【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の作業車両におけるPTO軸への動力断接機構等で、伝動上流側の第1の回転軸と、伝動下流側の第2の回転軸との間に介設されたクラッチを切ったときに、伝動下流側の第2の回転軸の連れ回りを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の作業車両では、ミッションケース内にPTO軸への動力断接機構が設けられており、該動力断接機構は、伝動上流側の第1の回転軸と、伝動下流側の第2の回転軸と、両回転軸の間に介設した湿式多板型のクラッチとを備えたものがある。第2の回転軸からはギア等を介してPTO軸に動力が伝達されるように構成されており、該PTO軸に、回転刃を備えたモアや、回転ロータリ等の作業装置が取り付けられている。
【0003】
ところで、前記動力断接機構において、伝動上流側の第1の回転軸はエンジンに連動連結されているため、非作業時であってもエンジンが作動している間は伝動上流側の第1の回転軸は回転し続けているため、クラッチを切り操作したにも関わらず、ミッションケース内に充填した作動油の粘性によって伝動下流側の第2の回転軸を回そうとする現象、所謂、連れ回り現象が生じ、該第2の回転軸からPTO軸に回転力を伝えようとする。しかし、PTO軸が非作業時に回転することは、安全上好ましくない。
そこで、この現象を防止するために、第2の回転軸に連れ回り防止ブレーキが設けられている。
例えば、特許文献1に開示される従来技術では、切り付勢される状態の湿式多板式のPTOクラッチを嵌装する伝動軸に、PTO軸に取り付けた従動歯車に噛合する駆動歯車を、PTOクラッチの従動側クラッチ部材と一体に回転する状態で嵌装してあるとともに、駆動歯車を従動側クラッチ部材に隣設配置してあるPTO軸への動力断接機構において、駆動歯車を伝動軸の軸方向に摺動移動可能に設け、駆動歯車における反PTOクラッチ側の側面と、クラッチケース内面との摩擦接触によって駆動歯車に制動力を付与可能な制動手段を構成するとともに、クラッチのピストンが、PTOクラッチの切り作動に伴って駆動歯車存在方向に向けて戻り移動する際の付勢力を、制動手段が作動するべく従動側クラッチ部材を貫通するピン部材を介して駆動歯車に伝達する伝達手段を設けている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−18427号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この特許文献1に開示される従来技術では、PTOクラッチを入りにして、クラッチケース内面と駆動歯車とを離間させているときにも、作動油の粘性によって駆動歯車の回転にある程度の負荷が掛かり、このためロス馬力が発生して、動力伝達効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明では、このようなロス馬力が発生することのない連れ回り防止ブレーキを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
まず、請求項1に記載のように、伝動上流側の第1の回転軸と、伝動下流側の第2の回転軸との間にクラッチを介設し、前記第2の回転軸の連れ回りを防止するブレーキ機構において、前記第2の回転軸に弾性部材の一端を取り付け、該弾性部材の他端に重りを兼用した摩擦部材を取り付けて軸心側に付勢するとともに、前記摩擦部材と対向して当接するように摩擦部材受けを設け、該摩擦部材受けを本機側に固定する。
【0007】
また、請求項2に記載のように、前記弾性部材を板バネとする。
【0008】
そして、請求項3に記載のように、前記摩擦部材受けと反対側の前記第2の回転軸の外側に案内部材を配置する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
図1はトラクタ等の作業車両の全体側面図、図2は第1実施例に係るミッションケース10の側面断面図、図3はPTO伝動軸52の連れ回り防止ブレーキ(第1実施形態)の側面断面図で、同図(a)はPTO伝動軸52の回転速度を下降させたとき図、同図(b)はPTO伝動軸52の回転速度を上昇させたときの様子を示す図である。また、図4はPTO伝動軸52の連れ回り防止ブレーキ(第2実施形態)の側面断面図で、同図(a)はPTO伝動軸52の回転速度を下降させたとき図、同図(b)はPTO伝動軸52の回転速度を上昇させたときの様子を示す図である。そして、図5は第2実施例に係るミッションケース10の側面断面図、図6は第1実施例に係るクラッチハウジング15の正面断面図、図7は第2実施例に係るクラッチハウジング15の正面断面図。
【0010】
まず、トラクタ等の作業車両の全体構成について説明する。
図1に示すように、作業車両は、機体前方のボンネット1内にエンジン5が収納され、該ボンネット1後部にダッシュボード2が配置されて、該ダッシュボード2の上方にハンドル3が配置されている。ダッシュボード2の下部には乗降用のステップ4が配置され、該ステップ4の左側にクラッチペダル(図示略)が配置されて、右側より上方にブレーキペダル(図示略)が配置されている。ステップ4の後部上方には座席6が配置され、該座席6の側方に主変速レバー、副変速レバー、PTO切換レバー9等が配置されている
【0011】
座席6の下方にはミッションケース10が配置されており、該ミッションケース10内には走行変速装置とPTO伝動装置が収納されている。ミッションケース10の前方にはクラッチハウジング15が配設されており、伝動軸を介して動力が伝達される。該クラッチハウジング15の前端はエンジン5の後端に締結されている。
【0012】
ミッションケース10の前端部にはPTO入力軸12と前輪駆動軸13とミッドPTO軸14とが前方へ突出し、該PTO入力軸12はエンジン5のクランク軸に対しクラッチハウジング15内の主クラッチ、伝動軸16を介して連動連結されている。前輪駆動軸13から出力される動力は伝動軸、ユニバーサルジョイント17を介してフロントアクスルケース18より突出した入力軸19に伝えられて、フロントアクスルケース18の両側に軸支した前輪20を駆動する。ミッドPTO軸14は伝動軸、ユニバーサルジョイント23を介して、モア24のギアボックス25より突出した入力軸26と連動連結されている。該モア24は図示せぬ昇降装置によって、前輪20と後輪21の間の機体下腹部空間内で昇降可能に吊持されている。
【0013】
