JP2004259633A - 真空インタラプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】真空インタラプタの真空容器の外周面に作用する圧力が増大しても十分な機械的強度を有する真空インタラプタを提供する。
【解決手段】真空インタラプタ21の絶縁筒22の両端側の開口部が、軸方向に突出する筒部である筒フランジ23,24を介して固定側端板25、可動側端板26で閉止してあり、これら絶縁筒22、筒フランジ23,24、固定側端板25、可動側端板26等で形成する真空容器27を有する真空インタラプタ21において、固定側端板25及び可動側端板26を、真空容器27の外側に向かって凸となるような曲面で構成して固定側端板25及び可動側端板26に絶縁媒体ガスGのガス圧が作用した場合、筒フランジ23,24を外径方向に押し広げる力、すなわちガス圧に対する抗力を発生させてこの部分の機械的強度の低下を防止し得る構造とした。
【選択図】 図1
【解決手段】真空インタラプタ21の絶縁筒22の両端側の開口部が、軸方向に突出する筒部である筒フランジ23,24を介して固定側端板25、可動側端板26で閉止してあり、これら絶縁筒22、筒フランジ23,24、固定側端板25、可動側端板26等で形成する真空容器27を有する真空インタラプタ21において、固定側端板25及び可動側端板26を、真空容器27の外側に向かって凸となるような曲面で構成して固定側端板25及び可動側端板26に絶縁媒体ガスGのガス圧が作用した場合、筒フランジ23,24を外径方向に押し広げる力、すなわちガス圧に対する抗力を発生させてこの部分の機械的強度の低下を防止し得る構造とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空インタラプタに関するものであり、特に絶縁媒体としてガス(空気、窒素等)が封入されている密封容器内に真空インタラプタを組み込んで構成したGIS(ガス絶縁開閉装置)やC−GIS(キュービクル形ガス絶縁開閉器)等の開閉装置や、タンク型VCB(真空遮断器)等の単体遮断器に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
気中絶縁の真空遮断器(VCB)や、ミニクラッドに組み込まれている真空インタラプタ(VI)は、1気圧の大気や、モールドなどの絶縁物で周囲を絶縁されている。また、C−GIS、タンク形VCBなどに組み込まれているVIは、通常、2気圧以下のSF6ガスで周囲を絶縁されている。
【0003】
VIでは、消弧媒体及び内部絶縁媒体を真空としており、上記の周囲条件でその真空度、及び絶縁性能を保持するために、ベローズ、可動電極・固定電極、ガラスやセラミックなどの絶縁筒(筒材)、ステンレス等の固定側・可動側端板、シールド、銅等の固定・可動リードなどの部品で構成されている。
【0004】
ここで特許文献1などに開示されている従来技術に係る真空インタラプタ1の代表的な構成を、図5を参照して説明する。
【0005】
図5に示すように、真空インタラプタ1の絶縁筒(筒材)2は、その一端側(図5では左側)の開口部が、軸方向に突出する筒部である筒フランジ3を介して固定側端板5で閉止してある。また、真空インタラプタ1の他端側(図5では右側)の開口部は、同様に軸方向に突出する筒部である筒フランジ4を介して可動側端板6で閉止してある。そして、これら絶縁筒2、筒フランジ3,4、固定側端板5、可動側端板6及び後述するベローズ13により真空容器7が形成されている。
【0006】
固定リード8は、固定側端板5を気密に貫通しつつ固定側端板5により固定支持されている。この固定リード8の先端(真空容器7内に位置する先端)には、固定電極9が取り付けられている。
【0007】
可動リード10は、遊嵌状態で可動側端板6を貫通しており、その先端(真空容器7内に位置する先端)には、可動電極11が取り付けられている。可動リード10は、図示しない外部操作機器によって軸方向に移動されるようになっており、可動リード10の軸方向移動によって固定電極9と可動電極11とが接離して電流の投入・遮断が行われる。
【0008】
なお、可動リード10はガイド板12を貫通しており、このガイド板12により支持されつつ軸方向移動できるようになっている。また可動リード10とガイド板12との間にはガスが流通できる程度の隙間が存在している。
【0009】
絶縁筒2の内部空間には、軸方向に伸縮自在な円筒状のベローズ13が配置されている。このベローズ13は、その一端側(図5では左側)が可動リード10に気密に接続されており、その他端側(図5では右側)が可動側端板6に気密に接続されている。このように、可動側端板6と可動リード10との間にベローズ13を介在させているため、真空容器7の内部の真空状態を維持しつつ、可動リード10の軸方向移動を可能にすることができる。
【0010】
絶縁筒2の内周面には、アークシールド14が配置されている。アークシールド14は電極9、11を囲っており、溶融金属や金属蒸気が絶縁筒2の内周面に付着するのを防止する。
【0011】
