JP2004242622A - Washing solution for separating and refining nucleic acid - Google Patents

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寿弘 森
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快彦 牧野
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a washing solution used in a separating and refining method of a nucleic acid including a step for absorbing the nucleic acid into a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxy group on the surface and desorbing the nucleic acid from the solid phase and capable of washing away only impurity nonspecifically absorbed to the solid phase without detaching the nucleic acid absorbed in the solid phase. <P>SOLUTION: The washing solution is composed of an aqueous solution of a water-soluble alcohol and used in the separating and refining method of the nucleic acid including the step for absorbing the nucleic acid into the solid phase composed of the organic polymer having the hydroxy group on the surface and desorbing the nucleic acid from the solid phase. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸を分離精製において使用するための洗浄液に関する。より詳細には本発明は、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を含む核酸の分離精製方法において使用するための洗浄液に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸は、様々な分野で種々の形態で使用されている。例えば、組換え核酸技術の領域においては、核酸をプローブ、ゲノム核酸、およびプラスミド核酸の形状で用いることを要求する。
【0003】
診断分野においても、核酸は種々の方法で用いられている。例えば、核酸プローブは、ヒトの病原体の検出および診断に日常的に用いられている。同様に核酸は遺伝障害の検出に用いられている。核酸はまた食品汚染物質の検出にも用いられている。さらに、核酸は遺伝地図の作製からクローニングおよび組換え発現におよぶ種々の理由により、興味ある核酸の位置確認、同定および単離において日常的に用いられている。
【0004】
多くの場合、核酸は極めて少量でしか入手できず、そして単離および精製操作が煩雑で時間を要する。このしばしば時間を消費する煩雑な操作は核酸の損失に結びつきやすい。血清、尿およびバクテリアのカルチャーから得られた試料の核酸の精製においては、コンタミネーションおよび疑陽性の結果が生じるという危険性も加わる。
【0005】
広く知られた精製方法の一つに、核酸を二酸化珪素、シリカポリマー、珪酸マグネシウム等の表面に吸着させ、引き続く洗浄、脱着等の操作によって精製する方法がある(例えば、特公平7−51065号公報)。この方法は、分離性能としては優れているが、同一性能の吸着媒体の工業的大量生産が困難であり、かつ取扱いが不便で、種々の形状に加工しがたい等の問題点がある。また、固相に吸着された核酸を脱着させることなく固相に非特異的に吸着された不純物だけを洗い流すため、洗浄液中にカオトロピック物質を添加する必要があった。しかしながら、洗浄液は最終工程の核酸を脱着させる工程にコンタミする可能性が高く、洗浄液中のカオトロピック物質が抽出された核酸サンプルにコンタミするとその後の分析、反応(たとえばPCR反応)に致命的な阻害を引き起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を含む核酸の分離精製方法において使用するための洗浄液であって、固相に吸着された核酸を脱着させることなく固相に非特異的に吸着された不純物だけを洗い流すことができる洗浄液を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる過程を含む核酸の分離精製方法において水溶性アルコール水溶液から成る洗浄液を用いて核酸の洗浄を行なうことによって、固相に吸着された核酸を脱着させることなく固相に非特異的に吸着された不純物だけを洗い流すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明によれば、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を含む核酸の分離精製方法において使用するための、水溶性アルコール水溶液から成る洗浄液が提供される。
【0009】
好ましくは、本発明の洗浄液は、カオトロピック性物質を含まない洗浄液である。
好ましくは、水溶性アルコール濃度は20重量%以上100重量%以下である。
好ましくは、水溶性アルコールはエタノールである。
好ましくは、表面に水酸基を有する有機高分子はアセチルセルロースの表面鹸化物であり、さらに好ましくはトリアセチルセルロースの表面鹸化物である。
好ましくは、アセチルセルロースは多孔膜である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の洗浄液
本発明の洗浄液は、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を含む核酸の分離精製方法において使用するための洗浄液であり、水溶性アルコールを含む水溶液であることを特徴とする。本発明の洗浄液はカオトロピック性物質(例えば、グアニジウム塩、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウムなど)を含まないことが好ましい。さらに、水溶性アルコールと水のみから成り、各種塩および界面活性剤を含まない洗浄液が特に好ましい。
【0011】
本発明において、水溶性アルコール濃度は特に好ましくは20%重量以上100%重量以下であり、さらに好ましくは30重量%以上80%重量以下であり、特に好ましくは40重量%以上80重量%以下である。
本発明で用いる水溶性アルコールは炭素数1から4のアルコールであることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−イソプロパノール、又はブタノールなどが挙げられる。水溶性アルコールとしては、エタノールが特に好ましい。
【0012】
本発明の洗浄液は、上記した水溶性アルコール以外に、緩衝剤及び/又は界面活性剤を含むことができる。緩衝剤としては公知の緩衝剤を使用することができ、例えば、Trisなどが挙げられる。Trisを使用する場合の好ましい濃度は10〜100mMである。界面活性剤としては公知の界面活性剤を使用することができ、例えば、Triton−X100を使用することができるが、その他、SDS、コール酸ナトリウム又はサルコシンナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、Tween20又はメガファック等のノニオン性界面活性剤、その他各種の両性界面活性剤などを使用してもよい。Triton−Xを使用する場合の好ましい濃度は0.1〜10重量%である。
【0013】
(2)本発明の洗浄液を用いた核酸の分離精製方法
本発明の洗浄液を用いる核酸の分離精製方法は、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を行なうものである。
本発明において「核酸」は一本鎖、二本鎖のいずれでもよく、また、分子量の制限も無い。
【0014】
表面に水酸基を有する有機高分子としては、アセチルセルロースの表面鹸化物が好ましい。アセチルセルロースしては、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの何れでもよいが、特にはトリアセチルセルロースが好ましい。本発明では、表面鹸化したアセチルセルロースを固相として使用することが好ましい。ここで表面鹸化とは、鹸化処理液(例えば、NaOH)が接触する表面だけが鹸化されることを言う。本発明では、固相の構造体はアセチルセルロースのままで、固相の表面だけが鹸化されていることが好ましい。これにより、表面鹸化処理の程度(表面鹸化度)で固相表面の水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。
【0015】
表面に水酸基を有する有機高分子の表面積を大きくするためには、表面に水酸基を有する有機高分子を膜化することが好ましい。また、アセチルセルロースは多孔膜でも非孔性膜でもよいが、膜を多孔性とすることが更に好ましい。固相が多孔性膜の場合、膜の構造体はアセチルセルロースのままで、構造体の表面だけを鹸化することが好ましい。これにより、表面鹸化処理の程度(表面鹸化度)×孔径により空間的な水酸基の量(密度)をコントロールすることができる。また、膜の構造体はアセチルセルロースから構成されているため、堅固な固相を得ることができる。ここで、アセチルセルロースを表面鹸化して表面ににのみ水酸基を導入するということは、構造体はアセチルセルロースのままで、表面をセルロース化するということを意味する。なお、セルロースを原材料として用いると、液体にできないため、工業的に多孔膜や平膜を製造することはできない。
【0016】
例えば、トリアセチルセルロースの膜は、商品名TACベースとして富士写真フイルムから市販されており、トリアセチルセルロースの多孔膜としては、ミクロフィルターFM500(富士写真フイルム(株)製)がある。
また、例えばポリエチレン製のビーズの表面にトリアセチルセルロースの膜を形成し、これを表面鹸化して表面に水酸基を持たせることも好ましい。この場合、トリアセチルセルロースはビーズにコーティングされることになる。ビーズの素材は、核酸を汚染等しなければよく、ポリエチレンには限定されない。
