051】
まず、性能算出手段22は、基地局12〜14について、各移動通信端末16〜19から各基地局までのネットワーク性能に、各移動通信端末16〜19から各基地局までの信号強度と、移動通信端末15での信号強度を適用し、移動通信端末15が各基地局に接続した場合の移動通信端末15から各基地局までのネットワーク性能予測を算出する。これは、以下のように表される。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)
:=f(ネットワーク性能(移動通信端末j、基地局i)、信号強度(移動通信端末j、基地局i)、信号強度(移動通信端末1、基地局i))
ただし、i=12、13、14、j=16〜19である。
【0052】
例えば、ネットワーク性能が信号強度に比例すると仮定すれば、以下のようになる。
f(x、y、z)=x×z/y
即ち、ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)は次のようになる。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)
=ネットワーク性能(移動通信端末j、基地局i)×信号強度(移動通信端末15、基地局i)/信号強度(移動通信端末j、基地局i)
ただし、i=12、13、14、j=16〜19である。
【0053】
したがって、具体的なネットワーク性能予測は次のようになる。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局12)
=SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局13)
=SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局14)
=SP_18_14×ST_18_14/ST_15_14
【0054】
ここで、複数の近隣端末が同一の基地局に接続している場合、移動通信端末15からその基地局までのネットワーク性能予測が複数算出される。この場合には、さらに、任意の方法によってそれら複数の値を合算し、ネットワーク性能予測を算出する。例えば、それら複数の値の平均値をとる方法や、予め無線経路情報又は近隣端末に対して信頼度を示す値を付与しておき、信頼度を示す値が最も大きい無線経路情報又は近隣端末に関連する値を採用する方法などがある。これ以外の算出方法や、上記で信頼度を付与する方法などは、公知の技術を用いて構成可能であり、ここではその詳細には触れない。
【0055】
次に、移動通信端末15から各基地局までのネットワーク性能予測と、基地局からサーバへの経路のそれぞれのネットワーク性能とについて、同一の基地局を含む組み合わせについて組み合わせ、移動通信端末15から各基地局を経由して各サーバに至るネットワーク性能予測を算出する。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i、サーバk)
:=g(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)、ネットワーク性能(基地局i、サーバk))
ただし、i=12、13、14、k=1、2である。
【0056】
例えば、移動通信端末と基地局の間を含む経路全体のネットワーク性能予測が、それぞれのネットワーク性能(または予測)のうちの小さい方に拘束されるとすれば、下記のようになる。
g(x、y)=min(x、y)
即ち、ネットワーク性能予測は次のようになる。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i、サーバk)
=min(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)、ネットワーク性能(基地局i、サーバk))
ただし、i=12、13、14、k=1、2である。
【0057】
したがって、具体的なネットワーク性能予測は次のようになる。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局12、サーバ1)
=min(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局12)、ネットワーク性能(基地局12、サーバ1))
=min(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12、SP_12_1)
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局13、サーバ1)
=min(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局13)、ネットワーク性能(基地局13、サーバ1))
=min(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13、SP_13_1)
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局14、サーバ2)
=min(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局14)、ネットワーク性能(基地局14、サーバ2))
=min(SP_18_14×ST_18_14/ST_15_14、SP_14_2)
【0058】
