JP2004248381A - 配電線の断線区間検出装置および断線区間検出方法 - Google Patents

配電線の断線区間検出装置および断線区間検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シンプルな構成による低価格な、かつ、耐久性に優れた高信頼度な配電線の断線区間検出装置を提供する。
【解決手段】配電線2の系統電源1側に配置され、商用周波と異なる所定周波数の検出用電圧を配電線2の相間に重畳して上記所定周波数の電流を相間に流す検出電圧発生装置3と、検出電圧発生装置3より負荷側の任意の位置で分散して配電線の相間に配置され、上記所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置7と、直列共振回路装置7を介して配電線2の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出する電流検出装置6を備え、電流検出装置6が検出する電流の大きさより断線区間を判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、配電線の相間に商用周波と異なる周波数の検出用電圧を重畳し、配電線の任意位置の相間に配置した直列共振回路装置を介して流れる電流の大きさを検出して、配電線の断線の有無と断線区間を判定する配電線の断線区間検出装置および断線区間検出方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】
送電線または配電線の断線故障相および故障位置(断線区間)を検出する従来の装置としては、例えば、特許文献1(特公昭52−4340号公報)の第7図に示されたものがある。
特許文献1に示された従来の装置は、中央制御所につながる送配電線の特定区間毎に配置された複数個の受信装置、中央制御所に設けられ、送配電線を介して各受信装置に制御信号を送出する制御信号発生装置、中央制御所に設けられ、受信装置にそれぞれ対応した周波数を有する複数個の検出信号を送出する検出信号発生装置、各受信装置に対応してそれぞれ設けられ、制御信号の到来により動作して対応する周波数にそれぞれ直列共振する検出信号短絡装置を備え、動作状態にある検出信号短絡装置を介してこれに対応する検出信号を中央制御所に帰還させ、信号検出装置により帰還された検出信号の大きさを検出するものである。
【0003】
具体的には、結合装置を用いて検出信号発生装置が発生する商用周波と異なる周波数の検出信号を3相配電線の2線間に重畳する。
検出信号発生装置は周波数可変とし、検出信号発生装置で発生する検出信号の特定周波数に対して、ただ一つだけの検出信号短絡装置(例えば、直列共振フィルタ)が応答するものとする。
信号検出装置は、検出信号発生装置の検出信号電流がある一定値以上であれば断線無し、それ以下であれば断線有りと検出する。
順次、検出信号発生装置が発生する検出信号の周波数を変えるとともに、切換スイッチによって検出信号を重畳する相を切換えて、断線相と区間を判定する。
【0004】
例えば、検出信号の周波数がf1のときには検出信号短絡装置1が、検出信号の周波数がf2のときに検出信号短絡装置2が応答するようにしておき、検出信号短絡装置1と検出信号短絡装置2の間のa相で断線すれば、切換えスイッチがa相−b相間に接続されている状態で検出信号の周波数f2において、検出信号短絡装置2が応答せず、信号周波数f2の電流が流れないので検出信号短絡装置1と検出信号短絡装置2の間で断線が発生していることが判る。
【0005】
【特許文献1】
特許公報昭52−4340号(第7図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の断線故障検出装置(断線区間検出装置)は、以上のように構成されているので、信号発生装置として制御信号発生装置と検出信号発生装置の2組が必要であり、また、検出信号発生装置は発生する検出信号の周波数が可変できるものであることが必要である。
また、信号検出装置は検出信号発生装置の可変周波数に対して、何れの周波数の信号も検出が出来なければならず、各検出信号短絡装置の共振周波数は互いに異なるものでなければならない。
また、検出区間毎に信号発生装置に対して応答する受信器が必要であるなど、装置が複雑であり、コスト高になるという問題点があった。
【0007】
さらに、検出信号発生装置の周波数の切換え、および切換スイッチによる検出信号を重畳する相の切換えを行う必要があるので、断線故障相および故障位置の検出に時間がかかるという問題点があった。
また、検出信号を重畳する相の切換スイッチおよび検出信号短絡装置の開閉に機械的スイッチを用いているので、検出周期を短くすると、接点の消耗等により装置の耐久性に問題が生じるという問題点もあった。