ミッションケース10の後部の左右両側面からは車軸27が突出されて後輪21を軸支し、また、ミッションケース10上面には油圧ケース29が載置されて、該油圧ケース29には機体方向へ向けて一対のリフトアーム30・30が取り付けられている。ミッションケース10の後端下部には一対のロアリンク31・31と、ドローバーヒッチ32が装着されている。そして、リフトアーム30・30とロアリンク31・31と図示せぬトップリンクに作業機を昇降自在に装着できるようにし、あるいは、ドローバーヒッチ32に牽引作業機を装着できるようにしている。ミッションケース10の後端部にはリアPTO軸36と電磁クラッチ37とが後方へ突出し、該リアPTO軸36には図示せぬユニバーサルジョイントを取り付けて、該ユニバーサルジョイントを介して機体後部に搭載した作業機を駆動可能としている。
【0014】
次に、ミッションケース10内の構成について2つの実施例を説明する。このミッションケース10の内部には一定量の潤滑油兼用の作動油が充填されており、駆動系に配置される軸やギア等を潤滑するとともに、静油圧式無段変速装置(HST)の作動油としての役割を果たしている。
【0015】
まず、ミッションケース10内の構成の第1実施例であるが、この第1実施例では、前記PTO入力軸12の後部に設けられたPTOクラッチ53を介してPTO伝動軸52に動力が伝達され、該PTO伝動軸52上に、連れ回り防止ブレーキを配置している。この連れ回り防止ブレーキは、PTOクラッチ53の切り操作に伴ってPTO伝動軸52を制動するように構成されており、ミッドPTO軸14より動力が伝達されるモア24や、リアPTO軸36より動力が伝達されるロータリ等の作業機の回転部を停止させるようにして、PTOクラッチ53を切り操作してからも連れ回り現象が生じないようにしている。
【0016】
図2に示すように、前記PTO入力軸12の後方にはPTO伝動軸52が、該PTO入力軸12と軸心線を一致させて配置されており、伝動上流側の回転軸であるPTO入力軸12と、伝動下流側の回転軸であるPTO伝動軸52との間にはPTOクラッチ53が介設され、該PTOクラッチ53は、前記座席6側方のPTO切換レバー(またはボタン等)9の操作によって、軸12・52間の動力を断・接するように構成されている。
【0017】
このPTO伝動軸52は前記リアPTO軸36、及びミッドPTO軸14と平行に配置されており、該PTO伝動軸52の後端部に取り付けたギア62と、該リアPTO軸36の前端部に取り付けたギア63とを噛合させて、リアPTO軸36への動力伝達機構が構成されている。また、PTO伝動軸52からは図示せぬギア等を介し、ミッドPTO軸14への動力伝達機構が構成されている。なお、PTO伝動軸52とリアPTO軸36の間にPTO変速機構を配置することも可能である。
【0018】
PTOクラッチ53を多板式の油圧クラッチで構成した場合、PTO伝動軸52は、作動油または潤滑油の粘性によって、PTOクラッチ53を切ったにも関わらず、PTO入力軸12の回転によって連れ回されることがある。そこで、該PTO伝動軸52に、以下に記載の連れ回り防止ブレーキを設けている。
【0019】
まず、連れ回り防止ブレーキの第1実施形態について説明する。
図2及び図3に示すように、第1実施形態に係る連れ回り防止ブレーキは、PTO伝動軸52の外周に鋼または合成樹脂等の弾性部材で構成した板バネ71の一端部を取り付けて、該板バネ71を「へ」字状に曲げて他端部を後(または前)外方向に延出して、端部内側(PTO伝動軸側)に摩擦部材72を取り付け、該摩擦部材72と対向して、つまり、PTO伝動軸52と該板バネ71の他端部の摩擦部材72との間に摩擦部材受け73を配置している。該摩擦部材受け73は機体(ミッションケース)側に固設され、板バネ71は摩擦部材72を摩擦部材受け73に当接するように付勢するように構成されている。
【0020】
詳述すると、ミッションケース10内には左右方向の縦壁状のブラケット75が設けられ(ミッションケースと一体的に構成することもできる)、該ブラケット75にはPTO伝動軸52を軸支するベアリング74が取り付けられており、摩擦部材受け73は該ベアリング74の外周(外輪外側)部に取り付けられている。つまり、摩擦部材受け73はミッションケース10側に取り付けられて固定されている。但し、ミッションケース10と一体的に構成することもできる。この摩擦部材受け73は円環状の形状で、外周部73bはテーパー状に面取りされている。但し、このテーパー面は摩擦部材72の当て面の傾斜に合わせている。
【0021】
また、摩擦部材72に対して摩擦部材受け73と反対側、つまり、PTO伝動軸52の半径方向における外側には案内部材であるベアリング76が前記ブラケット75に取り付けられている。言い換えれば、案内部材と摩擦部材受け73の間に摩擦部材72を配置している。なお、摩擦部材受け73のPTO伝動軸52の半径方向における外側に配置する案内部材については、ベアリング76に限定するものではなく、滑性のよい合成樹脂等を用いてもよい。
【0022】
また、前記板バネ71はPTO伝動軸52の外周に複数枚所定間隔をおいて取り付けられており、該板バネ71・71・・・の先端はPTO伝動軸52から末広がるように「八」の字状に配置されて、各板バネ71の先端部に取り付けた摩擦部材72ある程度の重量を有し、PTO伝動軸52の回転が停止しているときには、該摩擦部材72・72・・・は板バネ71・71・・・のバネ力により付勢されて摩擦部材受け73の外周部73bに当接し、ベアリング76には接触しないようにしている。
【0023】
以上のように、PTO伝動軸52の連れ回り防止ブレーキが構成され、PTOクラッチ53を「入」にしてPTO入力軸12とPTO伝動軸52とを接続し、該PTO伝動軸52を回転させて、その回転速度が増加すると、板バネ71の先端の摩擦部材72に作用する遠心力も大きくなり、やがて該遠心力は該板バネ71による復元(バネ)力に打ち勝って、該摩擦部材72・72・・・は摩擦部材受け73から離間する。こうして摩擦部材72・72・・・が摩擦部材受け73から完全に離れると、以後PTO伝動軸52は制動を受けずにロスなく回転する。
【0024】
そして、PTO伝動軸52の回転速度がさらに上昇していくと、板バネ71の先端の摩擦部材72に作用する遠心力も増大して、該摩擦部材72・72・・・はPTO伝動軸52の半径方向外方向へ広がるように変位し、前記ベアリング76の内側に接触するようになる。このベアリング76がなければ、摩擦部材72・72・・・はPTO伝動軸52の回転速度が上昇するに連れて、該PTO伝動軸52の半径方向外方向へ益々広がり、該PTO伝動軸52の隣りの回転軸等の部材やミッションケース10の内壁等に当たって、損傷を引き起こす恐れがある。このためベアリング76が配置されて、PTO伝動軸52の回転速度がある程度以上に上昇すると、板バネ71の先端の摩擦部材72は、該ベアリング76に接触しながら滑らかに案内されるようになり、ロス馬力が殆ど発生することなく、PTO伝動軸52が制動されないようにしている。
