JP2004242608A - Nontoxic variant pasteurella multocida toxin, gene thereof and method for producing the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、豚萎縮性鼻炎の原因毒素であるパスツレラ・ムルトシダ毒素の一部のアミノ酸を遺伝子工学的に置換して作製した無毒変異型毒素に関する。更に詳細には、免疫したときに豚の萎縮性鼻炎を予防するワクチン等の医薬品組成物を提供するための免疫原としての無毒変異型毒素と、その製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】
Petersen et.al, Infect. Immun., 59, 1387−1393, 1991
【非特許文献2】
Nielsen et.al., Can. J. Vet. Res., 55, 128−138, 1991
【非特許文献3】
W ard et.al., Infect. Immun., 5636−5642, 1998
【0003】
豚の萎縮性鼻炎は、鼻甲介の萎縮または変形を主徴とする慢性疾病であり、養豚業に多大な経済的損失をもたらしている。本病の原因は、グラム陰性細菌であるBordetella bronchiseptica(Bb)および毒素産生Pasteurella multocida(tPm)の混合、またはそのいずれかの感染により呼吸器系に異常を生じ、続いて発育の遅延、飼料効率の低下、二次感染の誘発などしばしば重大な経済的損失をもたらす。我が国における本病の罹患率も高い。
【0004】
なかでもtPmの産生するパスツレラ・ムルトシダ毒素(以下「PMT」と略称する)は本症の重要な発病要因となっている。PMTは分子量146 kDaの1285個のアミノ酸からなるタンパク質(配列番号1)で、強い毒性をもち、各種培養細胞に対して強い細胞変性効果をもたらす。マウス、モルモットなどの各種動物に静脈あるいは筋肉内に注射すると致死させる。また、モルモットの背部皮下に接種すると2〜3日で接種部位に壊死斑が形成され、毒素量の定量にしばしばこの反応が利用される。宿主である豚に毒素を注射すると、高濃度では豚は致死し、低濃度では野外症例でみられるのと同様の鼻甲介萎縮や鼻中隔の変形が認められる。この鼻甲介病変の形成は、毒素の作用により破骨細胞が活性化されることによる骨吸収の異常亢進に起因すると考えられている。
【0005】
PMTを主因とする豚の萎縮性鼻炎を予防するためには、豚群にPMTに対する十分な免疫を賦与することが有効である。我が国においても、PMTを化学的に修飾することにより無毒化した成分(トキソイド)を含有する数種類のワクチンが市販されており、本病の予防に広く用いられている。しかし、このtP mの産生するPMTは少量で、精製工程を経て純粋なPMTを十分量得ることは極めて困難である。また、PMTの毒素活性を保持した菌を大量に培養し、さらに種々の操作を経て毒素を大量に調製する作業には大変な危険を伴う。
【0006】
そこで、遺伝子工学的手法を用いることによって毒素分子自体のアミノ酸配列を変化させ、無毒でかつ免疫原性を保持した新規な分子の探索が各国の研究者により行われた。PetersenらはPMTに存在する構造遺伝子の5’末端側に存在する2つの制限酵素Bcl I切断部位を利用してこの間を欠損させ、N末端近傍領域に存在する121アミノ酸を欠失させた変異型PMTを作出した(非特許文献1)。この分子は毒性を消失し、免疫原性を保持していることが確認された。
【0007】
Nielsenらはこの分子をワクチンの成分に応用したところ、既存のホルマリンで不活化したPMTと同等の有効性が示されることが確認された(非特許文献2)。しかし、この欠損変異型PMTは、アミノ酸を欠失しているためPMTトキソイドを上回るほどの免疫原性は得られず、またその産生量も野生型のPMTに比べると多いが、まだ十分ではなかった。
【0008】
このため、分子全体の大きさを変化させることなく、特定のアミノ酸の置き換えによる変異型PMTの作出が試みられた。Wardらは1165番の位置に存在するシステインをセリンに置き換えたとき、培養細胞および豚への接種試験により毒性が認められなかったと報告した(非特許文献3)。しかしながら、本発明者らがこの変異型PMTをモルモットに皮内に注射したところ、弱いながらも注射部位に壊死斑の形成が認められ、無毒化は完全ではなかった。また、この変異型PMTの免疫原性は、現在のところ調べられていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の経緯から、モルモットの皮内に接種しても接種局所に異常の認められない、完全に無毒化された変異型PMTを作出する必要があった。その際、このアミノ酸置換により免疫原性が損なわれないことが、豚萎縮性鼻炎用ワクチンの成分として利用するための必須条件となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点に鑑み、アミノ酸置換によって完全に無毒となる変異型PMTを成分とする有効なワクチン及びその製造法を提供することを目的として、遺伝子工学的手法によりPMTの1164番目のセリンと1165番目のシステインの2箇所を他のアミノ酸に置換することにより、モルモットの皮下注射によってもまったく毒性の認められない、完全な無毒変異型PMTを作出することに成功した。さらに、精製した本無毒変異型PMTをワクチンの成分として注射された豚では、野生型のPMTの攻撃に対して完全に本病の発症を阻止できることを見いだし、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下を要点とするものである。
【0012】
(1) 配列番号1で表されるパスツレラ・ムルトシダ毒素のポリペプチド中、1164番目に位置するセリンおよび1165番目のシステインを他のアミノ酸と置換したことを特徴とする、毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する無毒変異型パスツレラ・ムルトシダ毒素。
【0013】
(2) 配列番号4で表されるポリペプチドであることを特徴とする毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する無毒変異型パスツレラ・ムルトシダ毒素。
【0014】
(3) 上記1項または上記2項の無毒変異型パスツレラ・ムルトシダ毒素のポリペプチド中の毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する領域からなることを特徴とするパスツレラ・ムルトシダ毒素由来部分ポリペプチド。
【0015】
(4) 配列番号1で表されるパスツレラ・ムルトシダ毒素のポリペプチド中、1164番目に位置するセリンおよび1165番目のシステインを他のアミノ酸と置換することを特徴とする、毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する無毒変異型パスツレラ・ムルトシダ毒素の製造方法。
【0016】
(5) 1164番目に位置するセリンを置換するアミノ酸がアラニンであり、1165番目のシステインを置換するアミノ酸がセリンであることを特徴とする請求項4に記載の無毒変異型パスツレラ・ムルトシダ毒素の製造方法。
【0017】
(6) 以下の(a)、(b)または(c)のポリペプチドをコードする遺伝子。
(a)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)上記(a)のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するポリペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列中の毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する領域からなることを特徴とするパスツレラ・ムルトシダ毒素由来部分ポリペプチド
【0018】
(7) 以下の(a)または(b)のポリヌクレオチドからなる遺伝子。
