【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流体機械に係わり、特にブレードの材質及びその取付けを改良した流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内冷暖房用空気調和機、冷蔵庫、冷凍ショーケース等には冷凍サイクルが組み込まれており、この冷凍サイクルに冷媒を圧縮するコンプレッサが備えられている。この種のコンプレッサには、レシプロタイプのほかにロータリタイプのコンプレッサが普及しているが、圧縮機構部にヘリカルブレードを採用したヘリカルコンプレッサが開発されている。
【0003】
ヘリカルコンプレッサは、螺旋状のブレードを、ローラ外周に形成した螺旋状溝に巻きつけた状態で、シリンダ内腔に挿入し、ローラをシリンダ中心から偏心させることによって、圧縮室を形成する。モータの回転によって、螺旋状のブレードが、螺旋状溝を出入りする動きをする。このとき、ブレードと螺旋状溝は、互いにその形状がわずかに違っているので、ブレードが螺旋状溝を出入りするときには、ブレードが変形して溝形状にならうことで、その動きを可能にしている。
【0004】
しかしながら、ヘリカルコンプレッサのブレード材料として、変形可能な弾性材料を用いるという条件を付すとその材質は限定される、例えば、フッ素樹脂材料を使用することが考えられる(例えば特許文献1など)。この場合の問題として、圧力が高いときには、使用範囲が限られるという点がある。螺旋プレードに弾性材料を用いると、ブレード両面に大きな差圧を受けたとき、螺旋ブレードの応力が高くなり、この応力が材料の許容応力を超えた場合には、摩耗に到る危険性がある。
【0005】
そこで、高圧力条件下で使用されても信頼性を確保できるヘリカルコンプレッサが要望されていた。
【0006】
また、図13に示すように、従来のヘリカルコンプレッサは、螺旋状のブレード61がシリンダ62内を偏心公転するローラ63に設けられた螺旋状溝64を出入りするとき、ブレード61は差圧によって溝側壁63aに押付けられ、摺動による摩擦損失が発生し、ヘリカルコンプレッサの効率を低下させる問題があった。
【0007】
そこで流体機械の螺旋状のブレードと螺旋状溝の摺動による摩擦損失を低減でき、高効率な流体機械が要望されていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−19683号公報(明細書第4頁左欄下段第10行〜第5頁左欄上段第1行、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、高圧力条件下で使用されても信頼性を確保できる流体機械を提供することを目的とする。
【0010】
また、流体機械の螺旋状のブレードと螺旋状溝の摺動による摩擦損失を低減でき、高効率な流体機械を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、円筒状のシリンダと、このシリンダ内に偏心して配置され外周面に螺旋状溝を有するローラと、このローラの前記螺旋状溝に嵌められた螺旋状のブレードを有するヘリカル機構部を備えた流体機械において、前記ブレード全体を金属材料で形成したことを特徴とする流体機械が提供される。これにより、高圧力条件下で使用されても信頼性を確保できる流体機械が実現される。
【0012】
好適な一例では、前記金属材料は、バネ鋼あるいはピアノ線である。これにより、バネ性を有しており、弾性範囲が広くなり、許容応力が大きくなる。
【0013】
また、他の好適な一例では、前記ブレードの断面の半径方向高さ寸法は、ブレードの外周直径の10分の1以下である。また前記ブレードの外周直径は、ブレードの最大螺旋ピッチよりも大きい。これにより、ブレードが螺旋状溝を出入りするための必要変形量が、クリアランス量以下になり、ブレードが金属材料で形成されていても螺旋状溝の出入動作が可能になる。
【0014】
また、他の好適な一例では、前記ブレードの断面形状は、略矩形形状または内周側の幅寸法が外周側の幅寸法よりも小さい略台形形状であるとともに、内周面が内周側に凸の曲面状に形成されている。
【0015】
また、本発明の他の態様によれば、円筒状のシリンダと、このシリンダ内に偏心して配置され外周面に螺旋状溝を有するローラと、このローラの前記螺旋状溝に嵌められた螺旋状のブレードを有するヘリカル機構部を備えた流体機械において、前記ブレードは、剛性が高くかつ螺旋状溝の少なくとも吸込み側の側面に接触しないように位置決めされている。これにより、流体機械の螺旋状のブレードと螺旋状溝の摺動による摩擦損失を低減でき、高効率な流体機械が実現される。
【0016】