このような真空インタラプタ1では、真空容器7の内部空間が真空となるように排気される。また、真空インタラプタ1は開閉装置等に組み込まれて、数気圧となっている絶縁媒体ガスG中に配置される。そして数気圧の絶縁媒体ガスGは、可動リード10とガイド板12との間の隙間を通って、ベローズ13の内周面で囲ったベローズ内部空間13aに浸入する。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−203394号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、地球温暖化の原因の1つであるSF6ガスは、その使用量が抑制される方向にあり、市場では乾燥空気や窒素などの代替ガスを絶縁媒体ガスとする開閉装置が求められている。
【0014】
現在、C−GIS、タンク形VCBなど開閉装置に使用されているSF6ガスは、他のガスに比較して大変優れた絶縁特性を有するため、ガス圧は2気圧以下である。しかし、SF6ガスを代替ガス(乾燥空気や窒素等)に置換した場合では、SF6ガスと同程度の絶縁性能を得るためには、絶縁媒体ガスである代替ガス(乾燥空気や窒素等)のガス圧をさらに高圧化する必要がある。
【0015】
絶縁媒体ガスのガス圧を高圧化した場合、図5に示すような真空インタラプタ1では、絶縁媒体ガスGと真空内部との圧力差により過大な外部圧力が絶縁筒2と固定側端板5及び可動側端板6とで形成する当該真空インタラプタ1の真空容器7に作用する。この結果、前記絶縁筒2や筒フランジ3,4等の機械的強度が弱い部分が、当該真空インタラプタの繰り返し開閉操作により破損してその真空漏れを発生する等の問題を生起する。
【0016】
本発明は、上記従来技術に鑑み、真空インタラプタの真空容器の外周面に作用する圧力が増大しても十分な機械的強度を有する真空インタラプタを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成する本発明の構成は、次の点を特徴とする。
【0018】
1) 筒材の一端側を、この筒材の一端から軸方向に突出する筒部である一方の筒フランジを介して固定側端板で閉止するとともに、前記筒材の他端側を、この筒材の他端から軸方向に突出する筒部である他方の筒フランジを介して可動側端板で閉止する一方、
前記固定側端板には固定リードを気密に貫通させるとともに、前記可動側端板には可動リードを遊嵌状態で貫通させ、
さらに前記可動側端板と前記可動リードとの間にベローズを介在させることにより、前記筒材,一方及び他方の筒フランジ、前記固定側端板,前記可動側端板並びに前記ベローズで形成した真空容器の内部空間の真空状態を維持するように構成して絶縁ガス中に配置する真空インタラプタにおいて、
前記固定側端板及び可動側端板は、前記真空容器の外側に向かって凸となるような曲面としたこと。
【0019】
2) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、円曲面であること。
【0020】
3) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が放物線形状の曲面であること。
【0021】
4) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が双曲線形状の曲面であること。
【0022】
5) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が円錐形状の曲面であること。
【0023】
6) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、その中央部と周辺部とが異なる種類の曲面となるよう、請求項2乃至請求項5に記載する2種以上の曲面を組み合わせたものであること。
【0024】
7)上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、その中央部が平面で、周辺部が請求項2乃至請求項5に記載する何れか一つの曲面であること。
【0025】
8)上記l)乃至7)の何れか一つに記載する真空インタラプタにおいて、
さらに固定側端板及び可動側端板の厚さを増大させたこと。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の実施の形態にかかる真空インタラプタ21を示す。この真空インタラプタ21の絶縁筒(筒材)22は、その一端側(図1では左側)の開口部が、軸方向に突出する筒部である筒フランジ23を介して固定側端板25で閉止してある。また、他端側(図5では右側)の開口部は、同様に軸方向に突出する筒部である筒フランジ24を介して可動側端板26で閉止してある。そして、これら絶縁筒22、筒フランジ23,24、固定側端板25、可動側端板26及びベローズ(図1には図示せず。)により真空容器27が形成されている。ここで、絶縁筒22は、通常、ガラスやセラミック等で形成するとともに、固定側端板25及び可動側端板26は、ステンレス等で形成してある。
【0028】