(a)配列番号2で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)上記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド
【0019】
(8) 以下の(a)または(b)の組換えタンパク質。
(a)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)上記(a)のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するタンパク質
(c)上記(a)のアミノ酸配列中の毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する領域からなることを特徴とするパスツレラ・ムルトシダ毒素由来部分ポリペプチド
【0020】
(9) 上記6項または上記7項に記載の遺伝子を含むことを特徴とする組換え発現ベクター。
【0021】
(10) 上記9項に記載の発現ベクターにより上記8項に記載の組換えタンパク質を生産するように形質転換されたことを特徴とする形質転換体。
【0022】
(11) 上記10項に記載の形質転換体を培養し、形質転換体に上記8項に記載の組換えタンパク質を生成することを特徴とする無毒変異型パスツレラ・ムルトシダ毒素の製造方法。
【0023】
(12) 上記8項に記載の組換えタンパク質を有効成分とすることを特徴とする豚萎縮性鼻炎用ワクチン。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明において、毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するパスツレラ・ムルトシダ毒素(以下、「無毒変異型PMT」と略称する)は、配列番号1に示すアミノ酸数1825のPMTのポリペプチド中、1164番目のセリンおよび1165番目のシステインを他のアミノ酸に置換したPMTの変異体である。
【0025】
置換するアミノ酸は、変異PMTが毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するものであればよく、例えばPMTの1164番目のセリンおよび1165番目のシステインを、それぞれをセリンおよびアラニンに置換した変異体が好ましい。
【0026】
好ましい無毒変異型PMTのアミノ酸配列を配列番号4に示す。
【0027】
この無毒変異型PMTは、毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するものであれば、上記2アミノ酸に加えて他のアミノ酸を1ないし複数個置換した変異体を含み、また、これらの変異を含むPMTの分子全体であってもよいし、一部に付加や欠失のある変異体であってもよい。
【0028】
詳細には、上記1164番目および1165番目のアミノ酸は、本毒素の活性中心に位置し、この2アミノ酸の変異は本毒素の無毒化と免疫原性の保持に必須である。けれども、毒素分子中の他の部位に位置するアミノ酸については、その置換、欠失、または付加によっても毒素の構造や機能に影響を及ぼさない箇所も存在する。従って、上記の特定2アミノ酸に加え、そのような本毒素の生物活性と無関係なアミノ酸の置換、付加または欠失した変異体であってもよい。
【0029】
あるいは、毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する領域を含むポリペプチドであれば、上記変異体PMTの部分ポリペプチドであってもよい。
【0030】
詳細には、本毒素中、上記1164番目および1165番目のアミノ酸を中心とした周辺数十アミノ酸の領域が活性中心と考えられている。従って、本領域を含む部分ポリペプチドにおいても免疫原性を示すものもあることが予想され、そのような部分ポリペプチドにおいても、上記特定2アミノ酸を置換した変異体は、本特許に包含される。
【0031】
本発明の無毒変異型PMTおよびその部分ポリペプチドは、それらをコードする遺伝子から翻訳されたものであってもよいし、化学合成法等によって生産されるものであってもよい。
【0032】
請求項1ないし3に記載のタンパク質をコードする遺伝子は、他の部位に変異を含むものであってもよいし、一部に付加や欠失のあるもの、あるいはこれらの変異を含む部分断片であってもよい。これらの塩基配列は化学合成法、DNA複製法などいずれの方法によって得たものであってもよい。請求項2の無毒変異型PMTをコードする遺伝子の具体的態様としては、配列番号3に示される塩基配列を有する遺伝子を挙げることができる。この塩基配列中のコーディング領域(配列番号2に示す配列)は、配列番号1に示されるアミノ酸配列の各アミノ酸残基を示すコドンの一つの組合せ例を示している。本発明の遺伝子は、かかる特定の遺伝子に限らず、各アミノ酸に対して任意のコドンを組合せ、選択した塩基配列を有することもできる。
【0033】
請求項1ないし3に記載のタンパク質をコードする遺伝子は、例えば50%にホルムアルデヒドを含むハイブリダイゼーション用溶液中で、37℃下といったストリンジェントな条件下で、配列番号2のDNAとハイブリダイズする遺伝子を例示することができる。
【0034】
本発明の無毒変異型PMTまたは無毒変異型PMT由来部分ポリペプチドは、上記無毒変異型PMTをコードする遺伝子を用いて、遺伝子組換え技術により当該タンパク質を大量に生産することができる。
【0035】
すなわち、請求項6または請求項7に記載の遺伝子を含む組換え発現ベクターを調製して、該発現ベクターにより無毒変異型PMTまたはその部分ポリペプチドを生産するように形質転換した形質転換体を培養し、該形質転換体に無毒変異型PMTまたはその部分ポリペプチドを生成することにより、無毒変異型PMTを製造することができる。
【0036】
上記の形質転換体は、例えば無毒変異型PMTまたはその部分ポリペプチドの生産細胞として作出することができる。
【0037】
すなわち、宿主細胞がCHO細胞、BHK―1細胞およびHela細胞等の真核細胞の場合には、例えば請求項1ないし3に示した無毒変異型PMTのアミノ酸配列をコードする請求項6または7のDNA断片をウイルス等のプロモーターと結合させ、真核細胞を形質転換させて無毒変異型PMT生産細胞を作出することができる。また、バキュロウイルス等の組み換えウイルスベクターを用いた場合は、例えばSmithらの方法(Smith et al., Mol.Cel.Biol., 3, 2156−2165)に基づいて、組換えウイルスベクターを作出することができる。すなわち、無毒変異型PMTまたはその部分ポリペプチドをコードするDNA断片をバキュロウイルスDNAとともに昆虫細胞に導入し、得られた組換えバキュロウイルスの中から無毒変異型PMTを生産する組換えウイルスクローンを選択し、その組換えクローンを昆虫細胞に感染させ、無毒変異型PMT生産細胞を作出することができる。また、該組換えクローンを昆虫に感染させて無毒変異型PMTを産生する昆虫を作出することができる。
【0038】
また、宿主細胞が大腸菌、枯草菌等の原核生物である場合は、例えばpBluescript II、pQE9、pET16およびpUB110等の適当な発現ベクターに無毒変異型PMTまたはその部分ポリペプチドをコードするDNA断片を連結し、大腸菌等の原核細胞を形質転換させて無毒変異型PMT産生細胞を作出することができる。この際、他のタンパク質との融合タンパク質として発現するようなベクターを選択してもよい。
【0039】
これらの遺伝子組換え操作は既知の方法によって行えばよく、特に限定されない。遺伝子操作技術・細胞工学技術によって、例えばシグナル配列の付加や宿主−ベクター系の好適選択、遺伝子の発現制御部位の改良等により発現効率の調節などを図ることができる。このような操作はサムブロックら(Sambrook et al., 1989, Molecular cloning: a laboratory manual. 2nd edition, Cold Spring Harbor, New York: Cold Spring Harbor Press)等により述べられた既知の遺伝子操作技術・細胞工学技術にしたがって行う事ができる。
【0040】
上記アミノ酸を有する無毒変異型PMTあるいはその部分ポリペプチドの発明によれば、これを有効成分として含有するワクチン等の動物用医薬品組成物を提供でき、tPmの感染により生ずる豚萎縮性鼻炎の発症を阻止するためのワクチンとして、有効に用いることができる。
