JP2004260722A - 基地局装置及び移動局装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】空間ダイバーシチを構成するためのいずれかの送信ブランチに異常が発生しても、残りの送信ブランチを使用して良好な通信を安全に維持可能なことを課題とする。
【構成】基地局からの下り送信信号を移動局MSa,MSbで受信・解析すると共に、該移動局で生成し、かつ基地局に送信した下り送信電力制御情報TPCa,TPCbに従って基地局が自局の下り送信電力制御を行う通信システムの基地局において、空間ダイバーシチを構成する複数系統の送信ブランチBR0,BR1であって、下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるものと、各送信ブランチの信号処理系につき異常を検出可能な異常検出部2と、異常検出部がいずれかの送信ブランチ(例えばBR1)につき異常を検出したことにより、当該送信ブランチの送信を停止すると共に、残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させる制御部27とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基地局装置及び移動局装置に関し、更に詳しくは、基地局装置からの下り送信信号を移動局装置で受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報に従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記基地局装置及び移動局装置に関する。
【0002】
CDMA(Code Division Multiple Access)方式の下では、所謂遠近問題によるチャネル間信号干渉を避けるために、送信電力を適正な値に制御するところの送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)が必須の機能となっている。
【0003】
【従来の技術】
第3世代の移動通信システムであるW−CDMAのダイバーシチ方式では、2本の送信アンテナ(即ち、2系統の送信ブランチ)を用いた閉ループ送信ダイバーシチ方式を採用している。この内の下り閉ループ送信電力制御方式では、基地局からの下り送信信号を移動局で受信・解析すると共に、該移動局で生成し、かつ前記基地局に送信した下り送信電力制御情報(TPCデータ)に従って該基地局が自局の下り送信電力制御を行う。
【0004】
この場合に、もし基地局の一方の送信ブランチが故障すると、残りの送信ブランチで通信を継続することが考えられるが、各移動局では受信信号電力(受信SIR)が一斉に3dB程度低下することになる。しかし、各移動局では受信信号電力低下の理由が分からないため、基地局に対して一斉に送信電力「UP」の制御情報をフィードバックする。このような移動局が、もし1台と、少ない場合はよいが、もし多数の移動局が一斉に送信電力「UP」を要求すると、もはや基地局の残りの送信ブランチでは送信電力「UP」に対応できなくなる。
【0005】
なお、基地局に予備の送信ブランチを設けておくことも考えられるが、一般に送信ブランチに含まれる構成(周波数変換部、電力増幅部等)は大変高価なものとなるため、コストの面から予備を設けることは困難な状況にある。
【0006】
係る状況の下、従来は、TDMA−TDD方式の無線基地局装置において、アンテナ又は受信部が故障した場合でも、制御チャネルと通話チャネルの通信エリアを同等に維持できる無線基地局装置とその送信電力制御方式が知られている(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−32529号公報(要約)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1はTDMA−TDD方式の構成に適用して好適なるものであり、上記CDMA方式で採用するような下り閉ループ送信ダイバーシチ方式に適用できるものではない。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、空間ダイバーシチを構成するためのいずれかの送信ブランチに異常が発生しても、残りの送信ブランチを使用して良好な通信を安全に維持可能な基地局装置及び移動局装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)の基地局装置10は、基地局装置からの下り送信信号を移動局装置MSa,MSbで受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報TPCa,TPCbに従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記基地局装置において、空間ダイバーシチを構成するための複数系統の送信ブランチBR0,BR1であって、チャネル毎に下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるものと、前記各送信ブランチの信号処理系につきそれぞれに異常を検出可能な異常検出部2と、前記異常検出部がいずれかの送信ブランチ(例えばBR1)につき異常を検出したことにより、当該送信ブランチBR1の送信を停止すると共に、残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させる制御部27とを備える。
【0011】