【0025】
また、PTOクラッチ53を「切り」にしてPTO入力軸12からPTO伝動軸52への動力を切断したとき、ミッションケース10の内部に充填した油の粘性によりPTO伝動軸52はPTO入力軸12に連れ回されるが、該PTO伝動軸52と該PTO入力軸12とは直接は繋がっていないために、ミッションケース10の内部に充填した油が抵抗となり、また作業機の慣性力も減少して、該PTO伝動軸52の回転速度は次第に減少していく。
【0026】
このPTO伝動軸52の回転速度が減少する過程で、板バネ71の先端の摩擦部材72に作用する遠心力は減少していき、該遠心力は該板バネ71・71・・・による復元力よりも小さくなって摩擦部材72・72・・・が摩擦部材受け73へ引き寄せられて、やがて、摩擦部材72・72・・・が摩擦部材受け73に接触するようになる。この摩擦部材72・72・・・と摩擦部材受け73とが接触すると、抵抗によりPTO伝動軸52が制動され、該PTO伝動軸52の回転速度はさらに減少していく。また、PTO伝動軸52の回転速度がさらに減少していくと、板バネ71の先端の摩擦部材72に作用する遠心力がさらに減少していき、板バネ71の復元力による摩擦部材72・72・・・と摩擦部材受け73との間の接触抵抗がさらに大きくなって、PTO伝動軸52はより一層大きな力で制動され、やがてPTO伝動軸52を停止に至らしめる。
【0027】
このようにPTO伝動軸52の回転速度の減少に伴い、摩擦部材72・72・・・と摩擦部材受け73とが接触した後は、PTO伝動軸52の制動に拍車が掛かり、PTO伝動軸52の回転速度の減少に反比例するように、摩擦部材72・72・・・と摩擦部材受け73との間の接触抵抗は増大していき、終にはPTO伝動軸52の回転を停止させ、こうしてPTO伝動軸52の連れ回りが防止される。
【0028】
なお、PTO伝動軸52に取り付けて摩擦部材を摩擦部材受けへ付勢する弾性部材は、上記の板バネ71・71・・・に限定するものではなく、他の部材であってもよい。
例えば、弾性部材に圧縮バネ81・81・・・を用いる場合は、図4に示すように、連れ回り防止ブレーキは構成される。この連れ回り防止ブレーキ(第2実施形態)は、PTO伝動軸52に圧縮バネ81の一端部を取り付けて、該圧縮バネ81の他端部に摩擦部材82を取り付け、該PTO伝動軸52と該圧縮バネ81の他端部の摩擦部材82との間に摩擦部材受け83を配置して、該摩擦部材82を該摩擦部材受け83へ付勢するように構成している。
【0029】
摩擦部材受け83は円環状の形成されていて、PTO伝動軸52のベアリング74の外周部に取り付けられ、該摩擦部材受け83のPTO伝動軸52の半径方向における外側に案内部材であるベアリング86が配置されている。このベアリング86は円環状の形状で、図示せぬブラケットを介してミッションケース10の内壁に取り付けられている。
【0030】
また、摩擦部材82の前端部と後端部に一対の圧縮バネ81・81が取り付けられ、該圧縮バネ81・81の前後中央に摩擦部材受け83が配置されるように構成する。この一対の圧縮バネ81・81と摩擦部材82とから成る制動手段は、PTO伝動軸52の外周に複数組配置されている。この摩擦部材82・82・・・はある程度の重量があり、PTO伝動軸52の回転が停止しているときには、該摩擦部材82は圧縮バネ81・81に付勢されて摩擦部材受け83に当接し、ベアリング86には接触しないようにしている。
【0031】
このように、PTO伝動軸52の連れ回り防止ブレーキが構成され、PTO伝動軸52の回転速度を増加させことで、該摩擦部材82を該摩擦部材受け83から離間させ、該回転速度を減少させことで、該摩擦部材82が該摩擦部材受け83に接触し、PTO伝動軸52の回転を制動して、連れ回りが防止される。
【0032】
次に、ミッションケース10内の構成の第2実施例について説明する。この第2実施例では、ミッションケース10の外側に電磁クラッチ37を配置したところに特徴がある。
図5に示すように、前記PTO入力軸12の後方にはPTO伝動軸52が、該PTO入力軸12と軸線を一致させて配置されており、伝動上流側の回転軸であるPTO入力軸12と、伝動下流側の回転軸であるPTO伝動軸52との間にはPTOクラッチ53が介設され、該PTOクラッチ53は、前記座席6側方のPTO切換レバー9等の操作によって、軸12・52間の動力を断・接するように構成されている。
【0033】
このPTO伝動軸52は前記リアPTO軸36、及びミッドPTO軸14と平行に配置されており、該PTO伝動軸52の後端部に取り付けたギア62と、該リアPTO軸36の前端部に取り付けたギア63とを噛合させて、リアPTO軸36への動力伝達機構が構成されている。なお、PTO伝動軸52とリアPTO軸36の間にPTO変速装置を設けることもできる。
また、リアPTO軸36とミッドPTO軸14との間には、両軸36・14と平行に中間軸57が配置され、該中間軸54の後端部に取り付けたギア64と、前記のリアPTO軸36の前端部に取り付けたギア63とを噛合させ、該中間軸54の前端部に取り付けたギア65と、ミッドPTO軸14の後端部に取り付けたギア66とを噛合させて、ミッドPTO軸14への動力伝達機構が構成されている。
【0034】
中間軸57の後端部はミッションケース10の後壁より外部へ突出させており、該中間軸57の後端部とミッションケース10に電磁クラッチ37が取り付けられている。該電磁クラッチ37はPTO切換レバー9に設けた検知手段またはコントローラと接続されている。ミッションケース10の後面には中間軸57を貫通するための開口部が形成されており、該開口部の縁部にはオイルシール69が貼設されて、ミッションケース10の内部に充填している油の洩れを防いでいる。このような構成で、中間軸57を制動する電磁クラッチ37がミッションケース10の外部に配置されている。
【0035】
以上のような構成で、座席6側方のPTO切換レバー9の切り操作によって、軸12・52間の動力が切断されたことを検知手段で検知すると、電磁クラッチ37が作用し、中間軸57が制動されて、リアPTO軸36の回転、及びミッドPTO軸14の回転を完全に停止させるようにしている。
このように電磁クラッチをミッションケース10の外側に配置することで、カバー等をはずしたりミッションケースを分解したりすることなく容易に着脱でき、メンテナンス性が向上する。
