JP2004241277A - 航空障害灯 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成により、例えば航空障害灯仕様書で定める配光特性等、所要の配光特性を容易に得る。
【解決手段】所定の取付箇所に取り付ける取付部を有する基体4と;この基体4に配設され、鉛直方向における光度ピークの鉛直角がそれぞれ異なる一方、ピーク光度がほぼ等しい配光特性をそれぞれ有する複数の光源ユニット15,16,17,18,19を備えた光源部と;を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】所定の取付箇所に取り付ける取付部を有する基体4と;この基体4に配設され、鉛直方向における光度ピークの鉛直角がそれぞれ異なる一方、ピーク光度がほぼ等しい配光特性をそれぞれ有する複数の光源ユニット15,16,17,18,19を備えた光源部と;を具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は航空障害灯に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、航空障害灯の設置については、航空法施行規則により種々規定されており、例えば60以上150m未満の高さのビル等の物件については、屋上の概形を示す位置で水平距離45m以下のほぼ等間隔の位置に付けることや、150m以上の物件は上から中光度、低光度航空障害灯の順に交互に設置し、最下段は低光度航空障害灯を設置すること、150m以上の高さの物件の取付段は、頂上から下へ52.5m毎の位置で、GLより150m未満となった位置までとし、それ以下には取り付けないことが規定されている。
【0003】
そして、近年の航空障害灯では、光源として寿命の長い発光ダイオードを使用してメンテナンスの向上を図ったものが種々提案されている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0004】
また、これら航空障害灯では発光ダイオードの発熱量が多いので、放熱性の向上を図っているが、その中には多数の発光ダイオードからのビーム光の光分布が同一水平面内で一様になるように構成したもの(特許文献1参照)もある。
【0005】
図9はこれら従来の航空障害灯の鉛直方向の配光分布の一例を曲線Aにより示し、規格値の曲線Bと比較して示す配光分布図である。
【0006】
すなわち、航空障害灯の鉛直方向の配光特性の規格は航空障害灯仕様書により曲線Bのように規定されており、ピークBpの光度が鉛直角約−3°から10°の幅において約100cdであり、上限光度Ulが約−3°以下の鉛直角で150cd以下に抑制することが規定されている。
【0007】
一方、従来の航空障害灯の鉛直方向の配光分布はこの規格値Bのピーク光度の範囲(鉛直方向角度)を十分な裕度を持って満たすために曲線Aの配光分布を示すように構成されていることが多い。
【0008】
【特許文献1】特開平11−260119号公報(明細書第2頁第2欄)
【0009】
【特許文献2】特開平9−69304号公報(明細書第2頁第2欄)
【0010】
【特許文献3】特公平8−24001号公報(明細書第2頁第3欄)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の航空障害灯の鉛直方向配光特性Aの場合には、規格配光特性BのピークBpの光度が約100cd程度であるのに対し、この光度を上回る光度となる場合があり、消費電力が大き過ぎるという課題がある。
【0012】
また、近年では住宅用の高層ビルが多数建設されているために、その周辺住民に対して航空障害灯によるグレアが発生する等、航空障害灯の設置環境も多様化している。このために、航空障害灯のピーク光度を制限する必要がある。
【0013】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、簡単な構成により、例えば航空障害灯仕様書で定める配光特性等、所要の配光特性を容易に得ることができる航空障害灯を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明は、所定の取付箇所に取り付ける取付部を有する基体と;この基体に配設され、鉛直方向における光度ピークの鉛直角がそれぞれ異なる一方、ピーク光度がほぼ等しい配光特性をそれぞれ有する複数の光源ユニットを備えた光源部と;を具備していることを特徴とする航空障害灯である。
【0015】
この発明によれば、航空障害灯全体としての配光特性は複数の光源ユニットの各配光特性をそれぞれ合成することにより得られるので、これら光源ユニットの各配光特性をそれぞれ適宜調整ないし制御することにより、航空障害灯全体の配光特性として、例えば図9の曲線Bで示す規格値の配光特性等、所要の配光特性を容易かつ簡単に得ることができる。
【0016】
また、複数の光源ユニットの配光特性をそれぞれ合成してなる合成配光特性のピークは、光度がほぼ等しい凸状の複数のピークを合成するので、若干の凹凸は残るもののほぼ平坦に形成することができる。このために、合成された配光特性のピーク光度も航空障害灯仕様書で定める規格配光特性の平坦なピーク光度に抑制することができるので、電力消費の低減とグレアの低減とを共に図ることができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、上記各光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性の各ピークが鉛直方向にずれるように配設してなることを特徴とする請求項1記載の航空障害灯である。
【0018】
この発明によれば、上記光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性のピークが鉛直方向で相互にずれるように配置することにより、これら複数の光源の配光特性を合成した配光特性を有するので、これら各光源の配光特性を適宜調整ないし制御することにより、各光源ユニットの合成配光特性として所要の配光特性を得ることができ、さらに、これら各光源ユニットの合成配光特性をさらに合成した航空障害灯全体としての合成配光特性を、規格値の配光特性等、所要の配光特性に容易に調整ないし制御することができる。
