【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用液浸油に関し、詳しくは低蛍光性を有し、特に蛍光顕微鏡用として好適な液浸油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、顕微鏡分野において液浸油は極めて一般的に用いられている。液浸油を光学的に使用すると、液浸油を使用しない場合とくらべて、実質的に少ない面収差が得られるだけでなく、対物レンズの開口数を大きくして、顕微鏡の倍率を高めることができる。
この場合に用いる液浸油として、フタル酸ベンジルブチルと塩素化パラフィンとからなるもの(例えば、特許文献1参照)、液状ジエン系重合体と流動パラフィンからなるもの(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、これらの液浸油は屈折率、アッベ数、粘度、解像力など顕微鏡用液浸油に要求される諸性質をほぼ充分そなえているものの、分光光度計などによる測定においてその蛍光性が比較的強いなどの欠点を有している。
一般に蛍光を発する物体などの観察に用いられる蛍光顕微鏡は、紫外線などの励起光を検査体に照射し、検査体の発する蛍光を観察するものであり、生物学などの広い分野において利用されている。特に最近は非常に少量の蛍光を検出する蛍光顕微鏡の技術が研究されており、このような非常に弱い蛍光を検出する場合に、蛍光顕微鏡の光学系に用いられる液浸油が紫外線励起により発する蛍光が大きいと、検出時のノイズとなって、検出精度が低下する。この点に関して液浸油に関する改良研究が行われているものの、前述のように、昨今のニーズでは液浸油の更なる低蛍光化が求められており、このニーズを充分に満足するものではなかった。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4465621号明細書
【特許文献2】
特公平4−13687号公報(第1頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解消し、紫外線励起による蛍光発生量が小さく、また、環境や人体への悪影響が極めて少なく、しかも屈折率、アッベ数、粘度、解像力など顕微鏡用液浸油に要求される他の諸特性も良好であり、特に蛍光顕微鏡用として好適な顕微鏡用液浸油を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記状況に鑑み、低蛍光性でかつ他の諸特性にも優れた液浸油を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の液状ジエン系重合体に、特定の炭素数を有するα−オレフィンを配合することによって、その目的を達成しえることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)(A)液状ジエン系共重合体に、(B)α−オレフィンを配合することを特徴とする顕微鏡用液浸油、
(2)前記液状ジエン系重合体(A)の数平均分子量が、300〜25000である上記(1)の顕微鏡用液浸油、及び
(3)前記α−オレフィン(B)の炭素数が、8〜24である上記(1)または(2)の顕微鏡用液浸油、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の顕微鏡用液浸油は、(A)液状ジエン系共重合体に、(B)α−オレフィンを配合することを特徴とする。
本発明に用いられる(A)成分の液状ジエン系重合体としては、特に制限はないが、数平均分子量が300〜25000、好ましくは500から10000の液状ジエン系重合体が用いられる。
これらの液状ジエン系重合体としては、炭素数4〜12のジエンモノマーからなるジエン単独重合体、ジエン共重合体、及びこれらジエンモノマーと炭素数2〜22のα−オレフィン付加重合性モノマーとの共重合体などがある。例えば、ブタジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、クロロプレンホモポリマー、ブタジエン−イソプレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−2−ヘキシルアクリレートコポリマーなどが挙げられる。
また、液状ジエン系重合体は水酸基などの官能基を分子内及び/又は分子末端に有してもよい。あるいは官能基を持たない液状ジエン系重合体との混合物であってもよい。なお、これらの液状ジエン系重合体は、一種単独でも二種以上組み合わせて用いてもよい。
【0008】
また、本発明で用いられる(B)成分であるα−オレフィンは、炭素数が8〜24であるものであれば特に制限はないが、室内で使用すること及び混合時の取り扱いを考慮すると、炭素数12〜18のものが好ましい。(B)成分であるα−オレフィンとしては、例えば、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。中でも、炭素数12〜18の1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン及び1−オクタデセン等が好ましい。これらの(B)成分であるα−オレフィンは、一種単独でも二種以上の任意の割合で混合して使用してもよい。
(B)成分の炭素数が、8未満だと有害性の問題があり、炭素数が24を超えると固体になり配合が困難となる場合がある。
【0009】
本発明の液浸油において、(A)成分である液状ジエン系重合体と、(B)成分であるα−オレフィンの配合質量比は、適宜設定することができるが、99/1〜10/90が好ましく、特に、95/5〜30/70の範囲が好ましい。
本発明の顕微鏡用液浸油は、前述のように液状ジエン系化合物とα−オレフィンを含むものであれば、優れた低蛍光性を示し、同時に、顕微鏡用液浸油に要求される他の諸性質も良好である。
ここで、液浸油に要求される低蛍光性以外の諸特性としては、屈折率、アッベ数、粘度、不乾性、外観、耐候性、耐蝕性、コントラスト、解像力、色収差及び透明度など多くの項目が挙げられる。
【0010】
