JP2004248551A - 屋内における燻蒸方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヨウ化メチルを使用した屋内における燻蒸方法であって、加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を使用し、安全にヨウ化メチルの放出を開始し得る様に改良された燻蒸方法を提供する。
【解決手段】屋内における燻蒸方法は、(A)加圧気体(9)と共にヨウ化メチル(8)が充填されたサイホン付の耐圧容器(1)を屋内に設置し、(B)耐圧容器(1)の容器弁(2)を開放して、当該容器弁の取出口(21)までヨウ化メチル(8)を導出させた後、容器弁(2)を一旦閉止し、次いで、(C)ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂性封止板が内蔵された穴開き袋ナット(4)を取出口(21)にセットした後、(D)容器弁(2)を開状態として、ヨウ化メチルで樹脂性封止板を溶解させ、ヨウ化メチル(8)の放出を開始する。
【選択図】 図1
【解決手段】屋内における燻蒸方法は、(A)加圧気体(9)と共にヨウ化メチル(8)が充填されたサイホン付の耐圧容器(1)を屋内に設置し、(B)耐圧容器(1)の容器弁(2)を開放して、当該容器弁の取出口(21)までヨウ化メチル(8)を導出させた後、容器弁(2)を一旦閉止し、次いで、(C)ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂性封止板が内蔵された穴開き袋ナット(4)を取出口(21)にセットした後、(D)容器弁(2)を開状態として、ヨウ化メチルで樹脂性封止板を溶解させ、ヨウ化メチル(8)の放出を開始する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内における燻蒸方法に関し、詳しくは、ハウスの土壌、倉庫内の木材や穀物などをヨウ化メチルによって燻蒸する屋内における燻蒸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土壌の燻蒸としては主として臭化メチルが使用されている。臭化メチルは、常圧での沸点が約4℃と低いため、耐圧容器に充填して取り扱われ、そして、適宜の手段によって耐圧容器から流出させると、迅速にガス化するという利点がある。ところが、臭化メチルはオゾン層破壊物質に指定されており、その使用は禁止される状況にある。
【0003】
そこで、土壌の燻蒸方法として臭化メチル燻蒸法に替わる他の燻蒸方法が種々提案されている。
【0004】
例えば、クロルピクリン(沸点約112℃)等の常圧での沸点が40℃以上で且つ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である農薬活性成分を使用した土壌燻蒸方法として、加熱部分、ノズル、送風部分、薬液タンク、加圧空気などから構成される蒸散機の使用により、農薬活性成分をガス状または霧状にして、酸素ガス透過度が所定の値以下であるガスバリア性フイルムで土壌を被覆した土壌表面とフイルムの間に拡散させる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、上記の様な蒸散機の使用は大掛かりな操作になるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−26207号公報
【0006】
ところで、ヨウ化メチルは、沸点が約40℃であるため、それ単独では、臭化メチルの様に容易にガス化しないが、サイホン付の耐圧容器に加圧気体と共にヨウ化メチルを充填しておけば、加圧気体の加圧力によって耐圧容器からヨウ化メチルを放出させることが可能である。
【0007】
上記の様にサイホン付の耐圧容器を利用した方法は簡便な方法であるが、例えばハウス内にサイホン付の耐圧容器を設置し、耐圧容器の容器弁の開放操作を行ってヨウ化メチルの放出を開始した後にハウス内から人が退去する方法は、必ずしも、安全な方法とは言えない。従って、ハウス等の屋内から人が退去した後にヨウ化メチルの放出を開始し得る方法の出現が切望される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、ヨウ化メチルを使用した屋内における燻蒸方法であって、加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を使用し、安全にヨウ化メチルの放出を開始し得る様に改良された燻蒸方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、ヨウ化メチルを使用した屋内における燻蒸方法において、(A)加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を屋内に設置し、(B)耐圧容器の容器弁を開放して、当該容器弁の取出口までヨウ化メチルを導出させた後、容器弁を一旦閉止し、次いで、(C)ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂性封止板が内蔵された穴開き袋ナットを上記の取出口にセットした後、(D)容器弁を開状態として、ヨウ化メチルで樹脂性封止板を溶解させ、ヨウ化メチルの放出を開始することを特徴とする屋内における燻蒸方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1は、加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器の一例を断面で示す説明図である。