【0019】
請求項3に係る発明は、各光源が発光ダイオードであることを特徴とする請求項2記載の航空障害灯である。
【0020】
この発明によれば、上記各光源が長寿命の発光ダイオードであるので、高所等に設置される航空障害灯のメンテナンスを軽減することができる。
【0021】
請求項4に係る発明は、鉛直方向下側に位置する光源ユニットは、その配光特性が鉛直方向上側に位置する光源ユニットの配光特性よりも狭角になるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の航空障害灯である。
【0022】
この発明によれば、航空障害灯の鉛直方向下側に位置する光源部の配光特性がその鉛直方向上側に位置する光源部の配光特性よりも狭角であるので、航空障害灯の鉛直方向下側から、例えば、住宅用高層ビル等周辺へ投光される鉛直角範囲を狭少にすることができ、周辺住民のグレアを低減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は図3(a),(b)で示す本発明の第1実施形態に係る航空障害灯1の配光特性図、図2はこの図1で示す航空障害灯1の配光特性を、航空障害灯仕様書で定める規格の配光特性と比較して示す配光特性図、図3(a)はこの航空障害灯1の一部切欠平面図、図3(b)は同図(a)の航空障害灯1の一部を縦断面で示す部分縦断面図である。
【0025】
図3(a),(b)に示すように、本発明の第1実施形態に係る航空障害灯1は、例えばアルミニウム製角柱状等の下部灯体部2上に、これより大径の例えばアルミニウム製円盤状等の上部灯体部3を同心状に結合して基体の一例である灯体4を構成している。さらに、この上部灯体3上には光源部の一例であるLEDユニット5を同心状に配設している。
【0026】
下部灯体2は角柱状の柱部2aの図3(b)中下端部に、この柱部2aよりも大径のフランジよりなる取付台座6を一体に連成し、この取付台座6を図示しない建造物の外壁等に取付ボルト等により取り付けるために複数のボルト挿通孔6aを穿設している。
【0027】
また、下部灯体2は、柱部2aに、その軸方向に電源線7を挿通させる電線挿通孔8を穿設し、この電線挿通孔8の軸方向中間部にて、端子台9を収容する端子台収容部を形成している。
【0028】
一方、上部灯体部3は、その外周面に、複数の放熱フィン10,10,…を周方向に所要のピッチを置いて突設し、上部灯体部3の図3(b)中上面の中央部には、例えば平面形状が円形の回路収容凹部11を形成し、この回路収容凹部11内に点灯回路12を収容している。点灯回路12には電源線7を電気的に接続している。
【0029】
LEDユニット5は、上部灯体2上に、例えばアルミニウム製等の截頭円錐筒状のユニット本体13を同心状に立設する一方、このユニット本体13の外面を所要の間隙を置いて被覆する截頭円錐筒状の透光性を有する赤色のグローブ14を同心状に立設している。このグローブ14はその図中開口下端部を上部灯体3の図中上端部に外嵌させた状態で上部灯体3に固定されている。
【0030】
そして、図3(b)に示すように截頭円錐筒状のユニット本体13は、その側周面を、その縦断面形状が中心軸側に突の凹弧面13aになるように形成し、この凹弧面13aの外面に、複数の光源ユニットの一例である第1,2,3,4,5光源ユニット15,16,17,18,19を軸方向に多段に並設している。
【0031】
図3(b)中最下段に位置する光源ユニット15を第1光源ユニットとし、これより図中上方へ向けて、第2,第3,第4,第5光源ユニット16〜19を順次配設している。
【0032】
これら第1〜第5光源ユニット15〜19はユニット本体13の凹弧面13aの外周面にそれぞれ外嵌固定される環状帯状の各基板20の外周面に、複数の発光ダイオード(LED)21,21,…を、各リード22を介してマトリクス状に植設している。このために、これら発光ダイオード21の発光部21aは軸方向(図3(b)では上下方向)に所要のピッチで凹弧状に配設される。また、これら各発光ダイオード21の発光部21aはほぼ等輝度の赤色光を発光するものであり、各基板20の外面からほぼ垂直に起立する各リード22の長さとその起立角もみなほぼ等しくなるように構成されている。
【0033】
また、これら各光源ユニット15〜19の各発光ダイオード21には、点灯回路12に電気的に接続されたリード線23を、各基板20を介して電気的に接続し、点灯回路12により各発光ダイオード21を所要輝度の赤色不動光を発光させるようになっている。
【0034】
図1はこのように構成された航空障害灯1の鉛直方向の配光特性図である。この図1に示すように、第1〜第5光源ユニット15〜19の各配光特性15L,16L,17L,18L,19Lのピークは鉛直方向に所要角ずつずれているので、これら配光特性15L,16L,17L,18L,19Lを合成した合成配光特性24Lのピーク24Pをほぼ平坦に形成することができると共に、配光の立上りと立下りとを共に急峻にしてほぼ矩形状の配光特性に形成することができる。この合成された配光特性24Lが航空障害灯1全体としての配光特性となる。
【0035】
図2はこの合成配光特性24Lを、一点鎖線で示す航空障害灯仕様書で定める規格配光特性Bと比較して示す配光特性図である。この図2に示すように航空障害灯1の合成配光特性24Lは規格配光特性Bよりもほぼ全鉛直角範囲において光度が上回っており、しかも、ピーク24Pの光度も、例えば150cdの上限光度Ulよりも低く抑制されている。
【0036】
したがって、航空障害灯1の配光特性24Lは規格配光特性Bを満たすと共に、ピーク光度の高輝度に起因するグレアを低減することができると共に、電力消費を低減することができる。
【0037】