【0017】
核酸の分離効率を挙げるためには、水酸基の数が多い方が好ましい。例えば、トリアセチルセルロースなどのアセチルセルロースの場合には、表面鹸化率が約5%以上であることが好ましく、10%以上であることが更に好ましい。
アセチルセルロースを表面鹸化するには、水酸化ナトリウム水溶液中に、表面鹸化したい対象を浸漬する。表面鹸化率を変えるには、水酸化ナトリウムの濃度を変えればよい。表面鹸化率は、NMRにより、残存アセチル基を定量して定められる。
【0018】
上記した核酸の分離精製方法では、好ましくは、少なくとも2個の開口を有する容器内に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容した核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行うことができる。
【0019】
さらに好ましくは、(a) 表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相、(b) 前記固相を収容する、少なくとも2個の開口を有する容器、及び(c) 前記容器の一の開口に結合された圧力差発生装置を含む核酸分離精製ユニットを用いて核酸の吸着及び脱着を行うことができる。
【0020】
核酸の分離精製方法の第一の実施態様は、以下の工程を含むことができる。
(a) 核酸分離精製ユニットの一の開口を核酸を含む試料溶液中に挿入する工程、
(b) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸を含む試料溶液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(c) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸を含む試料溶液を容器外に排出する工程、
(d) 核酸分離精製ユニットの一の開口を核酸洗浄液中に挿入する工程、
(e) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして核酸洗浄液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(f) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、吸引された核酸洗浄液を容器外に排出する工程、
(g) 核酸分離精製ユニットの一の開口を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液中に挿入する工程、
(h) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を減圧状態にして、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を吸引し、固相に接触させる工程、及び
(i) 核酸分離精製ユニットの他の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を容器外に排出する工程。
【0021】
核酸の分離精製方法の第二の実施態様は、以下の工程を含むことができる。
(a) 検体を用いて核酸を含む試料溶液を調製し、核酸分離精製ユニットの一の開口に上記の核酸を含む試料溶液を注入する工程、
(b) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(c) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に核酸洗浄液を注入する工程、
(d) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸洗浄液を上記他の開口より排出することによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させる工程、
(e) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着せしめうる液を注入する工程、
(f) 核酸分離精製ユニットの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて容器内を加圧状態にし、注入した核酸を脱着せしめうる液を上記他の開口より排出させることによって、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着された核酸を脱着させ、容器外に排出する工程。
【0022】
表面に水酸基を有する有機高分子を用いた核酸の分離精製方法についてさらに具体的に説明する。本発明では、好ましくは、核酸を含む試料溶液を表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に接触させることにより試料溶液中の核酸を固相に吸着させ、次いで、固相に吸着させた核酸を、以下に説明する好適な溶液を用いて固相から脱着させる。さらに好ましくは、核酸を含む試料溶液は、細胞又はウイルスを含む検体を細胞膜及び核膜を溶解する溶液で処理することにより核酸を液中に分散させた溶液に水溶性有機溶媒を添加した溶液である。
【0023】
本発明において使用できる核酸を含む試料溶液に制限はないが、例えば診断分野においては、検体として採取された全血、血漿、血清、尿、便、精液、唾液等の体液、あるいは植物(又はその一部)、動物(またはその一部)など、あるいはそれらの溶解物およびホモジネートなどの生物材料から調製された溶液が対象となる。
【0024】
最初にこれらの検体を、細胞膜を溶解して核酸を可溶化する試薬を含む水溶液で処理する。これにより細胞膜および核膜が溶解されて、核酸が水溶液内に分散する。
細胞膜の溶解および核酸の可溶化のためには、例えば、対象となる試料が全血の場合、▲1▼赤血球の除去、▲2▼各種タンパク質の除去、及び▲3▼白血球の溶解及び核膜の溶解が必要となる。▲1▼赤血球の除去および▲2▼各種タンパク質の除去は、固相への非特異吸着および多孔膜の目目詰まりを防ぐために、▲3▼白血球の溶解及び核膜の溶解は、抽出の対象である核酸を可溶化させるためにそれぞれ必要となる。特に、▲3▼白血球の溶解及び核膜の溶解は重要な工程であり、本発明の方法では、この工程で核酸を可溶化することが必要である。本明細書中以下に記載の実施例では、塩酸グアニジン、Triton−X100、プロテアーゼK(SIGMA製)を添加した状態で60℃で10分インキュベートすることによって上記の▲1▼、▲2▼及び▲3▼を同時に達成している。
【0025】
本発明で用いる核酸可溶化試薬としては、グアニジン塩、界面活性剤およびタンパク質分解酵素を含む溶液が挙げられる。
グアニジン塩としては、塩酸グアニジンが好ましいが、他のグアニジン塩(イソチオシアン酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン)を使用することもできる。グアニジン塩の溶液中の濃度は、0.5M以上6M以下 好ましくは 1M以上5M以下である。
【0026】
界面活性剤としてはTriton−X100を使用することができるが、この他にも、SDS、コール酸ナトリウム又はサルコシンナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、Tween20又はメガファック等のノニオン性界面活性剤、その他各種両性界面活性剤を使用することもできる。本発明では、ポリオキシエチレンオキチルフェニルエーテル(Triton−X100)等のノニオン性界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の溶液中の濃度は、通常0.05重量%〜10重量% 特に好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
【0027】
タンパク質分解酵素としては、プロテアーゼKを使用することはできるが、他のプロテアーゼでも同様の効果を得ることができる。プロテアーゼは酵素であるため加温するのが好ましく、37℃〜70℃で使用することが好ましく、特に50℃〜65℃で使用することが好ましい。
【0028】
このように核酸が分散した水溶液中に、水溶性有機溶媒を添加して、表面に水酸基を有する有機高分子と接触させる。この操作により、試料溶液中の核酸が表面に水酸基を有する有機高分子に吸着される。本明細書中上記した操作で可溶化された核酸を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に吸着させるためには、可溶化した核酸混合液に水溶性有機溶媒を混合することと、得られた核酸混合液中に塩が存在することが必要である。
【0029】
即ち、核酸の周りに存在する水分子の水和構造を破壊することにより、核酸は不安定な状態で可溶化することになる。この状態の核酸を、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相と接触させると、核酸表面上の極性基と固相表面の極性基間で相互作用し、核酸は固相表面上に吸着するものと考えられる。本発明の方法では、可溶化した核酸混合液に水溶性有機溶媒を混合することと、得られた核酸混合液中に塩が存在することによって、核酸を不安定な状態にさせることができる。
【0030】
ここで用いる水溶性有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール又はプロパノールなどが挙げられ、中でもエタノールが好ましい。水溶性有機溶媒の濃度は、好ましくは5重量%〜90重量%であり、さらに好ましくは20重量%〜60重量%である。エタノールの添加濃度は、擬集物を生じない程度でできるだけ高くすることが特に好ましい。
【0031】
得られた核酸混合液中に存在する塩としては、各種カオトロピック物質(グアニジウム塩、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム)や塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化アンモニウム等が好ましい。特にグアニジウム塩は、細胞膜の溶解および核酸の可溶化の効果を併有するので特に好ましい。
【0032】
次いで、この核酸が吸着した表面に水酸基を有する有機高分子を本発明の洗浄液に接触させる。この洗浄液は、核酸と一緒に表面に水酸基を有する有機高分子に吸着した試料溶液中の不純物を洗い流す機能を有する。従って、表面に水酸基を有する有機高分子から核酸は脱着させないが不純物は脱着させる組成を有する必要がある。洗浄液は、上記した通り、水溶性アルコール、及び必要に応じて界面活性剤を含む水溶液からなる。
【0033】
