【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好ましい色調の画像を与え、かつ暗所での画像の長期保存安定性が改良された熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用および写真技術用途の光感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
一般画像形成材料の分野でも同様の要求はあるが、医療用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像の出力システムとしては満足できるものがない。
【0004】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、知られている(例えば、特許文献1,2、および非特許文献1参照)。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した感光性層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。特許文献3,4をはじめとする多くの文献に開示され、そして熱現像感光材料による医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DP Lが発売されている。
【0005】
有機銀塩を利用した熱画像形成システムの製造においては、溶剤塗布により製造する方法と、主バインダーとしてポリマー微粒子を水分散として含有する塗布液を塗布・乾燥して製造する方法がある。後者の方法は溶剤の回収等の工程が不要なため製造設備が簡単であり、かつ大量生産に有利である。
いずれの製造方法においても、熱現像感光材料の最大の問題点は現像後に感材中に残される反応性の化合物によりかぶりが上昇したり、画像色調が変化したりして画像が劣化してしまうことであった。この問題を解決するために鋭意検討が行われてきており、熱現像剤の改良(例えば、特許文献5,6、および7参照。)や画像安定化剤(例えば、特許文献8参照。)の開発が行われてきた。
【0006】
また、特に医療用画像記録材料においては、画像色調の問題は診断能にも影響を及ぼすため極めて重要な品質であり、熱現像感光材料に求められる大きな改良課題であった。
熱現像感光材料の画像の銀色調を好ましい色調にコントロールすることに関してこれまでも多くの努力がなされてきた。例えば銀色調に大きく影響する銀キャリアに関しては好ましい銀キャリアーの開発(例えば、特許文献9参照。)、色調をコントロールする方法として色調調整剤の開発(例えば、特許文献10参照。)、およびその他の色調調整技術の開発(例えば、特許文献11〜14参照。)が行われた。
【0007】
しかし、上記の技術を持ってしても、画像色調と画像保存性を両立するという観点では十分満足のいくものが得られていないというのが現状であった。
【0008】
【特許文献1】
米国特許3152904号公報
【特許文献2】
米国3457075号公報
【特許文献3】
米国特許2910377号公報
【特許文献4】
特公昭43−4924号公報
【特許文献5】
特開2001−188314号公報
【特許文献6】
、特開2002−365758号公報
【特許文献7】
、同2001−209145号公報
【特許文献8】
特開2001−281793号公報
【特許文献9】
特開平9−149249号等公報
【特許文献10】
特開2002−169249号公報
【特許文献11】
特開2000−241927号公報
【特許文献12】
特開2001−330923号公報
【特許文献13】
特開2001−330925号公報
【特許文献14】
特開2002−49123号公報
【非特許文献1】
D.H.クロスターベール (Kolsterboer) による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第9章、第279頁、1989年)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、好ましい色調の画像を形成すると同時に、暗所での長期保存に対してかぶり上昇や画像色調の変化が小さい熱現像感光材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の熱現像感光材料によって達成された。
<1> 支持体の同一面上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感光材料であって、1)該感光性ハロゲン化銀の平均平均粒子サイズが0.05μm以下であり、2)該還元剤が下記一般式(R1)および下記一般式(R2)で表される化合物群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする熱現像感光材料。
【0011】
一般式(R1)
【化3】
【0012】
(一般式(R1)において、R1およびR1’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R2およびR2’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。R3は3ないし7員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子から選ばれる原子により構成される環を形成する置換基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)
【0013】
一般式(R2)
【化4】
【0014】
(一般式(R2)において、R1およびR1’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R2およびR2’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。R3はアルケニル基または不飽和結合を有するアルキル基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)
<2> 前記感光性ハロゲン化銀の平均平均粒子サイズが0.01μm以上0.04μm以下であることを特徴とする<1>に記載の熱現像感光材料。
<3> 銀塗設量が1.0〜1.9g/m2の範囲にあることを特徴とする<1>または<2>に記載の熱現像感光材料。
<4> 一般式(R1)および一般式(R2)で表される該還元剤において、R1またはR1’の少なくとも一方が2級または3級のアルキル基であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<5> 画像濃度1.0における色相角が180〜270゜の範囲にあることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<6> 銀塗設量が1.0〜1.5g/m2の範囲にあることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<7> 熱現像時間が6〜14秒の範囲にあることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
1.熱現像感光材料
本発明の熱現像感光材料は、支持体の少なくとも一方面上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する画像形成層を有している。また、好ましくは画像形成層の上に表面保護層、あるいはその反対面にバック層やバック保護層などを有してもよい。
これらの各層の構成、およびその好ましい成分について詳しく説明する。
【0016】
1−1.還元剤
本発明の還元剤は熱現像時に銀イオンを還元して現像銀にすることができる化合物である。
【0017】
1)一般式R1で表される還元剤
一般式(R1)について詳細に説明する。
【0018】
一般式(R1)
【化5】
【0019】
(一般式(R1)において、R1およびR1’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R2およびR2’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。R3は3ないし7員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子から選ばれる原子により構成される環を形成する置換基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)。
【0020】
1)R1およびR1’
R1およびR1’は、各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
【0021】
R1およびR1’として好ましくは炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0022】
2)R2およびR2’、XおよびX’
R2およびR2’は、各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、XおよびX’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
【0023】
R2およびR2’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
XおよびX’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0024】
3)R3
R3は3ないし7員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子より構成される環を形成する置換基を表す。環はすべてが炭素原子でもよく、炭素原子と前記ヘテロ原子から構成される複素環基であってもよい。
R3は好ましくは5ないし6員の炭素環またはヘテロ環を形成する炭素数3から20の基で、より好ましくは炭素原子または酸素原子から成る環を形成する基である。
【0025】
これらの環には不飽和結合が含まれていてもよい。
【0026】
これらの環は置換基を有していてもよい。置換基を含めた炭素数の範囲は2から30の範囲が好ましい。
R3で表される基は置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリルオキシ基、アリルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヘテロ環基、アミノ基、ヒドロキシ基などがあげられる。
【0027】
R3で表される環基の具体例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−ノルボルニル基、2−[2,2,2]−ビシクロオクチル基、2−アダマンチル基、2−シクロペンテニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−ジヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−ジヒドロピラニル基、2−ピロリジン基、2−ピペリジン基、3−テトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロホスホラン基などがあげられる。
【0028】
R3で表される環基のより好ましい具体例は、炭素数1〜15のシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であり、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましく、シクロアルケニル基としては2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロペンテニル基が好ましい。ヘテロ環基としては、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基が好ましい。R3として特に好ましいのはシクロヘキシル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロペンテニル基である。
【0029】
以下に本発明の一般式(R1)で表される化合物をはじめとする本発明の還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
本発明において還元剤の添加量は0.1〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5g/m2で、さらに好ましくは0.3〜1.0g/m2である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50%モル含まれることが好ましく、より好ましくは8〜30モル%であり、10〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
【0043】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0044】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜2μmの微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
【0045】
2)一般式R2で表される還元剤
一般式R2で表される還元剤について説明する。
【0046】
一般式(R2)
【化18】
【0047】
(一般式(R2)において、R1およびR1’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R2およびR2’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。R3は有する置換または無置換のアルキル基またはアルケニル基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)
【0048】
一般式(R2)について詳細に説明する。
1)R1およびR1’
R1およびR1’は、各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
【0049】
R1およびR1’として好ましくは炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0050】
2)R2およびR2’、XおよびX’
R2およびR2’は、各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、XおよびX’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
【0051】
R2およびR2’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
XおよびX’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0052】
3)R3
R3は、炭素数2から20のアルケニル基または不飽和結合を有するアルキル基を表す。アルケニル基およびアルキル基は、無置換でも置換基を有しても良い。
置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、カルボニル基、ヒドロキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヘテロ環基などがあげられる。
【0053】
不飽和結合としては、好ましくは炭素−炭素不飽和結合または炭素−窒素不飽和結合であり、より好ましくは炭素−炭素不飽和結合である。
不飽和結合を有するアルキル基は、具体的には炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、炭素−窒素二重結合、炭素−窒素三重結合のいずれかを有するアルキル基で、より好ましくは炭素−炭素二重結合を有するアルキル基である。
これらの基は分子内に少なくとも1つ含まれる。 これらの基は分子内に2つ以上あってもよく、その場合には、これらの不飽和結合は共役していても、共役していなくてもよく、共役していないことがより好ましい。
【0054】
以下に本発明の一般式(R2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】
【化26】
【0063】
本発明における還元剤は、単独でも複数種類を併用して用いても良い。併用する場合、本発明の一般式(R1)の化合物に属する異なる種類の化合物、および一般式(R2)の化合物に属する異なる種類の化合物、あるいは一般式(R1)と一般式(R2)から化合物を選んでも良い。
例えば、本発明の一般式(R1)で表される化合物と一般式(R2)で表される化合物の使用比率は、10/90〜90/10、好ましくは30/70〜80/20である。
【0064】
本発明の一般式(R2)の化合物は、前記一般式(R1)の化合物と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に添加してもよい。
好ましい添加方法も前記一般式(R1)の化合物と同様である。
【0065】
本発明において還元剤の添加量は0.1〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5g/m2で、さらに好ましくは0.3〜1.0g/m2である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50%モル含まれることが好ましく、より好ましくは8〜30モル%であり、10〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。
複数種類の還元剤を併用する場合は、それらの合計添加量が上記の範囲にあることが好ましい。
【0066】
還元剤を添加する層は、支持体の画像形成層がある面側のいかなる層でもかまわないが、画像形成層かそれに隣接する層が好ましく、画像形成層がより好ましい。
【0067】
3)本発明の還元剤と併用できるその他の還元剤
本発明の熱現像感光材料には、前記一般式(R1)および(R2)で表される化合物とともに他の還元剤を併用しても良い。
併用し得る還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において併用し得る還元剤としては、フェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(R)で表される化合物がより好ましい。
【0068】
一般式(R)
【化27】
【0069】
(一般式(R)において、R11およびR11’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1およびX1’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)
【0070】
一般式(R)について詳細に説明する。
1)R11およびR11’
R11およびR11’は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
【0071】
2)R12およびR12’、X1およびX1’
R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1およびX1’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
【0072】
3)L
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基などがあげられる。 アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
【0073】
4)好ましい置換基
R11およびR11’として好ましくは炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0074】
R12およびR12’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
X1およびX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0075】
Lは好ましくは−CHR13−基である。
R13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基である。
【0076】
R13が水素原子である場合、R12およびR12’は好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であり、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
R13が炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基である場合、R12およびR12’はメチル基が好ましい。R13の炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が更に好ましい。
R11、R11’、R12およびR12’がいずれもメチル基である場合には、R13は2級のアルキル基であることが好ましい。この場合R13の2級アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’およびR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調整することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0077】
以下に本発明の一般式(R)で表される化合物をはじめとする本発明の還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
【化28】
【0079】
上記以外の本発明の好ましい還元剤の例は特開2001−188314号、同2001−209145号、同2001−350235号、同2002−156727号に記載された化合物である。
【0080】
一般式(R)の化合物は本発明の還元剤と同様の方法により分散し、感材中に添加することができる。
【0081】
本発明の一般式(R1)および/もしくは(R2)で表される化合物に対して一般式(R)で表される化合物の使用比率は、90/10〜0/100、好ましくは70/30〜0/100、より好ましくは50/50〜0/100である。
これらの還元剤のトータル使用量は、本発明の還元剤について記載した量の範囲にすることが好ましい。
【0082】
(有機銀塩の説明)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0083】
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸銀含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸銀含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
【0084】
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
【0085】
2)形状
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
【0086】
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
【0087】
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μ 以上0.3μm 以下が好ましく0.1μm 以上0.23μm 以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
【0088】
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
【0089】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0090】
3)調製
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
【0091】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し1mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mol%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
【0092】
本発明において有機銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1〜30モル%の範囲が好ましく、更に2〜20モル%、特に3〜15モル%の範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
【0093】
4)添加量
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1〜5.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜3.0g/m2、さらに好ましくは0.8〜1.9g/m2である。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量が1.7g/m2以下、より好ましくは1.5g/m2以下であることが好ましい。本発明の好ましい還元剤を使用すれば、このような低銀量においても十分な画像濃度を得ることが可能である。
【0094】
(現像促進剤の説明)
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特願2001−074278号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物が好ましく用いられる。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは0.5〜10モル%の範囲で、より好ましくは1〜5モル%の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物または乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、もしくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号明細書に記載の一般式(D)で表されるヒドラジン系の化合物および特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物がより好ましい。
【0095】
本発明の特に好ましい現像促進剤は下記一般式(A−1)および(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1)
Q1−NHNH−Q2
(式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。)
【0096】
一般式(A−1)において、Q1で表される芳香族基またはヘテロ環基としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0097】
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、およびアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙げることができる。
【0098】
Q2で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
【0099】
Q2で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Q2で表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
【0100】
Q2で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Q2で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
【0101】
Q2で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Q2で表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される5〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0102】
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Q1としては5〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Q2はカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
【0103】
一般式(A−2)
【0104】
【化29】
【0105】
一般式(A−2)においてR1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
R1は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンソイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R2は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
R3は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。R4は水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基またはアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はR1と同様である。R4がアシルアミノ基である場合R4はR3と連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
【0106】
一般式(A−2)においてR3とR4が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、R1はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。R2はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0107】
以下、本発明の現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0108】
【化30】
【0109】
(水素結合性化合物の説明)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)またはアミノ基(−NHR、Rは水素原子またはアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)
【0110】
【化31】
【0111】
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
R21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0112】
R21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0113】
【化32】
【0114】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特願2001−124796号に記載のものがあげられる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20〜100モル%の範囲である。
【0115】
(ハロゲン化銀の説明)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀およびヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0116】
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
【0117】
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0118】
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0119】
5)重金属
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モルから1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0120】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6]4−、[Fe(CN)6]3−、[Ru(CN)6]4−、[Os(CN)6]4−、[Co(CN)6]3−、[Rh(CN)6]3−、[Ir (CN)6]3−、[Cr(CN)6]3−、[Re(CN)6]3−などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
【0121】
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
【0122】
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0123】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10−5モル以上1×10−2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10−4モル以上1×10−3モル以下である。
【0124】
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感およびテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、または化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
【0125】
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
【0126】
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0127】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)6]4−)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0128】
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
【0129】
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I) で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10−6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10−4〜10−1モルである。
【0130】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0131】
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0132】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価または+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特願2001−79450号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
【0133】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10−8〜10−2モル、好ましくは10−7〜10−3モル程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モルから10−3モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−4モルである。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0134】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素が好ましく、その他に塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
【0135】
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。
該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
【0136】
本発明の熱現像感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1〜5から選ばれる化合物である。
【0137】
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに2電子以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらにもう1電子を放出し得る化合物で、かつ同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物。
(タイプ3)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成過程を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ4)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く分子内の環開裂反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ5)
X−Yで表される化合物においてXは還元性基を、Yは脱離基を表し、Xで表される還元性基が1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続くX−Y結合の開裂反応を伴ってYを脱離してXラジカルを生成し、そこからさらにもう1電子を放出し得る化合物。
【0138】
上記タイプ1およびタイプ3〜5の化合物のうち好ましいものは、「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、または「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」である。タイプ1〜4の化合物はより好ましくは「2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物」である。
【0139】
タイプ1〜5の化合物について詳細に説明する。
タイプ1の化合物において「結合開裂反応」とは具体的に炭素−炭素、炭素−ケイ素、炭素−水素、炭素−ホウ素、炭素−スズ、炭素−ゲルマニウムの各元素間の結合の開裂を意味し、炭素−水素結合の開裂がさらにこれらに付随してもよい。タイプ1の化合物は1電子酸化されて1電子酸化体となった後に、初めて結合開裂反応を伴って、さらに2電子以上(好ましくは3電子以上)の電子を放出し得る化合物である。
【0140】
タイプ1の化合物のうち好ましい化合物は一般式(A)、一般式(B)、一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される。
【0141】
一般式(A)
【化33】
【0142】
一般式(B)
【化34】
【0143】
一般式(A)においてRED11は1電子酸化され得る還元性基を表し、L11は脱離基を表す。R112は水素原子または置換基を表す。R111は炭素原子(C)およびRED11と共に、5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体、もしくはオクタヒドロ体に相当する環状構造を形成し得る非金属原子団を表す。
【0144】
一般式(B)においてRED12は1電子酸化され得る還元性基を表し、L12は脱離基を表す。R121およびR122は、それぞれ水素原子または置換基を表す。ED12は電子供与性基を表す。一般式(B)においてR121とRED12、R121とR122、またはED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0145】
これら一般式(A)または一般式(B)で表される化合物は、RED11またはRED12で表される還元性基が1電子酸化された後、自発的にL11またはL12を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を2つ以上、好ましくは3つ以上放出し得る化合物である。
【0146】
一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)
【化35】
【0147】
一般式(1)においてZ1は窒素原子およびベンゼン環の2つの炭素原子と共に6員環を形成し得る原子団を表し、R1、R2、RN1はそれぞれ水素原子または置換基を表し、X1はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m1は0〜3の整数を表し、L1は脱離基を表す。一般式(2)においてED21は電子供与性基を表し、R11、R12、RN21、R13、R14はそれぞれ水素原子または置換基を表し、X21はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m21は0〜3の整数を表し、L21は脱離基を表す。RN21、R13、R14、X21およびED21は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。一般式(3)においてR32、R33、R31、RN31、Ra、Rbはそれぞれ水素原子または置換基を表し、L31は脱離基を表す。但しRN31がアリール基以外の基を表す時、RaおよびRbは互いに結合して芳香族環を形成する。
【0148】
これら化合物は1電子酸化された後、自発的にL1、L21、またはL31を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を2つ以上、好ましくは3つ以上放出し得る化合物である。
【0149】
以下、先ず一般式(A)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(A)においてRED11で表される1電子酸化され得る還元性基は、後述するR111と結合して特定の環形成をし得る基であり、具体的には次の1価基から環形成をするのに適切な箇所の水素原子1個を除いた2価基が挙げられる。例えば、アルキルアミノ基、アリールアミノ基(アニリノ基、ナフチルアミノ基等)、ヘテロ環アミノ基(ベンズチアゾリルアミノ基、ピロリルアミノ基等)、アルキルチオ基、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、ヘテロ環チオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、ヘテロ環オキシ基、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等)、芳香族または非芳香族のヘテロ環基(5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子のうち少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環で、その具体例としては、例えばテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキナゾリン環、インドリン環、インドール環、インダゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ベンゾチアゾリン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、メチレンジオキシフェニル環等が挙げられる)である(以後、便宜上RED11は1価基名として記述する)。RED11は置換基を有していてもよい。
【0150】
本発明において置換基とは、特に説明がない限り、以下の基から選ばれる置換基を意味する。ハロゲン原子、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、等が挙げられる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0151】
RED11として好ましくは、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリール基、芳香族または非芳香族のヘテロ環基であり、さらに好ましくはアリールアミノ基(特にアニリノ基)、アリール基(特にフェニル基)である。これらが置換基を有する時、置換基として好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基である。
但しRED11がアリール基を表す時、アリール基は少なくとも1つの「電子供与性基」を有していることが好ましい。ここに「電子供与性基」とは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、活性メチン基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(例えばインドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基など)、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基(ピロリジニル基、インドリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基などで環状のアミノ基とも呼べる基)である。ここで活性メチン基とは2つの「電子求引性基」で置換されたメチン基を意味し、ここに「電子求引性基」とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。
【0152】
一般式(A)においてL11は、具体的にはカルボキシ基もしくはその塩、シリル基、水素原子、トリアリールホウ素アニオン、トリアルキルスタニル基、トリアルキルゲルミル基、または−CRC1RC2RC3基を表す。ここにシリル基とは具体的にトリアルキルシリル基、アリールジアルキルシリル基、トリアリールシリル基などを表し、任意の置換基を有していてもよい。
【0153】
L11がカルボキシ基の塩を表すとき、塩を形成するカウンターイオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられ、好ましくはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、アルカリ金属イオン(特にLi+、Na+、K+イオン)が最も好ましい。
【0154】
L11が−CRC1RC2RC3基を表す時、ここにRC1、RC2、RC3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基を表し、これらが互いに結合して環状構造を形成していてもよく、さらに任意の置換基を有していてもよい。但し、RC1、RC2、RC3のうち1つが水素原子もしくはアルキル基を表す時、残る2つが水素原子もしくはアルキル基を表すことはない。RC1、RC2、RC3として好ましくは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基(特にフェニル基)、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環基、アルコキシ基、ヒドロキシ基で、具体的にその例を挙げると、フェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、メチルチオ基、フェニルチオ基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基、N−メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ヒドロキシ基などが挙げられる。またこれらが互いに結合して環状構造を形成する場合の例としては1,3−ジチオラン−2−イル基、1,3−ジチアン−2−イル基、N−メチル−1,3−チアゾリジン−2−イル基、N−ベンジル−ベンゾチアゾリジン−2−イル基などが挙げられる。
−CRC1RC2RC3基が、RC1、RC2、RC3についてそれぞれ上述した範囲内で選択された結果として、一般式(A)からL11を除いた残基と同じ基を表す場合もまた好ましい。
【0155】
一般式(A)においてL11は、好ましくはカルボキシ基またはその塩、および水素原子である。より好ましくはカルボキシ基またはその塩である。
【0156】
L11が水素原子を表す時、一般式(A)で表される化合物は、分子内に内在する塩基部位を有していることが好ましい。この塩基部位の作用により、一般式(A)で表される化合物が酸化された後、L11で表される水素原子が脱プロトン化されて、ここからさらに電子が放出されるのである。
【0157】
ここに塩基とは、具体的に約1〜約10のpKaを示す酸の共役塩基である。例えば含窒素ヘテロ環類(ピリジン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、チアゾール類など)、アニリン類、トリアルキルアミン類、アミノ基、炭素酸類(活性メチレンアニオンなど)、チオ酢酸アニオン、カルボキシレート(−COO−)、サルフェート(−SO3 −)、またはアミンオキシド(>N+(O−)−)などが挙げられる。好ましくは約1〜約8のpKaを示す酸の共役塩基であり、カルボキシレート、サルフェート、またはアミンオキシドがより好ましく、カルボキシレートが特に好ましい。これらの塩基がアニオンを有する時、対カチオンを有していてもよく、その例としてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。これら塩基は、任意の位置で一般式(A)で表される化合物に連結される。これら塩基部位が結合する位置としては、一般式(A)のRED11、R111、R112の何れでもよく、またこれらの基の置換基に連結していてもよい。
【0158】
一般式(A)においてR112は水素原子または炭素原子に置換可能な置換基を表す。但しR112がL11と同じ基を表すことはない。
R112は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基(フェニル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基など)、ヒドロキシ基、アルキルチオ基(メチルチオ基、ブチルチオ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、アルキルアミノ基である。
【0159】
一般式(A)においてR111が形成する環状構造とは、5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体もしくはオクタヒドロ体に相当する環構造で、ここにヒドロ体とは、芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)に内在する炭素−炭素2重結合(または炭素−窒素2重結合)が部分的に水素化された環構造を意味し、テトラヒドロ体とは2つの、ヘキサヒドロ体とは3つの、オクタヒドロ体とは4つの、炭素−炭素2重結合(または炭素−窒素2重結合)が水素化された構造を意味する。水素化されることで芳香族環は、部分的に水素化された非芳香族の環構造となる。
具体的には、ピロリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、ピラゾリジン環およびオキサゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環、テトラリン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、およびテトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロカルバゾール環、オクタヒドロフェナントリジン環等が挙げられる。これらの環構造は任意の置換基を有していてもよい。
【0160】
R111が形成する環状構造としてさらに好ましくは、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロカルバゾール環であり、特に好ましくは、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキノキサリン環であり、最も好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環である。
【0161】
一般式(B)においてRED12、L12は、それぞれ一般式(A)のRED11、L11に同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。但し、RED12は下記の環状構造を形成する場合以外は1価基であり、具体的にはRED11で記載した1価基名の基が挙げられる。R121およびR122は一般式(A)のR112に同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。ED12は電子供与性基を表す。R121とRED12、R121とR122、またはED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0162】