固定リード28は、固定側端板25を気密に貫通しつつ固定側端板25により固定支持されている。また、可動リード30は、図示しない外部操作機器によって軸方向に移動されるようになっており、可動リード10の軸方向移動によって固定電極と可動電極とが接離して電流の投入・遮断が行われる。すなわち、真空容器27の内部の構造は図5に示す従来技術に係る真空インタラプタ1と同様である。
【0029】
かかる真空インタラプタ21は、その真空容器27の内部空間が真空となるように排気されており、開閉装置等に組み込まれて、高圧(2気圧以上)となっている絶縁媒体ガス(例えば空気や窒素等)G中に配置されている。この結果、絶縁媒体ガス(例えば空気や窒素等)Gの圧力が、真空容器27の外周面に作用する。
【0030】
ここで、固定側端板25及び可動側端板26は、真空容器27の外側に向かって凸となるような曲面としてある。このことにより、固定側端板25及び可動側端板26にその外部雰囲気を形成する絶縁媒体ガスGのガス圧が作用した場合、筒フランジ23,24を外径方向に押し広げる力、すなわちガス圧に対する抗力を発生させてこの部分の機械的強度の低下を防止し得る構造となる。
【0031】
具体的な曲面形状としては、特に制限はないが、球面、断面が放物線形状の曲面、断面が双曲線形状の曲面及び断面が円錐形状の曲面等が考えられる。
【0032】
表1は、固定側端板25、可動側端板26の形状及び板厚を変えて外気圧を真空容器27に作用させた場合に、機械的強度の弱点となっている筒フランジ23,24に発生する最大応力の解析結果を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
図2(a)乃至(d)は、このときの試験対象とした真空インタラプタの一部を抽出して作用する外力とともに模式的に示したものである。ちなみに、図2(a)乃至(c)は、順に固定側端板25の板厚を薄くしたものであり、(d)は、従来技術と同様の平板状の固定側端板5を使用したものである。また、同図中の矢印で当該真空容器27,7に作用する絶縁媒体ガスGのガス圧を示している。ここで、板厚は、図2(d)に示す従来技術を基準の100%とし、図2(a)に示す場合を125%、図2(b)に示す場合を100%、図2(c)に示す場合を75%としている。
【0035】
上記表1を参照すれば、固定側端板25、可動側端板26を曲面形状とすると、筒フランジ23,24が外径方向に押し広げられるので、最大応力が68%に低下して耐圧力性能が向上していることが分かる。また、固定側端板25、可動側端板26を曲面形状とするとともに、板圧を増加させると、最大応力が72%から67%へ低下して耐圧性能が向上していることが分かる。
【0036】
上記実施の形態では、固定側端板25、可動側端板26の形状を一種類の曲面形状としたが、複数種類の曲面形状を組み合わせることもできる。図3は中央部35aの球面と周辺部35bの放物面とを組み合わせて固定側端板35(可動側端板の場合も同様。)を形成した場合である。このように複数種類の曲面を組み合わせる場合のみならず、図4に示すように、中央部45aの平面と周辺部45bの放物面とを組み合わせて固定側端板45(可動側端板の場合も同様。)を形成しても良い。すなわち、周辺部さえ曲面で形成すれば、中央部は平面であっても同様に耐力向上を図り得る。
【0037】
なお、上述した実施の形態に係る真空インタラプタは、筒材として中央部の金属筒の両端に絶縁筒を接合した形式のものであるが、全体が絶縁筒となっている形式のものにも同様に適用し得る。
【0038】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように本発明によれば、真空容器の機械的強度における弱点部となっている筒フランジに作用する応力が低下するので、当該真空インタラプタの耐圧性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる真空インタラプタを示す構成図である。
【図2】本形態の実施の形態に係る真空インタラプタの性能を調べるべく、このときの試験対象とした真空インタラプタの一部を抽出して作用する外力とともに模式的に示す模式図で、(a)乃至(c)は、順に固定側端板25の板圧を薄くしたものであり、(d)は、従来技術と同様の平板状の固定側端板5を使用したものである。
【図3】複数種類の曲面を組み合わせた固定側端板の一例を示す断面図である。
【図4】平面と曲面とを組み合わせた固定側端板の一例を示す断面図である。
【図5】従来技術に係る真空インタラプタを示す構成図である。
【符号の説明】
21 真空インタラプタ
22 絶縁筒
23,24 筒フランジ
25 固定側端板
26 可動側端板
27 真空容器
28 固定リード
30 可動リード
【発明の属する技術分野】
本発明は真空インタラプタに関するものであり、特に絶縁媒体としてガス(空気、窒素等)が封入されている密封容器内に真空インタラプタを組み込んで構成したGIS(ガス絶縁開閉装置)やC−GIS(キュービクル形ガス絶縁開閉器)等の開閉装置や、タンク型VCB(真空遮断器)等の単体遮断器に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