好適な一例では、前記ブレードのスラスト方向への移動を規制する規制部材をブレードの少なくとも一端側に備える。これにより、ブレードのスラスト方向の動きが抑制されて両者の相対位置が固定され、ブレードの端部が螺旋状溝端部から乗り上げてローラによってかじりを受けることがない。
【0017】
また、他の好適な一例では、前記規制部材は、ブレードの螺旋方向への移動を規制するストッパを兼用しかつ、その断面がL字状またはコ字状に形成されている。これにより、ブレードは螺旋状溝の吸込み側の側面に接触することがないので、摺動による摩擦損失が防止される。
【0018】
また、他の好適な一例では、前記ブレードは、シリンダに固定されている。これにより、ブレードが螺旋状溝の吸込み側の側面に接触することがなく、摺動による摩擦損失が防止され、また、ブレードの端部が螺旋状溝の端部から乗り上げてローラによってかじりを受けることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる流体機械の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明に係わる流体機械の第1実施形態の横型ヘリカルコンプレッサの縦断面図である。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態の横型ヘリカルコンプレッサ1は、密閉状のケース2と、このケース2に収納されたヘリカル機構部例えばヘリカル圧縮機構部3と、このヘリカル圧縮機構部3を駆動させ、モータロータ41を有する電動機部4と、この電動機部4とヘリカル圧縮機構部3間に設けられ電動機部4の動力をヘリカル圧縮機構部3に伝達しクランク部51を有するクランクシャフト5とを有しており、これらの各構成要素が一直線上に配置されている。
【0022】
ヘリカル圧縮機構部3は、横置きタイプのシリンダ(シリンダブロック)31と、このシリンダ31内腔に偏心して設置される回転体としての金属製のローラ32と、このローラ32とシリンダ31との間に介装される螺旋状のブレード33とを有している。
【0023】
このブレード33は、全体が金属材料、好ましくはバネ鋼あるいはピアノ線で形成され、螺旋形状をなし、ローラ32に設けられた螺旋状溝34に出入り自在に収納され、このブレード33によりシリンダ31とローラ32との間に作動室としての複数の圧縮室35がシリンダ軸方向に沿って形成されている。
【0024】
ここで、ブレード33は螺旋状溝34に対して旋回運動するので、ブレード33の断面は螺旋の全ての位置で同一であり、螺旋状溝34の断面も螺旋の全ての位置で同一とする。ブレード33の外経と螺旋状溝34の外経は、互いに異なるので、螺旋の傾きなど形状がわずかに違っており、ブレード33が金属材料からなっていると、その形状によっては螺旋状溝を出入りすることができなくなる。従って、螺旋状溝34の断面寸法は、ブレード33のそれに対して、動きに必要なクリアランス分だけ大きくとった寸法になっている。ブレード33が螺旋状溝34を出入りするための必要変形量は、クリアランスの量以下であれば、ブレード33とローラ32の動きは可能になる。
【0025】
ブレード33が金属材料からなっていても螺旋状溝34を出入り可能にするためには、ブレード33と螺旋状溝34の形状差が極くわずかであるように構成する必要がある。但し、クリアランスの量が大きすぎると、ガスリークが多くなり、圧縮効率が低下するので、最適値を設定することが必要である。
【0026】
各圧縮室35は体積変化により流体吸込孔31aから吸込まれた冷媒が順次圧縮されて高圧化され、高圧側圧縮室から流体吐出孔31bを経て吐出される。
【0027】
また、図2に示すように、ブレード33の断面の半径方向高さ寸法Hは、ブレード33の外周直径Dの10分の1以下であるのが好ましく、また、ブレード33の外周直径Dは、ブレード33の最大螺旋ピッチLよりも大きいのが好ましい。さらに、ブレード33の断面形状は、略矩形形状または図3に示すような内周側の幅寸法が外周側の幅寸法よりも小さい略台形形状であるとともに、図4に示すような内周面が内周側に凸の曲面状に形成されている。
【0028】
また、ブレード33に金属材料、特にバネ性を有する材料を用いる場合には、摺動相手部材であるローラ32及びシリンダ31の材質は、鉄系材料、特にFC250などの鋳鉄が好ましく、また、摺動性に問題がなければアルミ系や、アルミ系材料に表面処理したものでもよい。
【0029】
上記金属材料にバネ鋼あるいはピアノ線を用いることにより、バネ性を有し、弾性範囲が広くなり、許容応力が大きくなる。また、ブレード33の螺旋外周径Dが、螺旋の最大ピッチLより大きくなるようにし、ブレード断面の半径方向高さHが、螺旋外周径Dの10分の1以下、ブレード33の断面は、矩形形状、あるいは、内周側の幅が外周側の幅より小さい台形形状とすることで、ブレード33が螺旋状溝34を出入りするための必要変形量が、クリアランス量以下になり、ブレード33が金属材料で形成されていても螺旋状溝の出入動作が可能になる。