【0008】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、シンプルな構成による低価格な、かつ、耐久性に優れた高信頼度な配電線の断線区間検出装置および断線区間検出方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る配電線の断線区間検出装置は、配電線の系統電源側に配置され、商用周波と異なる所定周波数の検出用電圧を上記配電線の相間に重畳して、上記所定周波数の電流を相間に流す検出電圧発生装置と、上記検出電圧発生装置より負荷側の任意の位置で分散して上記配電線の相間に配置され、上記所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置と、上記直列共振回路装置を介して配電線の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出する電流検出装置とを備えたものである。
【0010】
また、この発明に係る配電線の断線区間検出方法は、商用周波と異なる所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置を配電線の負荷側の任意の位置で分散して相間に配置するステップと、配電線の系統電源側の相間に上記所定周波数の検出用電圧を重畳するステップと、上記直列共振回路装置を介して配電線の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出するステップと、検出された上記所定周波数の電流の大きさに基づいて、配電線の断線区間を判定するステップとを有したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態を説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による配電線の断線区間検出装置の構成を示す回路図である。
図において、1は系統電源、2は配電線、3は検出電圧発生装置、4は検出電源用変圧器、5は電流センサ、6は電流検出装置、7は直列共振回路装置、8は結合装置である。
【0012】
検出電圧発生装置3は、配電線2の系統電源1側において結合装置8を介して商用周波と異なる周波数の検出用電圧を3相配電線の各配電線2の間(即ち、相間)に重畳する。
配電線2の負荷側の任意位置(例えば、図示しない柱上開閉器の電源側)において分散して相間に重畳された検出用電圧の周波数で直列共振する直列共振回路装置7を設置する。
なお、直列共振回路装置7とは、例えば、リアクトル、抵抗およびコンデンサが直列に接続されたコンデンサ装置のようなものであり、図に示すように配電線2の複数の任意位置にそれぞれ設置される。
【0013】
本実施の形態による配電線の断線区間検出装置は、下記(1)から(5)の点おいて前述の従来装置と異なる。
(1)検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧の周波数は、当該断線区間検出装置が断線有無の判定を行う線路範囲において、固定の単一周波数とする。(例えば、50Hz〜1kHzの範囲から選択)
(2)各直列共振回路装置7は、当該断線区間検出装置が断線有無の判定を行う線路範囲において、全て同じ直列共振周波数であり、直列共振すると抵抗分のみとなる。
【0014】
(3)各直列共振回路装置7は、検出用電圧の周波数に対するインピ−ダンス:Zを出来るだけ下記の式(1)の関係に近付けるようにする。
LOAD≫Z≫ZLINE ・・・・・・・・・・ 式(1)
ここで、ZLOAD:1区間の負荷インピ−ダンス
LINE:1区間の線路インピ−ダンス
なお、「1区間」とは、直列共振回路装置7が接続されている位置から次の直列共振回路装置7が接続されている位置までの区間である。
【0015】
(4)全ての直列共振回路装置7は、電力ヒュ−ズ(図示せず)などの短絡保護装置を用いて配電線に常時接続されている。
従って、従来のように受信器を用いて応答する開閉装置(スイッチ)等は不要である。
(5)電流センサ5は、三相または二相間(三相目は二相の和で求める)に設置し、電流検出装置6で検出周波数(即ち、検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧の周波数)の電流(単一周波数)を検出する。
なお、結合装置8は検出周波数に直列共振する直列共振回路装置7に類似のものとしたが、商用周波に対して高インピ−ダンス、検出周波数に対して低インピ−ダンスを示すものであればよい。
例えば、従来装置の結合装置と商用周波阻止装置と商用周波短絡装置を組合せたものでも良い。
【0016】
次に、動作について説明する。