【0041】
本発明の配列番号3で表される無毒変異型PMTは以下の方法により得られる。
【0042】
例えば、野生型PMTの1164番目のセリンをアラニンに、1165番目のシステインをセリンに変異させるための約30塩基対の変異導入用のDNAプライマー(主鎖および相補鎖)を合成する。例えば1164および1165番目のアミノ酸を含む野生型PMT遺伝子の3 ’末端領域の約700bpのDNA断片をテンプレートとし、これらのプライマーとそれぞれベクター由来の例えばM30−UniversalおよびM30−Reversalプライマーを用い、変異部分を挟んだ3 ’側および5 ’側の断片をそれぞれPCR反応により増幅させる。さらにこの3 ’側および5 ’側の断片を混合して、再度例えばM30−UniversalおよびM30−Reversalプライマーを用いて増幅すると、変異導入用プライマーの配列を含んだPMT遺伝子の3 ’末端領域の約0.7 kbpのDNA断片を得ることができる。
【0043】
この断片を、制限酵素切断部位を用いた通常の遺伝子クローニングにより、作製した当該DNA断片を野生型のPMT遺伝子の3 ’末端領域の約0.7 kbpの同断片と置き換えると、変異導入用プライマーを含む完全長のPMT遺伝子を得ることができる。当該部分のみに変異があり、他の部分の塩基配列には変化がないことは、作製された変異型PMTをコードする遺伝子の全塩基配列を調べることにより確認することができる。
【0044】
本遺伝子は、例えばpBluescriptII KS(+)といったような市販の発現ベクターに挿入し、大腸菌K12由来の派生株に導入することにより、変異型PMTを発現するための形質転換体を作製することができる。この形質転換体は例えば1mM のIPTG下で4時間培養する等の方法でベクターのプロモーターによる転写活性化を行い、大腸菌の菌体内に大量の変異型PMTタンパク質またはその部分ポリペプチドを生産することができる。
【0045】
この大腸菌を例えば超音波処理等の方法により菌体を破砕し、その遠心上清に変異型PMTタンパク質を抽出することができる。この抽出タンパク質を、例えば0.02M のリン酸緩衝液で透析し、DEAE sephacel等による陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを行い、0.1M〜0.6M NaClによる連続濃度勾配液で溶出することにより、変異型PMTタンパク質を単離・精製することができる。
【0046】
このようにして精製された変異型PMTタンパク質の0.2mL をモルモットの背部皮下に注射しても注射局所に変状は認められず、また、マウスの腹腔内に注射しても動物は致死しない。このように、作製された変異型PMTが完全に無毒となっていることは、動物への接種試験により確認することができる。
【0047】
当該変異型PMTタンパク質の例えば16マイクログラム量を、水酸化アルミニウムゲルアジュバントとともに豚の筋肉内に3週間隔で2回免疫し、最終免疫後2週に野生型PMTを筋肉内に注射することにより攻撃を行う。対照豚は非免疫とし、毒素による攻撃のみを行う。すると、非免疫対照豚は攻撃後約3週には鼻甲介に顕著な萎縮性鼻炎の病変を形成するが、変異型PMTで免疫した豚には、このような病変は認められない。また、この時採血した血清について抗体検査を行うと、免疫豚には野生型PMTと反応する抗体が産生されていることがわかる。
【0048】
このように、上記方法により作製した無毒変異型PMTまたはその部分ポリペプチドは、毒素活性をまったく示さず、豚に対して高度な免疫原性を示すことから、豚萎縮性鼻炎を予防するためのワクチン等の医薬品組成物の主成分として利用することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0050】
(1)PMT遺伝子への部位特異変異の導入
PMT遺伝子の所定部位のアミノ酸を置換するため、次のようなプライマーの設計を行った。
【0051】
野生型のPMT遺伝子の中の塩基番号3480番目から3509番目までの30塩基の配列はg,gaa,gct,ggc,tct,tgt,gat,tca,gta,agc,ccで、この配列から翻訳されるアミノ酸配列はGlu−Ala−Gly−Ser−Cys−Asp−Ser−Val−Ser−Pro(1161番目〜1170番目)である。この内の1164番目のSer(セリン)をAla(アラニン)に、1165番目のCys(システイン)Ser(セリン)に変異させるために、変異誘導用プライマー(配列番号4)g,gaa,gct,ggc,Gct,AgC,gat,tca,gta,agc,ccと(PMT−M−F)とその相補配列(配列番号5)gg,gct,tac,tga,atc,GcT,agC,gcc,agc,ttc,c(PMT−M−R)の2種類のプライマーを作製した。これらの変異プライマーによってコードされるアミノ酸配列はGlu−Ala−Gly−Ala−Ser−Asp−Ser−Val−Ser−Proとなる。また、これらの塩基の置換によって、変異プライマー内に制限酵素NheIで切断される新たな制限酵素切断部位が形成される。
【0052】
これらのプライマーを用いて実際のPMT遺伝子に変異を導入するため、遺伝子の3’末端領域部位である塩基番号3391のEcoRI制限酵素切断部位から3’末端までの約0.7 kbpのDNA断片を、ベクターpBluescript II KS(+)(STRATAGENE社)のマルチクローニングサイト内のEcoRI−SacI制限酵素切断部位に挿入した。
【0053】
このPMT遺伝子の3’末端部分をテンプレートとして、ベクター由来のM30 −20 ReversalプライマーとPMT遺伝子変異用プライマーPMT−M−R Reverseプライマーを用いたPCR反応、およびPMT遺伝子変異用プライマーPMT−M−F ForwardプライマーとM30 −20 Universalプライマーを用いた2つのPCR反応を常法に従って実施した。次に、これら2つのPCR反応により得られた反応液のそれぞれ2μLずつを混合し、あらたに耐熱性DNAポリメラーゼとdNTPおよび反応用緩衝液を加え、さらにM30 −20 ReversalプライマーとM30 −20 Universalプライマーを追加して二次PCR反応を行った。その結果、変異前のDNA断片と同じ大きさである約0.7 kbpの塩基長をもつDNA断片が増幅された。この断片中には元の断片には存在しなかった制限酵素NheI切断部位が存在したことから、変異に用いたプライマーと同じ配列がこの0.7 kbp断片に導入されている可能性が示された。
【0054】
そこで、このDNA断片をオリジナルなPMT遺伝子の同部分と置き換える目的で、オリジナルPMT遺伝子をEcoRIとSacIの制限酵素で消化し、同じ制限酵素で消化した約0.7 kbpのDNA断片を常法に従って挿入した。このようにして、元のPMT遺伝子の3’末端部位を、上記変異DNA断片に置き換えた変異型PMT遺伝子(配列番号2)を作出した。
【0055】
このようにして作製された変異型PMT遺伝子の中に、はじめに用いた変異導入用プライマーと同じ配列が存在するか確認するため、PERKIN−ELMAR社製 310型自動塩基配列決定装置を用いて本遺伝子の全塩基配列を決定した。その結果、変異型PMT遺伝子の塩基番号3480番目から3509番目の配列は確かにg,gaa,gct,ggc,Gct,AgC,gat,tca,gta,agc,ccとなっており、その他の部分に変異は認められなかった。このようにして、1164番目のSer(セリン)をAla(アラニン)に、1165番目のCys(システイン)をSer(セリン)に置換した変異型PMT(配列番号3)をコードする遺伝子を作出することができた。
【0056】
(2)変異型PMTの精製
変異型PMTの毒性や免疫原性等の性状を確認するため、オリジナル(野生型)および変異型PMTを発現する組換え大腸菌からのそれぞれのタンパク質の精製を行った。
【0057】