次に、表面に水酸基を有する有機高分子に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液に、上記洗浄後の表面に水酸基を有する有機高分子を接触させる。この溶液には目的とする核酸が含まれているので、これを回収し、後に続く操作、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による核酸の増幅に提供する。核酸を脱着せしめうる溶液としては、塩濃度が低いことが好ましく、特に好ましくは0.5M以下の塩濃度の溶液を使用する。この溶液としては、精製蒸留水、TEバッファ等が使用できる。
【0034】
(3)核酸分離精製装置
本発明で用いる核酸分離精製装置は、少なくとも2個の開口を有する容器内に表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相を収容した核酸分離精製装置である。核酸分離精製装置の具体例を図1〜6に示す。
【0035】
本発明の核酸の分離精製装置1は、図1に示すように円筒形のシリンジ3と、シリンジ3の内部に挿入されるピストン部材5と、シリンジ3の先端部に接続される固相保持部材7とを備えて成る。尚、本発明においては、シリンジ3内の液体が押し出される側を「先端」側とし、その反対方向を「基端」側とする。
【0036】
シリンジ3は、固相保持部材7が接続される先端部9を有し、該先端部9には第1開口部11が形成されている。またシリンジ3の基端側には指掛け部13が形成される基端部15を有し、基端部15には第2開口部17が形成されている。シリンジ3の内部には収納部19が形成されており、該収納部19には、第1開口部11または第2開口部17から入った液体を後述するピストン栓の密閉作用により保持可能である。
【0037】
図2に示すように、シリンジ3の先端部9には、固相保持部材7が外嵌め可能であるように外周面が先端方向へ縮径するテーパ21が形成されている。尚、このようなテーパ21の代わりに、図3に示すようにシリンジ3の先端部9の外周面に雄ねじ23を形成し、固相保持部材7の基端側内面に雄ねじ23に対応する雌ねじ25を形成して、固相保持部材7がシリンジ3の先端部9に対して螺合式に着脱自在な構成とすることも可能である。
【0038】
またシリンジ3の先端部9の内側には、図5に最も良く示されているように、その任意の縦断面が、先端部9内の最も縮径された縮径部49から先端側へ向かって2次曲線的にカーブする形状を有する液体案内面27が形成されている。縮径部49により形成される円形断面と、液体案内面とによって囲まれる領域は全体としてほぼすり鉢形状をしている。このような形状の液体案内面27の作用については後述する。またシリンジ3の先端部9の任意の縦断面では、先端部9の先端29が鋭角的に尖っており、後述する表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相の表面に圧接することで固相を保持する作用を発揮する。この点については後で詳述する。
【0039】
ピストン部材5は、第2開口部17側から収納部19内へ延びるプランジャ31と、プランジャ31の先端に接続され、収納部19の内面に密接可能なピストン栓33とを備えている。ピストン栓33はプランジャ31の先端に固定されており、従ってプランジャ31を押したり引いたりすることにより、ピストン栓33が収納部19内で往復動できるようになっている。
【0040】
次に固相保持部材7は図4に示すように、ほぼ円筒形乃至若干の先細り形状をした本体部35を主体とし、その基端側が開放状態となっており、先端側は端板37によって塞がっている。端板37の中央からは先端側にノズル39が突出形成されており、ノズル39の内部には本体部35内へ通じる流通孔41が形成されている。端板37の基端側の内面には、シリンジ3の長手方向軸線にほぼ垂直な円形の固相支持面43が形成されており、該固相支持面43には、表面に水酸基を有する有機高分子から成る円形平板状の固相45が支持されている。この固相45は後で詳述するように試料溶液中の核酸を吸着及び脱着可能な材質で構成されている。
【0041】
また固相45の先端側には、クッション作用をなすポリプロピレン焼結フィルター46が設けられている。ポリプロピレン焼結フィルター46は、固相45同様、円形平板状の形態をしており、固相45と固相支持面43との間に設けられることにより、固相45がシリンジ3の先端部9によって押圧されるときに、固相45をその基端側から支持してクッション作用を提供する。これにより、固相45が過度に押し潰されて変形したり、固相45内に形成されている液体が流通する間隙が潰れて液体の流通性が悪くなることを防止することができる。
【0042】
固相保持部材7の本体部35の内側は、上記シリンジ3の先端部9に形成されたテーパ21に対応して先端方向へ縮径するようにテーパ47が形成されている。この固相保持部材7のテーパ47がシリンジ3の先端部9に形成されたテーパ21の外側に丁度嵌合することにより、シリンジ3と固相保持部材7との間を水密状態として一体化することができる。
【0043】
固相保持部材7がシリンジ3の先端部9に取り付けられているとき、前述したようにシリンジ先端部9の断面が鋭角的に形成された先端29が、固相45の円形外周縁のすぐ内側に圧接する。これによりポリプロピレン焼結フィルター46が多少押し潰された状態となるため、クッション作用を有するポリプロピレン焼結フィルター46の反作用により、固相45はシリンジ3の先端部9とポリプロピレン焼結フィルター46との間に挟持されるようになる。この結果、固相45はポリプロピレン焼結フィルター46を介して固相支持面43にしっかり支持されるようになる。上述したようにシリンジ先端部9の断面が鋭角的に形成された先端29が、固相45の円形外周縁のすぐ内側に圧接する構成を採用することにより、プランジャ31の操作によりピストン栓33が往復動するときに、収納部19内から外側へ押し出される液体または流通孔41を介して収納部19内へ流入する液体が、必ず固相支持面43内を通過するようになり、固相45の円形外周縁の外側を回って液体が流通することを防止できる。
【0044】
図6は、2次曲線的にカーブするような形状を有する液体案内面27が形成されているシリンジ3の先端部9内において、収納部19内から外側へ押し出される液体が流れ出す様子を示す説明図である。図6に示すように、先端部9内の最も縮径された縮径部49から2次曲線的にカーブするような形状を有する液体案内面27は、シリンジ3の長手軸線の先端側へ移行するに従って、単位長さ当たりの液体案内面27の断面の直径の拡張する率、即ち拡径率が小さくなっている。従って縮径部49近くでは急に拡径していくが、先端側へいくに従って拡径の度合いが徐々に緩やかになっていく。このような構成により、収納部19内から外側へ流れ出す液体の断面での流速分布は、縮径部49から固相45に至るまでの間でほぼ一定となり、従って固相45の全面に亘ってほぼ一定の流体圧が掛かるようになる。この結果、後述するシリンジ3の収納部19と外部との間での液体の流通時には、その核酸分離機能や洗浄機能等が固相45の全面に亘って有効に発揮されるため、効率的な核酸の分離精製を行うことができる。
【0045】
以上説明した核酸の分離精製装置では、固相保持部材7がシリンジ3と別部材となっており、固相保持部材7がシリンジ3から脱着自在となっているが、固相保持部材7をシリンジ3に対して脱着不可能な状態で固定してもよいし、あるいは固相保持部材7とシリンジ3とを一体部材として最初から形成するようにしてもよい。
【0046】
(4)核酸分離精製装置の使用による核酸の分離精製方法
上記した核酸分離精製装置を使用した核酸の分離精製方法について説明する。先ず、プランジャ31を先端側へ押し込んだ状態で、上記核酸分離精製装置1の流通孔41を核酸を含む試料溶液中に挿入する。次いでプランジャ31を基端側へ引いて収納部19内を減圧状態にして核酸を含む試料溶液を吸引し、表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相45に接触させる。この操作により、試料溶液が固相45と接触して試料溶液中にある核酸が固相45に吸着する。
【0047】
適量の試料溶液を吸引後、プランジャ31を再び先端側へ押し込んで収納部19内を加圧して、吸引した液を排出する。この操作までに間隔を開ける必要はなく、吸引後直ちに排出してもよい。
【0048】
次に、プランジャ31の操作による上記と同様の収納部19内の減圧−加圧操作で本発明の洗浄液を収納部内に吸引し、これから排出して収納部内部を洗浄する。この溶液は収納部内に残留する試料溶液を洗い流すと共に、核酸と一緒に固相に吸着した試料溶液中の不純物も洗い流す機能を有する。
【0049】
次に、固相45に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液を、プランジャ31の操作による上記と同様の収納部19内の減圧−加圧操作によって収納部19内に導入し、収納部19から排出する。この排出液には目的とする核酸が含まれているので、これを回収し、後に続く操作、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による核酸の増幅に提供することができる。
【0050】
上記方法は、核酸を含む試料溶液及び洗浄液を流通孔41を介して収納部19内に吸引し、排出する方法であるが、プランジャ31を抜き去り、核酸分離精製装置の第2開口部17から収納部19内に核酸を含む試料溶液を注入し、プランジャ31を使用して流通孔41から試料溶液を排出するようにしてもよい。更に同様に核酸洗浄液及び固相45に吸着した核酸を脱着せしめうる溶液についても、第2開口部17から収納部19内に注入し、プランジャ31を使用して流通孔41から洗浄液を排出するようにしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【実施例】
(1)材料及び試薬
図1〜図6に構造を示す核酸精製用カートリッジを使用し、第2開口部側より試料、洗浄液、蒸留水を順次注入し、そのたびにピストン部材(ブランジャ)を挿入し、押した。また、核酸吸着固相としては、富士ミクロフィルターFR250(富士写真フイルム製)を使用した。比較用の核酸吸着固相としては、ガラスフィルターGF/D(ワットマン社製)(膜厚2mm)を使用した。核酸精製用吸着バッファー溶液及び洗浄液は以下の通り調製した。
【0052】

Figure 2004242622
【0053】
Figure 2004242622
【0054】
(2)核酸精製操作
λDNA(ライフテクノロジー社製)を100ng/mlの濃度に調整し、これをサンプルとして200μlに、吸着バッファー200μlとプロテアーゼK20μlを添加して、60℃で10分間インキュベートした。インキュベート後、エタノール200μlを加え、攪拌した。攪拌後、図1〜図6に構造を示す核酸精製用カートリッジにこの液を注入した。注入後、ピストンにて液を押し出した。さらに、洗浄液500μlを注入し、ピストンにて液を押し出すことにより、カートリッジおよび吸着固相上の不純物を洗浄した。最後に、蒸留水200μlを注入し、ピストンにて液を押し出して、この液を回収した。