検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧は、検出電流の測定精度の点ではある程度高い方が良いが、検出用電圧の重畳によって高調波障害が発生しないように考慮する必要がある。
一般に、配電線の高調波電圧ひずみ率の抑制目標値は1〜4%(次数によって異なる)であるので、例えば、配電系統電圧の1〜2%程度の電圧を重畳する。
【0017】
図2は、図1の電気的等価回路を示す図であり、図(a)は、図1を検出周波数における検出用電圧Vに対する一相分の電気的等価回路を示している。
図2(a)において、Zは系統電源のインピ−ダンス、Zは検出用電源のインピ−ダンス、ZLINE1〜nは配電線の線路インピ−ダンス、ZC1〜nは直列共振回路装置のインピ−ダンス、ZLOAD1〜nは負荷のインピ−ダンスを示す。
ここで、ZC1〜nは検出周波数(即ち、直列共振周波数)においては抵抗分のみとなり、
C1〜n≒RC1〜n(RC1〜n:直列共振回路装置7の抵抗分)
で表せる。
【0018】
いま、全ての区間において、出来るだけ前述の式(1)の関係に近付けるように、検出周波数、1区間の長さを設定すると、ZLINE1〜nおよびZLOAD1〜nが無視でき、図2(a)は概略、図2(b)で表せる。
従って、図2(b)において、RC1=RC2…=RCnとすると、IC1=IC2…=ICnであるので、フィ−ダ電流Iは、検出用電源から断線位置までの直列共振回路装置の数:nに比例した電流(I=n×I)が流れる。
【0019】
なお、配電線の主要な部分を幹線、幹線から分岐した部分を分岐線といい、配電用変電所と幹線との間の線路をフィーダという。(電気工学ハンドブック)
また、電流検出装置6の検出電流Iは、配電線が断線前には、I=n×I(n:検出用コンデンサの設置数)と系統電源1側へ流れる電流I(断線前後で一定)のベクトル和の電流が流れ、断線発生時には断線区間によって、図3に示すような検出電流Iの変化が生じるので、電流値によって断線区間を判定できる。
【0020】
以上説明したように、本実施の形態による配電線の断線区間検出装置は、配電線2の系統電源1側に配置され、商用周波と異なる所定周波数の検出用電圧を配電線の相間に重畳して、固定の所定周波数の電流を相間に流す検出電圧発生装置3と、検出電圧発生装置3より負荷側の任意位置において配電線2の相間に配置され、上記所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置7と、複数の直列共振回路装置7を介して配電線2の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出する電流検出装置6とを備え、電流検出装置6が検出する検出電流の値に基づいて断線区間を判定できる。
【0021】
従って、検出電圧発生装置は、固定の1つの所定周波数の検出用電圧を発生すればよく、複数の直列共振回路装置もこの固定の1つの周波数で直列共振すればよい。
さらに、検出周波数が固定の所定周波数であるので、従来のように検出周波数に応じて機械的に開閉するスイッチが不要となり、接点の消耗などによる装置の耐久性劣化も生じない。
このように、本実施の形態による配電線の断線区間検出装置によれば、シンプルな構成による低価格な、かつ、耐久性に優れた高信頼度な配電線の断線区間検出装置を実現できる。
【0022】
実施の形態2.
前述の実施の形態1による配電線の断線区間検出装置では、検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧の周波数は(従って、直列共振回路装置7の直列共振周波数も)商用周波と異なる任意のものとしたが、本実施形態による配電線の断線区間検出装置では三相回路の理論高調波以外で、商用周波の整数倍とする。
なお、理論高調波とは、商用周波の6k(k:正の整数)±1倍の周波数のことである。
【0023】
配電線に存在する高調波(三相回路の理論高調波)は、直列共振回路装置7の共振周波数に対しては周波数が商用周波の整数倍ずれるので、配電線に存在する高調波発生源による直列共振回路装置7への高調波電流の流入を軽減でき、高調波電流による直列共振回路装置7の損失、温度上昇を低減できる。
【0024】
実施の形態3.
前述の実施の形態1による配電線の断線区間検出装置では、検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧の周波数は(従って、直列共振回路装置7の共振周波数も)商用周波と異なる任意のものとしたが、本実施形態では三相回路の逆相高調波以外で、商用周波の整数倍とする。
従って、実施の形態2の場合と同様の理由により、検出電圧発生装置3から配電線に接続される回転機(回転機は逆相分に対しては、インピ−ダンスが低く、大きな電流が流れる。)への逆相高調波電流の流入を軽減でき、断線区間検出への悪影響(誤検出)を回避できる。
【0025】
実施の形態4.