一般式(B)においてED12で表される電子供与性基とは、RED11がアリール基を表すときの置換基として説明した電子供与性基と同じものである。ED12として好ましくはヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、活性メチン基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、およびこれら電子供与性基で置換されたフェニル基であり、さらにヒドロキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、およびこれら電子供与性基で置換されたフェニル基(例えばp−ヒドロキシフェニル基、p−ジアルキルアミノフェニル基、o,p−ジアルコキシフェニル基等)がより好ましい。
【0163】
一般式(B)においてR121とRED12、R122とR121、またはED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここで形成される環状構造とは、非芳香族の炭素環もしくはヘテロ環であって、5員〜7員環の単環または縮合環で、置換もしくは無置換の環状構造である。R121とRED12とが環構造を形成するとき、その具体例としては、一般式(A)においてR111が形成する環状構造の例として挙げたものに加えて、ピロリン環、イミダゾリン環、チアゾリン環、ピラゾリン環、オキサゾリン環、インダン環、モルホリン環、インドリン環、テトラヒドロ−1,4−オキサジン環、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−オキサジン環、テトラヒドロ−1,4−チアジン環、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−チアジン環、2,3−ジヒドロベンゾフラン環、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン環等が挙げられる。ED12とRED12とが環構造を形成するとき、ED12は好ましくはアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を表し、形成される環構造の具体例としては、テトラヒドロピラジン環、ピペラジン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロイソキノリン環などが挙げられる。R122とR121とが環構造を形成するとき、その具体例としてはシクロヘキサン環、シクロペンタン環などが挙げられる。
【0164】
次に一般式(1)〜(3)について説明する。
一般式(1)〜(3)においてR1、R2、R11、R12、R31は、一般式(A)のR112と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。L1、L21、L31は、一般式(A)のL11について説明した中で具体例として挙げた基と同じ脱離基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。X1、X21で表される置換基としては、一般式(A)のRED11が置換基を有する時の置換基の例と同じであり、好ましい範囲も同じである。m1、m21は好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0または1である。
【0165】
RN1、RN21、RN31が置換基を表す時、置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、これらはさらに任意の置換基を有していてもよい。RN1、RN21、RN31は水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。
【0166】
R13、R14、R33、Ra、Rbが置換基を表す時、置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基などである。
【0167】
一般式(1)においてZ1が形成する6員環は、一般式(1)のベンゼン環と縮合した非芳香族のヘテロ環であり、具体的には縮合するベンゼン環も含めた環構造としてテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキナゾリン環であり、好ましくはテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環である。これらは置換基を有していてもよい。
【0168】
一般式(2)においてED21は、一般式(B)のED12と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。
【0169】
一般式(2)においてRN21、R13、R14、X21およびED21のいずれか2つは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここでRN21とX21が結合して形成される環状構造とは、好ましくはベンゼン環と縮合した5員〜7員の非芳香族の炭素環もしくはヘテロ環であって、その具体例としては、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、インドリン環、2,3−ジヒドロ−5,6−ベンゾ−1,4−チアジン環などが挙げられる。好ましくはテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、インドリン環である。
【0170】
一般式(3)においてRN31がアリール基以外の基を表す時、RaおよびRbは互いに結合して芳香族環を形成する。ここに芳香族環とはアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)および芳香族ヘテロ環基(例えばピリジン環基、ピロール環基、キノリン環基、インドール環基など)であり、アリール基が好ましい。該芳香族環基は任意の置換基を有していてもよい。
一般式(3)においてRaおよびRbは、互いに結合して芳香族環(特にフェニル基)を形成する場合が好ましい。
【0171】
一般式(3)においてR32は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アミノ基などであり、ここにR32がヒドロキシ基を表す時、同時にR33が「電子求引性基」を表す場合も好ましい例の1つである。ここに「電子求引性基」とは、先に説明したものと同じであり、アシル基、アルコシキカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基が好ましい。
【0172】
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物において「結合開裂反応」とは炭素−炭素、炭素−ケイ素、炭素−水素、炭素−ホウ素、炭素−スズ、炭素−ゲルマニウムの各元素間の結合の開裂を意味し、炭素−水素結合の開裂がこれに付随してもよい。
【0173】
タイプ2の化合物は分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上(好ましくは2〜6つ、より好ましくは2〜4つ)有する化合物である。より好ましくは2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物である。吸着性基の数は、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4が良い。吸着性基については後述する。
【0174】
タイプ2の化合物のうち好ましい化合物は一般式(C)で表される。
【0175】
一般式(C)
【化36】
【0176】
ここに一般式(C)で表される化合物は、RED2で表される還元性基が1電子酸化された後、自発的にL2を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を1つ放出し得る化合物である。
【0177】
一般式(C)においてRED2は一般式(B)のRED12と同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。L2は一般式(A)のL11について説明したのと同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。なおL2がシリル基を表す時、該化合物は分子内に、2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物である。R21、R22は水素原子または置換基を表し、これらは一般式(A)のR112と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。RED2とR21とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0178】
ここで形成される環構造とは、5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、非芳香族の炭素環またはヘテロ環であり、置換基を有していてもよい。但し該環構造が、芳香族環または芳香族ヘテロ環のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体もしくはオクタヒドロ体に相当する環構造であることはない。環構造として好ましくは、芳香族環または芳香族ヘテロ環のジヒドロ体に相当する環構造で、その具体例としては、例えば2−ピロリン環、2−イミダゾリン環、2−チアゾリン環、1,2−ジヒドロピリジン環、1,4−ジヒドロピリジン環、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン環、2,3−ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾ−α−ピラン環、1,2−ジヒドロキノリン環、1,2−ジヒドロキナゾリン環、1,2−ジヒドロキノキサリン環などが挙げられ、好ましくは2−イミダゾリン環、2−チアゾリン環、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、1,2−ジヒドロピリジン環、1,2−ジヒドロキノリン環、1,2−ジヒドロキナゾリン環、1,2−ジヒドロキノキサリン環などであり、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、1,2−ジヒドロキノリン環がより好ましく、インドリン環が特に好ましい。
【0179】
次にタイプ3の化合物について説明する。
タイプ3の化合物において「結合形成過程」とは炭素−炭素、炭素−窒素、炭素−硫黄、炭素−酸素などの原子間結合の形成を意味する。
【0180】
タイプ3の化合物は好ましくは、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続いて分子内に共存する反応性基部位(炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位)と反応して結合を形成した後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得ることを特徴とする化合物である。
【0181】
さらに詳細に述べるとタイプ3の化合物は、1電子酸化されて生成するその1電子酸化体(カチオンラジカル種、またはそこからプロトンの脱離により生成する中性のラジカル種)が、同じ分子内に共存する上記反応性基と反応し、結合を形成して、分子内に新たに環構造を有するラジカル種を生成する。そしてこのラジカル種から、直接もしくはプロトンの脱離を伴って、2電子目の電子が放出される特徴を有している。
そしてさらにタイプ3の化合物の中には、そうして生成した2電子酸化体がその後、ある場合には加水分解反応を受けた後に、またある場合には直接プロトンの移動を伴なう互変異性化反応を起して、そこからさらに1電子以上、通常2電子以上の電子を放出する場合がある。あるいはまたこうした互変異性化反応を経由せずに直接2電子酸化体から、さらに1電子以上、通常2電子以上の電子を放出する能力を有しているものも含まれる。
【0182】
タイプ3の化合物は好ましくは、一般式(D)で表される。
【0183】
一般式(D)
【化37】
【0184】
一般式(D)においてRED3は1電子酸化され得る還元性基を表し、Y3はRED3が1電子酸化された後に反応する反応性基部位を表し、具体的には炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位を含む有機基を表す。L3はRED3とY3とを連結する連結基を表す。
【0185】
RED3は一般式(B)のRED12と同義の基を表し、好ましくはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリール基、芳香族または非芳香族のヘテロ環基(特に含窒素ヘテロ環基が好ましい)であり、さらに好ましくはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリール基、芳香族または非芳香族のヘテロ環基であり、このうちヘテロ環基に関しては、テトラヒドロキノリン環基、テトラヒドロキノキサリン環基、テトラヒドロキナゾリン環基、インドリン環基、インドール環基、カルバゾール環基、フェノキサジン環基、フェノチアジン環基、ベンゾチアゾリン環基、ピロール環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環基、ベンゾチアゾリン環基、3,4−メチレンジオキシフェニル−1−イル基などが好ましい。
RED3として特に好ましくはアリールアミノ基(特にアニリノ基)、アリール基(特にフェニル基)、芳香族または非芳香族のヘテロ環基である。
【0186】
ここでRED3がアリール基を表す時、アリール基は少なくとも1つの「電子供与性基」を有していることが好ましい。「電子供与性基」は先に説明したものと同じである。
【0187】
RED3がアリール基を表す時、そのアリール基の置換基としてより好ましくはアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基であり、さらに好ましくはアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基であり、最も好ましくはアルキルアミノ基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基である。
【0188】
Y3で表される炭素−炭素2重結合部位を含む有機基(例えばビニル基)が置換基を有するとき、その置換基として好ましくは、アルキル基、フェニル基、アシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、電子供与基などであり、ここに電子供与性基として好ましくは、アルコキシ基、ヒドロキシ基(シリル基で保護されていてもよく、例えばトリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、フェニルジメチルシリルオキシ基などが挙げられる)、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、スルホンアミド基、活性メチン基、メルカプト基、アルキルチオ基、およびこれら電子供与性基を置換基に有するフェニル基である。
【0189】
なおここで炭素−炭素2重結合部位を含む有機基が置換基としてヒドロキシ基を有する時、Y3は右記部分構造:>C1=C2(−OH)−を含むことになるが、これは互変異性化して右記部分構造:>C1H−C2(=O)−となっていても良い。さらにこの場合に、該C1炭素に置換する置換基が電子求引性基である場合もまた好ましく、この場合Y3は「活性メチレン基」または「活性メチン基」の部分構造を有することになる。このような活性メチレン基または活性メチン基の部分構造を与え得る電子求引性基とは、上述の「活性メチン基」の説明の中で説明したものと同じである。
【0190】
Y3で表される炭素−炭素3重結合部位を含む有機基(例えばエチニル基)が置換基を有するとき、その置換基としてはアルキル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、電子供与基などが好ましい。
【0191】
Y3が芳香族基部位を含む有機基を表す時、芳香族基として好ましくは電子供与性基を置換基として有するアリール基(特にフェニル基が好ましい)またはインドール環基で、ここに電子供与性基として好ましくは、ヒドロキシ基(シリル基で保護ざれていてもよい)、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、活性メチン基、スルホンアミド基、メルカプト基である。
【0192】
Y3がベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位を含む有機基を表す時、ベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基として好ましくはアニリン構造を部分構造として内在するもので、例えば、インドリン環基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環基、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン環基、4−キノロン環基などが挙げられる。
【0193】
Y3で表される反応性基としてより好ましくは、炭素−炭素2重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基を含む有機基である。さらに好ましくは、炭素−炭素2重結合部位、電子供与性基を置換基として有するフェニル基、インドール環基、アニリン構造を部分構造として内在するベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基である。ここに炭素−炭素2重結合部位は少なくとも1つの電子供与性基を置換基として有することがより好ましい。
【0194】
Y3で表される反応性基が、これまでに説明した範囲から選択された結果として、RED3で表される還元性基と同じ部分構造を有する場合もまた、一般式(D)で表される化合物の好ましい例である。
【0195】
L3は、RED3とY3とを連結する連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NRN−、−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRNは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。L3で表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。L3で表される連結基は、RED3およびY3で表される基の任意の位置で、それぞれの任意の1個の水素原子と置換する形で、連結され得る。
L3の好ましい例としては、単結合、アルキレン基(特にメチレン基、エチレン基、プロピレン基)、アリーレン基(特にフェニレン基)、−C(=O)−基、−O−基、−NH−基、−N(アルキル基)−基、およびこれらの基の組み合わせからなる2価の連結基が挙げられる。
【0196】
L3で表される基は、RED3が酸化されて生成するカチオンラジカル種(X+・)、またはそこからプロトンの脱離を伴って生成するラジカル種(X・)と、Y3で表される反応性基とが反応して結合形成する際、これに関わる原子団が、L3を含めて3〜7員の環状構造を形成しうることが好ましい。この為にはラジカル種(X+・またはX・)、Yで表される反応性基、およびLが、3〜7個の原子団で連結されていることが好ましい。
【0197】
次にタイプ4の化合物について説明する。
タイプ4の化合物は還元性基の置換した環構造を有する化合物であり、該還元性基が1電子酸化された後、環構造の開裂反応を伴ってさらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出しうる化合物である。ここで言う環構造の開裂反応とは、下記で表される形式のものを意味する。
【0198】
【化38】
【0199】
式中、化合物aはタイプ4の化合物を表す。化合物a中、Dは還元性基を表し、X、Yは環構造中の1電子酸化後に開裂する結合を形成している原子を表す。まず化合物aが1電子酸化されて 1電子酸化体bを生成する。ここからD−Xの単結合が2重結合になると同時にX−Yの結合が切断され開環体cが生成する。あるいはまた1電子酸化体bからプロトンの脱離を伴ってラジカル中間体dが生成し、ここから同様に開環体eを生成する経路をとる場合もある。このように生成した開環体cまたはeから、引き続きさらに1つ以上の電子が放出される点に本発明の化合物の特徴がある。
【0200】
タイプ4の化合物が有する環構造とは、3〜7員環の炭素環またはヘテロ環であり、単環もしくは縮環の、飽和もしくは不飽和の非芳香族の環を表す。好ましくは飽和の環構造であり、より好ましくは3員環あるいは4員環である。好ましい環構造としてはシクロプロパン環、シクロブタン環、オキシラン環、オキセタン環、アジリジン環、アゼチジン環、エピスルフィド環、チエタン環が挙げられる。より好ましくはシクロプロパン環、シクロブタン環、オキシラン環、オキセタン環、アゼチジン環であり、特に好ましくはシクロプロパン環、シクロブタン環、アゼチジン環である。環構造は任意の置換基を有していても良い。
【0201】
タイプ4の化合物は好ましくは一般式(E)または(F)で表される。
【0202】
一般式(E)
【化39】
【0203】
一般式(F)
【化40】
【0204】
一般式(E)および一般式(F)においてRED41およびRED42は、それぞれ一般式(B)のRED12と同義の基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。R40〜R44およびR45〜R49は、それぞれ水素原子または置換基を表す。一般式(F)においてZ42は、−CR420R421−、−NR423−、または−O−を表す。ここにR420、R421は、それぞれ水素原子または置換基を表し、R423は水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
【0205】
一般式(E)および一般式(F)においてR40およびR45は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基がより好ましい。R41〜R44およびR46〜R49として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。
【0206】
R41〜R44は、これらのうち少なくとも1つがドナー性基である場合と、R41とR42、あるいはR43とR44がともに電子求引性基である場合が好ましい。より好ましくはR41〜R44の少なくとも1つがドナー性基である場合である。さらに好ましくはR41〜R44の少なくとも1つがドナー性基であり且つ、R41〜R44の中でドナー性基でない基が水素原子またはアルキル基である場合である。
【0207】
ここで言うドナー性基とは、「電子供与性基」、または少なくとも1つの「電子供与性基」で置換されたアリール基である。ドナー性基として好ましくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、少なくとも1つの電子供与性基で置換されたフェニル基が用いられる。より好ましくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(インドール環、ピロール環、カルバゾール環など)、電子供与性基で置換されたフェニル基(3つ以上のアルコキシ基で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基またはアルキルアミノ基またはアリールアミノ基で置換されたフェニル基など)が用いられる。 特に好ましくはアリールアミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(特に3−インドリル基)、電子供与性基で置換されたフェニル基(特にトリアルコキシフェニル基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基で置換されたフェニル基)が用いられる。
【0208】
Z42として好ましくは−CR420R421−または−NR423−であり、より好ましくは−NR423−である。R420、R421は好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。R423は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。
【0209】
R40〜R49およびR420、R421、R423の各基が置換基である場合にはそれぞれ総炭素数が40以下のものが好ましく、より好ましくは総炭素数30以下で、特に好ましくは総炭素数15以下である。またこれらの置換基は互いに結合して、あるいは分子中の他の部位(RED41、RED42あるいはZ42)と結合して環を形成していても良い。
【0210】
本発明のタイプ1〜4の化合物においてハロゲン化銀への吸着性基とは、ハロゲン化銀に直接吸着する基、またはハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(またはその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、カチオン性基、またはエチニル基である。但し、本発明のタイプ2の化合物においては、吸着性基としてスルフィド基は含まれない。
【0211】
吸着性基としてメルカプト基(またはその塩)とは、メルカプト基(またはその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(またはその塩)の置換したヘテロ環基またはアリール基またはアルキル基を表す。ここにヘテロ環基は、5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基で、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズチアゾール環基、ベンズオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていてもよく、この様なヘテロ環基の例としてはイミダゾリウム環基、ピラゾリウム環基、チアゾリウム環基、トリアゾリウム環基、テトラゾリウム環基、チアジアゾリウム環基、ピリジニウム環基、ピリミジニウム環基、トリアジニウム環基などが挙げられ、中でもトリアゾリウム環基(例えば1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート環基)が好ましい。アリール基としてはフェニル基またはナフチル基が挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜30の直鎖または分岐または環状のアルキル基が挙げられる。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
【0212】
吸着性基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていてもよく、具体的にはチオアミド基(ここでは−C(=S)−NH−基)、および該チオアミド基の部分構造を含む基、すなわち、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基などが挙げられる。ここで環状の例としてはチアゾリジン−2−チオン基、オキサゾリジン−2−チオン基、2−チオヒダントイン基、ローダニン基、イソローダニン基、チオバルビツール酸基、2−チオキソ−オキサゾリジン−4−オン基などが挙げられる。
【0213】
吸着性基としてチオン基とは、上述のメルカプト基が互変異性化してチオン基となった場合を含め、メルカプト基に互変異性化できない(チオン基のα位に水素原子を持たない)、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
【0214】
吸着性基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、または配位結合で銀イオンに配位し得る、”−S−”基または”−Se−”基または”−Te−”基または”=N−”基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンズイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンズセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンズテルルアゾール基などが挙げられる。好ましくは前者である。
【0215】
吸着性基としてスルフィド基とは、”−S−”の部分構造を有する基すべてが挙げられるが、好ましくはアルキル(またはアルキレン)−S−アルキル(またはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−S−アルキル(またはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−S−アリール(またはアリーレン)の部分構造を有する基である。さらにこれらのスルフィド基は、環状構造を形成していてもよく、また−S−S−基となっていてもよい。環状構造を形成する場合の具体例としてはチオラン環、1,3−ジチオラン環または1,2−ジチオラン環、チアン環、ジチアン環、テトラヒドロ−1,4−チアジン環(チオモルホリン環)などを含む基が挙げられる。スルフィド基として特に好ましくはアルキル(またはアルキレン)−S−アルキル(またはアルキレン)の部分構造を有する基である。
【0216】
吸着性基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。但し、該カチオン性基が色素構造を形成する原子団(例えばシアニン発色団)の一部となることはない。ここにアンモニオ基とは、トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリールアンモニオ基、アルキルジアリールアンモニオ基などで、例えばベンジルジメチルアンモニオ基、トリヘキシルアンモニオ基、フェニルジエチルアンモニオ基などが挙げられる。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。好ましくはピリジニオ基およびイミダゾリオ基であり、特に好ましくはピリジニオ基である。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよいが、ピリジニオ基およびイミダゾリオ基の場合、置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、クロル原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などが挙げられ、ピリジニオ基の場合、置換基として特に好ましくはフェニル基である。
【0217】
吸着性基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着性基は任意の置換基を有していてもよい。
【0218】
なお吸着性基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書4〜7頁に記載されているものが挙げられる。
【0219】
本発明において吸着性基として好ましいものは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
【0220】
本発明の化合物のうち、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する化合物もまた特に好ましい化合物である。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。この様な化合物の例としては、以上述べてきたメルカプト基もしくはチオン基を部分構造として有する吸着性基(例えば環形成チオアミド基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、ヘテロ環メルカプト基など)を分子内に2つ以上有する化合物であってもよいし、また吸着性基の中で、2つ以上のメルカプト基またはチオン基を部分構造として有する吸着性基(例えばジメルカプト置換含窒素テロ環基)を、1つ以上有していてもよい。
【0221】
2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素テロ環基など)の例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−オキサゾール基、2,7−ジメルカプト−5−メチル−s−トリアゾロ(1,5−A)−ピリミジン、2,6,8−トリメルカプトプリン、6,8−ジメルカプトプリン、3,5,7−トリメルカプト−s−トリアゾロトリアジン、4,6−ジメルカプトピラゾロピリミジン、2,5−ジメルカプトイミダゾールなどが挙げられ、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が特に好ましい。
【0222】
吸着性基は一般式(A)〜(F)および一般式(1)〜(3)のどこに置換されていてもよいが、一般式(A)〜(D)においてはRED11、RED12、RED2、RED3に、一般式(E)、(F)においてはRED41、R41、RED42、R46〜R48に、一般式(1)〜(3)においてはR1、R2、R11、R12、R31、L1、L21、L31を除く任意の位置に置換されていることが好ましく、さらに一般式(A)〜(F)全てでRED11〜RED42に置換されていることがより好ましい。
【0223】
分光増感色素の部分構造とは分光増感色素の発色団を含む基であり、分光増感色素化合物から任意の水素原子または置換基を除いた残基である。分光増感色素の部分構造は一般式(A)〜(F)および一般式(1)〜(3)のどこに置換されていてもよいが、一般式(A)〜(D)においてはRED11、RED12、RED2、RED3に、一般式(E)、(F)においてはRED41、R41、RED42、R46〜R48に、一般式(1)〜(3)においてはR1、R2、R11、R12、R31、L1、L21、L31を除く任意の位置に置換されていることが好ましく、さらに一般式(A)〜(F)全てでRED11〜RED42に置換されていることがより好ましい。好ましい分光増感色素は、典型的にカラー増感技法で用いられる分光増感色素であり、例えばシアニン色素類、複合シアニン色素類、メロシアニン色素類、複合メロシアニン色素類、同極のシアニン色素類、スチリル色素類、ヘミシアニン色素類を含む。代表的な分光増感色素は、リサーチディスクロージャー、アイテム36544、1994年9月に開示されている。前記リサーチディスクロージャー、もしくはF.M.HamerのThe Cyanine dyes and Related Compounds (Interscience Publishers, New yprk, 1964)に記載される手順によって当業者は、これらの色素を合成することができる。さらに特開平11−95355号(米国特許6,054,260号)の明細書7〜14頁に記載された色素類が全てそのまま当てはまる。
【0224】
本発明のタイプ1〜4の化合物は、その総炭素数が10〜60の範囲のものが好ましい。より好ましくは15〜50、さらに好ましくは18〜40であり、特に好ましくは18〜30である。
【0225】
本発明のタイプ1〜4の化合物は、これを用いたハロゲン化銀写真感光材料が露光されることを引き金に1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに1電子、あるいはタイプによっては2電子以上の電子が放出され、酸化されるが、その1電子目の酸化電位は、約1.4V以下が好ましく、さらには1.0V以下が好ましい。この酸化電位は好ましくは0Vより高く、より好ましくは0.3Vより高い。従って酸化電位は好ましくは約0〜約1.4V、より好ましくは約0.3〜約1.0Vの範囲である。
【0226】
ここに酸化電位はサイクリックボルタンメトリーの技法で測定でき、具体的には試料をアセトニトリル:水(0.1Mの過塩素酸リチウムを含む)=80%:20%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、ガラス状のカーボンディスクを動作電極に用い、プラチナ線を対電極に用い、そしてカロメル電極(SCE)を参照電極に用いて、25℃で、0.1V/秒の電位走査速度で測定したものである。サイクリックボルタンメトリー波のピーク電位の時に酸化電位対SCEをとる。
【0227】
本発明のタイプ1〜4の化合物が1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに1電子を放出する化合物である場合には、この後段の酸化電位は好ましくは−0.5V〜−2Vであり、より好ましくは−0.7V〜−2Vであり、さらに好ましくは−0.9V〜−1.6Vである。
【0228】
本発明のタイプ1〜4の化合物が1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに2電子以上の電子を放出し、酸化される化合物である場合には、この後段の酸化電位については特に制限はない。2電子目の酸化電位と3電子目以降の酸化電位が明確に区別できない点で、これらを実際に正確に測定し区別することは困難な場合が多いためである。
【0229】
次にタイプ5の化合物について説明する。
タイプ5の化合物はX−Yで表され、ここにXは還元性基を、Yは脱離基を表し、Xで表される還元性基が1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続くX−Y結合の開裂反応を伴ってYを脱離してXラジカルを生成し、そこからさらにもう1電子を放出し得る化合物である。この様なタイプ5の化合物が酸化された時の反応は、以下の式で表すことができる。
【0230】
【化41】
【0231】
タイプ5の化合物は好ましくはその酸化電位が0〜1.4Vであり、より好ましくは0.3V〜1.0Vである。また上記反応式において生成するラジカルX・の酸化電位は−0.7V〜−2.0Vであることが好ましく、−0.9V〜−1.6Vがより好ましい。
【0232】
タイプ5の化合物は、好ましくは一般式(G)で表される。
【0233】
一般式(G)
【化42】
【0234】
一般式(G)においてRED0は還元性基を表し、L0は脱離基を表し、R0およびR00は水素原子または置換基を表す。RED0 とR0、およびR0とR00とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。RED0は一般式(C)のRED2と同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。R0およびR00は一般式(C)のR21およびR22と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。但しR0およびR00が、水素原子を除いて、L0と同義の基を表すことはない。RED0とR0とは互いに結合して環構造を形成していてもよく、ここに環構造の例としては、一般式(C)のRED2とR21が連結して環構造を形成する場合と同じ例が挙げられ、その好ましい範囲も同じである。R0とR00とが互いに結合して形成される環構造の例としては、シクロペンタン環やテトラヒドロフラン環などが挙げられる。一般式(G)においてL0は、一般式(C)のL2と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。
【0235】
一般式(G)で表される化合物は分子内にハロゲン化銀への吸着性基、もしくは分光増感色素の部分構造を有していることが好ましいが、L0がシリル基以外の基を表す時、分子内に吸着性基を同時に2つ以上有することはない。但しここで吸着性基としてのスルフィド基は、L0に依らず、これを2つ以上有していてもよい。
【0236】
一般式(G)で表される化合物が有するハロゲン化銀への吸着性基としては、本発明のタイプ1〜4の化合物が有していてもよい吸着性基と同じものがその例として挙げられるが、さらに加えて、特開平11−95355号の明細書4〜7頁に「ハロゲン化銀吸着基」として記載されているもの全てが挙げられ、好ましい範囲も同じである。
一般式(G)で表される化合物が有していてもよい分光増感色素の部分構造とは、本発明のタイプ1〜4の化合物が有していてもよい分光増感色素の部分構造と同じであるが、同時に特開平11−95355号の明細書7〜14頁に「光吸収性基」として記載されているもの全てが挙げられ、好ましい範囲も同じである。
【0237】
以下に本発明のタイプ1〜5の化合物の具体例を列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0238】
【化43】
【0239】
【化44】
【0240】
【化45】
【0241】
【化46】
【0242】
本発明のタイプ1〜4の化合物は、それぞれ特願2002−192373号、特願2002−188537号、特願2002−188536号、特願2001−272137号、特願2002−192374号において、詳細に説明した化合物と同じものである。これら特許出願明細書に記載した具体的化合物例もまた、本発明のタイプ1〜4の化合物の具体例として挙げることができる。また本発明のタイプ1〜4の化合物の合成例も、これら特許に記載したものと同じである。
【0243】
本発明のタイプ5の化合物の具体例としては、さらに特開平9−211769号(28〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物の例が、そのまま挙げられる。
【0244】
本発明のタイプ1〜5の化合物は感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
【0245】
本発明のタイプ1〜5の化合物は水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0246】
本発明のタイプ1〜5の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する乳剤層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する乳剤層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10−8〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層に含有する。
【0247】
10)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0248】
11)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03〜0.6g/m2であることが好ましく、0.05〜0.4g/m2であることがさらに好ましく、0.07〜0.3g/m2であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
【0249】
12)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0250】
13)ハロゲン化銀の塗布液への混合
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0251】
(バインダーの説明)
本発明の有機銀塩含有層のバインダーはいかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0252】
本発明では、有機銀塩を含有する層に併用できるバインダーのガラス転移温度は0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
【0253】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、 Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
【0254】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0255】
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0256】
ここでいう前記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
【0257】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0258】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率=[(W1−W0)/W0]×100(質量%)
【0259】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0260】
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0261】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、好ましくは5〜1000nmの範囲で、より好ましくは10〜500nmの範囲、さらに好ましくは50〜200nmの範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0262】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0263】
(ラテックスの具体例)
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0264】
P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
P−14;−MMA(63)−EA(35)− AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0265】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA ;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0266】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以 上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0267】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0268】
(好ましいラテックス)
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜5質量%含有する。本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0269】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−8,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
【0270】
本発明の感光材料の有機銀塩含有層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0271】
本発明の有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
【0272】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(乳剤層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0273】
本発明の画像形成層の全バインダー量は好ましくは0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2、さらに好ましくは2〜10g/m2の範囲である。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
(好ましい塗布液の溶媒)
【0274】
本発明において感光材料の有機銀塩含有層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0275】
(かぶり防止剤の説明)
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体は特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、同6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。また、本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、これらについては、特開平11−65021号の段落番号0111〜0112に記載の特許に開示されているものが挙げられる。特に特開2000−284399号の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10−339934号の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物、特開2001−31644号および特開2001−33911号に記載の有機ポリハロゲン化合物が好ましい。
【0276】
1)ポリハロゲン化合物
以下、本発明で好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくはアリール基またはヘテロ環基である。
一般式(H)において、Qがヘテロ環基である場合、窒素原子を1ないし2含有する含窒素ヘテロ環基が好ましく、2−ピリジル基、2−キノリル基が特に好ましい。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216 等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等があげられる。σp値としては好ましくは0.2〜2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範囲である。電子求引性基として特に好ましいのは、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基で、なかでもカルバモイル基が最も好ましい。
Xは、好ましくは電子求引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−または−SO2 −を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2 −であり、特に好ましくは−SO2 −である。nは、0または1を表し、好ましくは1である。
【0277】
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0278】
【化47】
【0279】
上記以外の本発明の好ましいポリハロゲン化合物としては特開2001−31644号、同2001−56526号、同2001−209145号に記載の化合物が挙げられる。
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10−4〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは1×10−2〜0.2モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、カブリ防止剤を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0280】
2)その他のかぶり防止剤
その他のカブリ防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
【0281】
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0282】
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特願2001−104213号、特願2001−104214等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0283】
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
【0284】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明の感光性層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0285】
4)染料、顔料
本発明の感光性層には色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
【0286】
5)超硬調化剤
印刷製版用途に適した超硬調画像形成のためには、画像形成層に超硬調化剤を添加することが好ましい。超硬調化剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特願平11−87297号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0287】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有させることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100mg/m2がより好ましい。