また、本発明の顕微鏡用液浸油には、本来の液浸油としての効果を損なわない限りにおいて他の成分を含有してもよい。この場合、他の成分としては、例えば、液状飽和炭化水素、脂肪族飽和アルコール、脂環族アルコール及び芳香族エステル化合物などが挙げられる。さらにまた、本発明の顕微鏡用液浸油には、通常の蛍光顕微鏡用液浸油などの顕微鏡液浸油に用いられる添加剤、配合剤などを添加して用いることも可能である。
また、(A)成分と(B)成分の配合の方法についても特に制限はなく、通常、常温付近で攪拌混合することによって配合する方法が好適に用いられる。
このようにして得られた本発明の顕微鏡用液浸油は、通常の顕微鏡用の液浸油、特に蛍光顕微鏡用の液浸油として好適に使用することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、顕微鏡用液浸油の各種評価は下記の方法を用いて行った。
(1)低蛍光性
蛍光顕微鏡は、光源として蛍光を励起させる紫外線を発する超高圧水銀ランプを使用した。この場合に用いられる励起光としては、波長の長さにより、U励起、V励起、B励起、G励起があり、各励起において蛍光発生量の少ない液浸油が、蛍光顕微鏡にとって望ましい。(日立製作所(株)製 分光蛍光光度計 F−2000によって測定した。)
(2)屈折率(n23 D)及びアッベ数(ν23 D)
いずれもJIS K2101に準拠した。顕微鏡用液浸油として好ましい屈折率の範囲は、1.5140〜1.5160であり、又アッベ数の範囲は40〜60である。
(3)動粘度
JIS K2283に準拠した。顕微鏡用液浸油として好ましい動粘度の範囲は、120〜600cSt(25℃)である。
(4)不乾性
JIS C2201「電気絶縁油」蒸発量試験に準じ、30℃×24時間で試験を行い、次の二段階で評価した。
良好 (○):蒸発量1重量%未満 不良 (×):1重量%以上
(5)外観
試料を清浄なガラス容器に採り、濁りの有無を確認した。
にごり無し:(○) 濁り若干あり:(△)
(6)耐候性
次の(7)、(8)項記載の評価法である光照射試験及び熱劣化試験の結果ならびに当該試験前後での屈折率、アッベ数、色相の変化により次の二段階で評価した。
良好(○):屈折率、アッベ数、色相共に変化無し。
不良(×):屈折率、アッベ数、色相のいずれかに変化あり。
(7)光照射試験
一定量(40±0.5g)の試料をシャーレーに採り、光を一定時間(24,72,120時間)照射後の屈折率の変化を測定した。変化無しを良好(○)とした。
(8)加熱劣化試験
一定量(40±0.5g)の試料を50mlの共栓付三角フラスコに採り、一定温度(40,70℃)の恒温槽中で24時間保ち、その後の屈折率、アッベ数、色相の変化を観察した。 変化無しを良好(○)とした。
(9)耐蝕性
全酸価(JIS K2501)及び塗抹標本用染料への影響(JIS K2400)の測定により腐食性有無を調べた。腐蝕無しを(○)、有りを(×)とした。
(10)コントラスト
当該液浸油を用いた顕微鏡において、クロム蒸着をした白黒のプレートに刻んだ白黒の線を見ることにより、次の二段階により評価した。
良好(○):明瞭 不良(×):やや不鮮明
(11)解像力
屈折率により次の二段階で評価した。
良好(○):1.5140〜1.5160 不良(×):左記範囲外
(12)色収差
アッベ数により、次の2段階で評価した。
良好(○):40〜46 不良(×):左記範囲外
(13)透明度
透過率(JIS K0115)により、次の二段階で評価した。
良好(○):95%以上 不良(×)95%未満
【0012】
実施例1〜3及び比較例1〜3
第1表に示した各成分をそれぞれ表示量で配合し、25℃で10分間攪拌混合して顕微鏡用液浸油を調製し、これらの液浸油について前記評価方法によって試験を行った。評価結果を第1表に示す。第1表中、評価欄の○印は、良好又は好適、×印は不良もしくは不適当を表す。ただし、低蛍光性の評価について○印は、蛍光性が低いことを示し、△印は、蛍光性が若干高いことを示す。また、外観の評価について○印は、濁り無し、△印は濁り若干ありを示す。
また、各励起光における蛍光強度(相対強度)を第2表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
*1:液状ポリブタジエン 数平均分子量1600
*2:水酸基含有液状ポリブタジエン出光石油化学(株)社製 商品名「Polybd R−45HT」 数平均分子量2800、水酸基含量0.83mol/kg
*3:水酸基含有液状ポリイソプレン 数平均分子量2500、水酸基含量0.82mol/kg
*4:α−オレフィン (炭素数12)出光石油化学(株)社製
*5:α−オレフィン (炭素数18)出光石油化学(株)社製
*6:流動パラフィン 出光興産(株)社製 商品名「ダフニーオイルCP」
*7:塩素化パラフィン 東ソー(株)社製 商品名「トヨパラックス」 塩素含有量50重量%
【0015】
【表2】
【0016】
第1表及び第2表の結果から顕微鏡用液浸油として必要な諸特性を充分維持し、低蛍光性が改良されている。
【0017】
【発明の効果】
本発明の顕微鏡用液浸油は、低蛍光性であり、かつ屈折率、アッベ数、粘度、解像力など液浸油として必要な他の諸特性を高度に維持し、特に蛍光顕微鏡用の液浸油として著しく優れた顕微鏡用液浸油を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an immersion oil for a microscope, and more particularly, to an immersion oil having low fluorescence and particularly suitable for a fluorescence microscope.
[0002]
[Prior art]