【0055】
(3)核酸の回収量の定量
(2)の操作により精製されたDNAの収量を以下の表1に示す。値は比較例及び本発明とも5回の繰り返しの平均値である。ODは5mmセルにて測定した。 表1の結果より、比較例よりも本発明の場合の方がDNAの収量が高いことが分かる。
【0056】
【表1】
Figure 2004242622
【0057】
【発明の効果】
表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を含む核酸の分離精製方法において本発明の洗浄液を用いることにより、固相に吸着された核酸を脱着させることなく固相に非特異的に吸着された不純物だけを洗い流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の核酸分離精製装置を示す側断面図である。
【図2】本発明の核酸分離精製装置の分解斜視図である。
【図3】シリンジと固相保持部材の接合方法の他の実施の形態を示す側断面図である。
【図4】固相保持部材の拡大断面図である。
【図5】シリンジの先端部の縦断面図である。
【図6】シリンジの先端部内において、収納部内から外側へ押し出される液体が流れる様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 核酸の分離精製装置
3 シリンジ
5 ピストン部材
7 固相保持部材
9 シリンジの先端部
11 第1開口部
13 指掛け部
15 シリンジの基端部
17 第2開口部
19 収納部
21 テーパ
23 雄ねじ
25 雌ねじ
27 液体案内面
29 先端部の先端
31 プランジャ
33 ピストン栓
35 本体部
37 端板
39 ノズル
41 流通孔
43 固相支持面
45 固相
46 ポリプロピレン焼結フィルター
47 テーパ
49 縮径部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a washing solution for use in separation and purification of nucleic acids. More specifically, the present invention relates to a washing solution for use in a method for separating and purifying nucleic acid, which comprises a step of adsorbing and desorbing nucleic acid on a solid phase comprising an organic polymer having a hydroxyl group on the surface.
[0002]
[Prior art]
Nucleic acids are used in various forms in various fields. For example, in the area of recombinant nucleic acid technology, it is required to use nucleic acids in the form of probes, genomic nucleic acids, and plasmid nucleic acids.
[0003]
In the diagnostic field, nucleic acids are used in various ways. For example, nucleic acid probes are routinely used for detection and diagnosis of human pathogens. Similarly, nucleic acids are used to detect genetic disorders. Nucleic acids are also used to detect food contaminants. In addition, nucleic acids are routinely used in the localization, identification and isolation of nucleic acids of interest for a variety of reasons ranging from genetic mapping to cloning and recombinant expression.
[0004]
In many cases, nucleic acids are available only in very small amounts, and the isolation and purification operations are cumbersome and time consuming. This often time-consuming and cumbersome operation tends to lead to the loss of nucleic acids. The purification of sample nucleic acids from serum, urine and bacterial cultures also adds the risk of contamination and false positive results.
[0005]
As one of the widely known purification methods, there is a method in which a nucleic acid is adsorbed on the surface of silicon dioxide, silica polymer, magnesium silicate, etc. and purified by subsequent operations such as washing and desorption (for example, Japanese Patent Publication No. 7-51065). Publication). Although this method is excellent in separation performance, there are problems such as difficulty in industrial mass production of adsorption media having the same performance, inconvenience in handling, and difficulty in processing into various shapes. Further, in order to wash away only the impurities nonspecifically adsorbed on the solid phase without desorbing the nucleic acid adsorbed on the solid phase, it is necessary to add a chaotropic substance to the washing solution. However, there is a high possibility that the washing solution is contaminated with the step of desorbing the nucleic acid in the final step, and contamination of the chaotropic substance in the washing solution with the extracted nucleic acid sample causes fatal inhibition in the subsequent analysis and reaction (for example, PCR reaction). cause.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is a washing solution for use in a method for separating and purifying nucleic acid comprising a step of adsorbing and desorbing nucleic acid on a solid phase comprising an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, the nucleic acid adsorbed on the solid phase It is an object of the present invention to provide a washing solution that can wash away only impurities that are non-specifically adsorbed on the solid phase without desorbing the.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent studies to solve the above problems, the present inventors have found that a method for separating and purifying nucleic acid from a water-soluble alcohol aqueous solution includes a process of adsorbing and desorbing nucleic acid on a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. The present invention is completed by finding that only the impurities non-specifically adsorbed on the solid phase can be washed away without desorbing the nucleic acid adsorbed on the solid phase by washing the nucleic acid using the washing solution comprising It came to.