前述の実施の形態1による配電線の断線区間検出装置では、検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧の周波数は(従って、直列共振回路装置7の共振周波数も)商用周波と異なる任意のものとしたが、本実施の形態では商用周波の正の実数倍の周波数とする。
従って、配電線に存在する高調波発生源による直列共振回路装置7への高調波電流の流入を軽減でき、高調波電流による7の損失、温度上昇を低減できる。
【0026】
実施の形態5.
前述の実施の形態1による配電線の断線区間検出装置では、電流検出装置6の検出電流Iは、前述の様に、断線区間によって図3に示すように変化するが、検出用電圧Vに対して、フィーダ電流Iはほぼ同位相、系統電源1側へ流れる電流Iはほぼ90°遅れ位相となるので、検出電流Iは絶対値を取ると、断線区間と電流の関係は必ずしも同図の様に直線的には減少しない。
なお、図2において、
=ZMS+RCM
MS:検出用電源および変圧器のインピ−ダンス、
CM:結合装置の抵抗分
であるが、ZMS≪RCMなので、Z≒RCMである。
【0027】
電流センサ5は、図2における断線前電流(I+I)からn点における断線時電流(I)の変化を検出して断線位置(区間)を検出するので、断線前電流(I+I)以上の電流検出レンジ(最大検出範囲)が必要となる。
また、断線による電流変化(即ち、I)が小さいと、電流センサ5の検出誤差の影響が大きくなり(誤差に埋もれる)、電流変化を正確に計測することができなくなり、正確な断線位置の検出が難しくなる。
【0028】
図4は、フィーダ電流I、系統電源1側へ流れる電流Iおよび電流センサ5に流れる検出電流Iの位相関係をベクトルで表したものである。
図4に示すように、断線による電流変化(即ち、IF0−IFn)に対して、検出電流の変化(即ち、IM0−IMn)が小さくなる。
検出電流Iの中から有効分電流Iのみを検出すれば、電流検出レンジに対して電流変化の幅を大きく(△I/IM0→△I/IF0)できる。
【0029】
そこで、本実施の形態では、検出周波数の電流を検出する電流検出装置6に、検出電圧発生装置3の電圧と電流を入力して、検出用電圧に同位相の有効分電流(I×cosθ…θ:検出用電圧との位相)を検出するようにした。
これにより、図3のI有効分を大きく、I有効分を小さくできるので、電流検出レンジに対する断線発生時の電流変化の幅を大きく取れ、特に区間数が多くなった場合に断線区間をより正確に検出できる。
【0030】
実施の形態6.
図5は、実施の形態6による配電線の断線区間検出装置の構成を示す回路図である。
本実施の形態では、図に示すように、電流センサ5を配電線2のフィ−ダに設置し、検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧と電流センサ5の出力を電流検出装置6に入力して、配電線フィ−ダに流れる電流(検出周波数の電流の他に商用周波の負荷電流が含まれる)から検出周波数(即ち、検出電圧発生装置3が発生する検出用電圧の周波数)の電流を同期検波する。
【0031】
例えば、検出用電圧と電流の瞬時値の乗算を行い、検出用電圧の一周期で平均を取り、検出用電圧の実効値で除算すると、検出用電圧と同じ周波数の電流成分実効値を検出できる。
このようにすることにより、実施の形態5の場合と同様に、電流検出レンジに対する断線発生時の電流変化の幅を大きく取れる(図3のI分が0となる)ので、特に区間数が多くなった場合に断線区間をより正確に検出できる。
【0032】
実施の形態7.
