JP2004236633A - 酵素活性測定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不溶性基質に作用するいわゆる不均一反応を触媒する酵素について、その酵素活性を簡便かつ高精度、安価に定量できる装置を提供する。
【解決手段】緩衝液の流れを形成する機構2と、該緩衝液流に試料を注入する機構3とを有する酵素活性測定装置であって、注入機構の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基(例、金属タンパク色素、アゾ色素)を一定の割合にて結合させた、測定対象酵素(例、キシラナーゼ)の緩衝液に実質的に不溶な基質(例、キシラン)を充填した容器5を配置し、酵素反応によりその基質を可溶化してその特性を前記一つの特性を測定する検出器7によって測定することによって酵素活性を定量的に測定する。
【選択図】図1
【解決手段】緩衝液の流れを形成する機構2と、該緩衝液流に試料を注入する機構3とを有する酵素活性測定装置であって、注入機構の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基(例、金属タンパク色素、アゾ色素)を一定の割合にて結合させた、測定対象酵素(例、キシラナーゼ)の緩衝液に実質的に不溶な基質(例、キシラン)を充填した容器5を配置し、酵素反応によりその基質を可溶化してその特性を前記一つの特性を測定する検出器7によって測定することによって酵素活性を定量的に測定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不均一酵素反応を簡便かつ高精度に検知し、酵素活性を定量できる方法および装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種酵素活性を定量することは、産業用酵素生産時の品質管理、臨床検査、生体反応の解析に必要である。
【0003】
たとえば、臨床検査においては測定対象が全血、血清等の体液が主なものである。従来から酵素活性測定については可溶性基質を利用して、基質の減少量もしくは生成物の増加量を追跡することが行われている。しかし不溶性の基質、たとえばコラーゲン・エラスチンなどの構造タンパク質に作用する酵素が実際に不溶性基質に作用する際の酵素活性を測定することは困難である。そのため、低分子量の可溶性基質を選定することにより、その酵素活性を評価することが行われてきた。しかし多くの酵素では同一反応を触媒するものの、構造、酵素学的特性が異なるアイソザイムが存在することが多い。したがって厳密な意味で可溶性の基質のみを用いた測定結果が正しいとは言い切れなかった。
【0004】
同様に産業用酵素についても、セルロース、キシランなどの高分子多糖に作用する酵素の活性を評価する場合にも当てはまる。キシランの例で述べれば、この多糖に作用するキシラナーゼ(EC 3.2.1.8)はキシランを加水分解しオリゴ糖と単糖を生成する。本酵素を木材に作用させると、ヘミセルロース画分の主たる構成要素であるキシランを分解する。その結果リグニン多糖複合体の一部が切断され、リグニンを除去することが可能である。つまり酵素反応を利用したパルプ製造プロセスであるバイオパルピングやバイオブリーチングに重要な役割を果たす酵素である。
【0005】
エンド型キシラナーゼは主として高分子のキシランの分子から比較的分子量の大きいオリゴ糖を生成する。エキソ型キシラナーゼは低分子量のキシロオリゴ糖および単糖であるキシロースを生成する。従来これらのキシラナーゼ活性を測定する場合、可溶性の低分子量のキシロオリゴ糖を用いて主としてエキソ型キシラナーゼ活性を測定するか、木材やオートスペルとや小麦などから精製したキシランを熱水に溶解し、酵素反応により増加する還元末端残基数を定量するか、粘度の低下を測定することが行われてきた。
【0006】
この方法はキシランの溶解に時間を要する上、一部不溶物が残る可能性があるため、基質の調製の点で再現性の良い方法とは言い難い。さらに還元末端残基の定量は、銅などの金属あるいはジニトロサリチル酸などの有機物の還元を用いて検出する。そのため有害な分析廃液が残りその処理の手間があった。
【0007】
また、他のキシラナーゼの活性測定方法としてキシランにRBB(レマゾールブリリアントブルー)で着色したRBB−キシランを基質として用いる方法(非特許文献1参照)やアゾ色素等の色素により着色した可溶性キシランを用いる方法(非特許文献2参照)がある。これら着色したキシランはキシラナーゼによる加水分解を受けて低分子の着色キシランを生成する。酵素反応後に反応物にエタノールを添加して未分解の高分子キシランを沈殿させ、溶液中の分解した低分子の着色キシランを分光光度計で定量する方法である。
【0008】
さらには、金属タンパク色素であるアズリン等の色素により着色した不溶性のキシランを基質として用いるキシラナーゼ活性測定方法も知られている。(非特許文献3参照)メガザイム社が市販しているアズリンとコムギアラビノキシランを架橋して錠剤としたXylazyme(AX)を使ったキシラナーゼ測定方法が紹介されている。(非特許文献4参照)
【0009】
その内容は簡単に次のとおりである。測定しようとする酵素サンプルを分析に適した倍率に希釈する。試験管に酵素を一定量取り、40℃で5分間予熱する。Xylazyme(AX)錠を入れ、40℃で10分間酵素反応を行い、苛性ソーダ溶液あるいは、Trizma baseを添加して反応を停止する。反応液の放冷・攪拌後にろ過を行い、ろ液の590ナノメーターの吸光度を測定する。
【0010】
【非特許文献1】
Will A.Woodら編 「Methods in enzymology Volume 160 Biomass Part A Cellulose and Hemicellulose 」 Academic Press 出版 よりp.536 ̄541, P. Bielyら著 「Remazol Brilliant Blue−Xylan:A Soluble Chromogenic Substrate for Xylanases (1988)
【非特許文献2】
Megazyme International Ireland Ltd. /Purchase Products / Soluble Chromogenic Substrates / Azo−Xylan(Birchwood) / Data Booklet/「 Assey of endo−1,4β−Xylanase using AZO−XYLAN(BIRCHWOOD)」 [on line] 平成14年11月26日検索 、インターネット
<URL :http://www.megazyme.com/booklets/SAXBL.20902.pdf >
【非特許文献3】
Visser, J., Beldman, G., Kusters−van Someron, M.A. and Voragen, A.G.J.編「Xylans and Xylanases」 Progress in Biotechnology Vol. 7, Elsevier, N.Y. 出版よりp. 161−169 McCleary, B.V.ら著「Measurement of endo−1,4−β−D−Xylanase」 (1992) )
【非特許文献4】
日本バイオコン株式会社、” PRODUCT INFORMATION/キシラナーゼ測定用基質/endo−XYLANASE ASSAY REAGENTS”、[online],平成14年10月31日検索、インターネット<URL:http://www.biocon.co.jp/itiran/kits/megazyme.htm>
