【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光ランプのような一対のフィラメントを備える熱陰極型の放電灯をインバータにより高周波点灯させる放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−134985号公報
【0003】
従来、放電灯の点灯回路として図8に示すように共振回路のコンデンサC2が放電灯の非電源側に接続される、いわゆるコンデンサ予熱型の点灯回路が知られている。また、特許文献1には、放電灯のフィラメント予熱用のインバータを設けてフィラメントの予熱電流を制御する回路が開示されており、各フィラメントをそれぞれ独立して予熱する回路が開示されている。しかしながら、通常はコストダウンの観点から図8に示すようなコンデンサ予熱型の点灯回路が広く用いられている。
【0004】
図8の回路において、Eは直流電源、Aはインバータ回路、Bはインバータ制御回路、Xは共振回路である。インバータ回路Aは直流電源Eの直流電圧を高周波電圧に変換する。LaはフィラメントF1、F2を有する放電灯である。T21は放電灯Laのランプ電流を制限するバラストチョーク、C1はバラストチョークT21とスイッチング素子Q1とQ2との接続点の間に接続されたカップリングコンデンサ、C2は放電灯Laの両端に接続された始動コンデンサである。異常検出回路21、22は放電灯Laの異常を検出する回路である。
【0005】
次に、インバータ回路Aの回路構成を説明する。Q1、Q2はスイッチング素子であり、ここではMOSFETが用いられている。スイッチング素子Q1を構成するMOSFETは、ドレインが直流電源Eの正極に接続され、ソースがスイッチング素子Q2を構成するMOSFETのドレインに接続され、ゲートが後述の集積回路IC21のピン2に接続されている。スイッチング素子Q2を構成するMOSFETは、ソースが直流電源Eの負極に接続され、ゲートが集積回路IC21のピン4に接続されている。R31は直流電源Eに接続された起動抵抗、C33は起動抵抗R31とアース間に接続された制御電源コンデンサ、ZD21は制御用コンデンサC33の電圧を安定させる定電圧ダイオードである。
【0006】
IC21はインバータ回路Aを制御する集積回路であり、ピン1は制御電源コンデンサC33と起動抵抗R31の接続点に接続される電源入力端子、ピン2、4はスイッチング素子Q1、Q2の駆動電圧を出力する電圧出力端子、ピン3、5は異常検出用端子、ピン6、7、8はインバータ回路Aの発振周波数を決定する電流を出力する電流出力端子(主発振抵抗接続端子)であり、各々抵抗R39、抵抗R40、抵抗R41が接続されている。ピン9はコンデンサC34の充電、放電のための電流入出力端子である。ピン10はタイマー用コンデンサC37の充電、放電のための電流入出力端子である。
【0007】
異常検出回路21は放電灯Laの異常を検出する回路であり、直流電源Eの正極とカップリングコンデンサC1との間に抵抗R32が接続され、カップリングコンデンサC1と直流電源Eの負極側(以下、回路グランドと呼ぶ)との間に抵抗R33とコンデンサC35の直列回路が接続され、コンデンサC35と抵抗R33との接続点の電圧に基づいてダイオードD22又はD23を介して集積回路IC21の異常検出用端子(ピン3)に電圧が印加される。
【0008】
また、異常検出回路22も放電灯Laの異常を検出する回路であり、放電灯Laの両端に抵抗R34〜R37の直列回路が接続され、抵抗R37の両端にダイオードD21が接続され、ダイオードD21のカソード側にダイオードD24を介して集積回路IC21の異常検出用端子(ピン5)が接続されており、異常検出用端子(ピン5)と回路グランドとの間にコンデンサC36と抵抗R38の並列回路が接続される。
【0009】
まず、インバータ回路Aの動作を説明する。直流電源Eが投入されると、電源E→起動抵抗R31→制御電源コンデンサC33→電源Eの閉ループで電流が流れ、制御電源コンデンサC33が充電される。制御電源コンデンサC33の電圧は集積回路IC21の電源入力端子(ピン1)に印加され、制御電源コンデンサC33の電圧が上昇し、集積回路IC21の動作電圧に達すると、集積回路IC21が発振を開始する。この発振により集積回路IC21の駆動電圧出力端子(ピン2)からハーフブリッジ式インバータ回路のスイッチング素子Q1のゲートに、駆動電圧出力端子(ピン4)からスイッチング素子Q2に高周波で交互(略デューティー50%)に電圧が印加され、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2が交互にオン/オフ動作をし、インバータ回路Aが高周波で発振する。これにより、カップリングコンデンサC1、バラストチョークT21、フィラメントF1、始動コンデンサC2、フィラメントF2の直列回路に高周波電流が流れる。このとき、(カップリングコンデンサC1の容量)≫(始動コンデンサC2の容量)の関係があり、バラストチョークT21と始動コンデンサC2のLC直列共振によって共振作用が生じ、後述する適切な発振周波数を設定することにより、始動コンデンサC2に共振高電圧が生じ、この共振高電圧が放電灯Laに印加され、放電灯Laが点灯する。
【0010】
さらに詳細に図9を基に放電灯Laが点灯する過程を説明する。図9は始動コンデンサC2の両端電圧VC2の周波数特性である。図9の曲線1は放電灯Laが点灯していない場合の電圧、曲線2は放電灯Laが点灯した場合の電圧を表している。ここで、周波数foはバラストチョークT21と始動コンデンサC2の固有共振周波数である。
【0011】
まず、直流電源Eが印加された時点で、ある一定期間(集積回路IC21のピン10に接続されたタイマー用コンデンサC37の容量で決まる)だけ集積回路IC21から周波数fa近傍の高周波信号がスイッチング素子Q1、Q2に出力される。スイッチング素子Q1、Q2は前記高周波信号を受けて交互にON/OFF動作し、インバータ負荷回路に高周波矩形波電圧を供給する。インバータ負荷回路は前記高周波矩形波電圧を受けて、コンデンサC2の両端に高周波電圧VC2aが出力される。フィラメントF1、F2には前記高周波電圧VC2aで決まる電流が流れ、加熱される。以上を先行予熱時と呼ぶことにする。
【0012】
次に、先行予熱時が終わると、集積回路IC21から周波数fb近傍の高周波信号がスイッチング素子Q1、Q2に出力される。これにより、コンデンサC2の両端には、電圧VC2bが出力される。電圧VC2bは放電灯Laの始動電圧よりも充分高い電圧に設定される。これにより、放電灯Laは放電開始する。以上を始動時と呼ぶことにする。
【0013】
次に、始動時が終わり、放電灯Laが点灯すると、放電灯Laが所望の光出力を出すために、集積回路IC21から周波数fcが出力される。これ以降、通常点灯時と呼ぶことにする。
【0014】
これらの発振周波数は集積回路IC21のピン6、7、8の電流出力端子(主発振抵抗接続端子)に接続された抵抗R39、R40、R41とピン9の電流入出力端子に接続されたコンデンサC34とで決定される。動作としては、先行予熱時には集積回路IC21のピン6、7、8に接続された抵抗R39、R40、R41の全てに電圧が印加され、その合成電流の比電流がピン9に接続されたコンデンサC34に充放電電流として流れることにより周波数faが決まる。また、始動時には先述した抵抗R39には電圧が印加されないため、コンデンサC34に流れる充放電電流は先行予熱時に比べて小さくなるため周波数fbは周波数faよりも低くなる。さらに点灯時には抵抗R40にも電圧が印加されなくなるため周波数fcは周波数fa、fbよりも低くなる。
【0015】
このように、本従来例は、先行予熱時において放電灯LaのフィラメントF1、F2を予め加熱することで、放電灯Laの寿命をコールドスタート点灯時よりも長くすることができるとともに、始動性能も良好な放電灯点灯装置を提供することができる。
【0016】
次にここで、フィラメントの劣化について簡単に説明する。フィラメントの劣化とはエミッタレス(通称エミレス)のことでエミッタレスとはフィラメントに塗布された電子放射物質(エミッタ)が無くなる状態をいい、原因としては、フィラメント電流が比較的多い場合に発生する蒸発と、フィラメント電流が比較的少ない場合に発生する飛散(スパッタ)とがある。エミレス状態になると、フィラメントからの熱電子放出量が少なくなるため、放電の維持が困難になる。以下、片側のフィラメントがエミレスになる状態を片側エミレス、両側のフィラメントがエミレスになった状態を両側エミレスと呼ぶ。
【0017】