野生型または変異型のPMT遺伝子をpBluescript II KS(+)ベクターに組み込み、これを大腸菌K12の派生株であるXL1−Blue(STRATAGENE社製)に導入した。各遺伝子を含む組換え大腸菌は、1mMのIPTGを含んだLB培地を用いて、37℃で4時間振盪培養することにより各タンパク質の発現を行った。発現培養後、大腸菌を遠心・集菌し、超音波破砕装置(Branson社製 Sonic Power)で約5分間処理することにより菌体を破砕した。これを10,000 × gで20分間遠心分離し、回収した上清に50%飽和となるよう硫酸アンモニウムを加え、タンパク質を塩析した。これを10,000 × gで20分間遠心して沈渣を回収し、0.02Mリン酸緩衝液(pH6.6)に溶解した。本液を0.02Mリン酸緩衝液(pH6.6)にて一夜透析後、カラムクロマトグラフィーに供した。
【0058】
クロマトグラフィーの担体には、陰イオン交換体であるDEAE sephacel(ファルマシア社製)を用い、これを直径40 mm、高さ50 cmのガラスカラムに充填した。上記試料を添加し、カラムを洗浄して未吸着分画を排出し、0.1M〜0.6M NaClの連続濃度勾配液により溶出を行った。分画された溶出液のタンパク質の最終ピーク部分を回収し、これをポリエチレングリコール8000(和光純薬社製)を用いて、約30mLとなるまで濃縮した。
【0059】
野生型と変異型のPMTについて、それぞれ上記クロマトグラフィーにより回収した分画(ピーク1、ピーク2および回収フラクション)を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)により分析した(図1)。その結果、今回作製した変異型PMTは、野生型PMTと同じ分画に溶出された。また、各分画は分子量約146 kDaの単一のタンパク質を含んでいた。このことから、変異型PMTは野生型と同じく、本方法により精製が可能であることが示された。
【0060】
(3)変異型PMTの毒素活性
変異型PMTの毒素活性について、モルモット皮内接種による皮膚壊死毒素活性およびマウスの腹腔内接種による致死活性をそれぞれ調べた。
モルモット皮膚壊死活性の測定には、体重約350 gのハートレー系のモルモットを使用した。野生型PMT(80μgタンパク量/mL)および変異型PMT(34μgタンパク量/mL)をリン酸緩衝食塩液で階段希釈し、モルモットの背部皮内に0.2 mLずつ注射した。注射後2日目に注射部位に形成された壊死斑を観察した。その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
表1に示した結果から明らかなとおり、モルモット皮膚壊死活性については、野生型PMTでは160倍希釈まで壊死斑の形成が認められたのに対し、変異型PMTでは原液においても壊死斑の形成は認められなかった。このように、変異型PMTにおいてモルモット皮膚壊死活性は消失しているものと考えられた。
【0063】
マウス致死活性の検査には、4週齢のddYマウス50匹を使用した。野生型PMTおよび変異型PMTをマウス1匹あたり1mg、100μg、10μg、1μgおよび100 ngとなるよう調整し、各タンパク量当り5匹のマウスの腹腔内に接種した。接種後1週間観察し、生死を判定した。その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
表2に示した結果から明らかなように、マウス致死活性については、野生型PMTでは、1mgおよび100μg注射群では5頭中全頭が、10μg注射群では5頭中1頭が死亡した。一方、変異型PMTでは、最高量の1mg注射群においても死亡は認められなかった。本成績からLD50(50%致死量)は、野生型PMTで20μgタンパク量であったのに対して、変異型PMTでは3200μgタンパク量以上と計算された。このように、変異型PMTはマウス致死活性を示さなかった。
【0066】
以上の成績から、変異型PMTではモルモットの皮膚壊死活性およびマウスの致死活性のいずれも検出されず、当該部位のアミノ酸置換により、毒素活性を完全に消失することが判明した。
【0067】
(4)変異型PMTの免疫原性
作製された無毒変異型PMTが豚に対する免疫原性を保持しているかどうかを調べるため、無毒変異型PMTで免疫した豚を野生型PMTで攻撃することにより、その防御効果を調べた。
【0068】
約5週齢のBbおよびtPmフリー豚5頭を用いた。3頭は免疫群とし、1回あたり無毒変異型PMTの16μgタンパク量を水酸化アルミニウムゲルアジュバントとともに3週間隔で2回、筋肉内に注射した。残り2頭は非注射対照群とした。第2回注射後3週に免疫群の豚を、非注射対照群とともに体重1kgあたり4μgタンパク量の野生型PMTを筋肉内に注射することにより攻撃した。攻撃後2週に剖検して、鼻甲介に形成された病変の程度を肉眼的に観察した。また両群の豚について免疫前と攻撃時に採血を行い、血液中に産生されたPMTに対する抗体をELISAによって調べた。変異型PMT免疫豚において、免疫時に発熱、沈うつ、食欲不振等の臨床的異常は認められず、また注射局所にも腫脹、発赤等の異常な反応はなく、変異型PMTの無毒化が完全であることが確認された。
【0069】
抗体検査において、免疫前の血清では全例でPMTに対する抗体は検出されなかった。免疫群では、第2回注射後2週の攻撃時には全例で抗体陽性となり、平均E値も0.29まで上昇した(表3)。一方、対照群の2頭は陰性で経過した。
【0070】
野生型PMTによる攻撃後3週に剖検して鼻甲介を肉眼的に調べた。その結果を図2に示す。免疫群の3頭にはいずれも萎縮性鼻炎を示す病変は認められなかった。一方で非免疫対照群の2頭ではそれぞれスコア3及び2の病変(鼻甲介の消失)が認められた(表3および図2)。
【0071】
【表3】
【0072】
このように、本発明において作製した無毒変異型PMTで免疫された豚は、PMTに対する抗体が誘導され、野生型PMTによる攻撃から防御されることが示された。
【0073】
【発明の効果】
請求項1ないし3および請求項8に係る本発明は、毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するタンパク質であり、豚に免疫したときに野生型PMTによる攻撃から豚を防御でき、請求項12に記載した豚萎縮性鼻炎に対するワクチンとして用いることができる。
【0074】
また、請求項6または7に係る本発明によれば、この無毒変異型PMTをコードする遺伝子が得られ、請求項9および10の遺伝学的手法により発現させることで、当該タンパク質を大量に得ることができる。さらに、請求項11に記載した方法で精製することにより、ワクチンの成分として好適な不純物のない無毒変異型PMTを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】野生型(Wild type)および変異型(Mutant)PMTを陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分画後、ピーク1、ピーク2および回収フラクションについてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った時の電気泳動写真。
【図2】変異型PMT免疫豚3頭および非注射対照豚2頭に対して野生型PMTで攻撃後、3週目に剖検して鼻甲介に形成された病変を示す写真。
【配列表】
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a nontoxic mutant toxin produced by genetically substituting some amino acids of Pasteurella multocida toxin, which is a toxin causing swine atrophic rhinitis. More specifically, the present invention relates to a nontoxic mutant toxin as an immunogen for providing a pharmaceutical composition such as a vaccine for preventing atrophic rhinitis in pigs upon immunization, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
[Non-patent document 1]
Petersen et. al, Infect. Immun. , 59, 1387-1393, 1991.