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
これらのキシラナーゼ活性測定方法は感度が高いために、キシラナーゼ生産微生物の培養液中のキシラナーゼ活性や濃縮されたキシラナーゼサンプルを測定する場合は、数十倍〜数千倍に希釈して予めサンプルを調製することが必要であった。更に、希釈倍率が高い場合は、複数段階の希釈操作が必要になるなど操作が煩雑で誤差を生じやすくなる。
【0012】
酵素反応工程においても、定温にて一定時間の反応を管理する必要がある。続いてアルカリ等の試薬による酵素反応停止、希釈、ろ過、発色反応のための煮沸、急冷、比色定量、あるいは滴定などの工程を含むため、恒温槽や煮沸、吸光度測定などのための機器や急冷用の材料も必要である。そのため、測定には多大な準備作業と時間を要し、機器が揃った特定の場所に制限され、一定のスペースも必要であった。さらに工程が多いために再現性良く分析を実施するには熟練を要するという問題があった。また、Xylazyme AXを使用する場合は、試薬が高価であるため1回の測定コストが高くなるという問題もあった。
【0013】
本発明は、既述の不溶性基質に作用するいわゆる不均一反応を触媒する酵素について、その酵素活性を簡便かつ高精度に定量できる方法および装置を提供することを目的とするものである。多大な機器の準備やスペースも必要でなく、特に熟練が不要なことを特徴とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる酵素活性測定方法は、▲1▼緩衝液の流れを形成し、▲2▼該緩衝液流に試料を注入し、▲3▼注入点の下流側において、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基を一定の割合にて結合させた基質であって、測定対象酵素の緩衝液に実質的に不溶な基質を緩衝液に接触させ、▲4▼酵素反応により可溶化した基質の一部が有する前記一つの特性を測定する。
本発明にかかる酵素活性測定装置は、緩衝液の流れを形成する機構と、該緩衝液流に試料を注入する機構とを有する酵素活性測定装置であって、注入機構の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基を一定の割合にて結合させた基質であって、測定対象酵素の緩衝液に実質的に不溶な基質を充填した容器を配置し、酵素反応により可溶化した基質の前記一つの特性を測定する検出器を該容器の下流に配置する。
更に本装置は、前記容器に基質の他に更に担体を充填することが好ましい。
また、更に前記緩衝液に実質的に不溶な基質が60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径の範囲内にある基質であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がキシラナーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質がキシランであり、電磁波吸収能を有する化合物が色素であり、検出器が可視光吸収検出器であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がキシラナーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質がキシランであり、蛍光性を有する化合物が蛍光色素であり、検出器が蛍光検出器であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がアミラーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質が未溶解デンプン粒子であり、電磁波吸収能を有する化合物がアゾ色素であり、検出器が可視光吸収検出器であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がアミラーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質が蛍光色素を結合させた未溶解デンプン粒子であり、検出器が蛍光検出器であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、酵素活性を測定するにあたりフロー型分析装置の一種を構成する。本発明の酵素活性測定装置のブロック図を図1に示した。本発明の酵素活性測定装置を図1を参照しながら説明する。
緩衝液1としてはリン酸塩、クエン酸塩などの緩衝能を有する水溶液を用いることができる。また試料等から持ち込まれる気泡を除くために界面活性剤等を添加しても良い。さらに微生物による汚染を防ぐためにソルビン酸、アジ化ナトリウムなどの制菌剤や抗生物質を添加することができるが、あくまで後段に予定されている検出を妨害しないことを考慮して選択する。
【0016】
次にこの緩衝液は緩衝液の流れを形成する機構であるポンプ2によって後段に送液される。一定流量で送液する機能を持つポンプとして好ましいものとしては、チューブポンプ、シリンジポンプなどが挙げられる。中でも高圧送液が可能なプランジャーポンプは後段に接続する酵素基質を充填したカラムを用いる上で、また高精度送液を実現するために好適である。なお、プランジャーポンプは緩衝液中に気泡が存在すると送液精度が低下する問題点があり、気泡をトラップする機構や真空脱気装置を適宜併用することが好ましい。
【0017】
次に、緩衝液流に試料としての酵素溶液を一定量計量して注入する機構である注入器3に緩衝液が到達する。注入器としてはループ型インジェクター、セプタムインジェクターなどの高速液体クロマトグラフで試料注入に用いられる計量装置を用いる。サンプルの吸引、注入、洗浄を自動化した、いわゆる定量注入用オートサンプラーを用いても良い。注入容量としては酵素活性に応じて増減することが可能であるか、一般的に0.1〜1000μL程度、より望ましくは5〜50μLである。この量が少なすぎると再現性を確保することが困難になりやすい。逆に、多すぎると後段の不溶性基質を充填したカラムを通過する時間がかかるため分析時間が長くなり実用的上支障が出やすくなる。尚、先に挙げた緩衝液は、この計量機構、つまりインジェクターやサンプラー、当該酵素反応に適したものである。
【0018】
この注入器3の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性、もしくは電気化学的に活性を有する化合物もしくは官能基を結合させた緩衝液に実質的に不溶な酵素の基質を充填する容器を配置する。容器としてはいわゆるカラム5が使用される。この基質を以降省略して「識別性を有する不溶性基質」と呼ぶ。またカラム5の前には混合機構としてミキシングチューブ4が配置することがより好ましい。このミキシングチューブは常に必要な機構ではないが、緩衝液中に注入された試料をカラム5に入る前に均一に緩衝液中に分散させる上で非常に好ましい。ミキシングチューブは一般にフッ素樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル等の樹脂製の管またはステンレス製、ガラス製の管を用いる。内径は0.1〜10mm、より好ましくは0.25〜1mmの管を用いる。また設置空間を小さくするためこれらの管をコイル状等の巻いた形態にして使用することが多い。
【0019】
容器は内部に基質や後述の担体を保持でき、液が滞留すればよく、カラム、セル、チューブ、多孔性のディスクやメンブランなどが使用できる。最も使用しやすいカラム5としてはステンレス等の金属、塩化ビニル、アクリル等の樹脂製のカラムを利用できる。これらの材質の中でも内部に充填した基質を目視確認しやすい樹脂製カラムが使いやすい。これらのカラムの両末端は基質が漏出しない程度の封止材を配置して構成される。