図4(a),(b),(c)は上記航空障害灯1の光源ユニット16〜19の他の実施形態の要部側面図である。これら他の実施形態は、図3(b)等で示す第1〜第5光源ユニット15〜19と同様に、これらの配光特性15L〜19Lのピークが垂直方向でずれるように各光源ユニット15〜19毎に発光ダイオード21の配列を変えた点で共通する。
【0038】
すなわち、図4(a)で示す第2の実施形態はユニット本体13bをほぼ樽状に湾曲形成することにより、その側周面を、図3(b)で示す第1の実施形態に係るユニット本体13の凹弧面13aとは逆の外方に凸の凸弧面13bに形成し、この凸弧面13bに外嵌固定される第1〜第5光源ユニット15a〜19aの各基板20をこの凸弧面13bに適合する凸弧面に湾曲形成した点に特徴がある。
【0039】
これら第1〜第5光源ユニット15a〜19aによってもこれら光源ユニット15a〜19aの配光特性は図1に示すように、その各ピークの光度がほぼ等しく、そのピークが鉛直方向にずれるので、第1〜第5光源ユニット15a〜19aの合成配光特性として図1で示す合成配光特性24Lを得ることができる。
【0040】
図4(b)で示す第3の実施形態はユニット本体13dを第5光源ユニット19bから第1光源ユニット15b側に向って漸次拡径する単なる截頭円錐形に形成することにより、その側周面を縦断面形状が直状面13dをなすように形成している。但し、この直状面13dは截頭円筒状のユニット本体13の周方向には環状に湾曲している。この直状面13dの外面に外嵌固定される第1〜第5光源ユニット15b〜19bの発光ダイオード21は、これらの基板20aを1枚に連成すると共に、この直状面13cに適合する直状面に形成している。また、この軸方向に直状の基板20aからそれぞれ起立する各リード22aの長さとその起立角とを適宜調整することにより、各発光ダイオード21の発光部21aを、図3(b)で示す第1〜第5光源ユニット15〜19の発光ダイオード21の発光部21aとほぼ同様に円弧状に配設するように構成している。
【0041】
図4(c)で示す第4の実施形態は図4(b)で示す第2の実施形態において、発光ダイオード21の1枚の基板20aの外面から外方へ起立するリード22bの長さとその起立角とを適宜調整することにより、第1光源ユニット15c〜第5光源ユニット19cの各発光ダイオード21の発光部21aを、例えば図4(a)で示す第2の実施形態とほぼ同様に外方に突の凸弧状に配設する点に特徴がある。
【0042】
したがって、この第3の実施形態によっても上記第2実施形態とほぼ同様の配光特性を得ることができる。
【0043】
図5は本発明の第5の実施形態の配光特性図である。この第5の実施形態はその配光特性の鉛直方向下側に位置する、例えば上記第1光源ユニット15,15a,15b,15cのいずれかの配光特性15Lを、鉛直方向上側に位置する、例えば第5光源ユニット19,19a,19b,19cのいずれかの配光特性19Lよりも狭角になるように構成した点に特徴がある。
【0044】
すなわち、第1光源ユニット15〜15cの発光ダイオード21としては、その指向特性が第5光源ユニット19〜19cの発光ダイオード21の指向特性よりも狭角のものを使用することにより、第1光源ユニット15〜15cの配光特性15Lを第5光源ユニット19〜19cの配光特性19Lよりも狭角に構成している。
【0045】
したがって、航空障害灯1の鉛直方向下側の第1光源ユニット15〜15cから鉛直方向下方の住宅等の周辺環境へ投光される光を抑制することができるので、周辺住民等のグレアを低減することができる。
【0046】
一方、航空障害灯1の鉛直方向上側への投光を抑制してグレアを低減する場合には、上記図5の場合とは逆に、航空障害灯1の配光特性の鉛直方向上側に位置する、例えば第5光源ユニット19,19a〜19cの各発光ダイオード21として、その指向特性が第1光源ユニット15,15a〜15cの発光ダイオード21の指向特性よりも狭角のものを使用するとよい。
【0047】
図6〜図8は本発明の第6〜第11の実施形態の要部概略正面図である。これら第6〜第11の実施形態は発光ダイオード21以外のハロゲン電球や白熱電球等の光源を使用し、この光源の配光特性に、鉛直角が異なる複数のピークを形成するように構成した点に特徴がある。
【0048】
図6(a)で示す第6の実施形態では、ハロゲン電球、白熱電球、ネオン、キセノン、電球型蛍光ランプ等の単一の光源25の近傍側方にてグローブ14aの外面に、外方に凸の複数(例えば2つ)の凸レンズ部26a,26bをそれぞれ一体に形成している。
【0049】
このために、単一の光源25からの光は2つの凸レンズ26a,26bを透過することにより、2条の光に分離し、鉛直方向(図6(a)では上下方向)に、2つのピークPa,Pbをそれぞれ形成する2つの配光特性が形成され、これら2つの配光が合成される。
【0050】
図6(b)で示す第7の実施形態は鉛直方向(図6(b)では上下方向)の縦断面形状が平板状のグローブ14bを使用する一方、例えば2つの光源25a,25bを鉛直方向に並設している。
【0051】
この第7実施形態によっても、鉛直方向にずれた2つのピークPa,Pbを有する配光特性を得ることができ、これら2つの配光が合成される。
【0052】
図7(a),(b)で示す第8実施形態は単一の光源25の側方近傍において、鉛直方向(図中、上下方向)に所要の間隔を置いて傾動自在の例えば2組の光ルーバ27a,27bをそれぞれ配設し、これら光ルーバ27a,27bの内,外両側に、ガラス等の左右一対の透光プレート14c,14dを配設している。
【0053】
この第8実施形態によっても、光ルーバ27a,27bの傾動角を適宜制御することにより鉛直角が異なる2つのピークPa,Pbを有する配光特性を得ることができ、これら配光は合成される。しかも、図7(a),(b)に示すようにこれら光ルーバ27a,27bの傾動角を適宜制御することにより、各ピークPa,Pbの鉛直角を適宜制御することができる。
【0054】