[Non-patent document 2]
Nielsen et. al. , Can. J. Vet. Res. , 55, 128-138, 1991.
[Non-Patent Document 3]
Ward et. al. , Infect. Immun. , 5636-5642, 1998.
[0003]
Atrophic rhinitis in pigs is a chronic disease characterized by atrophy or deformation of the turbinates and has caused enormous economic losses to the pig industry. The cause of this disease is a mixture of the gram-negative bacteria Bordetella bronchiseptica (Bb) and toxin-producing Pasteurella multitocida (tPm), or any of the infections, which causes abnormalities in the respiratory system, followed by delayed growth, feed efficiency. Often leads to significant economic losses, such as reduced infection and the induction of secondary infections. The prevalence of this disease in Japan is also high.
[0004]
Among them, Pasteurella multocida toxin (hereinafter abbreviated as "PMT") produced by tPm is an important cause of this disease. PMT is a protein consisting of 1285 amino acids with a molecular weight of 146 kDa (SEQ ID NO: 1), has strong toxicity, and has a strong cytopathic effect on various cultured cells. Injection into various animals such as mice and guinea pigs intravenously or intramuscularly kills them. In addition, when inoculated subcutaneously in the back of a guinea pig, necrotic spots are formed at the inoculated site within 2 to 3 days, and this reaction is often used for quantifying the amount of toxin. When the pigs are injected with the toxin, the pigs are killed at high concentrations and the nasal turbinate atrophy and nasal septum deformation are observed at low concentrations, similar to those seen in field cases. The formation of the turbinate lesion is considered to be caused by abnormal enhancement of bone resorption due to activation of osteoclasts by the action of toxin.
[0005]
In order to prevent atrophic rhinitis in swine caused mainly by PMT, it is effective to impart sufficient immunity to PMT to swine herds. In Japan, several types of vaccines containing components (toxoids) detoxified by chemically modifying PMT are commercially available and widely used for the prevention of this disease. However, the amount of PMT produced by this tPm is small, and it is extremely difficult to obtain a sufficient amount of pure PMT through a purification step. In addition, the operation of cultivating a large amount of bacteria retaining the toxin activity of PMT and preparing a large amount of the toxin through various operations is very dangerous.
[0006]
Therefore, researchers in various countries have searched for new molecules that are nontoxic and retain immunogenicity by changing the amino acid sequence of the toxin molecule itself by using genetic engineering techniques. Petersen et al. Used two restriction enzyme Bcl I cleavage sites present at the 5 'end of the structural gene present in PMT to delete the gap between them and deleted a 121 amino acid present in the N-terminal region. PMT was created (Non-Patent Document 1). This molecule was confirmed to have lost toxicity and to retain immunogenicity.
[0007]
When Nielsen et al. Applied this molecule to a vaccine component, it was confirmed that the same efficacy as that of existing formalin-inactivated PMT was exhibited (Non-Patent Document 2). However, since the defective mutant PMT lacks amino acids, it is not able to obtain immunogenicity higher than that of the PMT toxoid, and its production is larger than that of the wild-type PMT, but it is not sufficient yet. Was.
[0008]
For this reason, an attempt was made to create a mutant PMT by replacing a specific amino acid without changing the size of the entire molecule. Ward et al. Reported that when cysteine at position 1165 was replaced with serine, no toxicity was observed in inoculation tests on cultured cells and pigs (Non-Patent Document 3). However, when the mutant PMT was intradermally injected into guinea pigs by the present inventors, formation of necrotic spots was observed at the injection site although weak, and detoxification was not complete. Also, the immunogenicity of this mutant PMT has not been investigated at present.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
From the above circumstances, it was necessary to create a completely detoxified mutant PMT which did not show any abnormality at the inoculated site even when inoculated in guinea pig skin. At that time, it is an essential condition that the immunogenicity is not impaired by this amino acid substitution in order to use it as a component of a vaccine for swine atrophic rhinitis.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above problems, the present inventors have aimed at providing an effective vaccine containing a mutant PMT which is completely nontoxic by amino acid substitution as a component and a method for producing the same. By substituting serine at position 1164 and cysteine at position 1165 with other amino acids, it was possible to produce a complete nontoxic mutant PMT which had no toxicity even by guinea pig subcutaneous injection. Furthermore, the present inventors have found that pigs injected with the purified nontoxic mutant PMT as a vaccine component can completely prevent the onset of the disease in response to wild-type PMT attack, thereby leading to the present invention.
[0011]
That is, the present invention has the following points.
[0012]
(1) A pig without expressing toxin activity, wherein the serine at position 1164 and the cysteine at position 1165 are substituted with other amino acids in the polypeptide of Pasteurella multocida toxin represented by SEQ ID NO: 1. A nontoxic mutant Pasteurella multocida toxin having immunological activity against atrophic rhinitis.
[0013]
(2) A nontoxic mutant Pasteurella multocida toxin which does not express toxin activity and has immunological activity against swine atrophic rhinitis, which is a polypeptide represented by SEQ ID NO: 4.
[0014]
(3) A Pasteurella multocida toxin characterized by comprising a region which does not express toxin activity in the polypeptide of the non-toxic mutant Pasteurella multocida toxin according to the
[0015]
(4) a pig that does not exhibit toxin activity, wherein the serine at position 1164 and the cysteine at position 1165 are replaced with other amino acids in the polypeptide of Pasteurella multocida toxin represented by SEQ ID NO: 1. A method for producing a nontoxic mutant Pasteurella multocida toxin having immunological activity against atrophic rhinitis.
[0016]
(5) The production of the nontoxic mutant Pasteurella multocida toxin according to claim 4, wherein the amino acid that substitutes serine at position 1164 is alanine, and the amino acid that substitutes cysteine at position 1165 is serine. Method.
[0017]
(6) A gene encoding the following polypeptide (a), (b) or (c).
(A) a polypeptide consisting of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3
(B) a polypeptide comprising an amino acid sequence in which one or more amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence of (a), and which does not express toxin activity and has immunological activity against swine atrophic rhinitis
(C) a partial polypeptide derived from Pasteurella multocida toxin, which comprises a region having no immunological activity against swine atrophic rhinitis without expressing the toxin activity in the amino acid sequence of (a).
[0018]
(7) A gene comprising the following polynucleotide (a) or (b):
(A) a polynucleotide consisting of the base sequence represented by SEQ ID NO: 2
(B) a polynucleotide that hybridizes under stringent conditions to the polynucleotide comprising the nucleotide sequence of (a) above
[0019]
(8) The following recombinant protein of (a) or (b).