ここで、例えば、移動通信端末15や近隣端末と基地局との間の無線通信ネットワークが混雑していると、移動通信端末15から基地局までのネットワーク性能予測は悪くなる。同時に、移動通信端末15から基地局までのネットワーク性能予測は、基地局の無線通信メディアの性能が高ければ良くなり、低ければ悪くなる。
また、移動通信端末15から基地局までのネットワーク性能予測は、端末自身から見た基地局の信号強度にも依存する。さらに、基地局からサーバまでのネットワーク性能は、それ自体は考えられる最適な経路ではあるが(前述)、経路上のトラフィックが大きかったり、サーバの負荷が高かったりすると、性能は悪くなる。
ここでは、例として、基地局12は高速の無線通信メディアを使用しているが、接続している端末及びそのトラフィックが多く、基地局13は低速の無線通信メディアを使用しており、基地局14は比較的高速の無線通信メディアを使用し、かつ、接続している端末及びそのトラフィックがそれほど多くないとし、また、基地局からサーバまでの経路のネットワーク性能と、移動通信端末15〜184から各基地局までの信号強度には、それほど差異がないものと仮定する。この場合は、例えば、以下のようになる。
【0059】
(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)<SP_12_1
(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)<SP_13_1
(SP_18_14×ST_18_14/ST_15_14)>SP_14_2
この仮定の下では、以下のようになる。
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局12、サーバ1)
=SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局13、サーバ1)
=SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13
ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局14、サーバ2)
=SP_14_2
【0060】
移動通信端末15の選択設定手段23は、上記のようにして性能算出手段22がネットワーク性能予測を算出すると、その算出したネットワーク性能予測のうち、最も性能の良いものを選択し、そのネットワーク性能予測を算出するのに用いた可能な全ての基地局及びサーバを選択するとともに、その基地局からサーバに至るまでの経路を選択する(ステップST53)。
即ち、選択設定手段23は、選択結果を容易に判別するために、上記で算出したネットワーク性能予測と、ネットワーク性能予測の算出に用いた基地局、サーバ、基地局からサーバまでの経路とを組にする。
【0061】
<SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12、基地局12、サーバ1、{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}>
<SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13、基地局13、サーバ1、{基地局13、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}>
<SP_14_2、基地局14、サーバ2、{基地局14、GR9、ルータ6、ルータ7、サーバ2}>
この中から、ネットワーク性能予測の値が最も大きいものを採用する。
【0062】
ネットワーク性能予測を算出する際の仮定に基づいて、各基地局から各サーバまでのネットワーク性能はどれも近く、移動通信端末15から基地局12までのネットワーク性能予測と、移動通信端末15から基地局13までのネットワーク性能予測は、それぞれ基地局からサーバまでのネットワーク性能よりも悪く、移動通信端末15から基地局12までのネットワーク性能予測は、移動通信端末15から基地局13までのネットワーク性能予測よりも良いと仮定すれば、以下のようになる。
【0063】
(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)>(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)
(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)<SP_14_2
(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)<SP_14_2
この場合、以下の組が採用される。
<SP_14_2、基地局14、サーバ2、{基地局14、GR9、ルータ6、ルータ7、サーバ2}>
即ち、基地局14に接続して、上記の経路を経由し、サーバ2からコンテンツを受信するのが最適であると判明する。
【0064】
移動通信端末15の選択設定手段23は、上記のようにして選択した基地局に接続し、その選択した経路を利用できるよう設定する。
即ち、選択設定手段23は、上記の選択にしたがって無線通信デバイスを使用して、基地局14に接続し、経路{基地局14、GR9、ルータ6、ルータ7、サーバ2}を設定してから、“URL1”で表されるコンテンツをサーバ2との通信によって取得する(ステップST3)。
【0065】
サーバまでの経路の設定方法には、いくつかの方法がある。
