JP2004253562A - Electrochemical capacitor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気化学キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタは、分極性電極の電極電解質溶液界面に生ずる電気二重層に起因する容量を利用するものである。分極性電極は、一般に多孔質の炭素材料を構成材料として用いて形成されている。電気化学キャパシタの電極に形成される二重層界面の容量は他のキャパシタに比べ大きいことが特徴で、通常は1mF以上である。
【0003】
電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタは、容易に小型化、軽量化が可能であるため、例えば、携帯機器(小型電子機器)等の電源のバックアップ用電源、ハイブリッド車向けの補助電源として期待され、その性能向上のための様々な検討がなされている。
【0004】
上記の検討の一つとして、炭素材料(粉末活性炭、粒状活性炭又は活性炭素繊維)を主材料として形成された多孔性の分極性電極及び多孔性のセパレータの空隙容量に基づいて、これらを収容する外装容器(例えば、ステンレス鋼製の缶等)内に充填する電解質溶液の液量の好適な範囲(上記空隙容量の1.1〜1.6倍)を決定し、電解質溶液の液量が上記範囲になるように構成された電気二重層コンデンサ(電気二重層キャパシタ)が提案されている(例えば、下記特許文献1(実施例1)参照。)。なお、上記「空隙容積」は、本明細書において後述する(X+Y+Z)で表される値である。
【0005】
【特許文献1】
特許第3008399号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電気二重層キャパシタの更なる小型化及び軽量化を図るために上述の特許文献1に記載の外装容器(金属製容器)のような可とう性を有しない容器のかわりに、軽量であり薄膜化が容易な可とう性を有するフィルム(例えば、複合包装フィルム)を用いて形成したケースを使用する場合には以下の問題があることを本発明者らは見出した。
【0007】
即ち、可とう性を有するフィルムを用いて形成したケースを使用する場合、ケースに充填する電解質溶液の体積を、特許文献1に記載の範囲に調節しても、充分な充放電特性を確実に得ることができず、更には放電できない場合もあった。特に、充分な電気二重層界面を確保するために、可能な限り多量の電解質溶液を充填させることを意図して上記範囲のうちの1.4を超える範囲とした場合には、充放電特性がかえって低下する問題があった。
【0008】
更に、上述の電気二重層キャパシタにおける問題は、これと同様の構成を有する擬似容量キャパシタ等の他の電気化学キャパシタにおいても同様に発生していた。
【0009】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、小型化及び軽量化が容易な構成を有し、可とう性を有するフィルムを用いて形成したケースを使用する場合であっても、優れた充放電特性を確実に得ることのできる電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、可とう性を有するフィルムを用いて形成したケースを有する電気化学キャパシタの場合、以下の条件を満たす構成を有することが有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、 互いに対向する平板状の第1の電極及び平板状の第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に隣接して配置される平板状のセパレータと、電解質溶液と、第1の電極、第2の電極、セパレータ及び電解質溶液を密閉した状態で収容するフィルムから形成されたケースと、を有しており、第1の電極及び第2の電極はそれぞれ電子伝導性の多孔体を構成材料として含んでおり、セパレータは絶縁性の多孔体からなり、電解質溶液は、少なくともその一部が第1の電極及び第2の電極、及びセパレータの内部に含有されており、ケース内に充填される電解質溶液の25℃、1atmにおける体積Aと、第1の電極中の空隙体積Xと、第2の電極中の空隙体積Yと、セパレータ中の空隙体積Zとが、下記式(1)で表される条件を満たしていること、を特徴とする電気化学キャパシタを提供する。
1.0≦{A/(X+Y+Z)}≦1.4…(1)
【0012】
ここで、本発明の電気化学キャパシタにおいて、平板状の第1の電極と平板状の第2の電極との間に配置される平板状のセパレータは、その一方の面を第1の電極の第2の電極側の面(以下、「内面」という)に接触した状態で配置されており、かつ、他方の面を第2の電極の第1の電極側の面(以下、「内面」という)に接触した状態で配置されている。すなわち、本発明の電気化学キャパシタにおいては、セパレータは、第1の電極及び第2の電極に対して接触した状態で配置されているが、熱圧着等により接合された状態とはなっていない。
【0013】
セパレータを熱圧着等により第1の電極及び第2の電極に接合させると、1)両電極中の電気二重層形成に寄与する細孔或は空隙が潰される、2)セパレータ中の電気二重層形成に寄与する細孔も部分的に潰されるため、内部抵抗が大きくなる。特に、小型電子機器に搭載されるキャパシタ容量の小さな小型の電気化学キャパシタでは、内部抵抗(インピーダンス)の僅かの差が顕著に放電特性に影響する。内部抵抗が増大すると、オーム損(IR損)が大きくなり放電特性が低下する。特に大電流を放電させる場合にオーム損が大きくなり、放電が不可能になる場合がある。そのため、本発明の電気二重層キャパシタでは、セパレータが第1の電極及び第2の電極に対して上述のように接触した状態で配置された構成を採用する。
【0014】
また、上述のようにセパレータが第1の電極及び第2の電極に対して接触した状態で配置された構成を採用する場合、セパレータと第1の電極との接触状態、及び、セパレータと第2の電極との接触状態は、それぞれ接触抵抗が最小値となるように調節されることが必要となる。セパレータと第1の電極との接触状態及びセパレータと第2の電極との接触状態が不十分であると、電気二重層キャパシタの内部抵抗が増大して放電特性が低下する。
【0015】
しかし、本発明の電気二重層キャパシタのように、可とう性を有する複合包装フィルムを用いて形成したケースを採用する場合、第1の電極、セパレータ及び第2の電極からなる積層体に所定の圧力をかけること等により、製造時においてセパレータと第1の電極との接触状態、及び、セパレータと第2の電極との接触状態をそれぞれ接触抵抗が最小値となるように調節しても、ケース内に充填される電解質溶液の体積が所定の量よりも多くなると、その後の使用中(又は保存中)において可とう性を有するフィルムから形成されたケースが内圧により変形し、セパレータと第1の電極との接触状態、及び、セパレータと第2の電極との接触状態が不良となることを本発明者らは検討の結果見出した。ケースが内圧により変形して上記の接触状態が不良となると、セパレータと第1の電極との間、及び、セパレータと第2の電極との間に、電解質溶液の液膜が形成され、内部抵抗が増大すると考えられる。
【0016】
更に、セパレータと第1の電極との接触状態、及び、セパレータと第2の電極との接触状態が良好に保たれており、上記のような接触不良による内部抵抗の増大がほとんど起きない場合であっても、可とう性を有するフィルムから形成されたケースの形状は製造時とその後の使用中(又は保存中)において変形するため、ケースの内部空間のうち、第1の電極、セパレータ及び第2の電極からなる積層体(以下、必要に応じて「素体」という)が占める領域と、積層体が占めている領域以外の領域との間で、電解質溶液の移動が生じ、素体内部における電解質溶液の保持量が製造時とその後の使用中(又は保存中)とで変化する。
【0017】
すなわち、可とう性を有するフィルムから形成されたケースを備える電気化学キャパシタでは、製造時とその後の使用中(又は保存中)とで、素体中の電気二重層を形成可能な領域が変化する。そのため、可能な限り高い充放電特性を得るためには、上記の素体内部における電解質溶液の保持量の変化を考慮してケース内に充填する電解質溶液の体積を決定しなければならない、ということを本発明者らは見出した。
【0018】
そして、本発明者らはケース内に充填可能な電解質溶液の体積の範囲(特に最大値)は、先に述べた特許文献1に記載の外装容器(金属製容器)のような可とう性を有しない容器を用いるタイプの電気化学キャパシタにおいて採用されている数値範囲からは容易に予測することの困難な範囲{上述の(1)で表される範囲}となることを見出した。
【0019】
これに対して、先に述べた特許文献1に記載の外装容器(金属製容器)のような可とう性を有しない容器を用いるタイプの電気化学キャパシタ(例えば、ボタン型の電気二重層キャパシタ)では容器の変形(可とう性に起因する変形)が無いため、製造時に設定されるセパレータと第1の電極との接触状態、及び、セパレータと第2の電極との接触状態がその後の使用中(又は保存中)においても保持される。そのため、本発明の電気二重層キャパシタに特有の構成条件は採用する必要はない。
【0020】
また、いわゆる巻回型の電気二重層キャパシタ(第1の電極、セパレータ及び第2の電極をこの順で順次積層した構成を少なくとも有する積層体を巻回するタイプのもの)の場合にも、製造時の巻回の作業により第1の電極、セパレータ及び第2の電極からなる積層体に最適の圧力がかかり、製造時に設定されるセパレータと第1の電極との接触状態、及び、セパレータと第2の電極との接触状態がその後の使用中(又は保存中)においても保持される。そのため、本発明の電気二重層キャパシタに特有の構成条件は採用する必要はない。
【0021】
ここで、本発明において、{A/(X+Y+Z)}の値が1.4を超える範囲で電解質溶液をケース内に充填すると、電気二重層キャパシタの内部抵抗(特に電極とセパレータ界面の内部抵抗)が増大して充分な充放電特性を得ることができなくなる。また、{A/(X+Y+Z)}の値が1.0未満となる範囲で電解質溶液をケース内に充填すると、各電極中の細孔内に電解質溶液が充分に行き渡らず、充分な大きさの電気二重層界面を形成できず電極の電気伝導度が低下する。その結果、内部抵抗が増大し、充分な充放電特性を得ることができなくなる。以上の観点から、本発明において{A/(X+Y+Z)}の値は1.0〜1.4であり、好ましくは1.05〜1.35である。
【0022】
従って、以上の構成条件を満たす本発明の電気化学キャパシタは、小型化及び軽量化が容易な構成を有し、可とう性を有するフィルム(例えば、複合包装フィルム)を用いて形成したケースを使用する場合であっても、優れた充放電特性を確実に得ることができる。特に、本発明によれば、厚さの薄いフィルム状の電気化学キャパシタ(例えば、厚さが300〜500μmの電気化学キャパシタ)を提供することができる。
【0023】
また、本発明の電気化学キャパシタは、軽量であり薄膜化が容易な可とう性を有するフィルムを用いて形成されたケースを備えているため、電気化学キャパシタ自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、電気化学キャパシタの設置されるべき設置空間の単位体積当たりのエネルギー密度(以下、「設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度」という)も容易に向上させることができる。
【0024】