以上を踏まえ、異常検出回路21、22について説明する。まず、放電灯Laが点灯し続け、寿命末期に近くなると上述したようにフィラメントの劣化でエミレスとなるために放電灯Laの放電維持が困難になる。つまり放電灯Laのインピーダンスが通常点灯時に比べて大きくなる。例えばフィラメントF1が片側エミレス状態の場合であれば片側のフィラメントがエミレス状態になるため、放電灯Laの両端電圧(以下ランプ電圧と呼ぶ)は図10のようになる。従って、この場合の異常検出回路21のコンデンサC35の両端電圧VC35は回路グランドから見て負の電圧が発生し、ある負の電圧に達した場合にツェナダイオードZD22がオンし、制御電源コンデンサC33からトランジスタQ23、抵抗R44、ダイオードD23を介して、集積回路IC21の異常検出用端子(ピン3)に電圧が印加され、コンデンサC35の両端電圧VC35がしきい値電圧Vth3を超えると集積回路IC21はスイッチング素子Q1、Q2への高周波信号を停止する。逆にフィラメントF2がエミレス状態になった場合にはコンデンサC35の両端電圧VC35は正の電圧となるから、コンデンサC35の両端電圧VC35がダイオードD22を介して集積回路IC21の異常検出用端子(ピン3)に印加され、先と同様、コンデンサC35の両端電圧VC35がしきい値電圧Vth3を超えると集積回路IC21はスイッチング素子Q1、Q2への高周波信号を停止する。
【0018】
次に異常検出回路22について説明する。やはり放電灯Laが点灯し続け、寿命末期に近くなり放電灯Laのインピーダンスが通常点灯時に比べて大きくなって、両側のフィラメントF1、F2が共にエミレスになった両側エミレス状態では、放電灯Laのランプ電圧は図11のように正負対称の電圧波形となり、ピーク電圧が通常時に比べて大きくなる。従って、異常検出回路22内の抵抗R37には抵抗R34、R35、R36、R37の分圧電圧の半波成分VR37が発生する。その電圧VR37がコンデンサC36により平滑化され、異常検出用端子(ピン5)のしきい値電圧Vth5を超えると集積回路IC21はスイッチング素子Q1、Q2への高周波信号を停止する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例では放電灯Laのフィラメントを予熱する際には始動コンデンサC2を介してフィラメント予熱電流が流れる。このフィラメントのインピーダンスはバラストチョークT21と始動コンデンサC2からなる直列共振回路のインピーダンスに比べて充分小さいのでほぼ定電流となる。しかも、これらの予熱電流は放電灯Laの種類によって異なり、例えばJIS C7601で定められているように陰極予熱特性の予熱条件を満たす必要がある。
【0020】
両側のフィラメントF1、F2に流れる予熱電流はほぼ均一であるため、放電灯Laが寿命末期状態になる場合、つまりフィラメントがエミレス状態になるのはフィラメントのばらつき等によりフィラメントF1がエミレスになるのかフィラメントF2がエミレスになるのか予測がつかない。従って、放電灯La、放電灯点灯装置の保護の観点から従来例で示したように片側エミレス検出用の異常検出回路21及び両側エミレス検出用の異常検出回路22が必要となる。異常検出回路21の場合であれば、フィラメントF1がエミレスになる場合の片側エミレス状態とフィラメントF2がエミレスになる場合の片側エミレス状態で異常検出回路21内のコンデンサC35に発生する電圧の極性が正負に分かれるため、回路構成が複雑になってしまう。また、これらは放電灯の種類によらず、ほとんどの放電灯点灯装置にこれらの回路が搭載されなければならないため、コストダウンを考えた場合でもこれらの回路は必ず必要となり、コストダウンの妨げとなってしまうという欠点がある。
【0021】
但し、これらは先行予熱時に充分フィラメントF1、F2を加熱するために放電灯Laの寿命も定格寿命以上を満足するものであり、定格寿命未満で放電灯Laが寿命末期になってはならない。
【0022】
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、放電灯の寿命として定格寿命以上の時間を確保しつつ、なおかつ放電灯と放電灯点灯装置の保護用の回路をさらに簡素化することを課題とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電源Eと、この直流電源Eの直流電圧を高周波でスイッチングするスイッチング素子Q1,Q2からなるインバータ部Aと、インバータ部Aの高周波出力を供給されるインダクタT1とコンデンサC2からなる共振回路Xと、共振回路Xの出力に接続された一対のフィラメントF1,F2を有する放電灯Laと、前記放電灯Laの予熱・始動・点灯の各段階の動作状態を呈するように前記インバータ部Aの発振周波数を切り替える発振周波数制御手段Bと、前記放電灯Laの異常を検出する検出手段20とを備え、前記共振回路Xの共振作用によって放電灯Laを予熱・始動・点灯させる放電灯点灯装置において、前記放電灯Laの予熱段階で放電灯Laの第一のフィラメントF1に流れる第一のフィラメント電流と放電灯Laの第二のフィラメントF2に流れる第二のフィラメント電流とが異なり、放電灯Laの陰極予熱特性で規定されているフィラメント電流の許容範囲内で第一のフィラメント電流が略最小値、第二のフィラメント電流が略最大値であることを特徴とする。
【0024】
請求項2の発明によれば、請求項1において、第一のフィラメント電流は放電灯Laの対地に対して高圧側に接続された第一のフィラメントF1に流れることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、請求項1又は2において、前記共振回路XのインダクタT1に前記放電灯LaのフィラメントF1,F2に対応した2次巻線N2,N3を設け、前記2次巻線N2,N3を電圧源として前記フィラメント電流を供給することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、請求項3において、図5に示すように、前記2次巻線N2,N3を電圧源として前記フィラメント電流を供給する予熱ループの限流要素として前記第一のフィラメントF1側にはコンデンサC5を設け、前記第二のフィラメントF2側にはインダクタLとコンデンサC6からなる第二の共振回路を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、請求項1又は2において、前記放電灯が点灯したときに放電灯に流れるランプ電流とフィラメントに流れるフィラメント電流が合成されてフィラメントリードに流れるリード線電流、あるいはフィラメント電流の値が、放電灯により規制されたリード線電流値以上になる値に設定されるとともに前記フィラメント電流が放電灯点灯後の所定時間で流れなくなるようにしたことを特徴とする。
【0025】
請求項6の発明によれば、請求項5において、図6に示すように、前記共振回路とは別にインダクタT2とコンデンサC7からなる第2の直列共振回路を設け、前記フィラメント電流は第2の直列共振回路のインダクタT2の2次巻線N22,N23から供給され、第2の直列共振回路は放電灯点灯装置の電源立ち上がり後、少なくとも前記予熱段階を含む所定時間のみ動作することを特徴とする。
請求項7の発明によれば、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記検出手段20は前記放電灯Laの第一のフィラメントF1からの電子放出が困難になった場合に発生する直流電圧成分を検出することを特徴とする。
請求項8の発明によれば、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記放電灯Laは管径5/8インチ以下であることを特徴とする。
請求項9の発明は照明器具に関するものであり、請求項1〜8のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備えることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1に示す。図1において、Eは直流電源、Aはインバータ回路、Bはインバータ制御回路、Xは共振回路、Y1,Y2は予熱回路である。インバータ回路Aは直流電源Eの直流電圧を高周波電圧に変換する。LaはフィラメントF1、F2を有する放電灯である。T1は放電灯Laのランプ電流を制限するバラストチョーク、C1はバラストチョークT1とスイッチング素子Q1とQ2との接続点の間に接続されたカップリングコンデンサ、C2は放電灯Laの両端に接続された始動コンデンサである。異常検出回路20は放電灯Laの異常を検出する回路である。インバータ制御回路Bは、異常検出回路20の検出出力を受けてインバータ回路Aを構成するスイッチング素子Q1,Q2の発振を制御する。
【0027】
