JP2004245801A - 地滑り検出装置 - Google Patents

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Hisamichi Tanaka
久理 田中
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Abstract

【課題】地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる地滑り検出装置を得ることを目的とする。
【解決手段】検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波の受信時刻と電波発信部1による電波の発信時刻との時間差を算出する受信処理部11,12を電波発信部1と異なる地点に設置し、受信処理部11,12により算出された時間差から当該電波の反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視するように構成した。これにより、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる効果を奏する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電波を利用して地滑りの発生を遠隔監視する地滑り検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の地滑り検出装置は、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置し、その斜度センサから送信される無線信号(斜度の変化を示すデータ)を遠隔地において受信することにより、地滑りの発生を検出する(以下の特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−295111号公報(段落番号[0006]から[0018]、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の地滑り検出装置は以上のように構成されているので、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置すれば、地滑りの発生を検出することができる。しかし、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置して、その斜度センサの設置を維持するには多くの労力を必要とするなどの課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる地滑り検出装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る地滑り検出装置は、検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波の受信時刻と電波発信手段による電波の発信時刻との時間差を算出する複数の受信処理手段を電波発信手段と異なる地点に設置し、複数の受信処理手段により算出された時間差から当該電波の反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視するようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による地滑り検出装置を示す構成図であり、図において、電波発信部1は地滑りの検出対象地帯に向けて電波を発信する電波発信手段を構成している。送信機2は電波を空中線3に出力し、空中線3は地滑りの検出対象地帯に向けて電波を発信するアンテナである。ただし、この実施の形態1では、距離分解能を得るため、電波発信部1はパルス波を発信するものとする。
受信処理部11,12は電波発信部1と異なる地点に設置され、地滑りの検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波の受信時刻と電波発信部1による電波の発信時刻との時間差を算出する受信処理手段を構成している。
空中線13は地滑りの検出対象地帯に反射された電波を受信するアンテナであり、受信機14は空中線13により受信された電波を検波する。信号処理器15は受信機14による電波の受信時刻と送信機2による電波の発信時刻との時間差を算出する。
【0008】
反射地点特定部16は受信処理部11,12により算出された時間差と、電波発信部1及び受信処理部11,12の位置情報(位置情報は既値)から電波の反射地点を特定する。記録部17は受信機14による電波の受信時刻と対にして、反射地点特定部16により特定された電波の反射地点を記録する。監視部18は記録部17により記録されている受信時刻が異なる電波の反射地点を比較して、その反射地点の変動を監視し、その反射地点の変動が所定の設定値を超えると、地滑りの発生を示すアラーム情報を表示部19に出力する。表示部19は監視部18からアラーム情報を受けると、地滑りが発生した旨を表示する。なお、反射地点特定部16、記録部17、監視部18及び表示部19から監視手段が構成されている。