【0288】
(塗布液の調製および塗布)
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0289】
(層構成および構成成分)
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含まなければならない。多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
【0290】
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として感光材料に設けられる。
【0291】
1)表面保護層
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜4.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0292】
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜5.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0293】
2)アンチハレーション層
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を感光性層に対して光源から遠い側に設けることができる。
【0294】
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
【0295】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001〜1g/m2程度である。
【0296】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0297】
3)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
【0298】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特開平2001−100363などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては感光性層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
また、ベース色調を調整するために580〜680nmに吸収ピークを有する染料を使用することが好ましい。この目的の染料としては短波長側の吸収強度が小さい特開平4−359967、同4−359968記載のアゾメチン系の油溶性染料、特願2002−96797号記載のフタロシアニン系の水溶性染料が好ましい。この目的の染料はいずれの層に添加してもよいが、乳剤面側の非感光層またはバック面側に添加することがより好ましい。
【0299】
本発明における熱現像感光材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0300】
4)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1〜400mg/m2、より好ましくは5〜300mg/m2である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。平均粒径は0.5〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0μm、さらに好ましくは2.0〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分布の変動係数としては50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
また、乳剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0301】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0302】
本発明において、マット剤は感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0303】
5)ポリマーラテックス
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%) /ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。さらに、表面保護層用のバインダーとして、特願平11−6872号明細書のポリマーラテックスの組み合わせ、特開2000−267226号明細書の段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11−6872号明細書の段落番号0027〜0028に記載の技術、特開2000−19678号明細書の段落番号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。表面保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダーの10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20質量%以上80質量%以下が好ましい。
【0304】
6)膜面pH
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0305】
7)硬膜剤
本発明の感光性層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0306】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0307】
8)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特願2001−242357号および特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特願2001−242357号および特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明においてフッ素系界面活性剤は乳剤面、バック面のいずれにも使用することができ、両方の面に使用することが好ましい。また、前述の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減もしくは除去しても十分な性能が得られる。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は乳剤面、バック面それぞれに0.1mg/m2〜100mg/m2の範囲で、より好ましくは0.3mg/m2〜30mg/m2の範囲、さらに好ましくは1mg/m2〜10mg/m2の範囲である。特に特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01〜10mg/m2の範囲が好ましく、0.1〜5mg/m2の範囲がより好ましい。
【0308】
9)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。本発明の帯電防止層は乳剤面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。本発明の帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
【0309】
10)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に乳剤層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5wt%以下であることが好ましい。
【0310】
11)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
【0311】
12)塗布方式
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1に ある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791 号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
【0312】
本発明における有機銀塩含有層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000 mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000 mPa・s以下である。また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200 mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80 mPa・s以下である。
【0313】
本発明の塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明の好ましいインライン混合機は特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
本発明の塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70〜90℃、加熱時間が2〜10秒の範囲である。本発明の好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
【0314】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0315】
13)包装材料
本発明の感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
14)その他の利用できる技術
【0316】
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
【0317】
多色カラー熱現像感光材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
【0318】
(画像形成方法)
1)露光
赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。 一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0319】
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80〜250 ℃であり、好ましくは100〜140℃、さらに好ましくは110〜130℃である。現像時間としては1〜60秒が好ましく、より好ましくは3〜30秒、さらに好ましくは5〜25秒、6〜14秒が特に好ましい。
【0320】
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
【0321】
熱現像機の小型化および熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特願2001−088832号および同−091114号に記載されている。
【0322】
熱現像感光材料塗布膜中の銀塩は、熱現像すると還元剤によって金属銀に還元され、画像を形成する。画像への銀の利用効率を一般に銀現像率と称する。
本発明では、銀現像率を熱現像感光材料中の単位面積あたりの全銀量(有機銀塩とハロゲン化銀の合計)のモル数をAとし、熱現像により還元銀になった銀の単位面積あたりのモル数をBとしたときに、B/A×100と定義する。
具体的に現像率を求める方法としては、まず還元銀のモル数Bを求める。最大濃度を与えるように露光と現像を行った熱現像感光材料を2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの10%メタノール溶液に1時間浸漬することにより未現像の有機銀塩と感光性ハロゲン化銀を定着する。ついでメタノール溶液により洗浄し、乾燥させる。これを蛍光X線強度により単位面積あたりの銀量を測定する。あらかじめ塗布銀量が既知のもので検量線を求めることにより求めることができる。つぎに熱現像感光材料中の全銀量のモル数Aを求める方法としては、未現像の熱現像感光材料を用いて、蛍光X線強度により全塗布銀量を求めることにより得られる。
【0323】
本発明の熱現像感光材料は、最大濃度における銀現像率が70%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上である。
【0324】
銀現像率が高いほど、有機銀塩の利用効率が高く、より少ない有機銀塩量でより高い最大濃度が得られるので好ましい。本発明者らは銀現像率について鋭意解析を進めた結果、有機ポリハロゲン化合物により有機銀塩の一部がハロゲン化銀に変換されてしまうことや、十分に現像を行えば銀現像率が高くなるが最適な写真性(例えば、かぶり、画像色調、あるいは階調など)はそれより低い銀現像率の現像条件で得られることなどが判明した。従って、熱現像感光材料の保存安定性、写真性能、あるいは迅速現像性などの特性を維持して、かつ銀現像率を高めることは、熱現像感光材料の設計において常に要求される根源的恒久的課題であった。
特に、写真特性の中でも、画像色調は、銀現像率依存性が大きく、最適な現像銀の色調を得ながら同時に高い現像率を得ることは容易ではなかった。
【0325】
画像色調は官能評価による評価方法もあるが、定量的にはJIS Z8729規格で規定されたa*b*座標から得られる色相角(hab)により評価できる。
【0326】
3)システム
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカル・ドライレーザーイメージャーFM−DPL、およびDryPIX7000を挙げることができる。FM−DPLに関しては、Fuji Medical Review No.8,page 39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することは言うまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0327】
(本発明の用途)
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0328】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0329】
(PET支持体の作成)
1)製膜)
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
【0330】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0331】
2)表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0332】
3)下塗り
1)下塗層塗布液の作成
処方▲1▼(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 59g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5) 10質量%溶液 5.4g
綜研化学(株)製 MP−1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)0.91g
蒸留水 935ml
【0333】
【0334】
処方▲3▼(バック面側第2層用)
SnO2/SbO (9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) 84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製 メトローズTC−5(2質量%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製 MP−1000 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
【0335】
2)下塗り
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に上記下塗り塗布液処方▲1▼をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180 ℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲2▼をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180 ℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲3▼をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180 ℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0336】
(バック層)
1)バック層塗布液の調整
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を2.5kg、および界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製) 300g 、ジフェニルスルホン 800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0gおよび蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液をを平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25重量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
【0337】
2)染料固体微粒子分散液の調製
シアニン染料化合物−1を6.0kgおよびp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB 0.6kg、および消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kg を蒸留水 と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
【0338】
3)ハレーション防止層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)20g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水490mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液2.3ml、上記染料固体微粒子分散液40g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を90g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液12ml、、SBRラテックス10質量%液180g、を混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液 80mlを混合し、ハレーション防止層塗布液とした。
【0339】
4)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、ベンゾイソチアゾリノン35mg、水840mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液5.8ml、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.5g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10ml、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液20ml、フッ素系界面活性剤(F−1)2%溶液を2.4ml、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液32gを混合した。塗布直前に N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液 25mlを混合しバック面保護層塗布液とした。
【0340】
4)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.52g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作成した。
【0341】
(画像形成層、中間層、および表面保護層)
1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
(ハロゲン化銀乳剤1の調製)
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、40℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Aおよび溶液Bを添加しはじめてから20秒後に全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。
【0342】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり3.5×10−4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.4×10−3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10−3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モル、および1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作成した。
【0343】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.06μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0344】
(ハロゲン化銀乳剤2の調製)
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温40℃を33℃に変更する以外は同様にしてハロゲン化銀乳剤2を調製した。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.045μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀立方体粒子であった。
【0345】
(ハロゲン化銀乳剤3の調製)
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温40℃を28℃に変更する以外は乳剤1と同様にしてハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.035μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
【0346】
(塗布液用希釈乳剤1〜3の調製)
各ハロゲン化銀乳剤を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。さらに塗布液用希釈乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として31.8gとなるように加水し、塗布液用希釈乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
さらに「1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物」として、化合物1と20と26をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10−3モルになる量を添加した。
【0347】
2)脂肪酸銀分散物Aの調製
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)87.6Kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Aを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Aの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Aを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Aのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Aの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Aの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0348】
ベヘン酸ナトリウム溶液Aを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0349】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
【0350】
乾燥固形分260Kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3Kgおよび水を添加し、全体量を1000Kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0351】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1260kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0352】
3)還元剤分散物の調製
(比較の還元剤S−1の分散物調製)
比較の還元剤S−1(6,6’−ジ‐t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンフェノール)を10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、比較還元剤S―1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0353】
(本発明の還元剤の分散物調製)
(比較の還元剤S−1の分散物の調製と同様にして、本発明の還元剤分散物調製を調製した。用いた本発明の還元剤を表1に示した。
【0354】
【0355】
4)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物―1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0356】
5)現像促進剤−1分散物の調製
現像促進剤−1を10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
6)現像促進剤−2の分散物調製
現像促進剤−2の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、20質量%の分散液を得た。
【0357】
7)ポリハロゲン化合物の調製
(有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物―1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10Kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4Kgと、水14Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物―1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0358】
(有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物―2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20Kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物―2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0359】
8)フタラジン化合物−1溶液の調製
8Kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57Kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15Kgとフタラジン化合物―1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28Kgを添加し、フタラジン化合物―1の5質量%溶液を調製した。
【0360】
9)メルカプト化合物の調製
(メルカプト化合物−1水溶液の調製)
メルカプト化合物―1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0361】
(メルカプト化合物−2水溶液の調製)
メルカプト化合物―2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0362】
10)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調製して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0363】
11)SBRラテックス液の調製
SBRラテックスは以下により調整した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/リットルNaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/リットルのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
【0364】
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)であった。
【0365】
2.塗布液の調整
1)画像形成層塗布液―1〜25の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物Aを表1の銀量になるように添加し、水、顔料−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、フタラジン化合物―1溶液、SBRラテックス(Tg:17℃)液、本発明および比較の還元剤分散物(表1に示す)、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を下記の塗布量となるように順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀希釈乳剤(表1に示す)を添加して、良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
【0366】
上記画像形成層塗布液−1の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で40[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒] においてそれぞれ30、43、41、28、20 [mPa・s]であった。
【0367】
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.30mgであった。
【0368】
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、、青色染料化合物−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5%水溶液27ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
【0369】
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mlを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mlをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
【0370】
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mlに溶解し、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして8.0g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40ml、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5ml、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0371】
3.熱現像感光材料の作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作成した。このとき、画像形成層と中間層の塗布液は31℃に、表面保護層第1層の塗布液は36℃に、表面保護層第2層の塗布液は37℃に温度調整した。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0372】
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.12
ポリハロゲン化合物−2 0.26
フタラジン化合物−1 0.20
SBRラテックス 9.70
水素結合性化合物−1 0.30
現像促進剤−1 0.02
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.08
【0373】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で感光性層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、感光層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0374】
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0375】
【化48】
【0376】
【化49】
【0377】
【化50】
【0378】
【化51】
【0379】
4.写真性能の評価
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
(包装材料)
PET 10μm/PE 12μm/アルミ箔9μm/Ny 15μm/カーボン3%を含むポリエチレン50μm
酸素透過率:0.02ml/atm・m2・25℃・day、水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day
【0380】
2)感光材料の露光・現像
各試料を富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DP L(最大60mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光し、熱現像(112℃−119℃−121℃−121℃に設定した4枚のパネルヒータで合計24秒)した。
得られた画像の評価を濃度計により行った。
【0381】
3)写真性能の評価
(暗熱画像保存性)
熱現像処理後の試料を蛍光灯下1000ルクスで10分間放置後、50℃、70%RHの環境下に遮光した状態で7日間保存した。熱現像直後の濃度3.3の個所の濃度変動(ΔD3.3)を測定した。
(色相角の測定)
濃度1.2においてJIS Z8729規格に規定されたCIE標準のa*b*座標から得られる角度である。
医療用感材としては180゜から270゜の範囲が好ましく、210゜から260゜の範囲がより好ましい。
【0382】
得られた結果を表1に示した。
【0383】
【表1】
【0384】
本発明の試料は、好ましい画像色調を有し、かつ良好な画像保存性を有していた。
【0385】
実施例2
1.熱現像感光材料の作成
(画像形成層塗布液−2−1〜2−25の調製)
脂肪酸銀分散物Bを表2に示した銀量になるように加え、水135ml、顔料−1分散物36g、有機ポリハロゲン化合物−1分散物25g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物39g、フタラジン化合物―1溶液171g、SBRラテックス(Tg:17℃)液1060g、本発明および比較の還元剤分散物(表2に示す)を還元剤量が銀1モル当たり0.16モルとなる量を加え、水素結合性化合物−1分散物55g、現像促進剤−1分散物4.8g、現像促進剤−2分散物5.2g、メルカプト化合物−2水溶液8ml、色調調整剤―1分散物2.1g、メルカプト化合物―2水溶液8mlを順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀希釈乳剤(表2に示す)140gを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
上記画像形成層塗布液2−1の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で40[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒] においてそれぞれ30、43、41、28、20 [mPa・s]であった。
【0386】
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.30mgであった。
【0387】
(脂肪酸銀分散物Bの調製)
1)再結晶ベヘン酸の調製
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100Kgを、1200Kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100Kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96%、それ以外にリグノセリン酸が2%、アラキジン酸が2%、エルカ酸0.001%含まれていた。
【0388】
2)脂肪酸銀分散物の調製
再結晶ベヘン酸88Kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Bの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Bのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0389】
ベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
【0390】
乾燥固形分260Kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3Kgおよび水を添加し、全体量を1000Kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0391】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0392】
(塗布)
実施例1と同様にして、画像形成層塗布液のみを変更して塗布した。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0393】
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.13
ポリハロゲン化合物−2 0.20
フタラジン化合物−1 0.20
SBRラテックス 9.43
水素結合性化合物−1 0.14
現像促進剤−1 0.019
現像促進剤−2 0.016
色調調整剤―1 0.006
メルカプト化合物−2 0.003
ハロゲン化銀(Agとして) 0.09
【0394】
2.性能評価
(露光、熱現像)
各試料を富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光し、熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)した。
【0395】
【表2】
【0396】
得られた結果を表2に示した。本発明の試料は、好ましい画像色調を有し、かつ良好な画像保存性を有していた。
【0397】
【発明の効果】
本発明により、画像色調と画像保存性が同時に改良された熱現像感光材料が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photothermographic material which gives an image having a preferable color tone and has improved long-term storage stability of an image in a dark place.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the medical field, reduction of waste processing liquid has been strongly desired from the viewpoint of environmental protection and space saving. Therefore, photosensitive heat for medical diagnosis and photographic technology that can be efficiently exposed by a laser image setter or laser imager and can form a clear black image having high resolution and sharpness. There is a need for techniques relating to developed photographic materials. These photosensitive photothermographic materials can eliminate the use of solution processing chemicals and supply customers with a simpler heat development processing system that does not damage the environment.
[0003]
Although there is a similar requirement in the field of general image forming materials, medical images are required to have high image quality with excellent sharpness and graininess because they are required to be finely drawn, and are cooled from the viewpoint of ease of diagnosis. There is a feature that a black tone image is preferred. At present, various hard copy systems using pigments and dyes such as inkjet printers and electrophotography are distributed as general image forming systems. However, there is no satisfactory output system for medical images.
[0004]
On the other hand, thermal image forming systems using organic silver salts are known (see, for example, Patent Documents 1 and 2 and Non-Patent Document 1). In particular, the photothermographic material generally contains a catalytically active amount of a photocatalyst (eg, silver halide), a reducing agent, a reducible silver salt (eg, an organic silver salt), and a color tone that controls the color tone of silver if necessary. And a photosensitive layer dispersed in a binder matrix. The photothermographic material is heated to a high temperature (for example, 80 ° C. or higher) after image exposure, and is blackened by an oxidation-reduction reaction between silver halide or a reducible silver salt (functioning as an oxidizing agent) and a reducing agent. Form a silver image. The oxidation-reduction reaction is promoted by the catalytic action of the latent image of silver halide generated by exposure. Therefore, a black silver image is formed in the exposure area. Fuji Medical Dry Imager FM-DPL is disclosed as a medical image forming system using a photothermographic material disclosed in many documents including Patent Documents 3 and 4.
[0005]
In manufacturing a thermal image forming system using an organic silver salt, there are a method of manufacturing by solvent coating and a method of manufacturing by coating and drying a coating solution containing polymer fine particles as a water dispersion as a main binder. Since the latter method does not require a process such as solvent recovery, the manufacturing equipment is simple and it is advantageous for mass production.
In any of the manufacturing methods, the biggest problem of the photothermographic material is that the fog is increased by the reactive compound remaining in the photosensitive material after development, or the image color tone is changed and the image is deteriorated. Was that. In order to solve this problem, diligent studies have been conducted, and improvements in thermal developers (see, for example, Patent Documents 5, 6, and 7) and image stabilizers (see, for example, Patent Document 8). Development has been done.
[0006]
In particular, in medical image recording materials, the problem of image color tone is an extremely important quality because it affects the diagnostic ability, and is a major improvement problem required for photothermographic materials.
Many efforts have been made to control the silver tone of a photothermographic material image to a preferred color tone. For example, with respect to a silver carrier that greatly affects the silver color tone, development of a preferable silver carrier (see, for example, Patent Document 9), development of a color tone adjusting agent as a method for controlling the color tone (for example, see Patent Document 10), and other methods. Development of color tone adjustment technology (see, for example, Patent Documents 11 to 14) was performed.
[0007]
However, even with the above-described technology, there has been a situation in which a satisfactory image has not been obtained from the viewpoint of achieving both image color tone and image storage stability.
[0008]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 3,152,904
[Patent Document 2]
U.S. Pat. No. 3,457,075
[Patent Document 3]
US Patent 2,910,377
[Patent Document 4]
Japanese Patent Publication No.43-4924
[Patent Document 5]
JP 2001-188314 A
[Patent Document 6]
JP 2002-365758 A
[Patent Document 7]
No. 2001-209145
[Patent Document 8]
JP 2001-281793 A
[Patent Document 9]
JP-A-9-149249, etc.
[Patent Document 10]
JP 2002-169249 A
[Patent Document 11]
JP 2000-241927 A
[Patent Document 12]
JP 2001-330923 A
[Patent Document 13]
JP 2001-330925 A
[Patent Document 14]
JP 2002-49123 A
[Non-Patent Document 1]
D. H. “Thermally Processed Silver Systems” by Kolsterboer (Imaging Processes and Materials), 8th edition, Sturge (Australia) (Walworth, A. Shepp, Chapter 9, 279, 1989)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a photothermographic material which forms an image having a preferable color tone and at the same time has a small increase in fog and change in image color tone with respect to long-term storage in a dark place.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention has been achieved by the following photothermographic materials.