図8(a)で示す第9実施形態は、単一の光源25の下部周りと上方とに、皿状本体の内部に凸弧状反射面27a,28aをそれぞれ形成した上下一対の有底皿状の反射鏡27,28を同心状に配設している。下部皿状反射鏡27は、その皿状小径端部(図中、上端部)に光源25の下部を挿入させる開口27bを形成している。上部皿状反射鏡28は、その小径端部に光源25からの光を入射させる開口28bを形成している。
【0055】
これら皿状反射鏡27,28は、その一側面に出光口27c,28cをそれぞれ開口させている。このために、これら出光口27c,28cから外方へそれぞれ出光される配光には鉛直角が異なる2つのピークPa,Pbがそれぞれ形成され、これら配光が合成される。
【0056】
図8(b)で示す第10実施形態は、図8(a)で示す皿状反射鏡27,28に代えて上下一対の有底椀状の反射鏡29,30を設けた点に特徴がある。
【0057】
これら椀状反射鏡29,30は椀状本体の内面に凹弧状反射面29a,30aを形成し、椀状小径端部に光源25の下部が挿入される開口29bと入光口30bとをそれぞれ形成し、さらに、これらの一側面出光口29c,30cをそれぞれ開口させている。
【0058】
このために、これら出光口29c,30cから外方へ出光される配光には鉛直角が異なる2つのピークPa,Pbがそれぞれ形成され、これら配光が合成される。
【0059】
したがって、これら第6〜第10実施形態によれば、複数のピークが鉛直方向にずれた複数の配光特性がそれぞれ得られ、合成されるので、これら複数の配光特性を適宜調整ないし制御することにより上記規格配光特性等、所要の配光特性を容易に得ることができる。
【0060】
なお、上記第1〜第5実施形態では光源ユニットである第1〜第5光源ユニット15〜19を5つ設けることにより、ピーク鉛直角が異なる5つの配光特性15L〜19Lを得る場合について説明し、第6〜第10実施形態ではピーク鉛直角が異なる2つの配光特性を得る場合について説明したが、本発明はこれら配光特性およびピークの数については限定されるものではなく、複数であれば3以上の所要数のいずれでもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本願請求項1に係る発明は、航空障害灯全体としての配光特性は複数の光源ユニットの各配光特性をそれぞれ合成することにより得られるので、これら光源ユニットの各配光特性をそれぞれ調整ないし制御することにより、航空障害灯全体の配光特性として、所要の配光特性を容易かつ簡単に得ることができる。
【0062】
また、複数の光源ユニットの配光特性を合成した配光のピークは、光度がほぼ等しい凸状のピークを合成するので、若干の凹凸は残るもののほぼ平坦に形成することができる。このために、合成した配光特性のピーク光度も航空障害灯仕様書で定める規格配光特性の平坦なピーク光度に抑制することができるので、電力消費の低減とグレアの低減を図ることができる。
【0063】
請求項2に係る発明によれば、上記光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性のピークが鉛直方向で相互にずれるように配置することにより、これら複数の光源の配光特性を合成した配光特性を有するので、これら各光源の配光特性を適宜調整ないし制御することにより、各光源ユニットの合成配光特性として所要の配光特性を得ることができ、さらに、これら各光源ユニットの合成配光特性をさらに合成した航空障害灯全体としての合成配光特性を、規格値の配光特性等、所要の配光特性に容易に調整ないし制御することができる。
【0064】
また、請求項3に係る発明によれば、上記各光源が長寿命の発光ダイオードであるので、高所等に設置される航空障害灯のメンテナンスを軽減することができる。
【0065】
請求項4に係る発明によれば、航空障害灯の鉛直方向下側に位置する光源部の配光特性がその鉛直方向上側に位置する光源部の配光特性よりも狭角であるので、航空障害灯の鉛直方向下側から、例えば、住宅用高層ビル等周辺へ投光される鉛直角範囲を狭少にすることができ、周辺住民のグレアを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る航空障害灯の第1〜第5光源ユニットの各配光特性と、これら各配光特性をそれぞれ合成してなる航空障害灯全体としての配光特性とを比較して示す配光特性図。
【図2】図1で示す航空障害灯の配光(合成配光)特性と、航空障害灯使用書等で定める規格値の配光特性とを比較して示す配光特性図。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態に係る航空障害灯の一部切欠平面図、(b)は本発明の第1実施形態に係る航空障害灯の一部を縦断面で示す部分縦断面図。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態の要部正面図、(b)は本発明の第3実施形態の要部正面図、(c)は本発明の第4実施形態の要部正面図。
【図5】本発明の第5の実施形態の配光特性図。
【図6】(a)は本発明の第6の実施形態の概略正面図、(b)は本発明の第7の実施形態の概略正面図。
【図7】(a)、(b)は本発明の第8の実施形態の概略正面図。
【図8】(a)は本発明の第9の実施形態の概略正面図、(b)は本発明の第10の実施形態の概略正面図。
【図9】従来の航空障害灯の配光特性を、航空障害灯仕様書で定める規格配光特性と比較して示す配光特性図。
【符号の説明】1…航空障害灯、2…下部灯体、3…上部灯体、4…灯体(基体)、5…LEDユニット(光源部)、6…取付台座(取付部)、13…ユニット本体、14…グローブ、15,15a,15b,15c…第1光源ユニット、15L…第1光源ユニットの配光特性、16,16a,16b,16c…第2光源ユニット、16L…第2光源ユニットの配光特性、17,17a,17b,17c…第3光源ユニット、17L…第3光源ユニットの配光特性、18,18a,18b,18c…第4光源ユニット、18L…第4光源ユニットの配光特性、19,19a,19b,19c…第5光源ユニット、19L…第5光源ユニットの配光特性、20…基板、21…発光ダイオード、21a…発光ダイオードの発光部、22…リード、A…従来の航空障害灯の配光特性、B…規格配光特性。