【0020】
このカラムの中に識別性を有する不溶性基質を充填するわけである。それらの基質の中で、例えば電磁波吸収能を有する識別性を有する不溶性基質とは、主に光(可視光、赤外光、紫外光)の吸収波長に特徴を持ち、これを測定することにより識別ができる化合物等を結合させた基質のことを意味するものである。これら、後段の測定の観点から種々の特徴的性質をもつ化合物、官能基としては代表的なものとしては可視部の吸収を有するアゾ色素やフルオラン系色素、金属タンパク色素が例示できる。また蛍光性を有する化合物としてはフルオレセイン系色素が挙げられる。発光性の化合物としてはルミノール、アクリジンオレンジ系化合物が例示できる。電気化学的に活性な化合物としてはフェロセン系化合物やベンゾキノン系化合物が例示できる。また実質的に不溶な酵素の基質としてはキシランのほかにもマンナン、デンプン、、デキストラン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類やリグニンや植物抽出成分等の芳香族化合物などの不溶性高分子が挙げられる。識別性を有する不溶性基質の具体例として金属タンパク色素であるアズリンを小麦アラビノキシラン、カバ、ブナ、カラマツなどの樹木類や小麦、オート麦、ライ麦等の麦類およびトウモロコシ等から抽出したキシランに架橋結合させたものなどがある。
【0021】
前記の識別性を有する不溶性基質をカラムに充填する場合、該基質以外に市販のガスクロマトグラフィーカラム用の担体、例えば耐火レンガ系、珪藻土系、ガラス、樹脂等で構成される担体を充填物として使用できる。酵素反応および測定系に影響を与えない充填物を混合してカラムに充填することがより好ましい。この操作すなわち、識別性を有する不溶性基質と充填物との混合比率を調整することにより酵素活性に応じた感度のカラムが作製できる。このため酵素を含む試料(サンプル)の希釈作業が不要となり、測定誤差の原因の一つを排除できる。
さらには、この操作により、使用する識別性を有する不溶性基質も少量で良くなり、市販されている識別性を有する不溶性基質を使う手作業による測定と比較して大幅に測定の手間等を低減することができる。
【0022】
更にこのカラムや好ましくはミキシングチューブを恒温槽6内に配置すると酵素反応に大きな影響を与える温度を一定化し測定精度を向上することができるのでより好ましい。
また、この構成により緩衝液の流量を一定に制御しているので酵素反応を均一に行うことができる。すなわちこのように一定の流量で緩衝液を流すので、酵素を含む試料がカラムを通過する時間が一定になるため、反応保持の点ではインキュベーションにおいて特定の時間が設定されている事と同様になる。すなわち、均一な酵素反応を行う為に反応開始や、反応停止を監視して特定のインキュベーション時間を測定管理する必要はないと言うことになる。また、反応時間はカラムの設計にもよるが、極めて短くすることができ、サンプルを注入後1分程度でデータを得ることができる。
【0023】
上記と関連するが、識別性を有する不溶性基質を詰めたカラムを酵素が通り、基質と酵素が結合して、例えばキシラン測定の場合は、キシランが分解されて色素がついたフラグメントが流出する。この反応が一定の流速を持った緩衝液の中で行われるため、色素が結合した分解物が徐々に溶出して検出器の測定値のピークを形成した後減っていく。本願発明では、そのピーク時の検出器の測定値が酵素活性と完全に相関が得られることを見出したわけである。結局、例えば薬剤を投入して、反応の停止を人為的に行わなくても、以上のように反応を継続しつつ測定を行っているので、ことさら反応停止をさせることは必要がない。
【0024】
カラム5の下流に検出器7が配置される。この検出器としては紫外可視吸収検出器、蛍光検出器、発光検出器もしくは電気化学検出器が例示される。いずれの検出器においても緩衝液が流通可能なフローセルを有する構造のものを用いる。このような検出器を使用するので、オンラインにて極めて迅速に測定が行える。
【0025】
また、このような測定の際に、カラムに、識別性を有する不溶性基質を一定の範囲の粒子径にあるものを選択して充填した場合は、例えばキシラン測定の場合は、未反応の固形キシランが(キシランと酵素が反応しても反応しきれない基質(固形分キシラン)が残り、この基質(キシラン)が)カラムから流出してくる緩衝液中に混入することがなく、以上のような検出器による測定に悪影響を与えることがない。
【0026】
緩衝液の送液に用いるポンプとインジェクター、カラム、検出器を接続するにはスレンレスなどの金属配管、フッ素樹脂、ポリエチレンなどの樹脂製配管を利用できる。特にフッ素樹脂製の配管は酵素の吸着などの問題を回避できる点で望ましい。
【0027】
もちろん緩衝液に測定対象酵素を含む試料を注入し、注入点の下流側において、該緩衝液に実質的に不溶な基質が酵素と接触し、何らかの可溶性の基質分解物が得られれば、必ずしもカラムを利用しなくても酵素活性を測定できる。
例えば前記の緩衝液に実質的に不溶な基質微粒子を、緩衝液に分散させて一定の条件で送液することにより、緩衝液と接触させる。その後、酵素反応で可溶化した基質の一部と不溶な基質微粒子をフィルターで分離し、可溶化した基質の一部を上述のようにして測定すればよい。フィルターについては、基質微粒子以下であり、通過しないメッシュサイズ有するナイロンメッシュ等を使うことができる。
【0028】
また、酵素反応により低分子化することにより緩衝液中に分散した基質の一部が有機溶媒に溶ける性質を有する場合、緩衝液の流れに緩衝液と混和しない有機溶媒を選択し、合流させ、酵素緩衝液中に分散した基質の一部と十分に接触させた後、その有機溶媒を比重などにより分離することにより同様に測定することも可能である。例えば、緩衝液の比重を1とした場合、該緩衝液より比重の大きい有機溶剤(例えばクロロホルム、ジクロロメタン等)を合流させた場合は、緩衝液層の下に溶媒層が位置する為に下部から溶媒を抜き取ることで溶媒に溶解した酵素反応生成物を分離することができる。また、緩衝液の比重より小さい有機溶媒(例えば酢酸エチル、ヘキサン等)を合流させた場合は、緩衝液の上に溶媒層が位置する為に上部から溶媒を抜き取ることで溶媒に溶解した酵素反応生成物を分離することができる。
【0029】
以上のような測定装置を使用してキシラナーゼの酵素活性を測定する例を以下に説明する。まず木材より抽出したキシランを用意する。木材としてはカバ、ブナなどから抽出することが一般的であるが、目的に応じてわらなどから調製することも可能である。このキシランにアゾ色素あるいは金属タンパク色素を結合させる。色素の結合量は、目的とする酵素活性に応じて変更することが可能であるが、完全に全てのキシロース残基に色素を結合するとキシラナーゼ活性が阻害されてしまうため、100残基中0.01〜10残基程度に結合させることが望ましい。
【0030】
カラムに基質を充填する場合、あまり基質粒子の大きさが大きいと酵素活性検出の再現性が低下し、細かすぎると基質の漏出を招くため、粒子径を篩い分けなどで60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径範囲に揃えておくことが望ましい。
【0031】
キシランと色素の結合した基質について酵素反応により可溶化した成分を検出する検出器としては可視吸収検出器を用いる。同様にキシランに蛍光色素を結合させた基質については、蛍光検出器を用いることにより高感度測定が可能である。
【0032】
別の例として、測定する酵素活性がアミラーゼ活性である場合は、実質的に不溶な基質がアゾ色素あるいは金属タンパク色素を結合させた未溶解デンプン粒子であり、検出器が可視吸収検出器を用いることが可能である。キシラナーゼの場合と同様に、蛍光色素を結合させた未溶解デンプン粒子を基質として用い、検出器が蛍光検出器である酵素活性測定装置である。