例えば、メッセージ交換による方法がある。移動通信端末15が基地局14に接続し、バックボーンネットワーク3との通信が可能になると、移動通信端末15は基地局14に対して経路設定要求メッセージを送信する。経路設定要求メッセージは、典型的には、メッセージを最後に処理すべきノードを示す宛先、メッセージの送信元、経路設定要求メッセージであることを示すラベル、設定すべき経路を保持している。
経路設定要求メッセージ:=<宛先、送信元、“経路設定要求”、経路>
経路は、ノードのアドレスの列である。
経路:={ノードのアドレス、…}
経路設定要求メッセージは例えば以下のようになる。
<ルータ7、移動通信端末15、“経路設定要求”、{基地局14、GR9、ルータ6、ルータ7、サーバ2}>
【0066】
基地局14は、移動通信端末15から経路設定要求メッセージを受信すると、その経路設定要求メッセージをGR9に転送する。
GR9は、基地局14から経路設定要求メッセージを受信すると、移動通信端末15からサーバ2へのデータの転送先をルータ6に設定し、サーバ2から移動通信端末15へのデータの転送先を移動通信端末15に設定する。そして、その経路設定要求メッセージをルータ6に転送する。
ルータ6は、GR9から経路設定要求メッセージを受信すると、移動通信端末15からサーバ2へのデータの転送先をルータ7に設定し、サーバ2から移動通信端末15へのデータの転送先をGR9に設定する。そして、その経路設定要求メッセージをルータ7に転送する。
ルータ7は、ルータ6から経路設定要求メッセージを受信すると、移動通信端末15からサーバ2へのデータの転送先をサーバ2に設定し、サーバ2から移動通信端末15へのデータの転送先をルータ6に設定する。
このようにして、移動通信端末15からサーバ2までの経路が設定される。
【0067】
また、サーバまでの経路の設定方法として、例えば、公知の技術であるIPパケットのソースルーティングオプションを利用する方法がある。
この方法では、移動通信端末15は、サーバ2へ送信する全てのデータについて、データの送信に用いられるIPパケットの全てに、ソースルーティングオプションを用いて、上記で選択した経路上のノードのアドレスを経路の順に記載する。これによって、サーバ2との間で送受信される全てのデータが選択された経路を通過する。
【0068】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、経路情報収集手段21により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、各基地局を経由して各サーバに至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する性能算出手段22を設け、その性能算出手段22によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局から当該サーバに至る有線経路とを選択して設定するように構成したので、サーバ負荷の増大や局所的トラフィックの集中を抑制することができると同時に、利用者から見たサービス品質や可用性を高めることができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、移動通信端末15が近隣端末から無線経路情報と有線経路情報を収集することにより、移動通信端末15がデータ通信用のいかなる無線ネットワークにも接続していない状態でも、利用者がサービスの提供を受けるために最適な基地局及びサーバと、その基地局からサーバに至るまでの経路を算出することができる効果を奏する。
【0069】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、移動通信端末15の経路情報収集手段21が近隣端末から無線経路情報と有線経路情報を収集するものについて示したが、経路情報収集手段21が、近隣端末が送受信している無線経路情報と有線経路情報を傍受するようにしてもよい。
具体的には下記の通りである。
無線通信メディアは有線通信メディアと異なり、実際に対向して通信を行っている端末以外の端末が、行われている通信を傍受することが可能である。
例えば、移動通信端末19は、移動通信端末15が移動通信端末16〜18から受信した情報提供メッセージを傍受することが可能である。これをメッセージのスヌーピングと呼ぶ(図6を参照)。そして、移動通信端末19において測定した信号強度を用いて、上記実施の形態1において移動通信端末15が行ったのと同様の方法で、基地局及びサーバを選択して経路を選択することができる。
【0070】
スヌーピングした情報提供メッセージに含まれる無線経路情報及び有線経路情報のうち、無線経路情報は、コンテンツとは無関係に基地局と接続しようとする場合には常に有用であり、有線経路情報は、その有線経路情報に含まれるURLで表されるコンテンツを受信しようとする場合に有用である。
このように、移動通信端末15が、近隣端末間で送受信される無線経路情報及び有線経路情報を傍受することによって、近隣端末と通信を行わなくとも、利用者がサービスの提供を受けるために最適な基地局及びサーバと、その基地局からサーバに至るまでの経路を選択することができる。したがって、利用者がサービスの開始を移動通信端末に指示してから、利用者が当該サービスの提供を受けるまでの時間を短縮することができる効果を奏する。
【0071】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、移動通信端末15が接続可能な基地局12〜14の中で、利用者がサービスの提供を受ける上で最適な基地局を選択するものについて示したが、予め利用契約を締結している無線通信事業者の基地局の中から選択するようにしてもよい。
