JP2004241511A - マルチアクション化学機械平坦化装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供する。
【解決手段】シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトを備える。研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径である。シャフトは研磨ヘッドおよび研磨パッドをシャフト軸周りに回転させるように回転可能である、軌道ハウジングは、軌道軸から離れた偏心孔を有し、シャフトは偏心孔内を回転可能に通るように配置されている。軌道ハウジングはシャフトと研磨ヘッドと研磨パッドとを軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトを備える。研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径である。シャフトは研磨ヘッドおよび研磨パッドをシャフト軸周りに回転させるように回転可能である、軌道ハウジングは、軌道軸から離れた偏心孔を有し、シャフトは偏心孔内を回転可能に通るように配置されている。軌道ハウジングはシャフトと研磨ヘッドと研磨パッドとを軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスの製造に関する。より詳細には、本発明は、半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供する。例示的な実施形態では、本発明は、半導体集積回路の製造に対して改善された基板支持を提供する。しかし、本発明がより広範囲の利用可能性を有し、さらに、フラットパネルディスプレイ、ハードディスク、未加工のウエハ、MEMSウエハ、および高度な平坦性を要求する他の目的物に適用され得ることが理解される。
【0002】
【従来の技術】
集積回路デバイスの製造は、しばしば、るつぼ中で回転しているシリコン溶融物から種を引き出すことによって形成される単結晶シリコンのインゴットから切断された半導体ウエハを生成することによって開始する。次いでこのインゴットが、ダイヤモンド切刃を用いて、個々のウエハに切断される。以下の切断動作は、ウエハの少なくとも1つの表面(処理表面)を研磨して、比較的平坦で、ひっかきのない表面にする。このウエハの研磨された表面は、まず複数のダイ領域に細分され、この領域において、集積回路(IC)が以後形成される。一連のウエハマスキングおよび処理工程が使用されて、各ICを製造する。その後、個々のダイが切断されるかまたはウエハからスクライブされ、そして個々にパッケージングされ、試験されてデバイス製造プロセスを終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
IC製造の間、典型的には様々なマスキング工程および処理工程がウエハ表面上の面形状(topographical)不整合の形成を生じる。例えば、面形状表面不整合はメタライゼーション後に生成され、ウエハ表面を導電金属層で被覆する層順序を含み、被覆金属層の望ましくない部分をエッチングして、各IC上にメタライゼーション相互接続パターンを形成する。この問題は多層相互接続の使用によって悪化される。
【0004】
半導体ウエハにおける通常の表面不整合は、ステップとして公知である。ステップは金属相互接続と金属が除去されるウエハ表面との間の高さの差である。第1のメタライゼーション層が規定される典型的なVLSIチップは、数百万のステップを含み得、全体のウエハは数百のICを含み得る。
【0005】
結果的に製造の間のウエハ表面平坦化を維持することが重要である。典型的には、フォトリソグラフィック処理は、最大回路密度を生成するために、解像度の限界までに近づける。典型的なデバイスジオメトリは、0.5μmのオーダーの線幅を要求する。これらのジオメトリがフォトリソグラフィによって生成されるため、ウエハ表面がフォーカスの単一面において照射を正確にフォーカスするために高度に平坦であり、ウエハの全体の表面にわたって正確なイメージングを達成することが重要である。十分に平坦ではないウエハ表面が、構造的であるか、またはせいぜい最適な性能よりも低い性能を提示するいずれかの回路によって十分に規定されていない構造を生じる。これらの問題を低減するために、ウエハは処理におけるいくつかの点において「平坦化」され、平面ではない面形状およびそれによる不利な作用を最小化する。さらなるレベルが多層相互接続設計に追加され、回路特性がサブミクロン寸法まで到達し、要求された平坦化の程度が増大する。回路寸法が低減された場合、信頼性のある高密度デバイスを生成するように相互接続レベルが全体的に平坦化されなければならない。平坦化は、導電層または誘電層のいずれかにおいて実現され得る。
【0006】
高密度集積回路を生成するために必要な平坦化の程度を達成するために、化学機械研磨プロセス(「CMP」)が頻繁に使用される。従来の回転CMP装置は、半導体ウエハを支持するためのウエハキャリアを含む。軟らかく、弾性のあるパッドは、典型的にはウエハキャリアとウエハとの間に配置され、概してウエハは、部分的な真空によって弾性パッドに対して保持される。このウエハキャリアは駆動モータによって連続的に回転されるように設計される。さらに、典型的には、ウエハキャリアはまた、横方向の運動に対して設計される。この回転運動および横方向の運動は、ウエハの表面にわたる材料の除去速度の変動を低減することを意図する。この装置はさらに、研磨パッドが取り付けられる回転プラテンを含む。このプラテンはウエハと比較して比較的大きく、CMPプロセスの間、ウエハはウエハキャリアによって、研磨パッドの表面を横切って移動され得る。懸濁された研磨粒子である化学反応性溶液を含む研磨スラリーは、研磨パッドの表面上に供給チューブを介して堆積される。
【0007】
複数の工程を含み、複雑である過去の平坦化技術とは対照的に、CMPは1つの工程で実施できるために有利である。さらに、CMPは、高い表面形状(feature)の高い材料除去速度および低い表面形状の低い除去速度を維持し、従って均一な平坦化を可能にすることが示されてきた。またCMPは、材料の異なる層および様々な表面欠陥を除去するために使用され得る。従って、CMPは、ウエハ上に形成されたICの品質および信頼性を向上し得る。
【0008】
化学機械研磨は、十分に開発された平坦化技術である。本方法の基礎となる化学および物理学が理解されている。しかし、ウエハ中心付近の滑らかさの結果を得ることがなおも非常に困難なままであることが一般的に受け入れられている。この結果は、平坦化されたウエハの中心領域が以後の処理に適切であってもよいし、適切でなくてもよい平坦化されたウエハである。従って、時にはウエハの全体の表面を十分に利用することが不可能である。これは生産量を低減し、チップあたりの製造コストを増大する。最終的には、消費者がより高いコストを被る。
【0009】
従って、チップ生産量を増大させる半導体ウエハの有用な表面を改良することが望ましい。必要なことは、CMPを用いて達成され得る全体の平坦化の程度を向上させるCMP技術の改良である。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供することを目的とする。また、本発明は、半導体集積回路の製造に対して改善された基板支持を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既知のプロセステクノロジーおよび既知である従来技術のコンテクストにおけるこれらの利点を達成する。本発明は、化学的機械的研磨(CMP)の改良された平坦化装置を提供する。特に、本発明は、研磨中に均一性を達成するために、例えば、周回およびスピン動作といった多重動作CMPを提供する改良された平坦化装置を提供する。
【0012】
例示の実施形態において、本発明の装置により、研磨ヘッドの周回および純スピン動作が共に可能になる。研磨ヘッドは、研磨パッドを保持し、ウェハ平坦化するウェハよりもサイズが小さい。周回ハウジングは、ベアリングによって所定位置で保持され、モーターによって、あるいはベルトまたはギアを介して直接駆動される。環状のハウジングは、ベアリングを有するシャフトをサポートする、偏心性および補正穴を有する。シャフトは、研磨ヘッドに接続される。外部歯車および摩擦駆動は、シャフトに取り付けられ、内部歯車または摩擦駆動と結合する。内部歯車は、外部の環状ハウジングのベアリングと同軸の別のベアリングによってサポートされる環状ギアであり、第2の直接のモーターあるいは第2のギアまたはベルト駆動によって駆動される。二つのモーターの相対速度を制御することによって、研磨ヘッドは、(軌道モーターの安定性を維持する間)スピンだけする、スピンおよび周回(すなわち、歳差運動)する、または(研磨パッドがウェハに関してスピンしないように二つのモーターの相対運動を制御することによって)周回だけするように作られ得る。
【0013】
発明者は、平坦化の改善された均一性が優位な周回運動によってウェハの中心を研磨し、優位なスピン運動によってウェハのエッジを研磨することによって達成され得ることに気付いた。発明者はさらに、ウェハの組み合わされた周回運動および回転中に、二つの動作のうちより小さい方の周回速度およびウェハの回転速度の増大する割合が整数でない(non−integer)場合、均一性が改善されることを見つけた。
【0014】
本発明の局面によると、物体を平坦化するための化学的機械的研磨装置は、シャフト軸を有し、研磨パッドと結合された研磨ヘッドに接続されるシャフトを備える。研磨パッドは、平坦化される物体よりも小さい直径を有する。シャフトは、シャフト軸の周りで研磨ヘッドおよび研磨パッドをスピンさせることができるように回転可能である。周回ハウジングは、周回軸から間隔がある、シャフトが回転できるように設置された周回軸を介する偏心性の穴を有する。周回ハウジングは、シャフト、研磨ヘッド、および周回軸の周りの研磨パッドを周回するように回転できる。いくつかの実施形態において、シャフト軸は、研磨パッドの半径の約1/100〜1/2の間である設定値によって周回軸から間隔がある。
【0015】
いくつかの実施形態において、シャフトは、外部歯車に接続される。外部歯車は、シャフト軸の周りでシャフトおよび研磨パッドをスピンするように外部歯車を回転するような回転で駆動されるように構成される内部歯車と回転可能に接続される。プラテンは、平坦化される物体をサポートするために提供される。プラテンは、物体を回転するように回転できる。シャフトは、第1のモーターによって回転するように駆動され、周回ハウジングは、第2のモーターによって回転するように駆動される。
【0016】
本発明の別の局面によると、研磨パッドを用いる化学的機械的研磨による物体を平坦化する方法は、平坦化される物体の表面に対して垂直である物体の物体軸に関して物体を回転する工程と、および研磨パッドの軸から間隔がある周回軸の周りで研磨パッドを回転する工程とを含む。周回軸の周りで回転中の研磨パッドは、物体の表面と接触される。
【0017】
いくつかの実施形態において、物体軸は、周回軸と平行であり、かつ、物体軸と間隔がある。物体は、物体のある回転速度で回転し、研磨パッドは、ある周回速度で周回軸の周りで回転される。物体の回転速度および周回速度のうちより小さい方の速度に対する物体の回転速度および周回速度の増大する割合は、整数でない。周回速度は、物体の回転速度より大きくなり得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、研磨パッドは、研磨パッドをスピンするために研磨パッドのパッド軸の周りで回転される。研磨パッドは、あるスピン速度でパッド軸の周りで回転され、ある周回速度で周回軸の周りで回転される。研磨パッドが物体の表面の中心領域に接続されると、周回速度はスピン速度よりも大きくなる。特定の実施形態において、研磨パッドが中心領域に接続されるとき、スピン速度はほぼゼロである。いくつかの実施形態において、研磨パッドが物体の表面のエッジ領域に接触されるとき、スピン速度は周回速度よりも大きい。特定の実施形態において、研磨パッドがエッジ領域と接触されるとき、周回速度はほぼゼロである。
【0019】
上記課題を解決するため、本発明は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトであって、該研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径であり、該シャフトは該研磨ヘッドおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように回転可能である、シャフトと、軌道軸から離れた偏心孔を有する軌道ハウジングであって、該シャフトは該偏心孔内を回転可能に通るように配置され、該軌道ハウジングは該シャフトと該研磨ヘッドと該研磨パッドとを該軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である、軌道ハウジングと、を備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置であって、該シャフトは、外歯車に接続し、該外歯車は回転可能に内歯車に連結し、該内歯車は回転駆動されて該外歯車を回転させ、それによって該シャフトおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように構成されているものである。
【0020】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の少なくとも約1/100であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0021】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の約1/2未満であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0022】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、第1のモータによって回転駆動され、前記軌道ハウジングは第2のモータによって回転駆動されることが好ましい。
【0023】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、前記偏心孔内の軸受けによって、前記軌道ハウジングに対して回転するように支持されていることが好ましい。
【0024】
上記本発明の装置において、平坦化すべき前記物体を支持するプラテンをさらに備えることが好ましい。
【0025】
上記本発明の装置において、前記プラテンは、前記物体を回転させるように回転可能であることが好ましい。
【0026】
上記本発明の装置において、前記プラテンは、プラテン回転速度で前記物体を回転させるように構成され、前記軌道ハウジングは、前記研磨パッドを前記軌道軸周りに軌道速度で軌道に乗って移動させるように構成され、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの小さい方に対する、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でないことが好ましい。
【0027】
上記本発明の装置において、前記軌道速度は、前記プラテン回転速度よりも大きいことが好ましい。
【0028】
また、本発明は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトであって、該研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径であり、該シャフトは該研磨ヘッドおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように回転可能である、シャフトと、軌道軸から離れた偏心孔を有する軌道ハウジングであって、該シャフトは該偏心孔内を回転可能に通るように配置され、該軌道ハウジングは該シャフトと該研磨ヘッドと該研磨パッドとを該軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である、軌道ハウジングと、平坦化すべき該物体を支持し、該物体を回転させるように回転可能である、プラテンと、を備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置であって、該プラテンは、プラテン回転速度で前記物体を回転させるように構成され、該軌道ハウジングは、該研磨パッドを該軌道軸周りに軌道速度で軌道に乗って移動させるように構成され、プラテン回転速度は、軌道速度よりも大きいか、または小さく、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの小さい方に対する、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でないものである。