前記インバータ回路Aは直流電源Eの両端に接続されたスイッチング素子Q1、Q2の直列回路とスイッチング素子Q2の両端にコンデンサC1とバラストチョークT1と放電灯Laが直列接続され、放電灯Laに並列に電源側に接続されたコンデンサC2から構成される、ハーフブリッジ式インバータ回路である。バラストチョークT1とコンデンサC2とで共振回路Xを構成している。また、予熱回路Y1,Y2はバラストチョークT1の2次巻線N2及びN3から各々コンデンサC5、C6を介しフィラメントF1、F2が直列に接続された構成である。インバータ制御回路Bは集積回路IC21と抵抗R31、R39〜R41とコンデンサC33、C34、C37とツェナダイオードZD21から構成される。
【0028】
次に回路の動作を説明する。インバータ制御回路Bとインバータ回路A、共振回路Xの動作は従来例と同じであるので重複する説明は省略する。従来例と異なる部分としては共振回路Xの始動コンデンサC2が従来例では放電灯Laの非電源側に接続されていたのに対し、この実施の形態ではバラストチョークT1の側に接続されていることである。このため放電灯LaのフィラメントF1、F2には先行予熱時や始動、点灯時に始動コンデンサC2を介して電流が流れることはない。そこで、この実施の形態においては先行予熱時にはバラストチョークT1の2次巻線N2及びN3から構成される予熱回路Y1,Y2にてフィラメントF1、F2を加熱する。つまり、先行予熱時には従来例でも述べたようにインバータ制御回路Bから周波数faの高周波信号にてスイッチング素子Q1、Q2を駆動し共振回路Xを動作させる。図9の周波数faに対応した曲線1のVC2aの電圧が放電灯Laの両端に発生する。従って、インバータ制御回路Bの出力する高周波信号がデューティー50%の信号とすると、バラストチョークT1の両端には略E/2−VC2aの電圧が発生することになり、バラストチョークT1の2次巻線N2、N3の電圧はバラストチョークT1の巻数をn1、2次巻線N2、N3の巻数をn2、n3、理想的な磁気結合とすると各々略n2×(E/2−VC2a)/n1、n3×(E/2−VC2a)/n1の電圧VN2、VN3が発生する。そのため、放電灯LaのフィラメントF1、F2に流れる予熱電流IF1、IF2は先の電圧VN2、VN3をインピーダンス1/ωC5、1/ωC6で制限した電流となる。
【0029】
ここで、JIS C7601に記載の陰極予熱特性について述べる。JISから予熱条件を抜粋すると表1のようになる。
【表1】
【0030】
このFHT32の場合の最大予熱電流と最小予熱電流のグラフを図2に示す。例えば先行予熱時間をインバータ制御回路Bのタイマー用コンデンサC37の容量を調整することにより1.0sと設定したとすると、表1から最大の先行予熱電流は略0.7A、最小の先行予熱電流は略0.4Aであるので、例えばフィラメントF1のほうに最小予熱電流を流し、フィラメントF2の方に最大予熱電流を流すように2次巻線N2、N3の巻数n2、n3を調整する。
【0031】
ところで、放電灯Laが点灯した際には、バラストチョークT1の巻線の巻方向と2次巻線N2、N3の巻線の巻方向とでフィラメントF1、F2の陰極に流れる最大リード線電流が異なってくる。ここで、リード線電流について説明すると、まず、図1の実施の形態の回路構成の場合、フィラメントF1の▲1▼側には放電灯Laに流れる電流(以下ランプ電流と呼ぶ)とバラストチョークT1の2次巻線N2に発生する電圧が電源となって流れる電流の合成電流が流れる。このバラストチョークT1の2次巻線N2から得られる電流で先行予熱時に流れる電流が先述した先行予熱電流であるが、一般的に先行予熱時にフィラメントに流れる電流を先行予熱電流と呼び、その他の過程で流れる電流をフィラメント電流と呼ぶ。つまり、この実施の形態の回路において先行予熱時から点灯時に至る過程の中でフィラメントF1の▲2▼側に流れる電流がフィラメント電流ということになる。リード線電流とは放電灯Laが点灯している場合において放電灯Laと放電灯点灯装置が接続される▲1▼から▲4▼のランプリード線の各々の電流のことを呼び、▲2▼と▲4▼には先述したフィラメント電流が流れ、▲1▼と▲3▼にはランプ電流とフィラメント電流の合成電流が流れる。
【0032】
またフィラメントF1、F2の▲1▼と▲3▼のリード線に流れる電流はランプ電流の位相とフィラメント電流の位相により変化する。つまり、バラストチョークT1の巻方向とバラストチョークT1の2次巻線N2、N3の巻方向を変化させることによりリード線電流の大きさが変化する。表1の例のFHT32であれば、最大リード線電流の規定はIEC60901等で示されており、最大0.48Aである。そして、バラストチョークT1の巻方向と2次巻線N2、N3の巻方向を図中の黒丸で示した向きとする。この向きにより、リード線電流はランプ電流からフィラメント電流を差分した波形となる(図3)。
【0033】
先行予熱電流は、例えばフィラメントF1に流れる方を最小値付近に設定し、フィラメントF2に流れる方を最大値付近に設定すると、点灯時のリード線電流はフィラメントF2に流れる電流よりもフィラメントF1に流れる電流の方が大きくなるが、ランプ電流とフィラメント電流の差分となるため、規定値は超えない。
【0034】
例えば放電灯をFHT57とし、先行予熱時間を1.0sとした場合、FHT57の予熱条件は先述したFHT32と同一であるので最小略0.4A、最大略0.7Aであり、今回、フィラメントF1に流れる先行予熱電流を略420mA、フィラメントF2に流れるそれを略600mAと設定することで、放電灯Laの点滅回数はその放電灯の定格寿命以上持ち、放電灯Laの寿命末期近くにおいてはフィラメントF1のエミッタ減少量が大きくなることが確認された。
【0035】
従って、上記のように設定することで放電灯Laの寿命末期時にはフィラメントF1からフィラメントF2への整流作用が働き、図10に示した片側エミレス状態の電圧波形が放電灯Laの両端に生じ、異常検出回路20による負極性検出により放電灯Laの寿命末期を検出し、放電灯Laと放電灯点灯装置の保護を行うことができる。つまり、従来例で必要だった異常検出回路22が不要となり、また異常検出回路21の正極性検出用の回路が不要となるので、回路構成が簡略化され、コストダウンにつながる。
【0036】
また、この実施の形態の回路のように高圧側にフィラメントF1が接続されている場合において、フィラメントF1の先行予熱電流を最小値とした構成では、FLあるいはFLRなどの直管型の放電灯で高圧側のランプ線が長くなっても予熱電流が確保されやすくなるというメリットもある。
【0037】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を図1及び図4を用いて説明する。先の実施の形態ではバラストチョークT1の2次巻線N2、N3の巻数n2、n3を変えることによりフィラメント電流を変化させたが、この実施の形態ではバラストチョークT1のギャップを利用する。すなわち、バラストチョークT1には放電灯Laの始動状態において過大な電流が流れるため、一般的にギャップを用いてバラストチョークT1のインダクタンス値に対し直流重畳を満足させる。従って、この場合においてバラストチョークT1の2次巻線N2とN3の巻位置により2次巻線の磁気結合を変化させ、2次巻線電圧VN2とVN3のアンバランスを達成するものである。具体的にはバラストチョークT1を図4に示した構成とし、2次巻線N2、N3を図4に示したように配置する。図中、30はボビン、31はギャップ、32はコア、33はピンである。コア32は一対のE型のコアを突き合わせたものであり、E型コアの中央の磁路が両側の磁路よりも若干短く形成されていることにより、ギャップ31が形成されている。ボビン30に巻かれるN2巻線とN3巻線の巻位置をギャップ31からの距離が異なるように配置することにより、2次巻線N2、N3の巻数が同一であっても発生する電圧VN2とVN3の差が生じる。
【0038】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態を図5を用いて説明する。先の実施の形態1ではバラストチョークT1の2次巻線N2、N3の巻数を変えることによりフィラメント電流を変化させたが、この実施の形態では片側の2次巻線N3にのみ共振回路を付加し、先行予熱電流を一方よりも増加させる。すなわち、フィラメントF2に接続される2次巻線N3側にコンデンサC6と直列か並列にインダクタLを設ける。このインダクタLのインダクタンス値は先行予熱時の発振周波数に応じて設定され、もう片方のフィラメントF1に流れる先行予熱電流よりも多くの先行予熱電流を流すことが出来る。このように構成することによりフィラメントF1の方にフィラメントF2よりも少ない先行予熱電流を流すことが可能である。