図2は、時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの一例の説明図であって、保存・運搬中の耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。図3は、時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出準備段階における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。図4は、時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出中における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【0011】
本発明の燻蒸方法は、ヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を使用し、ハウス、倉庫などの屋内において燻蒸を行う方法であり、耐圧容器としては、高圧ガス容器として知られる従来公知のものを使用できる。サイホン付の耐圧容器は、図1に符号(1)にて示す様に、略円筒状の容器本体の頂部に容器弁(2)が取り付けられ、容器弁(2)の下端の流体取入口に装着されたサイホン管(3)が容器本体の底部近傍まで挿入された構造を備えている。
【0012】
本発明においては、空気などの加圧気体(9)と共にヨウ化メチル(8)が耐圧容器(1)に充填されており、耐圧容器(1)は、容器弁(2)のハンドル(22)を操作することにより、加圧気体(9)の圧力により、サイホン管(3)、容器弁(2)を通じ、容器弁(2)の取出口(21)からヨウ化メチル(8)をミスト状で取り出す様になされている。通常、耐圧容器(1)としては、燻蒸容積などを考慮し、内容積が12〜25リットルのものが使用され、これら耐圧容器(1)におけるヨウ化メチル(8)の充填量は15〜30kg、充填圧力は7〜8.5MPaとされる。
【0013】
本発明は、特定の穴開き袋ナット(4)によって時限放出機構を構成し、斯かる穴開き袋ナット(4)を上記の耐圧容器(1)の容器弁(2)の取出口(21)にセットして燻蒸を開始する様にした発明である。
【0014】
容器弁(2)の取出口(21)にセットされる穴開き袋ナット(4)は、図2に示す様に、ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂製封止板(5)が内蔵されたものである。具体的には、穴開き袋ナット(4)は、容器弁(2)の取出口(21)に装着される通常の袋ナットの端面にヨウ化メチル放出用の穴(41)を開けて構成され、その内側には、ヨウ化メチルによって溶解可能な円板状の樹脂製封止板(5)と、安全装置としての円板状の金属製封止板(6)と、気密性を保持するための円環状のパッキング(7)が穴(41)側から順次に挿入されている。
【0015】
上記の樹脂製封止板(5)は、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル等のヨウ化メチルによって溶解し得る樹脂によって構成される。樹脂製封止板(5)は、これがヨウ化メチルによって溶解されることにより、噴射までの時間を実質的に規定する時限装置であり、樹脂製封止板(5)の厚さは、樹脂の種類と溶解時間とを勘案して設定される。樹脂製封止板(5)の厚さは、通常、溶解時間が通常5〜60分程度となる様に設定され、例えば、0.4〜1mmとされる。
【0016】
上記の穴開き袋ナット(4)を時限放出機構として使用する本発明の燻蒸方法は、以下の様な4つの工程、すなわち、図1に示す耐圧容器(1)を設置する工程(A)、ヨウ化メチル(8)の放出を準備する工程(B)、穴開き袋ナット(4)をセットする工程(C)、および、放出操作を行う工程(D)から成る。
【0017】
本発明の燻蒸方法においては、先ず、工程(A)として、上記の耐圧容器(1)をハウス等の屋内に設置する。屋内での耐圧容器(1)の設置においては、耐圧容器(1)の転倒を防止し、耐圧容器(1)内のヨウ化メチル(8)を無駄なく放出するため、予め配置した容器架台に耐圧容器(1)を固定するか、屋内の支柱などにロープ等で耐圧容器(1)を締結するか、あるいは、耐圧容器(1)の下端部を土壌に埋設することにより、耐圧容器(1)を略垂直に立てる。
【0018】
次いで、工程(B)として、容器弁(2)の取出口(21)に予め装着されている図2に示す穴開き袋ナット(4)を一旦取り外し、そして、耐圧容器(1)の容器弁(2)をハンドル(22)の操作によって開放し、取出口(21)からヨウ化メチル(8)を僅かに放出させることにより、容器弁(2)の容器弁(2)までヨウ化メチルを導出させた後、ハンドル(22)の操作によって容器弁(2)を一旦閉止する。工程(B)は、サイホン管(3)の内部および容器弁(2)内の流路にヨウ化メチル(8)を呼込む、すなわち、ヨウ化メチル(8)を充満させる工程であり、斯かる工程により、後段の工程(D)において、時限放出機構である穴開き袋ナット(4)の樹脂製封止板(5)を一定時間後に確実に溶解させることが出来る。