なお、電気化学キャパシタの「体積エネルギー密度」とは、本来、電気化学キャパシタの容器を含む全体積に対する全出力エネルギーの割合で定義されるものである。これに対して、「設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度」とは、電気化学キャパシタの最大縦、最大横、最大厚さに基づいて求められる見かけ上の体積に対する電気化学キャパシタの全出力エネルギーの割合を意味する。実際に、電気化学キャパシタを小型電子機器に搭載する場合、上述した本来の体積エネルギー密度の向上とともに、設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度を向上させることが、小型電子機器内の限られたスペースをデッドスペースを充分に低減した状態で有効利用する観点から重要となる。
【0025】
ここで、本発明において、「フィルム」とは、可とう性を有するフィルムを示す。また、「空隙体積X」及び「空隙体積Y」とは、それぞれの電極中の全細孔容積を示す値であるが、電極中に、電極の構成材料となる粒子間に形成される空隙又は電極の構成材料の微細なクラックが存在する場合には、この空隙の体積及びクラックの体積も加えて算出される値である。更に、「空隙体積Z」とは、セパレータ中の全細孔容積を示すが、セパレータ中に、セパレータの構成材料となる粒子間に形成される空隙又はセパレータの構成材料の微細なクラックが存在する場合には、この空隙の体積及びクラックも加えて算出される値である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明による電気化学キャパシタを電気二重層キャパシタに適用した場合について、その好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0027】
図1は本発明の電気化学キャパシタの好適な一実施形態を示す正面図である。また、図2は図1に示す電気化学キャパシタの内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。更に、図3は図1に示す電気化学キャパシタを図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。また、図4は図1に示す電気化学キャパシタを図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【0028】
図1〜図5に示すように、電気二重層キャパシタ1は、主として、互いに対向する平板状のアノード10(第1の電極)及び平板状のカソード20(第2の電極)と、アノード10とカソード20との間に隣接して配置される平板状のセパレータ40と、電解質溶液30と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、アノード10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるアノード用リード12と、カソード20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるカソード用リード22とから構成されている。ここで、「アノード」10及び「カソード」20は説明の便宜上、電気化学キャパシタ1の放電時の極性を基準に決定したものである。
【0029】
そして、電気化学キャパシタ1は、先に述べた本発明の目的を達成するために、以下に説明する構成を有している。
【0030】
以下に図1〜図9に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細を説明する。
【0031】
ケース50は、先に述べたように、互いに対向する第1のフィルム51及び第2のフィルム52とを有している。ここで、図2に示すように、本実施形態における第1のフィルム51及び第2のフィルム52は連結されている。すなわち、本実施形態におけるケース50は、一枚の複合包装フィルムからなる矩形状のフィルムを、図2に示す折り曲げ線X3−X3において折り曲げ、矩形状のフィルムの対向する1組の縁部同士(図中の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルムの縁部52B)を重ね合せて接着剤を用いるか又はヒートシールを行うことにより形成されている。
【0032】
そして、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は、1枚の矩形状のフィルムを上述のように折り曲げた際にできる互いに対向する面(F51及びF52)を有する該フィルムの部分をそれぞれ示す。ここで、本明細書において、接合された後の第1のフィルム51及び第2のフィルム52のそれぞれの縁部を「シール部」という。
【0033】
これにより、折り曲げ線X3−X3の部分に第1のフィルム51と第2のフィルム52とを接合させるためのシール部を設ける必要がなくなるため、ケース50におけるシール部をより低減することができる。その結果、電気化学キャパシタ1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度をより向上させることができる。
【0034】
そして、本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、アノード10に接続されたアノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれの一端が上述の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルムの縁部52Bシール部とを接合したシール部から外部に突出するように配置されている。
【0035】
また、第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは先に述べたように、可とう性を有するフィルムである。フィルムは軽量であり薄膜化が容易なため、電気化学キャパシタ自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、電気化学キャパシタの設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度も容易に向上させることができる。
【0036】
このフィルムは可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの十分な機械的強度と軽量性を確保しつつ、ケース外部からケース内部への水分や空気の侵入及びケース内部からケース外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層と、最内部の層の上方に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
【0037】
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムとしては、例えば、図6及び図7に示す構成の複合包装フィルムが挙げられる。図6示す複合包装フィルム53は、その内面F50aにおいて電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層50aと、最内部の層50aのもう一方の面(外側の面)上に配置される金属層50cと有する。また、図7示す複合包装フィルム54は、図6示す複合包装フィルム53の金属層50cの外側の面に更に合成樹脂製の最外部の層50bが配置された構成を有する。
【0038】
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムは、上述の最内部の層をはじめとする1以上の合成樹脂の層、金属箔などの金属層を備えた2以上の層を有する複合包装材であれば特に限定されないが、上記と同様の効果をより確実に得る観点から、図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層と、最内部の層から最も遠いケース50の外表面の側に配置される合成樹脂製の最外部の層と、最内部の層と最外部の層との間に配置される少なくとも1つの金属層とを有する3層以上の層から構成されていることがより好ましい。
【0039】
最内部の層は可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、かつ、使用される電解質溶液に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している合成樹脂であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び電解質溶液の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、エンジニアリングプラスチック、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0040】
なお、「エンジニアリングプラスチック」とは、機械部品、電気部品、住宅用材等で使用されるような優れた力学特性と耐熱、耐久性を有しているプラスチックを示し、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシテトラメチレンオキシテレフタロイル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。
【0041】
また、上述した図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50a以外に、最外部の層50b等のような合成樹脂製の層を更に設ける場合、この合成樹脂製の層も、上記最内部の層と同様の構成材料を使用してよい。更に、この合成樹脂製の層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)等のエンジニアリングプラスチックからなる層を使用してもよい。
【0042】
また、ケース50における全てのシール部のシール方法は、特に限定されないが、生産性の観点から、ヒートシール法であることが好ましい。
【0043】
金属層としては、酸素、水(空気中の水分)及び電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、クロム等からなる金属箔を使用してもよい。
【0044】
次に、アノード10及びカソード20について説明する。図8は図1に示す電気化学キャパシタのアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。また、図9は、図1に示す電気化学キャパシタのカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【0045】
図8に示すようにアノード10は、集電体16と、該集電体16上に形成された電子伝導性の多孔体からなる多孔体層18とからなる。また、図9に示すようにカソード20は、集電体26と、該集電体26上に形成された電子伝導性の多孔体からなる多孔体層28とからなる。
【0046】
集電体16及び集電体26は、多孔体層18及び多孔体層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている集電体を使用することができる。例えば、集電体16及び集電体26としては、アルミニウムなどの金属箔等が挙げられる。
【0047】
多孔体層18及び多孔体層28の構成材料としては、特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている炭素電極等の分極性電極を構成する多孔体層に使用されているものと同様の材料を使用することができる。例えば、原料炭(例えは、石油系重質油の流動接触分解装置のボトム油や減圧蒸留装置の残さ油を原料油とするディレードコーカーより製造された石油コークス等)を賦活処理することにより得られる炭素材料(例えば、活性炭)を構成材料の主成分としているものを使用することができる。その他の条件(バインダー等の炭素材料以外の構成材料の種類とその含有量)は特に限定されるものではない。例えば、炭素粉末に導電性を付与するための導電性補助剤(カーボンブラック等)と、例えばバインダー(ポリテトラフルオロエチレン,以下、PTFEという)とが添加されていてもよい。