【0030】
また、上記ブレード33の断面の半径方向の高さが、螺旋外周径の10分の1以下が好ましい根拠は以下の通りである。
【0031】
ブレードの材料が「金属」であることは、ブレードの大きな変形は期待できず、螺旋状溝の出入り性が制約される。そのため、螺旋状溝との出入りが可能な構造を選択することが必要になる。ブレードが螺旋状溝を出入りするときの変形量δは次式で表される。
【0032】
【数1】
δはθ=80°の位置付近で最大になる。
【0033】
式(1)より
【数2】
であるから、1例として螺旋ピッチL=10mmのときで考える。
【0034】
ガスシールが可能な隙間として、変形量δ=0.1mmまで許容すると、
【数3】
e=0.064・R
となる。
【0035】
ブレードの断面の半径方向の高さHは、偏心量eの約3倍必要であるから、
【数4】
H=3・e=0.192・R=0.096・D
(D:ブレードの外周径)
【0036】
この結果から、ブレードの断面の半径方向の高さが、螺旋外周径の10分の1以下が好ましいとの結果を得る。
【0037】
さらに、ブレード外周径Dが、螺旋の最大ピッチよりも大きくするのが好ましい根拠は以下の通りである。
【0038】
上記式(1)において、ブレード外周径Dが螺旋の最大ピッチLと同じ大きさとして、仮にL・D・100mmとすると、
【数5】
e=0.01R=0.005D
となり、変形量δを抑えるためには、偏心量を極端に小さくしなければ成り立たなくなる。
【0039】
上記ブレードの断面が、内周側がR形状を有する断面形状にすると製造性が良い理由としては、断面が略矩形の線材を用いてスプリング状に巻く場合、その製造工程から、内周側にR形状が必要になる。
【0040】
次に第1実施形態の流体機械の動作について説明する。
【0041】
図1に示すような横型ヘリカルコンプレッサ1の電動機部4に通電されると、モータロータ41が回転駆動される。モータロータ41の回転力はクランクシャフト5を介してクランク部51に伝達され、ローラ32を偏心回転(公転)させる。このローラ32の偏心回転により、ローラ32はシリンダ31の内周面に内接しながら摺動し、公転される。上記ローラ32の偏心回転によりシリンダ31とローラ32との間にブレード33により形成される各圧縮室35は、シリンダ軸方向にヘリカル状に移動しながら容積が次第に小さくなるように体積変化する。各圧縮室35は体積変化により、流体吸込孔31aから吸込まれた冷媒が順次圧縮されて高圧化され、高圧側圧縮室から流体吐出孔31bを経て吐出される。
【0042】
上記のような冷媒の圧縮過程において、図5に示すように、螺旋状溝34内を出入りするブレード33が、差圧を受け低圧側(流体吸込孔31a側)に押圧されてもブレード33と螺旋状溝34との間のクリアランスは保たれ、また、ブレード33が螺旋状溝34にたとえ接することがあっても、ブレード33が金属製であるので、摺動による摩擦損失が発生せず、ヘリカルコンプレッサ1の効率を低下させることがなく、高効率が維持される。また、圧縮過程において、発熱を伴い、ローラ32及びブレード33は高温に曝され熱膨張するが、ブレード33は金属製であるので、ローラ32及びブレード33との熱膨張差は小さく、両者間のクリアランスを小さく保つことができ、高効率が実現される。
【0043】
また、本発明に係わる流体機械の第2実施形態について説明する。
【0044】
本第2実施形態は、図1に示す上記第1実施形態におけるブレードが差圧を受け螺旋状溝の低圧側に接触するのを防止するように、ブレードに接触防止手段を付加したものである。
【0045】
例えば、図6及び図7に示すように、第2実施形態のヘリカルコンプレッサ1Aのシリンダ31A内腔には、ローラ32Aが偏心配置され、このローラ32Aとシリンダ31Aとの間には、螺旋状溝34A内を出入し金属のように剛性が高いブレード33Aが設けられている。このブレード33Aの両端部33Aa、33Aaに対応する位置には、シリンダ31Aにその内周面に突出するように取付けられた規制部材31Aa、31Aaが突出して設けられている。この規制部材31Aa、31Aaは、図8に示すような断面がL字形状あるいは図9に示すようなコ字形状をなしている。この規制部材31Aa、31Aaにより、ブレード33Aは螺旋状溝34Aの少なくとも吸込み側の側面に接触しないように位置決めされている。
【0046】
なお、規制部材を図10に示すように、初期の組立状態で、ブレード33Bの吐出側側面が、螺旋状溝34Bの吐出側側壁に接するように配置すれば、摺動摩擦はあるものの、差圧による摩擦損失を減らすことは可能になり、高効率が実現する。