【0019】
続いて、工程(C)として、上記の樹脂製封止板(5)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にセットする。その際、図3に示す様に、樹脂製封止板(5)と共に内蔵されていた金属製封止板(6)は取り外しておく。工程(C)は、言わば、容器弁(2)の取出口(21)に時限噴射機構をセットする工程である。
【0020】
上記の様に容器弁(2)の取出口(21)に穴開き袋ナット(4)をセットした後は、工程(D)として、ハンドル(22)を操作することにより容器弁(2)を開状態とする。斯かる操作により、図4に示す様に、耐圧容器(1)内から押し出されるヨウ化メチル(8)で穴開き袋ナット(4)の樹脂製封止板(5)を溶解させ、そして、穴開き袋ナット(4)の穴(41)を通じてヨウ化メチル(8)の放出を開始する。すなわち、工程(D)においては、容器弁(2)の開操作を行い、ヨウ化メチル(8)によって一定時間かけて樹脂製封止板(5)を溶解させることにより、容器弁(2)の取出口(21)を開放し、ヨウ化メチル(8)を屋内に放出して燻蒸を行う。
【0021】
上記の様に、本発明においては、時限噴射機構としての特定の穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にセットし、容器弁(2)の開操作から一定時間経過後にヨウ化メチル(8)を放出するため、ヨウ化メチル(8)によってハウス等の屋内を燻蒸するに当り、容器弁(2)を操作後にハウス内から十分に余裕を持って退去することが出来、屋内に作業者がいない安全な状態でヨウ化メチル(8)の放出を開始することが出来る。
【0022】
なお、本発明においては、上記の穴開き袋ナット(4)が容器弁(2)にセットされていない耐圧容器(1)をハウス等の屋内に搬入し、ヨウ化メチル(8)の放出の直前の上記の工程(C)において穴開き袋ナット(4)をセットしてもよく、その場合は、金属製封止板(6)は必要なく、パッキング(7)の他は樹脂製封止板(5)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を使用すればよい。
【0023】
一方、穴開き袋ナット(4)の紛失を防止する観点からは、前述の様に、耐圧容器(1)の容器弁(2)の取出口(21)に予め穴開き袋ナット(4)が装着された耐圧容器(1)を利用するのが便利であるが、その場合は、耐圧容器(1)の保管、運搬中の安全性を確保する観点から、上記の金属製封止板(6)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を使用するのが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、金属製封止板(6)を備えた穴開き袋ナット(4)が装着されている場合には、耐圧容器(1)の保管、運搬において容器弁(2)に故障が生じたり、容器弁(2)を誤操作した際にも、金属製封止板(6)によってヨウ化メチル(8)の漏出を防止できるが、金属製封止板(6)を備えていない穴開き袋ナット(4)が装着されている場合は、樹脂製封止板(5)が溶解する迄の間はヨウ化メチル(8)の漏出が発見できず、容器弁(2)の故障や誤操作に直ちに対処できない。
【0024】
【実施例】
実施例1:
ヨウ化メチル(8)と共に加圧気体(9)として空気が充填された耐圧容器(1)を準備し、容器弁(2)を僅かに開操作して、サイホン管(3)内部および容器弁(2)の流路内部の空気を排出し、容器弁(2)の取出口(21)までヨウ化メチル(8)を導出させた後、容器弁(2)を一旦閉止し、次いで、穴開き袋ナット(4)をセットした後、容器弁(2)を全開し、樹脂製封止板(5)を溶解させ、穴開き袋ナット(4)の穴(41)からヨウ化メチル(8)を放出する実験を行った。その場合、容器弁(2)にセットする穴開き袋ナット(4)の樹脂製封止板(5)の種類を変更して上記の操作を繰り返すことにより、樹脂製封止板(5)の材質および厚さの違いによる放出開始時間の相違を確認したところ、表1に示す様な結果が得られた。なお、実験に当り、環境温度およびヨウ化メチル(8)の液温は25℃に調節した。
【0025】
【表1】
【0026】
実施例2:
フスマ培養したピシュウム菌汚染土壌をガラス管に入れ、当該ガラス管の両端をガーゼで封鎖して試験体を作成した。試験体は3本作成し、これらをビニールハウス内の土壌に一定間隔で20cmの深さに埋没させた。利用したビニールハウスは、広さが30坪(間口6.3m、奥行き16m)のハウスであり、予め土壌をよく耕起したものであった。次に、濃度40g/m3となる様にヨウ化メチル(8)が充填された耐圧容器(1)をビニールハウス内部の支柱に結束固定した後、ポリカーボネートから成る厚さ0.4mmの樹脂製封止板(5)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にセットし、実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)を放出したところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は12分であった。なお、ハウス内の平均気温は25℃であった。また、ヨウ化メチル(8)の放出後、72時間の燻蒸処理を行った後、試験体を取り出し、PDA培地を用いて25℃で4〜14日間培養試験を行い、殺菌効果を確認したところ、表2に示すような結果が得られた。