【0029】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の少なくとも約1/100であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0030】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の約1/2未満であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0031】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、第1のモータによって回転駆動され、前記軌道ハウジングは第2のモータによって回転駆動されることが好ましい。
【0032】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、前記偏心孔内の軸受けによって、前記軌道ハウジングに対して回転するように支持されていることが好ましい。
【0033】
上記本発明の装置において、前記軌道速度は、該プラテン回転速度よりも大きいことが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態による、平坦化装置100の簡略化された図である。この図は、単なる例示であって、本明細書の請求項の範囲に制限するべきではない。当業者は、多くの他の変更、改変、および代替を認識する。特定の実施形態において、平坦化装置100は、化学的機械的平坦化装置である。
【0035】
(ウエハガイドおよびスピンアセンブリ)
装置100は、エッジサポート、またはガイドおよびスピンアセンブリ110を含んでおり、これは、対象物(object)またはウエハ115のエッジに結合している。この特定の実施形態における対象物はウエハであるが、対象物は、等のプロセス中のウエハ(in−process)、コーティングされたウエハ、フィルムを備えるウエハ、ディスク、パネル等の他のアイテムであり得る。ガイドアセンブリ110は、平坦化プロセスの間ウエハ115を支持および配置する。
図1は、さらに、研磨パッドアセンブリ116を示しており、この研磨パッドアセンブリ116は、研磨パッド117、およびデュアルアーム119に付着された背面サポート118を有している。パッドアセンブリ116、背面サポート117、デュアルアーム118は、以下に詳細に記載されている。
【0036】
特定の実施形態において、ガイドアセンブリ110は、ローラ120を含んでいる。ローラ120のそれぞれは、平坦化の間ウエハ115を定位置に固定するために、ウエハ115のエッジに結合している。図1の実施形態は、三つのローラを示している。しかしながら、実際のローラの数は、各ローラの形状および大きさ、ウエハの形状および大きさ、およびローラ−ウエハの接触の性質等の種々の要因に依存する。さらに、ローラ120のうちの少なくとも一つは、ウエハ115を駆動する、すなわち、ウエハを回転またはスピンさせる。残りのローラ120は、ガイドとして機能し、ウエハが研磨されたときに支持を提供する。ローラ120は、ウエハ外周部に沿った種々のポイントに配置される。図1に示されるように、ローラ120は、ウエハ115にウエハ外周部に沿う等間隔のポイントで付着する。ローラ120は、ウエハ外周部に沿う任意の位置に配置され得る。各ローラ間の間隔は、ローラの数、および特定の適用に関連する他の要因に依存する。
【0037】
図1の実施形態は、一つのガイドおよびスピンアセンブリ110を示している。このようなアセンブリの実際の数は、特定の適用に依存する。例えば、図1Aは、本発明の一実施形態による複数のウエハ115を処理するために複数のガイドおよびスピンアセンブリ110を支持するカラセル(carousel)121の簡略化された平面図を示している。この特定の実施形態において、カラセル(図1A)は、多くのウエハを平坦化するために複数のガイドアセンブリと共に用いられ得る。カラセルの実際の大きさ、形状、および構成は、特定の適用に依存する。さらに、複数のガイドアセンブリが用いられる場合、全てのガイドアセンブリが、同一に構成される必要はない。より高いスループットのために、ウエハは、一つ以上の他のウエハの平坦化の間キュー(cue)にあるガイドアセンブリ上に取り付けられる。さらにより高いスループットのために、このようなウエハカラセルは、操作可能に複数の平坦化装置に結合するように構成される。
【0038】
図2は、本発明の実施形態による図1のローラ120の模式図である。この模式図は、単なる例示に過ぎず、特許請求項の範囲を限定するものではない。当業者は、多くの他の変形例、変更例および代替例を認識している。図示されたように、それぞれのローラ120は、下部125、上部130およびローラの周りに完全に伸長し、下部と上部との間に配置されている環状ノッチ131とを有する。ノッチ131の深さおよび形状は、特定のローラの目的に応じて変わる。ウェハ115の回転を駆動させるために設計されたローラは、ウェハ115と接触するより大きな表面積を提供するために、より深いノッチを有する。または、ウェハをガイドのみのために設計されたローラは、より浅いノッチを有する(十分なサポートを提供するための十分な深さを有する)。
【0039】
図2Aは、図2の下部と同様の下部125aを有する別のローラ120aを示す。上部130aは、図2の上部130より小さな断面積を有し、好ましくは、図2のノッチ131より浅い環状ノッチ131aに向かって細くなる先細の、または傾きのある表面132aを含む。浅いノッチ131は、ウェハ115のエッジにローラ120aを接続させるには十分である。上部130aおよび浅いノッチ131aは、ローラ120aとウェハ115のエッジとの係合を容易にする。ウェハ115の交換はまた、上部130aに対してより小さい部分を有するローラ120a(roller 120a with the smaller to portion 130a)が図2のローラ120のように遠くに引かれる必要はないので、より十分にかつ速く実行され得る。下部125aの表面133aはまた、破線133bによって示されるように、ウェハの係合をさらに容易にするために、小さな角度(例えば、約1−5°)で傾けられてもよい。
【0040】
ウェハ115のエッジは、ウェハ115のプロセス面が研磨パッド117と対面するように、それぞれのローラのノッチに配置されている。ウェハ115を壊さないように、それぞれのローラの下部は、ウェハの背面150に上向きの力140を与えたまま、ローラの上部は、ウェハのプロセス面170(研磨される面)に下向きの力160を与える。さらなるサポートに関して、ノッチの内部壁171は、ウェハのエッジに内向きの力190を与える。上部130および下部125は、1つの部材から構成されている。または、上部130および下部125は、複数の部材を含み得る。例えば、上部130は、スクリューキャップまたは他の締め付け具または等価物等の分離部材であり得る。それぞれのローラ120は、中心軸201を有し、それぞれがこの中心軸に対して回転し得る。回転は、時計方向または反時計方向であり得る。回転はまた、加速または減速し得る。
【0041】
ガイドおよびスピンアセンブリ110はまた、ローラをサポートするローラベース(図示せず)を有する。ベースのサイズ、形状および構成は、平坦化装置(planarization apparatus)の実際の構成に依存する。例えば、ベースは、平坦化装置に取り付けられるか、または一体化している1つのフラットな平面であり得る。ベースは、いくつかのローラをサポートする一方で、少なくとも1つのローラがウェハ115の挿入および除去を可能にするために十分に引かれ得ることが必要であり、ウェハ115のエッジに加える力を制御するために、ウェハ115のエッジに対して調整可能であることが必要である。
【0042】
動作中、平坦化中に、ガイドアセンブリ110は、研磨パッド117に対して様々な方向にウェハ115を並進移動させ得る。例えば、ガイドアセンブリは、固定された平面にて、横方向にウェハを並進移動させ得るか、または、並進移動を行い得る。固定された平面は、研磨パッド117の処理表面(treatment surface)およびバックサポート118に実質的に並行である。ガイドアセンブリはまた、固定された平面にて、ウェハの軸の周りにウェハを回転またはスピンさせ得る。この結果、ガイドアセンブリ110は、x軸方向、y軸方向、z軸方向またはこれらの組合せの方向にウェハ115を移動させ得る。実際の平坦化中(すなわち、研磨パッドがウェハに接触しているとき)に、ガイドアセンブリが固定された平面にてウェハを横方向に移動し得る。ガイドアセンブリは、研磨パッドに対して任意の数の所定のパターンでウェハを移動し得る。このような所定のパターンは、変わり、特定の用途に依存する。例えば、パターンは、実質的に放射状、線形等であり得る。また、少なくとも研磨パッドが平坦化中に対象物に接触するときには、このようなパターンは、連続的か、または断続的か、または、これらの組合せであり得る。
【0043】
x方向移動、y方向移動、z方向移動の従来の並進機構は、ガイドアセンブリを制御し得、横切り得る。例えば、別の機構は、滑車駆動装置および含気的に動作される機構を含む。ガイドアセンブリおよびウェハは、様々なパターンの研磨パッドを横切り得る。例えば、横方向パスは、放射状、線形、環状、段階状等または特定の用途に依存する任意の組合せであり得る。ウェハの回転方向は、時計方向または反時計方向であり得る。回転速度はまた、加速または減速し得る。
【0044】
図2を再度参照して、上述したような横方向の運動に加えて、ガイドアセンブリは、固定された平面にて、ウェハの中心軸202の周りにウェハ115を回転またはスピンし得る。固定された平面は、研磨パッド202の処理平面に実質的に並行である。回転運動を提供する一つの方法は、上述のようにローラ120を使用することによって行われる。上述したように、少なくとも1つのローラは、ウェハの中心軸の周りに回転するようにウェハを駆動させるために、ローラの中心軸の周りに回転する。他のローラはまた、ウェハを回転するように駆動させ得る。このローラはまた自由に回転し得る。上述したように、それぞれのローラは、時計方向または反時計方向のいずれかでローラの中心軸201の周りに回転し得る。ウェハが駆動ローラの反対方向に回転する。
【0045】
特に、1つ以上の駆動ローラが動作中に駆動ローラの回転軸201に沿ってスピンするので、ノッチ131の内部壁とウェハのエッジとの間の摩擦により、ウェハ115をウェハ自体の軸202に沿って回転させる。ローラ自体は、摩擦を与え得る。例えば、ノッチは、リブ、リッジ、溝等を含み得る。または、十分な摩擦係数を有する任意の公知の材料の層(ゴムまたはポリアミド材料等)がまた摩擦を与え得る。当業者は、多くの他の変形例、変更例および代替例を認識している。例えば、それぞれのローラは、移動可能または移動不可能なようにベース(図示せず)に固定され得、それぞれのローラのノッチ内のホイールがスピンし得、ウェハをスピンさせ得る。
【0046】
ウェハを回転またはスピンさせるために、1つ以上の従来の駆動モータ(図示せず)または等価物がウェハ、ローラまたはローラベースに動作可能に結合され得る。駆動装置は、従来の駆動ベルト(図示せず)を介して1つ以上のローラに結合され得、ウェハをスピンさせる。あるいは、駆動装置は、さらに、ガイドアセンブリ全体が中心軸を中心として回転し、それによってウェハがガイドアセンブリの中心軸を中心として回転するように、ガイドアセンブリに結合され得る。すべての実施形態について、モータは両方向で使用可能であるので、軸270を中心とする研磨パッド117の回転方向275(図1)は、時計回りまたは反時計回りであり得る。駆動モータは、さらに、可変速度デバイスであり得、パッドの回転速度を制御する。さらに、パッドの回転速度は、特定の用途に依存して、加速または減速され得る。
【0047】
あるいは、エッジサポートは、さらに、平坦化中、静止し得、他方、研磨パッドは、回転するか、またはウェハに対して横に移動する。この変形は、さらに後述される。平坦化中、このような動作は、少なくとも、研磨パッド117がウェハに接触するときに、固定された平面において生じる。平坦化プロセスの任意の部分の間、またはプロセス全体の間、上述の動作の任意の組み合わせが可能である。
【0048】
図1を参照して、平坦化装置100は、さらに、ウェハ115を研磨するための研磨ヘッドまたは研磨パッドアセンブリ116を備える。パッドアセンブリ116は、研磨パッド117を保護および支持するための研磨パッド117、研磨パッドチャック250を備え、軸270を中心としてパッド117を回転させるために、研磨パッドスピンドル260はチャック250に結合される。特定の実施形態によれば、パッドの直径は、実質的に、ウェハの直径よりも小さく、通常、ウェハの直径の20%である。
【0049】
ウェハを回転またはスピンさせるために、1つ以上の従来の駆動モータ(図示せず)または等価物が、従来の駆動ベルト(図示せず)を介して研磨パッドスピンドル260に、動作可能に結合され得る。モータは、両方向で使用可能であるので、研磨パッド117の回転方向275は、時計回りまたは反時計回りであり得る。駆動モータは、さらに、可変速度デバイスであり得、研磨パッドの回転速度を制御する。さらに、研磨パッドの回転速度は、特定の用途に依存して、加速または減速され得る。
【0050】
(研磨およびバックサポートアセンブリ)
平坦化装置は、さらに、ベースまたはデュアルアーム119を備える。ベースは、任意の数の構成を有し得、示された特定の実施形態は、デュアルアームである。パッドアセンブリ116は、デュアルアーム119を介してバックサポート118に結合する。デュアルアーム119は、パッドアセンブリ116を支持する第1のアーム310と、バックサポート118を支持する第2のアーム320とを有する。アーム310、320は、一緒に動作するように構成され得、より好適には、独立して動作し得る。アーム310、320は、パッドまたはパックを交換するための異なったステーションに別々に移動され得、研磨動作用の構成要素の組立てを容易にし得る。
【0051】
本発明の特定の実施形態によれば、バックサポート118は、研磨パッド117を追跡し、平坦化中、ウェハ115に支持を提供する。これは、デュアルアームを用いて達成され得る。特定の実施形態において、パッドアセンブリ116は、第1のアーム310に取り付けられ、バックサポート118は、第2のアーム320に取り付けられる。デュアルアーム119は、バックサポート118の支持面が研磨パッド117に面するように、およびバックサポート118および研磨パッド117の支持面が、実質的に、互いに平面であるように、パッドアセンブリ116およびバックサポート118を配置するように構成される。さらに、本発明により、研磨パッドの中心とバックサポートの面は、正確に位置合わせされる。この正確な位置合わせは、予測可能および正確な平坦化を可能にする。正確な位置合わせは、第1のアームおよび第2のアームが1体をなす場合に保証される。あるいは、両方のアームは複数の構成要素を含み得、別々に動作可能であり得る。このように、構成要素は、実質的に安定しているので、正確な位置合わせは維持される。
【0052】
特に、1実施形態によれば、デュアルアーム119は、スピンドル260が第1のアーム310を通って、第2のアーム320によって支持されるバックサポート118に向かって回転可能に通るように、パッドアセンブリ116を支持する。パッド117の回転軸270は、スピンドル260の回転軸に相当する。回転軸270は、バックサポート118、好適には、バックサポート118の中心を通るように配置される。パッドアセンブリ116は、ウェハ115の方向に移動するように構成される。図1は、実質的に水平に配置され、上方を向くウェハのプロセス面を示す。
【0053】
本発明の特定の実施形態により、平坦化システム全体は、種々の位置にてウェハを研磨するように構成され得る。平坦化中、例えば、デュアルアーム119は、ウェハ115が、水平位置または垂直位置で、あるいは任意の角度で制御可能に研磨されるように配置され得る。これらの変形は可能である。なぜなら、ウェハ115は重力によってではなく、ローラ120によって支持されるからである。このような適応性(flexibility)は、例えば、スラリが少ない(slully−less)研磨システムにおいて有用である。
【0054】