<1> A photothermographic material containing a photosensitive silver halide, a non-photosensitive organic silver salt, a reducing agent and a binder on the same surface of a support, and 1) an average average grain size of the photosensitive silver halide 2) The photothermographic material, wherein the size is 0.05 μm or less, and 2) the reducing agent is at least one selected from the group of compounds represented by the following general formula (R1) and the following general formula (R2). material.
[0011]
Formula (R1)
[Chemical 3]
[0012]
(In the general formula (R1), R1And R1Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R2And R2Each independently represents a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on the benzene ring. R3Represents a substituent that forms a ring composed of atoms selected from 3- to 7-membered carbon atoms, oxygen atoms, nitrogen atoms, sulfur atoms, and phosphorus atoms. X and X 'each independently represent a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. )
[0013]
General formula (R2)
[Formula 4]
[0014]
(In the general formula (R2), R1And R1Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R2And R2Each independently represents a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on the benzene ring. R3Represents an alkenyl group or an alkyl group having an unsaturated bond. X and X 'each independently represent a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. )
<2> The photothermographic material according to <1>, wherein an average average grain size of the photosensitive silver halide is 0.01 μm or more and 0.04 μm or less.
<3> Silver coating amount is 1.0 to 1.9 g / m2The photothermographic material according to <1> or <2>, wherein the photothermographic material is in the range of.
<4> In the reducing agent represented by the general formula (R1) and the general formula (R2), R1Or R1 'At least one of the above is a secondary or tertiary alkyl group, The photothermographic material according to any one of <1> to <3>.
<5> The photothermographic material according to any one of <1> to <4>, wherein a hue angle at an image density of 1.0 is in a range of 180 to 270 °.
<6> The silver coating amount is 1.0 to 1.5 g / m.2The photothermographic material according to any one of <1> to <5>, which is in the range of
<7> The photothermographic material according to any one of <1> to <6>, wherein the heat development time is in the range of 6 to 14 seconds.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
1. Photothermographic material
The photothermographic material of the present invention has an image forming layer containing a photosensitive silver halide, a non-photosensitive organic silver salt, a reducing agent, and a binder on at least one surface of a support. Moreover, it is preferable to have a surface protective layer on the image forming layer, or a back layer or a back protective layer on the opposite side.
The configuration of each layer and preferred components thereof will be described in detail.
[0016]
1-1. Reducing agent
The reducing agent of the present invention is a compound that can reduce silver ions to develop silver during heat development.
[0017]
1) Reducing agent represented by general formula R1
The general formula (R1) will be described in detail.
[0018]
Formula (R1)
[Chemical formula 5]
[0019]
(In the general formula (R1), R1And R1Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R2And R2Each independently represents a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on the benzene ring. R3Represents a substituent that forms a ring composed of atoms selected from 3- to 7-membered carbon atoms, oxygen atoms, nitrogen atoms, sulfur atoms, and phosphorus atoms. X and X 'each independently represent a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. ).
[0020]
1) R1And R1’
R1And R1'Is an independently substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the substituent of the alkyl group is not particularly limited, but preferably an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryl Examples thereof include an oxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an acylamino group, a sulfonamido group, a sulfonyl group, a phosphoryl group, an acyl group, a carbamoyl group, an ester group, a ureido group, a urethane group, and a halogen atom.
[0021]
R1And R1'Is preferably a secondary or tertiary alkyl group having 3 to 15 carbon atoms, specifically, isopropyl group, isobutyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl. Group, 1-methylcyclohexyl group, 1-methylcyclopropyl group and the like. R11And R11'Is more preferably a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, among which a t-butyl group, a t-amyl group, and a 1-methylcyclohexyl group are more preferable, and a t-butyl group is most preferable.
[0022]
2) R2And R2', X and X'
R2And R2'Is a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on a benzene ring, and X and X' each independently represents a group that can be substituted on a hydrogen atom or a benzene ring.
Preferred examples of each group that can be substituted on the benzene ring include an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, and an acylamino group.
[0023]
R2And R2'Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, cyclohexyl group, 1-methyl group. Examples include cyclohexyl group, benzyl group, methoxymethyl group, methoxyethyl group and the like. More preferred are methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group and t-butyl group.
X and X ′ are preferably a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, more preferably a hydrogen atom.
[0024]
3) R3
R3Represents a substituent that forms a ring composed of a 3- to 7-membered carbon atom, oxygen atom, nitrogen atom, sulfur atom, or phosphorus atom. All the rings may be carbon atoms, or may be heterocyclic groups composed of carbon atoms and the above heteroatoms.
R3Is preferably a group having 3 to 20 carbon atoms forming a 5- to 6-membered carbocyclic or heterocyclic ring, more preferably a group forming a ring consisting of a carbon atom or an oxygen atom.
[0025]
These rings may contain an unsaturated bond.
[0026]
These rings may have a substituent. The range of the carbon number including the substituent is preferably from 2 to 30.
R3Examples of the substituent represented by the following are halogen atoms, alkyl groups, alkenyl groups, alkynyl groups, cycloalkyl groups, aryl groups, alkoxy groups, alkylthio groups, aryloxy groups, arylthio groups, allyloxy groups, allylthio groups. Acylamino group, sulfonamido group, sulfonyl group, phosphoryl group, carbonyl group, oxycarbonyl group, carbamoyl group, sulfamoyl group, heterocyclic group, amino group, hydroxy group and the like.
[0027]
R3Specific examples of the cyclic group represented by the formula: cyclopropyl group, cyclobutyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cycloheptyl group, 2-norbornyl group, 2- [2,2,2] -bicyclooctyl group, 2-adamantyl group Group, 2-cyclopentenyl group, 2-cyclohexenyl group, 3-cyclohexenyl group, 2-tetrahydrofuranyl group, 2-dihydrofuranyl group, 2-tetrahydropyranyl group, 3-dihydropyranyl group, 2-pyrrolidine Group, 2-piperidine group, 3-tetrahydrothiopyranyl group, 3-tetrahydrophosphorane group and the like.
[0028]
R3More preferred specific examples of the cyclic group represented by formula (I) are a cycloalkyl group having 1 to 15 carbon atoms, a cycloalkenyl group, and a heterocyclic group. The cycloalkyl group is preferably a cyclohexyl group or a cyclopentyl group, and the cycloalkenyl group is Is preferably a 2-cyclohexenyl group, a 3-cyclohexenyl group, or a 3-cyclopentenyl group. As the heterocyclic group, a 2-tetrahydrofuranyl group, a 2-tetrahydropyranyl group, and a 3-tetrahydropyranyl group are preferable. R3Particularly preferred are cyclohexyl group, 3-cyclohexenyl group and 3-cyclopentenyl group.
[0029]
Although the specific example of the reducing agent of this invention including the compound represented by general formula (R1) of this invention below is shown, this invention is not limited to these.
[0030]
[Chemical 6]
[0031]
[Chemical 7]
[0032]
[Chemical 8]
[0033]
[Chemical 9]
[0034]
Embedded image
[0035]
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[0036]
Embedded image
[0037]
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[0038]
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[0039]
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[0040]
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[0041]
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[0042]
In the present invention, the reducing agent is added in an amount of 0.1 to 3.0 g / m.2And more preferably 0.2 to 1.5 g / m.2More preferably, 0.3 to 1.0 g / m2It is. It is preferably contained in an amount of 5 to 50% by mole, more preferably 8 to 30% by mole, and even more preferably 10 to 20% by mole based on 1 mole of silver on the surface having the image forming layer. The reducing agent is preferably contained in the image forming layer.
[0043]
The reducing agent may be contained in the coating solution by any method such as a solution form, an emulsified dispersion form, or a solid fine particle dispersion form, and may be contained in the photosensitive material.
Well-known emulsifying dispersion methods include dissolving oil using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically emulsifying the dispersion. The method of producing is mentioned.
[0044]
In addition, as a solid fine particle dispersion method, a reducing agent powder is dispersed in an appropriate solvent such as water by a ball mill, a colloid mill, a vibration ball mill, a sand mill, a jet mill, a roller mill, or an ultrasonic wave to create a solid dispersion. A method is mentioned. In this case, a protective colloid (for example, polyvinyl alcohol) or a surfactant (for example, an anionic surfactant such as sodium triisopropylnaphthalenesulfonate (a mixture of three isopropyl groups having different substitution positions)) may be used. Good. In the mills, beads such as zirconia are usually used as a dispersion medium, and Zr and the like eluted from these beads may be mixed in the dispersion. Although it depends on the dispersion conditions, it is usually in the range of 1 ppm to 1000 ppm. If the Zr content in the light-sensitive material is 0.5 mg or less per 1 g of silver, there is no practical problem.
The aqueous dispersion preferably contains a preservative (for example, benzoisothiazolinone sodium salt).
Particularly preferred is a solid particle dispersion method of a reducing agent, and it is preferable to add fine particles having an average particle size of 0.01 μm to 10 μm, preferably 0.05 μm to 5 μm, more preferably 0.1 μm to 2 μm. In the present application, it is preferable to use other solid dispersions dispersed in a particle size within this range.
[0045]
2) Reducing agent represented by general formula R2
The reducing agent represented by the general formula R2 will be described.
[0046]
General formula (R2)
Embedded image
[0047]
(In the general formula (R2), R1And R1Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R2And R2Each independently represents a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on the benzene ring. R3Represents a substituted or unsubstituted alkyl group or alkenyl group. X and X 'each independently represent a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. )
[0048]
The general formula (R2) will be described in detail.
1) R1And R1’
R1And R1'Is an independently substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the substituent of the alkyl group is not particularly limited, but preferably an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryl Examples thereof include an oxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an acylamino group, a sulfonamido group, a sulfonyl group, a phosphoryl group, an acyl group, a carbamoyl group, an ester group, a ureido group, a urethane group, and a halogen atom.
[0049]
R1And R1'Is preferably a secondary or tertiary alkyl group having 3 to 15 carbon atoms, specifically, isopropyl group, isobutyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl. Group, 1-methylcyclohexyl group, 1-methylcyclopropyl group and the like. R11And R11'Is more preferably a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, among which a t-butyl group, a t-amyl group, and a 1-methylcyclohexyl group are more preferable, and a t-butyl group is most preferable.
[0050]
2) R2And R2', X and X'
R2And R2'Is a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on a benzene ring, and X and X' each independently represents a group that can be substituted on a hydrogen atom or a benzene ring.
Preferred examples of each group that can be substituted on the benzene ring include an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, and an acylamino group.
[0051]
R2And R2'Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, cyclohexyl group, 1-methyl group. Examples include cyclohexyl group, benzyl group, methoxymethyl group, methoxyethyl group and the like. More preferred are methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group and t-butyl group.
X and X ′ are preferably a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, more preferably a hydrogen atom.
[0052]
3) R3
R3Represents an alkenyl group having 2 to 20 carbon atoms or an alkyl group having an unsaturated bond. The alkenyl group and the alkyl group may be unsubstituted or have a substituent.
Examples of substituents include halogen atoms, alkyl groups, alkenyl groups, alkynyl groups, cycloalkyl groups, aryl groups, alkoxy groups, alkylthio groups, aryloxy groups, arylthio groups, acylamino groups, sulfonamide groups, sulfonyl groups, phosphoryls. Group, carbonyl group, hydroxy group, oxycarbonyl group, carbamoyl group, sulfamoyl group, heterocyclic group and the like.
[0053]
The unsaturated bond is preferably a carbon-carbon unsaturated bond or a carbon-nitrogen unsaturated bond, and more preferably a carbon-carbon unsaturated bond.
The alkyl group having an unsaturated bond is specifically an alkyl group having any of a carbon-carbon double bond, a carbon-carbon triple bond, a carbon-nitrogen double bond, and a carbon-nitrogen triple bond, more preferably It is an alkyl group having a carbon-carbon double bond.
At least one of these groups is contained in the molecule. Two or more of these groups may be present in the molecule. In such a case, these unsaturated bonds may be conjugated or non-conjugated, and more preferably are not conjugated.
[0054]
Specific examples of the compound represented by the general formula (R2) of the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0055]
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[0056]
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[0057]
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[0058]
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[0059]
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[0060]
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[0061]
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[0062]
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[0063]
The reducing agents in the present invention may be used alone or in combination of a plurality of types. When used in combination, different types of compounds belonging to the compounds of general formula (R1) and different types of compounds belonging to the compounds of general formula (R2), or compounds from general formulas (R1) and (R2) You may choose.
For example, the use ratio of the compound represented by the general formula (R1) and the compound represented by the general formula (R2) of the present invention is 10/90 to 90/10, preferably 30/70 to 80/20. .
[0064]
The compound represented by the general formula (R2) of the present invention may be added to the coating solution by any method such as a solution form, an emulsified dispersion form, and a solid fine particle dispersion form as in the case of the compound represented by the general formula (R1).
The preferable addition method is the same as that of the compound of the general formula (R1).
[0065]
In the present invention, the reducing agent is added in an amount of 0.1 to 3.0 g / m.2And more preferably 0.2 to 1.5 g / m.2More preferably, 0.3 to 1.0 g / m2It is. It is preferably contained in an amount of 5 to 50% by mole, more preferably 8 to 30% by mole, and even more preferably 10 to 20% by mole based on 1 mole of silver on the surface having the image forming layer.
When using two or more kinds of reducing agents in combination, it is preferable that the total addition amount thereof is in the above range.
[0066]
The layer to which the reducing agent is added may be any layer on the side where the image forming layer of the support is present, but the image forming layer or a layer adjacent thereto is preferable, and the image forming layer is more preferable.
[0067]
3) Other reducing agents that can be used in combination with the reducing agent of the present invention
In the photothermographic material of the invention, other reducing agents may be used in combination with the compounds represented by the general formulas (R1) and (R2).
The reducing agent that can be used in combination may be any substance (preferably an organic substance) that reduces silver ions to metallic silver. Examples of such reducing agents are described in JP-A No. 11-65021, paragraphs 0043 to 0045, and European Patent Publication No. 0803764A1, page 7, line 34 to page 18, line 12.
As the reducing agent that can be used in the present invention, a so-called hindered phenol reducing agent or bisphenol reducing agent having a substituent at the ortho position of the phenolic hydroxyl group is preferable, and a compound represented by the following general formula (R) is more preferable. preferable.
[0068]
General formula (R)
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[0069]
(In the general formula (R), R11And R11Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R12And R12Each independently represents a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on the benzene ring. L is a -S- group or -CHR.13-Represents a group. R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. X1And X1Each independently represents a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. )
[0070]
The general formula (R) will be described in detail.
1) R11And R11’
R11And R11Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the substituent of the alkyl group is not particularly limited, but is preferably an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryloxy group. Group, alkylthio group, arylthio group, acylamino group, sulfonamido group, sulfonyl group, phosphoryl group, acyl group, carbamoyl group, ester group, ureido group, urethane group, halogen atom and the like.
[0071]
2) R12And R12', X1And X1’
R12And R12Each independently represents a hydrogen atom or a substituent capable of substituting for a benzene ring;1And X1'Also independently represents a hydrogen atom or a group that can be substituted on a benzene ring. Preferred examples of each group that can be substituted on the benzene ring include an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, and an acylamino group.
[0072]
3) L
L is a -S- group or -CHR.13-Represents a group. R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the alkyl group may have a substituent. R13Specific examples of the unsubstituted alkyl group include methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, heptyl group, undecyl group, isopropyl group, 1-ethylpentyl group, 2,4,4-trimethylpentyl group and the like. . Examples of substituents for alkyl groups are R11In the same manner as the above substituent, a halogen atom, an alkoxy group, an alkylthio group, an aryloxy group, an arylthio group, an acylamino group, a sulfonamide group, a sulfonyl group, a phosphoryl group, an oxycarbonyl group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group and the like can be mentioned.
[0073]
4) Preferred substituents
R11And R11'Is preferably a secondary or tertiary alkyl group having 3 to 15 carbon atoms, specifically, isopropyl group, isobutyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl. Group, 1-methylcyclohexyl group, 1-methylcyclopropyl group and the like. R11And R11'Is more preferably a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, among which a t-butyl group, a t-amyl group, and a 1-methylcyclohexyl group are more preferable, and a t-butyl group is most preferable.
[0074]
R12And R12'Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, cyclohexyl group, 1-methyl group. Examples include cyclohexyl group, benzyl group, methoxymethyl group, methoxyethyl group and the like. More preferred are methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group and t-butyl group.
X1And X1'Is preferably a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, more preferably a hydrogen atom.
[0075]
L is preferably -CHR13-Group.
R13Is preferably a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 15 carbon atoms, and the alkyl group is preferably a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, or a 2,4,4-trimethylpentyl group. R13Particularly preferred is a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, a propyl group or an isopropyl group.
[0076]
R13R is a hydrogen atom, R12And R12'Is preferably an alkyl group having 2 to 5 carbon atoms, more preferably an ethyl group or a propyl group, and most preferably an ethyl group.
R13Is a primary or secondary alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, R12And R12'Is preferably a methyl group. R13The primary or secondary alkyl group having 1 to 8 carbon atoms is preferably a methyl group, an ethyl group, a propyl group or an isopropyl group, more preferably a methyl group, an ethyl group or a propyl group.
R11, R11', R12And R12When both ′ are methyl groups, R13Is preferably a secondary alkyl group. In this case R13As the secondary alkyl group, isopropyl group, isobutyl group, and 1-ethylpentyl group are preferable, and isopropyl group is more preferable.
The reducing agent is R11, R11', R12, R12'And R13Depending on the combination, the heat developability, developed silver color tone, and the like are different. Since these can be adjusted by combining two or more kinds of reducing agents, it is preferable to use two or more kinds in combination depending on the purpose.
[0077]
Although the specific example of the reducing agent of this invention including the compound represented by general formula (R) of this invention below is shown, this invention is not limited to these.
[0078]
Embedded image
[0079]
Examples of preferable reducing agents of the present invention other than the above are compounds described in JP-A Nos. 2001-188314, 2001-209145, 2001-350235, and 2002-156727.
[0080]
The compound of the general formula (R) can be dispersed by the same method as the reducing agent of the present invention and added to the light-sensitive material.
[0081]
The ratio of the compound represented by the general formula (R) to the compound represented by the general formula (R1) and / or (R2) of the present invention is 90/10 to 0/100, preferably 70/30. ~ 0/100, more preferably 50 / 50-0 / 100.
The total amount of these reducing agents used is preferably in the range of the amount described for the reducing agent of the present invention.
[0082]
(Description of organic silver salt)
1) Composition
The organic silver salt that can be used in the present invention is relatively stable to light, but when heated to 80 ° C. or higher in the presence of exposed photosensitive silver halide and a reducing agent. It is a silver salt that functions as a silver ion supplier and forms a silver image. The organic silver salt may be any organic substance that can supply silver ions that can be reduced by a reducing agent. As for such non-photosensitive organic silver salt, paragraph numbers 0048 to 0049 of JP-A-10-62899, page 18 line 24 to page 19 line 37 of European Patent Publication No. 0803764A1, European Patent Publication. No. 0968212A1, JP-A-11-349591, JP-A-2000-7683, JP-A-2000-72711, and the like. Silver salts of organic acids, particularly silver salts of long-chain aliphatic carboxylic acids (having 10 to 30, preferably 15 to 28 carbon atoms) are preferred. Preferred examples of the fatty acid silver salt include silver lignocerate, silver behenate, silver arachidate, silver stearate, silver oleate, silver laurate, silver caproate, silver myristate, silver palmitate, silver erucate and the like. Including a mixture of In the present invention, among these fatty acid silvers, the silver behenate content is preferably 50 mol% to 100 mol%, more preferably 85 mol% to 100 mol%, still more preferably 95 mol% to 100 mol%. The following fatty acid silver is preferably used. Furthermore, it is preferable to use fatty acid silver having a silver erucate content of 2 mol% or less, more preferably 1 mol% or less, and still more preferably 0.1 mol% or less.
[0083]
Moreover, it is preferable that silver stearate content rate is 1 mol% or less. By setting the silver stearate content to 1 mol% or less, a silver salt of an organic acid having a low Dmin, high sensitivity and excellent image storage stability can be obtained. As said silver stearate content rate, 0.5 mol% or less is preferable and it is especially preferable not to contain substantially.
[0084]
Furthermore, when silver arachidate is included as the silver salt of the organic acid, the silver arachidate content is 6 mol% or less to obtain a low Dmin and an organic acid silver salt excellent in image storability. It is preferable at a point and it is still more preferable that it is 3 mol% or less.
[0085]
2) Shape
The shape of the organic silver salt that can be used in the present invention is not particularly limited, and may be any of a needle shape, a rod shape, a flat plate shape, and a flake shape.
In the present invention, scaly organic silver salts are preferred. Also, short needle-shaped, rectangular parallelepiped, cubic or potato-shaped amorphous particles having a major axis / uniaxial length ratio of 5 or less are preferably used. These organic silver particles have a feature that there is less fog at the time of thermal development than long needle-like particles having a ratio of the major axis to the uniaxial length of 5 or more. In particular, particles having a major axis / uniaxial ratio of 3 or less are preferable because the mechanical stability of the coating film is improved. In the present specification, the scaly organic silver salt is defined as follows. The organic acid silver salt was observed with an electron microscope, the shape of the organic acid silver salt particle was approximated to a rectangular parallelepiped, and the sides of the rectangular parallelepiped were designated as a, b, and c from the shortest side (c was the same as b). Then, the shorter numerical values a and b are calculated, and x is obtained as follows.
x = b / a
[0086]
In this way, x is obtained for about 200 particles, and when the average value x (average) is obtained, particles satisfying the relationship of x (average) ≧ 1.5 are defined as flakes. Preferably, 30 ≧ x (average) ≧ 1.5, more preferably 15 ≧ x (average) ≧ 1.5. Incidentally, the needle shape is 1 ≦ x (average) <1.5.
[0087]
In the flake shaped particle, a can be regarded as a thickness of a tabular particle having a main plane with b and c as sides. The average of a is preferably 0.01 μm or more and 0.3 μm or less, and more preferably 0.1 μm or more and 0.23 μm or less. The average c / b is preferably 1 or more and 9 or less, more preferably 1 or more and 6 or less, still more preferably 1 or more and 4 or less, and most preferably 1 or more and 3 or less.
[0088]
By setting the equivalent sphere diameter to 0.05 μm or more and 1 μm or less, aggregation is hardly caused in the photosensitive material, and image storability is improved. The sphere equivalent diameter is preferably 0.1 μm or more and 1 μm or less. In the present invention, the method for measuring the equivalent sphere diameter is obtained by directly photographing a sample using an electron microscope and then image-processing the negative.
In the flake shaped particles, the spherical equivalent diameter / a of the particles is defined as the aspect ratio. The aspect ratio of the flake shaped particles is preferably 1.1 or more and 30 or less, more preferably 1.1 or more and 15 or less, from the viewpoint of preventing aggregation in the photosensitive material and improving the image storage stability. .
[0089]
The particle size distribution of the organic silver salt is preferably monodispersed. Monodispersion is preferably 100% or less, more preferably 80% or less, and even more preferably 50% of the value obtained by dividing the standard deviation of the lengths of the short and long axes by the short and long axes. It is as follows. The method for measuring the shape of the organic silver salt can be determined from a transmission electron microscope image of the organic silver salt dispersion. As another method for measuring monodispersity, there is a method for obtaining the standard deviation of the volume weighted average diameter of the organic silver salt, and the percentage (variation coefficient) of the value divided by the volume weighted average diameter is preferably 100% or less, more Preferably it is 80% or less, More preferably, it is 50% or less. As a measuring method, for example, it is obtained from the particle size (volume weighted average diameter) obtained by irradiating an organic silver salt dispersed in a liquid with laser light and obtaining an autocorrelation function with respect to the temporal change of the fluctuation of the scattered light. Can do.
[0090]
3) Preparation
Known methods and the like can be applied to the production and dispersion method of the organic acid silver used in the present invention. For example, the above-mentioned JP-A-10-62899, European Patent Publication No. 0803763A1, European Patent Publication No. 0968212A1, JP-A-11-349591, JP-A-2000-7683, JP-A-2000-72711, JP-A-2001-163889, 2001-163890, 2001-163825, 2001-33907, 2001-188313, 2001-83651, 2002-6442, 2002-49117, 2002-31870, 2002-107868 You can refer to the issue.