【0027】
【表2】
【0028】
実施例3:
実施例2と同様のビニールハウス内に、平均直径が17cm、長さが1.85mの木材を山積みし、山積みされた木材の上部および下部にマツノマダラカミキリムシ被害木を挿入した。木材の全体積は約1m3であった。耐圧容器(1)に濃度が50g/m3となる様にヨウ化メチル(8)を充填した点以外は実施例2と同様の条件で実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)の放出を行ったところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は15分であった。また、ヨウ化メチル(8)の放出後、24時間の燻蒸処理を行った後、被害木を取り出し、27℃の環境下で14日間保管した後、割材して殺虫効果を確認したところ、表3に示す様に100%の殺虫効果が得られた。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例4:
通気性のある容器にコクゾウムシ被害麦を入れて試験体を作成し、これを広さが4坪(間口3.6m、奥行3.6m)の倉庫内に配置した。次に、耐圧ボンベに濃度が50g/m3となる様にヨウ化メチル(8)が充填された耐圧容器(1)を倉庫内の支柱に固定した後、実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)を放出したところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は13分であった。なお、倉庫内の平均室温は25℃であった。また、ヨウ化メチル(8)の放出後、24時間の燻蒸処理を行った後、試験体を取り出し、処理直後のコクゾウムシ成虫の生死を調査した。更に、27℃の環境下で30日間保管した後、殺虫効果を確認したところ、表4に示す様に100%の殺虫効果が得られた。
【0031】
【表4】
【0032】
実施例5:
濃度50g/m3となる様にヨウ化メチル(8)が充填された耐圧容器(1)をビニールハウス内に設置した。利用したビニールハウスは、広さが50坪(間口4.7m、奥行35m)のハウスであり、予め土壌をよく耕起したものであった。また、耐圧容器(1)は、ハウス内の土壌に深さ15cmほどの穴を掘り、当該耐圧容器の下端部を埋設することにより固定した。次に、ポリカーボネートから成る厚さ0.4mmの樹脂製封止板(5)が内蔵された実施例2と同様の穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にてセットし、実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)を放出したところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は10分であった。なお、ハウス内の平均気温は25℃であった。続いて、ビニールハウスを開放し、48時間放置した後、土壌を耕起してガス抜きを行った。そして、ガス抜きの10日後にイチゴ(品種「女峰」)を定植し、定植から2ヶ月経過後に土壌中のネグサレセンチュウ数を調査した。その結果、表5に示す様に100%の殺虫効果が確認された。
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、ヨウ化メチルが充填された耐圧容器を使用すると共に、時限噴射機構としての特定の穴開き袋ナットを容器弁の取出口にセットし、容器弁の開操作から一定時間経過後にヨウ化メチルを放出するため、ハウス等の屋内の燻蒸を簡便に実施することが出来、そして、ヨウ化メチルによって屋内を燻蒸するに当り、容器弁を操作後に屋内から十分に余裕を持って退去することが出来、屋内に作業者がいない安全な状態でヨウ化メチルの放出を開始することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器の一例を断面で示す説明図である。
【図2】時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの一例の説明図であって、保存・運搬中の耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【図3】時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出準備段階における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【図4】時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出中における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【符号の説明】
1 :耐圧容器
2 :容器弁
21:取出口
22:ハンドル
3 :サイホン管
4 :穴開き袋ナット
41:穴
5 :樹脂製封止板
6 :金属製封止板
7 :パッキング
8 :ヨウ化メチル
9 :加圧気体