【0047】
従って、第2実施形態の冷媒の圧縮過程において、ローラ32Aの偏心回転により、ローラ32Aはシリンダ31Aの内周面に内接しながら摺動し、公転され、ブレード33Aは螺旋状溝34A内を出入する。このとき、規制部材31Aa、31Aaは、ブレード33が螺旋状溝34Aの吸込み側の側面に接触するのを防止するストッパの働きを兼ねることにより、ブレード33は螺旋状溝34Aの吸込み側の側面に接触することがないので、摺動による摩擦損失が発生せず、ヘリカルコンプレッサ1Aの効率を低下させることがなく、高効率が維持される。また、このとき、規制部材31Aa、31Aaにより、ブレード33Aのスラスト方向(軸方向)の動きが抑制されて両者の相対位置が固定され、ブレード33Aの端部が螺旋状溝34A端部から乗り上げてローラ32Aによってかじりを受けることがない。これにより、高効率で信頼性の高いヘリカルコンプレッサが得られる。他の構成は図1に示す流体機械と異ならないので、同一符号を付して説明は省略する。
【0048】
また、本発明に係わる流体機械の第3実施形態について説明する。
【0049】
本第3実施形態は、図6に示す上記第2実施形態において、ブレードはシリンダに取付けられた規制部材により動きが抑制されるのに対して、ブレードがシリンダに固着されるものである。
【0050】
例えば、図11及び図12に示すように、第3実施形態のヘリカルコンプレッサのシリンダ31C内腔には、ローラ32Cが偏心配置され、このローラ32Cとシリンダ31Cとの間には、螺旋状溝34C内を出入し金属のように剛性の高いブレード33Cが設けられている。このブレード33Cは、シリンダ31Cに溶着、ロウ付けあるいは螺着のような固着手段によって強固に取付けられている。
【0051】
従って、ブレード33Cは、螺旋状溝34C内を出入するが、ブレード33Cはシリンダ31Cに取付けられているので、螺旋状溝34Cの吸込み側の側面に接触することがなく、摺動による摩擦損失が発生せず、ヘリカルコンプレッサ1Cの効率を低下させることがなくなって、高効率が維持される。また、ブレード33Cの軸方向の動きはなく、ブレード33Cの端部が螺旋状溝34C端部から乗り上げてローラ32Cによってかじりを受けることがない。これにより、高効率で信頼性の高いヘリカルコンプレッサが得られる。
【0052】
なお、本発明に係わる流体機械を上記各実施形態では、横型ヘリカルコンプレッサで説明したが、本発明の流体機械は、縦型ヘリカルコンプレッサ、真空ポンプ等にも適用できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係わる流体機械によれば、高圧力条件下で使用されても信頼性を確保できる流体機械を提供することができる。
【0054】
また、流体機械の螺旋状のブレードと螺旋状溝の摺動による摩擦損失を低減でき、高効率な流体機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる流体機械の第1実施形態の縦断面図。
【図2】本発明に係わる流体機械の第1実施形態に用いられるブレードの側面図。
【図3】本発明に係わる流体機械の第1実施形態に用いられるブレードの断面図。
【図4】本発明に係わる流体機械の第1実施形態に用いられる他のブレードの断面図。
【図5】本発明に係わる流体機械の第1実施形態に用いられるブレードの圧力作用状態を示す概念図。
【図6】本発明に係わる流体機械の第2実施形態の縦断面図。
【図7】本発明に係わる流体機械の第2実施形態の横断面図。
【図8】図6のA−A線に沿う断面図。
【図9】図6のA−A線に沿う他の規制部材の断面図。
【図10】本発明に係わる流体機械の第2実施形態の他の規制部材の取付け状態を示す断面図。
【図11】本発明に係わる流体機械の第3実施形態の縦断面図。
【図12】本発明に係わる流体機械の第3実施形態の横断面図。
【図13】従来の流体機械に用いられるブレードの圧力作用状態を示す概念図。
【符号の説明】
1 横型ヘリカルコンプレッサ
2 ケース
3 ヘリカル圧縮機構部
4 電動機部
5 クランクシャフト
31 シリンダ
31a 流体吸込孔
31b 流体吐出孔
32 ローラ
33 ブレード
34 螺旋状溝
35 圧縮室
41 モータロータ
51 クランク部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fluid machine, and more particularly, to a fluid machine having improved blade material and mounting.