動作中、デュアルアーム119は、ウェハ115に対してパッドアセンブリ116を多様に動かし得る。例えば、デュアルアーム119は、ピボットシャフトを中心にして旋回し得、ウェハ115を放射状に横切ってパッド117を移動(traverse)する。別の実施形態において、両方のアーム310および320は入れ子式に延び得(図示せず)、ウェハ115を水平方向に直線的に横切ってパッドを移動する。半径方向の運動および直線運動は、さらに、組合され得、ウェハ115に対する種々の移動経路(traversal paths)またはパターンを生成する。このようなパターンは、例えば、半径方向、直線、軌道、階段式、連続、不連続、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。実際の横断経路は、当然、特定の用途に依存する。
【0055】
図3は、本発明の実施形態による図1のバックサポート118の詳細な図である。この図は、単なる例であり、本明細書中の特許請求の範囲を制限するべきではない。当業者は、多くの他の変形例、改変例、および代替例を認識する。バックサポート118は、平坦化の際にウェハ115を支持する。具体的には、バックサポート118は、研磨パッド117を動的に追跡して、平坦化の際のウェハ115に対する局所的な支持を提供する。このような局所的な支持によって、平坦化の際にウェハにかかる研磨パッドの力によるウェハの変形が削除される。さらに、これによって、均一な研磨および平坦化が行われる。特定の実施形態において、バックサポート118は、デュアルアーム119を介して、パッドアセンブリ116に動作可能に連結する。特定の実施形態において、バックサポート118は、デュアルアームの第2のアーム320に取り外し可能に埋め込まれる。図1を参照して、研磨パッド117の回転軸270およびスピンドル260は、バックサポート118を通過する。
【0056】
図3を再び参照して、バックサポート118は、平坦化の際にウェハ115を支持するために、任意の数の方法で構成され得る。特定の実施形態において、バックサポート118は、平坦化の際にウェハの裏側150と接する平坦な部分またはサポート表面350を有する。サポート表面350は、望ましくは、テフロン(R)などの低摩擦の固形材料を用いることによって、表面350とウェハの裏側150との間に、実質的に摩擦のない境界面を提供する。あるいは、サポート表面350は、裏側150との摩擦のない境界面として、流体ベアリングを支持し得る。流体は、ウェハの裏側150を洗浄する更なる役割を果たすために有益であり得る空気などの気体または水などの液体であり得る。この摩擦のない境界面によって、ウェハは、バックサポートの表面を動き回ることができる。
【0057】
サポート表面350は、ウェハ115およびパッド117と実質的に平行である。表面の直径は、平坦化の際に物体の適切な支持を提供するほど十分に大きい必要がある。特定の実施形態において、バックサポート表面は、研磨パッドの直径と実質的に同じサイズの直径を有する。図3において、示されるバックサポート118は、球形の空気ベアリングであり、第2のアーム320に簡単に挿入されることを可能にする球形の部分340を有する。球形の部分340を第2のアームに対して回転させることによって、バックサポート118は、研磨パッド117を追跡することが可能になり、サポート表面350によってウェハ115を支持することが可能になる。図3のバックサポート118は、第2のアームの空隙に突出部341を有する。突出部341は、研磨パッド117を追跡する際の第2のアーム320に対するバックサポート118の回転を制限する役割を果たし得る。別の実施形態において、バックサポート118は、概して、突出部のない半球形であり得る。
【0058】
ウェハ115の処理表面170は、パッド117に面し、ウェハ115の裏側150は、バックサポート118に面する。さらに、ウェハ115は、パッド117およびバックサポート118の両方と実質的に平行である。別の実施形態において、バックサポート118は、両側研磨のために、第2の研磨パッドアセンブリによって取って代わられ得る。このような実施形態において、第2のパッドアセンブリは、第1のアーム上に、第1のパッドアセンブリと同様に構成され得る。それぞれの研磨パッドは、相互にかつウェハ115に対して、実質的に平行である。
【0059】
特定の実施形態において、バックサポートはベアリングである。この特定の実施形態において、ベアリングは、低摩擦の固形材料(例えば、テフロン(R))、空気ベアリング、液体ベアリング、または均等物であり得る。ベアリングのタイプは、特定の用途および利用可能なベアリングのタイプによる。
【0060】
特定の実施形態において、図1に示すように、デュアルアーム119は、突出したジンバルポイント(gimbal points)を有するC字状の形をしたクランプであり、突出したシンバルポイントは、デュアルアーム119の屈曲を可能にし、かつ、ウェハの表面と研磨パッド117との良好な接触を維持する。突出したジンバルポイントは、図3Aにより明確に示される。研磨パッドチャック250は、第1のアーム310によって支持され、バックサポート118は、第2のアーム320によって支持される。研磨パッドチャック250は、ウェハ115の上面またはその近くに好適に配置される転心(pivot point)またはジンバルポイント252を中心とする半球形の表面251を有する。ジンバルポイント252をウェハ115の表面またはその近くに配置することによって、上ぞり(cocking)の問題なく、第1のアーム310に対して、ジンバルモーション、または、チャック250を回転させることができる。上ぞりは、突出したジンバルポイントがウェハ表面より上にある場合に生じ、その結果、研磨パッド117の前方端はウェハ表面に突っ込み、後方端は持ち上がる。上ぞりは、本来、不安定である。突出したジンバルポイントをウェハ表面に配置することによって、上ぞりは回避される。ジンバルポイントがウェハの表面より下に突出する場合、研磨パッド117とウェハ表面との間の摩擦によって、スキー効果(skiing effect)が生じ、スキー効果は、研磨パッドがウェハ表面に対して動くと、研磨パッド117の前方端を持ち上げ、かつ、後方端をウェハ表面に突っ込む。これは、上ぞりより安定している。突出したジンバルポイントとウェハ表面との間の所望の最大距離は、研磨パッド117のサイズによる。例えば、研磨パッドの直径が約1.5インチである場合、距離は約0.1インチ未満であり得る。距離は、研磨パッドの直径と比較して、望ましくは、約0.1倍未満であり、より望ましくは、約0.02倍未満である。同様に、バックサポート118の球形の表面340は、望ましくは、ウェハ115の下面またはその近くに配置された突出した転心254を有する。
【0061】
図3B〜図3Eは、研磨パッドチャック250を第1のアーム310に結合するジンバル機構を示す。チャック250は、デュアルアーム119の第1のアーム310によって支持される外部カップ258に接続された内部カップ256に接続される。ねじれ駆動モータが外部カップ258に結合されることにより、ジンバル機構を介して、研磨パッド117がz軸回りを回転させられ得る。一対の内部駆動ピン262が、チャック250から、内部カップ256に設けられ、一般にy軸方向に延びたラジアルスロット(radial slot)264内へと延びている。ラジアルスロット264は、円周方向において内部駆動ピン262を拘束し、チャック250は、内部カップ256とともに、z軸回りを円周方向に移動する。内部駆動ピン262は、ラジアルスロット264に沿って移動することにより、チャック250が内部カップ256に対してx軸回りを回転することを許容し得る。
【0062】
一対の外部駆動ピン266は、内部カップ256から、外部カップ258に設けられ、一般にx軸方向に延びたラジアルスロット268内へと延びている。ラジアルスロット268は、円周方向において外部駆動ピン266を拘束するため、内部カップ256は、外部カップ258とともに、z軸回りを円周方向に移動する。外部駆動ピン266は、ラジアルスロット268に沿って移動することにより、内部カップ256が外部カップ258に対してy軸回りを回転することを許容し得る。
【0063】
半球状駆動カップ256および258は、2つの運動軸を分離することにより、ジンバルポイントまたは旋回ポイント252の回りでジンバル機構による最大限のジンバルを可能にする。ジンバル機構は、ウエハ表面との接点で研磨パッド117上のトルクモーメントにスキー効果(skiing effect)を生じさせることなく、研磨パッド117がねじれ駆動をz軸回りに伝達することを可能にする。研磨パッド117は、x−y平面からオフセットし得るウエハ115の表面に対して自動調心となる。
【0064】
図3B〜図3Eに示すジンバル機構は、単なる例示である。異なる実施形態では、駆動ピンは、機械加工された突起物と置き換えられ得る。ぴったりと適合し、溝をわたるボールまたはローラーが、機構の可動部材間で低摩擦の回転接触を提供するために用いられ得る。図示される実施形態はx方向の単一のトラック、およびy方向の単一のトラックを含むが、さらなるトラックが設けられ得る。アセンブリの部材は、球形部材とは異なる形状を有し、なおもジンバル動作または球状駆動運動を提供し得る。ウエハを支持する他の方法および研磨パッドに追従する他の方法が、所望の位置に所定のジンバル点を提供し得ることが理解される。
【0065】
平坦化装置100は以下のように動作する。図1を参照して、アセンブリ110は、研磨パッド117とバックサポート118の間にウエハ115を配置する。研磨パッドは、ウエハ115の処理面170上へと下げられる。パッドアセンブリ116は、従来のアクチュエータ(図示せず)、例えば、パッド117の処理面170に対する下降圧力を制御する可変力制御を有するピストン駆動機構によって駆動される。アクチュエータは、通常、パッド圧力読取り値に容易に変換され得る下方向の力の測定を行う力トランスデューサを備える。関連技術分野で公知の多数の圧力感知アクチュエータ設計が用いられ得る。
【0066】
図4は、本発明の実施形態による平坦化装置100の簡略化された平面図である。この図は、単なる一例であり、特許請求の範囲を制限するものではない。当業者は、他の多くの改変、修正、および代替物を認識する。特定の実施形態では、デュアルアーム119は、旋回シャフト360の回りを旋回することにより、パッドアセンブリ116、および研磨パッド117のガイド、およびスピンアセンブリ110、およびウエハ115に対して横方向のずれをもたらすように構成される。旋回シャフト360は、平坦化装置システム(図示せず)に固定される。
【0067】
研磨パッドスピンドル260もまた、図4Aに示すように、回転することにより、研磨パッド117を回転させ得る。それ自体の軸270の回りのスピン回転276に加えて、スピンドル260はまた、方向278の軌道軸277の回りを軌道を描いて回ることにより、波線で示すような研磨パッド117の軌道を生成する。軌道軸277は、ウエハ115のサイズおよび研磨パッド117のサイズに基づいて選択され得る距離だけ、スピン軸270からオフセットする。例えば、このオフセット距離は、約0.01インチから数インチの範囲であり得る。特定の例では、この距離は、約0.25インチである。この軌道回転を図4Aにより明確に示す。スピンドル260をスピンさせるために用いられるモータとスピンドル260を軌道回転させるために用いられるモータは異なり得る。
【0068】
図4Bに、ウェハを平坦化する、ウェハ606より小さいサイズの研磨パッド604を保持する研磨ヘッド602の軌道運動および純粋なスピン運動の両方を可能にする装置600を示す。軌道ハウジング610が、ベアリング614によって、アームフレーム612に対して適切な位置に保持されており、直接型軌道モーターによって直接駆動されるか、または、軌道ベルトもしくは軌道歯車を介して駆動される。図4Bには、軌道モーター618に結合された軌道駆動ベルト616を示す。軌道ハウジング610は、ベアリング624とともにシャフト622を支える偏心またはオフセットホール620を有する。シャフト622は、軌道ハウジング610の中心線から、所望の量(例えば、約0.5インチ)に設定され得るオフセット625で、相殺されている。シャフト622は、研磨ヘッド602に結合されている。外歯歯車626(または摩擦駆動など)は、シャフト622に取り付けられ、内歯歯車628(または摩擦駆動)に嵌合する。内歯歯車は、外側軌道ハウジングベアリング614の同心円上にある他のベアリング630によって支持されている環状歯車628であり、直接型スピンモーターによって、または、スピン歯車もしくはシャフト駆動ベルトを介して駆動される。図4Bには、スピンモーター634に結合されたスピン駆動ベルト632を示す。軌道モーター618およびスピンモーター634の相対的速度を制御することによって、研磨ヘッド602は、(軌道モーター634を静止させたままで)スピン運動のみを行うようにされてもよいし、スピンおよび軌道運動(すなわち、歳差運動)を行うようにされてもよいし、あるいは、(研磨パッド604がウェハ606に対してスピンしないように、2つのモーター618および634の相対的な運動を制御することによって)軌道運動のみを行うようにされてもよい。図4Bに、供給通路642を介して、研磨パッド604に化学/流体/スラリーを供給する、化学/流体/スラリー供給源640も示す。
【0069】
発明者らは、軌道運動を優勢にしてウェハの中心部を研磨し、スピン運動を優勢にしてウェハの端部を研磨することによって、平坦化における均一性が改善され得ることを発見した。ウェハの中心部における優勢な軌道運動は、ウェハの中心部が理論的には速度0である場合の、研磨パッド表面全体に対する、比較的均一な表面速度運動を引き起こす。これによって、より良好な平面性を維持しながら、ウェハの中心部における良好な均一性が得られる。純粋なスピン運動によってウェハの端部における非常に精密な平衡配置が可能になり、良好な除去を達成するために充分なほど作用の中心が近くなり得る前に軌道運動によってパッドが端部を遠すぎる位置で落とす場合に、より良好な端部除外研磨結果が得られる。これによって、より良好な平坦化結果を維持しながら、ウェハの端部における良好な均一性が得られる。いくつかの実施形態において、軌道運動のスピードは、研磨パッドがウェハの中心領域に接触している場合、スピン運動のスピードよりも速い。特定の実施形態において、スピン運動のスピードは、中心領域においてほぼ0である。いくつかの実施形態において、スピン運動のスピードは、研磨パッドがウェハの端部領域に接触している場合に、軌道運動のスピードよりも速い。特定の実施形態において、軌道運動のスピードは、端部領域においてほぼ0である。
【0070】
また、発明者らは、均一性が、相対的なウェハ回転スピードおよび研磨パッドの軌道運動スピードによって影響され得ることも発見した。例えば、組み合わせられた軌道運動およびウェハの回転の間、軌道運動のスピードおよびウェハ回転スピードのうちの速い方と、二者のうちの遅い方との比が整数である場合、研磨パターンは、ロゼットパターンで繰り返され、非均一な研磨が引き起こされる。典型的には、軌道運動のスピードは、ウェハ回転スピードより速い。従って、2つのスピードの比を非整数にして、平坦化の間、均一性を改善することが所望される。例えば、軌道運動のスピードが1000rpmである場合、ウェハ回転スピードは、63rpmであり得る。
【0071】
図5は、本発明の他の実施形態による、平坦化装置100の別の図である。この図は例示に過ぎず、本明細書中の特許請求の範囲を限定するものではない。当業者であれば、他の多くの変形例、改変例および代替例を認識する。特定の実施形態においては、平坦化の間、ウェハ115の処理表面に研磨スラリー(図示せず)を供給するスラリー送達機構400が設けられる。図5には、単一の機構400またはディスペンサー400を示しているが、ウェハの研磨要件に依存して、さらなるディスペンサーが設けられてもよい。研磨スラリーは、当該技術分野において公知である。例えば、典型的なスラリーには、コロイド状ケイ酸の混合物、またはKOH、NH4OH、またはCeO2のような、アルカリ溶液中に分散したアルミナが含まれる。あるいは、スラリーがないパッドシステムが用いられてもよい。
【0072】
研磨流体を受け止め、平坦化の間用いられ得るあらゆるスラリーの腐食特性から周囲の機器を保護するスプラッシュシールド410が設けられる。シールド材料は、ポリプロピレンまたはステンレススチール、あるいは、研磨流体の腐食性の性質に対して耐性がある何らかの他の安定化合物であり得る。スラリーは、ドレイン420を介して処理され得る。
【0073】