In the past, immersion oil has been very commonly used in the field of microscopes. Optically using immersion oil not only results in substantially less surface aberrations than when immersion oil is not used, but also increases the numerical aperture of the objective lens and increases the magnification of the microscope. Can be.
As the immersion oil used in this case, one composed of benzyl butyl phthalate and chlorinated paraffin (for example, see Patent Document 1), one composed of a liquid diene polymer and liquid paraffin (for example, see Patent Document 2), and the like It has been known.
However, although these immersion oils have almost all the properties required for microscope immersion oils such as refractive index, Abbe number, viscosity, and resolving power, their fluorescence is relatively low when measured by a spectrophotometer. It has drawbacks such as strong.
Generally, a fluorescence microscope used for observing an object that emits fluorescence irradiates a test object with excitation light such as ultraviolet light and observes the fluorescence emitted from the test object, and is used in a wide range of fields such as biology. . In particular, recently, a technique of a fluorescence microscope that detects a very small amount of fluorescence has been studied, and when such a very weak fluorescence is detected, the immersion oil used in the optical system of the fluorescence microscope is emitted by ultraviolet excitation. If the fluorescence is large, it becomes noise at the time of detection, and the detection accuracy decreases. Although improvement research on immersion oil has been carried out in this regard, as described above, recent needs call for further reduction in fluorescence of immersion oil, and this need is not fully satisfied. Was.
[0003]
[Patent Document 1]
US Patent No. 4,465,621 [Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 4-13687 (page 1)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems, requires a small amount of fluorescence generated by ultraviolet excitation, has a very small adverse effect on the environment and the human body, and further requires a liquid immersion oil for a microscope such as a refractive index, an Abbe number, a viscosity, and a resolving power. It is another object of the present invention to provide a microscope immersion oil which is particularly suitable for a fluorescence microscope.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above situation, the present inventors have conducted intensive studies to develop an immersion oil having low fluorescence and excellent other properties.As a result, a specific liquid diene polymer has a specific carbon content. It has been found that the purpose can be achieved by blending α-olefins having a number. The present invention has been completed based on such findings.