本発明(1)によれば、残りの正常な送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信信号電力は基地局10における異常検出直前の各送信信号電力に固定されるため、引き続き移動局MSa,MSbの遠近差を反映した送信信号電力が維持されており、よって、その後もチャネル信号間干渉の問題は生じない。一方、各移動局MSa,MSbにおける各受信信号電力はそれぞれに略3dB程度低下するが、自動利得制御機能や誤り訂正機能等の作用によって基地局10からの下り送信データを適正に受信可能である。また、その際には、各移動局MSa,MSbから一斉に送信電力「UP」の要求がフィードバックされるが、これらに対する基地局10の下り送信電力制御は停止されているため、送信ブランチBR0の送信電力が許容以上に増大されるのを有効に回避できる。従って、送信特性が著しく劣化したり、又は送信ブランチBR0が過負荷により障害となるような状況を有効に回避できる。
【0012】
なお、ここで、上記残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号について簡単に説明すると、該「1又は2以上の各チャネル信号」の語には、大きく分けて、通信中の全チャネル信号が下り送信電力制御停止の対象となる場合と、特定の一部のチャネル信号のみが下り送信電力制御停止の対象となる場合とが含まれる。
【0013】
前者の場合は、全移動局MSa〜MSbに対する下り送信電力制御が停止されるため、残りの正常な送信ブランチBR0に加わるであろう過負荷を最大限に回避できる。一方、後者の場合は、特定の一部の移動局MSa,MSbに対する下り送信電力制御は停止されるが、他の例えば移動局MScに対する下り送信電力制御は引き続き継続される。この場合でも、下り送信電力制御を受ける移動局MSc等の数が少なければ、該移動局MSc等に対しては引き続き高品質な通信サービスを提供できると共に、なおかつ残りの正常な送信ブランチBR0を使用した下り送信電力制御を許容範囲内で安全に継続できる。
【0014】
この場合に、特定の1又は2以上の移動局MSa,MSbとしては、例えば緊急呼通信中の移動局、又は予めこのような基地局障害時にも通話品質が維持される契約をしたような移動局、等が考えられる。これらの移動局の情報は、網側(基地局)において既知である。なお、以上のことは、以下に述べる他の各発明についても同様である。
【0015】
本発明(2)では、上記本発明(1)において、制御部は、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の送信信号電力を所定量増加させた状態でこれらの下り送信電力制御を停止させるものである。従って、障害ブランチBR1の送信停止による送信電力低下分を、残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号電力の所定量増加によってある程度カバーできる。
【0016】
また本発明(3)では、上記本発明(1)において、制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、1又は2以上の移動局装置から受信した下り送信電力制御情報が所定回数以上連続して増加であることにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させるものである。
【0017】
本発明(3)においては、異常を検出した送信ブランチBR1の送信を停止した後、実際に各移動局から多数の送信電力「UP」の要求を受けたことにより、下り送信電力制御を停止させる構成により、例えば、基地局10の通信トラフィック(通信中移動局の数等)が少ないような場合には、残りの正常な送信ブランチBR0の単独使用であっても通信中の全移動局に対して適正な下り送信電力制御を継続可能であり、こうすれば、残りの正常な送信ブランチBR0に過負荷を与えない範囲内で、可能な限りよりよい通信環境を維持可能となる。
【0018】
また本発明(4)では、上記本発明(1)又は(2)において、基地局装置の下り送信トラフィック量を検出するトラフィック検出部を備え、制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、前記トラフィック検出部が所定以上の下り送信トラフィック量を検出したことにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させるものである。基地局の下り送信トラフィック量が所定以上(例えば最大トラフィック量の80%以上)の場合には、残りの正常な送信ブランチBR0が過負荷状態となる可能性が高いため、速やかに下り送信電力制御を停止させることで、正常な送信ブランチBR0の安全な稼働が図られる。
【0019】
また本発明(5)の移動局装置は、空間ダイバーシチを構成するための複数系統の送信ブランチであって、チャネル毎に下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるもの、を備える基地局装置からの下り送信信号を移動局装置で受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報に従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記移動局装置において、基地局装置よりいずれかの送信ブランチについての異常の知らせを受けたことにより、自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止させる制御部を備えるものである。
【0020】