【0039】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態を図1を用いて説明する。この実施の形態においては2次巻線N2、N3からフィラメントF1、F2に直列に接続されるコンデンサC5、C6の容量を変化させる。すなわちフィラメントF1、F2に流れるフィラメント電流はコンデンサC5、C6のインピーダンス1/ωC5、1/ωC6により制限できるので、コンデンサC5の容量値をコンデンサC6のそれよりも小さくすることでフィラメントF1に流れるフィラメント電流をフィラメントF2に流れる電流よりも小さく設定することができる。
【0040】
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態を図6に示す。この実施の形態においては、実施の形態1と異なる回路構成として予熱回路Yが設けられている。予熱回路Yはスイッチング素子Q2の両端に並列にコンデンサC7と予熱トランスT2とスイッチング素子Q3の直列回路を接続したものである。ここでスイッチング素子Q3はインバータ制御回路Bに構成されている集積回路IC21のタイマースイッチ端子(ピン11)と抵抗R3を介して接続されている。また、集積回路IC21のタイマースイッチ端子(ピン11)は制御電源コンデンサC33に抵抗R1を介して接続され、また回路グランドとも抵抗R2を介して接続される。集積回路IC21のタイマースイッチ端子(ピン11)は直流電源Eが入力され、制御電源が立ち上がって集積回路IC21が動作するとHigh信号となる。従って、スイッチング素子Q3のゲートには制御電源電圧を抵抗R1と抵抗R2で分圧した電圧が印加され、スイッチング素子Q3のゲートしきい値電圧を超えるとスイッチング素子Q3はONし、インバータ回路Aのスイッチング素子Q1、Q2が高周波でON/OFFすることにより、予熱回路YのコンデンサC7、予熱トランスT2、スイッチング素子Q3のループで電流が交互に流れ、その予熱トランスT2の1次側に発生した電圧が2次側N22、N23に発生することによりコンデンサC5、C6を介してフィラメントF1、F2に先行予熱時に予熱電流が流れる。
【0041】
また、図7に示すように集積回路IC21のタイマースイッチ端子(ピン11)のシーケンス動作としては先行予熱時、始動時にはHigh信号を出力して、放電灯LaのフィラメントF1、F2へフィラメント電流を流すが、通常点灯時にはLow信号を出力するためスイッチング素子Q3はOFFし、予熱回路YのコンデンサC7、予熱トランスT2、スイッチング素子Q3のループで電流が流れなくなるため、放電灯LaのフィラメントF1、F2へフィラメント電流は供給されなくなる。このようにすることで通常点灯時のフィラメントF1、F2で電力が消費されないため、放電灯点灯装置としての入力電力が小さくなり、放電灯点灯装置の光効率、つまり光束/入力電力が改善される。
【0042】
ここで、先の実施の形態のように片側のフィラメントを先にエミレスにするためには、予熱トランスT2の巻数N2、N3をどちらか多く巻くか、どちらかの巻方向を変えるかすれば良い。例えばこの実施の形態でフィラメントF1の方の2次巻線N2の向きをランプ電流の向きと重畳させるようにすれば、始動時の時間においてのみリード線電流が多く流れる。すなわち、放電灯点灯装置が先行予熱時を経て、始動時になった瞬間にほぼ放電灯Laは点灯する。従って、インバータ制御回路Bが周波数fbの高周波信号を出力している始動時に放電灯Laは点灯しているので、リード線電流はフィラメントF1,F2の▲1▼と▲3▼にランプ電流とフィラメント電流の合成電流が流れる。つまり予熱トランスT2の2次巻線N2の巻方向をランプ電流とフィラメント電流の合成電流をより増加させる方向で巻くことにより、始動時の短時間でフィラメントF1に損傷を大きくし、エミッタレス状態をフィラメントF2よりも若干加速させる。これも本発明者らの実験結果で確認済み(放電灯がFHT57である場合に始動時の過程で点灯した場合でのリード線電流は規定値0.48Aに対しフィラメントF1のみ略0.65Aとした)であるが、上記のようにした場合でも放電灯の点滅回数は充分放電灯の寿命時間を満足し、尚且つフィラメントF1の方がフィラメントF2よりも早くエミレス状態になり、放電灯としては片側エミレス状態で寿命を迎えることが確認された。
【0043】
このように構成することで、放電灯の寿命を定格寿命よりも損なうことなく、片側のフィラメントを他側のフィラメントよりも早くエミレス状態へと移行させ、速やかに放電灯点灯装置を停止させることができる。また実施の形態1等と異なり、通常点灯時にフィラメント電流を流さないために、放電灯点灯装置の回路効率が上昇し、結果として光効率が上がる。また、独立に予熱回路として設けることにより設計の自由度を高めることが出来るという長所もある。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、放電灯の予熱・始動・点灯の各段階に応じて発振周波数を可変としたインバータ回路の高周波出力を共振回路を介して放電灯に供給するようにした放電灯点灯装置において、放電灯の予熱段階で放電灯の一対のフィラメントに流れるフィラメント電流が異なり、放電灯の陰極予熱特性で規定されているフィラメント電流の許容範囲内で第一のフィラメント電流が略最小値、第二のフィラメント電流が略最大値となるようにしたものであるから、放電灯の寿命末期時には必ず片側エミレス状態を迎えることが可能になり、回路のコストダウンになり、複雑な検出回路を設けることが不要となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1の動作説明のための特性図である。
【図3】本発明の実施の形態1の動作説明のための波形図である。
【図4】本発明の実施の形態2に用いるバラストチョークの構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3の要部構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態5の回路図である。
【図7】本発明の実施の形態5の動作説明のための波形図である。
【図8】従来例の回路図である。
【図9】従来例の共振回路の動作説明のための周波数特性図である。
【図10】従来例の片側エミレス時の動作説明のための波形図である。
【図11】従来例の両側エミレス時の動作説明のための波形図である。
【符号の説明】
E 直流電源
A インバータ回路
B インバータ制御回路
X 共振回路
Y1 予熱回路
Y2 予熱回路
20 異常検出回路
La 放電灯
F1 フィラメント
F2 フィラメント[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a discharge lamp lighting device in which a hot cathode type discharge lamp having a pair of filaments such as a fluorescent lamp is turned on at a high frequency by an inverter.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1]
JP-A-10-134985
[0003]
Conventionally, as a lighting circuit for a discharge lamp, a so-called capacitor preheating type lighting circuit in which a capacitor C2 of a resonance circuit is connected to a non-power supply side of the discharge lamp as shown in FIG. Patent Document 1 discloses a circuit for controlling a preheating current of a filament by providing an inverter for preheating a filament of a discharge lamp, and discloses a circuit for preheating each filament independently. However, a capacitor preheating type lighting circuit as shown in FIG. 8 is generally widely used from the viewpoint of cost reduction.
