【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軟カプセル剤皮膜組成物に関する。シームレスカプセルは医薬品、食品、化粧品、医薬部外品など幅広い分野で応用されている。本発明はシームレスカプセルの皮膜組成物の基剤として、植物性の基剤(デキストリン)を用いたものである。
【0002】
【従来の技術】
シームレスカプセルの製法は、外側がカプセル皮膜液、内側がカプセル内容液からなる二層性の液流を、一定間隔で切断しながら疎水性の油液等に導入することにより、球体となる皮膜液により内容液を包んで充填カプセルを作り、次いでその充填カプセルを乾燥して皮膜液と内容液から水分を取り除き、乾燥された軟カプセルを得る。
【0003】
シームレスカプセル用皮膜組成物の基剤として従来はゼラチン、寒天等が用いられていた。また、基剤に混合されるゲル化剤に関し、ゲル化剤として一般製剤に用いられるカッパカラギーナンはもろいゲルを生成する(食品添加物公定書第7版、精製カラギナン)ためカプセルには不向きと考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(1)シームレスカプセル用皮膜組成物の基剤として従来はゼラチン、寒天等
が用いられていた。ゼラチンは主にウシ、ブタ等の骨、皮を原料として作られており、植物性の基剤を用いたシームレスカプセル用皮膜組成物の提供が望まれていた。
【0005】
(2)寒天をシームレスカプセル用の皮膜組成物の基剤として用いたカプセル
皮膜は水に対する溶解性が悪く、その改善が必要である。
【0006】
(3)ゲル化剤として一般製剤に用いられるカッパカラギーナンはもろいゲル
を生成する(食品添加物公定書第7版、精製カラギナン)と言われているので、デキストリンの最適配合濃度、カッパカラギーナンの最適配合濃度及びその他添加物の組み合わせによりその問題点を解決することを試みた。
【0007】
本発明の課題は、植物性の基剤からなり、水に対する溶解性の良いシームレスカプセル用の軟カプセル剤皮膜組成物を得ることにある。
【0008】
本発明の課題は、ゲル化物としてカッパカラギーナンを用いながら、皮膜液の調製性と成形性を良好にすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基剤としてデキストリンを用いたシームレスカプセル用の軟カプセル剤皮膜組成物である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記デキストリンが、酵素変性デキストリン、酸変性デキストリン、焙焼デキストリン、酸添加焙焼デキストリン、酵素分解デキストリン、酸分解デキストリン、熱変性デキストリン、難消化性デキストリン、還元難消化性デキストリン、還元デキストリンからなる群から選ばれる1種以上であるようにしたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1〜2のいずれかの発明において更に、基剤に混合するゲル化剤としてカッパカラギーナンを用いるようにしたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、基剤として用いるデキストリンの配合量が乾燥前の皮膜液段階で2.0〜9.0%重量部であるようにしたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、ゲル化剤として用いるカッパカラギーナンの配合量が乾燥前の皮膜液段階で1.9〜3.0%重量部であるようにしたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、添加剤として用いる未変性デンプンの配合量が乾燥前の皮膜液段階で1.2%重量部以下であるようにしたものである。
【0015】
未変性デンプンは日本薬局方第14改正に収載されており、医薬品製剤の添加物としては繁用されている成分の一つである。一方、未変性デンプンは変性デンプンと比べ、その配合において、配合された組成物の粘性を高める(大)ため、従来はシームレスカプセル用の軟カプセル剤皮膜組成の成分として不向きであった。本発明によるデキストリンとカッパカラギーナンの適正配合量の設定がシームレスカプセル用の軟カプセル剤皮膜組成の成分として未変性デンプンを好適に配合することを可能にした。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の皮膜組成物からなる皮膜に内容物を装填したシームレスカプセルである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(A)皮膜液ボール(内容液非装填)の製造実験(表1〜表16)