[0091]
In addition, when the photosensitive silver salt is allowed to coexist at the time of dispersion of the organic silver salt, the fog is increased and the sensitivity is remarkably reduced. Therefore, it is more preferable that the photosensitive silver salt is not substantially contained at the time of dispersion. In the present invention, the amount of the photosensitive silver salt in the aqueous dispersion to be dispersed is preferably 1 mol% or less, more preferably 0.1 mol% or less with respect to 1 mol of the organic acid silver salt in the liquid. Further, it is more preferable that no positive photosensitive silver salt is added.
[0092]
In the present invention, it is possible to produce a photosensitive material by mixing an organic silver salt aqueous dispersion and a photosensitive silver salt aqueous dispersion, but the mixing ratio of the organic silver salt and the photosensitive silver salt can be selected according to the purpose. The ratio of the photosensitive silver salt to the organic silver salt is preferably in the range of 1 to 30 mol%, more preferably 2 to 20 mol%, and particularly preferably 3 to 15 mol%. Mixing two or more organic silver salt water dispersions and two or more photosensitive silver salt water dispersions when mixing is a method preferably used for adjusting photographic properties.
[0093]
4) Amount added
The organic silver salt of the present invention can be used in a desired amount, but the total amount of applied silver including silver halide is 0.1 to 5.0 g / m.2Is preferable, and more preferably 0.5 to 3.0 g / m.2More preferably, 0.8 to 1.9 g / m2It is. In particular, in order to improve image storability, the total coated silver amount is 1.7 g / m.2Or less, more preferably 1.5 g / m2The following is preferable. If the preferred reducing agent of the present invention is used, it is possible to obtain a sufficient image density even with such a low silver amount.
[0094]
(Description of development accelerator)
In the photothermographic material of the present invention, a sulfonamide phenol compound represented by the general formula (A) described in JP-A-2000-267222, JP-A-2000-330234, or the like as a development accelerator, Hindered phenol compounds represented by general formula (II) described in JP-A-2001-92075, general formula (I) described in JP-A-10-62895, JP-A-11-15116, and the like, A hydrazine-based compound represented by the general formula (D) of JP-A No. 2002-156727 or the general formula (1) described in Japanese Patent Application No. 2001-074278, and described in the specification of JP-A No. 2001-264929 A phenolic or naphtholic compound represented by the general formula (2) is preferably used. These development accelerators are used in the range of 0.1 to 20 mol% with respect to the reducing agent, preferably in the range of 0.5 to 10 mol%, more preferably in the range of 1 to 5 mol%. The introduction method to the light-sensitive material includes the same method as the reducing agent, but it is particularly preferable to add as a solid dispersion or an emulsified dispersion. When added as an emulsified dispersion, it is added as an emulsified dispersion dispersed using a high-boiling solvent that is solid at room temperature and a low-boiling auxiliary solvent, or as a so-called oilless emulsified dispersion that does not use a high-boiling solvent. It is preferable to add.
In the present invention, among the development accelerators described above, hydrazine compounds represented by the general formula (D) described in JP-A No. 2002-156727 and those described in JP-A No. 2001-264929 A phenol-based or naphthol-based compound represented by the formula (2) is more preferable.
[0095]
Particularly preferred development accelerators of the present invention are compounds represented by the following general formulas (A-1) and (A-2).
Formula (A-1)
Q1-NHNH-Q2
(Where Q1Is a carbon atom -NHNH-Q2Represents an aromatic group or a heterocyclic group bonded to2Represents a carbamoyl group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a sulfonyl group, or a sulfamoyl group. )
[0096]
In general formula (A-1), Q1As the aromatic group or heterocyclic group represented by the formula, a 5- to 7-membered unsaturated ring is preferable. Preferred examples include benzene ring, pyridine ring, pyrazine ring, pyrimidine ring, pyridazine ring, 1,2,4-triazine ring, 1,3,5-triazine ring, pyrrole ring, imidazole ring, pyrazole ring, 1,2 , 3-triazole ring, 1,2,4-triazole ring, tetrazole ring, 1,3,4-thiadiazole ring, 1,2,4-thiadiazole ring, 1,2,5-thiadiazole ring, 1,3,4 -Oxadiazole ring, 1,2,4-oxadiazole ring, 1,2,5-oxadiazole ring, thiazole ring, oxazole ring, isothiazole ring, isoxazole ring, thiophene ring, etc. are preferable, and these Also preferred are fused rings in which the rings are fused together.
[0097]
These rings may have a substituent, and when they have two or more substituents, these substituents may be the same or different. Examples of substituents include halogen atoms, alkyl groups, aryl groups, carbonamido groups, alkylsulfonamido groups, arylsulfonamido groups, alkoxy groups, aryloxy groups, alkylthio groups, arylthio groups, carbamoyl groups, sulfamoyl groups, cyano Groups, alkylsulfonyl groups, arylsulfonyl groups, alkoxycarbonyl groups, aryloxycarbonyl groups, and acyl groups. When these substituents are substitutable groups, they may further have substituents. Examples of preferred substituents include halogen atoms, alkyl groups, aryl groups, carbonamido groups, alkylsulfonamido groups, aryls. A sulfonamide group, alkoxy group, aryloxy group, alkylthio group, arylthio group, acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, cyano group, sulfamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, and acyloxy group; Can be mentioned.
[0098]
Q2Is preferably a carbamoyl group having 1 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as unsubstituted carbamoyl, methylcarbamoyl, N-ethylcarbamoyl, N-propylcarbamoyl, N -Sec-butylcarbamoyl, N-octylcarbamoyl, N-cyclohexylcarbamoyl, N-tert-butylcarbamoyl, N-dodecylcarbamoyl, N- (3-dodecyloxypropyl) carbamoyl, N-octadecylcarbamoyl, N- {3- ( 2,4-tert-pentylphenoxy) propyl} carbamoyl, N- (2-hexyldecyl) carbamoyl, N-phenylcarbamoyl, N- (4-dodecyloxyphenyl) carbamoyl, N- (2-chloro-5-dodecyloxy) Carbonyl Eniru) carbamoyl, N- naphthylcarbamoyl, N-3- pyridylcarbamoyl include N- benzylcarbamoyl.
[0099]
Q2Is preferably an acyl group having 1 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms. For example, formyl, acetyl, 2-methylpropanoyl, cyclohexylcarbonyl, octanoyl, 2-hexyl Examples include decanoyl, dodecanoyl, chloroacetyl, trifluoroacetyl, benzoyl, 4-dodecyloxybenzoyl, and 2-hydroxymethylbenzoyl. The alkoxycarbonyl group represented by Q2 is preferably an alkoxycarbonyl group having 2 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as methoxycarbonyl, ethoxycarbonyl, isobutyloxycarbonyl, cyclohexyloxycarbonyl, dodecyl. Examples include oxycarbonyl and benzyloxycarbonyl.
[0100]
Q2Is preferably an aryloxycarbonyl group having 7 to 50 carbon atoms, more preferably 7 to 40 carbon atoms, such as phenoxycarbonyl, 4-octyloxyphenoxycarbonyl, 2-hydroxymethylphenoxy. Examples include carbonyl and 4-dodecyloxyphenoxycarbonyl. The sulfonyl group represented by Q2 is preferably a sulfonyl group having 1 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as methylsulfonyl, butylsulfonyl, octylsulfonyl, 2-hexadecylsulfonyl, 3-dodecyl. Examples include oxypropylsulfonyl, 2-octyloxy-5-tert-octylphenylsulfonyl, and 4-dodecyloxyphenylsulfonyl.
[0101]
Q2Is preferably a sulfamoyl group having 0 to 50 carbon atoms, more preferably 6 to 40 carbon atoms, such as an unsubstituted sulfamoyl group, an N-ethylsulfamoyl group, or N- (2-ethylhexyl). Sulfamoyl, N-decylsulfamoyl, N-hexadecylsulfamoyl, N- {3- (2-ethylhexyloxy) propyl} sulfamoyl, N- (2-chloro-5-dodecyloxycarbonylphenyl) sulfamoyl, N- (2-tetradecyloxyphenyl) sulfamoyl. Q2In the group represented by1May have the groups mentioned as examples of the substituents of the 5- to 7-membered unsaturated ring represented by the formula (1), and when they have two or more substituents, these substituents are the same. Or different.
[0102]
Next, preferred range for the compound represented by formula (A-1) is to be described. Q1Is preferably a 5- to 6-membered unsaturated ring, such as a benzene ring, pyrimidine ring, 1,2,3-triazole ring, 1,2,4-triazole ring, tetrazole ring, 1,3,4-thiadiazole ring, 1 , 2,4-thiadiazole ring, 1,3,4-oxadiazole ring, 1,2,4-oxadiazole ring, thiazole ring, oxazole ring, isothiazole ring, isoxazole ring, and these rings are benzene Even more preferred are rings fused with rings or unsaturated heterocycles. Q2Is preferably a carbamoyl group, particularly preferably a carbamoyl group having a hydrogen atom on a nitrogen atom.
[0103]
Formula (A-2)
[0104]
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[0105]
In the general formula (A-2), R1Represents an alkyl group, an acyl group, an acylamino group, a sulfonamide group, an alkoxycarbonyl group, or a carbamoyl group. R2Represents a hydrogen atom, a halogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, an aryloxy group, an alkylthio group, an arylthio group, an acyloxy group, or a carbonate group. R3, R4Each represents a group capable of substituting for the benzene ring mentioned in the example of the substituent of formula (A-1). R3And R4May be linked together to form a condensed ring.
R1Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms (for example, methyl group, ethyl group, isopropyl group, butyl group, tert-octyl group, cyclohexyl group, etc.), acylamino group (for example, acetylamino group, benzoylamino group, methylureido). Groups, 4-cyanophenylureido groups, etc.), carbamoyl groups (n-butylcarbamoyl group, N, N-diethylcarbamoyl group, phenylcarbamoyl group, 2-chlorophenylcarbamoyl group, 2,4-dichlorophenylcarbamoyl group, etc.) and acylamino groups (Including a ureido group and a urethane group) is more preferable. R2 is preferably a halogen atom (more preferably a chlorine atom or a bromine atom), an alkoxy group (for example, methoxy group, butoxy group, n-hexyloxy group, n-decyloxy group, cyclohexyloxy group, benzyloxy group, etc.), aryloxy A group (phenoxy group, naphthoxy group, etc.).
R3Is preferably a hydrogen atom, a halogen atom, or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and most preferably a halogen atom. R4Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an acylamino group, more preferably an alkyl group or an acylamino group. Examples of these preferred substituents are R1It is the same. R4R is an acylamino group4Is R3It is also preferred to form a carbostyryl ring by linking with.
[0106]
In the general formula (A-2), R3And R4Are connected to each other to form a condensed ring, the naphthalene ring is particularly preferable as the condensed ring. The same substituent as the example of a substituent quoted by general formula (A-1) may couple | bond with the naphthalene ring. When general formula (A-2) is a naphtholic compound, R1Is preferably a carbamoyl group. Of these, a benzoyl group is particularly preferable. R2Is preferably an alkoxy group or an aryloxy group, particularly preferably an alkoxy group.
[0107]
Hereinafter, preferred specific examples of the development accelerator of the present invention will be given. The present invention is not limited to these.
[0108]
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[0109]
(Description of hydrogen bonding compound)
When the reducing agent in the present invention has an aromatic hydroxyl group (—OH) or an amino group (—NHR, R is a hydrogen atom or an alkyl group), particularly in the case of the aforementioned bisphenols, these groups and hydrogen bonds It is preferable to use together a non-reducing compound having a group capable of forming.
Examples of the group that forms a hydrogen bond with a hydroxyl group or an amino group include a phosphoryl group, a sulfoxide group, a sulfonyl group, a carbonyl group, an amide group, an ester group, a urethane group, a ureido group, a tertiary amino group, and a nitrogen-containing aromatic group. Can be mentioned. Among them, preferred are a phosphoryl group, a sulfoxide group, an amide group (however, it has no> N—H group and is blocked like> N—Ra (Ra is a substituent other than H)), a urethane group. (However, it has no> N—H group and is blocked like> N—Ra (Ra is a substituent other than H)), a ureido group (however, it has no> N—H group,> N-Ra (Ra is a substituent other than H).)
In the present invention, a particularly preferred hydrogen bonding compound is a compound represented by the following general formula (D).
Formula (D)
[0110]
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[0111]
R in general formula (D)21Or R23Each independently represents an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, an aryloxy group, an amino group or a heterocyclic group, and these groups may be unsubstituted or may have a substituent.
R21Or R23In the case where has a substituent, the substituent is a halogen atom, alkyl group, aryl group, alkoxy group, amino group, acyl group, acylamino group, alkylthio group, arylthio group, sulfonamido group, acyloxy group, oxycarbonyl group, carbamoyl Group, sulfamoyl group, sulfonyl group, phosphoryl group and the like. Preferred as substituents are alkyl groups or aryl groups such as methyl group, ethyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-octyl group, phenyl group, 4-alkoxyphenyl group, 4-acyloxyphenyl group and the like can be mentioned.
R21Or R23Specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, butyl group, octyl group, dodecyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, and 1-methylcyclohexyl group. Benzyl group, phenethyl group, 2-phenoxypropyl group, and the like.
Examples of the aryl group include phenyl group, cresyl group, xylyl group, naphthyl group, 4-t-butylphenyl group, 4-t-octylphenyl group, 4-anisidyl group, and 3,5-dichlorophenyl group.
Alkoxy groups include methoxy, ethoxy, butoxy, octyloxy, 2-ethylhexyloxy, 3,5,5-trimethylhexyloxy, dodecyloxy, cyclohexyloxy, 4-methylcyclohexyloxy, benzyl An oxy group etc. are mentioned.
Examples of the aryloxy group include a phenoxy group, a cresyloxy group, an isopropylphenoxy group, a 4-t-butylphenoxy group, a naphthoxy group, and a biphenyloxy group.
Examples of the amino group include a dimethylamino group, a diethylamino group, a dibutylamino group, a dioctylamino group, an N-methyl-N-hexylamino group, a dicyclohexylamino group, a diphenylamino group, and an N-methyl-N-phenylamino group. .
[0112]
R21Or R23Are preferably an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, or an aryloxy group. In terms of the effect of the present invention, R21Or R23Of these, at least one is preferably an alkyl group or an aryl group, and more preferably two or more are an alkyl group or an aryl group. In addition, R can be obtained at low cost.21Or R23Are preferably the same group.
Specific examples of the hydrogen bonding compound including the compound of the general formula (D) in the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0113]
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[0114]
Specific examples of the hydrogen bonding compound include those described in European Patent No. 1096310, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-156727, and Japanese Patent Application No. 2001-12496 in addition to the above.
The compound of the general formula (D) of the present invention can be used in a light-sensitive material by being incorporated in a coating solution in the form of a solution, an emulsified dispersion, or a solid dispersion fine particle dispersion in the same manner as the reducing agent. It is preferable to use it as a product. The compound of the present invention forms a hydrogen-bonding complex with a compound having a phenolic hydroxyl group or an amino group in a solution state, and depending on the combination of the reducing agent and the compound of the general formula (D) of the present invention, It can be isolated in the crystalline state.
The use of the crystal powder isolated in this way as a solid dispersed fine particle dispersion is particularly preferable for obtaining stable performance. Further, a method in which the reducing agent and the compound of the general formula (D) of the present invention are mixed as a powder and complexed at the time of dispersion with a sand grinder mill or the like using an appropriate dispersant can be preferably used.
The compound of the general formula (D) of the present invention is preferably used in the range of 1 to 200 mol%, more preferably in the range of 10 to 150 mol%, still more preferably 20 to 100 mol, based on the reducing agent. % Range.
[0115]
(Description of silver halide)
1) Halogen composition
The photosensitive silver halide used in the present invention is not particularly limited as a halogen composition, and silver chloride, silver chlorobromide, silver bromide, silver iodobromide, silver iodochlorobromide, and silver iodide can be used. it can. Of these, silver bromide, silver iodobromide and silver iodide are preferred. The distribution of the halogen composition in the grains may be uniform, the halogen composition may be changed stepwise, or may be continuously changed. Further, silver halide grains having a core / shell structure can be preferably used. A preferable structure is a 2- to 5-fold structure, more preferably 2- to 4-fold core / shell particles. A technique for localizing silver bromide or silver iodide on the surface of silver chloride, silver bromide or silver chlorobromide grains can also be preferably used.
[0116]
2) Particle formation method
Methods for forming photosensitive silver halide are well known in the art, for example using the methods described in Research Disclosure No. 17029, June 1978, and US Pat. No. 3,700,458. Specifically, there is used a method in which a photosensitive silver halide is prepared by adding a silver supply compound and a halogen supply compound to gelatin or another polymer solution, and then mixed with an organic silver salt. Further, the method described in paragraph Nos. 0217 to 0224 of JP-A No. 11-119374, and the methods described in JP-A Nos. 11-352627 and 2000-347335 are also preferable.
[0117]
3) Particle size
The grain size of the photosensitive silver halide is preferably small for the purpose of keeping the cloudiness after image formation low, specifically 0.20 μm or less, more preferably 0.01 μm or more and 0.15 μm or less, and still more preferably. It is preferably 0.02 μm or more and 0.12 μm or less. The grain size here means the diameter when converted into a circular image having the same area as the projected area of silver halide grains (in the case of tabular grains, the projected area of the main plane).
[0118]
4) Particle shape
Examples of the shape of silver halide grains include cubes, octahedrons, tabular grains, spherical grains, rod-shaped grains, and potato-shaped grains. In the present invention, cubic grains are particularly preferred. Grains with rounded corners of silver halide grains can also be preferably used. The surface index (Miller index) of the outer surface of the photosensitive silver halide grain is not particularly limited, but the ratio of the [100] plane having high spectral sensitization efficiency when the spectral sensitizing dye is adsorbed is high. preferable. The ratio is preferably 50% or more, more preferably 65% or more, and still more preferably 80% or more. The ratio of the Miller index [100] plane is determined by T.T. Tani; Imaging Sci. 29, 165 (1985).
[0119]
5) Heavy metal
The photosensitive silver halide grain of the present invention can contain a metal or metal complex of Group 8 to Group 10 of the Periodic Table (showing Groups 1 to 18). As the central metal of the group 8 to group 10 metal or metal complex of the periodic table, rhodium, ruthenium and iridium are preferable. One kind of these metal complexes may be used, or two or more kinds of complexes of the same metal and different metals may be used in combination. The preferred content is 1 x 10 per mole of silver.-9From mole to 1 × 10-3A molar range is preferred. These heavy metals and metal complexes and methods for adding them are described in JP-A-7-225449, JP-A-11-65021, paragraphs 0018 to 0024, and JP-A-11-119374, paragraphs 0227 to 0240.
[0120]
In the present invention, silver halide grains in which a hexacyano metal complex is present on the outermost surface of the grains are preferred. As the hexacyano metal complex, [Fe (CN)6]4-, [Fe (CN)6]3-, [Ru (CN)6]4-, [Os (CN)6]4-, [Co (CN)6]3-, [Rh (CN)6]3-, [Ir (CN)6]3-, [Cr (CN)6]3-, [Re (CN)6]3-Etc. In the present invention, a hexacyano Fe complex is preferred.
[0121]
The hexacyano metal complex is present in the form of ions in aqueous solution, so the counter cation is not important, but it is easy to mix with water and is suitable for precipitation of silver halide emulsions. Sodium ion, potassium ion, rubidium It is preferable to use alkali metal ions such as ions, cesium ions, and lithium ions, ammonium ions, and alkylammonium ions (for example, tetramethylammonium ions, tetraethylammonium ions, tetrapropylammonium ions, tetra (n-butyl) ammonium ions).
[0122]
In addition to water, the hexacyano metal complex is miscible with a mixed solvent or gelatin with an appropriate organic solvent miscible with water (for example, alcohols, ethers, glycols, ketones, esters, amides, etc.). Can be added.
[0123]
The amount of hexacyano metal complex added is 1 × 10 5 per mole of silver.-51 x 10 moles or more-2Or less, more preferably 1 × 10-41 x 10 moles or more-3It is below the mole.
[0124]
In order for the hexacyano metal complex to be present on the outermost surface of the silver halide grain, the chalcogen sensitization of sulfur sensitization, selenium sensitization and tellurium sensitization is completed after the addition of the aqueous silver nitrate solution used for grain formation. It is added directly before the completion of the preparation step before the chemical sensitization step for performing noble metal sensitization such as sensitization and gold sensitization, during the washing step, during the dispersion step, or before the chemical sensitization step. In order to prevent the silver halide fine grains from growing, it is preferable to add the hexacyano metal complex immediately after the grain formation, and it is preferable to add it before the completion of the preparation step.
[0125]
The addition of the hexacyano metal complex may be started after adding 96% by mass of the total amount of silver nitrate to be added to form grains, more preferably starting after adding 98% by mass, The addition of 99% by mass is particularly preferable.
[0126]
When these hexacyanometal complexes are added after the addition of the aqueous silver nitrate solution just before the completion of grain formation, they can be adsorbed on the outermost surface of the silver halide grains, and most of them form slightly soluble salts with silver ions on the grain surface. To do. This silver salt of hexacyanoiron (II) is a less soluble salt than AgI, so that re-dissolution by fine particles can be prevented and silver halide fine particles having a small particle size can be produced. .
[0127]
Further, metal atoms that can be contained in the silver halide grains used in the present invention (for example, [Fe (CN)6]4-), Desalting methods and chemical sensitization methods for silver halide emulsions, paragraph numbers 0046 to 0050 of JP-A-11-84574, paragraph numbers 0025 to 0031 of JP-A-11-65021, paragraph number 0242 of JP-A-11-119374 ~ 0250.
[0128]
6) Gelatin
Various gelatins can be used as the gelatin contained in the photosensitive silver halide emulsion used in the present invention. It is necessary to maintain a good dispersion state of the photosensitive silver halide emulsion in the organic silver salt-containing coating solution, and gelatin having a molecular weight of 10,000 to 1,000,000 is preferably used. It is also preferable to phthalate the gelatin substituent. These gelatins may be used at the time of grain formation or at the time of dispersion after desalting, but are preferably used at the time of grain formation.
[0129]
7) Sensitizing dye
As a sensitizing dye that can be applied to the present invention, it can spectrally sensitize silver halide grains in a desired wavelength region when adsorbed on silver halide grains, and has a spectral sensitivity suitable for the spectral characteristics of the exposure light source. The dye can be advantageously selected. Regarding the sensitizing dye and the addition method, paragraphs 0103 to 0109 of JP-A No. 11-65021, compounds represented by the general formula (II) of JP-A No. 10-186572, and general formulas (I of JP-A No. 11-119374) ) And dyes described in paragraph No. 0106, U.S. Pat. Nos. 5,510,236 and 3,871,887, Example 5, JP-A-2-96131, JP-A-59-48753 No. 19, line 38 to page 20, line 35 of JP-A-0803764A1, JP-A No. 2001-272747, JP-A No. 2001-290238, JP-A No. 2002-23306, etc. It is described in. These sensitizing dyes may be used alone or in combination of two or more. In the present invention, the time when the sensitizing dye is added to the silver halide emulsion is preferably the time from the desalting step to the coating, and more preferably the time from desalting to the end of chemical ripening.
The addition amount of the sensitizing dye in the present invention can be set to a desired amount in accordance with the sensitivity and the fogging performance, but is 10 per mol of silver halide in the photosensitive layer.-6~ 1 mol is preferred, more preferably 10-4-10-1Is a mole.
[0130]
In the present invention, a supersensitizer can be used to improve spectral sensitization efficiency. As the supersensitizer used in the present invention, European Patent Publication No. 587,338, US Pat. Nos. 3,877,943, 4,873,184, JP-A-5-341432, 11- 109547, 10-111543, etc. are mentioned.
[0131]
8) Chemical sensitization
The photosensitive silver halide grain in the present invention is preferably chemically sensitized by sulfur sensitizing method, selenium sensitizing method or tellurium sensitizing method. As the compound preferably used in the sulfur sensitization method, selenium sensitization method, and tellurium sensitization method, known compounds such as compounds described in JP-A-7-128768 can be used. In the present invention, tellurium sensitization is particularly preferred. The compounds described in the literature described in paragraph No. 0030 of JP-A-11-65021, and the general formulas (II), (III), (IV) in JP-A-5-313284 The compound shown by is more preferable.
[0132]
The photosensitive silver halide grains in the present invention are preferably chemically sensitized by gold sensitization alone or in combination with the chalcogen sensitization described above. As the gold sensitizer, the valence of gold is preferably +1 or +3, and the gold sensitizer is preferably a gold compound that is usually used. Typical examples include chloroauric acid, bromoauric acid, potassium chloroaurate, potassium bromoaurate, auric trichloride, potassium auric thiocyanate, potassium iodoaurate, tetracyanoauric acid, ammonium aurothiocyanate, pyridyltrichlorogold. Etc. are preferable. Further, gold sensitizers described in US Pat. No. 5,858,637 and Japanese Patent Application No. 2001-79450 are also preferably used.