即ち、移動通信端末15の選択設定手段23が、予め利用者が契約している無線通信事業者の一覧を保持し、利用者が契約している無線通信事業者の基地局の中から最適な基地局を選択するようにしてもよい。
具体的には次の通りである。
【0072】
移動通信端末15の不揮発性記憶領域上には、利用者が契約を締結している無線通信事業者の一覧が格納される。この一覧には、基地局が属している無線通信事業者、即ち、その基地局を設置して運用している無線通信事業者の識別子が記載されている。
例えば、802.11b無線LANの場合には、無線通信事業者は多くの場合、基地局(この場合はAP;アクセスポイント)が属するESS(Extended Service Set)を表すESSID(または、SSID;Service Set ID)によって識別することができるので、無線通信事業者の一覧には、利用者が契約している無線通信事業者のESSIDが記載される。
一つの無線通信事業者が運用する無線通信メディアは一つとは限らず、また、一つの無線通信事業者が運用する一つの無線通信メディアを識別するための識別子も一つとは限らないので、無線通信事業者の一覧には、無線通信事業者を識別し得る全ての識別子が記載される。
【0073】
無線経路情報は、移動通信端末15が接続可能な全ての基地局から取得する(ステップST21)。
上記実施の形態1では、移動通信端末15から観測可能な全ての基地局を、接続可能な基地局として扱っている。
この実施の形態3では、無線経路情報の取得は以下のステップで行われる(図14を参照)。
【0074】
移動通信端末15は、移動通信端末15から観測可能な全ての基地局について、それらの基地局が属する無線通信事業者を表す識別子を得る(ステップST61)。
基地局が属する無線通信事業者を表す識別子を取得する方法は、無線通信メディアに依存する。例えば、802.11b無線LANでは、アクセスポイント(基地局に相当)が定期的に送信するビーコンの中に、アクセスポイントが属するESSを示すESSID(ないしSSID)が含まれている。多くの場合、ESSIDによって無線通信事業者を識別することができる。
【0075】
次に、移動通信端末15は、その無線通信事業者の識別子が、移動通信端末15の保持する利用者が契約している無線通信事業者の一覧に含まれるか否かを判定し、含まれると判定される無線通信事業者に属する基地局を抽出する(ステップST62)。
例えば、802.11b無線LANの場合には、利用者が契約している無線通信事業者の一覧には、無線通信事業者を識別するためのESSID(複数の場合もあり得る)が含まれる。ステップST61の処理で取得したESSIDが利用者が契約している無線通信事業者の一覧に含まれるときは、その基地局は、利用者が契約している無線通信事業者に属すると判定される。
【0076】
例えば、利用者が契約している無線通信事業者の一覧が以下のようであったとする。
ESSID_1
ESSID_2
また、基地局12、13、14に関する無線通信事業者の識別子が以下のようであったとする。 基地局12:ESSID_1
基地局13:ESSID_2
基地局13:ESSID_3
この場合、ESSID_1及びESSID_2は、利用者が契約している無線通信事業者の一覧に含まれるが、ESSID_3は含まれないので、基地局12及び基地局13が抽出される。
【0077】
次に、移動通信端末15は、利用者が契約している無線通信事業者に属する基地局を抽出すると、その基地局について無線経路情報を取得する(ステップST63)。
無線経路情報の取得方法は、上記実施の形態1におけるステップST21での処理内容と同じである。ただし、無線経路情報を取得する対象が、上記実施の形態1では、観測可能な全ての基地局であったのに対し、この実施の形態3では、ステップST62の処理で抽出した基地局のみである点が異なる。
上記の例では、抽出された基地局は、基地局12及び基地局13であるので、上記実施の形態1の例にならうと、無線経路情報は以下のようになる。
{基地局12、ST_15_12}
{基地局13、ST_15_13}
【0078】
移動通信端末15は、上記実施の形態1と同様にして、ネットワーク性能予測を算出し、ネットワーク性能予測の算出に用いた基地局及びサーバと、その基地局からサーバに至るまでの経路と組にすれば、以下のようになる。
<SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12、基地局12、サーバ1、{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}>
<SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13、基地局13、サーバ1、{基地局13、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}>
上記実施の形態1における仮定に従えば、
(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)>(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)
であるから、経路を表す情報としては以下の組が採用される。
<SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12、基地局12、サーバ1、{基地局12、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}>