【0009】
図2は信号処理器15の内部を示す構成図であり、図において、検波器21は送信機2から発信された電波を検波する。不要信号除去部22は受信機14により受信された電波の信号強度が強度閾値より高い場合に限り、その電波を時間差算出部23に出力する。時間差算出部23は不要信号除去部22から出力された電波の受信時刻と検波器21により検波された電波の発信時刻との時間差を算出し、その時間差が時間閾値より小さい場合に限り、その時間差を反射地点特定部16に出力する。
【0010】
次に動作について説明する。
まず、電波発信部1の送信機2は、パルス波を空中線3に出力することにより、地滑りの検出対象地帯に向けてパルス波(電波)を発信する。この実施の形態1では、地滑りの検出対象地帯としては、裸地、あるいは、下草が生えている程度の表層を有する比較的小規模な地帯を想定している。
【0011】
受信処理部11,12の受信機14は、空中線13が地滑りの検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波を検波して信号処理器15に出力する。
信号処理器15は、受信機14が電波を検波すると、受信機14による電波の受信時刻と送信機2による電波の発信時刻との時間差を算出する。
ただし、上記のような検出対象地帯に反射された電波は、反射損失により振幅が弱まり、その損失程度も不均一である。また、電波発信部1から発信された電波は、検出対象地帯内の反射率が異なる種々の物体の他、地表でも反射されるため、受信機14により検波される電波には、地表のあらゆる地点からの反射を含んでいるものと考えられる。そこで、信号処理器15は、時間差を算出するに際して、変位の検出に有意な反射波を選択するようにしている。
【0012】
具体的には次の通りである。
信号処理器15の不要信号除去部22は、図3に示すように、受信機14により受信された電波の信号強度と強度閾値を比較し、電波の信号強度が強度閾値より低い部分はノイズとみなす一方、電波の信号強度が強度閾値より高い部分は、検出対象地帯にある物体の反射波とみなし、信号強度が強度閾値より高い部分の電波のみを時間差算出部23に出力する。したがって、この場合は、その物体を検出対象地帯における変位の代表点とみなすことになる。
信号処理器15の時間差算出部23は、不要信号除去部22から出力された電波の受信時刻と検波器21により検波された電波の発信時刻(送信機2による電波の発信時刻)との時間差を算出し、その時間差が時間閾値より小さい場合に限り、その時間差を反射地点特定部16に出力する。即ち、時間差算出部23は、時間差が時間閾値より大きい場合、検出対象地帯以外の地帯の反射波である可能性が高いので、そのような反射波に係る時間差を無効にしている。なお、時間閾値は、例えば検出対象地帯の広さを基準にして決定される。
図3の例では、送信後の時間Aの電波のみが有効になるので、信号処理器15からは時間差A(A=A−0)が反射地点特定部16に出力される。
【0013】
反射地点特定部16は、受信処理部11,12が時間差を算出すると、その時間差と、電波発信部1及び受信処理部11,12の位置情報(位置情報は既値)から電波の反射地点を特定する。
即ち、送信時刻と受信時刻の時間差が分かれば、電波が通る経路長が分かり、この経路長は一定であるので、図4に示すように、電波発信部1と受信処理部11,12を焦点にもつ楕円の円周上に反射物体(反射地点)が存在していることになる。楕円の公式より、焦点間距離と円周上の点の2つの焦点からの距離の和が分かれば、楕円の円周は一意に決まる。
【0014】
そこで、反射地点特定部16は、受信処理部11,12により算出された時間差と、電波発信部1及び受信処理部11,12の位置情報とから、2つの楕円の交点を求め、その交点の位置を反射物体の位置であると特定する。
ここでは、2つの楕円の交点から反射物体の位置を求めているが、2つの経路長の差を求め、各受信処理部11,12からの距離の差が、その経路長の差となる点の集合を求め、その点の集合、つまり双曲線と楕円の交点から反射物体の位置を求めてもよい。
【0015】
記録部17は、反射地点特定部16が電波の反射地点を特定すると、その電波の反射地点を受信機14による電波の受信時刻と対にして記録する。
監視部18は、記録部17により記録されている受信時刻が異なる電波の反射地点を比較して、その反射地点の変動を監視する。
そして、その反射地点の変動が所定の設定値を超えると、地滑りの発生を示すアラーム情報を表示部19に出力する。
表示部19は、監視部18からアラーム情報を受けると、地滑りが発生した旨を表示する。
【0016】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波の受信時刻と電波発信部1による電波の発信時刻との時間差を算出する受信処理部11,12を電波発信部1と異なる地点に設置し、受信処理部11,12により算出された時間差から当該電波の反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視するように構成したので、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる効果を奏する。