比較例1、2及び実施例1〜55に示す皮膜処方によりカプセル皮膜液を調製し、この皮膜液を液温度50〜65℃にて油液中に滴下し皮膜液ボールを製造し、その成形性(ゲル化性、球状化性、弾力性、粘性等)を評価した。尚、添加剤グリセリン、D−ソルビトール液、白糖の配合目的は調製後の皮膜液の滴下のための流動性の調整(増量により流動性大)である。グリセリン、D−ソルビトール液、白糖に代えマンニトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いても同様の効果がある。また、添加剤デンプンの配合目的は皮膜液ボールの弾力性(強度)の向上にある。
【0018】
比較例1、2では基剤にゼラチンを用いて皮膜液ボールを製造し、その成形性は良好であった。
【0019】
実施例1〜55では基剤にデキストリンを用い、ゲル化物にカッパカラギーナン(実施例1〜51)、イオタカラギーナン(実施例52〜55)を用いて皮膜液ボールを製造した。
【0020】
実施例1〜4において良好な皮膜液ボールの製造が可能であった。デキストリンの配合割合の減少とともにその成形性が悪くなる(実施例5〜7)。本処方系においてはデキストリン濃度2%重量部がカプセル成形下限界濃度である。
【0021】
実施例8〜11において良好な皮膜液ボールの製造が可能であった。デキストリンの配合割合の増加とともにその成形性が悪くなる。実施例12(デキストリン濃度9.6%重量部)、実施例13(デキストリン濃度12.3%重量部)において、粘性が高く(大)、本処方系においてはデキストリン濃度9.1%重量部がカプセル成形上限界濃度である。これを解決するためにはさらなる添加物(目的:低粘度化)の配合等が必要である。また、他のデキストリンについてもデキストリン濃度2.0〜9.0%重量部の範囲において製造可であった。実施した事例の一部を実施例14〜25に示す。実施例記載以外の他のデキストリンについてもデキストリン濃度2.0〜9.0%重量部の範囲において、同様に製造可である。尚、デキストリン濃度の増加に伴ない液粘度が大となるため、それに伴ないゲル化剤(カッパカラギーナン)濃度を低減する必要がある(実施例10、11)。
【0022】
実施例26〜29において皮膜液ボールの製造が可能であった。実施例30(カッパカラギーナン濃度1.7%重量部)、実施例31(カッパカラギーナン濃度1.4%重量部)、実施例32(カッパカラギーナン濃度1.8%重量部)において、ゲル強度が小で良好な皮膜液ボールの製造が不可であった。本処方系においてはカッパカラギーナン濃度1.9%重量部がカプセル成形下限界濃度である。
【0023】
実施例33〜35において皮膜液ボールの製造が可能であった。実施例36(カッパカラギーナン濃度3.2%重量部)、実施例37(カッパカラギーナン濃度3.1%重量部)において、粘度が高く(大)良好な皮膜液ボールの製造が不可(変形不良)であった。本処方系においてはカッパカラギーナン濃度3.0%重量部がカプセル成形上限界濃度である。カッパカラギーナン濃度1.9〜3.0%重量部の範囲におけるその他の実施例は実施例38〜41のとおりである。
【0024】
実施例42〜47において皮膜液ボールの製造が可能であった。実施例48、50(未変性デンプン濃度1.4%重量部)、実施例49、51(未変性デンプン濃度1.9%重量部)において、粘度が高く(大)皮膜液ボールの製造が不可(変形不良)であった。本処方系においては未変性デンプン濃度1.2%重量部がカプセル成形上限界濃度である。
【0025】
イオタカラギーナンについても同様に皮膜液ボールの製造を試みた(実施例52〜55)が製造不可であった。
【0026】