【発明の属する技術分野】本発明は航空障害灯に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、航空障害灯の設置については、航空法施行規則により種々規定されており、例えば60以上150m未満の高さのビル等の物件については、屋上の概形を示す位置で水平距離45m以下のほぼ等間隔の位置に付けることや、150m以上の物件は上から中光度、低光度航空障害灯の順に交互に設置し、最下段は低光度航空障害灯を設置すること、150m以上の高さの物件の取付段は、頂上から下へ52.5m毎の位置で、GLより150m未満となった位置までとし、それ以下には取り付けないことが規定されている。
【0003】
そして、近年の航空障害灯では、光源として寿命の長い発光ダイオードを使用してメンテナンスの向上を図ったものが種々提案されている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0004】
また、これら航空障害灯では発光ダイオードの発熱量が多いので、放熱性の向上を図っているが、その中には多数の発光ダイオードからのビーム光の光分布が同一水平面内で一様になるように構成したもの(特許文献1参照)もある。
【0005】
図9はこれら従来の航空障害灯の鉛直方向の配光分布の一例を曲線Aにより示し、規格値の曲線Bと比較して示す配光分布図である。
【0006】
すなわち、航空障害灯の鉛直方向の配光特性の規格は航空障害灯仕様書により曲線Bのように規定されており、ピークBpの光度が鉛直角約−3°から10°の幅において約100cdであり、上限光度Ulが約−3°以下の鉛直角で150cd以下に抑制することが規定されている。
【0007】
一方、従来の航空障害灯の鉛直方向の配光分布はこの規格値Bのピーク光度の範囲(鉛直方向角度)を十分な裕度を持って満たすために曲線Aの配光分布を示すように構成されていることが多い。
【0008】
【特許文献1】特開平11−260119号公報(明細書第2頁第2欄)
【0009】
【特許文献2】特開平9−69304号公報(明細書第2頁第2欄)
【0010】
【特許文献3】特公平8−24001号公報(明細書第2頁第3欄)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の航空障害灯の鉛直方向配光特性Aの場合には、規格配光特性BのピークBpの光度が約100cd程度であるのに対し、この光度を上回る光度となる場合があり、消費電力が大き過ぎるという課題がある。
【0012】
また、近年では住宅用の高層ビルが多数建設されているために、その周辺住民に対して航空障害灯によるグレアが発生する等、航空障害灯の設置環境も多様化している。このために、航空障害灯のピーク光度を制限する必要がある。
【0013】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、簡単な構成により、例えば航空障害灯仕様書で定める配光特性等、所要の配光特性を容易に得ることができる航空障害灯を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明は、所定の取付箇所に取り付ける取付部を有する基体と;この基体に配設され、鉛直方向における光度ピークの鉛直角がそれぞれ異なる一方、ピーク光度がほぼ等しい配光特性をそれぞれ有する複数の光源ユニットを備えた光源部と;を具備していることを特徴とする航空障害灯である。
【0015】
この発明によれば、航空障害灯全体としての配光特性は複数の光源ユニットの各配光特性をそれぞれ合成することにより得られるので、これら光源ユニットの各配光特性をそれぞれ適宜調整ないし制御することにより、航空障害灯全体の配光特性として、例えば図9の曲線Bで示す規格値の配光特性等、所要の配光特性を容易かつ簡単に得ることができる。
【0016】
また、複数の光源ユニットの配光特性をそれぞれ合成してなる合成配光特性のピークは、光度がほぼ等しい凸状の複数のピークを合成するので、若干の凹凸は残るもののほぼ平坦に形成することができる。このために、合成された配光特性のピーク光度も航空障害灯仕様書で定める規格配光特性の平坦なピーク光度に抑制することができるので、電力消費の低減とグレアの低減とを共に図ることができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、上記各光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性の各ピークが鉛直方向にずれるように配設してなることを特徴とする請求項1記載の航空障害灯である。
【0018】
この発明によれば、上記光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性のピークが鉛直方向で相互にずれるように配置することにより、これら複数の光源の配光特性を合成した配光特性を有するので、これら各光源の配光特性を適宜調整ないし制御することにより、各光源ユニットの合成配光特性として所要の配光特性を得ることができ、さらに、これら各光源ユニットの合成配光特性をさらに合成した航空障害灯全体としての合成配光特性を、規格値の配光特性等、所要の配光特性に容易に調整ないし制御することができる。
【0019】
請求項3に係る発明は、各光源が発光ダイオードであることを特徴とする請求項2記載の航空障害灯である。
【0020】
この発明によれば、上記各光源が長寿命の発光ダイオードであるので、高所等に設置される航空障害灯のメンテナンスを軽減することができる。
【0021】
請求項4に係る発明は、鉛直方向下側に位置する光源ユニットは、その配光特性が鉛直方向上側に位置する光源ユニットの配光特性よりも狭角になるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の航空障害灯である。
【0022】