なお、前記連れ回り防止ブレーキの構成は電磁クラッチに限定するものではなく、カム式としたり、ベルト式としてアクチュエータで制動する構成とすることができる。
【0036】
次に、ブレーキペダル40の取付構成について2つの実施例を説明する。
まず、ブレーキペダル40の取付構成の第1実施例について説明する。
ミッションケース10の前方のクラッチハウジング15にも作動油が充填されており、図1、図6に示すように、該クラッチハウジング15の左右一側部に開口部15cを形成し、該開口部15c・15cにブレーキペダル40のシャフト41を挿入して、該シャフト41を該開口部15cで支持する。シャフト41と開口部15cとの間にブッシュ91を嵌め込むとともに、オイルシール92を嵌め込み、クラッチハウジング15内の潤滑油が洩れないようにシールする。
【0037】
このような構成でクラッチハウジング15の開口部15cを支点にブレーキペダル40を回動自在に取り付ける。この構成では、トランスミッションの最下部はクラッチハウジング15の下面となり、前輪20と後輪21の間の機体下腹部空間内に吊持するモア24との間のクリアランスをかせぐことができ、モア24の上げ高さを高くすることができる。
【0038】
次に、ブレーキペダル40の取付構成の第2実施例について説明する。
図1、図7に示すように、クラッチハウジング15の左右両側部に開口部15c・15cを形成し、該開口部15c・15cにパイプ95を挿入して、該パイプ95の左右両端部を該開口部15c・15cで支持する。また、パイプ95の左右両端部と開口部15c・15cとの間にオーリング96・96を嵌め込み、クラッチハウジング15内の潤滑油が洩れないようにシールする。そして、パイプ95の左右両端部を回り止めボルト97・97で固定し、該パイプ97にブレーキペダル40のシャフト41を挿入する。
【0039】
このような構成でクラッチハウジング15に挿入したパイプ95を支点にブレーキペダル40を回動自在に取り付ける。このように、ブレーキペダル40のシャフト41を直接作動油内に突っ込まずに、パイプ95を介して支持することで、油洩れを防ぐことができる。また、シャフト41の交換の際も、クラッチハウジング15内の作動油を抜くことなく交換することができ、メンテナンス性が向上する。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
まず、請求項1に記載の発明では、PTOクラッチを入りにして、第1の回転軸と第2の回転軸とを接続し、該第2の回転軸を駆動回転されると、該第2の回転軸の回転速度の増加に伴い、弾性部材の他端部に取り付けた摩擦部材に作用する遠心力も大きくなり、やがて該遠心力は該弾性部材による復元力に打ち勝って、該摩擦部材は摩擦部材受けから離間する。こうして摩擦部材が摩擦部材受けから完全に離れると、以後第2の回転軸は制動を受けずにロスなく回転する。
一方、PTOクラッチを切りにして、第1の回転軸から第2の回転軸への動力を切断したときに、該第2の回転軸の回転速度は徐々に減少して、摩擦部材に作用する遠心力は減少していき、該遠心力は該弾性部材による復元力よりも小さくなって摩擦部材が摩擦部材受けへ引き寄せられ、該摩擦部材が該摩擦部材受けに接触するようになる。こうして第2の回転軸の回転速度の減少に伴い、摩擦部材と摩擦部材受けとが接触した後は、該第2の回転軸の制動に拍車が掛かり、やがて、第2の回転軸の回転は停止して連れ回りが防止される。
【0041】
また、請求項2に記載の発明では、前記弾性部材を板バネとしており、これによっても、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0042】
そして、請求項3に記載の発明では、PTOクラッチを入りにして、第2の回転軸の回転速度を増大させたときに、案内部材によって、弾性部材の他端部に取り付けた摩擦部材の回転軸の半径方向外方向へ広がりが防がれ、該摩擦部材がミッションケースの内壁等に当たらないようにしている。このとき摩擦部材は、案内部材に接触しながら滑らかに案内されるので、ロス馬力が殆ど発生することなく、第2の回転軸は制動されないようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】作業車両の全体側面図。
【図2】第1実施例に係るミッションケース10の側面断面図。
【図3】PTO伝動軸52の連れ回り防止ブレーキ(第1実施形態)の側面断面図。(a)はPTO伝動軸52の回転速度を下降させたとき図。(b)はPTO伝動軸52の回転速度を上昇させたときの様子を示す図。
【図4】PTO伝動軸52の連れ回り防止ブレーキ(第2実施形態)の側面断面図。(a)はPTO伝動軸52の回転速度を下降させたとき図。(b)はPTO伝動軸52の回転速度を上昇させたときの様子を示す図。
【図5】第2実施例に係るミッションケース10の側面断面図。
【図6】第1実施例に係るクラッチハウジング15の正面断面図。
【図7】第2実施例に係るクラッチハウジング15の正面断面図。
【符号の説明】
5 エンジン
6 座席
9 PTO切換レバー
10 ミッションケース
12 入力軸
14 ミッドPTO軸
15 クラッチハウジング
24 モア
36 リアPTO軸
52 PTO伝動軸
53 PTOクラッチ
71 板バネ
72 摩擦部材
73 摩擦部材受け
74 ベアリング
76 ベアリング
81 圧縮バネ
82 摩擦部材
83 摩擦部材受け
86 ベアリング[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a power connection / disconnection mechanism for a PTO shaft in a work vehicle such as a tractor, and a clutch provided between a first rotation shaft on a transmission upstream side and a second rotation shaft on a transmission downstream side. The present invention relates to a technique for preventing the rotation of the second rotation shaft on the downstream side of the power transmission when the rotation is cut.