【0033】
さらに、酵素活性を測定するにあたり、酵素溶液を一定量計量するインジェクターと、緩衝液を送液するポンプと、前記インジェクターの下流側に実質的に不溶な酵素の基質を充填したカラムを配置し、その下流に酵素反応により可溶化された化学物質を少なくとも酸化もしくは還元する固定化酵素を配置し、該酸化還元反応により生成した化合物を検出する電気化学検出器を配置した酵素活性測定装置を構成することも可能である。
【0034】
例えば、デンプン粒子をカラムに充填し、固体のデンプン粒子を分解できるグルコアミラーゼ(EC.3.2.1.3)溶液を注入するとβ−D−グルコースが遊離される。このグルコースをグルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4)を固定化した酵素電極で測定することによりグルコアミラーゼ活性を検知することができる。
【0035】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例及び比較例では、異なるキシラナーゼ活性を含むサンプルに対し、本発明による活性測定装置及び還元糖定量による従来法にてキシラナーゼ活性を測定した。
【0036】
実施例:活性測定装置によるキシラナーゼ活性の測定
図1に示した酵素活性測定装置を使用してキシラナーゼ活性を測定した。図1は本発明の酵素活性測定装置の一例のブロック図である。金属タンパク色素であるアズリンを小麦アラビノキシランに架橋結合させたメガザイム社製Xylazymeを60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径範囲になるように調製する。充填剤としてガスクロマトグラフ用担体(80メッシュパス、100メッシュオン)、Uniport C(80/100)(GLサイエンス製)を上記キシラン0.075に対し1の重量割合で混合し、プラスチック製のカラム5(3mm(直径)×3cm(長さ)mm)に詰める。この場合、Xylazyme AXの1錠剤から約6本のカラムが作製できた。測定装置の恒温槽6にカラムを設置して、恒温槽温度を37℃に設定しておく。その後pH7の0.1Mリン酸緩衝液1を流速1.9ml/minの流量でポンプ2としてプランジャーポンプを使用して流す。それぞれ異なるキシラナーゼ活性を有する5つのサンプルのそれぞれ50μlを注入器3としてマニュアルインジェクタにマイクロシリンジ(ハミルトン社製)を使用して注入し、溶出する色素の600nmの吸光強度(デジタルカウント)を検出器7としてBF−CM測定器(王子計測器社製)を使用して測定したところ465、610、729、863、954、1053であった。なお、カラムは1回の測定に1個使用する。なお装置の初期安定化に30分を要し、1回の測定は約15分程度(カラム交換と温度安定を含む)で行なった。ミキシングチューブ4としてはテフゼル(デュポン社)製チューブ(内径1mm、長さ1m)のミキシングコイルを使用した。
【0037】
比較例:還元糖定量によるキシラナーゼ活性の測定
【0038】
(1)キシラン基質の調製
McIlvaine緩衝液(pH6.0)にBirch xylan(Sigma社製)を溶解分散させて1.25%キシラン基質溶液とする。
【0039】
(2)DNS試薬の調製方法(生物化学実験法1 還元糖の定量法 第2版 P.23 福井作蔵著 学会出版センター 1990)
4.5%の苛性ソーダ溶液300mlに、DNS(3,5−dinitrosalicylic acid)1%溶液880mlおよびロッセル塩255gを加える。別に10%苛性ソーダ溶液22mlに結晶フェノール10gを加え、水を追加して溶解、100mlとする。このアルカリ性フェノール液69mlにNaHCO36.9gを加えて溶かし、上記DNS液を注いでロッセル塩が十分に溶解するまでかきまぜる。2日放置後、濾過する。
【0040】
(3)活性測定
キシラナーゼ活性が0.5〜5U/ml程度になるようにサンプルを希釈する。
希釈したサンプル50μlをキシラン基質溶液200μlに添加し、70℃で5分間反応させる。反応後DNS試薬を500μl加えて10分間煮沸反応させる。煮沸反応後氷水で5分間急冷する。反応液を5倍に希釈して500nmの吸光度を測定する。なお、ここで示すキシラナーゼ活性の1単位(1U:1ユニット)とは、1分間に1μmolのキシロースを生成する酵素量と定義する。
【0041】
上記手順で発色させたキシロース溶液を検量線とし、キシラナーゼ活性を求める。実施例で使用したキシラナーゼ活性を含む5サンプルを以上の方法によりキシラナーゼ活性を測定したところ、それぞれ250、300、350、400、410、450U/mlであった。
【0042】
実施例で測定したデジタルカウント及び比較例で測定したキシラナーゼ活性値をプロットして図2に示した。図2は還元糖測定法によるキシラナーゼ活性値と本発明の酵素活性測定の結果の相関を示す図である。
【0043】
両者の相関を求めたところ相関係数の自乗が0.9894と高い相関性が認められ、本活性測定装置と従来の還元糖測定による活性測定と高い相関があることが明らかとなった。つまり従来法である還元糖の定量によるキシラナーゼの活性測定値と本発明の活性測定装置によるキシラナーゼの活性測定値の間に高い相関があることがわかった。
【0044】
【発明の効果】
不溶性基質に作用するいわゆる不均一反応を触媒する酵素の定量法について、熟練することなく簡便かつ高精度、安価に酵素活性を定量できる装置の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酵素活性測定装置の一例のブロック図。
【図2】還元糖測定法によるキシラナーゼ活性値と本発明の酵素活性測定の結果の相関を示す図。
【符号の説明】
1 緩衝液
2 ポンプ
3 注入器
5 カラム
7 検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、不均一酵素反応を簡便かつ高精度に検知し、酵素活性を定量できる方法および装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種酵素活性を定量することは、産業用酵素生産時の品質管理、臨床検査、生体反応の解析に必要である。
【0003】
たとえば、臨床検査においては測定対象が全血、血清等の体液が主なものである。従来から酵素活性測定については可溶性基質を利用して、基質の減少量もしくは生成物の増加量を追跡することが行われている。しかし不溶性の基質、たとえばコラーゲン・エラスチンなどの構造タンパク質に作用する酵素が実際に不溶性基質に作用する際の酵素活性を測定することは困難である。そのため、低分子量の可溶性基質を選定することにより、その酵素活性を評価することが行われてきた。しかし多くの酵素では同一反応を触媒するものの、構造、酵素学的特性が異なるアイソザイムが存在することが多い。したがって厳密な意味で可溶性の基質のみを用いた測定結果が正しいとは言い切れなかった。
【0004】
同様に産業用酵素についても、セルロース、キシランなどの高分子多糖に作用する酵素の活性を評価する場合にも当てはまる。キシランの例で述べれば、この多糖に作用するキシラナーゼ(EC 3.2.1.8)はキシランを加水分解しオリゴ糖と単糖を生成する。本酵素を木材に作用させると、ヘミセルロース画分の主たる構成要素であるキシランを分解する。その結果リグニン多糖複合体の一部が切断され、リグニンを除去することが可能である。つまり酵素反応を利用したパルプ製造プロセスであるバイオパルピングやバイオブリーチングに重要な役割を果たす酵素である。