この発明によれば、航空障害灯の鉛直方向下側に位置する光源部の配光特性がその鉛直方向上側に位置する光源部の配光特性よりも狭角であるので、航空障害灯の鉛直方向下側から、例えば、住宅用高層ビル等周辺へ投光される鉛直角範囲を狭少にすることができ、周辺住民のグレアを低減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は図3(a),(b)で示す本発明の第1実施形態に係る航空障害灯1の配光特性図、図2はこの図1で示す航空障害灯1の配光特性を、航空障害灯仕様書で定める規格の配光特性と比較して示す配光特性図、図3(a)はこの航空障害灯1の一部切欠平面図、図3(b)は同図(a)の航空障害灯1の一部を縦断面で示す部分縦断面図である。
【0025】
図3(a),(b)に示すように、本発明の第1実施形態に係る航空障害灯1は、例えばアルミニウム製角柱状等の下部灯体部2上に、これより大径の例えばアルミニウム製円盤状等の上部灯体部3を同心状に結合して基体の一例である灯体4を構成している。さらに、この上部灯体3上には光源部の一例であるLEDユニット5を同心状に配設している。
【0026】
下部灯体2は角柱状の柱部2aの図3(b)中下端部に、この柱部2aよりも大径のフランジよりなる取付台座6を一体に連成し、この取付台座6を図示しない建造物の外壁等に取付ボルト等により取り付けるために複数のボルト挿通孔6aを穿設している。
【0027】
また、下部灯体2は、柱部2aに、その軸方向に電源線7を挿通させる電線挿通孔8を穿設し、この電線挿通孔8の軸方向中間部にて、端子台9を収容する端子台収容部を形成している。
【0028】
一方、上部灯体部3は、その外周面に、複数の放熱フィン10,10,…を周方向に所要のピッチを置いて突設し、上部灯体部3の図3(b)中上面の中央部には、例えば平面形状が円形の回路収容凹部11を形成し、この回路収容凹部11内に点灯回路12を収容している。点灯回路12には電源線7を電気的に接続している。
【0029】
LEDユニット5は、上部灯体2上に、例えばアルミニウム製等の截頭円錐筒状のユニット本体13を同心状に立設する一方、このユニット本体13の外面を所要の間隙を置いて被覆する截頭円錐筒状の透光性を有する赤色のグローブ14を同心状に立設している。このグローブ14はその図中開口下端部を上部灯体3の図中上端部に外嵌させた状態で上部灯体3に固定されている。
【0030】
そして、図3(b)に示すように截頭円錐筒状のユニット本体13は、その側周面を、その縦断面形状が中心軸側に突の凹弧面13aになるように形成し、この凹弧面13aの外面に、複数の光源ユニットの一例である第1,2,3,4,5光源ユニット15,16,17,18,19を軸方向に多段に並設している。
【0031】
図3(b)中最下段に位置する光源ユニット15を第1光源ユニットとし、これより図中上方へ向けて、第2,第3,第4,第5光源ユニット16〜19を順次配設している。
【0032】
これら第1〜第5光源ユニット15〜19はユニット本体13の凹弧面13aの外周面にそれぞれ外嵌固定される環状帯状の各基板20の外周面に、複数の発光ダイオード(LED)21,21,…を、各リード22を介してマトリクス状に植設している。このために、これら発光ダイオード21の発光部21aは軸方向(図3(b)では上下方向)に所要のピッチで凹弧状に配設される。また、これら各発光ダイオード21の発光部21aはほぼ等輝度の赤色光を発光するものであり、各基板20の外面からほぼ垂直に起立する各リード22の長さとその起立角もみなほぼ等しくなるように構成されている。
【0033】
また、これら各光源ユニット15〜19の各発光ダイオード21には、点灯回路12に電気的に接続されたリード線23を、各基板20を介して電気的に接続し、点灯回路12により各発光ダイオード21を所要輝度の赤色不動光を発光させるようになっている。
【0034】
図1はこのように構成された航空障害灯1の鉛直方向の配光特性図である。この図1に示すように、第1〜第5光源ユニット15〜19の各配光特性15L,16L,17L,18L,19Lのピークは鉛直方向に所要角ずつずれているので、これら配光特性15L,16L,17L,18L,19Lを合成した合成配光特性24Lのピーク24Pをほぼ平坦に形成することができると共に、配光の立上りと立下りとを共に急峻にしてほぼ矩形状の配光特性に形成することができる。この合成された配光特性24Lが航空障害灯1全体としての配光特性となる。
【0035】
図2はこの合成配光特性24Lを、一点鎖線で示す航空障害灯仕様書で定める規格配光特性Bと比較して示す配光特性図である。この図2に示すように航空障害灯1の合成配光特性24Lは規格配光特性Bよりもほぼ全鉛直角範囲において光度が上回っており、しかも、ピーク24Pの光度も、例えば150cdの上限光度Ulよりも低く抑制されている。
【0036】
したがって、航空障害灯1の配光特性24Lは規格配光特性Bを満たすと共に、ピーク光度の高輝度に起因するグレアを低減することができると共に、電力消費を低減することができる。
【0037】
図4(a),(b),(c)は上記航空障害灯1の光源ユニット16〜19の他の実施形態の要部側面図である。これら他の実施形態は、図3(b)等で示す第1〜第5光源ユニット15〜19と同様に、これらの配光特性15L〜19Lのピークが垂直方向でずれるように各光源ユニット15〜19毎に発光ダイオード21の配列を変えた点で共通する。
【0038】
すなわち、図4(a)で示す第2の実施形態はユニット本体13bをほぼ樽状に湾曲形成することにより、その側周面を、図3(b)で示す第1の実施形態に係るユニット本体13の凹弧面13aとは逆の外方に凸の凸弧面13bに形成し、この凸弧面13bに外嵌固定される第1〜第5光源ユニット15a〜19aの各基板20をこの凸弧面13bに適合する凸弧面に湾曲形成した点に特徴がある。
【0039】
これら第1〜第5光源ユニット15a〜19aによってもこれら光源ユニット15a〜19aの配光特性は図1に示すように、その各ピークの光度がほぼ等しく、そのピークが鉛直方向にずれるので、第1〜第5光源ユニット15a〜19aの合成配光特性として図1で示す合成配光特性24Lを得ることができる。