[0008]
That is, according to the present invention, there is provided a cleaning solution comprising a water-soluble alcohol aqueous solution for use in a method for separating and purifying nucleic acid, which comprises a step of adsorbing and desorbing nucleic acid on a solid phase comprising an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. Is done.
[0009]
Preferably, the cleaning liquid of the present invention is a cleaning liquid that does not contain a chaotropic substance.
Preferably, the water-soluble alcohol concentration is 20% by weight or more and 100% by weight or less.
Preferably, the water soluble alcohol is ethanol.
Preferably, the organic polymer having a hydroxyl group on the surface is a surface saponified product of acetylcellulose, and more preferably a surface saponified product of triacetylcellulose.
Preferably, acetyl cellulose is a porous membrane.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
(1) Cleaning liquid of the present invention The cleaning liquid of the present invention is a cleaning liquid for use in a method for separating and purifying nucleic acid, including a step of adsorbing and desorbing nucleic acid on a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. It is an aqueous solution containing a basic alcohol. The cleaning liquid of the present invention preferably does not contain a chaotropic substance (for example, guanidinium salt, sodium iodide, sodium perchlorate, etc.). Further, a cleaning solution composed of only a water-soluble alcohol and water and not containing various salts and surfactants is particularly preferable.
[0011]
In the present invention, the water-soluble alcohol concentration is particularly preferably 20% to 100% by weight, more preferably 30% to 80% by weight, and particularly preferably 40% to 80% by weight. .
The water-soluble alcohol used in the present invention is preferably an alcohol having 1 to 4 carbon atoms, and examples thereof include methanol, ethanol, isopropanol, n-isopropanol, and butanol. As the water-soluble alcohol, ethanol is particularly preferable.
[0012]
The cleaning liquid of the present invention can contain a buffer and / or a surfactant in addition to the water-soluble alcohol described above. As the buffer, a known buffer can be used, and examples thereof include Tris. The preferred concentration when using Tris is 10-100 mM. As the surfactant, a known surfactant can be used, for example, Triton-X100 can be used. In addition, SDS, sodium cholate or sarcosine sodium and other anionic surfactants, Tween 20 Alternatively, nonionic surfactants such as megafacs and other various amphoteric surfactants may be used. A preferred concentration when using Triton-X is 0.1 to 10% by weight.
[0013]
(2) Method for separating and purifying nucleic acid using the washing solution of the present invention The method for separating and purifying nucleic acid using the washing solution of the present invention adsorbs and desorbs nucleic acid on a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. The process to perform is performed.
In the present invention, the “nucleic acid” may be either single-stranded or double-stranded, and there is no molecular weight limitation.
[0014]
The organic polymer having a hydroxyl group on the surface is preferably a surface saponified product of acetylcellulose. The acetyl cellulose may be any of monoacetyl cellulose, diacetyl cellulose, and triacetyl cellulose, but triacetyl cellulose is particularly preferable. In the present invention, surface saponified acetylcellulose is preferably used as the solid phase. Here, the surface saponification means that only the surface in contact with the saponification solution (for example, NaOH) is saponified. In the present invention, it is preferable that the solid phase structure remains acetylcellulose and only the surface of the solid phase is saponified. Thereby, the amount (density) of hydroxyl groups on the surface of the solid phase can be controlled by the degree of surface saponification treatment (surface saponification degree).
[0015]
In order to increase the surface area of the organic polymer having a hydroxyl group on the surface, it is preferable to form a film of the organic polymer having a hydroxyl group on the surface. Acetylcellulose may be a porous membrane or a non-porous membrane, but it is more preferable to make the membrane porous. When the solid phase is a porous membrane, it is preferable that the membrane structure remains acetylcellulose and only the surface of the structure is saponified. Thereby, the amount (density) of the spatial hydroxyl group can be controlled by the degree of surface saponification treatment (surface saponification degree) × pore diameter. Further, since the membrane structure is composed of acetylcellulose, a solid solid phase can be obtained. Here, saponifying acetylcellulose and introducing a hydroxyl group only on the surface means that the structure remains as acetylcellulose and the surface is celluloseized. When cellulose is used as a raw material, it cannot be made into a liquid, so that a porous membrane or a flat membrane cannot be produced industrially.
[0016]
For example, a film of triacetylcellulose is commercially available from Fuji Photo Film under the trade name TAC base, and a microfilter FM500 (manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.) is available as a porous film of triacetylcellulose.
Further, for example, it is also preferable to form a triacetyl cellulose film on the surface of polyethylene beads and saponify the surface to give a hydroxyl group on the surface. In this case, triacetyl cellulose is coated on the beads. The material of the beads is not limited to polyethylene as long as it does not contaminate the nucleic acid.
[0017]
In order to increase the nucleic acid separation efficiency, a larger number of hydroxyl groups is preferred. For example, in the case of acetylcellulose such as triacetylcellulose, the surface saponification rate is preferably about 5% or more, more preferably 10% or more.
In order to saponify the surface of acetylcellulose, an object to be saponified is immersed in an aqueous sodium hydroxide solution. In order to change the surface saponification rate, the concentration of sodium hydroxide may be changed. The surface saponification rate is determined by quantifying residual acetyl groups by NMR.
[0018]
In the method for separating and purifying nucleic acid described above, preferably, nucleic acid is adsorbed and desorbed using a nucleic acid separation and purification unit containing a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface in a container having at least two openings. It can be carried out.
[0019]
More preferably, (a) a solid phase made of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, (b) a container having at least two openings containing the solid phase, and (c) one opening of the container. Nucleic acid can be adsorbed and desorbed using a nucleic acid separation and purification unit including a combined pressure difference generator.
[0020]
The first embodiment of the method for separating and purifying nucleic acid can include the following steps.
(A) inserting one opening of the nucleic acid separation and purification unit into a sample solution containing nucleic acid;
(B) A solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface by sucking a sample solution containing nucleic acid by reducing the pressure in the container using a pressure difference generator coupled to another opening of the nucleic acid separation and purification unit. Contacting with,
(C) a step of pressurizing the inside of the container using a pressure difference generator connected to another opening of the nucleic acid separation and purification unit, and discharging the sample solution containing the aspirated nucleic acid out of the container;
(D) inserting one opening of the nucleic acid separation and purification unit into the nucleic acid washing solution;
(E) Using a pressure difference generator connected to another opening of the nucleic acid separation and purification unit, the container is depressurized and the nucleic acid washing solution is sucked and brought into contact with a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. Process,
(F) a step of bringing the inside of the container into a pressurized state using a pressure difference generator connected to another opening of the nucleic acid separation and purification unit, and discharging the aspirated nucleic acid washing solution out of the container;
(G) inserting one opening of the nucleic acid separation and purification unit into a liquid capable of desorbing nucleic acid adsorbed on a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface;
(H) Depressurize the inside of the container using a pressure difference generator connected to the other opening of the nucleic acid separation and purification unit to desorb the nucleic acid adsorbed on the solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. A step of aspirating the liquid to be brought into contact with the solid phase, and (i) an organic compound having a hydroxyl group on the surface thereof, wherein the inside of the container is pressurized using a pressure difference generator coupled to the other opening of the nucleic acid separation and purification unit. A step of discharging a liquid capable of desorbing a nucleic acid adsorbed on a solid phase composed of a polymer to the outside of the container.
[0021]
The second embodiment of the method for separating and purifying nucleic acid can include the following steps.