[0133]
In the present invention, chemical sensitization can be performed at any time after particle formation and before coating. After desalting, (1) before spectral sensitization, (2) simultaneously with spectral sensitization, (3) spectral After sensitization, there may be (4) immediately before application.
The amount of sulfur, selenium and tellurium sensitizers used in the present invention varies depending on the silver halide grains used, chemical ripening conditions, etc., but is 10 per mol of silver halide.-8-10-2Moles, preferably 10-7-10-3Use about moles.
The amount of the gold sensitizer added varies depending on various conditions, but as a guide, it is 10 per silver halide.-7From mole 10-3Mole, more preferably 10-6Mol ~ 5 × 10-4Is a mole.
The conditions for chemical sensitization in the present invention are not particularly limited, but the pH is 5 to 8, the pAg is 6 to 11, and the temperature is about 40 to 95 ° C.
A thiosulfonic acid compound may be added to the silver halide emulsion used in the present invention by the method described in European Patent Publication No. 293,917.
[0134]
A reducing agent is preferably used for the photosensitive silver halide grains in the present invention. As specific compounds for the reduction sensitization, ascorbic acid and thiourea dioxide are preferable, and in addition, stannous chloride, aminoiminomethanesulfinic acid, hydrazine derivatives, borane compounds, silane compounds, polyamine compounds, and the like are preferably used. . The reduction sensitizer may be added at any stage in the photosensitive emulsion production process from crystal growth to the preparation process immediately before coating. Further, reduction sensitization is preferably carried out by ripening while maintaining the pH of the emulsion at 7 or more or pAg at 8.3 or less, and reduction sensitization by introducing a single addition portion of silver ions during grain formation. It is also preferable to do.
[0135]
9) A compound in which a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation can emit one electron or more.
In the photothermographic material of the invention, it is preferable that the one-electron oxidant produced by one-electron oxidation contains a compound capable of emitting one electron or more.
The compound can be used alone or in combination with the above-described various chemical sensitizers, and can increase the sensitivity of silver halide.
[0136]
The one-electron oxidant produced by one-electron oxidation contained in the photothermographic material of the present invention is a compound selected from the following types 1 to 5 that can emit one or more electrons.
[0137]
(Type 1)
A compound in which a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation can further emit two or more electrons with a subsequent bond cleavage reaction.
(Type 2)
The one-electron oxidant produced by one-electron oxidation is a compound capable of releasing another electron with subsequent bond cleavage reaction, and has two or more adsorptive groups to silver halide in the same molecule. Compound.
(Type 3)
A compound capable of emitting one or more electrons after a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation undergoes a subsequent bond formation process.
(Type 4)
A compound capable of emitting one or more electrons after a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation undergoes a subsequent intramolecular ring-cleaving reaction.
(Type 5)
In the compound represented by XY, X represents a reducing group, Y represents a leaving group, and a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation of the reducing group represented by X is followed by XY A compound capable of releasing Y by releasing Y with a bond cleavage reaction and releasing another electron therefrom.
[0138]
Preferred among the compounds of types 1 and 3 to 5 above are “compounds having an adsorptive group to silver halide in the molecule” or “partial structure of spectral sensitizing dye in the molecule”. Compound ". More preferred is a “compound having an adsorptive group to silver halide in the molecule”. The compounds of types 1 to 4 are more preferably “compounds having a nitrogen-containing heterocyclic group substituted with two or more mercapto groups as an adsorptive group”.
[0139]
The compounds of types 1 to 5 will be described in detail.
In the type 1 compound, “bond cleavage reaction” specifically means cleavage of bonds between carbon-carbon, carbon-silicon, carbon-hydrogen, carbon-boron, carbon-tin, and carbon-germanium elements, These may be further accompanied by carbon-hydrogen bond cleavage. A type 1 compound is a compound capable of emitting two or more (preferably three or more) electrons for the first time after a one-electron oxidation to form a one-electron oxidant, followed by a bond cleavage reaction.
[0140]
A preferable compound among the compounds of type 1 is represented by general formula (A), general formula (B), general formula (1), general formula (2), or general formula (3).
[0141]
Formula (A)
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[0142]
General formula (B)
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[0143]
In general formula (A), RED11Represents a reducing group which can be oxidized by one electron, and L11Represents a leaving group. R112Represents a hydrogen atom or a substituent. R111Is carbon atom (C) and RED11And a nonmetallic atomic group capable of forming a cyclic structure corresponding to a tetrahydro form, hexahydro form, or octahydro form of a 5-membered or 6-membered aromatic ring (including an aromatic heterocycle).
[0144]
In the general formula (B), RED12Represents a reducing group which can be oxidized by one electron, and L12Represents a leaving group. R121And R122Each represents a hydrogen atom or a substituent. ED12Represents an electron donating group. R in the general formula (B)121And RED12, R121And R122Or ED12And RED12And may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0145]
These compounds represented by the general formula (A) or the general formula (B) are represented by RED.11Or RED12After the reducing group represented by11Or L12Is a compound that can release two or more electrons, preferably three or more electrons, by releasing them by bond cleavage reaction.
[0146]
General formula (1), general formula (2), general formula (3)
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[0147]
In general formula (1), Z1Represents an atomic group capable of forming a 6-membered ring with a nitrogen atom and two carbon atoms of a benzene ring, and R1, R2, RN1Each represents a hydrogen atom or a substituent, and X1Represents a substitutable substituent on the benzene ring, m1Represents an integer of 0 to 3, L1Represents a leaving group. ED in general formula (2)21Represents an electron donating group, R11, R12, RN21, R13, R14Each represents a hydrogen atom or a substituent, and X21Represents a substitutable substituent on the benzene ring, m21Represents an integer of 0 to 3, L21Represents a leaving group. RN21, R13, R14, X21And ED21May be bonded to each other to form a cyclic structure. In the general formula (3), R32, R33, R31, RN31, Ra, RbEach represents a hydrogen atom or a substituent, and L31Represents a leaving group. However, RN31When represents a group other than an aryl group, RaAnd RbCombine with each other to form an aromatic ring.
[0148]
After these compounds are oxidized by one electron,1, L21Or L31Is a compound that can release two or more electrons, preferably three or more electrons, by releasing them by bond cleavage reaction.
[0149]
Hereinafter, the compound represented by the general formula (A) will be described in detail first.
In general formula (A), RED11A reducing group that can be oxidized by one electron is represented by R described later.111And a divalent group obtained by removing one hydrogen atom at a suitable site for ring formation from the following monovalent group. For example, alkylamino group, arylamino group (anilino group, naphthylamino group etc.), heterocyclic amino group (benzthiazolylamino group, pyrrolylamino group etc.), alkylthio group, arylthio group (phenylthio group etc.), heterocyclic thio Group, alkoxy group, aryloxy group (phenoxy group etc.), heterocyclic oxy group, aryl group (phenyl group, naphthyl group, anthranyl group etc.), aromatic or non-aromatic heterocyclic group (5-membered to 7-membered) , A monocyclic or condensed ring hetero ring containing at least one hetero atom among nitrogen atom, sulfur atom, oxygen atom and selenium atom. Specific examples thereof include, for example, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinoxaline ring , Tetrahydroquinazoline ring, indoline ring, indole ring, indazo Ring, carbazole ring, phenoxazine ring, phenothiazine ring, benzothiazoline ring, pyrrole ring, imidazole ring, thiazoline ring, piperidine ring, pyrrolidine ring, morpholine ring, benzimidazole ring, benzimidazoline ring, benzoxazoline ring, methylenedioxyphenyl Ring, etc.) (hereinafter referred to as RED for convenience)11Is described as a monovalent radical name). RED11May have a substituent.
[0150]
In the present invention, the substituent means a substituent selected from the following groups unless otherwise specified. Halogen atoms, alkyl groups (including aralkyl groups, cycloalkyl groups, active methine groups, etc.), alkenyl groups, alkynyl groups, aryl groups, heterocyclic groups (regardless of the position of substitution), quaternized nitrogen atoms Heterocyclic groups (eg pyridinio group, imidazolio group, quinolinio group, isoquinolinio group), acyl group, alkoxycarbonyl group, aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, carboxy group or salt thereof, sulfonylcarbamoyl group, acylcarbamoyl group, sulfa Moylcarbamoyl group, carbazoyl group, oxalyl group, oxamoyl group, cyano group, carbonimidoyl group, thiocarbamoyl group, hydroxy group, alkoxy group (including groups containing ethyleneoxy group or propyleneoxy group unit repeatedly), aryloxy group , Telocyclic oxy group, acyloxy group, (alkoxy or aryloxy) carbonyloxy group, carbamoyloxy group, sulfonyloxy group, amino group, (alkyl, aryl, or heterocyclic) amino group, acylamino group, sulfonamide group, ureido group Thioureido group, imide group, (alkoxy or aryloxy) carbonylamino group, sulfamoylamino group, semicarbazide group, thiosemicarbazide group, hydrazino group, ammonio group, oxamoylamino group, (alkyl or aryl) sulfonylureido group, Acylureido group, acylsulfamoylamino group, nitro group, mercapto group, (alkyl, aryl, or heterocyclic) thio group, (alkyl or aryl) sulfonyl group, (alkyl or aryl) Rufiniru group, a sulfo group or a salt thereof, sulfamoyl group, sulfonylsulfamoyl group or a salt thereof, phosphoric acid amide or a group containing a phosphoric acid ester structure and so forth. These substituents may be further substituted with these substituents.
[0151]
RED11Are preferably alkylamino group, arylamino group, heterocyclic amino group, aryl group, aromatic or non-aromatic heterocyclic group, more preferably arylamino group (especially anilino group), aryl group (especially phenyl). Group). When these have a substituent, the substituent is preferably a halogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, an acylamino group, or a sulfonamide group.
However, RED11When represents an aryl group, the aryl group preferably has at least one “electron-donating group”. Here, the “electron donating group” means a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an acylamino group, an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, an active methine group, and a nitrogen atom in the ring. 5-membered, monocyclic or condensed, electron-rich aromatic heterocyclic group (for example, indolyl group, pyrrolyl group, imidazolyl group, benzimidazolyl group, thiazolyl group, benzthiazolyl group, indazolyl group) containing at least one, nitrogen A non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group (a group that can also be called a cyclic amino group such as a pyrrolidinyl group, an indolinyl group, a piperidinyl group, a piperazinyl group, or a morpholino group) substituted with an atom. Here, the active methine group means a methine group substituted by two “electron-withdrawing groups”, and the “electron-withdrawing group” means an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, It means a carbamoyl group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, a sulfamoyl group, a trifluoromethyl group, a cyano group, a nitro group, or a carbonimidoyl group. Here, the two electron withdrawing groups may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0152]
In general formula (A), L11Is specifically a carboxy group or a salt thereof, a silyl group, a hydrogen atom, a triarylboron anion, a trialkylstannyl group, a trialkylgermyl group, or -CRC1RC2RC3Represents a group. Here, the silyl group specifically represents a trialkylsilyl group, an aryldialkylsilyl group, a triarylsilyl group, or the like, and may have an arbitrary substituent.
[0153]
L11When represents a salt of a carboxy group, the counter ions that form the salt include alkali metal ions, alkaline earth metal ions, heavy metal ions, ammonium ions, phosphonium ions, and the like, preferably alkali metal ions or ammonium ions. , Alkali metal ions (especially Li+, Na+, K+Ion) is most preferred.
[0154]
L11-CRC1RC2RC3When representing a group, here RC1, RC2, RC3Each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an alkylthio group, an arylthio group, an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, an alkoxy group, an aryloxy group, or a hydroxy group. May be bonded to each other to form a cyclic structure, and may further have an arbitrary substituent. However, RC1, RC2, RC3When one of them represents a hydrogen atom or an alkyl group, the remaining two do not represent a hydrogen atom or an alkyl group. RC1, RC2, RC3Preferably, each independently represents an alkyl group, an aryl group (particularly a phenyl group), an alkylthio group, an arylthio group, an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic group, an alkoxy group, or a hydroxy group. For example, phenyl group, p-dimethylaminophenyl group, p-methoxyphenyl group, 2,4-dimethoxyphenyl group, p-hydroxyphenyl group, methylthio group, phenylthio group, phenoxy group, methoxy group, ethoxy group, dimethylamino Group, N-methylanilino group, diphenylamino group, morpholino group, thiomorpholino group, hydroxy group and the like. Examples of the case where they are bonded to each other to form a cyclic structure include 1,3-dithiolan-2-yl group, 1,3-dithian-2-yl group, N-methyl-1,3-thiazolidine-2 -Yl group, N-benzyl-benzothiazolidin-2-yl group and the like.
-CRC1RC2RC3The group is RC1, RC2, RC3As a result of each selected within the above-mentioned range, the general formula (A) to L11It is also preferred if it represents the same group as the residue excluding.
[0155]
In general formula (A), L11Is preferably a carboxy group or a salt thereof, and a hydrogen atom. More preferably, it is a carboxy group or a salt thereof.
[0156]
L11When represents a hydrogen atom, the compound represented by the general formula (A) preferably has a base moiety inherent in the molecule. After the compound represented by the general formula (A) is oxidized by the action of this base moiety,11Is deprotonated, and further electrons are emitted therefrom.
[0157]
Here, the base is specifically a conjugate base of an acid having a pKa of about 1 to about 10. For example, nitrogen-containing heterocycles (pyridines, imidazoles, benzimidazoles, thiazoles, etc.), anilines, trialkylamines, amino groups, carbon acids (active methylene anions, etc.), thioacetic acid anions, carboxylates (- COO−), Sulfate (-SO3 −), Or amine oxide (> N+(O−)-) And the like. Preferably, it is a conjugate base of an acid having a pKa of about 1 to about 8, more preferably carboxylate, sulfate, or amine oxide, and particularly preferably carboxylate. When these bases have anions, they may have counter cations, examples of which include alkali metal ions, alkaline earth metal ions, heavy metal ions, ammonium ions, phosphonium ions and the like. These bases are linked to the compound represented by the general formula (A) at an arbitrary position. The position at which these base sites are bonded includes RED of the general formula (A).11, R111, R112Any of these may be sufficient, and you may connect with the substituent of these groups.
[0158]
R in the general formula (A)112Represents a substituent substitutable on a hydrogen atom or a carbon atom. However, R112Is L11And does not represent the same group.
R112Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group (such as a phenyl group), an alkoxy group (such as a methoxy group, an ethoxy group, and a benzyloxy group), a hydroxy group, an alkylthio group (such as a methylthio group and a butylthio group), an amino group, and an alkyl group An amino group, an arylamino group and a heterocyclic amino group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a hydroxy group, a phenyl group and an alkylamino group.
[0159]
R in the general formula (A)111Is a ring structure corresponding to a tetrahydro form, hexahydro form or octahydro form of a 5-membered or 6-membered aromatic ring (including aromatic heterocycle), where the hydro form is an aromatic A ring structure in which a carbon-carbon double bond (or carbon-nitrogen double bond) inherent in a ring (including an aromatic heterocycle) is partially hydrogenated means a tetrahydro form, and two hexahydro forms The three and octahydro forms mean a structure in which four carbon-carbon double bonds (or carbon-nitrogen double bonds) are hydrogenated. By being hydrogenated, the aromatic ring becomes a partially hydrogenated non-aromatic ring structure.
Specifically, pyrrolidine ring, imidazolidine ring, thiazolidine ring, pyrazolidine ring and oxazolidine ring, piperidine ring, tetrahydropyridine ring, tetrahydropyrimidine ring, piperazine ring, tetralin ring, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinazoline ring, And tetrahydroquinoxaline ring, tetrahydrocarbazole ring, octahydrophenanthridine ring and the like. These ring structures may have an arbitrary substituent.
[0160]
R111More preferably, the cyclic structure formed by pyrrolidine ring, imidazolidine ring, piperidine ring, tetrahydropyridine ring, tetrahydropyrimidine ring, piperazine ring, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinazoline ring, tetrahydroquinoxaline ring, tetrahydrocarbazole ring Particularly preferred are pyrrolidine ring, piperidine ring, piperazine ring, tetrahydropyridine ring, tetrahydroquinoline ring, tetrahydroisoquinoline ring, tetrahydroquinazoline ring, tetrahydroquinoxaline ring, most preferably pyrrolidine ring, piperidine ring, tetrahydropyridine ring. , Tetrahydroquinoline ring and tetrahydroisoquinoline ring.
[0161]
In the general formula (B), RED12, L12Are respectively RED of the general formula (A)11, L11The preferred range is also the same. However, RED12Is a monovalent group except when it forms the following cyclic structure, specifically RED.11And monovalent group names described in the above. R121And R122Is R in the general formula (A)112The preferred range is also the same. ED12Represents an electron donating group. R121And RED12, R121And R122Or ED12And RED12And may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0162]
ED in general formula (B)12The electron donating group represented by RED11Is the same as the electron-donating group described as the substituent for when A represents an aryl group. ED12Preferably a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an alkylamino group, an arylamino group, an active methine group, a 5-membered monocyclic or condensed ring electron containing at least one nitrogen atom in the ring An excess aromatic heterocyclic group, a non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with a nitrogen atom, and a phenyl group substituted with these electron donating groups, and further a hydroxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an alkylamino group Group, arylamino group, active methine group, non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with nitrogen atom, and phenyl group substituted with these electron donating groups (for example, p-hydroxyphenyl group, p-dialkylaminophenyl group) , O, p-dialkoxyphenyl group, etc.) are more preferable.
[0163]
R in the general formula (B)121And RED12, R122And R121Or ED12And RED12And may be bonded to each other to form a cyclic structure. The cyclic structure formed here is a non-aromatic carbocyclic or heterocyclic ring, which is a 5-membered to 7-membered monocyclic or condensed ring, and is a substituted or unsubstituted cyclic structure. R121And RED12When and form a ring structure, specific examples thereof include R in general formula (A).111In addition to those listed as examples of the cyclic structure formed by: pyrroline ring, imidazoline ring, thiazoline ring, pyrazoline ring, oxazoline ring, indane ring, morpholine ring, indoline ring, tetrahydro-1,4-oxazine ring, 2, 3-dihydrobenzo-1,4-oxazine ring, tetrahydro-1,4-thiazine ring, 2,3-dihydrobenzo-1,4-thiazine ring, 2,3-dihydrobenzofuran ring, 2,3-dihydrobenzothiophene A ring etc. are mentioned. ED12And RED12And form a ring structure, ED12Preferably represents an amino group, an alkylamino group, or an arylamino group, and specific examples of the ring structure formed include a tetrahydropyrazine ring, a piperazine ring, a tetrahydroquinoxaline ring, and a tetrahydroisoquinoline ring. R122And R121When and form a ring structure, specific examples thereof include a cyclohexane ring and a cyclopentane ring.
[0164]
Next, general formulas (1) to (3) will be described.
In the general formulas (1) to (3), R1, R2, R11, R12, R31Is R in the general formula (A)112The preferred range is also the same. L1, L21, L31Is L in the general formula (A)11Represents the same leaving group as the specific examples given in the description, and preferred ranges thereof are also the same. X1, X21As the substituent represented by the formula (A),11Is the same as the example of the substituent when has a substituent, and the preferred range is also the same. m1, M21Is preferably an integer of 0 to 2, more preferably 0 or 1.
[0165]
RN1, RN21, RN31When represents a substituent, the substituent is preferably an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group, and these may further have an arbitrary substituent. RN1, RN21, RN31Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group, more preferably a hydrogen atom or an alkyl group.
[0166]
R13, R14, R33, Ra, RbWhen represents a substituent, the substituent is preferably an alkyl group, aryl group, acyl group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, cyano group, alkoxy group, acylamino group, sulfonamide group, ureido group, thioureido group, alkylthio group. An arylthio group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, a sulfamoyl group, and the like.
[0167]
In general formula (1), Z1The 6-membered ring formed by is a non-aromatic heterocycle condensed with the benzene ring of the general formula (1). Specifically, a tetrahydroquinoline ring, a tetrahydroquinoxaline ring as a ring structure including the condensed benzene ring, A tetrahydroquinazoline ring, preferably a tetrahydroquinoline ring or a tetrahydroquinoxaline ring. These may have a substituent.
[0168]
ED in general formula (2)21Is the ED of the general formula (B)12The preferred range is also the same.
[0169]
In the general formula (2), RN21, R13, R14, X21And ED21Any two of these may combine with each other to form a cyclic structure. Where RN21And X21The cyclic structure formed by bonding is preferably a 5- to 7-membered non-aromatic carbocyclic or heterocyclic ring condensed with a benzene ring. Specific examples thereof include a tetrahydroquinoline ring and a tetrahydroquinoxaline ring. A ring, an indoline ring, a 2,3-dihydro-5,6-benzo-1,4-thiazine ring, and the like. Preferred are a tetrahydroquinoline ring, a tetrahydroquinoxaline ring and an indoline ring.
[0170]
In the general formula (3), RN31When represents a group other than an aryl group, RaAnd RbCombine with each other to form an aromatic ring. Here, the aromatic ring is an aryl group (for example, a phenyl group or a naphthyl group) and an aromatic heterocyclic group (for example, a pyridine ring group, a pyrrole ring group, a quinoline ring group, or an indole ring group), and an aryl group is preferable. The aromatic ring group may have an arbitrary substituent.
In the general formula (3), RaAnd RbAre preferably bonded to each other to form an aromatic ring (particularly a phenyl group).
[0171]
In the general formula (3), R32Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, an amino group, etc., where R32When R represents a hydroxy group,33The case where represents an “electron-withdrawing group” is also a preferred example. Here, the “electron withdrawing group” is the same as described above, and an acyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, and a cyano group are preferable.
[0172]
Next, the type 2 compound will be described.
In the type 2 compound, “bond cleavage reaction” means carbon-carbon, carbon-silicon, carbon-hydrogen, carbon-boron, carbon-tin, carbon-germanium bond cleavage, and carbon-hydrogen. This may be accompanied by cleavage of the bond.
[0173]
The type 2 compound is a compound having two or more (preferably 2 to 6, more preferably 2 to 4) adsorptive groups to silver halide in the molecule. More preferred is a compound having a nitrogen-containing heterocyclic group substituted with two or more mercapto groups as an adsorptive group. The number of adsorptive groups is preferably 2-6, more preferably 2-4. The adsorptive group will be described later.
[0174]
A preferable compound among the compounds of type 2 is represented by the general formula (C).
[0175]
General formula (C)
Embedded image
[0176]
The compound represented by the general formula (C) is RED2After the reducing group represented by2It is a compound that can release one more electron with this by leaving the group by bond cleavage reaction.
[0177]
In the general formula (C), RED2Is the RED of the general formula (B)12Represents the same group, and the preferred range is also the same. L2Is L in the general formula (A)11Represents the same group as described above, and its preferred range is also the same. L2When represents a silyl group, the compound is a compound having, as an adsorptive group, a nitrogen-containing heterocyclic group substituted with two or more mercapto groups in the molecule. R21, R22Represents a hydrogen atom or a substituent, and these are R in the general formula (A)112The preferred range is also the same. RED2And R21And may be bonded to each other to form a ring structure.
[0178]
The ring structure formed here is a 5-membered to 7-membered monocyclic or condensed, non-aromatic carbocycle or heterocycle, which may have a substituent. However, the ring structure is not a ring structure corresponding to a tetrahydro, hexahydro or octahydro form of an aromatic ring or an aromatic heterocycle. The ring structure is preferably a ring structure corresponding to a dihydro form of an aromatic ring or an aromatic heterocycle, and specific examples thereof include, for example, a 2-pyrroline ring, a 2-imidazoline ring, a 2-thiazoline ring, 1,2- Dihydropyridine ring, 1,4-dihydropyridine ring, indoline ring, benzimidazoline ring, benzothiazoline ring, benzoxazoline ring, 2,3-dihydrobenzothiophene ring, 2,3-dihydrobenzofuran ring, benzo-α-pyran ring, 1 , 2-dihydroquinoline ring, 1,2-dihydroquinazoline ring, 1,2-dihydroquinoxaline ring and the like, preferably 2-imidazoline ring, 2-thiazoline ring, indoline ring, benzoimidazoline ring, benzothiazoline ring, Benzoxazoline ring, 1,2-dihydropyridine ring, 1,2-dihydroquino Down ring, 1,2-dihydro-quinazoline ring, and the like 1,2-dihydro-quinoxaline ring, indoline ring, benzimidazoline ring, a benzothiazoline ring, 1,2-dihydroquinoline ring is more preferable, indoline ring is particularly preferred.
[0179]
Next, the compound of type 3 will be described.