【0048】
ただし、電解質溶液との接触界面を充分に確保する観点から、多孔体層18の空隙体積(アノード10中の空隙体積)Xは、60〜80μLであることが好ましく、65〜75μLであることがより好ましい。また、多孔体層28の空隙体積(カソード20中の空隙体積)Yは、60〜80μLであることが好ましく、65〜75μLであることがより好ましい。なお、空隙体積X及び空隙体積Yはエタノール含浸法により求めることができる。
【0049】
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、絶縁性の多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられているセパレータを使用することができる。例えば、絶縁性の多孔体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
【0050】
ただし、電解質溶液との接触界面を充分に確保する観点から、多孔体層18の空隙体積Zは、多孔体層体積100μLの時に50〜75μLであることが好ましく、60〜70μLであることがより好ましい。なお、空隙体積Zを求める方法は特に限定されず、公知の方法により求めることができる。
【0051】
また、カソード20の集電体28は、例えばアルミニウムからなるカソード用リード22の一端に電気的に接続され、カソード用リード22の他端はケース50の外部に延びている。一方、アノード10の集電体18も、例えば銅又はニッケルからなるアノード用リード導体12の一端に電気的に接続され、アノード用リード導体12の他端は封入袋14の外部に延びている。
【0052】
電解質溶液30はケース50の内部空間に充填され、その一部は、アノード10及びカソード20、及びセパレータ40の内部に含有されている。そして、ケース50の内部空間に充填される電解質溶液30の量は、先に述べた本発明の効果を得るために、以下の条件を満たすように調節されている。
【0053】
すなわち、ケース50内に充填される電解質溶液30の25℃、1atmにおける体積A[μL]と、アノード10中の空隙体積X[μL]と、カソード20中の空隙体積Y[μL]と、セパレータ40中の空隙体積Z[μL]とが、下記式(1)で表される条件を満たしている。
【0054】
1.0≦{A/(X+Y+Z)}≦1.4…(1)
【0055】
これにより、可とう性を有するフィルム(例えば、複合包装フィルム)を用いて形成したケースを使用する場合であっても、優れた充放電特性を確実に得ることのできる電気化学キャパシタを構成することができる。
【0056】
この電解質溶液30は、特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、キャパシタの耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
【0057】
更に、電解質溶液30の種類は特に限定されないが、一般的には溶質の溶解度、解離度、液の粘性を考慮して選択され、高導電率でかつ高電位窓(分解開始電圧が高い)の電解質溶液であることが望ましい。例えば、代表的な例としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネイト、ジエチレンカーボネイト、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解したものが使用される。なお、この場合、混入水分を厳重に管理する必要がある。
【0058】
更に、図1及び図2に示すように、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルムの縁部52Bからなる封入袋のシール部に接触するアノード用リード12の部分の部分には、アノード用リード12と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆されている。更に、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルムの縁部52Bからなる封入袋のシール部に接触するカソード用リード22の部分には、カソード用リード22と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。
【0059】
これら絶縁体14及び絶縁体24の構成は特に限定されないが、例えば、それぞれ合成樹脂から形成されていてもよい。なお、アノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれに対する複合包装フィルム中の金属層の接触が充分に防止可能であれば、これら絶縁体14及び絶縁体24は配置しない構成としてもよい。
【0060】
また、携帯用の小型電子機器内の限られた狭い設置スペースにも設置可能とする観点から、電気二重層キャパシタ1は、その厚さ(電気二重層キャパシタ1全体の厚さ)が0.2〜2.0mmであることが好ましく、0.2〜1.0mmであることがより好ましい。
【0061】
更に、携帯用の小型電子機器内の限られた狭い設置スペースにも設置可能とする観点から、アノード10、セパレータ40及びカソード20からなる積層体(第1の電極、セパレータ及び第2の電極からなる積層体)の厚さ(素体60の厚さ)が、0.1〜0.4mmであることが好ましく、0.1〜0.3mmであることがより好ましい。
【0062】
電気二重層キャパシタ1は、キャパシタ容量が1×10−3〜1Fであることが好ましく、0.01〜0.10Fであることがより好ましい。これにより、フィルム状でありながら容量の大きい電気二重層キャパシタが得られる。これらは薄い特性を活かし、ICカード、ICタグ等への利用も可能となる。また、玩具等への用途や携帯機器への用途も拡大する。
【0063】
つぎに、上述したケース50及び電気二重層キャパシタ1の作製方法について説明する。
【0064】
素体60(アノード10、セパレータ40及びカソード20がこの順で順次積層された積層体)の製造方法は、特に限定されず、公知の電気化学キャパシタの製造に採用されている公知の薄膜製造技術を用いることができる。
【0065】
アノード10及びカソード20となる電極が炭素電極の場合、例えば、公知の方法により賦活処理済みの活性炭等の炭素材料を用いてシート状の電極を作製することができる。この場合、例えば、炭素材料を5〜100μm程度に粉砕し粒度を整えた後、例えば炭素粉末に導電性を付与するための導電性補助剤(カーボンブラック等)と、例えば結着剤(ポリテトラフルオロエチレン,以下、PTFEという)とを添加して混練し、混練物を圧延伸してシート状に成形して製造する。
【0066】
ここで、上記の導電性補助剤としては、カーボンブラックの他、粉末グラファイトなどを用いることができ、また、結着剤としては、PTFEの他、PVDF、PE、PP、フッ素ゴムなどを使用することができる。
【0067】
また、炭素電極を形成するには、炭素材料を粉砕した微粒子とカーボンブラックとが均等に分布し、ほぼ同一強度でPTFE繊維でからめられる必要があり、混練を充分に行い、一般に繰り返し圧延伸を縦横に行うことが必要である。
【0068】
次に、アノード10及びカソード20のそれぞれに対して、アノード用リード導体12及びカソード用リード22をそれぞれ電気的に接続する。セパレータ40をアノード10とカソード20との間に接触した状態(非接着状態)で配置し、素体60を完成する。
【0069】
次に、ケース50の作製方法の一例について説明する。まず、第1のフィルム及び第2のフィルムを先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネ−ション法、ウエットラミネ−ション法、ホットメルトラミネ−ション法、エクストル−ジョンラミネ−ション法等の既知の製造法を用いて作製する。
【0070】
例えば、複合包装フィルムを構成する合成樹脂製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
【0071】
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、合成樹脂製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
【0072】
次に、先に図2を参照して説明したように、1枚のフィルムを折り曲げて、第1のフィルム51のシール部51B(縁部51B)と第2のフィルムのシール部52B(縁部52B)を、例えば、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシールする。このとき、素体60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部のヒートシールを行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
【0073】
そして、開口部を有した状態のケース50の内部に、アノード用リード導体12及びカソード用リード22が電気的に接続された素体60を挿入する。そして、電解質溶液30を注入する。続いて、アノード用リード12、カソード用リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、シール機を用いて、ケース50の開口部をシールする。このようにしてケース50及び電気二重層キャパシタ1の作製が完了する。
【0074】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の説明においては、主として、本発明を電気二重層キャパシタに適用した場合に好適な構成について説明したが、本発明の電気化学キャパシタは電気二重層キャパシタに限定されるものではなく、例えば、シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ等の、互いに対向する平板状の第1の電極及び平板状の第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に隣接して配置される平板状のセパレータと、電解質溶液とを有し、これらが可とう性を有するィルムから形成されたケース内に収容される構成の電気二重層キャパシタに適用可能である。
【0075】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の電気化学キャパシタの内容をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0076】
(実施例1)
以下の手順により、図1に示した電気化学キャパシタと同様の構成を有する電気化学キャパシタを作製した。
【0077】
(1)電極の作製
アノード(分極性電極)及びカソード(分極性電極)は以下の手順により作製した。先ず、賦活処理を施した活性炭素材料(比表面積:2000m2/g、クラレケミカル社製、商品名:「BP−20」)と、バインダー{フッ素ゴム、デュポン社製、商品名:「Viton−GF」}と、導電助剤(アセチレンブラック、電気化学工業社製、商品名:「DENKABLACK」)とを、これらの質量比が炭素材料:バインダー:導電助剤=80:10:10となるように配合し、これを溶媒であるNMP(N−メチルピロリドン)中に投入して混練することにより、電極形成用の塗布液(以下、「塗布液L1」という)を調製した。
【0078】
次に、この塗布液L1をアルミニウム箔からなる集電体(厚さ:50μm)の一方の面上に均一に塗布した。その後、乾燥処理により、塗膜からNMPを除去し、更に圧延ロールを用いて集電体と乾燥後の塗膜とからなる積層体をプレスし、アルミニウム箔からなる集電体(厚さ:50μm)の一方の面上に電子伝導性の多孔体層(厚さ:37μm)が形成された電極(以下、「電極E1」という)を作製した。次に、この電極E1を矩形(大きさ:8mm×8mm)状を呈するように切断し、更に、150℃〜175℃の温度で真空乾燥を12時間以上行うことにより、電子伝導性の多孔体層の表面に吸着した水分を除去し、実施例1の電気化学キャパシタに搭載するアノード及びカソードを作製した。