【0005】
エンド型キシラナーゼは主として高分子のキシランの分子から比較的分子量の大きいオリゴ糖を生成する。エキソ型キシラナーゼは低分子量のキシロオリゴ糖および単糖であるキシロースを生成する。従来これらのキシラナーゼ活性を測定する場合、可溶性の低分子量のキシロオリゴ糖を用いて主としてエキソ型キシラナーゼ活性を測定するか、木材やオートスペルとや小麦などから精製したキシランを熱水に溶解し、酵素反応により増加する還元末端残基数を定量するか、粘度の低下を測定することが行われてきた。
【0006】
この方法はキシランの溶解に時間を要する上、一部不溶物が残る可能性があるため、基質の調製の点で再現性の良い方法とは言い難い。さらに還元末端残基の定量は、銅などの金属あるいはジニトロサリチル酸などの有機物の還元を用いて検出する。そのため有害な分析廃液が残りその処理の手間があった。
【0007】
また、他のキシラナーゼの活性測定方法としてキシランにRBB(レマゾールブリリアントブルー)で着色したRBB−キシランを基質として用いる方法(非特許文献1参照)やアゾ色素等の色素により着色した可溶性キシランを用いる方法(非特許文献2参照)がある。これら着色したキシランはキシラナーゼによる加水分解を受けて低分子の着色キシランを生成する。酵素反応後に反応物にエタノールを添加して未分解の高分子キシランを沈殿させ、溶液中の分解した低分子の着色キシランを分光光度計で定量する方法である。
【0008】
さらには、金属タンパク色素であるアズリン等の色素により着色した不溶性のキシランを基質として用いるキシラナーゼ活性測定方法も知られている。(非特許文献3参照)メガザイム社が市販しているアズリンとコムギアラビノキシランを架橋して錠剤としたXylazyme(AX)を使ったキシラナーゼ測定方法が紹介されている。(非特許文献4参照)
【0009】
その内容は簡単に次のとおりである。測定しようとする酵素サンプルを分析に適した倍率に希釈する。試験管に酵素を一定量取り、40℃で5分間予熱する。Xylazyme(AX)錠を入れ、40℃で10分間酵素反応を行い、苛性ソーダ溶液あるいは、Trizma baseを添加して反応を停止する。反応液の放冷・攪拌後にろ過を行い、ろ液の590ナノメーターの吸光度を測定する。
【0010】
【非特許文献1】
Will A.Woodら編 「Methods in enzymology Volume 160 Biomass Part A Cellulose and Hemicellulose 」 Academic Press 出版 よりp.536 ̄541, P. Bielyら著 「Remazol Brilliant Blue−Xylan:A Soluble Chromogenic Substrate for Xylanases (1988)
【非特許文献2】
Megazyme International Ireland Ltd. /Purchase Products / Soluble Chromogenic Substrates / Azo−Xylan(Birchwood) / Data Booklet/「 Assey of endo−1,4β−Xylanase using AZO−XYLAN(BIRCHWOOD)」 [on line] 平成14年11月26日検索 、インターネット
<URL :http://www.megazyme.com/booklets/SAXBL.20902.pdf >
【非特許文献3】
Visser, J., Beldman, G., Kusters−van Someron, M.A. and Voragen, A.G.J.編「Xylans and Xylanases」 Progress in Biotechnology Vol. 7, Elsevier, N.Y. 出版よりp. 161−169 McCleary, B.V.ら著「Measurement of endo−1,4−β−D−Xylanase」 (1992) )
【非特許文献4】
日本バイオコン株式会社、” PRODUCT INFORMATION/キシラナーゼ測定用基質/endo−XYLANASE ASSAY REAGENTS”、[online],平成14年10月31日検索、インターネット<URL:http://www.biocon.co.jp/itiran/kits/megazyme.htm>
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
これらのキシラナーゼ活性測定方法は感度が高いために、キシラナーゼ生産微生物の培養液中のキシラナーゼ活性や濃縮されたキシラナーゼサンプルを測定する場合は、数十倍〜数千倍に希釈して予めサンプルを調製することが必要であった。更に、希釈倍率が高い場合は、複数段階の希釈操作が必要になるなど操作が煩雑で誤差を生じやすくなる。
【0012】
酵素反応工程においても、定温にて一定時間の反応を管理する必要がある。続いてアルカリ等の試薬による酵素反応停止、希釈、ろ過、発色反応のための煮沸、急冷、比色定量、あるいは滴定などの工程を含むため、恒温槽や煮沸、吸光度測定などのための機器や急冷用の材料も必要である。そのため、測定には多大な準備作業と時間を要し、機器が揃った特定の場所に制限され、一定のスペースも必要であった。さらに工程が多いために再現性良く分析を実施するには熟練を要するという問題があった。また、Xylazyme AXを使用する場合は、試薬が高価であるため1回の測定コストが高くなるという問題もあった。
【0013】
本発明は、既述の不溶性基質に作用するいわゆる不均一反応を触媒する酵素について、その酵素活性を簡便かつ高精度に定量できる方法および装置を提供することを目的とするものである。多大な機器の準備やスペースも必要でなく、特に熟練が不要なことを特徴とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる酵素活性測定方法は、▲1▼緩衝液の流れを形成し、▲2▼該緩衝液流に試料を注入し、▲3▼注入点の下流側において、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基を一定の割合にて結合させた基質であって、測定対象酵素の緩衝液に実質的に不溶な基質を緩衝液に接触させ、▲4▼酵素反応により可溶化した基質の一部が有する前記一つの特性を測定する。
本発明にかかる酵素活性測定装置は、緩衝液の流れを形成する機構と、該緩衝液流に試料を注入する機構とを有する酵素活性測定装置であって、注入機構の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基を一定の割合にて結合させた基質であって、測定対象酵素の緩衝液に実質的に不溶な基質を充填した容器を配置し、酵素反応により可溶化した基質の前記一つの特性を測定する検出器を該容器の下流に配置する。
更に本装置は、前記容器に基質の他に更に担体を充填することが好ましい。
また、更に前記緩衝液に実質的に不溶な基質が60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径の範囲内にある基質であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がキシラナーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質がキシランであり、電磁波吸収能を有する化合物が色素であり、検出器が可視光吸収検出器であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がキシラナーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質がキシランであり、蛍光性を有する化合物が蛍光色素であり、検出器が蛍光検出器であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がアミラーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質が未溶解デンプン粒子であり、電磁波吸収能を有する化合物がアゾ色素であり、検出器が可視光吸収検出器であることが好ましい。