[0004]
In the circuit of FIG. 8, E is a DC power supply, A is an inverter circuit, B is an inverter control circuit, and X is a resonance circuit. The inverter circuit A converts the DC voltage of the DC power supply E into a high-frequency voltage. La is a discharge lamp having filaments F1 and F2. T21 is a ballast choke for limiting the lamp current of the discharge lamp La, C1 is a coupling capacitor connected between a connection point of the ballast choke T21 and the switching elements Q1 and Q2, and C2 is connected to both ends of the discharge lamp La. It is a starting capacitor. The abnormality detection circuits 21 and 22 are circuits for detecting abnormality of the discharge lamp La.
[0005]
Next, the circuit configuration of the inverter circuit A will be described. Q1 and Q2 are switching elements, and here, MOSFETs are used. The MOSFET constituting the switching element Q1 has a drain connected to the positive electrode of the DC power supply E, a source connected to the drain of the MOSFET constituting the switching element Q2, and a gate connected to a pin 2 of an integrated circuit IC21 described later. . The MOSFET constituting the switching element Q2 has a source connected to the negative electrode of the DC power supply E and a gate connected to the pin 4 of the integrated circuit IC21. R31 is a starting resistor connected to the DC power supply E, C33 is a control power supply capacitor connected between the starting resistor R31 and the ground, and ZD21 is a constant voltage diode for stabilizing the voltage of the control capacitor C33.
[0006]
An IC 21 is an integrated circuit for controlling the inverter circuit A, a pin 1 is a power input terminal connected to a connection point between the control power capacitor C33 and the starting resistor R31, and pins 2 and 4 output driving voltages of the switching elements Q1 and Q2. Pins 3 and 5 are abnormality detection terminals, and pins 6, 7 and 8 are current output terminals (main oscillation resistor connection terminals) for outputting a current that determines the oscillation frequency of the inverter circuit A. R39, resistor R40, and resistor R41 are connected. Pin 9 is a current input / output terminal for charging and discharging the capacitor C34. Pin 10 is a current input / output terminal for charging and discharging the timer capacitor C37.
[0007]
The abnormality detection circuit 21 is a circuit for detecting an abnormality of the discharge lamp La. A resistor R32 is connected between the positive electrode of the DC power supply E and the coupling capacitor C1, and the coupling capacitor C1 and the negative electrode side of the DC power supply E (hereinafter, referred to as a negative electrode). , A circuit ground is connected between the resistor R33 and the capacitor C35, for detecting an abnormality of the integrated circuit IC21 via the diode D22 or D23 based on the voltage at the connection point between the capacitor C35 and the resistor R33. A voltage is applied to the terminal (pin 3).
[0008]
The abnormality detection circuit 22 is also a circuit for detecting an abnormality of the discharge lamp La. A series circuit of resistors R34 to R37 is connected to both ends of the discharge lamp La, a diode D21 is connected to both ends of the resistor R37, and a diode D21 is connected. An abnormality detection terminal (pin 5) of the integrated circuit IC21 is connected to the cathode side via a diode D24, and a parallel circuit of a capacitor C36 and a resistor R38 is provided between the abnormality detection terminal (pin 5) and circuit ground. Connected.
[0009]
First, the operation of the inverter circuit A will be described. When the DC power supply E is turned on, a current flows in a closed loop of the power supply E → the starting resistor R31 → the control power supply capacitor C33 → the power supply E, and the control power supply capacitor C33 is charged. The voltage of the control power supply capacitor C33 is applied to the power supply input terminal (pin 1) of the integrated circuit IC21. When the voltage of the control power supply capacitor C33 rises and reaches the operating voltage of the integrated circuit IC21, the integrated circuit IC21 starts oscillating. . Due to this oscillation, the driving voltage output terminal (pin 2) of the integrated circuit IC 21 is alternately connected to the gate of the switching element Q1 of the half-bridge inverter circuit, and the driving voltage output terminal (pin 4) is alternately switched to the switching element Q2 at a high frequency (almost 50% duty) ), The switching element Q1 and the switching element Q2 alternately turn on / off, and the inverter circuit A oscillates at a high frequency. As a result, a high-frequency current flows through a series circuit of the coupling capacitor C1, the ballast choke T21, the filament F1, the starting capacitor C2, and the filament F2. At this time, there is a relationship of (capacitance of the coupling capacitor C1) ≫ (capacity of the starting capacitor C2), and a resonance action occurs due to LC series resonance of the ballast choke T21 and the starting capacitor C2, and an appropriate oscillation frequency described later is set. Accordingly, a resonance high voltage is generated in the starting capacitor C2, and the resonance high voltage is applied to the discharge lamp La, and the discharge lamp La is turned on.
[0010]
The process of lighting the discharge lamp La will be described in more detail with reference to FIG. FIG. 9 shows the frequency characteristic of the voltage VC2 across the starting capacitor C2. A curve 1 in FIG. 9 represents a voltage when the discharge lamp La is not lit, and a curve 2 represents a voltage when the discharge lamp La is lit. Here, the frequency fo is the natural resonance frequency of the ballast choke T21 and the starting capacitor C2.
[0011]
First, when the DC power supply E is applied, a high-frequency signal near the frequency fa from the integrated circuit IC21 is output from the integrated circuit IC21 for a certain period (determined by the capacity of the timer capacitor C37 connected to the pin 10 of the integrated circuit IC21). , Q2. The switching elements Q1 and Q2 receive the high-frequency signal and perform alternate ON / OFF operations to supply a high-frequency rectangular wave voltage to the inverter load circuit. The inverter load circuit receives the high-frequency rectangular wave voltage and outputs a high-frequency voltage VC2a across the capacitor C2. A current determined by the high-frequency voltage VC2a flows through the filaments F1 and F2 and is heated. The above is called pre-heating.
[0012]
Next, when the preheating period ends, a high frequency signal near the frequency fb is output from the integrated circuit IC21 to the switching elements Q1 and Q2. As a result, the voltage VC2b is output to both ends of the capacitor C2. The voltage VC2b is set to a voltage sufficiently higher than the starting voltage of the discharge lamp La. Thus, the discharge lamp La starts discharging. The above is referred to as starting.
[0013]
Next, when the start time is over and the discharge lamp La is turned on, the frequency fc is output from the integrated circuit IC 21 so that the discharge lamp La outputs a desired light output. Hereinafter, it is referred to as normal lighting.
[0014]
These oscillation frequencies are determined by the resistors R39, R40 and R41 connected to the current output terminals (main oscillation resistor connection terminals) of the pins 6, 7, and 8 of the integrated circuit IC21 and the capacitor C34 connected to the current input / output terminal of the pin 9 Is determined by In operation, a voltage is applied to all of the resistors R39, R40, and R41 connected to the pins 6, 7, and 8 of the integrated circuit IC21 during the preheating, and the specific current of the combined current is applied to the capacitor C34 connected to the pin 9. Flows as a charging / discharging current to determine the frequency fa. Further, at the time of starting, since no voltage is applied to the above-described resistor R39, the charge / discharge current flowing through the capacitor C34 becomes smaller than that at the time of the preheating, so that the frequency fb becomes lower than the frequency fa. Further, at the time of lighting, no voltage is applied to the resistor R40, so that the frequency fc is lower than the frequencies fa and fb.
[0015]
As described above, in the present conventional example, the life of the discharge lamp La can be made longer than that at the time of cold start lighting by preheating the filaments F1 and F2 of the discharge lamp La at the time of preliminary preheating, and the starting performance can be improved. An excellent discharge lamp lighting device can be provided.
[0016]
Next, the deterioration of the filament will be briefly described. Deterioration of the filament means emitterless (commonly known as Emiless). The term emitterless refers to a state in which the electron-emitting substance (emitter) applied to the filament is lost. The cause is evaporation that occurs when the filament current is relatively large. And scattering (sputtering) generated when the filament current is relatively small. In the Emiless state, the amount of thermionic electrons emitted from the filament decreases, making it difficult to maintain the discharge. Hereinafter, the state in which the filament on one side becomes Emiless is referred to as one side Emiless, and the state in which the filament on both sides becomes Emiless is referred to as both sides Emiless.