【0079】
(2)電気化学キャパシタの作製
先ず、作製したアノード及びカソードの電子伝導性の多孔体層(厚さ:37μm)の形成されていない側の集電体の面の外縁部にアルミニウム箔からなるリード部(幅2mm、長さ10mm)を配設した。次に、アノード及びカソードを互いに対向させ、その間に再生セルロース不織布からなるセパレータ(8.5mm×8.5mm、厚さ:0.05mm、ニッポン高度紙工業製、商品名:「TF4050」)を配置し、アノード、セパレータ及びカソードがこの順で接触した状態(非接合の状態)で積層された積層体(素体)を形成した。
【0080】
次に、タブ部にシーラント材を熱圧着した。次に、上記積層体(素体)を可とう性を有する複合包装フィルムから形成されたケース中へ入れ、タブ部同士をヒートシールした。可とう性を有する複合包装フィルムとしては、電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層(変性ポリプロピレンからなる層)、アルミニウム箔からなる金属層、ポリアミドからなる層がこの順で順次積層された積層体を使用した。そして、この複合包装フィルムを2枚重ね合せてその縁部をヒートシールして作製した。
【0081】
上記ケース内へ電解質溶液(1.2mol/Lの四フッ化トリエチルメチルアンモニウム塩のプロピレンカーボネート溶液)を注入した後、真空シールすることにより電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)の作製を完了した。このとき、{A/(X+Y+Z)}=1.30となるように、ケース中に注入する電解質溶液の体積A[μL]を調節した。
【0082】
(比較例1)
{A/(X+Y+Z)}=1.43となるように、ケース中に注入する電解質溶液の体積A[μL]を調節したこと以外は、実施例1の電気化学キャパシタと同様の手順及び条件により電気化学キャパシタを作製した。
【0083】
(比較例2)
{A/(X+Y+Z)}=0.95となるように、ケース中に注入する電解質溶液の体積A[μL]を調節したこと以外は、実施例1の電気化学キャパシタと同様の手順及び条件により電気化学キャパシタを作製した。
【0084】
(実施例2)
集電体の一方の面上に形成される電子伝導性の多孔体層の厚さを120μmとしたこと以外は実施例1と同様の手順及び条件でアルミニウム箔からなる集電体の一方の面上に電子伝導性の多孔体層(厚さ:120μm)が形成された電極(以下、「電極E2」という)を作製した。
【0085】
次に、この電極E2を矩形(大きさ:16mm×18mm)状を呈するように切断したこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で実施例2の電気化学キャパシタに搭載するアノード及びカソードを作製した。
【0086】
次に、作製したアノード及びカソードの電子伝導性の多孔体層(厚さ:0.120mm)の形成されていない側の集電体の面の外縁部にアルミニウム箔からなるタブ部(幅3mm、長さ3mm)を配設した。なお、このタブ部は、リードを接合するための接合部となるものである。
【0087】
次に、タブ部にリードとなるアルミニウムリボン(幅3mm×長さ20mm×厚み0.1mm)を超音波溶接した。次に、アノード及びカソードを互いに対向させ、その間に再生セルロース不織布からなるセパレータ(16.5mm×18.5mm、厚さ:0.05mm、ニッポン高度紙工業製、商品名:「TF4050」)を配置し、アノード、セパレータ及びカソードがこの順で接触した状態(非接合の状態)で積層された積層体(素体)を形成した。次に、リード部にシーラント材を熱圧着させた後、上記積層体(素体)を実施例1で使用したものと同様の複合包装フィルムから形成されたケース中へ入れ、リード部をヒートシールした。
【0088】
次に、上記ケース内へ電解質溶液(1.2mol/Lの四フッ化トリエチルメチルアンモニウム塩のプロピレンカーボネート溶液)を注入した後、真空シールすることにより電気化学キャパシタ(電気二重層キャパシタ)の作製を完了した。このとき、{A/(X+Y+Z)}=1.23となるように、ケース中に注入する電解質溶液の体積A[μL]を調節した。
【0089】
(比較例3)
{A/(X+Y+Z)}=1.44となるように、ケース中に注入する電解質溶液の体積A[μL]を調節したこと以外は、実施例2の電気化学キャパシタと同様の手順及び条件により電気化学キャパシタを作製した。
【0090】
(比較例4)
{A/(X+Y+Z)}=0.89となるように、ケース中に注入する電解質溶液の体積A[μL]を調節したこと以外は、実施例2の電気化学キャパシタと同様の手順及び条件により電気化学キャパシタを作製した。
【0091】
[電気二重層キャパシタの特性評価試験]
実施例1及び実施例2並びに比較例1〜比較例5の各電気二重層キャパシタについて以下の諸特性を測定した。
【0092】
充放電の測定は、充放電試験装置(北斗電工(株)製、HJ−101SM6)を使用した。先ず、0.5Cの低電流充電を行い、電気二重層キャパシタに電荷が蓄積していくに従って電圧が上昇するのをモニタし、電位が2.5Vに達したのち、定電圧充電(緩和充電)に移行し、電流が充電電流の1/10になった時に充電を終了させた。なお、このときのトータルの充電時間(つまり、充電時間+緩和充電時間)は、セルの静電容量に依存する。そして、放電も0.5Cの定電流放電を行い終止電圧を0Vとした。この試験後、1Cの電流で充電を行い、電位が2.5Vに達した後、定電圧充電に移行し、電流が充電電流の1/10になったときに充電を終了させた。そして、放電も1Cの定電流放電を行い終止電圧を0Vとした。再び充電を開始させ、これを10回繰り返した。
【0093】
キャパシタ容量(電気化学キャパシタのセルの静電容量)は次のようにして求めた。すなわち、放電曲線(放電電圧−放電時間)から放電エネルギー(放電電圧×電流(=10mA)の時間積分として合計放電エネルギー[W・s]を求め、キャパシタ容量[F]=2×合計放電エネルギー[W・s]/(放電開始電圧[V])2の関係式を用いて評価セルのキャパシタ容量[F]を求めた。
【0094】
体積エネルギー密度は次のようにして求めた。すなわち、エネルギー密度は、上記の合計放電エネルギー[W・s]を、上述の容器の体積で除した値を、この特性評価試験における「体積エネルギー密度」[Wh・L−1])とした。
【0095】
「レート特性」(C2/C1)は以下の定義に基づいて算出した。すなわち、「C1」ととは、キャパシタ容量がαFである電気化学キャパシタを、放電電流値:α×10−3Aで放電させた場合の静電容量を示す。また、「C2」とは、上記C1を測定した同一の電気化学キャパシタ(キャパシタ容量がαFである電気化学キャパシタ)を、放電電流値:100×α×10−3Aで放電させた場合の静電容量を示す。そして、「レート特性」は、上記C2をC1で除した値(C2/C1)を示す。この「レート特性」の値が大きな電気化学キャパシタは、優れた充放電特性を有していると評価することができる。例えば、実施例1の電気化学キャパシタでは、α=0.054Fであるので、C1は54μAの電流値で放電した際に測定される静電容量となり、C2は5.4mAの電流値で放電した際に測定される静電容量となる。
【0096】
表1に、実施例1及び実施例2並びに比較例1〜比較例4の各電気化学キャパシタの体積エネルギー密度、キャパシタ容量(電気化学キャパシタのセルの静電容量)と、レート特性とを示す。
【0097】
【表1】
【0098】
本測定結果から実施例1、実施例2の結果は、各比較例に比し優れたレート特性を示すことが確認された。
【0099】
また、実施例1及び実施例2並びに比較例1〜比較例4の各電気化学キャパシタのX及びYの値は、エタノール含浸法により求めた。更に、実施例1及び実施例2並びに比較例1〜比較例4の各電気化学キャパシタの各セパレータにはZの値が既知のものを用いた。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型化及び軽量化が容易な構成を有し、可とう性を有するフィルム(例えば、複合包装フィルム)を用いて形成したケースを使用する場合であっても、優れた充放電特性を確実に得ることのできる電気化学キャパシタを提供することができる。特に、本発明によれば、厚さの薄いフィルム状の電気化学キャパシタ(例えば、厚さが300〜500μmの電気化学キャパシタ)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学キャパシタの好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す電気化学キャパシタの内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。
【図3】図1に示す電気化学キャパシタを図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。
【図4】図1に示す電気化学キャパシタを図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【図5】図1に示す電気化学キャパシタを図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【図6】図1に示す電気化学キャパシタのケースの構成材料となるフィルムの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図7】図1に示す電気化学キャパシタのケースの構成材料となるフィルムの基本構成の別の一例を示す模式断面図である。
【図8】図1に示す電気化学キャパシタのアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図9】図1に示す電気化学キャパシタのカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…電気化学キャパシタ、10…アノード、12…アノード用リード線、14…絶縁体、20…カソード、22…カソード用リード線、24…絶縁体、30…電解質溶液、40…セパレータ、50…ケース、60…素体。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrochemical capacitor.
[0002]
[Prior art]
Electrochemical capacitors such as an electric double layer capacitor utilize capacitance caused by an electric double layer generated at an interface between an electrode electrolyte solution of a polarizable electrode. The polarizable electrode is generally formed using a porous carbon material as a constituent material. The capacitance of the double layer interface formed on the electrode of the electrochemical capacitor is characterized by being larger than other capacitors, and is usually 1 mF or more.
[0003]