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内における燻蒸方法に関し、詳しくは、ハウスの土壌、倉庫内の木材や穀物などをヨウ化メチルによって燻蒸する屋内における燻蒸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土壌の燻蒸としては主として臭化メチルが使用されている。臭化メチルは、常圧での沸点が約4℃と低いため、耐圧容器に充填して取り扱われ、そして、適宜の手段によって耐圧容器から流出させると、迅速にガス化するという利点がある。ところが、臭化メチルはオゾン層破壊物質に指定されており、その使用は禁止される状況にある。
【0003】
そこで、土壌の燻蒸方法として臭化メチル燻蒸法に替わる他の燻蒸方法が種々提案されている。
【0004】
例えば、クロルピクリン(沸点約112℃)等の常圧での沸点が40℃以上で且つ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である農薬活性成分を使用した土壌燻蒸方法として、加熱部分、ノズル、送風部分、薬液タンク、加圧空気などから構成される蒸散機の使用により、農薬活性成分をガス状または霧状にして、酸素ガス透過度が所定の値以下であるガスバリア性フイルムで土壌を被覆した土壌表面とフイルムの間に拡散させる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、上記の様な蒸散機の使用は大掛かりな操作になるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−26207号公報
【0006】
ところで、ヨウ化メチルは、沸点が約40℃であるため、それ単独では、臭化メチルの様に容易にガス化しないが、サイホン付の耐圧容器に加圧気体と共にヨウ化メチルを充填しておけば、加圧気体の加圧力によって耐圧容器からヨウ化メチルを放出させることが可能である。
【0007】
上記の様にサイホン付の耐圧容器を利用した方法は簡便な方法であるが、例えばハウス内にサイホン付の耐圧容器を設置し、耐圧容器の容器弁の開放操作を行ってヨウ化メチルの放出を開始した後にハウス内から人が退去する方法は、必ずしも、安全な方法とは言えない。従って、ハウス等の屋内から人が退去した後にヨウ化メチルの放出を開始し得る方法の出現が切望される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、ヨウ化メチルを使用した屋内における燻蒸方法であって、加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を使用し、安全にヨウ化メチルの放出を開始し得る様に改良された燻蒸方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、ヨウ化メチルを使用した屋内における燻蒸方法において、(A)加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を屋内に設置し、(B)耐圧容器の容器弁を開放して、当該容器弁の取出口までヨウ化メチルを導出させた後、容器弁を一旦閉止し、次いで、(C)ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂性封止板が内蔵された穴開き袋ナットを上記の取出口にセットした後、(D)容器弁を開状態として、ヨウ化メチルで樹脂性封止板を溶解させ、ヨウ化メチルの放出を開始することを特徴とする屋内における燻蒸方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1は、加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器の一例を断面で示す説明図である。図2は、時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの一例の説明図であって、保存・運搬中の耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。図3は、時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出準備段階における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。図4は、時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出中における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【0011】
本発明の燻蒸方法は、ヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を使用し、ハウス、倉庫などの屋内において燻蒸を行う方法であり、耐圧容器としては、高圧ガス容器として知られる従来公知のものを使用できる。サイホン付の耐圧容器は、図1に符号(1)にて示す様に、略円筒状の容器本体の頂部に容器弁(2)が取り付けられ、容器弁(2)の下端の流体取入口に装着されたサイホン管(3)が容器本体の底部近傍まで挿入された構造を備えている。
【0012】
本発明においては、空気などの加圧気体(9)と共にヨウ化メチル(8)が耐圧容器(1)に充填されており、耐圧容器(1)は、容器弁(2)のハンドル(22)を操作することにより、加圧気体(9)の圧力により、サイホン管(3)、容器弁(2)を通じ、容器弁(2)の取出口(21)からヨウ化メチル(8)をミスト状で取り出す様になされている。通常、耐圧容器(1)としては、燻蒸容積などを考慮し、内容積が12〜25リットルのものが使用され、これら耐圧容器(1)におけるヨウ化メチル(8)の充填量は15〜30kg、充填圧力は7〜8.5MPaとされる。