[0017]
Based on the above, the abnormality detection circuits 21 and 22 will be described. First, the discharge lamp La continues to light, and when the end of life is approached, the filament is deteriorated and becomes emiless as described above, so that it becomes difficult to maintain the discharge of the discharge lamp La. That is, the impedance of the discharge lamp La becomes larger than that during normal lighting. For example, if the filament F1 is in the one-sided emiless state, the one-sided filament is in the emiless state, so the voltage across the discharge lamp La (hereinafter, referred to as a lamp voltage) is as shown in FIG. Therefore, in this case, a negative voltage is generated as the voltage VC35 across the capacitor C35 of the abnormality detection circuit 21 when viewed from the circuit ground, and when the voltage reaches a certain negative voltage, the zener diode ZD22 is turned on, and the control power supply capacitor C33 is turned on. When a voltage is applied to the abnormality detection terminal (pin 3) of the integrated circuit IC21 via the transistor Q23, the resistor R44, and the diode D23, and the voltage VC35 across the capacitor C35 exceeds the threshold voltage Vth3, the integrated circuit IC21 switches. The high frequency signal to the elements Q1 and Q2 is stopped. Conversely, when the filament F2 enters the emiless state, the voltage VC35 across the capacitor C35 becomes a positive voltage. Therefore, the voltage VC35 across the capacitor C35 is connected to the abnormality detection terminal (pin 3) of the integrated circuit IC21 via the diode D22. ), And when the voltage VC35 across the capacitor C35 exceeds the threshold voltage Vth3, the integrated circuit IC21 stops the high-frequency signal to the switching elements Q1 and Q2.
[0018]
Next, the abnormality detection circuit 22 will be described. Again, the discharge lamp La continues to light, the end of life is approached, the impedance of the discharge lamp La becomes larger than in normal lighting, and the discharge lamp La is in the double-sided emiless state where both filaments F1 and F2 are both emiless. The ramp voltage has a positive-negative symmetrical voltage waveform as shown in FIG. 11, and the peak voltage is larger than in the normal state. Accordingly, a half-wave component VR37 of the divided voltage of the resistors R34, R35, R36, and R37 is generated in the resistor R37 in the abnormality detection circuit 22. When the voltage VR37 is smoothed by the capacitor C36 and exceeds the threshold voltage Vth5 of the abnormality detecting terminal (pin 5), the integrated circuit IC21 stops the high frequency signal to the switching elements Q1 and Q2.
[0019]
[Problems to be solved by the invention]
In this conventional example, when the filament of the discharge lamp La is preheated, a filament preheating current flows through the starting capacitor C2. Since the impedance of this filament is sufficiently smaller than the impedance of the series resonance circuit including the ballast choke T21 and the starting capacitor C2, the impedance becomes almost constant. Moreover, these preheating currents differ depending on the type of the discharge lamp La, and for example, it is necessary to satisfy the preheating conditions of the cathode preheating characteristics as defined in JIS C7601.
[0020]
Since the preheating currents flowing through the filaments F1 and F2 on both sides are substantially uniform, when the discharge lamp La is in an end-of-life state, that is, when the filament is in an Emiless state, it is determined whether the filament F1 becomes Emiless due to a variation in the filament or the like. It cannot be predicted whether F2 will be Emiless. Therefore, from the viewpoint of protection of the discharge lamp La and the discharge lamp lighting device, the abnormality detection circuit 21 for detecting one-sided emission and the abnormality detection circuit 22 for detecting both-sided emission are required as shown in the conventional example. In the case of the abnormality detection circuit 21, the polarity of the voltage generated in the capacitor C35 in the abnormality detection circuit 21 is positive or negative in the one-sided Emiless state when the filament F1 becomes Emiless and in the one-sided Emiless state when the filament F2 becomes Emiless. Therefore, the circuit configuration becomes complicated. In addition, since these circuits must be mounted on most discharge lamp lighting devices regardless of the type of discharge lamp, even if cost reduction is considered, these circuits are always necessary, which hinders cost reduction. There is a disadvantage that it becomes.
[0021]
However, in order to sufficiently heat the filaments F1 and F2 at the time of preheating, the life of the discharge lamp La also satisfies the rated life or more, and the discharge lamp La should not reach the end of life if it is less than the rated life.
[0022]
The present invention has been made in view of the above points, and further simplifies a circuit for protecting a discharge lamp and a discharge lamp lighting device while securing a time equal to or longer than a rated life as a life of the discharge lamp. It is a subject.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
According to the invention of claim 1, in order to solve the above problem, as shown in FIG. 1, an inverter including a DC power supply E and switching elements Q1 and Q2 for switching the DC voltage of the DC power supply E at a high frequency. Section A, a resonance circuit X including an inductor T1 and a capacitor C2 supplied with a high-frequency output of the inverter section A, a discharge lamp La having a pair of filaments F1 and F2 connected to the output of the resonance circuit X, An oscillation frequency control means B for switching an oscillation frequency of the inverter section A so as to exhibit an operation state of each stage of preheating, starting and lighting of the electric lamp La; and a detecting means 20 for detecting an abnormality of the discharge lamp La, In the discharge lamp lighting device for preheating, starting, and lighting the discharge lamp La by the resonance action of the resonance circuit X, the discharge lamp La is preheated in the preheating stage of the discharge lamp La. Is different from the first filament current flowing through the filament F1 of the discharge lamp La and the second filament current flowing through the second filament F2 of the discharge lamp La, within the allowable range of the filament current specified by the cathode preheating characteristic of the discharge lamp La. It is characterized in that the first filament current has a substantially minimum value and the second filament current has a substantially maximum value.
[0024]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the first filament current flows through the first filament F1 connected to the high voltage side with respect to the ground of the discharge lamp La.
According to the third aspect of the present invention, in the first or second aspect, the inductor T1 of the resonance circuit X is provided with secondary windings N2 and N3 corresponding to the filaments F1 and F2 of the discharge lamp La, respectively. The filament current is supplied using the lines N2 and N3 as voltage sources.
According to the invention of claim 4, according to claim 3, as shown in FIG. 5, the first current limiting element of the preheating loop for supplying the filament current using the secondary windings N2 and N3 as a voltage source. A capacitor C5 is provided on the filament F1 side, and a second resonance circuit including an inductor L and a capacitor C6 is provided on the second filament F2 side.
According to the invention of claim 5, according to claim 1 or 2, the lamp current flowing through the discharge lamp and the filament current flowing through the filament are combined when the discharge lamp is turned on, and the lead wire current flowing through the filament lead, or the filament. The current value is set to a value that is equal to or greater than the lead wire current value regulated by the discharge lamp, and the filament current is prevented from flowing in a predetermined time after the discharge lamp is turned on.
[0025]
According to the invention of claim 6, according to claim 5, as shown in FIG. 6, a second series resonance circuit including an inductor T2 and a capacitor C7 is provided separately from the resonance circuit, and the filament current is equal to the second series resonance circuit. The second series resonance circuit is supplied from the secondary windings N22 and N23 of the inductor T2 of the series resonance circuit, and operates only for a predetermined time including at least the preheating stage after the power of the discharge lamp lighting device rises. .
According to the seventh aspect of the present invention, in any one of the first to sixth aspects, the detecting means 20 includes a DC voltage component generated when it becomes difficult to emit electrons from the first filament F1 of the discharge lamp La. Is detected.
According to an eighth aspect of the present invention, in any one of the first to seventh aspects, the discharge lamp La has a tube diameter of / inch or less.