[0002]
[Prior art]
A refrigerating cycle is incorporated in an air conditioner for indoor cooling and heating, a refrigerator, a freezing showcase, and the like, and the refrigerating cycle is provided with a compressor for compressing a refrigerant. As this type of compressor, a rotary type compressor is widely used in addition to a reciprocating type compressor. A helical compressor employing a helical blade in a compression mechanism has been developed.
[0003]
The helical compressor forms a compression chamber by inserting a helical blade around a helical groove formed on the outer periphery of a roller, inserting the helical blade into a cylinder bore, and decentering the roller from the center of the cylinder. The rotation of the motor causes the spiral blade to move in and out of the spiral groove. At this time, the blade and the helical groove have slightly different shapes, so when the blade enters and leaves the helical groove, the blade deforms and follows the groove shape, enabling its movement. I have.
[0004]
However, if a condition that a deformable elastic material is used as the blade material of the helical compressor is applied, the material is limited. For example, it is conceivable to use a fluorine resin material (for example, Patent Document 1). The problem in this case is that when the pressure is high, the range of use is limited. When an elastic material is used for the spiral blade, when a large differential pressure is applied to both surfaces of the blade, the stress of the spiral blade increases, and if this stress exceeds the allowable stress of the material, there is a risk of wearing. .
[0005]
Therefore, a helical compressor that can ensure reliability even when used under high pressure conditions has been demanded.
[0006]
As shown in FIG. 13, when the conventional helical compressor enters and exits a spiral groove 64 provided in a roller 63 eccentrically revolving in a cylinder 62, the blade 61 is driven by a differential pressure. There is a problem that the helical compressor is pressed against the side wall 63a, causing friction loss due to sliding, and lowering the efficiency of the helical compressor.
[0007]
Therefore, there has been a demand for a highly efficient fluid machine that can reduce friction loss due to sliding between a spiral blade and a spiral groove of the fluid machine.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 19683/1990 (page 10, left column, lower row, line 10 to page 5, left column, upper row, first line, FIG. 1)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and has as its object to provide a fluid machine that can ensure reliability even when used under high pressure conditions.
[0010]
It is another object of the present invention to provide a highly efficient fluid machine that can reduce friction loss due to sliding between a spiral blade and a spiral groove of the fluid machine.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, according to one aspect of the present invention, there is provided a cylindrical cylinder, a roller eccentrically disposed in the cylinder and having a spiral groove on an outer peripheral surface, and a spiral groove on the roller. A fluid machine provided with a helical mechanism having a helical blade fitted therein, wherein the entire blade is formed of a metal material. This realizes a fluid machine that can ensure reliability even when used under high pressure conditions.
[0012]
In a preferred example, the metal material is spring steel or piano wire. Thereby, it has a spring property, the elastic range is widened, and the allowable stress is increased.
[0013]
In another preferred example, the radial height of the cross section of the blade is one-tenth or less of the outer diameter of the blade. The outer diameter of the blade is larger than the maximum helical pitch of the blade. Thus, the amount of deformation required for the blade to enter and exit the spiral groove is less than the clearance amount, and the spiral groove can enter and exit even if the blade is formed of a metal material.
[0014]
In another preferred example, the cross-sectional shape of the blade is a substantially rectangular shape or a substantially trapezoidal shape in which the width dimension on the inner peripheral side is smaller than the width dimension on the outer peripheral side, and the inner peripheral surface is on the inner peripheral side. It is formed in a convex curved surface shape.
[0015]
According to another aspect of the present invention, a cylindrical cylinder, a roller eccentrically disposed in the cylinder and having a spiral groove on an outer peripheral surface, and a spiral fit in the spiral groove of the roller. In the fluid machine provided with the helical mechanism having the blade described above, the blade is positioned so as to have high rigidity and not to contact at least the suction side surface of the spiral groove. Thereby, friction loss due to sliding of the spiral blade and the spiral groove of the fluid machine can be reduced, and a highly efficient fluid machine is realized.