【0013】
本発明は、特定の穴開き袋ナット(4)によって時限放出機構を構成し、斯かる穴開き袋ナット(4)を上記の耐圧容器(1)の容器弁(2)の取出口(21)にセットして燻蒸を開始する様にした発明である。
【0014】
容器弁(2)の取出口(21)にセットされる穴開き袋ナット(4)は、図2に示す様に、ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂製封止板(5)が内蔵されたものである。具体的には、穴開き袋ナット(4)は、容器弁(2)の取出口(21)に装着される通常の袋ナットの端面にヨウ化メチル放出用の穴(41)を開けて構成され、その内側には、ヨウ化メチルによって溶解可能な円板状の樹脂製封止板(5)と、安全装置としての円板状の金属製封止板(6)と、気密性を保持するための円環状のパッキング(7)が穴(41)側から順次に挿入されている。
【0015】
上記の樹脂製封止板(5)は、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル等のヨウ化メチルによって溶解し得る樹脂によって構成される。樹脂製封止板(5)は、これがヨウ化メチルによって溶解されることにより、噴射までの時間を実質的に規定する時限装置であり、樹脂製封止板(5)の厚さは、樹脂の種類と溶解時間とを勘案して設定される。樹脂製封止板(5)の厚さは、通常、溶解時間が通常5〜60分程度となる様に設定され、例えば、0.4〜1mmとされる。
【0016】
上記の穴開き袋ナット(4)を時限放出機構として使用する本発明の燻蒸方法は、以下の様な4つの工程、すなわち、図1に示す耐圧容器(1)を設置する工程(A)、ヨウ化メチル(8)の放出を準備する工程(B)、穴開き袋ナット(4)をセットする工程(C)、および、放出操作を行う工程(D)から成る。
【0017】
本発明の燻蒸方法においては、先ず、工程(A)として、上記の耐圧容器(1)をハウス等の屋内に設置する。屋内での耐圧容器(1)の設置においては、耐圧容器(1)の転倒を防止し、耐圧容器(1)内のヨウ化メチル(8)を無駄なく放出するため、予め配置した容器架台に耐圧容器(1)を固定するか、屋内の支柱などにロープ等で耐圧容器(1)を締結するか、あるいは、耐圧容器(1)の下端部を土壌に埋設することにより、耐圧容器(1)を略垂直に立てる。
【0018】
次いで、工程(B)として、容器弁(2)の取出口(21)に予め装着されている図2に示す穴開き袋ナット(4)を一旦取り外し、そして、耐圧容器(1)の容器弁(2)をハンドル(22)の操作によって開放し、取出口(21)からヨウ化メチル(8)を僅かに放出させることにより、容器弁(2)の容器弁(2)までヨウ化メチルを導出させた後、ハンドル(22)の操作によって容器弁(2)を一旦閉止する。工程(B)は、サイホン管(3)の内部および容器弁(2)内の流路にヨウ化メチル(8)を呼込む、すなわち、ヨウ化メチル(8)を充満させる工程であり、斯かる工程により、後段の工程(D)において、時限放出機構である穴開き袋ナット(4)の樹脂製封止板(5)を一定時間後に確実に溶解させることが出来る。
【0019】
続いて、工程(C)として、上記の樹脂製封止板(5)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にセットする。その際、図3に示す様に、樹脂製封止板(5)と共に内蔵されていた金属製封止板(6)は取り外しておく。工程(C)は、言わば、容器弁(2)の取出口(21)に時限噴射機構をセットする工程である。
【0020】
上記の様に容器弁(2)の取出口(21)に穴開き袋ナット(4)をセットした後は、工程(D)として、ハンドル(22)を操作することにより容器弁(2)を開状態とする。斯かる操作により、図4に示す様に、耐圧容器(1)内から押し出されるヨウ化メチル(8)で穴開き袋ナット(4)の樹脂製封止板(5)を溶解させ、そして、穴開き袋ナット(4)の穴(41)を通じてヨウ化メチル(8)の放出を開始する。すなわち、工程(D)においては、容器弁(2)の開操作を行い、ヨウ化メチル(8)によって一定時間かけて樹脂製封止板(5)を溶解させることにより、容器弁(2)の取出口(21)を開放し、ヨウ化メチル(8)を屋内に放出して燻蒸を行う。
【0021】
上記の様に、本発明においては、時限噴射機構としての特定の穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にセットし、容器弁(2)の開操作から一定時間経過後にヨウ化メチル(8)を放出するため、ヨウ化メチル(8)によってハウス等の屋内を燻蒸するに当り、容器弁(2)を操作後にハウス内から十分に余裕を持って退去することが出来、屋内に作業者がいない安全な状態でヨウ化メチル(8)の放出を開始することが出来る。
【0022】
なお、本発明においては、上記の穴開き袋ナット(4)が容器弁(2)にセットされていない耐圧容器(1)をハウス等の屋内に搬入し、ヨウ化メチル(8)の放出の直前の上記の工程(C)において穴開き袋ナット(4)をセットしてもよく、その場合は、金属製封止板(6)は必要なく、パッキング(7)の他は樹脂製封止板(5)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を使用すればよい。