即ち、基地局12に接続し、上記の経路を経由して、サーバ1からコンテンツを受信するのが、最適であると判定される。
【0079】
このように、利用者が利用契約を締結している無線通信事業者の一覧を保持し、接続可能な基地局のうち、無線通信事業者の一覧に含まれる無線通信事業者に属する基地局のみを抽出して、接続すべき基地局を選択するように構成したので、利用者が契約している無線通信事業者と、そうでない無線通信事業者とが混在している環境下においても、実際に利用可能な基地局のみを対象として、最適な経路を選択することができる効果を奏する。
【0080】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、移動通信端末15が接続可能な基地局12〜14の中で、利用者がサービスの提供を受ける上で最適な基地局を選択するものについて示したが、接続対象の基地局を選択する際、基地局に関する利用者の志向を表す利用者レベル要求情報を収集し、その利用者レベル要求情報を考慮して接続対象の基地局を選択するようにしてもよい。
具体的には次の通りである。
【0081】
まず、利用者レベル要求情報とは、信号強度やネットワーク品質のようなネットワークから取得される要求(拘束)とは異なり、移動通信端末を使用する利用者の視点からの要求を示す情報である。
利用者レベル要求情報としては様々な種類の情報が想定できるが、例えば、無線通信事業者毎に指定される重要度を考えることができる。利用者は、契約している各無線通信事業者について、利用されることがどれだけ好ましいかを示す数値を指定する。例えば、より好ましい無線通信事業者に大きな値を指定し、比較的好ましくない無線通信事業者に小さい値を指定することで、各無線通信事業者の重要度を示すことができる。
【0082】
重要度を設定する利用者の負担を軽減するため、利用者に重要度を指定させる代わりに、優先順位を設定させる方法が考えられる。この場合、利用者は単に、契約している各無線通信事業者を、利用されることが好ましい順に配列するだけでよい。移動通信端末は、利用者が指定した優先順位を、予め定められた、あるいは、動的に設定される重要度に変換して使用する。例えば、ある無線通信事業者の優先順位をn位としたとき、その無線通信事業者の重要度を(100÷n)とするなどである。
【0083】
また、利用者がより料金の低廉な無線通信事業者を優先するという前提の下では、課金情報を元に重要度を導出する方法が考えられる。この場合、利用者は移動通信端末に対して、契約している各無線通信事業者ついて、課金情報として、それぞれの利用料金を計算するための計算式を示すだけでよい。移動通信端末は、利用者から要求された通信にかかる時間及びデータ量を推定し、その推定した時間及びデータ量と、利用者から提示された課金情報(計算式)を元に、各無線通信事業者毎の推定料金を算出する。そして、推定料金を元に、重要度を導出する。具体的には、例えば、無線通信事業者を推定料金の順に並べて、これを優先順位として扱う方法や、推定料金の逆数を重要度として扱う方法などが考えられる。
【0084】
ここでは、上記のような方法によって、無線通信事業者毎の重要度が以下のように導出されたとする。上記実施の形態3にならい、利用者は、基地局12及び基地局13が属する無線通信事業者と契約を行っており、基地局14が属する無線通信事業者とは契約を行っていないとする。また、無線通信事業者は、それぞれの無線通信事業者を示す識別子で表される。上記実施の形態3にならい、基地局12についてESSID_1、基地局13についてESSID_2が、無線通信事業者を示す識別子であるとする。
ESSIS_1:Priority_1
ESSID_2:Priority_2
ここで、
Priority_1<<Priority_2
とする。即ち、利用者は、ESSID_2で表される無線通信事業者を優先しているものとする。
【0085】
この実施の形態4では、上記実施の形態1のうち、移動通信端末15において取得される無線経路情報に、基地局が属している無線通信事業者を示す識別子を含める。基地局が属している無線通信事業者を示す識別子は、上記実施の形態3に示したような方法によって取得することができる。
このとき、例えば、移動通信端末15が生成する無線経路情報は以下のようになる。ここでは上記実施の形態3にならい、利用者が契約している無線通信事業者に属する基地局に関する無線経路情報のみを示している。
{基地局12、ESSID_1、ST_15_12}
{基地局13、ESSID_2、ST_15_13}
【0086】
この実施の形態4においては、上記実施の形態1におけるネットワーク性能予測の代わりに、重み付きネットワーク性能予測を算出する。重み付きネットワーク性能予測は、上記実施の形態1に示したネットワーク性能予測の値に、当該ネットワーク性能予測を算出するのに用いた無線経路情報に含まれる無線通信事業者の識別子に対応する重要度を適用した値である。
例えば、上記実施の形態1の方法にならうと、重み付きネットワーク性能予測は以下のようになる。
重み付きネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i、サーバk)
:=g(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)、ネットワーク性能(基地局i、サーバk)、重要度(無線通信事業者(基地局i)))
ただし、i=12、13、k=1、2である。
【0087】