また、測定する酵素活性がアミラーゼ活性である場合は、前記緩衝液に実質的に不溶な基質が蛍光色素を結合させた未溶解デンプン粒子であり、検出器が蛍光検出器であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、酵素活性を測定するにあたりフロー型分析装置の一種を構成する。本発明の酵素活性測定装置のブロック図を図1に示した。本発明の酵素活性測定装置を図1を参照しながら説明する。
緩衝液1としてはリン酸塩、クエン酸塩などの緩衝能を有する水溶液を用いることができる。また試料等から持ち込まれる気泡を除くために界面活性剤等を添加しても良い。さらに微生物による汚染を防ぐためにソルビン酸、アジ化ナトリウムなどの制菌剤や抗生物質を添加することができるが、あくまで後段に予定されている検出を妨害しないことを考慮して選択する。
【0016】
次にこの緩衝液は緩衝液の流れを形成する機構であるポンプ2によって後段に送液される。一定流量で送液する機能を持つポンプとして好ましいものとしては、チューブポンプ、シリンジポンプなどが挙げられる。中でも高圧送液が可能なプランジャーポンプは後段に接続する酵素基質を充填したカラムを用いる上で、また高精度送液を実現するために好適である。なお、プランジャーポンプは緩衝液中に気泡が存在すると送液精度が低下する問題点があり、気泡をトラップする機構や真空脱気装置を適宜併用することが好ましい。
【0017】
次に、緩衝液流に試料としての酵素溶液を一定量計量して注入する機構である注入器3に緩衝液が到達する。注入器としてはループ型インジェクター、セプタムインジェクターなどの高速液体クロマトグラフで試料注入に用いられる計量装置を用いる。サンプルの吸引、注入、洗浄を自動化した、いわゆる定量注入用オートサンプラーを用いても良い。注入容量としては酵素活性に応じて増減することが可能であるか、一般的に0.1〜1000μL程度、より望ましくは5〜50μLである。この量が少なすぎると再現性を確保することが困難になりやすい。逆に、多すぎると後段の不溶性基質を充填したカラムを通過する時間がかかるため分析時間が長くなり実用的上支障が出やすくなる。尚、先に挙げた緩衝液は、この計量機構、つまりインジェクターやサンプラー、当該酵素反応に適したものである。
【0018】
この注入器3の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性、もしくは電気化学的に活性を有する化合物もしくは官能基を結合させた緩衝液に実質的に不溶な酵素の基質を充填する容器を配置する。容器としてはいわゆるカラム5が使用される。この基質を以降省略して「識別性を有する不溶性基質」と呼ぶ。またカラム5の前には混合機構としてミキシングチューブ4が配置することがより好ましい。このミキシングチューブは常に必要な機構ではないが、緩衝液中に注入された試料をカラム5に入る前に均一に緩衝液中に分散させる上で非常に好ましい。ミキシングチューブは一般にフッ素樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル等の樹脂製の管またはステンレス製、ガラス製の管を用いる。内径は0.1〜10mm、より好ましくは0.25〜1mmの管を用いる。また設置空間を小さくするためこれらの管をコイル状等の巻いた形態にして使用することが多い。
【0019】
容器は内部に基質や後述の担体を保持でき、液が滞留すればよく、カラム、セル、チューブ、多孔性のディスクやメンブランなどが使用できる。最も使用しやすいカラム5としてはステンレス等の金属、塩化ビニル、アクリル等の樹脂製のカラムを利用できる。これらの材質の中でも内部に充填した基質を目視確認しやすい樹脂製カラムが使いやすい。これらのカラムの両末端は基質が漏出しない程度の封止材を配置して構成される。
【0020】
このカラムの中に識別性を有する不溶性基質を充填するわけである。それらの基質の中で、例えば電磁波吸収能を有する識別性を有する不溶性基質とは、主に光(可視光、赤外光、紫外光)の吸収波長に特徴を持ち、これを測定することにより識別ができる化合物等を結合させた基質のことを意味するものである。これら、後段の測定の観点から種々の特徴的性質をもつ化合物、官能基としては代表的なものとしては可視部の吸収を有するアゾ色素やフルオラン系色素、金属タンパク色素が例示できる。また蛍光性を有する化合物としてはフルオレセイン系色素が挙げられる。発光性の化合物としてはルミノール、アクリジンオレンジ系化合物が例示できる。電気化学的に活性な化合物としてはフェロセン系化合物やベンゾキノン系化合物が例示できる。また実質的に不溶な酵素の基質としてはキシランのほかにもマンナン、デンプン、、デキストラン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類やリグニンや植物抽出成分等の芳香族化合物などの不溶性高分子が挙げられる。識別性を有する不溶性基質の具体例として金属タンパク色素であるアズリンを小麦アラビノキシラン、カバ、ブナ、カラマツなどの樹木類や小麦、オート麦、ライ麦等の麦類およびトウモロコシ等から抽出したキシランに架橋結合させたものなどがある。
【0021】
前記の識別性を有する不溶性基質をカラムに充填する場合、該基質以外に市販のガスクロマトグラフィーカラム用の担体、例えば耐火レンガ系、珪藻土系、ガラス、樹脂等で構成される担体を充填物として使用できる。酵素反応および測定系に影響を与えない充填物を混合してカラムに充填することがより好ましい。この操作すなわち、識別性を有する不溶性基質と充填物との混合比率を調整することにより酵素活性に応じた感度のカラムが作製できる。このため酵素を含む試料(サンプル)の希釈作業が不要となり、測定誤差の原因の一つを排除できる。
さらには、この操作により、使用する識別性を有する不溶性基質も少量で良くなり、市販されている識別性を有する不溶性基質を使う手作業による測定と比較して大幅に測定の手間等を低減することができる。
【0022】
更にこのカラムや好ましくはミキシングチューブを恒温槽6内に配置すると酵素反応に大きな影響を与える温度を一定化し測定精度を向上することができるのでより好ましい。
また、この構成により緩衝液の流量を一定に制御しているので酵素反応を均一に行うことができる。すなわちこのように一定の流量で緩衝液を流すので、酵素を含む試料がカラムを通過する時間が一定になるため、反応保持の点ではインキュベーションにおいて特定の時間が設定されている事と同様になる。すなわち、均一な酵素反応を行う為に反応開始や、反応停止を監視して特定のインキュベーション時間を測定管理する必要はないと言うことになる。また、反応時間はカラムの設計にもよるが、極めて短くすることができ、サンプルを注入後1分程度でデータを得ることができる。
【0023】
上記と関連するが、識別性を有する不溶性基質を詰めたカラムを酵素が通り、基質と酵素が結合して、例えばキシラン測定の場合は、キシランが分解されて色素がついたフラグメントが流出する。この反応が一定の流速を持った緩衝液の中で行われるため、色素が結合した分解物が徐々に溶出して検出器の測定値のピークを形成した後減っていく。本願発明では、そのピーク時の検出器の測定値が酵素活性と完全に相関が得られることを見出したわけである。結局、例えば薬剤を投入して、反応の停止を人為的に行わなくても、以上のように反応を継続しつつ測定を行っているので、ことさら反応停止をさせることは必要がない。