【0023】
一方、穴開き袋ナット(4)の紛失を防止する観点からは、前述の様に、耐圧容器(1)の容器弁(2)の取出口(21)に予め穴開き袋ナット(4)が装着された耐圧容器(1)を利用するのが便利であるが、その場合は、耐圧容器(1)の保管、運搬中の安全性を確保する観点から、上記の金属製封止板(6)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を使用するのが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、金属製封止板(6)を備えた穴開き袋ナット(4)が装着されている場合には、耐圧容器(1)の保管、運搬において容器弁(2)に故障が生じたり、容器弁(2)を誤操作した際にも、金属製封止板(6)によってヨウ化メチル(8)の漏出を防止できるが、金属製封止板(6)を備えていない穴開き袋ナット(4)が装着されている場合は、樹脂製封止板(5)が溶解する迄の間はヨウ化メチル(8)の漏出が発見できず、容器弁(2)の故障や誤操作に直ちに対処できない。
【0024】
【実施例】
実施例1:
ヨウ化メチル(8)と共に加圧気体(9)として空気が充填された耐圧容器(1)を準備し、容器弁(2)を僅かに開操作して、サイホン管(3)内部および容器弁(2)の流路内部の空気を排出し、容器弁(2)の取出口(21)までヨウ化メチル(8)を導出させた後、容器弁(2)を一旦閉止し、次いで、穴開き袋ナット(4)をセットした後、容器弁(2)を全開し、樹脂製封止板(5)を溶解させ、穴開き袋ナット(4)の穴(41)からヨウ化メチル(8)を放出する実験を行った。その場合、容器弁(2)にセットする穴開き袋ナット(4)の樹脂製封止板(5)の種類を変更して上記の操作を繰り返すことにより、樹脂製封止板(5)の材質および厚さの違いによる放出開始時間の相違を確認したところ、表1に示す様な結果が得られた。なお、実験に当り、環境温度およびヨウ化メチル(8)の液温は25℃に調節した。
【0025】
【表1】
【0026】
実施例2:
フスマ培養したピシュウム菌汚染土壌をガラス管に入れ、当該ガラス管の両端をガーゼで封鎖して試験体を作成した。試験体は3本作成し、これらをビニールハウス内の土壌に一定間隔で20cmの深さに埋没させた。利用したビニールハウスは、広さが30坪(間口6.3m、奥行き16m)のハウスであり、予め土壌をよく耕起したものであった。次に、濃度40g/m3となる様にヨウ化メチル(8)が充填された耐圧容器(1)をビニールハウス内部の支柱に結束固定した後、ポリカーボネートから成る厚さ0.4mmの樹脂製封止板(5)が内蔵された穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にセットし、実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)を放出したところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は12分であった。なお、ハウス内の平均気温は25℃であった。また、ヨウ化メチル(8)の放出後、72時間の燻蒸処理を行った後、試験体を取り出し、PDA培地を用いて25℃で4〜14日間培養試験を行い、殺菌効果を確認したところ、表2に示すような結果が得られた。
【0027】
【表2】
【0028】
実施例3:
実施例2と同様のビニールハウス内に、平均直径が17cm、長さが1.85mの木材を山積みし、山積みされた木材の上部および下部にマツノマダラカミキリムシ被害木を挿入した。木材の全体積は約1m3であった。耐圧容器(1)に濃度が50g/m3となる様にヨウ化メチル(8)を充填した点以外は実施例2と同様の条件で実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)の放出を行ったところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は15分であった。また、ヨウ化メチル(8)の放出後、24時間の燻蒸処理を行った後、被害木を取り出し、27℃の環境下で14日間保管した後、割材して殺虫効果を確認したところ、表3に示す様に100%の殺虫効果が得られた。
【0029】
【表3】
【0030】
実施例4:
通気性のある容器にコクゾウムシ被害麦を入れて試験体を作成し、これを広さが4坪(間口3.6m、奥行3.6m)の倉庫内に配置した。次に、耐圧ボンベに濃度が50g/m3となる様にヨウ化メチル(8)が充填された耐圧容器(1)を倉庫内の支柱に固定した後、実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)を放出したところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は13分であった。なお、倉庫内の平均室温は25℃であった。また、ヨウ化メチル(8)の放出後、24時間の燻蒸処理を行った後、試験体を取り出し、処理直後のコクゾウムシ成虫の生死を調査した。更に、27℃の環境下で30日間保管した後、殺虫効果を確認したところ、表4に示す様に100%の殺虫効果が得られた。
【0031】
【表4】
【0032】
実施例5:
濃度50g/m3となる様にヨウ化メチル(8)が充填された耐圧容器(1)をビニールハウス内に設置した。利用したビニールハウスは、広さが50坪(間口4.7m、奥行35m)のハウスであり、予め土壌をよく耕起したものであった。また、耐圧容器(1)は、ハウス内の土壌に深さ15cmほどの穴を掘り、当該耐圧容器の下端部を埋設することにより固定した。次に、ポリカーボネートから成る厚さ0.4mmの樹脂製封止板(5)が内蔵された実施例2と同様の穴開き袋ナット(4)を容器弁(2)の取出口(21)にてセットし、実施例1と同様に操作してヨウ化メチル(8)を放出したところ、容器弁(2)の開操作からヨウ化メチル(8)の放出までに要した時間は10分であった。なお、ハウス内の平均気温は25℃であった。続いて、ビニールハウスを開放し、48時間放置した後、土壌を耕起してガス抜きを行った。そして、ガス抜きの10日後にイチゴ(品種「女峰」)を定植し、定植から2ヶ月経過後に土壌中のネグサレセンチュウ数を調査した。その結果、表5に示す様に100%の殺虫効果が確認された。
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、ヨウ化メチルが充填された耐圧容器を使用すると共に、時限噴射機構としての特定の穴開き袋ナットを容器弁の取出口にセットし、容器弁の開操作から一定時間経過後にヨウ化メチルを放出するため、ハウス等の屋内の燻蒸を簡便に実施することが出来、そして、ヨウ化メチルによって屋内を燻蒸するに当り、容器弁を操作後に屋内から十分に余裕を持って退去することが出来、屋内に作業者がいない安全な状態でヨウ化メチルの放出を開始することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器の一例を断面で示す説明図である。
【図2】時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの一例の説明図であって、保存・運搬中の耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【図3】時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出準備段階における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【図4】時限放出機構を構成する穴開き袋ナットの他の一例の説明図であって、ヨウ化メチルの放出中における耐圧容器の容器弁の取出口にセットされた状態を一部破断して示す側面図である。
【符号の説明】
1 :耐圧容器
2 :容器弁
21:取出口
22:ハンドル
3 :サイホン管
4 :穴開き袋ナット
41:穴
5 :樹脂製封止板
6 :金属製封止板
7 :パッキング
8 :ヨウ化メチル
9 :加圧気体
Claims (1)
- ヨウ化メチルを使用した屋内における燻蒸方法において、(A)加圧気体と共にヨウ化メチルが充填されたサイホン付の耐圧容器を屋内に設置し、(B)耐圧容器の容器弁を開放して、当該容器弁の取出口までヨウ化メチルを導出させた後、容器弁を一旦閉止し、次いで、(C)ヨウ化メチルに溶解し得る樹脂性封止板が内蔵された穴開き袋ナットを上記の取出口にセットした後、(D)容器弁を開状態として、ヨウ化メチルで樹脂性封止板を溶解させ、ヨウ化メチルの放出を開始することを特徴とする屋内における燻蒸方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003040854A JP2004248551A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 屋内における燻蒸方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003040854A JP2004248551A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 屋内における燻蒸方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=33024588
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004248551A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006076951A (ja) * | 2004-09-10 | 2006-03-23 | Yashima Sangyo Kk | 木材寄生線虫用くん蒸剤および木材くん蒸方法 |
JP2007245391A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | Sanko Kagaku Kogyo Kk | 木材の燻蒸方法 |
-
2003
- 2003-02-19 JP JP2003040854A patent/JP2004248551A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4730150B2 (ja) * | 2006-03-14 | 2011-07-20 | 三光化学工業株式会社 | 木材の燻蒸方法 |
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