本発明(5)によれば、通信中の全移動局、又は特定の1又は2以上の移動局に対して、単に基地局の送信ブランチについての異常を通知するだけで、全通信チャネル又は特定の1又は2以上の通信チャネルの下り送信電力制御を有効に停止できる。この場合に、基地局が送信ブランチ異常の旨を通信中の全移動局MSa〜MSbに一斉に通知しても良いが、他にも例えば、特定の1又は2以上の移動局に対してのみ、送信ブランチの異常を通知しても良い。後者の場合は、下り送信電力制御を受ける移動局の数を所望に減らせるため、これらの各移動局との間では引き続き高品質な通信サービスを維持可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお 、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。図2は実施の形態による移動通信システムのブロック図で、本発明のCDMA移動通信システムにおける下り閉ループ送信ダイバーシチ方式への適用例を示している。図において、10は基地局(BTS)、11〜11はチャネル毎の送/受信信号処理を行うチャネル対応部、16は例えばチャネル1の下り送信データTD1を複数系統(この例では2系統)の送信ブランチBR0,BR1に分配すると共に、各ブランチの下り送信信号の振幅・位相を移動局からの下り送信電力制御情報(以下、TPCデータとも称す)に従って制御する振幅・位相制御部、12は下り送信信号の拡散部、21a,21bは拡散後の各チャネル信号を送信ブランチBR0,BR1毎に加算(多重)する加算部、22a,22bは周波数変換部,増幅部等を含む送信部、23a,23bは各ブランチの送信アンテナである。
【0022】
また、24は受信アンテナ、25はRF増幅器,周波数変換部等を含む受信部、13は上り受信信号の逆拡散部、14はチャネル毎の複数パスの受信信号を同相合成するRAKE合成部、15は上り受信データから移動局からの下り送信電力制御情報(TPCデータ)を抽出するTPCビット抽出部、そして、27は送信部22a,22bで検出された各主信号処理系統についての異常検出信号AL0,AL1に従って基地局10の下り送信電力制御に対する制御を行う制御部である。
【0023】
更に、30は移動局(MSa,MSb)、31はアンテナ、32はRF増幅器,周波数変換部等を含む受信部、33は下り受信信号の拡散部、34は自局宛の複数パスの受信信号を同相合成するRAKE合成部、35は下り受信信号の信号対干渉比(SIR:Signal to Interference Ratio)を測定するSIR測定部、36は前記測定された受信SIRと目標SIRとを比較して差分SIRを生成する比較部、37は前記差分SIRに従って受信SIRを目標SIRに近づけるための下り送信電力制御情報(TPCデータ)を生成するTPC生成部、38は下り受信データのビット誤り率等を測定する品質測定部、39は前記測定された受信品質と目標品質を比較して目標品質を得るための目標SIRを生成する比較部、40は上り送信データに前記生成されたTPCデータを多重する多重部、41は上り送信データの拡散部、42は周波数変換部,増幅器等を含む送信部、そして、43は基地局10からの送信ブランチ異常検出通知に従って移動局30の下り送信電力制御情報生成処理に対する制御を行う制御部である。
【0024】
なお、後述の各実施の形態で説明する如く、基地局10の制御部27と移動局30の制御部43とは同じ目的の制御(即ち、下り送信電力制御に対する制御)を行うものであるため、基地局が制御部27を備える移動通信システムでは移動局の制御部43を省略でき、逆に、移動局が制御部43を備える移動通信システムでは基地局の制御部27を省略できる。
【0025】
係る構成により、次に基地局10と移動局MSaとの間における下り送信電力制御の動作を概説する。基地局10から送信した既知のパイロット信号に基き、移動局MSaで受信SIRを測定すると共に、これを目標SIRと比較する。受信SIRが目標SIR以下の場合には「UP」命令を、また目標SIRを超える場合は「DOWN」命令をTPCデータとして生成し、これを上り回線に送信(フィードバック)する。基地局10では受信したTPCデータに従って移動局MSa宛のチャネルデータTD1の送信電力を「UP」又は「DOWN」させる。この場合に、TPCデータは上りフレームを構成するスロット毎に受信されるため、このような操作が1秒間に1500回程度行われる。一方、受信品質については数100ms〜数秒の長い区間にわたって測定し、緩やかな周期で目標SIRを更新する。基地局10と移動局MSbとの間の下り送信電力制御についても同様であり、こうしてチャネル毎の下り送信電力制御が略同時に並行して行われる。
【0026】
図3は第1の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図で、基地局10で送信ブランチBR1(又はBR0)につき異常を検出したことにより、当該送信ブランチBR1の送信を停止すると共に、残り送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させる場合を示している。図において、まず、この処理の前半部は、全ての送信ブランチBR0,BR1が正常な場合を示している。即ち、ステップS11では、基地局10は移動局MSa,MSb宛の各送信データを送信ブランチBR0,BR1を介して送信する。これを受信した各移動局MSa,MSbでは、ステップS12で受信SIRa,SIRbを測定すると共に、測定結果に基き目標SIRを得るためのTPCデータTPCa,TPCbを生成し、これらを基地局10に送信する。ステップS13では、基地局10において各送信ブランチBR0,BR1の主信号処理系(周波数変換器,増幅器等)が異常か否かを判別し、異常でない場合は、ステップS14で各受信TPCデータTPCa,TPCbに従う下り送信電力制御をそれぞれに行い、ステップS11に戻る。
【0027】
次に、この処理の後半部は、送信ブランチBR1が異常の場合を示しており、この場合は、ステップS15で当該異常ブランチBR1の送信を速やかに停止する。この停止処理は、異常検出信号AL1=1(異常)を受けた制御部27が行っても良いし、又は異常検出された送信ブランチBR1内でハードウェア的に自動的に停止しても良い。後者の場合は、異常検出信号AL1=1が自動的にセットされ、制御部27に通知される。そして、ステップS16では制御部27が残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御(即ち、例えば振幅・位相制御部16における振幅・位相制御動作)を停止させる。