データ格納部440と通信するコントローラ430は、平坦化装置の上記の部材に対して、各種の制御信号450を送出する。コントローラは、メカニックに順序制御および手動信号を提供して、平坦化動作を実行させる。データ格納部440は、外部からアクセス可能である。これによって、ユーザ供給データが、データ格納部440にロードされることが可能になり、平坦化装置に平坦化用のパラメータが提供される。本発明のこの局面は、以下でより詳細に説明される。
【0074】
あらゆる種類のコントローラ構成が、本発明において考えられる。特定の構成は、スループット要件、装置のために利用可能な設置面積、本発明に特有の機能以外のシステム機能、実施コストなどのような考慮すべき点に依存する。特定の実施形態において、コントローラ430は、制御ソフトウェアがロードされたパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータは、装置100の各部材に対する各種のインターフェース回路を含む。制御ソフトウェアは、インターフェース回路を介して、これらの部材と通信し、平坦化の間、装置100を制御する。この実施形態において、データ格納部440は、所望の平坦化パラメータを含む内部ハードドライブであり得る。ユーザ供給パラメータは、キーボード(図示せず)を介して、手動でキー入力され得る。あるいは、データ格納部440は、フロッピー(R)ドライブであってもよく、この場合、パラメータが他の場所で決定され、フロッピー(R)ディスクに格納され、パーソナルコンピュータに伝えられ得る。さらに他の代替例において、データ格納部440は、ローカルエリアネットワークを介してアクセスされる遠隔ディスクサーバである。さらに別の代替例において、データ格納部440は、例えば、ワールドワイドウェブによって、または、FTP(ファイル転送プロトコル)サイトを介するなど、インターネットを介してアクセスされる遠隔コンピュータである。
【0075】
別の実施形態において、コントローラ430は、本発明に従い、協同して平坦化シーケンスを実行する1つ以上のマイクロコントローラを含む。データ格納部440は、外部からマイクロコントローラに提供されるデータのソースとして機能し、マイクロコントローラは、ユーザ供給平坦化パラメータに従って研磨を実行し得る。ユーザ供給平坦化パラメータを提供するのに可能な構成が多数あることは明らかである。同様に、平坦化装置の構成要素を制御するのに可能なアプローチが多数あることは明らかである。
【0076】
(平坦化キャリブレーションシステム)
図6は、本発明の平坦化キャリブレーションシステムの簡略ブロック図である。なお、本図は、本発明の平坦化装置の構成要素に注目する簡略ブロック図表現である。図示されるシステムは、例示であって本明細書中で特許請求の範囲を過度に制限しない。当業者は、本発明の範囲および精神を逸脱せずに多くの変形、代替および変更を認識し得る。平坦化システム800は、平坦化動作を実行するための平坦化ステーション804を含む。平坦化ステーション804は、ネットワークインタフェースカード(図示せず)を使用して他のシステム構成要素(ウェハ供給部、測定ステーション、搬送デバイス、など)とのインタフェースをとる。ブランクのテストウェハを提供し且つ製造ウェハを提供するためのウェハ供給部802がある。表面測定を行い、その測定から除去プロフィールが生成されるための測定ステーション806が提供される。平坦化ステーション804、ウェハ供給部802および測定ステーション806は、ロボット搬送デバイス808によって動作可能に共に結合される。コントローラ810は、協同してシステム800の構成要素を共に結合する制御線およびデータ入力線814を含む。コントローラ810は、少なくともあるユーザ供給平坦化パラメータを格納するためのデータ格納部812を含む。あるいは、データ格納部812は、ローカルエリアネットワークにおいてネットワークを介して利用可能な遠隔アクセスデータサーバであり得る。
【0077】
コントローラ810は、技術者がシステム800の構成要素と相互作用し且つ制御することを可能にするユーザインタフェースを有する自己完結型コントローラであり得る。例えば、コントローラ810は、システム800の要素と連絡し且つ制御するための1つ以上のソフトウェアモジュールを内部に含むPC型コンピュータであり得る。データ格納部812は、コントローラ810とのデータ交換のための通信路820(データバスなど)を介して結合されるハードドライブであり得る。
【0078】
別の構成において、中央コントローラ(図示せず)は、通信路820を介してコントローラ810にアクセスする。そのような構成は、中央化コントローラが種々のそのようなコントローラを担う製造施設において見出され得る。通信路820は、ローカルエリアネットワークの物理層であり得る。明らかに、本発明を実施する際には多くのコントローラ構成が想定される。特定の実施形態は、エンドユーザの要求、システム要件、システムコストなどの事項に依存し得る。
【0079】
図6に図示されるシステムは、製造モードおよびキャリブレーションモードで動作され得る。製造実行中は、ウェハ供給部802が製造ウェハを含む。キャリブレーション実行中は、ウェハ供給部802にテストウェハが装填される。測定ステーション806は、主にキャリブレーション実行中に使用され、研磨されたテストウェハに対して測定を行って除去プロフィールを生成する。しかし、測定ステーション806はまた、製造実行中に研磨動作の品質をモニタしてプロセスの経時変化をモニタするように使用され得る。
【0080】
別の実施形態において、測定システム806は、平坦化ステーション804に一体化され得る。この構成は平坦化プロセスの現場(in situ)測定を提供する。平坦化が進行しながら、測定が行われ得る。これらのリアルタイム測定は、平坦化パラメータの微調整を可能とし、フィルム材料のより高度に均一な除去を提供する。
【0081】
制御ソフトウェアを構成するプログラムコードは、多くの方法のいずれかで表現され得る。Cプログラミング言語が常用される言語である。なぜなら、Cプログラムの高レベル命令を使用される特定ハードウェアの対応のマシン語に翻訳するためのコンパイラが多く存在するからである。例えば、ソフトウェアのいくつかは、PC系プロセッサに常駐し得る。他のソフトウェアは、個々のステーション(平坦化ステーション804および測定ステーション806など)の下位の制御ハードウェアに常駐し得る。そのような場合、Cプログラムは、これらのステーションにおいて使用されるマイクロコントローラのマシン語にまでコンパイルされ得る。1つの特定の実施形態において、システムは、ソフト論理プログラミング制御を有するPC系ローカルまたは分散制御方式を使用する。
【0082】
Cプログラミング言語の代わりとして、オブジェクト指向プログラミング言語が使用され得る。例えば、C++は、常用のオブジェクト指向プログラミング言語である。特定のプログラミング言語の選択は、本発明の範囲および精神を逸脱せずにされ得る。むしろ、特定のプログラミング言語の選択は通常、目的のハードウェアのためのコンパイラの利用可能性、関連のソフトウェア開発ツールの利用可能性、およびソフトウェア開発チームの好みに依存する。
【0083】
以上に説明したように、本発明の特定の実施形態は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトを備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置を提供する。研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径である。シャフトは研磨ヘッドおよび研磨パッドをシャフト軸周りに回転させるように回転可能である、軌道ハウジングは、軌道軸から離れた偏心孔を有し、シャフトは偏心孔内を回転可能に通るように配置されている。軌道ハウジングはシャフトと研磨ヘッドと研磨パッドとを軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である。いくつかの実施形態では、物体は物体回転速度で回転し、研磨パッドは軌道速度で軌道軸周りを回転する。物体回転速度と軌道速度のうちの小さい方に対する、物体回転速度と軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でない。軌道速度は、物体回転速度よりも大きいことがあり得る。いくつかの実施形態では、研磨パッドは回転速度でシャフト軸周りを回転し、軌道速度で軌道軸周りを回転する。研磨パッドが物体表面の中央部に接触しているとき、軌道速度は回転速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが中央部に接触しているとき、回転速度はほぼゼロである。いくつかの実施形態では、研磨パッドが物体表面の端部に接触しているとき、回転速度は軌道速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが端部に接触しているとき、軌道速度はほぼゼロである。
【0084】
上記は特定の実施形態を十分に記載するものであるが、当業者に公知の種々の変更、代替の構築物および均等物が使用され得る。例えば、上記は半導体ウェハに関するが、表面などを有するほとんど任意のタイプの物に対して本発明を実施し得る。したがって、上記の記載および例示は、本発明の範囲を制限するものとして理解されるべきでない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0085】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトを備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置を提供する。研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径である。シャフトは研磨ヘッドおよび研磨パッドをシャフト軸周りに回転させるように回転可能である、軌道ハウジングは、軌道軸から離れた偏心孔を有し、シャフトは偏心孔内を回転可能に通るように配置されている。軌道ハウジングはシャフトと研磨ヘッドと研磨パッドとを軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である。
【0086】
また、他の発明では、物体は物体回転速度で回転し、研磨パッドは軌道速度で軌道軸周りを回転する。物体回転速度と軌道速度のうちの小さい方に対する、物体回転速度と軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でない。軌道速度は、物体回転速度よりも大きいことがあり得る。
【0087】
さらに他の発明では、研磨パッドは回転速度でシャフト軸周りを回転し、軌道速度で軌道軸周りを回転する。研磨パッドが物体表面の中央部に接触しているとき、軌道速度は回転速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが中央部に接触しているとき、回転速度はほぼゼロである。いくつかの実施形態では、研磨パッドが物体表面の端部に接触しているとき、回転速度は軌道速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが端部に接触しているとき、軌道速度はほぼゼロである。
【0088】
これら構成により本発明は、半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供することができる。また、本発明は、半導体集積回路の製造に対して改善された基板支持を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による平坦化装置の簡略化された図である。
【図1A】図1Aは、本発明の一実施形態による、複数のガイドおよびスピンアセンブリを支持するカラセルの簡略化された平面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による、ガイドおよびスピンローラの詳細な図である。
【図2A】図2Aは、本発明の別の実施形態による、ガイドおよびスピンローラの図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による、研磨パッド背面サポートの詳細な図である。
【図3A】図3Aは、本発明の一実施形態による、突出したジンバルポイントを有するウエハを支持する支持機構の簡略化された図である。
【図3B】図3Bは、突出したジンバルポイントを有するパッドを研磨するジンバル駆動サポートの平面図である。
【図3C】図3Cは、図3Bのジンバル駆動サポートの1−1に沿う断面図である。
【図3D】図3Dは、図3Bのジンバル駆動サポートの2−2に沿う断面図である。
【図3E】図3Eは、図3Bのジンバル駆動サポートの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による、平坦化装置の簡略化された平面図である。
【図4A】図4Aは、研磨パッドおよびスピンドルの簡略化された平面図であり、スピンおよび軌道回転を示している。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施形態による、研磨ヘッドのための軌道およびスピン機構の部分図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態による、平坦化装置の代替図である。
【図6】図6は、本発明の平坦化較正システムの簡略化されたブロック図である。
【符号の説明】
100 平坦化装置
110 スピンアセンブリ
115 ウエハ
116 研磨パッドアセンブリ
117 研磨パッド
118 デュアルアーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスの製造に関する。より詳細には、本発明は、半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供する。例示的な実施形態では、本発明は、半導体集積回路の製造に対して改善された基板支持を提供する。しかし、本発明がより広範囲の利用可能性を有し、さらに、フラットパネルディスプレイ、ハードディスク、未加工のウエハ、MEMSウエハ、および高度な平坦性を要求する他の目的物に適用され得ることが理解される。
【0002】
【従来の技術】
集積回路デバイスの製造は、しばしば、るつぼ中で回転しているシリコン溶融物から種を引き出すことによって形成される単結晶シリコンのインゴットから切断された半導体ウエハを生成することによって開始する。次いでこのインゴットが、ダイヤモンド切刃を用いて、個々のウエハに切断される。以下の切断動作は、ウエハの少なくとも1つの表面(処理表面)を研磨して、比較的平坦で、ひっかきのない表面にする。このウエハの研磨された表面は、まず複数のダイ領域に細分され、この領域において、集積回路(IC)が以後形成される。一連のウエハマスキングおよび処理工程が使用されて、各ICを製造する。その後、個々のダイが切断されるかまたはウエハからスクライブされ、そして個々にパッケージングされ、試験されてデバイス製造プロセスを終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
IC製造の間、典型的には様々なマスキング工程および処理工程がウエハ表面上の面形状(topographical)不整合の形成を生じる。例えば、面形状表面不整合はメタライゼーション後に生成され、ウエハ表面を導電金属層で被覆する層順序を含み、被覆金属層の望ましくない部分をエッチングして、各IC上にメタライゼーション相互接続パターンを形成する。この問題は多層相互接続の使用によって悪化される。
【0004】
半導体ウエハにおける通常の表面不整合は、ステップとして公知である。ステップは金属相互接続と金属が除去されるウエハ表面との間の高さの差である。第1のメタライゼーション層が規定される典型的なVLSIチップは、数百万のステップを含み得、全体のウエハは数百のICを含み得る。
【0005】
結果的に製造の間のウエハ表面平坦化を維持することが重要である。典型的には、フォトリソグラフィック処理は、最大回路密度を生成するために、解像度の限界までに近づける。典型的なデバイスジオメトリは、0.5μmのオーダーの線幅を要求する。これらのジオメトリがフォトリソグラフィによって生成されるため、ウエハ表面がフォーカスの単一面において照射を正確にフォーカスするために高度に平坦であり、ウエハの全体の表面にわたって正確なイメージングを達成することが重要である。十分に平坦ではないウエハ表面が、構造的であるか、またはせいぜい最適な性能よりも低い性能を提示するいずれかの回路によって十分に規定されていない構造を生じる。これらの問題を低減するために、ウエハは処理におけるいくつかの点において「平坦化」され、平面ではない面形状およびそれによる不利な作用を最小化する。さらなるレベルが多層相互接続設計に追加され、回路特性がサブミクロン寸法まで到達し、要求された平坦化の程度が増大する。回路寸法が低減された場合、信頼性のある高密度デバイスを生成するように相互接続レベルが全体的に平坦化されなければならない。平坦化は、導電層または誘電層のいずれかにおいて実現され得る。