[0016]
In a preferred example, a regulating member for regulating the movement of the blade in the thrust direction is provided on at least one end of the blade. Thereby, the movement of the blade in the thrust direction is suppressed, and the relative positions of the two are fixed, so that the end of the blade does not run over the spiral groove end and is not seized by the roller.
[0017]
In another preferred example, the restricting member also serves as a stopper for restricting the movement of the blade in the spiral direction, and has a L-shaped or U-shaped cross section. Thus, the blade does not contact the side surface of the spiral groove on the suction side, so that friction loss due to sliding is prevented.
[0018]
In another preferred example, the blade is fixed to a cylinder. Thus, the blade does not contact the suction side surface of the spiral groove, frictional loss due to sliding is prevented, and the end of the blade rides over the end of the spiral groove and is seized by the roller. Nothing.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of a fluid machine according to the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0020]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a horizontal helical compressor of a first embodiment of the fluid machine according to the present invention.
[0021]
As shown in FIG. 1, a horizontal helical compressor 1 according to a first embodiment includes a closed case 2, a helical mechanism, for example, a helical compression mechanism 3 housed in the case 2, and a helical compression mechanism 3. When driven, a motor unit 4 having a motor rotor 41 and a crankshaft 5 provided between the motor unit 4 and the helical compression mechanism unit 3 for transmitting the power of the motor unit 4 to the helical compression mechanism unit 3 and having a crank unit 51 And these components are arranged in a straight line.
[0022]
The helical compression mechanism 3 includes a horizontal type cylinder (cylinder block) 31, a metal roller 32 as a rotating body eccentrically installed in the cylinder 31, and a space between the roller 32 and the cylinder 31. And a spiral blade 33 interposed therebetween.
[0023]
The blade 33 is entirely formed of a metal material, preferably a spring steel or a piano wire, has a spiral shape, and is housed in a spiral groove 34 provided in the roller 32 so as to freely enter and exit. A plurality of compression chambers 35 as working chambers are formed between the roller 32 and the roller 32 along the cylinder axis direction.
[0024]
Here, since the blade 33 revolves with respect to the spiral groove 34, the cross section of the blade 33 is the same at all positions of the spiral, and the cross section of the spiral groove 34 is also the same at all positions of the spiral. Since the outer diameter of the blade 33 and the outer diameter of the spiral groove 34 are different from each other, the shapes such as the inclination of the spiral are slightly different. If the blade 33 is made of a metal material, the spiral groove may be formed depending on the shape. You will not be able to get in and out. Therefore, the cross-sectional dimension of the spiral groove 34 is larger than that of the blade 33 by the clearance required for movement. If the amount of deformation required for the blade 33 to enter and exit the spiral groove 34 is equal to or less than the amount of clearance, the blade 33 and the roller 32 can move.
[0025]
In order to allow the spiral groove 34 to enter and exit even when the blade 33 is made of a metal material, it is necessary to configure the blade 33 and the spiral groove 34 so that the difference in shape is extremely small. However, if the amount of the clearance is too large, the gas leak increases and the compression efficiency decreases, so it is necessary to set an optimal value.
[0026]
In each of the compression chambers 35, the refrigerant sucked from the fluid suction holes 31a is sequentially compressed and increased in pressure due to a volume change, and is discharged from the high pressure side compression chamber through the fluid discharge holes 31b.
[0027]
As shown in FIG. 2, the radial height H of the cross section of the blade 33 is preferably not more than 1/10 of the outer diameter D of the blade 33, and the outer diameter D of the blade 33 is Preferably, it is larger than the maximum spiral pitch L of the blade 33. Further, the cross-sectional shape of the blade 33 is a substantially rectangular shape or a substantially trapezoidal shape in which the width dimension on the inner peripheral side is smaller than the width dimension on the outer peripheral side as shown in FIG. Are formed in a curved shape convex on the inner peripheral side.
[0028]
When a metal material, particularly a material having spring properties, is used for the blade 33, the material of the roller 32 and the cylinder 31, which are sliding members, is preferably an iron-based material, particularly cast iron such as FC250. If there is no problem in mobility, an aluminum-based material or an aluminum-based material subjected to a surface treatment may be used.
[0029]
By using spring steel or piano wire as the metal material, it has a spring property, a wide elastic range, and a large allowable stress. Further, the spiral outer diameter D of the blade 33 is set to be larger than the maximum pitch L of the spiral, the radial height H of the blade cross section is 1/10 or less of the spiral outer diameter D, and the cross section of the blade 33 is rectangular. By having a shape or a trapezoidal shape in which the width on the inner circumference side is smaller than the width on the outer circumference side, the amount of deformation required for the blade 33 to enter and exit the spiral groove 34 is less than the clearance amount, and the blade 33 is made of metal. The spiral groove can be moved in and out even if it is formed of a material.