【0028】
その結果、続くステップS17では、基地局10は移動局MSa,MSb宛の各送信データを送信ブランチBR0のみを介して送信することになるが、このとき、送信ブランチBR0に多重される各チャネルの下り送信信号電力{例えば(I+Q)}は基地局10における異常検出直前の各送信信号電力に固定されるため、引き続き移動局MSa,MSbの遠近差を反映した各送信信号電力が維持されており、よって、その後もチャネル信号間干渉の問題は生じない。一方、各移動局MSa,MSbにおける受信信号電力はそれぞれに略3dB程度低下することになるが、自動利得制御機能や誤り訂正機能等の作用によって基地局10からの下り送信データを適正に受信可能である。
【0029】
更に、上記送信ブランチBR0のみからの下り送信信号を受信した移動局MSa,MSbでは、上記正常な場合と同様にして、ステップS18では受信SIRa.SIRbを測定すると共に、これらに基き目標SIRを得るためのTPCデータTPCa,TPCbを生成し、これらを基地局10に送信する。このとき、通常なら、各TPCデータTPCa,TPCbには送信電力「UP」の命令が含まれることになる。
【0030】
一方、これらを受信した基地局10では、これらに対する下り送信電力制御が停止されているために、受信したTPCデータTPCa,TPCbに送信電力「UP」の命令が含まれていても、該命令は結果として無視される。このため、送信ブランチBR0のトータルの送信電力が許容以上に増大されることにより、その送信特性が著しく劣化したり、又は送信部22aが過負荷により障害となるような状況を有効に回避できる。そして、ステップS19では送信ブランチBR1が回復か否かを判別すると共に、回復していない場合はステップS17に戻り、こうして送信ブランチBR0のみによる送信を継続する。
【0031】
やがて、ステップS19の判別で送信ブランチBR1が回復すると、ステップS20では送信ブランチBR1の送信を再開させる。この再開処理は、異常検出信号AL1=0(回復)を受けた制御部27が行っても良いし、又は回復した送信ブランチBR1内でハードウェア的に自動的に再開しても良い。後者の場合は、異常検出信号AL1=0が自動的にセットされ、制御部27に知らされる。そして、ステップS21では制御部27が送信ブランチBR0,BR1に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御(即ち、振幅・位相制御部16における振幅・位相制御動作)を再開させ、処理はステップS14に戻る。以後は、送信ブランチBR0,BR1による正常な下り送信電力制御が行われる。
【0032】
なお、ここで、上記残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号について簡単に説明すると、該「1又は2以上の各チャネル信号」の語には、大きく分けて、通信中の全チャネル信号が下り送信電力制御停止の対象となる場合と、特定の一部のチャネル信号のみが下り送信電力制御停止の対象となる場合とが含まれる。
【0033】
前者の場合は、全移動局MSa〜MSbに対する下り送信電力制御が停止されるため、残りの正常な送信ブランチBR0に加わるであろう過負荷を最大限に回避できる。一方、後者の場合は、特定の一部の移動局MSa,MSbに対する下り送信電力制御は停止されるが、他の例えば移動局MScに対する下り送信電力制御は引き続き継続される。この場合でも、下り送信電力制御を受ける移動局MSc等の数が所望に少なければ、該移動局MSc等に対しては引き続き高品質な通信サービスを提供できると共に、なおかつ残りの正常な送信ブランチBR0を使用した下り送信電力制御を許容範囲内で安全に継続できる。
【0034】
この場合に、特定の1又は2以上の移動局MSa,MSbとしては、例えば緊急呼通信中の移動局、又は予めこのような基地局障害時にも通話品質が維持される契約をしたような移動局、等が考えられる。これらの移動局の情報は、網側(基地局)において既知である。なお、以上のことは、以下に述べる他の各実施の形態についても同様である。
【0035】
図4は第2の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図で、基地局10で例えば送信ブランチBR1につき異常を検出したことにより、当該送信ブランチBR1の送信を停止すると共に、残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の送信信号電力をそれぞれに所定量増加(オフセット)させた状態でこれらの下り送信電力制御を停止させる場合を示している。図において、まず、この処理の前半部は、全ての送信ブランチBR0,BR1が正常な場合を示しており、その動作は上記図3の前半部につき述べたものと同様であるため、説明を省略する。
【0036】
次に、この処理の後半部は、送信ブランチBR1が異常の場合を示しており、この場合は、ステップS15で当該異常ブランチBR1の送信を停止し、ステップS16では制御部27が残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信信号電力をそれぞれに所定量増加させた状態でこれらの下り送信電力制御を停止させる。
【0037】
その結果、続くステップS17では、基地局10は移動局MSa,MSb宛の各送信データを送信ブランチBR0のみを介して送信することになるが、このとき、送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信信号電力は基地局10における異常検出直前の各送信信号電力に対してそれぞれに所定量(例えば3dB)増加された値で固定されているため、引き続き移動局MSa,MSbの遠近差を反映した送信信号電力が維持されており、よって、その後もチャネル信号間干渉の問題は生じない。一方、各移動局MSa,MSbにおける受信信号電力はそれぞれに略3dBづつ補償(アップ)されているため、基地局10からの下り送信データを適切に受信可能である。そして、ステップS17以降の動作については、上記図3の後半部につき述べたものと同様であるため、説明を省略する。