Electrochemical capacitors such as electric double-layer capacitors can be easily reduced in size and weight. For example, they can be used as backup power supplies for portable equipment (small electronic equipment) and auxiliary power supplies for hybrid vehicles. It is expected, and various studies are being made to improve its performance.
[0004]
As one of the above studies, based on the void capacity of a porous polarizable electrode and a porous separator formed mainly of a carbon material (powder activated carbon, granular activated carbon or activated carbon fiber), these are accommodated. A suitable range (1.1 to 1.6 times the void volume) of the electrolyte solution to be filled in the outer container (for example, a stainless steel can) is determined. An electric double layer capacitor (electric double layer capacitor) configured to fall within the range has been proposed (for example, see Patent Document 1 (Example 1) below). The “void volume” is a value represented by (X + Y + Z) described later in this specification.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 308399
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in order to further reduce the size and weight of the electric double-layer capacitor, instead of an outer container (metal container) described in
[0007]
That is, when using a case formed using a flexible film, even if the volume of the electrolyte solution filled in the case is adjusted to the range described in
[0008]
Further, the above-described problem in the electric double layer capacitor has similarly occurred in other electrochemical capacitors such as a pseudo capacitance capacitor having a similar configuration.
[0009]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the related art, and has a configuration in which a size and a weight can be easily reduced, and a case where a case formed using a flexible film is used. It is another object of the present invention to provide an electrochemical capacitor capable of reliably obtaining excellent charge / discharge characteristics.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have intensively studied to achieve the above object, and as a result, in the case of an electrochemical capacitor having a case formed using a flexible film, it is effective to have a configuration satisfying the following conditions. And arrived at the present invention.
[0011]
That is, the present invention provides a flat plate-shaped first electrode and a flat plate-shaped second electrode facing each other, and a flat plate-shaped separator disposed adjacent to between the first electrode and the second electrode. , An electrolyte solution, a first electrode, a second electrode, a separator and a case formed from a film accommodating the electrolyte solution in a sealed state, and the first electrode and the second electrode are Each contains an electron conductive porous body as a constituent material, the separator is made of an insulating porous body, and at least a part of the electrolyte solution is contained inside the first electrode and the second electrode, and inside the separator. The volume A of the electrolyte solution filled in the case at 25 ° C. and 1 atm, the void volume X in the first electrode, the void volume Y in the second electrode, and the void volume Z in the separator Is represented by the following equation (1). Which satisfies the following conditions:
1.0 ≦ {A / (X + Y + Z)} ≦ 1.4 (1)
[0012]
Here, in the electrochemical capacitor of the present invention, the plate-shaped separator disposed between the plate-shaped first electrode and the plate-shaped second electrode has one surface thereof connected to the first electrode of the first electrode. 2 is disposed in contact with a surface on the electrode side (hereinafter, referred to as “inner surface”), and the other surface is a surface of the second electrode on the first electrode side (hereinafter, referred to as “inner surface”). Are arranged in contact with That is, in the electrochemical capacitor of the present invention, the separator is arranged in a state of being in contact with the first electrode and the second electrode, but is not joined by thermocompression bonding or the like.
[0013]
When the separator is bonded to the first electrode and the second electrode by thermocompression bonding or the like, 1) pores or voids contributing to the formation of the electric double layer in both electrodes are crushed. 2) The electric double layer in the separator. Since the pores contributing to the formation are partially crushed, the internal resistance increases. In particular, in a small electrochemical capacitor having a small capacitance and mounted on a small electronic device, a slight difference in internal resistance (impedance) significantly affects discharge characteristics. When the internal resistance increases, the ohmic loss (IR loss) increases and the discharge characteristics deteriorate. In particular, when a large current is discharged, the ohmic loss increases, and the discharge may not be possible. Therefore, the electric double layer capacitor of the present invention employs a configuration in which the separator is disposed in a state of being in contact with the first electrode and the second electrode as described above.