(A) a protein consisting of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3
(B) a protein comprising an amino acid sequence in which one or more amino acids have been deleted, substituted or added in the above amino acid sequence (a), and which does not express toxin activity and has immunological activity against swine atrophic rhinitis
(C) a partial polypeptide derived from Pasteurella multocida toxin, which comprises a region having no immunological activity against swine atrophic rhinitis without expressing the toxin activity in the amino acid sequence of (a).
[0020]
(9) A recombinant expression vector comprising the gene described in the
[0021]
(10) A transformant characterized by being transformed with the expression vector according to the above item 9 to produce the recombinant protein according to the above item 8.
[0022]
(11) A method for producing a nontoxic mutant Pasteurella multocida toxin, which comprises culturing the transformant according to the above item 10 and producing the recombinant protein according to the above item 8 in the transformant.
[0023]
(12) A vaccine for swine atrophic rhinitis, comprising the recombinant protein according to item 8 as an active ingredient.
[0024]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present invention, Pasteurella multocida toxin (hereinafter abbreviated as “nontoxic mutant PMT”) which does not express toxin activity and has immunological activity against swine atrophic rhinitis is a PMT having 1825 amino acids represented by SEQ ID NO: 1. It is a PMT mutant in which serine at position 1164 and cysteine at position 1165 in the peptide have been substituted with other amino acids.
[0025]
The amino acid to be substituted may be any one as long as the mutant PMT does not exhibit toxin activity and has immunological activity against swine atrophic rhinitis. For example, the serine at position 1164 and the cysteine at position 1165 of PMT are replaced with serine and alanine, respectively. Preferred variants are preferred.
[0026]
The amino acid sequence of a preferred nontoxic mutant PMT is shown in SEQ ID NO: 4.
[0027]
This non-toxic mutant PMT includes a mutant in which one or more other amino acids are substituted in addition to the two amino acids as long as it does not express toxin activity and has immunological activity against swine atrophic rhinitis, The PMT molecule including these mutations may be the entire molecule, or may be a partially added or deleted mutant.
[0028]
Specifically, the amino acids 1164 and 1165 are located in the active center of the present toxin, and mutation of these 2 amino acids is essential for detoxification and maintenance of immunogenicity of the present toxin. However, for amino acids located elsewhere in the toxin molecule, there are sites where substitutions, deletions or additions do not affect the structure or function of the toxin. Therefore, in addition to the above-mentioned specific two amino acids, a mutant in which substitution, addition or deletion of amino acids unrelated to the biological activity of the present toxin may be performed.
[0029]
Alternatively, a partial polypeptide of the mutant PMT may be used as long as it is a polypeptide that does not express toxin activity and has a region that has immunological activity against swine atrophic rhinitis.
[0030]
Specifically, in the present toxin, a region of several tens of amino acids around the amino acids at positions 1164 and 1165 is considered to be the active center. Therefore, it is expected that some of the partial polypeptides containing the present region also show immunogenicity, and even in such a partial polypeptide, a mutant in which the above-described specific two amino acids are substituted is included in the present patent. .
[0031]
The nontoxic mutant PMT and its partial polypeptide of the present invention may be translated from a gene encoding them, or may be produced by a chemical synthesis method or the like.
[0032]
The gene encoding the protein according to any one of
[0033]
The gene encoding the protein according to any one of
[0034]
The nontoxic mutant PMT or the partial polypeptide derived from the nontoxic mutant PMT of the present invention can produce a large amount of the protein by a gene recombination technique using the gene encoding the nontoxic mutant PMT.
[0035]
That is, a recombinant expression vector containing the gene according to
[0036]
The above transformant can be produced, for example, as a cell that produces a nontoxic mutant PMT or a partial polypeptide thereof.
[0037]
That is, when the host cell is a eukaryotic cell such as a CHO cell, a BHK-1 cell and a Hela cell, for example, the amino acid sequence of the nontoxic mutant PMT described in
[0038]
When the host cell is a prokaryote such as Escherichia coli or Bacillus subtilis, a DNA fragment encoding a nontoxic mutant PMT or a partial polypeptide thereof is ligated to an appropriate expression vector such as pBluescript II, pQE9, pET16 and pUB110. Then, prokaryotic cells such as Escherichia coli can be transformed to produce nontoxic mutant PMT-producing cells. At this time, a vector that can be expressed as a fusion protein with another protein may be selected.
[0039]
These genetic recombination operations may be performed by a known method, and are not particularly limited. By gene manipulation techniques and cell engineering techniques, expression efficiency can be controlled by, for example, addition of a signal sequence, suitable selection of a host-vector system, improvement of gene expression control sites, and the like. Such operations are described in Sambrook et al., 1989, Molecular cloning: a laboratory manual. 2nd edition, Cold Spring Harbor, New York; It can be done according to engineering technology.
[0040]
According to the invention of the nontoxic mutant PMT having the amino acid or a partial polypeptide thereof, a veterinary pharmaceutical composition such as a vaccine containing the same as an active ingredient can be provided, and the onset of swine atrophic rhinitis caused by infection with tPm can be provided. It can be used effectively as a vaccine for blocking.
[0041]
The nontoxic mutant PMT represented by SEQ ID NO: 3 of the present invention can be obtained by the following method.
[0042]
For example, a DNA primer (main chain and complementary strand) for mutation introduction of about 30 base pairs for mutating serine at position 1164 to alanine and cysteine at position 1165 to serine in wild-type PMT is synthesized. For example, using a DNA fragment of about 700 bp in the 3 'terminal region of the wild-type PMT gene containing amino acids 1164 and 1165 as a template, these primers and vector-derived primers such as M30-Universal and M30-Reversal primers are used, The 3′-side and 5′-side fragments sandwiching the are amplified by PCR. When the 3′-side and 5′-side fragments are further mixed and amplified again using, for example, M30-Universal and M30-Reversal primers, the 3′-terminal region of the PMT gene containing the sequence of the mutation-introducing primer is reduced. A 0.7 kbp DNA fragment can be obtained.
[0043]
When this fragment was replaced with the same fragment of about 0.7 kbp in the 3 'terminal region of the wild-type PMT gene by ordinary gene cloning using a restriction enzyme cleavage site, a primer for mutagenesis was obtained. Can be obtained. It can be confirmed by examining the entire nucleotide sequence of the gene encoding the mutated PMT that there is a mutation only in the relevant portion and no change in the nucleotide sequence of the other portion.
[0044]
The present gene can be inserted into a commercially available expression vector such as pBluescript II KS (+) and introduced into a derivative strain derived from Escherichia coli K12 to prepare a transformant for expressing a mutant PMT. . This transformant can be activated for transcription by a vector promoter, for example, by culturing it under 1 mM IPTG for 4 hours, to produce a large amount of mutant PMT protein or its partial polypeptide in E. coli cells. it can.