【0038】
図5は第3の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図で、基地局10で例えば送信ブランチBR1につき異常を検出したことにより、速やかに当該送信ブランチBR1の送信を停止し、かつ残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させると共に、該各チャネル信号の送信信号電力をそれぞれ交互に所定量増加及び減少させる場合を示している。図において、まず、この処理の前半部は、全ての送信ブランチBR0,BR1が正常な場合を示しており、その動作は上記図3の前半部につき述べたものと同様であるため、説明を省略する。
【0039】
次に、この処理の後半部は、送信ブランチBR1が異常の場合を示しており、この場合は、ステップS15で速やかに当該異常ブランチBR1の送信を停止し、ステップS16では制御部27が残りの送信ブランチBR0に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させる。そして、その後この1又は2以上の各移動局MSa,MSbに送信するデータについては、ステップS23では正常ブランチBR0に多重される各チャネル信号の送信信号電力を所定シーケンスで変更する。
【0040】
この所定シーケンスは、例えば、チャネル毎の送信信号電力を交互に「UP」・「DOWN」させる。好ましくは、送信ブランチBR0におけるトータルの送信電力が一斉に[UP」したり又は「DOWN」したりするのを避けるため、あるチャネルの送信信号電力を所定量(例えば3dB)アップするときは、他のチャネルの送信信号電力を所定量(例えば3dB)ダウンさせるように制御する。この場合に、いずれのチャネル信号を「UP」させ、又は「DOWN」させるかは、例えばランダム関数又は擬似ランダム関数により選択できる。このとき、好ましくは、下り送信信号電力が大きいチャネル同士、及び小さいチャネル同士で「UP」分と「DOWN」分とが相殺されるように考慮しても良い。そして、それ以外の動作については、上記図3の後半部につき述べたものと同様であるため、説明を省略する。
【0041】
ところで、上記各実施の形態では基地局10が故障ブランチBR1の送信を停止したことで、制御部27はその後の1又は2以上のチャネル信号に対する下り送信電力制御を速やか無条件に停止したが、これに限らない。例えば、基地局10の通信トラフィック(通信中の移動局の数等)が少ないような場合には、残りの送信ブランチBR0の単独使用であっても適正な範囲内における下り送信電力制御を継続することが可能であり,こうすれば、残りの送信ブランチBR0に過負荷を与えない範囲内で、可能な限りより良い通信環境を維持可能となる。そこで、図示しないが、その後の1又は2以上のチャネル信号に対する下り送信電力制御を停止することになる様ないくつかの停止条件について、以下に、複数の好ましい実施の形態を説明する。
【0042】
まず、第1の場合における基地局10の制御部27は、異常を検出した送信ブランチBR1(又はBR0)の送信を停止した後、1又は2以上の移動局装置MSa,MSbから受信した下り送信電力制御情報TPCa,TPCbが所定回数以上連続して増加「UP」であることを検出したことにより、残りの送信ブランチBR0(又はBR1)に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させるものである。各移動局から「UP」のTPCデータが集中するような状況下では、残りの正常な送信ブランチBR0(又はBR1)が過負荷状態となる可能性が高いため、速やかに下り送信電力制御を停止させる。
【0043】
この場合に,好ましくは、現在通信中の全移動局MSa〜MSbからのTPCデータが所定回数以上連続して増加「UP」であることにより、下り送信電力制御を停止する。異常ブランチBR1が送信を停止すると、各移動局装置MSa〜MSbにおける下り受信信号電力は一斉に低下するため、基地局10には全移動局MSa〜MSbから増加「UP」のTPCデータが集中することが考えられる。従って、通信中の全移動局MSa〜MSbからの「UP」のTPCデータを区別無くまとめて計数することにより、実際の通信状態を反映した、速い停止レスポンスを期待できる。なお、いずれか1つ又は2つの移動局MSa,MSbからのTPCデータが所定回数以上連続して増加「UP」であることにより、下り送信電力制御を停止するようにしてもよい。いずれか1つ又は2つの移動局MSa,MSbでも、セル内の実際の通信状況を十分に反映可能である。
【0044】
また、第2の場合における基地局10は、該基地局10の下り送信トラフィック量を検出するトラフィック検出部を備え、制御部27は、異常を検出した送信ブランチBR1(又はBR0)の送信を停止した後、前記トラフィック検出部が所定以上の下り送信トラフィック量を検出したことにより、残りの送信ブランチBR0(又はBR1)に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させるものである。基地局10の下り送信トラフィック量が多い場合は、残りの送信ブランチBR0(又はBR1)が過負荷状態となる可能性が高いため、速やかに下り送信電力制御を停止させる。
【0045】