【0017】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による地滑り検出装置の送信機を示す構成図であり、図において、送信機2aは検出対象地帯に向けて電波を発信する際、その電波にチャープ変調を施して変調信号を発信するものであり、図1の送信機2の代わりに搭載される。源信号発振器31は源発振信号を出力し、逓倍器32は源発振信号を逓倍し、増幅器33は逓倍器32により逓倍された源発振信号を増幅する。これにより空中線3にはチャープ変調が施された変調信号が出力される。図6はこの発明の実施の形態2による地滑り検出装置の受信機を示す構成図であり、図において、受信機14aは送信機2aによるチャープ変調と逆特性を有するフィルタ41に変調信号を通して検出対象地帯に反射された電波を受信するものであり、図1の受信機14の代わりに搭載される。フィルタ41はチャープ変調と逆特性を有し、周波数変換部42はフィルタ41の出力信号の周波数を変換し、検波部43は電波を検波する。
【0018】
上記実施の形態1では、電波発信部1が地滑りの検出対象地帯に向けてパルス波を発信するものについて示したが、電波発信部1が検出対象地帯に向けて電波を発信する際、その電波にチャープ変調を施して変調信号を発信し、受信機14aが、送信機2aによるチャープ変調と逆特性を有するフィルタ41に変調信号を通して検出対象地帯に反射された電波を受信するようにしてもよい。
これにより、電波発信部1から発信される電波の幅を短くすることができるため、その電波の反射地点を細かく特定することができるようになり、その結果、微小な変位を検出することができるようになる効果を奏する。
【0019】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による地滑り検出装置の一部を示す構成図であり、図において、送信機2bは連続波の変調信号を空中線3に出力するものであり、図1の送信機2の代わりに搭載される。連続波発振器51は連続波を発振し、局部発振信号発生器52は局部発振信号を発生する。変調器53は局部発振信号発生器52から発生された局部発振信号を用いて、連続波発振器51から出力された連続波を周波数変調し、その連続波の変調信号をカプラ54に出力する。カプラ54は変調器53から出力された連続波の変調信号を空中線3に出力するとともに、その変調信号の一部を受信機14bのミキサ61に出力する。
【0020】
受信機14bは空中線13により受信された連続波の変調信号を検波するものであり、図1の受信機14の代わりに搭載される。ミキサ61は送信機2bのカプラ54から出力された変調信号の周波数と空中線13により受信された変調信号の周波数との総和周波数及び差分周波数を求めてフィルタ62に出力する。フィルタ62は総和周波数を除去して差分周波数のみを通過させる。信号処理器15bは図1の信号処理器15の代わりに搭載され、周波数距離変換部63はフィルタ62から出力された差分周波数を変調信号の伝送距離(電波発信部1→反射地点→受信処理部11,12の距離)に変換する。
【0021】
上記実施の形態1では、電波発信部1がパルス波を発信したのち、受信処理部11,12が検出対象地帯に反射された電波を受信して、その電波の発信時刻と受信時刻との時間差を算出すると、反射地点特定部16がその時間差から電波の反射地点を特定するものについて示したが、電波発信部1が連続波の変調信号を発信したのち、受信処理部11,12が検出対象地帯に反射された変調信号を受信して、その変調信号の伝送距離を算出すると、反射地点特定部16がその伝送距離から変調信号の反射地点を特定するようにしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0022】
具体的には次の通りである。
送信機2bの変調器53は、連続波発振器51が連続波を発振し、局部発振信号発生器52が局部発振信号を発生すると、その局部発振信号発生器52から発生された局部発振信号を用いて、連続波発振器51から出力された連続波を周波数変調する。
送信機2bのカプラ54は、変調器53から連続波の変調信号を受けると、その連続波の変調信号を空中線3に出力することにより、その連続波の変調信号を検出対象地帯に向けて発信し、その変調信号の一部を受信機14のミキサ51に出力する。
【0023】
受信機14bのミキサ61は、空中線13が連続波の変調信号を受信すると、送信機2bのカプラ54から出力された変調信号の周波数と、空中線13により受信された変調信号の周波数との周波数の和を求めると共に、それらの周波数の差分を求めてフィルタ62に出力する。
受信機14bのフィルタ62は、ミキサ61から総和周波数と差分周波数を受けると、その総和周波数を除去して差分周波数のみを通過させる。
【0024】
信号処理器15bの周波数距離変換部63は、フィルタ62から差分周波数を受けると、その差分周波数を変調信号の伝送距離に変換する。
ここで、差分周波数と伝送距離の関係を詳述する。