気中絶縁の真空遮断器(VCB)や、ミニクラッドに組み込まれている真空インタラプタ(VI)は、1気圧の大気や、モールドなどの絶縁物で周囲を絶縁されている。また、C−GIS、タンク形VCBなどに組み込まれているVIは、通常、2気圧以下のSF6ガスで周囲を絶縁されている。
【0003】
VIでは、消弧媒体及び内部絶縁媒体を真空としており、上記の周囲条件でその真空度、及び絶縁性能を保持するために、ベローズ、可動電極・固定電極、ガラスやセラミックなどの絶縁筒(筒材)、ステンレス等の固定側・可動側端板、シールド、銅等の固定・可動リードなどの部品で構成されている。
【0004】
ここで特許文献1などに開示されている従来技術に係る真空インタラプタ1の代表的な構成を、図5を参照して説明する。
【0005】
図5に示すように、真空インタラプタ1の絶縁筒(筒材)2は、その一端側(図5では左側)の開口部が、軸方向に突出する筒部である筒フランジ3を介して固定側端板5で閉止してある。また、真空インタラプタ1の他端側(図5では右側)の開口部は、同様に軸方向に突出する筒部である筒フランジ4を介して可動側端板6で閉止してある。そして、これら絶縁筒2、筒フランジ3,4、固定側端板5、可動側端板6及び後述するベローズ13により真空容器7が形成されている。
【0006】
固定リード8は、固定側端板5を気密に貫通しつつ固定側端板5により固定支持されている。この固定リード8の先端(真空容器7内に位置する先端)には、固定電極9が取り付けられている。
【0007】
可動リード10は、遊嵌状態で可動側端板6を貫通しており、その先端(真空容器7内に位置する先端)には、可動電極11が取り付けられている。可動リード10は、図示しない外部操作機器によって軸方向に移動されるようになっており、可動リード10の軸方向移動によって固定電極9と可動電極11とが接離して電流の投入・遮断が行われる。
【0008】
なお、可動リード10はガイド板12を貫通しており、このガイド板12により支持されつつ軸方向移動できるようになっている。また可動リード10とガイド板12との間にはガスが流通できる程度の隙間が存在している。
【0009】
絶縁筒2の内部空間には、軸方向に伸縮自在な円筒状のベローズ13が配置されている。このベローズ13は、その一端側(図5では左側)が可動リード10に気密に接続されており、その他端側(図5では右側)が可動側端板6に気密に接続されている。このように、可動側端板6と可動リード10との間にベローズ13を介在させているため、真空容器7の内部の真空状態を維持しつつ、可動リード10の軸方向移動を可能にすることができる。
【0010】
絶縁筒2の内周面には、アークシールド14が配置されている。アークシールド14は電極9、11を囲っており、溶融金属や金属蒸気が絶縁筒2の内周面に付着するのを防止する。
【0011】
このような真空インタラプタ1では、真空容器7の内部空間が真空となるように排気される。また、真空インタラプタ1は開閉装置等に組み込まれて、数気圧となっている絶縁媒体ガスG中に配置される。そして数気圧の絶縁媒体ガスGは、可動リード10とガイド板12との間の隙間を通って、ベローズ13の内周面で囲ったベローズ内部空間13aに浸入する。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−203394号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、地球温暖化の原因の1つであるSF6ガスは、その使用量が抑制される方向にあり、市場では乾燥空気や窒素などの代替ガスを絶縁媒体ガスとする開閉装置が求められている。
【0014】
現在、C−GIS、タンク形VCBなど開閉装置に使用されているSF6ガスは、他のガスに比較して大変優れた絶縁特性を有するため、ガス圧は2気圧以下である。しかし、SF6ガスを代替ガス(乾燥空気や窒素等)に置換した場合では、SF6ガスと同程度の絶縁性能を得るためには、絶縁媒体ガスである代替ガス(乾燥空気や窒素等)のガス圧をさらに高圧化する必要がある。
【0015】
絶縁媒体ガスのガス圧を高圧化した場合、図5に示すような真空インタラプタ1では、絶縁媒体ガスGと真空内部との圧力差により過大な外部圧力が絶縁筒2と固定側端板5及び可動側端板6とで形成する当該真空インタラプタ1の真空容器7に作用する。この結果、前記絶縁筒2や筒フランジ3,4等の機械的強度が弱い部分が、当該真空インタラプタの繰り返し開閉操作により破損してその真空漏れを発生する等の問題を生起する。
【0016】
本発明は、上記従来技術に鑑み、真空インタラプタの真空容器の外周面に作用する圧力が増大しても十分な機械的強度を有する真空インタラプタを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成する本発明の構成は、次の点を特徴とする。
【0018】
1) 筒材の一端側を、この筒材の一端から軸方向に突出する筒部である一方の筒フランジを介して固定側端板で閉止するとともに、前記筒材の他端側を、この筒材の他端から軸方向に突出する筒部である他方の筒フランジを介して可動側端板で閉止する一方、