(A) preparing a sample solution containing a nucleic acid using a specimen and injecting the sample solution containing the nucleic acid into one opening of the nucleic acid separation and purification unit;
(B) Using a pressure difference generator connected to the one opening of the nucleic acid separation and purification unit, pressurize the inside of the container, and discharge the sample solution containing the injected nucleic acid from the other opening. Contacting with a solid phase comprising an organic polymer having a hydroxyl group on
(C) a step of injecting a nucleic acid washing solution into the one opening of the nucleic acid separation and purification unit;
(D) The container is pressurized using the pressure difference generator connected to the one opening of the nucleic acid separation and purification unit, and the injected nucleic acid washing solution is discharged from the other opening, whereby hydroxyl groups are formed on the surface. Contacting with a solid phase comprising an organic polymer having,
(E) a step of injecting a liquid capable of desorbing nucleic acid adsorbed on a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface into the one opening of the nucleic acid separation and purification unit;
(F) By using a pressure difference generator coupled to the one opening of the nucleic acid separation and purification unit, pressurizing the inside of the container, and discharging a liquid capable of desorbing the injected nucleic acid from the other opening, A step of desorbing nucleic acid adsorbed on a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface and discharging it out of the container.
[0022]
The method for separating and purifying nucleic acid using an organic polymer having a hydroxyl group on the surface will be described more specifically. In the present invention, preferably, the nucleic acid in the sample solution is adsorbed on the solid phase by bringing the sample solution containing the nucleic acid into contact with the solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, and then adsorbed on the solid phase. Nucleic acids are desorbed from the solid phase using a suitable solution as described below. More preferably, the sample solution containing nucleic acid is a solution obtained by adding a water-soluble organic solvent to a solution obtained by dispersing a nucleic acid in a solution by treating a specimen containing cells or viruses with a solution that dissolves cell membranes and nuclear membranes. is there.
[0023]
The sample solution containing the nucleic acid that can be used in the present invention is not limited, but in the diagnostic field, for example, whole blood collected as a specimen, plasma, serum, urine, stool, semen, saliva and other body fluids, or plants (or their) Particular), animals (or parts thereof), etc., or solutions prepared from biological materials such as lysates and homogenates thereof.
[0024]
First, these specimens are treated with an aqueous solution containing a reagent that dissolves the cell membrane and solubilizes the nucleic acid. As a result, the cell membrane and the nuclear membrane are dissolved, and the nucleic acid is dispersed in the aqueous solution.
For cell membrane lysis and nucleic acid solubilization, for example, when the target sample is whole blood, (1) removal of red blood cells, (2) removal of various proteins, and (3) lysis of white blood cells and nuclear membrane Must be dissolved. (1) Removal of red blood cells and (2) removal of various proteins are performed in order to prevent nonspecific adsorption to the solid phase and clogging of the porous membrane. (3) Lysis of leukocytes and nuclear membranes are subject to extraction. Are required to solubilize the nucleic acids. In particular, (3) lysis of leukocytes and lysis of the nuclear membrane are important steps. In the method of the present invention, it is necessary to solubilize nucleic acids in this step. In the examples described below in the present specification, the above (1), (2) and 3 ▼ is achieved at the same time.
[0025]
Examples of the nucleic acid solubilizing reagent used in the present invention include a solution containing a guanidine salt, a surfactant and a proteolytic enzyme.
As the guanidine salt, guanidine hydrochloride is preferable, but other guanidine salts (guanidine isothiocyanate, guanidine thiocyanate) can also be used. The concentration of the guanidine salt in the solution is 0.5M or more and 6M or less, preferably 1M or more and 5M or less.
[0026]
As the surfactant, Triton-X100 can be used, but in addition to this, an anionic surfactant such as SDS, sodium cholate or sarcosine sodium, a nonionic surfactant such as Tween 20 or MegaFac, Various other amphoteric surfactants can also be used. In the present invention, it is preferable to use a nonionic surfactant such as polyoxyethylene octylphenyl ether (Triton-X100). The concentration of the surfactant in the solution is usually 0.05% to 10% by weight, particularly preferably 0.1% to 5% by weight.
[0027]
Protease K can be used as the proteolytic enzyme, but the same effect can be obtained with other proteases. Since protease is an enzyme, it is preferable to warm it, it is preferable to use it at 37 ° C to 70 ° C, particularly 50 ° C to 65 ° C.
[0028]
A water-soluble organic solvent is added to the aqueous solution in which nucleic acids are dispersed in this manner, and brought into contact with an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. By this operation, the nucleic acid in the sample solution is adsorbed to the organic polymer having a hydroxyl group on the surface. In order to adsorb the nucleic acid solubilized by the operation described above in this specification to a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, a water-soluble organic solvent is mixed with the solubilized nucleic acid mixture. It is necessary that a salt be present in the obtained nucleic acid mixture.
[0029]
That is, by destroying the hydration structure of water molecules present around the nucleic acid, the nucleic acid is solubilized in an unstable state. When a nucleic acid in this state is brought into contact with a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, the polar group on the nucleic acid surface interacts with the polar group on the solid phase surface, and the nucleic acid is adsorbed on the solid surface. It is thought to do. In the method of the present invention, the nucleic acid can be brought into an unstable state by mixing a water-soluble organic solvent with the solubilized nucleic acid mixture and the presence of a salt in the obtained nucleic acid mixture.
[0030]
Examples of the water-soluble organic solvent used here include ethanol, isopropanol, and propanol. Among them, ethanol is preferable. The concentration of the water-soluble organic solvent is preferably 5% by weight to 90% by weight, and more preferably 20% by weight to 60% by weight. The concentration of ethanol added is particularly preferably as high as possible without causing pseudo-collects.
[0031]
Salts present in the resulting nucleic acid mixture include various chaotropic substances (guanidinium salts, sodium iodide, sodium perchlorate), sodium chloride, potassium chloride, ammonium chloride, sodium bromide, potassium bromide, bromide. Calcium, ammonium bromide and the like are preferred. In particular, a guanidinium salt is particularly preferable because it has the effects of cell membrane lysis and nucleic acid solubilization.
[0032]
Next, an organic polymer having a hydroxyl group on the surface to which the nucleic acid has been adsorbed is brought into contact with the cleaning liquid of the present invention. This washing solution has a function of washing out impurities in the sample solution adsorbed on the organic polymer having a hydroxyl group on the surface together with the nucleic acid. Therefore, it is necessary to have a composition in which nucleic acids are not desorbed from an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, but impurities are desorbed. As described above, the cleaning liquid is composed of an aqueous solution containing a water-soluble alcohol and, if necessary, a surfactant.
[0033]
Next, the organic polymer having a hydroxyl group on the surface after the washing is brought into contact with a solution capable of desorbing the nucleic acid adsorbed on the organic polymer having a hydroxyl group on the surface. Since the target nucleic acid is contained in this solution, it is recovered and provided for subsequent operation, for example, amplification of the nucleic acid by PCR (polymerase chain reaction). The solution capable of desorbing nucleic acids preferably has a low salt concentration, and particularly preferably a solution having a salt concentration of 0.5 M or less. As this solution, purified distilled water, TE buffer or the like can be used.
[0034]
(3) Nucleic acid separation / purification apparatus The nucleic acid separation / purification apparatus used in the present invention is a nucleic acid separation / purification apparatus in which a solid phase composed of an organic polymer having a hydroxyl group is contained in a container having at least two openings. It is. Specific examples of the nucleic acid separation and purification apparatus are shown in FIGS.