また、第3の場合における基地局10は、送信ブランチ毎の送信電力を検出する送信電力検出部を備え、制御部27は、異常を検出した送信ブランチBR1(又はBR0)の送信を停止した後、前記送信電力検出部がいずれかの送信ブランチBR0(又はBR1)につきその送信電力が所定以上であることを検出したことにより、残りの送信ブランチBR0(又はBR1)に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させるものである。残りの送信ブランチBR0(又はBR1)の送信電力が所定以上(例えば、最大出力の8割以上)となるような場合には、正に送信ブランチBR0(又はBR1)が過負荷状態になりつつあるため、速やかに下り送信電力制御を停止させる。なお、送信ブランチのトータルの送信電力は、当該ブランチに多重される各チャネルの信号電力(I+Q)の総和を求めることにより容易に得ることが可能である。
【0046】
また、第4の場合における基地局10は、同時に下りチャネルに送信中のユーザ数を計数するユーザ数計数部を備え、制御部27は、異常を検出した送信ブランチBR1(又はBR0)の送信を停止した後、前記ユーザ数計数部が所定以上のユーザ数を計数したことにより、残りの送信ブランチBR0(又はBR1)に多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させるものである。同時に下りチャネルに送信中のユーザ数が所定以上(例えば最大数の8割以上)となるような場合には、残りの送信ブランチBR0(又はBR1)が過負荷となる可能性が高いため、速やかに下り送信電力制御を停止させる。
【0047】
図6は第4の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図で、基地局10で例えば送信ブランチBR1につき異常を検出したことにより、当該送信ブランチBR1の送信を停止すると共に、その旨を移動局MSa,MSbに通知し、該移動局MSa、MSbの側で自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止させる場合を示している。図において、まずこの処理の前半部は、全ての送信ブランチBR0,BR1が正常な場合を示しており、その動作は上記図3の前半部につき述べたものと同様であるため、説明を省略する。
【0048】
次に、この処理の後半部は、送信ブランチBR1が異常の場合を示しており、この場合は、ステップS15で当該異常ブランチBR1の送信を停止し、ステップS25では制御部27がその旨を送信ブランチBR0を介して1又は2以上の移動局MSa〜MSbに一斉に通知する。
【0049】
移動局MSa〜MSbでは、基地局10の何れかの送信ブランチが異常・停止された通知を受けたことにより、ステップS26でTPCデータTPCa〜TPCbの更新処理(即ち、例えば各TPC生成部37におけるTPC生成処理)を停止させる。これにより、その後に、移動局MSa〜MSbから移動局10に対してデータが送信されるステップS27では、実質的に送信電力「UP」でも「DOWN」でもないようなTPCデータTPCa〜TPCbが送信(フィードバック)される。即ち、好ましくは下り送信電力変化なしのTPCデータ、又は1dBずつ交互に「UP」・「DOWN」するようなTPCデータTPCa〜TPCbが送信される。
【0050】
一方、基地局10では、ステップS29で、通常時におけると同様に下り送信電力制御を行うが、移動局MSa〜MSbからのフィードバックデータが実質的に「UP」でも「DOWN」でもないため、送信ブランチBR0のトータルの送信電力は略異常検出前の状態に維持されることになる。そして、ステップS28では異常ブランチBR1の回復を待ち、やがて、回復すると、ステップS30では制御部27がその旨を例えば送信ブランチBR0を介して前記1又は2以上の移動局MSa〜MSbに一斉に通知する。これを受けた移動局MSa〜MSbでは、ステップS33でTPCデータTPCa〜TPCbの更新処理を再開させる。一方、基地局10では、ステップS31で回復ブランチBR1の送信を再開し、更にステップS32では振幅・位相制御部16の送信電力制御を再開させ、処理はステップS14に戻る。
【0051】
なお、上記第4の実施の形態では、基地局の制御部27が送信ブランチ異常の旨を通信中の全移動局MSa〜MSbに対して一斉に通知する場合を述べたが、これに限らない。他にも例えば、特定の1又は2以上の移動局MSa,MSbに対してのみ、送信ブランチの異常を通知しても良い。こうすれば、下り送信電力制御を受ける移動局の数を所望に減らせるため、これらの各移動局との間では残りの正常な送信ブランチBR0を介して、通常の下り送信電力制御を継続可能である。
【0052】
図7は第5の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図で、基地局10から送信ブランチの異常を通知された各移動局MSa,MSbが、それぞれ自局の下り送信電力制御情報を所定量増加させた状態で生成処理を停止させる場合を示している。図において、基地局10から送信ブランチ異常の通知を受けた各移動局MSa,MSbでは、ステップS26でそれぞれTPCデータTPCa,TPCbの更新処理を停止させると共に、ステップS34では最初の1回(又は数回)分だけTPCデータTPCa,TPCbを所定量(例えばトータルで3dB)だけ増加の状態にさせておく。これにより、基地局10では各チャネルの下り送信信号電力を所定量だけ増加させるが、その後は、その時点の下り送信信号電力が維持されることになる。また、その後に基地局10から送信ブランチ回復の通知を受けた各移動局MSa,MSbでは、ステップS33でそれぞれTPCデータTPCa,TPCbの更新処理を再開させる。その他の処理については上記図6で述べたものと同様でよい。
【0053】