[0002]
[Prior art]
In a work vehicle such as a tractor, a power connecting / disconnecting mechanism for a PTO shaft is provided in a transmission case, and the power connecting / disconnecting mechanism includes a first rotating shaft on a transmission upstream side and a second rotating shaft on a transmission downstream side. Some include a rotating shaft and a wet-type multi-plate clutch interposed between the rotating shafts. Power is transmitted from the second rotating shaft to the PTO shaft via a gear or the like, and a working device such as a mower having a rotating blade or a rotating rotary is attached to the PTO shaft. I have.
[0003]
By the way, in the power connection / disconnection mechanism, the first rotation shaft on the transmission upstream side is interlockingly connected to the engine, so that the first rotation shaft on the transmission upstream side during the operation of the engine even during non-operation. Since the rotating shaft continues to rotate, the viscosity of the working oil filled in the transmission case causes the second rotating shaft on the transmission downstream side to rotate due to the viscosity of the hydraulic oil, even though the clutch is disengaged. A rotation phenomenon occurs, and an attempt is made to transmit a rotational force from the second rotating shaft to the PTO shaft. However, rotation of the PTO shaft during non-operation is not preferable for safety.
Therefore, in order to prevent this phenomenon, a rotation preventing brake is provided on the second rotating shaft.
For example, in the prior art disclosed in Patent Document 1, a drive gear meshing with a driven gear attached to a PTO shaft is mounted on a transmission shaft fitted with a wet multi-plate PTO clutch in a cut and biased state. In a power connection / disconnection mechanism for a PTO shaft disposed adjacent to the driven-side clutch member while the drive gear is fitted so as to rotate integrally with the driven-side clutch member, the drive gear is connected to the shaft of the transmission shaft. And a braking means capable of applying a braking force to the drive gear by frictional contact between the side of the drive gear on the side opposite to the PTO clutch and the inner surface of the clutch case. The urging force at the time of returning movement in the direction in which the drive gear exists along with the disengagement operation of the clutch is applied to the pin member that penetrates the driven clutch member so that the braking means operates. To are provided transmitting means for transmitting the driving gear.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-5-18427
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the related art disclosed in Patent Document 1, even when the PTO clutch is engaged and the inner surface of the clutch case is separated from the drive gear, a certain load is applied to the rotation of the drive gear due to the viscosity of the hydraulic oil. As a result, there is a problem that a loss horsepower is generated and power transmission efficiency is reduced.
Therefore, it is an object of the present invention to provide an anti-twisting brake that does not generate such a loss horsepower.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The problem to be solved by the present invention is as described above. Next, means for solving the problem will be described.
First, as described in claim 1, a clutch is interposed between the first rotary shaft on the transmission upstream side and the second rotary shaft on the downstream side of the transmission, and the second rotary shaft rotates together with the first rotary shaft. In the brake mechanism, one end of an elastic member is attached to the second rotation shaft, and a friction member serving also as a weight is attached to the other end of the elastic member to urge the shaft toward the axial center, and the friction member and A friction member receiver is provided so as to oppose and abut against the friction member receiver, and the friction member receiver is fixed to the machine.
[0007]
Further, the elastic member is a leaf spring.
[0008]
Then, as described in claim 3, a guide member is arranged outside the second rotation shaft on the opposite side to the friction member receiver.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 is an overall side view of a work vehicle such as a tractor, FIG. 2 is a side cross-sectional view of a transmission case 10 according to a first embodiment, and FIG. 3 is a side view of an anti-rotation brake of a PTO transmission shaft 52 (first embodiment). FIG. 3A is a diagram when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is reduced, and FIG. 3B is a diagram illustrating a state when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is increased. FIG. 4 is a side cross-sectional view of a brake for preventing rotation of the PTO transmission shaft 52 (second embodiment). FIG. 4A is a diagram when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is reduced, and FIG. () Is a diagram showing a state when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is increased. 5 is a side sectional view of the transmission case 10 according to the second embodiment, FIG. 6 is a front sectional view of the clutch housing 15 according to the first embodiment, and FIG. 7 is a front view of the clutch housing 15 according to the second embodiment. Sectional view.
[0010]
First, the overall configuration of a work vehicle such as a tractor will be described.
As shown in FIG. 1, in the working vehicle, an engine 5 is housed in a hood 1 in front of the fuselage, a dashboard 2 is arranged at a rear portion of the hood 1, and a handle 3 is arranged above the dashboard 2. I have. A step 4 for getting on and off is arranged below the dashboard 2, a clutch pedal (not shown) is arranged on the left side of the step 4, and a brake pedal (not shown) is arranged above the right side. A seat 6 is arranged above the rear part of the step 4, and a main shift lever, an auxiliary shift lever, a PTO switching lever 9, and the like are arranged beside the seat 6.
[0011]
A transmission case 10 is disposed below the seat 6, and a traveling transmission and a PTO transmission are housed in the transmission case 10. A clutch housing 15 is provided in front of the transmission case 10, and power is transmitted via a transmission shaft. The front end of the clutch housing 15 is fastened to the rear end of the engine 5.
[0012]
At the front end of the transmission case 10, a PTO input shaft 12, a front wheel drive shaft 13, and a mid PTO shaft 14 project forward, and the PTO input shaft 12 is connected to a main clutch and a transmission in a clutch housing 15 with respect to a crankshaft of the engine 5. It is interlocked and connected via a shaft 16. The power output from the front wheel drive shaft 13 is transmitted to the input shaft 19 protruding from the front axle case 18 via the transmission shaft and the universal joint 17, and drives the front wheels 20 supported on both sides of the front axle case 18. The mid-PTO shaft 14 is linked to an input shaft 26 projecting from a gear box 25 of a mower 24 via a transmission shaft and a universal joint 23. The mower 24 is suspended by a lifting device (not shown) so as to be able to move up and down in the space under the body between the front wheel 20 and the rear wheel 21.