【0040】
図4(b)で示す第3の実施形態はユニット本体13dを第5光源ユニット19bから第1光源ユニット15b側に向って漸次拡径する単なる截頭円錐形に形成することにより、その側周面を縦断面形状が直状面13dをなすように形成している。但し、この直状面13dは截頭円筒状のユニット本体13の周方向には環状に湾曲している。この直状面13dの外面に外嵌固定される第1〜第5光源ユニット15b〜19bの発光ダイオード21は、これらの基板20aを1枚に連成すると共に、この直状面13cに適合する直状面に形成している。また、この軸方向に直状の基板20aからそれぞれ起立する各リード22aの長さとその起立角とを適宜調整することにより、各発光ダイオード21の発光部21aを、図3(b)で示す第1〜第5光源ユニット15〜19の発光ダイオード21の発光部21aとほぼ同様に円弧状に配設するように構成している。
【0041】
図4(c)で示す第4の実施形態は図4(b)で示す第2の実施形態において、発光ダイオード21の1枚の基板20aの外面から外方へ起立するリード22bの長さとその起立角とを適宜調整することにより、第1光源ユニット15c〜第5光源ユニット19cの各発光ダイオード21の発光部21aを、例えば図4(a)で示す第2の実施形態とほぼ同様に外方に突の凸弧状に配設する点に特徴がある。
【0042】
したがって、この第3の実施形態によっても上記第2実施形態とほぼ同様の配光特性を得ることができる。
【0043】
図5は本発明の第5の実施形態の配光特性図である。この第5の実施形態はその配光特性の鉛直方向下側に位置する、例えば上記第1光源ユニット15,15a,15b,15cのいずれかの配光特性15Lを、鉛直方向上側に位置する、例えば第5光源ユニット19,19a,19b,19cのいずれかの配光特性19Lよりも狭角になるように構成した点に特徴がある。
【0044】
すなわち、第1光源ユニット15〜15cの発光ダイオード21としては、その指向特性が第5光源ユニット19〜19cの発光ダイオード21の指向特性よりも狭角のものを使用することにより、第1光源ユニット15〜15cの配光特性15Lを第5光源ユニット19〜19cの配光特性19Lよりも狭角に構成している。
【0045】
したがって、航空障害灯1の鉛直方向下側の第1光源ユニット15〜15cから鉛直方向下方の住宅等の周辺環境へ投光される光を抑制することができるので、周辺住民等のグレアを低減することができる。
【0046】
一方、航空障害灯1の鉛直方向上側への投光を抑制してグレアを低減する場合には、上記図5の場合とは逆に、航空障害灯1の配光特性の鉛直方向上側に位置する、例えば第5光源ユニット19,19a〜19cの各発光ダイオード21として、その指向特性が第1光源ユニット15,15a〜15cの発光ダイオード21の指向特性よりも狭角のものを使用するとよい。
【0047】
図6〜図8は本発明の第6〜第11の実施形態の要部概略正面図である。これら第6〜第11の実施形態は発光ダイオード21以外のハロゲン電球や白熱電球等の光源を使用し、この光源の配光特性に、鉛直角が異なる複数のピークを形成するように構成した点に特徴がある。
【0048】
図6(a)で示す第6の実施形態では、ハロゲン電球、白熱電球、ネオン、キセノン、電球型蛍光ランプ等の単一の光源25の近傍側方にてグローブ14aの外面に、外方に凸の複数(例えば2つ)の凸レンズ部26a,26bをそれぞれ一体に形成している。
【0049】
このために、単一の光源25からの光は2つの凸レンズ26a,26bを透過することにより、2条の光に分離し、鉛直方向(図6(a)では上下方向)に、2つのピークPa,Pbをそれぞれ形成する2つの配光特性が形成され、これら2つの配光が合成される。
【0050】
図6(b)で示す第7の実施形態は鉛直方向(図6(b)では上下方向)の縦断面形状が平板状のグローブ14bを使用する一方、例えば2つの光源25a,25bを鉛直方向に並設している。
【0051】
この第7実施形態によっても、鉛直方向にずれた2つのピークPa,Pbを有する配光特性を得ることができ、これら2つの配光が合成される。
【0052】
図7(a),(b)で示す第8実施形態は単一の光源25の側方近傍において、鉛直方向(図中、上下方向)に所要の間隔を置いて傾動自在の例えば2組の光ルーバ27a,27bをそれぞれ配設し、これら光ルーバ27a,27bの内,外両側に、ガラス等の左右一対の透光プレート14c,14dを配設している。
【0053】
この第8実施形態によっても、光ルーバ27a,27bの傾動角を適宜制御することにより鉛直角が異なる2つのピークPa,Pbを有する配光特性を得ることができ、これら配光は合成される。しかも、図7(a),(b)に示すようにこれら光ルーバ27a,27bの傾動角を適宜制御することにより、各ピークPa,Pbの鉛直角を適宜制御することができる。
【0054】
図8(a)で示す第9実施形態は、単一の光源25の下部周りと上方とに、皿状本体の内部に凸弧状反射面27a,28aをそれぞれ形成した上下一対の有底皿状の反射鏡27,28を同心状に配設している。下部皿状反射鏡27は、その皿状小径端部(図中、上端部)に光源25の下部を挿入させる開口27bを形成している。上部皿状反射鏡28は、その小径端部に光源25からの光を入射させる開口28bを形成している。
【0055】
これら皿状反射鏡27,28は、その一側面に出光口27c,28cをそれぞれ開口させている。このために、これら出光口27c,28cから外方へそれぞれ出光される配光には鉛直角が異なる2つのピークPa,Pbがそれぞれ形成され、これら配光が合成される。
【0056】
図8(b)で示す第10実施形態は、図8(a)で示す皿状反射鏡27,28に代えて上下一対の有底椀状の反射鏡29,30を設けた点に特徴がある。
【0057】
これら椀状反射鏡29,30は椀状本体の内面に凹弧状反射面29a,30aを形成し、椀状小径端部に光源25の下部が挿入される開口29bと入光口30bとをそれぞれ形成し、さらに、これらの一側面出光口29c,30cをそれぞれ開口させている。