In the type 3 compound, “bond formation process” means formation of an interatomic bond such as carbon-carbon, carbon-nitrogen, carbon-sulfur, carbon-oxygen and the like.
[0180]
The compound of type 3 is preferably a reactive group site (carbon-carbon double bond site, carbon-carbon triple bond site, fragrance) in which a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation coexists in the molecule. And a non-aromatic heterocyclic group part of a benzo-condensed ring) to form a bond and then emit one electron or more electrons.
[0181]
More specifically, a type 3 compound has a one-electron oxidant formed by one-electron oxidation (a cation radical species or a neutral radical species produced by elimination of a proton therefrom) in the same molecule. It reacts with the coexisting reactive group, forms a bond, and generates a radical species having a new ring structure in the molecule. This radical species has a feature that electrons of the second electron are emitted directly or with elimination of protons.
And in some of the type 3 compounds, the two-electron oxidant thus produced is then subjected to a hydrolysis reaction in some cases, and in some cases tautomerization with direct proton transfer. There is a case in which one or more electrons, usually two or more electrons are emitted from the oxidization reaction. Alternatively, those having the ability to emit one or more electrons, usually two or more electrons, directly from a two-electron oxidant without going through such a tautomerization reaction are also included.
[0182]
The compound of type 3 is preferably represented by the general formula (D).
[0183]
Formula (D)
Embedded image
[0184]
In general formula (D), RED3Represents a reducing group which can be oxidized by one electron, Y3Is RED3Represents a reactive group site that reacts after one-electron oxidation, specifically a carbon-carbon double bond site, a carbon-carbon triple bond site, an aromatic group site, or a non-aromatic heterocycle of a benzo-fused ring An organic group containing a ring group site is represented. L3Is RED3And Y3Represents a linking group for linking.
[0185]
RED3Is the RED of the general formula (B)12And is preferably an arylamino group, a heterocyclic amino group, an aryloxy group, an arylthio group, an aryl group, an aromatic or non-aromatic heterocyclic group (particularly a nitrogen-containing heterocyclic group is preferred). And more preferably an arylamino group, a heterocyclic amino group, an aryl group, an aromatic or non-aromatic heterocyclic group, and among these heterocyclic groups, a tetrahydroquinoline ring group, a tetrahydroquinoxaline ring group, a tetrahydroquinazoline ring Group, indoline ring group, indole ring group, carbazole ring group, phenoxazine ring group, phenothiazine ring group, benzothiazoline ring group, pyrrole ring group, imidazole ring group, thiazole ring group, benzimidazole ring group, benzoimidazoline ring group, Benzothiazoline ring group, 3,4-methylenedioxyphenyl- - etc. yl group.
RED3Particularly preferred are an arylamino group (particularly anilino group), an aryl group (particularly a phenyl group), and an aromatic or non-aromatic heterocyclic group.
[0186]
Where RED3When represents an aryl group, the aryl group preferably has at least one “electron-donating group”. The “electron donating group” is the same as described above.
[0187]
RED3When represents an aryl group, the substituent of the aryl group is more preferably an alkylamino group, a hydroxy group, an alkoxy group, a mercapto group, a sulfonamide group, an active methine group, a non-aromatic nitrogen-containing heterocycle substituted with a nitrogen atom More preferably an alkylamino group, a hydroxy group, an active methine group, and a non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with a nitrogen atom, and most preferably an alkylamino group and a non-aromatic group substituted with a nitrogen atom. Nitrogen heterocyclic group.
[0188]
Y3When the organic group containing a carbon-carbon double bond site represented by (for example, vinyl group) has a substituent, the substituent is preferably an alkyl group, a phenyl group, an acyl group, a cyano group, an alkoxycarbonyl group, A carbamoyl group, an electron donating group, and the like. As the electron donating group, an alkoxy group, a hydroxy group (which may be protected with a silyl group, such as a trimethylsilyloxy group, a t-butyldimethylsilyloxy group, Phenylsilyloxy group, triethylsilyloxy group, phenyldimethylsilyloxy group, etc.), amino group, alkylamino group, arylamino group, sulfonamide group, active methine group, mercapto group, alkylthio group, and these electron donors It is a phenyl group having a functional group as a substituent.
[0189]
Here, when the organic group containing a carbon-carbon double bond site has a hydroxy group as a substituent, Y3Is the partial structure on the right:> C1= C2(—OH) — is included, but this is tautomerized and the partial structure shown on the right:> C1HC2It may be (= O)-. In this case, the C1It is also preferred that the substituent substituted for carbon is an electron withdrawing group, in which case Y3Has a partial structure of “active methylene group” or “active methine group”. The electron withdrawing group that can give such a partial structure of the active methylene group or active methine group is the same as that described in the description of the above-mentioned “active methine group”.
[0190]
Y3When the organic group containing a carbon-carbon triple bond site represented by (for example, ethynyl group) has a substituent, examples of the substituent include an alkyl group, a phenyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, and an electron donating group. preferable.
[0191]
Y3Represents an organic group containing an aromatic group, an aromatic group is preferably an aryl group having an electron donating group as a substituent (particularly a phenyl group is preferred) or an indole ring group, where the electron donating group is Preferred are a hydroxy group (which may be protected with a silyl group), an alkoxy group, an amino group, an alkylamino group, an active methine group, a sulfonamide group and a mercapto group.
[0192]
Y3Represents an organic group containing a non-aromatic heterocyclic group portion of a benzo-fused ring, preferably a benzo-fused non-aromatic heterocyclic group that preferably has an aniline structure as a partial structure, for example, an indoline ring group, 1,2,3,4-tetrahydroquinoline ring group, 1,2,3,4-tetrahydroquinoxaline ring group, 4-quinolone ring group and the like can be mentioned.
[0193]
Y3More preferred as the reactive group represented by is an organic group containing a carbon-carbon double bond site, an aromatic group site, or a benzo-fused non-aromatic heterocyclic group. More preferred are a carbon-carbon double bond site, a phenyl group having an electron donating group as a substituent, an indole ring group, and a benzo-fused non-aromatic heterocyclic group having an aniline structure as a partial structure. Here, the carbon-carbon double bond site preferably has at least one electron donating group as a substituent.
[0194]
Y3As a result of the selection of the reactive group represented by3The case where it has the same partial structure as the reducing group represented by general formula (D) is also a preferred example of the compound represented by general formula (D).
[0195]
L3RED3And Y3And specifically represents a single bond, an alkylene group, an arylene group, a heterocyclic group, -O-, -S-, -NR.N-, -C (= O)-, -SO2The group which consists of individual group of-, -SO-, -P (= O)-, or a combination of these groups is represented. R hereNRepresents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. L3The linking group represented by may have an arbitrary substituent. L3The linking group represented by RED3And Y3In any position of the group represented by the formula (1), each of the hydrogen atoms may be linked to replace any one hydrogen atom.
L3Preferred examples of are: a single bond, an alkylene group (particularly a methylene group, an ethylene group, a propylene group), an arylene group (particularly a phenylene group), a —C (═O) — group, an —O— group, an —NH— group, -N (alkyl group)-group and the bivalent coupling group which consists of a combination of these groups are mentioned.
[0196]
L3The group represented by3Cation radical species (X+.), Or a radical species (X.) generated from the proton withdrawn therefrom, and Y3When the reactive group represented by the above reacts to form a bond, the atomic group involved in this reaction is L3It is preferable that a 3-7 membered cyclic structure including can be formed. For this purpose, radical species (X+-Or X-), the reactive group represented by Y, and L are preferably connected by 3 to 7 atomic groups.
[0197]
Next, the type 4 compound will be described.
A compound of type 4 is a compound having a ring structure substituted with a reducing group, and after the reducing group is oxidized by one electron, one or more electrons are emitted along with the ring structure cleavage reaction. Compound. The ring structure cleavage reaction referred to here means one having the following form.
[0198]
Embedded image
[0199]
In the formula, compound a represents a type 4 compound. In compound a, D represents a reducing group, and X and Y represent atoms forming a bond that is cleaved after one-electron oxidation in the ring structure. First, the compound a is one-electron oxidized to produce a one-electron oxidant b. From this, the single bond of XX becomes a double bond, and at the same time, the bond of XY is cleaved to produce a ring-opened product c. Alternatively, a radical intermediate d may be generated from the one-electron oxidant b with proton desorption, and a ring-opening body e may be similarly generated therefrom. The compound of the present invention is characterized in that one or more electrons are subsequently released from the ring-opened product c or e thus produced.
[0200]
The ring structure possessed by the type 4 compound is a 3- to 7-membered carbocyclic or heterocyclic ring, and represents a monocyclic or condensed, saturated or unsaturated non-aromatic ring. A saturated ring structure is preferable, and a 3-membered ring or 4-membered ring is more preferable. Preferred examples of the ring structure include a cyclopropane ring, a cyclobutane ring, an oxirane ring, an oxetane ring, an aziridine ring, an azetidine ring, an episulfide ring, and a thietane ring. More preferred are cyclopropane ring, cyclobutane ring, oxirane ring, oxetane ring and azetidine ring, and particularly preferred are cyclopropane ring, cyclobutane ring and azetidine ring. The ring structure may have an arbitrary substituent.
[0201]
The compound of type 4 is preferably represented by the general formula (E) or (F).
[0202]
General formula (E)
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[0203]
Formula (F)
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[0204]
RED in general formula (E) and general formula (F)41And RED42Are respectively RED of the general formula (B)12Represents a group having the same meaning, and the preferred range thereof is also the same. R40~ R44And R45~ R49Each represents a hydrogen atom or a substituent. In general formula (F), Z42Is -CR420R421-, -NR423-Represents-or -O-. R here420, R421Each represents a hydrogen atom or a substituent, and R423Represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group.
[0205]
R in general formula (E) and general formula (F)40And R45Preferably represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group. R41~ R44And R46~ R49And preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an arylthio group, an alkylthio group, an acylamino group, or a sulfonamide group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. is there.
[0206]
R41~ R44In which at least one of these is a donor group and R41And R42Or R43And R44Are preferably electron withdrawing groups. More preferably R41~ R44This is a case where at least one of the above is a donor group. More preferably R41~ R44At least one of them is a donor group and R41~ R44In this case, the group that is not a donor group is a hydrogen atom or an alkyl group.
[0207]
The donor group mentioned here is an “electron-donating group” or an aryl group substituted with at least one “electron-donating group”. The donor group is preferably an alkylamino group, an arylamino group, a heterocyclic amino group, a 5-membered monocyclic or condensed ring electron-rich aromatic heterocyclic group containing at least one nitrogen atom in the ring, nitrogen A non-aromatic nitrogen-containing heterocyclic group substituted with an atom or a phenyl group substituted with at least one electron-donating group is used. More preferably, an alkylamino group, an arylamino group, a 5-membered monocyclic or condensed ring-excessive aromatic heterocyclic group containing at least one nitrogen atom in the ring (an indole ring, a pyrrole ring, a carbazole ring, etc.) ), A phenyl group substituted with an electron-donating group (such as a phenyl group substituted with three or more alkoxy groups, a phenyl group substituted with a hydroxy group, an alkylamino group, or an arylamino group). Particularly preferably, an arylamino group, a 5-membered monocyclic or condensed ring-containing electron-rich aromatic heterocyclic group (particularly a 3-indolyl group) or an electron-donating group containing at least one nitrogen atom in the ring is substituted. Used phenyl groups (particularly phenyl groups substituted with trialkoxyphenyl groups, alkylamino groups or arylamino groups).
[0208]
Z42Preferably as -CR420R421-Or -NR423-, More preferably -NR423-. R420, R421Is preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, a heterocyclic group, an acylamino group, or a sulfoneamino group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, or a heterocyclic group. R423Preferably represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group or an aromatic heterocyclic group, more preferably a hydrogen atom, an alkyl group or an aryl group.
[0209]
R40~ R49And R420, R421, R423When each of these groups is a substituent, the total number of carbon atoms is preferably 40 or less, more preferably 30 or less, and particularly preferably 15 or less. These substituents may be bonded to each other or other sites in the molecule (RED41, RED42Or Z42) To form a ring.
[0210]
In the compounds of types 1 to 4 of the present invention, the adsorptive group to silver halide is a group that directly adsorbs to silver halide or a group that promotes adsorption to silver halide. Specifically, mercapto A heterocyclic group containing at least one atom selected from a group (or a salt thereof), a thione group (—C (═S) —), a nitrogen atom, a sulfur atom, a selenium atom and a tellurium atom, a sulfide group, a cationic group, Or an ethynyl group. However, the type 2 compound of the present invention does not contain a sulfide group as an adsorptive group.
[0211]
The mercapto group (or salt thereof) as the adsorptive group means the mercapto group (or salt thereof) itself, and more preferably a heterocyclic group or aryl group substituted with at least one mercapto group (or salt thereof). Or represents an alkyl group. Here, the heterocyclic group is a 5-membered to 7-membered monocyclic or condensed aromatic or non-aromatic heterocyclic group such as an imidazole ring group, a thiazole ring group, an oxazole ring group, or a benzimidazole ring group. , Benzthiazole ring group, benzoxazole ring group, triazole ring group, thiadiazole ring group, oxadiazole ring group, tetrazole ring group, purine ring group, pyridine ring group, quinoline ring group, isoquinoline ring group, pyrimidine ring group, triazine A cyclic group etc. are mentioned. Further, it may be a heterocyclic group containing a quaternized nitrogen atom. In this case, the substituted mercapto group may be dissociated into a meso ion. Examples of such a heterocyclic group include an imidazolium ring group, Examples include a pyrazolium ring group, a thiazolium ring group, a triazolium ring group, a tetrazolium ring group, a thiadiazolium ring group, a pyridinium ring group, a pyrimidinium ring group, and a triazinium ring group. Among them, a triazolium ring group (for example, 1,2,4- Triazolium-3-thiolate ring group) is preferable. Examples of the aryl group include a phenyl group and a naphthyl group. Examples of the alkyl group include linear, branched or cyclic alkyl groups having 1 to 30 carbon atoms. When the mercapto group forms a salt, the counter ion is a cation such as an alkali metal, alkaline earth metal, or heavy metal (Li+, Na+, K+, Mg2+, Ag+, Zn2+And the like, ammonium ions, quaternized heterocyclic groups containing nitrogen atoms, phosphonium ions, and the like.
[0212]
Further, the mercapto group as the adsorptive group may be tautomerized into a thione group, specifically, a thioamide group (here, —C (═S) —NH— group) and the thioamide group. A group having a partial structure of, ie, a chain or cyclic thioamide group, a thioureido group, a thiourethane group, or a dithiocarbamate group. Examples of cyclic groups include thiazolidine-2-thione group, oxazolidine-2-thione group, 2-thiohydantoin group, rhodanine group, isorhodanine group, thiobarbituric acid group, 2-thioxo-oxazolidine-4-one group Is mentioned.
[0213]
The thione group as an adsorptive group cannot be tautomerized to a mercapto group (including a hydrogen atom at the α-position of the thione group), including the case where the mercapto group described above is tautomerized into a thione group. A chain or cyclic thioamide group, thioureido group, thiourethane group, or dithiocarbamate group is also included.
[0214]
A heterocyclic group containing at least one atom selected from a nitrogen atom, a sulfur atom, a selenium atom and a tellurium atom as the adsorptive group is a -NH- group capable of forming imino silver (> NAg) and a partial structure of the heterocyclic ring A nitrogen-containing heterocyclic group, or a “—S—” group, a “—Se—” group, a “—Te—” group, or a “═N—” group that can coordinate to a silver ion via a coordination bond. A heterocyclic group having a ring partial structure. Examples of the former include benzotriazole group, triazole group, indazole group, pyrazole group, tetrazole group, benzimidazole group, imidazole group, and purine group, and examples of the latter include thiophene. Group, thiazole group, oxazole group, benzothiazole group, benzoxazole group, thiadiazole group, oxadiazole group, triazine group Seleno azole group, benzimidazole seleno azole group, tellurium azole group, such as benz tellurium azole group. The former is preferred.
[0215]
The sulfide group as the adsorptive group includes all groups having a partial structure of “—S—”, preferably alkyl (or alkylene) -S-alkyl (or alkylene), aryl (or arylene) -S—. A group having a partial structure of alkyl (or alkylene), aryl (or arylene) -S-aryl (or arylene). Furthermore, these sulfide groups may form a cyclic structure or may be an -S-S- group. Specific examples in the case of forming a cyclic structure include a thiolane ring, a 1,3-dithiolane ring or a 1,2-dithiolane ring, a thiane ring, a dithiane ring, a tetrahydro-1,4-thiazine ring (thiomorpholine ring) and the like. Groups. Particularly preferred as the sulfide group is a group having a partial structure of alkyl (or alkylene) -S-alkyl (or alkylene).
[0216]
The cationic group as the adsorptive group means a group containing a quaternized nitrogen atom, specifically, an ammonio group or a group containing a nitrogen-containing heterocyclic group containing a quaternized nitrogen atom. . However, the cationic group does not become a part of an atomic group forming a dye structure (for example, a cyanine chromophore). Here, the ammonio group is a trialkylammonio group, a dialkylarylammonio group, an alkyldiarylammonio group or the like, and examples thereof include a benzyldimethylammonio group, a trihexylammonio group, and a phenyldiethylammonio group. Examples of the nitrogen-containing heterocyclic group containing a quaternized nitrogen atom include a pyridinio group, a quinolinio group, an isoquinolinio group, an imidazolio group, and the like. A pyridinio group and an imidazolio group are preferable, and a pyridinio group is particularly preferable. These nitrogen-containing heterocyclic groups containing a quaternized nitrogen atom may have an arbitrary substituent, but in the case of a pyridinio group and an imidazolio group, the substituent is preferably an alkyl group, an aryl group, an acylamino group , A chloro atom, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, and the like. In the case of a pyridinio group, a phenyl group is particularly preferable as a substituent.
[0217]
An ethynyl group as an adsorptive group means a —C≡CH group, and a hydrogen atom may be substituted.
The above adsorptive group may have an arbitrary substituent.
[0218]
Specific examples of the adsorptive group further include those described in pages 4 to 7 of JP-A No. 11-95355.
[0219]
In the present invention, preferred adsorptive groups are mercapto-substituted nitrogen-containing heterocyclic groups (for example, 2-mercaptothiadiazole group, 3-mercapto-1,2,4-triazole group, 5-mercaptotetrazole group, 2-mercapto-1). , 3,4-oxadiazole group, 2-mercaptobenzoxazole group, 2-mercaptobenzthiazole group, 1,5-dimethyl-1,2,4-triazolium-3-thiolate group), or imino silver (> A nitrogen-containing heterocyclic group (for example, a benzotriazole group, a benzimidazole group, an indazole group, etc.) having a —NH— group that can form NAg) as a partial structure of the heterocyclic ring. Particularly preferred are 5-mercaptotetrazole group, 3-mercapto-1,2,4-triazole group, and benzotriazole group, most preferred are 3-mercapto-1,2,4-triazole group, and 5 -Mercaptotetrazole group.
[0220]
Among the compounds of the present invention, compounds having two or more mercapto groups in the molecule as partial structures are also particularly preferred compounds. Here, the mercapto group (—SH) may be a thione group if it can be tautomerized. Examples of such compounds include adsorbable groups having a partial structure of a mercapto group or thione group described above (for example, a ring-forming thioamide group, an alkyl mercapto group, an aryl mercapto group, a heterocyclic mercapto group, etc.) Or an adsorbing group having two or more mercapto groups or thione groups as a partial structure (for example, a dimercapto-substituted nitrogen-containing telocyclic group). You may have one or more.
[0221]
Examples of the adsorptive group having two or more mercapto groups as a partial structure (such as a dimercapto-substituted nitrogen-containing telocyclic group) include 2,4-dimercaptopyrimidine group, 2,4-dimercaptotriazine group, 3,5 -Dimercapto-1,2,4-triazole group, 2,5-dimercapto-1,3-thiazole group, 2,5-dimercapto-1,3-oxazole group, 2,7-dimercapto-5-methyl-s- Triazolo (1,5-A) -pyrimidine, 2,6,8-trimercaptopurine, 6,8-dimercaptopurine, 3,5,7-trimercapto-s-triazolotriazine, 4,6-dimercapto Examples include pyrazolopyrimidine, 2,5-dimercaptoimidazole, 2,4-dimercaptopyrimidine group, 2,4-dimercaptotriazine group, 3,5. Dimercapto-1,2,4-triazole group are particularly preferred.
[0222]
The adsorptive group may be substituted anywhere in the general formulas (A) to (F) and the general formulas (1) to (3). In general formulas (A) to (D), RED11, RED12, RED2, RED3In the general formulas (E) and (F), RED41, R41, RED42, R46~ R48In the general formulas (1) to (3), R1, R2, R11, R12, R31, L1, L21, L31It is preferably substituted at any position except for RED, and RED in all of the general formulas (A) to (F)11~ RED42More preferably, it is substituted.
[0223]
The partial structure of the spectral sensitizing dye is a group containing the chromophore of the spectral sensitizing dye, and is a residue obtained by removing any hydrogen atom or substituent from the spectral sensitizing dye compound. The partial structure of the spectral sensitizing dye may be substituted anywhere in the general formulas (A) to (F) and the general formulas (1) to (3), but in the general formulas (A) to (D), RED11, RED12, RED2, RED3In the general formulas (E) and (F), RED41, R41, RED42, R46~ R48In the general formulas (1) to (3), R1, R2, R11, R12, R31, L1, L21, L31It is preferably substituted at any position except for RED, and RED in all of the general formulas (A) to (F)11~ RED42More preferably, it is substituted. Preferred spectral sensitizing dyes are spectral sensitizing dyes typically used in color sensitization techniques such as cyanine dyes, complex cyanine dyes, merocyanine dyes, complex merocyanine dyes, homopolar cyanine dyes, Includes styryl dyes and hemicyanine dyes. Exemplary spectral sensitizing dyes are disclosed in Research Disclosure, Item 36544, September 1994. Research Disclosure or F.I. M.M. One of ordinary skill in the art can synthesize these dyes by the procedure described in Hammer's The Cyanines and Related Compounds (Interscience Publishers, New yprk, 1964). Further, all the dyes described in JP-A-11-95355 (US Pat. No. 6,054,260), pages 7 to 14 are applied as they are.
[0224]
The compounds of types 1 to 4 of the present invention preferably have a total carbon number of 10 to 60. More preferably, it is 15-50, More preferably, it is 18-40, Most preferably, it is 18-30.
[0225]
The compounds of types 1 to 4 of the present invention are subjected to 1-electron oxidation triggered by exposure of the silver halide photographic light-sensitive material using the compound, and after the subsequent reaction, further 1 electron, or 2 electrons or more depending on the type. Electrons are emitted and oxidized, and the oxidation potential of the first electron is preferably about 1.4 V or less, and more preferably 1.0 V or less. This oxidation potential is preferably higher than 0V, more preferably higher than 0.3V. Accordingly, the oxidation potential is preferably in the range of about 0 to about 1.4V, more preferably about 0.3 to about 1.0V.
[0226]
Here, the oxidation potential can be measured by a cyclic voltammetry technique. Specifically, a sample is dissolved in a solution of acetonitrile: water (including 0.1 M lithium perchlorate) = 80%: 20% (volume%). After bubbling nitrogen gas for 10 minutes, a glassy carbon disk was used as the working electrode, a platinum wire was used as the counter electrode, and a calomel electrode (SCE) was used as the reference electrode at 25 ° C. and 0.1 V / Measured at a potential scanning speed of seconds. The oxidation potential versus SCE is taken at the peak potential of the cyclic voltammetry wave.
[0227]
In the case where the compounds of types 1 to 4 of the present invention are one-electron oxidized and further emit one electron after the subsequent reaction, the subsequent oxidation potential is preferably −0.5 V to −2 V. More preferably, it is -0.7V--2V, More preferably, it is -0.9V--1.6V.
[0228]
In the case where the compound of types 1 to 4 of the present invention is a compound that is oxidized by one electron and emits two or more electrons after the subsequent reaction and is oxidized, there is no particular limitation on the oxidation potential of this latter stage. Absent. This is because the oxidation potential of the second electron and the oxidation potential of the third and subsequent electrons cannot be clearly distinguished, and it is often difficult to accurately measure and distinguish these actually.
[0229]
Next, the compound of type 5 will be described.
A compound of type 5 is represented by XY, where X represents a reducing group, Y represents a leaving group, and a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation of the reducing group represented by X is This is a compound capable of releasing X by further elimination of Y with subsequent XY bond cleavage reaction to generate an X radical, from which another electron is emitted. The reaction when such a type 5 compound is oxidized can be represented by the following formula.