ここで、無線通信事業者(基地局i)は、基地局iが属する無線通信事業者(または、その識別子)を表し、無線経路情報から取得可能である。また、重要度(無線通信事業者)は、無線通信事業者の重要度を表し、上記において導出済みである。
上記実施の形態1の仮定に従い、かつ、重み付きネットワーク性能予測を、例えば、上記実施の形態1におけるネットワーク性能予測に重要度を乗じたものとすれば、重み付きネットワーク性能予測は以下のように表される。
重み付きネットワーク性能予測(移動通信端末15基地局i、サーバk)
=min(ネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局i)、ネットワーク性能(基地局i、サーバk))×重要度(無線通信事業者(基地局i))
ただし、i=12、13、k=1、2である。
【0088】
したがって、具体的な重み付きネットワーク性能予測は以下のようになる。
重み付きネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局12、サーバ1)
=(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)×Priority_1
重み付きネットワーク性能予測(移動通信端末15、基地局13、サーバ1)
=(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)×Priority_2
【0089】
仮定により、
(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)>(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)
Priority_1<<Priority_2
であるので、
(SP_16_12×ST_16_12/ST_15_12)×Priority_1<(SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13)×Priority_2
であり、以下の組が採用される。
<SP_17_13×ST_17_13/ST_15_13、基地局13、サーバ1、{基地局13、GR8、ルータ4、ルータ5、サーバ1}>
即ち、基地局13に接続し、上記の経路を経由して、サーバ1からコンテンツを受信するのが、利用者の提示した重要度を加味した上で最適であると判定される。
【0090】
このように、接続先の基地局に関する利用者の志向を表す利用者レベル要求情報を取得し、利用者レベル要求情報を加味して、移動通信端末がサービスの提供を受けるために最適な基地局、サーバ及び経路を導出するように構成したので、利用者が契約しているが、利用者から見た重要性や優先度あるいは好ましさに違いがある無線通信事業者が混在している環境下においても、ネットワーク品質による性能上の条件と、利用者から見た重要性、優先度あるいは好ましさによる条件の双方の見地から最適な経路を算出することができる効果を奏する。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、経路情報収集手段により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、各基地局を経由して各サーバに至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する性能算出手段を設け、その性能算出手段によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局から当該サーバに至る有線経路とを選択して設定するように構成したので、サーバ負荷の増大や局所的トラフィックの集中を抑制することができると同時に、利用者から見たサービス品質や可用性を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による通信システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による移動通信端末を示す構成図である。
【図3】ネットワーク状況を模式的に示す説明図である。
【図4】情報提供要求メッセージの送信例を示す説明図である。
【図5】情報提供メッセージの送信例を示す説明図である。
【図6】メッセージのスヌーピングを示す説明図である。
【図7】データ種別、その引数、要求に対して得られる情報の例を示す説明図である。
【図8】移動通信端末の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】移動通信端末の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】近隣端末の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】メッセージ交換により有線経路情報を取得する方法を示すフローチャートである。
【図12】CDN技術を用いて有線経路情報を取得する方法を示すフローチャートである。
【図13】移動通信端末の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】移動通信端末の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,2 サーバ、3 バックボーンネットワーク、4〜7 ルータ、8,9 GR、10,11 無線通信事業者内ネットワーク、12〜14 基地局、15〜19 移動通信端末、21 経路情報収集手段、22 性能算出手段、23 選択設定手段。

Claims (16)