[0013]
An axle 27 protrudes from the left and right sides of the rear of the transmission case 10 to support the rear wheel 21. A hydraulic case 29 is mounted on the upper surface of the transmission case 10, and the hydraulic case 29 A pair of lift arms 30 and 30 are attached toward. A pair of lower links 31 and a drawbar hitch 32 are mounted on the lower rear end of the transmission case 10. The working machine can be mounted on the lift arms 30 and 30, the lower link 31 and the top link (not shown) so as to be able to move up and down, or the tow working machine can be mounted on the drawbar hitch 32. At the rear end of the transmission case 10, a rear PTO shaft 36 and an electromagnetic clutch 37 protrude rearward. A universal joint (not shown) is attached to the rear PTO shaft 36, and the rear PTO shaft 36 is mounted on the rear of the machine via the universal joint. The work machine can be driven.
[0014]
Next, two embodiments of the configuration inside the mission case 10 will be described. The inside of the transmission case 10 is filled with a certain amount of hydraulic oil and hydraulic oil, which lubricates shafts and gears arranged in the drive system and operates the hydrostatic continuously variable transmission (HST). It plays a role as an oil.
[0015]
First, a first embodiment of the configuration inside the transmission case 10 is described. In the first embodiment, power is transmitted to a PTO transmission shaft 52 via a PTO clutch 53 provided at the rear of the PTO input shaft 12. On the PTO transmission shaft 52, a rotation prevention brake is arranged. The entrainment prevention brake is configured to brake the PTO transmission shaft 52 in accordance with the disengagement operation of the PTO clutch 53, and the mower 24 to which power is transmitted from the mid PTO shaft 14 and the power from the rear PTO shaft 36. Is stopped so that the rotating portion of the working machine such as the rotary to which the torque is transmitted is stopped so that the rotation phenomenon does not occur even after the PTO clutch 53 is disengaged.
[0016]
As shown in FIG. 2, a PTO transmission shaft 52 is disposed behind the PTO input shaft 12 so that the PTO input shaft 12 is aligned with the axis of the PTO input shaft 12, and a PTO input shaft which is a rotation shaft on the transmission upstream side. A PTO clutch 53 is interposed between the shaft 12 and a PTO transmission shaft 52 that is a rotation shaft on the transmission downstream side. The PTO clutch 53 is connected to a PTO switching lever (or button or the like) 9 on the side of the seat 6. Is operated to disconnect / connect the power between the shafts 12 and 52.
[0017]
The PTO transmission shaft 52 is disposed in parallel with the rear PTO shaft 36 and the mid PTO shaft 14, and has a gear 62 attached to a rear end of the PTO transmission shaft 52 and a front end of the rear PTO shaft 36. A power transmission mechanism to the rear PTO shaft 36 is formed by meshing with the attached gear 63. Further, a power transmission mechanism from the PTO transmission shaft 52 to the mid PTO shaft 14 via a gear or the like (not shown) is configured. Note that a PTO transmission mechanism can be arranged between the PTO transmission shaft 52 and the rear PTO shaft 36.
[0018]
When the PTO clutch 53 is constituted by a multi-plate hydraulic clutch, the PTO transmission shaft 52 is rotated by the rotation of the PTO input shaft 12 due to the viscosity of the working oil or the lubricating oil, despite the PTO clutch 53 being disengaged. Sometimes. Therefore, the PTO transmission shaft 52 is provided with the following anti-rotation brake.
[0019]
First, a first embodiment of the anti-rotation brake will be described.
As shown in FIGS. 2 and 3, the anti-twisting brake according to the first embodiment is configured such that one end of a leaf spring 71 made of an elastic member such as steel or synthetic resin is attached to an outer periphery of a PTO transmission shaft 52. The leaf spring 71 is bent in an “H” shape, the other end is extended rearward (or forward) outward, and a friction member 72 is attached inside the end (PTO transmission shaft side). A friction member receiver 73 is disposed to face, that is, between the PTO transmission shaft 52 and the friction member 72 at the other end of the leaf spring 71. The friction member receiver 73 is fixed to the body (mission case) side, and the leaf spring 71 is configured to bias the friction member 72 so as to contact the friction member receiver 73.
[0020]
More specifically, a right and left vertical wall-shaped bracket 75 is provided in the transmission case 10 (it may be formed integrally with the transmission case), and the bracket 75 supports a PTO transmission shaft 52. The bearing 74 is attached to the outer periphery (outer ring outside) of the bearing 74. That is, the friction member receiver 73 is attached and fixed to the transmission case 10 side. However, it can also be configured integrally with the mission case 10. The friction member receiver 73 has an annular shape, and an outer peripheral portion 73b is chamfered in a tapered shape. However, this tapered surface matches the inclination of the contact surface of the friction member 72.
[0021]
A bearing 76 as a guide member is attached to the bracket 75 on the side opposite to the friction member receiver 73 with respect to the friction member 72, that is, outside in the radial direction of the PTO transmission shaft 52. In other words, the friction member 72 is disposed between the guide member and the friction member receiver 73. Note that the guide member disposed outside the friction member receiver 73 in the radial direction of the PTO transmission shaft 52 is not limited to the bearing 76, but may be a synthetic resin or the like having good lubricity.
[0022]
Also, the leaf springs 71 are attached to the outer periphery of the PTO transmission shaft 52 at a predetermined interval, and the ends of the leaf springs 71 are spread out from the PTO transmission shaft 52 by "eight". , And has a certain weight, and when the rotation of the PTO transmission shaft 52 is stopped, the friction members 72. Are urged by the spring force of the leaf springs 71 to abut against the outer peripheral portion 73 b of the friction member receiver 73 and not to contact the bearing 76.
[0023]
As described above, the anti-rotation brake of the PTO transmission shaft 52 is configured, the PTO clutch 53 is turned on, the PTO input shaft 12 is connected to the PTO transmission shaft 52, and the PTO transmission shaft 52 is rotated. When the rotation speed increases, the centrifugal force acting on the friction member 72 at the tip of the leaf spring 71 also increases, and the centrifugal force eventually overcomes the restoring (spring) force of the leaf spring 71, and the friction members 72 Are separated from the friction member receiver 73. When the friction members 72 are completely separated from the friction member receiver 73, the PTO transmission shaft 52 thereafter rotates without loss without being braked.