まず、送信機2bにおいて、連続波が図8に示すような鋸歯状の周波数に変調されている場合、その連続波の変調信号の周波数fは次のように表される。
f=f+Δf(t−t
ただし、fは基本周波数、Δfは単位時間当たりの周波数変化、tは基準時間である。
【0025】
次に、電波発信部1→反射地点→受信処理部11,12の距離を計測する際の送信周波数をf、受信処理部11,12における受信周波数をfとすると、その送信周波数fと受信周波数fは次のように表される。
=f+Δf(t−t
=f+Δf(t−t
よって、送信周波数fと受信周波数fの差分周波数は、次のようになる。
Figure 2004245801
【0026】
ここで、差分周波数f−fを単位時間当たりの周波数変化Δfで除算すると、電波の発信時刻と受信時刻の時間差t−tが求められ、その時間差t−tに光速cを乗算すると、連続波の変調信号の伝送距離Lを求めることができる。
L=(t−t)・c
=(f−f)・c/Δf
【0027】
反射地点特定部16は、周波数距離変換部63が上記のようにして変調信号の伝送距離を求めると、その伝送距離から電波の反射地点を特定する。
上記実施の形態1では、反射地点特定部16は、受信処理部11,12により算出された時間差から電波の反射地点を特定している点で相違しているが、上記実施の形態1の反射地点特定部16も、その時間差から経路長(=変調信号の伝送距離)を求めてから電波の反射地点を特定するものであるため、周波数距離変換部63から出力された変調信号の伝送距離を用いても、上記実施の形態1と同様の原理により、電波の反射地点を特定することができる。
【0028】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、検出対象地帯に反射された変調信号を受信すると、その変調信号の伝送距離を算出する受信処理部11,12を電波発信部1と異なる地点に設置し、受信処理部11,12により算出された変調信号の伝送距離から反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視するように構成したので、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる効果を奏する。
【0029】
また、この実施の形態3によれば、検出対象地帯に反射された変調信号の受信周波数と、電波発信部1から発信された変調信号の送信周波数との差分周波数を求め、その差分周波数を伝送距離に変換するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、その変調信号の伝送距離を正確に求めることができる効果を奏する。
【0030】
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4による地滑り検出装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
受信機14cは第1のアンテナである空中線13aにより受信された変調信号の受信周波数と、第2のアンテナである空中線13bにより受信された変調信号の受信周波数との差分周波数を求めるものであり、図1の受信機14の代わりに搭載される。信号処理器15cは受信機14cにより求められた差分周波数と空中線13a,13b間の距離と送信周波数(送信機2bから出力される変調信号の送信周波数)とから反射地点の方位を算出するものであり、図1の信号処理器15の代わりに搭載される。反射地点特定部16cは受信処理部11,12により算出された反射地点の方位から電波の反射地点を特定するものであり、図1の反射地点特定部16の代わりに搭載される。
【0031】
図10は受信機14c及び信号処理器15cの内部を示す構成図であり、図において、ミキサ71は空中線13aにより受信された変調信号の受信周波数と、空中線13bにより受信された変調信号の受信周波数との差分周波数を求め、フィルタ72はミキサ71から出力された差分周波数に含まれる不要周波数を除去して差分周波数を信号処理器15cに出力する。周波数方位変換部73はフィルタ72から出力された差分周波数と空中線13a,13b間の距離と送信周波数とから反射地点の方位を算出する。
【0032】
上記実施の形態1では、電波発信部1がパルス波を発信したのち、受信処理部11,12が検出対象地帯に反射された電波を受信して、その電波の発信時刻と受信時刻との時間差を算出すると、反射地点特定部16がその時間差から電波の反射地点を特定するものについて示したが、電波発信部1が連続波の変調信号を発信したのち、受信処理部11,12が検出対象地帯に反射された変調信号を受信して、その変調信号の反射地点の方位を算出すると、反射地点特定部16cがその反射地点の方位から反射地点を特定するようにしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0033】
具体的には次の通りである。
送信機2bの変調器53は、連続波発振器51が連続波を発振し、局部発振信号発生器52が局部発振信号を発生すると、その局部発振信号発生器52から発生された局部発振信号を用いて、連続波発振器51から出力された連続波を周波数変調する。