[0030]
The reason why the height of the cross section of the blade 33 in the radial direction is preferably 1/10 or less of the outer peripheral diameter of the spiral is as follows.
[0031]
When the material of the blade is “metal”, large deformation of the blade cannot be expected, and the access of the spiral groove is restricted. Therefore, it is necessary to select a structure that can enter and exit the spiral groove. The deformation amount δ when the blade enters and exits the spiral groove is expressed by the following equation.
[0032]
(Equation 1)
δ becomes maximum near the position of θ = 80 °.
[0033]
From equation (1),
Therefore, as an example, consider the case where the spiral pitch L = 10 mm.
[0034]
Assuming that a deformation amount δ = 0.1 mm is allowed as a gap where gas sealing is possible,
[Equation 3]
e = 0.064 · R
It becomes.
[0035]
Since the radial height H of the cross section of the blade is required to be about three times the eccentricity e,
(Equation 4)
H = 3 · e = 0.192 · R = 0.096 · D
(D: outer diameter of blade)
[0036]
From this result, the result is obtained that the radial height of the cross section of the blade is preferably one-tenth or less of the spiral outer diameter.
[0037]
Further, the reason why the blade outer diameter D is preferably larger than the maximum pitch of the spiral is as follows.
[0038]
In the above equation (1), assuming that the blade outer diameter D is the same as the maximum pitch L of the spiral, and L · D · 100 mm,
(Equation 5)
e = 0.01R = 0.005D
Therefore, in order to suppress the deformation amount δ, the eccentricity amount must be extremely small to be satisfied.
[0039]
If the cross section of the blade has a cross-sectional shape having an R-shape on the inner peripheral side, the reason why the productivity is good is that when the cross-section is wound in a spring shape using a wire having a substantially rectangular cross-section, the manufacturing process causes the inner peripheral side to have an R shape. Shape is required.
[0040]
Next, the operation of the fluid machine according to the first embodiment will be described.
[0041]
When the electric motor section 4 of the horizontal helical compressor 1 as shown in FIG. 1 is energized, the motor rotor 41 is driven to rotate. The torque of the motor rotor 41 is transmitted to the crank part 51 via the crankshaft 5 and causes the roller 32 to eccentrically rotate (revolve). Due to the eccentric rotation of the roller 32, the roller 32 slides while being in contact with the inner peripheral surface of the cylinder 31, and revolves. Due to the eccentric rotation of the roller 32, each compression chamber 35 formed by the blade 33 between the cylinder 31 and the roller 32 changes its volume such that its volume gradually decreases while moving helically in the cylinder axis direction. In each of the compression chambers 35, the refrigerant sucked from the fluid suction hole 31a is sequentially compressed and increased in pressure due to the volume change, and is discharged from the high pressure side compression chamber through the fluid discharge hole 31b.
[0042]
In the process of compressing the refrigerant as described above, as shown in FIG. 5, even if the blade 33 that moves in and out of the spiral groove 34 receives a differential pressure and is pressed to the low pressure side (the fluid suction hole 31a side), The clearance between the spiral groove 34 is maintained, and even if the blade 33 may come into contact with the spiral groove 34, since the blade 33 is made of metal, friction loss due to sliding does not occur. High efficiency is maintained without lowering the efficiency of the helical compressor 1. Further, in the compression process, the roller 32 and the blade 33 are exposed to high temperature and thermally expand due to heat generation. However, since the blade 33 is made of metal, the difference in thermal expansion between the roller 32 and the blade 33 is small, The clearance can be kept small, and high efficiency is realized.
[0043]
Further, a second embodiment of the fluid machine according to the present invention will be described.
[0044]
In the second embodiment, a contact preventing means is added to the blade in the first embodiment shown in FIG. 1 so as to prevent the blade from receiving the differential pressure and coming into contact with the low pressure side of the spiral groove. .
[0045]
For example, as shown in FIGS. 6 and 7, a roller 32A is eccentrically arranged in a bore of a cylinder 31A of the helical compressor 1A of the second embodiment, and a spiral groove is provided between the roller 32A and the cylinder 31A. A blade 33A having a high rigidity like a metal that enters and exits the inside of 34A is provided. At the positions corresponding to both ends 33Aa, 33Aa of the blade 33A, regulating members 31Aa, 31Aa attached to the cylinder 31A so as to project from the inner peripheral surface thereof are provided so as to protrude. The restricting members 31Aa, 31Aa have an L-shaped cross section as shown in FIG. 8 or a U-shaped shape as shown in FIG. The blades 33A are positioned by the restriction members 31Aa, 31Aa so as not to contact at least the suction-side side surface of the spiral groove 34A.