【0058】
このために、これら出光口29c,30cから外方へ出光される配光には鉛直角が異なる2つのピークPa,Pbがそれぞれ形成され、これら配光が合成される。
【0059】
したがって、これら第6〜第10実施形態によれば、複数のピークが鉛直方向にずれた複数の配光特性がそれぞれ得られ、合成されるので、これら複数の配光特性を適宜調整ないし制御することにより上記規格配光特性等、所要の配光特性を容易に得ることができる。
【0060】
なお、上記第1〜第5実施形態では光源ユニットである第1〜第5光源ユニット15〜19を5つ設けることにより、ピーク鉛直角が異なる5つの配光特性15L〜19Lを得る場合について説明し、第6〜第10実施形態ではピーク鉛直角が異なる2つの配光特性を得る場合について説明したが、本発明はこれら配光特性およびピークの数については限定されるものではなく、複数であれば3以上の所要数のいずれでもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本願請求項1に係る発明は、航空障害灯全体としての配光特性は複数の光源ユニットの各配光特性をそれぞれ合成することにより得られるので、これら光源ユニットの各配光特性をそれぞれ調整ないし制御することにより、航空障害灯全体の配光特性として、所要の配光特性を容易かつ簡単に得ることができる。
【0062】
また、複数の光源ユニットの配光特性を合成した配光のピークは、光度がほぼ等しい凸状のピークを合成するので、若干の凹凸は残るもののほぼ平坦に形成することができる。このために、合成した配光特性のピーク光度も航空障害灯仕様書で定める規格配光特性の平坦なピーク光度に抑制することができるので、電力消費の低減とグレアの低減を図ることができる。
【0063】
請求項2に係る発明によれば、上記光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性のピークが鉛直方向で相互にずれるように配置することにより、これら複数の光源の配光特性を合成した配光特性を有するので、これら各光源の配光特性を適宜調整ないし制御することにより、各光源ユニットの合成配光特性として所要の配光特性を得ることができ、さらに、これら各光源ユニットの合成配光特性をさらに合成した航空障害灯全体としての合成配光特性を、規格値の配光特性等、所要の配光特性に容易に調整ないし制御することができる。
【0064】
また、請求項3に係る発明によれば、上記各光源が長寿命の発光ダイオードであるので、高所等に設置される航空障害灯のメンテナンスを軽減することができる。
【0065】
請求項4に係る発明によれば、航空障害灯の鉛直方向下側に位置する光源部の配光特性がその鉛直方向上側に位置する光源部の配光特性よりも狭角であるので、航空障害灯の鉛直方向下側から、例えば、住宅用高層ビル等周辺へ投光される鉛直角範囲を狭少にすることができ、周辺住民のグレアを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る航空障害灯の第1〜第5光源ユニットの各配光特性と、これら各配光特性をそれぞれ合成してなる航空障害灯全体としての配光特性とを比較して示す配光特性図。
【図2】図1で示す航空障害灯の配光(合成配光)特性と、航空障害灯使用書等で定める規格値の配光特性とを比較して示す配光特性図。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態に係る航空障害灯の一部切欠平面図、(b)は本発明の第1実施形態に係る航空障害灯の一部を縦断面で示す部分縦断面図。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態の要部正面図、(b)は本発明の第3実施形態の要部正面図、(c)は本発明の第4実施形態の要部正面図。
【図5】本発明の第5の実施形態の配光特性図。
【図6】(a)は本発明の第6の実施形態の概略正面図、(b)は本発明の第7の実施形態の概略正面図。
【図7】(a)、(b)は本発明の第8の実施形態の概略正面図。
【図8】(a)は本発明の第9の実施形態の概略正面図、(b)は本発明の第10の実施形態の概略正面図。
【図9】従来の航空障害灯の配光特性を、航空障害灯仕様書で定める規格配光特性と比較して示す配光特性図。
【符号の説明】1…航空障害灯、2…下部灯体、3…上部灯体、4…灯体(基体)、5…LEDユニット(光源部)、6…取付台座(取付部)、13…ユニット本体、14…グローブ、15,15a,15b,15c…第1光源ユニット、15L…第1光源ユニットの配光特性、16,16a,16b,16c…第2光源ユニット、16L…第2光源ユニットの配光特性、17,17a,17b,17c…第3光源ユニット、17L…第3光源ユニットの配光特性、18,18a,18b,18c…第4光源ユニット、18L…第4光源ユニットの配光特性、19,19a,19b,19c…第5光源ユニット、19L…第5光源ユニットの配光特性、20…基板、21…発光ダイオード、21a…発光ダイオードの発光部、22…リード、A…従来の航空障害灯の配光特性、B…規格配光特性。
Claims (4)
- 所定の取付箇所に取り付ける取付部を有する基体と;
この基体に配設され、鉛直方向における光度ピークの鉛直角がそれぞれ異なる一方、ピーク光度がほぼ等しい配光特性をそれぞれ有する複数の光源ユニットを備えた光源部と;
を具備していることを特徴とする航空障害灯。 - 上記各光源ユニットは、複数の光源を、これらの配光特性の各ピークが鉛直方向にずれるように配設してなることを特徴とする請求項1記載の航空障害灯。
- 各光源が発光ダイオードであることを特徴とする請求項2記載の航空障害灯。
- 鉛直方向下側に位置する光源ユニットは、その配光特性が鉛直方向上側に位置する光源ユニットの配光特性よりも狭角になるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の航空障害灯。
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