図8は第6の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図で、基地局10から送信ブランチの異常を通知された各移動局MSa,MSbが、それぞれ自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止すると共に、その後の自局の下り送信電力制御情報を交互に所定量増加及び減少さる場合を示している。図において、基地局10から送信ブランチ異常の通知を受けた各移動局MSa,MSbは、ステップS26でそれぞれTPCデータTPCa,TPCbの更新処理を停止すると共に、その後のステップS38では周期的に自局のTPCデータTPCa,TPCbをそれぞれ所定シーケンスで変更する。この所定シーケンスは、例えば、自局で生成するTPCデータを交互に「UP」・「DOWN」にするものでよい。好ましくは,移動局MSa,MSb毎に「UP」・「DOWN」及び「DOWN」・「UP」させることで、トータルでは送信ブランチBR0の送信電力が平均化される効果がある。その他の処理については上記図6で述べたものと同様でよい。
【0054】
なお、上記各実施の形態では送信ブランチが2つの場合を述べたが、これに限らない。送信ブランチが3つ以上の場合でも同様に本発明を適用できる。
【0055】
また、上記各実施の形態では本発明のCDMA方式による移動通信システムへの適用例を述べたが、これに限らない。本発明は空間ダイバーシチを採用するような他の様々な通信方式(TDMA方式等)の移動通信システムにも適用可能である。
【0056】
また、上記実施の形態では送信部22a(送信部22bも同様)が1系統の増幅部を備える場合を前提に述べたが、これに限らない。送信部22aが複数系統からなる並列構成の増幅部を備えると共に、この内のいずれか1の系統の増幅部に異常が発生したことにより異常検出信号ALを出力するようにしても良い。従って、並列構成により大電力動作可能な送信部22aにおいても本発明を適用可能である。
【0057】
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0058】
(付記1) 基地局装置からの下り送信信号を移動局装置で受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報に従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記基地局装置において、
空間ダイバーシチを構成するための複数系統の送信ブランチであって、チャネル毎に下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるものと、
前記各送信ブランチの信号処理系につきそれぞれに異常を検出可能な異常検出部と、
前記異常検出部がいずれかの送信ブランチにつき異常を検出したことにより、当該送信ブランチの送信を停止すると共に、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させる制御部とを備えることを特徴とする基地局装置。
【0059】
(付記2) 制御部は、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の送信信号電力を所定量増加させた状態でこれらの下り送信電力制御を停止させることを特徴とする付記1記載の基地局装置。
【0060】
(付記3) 制御部は、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させると共に、該各チャネル信号の送信信号電力をそれぞれ交互に所定量増加及び減少さることを特徴とする付記1記載の基地局装置。
【0061】
(付記4) 制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、1又は2以上の移動局装置から受信した下り送信電力制御情報が所定回数以上連続して増加であることにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の基地局装置。
【0062】
(付記5) 基地局装置の下り送信トラフィック量を検出するトラフィック検出部を備え、制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、前記トラフィック検出部が所定以上の下り送信トラフィック量を検出したことにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の基地局装置。
【0063】
(付記6) 送信ブランチ毎の送信電力を検出する送信電力検出部を備え、制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、前記送信電力検出部がいずれかの送信ブランチにつきその送信電力が所定以上であることを検出したことにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の基地局装置。
【0064】
(付記7) 同時に下りチャネルに送信中のユーザ数を計数するユーザ数計数部を備え、制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、前記ユーザ数計数部が所定以上のユーザ数を計数したことにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の基地局装置。
【0065】
(付記8) 空間ダイバーシチを構成するための複数系統の送信ブランチであって、チャネル毎に下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるもの、を備える基地局装置からの下り送信信号を移動局装置で受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報に従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記移動局装置において、
基地局装置よりいずれかの送信ブランチについての異常の知らせを受けたことにより、自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止させる制御部を備えることを特徴とする移動局装置。
【0066】