[0014]
Further, as described above, when the configuration in which the separator is disposed in contact with the first electrode and the second electrode is adopted, the contact state between the separator and the first electrode, and the separator and the second It is necessary to adjust the contact state with the electrodes so that the contact resistance becomes the minimum value. If the state of contact between the separator and the first electrode and the state of contact between the separator and the second electrode are insufficient, the internal resistance of the electric double layer capacitor increases and the discharge characteristics deteriorate.
[0015]
However, when a case formed by using a flexible composite packaging film, such as the electric double layer capacitor of the present invention, is employed, a predetermined structure is formed on the laminate including the first electrode, the separator, and the second electrode. Even if pressure is applied, the contact state between the separator and the first electrode at the time of manufacture, and the contact state between the separator and the second electrode are adjusted such that the contact resistance becomes the minimum value, the case is not considered. When the volume of the electrolyte solution filled in the inside becomes larger than a predetermined amount, the case formed of the flexible film during subsequent use (or storage) is deformed by the internal pressure, and the separator and the first The present inventors have found that the state of contact with the electrode and the state of contact between the separator and the second electrode are poor. When the case is deformed by the internal pressure and the above-mentioned contact state becomes poor, a liquid film of an electrolyte solution is formed between the separator and the first electrode and between the separator and the second electrode, and the internal resistance is reduced. Is thought to increase.
[0016]
Furthermore, the contact state between the separator and the first electrode, and the contact state between the separator and the second electrode are kept good, and the increase in the internal resistance due to the above-mentioned poor contact hardly occurs. Even so, the shape of the case formed from the flexible film is deformed during manufacturing and during use (or storage) thereafter, so that the first electrode, the separator, and the first The electrolyte solution moves between a region occupied by the laminate composed of the two electrodes (hereinafter, referred to as a “primary body” as necessary) and a region other than the region occupied by the laminate, and the inside of the primary body Varies between the time of manufacture and during use (or storage) thereafter.
[0017]
That is, in the electrochemical capacitor including the case formed of the flexible film, the region where the electric double layer can be formed in the element body changes during manufacturing and during use (or storage) thereafter. . Therefore, in order to obtain the highest possible charge / discharge characteristics, the volume of the electrolyte solution to be filled in the case must be determined in consideration of the change in the amount of the electrolyte solution held inside the element body. The present inventors have found.
[0018]
The present inventors have determined that the volume range (particularly the maximum value) of the electrolyte solution that can be filled in the case is as flexible as the outer container (metal container) described in
[0019]
On the other hand, an electrochemical capacitor of a type using a container having no flexibility such as the outer container (metal container) described in
[0020]
Also, in the case of a so-called wound electric double layer capacitor (a type in which a laminate having at least a structure in which a first electrode, a separator, and a second electrode are sequentially laminated in this order) is manufactured. During the winding operation, an optimal pressure is applied to the first electrode, the laminated body including the separator and the second electrode, and the contact state between the separator and the first electrode, which is set at the time of manufacture, and the separator and the second electrode. The state of contact with the second electrode is maintained during subsequent use (or storage). Therefore, it is not necessary to adopt the configuration conditions specific to the electric double layer capacitor of the present invention.
[0021]
Here, in the present invention, when the electrolyte solution is filled in the case in a range where the value of {A / (X + Y + Z)} exceeds 1.4, the internal resistance of the electric double layer capacitor (particularly, the internal resistance at the interface between the electrode and the separator) And sufficient charge / discharge characteristics cannot be obtained. When the electrolyte solution is filled in the case where the value of {A / (X + Y + Z)} is less than 1.0, the electrolyte solution does not sufficiently spread in the pores of each electrode, and the size of the electrolyte solution is not sufficient. The electric double layer interface cannot be formed, and the electric conductivity of the electrode decreases. As a result, the internal resistance increases, and sufficient charge / discharge characteristics cannot be obtained. From the above viewpoints, in the present invention, the value of {A / (X + Y + Z)} is 1.0 to 1.4, preferably 1.05 to 1.35.
[0022]
Therefore, the electrochemical capacitor of the present invention that satisfies the above-described configuration conditions has a configuration that is easy to reduce in size and weight, and uses a case formed using a flexible film (for example, a composite packaging film). Even in such a case, excellent charge / discharge characteristics can be reliably obtained. In particular, according to the present invention, it is possible to provide a thin film-shaped electrochemical capacitor (for example, an electrochemical capacitor having a thickness of 300 to 500 μm).
[0023]
Further, the electrochemical capacitor of the present invention includes a case formed using a flexible film that is lightweight and easily thinned, so that the shape of the electrochemical capacitor itself may be a thin film. it can. Therefore, the original volume energy density can be easily improved, and the energy density per unit volume of the installation space where the electrochemical capacitor is to be installed (hereinafter referred to as “volume based on the volume of the space to be installed”). Energy density ”) can be easily improved.
[0024]
The “volume energy density” of an electrochemical capacitor is originally defined as the ratio of the total output energy to the total volume including the container of the electrochemical capacitor. On the other hand, "volume energy density based on the volume of the space to be installed" refers to the electrochemical capacitor with respect to the apparent volume calculated based on the maximum length, maximum width, and maximum thickness of the electrochemical capacitor. Means the ratio of the total output energy. In fact, when an electrochemical capacitor is mounted on a small electronic device, it is necessary to improve the volume energy density based on the volume of the space to be installed together with the improvement of the original volume energy density described above. This is important from the viewpoint of effectively utilizing the limited space in a state where the dead space is sufficiently reduced.
[0025]
Here, in the present invention, “film” refers to a film having flexibility. Further, “void volume X” and “void volume Y” are values indicating the total pore volume in each electrode. In the electrode, a void formed between particles that are a constituent material of the electrode or If there are minute cracks in the constituent material of the electrode, the value is a value calculated by adding the volume of the voids and the volume of the cracks. Further, “void volume Z” refers to the total pore volume in the separator, but in the separator, there are voids formed between particles that are the constituent material of the separator or fine cracks in the constituent material of the separator. In this case, the value is a value calculated by adding the volume and crack of the void.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the case where the electrochemical capacitor according to the present invention is applied to an electric double layer capacitor will be described in detail with reference to the drawings. In the following description, the same or corresponding parts will be denoted by the same reference characters, without redundant description.
[0027]
FIG. 1 is a front view showing a preferred embodiment of the electrochemical capacitor of the present invention. FIG. 2 is a developed view when the inside of the electrochemical capacitor shown in FIG. 1 is viewed from the normal direction of the surface of the
[0028]
As shown in FIGS. 1 to 5, the electric double-
[0029]
The
[0030]
Hereinafter, details of each component of the present embodiment will be described with reference to FIGS.
[0031]
As described above, the
[0032]
The
[0033]
This eliminates the need to provide a seal portion for joining the
[0034]
In the case of the present embodiment, as shown in FIGS. 1 and 2, one end of each of the
[0035]
As described above, the films constituting the
[0036]
This film is not particularly limited as long as it is a flexible film.However, while ensuring sufficient mechanical strength and lightness of the case, moisture and air can enter the inside of the case from the outside and enter the outside of the case from the inside of the case. From the viewpoint of effectively preventing the escape of the electrolyte component into the composite package, the composite package has at least an innermost layer made of a synthetic resin in contact with the electrolyte solution and a metal layer disposed above the innermost layer. Preferably, it is a "film."
[0037]
As a composite packaging film that can be used as the
[0038]
The composite packaging film that can be used as the
[0039]
The innermost layer is a layer having flexibility, and its constituent material is capable of expressing the above-mentioned flexibility, and has a chemical stability (chemical reaction, dissolution, It is not particularly limited as long as it is a synthetic resin having the property of not causing swelling) and chemical stability against oxygen and water (moisture in air), and furthermore, oxygen, water (moisture in air) and electrolyte Materials having a property of low permeability to the components of the solution are preferred. For example, engineering plastics, and thermoplastic resins such as polyethylene, polypropylene, modified polyethylene acid, modified polypropylene acid, polyethylene ionomer, and polypropylene ionomer are exemplified.