送信機2bのカプラ54は、変調器53から連続波の変調信号を受けると、その連続波の変調信号を空中線3に出力することにより、その連続波の変調信号を検出対象地帯に向けて電波を発信し、その変調信号の一部を受信機14のミキサ51に出力する。
【0034】
受信機14cのミキサ71は、空中線13a,13bが連続波の変調信号を受信すると、空中線13aにより受信された変調信号の受信周波数と、空中線13bにより受信された変調信号の受信周波数との差分周波数を求める。
受信機14cのフィルタ72は、ミキサ71が差分周波数を求めると、その差分周波数に含まれる不要周波数を除去して差分周波数を信号処理器15cの周波数方位変換部73に出力する。
【0035】
信号処理器15cの周波数方位変換部73は、フィルタ72から差分周波数を受けると、その差分周波数から空中線13aと反射地点間の距離と、空中線13bと反射地点間の距離との差分(経路差分)を求める。
そして、その経路差分と、既値である空中線13a,13b間の距離と、送信周波数(送信機2bから出力される変調信号の送信周波数)とから反射地点の方位を算出する。
【0036】
ここで、差分周波数と方位の関係を詳述する。
まず、空中線13aの受信周波数がf、空中線13bの受信周波数がfであるとし、空中線13aにおける変調信号の受信時刻がt、空中線13bにおける変調信号の受信時刻がtであるとする。
=f+Δf(t−t
=f+Δf(t−t
【0037】
受信時刻の時刻差t−tは、図11に示すように、距離差dによって生じるものであるため、距離差dは次のように表される。
Figure 2004245801
空中線13a,13b間の距離LABと比べて、反射地点から空中線13a,13bへの距離が十分に大きく、反射波が各々の空中線13a,13bに平行に入射するものとすると、距離差dは次のように表される。
d=LAB・sinθ
【0038】
上式をθについて解くと次のように表される。
Figure 2004245801
なお、θは空中線13aと空中線13bを結ぶ直線と、反射地点から空中線13a,13bを結ぶ直線に垂直に交わる線とのなす角に等しいので、θから反射地点の方位を特定することができる。即ち、空中線13aに対する空中線13bの方位は予め知り得るので、その方位とθから反射地点の方位を特定することができる。
【0039】
反射地点特定部16cは、受信処理部11,12の周波数方位変換部73が上記のようにして反射地点の方位を特定すると、その反射地点の方位から電波の反射地点を特定する。即ち、受信処理部11から出力された方位と、受信処理部12から出力された方位との交差点を反射物体の位置として特定する。
【0040】
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、検出対象地帯に反射された変調信号を受信すると、その変調信号の反射地点の方位を算出する受信処理部11,12を電波発信部1と異なる地点に設置し、受信処理部11,12により算出された反射地点の方位から反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視するように構成したので、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる効果を奏する。
【0041】
また、この実施の形態4によれば、空中線13aにより受信された変調信号の受信周波数と、空中線13bにより受信された変調信号の受信周波数との差分周波数を求め、その差分周波数と空中線13a,13b間の距離と送信周波数とから反射地点の方位を算出するように構成したので、構成の複雑化を招くことなく、その反射地点の方位を正確に求めることができる効果を奏する。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波の受信時刻と電波発信手段による電波の発信時刻との時間差を算出する複数の受信処理手段を電波発信手段と異なる地点に設置し、複数の受信処理手段により算出された時間差から当該電波の反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視するように構成したので、地滑りの検出対象地帯に斜度センサを設置することなく、地滑りの発生を検出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による地滑り検出装置を示す構成図である。
【図2】図1の信号処理器の内部を示す構成図である。
【図3】電波の信号強度と閾値の関係を示す説明図である。
【図4】反射物体の位置を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2による地滑り検出装置の送信機を示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態2による地滑り検出装置の受信機を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3による地滑り検出装置の一部を示す構成図である。