(付記9) 制御部は、自局の下り送信電力制御情報を所定量増加させた状態で自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止させることを特徴とする付記8記載の移動局装置。
【0067】
(付記10) 制御部は、自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止させると共に、自局の下り送信電力制御情報を交互に所定量増加及び減少さることを特徴とする付記8記載の移動局装置。
【0068】
(付記11) 送信ブランチが複数系統からなる並列構成の増幅部を備え、異常検出部は前記いずれかの系の増幅部の異常により異常検出することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の基地局装置。
【0069】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、いずれかの送信ブランチが異常となっても、残りの正常な送信ブランチが過負荷となるような状態を有効に回避しつつ、なおできるだけ高品質な通信を維持できるため,空間ダイバーシチを採用する移動通信システムの適正かつ安全な運用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態による移動通信システムのブロック図である。
【図3】第1の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図である。
【図4】第2の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図である。
【図5】第3の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図である。
【図6】第4の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図である。
【図7】第5の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図である。
【図8】第6の実施の形態による下り送信電力制御のシーケンス図である。
【符号の説明】
10 基地局(BTS)
11〜11 チャネル対応部
12 拡散部
13 逆拡散部
14 RAKE合成部
15 TCPビット抽出部
16 振幅・位相制御部
21a,21b 加算部
22a,22b 送信部
23a,23b 送信アンテナ
24 受信アンテナ
25 受信部
27 制御部
30 移動局(MSa,MSb)
31 アンテナ
32 受信部
33 拡散部
34 RAKE合成部
35 SIR測定部
36 比較部
37 TPC生成部
38 品質測定部
39 比較部
40 多重部
41 拡散部
42 送信部
43 制御部

Claims (5)

  1. 基地局装置からの下り送信信号を移動局装置で受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報に従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記基地局装置において、
    空間ダイバーシチを構成するための複数系統の送信ブランチであって、チャネル毎に下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるものと、
    前記各送信ブランチの信号処理系につきそれぞれに異常を検出可能な異常検出部と、
    前記異常検出部がいずれかの送信ブランチにつき異常を検出したことにより、当該送信ブランチの送信を停止すると共に、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させる制御部とを備えることを特徴とする基地局装置。
  2. 制御部は、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の送信信号電力を所定量増加させた状態でこれらの下り送信電力制御を停止させることを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  3. 制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、1又は2以上の移動局装置から受信した下り送信電力制御情報が所定回数以上連続して増加であることにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させることを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  4. 基地局装置の下り送信トラフィック量を検出するトラフィック検出部を備え、制御部は、異常を検出した送信ブランチの送信を停止した後、前記トラフィック検出部が所定以上の下り送信トラフィック量を検出したことにより、残りの送信ブランチに多重される1又は2以上の各チャネル信号の下り送信電力制御を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の基地局装置。
  5. 空間ダイバーシチを構成するための複数系統の送信ブランチであって、チャネル毎に下り送信信号電力を制御された各チャネル信号をそれぞれに多重されるもの、を備える基地局装置からの下り送信信号を移動局装置で受信・解析すると共に、該移動局装置で生成し、かつ前記基地局装置に送信した下り送信電力制御情報に従って該基地局装置が自局の下り送信電力制御を行う移動通信システムの前記移動局装置において、
    基地局装置よりいずれかの送信ブランチについての異常の知らせを受けたことにより、自局の下り送信電力制御情報の生成処理を停止させる制御部を備えることを特徴とする移動局装置。
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