【0006】
高密度集積回路を生成するために必要な平坦化の程度を達成するために、化学機械研磨プロセス(「CMP」)が頻繁に使用される。従来の回転CMP装置は、半導体ウエハを支持するためのウエハキャリアを含む。軟らかく、弾性のあるパッドは、典型的にはウエハキャリアとウエハとの間に配置され、概してウエハは、部分的な真空によって弾性パッドに対して保持される。このウエハキャリアは駆動モータによって連続的に回転されるように設計される。さらに、典型的には、ウエハキャリアはまた、横方向の運動に対して設計される。この回転運動および横方向の運動は、ウエハの表面にわたる材料の除去速度の変動を低減することを意図する。この装置はさらに、研磨パッドが取り付けられる回転プラテンを含む。このプラテンはウエハと比較して比較的大きく、CMPプロセスの間、ウエハはウエハキャリアによって、研磨パッドの表面を横切って移動され得る。懸濁された研磨粒子である化学反応性溶液を含む研磨スラリーは、研磨パッドの表面上に供給チューブを介して堆積される。
【0007】
複数の工程を含み、複雑である過去の平坦化技術とは対照的に、CMPは1つの工程で実施できるために有利である。さらに、CMPは、高い表面形状(feature)の高い材料除去速度および低い表面形状の低い除去速度を維持し、従って均一な平坦化を可能にすることが示されてきた。またCMPは、材料の異なる層および様々な表面欠陥を除去するために使用され得る。従って、CMPは、ウエハ上に形成されたICの品質および信頼性を向上し得る。
【0008】
化学機械研磨は、十分に開発された平坦化技術である。本方法の基礎となる化学および物理学が理解されている。しかし、ウエハ中心付近の滑らかさの結果を得ることがなおも非常に困難なままであることが一般的に受け入れられている。この結果は、平坦化されたウエハの中心領域が以後の処理に適切であってもよいし、適切でなくてもよい平坦化されたウエハである。従って、時にはウエハの全体の表面を十分に利用することが不可能である。これは生産量を低減し、チップあたりの製造コストを増大する。最終的には、消費者がより高いコストを被る。
【0009】
従って、チップ生産量を増大させる半導体ウエハの有用な表面を改良することが望ましい。必要なことは、CMPを用いて達成され得る全体の平坦化の程度を向上させるCMP技術の改良である。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供することを目的とする。また、本発明は、半導体集積回路の製造に対して改善された基板支持を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既知のプロセステクノロジーおよび既知である従来技術のコンテクストにおけるこれらの利点を達成する。本発明は、化学的機械的研磨(CMP)の改良された平坦化装置を提供する。特に、本発明は、研磨中に均一性を達成するために、例えば、周回およびスピン動作といった多重動作CMPを提供する改良された平坦化装置を提供する。
【0012】
例示の実施形態において、本発明の装置により、研磨ヘッドの周回および純スピン動作が共に可能になる。研磨ヘッドは、研磨パッドを保持し、ウェハ平坦化するウェハよりもサイズが小さい。周回ハウジングは、ベアリングによって所定位置で保持され、モーターによって、あるいはベルトまたはギアを介して直接駆動される。環状のハウジングは、ベアリングを有するシャフトをサポートする、偏心性および補正穴を有する。シャフトは、研磨ヘッドに接続される。外部歯車および摩擦駆動は、シャフトに取り付けられ、内部歯車または摩擦駆動と結合する。内部歯車は、外部の環状ハウジングのベアリングと同軸の別のベアリングによってサポートされる環状ギアであり、第2の直接のモーターあるいは第2のギアまたはベルト駆動によって駆動される。二つのモーターの相対速度を制御することによって、研磨ヘッドは、(軌道モーターの安定性を維持する間)スピンだけする、スピンおよび周回(すなわち、歳差運動)する、または(研磨パッドがウェハに関してスピンしないように二つのモーターの相対運動を制御することによって)周回だけするように作られ得る。
【0013】
発明者は、平坦化の改善された均一性が優位な周回運動によってウェハの中心を研磨し、優位なスピン運動によってウェハのエッジを研磨することによって達成され得ることに気付いた。発明者はさらに、ウェハの組み合わされた周回運動および回転中に、二つの動作のうちより小さい方の周回速度およびウェハの回転速度の増大する割合が整数でない(non−integer)場合、均一性が改善されることを見つけた。
【0014】
本発明の局面によると、物体を平坦化するための化学的機械的研磨装置は、シャフト軸を有し、研磨パッドと結合された研磨ヘッドに接続されるシャフトを備える。研磨パッドは、平坦化される物体よりも小さい直径を有する。シャフトは、シャフト軸の周りで研磨ヘッドおよび研磨パッドをスピンさせることができるように回転可能である。周回ハウジングは、周回軸から間隔がある、シャフトが回転できるように設置された周回軸を介する偏心性の穴を有する。周回ハウジングは、シャフト、研磨ヘッド、および周回軸の周りの研磨パッドを周回するように回転できる。いくつかの実施形態において、シャフト軸は、研磨パッドの半径の約1/100〜1/2の間である設定値によって周回軸から間隔がある。
【0015】
いくつかの実施形態において、シャフトは、外部歯車に接続される。外部歯車は、シャフト軸の周りでシャフトおよび研磨パッドをスピンするように外部歯車を回転するような回転で駆動されるように構成される内部歯車と回転可能に接続される。プラテンは、平坦化される物体をサポートするために提供される。プラテンは、物体を回転するように回転できる。シャフトは、第1のモーターによって回転するように駆動され、周回ハウジングは、第2のモーターによって回転するように駆動される。
【0016】
本発明の別の局面によると、研磨パッドを用いる化学的機械的研磨による物体を平坦化する方法は、平坦化される物体の表面に対して垂直である物体の物体軸に関して物体を回転する工程と、および研磨パッドの軸から間隔がある周回軸の周りで研磨パッドを回転する工程とを含む。周回軸の周りで回転中の研磨パッドは、物体の表面と接触される。
【0017】
いくつかの実施形態において、物体軸は、周回軸と平行であり、かつ、物体軸と間隔がある。物体は、物体のある回転速度で回転し、研磨パッドは、ある周回速度で周回軸の周りで回転される。物体の回転速度および周回速度のうちより小さい方の速度に対する物体の回転速度および周回速度の増大する割合は、整数でない。周回速度は、物体の回転速度より大きくなり得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、研磨パッドは、研磨パッドをスピンするために研磨パッドのパッド軸の周りで回転される。研磨パッドは、あるスピン速度でパッド軸の周りで回転され、ある周回速度で周回軸の周りで回転される。研磨パッドが物体の表面の中心領域に接続されると、周回速度はスピン速度よりも大きくなる。特定の実施形態において、研磨パッドが中心領域に接続されるとき、スピン速度はほぼゼロである。いくつかの実施形態において、研磨パッドが物体の表面のエッジ領域に接触されるとき、スピン速度は周回速度よりも大きい。特定の実施形態において、研磨パッドがエッジ領域と接触されるとき、周回速度はほぼゼロである。
【0019】
上記課題を解決するため、本発明は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトであって、該研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径であり、該シャフトは該研磨ヘッドおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように回転可能である、シャフトと、軌道軸から離れた偏心孔を有する軌道ハウジングであって、該シャフトは該偏心孔内を回転可能に通るように配置され、該軌道ハウジングは該シャフトと該研磨ヘッドと該研磨パッドとを該軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である、軌道ハウジングと、を備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置であって、該シャフトは、外歯車に接続し、該外歯車は回転可能に内歯車に連結し、該内歯車は回転駆動されて該外歯車を回転させ、それによって該シャフトおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように構成されているものである。
【0020】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の少なくとも約1/100であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0021】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の約1/2未満であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0022】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、第1のモータによって回転駆動され、前記軌道ハウジングは第2のモータによって回転駆動されることが好ましい。
【0023】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、前記偏心孔内の軸受けによって、前記軌道ハウジングに対して回転するように支持されていることが好ましい。
【0024】
上記本発明の装置において、平坦化すべき前記物体を支持するプラテンをさらに備えることが好ましい。
【0025】
上記本発明の装置において、前記プラテンは、前記物体を回転させるように回転可能であることが好ましい。
【0026】
上記本発明の装置において、前記プラテンは、プラテン回転速度で前記物体を回転させるように構成され、前記軌道ハウジングは、前記研磨パッドを前記軌道軸周りに軌道速度で軌道に乗って移動させるように構成され、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの小さい方に対する、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でないことが好ましい。
【0027】
上記本発明の装置において、前記軌道速度は、前記プラテン回転速度よりも大きいことが好ましい。
【0028】
また、本発明は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトであって、該研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径であり、該シャフトは該研磨ヘッドおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように回転可能である、シャフトと、軌道軸から離れた偏心孔を有する軌道ハウジングであって、該シャフトは該偏心孔内を回転可能に通るように配置され、該軌道ハウジングは該シャフトと該研磨ヘッドと該研磨パッドとを該軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である、軌道ハウジングと、平坦化すべき該物体を支持し、該物体を回転させるように回転可能である、プラテンと、を備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置であって、該プラテンは、プラテン回転速度で前記物体を回転させるように構成され、該軌道ハウジングは、該研磨パッドを該軌道軸周りに軌道速度で軌道に乗って移動させるように構成され、プラテン回転速度は、軌道速度よりも大きいか、または小さく、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの小さい方に対する、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でないものである。
【0029】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の少なくとも約1/100であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0030】
上記本発明の装置において、前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の約1/2未満であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れていることが好ましい。
【0031】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、第1のモータによって回転駆動され、前記軌道ハウジングは第2のモータによって回転駆動されることが好ましい。
【0032】
上記本発明の装置において、前記シャフトは、前記偏心孔内の軸受けによって、前記軌道ハウジングに対して回転するように支持されていることが好ましい。
【0033】
上記本発明の装置において、前記軌道速度は、該プラテン回転速度よりも大きいことが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態による、平坦化装置100の簡略化された図である。この図は、単なる例示であって、本明細書の請求項の範囲に制限するべきではない。当業者は、多くの他の変更、改変、および代替を認識する。特定の実施形態において、平坦化装置100は、化学的機械的平坦化装置である。
【0035】
(ウエハガイドおよびスピンアセンブリ)
装置100は、エッジサポート、またはガイドおよびスピンアセンブリ110を含んでおり、これは、対象物(object)またはウエハ115のエッジに結合している。この特定の実施形態における対象物はウエハであるが、対象物は、等のプロセス中のウエハ(in−process)、コーティングされたウエハ、フィルムを備えるウエハ、ディスク、パネル等の他のアイテムであり得る。ガイドアセンブリ110は、平坦化プロセスの間ウエハ115を支持および配置する。
図1は、さらに、研磨パッドアセンブリ116を示しており、この研磨パッドアセンブリ116は、研磨パッド117、およびデュアルアーム119に付着された背面サポート118を有している。パッドアセンブリ116、背面サポート117、デュアルアーム118は、以下に詳細に記載されている。
【0036】
特定の実施形態において、ガイドアセンブリ110は、ローラ120を含んでいる。ローラ120のそれぞれは、平坦化の間ウエハ115を定位置に固定するために、ウエハ115のエッジに結合している。図1の実施形態は、三つのローラを示している。しかしながら、実際のローラの数は、各ローラの形状および大きさ、ウエハの形状および大きさ、およびローラ−ウエハの接触の性質等の種々の要因に依存する。さらに、ローラ120のうちの少なくとも一つは、ウエハ115を駆動する、すなわち、ウエハを回転またはスピンさせる。残りのローラ120は、ガイドとして機能し、ウエハが研磨されたときに支持を提供する。ローラ120は、ウエハ外周部に沿った種々のポイントに配置される。図1に示されるように、ローラ120は、ウエハ115にウエハ外周部に沿う等間隔のポイントで付着する。ローラ120は、ウエハ外周部に沿う任意の位置に配置され得る。各ローラ間の間隔は、ローラの数、および特定の適用に関連する他の要因に依存する。
【0037】
図1の実施形態は、一つのガイドおよびスピンアセンブリ110を示している。このようなアセンブリの実際の数は、特定の適用に依存する。例えば、図1Aは、本発明の一実施形態による複数のウエハ115を処理するために複数のガイドおよびスピンアセンブリ110を支持するカラセル(carousel)121の簡略化された平面図を示している。この特定の実施形態において、カラセル(図1A)は、多くのウエハを平坦化するために複数のガイドアセンブリと共に用いられ得る。カラセルの実際の大きさ、形状、および構成は、特定の適用に依存する。さらに、複数のガイドアセンブリが用いられる場合、全てのガイドアセンブリが、同一に構成される必要はない。より高いスループットのために、ウエハは、一つ以上の他のウエハの平坦化の間キュー(cue)にあるガイドアセンブリ上に取り付けられる。さらにより高いスループットのために、このようなウエハカラセルは、操作可能に複数の平坦化装置に結合するように構成される。