前述の実施の形態1による配電線の断線区間検出装置おいて、線路定数等の関係で、前述の式(1)の関係が得られない場合には、特にZに対してZLINEがある程度まで大きくなると、図2(a)においてZLINEが無視できなくなり、図3の電流特性は断線位置が検出用電源より遠方ほど電流の減少(変化量)が少なくなり、区間数が多くなると断線区間の判定が難しくなってくる。
本実施の形態では、直列共振回路装置7を抵抗、リアクトル、コンデンサの直列回路により構成し、検出電圧発生装置3からの距離によって、検出周波数に対するインピ−ダンス(検出周波数で直列共振するものとした場合は抵抗分:RC1〜RCn)に重み付けをして、検出電圧発生装置3から遠距離に設置するものほど小さくするようにする。
【0033】
直列共振回路装置7は、検出周波数に対しては直列共振となるので、そのインピーダンスは等価的には抵抗分のみとなる。
従って、具体的には、直列共振回路装置7の回路の抵抗値に下記の重み付けをすることにより、検出電圧発生装置3から遠距離に設置するものほど小さくするようにする。
C1、RC2、・・・RCn=K×R、K×R、・・・K×R
ただし、K<K<・・・<K
これによって、図3の電流特性へのZLINEの影響を補正できるので、区間数が多くなった場合でも実施形態1よりも断線区間を正確に検出できる。
【0034】
実施の形態8.
図3の実際の電流特性は、Zに対するZLINEおよびZLOADの値によっては、これらの若干の影響を受け、電流変化量が減少する場合がある。
本実施の形態では、配電線に断線が発生していない状態において、あらかじめ、直列共振回路装置7を検出電圧発生装置3に近い側から1個づつ接続していった場合の電流検出装置6の電流値を測定して、これを当該装置内に記憶しておき、断線監視時の電流値と比較して、断線の有無と断線区間を判定するようにしてものである。
【0035】
例えば、ZLOAD(負荷電力値)の異なる場合の電流特性を幾つか記憶しておき、系統の負荷電力値によって適用する電流特性を変更する。
これにより、図3に示した電流特性が変曲点(減少→増加)を持たない限り、前記ZLINEおよびZLOADの影響がある程度有る場合においても、断線の有無と断線区間を判定することができる。
【0036】
実施の形態9.
図6は、実施の形態9による配電線の断線区間検出装置の構成を示す回路図である。
前述の実施の形態1による配電線の断線区間検出装置では、図6に示すような分岐のある配電系統では断線区間の判定は出来ない。
本実施の形態では、同一配電線において、断線区間判定を行う対象線路を分岐の無い範囲で、例えば、図6のように区分(図6(a)は2区分、図6(b)はは3区分の例を示す)し、区分した線路毎に対応させて実施の形態1による断線区間検出装置を設置して、それぞれの断線区間検出装置の検出周波数を装置間で異なる周波数にする。
【0037】
例えば、図6(a)の場合では、区分Aにおける断線区間検出装置の検出周波数をf[Hz]、区分Bにおける断線区間検出装置の検出周波数をf[Hz]としている。
また、図6(b)の場合では、区分Aにおける断線区間検出装置の検出周波数をf[Hz]、区分Bにおける断線区間検出装置の検出周波数をf[Hz]、区分Cにおける断線区間検出装置の検出周波数をf[Hz]とする。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態による配電線の断線区間検出装置は、分岐のある配電線の断線区間検出装置であって、分岐される前の配電線の相間に、商用周波と異なり、かつ、互いに異なる複数の所定周波数の検出用電圧を重畳する検出電圧発生装置と、分岐された配電線のそれぞれの任意の位置において相間に配置され、上記複数の所定周波数のいずれか1つの周波数で直列共振すると抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置と、複数の直列共振回路装置を介して分岐された配電線の相間に流れる複数の所定周波数の電流の大きさをそれぞれ検出する電流検出装置とを備えている。
【0039】
この様に構成すれば、共振周波数の異なる直列共振回路装置には検出電流は流れない(即ち、区分Aの配電線に配置されたf[Hz]の周波数で直列共振する直列共振回路装置は、f[Hz]の周波数では直列共振はせず、周波数f[Hz]の検出電流は流れない)ので、分岐のある配電系統においても実施の形態1と同様に分岐された配電線における断線区間の判定が可能である。
【0040】
【発明の効果】この発明による配電線の断線区間検出装置は、配電線の系統電源側に配置され、商用周波と異なる所定周波数の検出用電圧を配電線の相間に重畳して、上記所定周波数の電流を相間に流す検出電圧発生装置と、検出電圧発生装置より負荷側の任意の位置で分散して配電線の相間に配置され、上記所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置と、直列共振回路装置を介して配電線の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出する電流検出装置とを備えているで、シンプルな構成による低価格な、かつ、耐久性に優れた高信頼度な配電線の断線区間検出装置を提供できる。
【0041】