[0040]
In addition, "engineering plastics" refers to plastics having excellent mechanical properties, heat resistance, and durability as used in mechanical parts, electric parts, housing materials, and the like.For example, polyacetal, polyamide, polycarbonate, Polyoxytetramethyleneoxy terephthaloyl (eg, polybutylene terephthalate, polyethylene terephthalate, polyimide, polyphenylene sulfide, etc.).
[0041]
When a layer made of a synthetic resin such as the
[0042]
The method of sealing all the seal portions in the
[0043]
The metal layer is preferably a layer formed of a metal material having corrosion resistance to oxygen, water (moisture in air) and an electrolyte solution. For example, a metal foil made of aluminum, an aluminum alloy, titanium, chromium, or the like may be used.
[0044]
Next, the
[0045]
As shown in FIG. 8, the
[0046]
The
[0047]
The constituent material of the porous layer 18 and the
[0048]
However, from the viewpoint of ensuring a sufficient contact interface with the electrolyte solution, the void volume (void volume in the anode 10) X of the porous layer 18 is preferably 60 to 80 μL, and more preferably 65 to 75 μL. More preferred. Further, the void volume (void volume in the cathode 20) Y of the
[0049]
The
[0050]
However, from the viewpoint of ensuring a sufficient contact interface with the electrolyte solution, the void volume Z of the porous layer 18 is preferably 50 to 75 μL when the porous layer volume is 100 μL, and more preferably 60 to 70 μL. preferable. The method for determining the void volume Z is not particularly limited, and can be determined by a known method.
[0051]
The
[0052]
The
[0053]
That is, the volume A [μL] of the
[0054]
1.0 ≦ {A / (X + Y + Z)} ≦ 1.4 (1)
[0055]
Thereby, even when a case formed using a flexible film (for example, a composite packaging film) is used, an electrochemical capacitor capable of reliably obtaining excellent charge / discharge characteristics can be configured. Can be.
[0056]
The
[0057]
Further, the type of the
[0058]
Further, as shown in FIGS. 1 and 2, the portion of the
[0059]
Although the configuration of the
[0060]
Further, from the viewpoint that the electric
[0061]
Furthermore, from the viewpoint of being able to be installed even in a limited narrow installation space in a portable small electronic device, a laminated body including the
[0062]
The electric
[0063]
Next, a method of manufacturing the
[0064]
The method of manufacturing the element body 60 (a stacked body in which the
[0065]
When the electrodes serving as the
[0066]
Here, in addition to carbon black, powdered graphite or the like can be used as the conductive auxiliary agent, and as the binder, PVDF, PE, PP, fluororubber, or the like is used in addition to PTFE. be able to.
[0067]
In addition, in order to form a carbon electrode, it is necessary that fine particles obtained by pulverizing a carbon material and carbon black are evenly distributed and knotted with PTFE fiber with almost the same strength. It needs to be done vertically and horizontally.
[0068]
Next, the
[0069]
Next, an example of a method for manufacturing the
[0070]
For example, a film to be a synthetic resin layer constituting the composite packaging film, and a metal foil made of aluminum or the like are prepared. The metal foil can be prepared, for example, by rolling a metal material.
[0071]
Next, a composite packaging film (multilayer film) is formed by bonding a metal foil via an adhesive onto a film to be a layer made of a synthetic resin so as to preferably have the above-described configuration of a plurality of layers. Is prepared. Then, the composite packaging film is cut into a predetermined size, and one rectangular film is prepared.
[0072]
Next, as described above with reference to FIG. 2, one film is bent, and the sealing
[0073]
Then, the
[0074]
As described above, the preferred embodiments of the present invention have been described in detail, but the present invention is not limited to the above embodiments. For example, in the description of the above-described embodiment, a preferred configuration has been mainly described when the present invention is applied to an electric double-layer capacitor, but the electrochemical capacitor of the present invention is not limited to an electric double-layer capacitor. For example, a first plate-shaped electrode and a second plate-shaped electrode facing each other, such as a pseudo capacitor and a redox capacitor, are disposed adjacent to each other between the first electrode and the second electrode. The present invention is applicable to an electric double layer capacitor having a plate-shaped separator and an electrolyte solution and housed in a case formed of a flexible film.
[0075]
【Example】
Hereinafter, the contents of the electrochemical capacitor of the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0076]
(Example 1)
According to the following procedure, an electrochemical capacitor having the same configuration as the electrochemical capacitor shown in FIG. 1 was manufactured.
[0077]
(1) Preparation of electrode
The anode (polarizable electrode) and the cathode (polarizable electrode) were prepared according to the following procedure. First, activated carbon material (specific surface area: 2000 m 2 / G, manufactured by Kuraray Chemical Co., Ltd., trade name: “BP-20”), a binder {fluoro rubber, manufactured by DuPont, trade name: “Viton-GF”}, and a conductive auxiliary agent (acetylene black, Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd.) Manufactured by DENKABLACK Co., Ltd.) in a mass ratio of carbon material: binder: conducting aid = 80: 10: 10, which is a solvent NMP (N-methylpyrrolidone). The solution was kneaded and kneaded to prepare a coating solution for electrode formation (hereinafter, referred to as “coating solution L1”).
[0078]
Next, this coating liquid L1 was uniformly applied on one surface of a current collector (thickness: 50 μm) made of aluminum foil. Thereafter, NMP was removed from the coating film by a drying treatment, and a laminate composed of the current collector and the dried coating film was pressed using a rolling roll to form a current collector made of aluminum foil (thickness: 50 μm). ) To form an electrode (hereinafter, referred to as “electrode E1”) having an electron-conductive porous layer (thickness: 37 μm) formed on one surface. Next, the electrode E1 is cut into a rectangular (size: 8 mm × 8 mm) shape, and further vacuum-dried at a temperature of 150 ° C. to 175 ° C. for 12 hours or more to obtain an electron conductive porous body. The anode and cathode mounted on the electrochemical capacitor of Example 1 were produced by removing the moisture adsorbed on the surface of the layer.
[0079]
(2) Production of electrochemical capacitor
First, a lead portion made of aluminum foil (width 2 mm,
[0080]
Next, a sealant material was thermocompression-bonded to the tab portion. Next, the laminate (element) was placed in a case formed of a flexible composite packaging film, and the tab portions were heat-sealed. As a composite packaging film having flexibility, an innermost layer made of synthetic resin (layer made of modified polypropylene), a metal layer made of aluminum foil, and a layer made of polyamide are sequentially laminated in this order in contact with the electrolyte solution. Was used. Then, two composite packaging films were laminated and the edges thereof were heat-sealed.
[0081]
After an electrolyte solution (a 1.2 mol / L solution of triethylmethylammonium tetrafluoride in propylene carbonate) was injected into the case, vacuum sealing was performed to complete the manufacture of an electrochemical capacitor (electric double layer capacitor). At this time, the volume A [μL] of the electrolyte solution injected into the case was adjusted so that {A / (X + Y + Z)} = 1.30.
[0082]
(Comparative Example 1)
Except that the volume A [μL] of the electrolyte solution injected into the case was adjusted so that {A / (X + Y + Z)} = 1.43, the procedure and conditions were the same as those of the electrochemical capacitor of Example 1. An electrochemical capacitor was fabricated.
[0083]
(Comparative Example 2)
Except that the volume A [μL] of the electrolyte solution injected into the case was adjusted so that {A / (X + Y + Z)} = 0.95, the procedure and conditions were the same as those of the electrochemical capacitor of Example 1. An electrochemical capacitor was fabricated.
[0084]
(Example 2)
One side of the current collector made of aluminum foil in the same procedure and under the same conditions as in Example 1 except that the thickness of the electron conductive porous layer formed on one side of the current collector was 120 μm. An electrode having an electron conductive porous layer (thickness: 120 μm) formed thereon (hereinafter, referred to as “electrode E2”) was produced.
[0085]
Next, an anode and a cathode mounted on the electrochemical capacitor of Example 2 were manufactured in the same procedure and under the same conditions as in Example 1, except that the electrode E2 was cut so as to have a rectangular shape (size: 16 mm × 18 mm). Was prepared.