尚、実施例21(後述の実施例59も同じ)では、ゲル化剤(カッパカラギーナン)によるゲル化の促進のために、炭酸水素ナトリウムをpH調整剤として添加したが、この場合にも、本発明の皮膜液ボールではその成形性を良好に維持できることを認めた。一般に、カラギーナンはpHを下げると安定性が悪くなり、pH 3.5以下では極端に不安定になること、pH 6以上では130℃まで加熱してもそのゲル強度があまり損なわれないことが知られている(幸書房、國崎直道、佐野征男、食品多糖類)。本発明者の知見によれば、カプセル皮膜液のpHが 5.5より低いとカラギーナンによるゲル化が弱くなり、pHが7.8より高いと皮膜が変色する。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】
【0036】
【表10】
【0037】
【表11】
【0038】
【表12】
【0039】
【表13】
【0040】
【表14】
【0041】
【表15】
【0042】
【表16】
【0043】
(B)シームレスカプセルの製造実験(表17〜18)
比較例3、4及び実施例56〜59に記載の皮膜処方によりカプセル皮膜液を調製し、シームレス式カプセル充填機によりシームレスカプセルを製造した。製造したシームレスカプセルの製剤性(球状化性、弾力性等)及び溶解性を評価した。溶解性の評価は日本薬局方第14改正崩壊試験法により行なった。
【0044】
崩壊試験の結果より、比較例4で得られた寒天皮膜カプセルは、溶解性が悪く崩壊試験不適合であったのに対し、本発明に係る実施例56〜59で得られたカプセルは、比較例3のゼラチンカプセルと同様に良好な溶解性を示し、また製剤性も良好であった。
【0045】
(C)作用
▲1▼シームレスカプセル用の軟カプセル剤皮膜組成物の基剤としてデキストリンを用いたから、植物性であって、水に対する溶解性も向上できる。
【0046】
▲2▼デキストリンの配合量は乾燥前の皮膜液段階で2.0〜9.0%重量部であることが好ましく、配合量2.0%重量部未満にてカプセル化したものはカプセル皮膜強度が弱く、カプセル成形直後及び乾燥工程で破壊され、また配合量9.0%重量部より大にて皮膜液を調製したものは皮膜液粘度が高くカプセル成形性が悪かった。配合量範囲2.0〜9.0%重量部のうち、カプセル成形に特に適していたのは3.0〜8.0%重量部であった。
【0047】
▲3▼カッパカラギーナンの配合量は乾燥前の皮膜液段階で1.9〜3.0%重量部であることが好ましく、配合量1.9%重量部未満では皮膜液がゲル化せずカプセル製造不可であり、また配合量3.0%重量部より大にて皮膜液を調製したものは皮膜液粘度が高くカプセル成形性が悪かった。
【0048】
尚、実施例1、8、14、24、39(デキストリン配合量:約3〜4%重量部)、実施例9、15、18、19、23、35、38、41〜47(デキストリン配合量:約5〜6%重量部)及び実施例16、20〜22、25〜29、33、34、40(デキストリン配合量:約7〜8%重量部)に記載の皮膜液ボールの成形性は他の皮膜液ボールに比べ特に成形性に優れ、本皮膜処方によるシームレスカプセルが良好のものであった。また、実施例56〜59(デキストリン配合量:約3〜7%重量部)のシームレス式カプセル充填機により製造したシームレスカプセルの製剤性(球状化性、弾力性等)も同様優れていた。このことはデキストリン配合量範囲2.0〜9.0%重量部のうち、カプセル成形に特に適している範囲が3.0〜8.0%重量部であるものと認められる。
【0049】
【表17】
【0050】
【表18】
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、植物性の基剤からなり、水に対する溶解性の良いシームレスカプセル用の軟カプセル皮膜組成物を得ることができる。また、本発明によれば、ゲル化物としてカッパカラギーナンを用いながら、皮膜液の調製性と成形性を良好にすることにある。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a soft capsule film composition. Seamless capsules are applied in a wide range of fields such as pharmaceuticals, foods, cosmetics, and quasi-drugs. The present invention uses a vegetable base (dextrin) as the base of the coating composition of the seamless capsule.