[0045]
The Escherichia coli can be disrupted by, for example, sonication or the like, and the mutant PMT protein can be extracted from the centrifuged supernatant. The extracted protein is dialyzed against, for example, a 0.02 M phosphate buffer, subjected to anion exchange column chromatography using DEAE sephacel or the like, and eluted with a continuous concentration gradient solution using 0.1 M to 0.6 M NaCl. The mutant PMT protein can be isolated and purified.
[0046]
Injection of 0.2 mL of the thus-purified mutant PMT protein subcutaneously on the back of guinea pigs did not show any deformation at the injection site, and did not kill the animals when injected intraperitoneally into mice. . Thus, it can be confirmed by an inoculation test to an animal that the produced mutant PMT is completely non-toxic.
[0047]
By immunizing a pig muscle twice, for example, with an amount of 16 micrograms of the mutant PMT protein together with an aluminum hydroxide gel adjuvant at three-week intervals, and intramuscularly injecting wild-type PMT two weeks after the final immunization. Make an attack. Control pigs are non-immunized and only challenge with toxin. Then, about 3 weeks after the challenge, the non-immune control pigs form remarkable atrophic rhinitis lesions on the turbinates, but the pigs immunized with the mutant PMT do not show such lesions. When an antibody test is performed on the serum collected at this time, it is found that the immunized pig has produced an antibody that reacts with wild-type PMT.
[0048]
As described above, the nontoxic mutant PMT or its partial polypeptide produced by the above method does not show any toxin activity and shows high immunogenicity to pigs. It can be used as a main component of a pharmaceutical composition such as a vaccine.
[0049]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
[0050]
(1) Introduction of site-specific mutation into PMT gene
In order to substitute an amino acid at a predetermined site of the PMT gene, the following primers were designed.
[0051]
The sequence of 30 bases from base Nos. 3480 to 3509 in the wild-type PMT gene is g, gaa, gct, ggc, tct, tgt, gat, tca, gta, agc, cc and is translated from this sequence. The amino acid sequence is Glu-Ala-Gly-Ser-Cys-Asp-Ser-Val-Ser-Pro (1161 to 1170). In order to mutate the 1164th Ser (serine) into Ala (alanine) and the 1165th Cys (cysteine) Ser (serine) among them, primers for mutagenesis (SEQ ID NO: 4) g, gaa, gct, ggc , Gct, AgC, gat, tca, gta, agc, cc and (PMT-MF) and its complementary sequence (SEQ ID NO: 5) gg, gct, tac, tga, atc, GcT, agC, gcc, agc, ttc , C (PMT-MR) were prepared. The amino acid sequence encoded by these mutated primers is Glu-Ala-Gly-Ala-Ser-Asp-Ser-Val-Ser-Pro. In addition, the substitution of these bases creates a new restriction enzyme cleavage site in the mutant primer that is cleaved with the restriction enzyme NheI.
[0052]
To introduce a mutation into the actual PMT gene using these primers, a DNA fragment of about 0.7 kbp from the EcoRI restriction enzyme cleavage site at base number 3391, which is the 3 ′ terminal region of the gene to the 3 ′ end, was introduced. Was inserted into the EcoRI-SacI restriction enzyme cleavage site in the multicloning site of the vector pBluescript II KS (+) (Stratagene).
[0053]
Using the 3 ′ terminal portion of the PMT gene as a template, a PCR reaction using a vector-derived M30-20 Reverse primer and a PMT gene mutation primer PMT-MR Reverse primer, and a PMT gene mutation primer PMT-MF Two PCR reactions using the Forward primer and the M30-20 Universal primer were performed according to a conventional method. Next, 2 μL of each of the reaction solutions obtained by these two PCR reactions was mixed, and a heat-resistant DNA polymerase, dNTP and a reaction buffer were added again, and further, M30-20 Revalsal primer and M30-20 Universal primer were added. Was added to perform a secondary PCR reaction. As a result, a DNA fragment having a base length of about 0.7 kbp, which was the same size as the DNA fragment before the mutation, was amplified. The presence of a restriction enzyme NheI cleavage site, which was not present in the original fragment, in this fragment indicated that the same sequence as the primer used for the mutation was introduced into this 0.7 kbp fragment. Was.
[0054]
Therefore, in order to replace this DNA fragment with the same part of the original PMT gene, the original PMT gene was digested with EcoRI and SacI restriction enzymes, and a DNA fragment of about 0.7 kbp digested with the same restriction enzymes was digested according to a conventional method. Inserted. In this manner, a mutant PMT gene (SEQ ID NO: 2) was prepared in which the 3 ′ terminal site of the original PMT gene was replaced with the mutant DNA fragment.
[0055]
In order to confirm whether or not the same sequence as the mutation-introducing primer used initially exists in the mutant PMT gene thus prepared, the present gene was analyzed using a PERKIN-ELMAR 310-type automatic base sequencer. Was determined. As a result, the sequence from base number 3480 to base 3509 of the mutant PMT gene is certainly g, gaa, gct, ggc, Gct, AgC, ga, tca, gta, agc, cc, and No mutation was found. In this way, a gene encoding a mutant PMT (SEQ ID NO: 3) in which Ser (serine) at position 1164 is replaced with Ala (alanine) and Cys (cysteine) at position 1165 is replaced with Ser (serine). Was completed.
[0056]
(2) Purification of mutant PMT
In order to confirm properties such as toxicity and immunogenicity of the mutant PMT, respective proteins were purified from original (wild-type) and recombinant E. coli expressing the mutant PMT.
[0057]
The wild-type or mutant PMT gene was incorporated into a pBluescript II KS (+) vector, and this was introduced into XL1-Blue (manufactured by STRATAGENE), which is a derivative of Escherichia coli K12. Recombinant Escherichia coli containing each gene was expressed in an LB medium containing 1 mM IPTG by shaking culture at 37 ° C. for 4 hours. After the expression culture, Escherichia coli was centrifuged and collected, and treated with an ultrasonic crusher (Sonic Power manufactured by Branson) for about 5 minutes to crush the cells. This was centrifuged at 10,000 × g for 20 minutes, and ammonium sulfate was added to the collected supernatant so as to be 50% saturated, and the protein was salted out. This was centrifuged at 10,000 × g for 20 minutes to collect a precipitate, which was then dissolved in a 0.02 M phosphate buffer (pH 6.6). This solution was dialyzed overnight against a 0.02 M phosphate buffer (pH 6.6), and then subjected to column chromatography.
[0058]
DEAE sephacel (manufactured by Pharmacia), which is an anion exchanger, was used as a carrier for chromatography, and packed in a glass column having a diameter of 40 mm and a height of 50 cm. The sample was added, the column was washed, the unadsorbed fraction was discharged, and elution was performed with a continuous concentration gradient solution of 0.1 M to 0.6 M NaCl. The final peak portion of the protein in the fractionated eluate was collected, and concentrated using polyethylene glycol 8000 (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) to a volume of about 30 mL.
[0059]
The fractions (
[0060]
(3) Toxin activity of mutant PMT
Regarding the toxin activity of the mutant PMT, the skin necrosis toxin activity by intradermal inoculation in guinea pigs and the lethal activity by intraperitoneal inoculation of mice were examined.