  1. 接続が可能な1以上の基地局に至る無線経路に関する無線経路情報を収集するとともに、その1以上の基地局から同一のサービスを提供する1以上のサーバに至る有線経路に関する有線経路情報を収集する経路情報収集手段と、上記経路情報収集手段により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、各基地局を経由して各サーバに至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する性能算出手段と、上記性能算出手段によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局から当該サーバに至る有線経路とを選択して設定する選択設定手段とを備えた移動通信端末。
  2. 同一のサービスを提供する1以上のサーバと、上記1以上のサーバと有線ネットワークを介して接続された1以上の基地局と、上記1以上の基地局と無線ネットワークを介して接続可能な移動通信端末とを備えた通信システムにおいて、上記移動通信端末が、上記1以上の基地局に至る無線経路に関する無線経路情報を収集するとともに、その1以上の基地局から上記1以上のサーバに至る有線経路に関する有線経路情報を収集する経路情報収集手段と、上記経路情報収集手段により収集された無線経路情報と有線経路情報を参照して、各基地局を経由して各サーバに至るまでのネットワーク性能をそれぞれ算出する性能算出手段と、上記性能算出手段によりそれぞれ算出された各ネットワーク性能を相互に比較して接続対象の基地局及びサーバと、その基地局から当該サーバに至る有線経路とを選択して設定する選択設定手段とを備えていることを特徴とする通信システム。
  3. 経路情報収集手段は、基地局を特定する識別子と、その基地局と移動通信端末間の信号強度及びネットワーク品質とを含む無線経路情報を収集することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  4. 経路情報収集手段は、基地局を特定する識別子と、サーバを特定する識別子と、その基地局から当該サーバに至る有線経路と、その有線経路のネットワーク品質とを含む有線経路情報を収集することを特徴とする請求項2または請求項3記載の通信システム。
  5. 経路情報収集手段が有線経路情報の送信要求を基地局に送信すると、その基地局がゲートウェイルータを介してバックボーンネットワークを構成しているルータに有線経路情報の送信要求を転送し、そのルータが有線経路情報を生成すると、その基地局が当該ルータからゲートウェイルータを介して有線経路情報を受信し、その有線経路情報を上記経路情報収集手段に転送することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  6. 経路情報収集手段は、CDN技術を実装しているDNSサーバを利用して、有線経路情報を収集することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  7. 性能算出手段は、無線経路情報に含まれている基地局の識別子と、有線経路情報に含まれている基地局の識別子とが同一である無線経路情報と有線経路情報の組み合わせを求め、その組み合わせ毎に、移動通信端末から基地局を経由してサーバに至るまでのネットワーク性能を算出することを特徴とする請求項4記載の通信システム。
  8. 選択設定手段は、ネットワーク性能が最高である無線経路情報と有線経路情報の組み合わせを選択し、その有線経路情報に含まれている識別子が特定する基地局とサーバを接続対象として選択することを特徴とする請求項7記載の通信システム。
  9. 経路情報収集手段が他の移動通信端末から無線経路情報と有線経路情報を収集することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  10. 経路情報収集手段は、他の移動通信端末が現在接続されている基地局を特定する識別子と、その基地局と他の移動通信端末間の信号強度及びネットワーク品質とを含む無線経路情報を収集し、その無線経路情報から自己の移動通信端末が当該基地局と接続された場合のネットワーク品質を推定することを特徴とする請求項9記載の通信システム。
  11. 経路情報収集手段は、他の移動通信端末が送受信している無線経路情報と有線経路情報を傍受することを特徴とする請求項9記載の通信システム。
  12. 選択設定手段は、接続対象の基地局を選択する際、予め利用契約を締結している無線通信事業者の基地局の中から選択することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  13. 選択設定手段は、接続対象の基地局を選択する際、基地局に関する利用者の志向を表す利用者レベル要求情報を収集し、その利用者レベル要求情報を考慮して接続対象の基地局を選択することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  14. 選択設定手段は、利用者レベル要求情報が無線通信事業者の重要度を表していることを特徴とする請求項13記載の通信システム。
  15. 選択設定手段は、利用者レベル要求情報が無線通信事業者の優先順位を表していることを特徴とする請求項13記載の通信システム。
  16. 選択設定手段は、利用者レベル要求情報が無線通信事業者の課金額を表していることを特徴とする請求項13記載の通信システム。
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