JP2004251636A - 試料採取機能を備えた試料保存容器 - Google Patents

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JP2004251636A JP2003039365A JP2003039365A JP2004251636A JP 2004251636 A JP2004251636 A JP 2004251636A JP 2003039365 A JP2003039365 A JP 2003039365A JP 2003039365 A JP2003039365 A JP 2003039365A JP 2004251636 A JP2004251636 A JP 2004251636A
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達男 藤田
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Abstract

【課題】死後の動物或いは植物等の組織材料等を採取する場合に、鋏、メス、またはピンセットなどの器具を使用せずに、容器本体で組織材料等を切断し、同時に収納することができる試料保存容器を提供する。
【解決手段】開口部の縁が鋭利な刀刃或いは鋸刃構造からなる円筒状の容器本体と、開口部縁を覆い容器本体に螺着される蓋体とによって構成され、蓋体上面および容器本体外側面には個体識別のためのラベル貼付が可能な、試料採取機能を備えた試料保存容器。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、死後動物或いは植物等から、種々のコンタミネーション防止を図りつつ、簡便に低コストで組織材料を採取し、同時に収納する機能を持った試料保存容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】死後の動物或いは植物等から組織材料等を採取し、保存する場合、鋏、メスなど組織を切断する器具やピンセットなど組織を保持する器具、および採取した組織を収納する容器が必要である。サンプル採取作業では、雑菌などの汚染を防ぐため、或いは他個体のDNA混入を防ぐため、個体ごとに採取器具を交換することが必要で、多数検体の場合は一度に多くの採取器具が必要となり、その準備に多くの手間と経費を要する。また、こうしたサンプル採取作業自体が煩雑な作業の繰り返しであり、時間と手間を要する。
【0003】市販されているプラスチック製サンプルチューブの容器本体開口部を採取対象組織に押し付けて採取を試みたが、開口部の縁が分厚いため、皮膜のある組織では採取が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】死後の動物或いは植物等から組織材料等を採取する場合に、鋏、メス、またはピンセットなどの器具を使用せずに、容器本体で組織材料等を切断し、同時に切断した材料を収納することができる試料保存容器の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、開口部の縁が鋭利な刀刃或いは鋸刃構造からなる円筒状の容器本体と蓋体から構成される試料保存容器を見出した。
【0006】材料の採取は、容器本体を手に持ち、開口部を採取対象物に押し付け大工道具のノミのように、または捩じ込んで円鋸のようにして組織を切断し、掻き採ることによって行う。これを数回繰り返して採取組織を容器本体奥部まで詰め込む。採取材料を密閉するための蓋体は、容器本体開口部が外部接触によって汚染しないように開口部を覆う形状で容器本体に螺着する。蓋体上面および容器本体外側面には個体識別のためのラベル貼付が可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】図面を参照して説明する。容器本体1は円筒状で底面8は容器本体が自立できるよう加工されている。容器本体開口部縁3が本発明の特徴であり、鋭利な刀刃構造(図3、図5)或いは鋸刃構造(図2、図4)から成る。図2、図3では開口部縁の先端は内側を向いており、図4、図5では先端は外側を向いた構造になっている。刃の向き、刃の角度、鋸刃の形状等は対象とする採取材料に応じて適宜決定することができる。
【0008】容器本体開口部のやや下方外側にネジ山5を作り、これは蓋体2の内側にあるネジ溝6と螺着する。蓋体2の天井面には、容器を密閉するための突起7がある。この突起は、開口部縁の構造が内向き(図6)か外向き(図7)かによって形状が異なり、いずれの場合でも螺着時に容器本体開口部縁先端の刀刃或いは鋸刃構造を変形させない。
【0009】容器本体の蓋体で覆われない部分の側面、および蓋体上面4にはサンプル番号、個体識別番号などのラベルを貼ることが可能である。容器本体および蓋体の材質は、オートクレーブ可能でー80℃程度の低温に耐える無色透明または半透明のプラスチックが好ましく、採取目的に応じて、使用前に容器本体および蓋体を緩く螺着した状態で滅菌しておく必要である。
【0010】容器本体および蓋体の大きさは、サンプル数が多量になった場合に保管、管理がし易いように、既存の収納ラックや収納箱のサイズに合致する大きさが好ましい。
【0011】
【発明の効果】発明者が想定した最も効果的な使用は、屠場における牛冷屠体からの脂肪組織の採取保存に、この試料採取機能を備えた試料保存容器を用いることである。消費者の食の安全に対する意識の高まりから、店頭において販売される牛肉パックに貼付された牛の個体識別番号をパソコンで検索することによって、生産の履歴やBSE(牛海綿状脳症)検査結果を調べられるシステムがいくつかの店舗で導入されている。しかし、このシステムだけでは牛の個体識別番号と一致する牛肉が正しく販売されているかどうかを検証することはできない。検証可能なシステムにするためには、個体識別番号と個体識別の基となる各固体のDNA(デオキシリボ核酸)の両方を、牛肉が流通する前に確保しておくことが必須となる。肉牛生産の終点であり牛肉流通の起点である屠場において、この両方を確保することが最も合理的である。脂肪組織は、牛冷屠体の腎周囲脂肪に豊富に存在し、ほとんど食用とされていないため、サンプルとして数グラム程度採取しても商品価値を損ねることは無い。また、脂肪組織からのDNA抽出は簡易な方法が開発されている。これらの理由からDNA確保は、屠場において冷屠体からの脂肪組織採取によって行うことが最も適していると考える。本発明で提供した試料採取兼保存容器を用いることによって、鋏やメス、ピンセットを使用せずに、確実、簡便、低コストで牛冷屠体からの脂肪組織(すなわちDNA)の採取、保存が可能となる。また、容器本体または蓋体に個体識別番号或いはバーコードラベルを添付することによって、確実なサンプル管理が可能となる。本発明は、牛脂肪組織以外にもかなり広範囲の材料採取および保存に応用可能と考える。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器本体と蓋体を分離した状態での斜視図である。
【図2】本発明の容器本体開口部が内向き鋸刃型の場合の縦断面図である。
【図3】本発明の容器本体開口部が内向き刀刃型の場合の縦断面図である。
【図4】本発明の容器本体開口部が外向き鋸刃型の場合の縦断面図である。
【図5】本発明の容器本体開口部が外向き刀刃型の場合の縦断面図である。
【図6】本発明の容器本体(内向き刀刃型)と蓋体を螺着した状態での縦断面図である(容器本体底部は省略)。
【図7】本発明の容器本体(外向き刀刃型)と蓋体を螺着した状態での縦断面図である(容器本体底部は省略)。
【図8】本発明の容器本体底部の縦断面図である。
【符号の説明】
1.容器本体
2.蓋体
3.容器本体開口部縁
4.蓋体上面
5.容器本体ネジ山
6.蓋体ネジ溝
7.蓋体天井面にある密閉のための突起
8.容器本体底面

Claims (1)

  1. 開口部の縁が鋭利な刀刃或いは鋸刃構造から成る容器本体と、開口部縁を覆い容器本体に螺着される蓋体とによって構成され、蓋体上面および容器本体外側面には個体識別のためのラベル貼付が可能な、試料採取機能を備えた試料保存容器。
JP2003039365A 2003-02-18 2003-02-18 試料採取機能を備えた試料保存容器 Pending JP2004251636A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512859A (ja) * 2008-03-11 2011-04-28 イマジェネ 生物材料のなかでも特にdnaを収容および保存するための容器

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