[0046]
In addition, as shown in FIG. 10, if the regulating member is arranged so that the ejection side surface of the blade 33B is in contact with the ejection side wall of the spiral groove 34B in the initial assembled state, there is sliding friction. It is possible to reduce friction loss due to the above, and high efficiency is realized.
[0047]
Accordingly, during the refrigerant compression process of the second embodiment, the roller 32A slides while being in contact with the inner peripheral surface of the cylinder 31A due to the eccentric rotation of the roller 32A, and revolves, and the blade 33A moves in and out of the spiral groove 34A. I do. At this time, the restricting members 31Aa, 31Aa also function as a stopper for preventing the blade 33 from contacting the side of the spiral groove 34A on the suction side, so that the blade 33 is on the side of the spiral groove 34A on the suction side. Since there is no contact, friction loss due to sliding does not occur, and the efficiency of the helical compressor 1A does not decrease, and high efficiency is maintained. At this time, the movement of the blade 33A in the thrust direction (axial direction) is suppressed by the regulating members 31Aa and 31Aa, and the relative positions of the blade 33A and the blade 33A are fixed. There is no galling by the roller 32A. As a result, a highly efficient and reliable helical compressor can be obtained. Other configurations are the same as those of the fluid machine shown in FIG.
[0048]
Further, a third embodiment of the fluid machine according to the present invention will be described.
[0049]
The third embodiment is different from the second embodiment shown in FIG. 6 in that the movement of the blade is suppressed by the restricting member attached to the cylinder, whereas the blade is fixed to the cylinder.
[0050]
For example, as shown in FIGS. 11 and 12, a roller 32C is eccentrically arranged in a bore of a cylinder 31C of the helical compressor of the third embodiment, and a spiral groove 34C is provided between the roller 32C and the cylinder 31C. A blade 33C having a high rigidity like a metal that enters and exits the inside is provided. The blade 33C is firmly attached to the cylinder 31C by fixing means such as welding, brazing, or screwing.
[0051]
Therefore, the blade 33C moves in and out of the spiral groove 34C. However, since the blade 33C is attached to the cylinder 31C, the blade 33C does not come into contact with the suction side surface of the spiral groove 34C and frictional loss due to sliding is reduced. No generation occurs, and the efficiency of the helical compressor 1C does not decrease, and high efficiency is maintained. Further, there is no axial movement of the blade 33C, and the end of the blade 33C does not run over the end of the spiral groove 34C and is not seized by the roller 32C. As a result, a highly efficient and reliable helical compressor can be obtained.
[0052]
In each of the above embodiments, the fluid machine according to the present invention is described as a horizontal helical compressor, but the fluid machine according to the present invention can be applied to a vertical helical compressor, a vacuum pump, and the like.
[0053]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the fluid machine which concerns on this invention, the fluid machine which can ensure reliability even if it is used under high pressure conditions can be provided.
[0054]
Further, friction loss due to sliding of the spiral blade and the spiral groove of the fluid machine can be reduced, and a highly efficient fluid machine can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a first embodiment of a fluid machine according to the present invention.
FIG. 2 is a side view of a blade used in the first embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 3 is a sectional view of a blade used in the first embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 4 is a sectional view of another blade used in the first embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 5 is a conceptual diagram showing a pressure action state of a blade used in the first embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 6 is a longitudinal sectional view of a second embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 7 is a cross-sectional view of a second embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 8 is a sectional view taken along the line AA in FIG. 6;
FIG. 9 is a sectional view of another restricting member along the line AA in FIG. 6;
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a mounting state of another regulating member of the second embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 11 is a longitudinal sectional view of a third embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 12 is a cross-sectional view of a third embodiment of the fluid machine according to the present invention.
FIG. 13 is a conceptual diagram showing a pressure action state of a blade used in a conventional fluid machine.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Horizontal helical compressor 2 Case 3 Helical compression mechanism part 4 Electric motor part 5 Crank shaft 31 Cylinder 31a Fluid suction hole 31b Fluid discharge hole 32 Roller 33 Blade 34 Spiral groove 35 Compression chamber 41 Motor rotor 51 Crank part