[0035]
As shown in FIG. 1, the nucleic acid separation and purification apparatus 1 of the present invention includes a cylindrical syringe 3, a piston member 5 inserted into the syringe 3, and a solid phase holding member connected to the distal end portion of the syringe 3. 7. In the present invention, the side on which the liquid in the syringe 3 is pushed out is the “front end” side, and the opposite direction is the “base end” side.
[0036]
The syringe 3 has a distal end portion 9 to which the solid phase holding member 7 is connected, and the first opening portion 11 is formed in the distal end portion 9. Further, the proximal end side of the syringe 3 has a proximal end portion 15 in which a finger hook portion 13 is formed, and a second opening portion 17 is formed in the proximal end portion 15. A storage portion 19 is formed inside the syringe 3, and the storage portion 19 can hold the liquid that has entered from the first opening portion 11 or the second opening portion 17 by a sealing action of a piston stopper described later. .
[0037]
As shown in FIG. 2, the distal end portion 9 of the syringe 3 is formed with a taper 21 whose outer peripheral surface is reduced in diameter toward the distal end so that the solid-phase holding member 7 can be fitted. Instead of such a taper 21, a male screw 23 is formed on the outer peripheral surface of the distal end portion 9 of the syringe 3 as shown in FIG. 3, and a female screw corresponding to the male screw 23 is formed on the inner surface of the solid end holding member 7. 25 can be formed so that the solid-phase holding member 7 can be detachably attached to the distal end portion 9 of the syringe 3 in a screwed manner.
[0038]
Further, as best shown in FIG. 5, an arbitrary longitudinal section of the syringe 3 has an arbitrary vertical cross section from the most contracted diameter portion 49 in the distal end portion 9 toward the distal end side. Thus, a liquid guide surface 27 having a shape curved in a quadratic curve is formed. The region surrounded by the circular cross section formed by the reduced diameter portion 49 and the liquid guide surface has a substantially mortar shape as a whole. The operation of the liquid guide surface 27 having such a shape will be described later. Further, in an arbitrary longitudinal section of the distal end portion 9 of the syringe 3, the distal end 29 of the distal end portion 9 has an acute angle, and is fixed by being pressed against the surface of a solid phase made of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface described later. Demonstrate the effect of retaining the phase. This point will be described in detail later.
[0039]
The piston member 5 includes a plunger 31 that extends from the second opening 17 side into the storage portion 19, and a piston plug 33 that is connected to the tip of the plunger 31 and can be in close contact with the inner surface of the storage portion 19. The piston plug 33 is fixed to the tip of the plunger 31, so that the piston plug 33 can reciprocate in the storage portion 19 by pushing or pulling the plunger 31.
[0040]
Next, as shown in FIG. 4, the solid-phase holding member 7 mainly has a main body portion 35 having a substantially cylindrical shape or a slight taper shape, and its proximal end side is in an open state, and the distal end side is formed by an end plate 37. It is blocked. A nozzle 39 protrudes from the center of the end plate 37 toward the front end side, and a flow hole 41 communicating with the inside of the main body 35 is formed inside the nozzle 39. A circular solid-phase support surface 43 substantially perpendicular to the longitudinal axis of the syringe 3 is formed on the inner surface of the end plate 37 on the proximal end side. The solid-phase support surface 43 has an organic group having a hydroxyl group on the surface. A circular flat solid phase 45 made of a polymer is supported. As will be described later in detail, the solid phase 45 is made of a material capable of adsorbing and desorbing nucleic acids in the sample solution.
[0041]
In addition, a polypropylene sintered filter 46 that functions as a cushion is provided on the tip side of the solid phase 45. The polypropylene sintered filter 46 has a circular flat plate shape like the solid phase 45, and is provided between the solid phase 45 and the solid phase support surface 43, so that the solid phase 45 is attached to the distal end portion 9 of the syringe 3. When pressed, the solid phase 45 is supported from its proximal end side to provide a cushioning action. Accordingly, it is possible to prevent the solid phase 45 from being excessively crushed and deformed, or the gap in which the liquid formed in the solid phase 45 circulates from being crushed and the liquid flowability from being deteriorated.
[0042]
A taper 47 is formed on the inner side of the main body 35 of the solid-phase holding member 7 so as to reduce the diameter in the distal direction corresponding to the taper 21 formed at the distal end 9 of the syringe 3. By simply fitting the taper 47 of the solid phase holding member 7 to the outside of the taper 21 formed at the distal end portion 9 of the syringe 3, the syringe 3 and the solid phase holding member 7 are integrated in a watertight state. be able to.
[0043]
When the solid-phase holding member 7 is attached to the distal end portion 9 of the syringe 3, the distal end 29 in which the cross section of the syringe distal end portion 9 is formed at an acute angle as described above is just inside the circular outer peripheral edge of the solid phase 45. Press contact. As a result, the sintered polypropylene filter 46 is somewhat crushed, so that the solid phase 45 is placed between the distal end portion 9 of the syringe 3 and the sintered polypropylene filter 46 by the reaction of the sintered polypropylene filter 46 having a cushioning action. It will be pinched by. As a result, the solid phase 45 is firmly supported by the solid phase support surface 43 via the polypropylene sintered filter 46. As described above, by adopting a configuration in which the tip 29 formed with an acute angle in the cross section of the syringe tip 9 is in pressure contact with the inner side of the circular outer peripheral edge of the solid phase 45, the piston plug 33 can be operated by operating the plunger 31. When reciprocating, the liquid pushed out from the storage unit 19 or the liquid flowing into the storage unit 19 through the circulation hole 41 always passes through the solid phase support surface 43, and the solid phase 45. It is possible to prevent the liquid from circulating around the outer periphery of the circular outer periphery.
[0044]
FIG. 6 is a diagram illustrating a state in which the liquid pushed out from the storage portion 19 flows out in the distal end portion 9 of the syringe 3 in which the liquid guide surface 27 having a shape that curves in a quadratic curve is formed. FIG. As shown in FIG. 6, the liquid guide surface 27 having a shape that curves like a quadratic curve from the diameter-reduced diameter-reduced portion 49 in the distal end portion 9 moves to the distal end side of the longitudinal axis of the syringe 3. Accordingly, the expansion rate of the diameter of the cross section of the liquid guide surface 27 per unit length, that is, the expansion rate is reduced. Therefore, the diameter is suddenly increased near the reduced diameter portion 49, but the degree of diameter expansion gradually becomes gradually as it goes to the tip side. With such a configuration, the flow velocity distribution in the cross section of the liquid flowing out from the inside of the storage portion 19 is substantially constant from the reduced diameter portion 49 to the solid phase 45, and thus over the entire surface of the solid phase 45. An almost constant fluid pressure is applied. As a result, when the liquid flows between the storage unit 19 of the syringe 3 to be described later and the outside, the nucleic acid separation function, the washing function, and the like are effectively exhibited over the entire surface of the solid phase 45, which is efficient. Nucleic acids can be separated and purified.
[0045]
In the nucleic acid separation and purification apparatus described above, the solid phase holding member 7 is a separate member from the syringe 3, and the solid phase holding member 7 is detachable from the syringe 3. The solid phase holding member 7 and the syringe 3 may be formed as an integral member from the beginning.