[0002]
[Prior art]
A seamless capsule is manufactured by introducing a two-layered liquid flow consisting of a capsule coating liquid on the outside and a capsule liquid on the inside into a hydrophobic oil liquid while cutting at regular intervals to form a sphere-like coating liquid. To form a filled capsule, and then dry the filled capsule to remove moisture from the film liquid and the contents liquid, thereby obtaining a dried soft capsule.
[0003]
Conventionally, gelatin, agar, and the like have been used as the base of the coating composition for seamless capsules. Regarding the gelling agent mixed with the base, kappa carrageenan, which is used as a gelling agent in general preparations, forms a brittle gel (Food Additives Official Edition, 7th edition, refined carrageenan) and is not considered suitable for capsules. Had been.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
(1) Conventionally, gelatin, agar, and the like have been used as a base of a coating composition for a seamless capsule. Gelatin is mainly produced from bones and skins of cattle, pigs and the like, and it has been desired to provide a coating composition for a seamless capsule using a vegetable base.
[0005]
(2) Capsule coatings using agar as a base for coating compositions for seamless capsules have poor solubility in water and need to be improved.
[0006]
(3) Since kappa carrageenan used in general preparations as a gelling agent is said to produce a fragile gel (Food Additives, 7th edition, refined carrageenan), the optimal concentration of dextrin and the optimum kappa carrageenan An attempt was made to solve the problem by combining the compounding concentration and other additives.
[0007]
An object of the present invention is to obtain a soft capsule film composition for a seamless capsule which is composed of a vegetable base and has good solubility in water.
[0008]
An object of the present invention is to improve the coatability and moldability of a coating solution while using kappa carrageenan as a gelled product.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The invention of claim 1 is a soft capsule film composition for seamless capsules using dextrin as a base.
[0010]
The invention according to claim 2 is the invention according to claim 1, wherein the dextrin is further modified with an enzyme-modified dextrin, an acid-modified dextrin, a roasted dextrin, an acid-added roasted dextrin, an enzyme-decomposed dextrin, an acid-decomposed dextrin, a heat-modified dextrin, It is at least one selected from the group consisting of digestible dextrin, reduced indigestible dextrin, and reduced dextrin.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, kappa carrageenan is further used as a gelling agent to be mixed with the base.
[0012]
The invention according to claim 4 is such that, in any one of the inventions according to claims 1 to 3, the amount of dextrin used as a base is 2.0 to 9.0% by weight in a coating liquid stage before drying. It was done.
[0013]
According to a fifth aspect of the present invention, in any one of the first to fourth aspects of the present invention, the amount of kappa carrageenan used as the gelling agent is 1.9 to 3.0% by weight in the coating liquid stage before drying. It is like that.
[0014]
According to a sixth aspect of the present invention, in any one of the first to fifth aspects of the present invention, the blending amount of the unmodified starch used as an additive is 1.2% by weight or less in a coating solution stage before drying. Things.
[0015]
Unmodified starch is listed in the Japanese Pharmacopoeia, 14th edition, and is one of the components commonly used as an additive in pharmaceutical preparations. On the other hand, unmodified starch increases the viscosity of the blended composition (large) in the blending of the modified starch compared to the modified starch, and thus has not been conventionally suitable as a component of the soft capsule preparation film composition for seamless capsules. The setting of the proper blending amount of dextrin and kappa carrageenan according to the present invention makes it possible to suitably blend unmodified starch as a component of the soft capsule film composition for seamless capsules.