[0024]
When the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 further increases, the centrifugal force acting on the friction member 72 at the tip of the leaf spring 71 also increases, and the friction members 72, 72. It is displaced so as to spread radially outward and comes into contact with the inside of the bearing 76. .. Without the bearings 76, the friction members 72, 72,... Spread more and more outward in the radial direction of the PTO transmission shaft 52 as the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 increases, and the friction members 72, 72. There is a risk of damage to adjacent members such as a rotating shaft or the inner wall of the transmission case 10. For this reason, when the bearing 76 is arranged and the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 rises to a certain degree or more, the friction member 72 at the tip of the leaf spring 71 is smoothly guided while contacting the bearing 76, The PTO transmission shaft 52 is prevented from being braked with almost no loss horsepower.
[0025]
When the PTO clutch 53 is “disengaged” and the power from the PTO input shaft 12 to the PTO transmission shaft 52 is disconnected, the PTO transmission shaft 52 is connected to the PTO input shaft 12 due to the viscosity of the oil filled in the transmission case 10. Although the PTO transmission shaft 52 and the PTO input shaft 12 are not directly connected to each other, the oil filled in the transmission case 10 becomes a resistance, and the inertia force of the working machine is reduced. The rotation speed of the PTO transmission shaft 52 gradually decreases.
[0026]
In the process of decreasing the rotation speed of the PTO transmission shaft 52, the centrifugal force acting on the friction member 72 at the tip of the leaf spring 71 decreases, and the centrifugal force is restored by the leaf springs 71. Are attracted to the friction member receiver 73, and the friction members 72 come into contact with the friction member receiver 73 in due course. When the friction members 72 contact the friction member receiver 73, the PTO transmission shaft 52 is braked by resistance, and the rotational speed of the PTO transmission shaft 52 further decreases. Further, when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 further decreases, the centrifugal force acting on the friction member 72 at the tip of the leaf spring 71 further decreases, and the friction members 72, 72 due to the restoring force of the leaf spring 71. .. And the friction member receiver 73 are further increased, and the PTO transmission shaft 52 is braked with a larger force, and the PTO transmission shaft 52 is eventually stopped.
[0027]
.. And the friction member receiver 73 come into contact with the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 in this manner, the braking of the PTO transmission shaft 52 is spur, and the PTO transmission shaft 52 .. And the friction member receiver 73 are increased in inverse proportion to the rotation speed of the PTO transmission shaft 52, and the rotation of the PTO transmission shaft 52 is finally stopped. The rotation of the PTO transmission shaft 52 is prevented.
[0028]
The elastic member that is attached to the PTO transmission shaft 52 and urges the friction member to the friction member receiver is not limited to the above-described leaf springs 71, but may be another member.
For example, when the compression springs 81 are used as the elastic members, as shown in FIG. The anti-rotation brake (second embodiment) is configured such that one end of a compression spring 81 is attached to a PTO transmission shaft 52, and a friction member 82 is attached to the other end of the compression spring 81. A friction member receiver 83 is arranged between the compression spring 81 and the friction member 82 at the other end, and the friction member 82 is urged toward the friction member receiver 83.
[0029]
The friction member receiver 83 is formed in an annular shape, and is attached to the outer peripheral portion of the bearing 74 of the PTO transmission shaft 52. A bearing 86 as a guide member is provided on the outer side of the friction member receiver 83 in the radial direction of the PTO transmission shaft 52. Are located. The bearing 86 has an annular shape and is attached to the inner wall of the transmission case 10 via a bracket (not shown).
[0030]
Further, a pair of compression springs 81 are attached to the front end and the rear end of the friction member 82, and the friction member receiver 83 is arranged at the front and rear center of the compression spring 81. A plurality of sets of the braking means including the pair of compression springs 81 and the friction member 82 are arranged on the outer periphery of the PTO transmission shaft 52. .. Have a certain weight, and when the rotation of the PTO transmission shaft 52 is stopped, the friction members 82 are urged by the compression springs 81 to abut against the friction member receiver 83. And does not contact the bearing 86.
[0031]
In this way, the anti-rotation brake of the PTO transmission shaft 52 is configured, and by increasing the rotation speed of the PTO transmission shaft 52, the friction member 82 is separated from the friction member receiver 83, and the rotation speed is reduced. Thus, the friction member 82 comes into contact with the friction member receiver 83, and the rotation of the PTO transmission shaft 52 is braked, whereby the co-rotation is prevented.
[0032]
Next, a second embodiment of the configuration inside the mission case 10 will be described. The second embodiment is characterized in that an electromagnetic clutch 37 is arranged outside the transmission case 10.
As shown in FIG. 5, a PTO transmission shaft 52 is arranged behind the PTO input shaft 12 so as to be aligned with the PTO input shaft 12, and the PTO input shaft 12 is a rotation shaft on the transmission upstream side. A PTO clutch 53 is interposed between the PTO transmission shaft 52, which is a rotation shaft on the downstream side of the transmission, and the PTO clutch 53 is operated by operating the PTO switching lever 9 on the side of the seat 6 to rotate the shaft 12. -It is configured to disconnect and connect the power between 52.
[0033]
The PTO transmission shaft 52 is disposed in parallel with the rear PTO shaft 36 and the mid PTO shaft 14, and has a gear 62 attached to a rear end of the PTO transmission shaft 52 and a front end of the rear PTO shaft 36. A power transmission mechanism to the rear PTO shaft 36 is formed by meshing with the attached gear 63. Note that a PTO transmission may be provided between the PTO transmission shaft 52 and the rear PTO shaft 36.
An intermediate shaft 57 is disposed between the rear PTO shaft 36 and the mid PTO shaft 14 in parallel with the two shafts 36 and 14, and a gear 64 attached to the rear end of the intermediate shaft 54 and the rear A gear 63 attached to the front end of the PTO shaft 36 is meshed with a gear 65 attached to the front end of the intermediate shaft 54, and a gear 66 attached to the rear end of the mid PTO shaft 14 is meshed. A power transmission mechanism to the PTO shaft 14 is configured.