【0038】
図2は、本発明の実施形態による図1のローラ120の模式図である。この模式図は、単なる例示に過ぎず、特許請求項の範囲を限定するものではない。当業者は、多くの他の変形例、変更例および代替例を認識している。図示されたように、それぞれのローラ120は、下部125、上部130およびローラの周りに完全に伸長し、下部と上部との間に配置されている環状ノッチ131とを有する。ノッチ131の深さおよび形状は、特定のローラの目的に応じて変わる。ウェハ115の回転を駆動させるために設計されたローラは、ウェハ115と接触するより大きな表面積を提供するために、より深いノッチを有する。または、ウェハをガイドのみのために設計されたローラは、より浅いノッチを有する(十分なサポートを提供するための十分な深さを有する)。
【0039】
図2Aは、図2の下部と同様の下部125aを有する別のローラ120aを示す。上部130aは、図2の上部130より小さな断面積を有し、好ましくは、図2のノッチ131より浅い環状ノッチ131aに向かって細くなる先細の、または傾きのある表面132aを含む。浅いノッチ131は、ウェハ115のエッジにローラ120aを接続させるには十分である。上部130aおよび浅いノッチ131aは、ローラ120aとウェハ115のエッジとの係合を容易にする。ウェハ115の交換はまた、上部130aに対してより小さい部分を有するローラ120a(roller 120a with the smaller to portion 130a)が図2のローラ120のように遠くに引かれる必要はないので、より十分にかつ速く実行され得る。下部125aの表面133aはまた、破線133bによって示されるように、ウェハの係合をさらに容易にするために、小さな角度(例えば、約1−5°)で傾けられてもよい。
【0040】
ウェハ115のエッジは、ウェハ115のプロセス面が研磨パッド117と対面するように、それぞれのローラのノッチに配置されている。ウェハ115を壊さないように、それぞれのローラの下部は、ウェハの背面150に上向きの力140を与えたまま、ローラの上部は、ウェハのプロセス面170(研磨される面)に下向きの力160を与える。さらなるサポートに関して、ノッチの内部壁171は、ウェハのエッジに内向きの力190を与える。上部130および下部125は、1つの部材から構成されている。または、上部130および下部125は、複数の部材を含み得る。例えば、上部130は、スクリューキャップまたは他の締め付け具または等価物等の分離部材であり得る。それぞれのローラ120は、中心軸201を有し、それぞれがこの中心軸に対して回転し得る。回転は、時計方向または反時計方向であり得る。回転はまた、加速または減速し得る。
【0041】
ガイドおよびスピンアセンブリ110はまた、ローラをサポートするローラベース(図示せず)を有する。ベースのサイズ、形状および構成は、平坦化装置(planarization apparatus)の実際の構成に依存する。例えば、ベースは、平坦化装置に取り付けられるか、または一体化している1つのフラットな平面であり得る。ベースは、いくつかのローラをサポートする一方で、少なくとも1つのローラがウェハ115の挿入および除去を可能にするために十分に引かれ得ることが必要であり、ウェハ115のエッジに加える力を制御するために、ウェハ115のエッジに対して調整可能であることが必要である。
【0042】
動作中、平坦化中に、ガイドアセンブリ110は、研磨パッド117に対して様々な方向にウェハ115を並進移動させ得る。例えば、ガイドアセンブリは、固定された平面にて、横方向にウェハを並進移動させ得るか、または、並進移動を行い得る。固定された平面は、研磨パッド117の処理表面(treatment surface)およびバックサポート118に実質的に並行である。ガイドアセンブリはまた、固定された平面にて、ウェハの軸の周りにウェハを回転またはスピンさせ得る。この結果、ガイドアセンブリ110は、x軸方向、y軸方向、z軸方向またはこれらの組合せの方向にウェハ115を移動させ得る。実際の平坦化中(すなわち、研磨パッドがウェハに接触しているとき)に、ガイドアセンブリが固定された平面にてウェハを横方向に移動し得る。ガイドアセンブリは、研磨パッドに対して任意の数の所定のパターンでウェハを移動し得る。このような所定のパターンは、変わり、特定の用途に依存する。例えば、パターンは、実質的に放射状、線形等であり得る。また、少なくとも研磨パッドが平坦化中に対象物に接触するときには、このようなパターンは、連続的か、または断続的か、または、これらの組合せであり得る。
【0043】
x方向移動、y方向移動、z方向移動の従来の並進機構は、ガイドアセンブリを制御し得、横切り得る。例えば、別の機構は、滑車駆動装置および含気的に動作される機構を含む。ガイドアセンブリおよびウェハは、様々なパターンの研磨パッドを横切り得る。例えば、横方向パスは、放射状、線形、環状、段階状等または特定の用途に依存する任意の組合せであり得る。ウェハの回転方向は、時計方向または反時計方向であり得る。回転速度はまた、加速または減速し得る。
【0044】
図2を再度参照して、上述したような横方向の運動に加えて、ガイドアセンブリは、固定された平面にて、ウェハの中心軸202の周りにウェハ115を回転またはスピンし得る。固定された平面は、研磨パッド202の処理平面に実質的に並行である。回転運動を提供する一つの方法は、上述のようにローラ120を使用することによって行われる。上述したように、少なくとも1つのローラは、ウェハの中心軸の周りに回転するようにウェハを駆動させるために、ローラの中心軸の周りに回転する。他のローラはまた、ウェハを回転するように駆動させ得る。このローラはまた自由に回転し得る。上述したように、それぞれのローラは、時計方向または反時計方向のいずれかでローラの中心軸201の周りに回転し得る。ウェハが駆動ローラの反対方向に回転する。
【0045】
特に、1つ以上の駆動ローラが動作中に駆動ローラの回転軸201に沿ってスピンするので、ノッチ131の内部壁とウェハのエッジとの間の摩擦により、ウェハ115をウェハ自体の軸202に沿って回転させる。ローラ自体は、摩擦を与え得る。例えば、ノッチは、リブ、リッジ、溝等を含み得る。または、十分な摩擦係数を有する任意の公知の材料の層(ゴムまたはポリアミド材料等)がまた摩擦を与え得る。当業者は、多くの他の変形例、変更例および代替例を認識している。例えば、それぞれのローラは、移動可能または移動不可能なようにベース(図示せず)に固定され得、それぞれのローラのノッチ内のホイールがスピンし得、ウェハをスピンさせ得る。
【0046】
ウェハを回転またはスピンさせるために、1つ以上の従来の駆動モータ(図示せず)または等価物がウェハ、ローラまたはローラベースに動作可能に結合され得る。駆動装置は、従来の駆動ベルト(図示せず)を介して1つ以上のローラに結合され得、ウェハをスピンさせる。あるいは、駆動装置は、さらに、ガイドアセンブリ全体が中心軸を中心として回転し、それによってウェハがガイドアセンブリの中心軸を中心として回転するように、ガイドアセンブリに結合され得る。すべての実施形態について、モータは両方向で使用可能であるので、軸270を中心とする研磨パッド117の回転方向275(図1)は、時計回りまたは反時計回りであり得る。駆動モータは、さらに、可変速度デバイスであり得、パッドの回転速度を制御する。さらに、パッドの回転速度は、特定の用途に依存して、加速または減速され得る。
【0047】
あるいは、エッジサポートは、さらに、平坦化中、静止し得、他方、研磨パッドは、回転するか、またはウェハに対して横に移動する。この変形は、さらに後述される。平坦化中、このような動作は、少なくとも、研磨パッド117がウェハに接触するときに、固定された平面において生じる。平坦化プロセスの任意の部分の間、またはプロセス全体の間、上述の動作の任意の組み合わせが可能である。
【0048】
図1を参照して、平坦化装置100は、さらに、ウェハ115を研磨するための研磨ヘッドまたは研磨パッドアセンブリ116を備える。パッドアセンブリ116は、研磨パッド117を保護および支持するための研磨パッド117、研磨パッドチャック250を備え、軸270を中心としてパッド117を回転させるために、研磨パッドスピンドル260はチャック250に結合される。特定の実施形態によれば、パッドの直径は、実質的に、ウェハの直径よりも小さく、通常、ウェハの直径の20%である。
【0049】
ウェハを回転またはスピンさせるために、1つ以上の従来の駆動モータ(図示せず)または等価物が、従来の駆動ベルト(図示せず)を介して研磨パッドスピンドル260に、動作可能に結合され得る。モータは、両方向で使用可能であるので、研磨パッド117の回転方向275は、時計回りまたは反時計回りであり得る。駆動モータは、さらに、可変速度デバイスであり得、研磨パッドの回転速度を制御する。さらに、研磨パッドの回転速度は、特定の用途に依存して、加速または減速され得る。
【0050】
(研磨およびバックサポートアセンブリ)
平坦化装置は、さらに、ベースまたはデュアルアーム119を備える。ベースは、任意の数の構成を有し得、示された特定の実施形態は、デュアルアームである。パッドアセンブリ116は、デュアルアーム119を介してバックサポート118に結合する。デュアルアーム119は、パッドアセンブリ116を支持する第1のアーム310と、バックサポート118を支持する第2のアーム320とを有する。アーム310、320は、一緒に動作するように構成され得、より好適には、独立して動作し得る。アーム310、320は、パッドまたはパックを交換するための異なったステーションに別々に移動され得、研磨動作用の構成要素の組立てを容易にし得る。
【0051】
本発明の特定の実施形態によれば、バックサポート118は、研磨パッド117を追跡し、平坦化中、ウェハ115に支持を提供する。これは、デュアルアームを用いて達成され得る。特定の実施形態において、パッドアセンブリ116は、第1のアーム310に取り付けられ、バックサポート118は、第2のアーム320に取り付けられる。デュアルアーム119は、バックサポート118の支持面が研磨パッド117に面するように、およびバックサポート118および研磨パッド117の支持面が、実質的に、互いに平面であるように、パッドアセンブリ116およびバックサポート118を配置するように構成される。さらに、本発明により、研磨パッドの中心とバックサポートの面は、正確に位置合わせされる。この正確な位置合わせは、予測可能および正確な平坦化を可能にする。正確な位置合わせは、第1のアームおよび第2のアームが1体をなす場合に保証される。あるいは、両方のアームは複数の構成要素を含み得、別々に動作可能であり得る。このように、構成要素は、実質的に安定しているので、正確な位置合わせは維持される。
【0052】
特に、1実施形態によれば、デュアルアーム119は、スピンドル260が第1のアーム310を通って、第2のアーム320によって支持されるバックサポート118に向かって回転可能に通るように、パッドアセンブリ116を支持する。パッド117の回転軸270は、スピンドル260の回転軸に相当する。回転軸270は、バックサポート118、好適には、バックサポート118の中心を通るように配置される。パッドアセンブリ116は、ウェハ115の方向に移動するように構成される。図1は、実質的に水平に配置され、上方を向くウェハのプロセス面を示す。
【0053】
本発明の特定の実施形態により、平坦化システム全体は、種々の位置にてウェハを研磨するように構成され得る。平坦化中、例えば、デュアルアーム119は、ウェハ115が、水平位置または垂直位置で、あるいは任意の角度で制御可能に研磨されるように配置され得る。これらの変形は可能である。なぜなら、ウェハ115は重力によってではなく、ローラ120によって支持されるからである。このような適応性(flexibility)は、例えば、スラリが少ない(slully−less)研磨システムにおいて有用である。
【0054】
動作中、デュアルアーム119は、ウェハ115に対してパッドアセンブリ116を多様に動かし得る。例えば、デュアルアーム119は、ピボットシャフトを中心にして旋回し得、ウェハ115を放射状に横切ってパッド117を移動(traverse)する。別の実施形態において、両方のアーム310および320は入れ子式に延び得(図示せず)、ウェハ115を水平方向に直線的に横切ってパッドを移動する。半径方向の運動および直線運動は、さらに、組合され得、ウェハ115に対する種々の移動経路(traversal paths)またはパターンを生成する。このようなパターンは、例えば、半径方向、直線、軌道、階段式、連続、不連続、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。実際の横断経路は、当然、特定の用途に依存する。
【0055】
図3は、本発明の実施形態による図1のバックサポート118の詳細な図である。この図は、単なる例であり、本明細書中の特許請求の範囲を制限するべきではない。当業者は、多くの他の変形例、改変例、および代替例を認識する。バックサポート118は、平坦化の際にウェハ115を支持する。具体的には、バックサポート118は、研磨パッド117を動的に追跡して、平坦化の際のウェハ115に対する局所的な支持を提供する。このような局所的な支持によって、平坦化の際にウェハにかかる研磨パッドの力によるウェハの変形が削除される。さらに、これによって、均一な研磨および平坦化が行われる。特定の実施形態において、バックサポート118は、デュアルアーム119を介して、パッドアセンブリ116に動作可能に連結する。特定の実施形態において、バックサポート118は、デュアルアームの第2のアーム320に取り外し可能に埋め込まれる。図1を参照して、研磨パッド117の回転軸270およびスピンドル260は、バックサポート118を通過する。
【0056】
図3を再び参照して、バックサポート118は、平坦化の際にウェハ115を支持するために、任意の数の方法で構成され得る。特定の実施形態において、バックサポート118は、平坦化の際にウェハの裏側150と接する平坦な部分またはサポート表面350を有する。サポート表面350は、望ましくは、テフロン(R)などの低摩擦の固形材料を用いることによって、表面350とウェハの裏側150との間に、実質的に摩擦のない境界面を提供する。あるいは、サポート表面350は、裏側150との摩擦のない境界面として、流体ベアリングを支持し得る。流体は、ウェハの裏側150を洗浄する更なる役割を果たすために有益であり得る空気などの気体または水などの液体であり得る。この摩擦のない境界面によって、ウェハは、バックサポートの表面を動き回ることができる。
【0057】
サポート表面350は、ウェハ115およびパッド117と実質的に平行である。表面の直径は、平坦化の際に物体の適切な支持を提供するほど十分に大きい必要がある。特定の実施形態において、バックサポート表面は、研磨パッドの直径と実質的に同じサイズの直径を有する。図3において、示されるバックサポート118は、球形の空気ベアリングであり、第2のアーム320に簡単に挿入されることを可能にする球形の部分340を有する。球形の部分340を第2のアームに対して回転させることによって、バックサポート118は、研磨パッド117を追跡することが可能になり、サポート表面350によってウェハ115を支持することが可能になる。図3のバックサポート118は、第2のアームの空隙に突出部341を有する。突出部341は、研磨パッド117を追跡する際の第2のアーム320に対するバックサポート118の回転を制限する役割を果たし得る。別の実施形態において、バックサポート118は、概して、突出部のない半球形であり得る。
【0058】
ウェハ115の処理表面170は、パッド117に面し、ウェハ115の裏側150は、バックサポート118に面する。さらに、ウェハ115は、パッド117およびバックサポート118の両方と実質的に平行である。別の実施形態において、バックサポート118は、両側研磨のために、第2の研磨パッドアセンブリによって取って代わられ得る。このような実施形態において、第2のパッドアセンブリは、第1のアーム上に、第1のパッドアセンブリと同様に構成され得る。それぞれの研磨パッドは、相互にかつウェハ115に対して、実質的に平行である。