【0024】
カラム5の下流に検出器7が配置される。この検出器としては紫外可視吸収検出器、蛍光検出器、発光検出器もしくは電気化学検出器が例示される。いずれの検出器においても緩衝液が流通可能なフローセルを有する構造のものを用いる。このような検出器を使用するので、オンラインにて極めて迅速に測定が行える。
【0025】
また、このような測定の際に、カラムに、識別性を有する不溶性基質を一定の範囲の粒子径にあるものを選択して充填した場合は、例えばキシラン測定の場合は、未反応の固形キシランが(キシランと酵素が反応しても反応しきれない基質(固形分キシラン)が残り、この基質(キシラン)が)カラムから流出してくる緩衝液中に混入することがなく、以上のような検出器による測定に悪影響を与えることがない。
【0026】
緩衝液の送液に用いるポンプとインジェクター、カラム、検出器を接続するにはスレンレスなどの金属配管、フッ素樹脂、ポリエチレンなどの樹脂製配管を利用できる。特にフッ素樹脂製の配管は酵素の吸着などの問題を回避できる点で望ましい。
【0027】
もちろん緩衝液に測定対象酵素を含む試料を注入し、注入点の下流側において、該緩衝液に実質的に不溶な基質が酵素と接触し、何らかの可溶性の基質分解物が得られれば、必ずしもカラムを利用しなくても酵素活性を測定できる。
例えば前記の緩衝液に実質的に不溶な基質微粒子を、緩衝液に分散させて一定の条件で送液することにより、緩衝液と接触させる。その後、酵素反応で可溶化した基質の一部と不溶な基質微粒子をフィルターで分離し、可溶化した基質の一部を上述のようにして測定すればよい。フィルターについては、基質微粒子以下であり、通過しないメッシュサイズ有するナイロンメッシュ等を使うことができる。
【0028】
また、酵素反応により低分子化することにより緩衝液中に分散した基質の一部が有機溶媒に溶ける性質を有する場合、緩衝液の流れに緩衝液と混和しない有機溶媒を選択し、合流させ、酵素緩衝液中に分散した基質の一部と十分に接触させた後、その有機溶媒を比重などにより分離することにより同様に測定することも可能である。例えば、緩衝液の比重を1とした場合、該緩衝液より比重の大きい有機溶剤(例えばクロロホルム、ジクロロメタン等)を合流させた場合は、緩衝液層の下に溶媒層が位置する為に下部から溶媒を抜き取ることで溶媒に溶解した酵素反応生成物を分離することができる。また、緩衝液の比重より小さい有機溶媒(例えば酢酸エチル、ヘキサン等)を合流させた場合は、緩衝液の上に溶媒層が位置する為に上部から溶媒を抜き取ることで溶媒に溶解した酵素反応生成物を分離することができる。
【0029】
以上のような測定装置を使用してキシラナーゼの酵素活性を測定する例を以下に説明する。まず木材より抽出したキシランを用意する。木材としてはカバ、ブナなどから抽出することが一般的であるが、目的に応じてわらなどから調製することも可能である。このキシランにアゾ色素あるいは金属タンパク色素を結合させる。色素の結合量は、目的とする酵素活性に応じて変更することが可能であるが、完全に全てのキシロース残基に色素を結合するとキシラナーゼ活性が阻害されてしまうため、100残基中0.01〜10残基程度に結合させることが望ましい。
【0030】
カラムに基質を充填する場合、あまり基質粒子の大きさが大きいと酵素活性検出の再現性が低下し、細かすぎると基質の漏出を招くため、粒子径を篩い分けなどで60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径範囲に揃えておくことが望ましい。
【0031】
キシランと色素の結合した基質について酵素反応により可溶化した成分を検出する検出器としては可視吸収検出器を用いる。同様にキシランに蛍光色素を結合させた基質については、蛍光検出器を用いることにより高感度測定が可能である。
【0032】
別の例として、測定する酵素活性がアミラーゼ活性である場合は、実質的に不溶な基質がアゾ色素あるいは金属タンパク色素を結合させた未溶解デンプン粒子であり、検出器が可視吸収検出器を用いることが可能である。キシラナーゼの場合と同様に、蛍光色素を結合させた未溶解デンプン粒子を基質として用い、検出器が蛍光検出器である酵素活性測定装置である。
【0033】
さらに、酵素活性を測定するにあたり、酵素溶液を一定量計量するインジェクターと、緩衝液を送液するポンプと、前記インジェクターの下流側に実質的に不溶な酵素の基質を充填したカラムを配置し、その下流に酵素反応により可溶化された化学物質を少なくとも酸化もしくは還元する固定化酵素を配置し、該酸化還元反応により生成した化合物を検出する電気化学検出器を配置した酵素活性測定装置を構成することも可能である。
【0034】
例えば、デンプン粒子をカラムに充填し、固体のデンプン粒子を分解できるグルコアミラーゼ(EC.3.2.1.3)溶液を注入するとβ−D−グルコースが遊離される。このグルコースをグルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4)を固定化した酵素電極で測定することによりグルコアミラーゼ活性を検知することができる。
【0035】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例及び比較例では、異なるキシラナーゼ活性を含むサンプルに対し、本発明による活性測定装置及び還元糖定量による従来法にてキシラナーゼ活性を測定した。
【0036】
実施例:活性測定装置によるキシラナーゼ活性の測定
図1に示した酵素活性測定装置を使用してキシラナーゼ活性を測定した。図1は本発明の酵素活性測定装置の一例のブロック図である。金属タンパク色素であるアズリンを小麦アラビノキシランに架橋結合させたメガザイム社製Xylazymeを60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径範囲になるように調製する。充填剤としてガスクロマトグラフ用担体(80メッシュパス、100メッシュオン)、Uniport C(80/100)(GLサイエンス製)を上記キシラン0.075に対し1の重量割合で混合し、プラスチック製のカラム5(3mm(直径)×3cm(長さ)mm)に詰める。この場合、Xylazyme AXの1錠剤から約6本のカラムが作製できた。測定装置の恒温槽6にカラムを設置して、恒温槽温度を37℃に設定しておく。その後pH7の0.1Mリン酸緩衝液1を流速1.9ml/minの流量でポンプ2としてプランジャーポンプを使用して流す。それぞれ異なるキシラナーゼ活性を有する5つのサンプルのそれぞれ50μlを注入器3としてマニュアルインジェクタにマイクロシリンジ(ハミルトン社製)を使用して注入し、溶出する色素の600nmの吸光強度(デジタルカウント)を検出器7としてBF−CM測定器(王子計測器社製)を使用して測定したところ465、610、729、863、954、1053であった。なお、カラムは1回の測定に1個使用する。なお装置の初期安定化に30分を要し、1回の測定は約15分程度(カラム交換と温度安定を含む)で行なった。ミキシングチューブ4としてはテフゼル(デュポン社)製チューブ(内径1mm、長さ1m)のミキシングコイルを使用した。
【0037】
比較例:還元糖定量によるキシラナーゼ活性の測定
【0038】
(1)キシラン基質の調製
McIlvaine緩衝液(pH6.0)にBirch xylan(Sigma社製)を溶解分散させて1.25%キシラン基質溶液とする。
【0039】