また、この発明による配電線の断線区間検出方法は、商用周波と異なる所定周波数で直列共振すると抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置を、配電線の負荷側の任意の位置で分散して相間に配置するステップと、配電線の系統電源側の相間に上記所定周波数の検出用電圧を重畳するステップと、直列共振回路装置を介して配電線の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出するステップと、検出された上記所定周波数の電流の大きさに基づいて、配電線の断線区間を判定するステップとを有しているので、シンプルな構成による低価格な、かつ、耐久性に優れた高信頼度な配電線の断線区間検出方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による配電線の断線区間検出装置の構成を示す回路図である。
【図2】図1の電気的等価回路を示す図である。
【図3】実施形態1による配電線の断線区間検出装置において断線区間と検出電流の関係を示す図である。
【図4】実施形態5による配電線の断線区間検出装置において、フィーダ電流、系統電源側へ流れる電流および検出電流の位相関係を表す図である。
【図5】実施の形態6による配電線の断線区間検出装置の構成を示す回路図である。
【図6】実施の形態9による配電線の断線区間検出装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 系統電源 2 配電線
3 検出電圧発生装置 4 検出電源用変圧器
5 電流センサ 6 電流検出装置
7 直列共振回路装置 8 結合装置

Claims (10)

  1. 配電線の系統電源側に配置され、商用周波と異なる所定周波数の検出用電圧を上記配電線の相間に重畳して、上記所定周波数の電流を相間に流す検出電圧発生装置と、
    上記検出電圧発生装置より負荷側の任意の位置で分散して上記配電線の相間に配置され、上記所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置と、
    上記直列共振回路装置を介して配電線の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出する電流検出装置とを備えたことを特徴とする配電線の断線区間検出装置。
  2. 上記所定の周波数は、三相回路の理論高調波以外で、商用周波の整数倍の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  3. 上記所定の周波数は、三相回路の逆相高調波以外で、商用周波の整数倍の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  4. 上記所定の周波数は、商用周波の正の実数倍の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  5. 上記電流検出装置は、検出用電圧と同位相の有効電流を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  6. 上記電流検出装置は、電流センサを配電線のフィ−ダに設置し、上記フィ−ダに流れる電流から上記所定周波数の電流を同期検波するようにした請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  7. 上記直列共振回路装置は、抵抗、リアクトル、コンデンサが直列に接続された直列回路で構成され、上記検出電圧発生装置から遠距離に設置されたものほど検出周波数に対するインピ−ダンスが小さくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  8. 配電線に断線が発生していない状態において、あらかじめ、検出用コンデンサ装置を上記検出電圧発生装置に近い側から1個づつ接続していった場合の上記電流検出装置の電流値を測定して記憶しておき、断線監視時の電流値と比較することによって断線の有無と断線区間を判定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の配電線の断線区間検出装置。
  9. 分岐のある配電線の断線区間検出装置であって、
    分岐される前の配電線の相間に、商用周波と異なり、かつ、互いに異なる複数の所定周波数の検出用電圧を重畳する検出電圧発生装置と、分岐された配電線のそれぞれの任意の位置で分散して相間に配置され、上記複数の所定周波数のいずれか1つの周波数で直列共振すると抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置と、
    上記直列共振回路装置を介して分岐された配電線の相間に流れる上記複数の所定周波数の電流の大きさをそれぞれ検出する電流検出装置とを備えたことを特徴とする配電線の断線区間検出装置。
  10. 商用周波と異なる所定周波数で直列共振して抵抗分のみとなる複数の直列共振回路装置を、配電線の負荷側の任意の位置で分散して相間に配置するステップと、
    配電線の系統電源側の相間に上記所定周波数の検出用電圧を重畳するステップと、
    上記直列共振回路装置を介して配電線の相間に流れる上記所定周波数の電流の大きさを検出するステップと、
    検出された上記所定周波数の電流の大きさに基づいて、配電線の断線区間を判定するステップとを有したことを特徴とする配電線の断線区間検出方法。
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