【0059】
特定の実施形態において、バックサポートはベアリングである。この特定の実施形態において、ベアリングは、低摩擦の固形材料(例えば、テフロン(R))、空気ベアリング、液体ベアリング、または均等物であり得る。ベアリングのタイプは、特定の用途および利用可能なベアリングのタイプによる。
【0060】
特定の実施形態において、図1に示すように、デュアルアーム119は、突出したジンバルポイント(gimbal points)を有するC字状の形をしたクランプであり、突出したシンバルポイントは、デュアルアーム119の屈曲を可能にし、かつ、ウェハの表面と研磨パッド117との良好な接触を維持する。突出したジンバルポイントは、図3Aにより明確に示される。研磨パッドチャック250は、第1のアーム310によって支持され、バックサポート118は、第2のアーム320によって支持される。研磨パッドチャック250は、ウェハ115の上面またはその近くに好適に配置される転心(pivot point)またはジンバルポイント252を中心とする半球形の表面251を有する。ジンバルポイント252をウェハ115の表面またはその近くに配置することによって、上ぞり(cocking)の問題なく、第1のアーム310に対して、ジンバルモーション、または、チャック250を回転させることができる。上ぞりは、突出したジンバルポイントがウェハ表面より上にある場合に生じ、その結果、研磨パッド117の前方端はウェハ表面に突っ込み、後方端は持ち上がる。上ぞりは、本来、不安定である。突出したジンバルポイントをウェハ表面に配置することによって、上ぞりは回避される。ジンバルポイントがウェハの表面より下に突出する場合、研磨パッド117とウェハ表面との間の摩擦によって、スキー効果(skiing effect)が生じ、スキー効果は、研磨パッドがウェハ表面に対して動くと、研磨パッド117の前方端を持ち上げ、かつ、後方端をウェハ表面に突っ込む。これは、上ぞりより安定している。突出したジンバルポイントとウェハ表面との間の所望の最大距離は、研磨パッド117のサイズによる。例えば、研磨パッドの直径が約1.5インチである場合、距離は約0.1インチ未満であり得る。距離は、研磨パッドの直径と比較して、望ましくは、約0.1倍未満であり、より望ましくは、約0.02倍未満である。同様に、バックサポート118の球形の表面340は、望ましくは、ウェハ115の下面またはその近くに配置された突出した転心254を有する。
【0061】
図3B〜図3Eは、研磨パッドチャック250を第1のアーム310に結合するジンバル機構を示す。チャック250は、デュアルアーム119の第1のアーム310によって支持される外部カップ258に接続された内部カップ256に接続される。ねじれ駆動モータが外部カップ258に結合されることにより、ジンバル機構を介して、研磨パッド117がz軸回りを回転させられ得る。一対の内部駆動ピン262が、チャック250から、内部カップ256に設けられ、一般にy軸方向に延びたラジアルスロット(radial slot)264内へと延びている。ラジアルスロット264は、円周方向において内部駆動ピン262を拘束し、チャック250は、内部カップ256とともに、z軸回りを円周方向に移動する。内部駆動ピン262は、ラジアルスロット264に沿って移動することにより、チャック250が内部カップ256に対してx軸回りを回転することを許容し得る。
【0062】
一対の外部駆動ピン266は、内部カップ256から、外部カップ258に設けられ、一般にx軸方向に延びたラジアルスロット268内へと延びている。ラジアルスロット268は、円周方向において外部駆動ピン266を拘束するため、内部カップ256は、外部カップ258とともに、z軸回りを円周方向に移動する。外部駆動ピン266は、ラジアルスロット268に沿って移動することにより、内部カップ256が外部カップ258に対してy軸回りを回転することを許容し得る。
【0063】
半球状駆動カップ256および258は、2つの運動軸を分離することにより、ジンバルポイントまたは旋回ポイント252の回りでジンバル機構による最大限のジンバルを可能にする。ジンバル機構は、ウエハ表面との接点で研磨パッド117上のトルクモーメントにスキー効果(skiing effect)を生じさせることなく、研磨パッド117がねじれ駆動をz軸回りに伝達することを可能にする。研磨パッド117は、x−y平面からオフセットし得るウエハ115の表面に対して自動調心となる。
【0064】
図3B〜図3Eに示すジンバル機構は、単なる例示である。異なる実施形態では、駆動ピンは、機械加工された突起物と置き換えられ得る。ぴったりと適合し、溝をわたるボールまたはローラーが、機構の可動部材間で低摩擦の回転接触を提供するために用いられ得る。図示される実施形態はx方向の単一のトラック、およびy方向の単一のトラックを含むが、さらなるトラックが設けられ得る。アセンブリの部材は、球形部材とは異なる形状を有し、なおもジンバル動作または球状駆動運動を提供し得る。ウエハを支持する他の方法および研磨パッドに追従する他の方法が、所望の位置に所定のジンバル点を提供し得ることが理解される。
【0065】
平坦化装置100は以下のように動作する。図1を参照して、アセンブリ110は、研磨パッド117とバックサポート118の間にウエハ115を配置する。研磨パッドは、ウエハ115の処理面170上へと下げられる。パッドアセンブリ116は、従来のアクチュエータ(図示せず)、例えば、パッド117の処理面170に対する下降圧力を制御する可変力制御を有するピストン駆動機構によって駆動される。アクチュエータは、通常、パッド圧力読取り値に容易に変換され得る下方向の力の測定を行う力トランスデューサを備える。関連技術分野で公知の多数の圧力感知アクチュエータ設計が用いられ得る。
【0066】
図4は、本発明の実施形態による平坦化装置100の簡略化された平面図である。この図は、単なる一例であり、特許請求の範囲を制限するものではない。当業者は、他の多くの改変、修正、および代替物を認識する。特定の実施形態では、デュアルアーム119は、旋回シャフト360の回りを旋回することにより、パッドアセンブリ116、および研磨パッド117のガイド、およびスピンアセンブリ110、およびウエハ115に対して横方向のずれをもたらすように構成される。旋回シャフト360は、平坦化装置システム(図示せず)に固定される。
【0067】
研磨パッドスピンドル260もまた、図4Aに示すように、回転することにより、研磨パッド117を回転させ得る。それ自体の軸270の回りのスピン回転276に加えて、スピンドル260はまた、方向278の軌道軸277の回りを軌道を描いて回ることにより、波線で示すような研磨パッド117の軌道を生成する。軌道軸277は、ウエハ115のサイズおよび研磨パッド117のサイズに基づいて選択され得る距離だけ、スピン軸270からオフセットする。例えば、このオフセット距離は、約0.01インチから数インチの範囲であり得る。特定の例では、この距離は、約0.25インチである。この軌道回転を図4Aにより明確に示す。スピンドル260をスピンさせるために用いられるモータとスピンドル260を軌道回転させるために用いられるモータは異なり得る。
【0068】
図4Bに、ウェハを平坦化する、ウェハ606より小さいサイズの研磨パッド604を保持する研磨ヘッド602の軌道運動および純粋なスピン運動の両方を可能にする装置600を示す。軌道ハウジング610が、ベアリング614によって、アームフレーム612に対して適切な位置に保持されており、直接型軌道モーターによって直接駆動されるか、または、軌道ベルトもしくは軌道歯車を介して駆動される。図4Bには、軌道モーター618に結合された軌道駆動ベルト616を示す。軌道ハウジング610は、ベアリング624とともにシャフト622を支える偏心またはオフセットホール620を有する。シャフト622は、軌道ハウジング610の中心線から、所望の量(例えば、約0.5インチ)に設定され得るオフセット625で、相殺されている。シャフト622は、研磨ヘッド602に結合されている。外歯歯車626(または摩擦駆動など)は、シャフト622に取り付けられ、内歯歯車628(または摩擦駆動)に嵌合する。内歯歯車は、外側軌道ハウジングベアリング614の同心円上にある他のベアリング630によって支持されている環状歯車628であり、直接型スピンモーターによって、または、スピン歯車もしくはシャフト駆動ベルトを介して駆動される。図4Bには、スピンモーター634に結合されたスピン駆動ベルト632を示す。軌道モーター618およびスピンモーター634の相対的速度を制御することによって、研磨ヘッド602は、(軌道モーター634を静止させたままで)スピン運動のみを行うようにされてもよいし、スピンおよび軌道運動(すなわち、歳差運動)を行うようにされてもよいし、あるいは、(研磨パッド604がウェハ606に対してスピンしないように、2つのモーター618および634の相対的な運動を制御することによって)軌道運動のみを行うようにされてもよい。図4Bに、供給通路642を介して、研磨パッド604に化学/流体/スラリーを供給する、化学/流体/スラリー供給源640も示す。
【0069】
発明者らは、軌道運動を優勢にしてウェハの中心部を研磨し、スピン運動を優勢にしてウェハの端部を研磨することによって、平坦化における均一性が改善され得ることを発見した。ウェハの中心部における優勢な軌道運動は、ウェハの中心部が理論的には速度0である場合の、研磨パッド表面全体に対する、比較的均一な表面速度運動を引き起こす。これによって、より良好な平面性を維持しながら、ウェハの中心部における良好な均一性が得られる。純粋なスピン運動によってウェハの端部における非常に精密な平衡配置が可能になり、良好な除去を達成するために充分なほど作用の中心が近くなり得る前に軌道運動によってパッドが端部を遠すぎる位置で落とす場合に、より良好な端部除外研磨結果が得られる。これによって、より良好な平坦化結果を維持しながら、ウェハの端部における良好な均一性が得られる。いくつかの実施形態において、軌道運動のスピードは、研磨パッドがウェハの中心領域に接触している場合、スピン運動のスピードよりも速い。特定の実施形態において、スピン運動のスピードは、中心領域においてほぼ0である。いくつかの実施形態において、スピン運動のスピードは、研磨パッドがウェハの端部領域に接触している場合に、軌道運動のスピードよりも速い。特定の実施形態において、軌道運動のスピードは、端部領域においてほぼ0である。
【0070】
また、発明者らは、均一性が、相対的なウェハ回転スピードおよび研磨パッドの軌道運動スピードによって影響され得ることも発見した。例えば、組み合わせられた軌道運動およびウェハの回転の間、軌道運動のスピードおよびウェハ回転スピードのうちの速い方と、二者のうちの遅い方との比が整数である場合、研磨パターンは、ロゼットパターンで繰り返され、非均一な研磨が引き起こされる。典型的には、軌道運動のスピードは、ウェハ回転スピードより速い。従って、2つのスピードの比を非整数にして、平坦化の間、均一性を改善することが所望される。例えば、軌道運動のスピードが1000rpmである場合、ウェハ回転スピードは、63rpmであり得る。
【0071】
図5は、本発明の他の実施形態による、平坦化装置100の別の図である。この図は例示に過ぎず、本明細書中の特許請求の範囲を限定するものではない。当業者であれば、他の多くの変形例、改変例および代替例を認識する。特定の実施形態においては、平坦化の間、ウェハ115の処理表面に研磨スラリー(図示せず)を供給するスラリー送達機構400が設けられる。図5には、単一の機構400またはディスペンサー400を示しているが、ウェハの研磨要件に依存して、さらなるディスペンサーが設けられてもよい。研磨スラリーは、当該技術分野において公知である。例えば、典型的なスラリーには、コロイド状ケイ酸の混合物、またはKOH、NH4OH、またはCeO2のような、アルカリ溶液中に分散したアルミナが含まれる。あるいは、スラリーがないパッドシステムが用いられてもよい。
【0072】
研磨流体を受け止め、平坦化の間用いられ得るあらゆるスラリーの腐食特性から周囲の機器を保護するスプラッシュシールド410が設けられる。シールド材料は、ポリプロピレンまたはステンレススチール、あるいは、研磨流体の腐食性の性質に対して耐性がある何らかの他の安定化合物であり得る。スラリーは、ドレイン420を介して処理され得る。
【0073】
データ格納部440と通信するコントローラ430は、平坦化装置の上記の部材に対して、各種の制御信号450を送出する。コントローラは、メカニックに順序制御および手動信号を提供して、平坦化動作を実行させる。データ格納部440は、外部からアクセス可能である。これによって、ユーザ供給データが、データ格納部440にロードされることが可能になり、平坦化装置に平坦化用のパラメータが提供される。本発明のこの局面は、以下でより詳細に説明される。
【0074】
あらゆる種類のコントローラ構成が、本発明において考えられる。特定の構成は、スループット要件、装置のために利用可能な設置面積、本発明に特有の機能以外のシステム機能、実施コストなどのような考慮すべき点に依存する。特定の実施形態において、コントローラ430は、制御ソフトウェアがロードされたパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータは、装置100の各部材に対する各種のインターフェース回路を含む。制御ソフトウェアは、インターフェース回路を介して、これらの部材と通信し、平坦化の間、装置100を制御する。この実施形態において、データ格納部440は、所望の平坦化パラメータを含む内部ハードドライブであり得る。ユーザ供給パラメータは、キーボード(図示せず)を介して、手動でキー入力され得る。あるいは、データ格納部440は、フロッピー(R)ドライブであってもよく、この場合、パラメータが他の場所で決定され、フロッピー(R)ディスクに格納され、パーソナルコンピュータに伝えられ得る。さらに他の代替例において、データ格納部440は、ローカルエリアネットワークを介してアクセスされる遠隔ディスクサーバである。さらに別の代替例において、データ格納部440は、例えば、ワールドワイドウェブによって、または、FTP(ファイル転送プロトコル)サイトを介するなど、インターネットを介してアクセスされる遠隔コンピュータである。
【0075】
別の実施形態において、コントローラ430は、本発明に従い、協同して平坦化シーケンスを実行する1つ以上のマイクロコントローラを含む。データ格納部440は、外部からマイクロコントローラに提供されるデータのソースとして機能し、マイクロコントローラは、ユーザ供給平坦化パラメータに従って研磨を実行し得る。ユーザ供給平坦化パラメータを提供するのに可能な構成が多数あることは明らかである。同様に、平坦化装置の構成要素を制御するのに可能なアプローチが多数あることは明らかである。
【0076】
(平坦化キャリブレーションシステム)
図6は、本発明の平坦化キャリブレーションシステムの簡略ブロック図である。なお、本図は、本発明の平坦化装置の構成要素に注目する簡略ブロック図表現である。図示されるシステムは、例示であって本明細書中で特許請求の範囲を過度に制限しない。当業者は、本発明の範囲および精神を逸脱せずに多くの変形、代替および変更を認識し得る。平坦化システム800は、平坦化動作を実行するための平坦化ステーション804を含む。平坦化ステーション804は、ネットワークインタフェースカード(図示せず)を使用して他のシステム構成要素(ウェハ供給部、測定ステーション、搬送デバイス、など)とのインタフェースをとる。ブランクのテストウェハを提供し且つ製造ウェハを提供するためのウェハ供給部802がある。表面測定を行い、その測定から除去プロフィールが生成されるための測定ステーション806が提供される。平坦化ステーション804、ウェハ供給部802および測定ステーション806は、ロボット搬送デバイス808によって動作可能に共に結合される。コントローラ810は、協同してシステム800の構成要素を共に結合する制御線およびデータ入力線814を含む。コントローラ810は、少なくともあるユーザ供給平坦化パラメータを格納するためのデータ格納部812を含む。あるいは、データ格納部812は、ローカルエリアネットワークにおいてネットワークを介して利用可能な遠隔アクセスデータサーバであり得る。
【0077】
コントローラ810は、技術者がシステム800の構成要素と相互作用し且つ制御することを可能にするユーザインタフェースを有する自己完結型コントローラであり得る。例えば、コントローラ810は、システム800の要素と連絡し且つ制御するための1つ以上のソフトウェアモジュールを内部に含むPC型コンピュータであり得る。データ格納部812は、コントローラ810とのデータ交換のための通信路820(データバスなど)を介して結合されるハードドライブであり得る。