(2)DNS試薬の調製方法(生物化学実験法1 還元糖の定量法 第2版 P.23 福井作蔵著 学会出版センター 1990)
4.5%の苛性ソーダ溶液300mlに、DNS(3,5−dinitrosalicylic acid)1%溶液880mlおよびロッセル塩255gを加える。別に10%苛性ソーダ溶液22mlに結晶フェノール10gを加え、水を追加して溶解、100mlとする。このアルカリ性フェノール液69mlにNaHCO36.9gを加えて溶かし、上記DNS液を注いでロッセル塩が十分に溶解するまでかきまぜる。2日放置後、濾過する。
【0040】
(3)活性測定
キシラナーゼ活性が0.5〜5U/ml程度になるようにサンプルを希釈する。
希釈したサンプル50μlをキシラン基質溶液200μlに添加し、70℃で5分間反応させる。反応後DNS試薬を500μl加えて10分間煮沸反応させる。煮沸反応後氷水で5分間急冷する。反応液を5倍に希釈して500nmの吸光度を測定する。なお、ここで示すキシラナーゼ活性の1単位(1U:1ユニット)とは、1分間に1μmolのキシロースを生成する酵素量と定義する。
【0041】
上記手順で発色させたキシロース溶液を検量線とし、キシラナーゼ活性を求める。実施例で使用したキシラナーゼ活性を含む5サンプルを以上の方法によりキシラナーゼ活性を測定したところ、それぞれ250、300、350、400、410、450U/mlであった。
【0042】
実施例で測定したデジタルカウント及び比較例で測定したキシラナーゼ活性値をプロットして図2に示した。図2は還元糖測定法によるキシラナーゼ活性値と本発明の酵素活性測定の結果の相関を示す図である。
【0043】
両者の相関を求めたところ相関係数の自乗が0.9894と高い相関性が認められ、本活性測定装置と従来の還元糖測定による活性測定と高い相関があることが明らかとなった。つまり従来法である還元糖の定量によるキシラナーゼの活性測定値と本発明の活性測定装置によるキシラナーゼの活性測定値の間に高い相関があることがわかった。
【0044】
【発明の効果】
不溶性基質に作用するいわゆる不均一反応を触媒する酵素の定量法について、熟練することなく簡便かつ高精度、安価に酵素活性を定量できる装置の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酵素活性測定装置の一例のブロック図。
【図2】還元糖測定法によるキシラナーゼ活性値と本発明の酵素活性測定の結果の相関を示す図。
【符号の説明】
1 緩衝液
2 ポンプ
3 注入器
5 カラム
7 検出器
Claims (8)
- ▲1▼緩衝液の流れを形成し、▲2▼該緩衝液流に試料を注入し、▲3▼注入点の下流側において、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基を一定の割合にて結合させた基質であって、測定対象酵素の緩衝液に実質的に不溶な基質を緩衝液に接触させ、▲4▼酵素反応により可溶化した基質の一部が有する前記一つの特性を測定する酵素活性測定方法。
- 緩衝液の流れを形成する機構と、該緩衝液流に試料を注入する機構とを有する酵素活性測定装置であって、注入機構の下流側に、電磁波吸収能、蛍光性、発光性および電気化学的な活性の中の少なくとも一つの特性を有する化合物または官能基を一定の割合にて結合させた基質であって、測定対象酵素の緩衝液に実質的に不溶な基質を充填した容器を配置し、酵素反応により可溶化した基質の前記一つの特性を測定する検出器を該容器の下流に配置した酵素活性測定装置。
- 前記容器に基質の他に更に担体を充填した請求項2記載の酵素活性測定装置。
- 前記緩衝液に実質的に不溶な基質が60メッシュパスかつ325メッシュオンの粒子径の範囲内にある基質である請求項2または3項に記載の酵素活性測定装置。
- 測定する酵素活性がキシラナーゼ活性であり、前記緩衝液に実質的に不溶な基質がキシランであり、電磁波吸収能を有する化合物が色素であり、検出器が可視光吸収検出器である請求項2から4のいずれか一項に記載の酵素活性測定装置。
- 測定する酵素活性がキシラナーゼ活性であり、前記緩衝液に実質的に不溶な基質がキシランであり、蛍光性を有する化合物が蛍光色素であり、検出器が蛍光検出器である請求項2から4のいずれか一項に記載の酵素活性測定装置。
- 測定する酵素活性がアミラーゼ活性であり、前記緩衝液に実質的に不溶な基質が未溶解デンプン粒子であり、電磁波吸収能を有する化合物がアゾ色素であり、検出器が可視光吸収検出器である請求項2から4のいずれか一項に記載の酵素活性測定装置。
- 測定する酵素活性がアミラーゼ活性であり、前記緩衝液に実質的に不溶な基質が蛍光色素を結合させた未溶解デンプン粒子であり、検出器が蛍光検出器である請求項2から4のいずれか一項に記載の酵素活性測定装置。
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JP2003031896A Pending JP2004236633A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 酵素活性測定方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004236633A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102278293A (zh) * | 2011-04-15 | 2011-12-14 | 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 | 一种基于毛细作用的微泵及其使用方法 |
JP2013153719A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | House Foods Corp | 食品試料中のアミラーゼ活性の分析法 |
US12031273B2 (en) | 2020-12-14 | 2024-07-09 | Buckman Laboratories International, Inc. | System and method of dynamic corrective enzyme selection and formulation for pulp and paper production |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003031896A patent/JP2004236633A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102278293A (zh) * | 2011-04-15 | 2011-12-14 | 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 | 一种基于毛细作用的微泵及其使用方法 |
JP2013153719A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | House Foods Corp | 食品試料中のアミラーゼ活性の分析法 |
US12031273B2 (en) | 2020-12-14 | 2024-07-09 | Buckman Laboratories International, Inc. | System and method of dynamic corrective enzyme selection and formulation for pulp and paper production |
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