[0086]
Next, a tab portion made of aluminum foil (width: 3 mm, width: 3 mm; thickness: 0.120 mm) was formed on the outer edge of the surface of the current collector on the side where the electron conductive porous layers (thickness: 0.120 mm) of the produced anode and cathode were not formed. (Length 3 mm). The tab portion serves as a joining portion for joining the leads.
[0087]
Next, an aluminum ribbon (width 3 mm x
[0088]
Next, an electrolyte solution (a 1.2 mol / L solution of triethylmethylammonium tetrafluoride in propylene carbonate) was injected into the case, and vacuum sealing was performed to manufacture an electrochemical capacitor (electric double layer capacitor). Completed. At this time, the volume A [μL] of the electrolyte solution injected into the case was adjusted so that {A / (X + Y + Z)} = 1.23.
[0089]
(Comparative Example 3)
Except that the volume A [μL] of the electrolyte solution injected into the case was adjusted so that {A / (X + Y + Z)} = 1.44, the procedure and conditions were the same as those of the electrochemical capacitor of Example 2. An electrochemical capacitor was fabricated.
[0090]
(Comparative Example 4)
Except that the volume A [μL] of the electrolyte solution injected into the case was adjusted so that {A / (X + Y + Z)} = 0.89, the procedure and conditions were the same as those of the electrochemical capacitor of Example 2. An electrochemical capacitor was fabricated.
[0091]
[Characteristic evaluation test of electric double layer capacitor]
The following various characteristics were measured for the electric double layer capacitors of Example 1 and Example 2 and Comparative Examples 1 to 5.
[0092]
The charge / discharge measurement was performed using a charge / discharge test device (HJ-101SM6 manufactured by Hokuto Denko KK). First, a low-current charge of 0.5 C is performed, and a rise in voltage is monitored as electric charges are accumulated in the electric double layer capacitor. After the potential reaches 2.5 V, constant voltage charge (relaxation charge) is performed. The charging was terminated when the current became 1/10 of the charging current. The total charging time at this time (that is, charging time + relaxation charging time) depends on the capacitance of the cell. The discharge was also performed at a constant current of 0.5 C, and the final voltage was set to 0 V. After this test, the battery was charged with a current of 1 C. After the potential reached 2.5 V, the charging was switched to constant voltage charging, and the charging was terminated when the current became 1/10 of the charging current. The discharge was also performed at a constant current of 1C, and the final voltage was set to 0V. Charging was started again, and this was repeated 10 times.
[0093]
The capacitor capacity (electrostatic capacity of the cell of the electrochemical capacitor) was determined as follows. That is, the total discharge energy [W · s] is obtained from the discharge curve (discharge voltage−discharge time) as a time integral of discharge energy (discharge voltage × current (= 10 mA)), and capacitor capacity [F] = 2 × total discharge energy [ W · s] / (discharge start voltage [V]) 2 Was used to determine the capacitance [F] of the capacitor of the evaluation cell.
[0094]
The volume energy density was determined as follows. That is, the energy density is obtained by dividing a value obtained by dividing the above total discharge energy [W · s] by the volume of the above-mentioned container into “volume energy density” [Wh · L] in this characteristic evaluation test. -1 ]).
[0095]
"Rate characteristics" (C2 / C1) were calculated based on the following definitions. That is, “C1” refers to an electrochemical capacitor having a capacitor capacity of αF and a discharge current value of α × 10 -3 A shows the capacitance when discharged at A. Further, “C2” means that the same electrochemical capacitor (electrochemical capacitor having a capacitance of αF) for which C1 was measured was discharged at a discharge current value of 100 × α × 10 -3 A shows the capacitance when discharged at A. The “rate characteristic” indicates a value (C2 / C1) obtained by dividing the above C2 by C1. An electrochemical capacitor having a large “rate characteristic” value can be evaluated as having excellent charge / discharge characteristics. For example, in the electrochemical capacitor of Example 1, since α = 0.054F, C1 is the capacitance measured when discharging at a current value of 54 μA, and C2 is discharging at a current value of 5.4 mA. This is the capacitance that is measured at that time.
[0096]
Table 1 shows the volume energy density, the capacitance (capacitance of the cell of the electrochemical capacitor), and the rate characteristics of each of the electrochemical capacitors of Example 1 and Example 2, and Comparative Examples 1 to 4.
[0097]
[Table 1]
[0098]
From these measurement results, it was confirmed that the results of Example 1 and Example 2 exhibited excellent rate characteristics as compared with each comparative example.
[0099]
Further, the values of X and Y of each of the electrochemical capacitors of Examples 1 and 2, and Comparative Examples 1 to 4 were determined by an ethanol impregnation method. Further, the separators of the electrochemical capacitors of Examples 1 and 2, and Comparative Examples 1 to 4 each used had a known Z value.
[0100]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, there is a case where a case formed using a flexible film (for example, a composite packaging film) having a configuration that can be easily reduced in size and weight is used. Even so, it is possible to provide an electrochemical capacitor capable of reliably obtaining excellent charge / discharge characteristics. In particular, according to the present invention, it is possible to provide a thin film-shaped electrochemical capacitor (for example, an electrochemical capacitor having a thickness of 300 to 500 μm).
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a preferred embodiment of an electrochemical capacitor according to the present invention.
FIG. 2 is a developed view when the inside of the electrochemical capacitor shown in FIG. 1 is viewed from the normal direction of the surface of the
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view of the electrochemical capacitor shown in FIG. 1 taken along the line X1-X1 in FIG.
4 is a schematic cross-sectional view showing a main part when the electrochemical capacitor shown in FIG. 1 is cut along the line X2-X2 in FIG.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view showing a main part when the electrochemical capacitor shown in FIG. 1 is cut along the line YY in FIG.
6 is a schematic cross-sectional view showing an example of a basic configuration of a film serving as a constituent material of the case of the electrochemical capacitor shown in FIG.
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view showing another example of the basic structure of a film as a constituent material of the case of the electrochemical capacitor shown in FIG.
8 is a schematic sectional view showing an example of a basic configuration of an anode of the electrochemical capacitor shown in FIG.
9 is a schematic cross-sectional view showing an example of a basic configuration of a cathode of the electrochemical capacitor shown in FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記第1の電極と前記第2の電極との間に隣接して配置される平板状のセパレータと、
電解質溶液と、
前記第1の電極、前記第2の電極、前記セパレータ及び前記電解質溶液を密閉した状態で収容するフィルムから形成されたケースと、
を有しており、
前記第1の電極及び前記第2の電極はそれぞれ電子伝導性の多孔体を構成材料として含んでおり、
前記セパレータは絶縁性の多孔体からなり、
前記電解質溶液は、少なくともその一部が前記第1の電極及び前記第2の電極、及びセパレータの内部に含有されており、
前記ケース内に充填される前記電解質溶液の25℃、1atmにおける体積Aと、前記第1の電極中の空隙体積Xと、前記第2の電極中の空隙体積Yと、前記セパレータ中の空隙体積Zとが、下記式(1)で表される条件を満たしていること、
を特徴とする電気化学キャパシタ。
1.0≦{A/(X+Y+Z)}≦1.4…(1)A first plate-shaped electrode and a second plate-shaped electrode facing each other;
A plate-shaped separator disposed adjacent to between the first electrode and the second electrode;
An electrolyte solution;
A case formed from a film accommodating the first electrode, the second electrode, the separator, and the electrolyte solution in a sealed state;
Has,
The first electrode and the second electrode each include an electron conductive porous body as a constituent material,
The separator is made of an insulating porous material,
The electrolyte solution, at least a portion of which is contained in the first electrode and the second electrode, and inside the separator,
The volume A of the electrolyte solution filled in the case at 25 ° C. and 1 atm, the void volume X in the first electrode, the void volume Y in the second electrode, and the void volume in the separator Z satisfies a condition represented by the following formula (1);
An electrochemical capacitor, characterized in that:
1.0 ≦ {A / (X + Y + Z)} ≦ 1.4 (1)
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