JP2004242639A - たばこ - Google Patents

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JP2004242639A
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Koji Torikai
康二 鳥飼
Kazutaka Taroura
和香 太郎良
Risa Miyoshi
梨沙 三好
Shinya Yoshida
伸也 吉田
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Abstract

【課題】特定の添加剤を添加することによって、たばこ煙中成分を有効に低減することができるたばこを提供する。
【解決手段】たばこ刻みに、下記一般式
【化1】
Figure 2004242639

で表される構造を有する添加剤を加えたことを特徴とするたばこ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はたばこに関し、特にたばこ煙中成分を効果的に低減できるたばこに関する。
【0002】
【従来の技術】
たばこ煙中には種々の成分が存在し、その中には変異原性が認められているものもある。従来、たばこ刻にタンニン酸を加えることにより、たばこタールの変異原性を低減させるという技術が知られている(特許文献1参照)。しかし、本発明者らが、タンニン酸添加によるたばこ煙中成分への影響を検討したところ、成分低減効果はそれほど認められなかった。このため、たばこ煙中成分の低減を可能にする添加剤が求められていた。
【0003】
【特許文献1】
特公昭57−5505号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特定の添加剤を添加することによって、たばこ煙中成分を有効に低減することができるたばこを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るたばこは、たばこ刻みに、下記一般式
【化2】
Figure 2004242639
で表される構造を有する添加剤を加えたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、多くのたばこ煙中成分は葉たばこ中には元々存在せず、燃焼時の化学反応によって生成するという点に着目し、燃焼化学反応を修飾する物質を探索してきた。
【0007】
いくつかの化学物質を検討した結果、金属キレート剤であるEDTAのNa塩類をたばこ刻みに添加することにより、シアン化水素(HCN)、カルボニル類、ベンゾ[a]ピレン(B[a]P)、揮発性炭化水素類(VOCs)、フェノール類などのたばこ煙中成分を10%〜60%低減させる効果があることを見出した。
【0008】
さらに、EDTAと類似の構造を有する化合物でもたばこ煙中成分を低減できる効果が得られることを見出した。効果が得られた添加剤としては、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(EDTA4Na)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA2Na)のほかに、ニトリロ三酢酸三ナトリウム塩(NTA3Na)、イミノ二酢酸二ナトリウム塩(IDA2Na)およびサルコシン(N−メチルグリシン)が挙げられる。これらの化学構造を下記に示す。
【0009】
【化3】
Figure 2004242639
【0010】
これらの添加剤はいずれも、上記一般式で表される構造を有することがわかる。なお、上記一般式中のRは、−CHCOONa、−CHCOOH、−Hなどである。
【0011】
本発明において、たばこ刻みに添加される上記添加剤の添加量はたばこ刻みの1〜10%であることが好ましい。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
1.添加シガレットの調製
EDTA4Na(和光純薬工業、純度98%>)5gを純水25mLに溶解させた溶液を調製した。この溶液を黄色種本葉のたばこ刻50gに均一に噴霧した(これを10%添加刻という)。この10%添加刻を室温22℃、相対湿度60%に保たれた調和室にて48時間調湿後、小型紙巻たばこ巻き上げ機(RIZLA UK Ltd.)により刻重量700mg、長さ59mm、巻周25mmのシガレットを試製した。
【0013】
また、EDTA2Na(和光純薬工業、純度99.5%>)を用い、上記と同様にして5%添加刻を調製し、さらにシガレットを試製した。
【0014】
比較のために、タンニン酸(関東化学)を用い、上記と同様にして5%添加刻を調製し、さらにシガレットを試製した。
【0015】
純水25mLのみを噴霧した刻を用い、上記と同様にしてシガレットを試製し、これをコントロールとした。
【0016】
2.喫煙条件
シガレット燃焼はISO法の標準喫煙条件に従って行った。すなわち、自動喫煙機で1分間隔に2秒間、毎回35mL吸煙、吸殻長23mmの条件で喫煙させ、主流煙を捕集した。
【0017】
3.煙中成分分析法
煙中のシアン化水素(HCN)、カルボニル類、揮発性炭化水素類(VOCs)、フェノール類、ベンゾ[a]ピレン(B[a]P)、ピリジン、キノリン、スチレンの定量はHealth Canada法(2)に準拠して行った。以下に、各分析法の概要を記す。
【0018】
3.1 HCN
シガレット2本の主流煙をガラス繊維フィルターおよび0.1NNaOH30mLを含むインピンジャー1本で捕集した。タールを含むフィルターを0.1NNaOH30mLで30分間しんとう抽出後、0.45μmPTFEフィルターでろ過した。ろ液およびインピンジャー液に含まれるシアン化物イオンを自動分析器(ブランルーベ社製)で比色分析し、主流煙中のHCNを定量した。
【0019】
3.2 カルボニル類
シガレット2本の主流煙を2,4−DNPH酸性アセトニトリル溶液100mLを含むインピンジャー1本(氷冷)で捕集した。捕集液を60〜90分間室温で放置後、0.45μmPTFEフィルターでろ過した。ろ液6mLに1%trizma base液4mLを加えた後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でカルボニル類(ホルムアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド)を定量した。
【0020】
分析機器…Aglient社製HPLC1100シリーズ(逆相)
分析条件…カラム:Merck Lichrospher RP−18e、移動相:アセトニトリル、水、THF、IPAのグラジエント、検出器:UV、定量:絶対検量線法。
【0021】
3.3 B[a]P