前記固定側端板には固定リードを気密に貫通させるとともに、前記可動側端板には可動リードを遊嵌状態で貫通させ、
さらに前記可動側端板と前記可動リードとの間にベローズを介在させることにより、前記筒材,一方及び他方の筒フランジ、前記固定側端板,前記可動側端板並びに前記ベローズで形成した真空容器の内部空間の真空状態を維持するように構成して絶縁ガス中に配置する真空インタラプタにおいて、
前記固定側端板及び可動側端板は、前記真空容器の外側に向かって凸となるような曲面としたこと。
【0019】
2) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、円曲面であること。
【0020】
3) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が放物線形状の曲面であること。
【0021】
4) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が双曲線形状の曲面であること。
【0022】
5) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が円錐形状の曲面であること。
【0023】
6) 上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、その中央部と周辺部とが異なる種類の曲面となるよう、請求項2乃至請求項5に記載する2種以上の曲面を組み合わせたものであること。
【0024】
7)上記1)に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、その中央部が平面で、周辺部が請求項2乃至請求項5に記載する何れか一つの曲面であること。
【0025】
8)上記l)乃至7)の何れか一つに記載する真空インタラプタにおいて、
さらに固定側端板及び可動側端板の厚さを増大させたこと。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の実施の形態にかかる真空インタラプタ21を示す。この真空インタラプタ21の絶縁筒(筒材)22は、その一端側(図1では左側)の開口部が、軸方向に突出する筒部である筒フランジ23を介して固定側端板25で閉止してある。また、他端側(図5では右側)の開口部は、同様に軸方向に突出する筒部である筒フランジ24を介して可動側端板26で閉止してある。そして、これら絶縁筒22、筒フランジ23,24、固定側端板25、可動側端板26及びベローズ(図1には図示せず。)により真空容器27が形成されている。ここで、絶縁筒22は、通常、ガラスやセラミック等で形成するとともに、固定側端板25及び可動側端板26は、ステンレス等で形成してある。
【0028】
固定リード28は、固定側端板25を気密に貫通しつつ固定側端板25により固定支持されている。また、可動リード30は、図示しない外部操作機器によって軸方向に移動されるようになっており、可動リード10の軸方向移動によって固定電極と可動電極とが接離して電流の投入・遮断が行われる。すなわち、真空容器27の内部の構造は図5に示す従来技術に係る真空インタラプタ1と同様である。
【0029】
かかる真空インタラプタ21は、その真空容器27の内部空間が真空となるように排気されており、開閉装置等に組み込まれて、高圧(2気圧以上)となっている絶縁媒体ガス(例えば空気や窒素等)G中に配置されている。この結果、絶縁媒体ガス(例えば空気や窒素等)Gの圧力が、真空容器27の外周面に作用する。
【0030】
ここで、固定側端板25及び可動側端板26は、真空容器27の外側に向かって凸となるような曲面としてある。このことにより、固定側端板25及び可動側端板26にその外部雰囲気を形成する絶縁媒体ガスGのガス圧が作用した場合、筒フランジ23,24を外径方向に押し広げる力、すなわちガス圧に対する抗力を発生させてこの部分の機械的強度の低下を防止し得る構造となる。
【0031】
具体的な曲面形状としては、特に制限はないが、球面、断面が放物線形状の曲面、断面が双曲線形状の曲面及び断面が円錐形状の曲面等が考えられる。
【0032】
表1は、固定側端板25、可動側端板26の形状及び板厚を変えて外気圧を真空容器27に作用させた場合に、機械的強度の弱点となっている筒フランジ23,24に発生する最大応力の解析結果を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
図2(a)乃至(d)は、このときの試験対象とした真空インタラプタの一部を抽出して作用する外力とともに模式的に示したものである。ちなみに、図2(a)乃至(c)は、順に固定側端板25の板厚を薄くしたものであり、(d)は、従来技術と同様の平板状の固定側端板5を使用したものである。また、同図中の矢印で当該真空容器27,7に作用する絶縁媒体ガスGのガス圧を示している。ここで、板厚は、図2(d)に示す従来技術を基準の100%とし、図2(a)に示す場合を125%、図2(b)に示す場合を100%、図2(c)に示す場合を75%としている。