【図8】連続波の周波数変調を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態4による地滑り検出装置を示す構成図である。
【図10】図9の受信機及び信号処理器の内部を示す構成図である。
【図11】差分周波数と方位の関係を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 電波発信部(電波発信手段)、2,2a,2b 送信機、3 空中線(アンテナ)、11,12 受信処理部(受信処理手段)、13 空中線(アンテナ)、13a 空中線(第1のアンテナ)、13b 空中線(第2のアンテナ)、14,14a,14b,14c 受信機、15,15b,15c 信号処理器、16,16c 反射地点特定部(監視手段)、17 記録部(監視手段)、18監視部(監視手段)、19 表示部(監視手段)、21 検波器、22 不要信号除去部、23 時間差算出部、31 源信号発振器、32 逓倍器、33 増幅器、41 フィルタ、42 周波数変換部、43 検波部、51 連続波発振器、52 局部発振信号発生器、53 変調器、54 カプラ、61 ミキサ、62 フィルタ、63 周波数距離変換部、71 ミキサ、72 フィルタ、73 周波数方位変換部。

Claims (9)

  1. 地滑りの検出対象地帯に向けて電波を発信する電波発信手段と、上記電波発信手段と異なる地点に設置され、上記検出対象地帯に反射された電波を受信すると、その電波の受信時刻と上記電波発信手段による電波の発信時刻との時間差を算出する複数の受信処理手段と、上記複数の受信処理手段により算出された時間差から当該電波の反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視する監視手段とを備えた地滑り検出装置。
  2. 監視手段は、反射地点の変動が所定の設定値を超えると、地滑りの発生を認定することを特徴とする請求項1記載の地滑り検出装置。
  3. 受信処理手段は、検出対象地帯に反射された電波の信号強度が強度閾値より高く、かつ、その電波に係る時間差が時間閾値より小さい場合に限り、その電波に係る時間差の算出を有効にすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の地滑り検出装置。
  4. 電波発信手段は、検出対象地帯に向けて発信する電波としてパルス波を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の地滑り検出装置。
  5. 電波発信手段は、検出対象地帯に向けて電波を発信する際、その電波にチャープ変調を施して変調信号を発信し、受信処理手段は、そのチャープ変調と逆特性を有するフィルタに変調信号を通して検出対象地帯に反射された電波を受信することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の地滑り検出装置。
  6. 地滑りの検出対象地帯に向けて連続波の変調信号を発信する電波発信手段と、上記電波発信手段と異なる地点に設置され、上記検出対象地帯に反射された変調信号を受信すると、その変調信号の伝送距離を算出する複数の受信処理手段と、上記複数の受信処理手段により算出された伝送距離から当該変調信号の反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視する監視手段とを備えた地滑り検出装置。
  7. 受信処理手段は、検出対象地帯に反射された変調信号の受信周波数と、電波発信手段から発信された変調信号の送信周波数との差分周波数を求め、その差分周波数を伝送距離に変換することを特徴とする請求項6記載の地滑り検出装置。
  8. 地滑りの検出対象地帯に向けて連続波の変調信号を発信する電波発信手段と、上記電波発信手段と異なる地点に設置され、上記検出対象地帯に反射された変調信号を受信すると、その変調信号の反射地点の方位を算出する複数の受信処理手段と、上記複数の受信処理手段により算出された反射地点の方位から当該反射地点を特定し、その反射地点の変動を監視する監視手段とを備えた地滑り検出装置。
  9. 受信処理手段は、第1のアンテナにより受信された変調信号の受信周波数と、第2のアンテナにより受信された変調信号の受信周波数との差分周波数を求め、その差分周波数と上記第1及び第2のアンテナ間の距離と当該変調信号の送信周波数とから反射地点の方位を算出することを特徴とする請求項8記載の地滑り検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013075104A1 (en) * 2011-11-18 2013-05-23 Rutgers, The State University Of New Jersey Method and apparatus for detecting granular slip

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