[0006]
That is, the present invention
(1) (A) a liquid diene copolymer, (B) an immersion oil for microscopes, characterized by blending an α-olefin,
(2) The liquid diene polymer (A) has a number average molecular weight of 300 to 25,000, the immersion oil for microscope according to (1) above, and (3) the α-olefin (B) has a carbon number of: The immersion oil for microscope according to the above (1) or (2), which is 8 to 24,
Is provided.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
First, the immersion oil for microscopes of the present invention is characterized in that (A) a liquid diene-based copolymer is mixed with (B) an α-olefin.
The liquid diene polymer of the component (A) used in the present invention is not particularly limited, but a liquid diene polymer having a number average molecular weight of 300 to 25,000, preferably 500 to 10,000 is used.
Examples of these liquid diene polymers include diene homopolymers composed of diene monomers having 4 to 12 carbon atoms, diene copolymers, and diene monomers and α-olefin addition polymerizable monomers having 2 to 22 carbon atoms. And copolymers. For example, butadiene homopolymer, isoprene homopolymer, chloroprene homopolymer, butadiene-isoprene copolymer, butadiene-acrylonitrile copolymer, butadiene-2-hexyl acrylate copolymer and the like can be mentioned.
Further, the liquid diene polymer may have a functional group such as a hydroxyl group in the molecule and / or at the molecular terminal. Alternatively, it may be a mixture with a liquid diene polymer having no functional group. In addition, these liquid diene polymers may be used alone or in combination of two or more.
[0008]
Further, the α-olefin as the component (B) used in the present invention is not particularly limited as long as it has 8 to 24 carbon atoms, but considering indoor use and handling during mixing, Those having 12 to 18 carbon atoms are preferred. Examples of the α-olefin as the component (B) include 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, and 1-eicosene. Among them, 1-dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, and 1-octadecene having 12 to 18 carbon atoms are preferable. These α-olefins as the component (B) may be used alone or as a mixture of two or more kinds at an arbitrary ratio.
If the number of carbon atoms of the component (B) is less than 8, there is a problem of harmfulness.
[0009]
In the immersion oil of the present invention, the compounding mass ratio of the liquid diene polymer as the component (A) and the α-olefin as the component (B) can be appropriately set, but is 99/1 to 10/100. 90 is preferred, and in particular, the range of 95/5 to 30/70 is preferred.
The microscope immersion oil of the present invention, if it contains a liquid diene compound and an α-olefin as described above, exhibits excellent low fluorescence, and at the same time, other required for the microscope immersion oil. Various properties are also good.
Here, various properties other than low fluorescence required for the immersion oil include many items such as refractive index, Abbe number, viscosity, non-dryness, appearance, weather resistance, corrosion resistance, contrast, resolution, chromatic aberration and transparency. Is mentioned.
[0010]
The immersion oil for a microscope of the present invention may contain other components as long as the original effect as the immersion oil is not impaired. In this case, examples of other components include liquid saturated hydrocarbons, aliphatic saturated alcohols, alicyclic alcohols, and aromatic ester compounds. Furthermore, the immersion oil for microscopes of the present invention can be used by adding additives, compounding agents and the like used for immersion oil for microscopes such as ordinary immersion oil for fluorescence microscope.
The method of blending the components (A) and (B) is not particularly limited, and usually, a method of blending by stirring and mixing at around normal temperature is suitably used.
The immersion oil for a microscope of the present invention thus obtained can be suitably used as an immersion oil for an ordinary microscope, particularly, an immersion oil for a fluorescence microscope.
[0011]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
In addition, various evaluations of the liquid immersion oil for microscope were performed using the following methods.
(1) The low-fluorescence fluorescence microscope used an ultrahigh-pressure mercury lamp that emits ultraviolet light to excite fluorescence as a light source. The excitation light used in this case includes U excitation, V excitation, B excitation, and G excitation depending on the length of the wavelength, and an immersion oil that generates a small amount of fluorescence in each excitation is desirable for a fluorescence microscope. (Measured by a spectrofluorometer F-2000 manufactured by Hitachi, Ltd.)
(2) Refractive index (n 23 D ) and Abbe number (ν 23 D )
All conformed to JIS K2101. The preferred range of the refractive index for the immersion oil for a microscope is 1.5140 to 1.5160, and the range of the Abbe number is 40 to 60.