シガレット2本の主流煙をガラス繊維フィルターで捕集した。フィルターの重量変化測定よりシガレット1本当りの粗タール量を算出し、タールを含むフィルターをシクロヘキサン(粗タール1mgに対し溶媒1mLの割合で抽出)で30分間しんとう抽出後、0.45μmPTFEフィルターでろ過した。ろ液をSep−Pak Plus NH2 Cartridges(Waters)にチャージし、ヘキサンで回収した回収液を50℃窒素下で乾固させた。乾固物をアセトニトリル1mLに溶解後、HPLCでB[a]Pを定量した。
【0022】
分析機器…Aglient社製HPLC1100シリーズ(逆相)
分析条件…カラム:YOKOGAWA Excelpack SIL−C183A、移動相:アセトニトリル、水のグラジエント、検出器:FLD、定量:絶対検量線法。
【0023】
3.4 フェノール類
シガレット2本の主流煙をガラス繊維フィルターで捕集した。タールを含むフィルターを1%酢酸溶液(粗タール1mgに対し溶媒1mLの割合で抽出)で30分間しんとう抽出後、0.45μmPTFEフィルターでろ過し、ろ液中のフェノール類(レゾルシノール、カテコール、フェノール、m,p−クレゾール)をHPLCで定量した。
【0024】
分析機器…Aglient社製HPLC1100シリーズ(逆相)
分析条件…カラム:YOKOGAWA Excelpack SIL−C185C、移動相:アセトニトリル、水、酢酸のグラジエント、検出器:FLD、定量:絶対検量線法。
【0025】
3.5 VOCs
シガレット3本の主流煙をガラス繊維フィルターおよびメタノール10mLを含むインピンジャー2本(ドライアイス/イソプロパノールで冷却)で捕集した。捕集液に重水素化トルエン(内部標準物質)を添加後、VOCs(1,3−ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル)を質量分析ガスクロマトグラフィー(GC−MS)で定量した。
【0026】
分析機器…Aglient社製GC−MS 6890,5973シリーズ
分析条件…SIMモード、カラム:J&W DB−624 1.4μm厚、定量:内部標準法。
【0027】
3.6 ピリジン、キノリン、スチレン
シガレット2本の主流煙をガラス繊維フィルターおよびメタノール20mLを含むインピンジャー2本(ドライアイス/イソプロパノールで冷却)で捕集した。捕集液に重水素化ピリジンおよび重水素化キノリン(ともに内部標準物質)を添加し、タールを含むフィルターを捕集液40mLで30分しんとう後、0.45μmPTFEフィルターでろ過した。ろ液中のピリジン、キノリン、スチレンをGC−MSで定量した。
【0028】
分析機器…Aglient社製GC−MS 6890,5973シリーズ
分析条件…SIMモード、カラム:HP−WAX 0.25μm厚、定量:内部標準法。
【0029】
4.煙中成分の低減効果評価
上記の方法を用いて、それぞれのシガレットを繰り返し点数3回で測定し、シガレット1本当りの成分量平均値および標準偏差を算出した。それぞれの成分について、コントロールを100とした場合の相対値(%)を算出し、t検定を用いて相対値の統計的有意差を検討した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004242639
【0031】
表1から、EDTA4Naの添加により、シガレット1本当りでHCN62%減少、B[a]P24%減少、ホルムアルデヒド52%減少、アクロレイン29%減少、1,3−ブタジエン30%減少、レゾルシノール67%減少、カテコール37%減少、ピリジン31%減少など、多くの煙中成分を低減できることがわかる。同様に、EDTA2Naの添加により、シガレット1本当りでHCN13%減少、B[a]P26%減少、ホルムアルデヒド22%減少、1,3−ブタジエン18%減少、イソプレン22%減少、レゾルシノール33%減少、カテコール25%減少など、多くの煙中成分を低減できることがわかる。一方、従来技術でタールの変異原性を低下させるといわれていたタンニン酸はほとんどの煙成分に対して低減効果を示していない。
【0032】
次に、EDTA4Naの添加量を0.5〜10%の範囲で、EDTA2Naの添加量を0.1〜5%の範囲でそれぞれ変化させて上記と同様の検討を行った。
【0033】
表2にシガレット1本当りの成分量(コントロールに対する相対値)を示す。表3に粗タール(Total Particle Mater;TPM)当りの成分量(コントロールに対する相対値)を示す。
【0034】
【表2】
Figure 2004242639
【0035】
【表3】
Figure 2004242639
【0036】
表2および表3から、添加剤の添加量が1〜10%であれば、煙中成分を低減するのに有効であることがわかる。
【0037】
植物であるたばこ刻にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、多くの金属類が存在する。これら金属類が煙成分生成の化学反応またはたばこ燃焼全体に及ぼす影響については不明な点が多いが、金属類添加の効果を検討したいくつかの研究により、これら金属類はたばこ煙中成分生成に影響を及ぼし得ることが示唆されている。このことから、EDTA類によるたばこ煙中成分の低減メカニズムとして、たばこ刻中の金属類をEDTA類がキレート捕捉することが考えられる。しかし、同様にキレート効果を有するタンニン酸では低減効果が認められないことから、EDTA類自体またはそれらの熱分解生成物が直接的に煙成分の生成を阻害するというメカニズムも考えられる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、たばこ刻にEDTAのNa塩などの添加剤を添加することによって、たばこ煙中成分を有効に低減することができる。

Claims (3)

  1. たばこ刻みに、下記一般式
    Figure 2004242639
    で表される構造を有する添加剤を加えたことを特徴とするたばこ。
  2. 前記添加剤が、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ニトリロ三酢酸三ナトリウム塩、イミノ二酢酸二ナトリウム塩およびサルコシンからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のたばこ。
  3. 前記添加剤の添加量がたばこ刻みの1〜10%であることを特徴とする請求項1または2記載のたばこ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8011373B2 (en) 2004-08-24 2011-09-06 Japan Tobacco Inc. Method of treating tobacco extract solution to reduce magnesium ions and method of manufacturing a treated tobacco material

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