【0035】
上記表1を参照すれば、固定側端板25、可動側端板26を曲面形状とすると、筒フランジ23,24が外径方向に押し広げられるので、最大応力が68%に低下して耐圧力性能が向上していることが分かる。また、固定側端板25、可動側端板26を曲面形状とするとともに、板圧を増加させると、最大応力が72%から67%へ低下して耐圧性能が向上していることが分かる。
【0036】
上記実施の形態では、固定側端板25、可動側端板26の形状を一種類の曲面形状としたが、複数種類の曲面形状を組み合わせることもできる。図3は中央部35aの球面と周辺部35bの放物面とを組み合わせて固定側端板35(可動側端板の場合も同様。)を形成した場合である。このように複数種類の曲面を組み合わせる場合のみならず、図4に示すように、中央部45aの平面と周辺部45bの放物面とを組み合わせて固定側端板45(可動側端板の場合も同様。)を形成しても良い。すなわち、周辺部さえ曲面で形成すれば、中央部は平面であっても同様に耐力向上を図り得る。
【0037】
なお、上述した実施の形態に係る真空インタラプタは、筒材として中央部の金属筒の両端に絶縁筒を接合した形式のものであるが、全体が絶縁筒となっている形式のものにも同様に適用し得る。
【0038】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように本発明によれば、真空容器の機械的強度における弱点部となっている筒フランジに作用する応力が低下するので、当該真空インタラプタの耐圧性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる真空インタラプタを示す構成図である。
【図2】本形態の実施の形態に係る真空インタラプタの性能を調べるべく、このときの試験対象とした真空インタラプタの一部を抽出して作用する外力とともに模式的に示す模式図で、(a)乃至(c)は、順に固定側端板25の板圧を薄くしたものであり、(d)は、従来技術と同様の平板状の固定側端板5を使用したものである。
【図3】複数種類の曲面を組み合わせた固定側端板の一例を示す断面図である。
【図4】平面と曲面とを組み合わせた固定側端板の一例を示す断面図である。
【図5】従来技術に係る真空インタラプタを示す構成図である。
【符号の説明】
21 真空インタラプタ
22 絶縁筒
23,24 筒フランジ
25 固定側端板
26 可動側端板
27 真空容器
28 固定リード
30 可動リード
Claims (8)
- 筒材の一端側を、この筒材の一端から軸方向に突出する筒部である一方の筒フランジを介して固定側端板で閉止するとともに、前記筒材の他端側を、この筒材の他端から軸方向に突出する筒部である他方の筒フランジを介して可動側端板で閉止する一方、
前記固定側端板には固定リードを気密に貫通させるとともに、前記可動側端板には可動リードを遊嵌状態で貫通させ、
さらに前記可動側端板と前記可動リードとの間にベローズを介在させることにより、前記筒材,一方及び他方の筒フランジ、前記固定側端板,前記可動側端板並びに前記ベローズで形成した真空容器の内部空間の真空状態を維持するように構成して絶縁ガス中に配置する真空インタラプタにおいて、
前記固定側端板及び可動側端板は、前記真空容器の外側に向かって凸となるような曲面としたことを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、円曲面であることを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が放物線形状の曲面であることを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が双曲線形状の曲面であることを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、断面が円錐形状の曲面であることを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、その中央部と周辺部とが異なる種類の曲面となるよう、請求項2乃至請求項5に記載する2種以上の曲面を組み合わせたものであることを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1に記載する真空インタラプタにおいて、
曲面は、その中央部が平面で、周辺部が請求項2乃至請求項5に記載する何れか一つの曲面であることを特徴とする真空インタラプタ。 - 請求項1乃至請求項7の何れか一つに記載する真空インタラプタにおいて、
さらに固定側端板及び可動側端板の厚さを増大させたことを特徴とする真空インタラプタ。
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- 2003-02-27 JP JP2003050261A patent/JP2004259633A/ja not_active Withdrawn
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