A ninth aspect of the present invention relates to a lighting fixture, comprising the discharge lamp lighting device according to any one of the first to eighth aspects.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(Embodiment 1)
FIG. 1 shows a first embodiment of the present invention. In FIG. 1, E is a DC power supply, A is an inverter circuit, B is an inverter control circuit, X is a resonance circuit, and Y1 and Y2 are preheating circuits. The inverter circuit A converts the DC voltage of the DC power supply E into a high-frequency voltage. La is a discharge lamp having filaments F1 and F2. T1 is a ballast choke for limiting the lamp current of the discharge lamp La, C1 is a coupling capacitor connected between a connection point of the ballast choke T1 and the switching elements Q1 and Q2, and C2 is connected to both ends of the discharge lamp La. It is a starting capacitor. The abnormality detection circuit 20 is a circuit that detects an abnormality of the discharge lamp La. Inverter control circuit B receives the detection output of abnormality detection circuit 20 and controls the oscillation of switching elements Q1 and Q2 constituting inverter circuit A.
[0027]
The inverter circuit A includes a series circuit of switching elements Q1 and Q2 connected to both ends of a DC power source E, a capacitor C1, a ballast choke T1, and a discharge lamp La connected in series to both ends of the switching element Q2, and is connected in parallel to the discharge lamp La. This is a half-bridge type inverter circuit composed of a capacitor C2 connected to the power supply side. The ballast choke T1 and the capacitor C2 constitute a resonance circuit X. The preheating circuits Y1 and Y2 have a configuration in which filaments F1 and F2 are connected in series from the secondary windings N2 and N3 of the ballast choke T1 via capacitors C5 and C6, respectively. The inverter control circuit B includes an integrated circuit IC21, resistors R31, R39 to R41, capacitors C33, C34, C37, and a zener diode ZD21.
[0028]
Next, the operation of the circuit will be described. The operations of the inverter control circuit B, the inverter circuit A, and the resonance circuit X are the same as those in the conventional example, and thus the description thereof will not be repeated. The difference from the conventional example is that the starting capacitor C2 of the resonance circuit X is connected to the non-power supply side of the discharge lamp La in the conventional example, but is connected to the ballast choke T1 in this embodiment. It is. Therefore, no current flows through the filaments F1 and F2 of the discharge lamp La via the starting capacitor C2 at the time of preheating, starting, and lighting. Therefore, in this embodiment, the filaments F1, F2 are heated by the preheating circuits Y1, Y2 composed of the secondary windings N2, N3 of the ballast choke T1 during the preheating. That is, at the time of preheating, the switching elements Q1 and Q2 are driven by the high frequency signal of the frequency fa from the inverter control circuit B to operate the resonance circuit X as described in the conventional example. The voltage of VC2a of curve 1 corresponding to the frequency fa of FIG. 9 is generated at both ends of the discharge lamp La. Therefore, if the high frequency signal output from the inverter control circuit B is a signal having a duty of 50%, a voltage of approximately E / 2-VC2a is generated at both ends of the ballast choke T1, and the secondary winding of the ballast choke T1 is generated. Assuming that the number of turns of the ballast choke T1 is n1 and the number of turns of the secondary windings N2 and N3 is n2 and n3, and ideal magnetic coupling, the voltages of N2 and N3 are approximately n2 × (E / 2−VC2a) / n1 and n3, respectively. × (E / 2−VC2a) / n1 voltages VN2 and VN3 are generated. Therefore, the preheating currents IF1 and IF2 flowing through the filaments F1 and F2 of the discharge lamp La are currents obtained by limiting the voltages VN2 and VN3 by the impedances 1 / ωC5 and 1 / ωC6.
[0029]
Here, the cathode preheating characteristics described in JIS C7601 will be described. Table 1 shows the preheating conditions extracted from JIS.
[Table 1]
[0030]
FIG. 2 shows a graph of the maximum preheating current and the minimum preheating current in the case of the FHT32. For example, if the pre-heating time is set to 1.0 s by adjusting the capacity of the timer capacitor C37 of the inverter control circuit B, from Table 1, the maximum pre-heating current is about 0.7 A, and the minimum pre-heating current is Since it is approximately 0.4 A, for example, the number of turns n2 and n3 of the secondary windings N2 and N3 is adjusted so that the minimum preheating current flows through the filament F1 and the maximum preheating current flows through the filament F2.
[0031]
By the way, when the discharge lamp La is turned on, the maximum lead current flowing through the cathodes of the filaments F1 and F2 in the winding directions of the windings of the ballast choke T1 and the windings of the secondary windings N2 and N3 is large. It will be different. Here, a description will be given of the lead wire current. First, in the case of the circuit configuration of the embodiment of FIG. 1, the current (hereinafter referred to as lamp current) flowing through the discharge lamp La and the ballast choke T1 are provided on the (1) side of the filament F1. Of the current flowing as a power source by the voltage generated in the secondary winding N2 flows through. The current obtained from the secondary winding N2 of the ballast choke T1 and flowing during preheating is the preheating current described above. Generally, the current flowing through the filament during preheating is referred to as preheating current, and other processes are performed. Is called a filament current. That is, in the circuit of this embodiment, the current flowing on the (2) side of the filament F1 in the process from the preheating to the lighting is the filament current. The lead wire current refers to the current of each of the lamp lead wires from (1) to (4) to which the discharge lamp La and the discharge lamp lighting device are connected when the discharge lamp La is lit, and (2) The above-mentioned filament current flows through (4) and (4), and the combined current of the lamp current and the filament current flows through (1) and (3).
[0032]
The current flowing through the lead wires (1) and (3) of the filaments F1 and F2 changes depending on the phase of the lamp current and the phase of the filament current. That is, by changing the winding direction of the ballast choke T1 and the winding direction of the secondary windings N2 and N3 of the ballast choke T1, the magnitude of the lead wire current changes. In the case of the FHT 32 in the example of Table 1, the definition of the maximum lead wire current is indicated by IEC60901 or the like, and is 0.48 A at the maximum. The winding direction of the ballast choke T1 and the winding directions of the secondary windings N2 and N3 are set to the directions indicated by black circles in the figure. According to this direction, the lead wire current has a waveform obtained by subtracting the filament current from the lamp current (FIG. 3).
[0033]
For example, if the preheating current is set near the minimum value for the filament F1 and set near the maximum value for the filament F2, the lead current at the time of lighting will flow through the filament F1 more than the current flowing through the filament F2. Although the current is larger, the difference between the lamp current and the filament current does not exceed the specified value.
[0034]
For example, when the discharge lamp is FHT57 and the preheating time is 1.0 s, the preheating condition of the FHT57 is the same as that of the above-described FHT32, so that the minimum is approximately 0.4A and the maximum is approximately 0.7A. By setting the flowing preheating current to approximately 420 mA and flowing to the filament F2 to approximately 600 mA, the number of blinks of the discharge lamp La is equal to or longer than the rated life of the discharge lamp La. It was confirmed that the emitter reduction amount was large.
[0035]
Therefore, by setting as described above, at the end of the life of the discharge lamp La, a rectifying action from the filament F1 to the filament F2 works, and the voltage waveform in the one-sided emiless state shown in FIG. The end of life of the discharge lamp La is detected by the detection of the negative polarity by the detection circuit 20, so that the discharge lamp La and the discharge lamp lighting device can be protected. That is, the abnormality detection circuit 22 which is required in the conventional example becomes unnecessary, and the circuit for detecting the positive polarity of the abnormality detection circuit 21 becomes unnecessary, so that the circuit configuration is simplified and the cost is reduced.
[0036]
In the case where the filament F1 is connected to the high voltage side as in the circuit of this embodiment, in a configuration in which the preheating current of the filament F1 is minimized, a straight tube discharge lamp such as FL or FLR is used. There is also an advantage that a preheating current can be easily secured even when the high-pressure side lamp wire becomes long.