[0016]
According to a seventh aspect of the present invention, there is provided a seamless capsule in which contents are loaded on a film made of the film composition according to any one of the first to sixth aspects.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
(A) Manufacturing experiment of coating liquid ball (with no liquid content) (Tables 1 to 16)
Capsule coating liquid was prepared according to the coating formulations shown in Comparative Examples 1 and 2 and Examples 1 to 55, and this coating liquid was dropped into an oil liquid at a liquid temperature of 50 to 65 ° C. to produce a coating liquid ball. The properties (gelling property, spheroidizing property, elasticity, viscosity, etc.) were evaluated. The purpose of blending the additives glycerin, D-sorbitol solution, and sucrose is to adjust the fluidity for dropping the coating solution after preparation (fluidity is increased by increasing the amount). Similar effects can be obtained by using mannitol, propylene glycol, polyethylene glycol, or the like instead of glycerin, D-sorbitol solution, or sucrose. The purpose of blending the additive starch is to improve the elasticity (strength) of the coating liquid ball.
[0018]
In Comparative Examples 1 and 2, coating liquid balls were produced using gelatin as a base, and the moldability was good.
[0019]
In Examples 1 to 55, coating liquid balls were produced using dextrin as a base material and kappa carrageenan (Examples 1 to 51) and iota carrageenan (Examples 52 to 55) as gelled products.
[0020]
In Examples 1 to 4, good production of the coating liquid ball was possible. As the proportion of dextrin decreases, the moldability deteriorates (Examples 5 to 7). In this prescription system, the dextrin concentration of 2% by weight is the lower limit concentration for capsule formation.
[0021]
In Examples 8 to 11, good production of the coating liquid ball was possible. As the proportion of dextrin increases, its moldability deteriorates. In Example 12 (dextrin concentration 9.6% by weight) and Example 13 (dextrin concentration 12.3% by weight), the viscosity was high (large), and in the present formulation system, the dextrin concentration 9.1% by weight was high. This is the upper limit concentration for capsule molding. In order to solve this, it is necessary to add further additives (purpose: lowering the viscosity). Further, other dextrins could be produced in a dextrin concentration range of 2.0 to 9.0% by weight. Examples 14 to 25 show some of the cases performed. Dextrins other than those described in the examples can be produced in the same manner when the dextrin concentration is in the range of 2.0 to 9.0% by weight. Since the viscosity of the liquid increases with an increase in the dextrin concentration, it is necessary to reduce the concentration of the gelling agent (kappa carrageenan) with the increase in the viscosity (Examples 10 and 11).
[0022]
In Examples 26 to 29, production of a coating liquid ball was possible. In Example 30 (1.7% by weight of kappa carrageenan), Example 31 (1.4% by weight of kappa carrageenan), and Example 32 (1.8% by weight of kappa carrageenan), the gel strength was low. The production of a good coating liquid ball was impossible. In the present formulation, the kappa carrageenan concentration of 1.9% by weight is the lower limit concentration for capsule formation.
[0023]
In Examples 33 to 35, production of a coating liquid ball was possible. In Example 36 (3.2% by weight of kappa carrageenan concentration) and Example 37 (3.1% by weight of kappa carrageenan), it was impossible to produce a coating liquid ball having high (large) and good viscosity (defective deformation). Met. In this prescription system, the concentration of kappa carrageenan of 3.0% by weight is the upper limit concentration for capsule formation. Other examples in the range of 1.9 to 3.0% by weight of kappa carrageenan are as in Examples 38 to 41.
[0024]
In Examples 42 to 47, production of a coating liquid ball was possible. In Examples 48 and 50 (unmodified starch concentration of 1.4% by weight) and Examples 49 and 51 (unmodified starch concentration of 1.9% by weight), high viscosity (large) coating liquid balls cannot be produced. (Defective deformation). In this formulation system, the unmodified starch concentration of 1.2% by weight is the critical concentration for capsule formation.
[0025]
Similarly, production of a coating liquid ball was attempted for iota carrageenan (Examples 52 to 55), but no production was possible.