[0034]
The rear end of the intermediate shaft 57 projects outward from the rear wall of the transmission case 10, and the electromagnetic clutch 37 is attached to the rear end of the intermediate shaft 57 and the transmission case 10. The electromagnetic clutch 37 is connected to a detecting means or a controller provided on the PTO switching lever 9. An opening for penetrating the intermediate shaft 57 is formed on the rear surface of the transmission case 10, and an oil seal 69 is attached to an edge of the opening to fill the inside of the transmission case 10. Prevents oil leakage. With such a configuration, the electromagnetic clutch 37 for braking the intermediate shaft 57 is disposed outside the transmission case 10.
[0035]
With the above configuration, when the detection means detects that the power between the shafts 12 and 52 has been cut off by the cutting operation of the PTO switching lever 9 on the side of the seat 6, the electromagnetic clutch 37 operates and the intermediate shaft 57 operates. Is braked to completely stop the rotation of the rear PTO shaft 36 and the rotation of the mid PTO shaft 14.
By arranging the electromagnetic clutch outside the transmission case 10 in this way, it can be easily attached and detached without removing the cover or the like or disassembling the transmission case, thereby improving maintainability.
The configuration of the anti-rotation brake is not limited to the electromagnetic clutch, but may be a cam type or a belt type which is braked by an actuator.
[0036]
Next, two embodiments of the mounting configuration of the brake pedal 40 will be described.
First, a first embodiment of the mounting configuration of the brake pedal 40 will be described.
Hydraulic oil is also filled in the clutch housing 15 in front of the transmission case 10, and as shown in FIGS. 1 and 6, an opening 15c is formed in one of the left and right sides of the clutch housing 15, and the opening 15c is formed.・ The shaft 41 of the brake pedal 40 is inserted into 15c, and the shaft 41 is supported by the opening 15c. A bush 91 is fitted between the shaft 41 and the opening 15c, and an oil seal 92 is fitted so as to seal the lubricating oil in the clutch housing 15 from leaking.
[0037]
With such a configuration, the brake pedal 40 is rotatably mounted around the opening 15c of the clutch housing 15 as a fulcrum. In this configuration, the lowermost portion of the transmission is the lower surface of the clutch housing 15, and the clearance between the front wheel 20 and the rear wheel 21 and the mower 24 suspended in the lower abdominal space of the vehicle body can be obtained. The lifting height can be increased.
[0038]
Next, a second embodiment of the mounting configuration of the brake pedal 40 will be described.
As shown in FIGS. 1 and 7, openings 15c are formed on both left and right sides of the clutch housing 15, and pipes 95 are inserted into the openings 15c. It is supported by the openings 15c. Further, O-rings 96 are fitted between the left and right ends of the pipe 95 and the openings 15c, 15c to seal the lubricating oil in the clutch housing 15 so as not to leak. Then, the left and right ends of the pipe 95 are fixed with detent bolts 97, and the shaft 41 of the brake pedal 40 is inserted into the pipe 97.
[0039]
With such a configuration, the brake pedal 40 is rotatably mounted around the pipe 95 inserted into the clutch housing 15 as a fulcrum. As described above, by supporting the shaft 41 of the brake pedal 40 via the pipe 95 without directly penetrating into the hydraulic oil, oil leakage can be prevented. In addition, when the shaft 41 is replaced, the shaft 41 can be replaced without draining the hydraulic oil in the clutch housing 15, thereby improving the maintainability.
[0040]
【The invention's effect】
The present invention is configured as described above, and has the following effects.
First, according to the first aspect of the present invention, when the PTO clutch is engaged, the first rotation shaft and the second rotation shaft are connected, and when the second rotation shaft is driven and rotated, the second rotation shaft is driven. As the rotational speed of the rotating shaft increases, the centrifugal force acting on the friction member attached to the other end of the elastic member also increases, and the centrifugal force eventually overcomes the restoring force of the elastic member, and the friction member becomes frictional. Separate from the member receiver. When the friction member is completely separated from the friction member receiver in this way, the second rotation shaft thereafter rotates without loss without being braked.
On the other hand, when the PTO clutch is disengaged and the power from the first rotation shaft to the second rotation shaft is cut off, the rotation speed of the second rotation shaft gradually decreases and acts on the friction member. The centrifugal force decreases, the centrifugal force becomes smaller than the restoring force of the elastic member, the friction member is drawn to the friction member receiver, and the friction member comes into contact with the friction member receiver. After the friction member and the friction member receiver come into contact with each other in accordance with the decrease in the rotation speed of the second rotation shaft, the braking of the second rotation shaft is spurred, and the rotation of the second rotation shaft is eventually completed. Stops, and rotation is prevented.
[0041]
According to the second aspect of the present invention, the elastic member is a leaf spring, which also has the same effect as the first aspect of the present invention.
[0042]
According to the third aspect of the invention, when the PTO clutch is engaged and the rotation speed of the second rotating shaft is increased, the guide member rotates the friction member attached to the other end of the elastic member. The shaft is prevented from spreading radially outward, so that the friction member does not hit the inner wall of the transmission case. At this time, since the friction member is smoothly guided while contacting the guide member, the second rotary shaft is not braked with almost no loss horsepower.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall side view of a work vehicle.
FIG. 2 is a side sectional view of the transmission case 10 according to the first embodiment.
FIG. 3 is a side cross-sectional view of the anti-rotation brake of the PTO transmission shaft 52 (first embodiment). (A) is a diagram when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is lowered. (B) is a diagram showing a state when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is increased.
FIG. 4 is a side cross-sectional view of a brake for preventing rotation of a PTO transmission shaft 52 (second embodiment). (A) is a diagram when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is lowered. (B) is a diagram showing a state when the rotation speed of the PTO transmission shaft 52 is increased.
FIG. 5 is a side sectional view of a transmission case 10 according to a second embodiment.
FIG. 6 is a front sectional view of the clutch housing 15 according to the first embodiment.
FIG. 7 is a front sectional view of a clutch housing 15 according to a second embodiment.
[Explanation of symbols]
5 Engine
6 seats
9 PTO switching lever
10 Mission case
12 Input shaft
14 Mid PTO shaft
15 Clutch housing
24 More
36 Rear PTO shaft
52 PTO transmission shaft
53 PTO clutch
71 Leaf spring
72 Friction member
73 Friction member receiver
74 bearing
76 Bearing
81 Compression spring
82 Friction member
83 Friction member receiver
86 bearing