[0037]
(Embodiment 2)
A second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In the above embodiment, the filament current is changed by changing the number of turns n2, n3 of the secondary windings N2, N3 of the ballast choke T1, but in this embodiment, the gap of the ballast choke T1 is used. That is, since an excessive current flows through the ballast choke T1 when the discharge lamp La is started, the gap is generally used to satisfy the DC superposition with the inductance value of the ballast choke T1. Therefore, in this case, the magnetic coupling of the secondary winding is changed by the winding position of the secondary windings N2 and N3 of the ballast choke T1, thereby achieving an unbalance between the secondary winding voltages VN2 and VN3. Specifically, the ballast choke T1 is configured as shown in FIG. 4, and the secondary windings N2 and N3 are arranged as shown in FIG. In the figure, 30 is a bobbin, 31 is a gap, 32 is a core, and 33 is a pin. The core 32 is obtained by abutting a pair of E-shaped cores, and the gap 31 is formed by the central magnetic path of the E-shaped core being slightly shorter than the magnetic paths on both sides. By arranging the winding positions of the N2 winding and the N3 winding wound on the bobbin 30 so as to have different distances from the gap 31, the voltage VN2 generated even when the number of turns of the secondary windings N2 and N3 is the same. A difference in VN3 occurs.
[0038]
(Embodiment 3)
A third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In the first embodiment, the filament current is changed by changing the number of turns of the secondary windings N2 and N3 of the ballast choke T1, but in this embodiment, a resonance circuit is added to only one secondary winding N3. Then, the preheating current is increased more than one. That is, an inductor L is provided in series or in parallel with the capacitor C6 on the side of the secondary winding N3 connected to the filament F2. The inductance value of the inductor L is set according to the oscillation frequency at the time of the preheating, and a larger preheating current than the preheating current flowing to the other filament F1 can flow. With such a configuration, it is possible to flow a less pre-heating current to the filament F1 than to the filament F2.
[0039]
(Embodiment 4)
A fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In this embodiment, the capacitances of the capacitors C5 and C6 connected in series from the secondary windings N2 and N3 to the filaments F1 and F2 are changed. That is, the filament current flowing through the filaments F1 and F2 can be limited by the impedances 1 / ωC5 and 1 / ωC6 of the capacitors C5 and C6. Therefore, by setting the capacitance value of the capacitor C5 smaller than that of the capacitor C6, the filament current flowing through the filament F1 is reduced. Can be set smaller than the current flowing through the filament F2.
[0040]
(Embodiment 5)
FIG. 6 shows a fifth embodiment of the present invention. In this embodiment, a preheating circuit Y is provided as a circuit configuration different from that of the first embodiment. The preheating circuit Y is a circuit in which a capacitor C7, a preheating transformer T2, and a series circuit of the switching element Q3 are connected in parallel to both ends of the switching element Q2. Here, the switching element Q3 is connected to a timer switch terminal (pin 11) of the integrated circuit IC21 included in the inverter control circuit B via a resistor R3. The timer switch terminal (pin 11) of the integrated circuit IC21 is connected to the control power supply capacitor C33 via a resistor R1, and is also connected to the circuit ground via a resistor R2. The DC power supply E is input to the timer switch terminal (pin 11) of the integrated circuit IC21, and when the control power supply rises and the integrated circuit IC21 operates, a high signal is output. Therefore, a voltage obtained by dividing the control power supply voltage by the resistors R1 and R2 is applied to the gate of the switching element Q3. When the voltage exceeds the gate threshold voltage of the switching element Q3, the switching element Q3 turns on, and the inverter circuit A When the switching elements Q1 and Q2 are turned on / off at a high frequency, current flows alternately in the loop of the capacitor C7 of the preheating circuit Y, the preheating transformer T2, and the switching element Q3, and the voltage generated on the primary side of the preheating transformer T2. Is generated on the secondary side N22, N23, and a preheating current flows through the filaments F1, F2 via the capacitors C5, C6 at the time of preheating.
[0041]
Also, as shown in FIG. 7, the sequence operation of the timer switch terminal (pin 11) of the integrated circuit IC21 is as follows: at the time of preheating and at the time of starting, a High signal is output and a filament current flows through the filaments F1 and F2 of the discharge lamp La. However, during normal lighting, the switching element Q3 is turned off to output a Low signal, and no current flows through the loop of the capacitor C7 of the preheating circuit Y, the preheating transformer T2, and the switching element Q3, so that the filaments F1 and F2 of the discharge lamp La flow to the filaments F1 and F2. No filament current is supplied. By doing so, power is not consumed by the filaments F1 and F2 during normal lighting, so that the input power as the discharge lamp lighting device is reduced, and the light efficiency of the discharge lamp lighting device, that is, the luminous flux / input power, is improved. .
[0042]
Here, in order to make the filament on one side Emiless first as in the previous embodiment, it is only necessary to wind either the winding number N2 or N3 of the preheating transformer T2 more or change the winding direction of either. For example, in this embodiment, if the direction of the secondary winding N2 toward the filament F1 is made to overlap the direction of the lamp current, a large amount of lead wire current flows only at the time of starting. That is, the discharge lamp La is almost turned on at the moment when the discharge lamp lighting device is started at the time of starting after the preheating. Accordingly, since the discharge lamp La is lit at the start when the inverter control circuit B outputs the high frequency signal of the frequency fb, the lead wire current is applied to the filament currents (1) and (3) of the filaments F1 and F2. A composite current of the current flows. In other words, by winding the secondary winding N2 of the preheating transformer T2 in a direction to further increase the combined current of the lamp current and the filament current, damage to the filament F1 is increased in a short time at the time of starting, and the emitterless state is reduced. It is accelerated slightly more than the filament F2. This has also been confirmed by the experimental results of the present inventors (the lead wire current when the discharge lamp is FHT57 and the lamp is turned on in the process of starting is approximately 0.65 A for the filament F1 with respect to the specified value of 0.48 A. However, even in the case described above, the number of blinks of the discharge lamp sufficiently satisfies the life time of the discharge lamp, and the filament F1 is in the emiless state earlier than the filament F2. It was confirmed that the service life was reached in one side of Emiless state.
[0043]
With this configuration, the filament on one side can be shifted to the Emiless state earlier than the filament on the other side, and the discharge lamp lighting device can be stopped immediately without impairing the life of the discharge lamp beyond the rated life. it can. Also, unlike Embodiment 1 or the like, since the filament current does not flow during normal lighting, the circuit efficiency of the discharge lamp lighting device increases, and as a result, the light efficiency increases. In addition, there is an advantage that the degree of freedom in design can be increased by independently providing a preheating circuit.
[0044]
【The invention's effect】
According to the present invention, there is provided a discharge lamp lighting device configured to supply a high-frequency output of an inverter circuit whose oscillation frequency is variable according to each stage of preheating, starting, and lighting of the discharge lamp to the discharge lamp via a resonance circuit. In the preheating stage of the discharge lamp, the filament currents flowing through the pair of filaments of the discharge lamp are different, and the first filament current is substantially the minimum value within the allowable range of the filament current specified by the cathode preheating characteristics of the discharge lamp, and the second Since the filament current of the discharge lamp is set to approximately the maximum value, it is possible to always enter the one-sided Emiless state at the end of the life of the discharge lamp, which reduces the cost of the circuit and provides a complicated detection circuit. There is an unnecessary effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a characteristic diagram for explaining the operation of the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a waveform chart for explaining the operation of the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a sectional view showing a structure of a ballast choke used in Embodiment 2 of the present invention.
FIG. 5 is a circuit diagram showing a main part configuration of a third embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a circuit diagram according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a waveform chart for explaining the operation of the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a circuit diagram of a conventional example.
FIG. 9 is a frequency characteristic diagram for explaining the operation of the conventional resonance circuit.
FIG. 10 is a waveform chart for explaining the operation of the conventional example at the time of one-sided Emiless.
FIG. 11 is a waveform diagram for explaining the operation of the conventional example when both sides are emiless.
[Explanation of symbols]
E DC power supply
A Inverter circuit
B Inverter control circuit
X resonance circuit
Y1 preheating circuit
Y2 preheating circuit
20 Abnormality detection circuit
La discharge lamp
F1 filament
F2 filament