[0046]
(4) Method for separating and purifying nucleic acid by using nucleic acid separation and purification apparatus A method for separating and purifying nucleic acid using the above-described nucleic acid separation and purification apparatus will be described. First, with the plunger 31 pushed into the distal end side, the flow hole 41 of the nucleic acid separation and purification apparatus 1 is inserted into a sample solution containing nucleic acid. Next, the plunger 31 is pulled to the base end side, the inside of the storage unit 19 is decompressed, the sample solution containing nucleic acid is sucked, and brought into contact with the solid phase 45 made of an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. By this operation, the sample solution comes into contact with the solid phase 45 and the nucleic acid in the sample solution is adsorbed on the solid phase 45.
[0047]
After sucking an appropriate amount of the sample solution, the plunger 31 is pushed again to the tip side to pressurize the inside of the storage unit 19 and discharge the sucked liquid. It is not necessary to leave an interval before this operation, and it may be discharged immediately after suction.
[0048]
Next, the cleaning liquid of the present invention is sucked into the storage portion by the pressure-reduction operation in the storage portion 19 similar to the above by the operation of the plunger 31, and is discharged from the storage portion to clean the inside of the storage portion. This solution has a function of washing away the sample solution remaining in the storage section and washing out impurities in the sample solution adsorbed on the solid phase together with the nucleic acid.
[0049]
Next, a solution capable of desorbing the nucleic acid adsorbed on the solid phase 45 is introduced into the storage unit 19 by the pressure reduction-pressurization operation in the storage unit 19 similar to the above by the operation of the plunger 31 and discharged from the storage unit 19. To do. Since this effluent contains the target nucleic acid, it can be recovered and provided for subsequent operation, for example, amplification of the nucleic acid by PCR (polymerase chain reaction).
[0050]
The above method is a method in which a sample solution containing nucleic acid and a washing solution are sucked into the storage unit 19 through the flow hole 41 and discharged, but the plunger 31 is removed from the second opening 17 of the nucleic acid separation and purification apparatus. A sample solution containing a nucleic acid may be injected into the storage unit 19, and the sample solution may be discharged from the circulation hole 41 using the plunger 31. Similarly, a nucleic acid cleaning solution and a solution capable of desorbing the nucleic acid adsorbed on the solid phase 45 are injected into the storage unit 19 from the second opening 17 and the cleaning solution is discharged from the circulation hole 41 using the plunger 31. It may be.
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to these.
[0051]
【Example】
(1) Materials and Reagents Using a cartridge for nucleic acid purification whose structure is shown in FIGS. 1 to 6, a sample, a washing solution, and distilled water are sequentially injected from the second opening side, and a piston member (blanger) is inserted each time. And pressed. Further, Fuji Microfilter FR250 (manufactured by Fuji Photo Film) was used as the nucleic acid adsorption solid phase. As a nucleic acid adsorption solid phase for comparison, a glass filter GF / D (manufactured by Whatman) (film thickness 2 mm) was used. The adsorption buffer solution for nucleic acid purification and the washing solution were prepared as follows.
[0052]
Figure 2004242622
[0053]
Figure 2004242622
[0054]
(2) Nucleic acid purification operation λDNA (manufactured by Life Technology) was adjusted to a concentration of 100 ng / ml, 200 μl of adsorption buffer and 20 μl of protease K were added to this sample as a sample, and incubated at 60 ° C. for 10 minutes. After incubation, 200 μl of ethanol was added and stirred. After stirring, this solution was poured into a cartridge for nucleic acid purification whose structure is shown in FIGS. After the injection, the liquid was pushed out by the piston. Further, 500 μl of the cleaning liquid was injected, and the liquid on the cartridge and the adsorption solid phase was cleaned by pushing out the liquid with a piston. Finally, 200 μl of distilled water was injected, the liquid was pushed out with a piston, and this liquid was collected.
[0055]
(3) Quantification of recovery amount of nucleic acid The yield of DNA purified by the operation of (2) is shown in Table 1 below. The value is an average value of five repetitions in both the comparative example and the present invention. OD was measured with a 5 mm cell. From the results in Table 1, it can be seen that the yield of DNA is higher in the case of the present invention than in the comparative example.
[0056]
[Table 1]
Figure 2004242622
[0057]
【The invention's effect】
In the method for separating and purifying nucleic acid including the step of adsorbing and desorbing nucleic acid to the solid phase comprising an organic polymer having a hydroxyl group on the surface, the nucleic acid adsorbed on the solid phase can be immobilized without desorption by using the washing solution of the present invention. Only impurities that are non-specifically adsorbed to the phase can be washed away.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view showing an apparatus for separating and purifying nucleic acid of the present invention.
FIG. 2 is an exploded perspective view of the nucleic acid separation and purification apparatus of the present invention.
FIG. 3 is a side sectional view showing another embodiment of a method for joining a syringe and a solid phase holding member.
FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view of a solid phase holding member.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of a distal end portion of a syringe.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing a state in which liquid pushed out from the storage portion flows in the distal end portion of the syringe.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Nucleic acid separation and purification apparatus 3 Syringe 5 Piston member 7 Solid phase holding member 9 Syringe tip part 11 First opening part 13 Finger hook part 15 Syringe base end part 17 Second opening part 19 Storage part 21 Taper 23 Male screw 25 Female screw 27 Liquid guide surface 29 Tip 31 of the tip portion Plunger 33 Piston plug 35 Main body portion 37 End plate 39 Nozzle 41 Flow hole 43 Solid phase support surface 45 Solid phase 46 Polypropylene sintered filter 47 Taper 49 Reduced diameter portion

Claims (8)

表面に水酸基を有する有機高分子から成る固相に核酸を吸着及び脱着させる工程を含む核酸の分離精製方法において使用するための、水溶性アルコール水溶液から成る洗浄液。A cleaning solution comprising a water-soluble alcohol aqueous solution for use in a method for separating and purifying nucleic acid, comprising a step of adsorbing and desorbing nucleic acid on a solid phase comprising an organic polymer having a hydroxyl group on the surface. カオトロピック性物質を含まない、請求項1に記載の洗浄液。The washing | cleaning liquid of Claim 1 which does not contain a chaotropic substance. 水溶性アルコールと水のみから成り、各種塩および界面活性剤を含まない、請求項1又は2に記載の洗浄液。The washing | cleaning liquid of Claim 1 or 2 which consists only of water-soluble alcohol and water, and does not contain various salts and surfactant. 水溶性アルコール濃度が20重量%以上100重量%以下である、請求項1から3の何れかに記載の洗浄液。The cleaning liquid according to any one of claims 1 to 3, wherein the water-soluble alcohol concentration is 20 wt% or more and 100 wt% or less. 水溶性アルコールがエタノールである、請求項1から4の何れかに記載の洗浄液。The cleaning liquid according to claim 1, wherein the water-soluble alcohol is ethanol. 表面に水酸基を有する有機高分子がアセチルセルロースの表面鹸化物である、請求項1から5の何れかに記載の洗浄液。The cleaning liquid according to any one of claims 1 to 5, wherein the organic polymer having a hydroxyl group on the surface is a surface saponified product of acetylcellulose. 表面に水酸基を有する有機高分子がトリアセチルセルロースの表面鹸化物である、請求項1から6の何れかに記載の洗浄液。The cleaning liquid according to any one of claims 1 to 6, wherein the organic polymer having a hydroxyl group on the surface is a surface saponified product of triacetylcellulose. アセチルセルロースが多孔膜である、請求項1から7の何れかに記載の洗浄液。The cleaning liquid according to any one of claims 1 to 7, wherein acetylcellulose is a porous film.
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