For the measurement of guinea pig skin necrosis activity, a Hartley guinea pig weighing about 350 g was used. Wild-type PMT (80 μg protein amount / mL) and mutant PMT (34 μg protein amount / mL) were serially diluted with phosphate buffered saline, and 0.2 mL was injected into the back skin of guinea pigs. Two days after the injection, necrotic spots formed at the injection site were observed. Table 1 shows the results.
[0061]
[Table 1]
[0062]
As is clear from the results shown in Table 1, the formation of necrotic spots was observed in the guinea pig skin necrosis activity up to 160-fold dilution in the wild-type PMT, whereas the necrotic spot formation was not observed in the undiluted solution in the mutant PMT. I was not able to admit. Thus, it was considered that the guinea pig skin necrosis activity had disappeared in the mutant PMT.
[0063]
For the test of the mouse lethal activity, 50 4-ddY ddY mice were used. Wild-type PMT and mutant-type PMT were adjusted to 1 mg, 100 μg, 10 μg, 1 μg, and 100 ng per mouse, and inoculated intraperitoneally into 5 mice per protein amount. One week after the inoculation, the cells were observed to determine whether they were alive or dead. Table 2 shows the results.
[0064]
[Table 2]
[0065]
As is evident from the results shown in Table 2, with respect to the lethal activity of the mice, all of the 5 animals in the 1 mg and 100 μg injection groups and 1 in 5 animals in the 10 μg injection group died in the wild-type PMT. On the other hand, with the mutant PMT, no death was observed even in the highest dose of 1 mg injection group. LD from the result 50 The (50% lethal dose) was calculated to be 20 μg protein in wild-type PMT, but 3200 μg protein in mutant PMT. Thus, the mutant PMT did not show mouse lethal activity.
[0066]
From the above results, in the mutant PMT, neither the skin necrosis activity of guinea pig nor the lethal activity of mouse was detected, and it was found that the toxin activity was completely eliminated by amino acid substitution at the site.
[0067]
(4) Immunogenicity of mutant PMT
In order to examine whether the produced nontoxic mutant PMT retains immunogenicity to pigs, the protective effect was examined by attacking pigs immunized with nontoxic mutant PMT with wild-type PMT.
[0068]
Five Bb and tPm-free pigs of about 5 weeks of age were used. Three animals were immunized, and 16 μg of a nontoxic mutant PMT protein was injected intramuscularly twice at three-week intervals with aluminum hydroxide gel adjuvant at one time. The other two animals were non-injected control groups. Three weeks after the second injection, the pigs in the immunized group were challenged with the non-injected control group by intramuscular injection of 4 μg protein / kg body weight of wild-type PMT. Necropsy was performed 2 weeks after the challenge, and the extent of the lesion formed in the turbinate was visually observed. In addition, blood was collected from the pigs of both groups before immunization and at the time of challenge, and antibodies to PMT produced in the blood were examined by ELISA. In the mutant PMT-immunized pigs, there were no clinical abnormalities such as fever, depression, and anorexia during immunization, and there were no abnormal reactions such as swelling or redness at the injection site, and the detoxification of the mutant PMT was complete. It was confirmed that there was.
[0069]
In the antibody test, no antibody against PMT was detected in the serum before immunization in all cases. In the immunized group, at the time of challenge 2 weeks after the second injection, all cases became antibody-positive, and the average E value also increased to 0.29 (Table 3). On the other hand, two animals in the control group were negative.
[0070]
Three weeks after challenge with wild-type PMT, autopsy was performed and the turbinates were examined visually. The result is shown in FIG. No lesion showing atrophic rhinitis was observed in any of the three immunized animals. On the other hand, lesions with a score of 3 and 2 (loss of the turbinate) were observed in two non-immune control groups, respectively (Table 3 and FIG. 2).
[0071]
[Table 3]
[0072]
Thus, it was shown that pigs immunized with the nontoxic mutant PMT produced in the present invention were induced with antibodies against PMT and were protected from challenge with wild-type PMT.
[0073]
【The invention's effect】
The present invention according to
[0074]
Further, according to the present invention according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the results of fractionation of wild type (Wild type) and mutant type (Mutant) PMT by anion exchange column chromatography, followed by SDS-polyacrylamide gel electrophoresis of
FIG. 2 is a photograph showing lesions formed in the turbinate after autopsy at 3 weeks after challenge with three mutant PMT-immunized pigs and two non-injected control pigs with wild-type PMT.
[Sequence list]
Claims (12)
(a)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)上記(a)のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するポリペプチド
(c)上記(a)のアミノ酸配列中の毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する領域からなることを特徴とするパスツレラ・ムルトシダ毒素由来部分ポリペプチドA gene encoding the following polypeptide (a), (b) or (c).
(A) a polypeptide consisting of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3 (b) consisting of an amino acid sequence in which one or more amino acids have been deleted, substituted or added in the above amino acid sequence (a), and having a toxin activity A polypeptide which does not express and has immunological activity against swine atrophic rhinitis (c) a pasteurella characterized by comprising a region which does not express the toxin activity in the amino acid sequence of (a) and has immunological activity against swine atrophic rhinitis・ Multocida toxin-derived partial polypeptide
(a)配列番号2で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)上記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドA gene comprising the following polynucleotide (a) or (b):
(A) a polynucleotide consisting of the base sequence represented by SEQ ID NO: 2 (b) a polynucleotide that hybridizes under stringent conditions to a polynucleotide consisting of the base sequence of (a) above
(a)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)上記(a)のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有するタンパク質
(c)上記(a)のアミノ酸配列中の毒素活性を発現せず豚萎縮性鼻炎に対する免疫活性を有する領域からなることを特徴とするパスツレラ・ムルトシダ毒素由来部分ポリペプチドThe following recombinant protein (a) or (b):
(A) a protein consisting of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3; (b) a protein consisting of the amino acid sequence of the above (a) in which one or more amino acids are deleted, substituted or added, and expresses toxin activity (C) a protein having immunological activity against swine atrophic rhinitis which does not express the toxin activity in the amino acid sequence of the above (a) and comprising a region having immunological activity against swine atrophic rhinitis; Toxin-derived partial polypeptide
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WO2009113664A1 (en) * | 2008-03-13 | 2009-09-17 | 財団法人化学及血清療法研究所 | Recombinant dermonecrotic toxoid-containing drug for swine atrophic rhinitis |
WO2009113665A1 (en) * | 2008-03-13 | 2009-09-17 | 財団法人化学及血清療法研究所 | Method of producing drug for swine atrophic rhinitis |
JP2021536499A (en) * | 2018-09-18 | 2021-12-27 | 深セン瑞健生物科技有限公司Shenzhen Ruijian Bioscience Technology Limited Company | Polypeptides that can cross the blood-brain barrier |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003037570A patent/JP2004242608A/en active Pending
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WO2009113664A1 (en) * | 2008-03-13 | 2009-09-17 | 財団法人化学及血清療法研究所 | Recombinant dermonecrotic toxoid-containing drug for swine atrophic rhinitis |
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