[0026]
In Example 21 (the same applies to Example 59 described later), sodium bicarbonate was added as a pH adjuster in order to promote gelation by a gelling agent (kappa carrageenan). It was recognized that the coating liquid ball of the present invention could maintain its moldability well. In general, it is known that carrageenan loses stability when the pH is lowered, becomes extremely unstable at a pH of 3.5 or less, and that its gel strength is not significantly impaired when heated to 130 ° C. at a pH of 6 or more. (Koshobo, Naomichi Kunizaki, Seio Sano, food polysaccharides). According to the findings of the present inventor, when the pH of the capsule coating liquid is lower than 5.5, gelation by carrageenan is weakened, and when the pH is higher than 7.8, the coating is discolored.
[0027]
[Table 1]
[0028]
[Table 2]
[0029]
[Table 3]
[0030]
[Table 4]
[0031]
[Table 5]
[0032]
[Table 6]
[0033]
[Table 7]
[0034]
[Table 8]
[0035]
[Table 9]
[0036]
[Table 10]
[0037]
[Table 11]
[0038]
[Table 12]
[0039]
[Table 13]
[0040]
[Table 14]
[0041]
[Table 15]
[0042]
[Table 16]
[0043]
(B) Seamless capsule production experiment (Tables 17-18)
Capsule coating liquids were prepared according to the coating formulations described in Comparative Examples 3 and 4 and Examples 56 to 59, and seamless capsules were manufactured using a seamless capsule filling machine. The formulation properties (spheroidization, elasticity, etc.) and solubility of the manufactured seamless capsules were evaluated. The solubility was evaluated by the Japanese Pharmacopoeia 14th Revised Disintegration Test Method.
[0044]
From the results of the disintegration test, the agar-coated capsules obtained in Comparative Example 4 had poor solubility and were incompatible with the disintegration test, whereas the capsules obtained in Examples 56 to 59 according to the present invention were in Comparative Examples As in the case of the gelatin capsule No. 3, good solubility was exhibited, and the formulation was also good.
[0045]
(C) Action (1) Since dextrin is used as the base of the soft capsule film composition for seamless capsules, it is vegetable and can improve the solubility in water.
[0046]
(2) The blending amount of dextrin is preferably 2.0 to 9.0% by weight in the coating solution stage before drying, and the capsule film having a blending amount of less than 2.0% by weight has a capsule film strength. When the coating liquid was prepared at a blending amount of more than 9.0% by weight, the viscosity of the coating liquid was high, and the capsule moldability was poor. Of the compounding amount range of 2.0 to 9.0% by weight, 3.0 to 8.0% by weight was particularly suitable for capsule molding.
[0047]
{Circle around (3)} The amount of kappa carrageenan is preferably 1.9 to 3.0% by weight in the coating liquid stage before drying, and if the amount is less than 1.9% by weight, the coating liquid does not gel and the capsules do not. Those which could not be produced, and those in which the coating liquid was prepared with a compounding amount of more than 3.0% by weight, had high coating liquid viscosity and poor capsule moldability.
[0048]
Examples 1, 8, 14, 24, and 39 (dextrin content: about 3 to 4% by weight), Examples 9, 15, 18, 19, 23, 35, 38, and 41 to 47 (dextrin content) : About 5 to 6% by weight) and Examples 16, 20 to 22, 25 to 29, 33, 34, and 40 (dextrin content: about 7 to 8% by weight). The moldability was particularly excellent as compared with other coating liquid balls, and the seamless capsules according to this coating formulation were good. Also, the seamless capsules produced by the seamless capsule filling machines of Examples 56 to 59 (the amount of dextrin: about 3 to 7% by weight) had excellent formulation properties (spheroidizing property, elasticity, etc.). This indicates that, of the dextrin compounding amount range of 2.0 to 9.0% by weight, a range particularly suitable for capsule molding is 3.0 to 8.0% by weight.
[0049]
[Table 17]
[0050]
[Table 18]
[0051]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the soft capsule film composition for seamless capsules which consists of a vegetable base and has good water solubility can be obtained. Further, according to the present invention, it is an object to improve the coatability and moldability of a coating solution while using kappa carrageenan as a gelled product.