(3) Kinematic viscosity Based on JIS K2283. A preferable kinematic viscosity range for the microscope immersion oil is 120 to 600 cSt (25 ° C.).
(4) Non-drying In accordance with JIS C2201 “Electric insulating oil” evaporation test, the test was performed at 30 ° C. for 24 hours, and evaluated in the following two stages.
Good (○): Evaporation amount less than 1% by weight Poor (X): 1% by weight or more (5) An external sample was taken in a clean glass container and checked for turbidity.
No smear: (○) Some turbidity: (△)
(6) Weather resistance The following two steps are based on the results of the light irradiation test and the thermal degradation test, which are the evaluation methods described in the following items (7) and (8), and changes in the refractive index, Abbe number, and hue before and after the test. Was evaluated.
Good (O): No change in refractive index, Abbe number, and hue.
Poor (x): Any change in refractive index, Abbe number, or hue.
(7) Light irradiation test A fixed amount (40 ± 0.5 g) of a sample was taken in a petri dish, and the change in the refractive index after irradiation with light for a certain time (24, 72, 120 hours) was measured. No change was evaluated as good (○).
(8) Heat Deterioration Test A fixed amount (40 ± 0.5 g) of a sample is taken in a 50 ml Erlenmeyer flask with a stopper and kept in a constant temperature bath (40, 70 ° C.) for 24 hours. Changes in Abbe number and hue were observed. No change was evaluated as good (○).
(9) Corrosion Resistance The presence or absence of corrosiveness was examined by measuring the total acid value (JIS K2501) and the effect on dyes for smears (JIS K2400). No corrosion was indicated by (○), and existence was indicated by (x).
(10) Contrast In a microscope using the immersion oil, black-and-white lines engraved on a chromium-deposited black-and-white plate were evaluated by the following two steps.
Good (O): Clear Poor (X): Slightly unclear (11) Evaluated by the following two steps based on the refractive index.
Good (O): 1.5140 to 1.5160 Poor (X): Out of the range shown on the left (12) Chromatic aberration Above number was evaluated in the following two stages.
Good (O): 40 to 46 Poor (X): Out of the range described on the left (13) The transparency was evaluated by the following two steps based on the transmittance (JIS K0115).
Good (O): 95% or more Bad (X) Less than 95%
Examples 1-3 and Comparative Examples 1-3
The components shown in Table 1 were blended in the indicated amounts, and stirred and mixed at 25 ° C. for 10 minutes to prepare immersion oils for microscopes. These immersion oils were tested by the above-described evaluation method. Table 1 shows the evaluation results. In Table 1, a circle in the evaluation column indicates good or suitable, and a cross indicates poor or inappropriate. However, in the evaluation of low fluorescence, a circle indicates that the fluorescence is low, and a triangle indicates that the fluorescence is slightly high. Regarding the evaluation of the appearance, the mark ○ indicates no turbidity, and the mark △ indicates slight turbidity.
Table 2 shows the fluorescence intensity (relative intensity) of each excitation light.
[0013]
[Table 1]
[0014]
* 1: Liquid polybutadiene number average molecular weight 1600
* 2: Hydroxyl group-containing liquid polybutadiene “Polybd R-45HT” manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Number average molecular weight 2800, hydroxyl group content 0.83 mol / kg
* 3: Hydroxy group-containing liquid polyisoprene number average molecular weight 2500, hydroxyl group content 0.82 mol / kg
* 4: α-olefin (C12) manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. * 5: α-olefin (C18) manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. * 6: Liquid paraffin manufactured by Idemitsu Kosan Co., Ltd. Product name "Daphne Oil CP"
* 7: Chlorinated paraffin, manufactured by Tosoh Corporation "Toyoparax", chlorine content 50% by weight
[0015]
[Table 2]
[0016]
From the results of Tables 1 and 2, various properties required for immersion oil for microscopes are sufficiently maintained, and low fluorescence is improved.
[0017]
【The invention's effect】
The immersion oil for microscopes of the present invention has low fluorescence, and maintains a high degree of other properties required as immersion oil such as refractive index, Abbe number, viscosity, and resolving power. It is possible to provide an immersion oil for a microscope which is extremely excellent as an oil.