【0078】
別の構成において、中央コントローラ(図示せず)は、通信路820を介してコントローラ810にアクセスする。そのような構成は、中央化コントローラが種々のそのようなコントローラを担う製造施設において見出され得る。通信路820は、ローカルエリアネットワークの物理層であり得る。明らかに、本発明を実施する際には多くのコントローラ構成が想定される。特定の実施形態は、エンドユーザの要求、システム要件、システムコストなどの事項に依存し得る。
【0079】
図6に図示されるシステムは、製造モードおよびキャリブレーションモードで動作され得る。製造実行中は、ウェハ供給部802が製造ウェハを含む。キャリブレーション実行中は、ウェハ供給部802にテストウェハが装填される。測定ステーション806は、主にキャリブレーション実行中に使用され、研磨されたテストウェハに対して測定を行って除去プロフィールを生成する。しかし、測定ステーション806はまた、製造実行中に研磨動作の品質をモニタしてプロセスの経時変化をモニタするように使用され得る。
【0080】
別の実施形態において、測定システム806は、平坦化ステーション804に一体化され得る。この構成は平坦化プロセスの現場(in situ)測定を提供する。平坦化が進行しながら、測定が行われ得る。これらのリアルタイム測定は、平坦化パラメータの微調整を可能とし、フィルム材料のより高度に均一な除去を提供する。
【0081】
制御ソフトウェアを構成するプログラムコードは、多くの方法のいずれかで表現され得る。Cプログラミング言語が常用される言語である。なぜなら、Cプログラムの高レベル命令を使用される特定ハードウェアの対応のマシン語に翻訳するためのコンパイラが多く存在するからである。例えば、ソフトウェアのいくつかは、PC系プロセッサに常駐し得る。他のソフトウェアは、個々のステーション(平坦化ステーション804および測定ステーション806など)の下位の制御ハードウェアに常駐し得る。そのような場合、Cプログラムは、これらのステーションにおいて使用されるマイクロコントローラのマシン語にまでコンパイルされ得る。1つの特定の実施形態において、システムは、ソフト論理プログラミング制御を有するPC系ローカルまたは分散制御方式を使用する。
【0082】
Cプログラミング言語の代わりとして、オブジェクト指向プログラミング言語が使用され得る。例えば、C++は、常用のオブジェクト指向プログラミング言語である。特定のプログラミング言語の選択は、本発明の範囲および精神を逸脱せずにされ得る。むしろ、特定のプログラミング言語の選択は通常、目的のハードウェアのためのコンパイラの利用可能性、関連のソフトウェア開発ツールの利用可能性、およびソフトウェア開発チームの好みに依存する。
【0083】
以上に説明したように、本発明の特定の実施形態は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトを備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置を提供する。研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径である。シャフトは研磨ヘッドおよび研磨パッドをシャフト軸周りに回転させるように回転可能である、軌道ハウジングは、軌道軸から離れた偏心孔を有し、シャフトは偏心孔内を回転可能に通るように配置されている。軌道ハウジングはシャフトと研磨ヘッドと研磨パッドとを軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である。いくつかの実施形態では、物体は物体回転速度で回転し、研磨パッドは軌道速度で軌道軸周りを回転する。物体回転速度と軌道速度のうちの小さい方に対する、物体回転速度と軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でない。軌道速度は、物体回転速度よりも大きいことがあり得る。いくつかの実施形態では、研磨パッドは回転速度でシャフト軸周りを回転し、軌道速度で軌道軸周りを回転する。研磨パッドが物体表面の中央部に接触しているとき、軌道速度は回転速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが中央部に接触しているとき、回転速度はほぼゼロである。いくつかの実施形態では、研磨パッドが物体表面の端部に接触しているとき、回転速度は軌道速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが端部に接触しているとき、軌道速度はほぼゼロである。
【0084】
上記は特定の実施形態を十分に記載するものであるが、当業者に公知の種々の変更、代替の構築物および均等物が使用され得る。例えば、上記は半導体ウェハに関するが、表面などを有するほとんど任意のタイプの物に対して本発明を実施し得る。したがって、上記の記載および例示は、本発明の範囲を制限するものとして理解されるべきでない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0085】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトを備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置を提供する。研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径である。シャフトは研磨ヘッドおよび研磨パッドをシャフト軸周りに回転させるように回転可能である、軌道ハウジングは、軌道軸から離れた偏心孔を有し、シャフトは偏心孔内を回転可能に通るように配置されている。軌道ハウジングはシャフトと研磨ヘッドと研磨パッドとを軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である。
【0086】
また、他の発明では、物体は物体回転速度で回転し、研磨パッドは軌道速度で軌道軸周りを回転する。物体回転速度と軌道速度のうちの小さい方に対する、物体回転速度と軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でない。軌道速度は、物体回転速度よりも大きいことがあり得る。
【0087】
さらに他の発明では、研磨パッドは回転速度でシャフト軸周りを回転し、軌道速度で軌道軸周りを回転する。研磨パッドが物体表面の中央部に接触しているとき、軌道速度は回転速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが中央部に接触しているとき、回転速度はほぼゼロである。いくつかの実施形態では、研磨パッドが物体表面の端部に接触しているとき、回転速度は軌道速度よりも大きい。特定の実施形態では、研磨パッドが端部に接触しているとき、軌道速度はほぼゼロである。
【0088】
これら構成により本発明は、半導体ウエハ等の製品の材料の膜を平坦化するためのデバイスを提供することができる。また、本発明は、半導体集積回路の製造に対して改善された基板支持を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による平坦化装置の簡略化された図である。
【図1A】図1Aは、本発明の一実施形態による、複数のガイドおよびスピンアセンブリを支持するカラセルの簡略化された平面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による、ガイドおよびスピンローラの詳細な図である。
【図2A】図2Aは、本発明の別の実施形態による、ガイドおよびスピンローラの図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による、研磨パッド背面サポートの詳細な図である。
【図3A】図3Aは、本発明の一実施形態による、突出したジンバルポイントを有するウエハを支持する支持機構の簡略化された図である。
【図3B】図3Bは、突出したジンバルポイントを有するパッドを研磨するジンバル駆動サポートの平面図である。
【図3C】図3Cは、図3Bのジンバル駆動サポートの1−1に沿う断面図である。
【図3D】図3Dは、図3Bのジンバル駆動サポートの2−2に沿う断面図である。
【図3E】図3Eは、図3Bのジンバル駆動サポートの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による、平坦化装置の簡略化された平面図である。
【図4A】図4Aは、研磨パッドおよびスピンドルの簡略化された平面図であり、スピンおよび軌道回転を示している。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施形態による、研磨ヘッドのための軌道およびスピン機構の部分図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態による、平坦化装置の代替図である。
【図6】図6は、本発明の平坦化較正システムの簡略化されたブロック図である。
【符号の説明】
100 平坦化装置
110 スピンアセンブリ
115 ウエハ
116 研磨パッドアセンブリ
117 研磨パッド
118 デュアルアーム
Claims (15)
- シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトであって、該研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径であり、該シャフトは該研磨ヘッドおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように回転可能である、シャフトと、
軌道軸から離れた偏心孔を有する軌道ハウジングであって、該シャフトは該偏心孔内を回転可能に通るように配置され、該軌道ハウジングは該シャフトと該研磨ヘッドと該研磨パッドとを該軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である、軌道ハウジングと、
を備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置であって、
該シャフトは、外歯車に接続し、該外歯車は回転可能に内歯車に連結し、該内歯車は回転駆動されて該外歯車を回転させ、それによって該シャフトおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように構成されている、化学機械平坦化装置。 - 前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の少なくとも約1/100であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れている、請求項1に記載の装置。
- 前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の約1/2未満であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れている、請求項1に記載の装置。
- 前記シャフトは、第1のモータによって回転駆動され、前記軌道ハウジングは第2のモータによって回転駆動される、請求項1に記載の装置。
- 前記シャフトは、前記偏心孔内の軸受けによって、前記軌道ハウジングに対して回転するように支持されている、請求項1に記載の装置。
- 平坦化すべき前記物体を支持するプラテンをさらに備えた、請求項1に記載の装置。
- 前記プラテンは、前記物体を回転させるように回転可能である、請求項6に記載の装置。
- 前記プラテンは、プラテン回転速度で前記物体を回転させるように構成され、前記軌道ハウジングは、前記研磨パッドを前記軌道軸周りに軌道速度で軌道に乗って移動させるように構成され、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの小さい方に対する、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でない、請求項7に記載の装置。
- 前記軌道速度は、前記プラテン回転速度よりも大きい、請求項8に記載の装置。
- シャフト軸を有し、研磨パッドに連結された研磨ヘッドに接続されたシャフトであって、該研磨パッドは平坦化すべき物体よりも小径であり、該シャフトは該研磨ヘッドおよび該研磨パッドを該シャフト軸周りにスピンさせるように回転可能である、シャフトと、
軌道軸から離れた偏心孔を有する軌道ハウジングであって、該シャフトは該偏心孔内を回転可能に通るように配置され、該軌道ハウジングは該シャフトと該研磨ヘッドと該研磨パッドとを該軌道軸周りに軌道に乗って移動させるように回転可能である、軌道ハウジングと、
平坦化すべき該物体を支持し、該物体を回転させるように回転可能である、プラテンと、
を備えた、物体を平坦化する化学機械平坦化装置であって、
該プラテンは、プラテン回転速度で前記物体を回転させるように構成され、該軌道ハウジングは、該研磨パッドを該軌道軸周りに軌道速度で軌道に乗って移動させるように構成され、プラテン回転速度は、軌道速度よりも大きいか、または小さく、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの小さい方に対する、該プラテン回転速度と該軌道速度のうちの大きい方の割合は、整数でない、物体を平坦化する化学機械平坦化装置。 - 前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の少なくとも約1/100であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れている、請求項10に記載の装置。
- 前記シャフト軸は、前記研磨パッドの半径の約1/2未満であるオフセット分だけ、前記軌道軸から離れている、請求項10に記載の装置。
- 前記シャフトは、第1のモータによって回転駆動され、前記軌道ハウジングは第2のモータによって回転駆動される、請求項10に記載の装置。
- 前記シャフトは、前記偏心孔内の軸受けによって、前記軌道ハウジングに対して回転するように支持されている、請求項10に記載の装置。
- 前記軌道速度は、該プラテン回転速度よりも大きい、請求項10に記載の装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003027696A JP2004241511A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | マルチアクション化学機械平坦化装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003027696A JP2004241511A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | マルチアクション化学機械平坦化装置および方法 |
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---|---|
JP2004241511A true JP2004241511A (ja) | 2004-08-26 |
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ID=32955344
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JP2003027696A Pending JP2004241511A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | マルチアクション化学機械平坦化装置および方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009521129A (ja) * | 2005-12-20 | 2009-05-28 | コーニング インコーポレイテッド | 絶縁体上半導体構造の研磨方法 |
JP2019110266A (ja) * | 2017-12-20 | 2019-07-04 | 株式会社荏原製作所 | 基板処理装置、基板処理装置の制御方法、プログラムを格納した記憶媒体 |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003027696A patent/JP2004241511A/ja active Pending
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