[0230]
Embedded image
[0231]
The compound of type 5 preferably has an oxidation potential of 0 to 1.4V, more preferably 0.3V to 1.0V. The oxidation potential of the radical X · generated in the above reaction formula is preferably −0.7 V to −2.0 V, more preferably −0.9 V to −1.6 V.
[0232]
The compound of type 5 is preferably represented by the general formula (G).
[0233]
General formula (G)
Embedded image
[0234]
In general formula (G), RED0Represents a reducing group, L0Represents a leaving group, R0And R00Represents a hydrogen atom or a substituent. RED0 And R0And R0And R00And may be bonded to each other to form a ring structure. RED0Is RED of general formula (C)2Represents the same group, and the preferred range is also the same. R0And R00Is R in the general formula (C)21And R22The preferred range is also the same. However, R0And R00Except for the hydrogen atom, L0Does not represent the same group as RED0And R0May be bonded to each other to form a ring structure, and examples of the ring structure include RED of the general formula (C).2And R21Examples are the same as in the case of linking to form a ring structure, and the preferred range is also the same. R0And R00Examples of the ring structure formed by bonding to each other include a cyclopentane ring and a tetrahydrofuran ring. In general formula (G), L0Is L in the general formula (C)2The preferred range is also the same.
[0235]
The compound represented by the general formula (G) preferably has an adsorbing group to silver halide or a partial structure of a spectral sensitizing dye in the molecule.0When represents a group other than a silyl group, it does not have two or more adsorptive groups in the molecule at the same time. However, the sulfide group as the adsorptive group here is L0You may have two or more regardless of this.
[0236]
Examples of the adsorptive group to the silver halide of the compound represented by the general formula (G) include the same adsorptive groups that the compounds of types 1 to 4 of the present invention may have. In addition, all those described as “silver halide adsorbing groups” on pages 4 to 7 of JP-A No. 11-95355 can be mentioned, and preferred ranges are also the same.
The partial structure of the spectral sensitizing dye that the compound represented by the general formula (G) may have is the partial structure of the spectral sensitizing dye that the compounds of types 1 to 4 of the present invention may have. However, at the same time, all those described as “light-absorbing groups” on pages 7 to 14 of JP-A-11-95355 can be mentioned, and the preferred ranges are also the same.
[0237]
Specific examples of the compounds of types 1 to 5 of the present invention are listed below, but the present invention is not limited thereto.
[0238]
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[0239]
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[0240]
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[0241]
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[0242]
The compounds of types 1 to 4 of the present invention are described in detail in Japanese Patent Application No. 2002-192373, Japanese Patent Application No. 2002-188537, Japanese Patent Application No. 2002-188536, Japanese Patent Application No. 2001-272137, and Japanese Patent Application No. 2002-192374, respectively. Same as described compound. Specific compound examples described in these patent application specifications can also be given as specific examples of the compounds of types 1 to 4 of the present invention. The synthesis examples of the compounds of types 1 to 4 of the present invention are also the same as those described in these patents.
[0243]
Specific examples of the compound of type 5 of the present invention are further described in JP-A-9-211769 (compounds PMT-1 to S-37 described in Table E and Table F on pages 28-32), JP-A-9-21774. JP-A-11-95355 (compounds INV1-36), JP-T-2001-99696 (compounds 1-74, 80-87, 92-122), US Pat. No. 5,747,235, US Pat. No. 5,747, No. 236, European Patent No. 786692A1 (compounds INV1 to 35), European Patent No. 893732A1, US Pat. No. 6,054,260, US Pat. No. 5,994,051, etc. Examples of compounds referred to as “deprotonated electron donating sensitizers” are mentioned as they are.
[0244]
The compounds of types 1 to 5 of the present invention may be used at any time during the process of producing a photothermographic material when preparing a photosensitive silver halide emulsion. For example, at the time of photosensitive silver halide grain formation, desalting step, chemical sensitization, before coating. Moreover, it can also add in several steps in these processes. The addition position is preferably from the end of formation of the photosensitive silver halide grains to before the desalting step, at the time of chemical sensitization (immediately after the start of chemical sensitization to immediately after completion), and before coating, more preferably from the time of chemical sensitization Until before mixing with the non-photosensitive organic silver salt.
[0245]
The compounds of types 1 to 5 of the present invention are preferably added after being dissolved in water, a water-soluble solvent such as methanol or ethanol, or a mixed solvent thereof. When the compound is dissolved in water, the compound having higher solubility when the pH is increased or decreased may be dissolved at a higher or lower pH and added.
[0246]
The compounds of types 1 to 5 of the present invention are preferably used in emulsion layers containing photosensitive silver halide and non-photosensitive organic silver salt, but contain photosensitive silver halide and non-photosensitive organic silver salt. It may be added to the protective layer or intermediate layer together with the emulsion layer to be diffused during coating. The timing of addition of the compound of the present invention is preferably before or after the sensitizing dye, and preferably 1 × 10 5 per mole of silver halide.-9~ 5x10-1Mole, more preferably 1 × 10-8~ 5x10-2It is contained in the silver halide emulsion layer in a molar ratio.
[0247]
10) Combined use of multiple silver halides
The light-sensitive silver halide emulsion in the light-sensitive material used in the present invention may be one kind or two or more kinds (for example, those having different average grain sizes, different halogen compositions, different crystal habits, chemical increase). Those with different feeling conditions) may be used in combination. The gradation can be adjusted by using a plurality of types of photosensitive silver halides having different sensitivities. Examples of these technologies include JP-A-57-119341, 53-106125, 47-3929, 48-55730, 46-5187, 50-73627, 57-150841 and the like. Can be mentioned. The sensitivity difference is preferably 0.2 log E or more for each emulsion.
[0248]
11) Application amount
The amount of photosensitive silver halide added is 1m of photosensitive material.2Indicated by the amount of applied silver per unit, 0.03-0.6 g / m2Preferably, 0.05 to 0.4 g / m2More preferably, 0.07 to 0.3 g / m2The photosensitive silver halide is preferably 0.01 mol or more and 0.5 mol or less, more preferably 0.02 mol or more and 0.3 mol or less, with respect to 1 mol of the organic silver salt. More preferably, it is 0.03 mol or more and 0.2 mol or less.
[0249]
12) Mixing of photosensitive silver halide and organic silver salt
Regarding the mixing method and mixing conditions of the separately prepared photosensitive silver halide and organic silver salt, the silver halide grains and organic silver salt that were prepared respectively were mixed with a high-speed stirrer, ball mill, sand mill, colloid mill, vibration mill, homogenizer. Etc., or a method of preparing an organic silver salt by mixing photosensitive silver halide that has been prepared at any timing during the preparation of the organic silver salt, etc., but the effect of the present invention is sufficient As long as it appears in, there is no particular limitation. Moreover, mixing two or more organic silver salt aqueous dispersions and two or more photosensitive silver salt aqueous dispersions when mixing is a preferred method for adjusting photographic characteristics.
[0250]
13) Mixing silver halide into coating solution
The preferred addition timing of the silver halide of the present invention to the image forming layer coating solution is from 180 minutes before coating to immediately before, preferably from 60 minutes to 10 seconds before coating. There is no particular limitation as long as the effect is sufficiently exhibited. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid fed to the coater is a desired time, and N.I. Harnby, M.M. F. Edwards, A.D. W. There is a method of using a static mixer or the like described in Chapter 8 of Nienow's Koji Takahashi's “Liquid Mixing Technology” (published by Nikkan Kogyo Shimbun, 1989).
[0251]
(Description of binder)
Any polymer may be used as the binder of the organic silver salt-containing layer of the present invention, and suitable binders are transparent or translucent and generally colorless, and include natural resins, polymers and copolymers, synthetic resins, polymers and copolymers, etc. Film-forming media such as gelatins, rubbers, poly (vinyl alcohol) s, hydroxyethyl celluloses, cellulose acetates, cellulose acetate butyrates, poly (vinyl pyrrolidone) s, casein, starch, poly (acrylic acid) ), Poly (methyl methacrylic acid), poly (vinyl chloride), poly (methacrylic acid), styrene-maleic anhydride copolymers, styrene-acrylonitrile copolymers, styrene-butadiene copolymers , Poly (vinyl acetal) s (eg, poly (vinyl Lumar) and poly (vinyl butyral)), poly (esters), poly (urethane) s, phenoxy resins, poly (vinylidene chloride) s, poly (epoxides), poly (carbonates), poly (vinyl acetate) s , Poly (olefin) s, cellulose esters, and poly (amides). The binder may be coated from water or an organic solvent or emulsion.
[0252]
In the present invention, the glass transition temperature of the binder that can be used in combination with the layer containing the organic silver salt is preferably 0 ° C. or higher and 80 ° C. or lower (hereinafter sometimes referred to as a high Tg binder), and preferably 10 ° C. to 70 ° C. Is more preferable, and it is still more preferable that it is 15 to 60 degreeC.
[0253]
In this specification, Tg was calculated by the following formula.
1 / Tg = Σ (Xi / Tgi)
Here, it is assumed that n monomer components from i = 1 to n are copolymerized in the polymer. Xi is the weight fraction of the i-th monomer (ΣXi = 1), and Tgi is the glass transition temperature (absolute temperature) of the homopolymer of the i-th monomer. However, Σ is the sum from i = 1 to n. The homopolymer glass transition temperature value (Tgi) of each monomer was the value of Polymer Handbook (3rd Edition) (by J. Brandrup, EH Immergut (Wiley-Interscience, 1989)).
[0254]
Two or more binders may be used in combination as required. Further, a glass transition temperature of 20 ° C. or higher and a glass transition temperature of less than 20 ° C. may be used in combination. When two or more kinds of polymers having different Tg are blended, the weight average Tg is preferably within the above range.
[0255]
In the present invention, the organic silver salt-containing layer is preferably applied and dried using a coating solution in which 30% by mass or more of the solvent is water to form a film.
In the present invention, when the organic silver salt-containing layer is formed using a coating solution in which 30% by mass or more of the solvent is water and dried, the binder of the organic silver salt-containing layer is further an aqueous solvent ( When it is soluble or dispersible in an aqueous solvent), the performance is improved particularly when it is made of a latex of a polymer having an equilibrium moisture content of 2% by mass or less at 25 ° C. and 60% RH. The most preferable form is one prepared so that the ionic conductivity is 2.5 mS / cm or less, and as such a preparation method, there is a method of performing purification treatment using a separation functional membrane after polymer synthesis.
[0256]
The aqueous solvent in which the polymer is soluble or dispersible here is a mixture of water or water and 70% by mass or less of a water-miscible organic solvent. Examples of the water-miscible organic solvent include alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol and propyl alcohol, cellosolves such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve and butyl cellosolve, ethyl acetate and dimethylformamide.
[0257]
In the case of a system in which the polymer is not dissolved thermodynamically and exists in a so-called dispersed state, the term aqueous solvent is used here.
[0258]
The “equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH” is the following using the weight W1 of the polymer in the humidity-controlled equilibrium under the atmosphere of 25 ° C. and 60% RH and the weight W0 of the polymer in the absolutely dry state at 25 ° C. It can be expressed as
Equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH = [(W1-W0) / W0] × 100 (mass%)
[0259]
For the definition and measurement method of moisture content, for example, Polymer Engineering Course 14, Polymer Material Testing Method (Edited by Society of Polymer Sciences, Jinshokan) can be referred to.
[0260]
The equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH of the binder polymer of the present invention is preferably 2% by mass or less, more preferably 0.01% by mass or more and 1.5% by mass or less, and further preferably 0.02% by mass. % To 1% by mass is desirable.
[0261]
In the present invention, a polymer dispersible in an aqueous solvent is particularly preferred. Examples of the dispersed state may be either latex in which fine particles of a water-insoluble hydrophobic polymer are dispersed or polymer molecules dispersed in a molecular state or a micelle form. preferable. The average particle size of the dispersed particles is 1 to 50000 nm, preferably 5 to 1000 nm, more preferably 10 to 500 nm, and still more preferably 50 to 200 nm. The particle size distribution of the dispersed particles is not particularly limited, and may have a wide particle size distribution or a monodispersed particle size distribution. Mixing two or more types having a monodispersed particle size distribution is also a preferable method for controlling the physical properties of the coating solution.
[0262]
In the present invention, preferred embodiments of the polymer that can be dispersed in an aqueous solvent include acrylic polymers, poly (esters), rubbers (eg, SBR resin), poly (urethanes), poly (vinyl chloride) s, poly (acetic acid). Hydrophobic polymers such as vinyl), poly (vinylidene chloride) and poly (olefin) can be preferably used. These polymers may be linear polymers, branched polymers, crosslinked polymers, so-called homopolymers obtained by polymerizing a single monomer, or copolymers obtained by polymerizing two or more types of monomers. In the case of a copolymer, it may be a random copolymer or a block copolymer. These polymers have a number average molecular weight of 5,000 to 1,000,000, preferably 10,000 to 200,000. When the molecular weight is too small, the mechanical strength of the image forming layer is insufficient, and when the molecular weight is too large, the film formability is poor, which is not preferable. A crosslinkable polymer latex is particularly preferably used.
[0263]
(Specific examples of latex)
Specific examples of preferable polymer latex include the following. Below, it represents using a raw material monomer, the numerical value in a parenthesis is the mass%, and molecular weight is a number average molecular weight. When a polyfunctional monomer was used, the concept of molecular weight was not applicable because a crosslinked structure was formed, so it was described as crosslinkability, and the description of molecular weight was omitted. Tg represents the glass transition temperature.
[0264]
Latex of P-1; -MMA (70) -EA (27) -MAA (3)-(molecular weight 37000, Tg 61 ° C.)
Latex of P-2; -MMA (70) -2EHA (20) -St (5) -AA (5)-(molecular weight 40000, Tg 59 ° C.)
P-3; latex of -St (50) -Bu (47) -MAA (3)-(crosslinkability, Tg-17 ° C)
Latex of P-4; -St (68) -Bu (29) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 17 ° C.)
Latex of P-5; -St (71) -Bu (26) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 24 ° C.)
Latex of P-6; -St (70) -Bu (27) -IA (3)-(crosslinkability)
Latex of P-7; -St (75) -Bu (24) -AA (1)-(crosslinkability, Tg 29 ° C.)
Latex (crosslinkability) of P-8; -St (60) -Bu (35) -DVB (3) -MAA (2)-
Latex (crosslinkability) of P-9; -St (70) -Bu (25) -DVB (2) -AA (3)-
P-10; latex of VC (50) -MMA (20) -EA (20) -AN (5) -AA (5)-(molecular weight 80000)
P-11; latex of VDC (85) -MMA (5) -EA (5) -MAA (5)-(molecular weight 67000)
Latex of P-12; -Et (90) -MAA (10)-(molecular weight 12000)
P-13; Latex of -St (70) -2EHA (27) -AA (3) (molecular weight 130000, Tg 43 ° C)
P-14; -MMA (63) -EA (35) -AA (2) latex (molecular weight 33,000, Tg 47 ° C.)
Latex of P-15; -St (70.5) -Bu (26.5) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 23 ° C.)
Latex of P-16; -St (69.5) -Bu (27.5) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 20.5 ° C)
[0265]
The abbreviations for the above structures represent the following monomers. MMA; methyl methacrylate, EA; ethyl acrylate, MAA; methacrylic acid, 2EHA; 2-ethylhexyl acrylate, St; styrene, Bu; butadiene, AA; acrylic acid, DVB; divinylbenzene, VC; vinyl chloride, AN; Vinylidene chloride, Et; ethylene, IA; itaconic acid.
[0266]
The polymer latex described above is also commercially available, and the following polymers can be used. Examples of the acrylic polymer include Sebian A-4635, 4718, 4601 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), Nipol Lx811, 814, 821, 820, 857 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), poly ( Examples of esters) include, for example, poly (urethanes) such as FINITEX ES650, 611, 675, 850 (above Dainippon Ink and Chemicals), WD-size, WMS (Eastman Chemical). Examples of rubbers such as HYDRAN AP10, 20, 30, 40 (above made by Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.) include LACSTAR 7310K, 3307B, 4700H, 7132C (made by Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.) , Nipol Lx416, 410, 438C, 2507 (all manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.) However, examples of poly (vinyl chloride) include G351 and G576 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), and examples of poly (vinylidene chloride) include L502 and L513 (manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.). Examples of poly (olefin) s include Chemipearl S120, SA100 (manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.).
[0267]
These polymer latexes may be used alone or in combination of two or more as required.
[0268]
(Preferred latex)
As the polymer latex used in the present invention, a styrene-butadiene copolymer latex is particularly preferable. The weight ratio of the styrene monomer unit to the butadiene monomer unit in the styrene-butadiene copolymer is preferably 40:60 to 95: 5. The proportion of the styrene monomer unit and the butadiene monomer unit in the copolymer is preferably 60 to 99% by mass. Moreover, it is preferable that the polymer latex of this invention contains 1-6 mass% of acrylic acid or methacrylic acid with respect to the sum of styrene and butadiene, More preferably, it contains 2-5 mass%. The polymer latex of the present invention preferably contains acrylic acid. The preferred molecular weight range is the same as described above.
[0269]
Examples of latexes of styrene-butadiene acid copolymer that are preferably used in the present invention include the aforementioned P-3 to P-8,15, commercially available LACSTAR-3307B, 7132C, Nipol Lx416, and the like.
[0270]
If necessary, a hydrophilic polymer such as gelatin, polyvinyl alcohol, methylcellulose, hydroxypropylcellulose, carboxymethylcellulose may be added to the organic silver salt-containing layer of the light-sensitive material of the present invention. The amount of these hydrophilic polymers added is preferably 30% by mass or less, more preferably 20% by mass or less, based on the total binder of the organic silver salt-containing layer.
[0271]
The organic silver salt-containing layer (that is, the image forming layer) of the present invention is preferably formed using a polymer latex. The amount of binder in the organic silver salt-containing layer is such that the weight ratio of total binder / organic silver salt is 1/10 to 10/1, more preferably 1/3 to 5/1, and still more preferably 1/1 to 3/1. / 1 range.
[0272]
In addition, such an organic silver salt-containing layer is usually a photosensitive layer (emulsion layer) containing a photosensitive silver halide which is a photosensitive silver salt. The weight ratio of silver is 400-5, more preferably 200-10.
[0273]
The total binder amount of the image forming layer of the present invention is preferably 0.2 to 30 g / m.2, More preferably 1-15 g / m2More preferably, 2 to 10 g / m2Range. The image forming layer of the present invention may contain a crosslinking agent for crosslinking, a surfactant for improving coating properties, and the like.
(Preferable solvent for coating solution)
[0274]
In the present invention, the solvent of the organic silver salt-containing layer coating solution of the light-sensitive material (here, for simplicity, the solvent and the dispersion medium are collectively referred to as a solvent) is preferably an aqueous solvent containing 30% by mass or more of water. As a component other than water, any water-miscible organic solvent such as methyl alcohol, ethyl alcohol, isopropyl alcohol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, dimethylformamide, and ethyl acetate may be used. The water content of the solvent of the coating solution is preferably 50% by mass or more, more preferably 70% by mass or more. Examples of preferred solvent compositions include water, water / methyl alcohol = 90/10, water / methyl alcohol = 70/30, water / methyl alcohol / dimethylformamide = 80/15/5, water / methyl alcohol / Ethyl cellosolve = 85/10/5, water / methyl alcohol / isopropyl alcohol = 85/10/5, etc. (numerical values are mass%).
[0275]
(Description of antifogging agent)
Antifoggants, stabilizers and stabilizer precursors that can be used in the present invention are paragraph No. 0070 of JP-A-10-62899, page 20, line 57 to page 21, line 7 of European Patent Publication No. 0803764A1. Compounds described in JP-A-9-281737 and JP-A-9-329864, compounds described in US Pat. Nos. 6,083,681, 6,083,681, and European Patent 1048875 It is done. The antifoggant preferably used in the present invention is an organic halide, and examples thereof include those disclosed in the patents described in paragraph Nos. 0111 to 0112 of JP-A No. 11-65021. In particular, an organic halogen compound represented by the formula (P) in JP-A No. 2000-284399, an organic polyhalogen compound represented by the general formula (II) in JP-A No. 10-339934, JP-A No. 2001-31644 and JP-A No. 2001-31644 are disclosed. The organic polyhalogen compounds described in 2001-33911 are preferred.
[0276]
1) Polyhalogen compounds
Hereinafter, the organic polyhalogen compound preferable in the present invention will be specifically described. A preferred polyhalogen compound of the present invention is a compound represented by the following general formula (H).
General formula (H)
Q- (Y) n-C (Z1) (Z2) X
In the general formula (H), Q represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, Y represents a divalent linking group, n represents 0 or 1, Z1And Z2Represents a halogen atom, and X represents a hydrogen atom or an electron withdrawing group.
In general formula (H), Q is preferably an aryl group or a heterocyclic group.
In the general formula (H), when Q is a heterocyclic group, a nitrogen-containing heterocyclic group containing 1 to 2 nitrogen atoms is preferable, and a 2-pyridyl group and a 2-quinolyl group are particularly preferable.
In the general formula (H), when Q is an aryl group, Q preferably represents a phenyl group substituted with an electron-attracting group having a positive Hammett's substituent constant σp. For Hammett's substituent constants, see Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol. 16, no. 11, 1207-1216 etc. can be referred to. Examples of such an electron withdrawing group include a halogen atom (fluorine atom (σp value: 0.06), chlorine atom (σp value: 0.23), bromine atom (σp value: 0.23), iodine atom. (Σp value: 0.18)), trihalomethyl group (tribromomethyl (σp value: 0.29), trichloromethyl (σp value: 0.33), trifluoromethyl (σp value: 0.54)), Cyano group (σp value: 0.66), nitro group (σp value: 0.78), aliphatic aryl, or heterocyclic sulfonyl group (for example, methanesulfonyl (σp value: 0.72)), aliphatic aryl Or a heterocyclic acyl group (for example, acetyl (σp value: 0.50), benzoyl (σp value: 0.43)), alkynyl group (for example, C≡CH (σp value: 0.23)), aliphatic Aryl or heterocyclic oxycarbo Group (for example, methoxycarbonyl (σp value: 0.45), phenoxycarbonyl (σp value: 0.44)), carbamoyl group (σp value: 0.36), sulfamoyl group (σp value: 0.57), Examples thereof include a sulfoxide group, a heterocyclic group, and a phosphoryl group. The σp value is preferably in the range of 0.2 to 2.0, more preferably in the range of 0.4 to 1.0. Particularly preferred as the electron withdrawing group is a carbamoyl group, an alkoxycarbonyl group, an alkylsulfonyl group or an alkylphosphoryl group, and among them, a carbamoyl group is most preferred.
X is preferably an electron-withdrawing group, more preferably a halogen atom, aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group, aliphatic / aryl or heterocyclic acyl group, aliphatic / aryl or heterocyclic oxycarbonyl group, A carbamoyl group and a sulfamoyl group, particularly preferably a halogen atom. Among the halogen atoms, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom are preferable, a chlorine atom and a bromine atom are more preferable, and a bromine atom is particularly preferable.
Y is preferably -C (= O)-, -SO- or -SO.2 -, More preferably -C (= O)-, -SO2 -, Particularly preferably -SO2 -. n represents 0 or 1, and is preferably 1.
[0277]
Specific examples of the compound of the general formula (H) of the present invention are shown below.
[0278]
Embedded image
[0279]
Other preferred polyhalogen compounds of the present invention include compounds described in JP-A Nos. 2001-31644, 2001-56526, and 2001-209145.
The compound represented by the general formula (H) of the present invention is 10 per mole of the non-photosensitive silver salt of the image forming layer.-4It is preferably used in the range of ˜1 mol, more preferably 10-3In the range of ~ 0.5 mol, more preferably 1 × 10-2It is preferable to use in the range of ~ 0.2 mol.
In the present invention, the antifoggant is added to the light-sensitive material by the method described in the method for containing a reducing agent, and the organic polyhalogen compound is also preferably added as a solid fine particle dispersion.
[0280]
2) Other antifogging agents
Examples of other antifoggants include mercury (II) salts described in paragraph No. 0113 of JP-A No. 11-65021, benzoic acids of paragraph No. 0114 of the same, salicylic acid derivatives disclosed in JP-A No. 2000-206642, and formulas described in JP-A No. 2000-221634. A formalin scavenger compound represented by (S), a triazine compound according to claim 9 of JP-A-11-352624, a compound represented by formula (III) of JP-A-6-11791, 4-hydroxy-6-6 And methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene and the like.
[0281]
The photothermographic material in the invention may contain an azolium salt for the purpose of fog prevention. Examples of the azolium salt include compounds represented by general formula (XI) described in JP-A-59-193447, compounds described in JP-B-55-12581, and general formula (II) described in JP-A-60-153039. And the compounds represented. The azolium salt may be added to any part of the photosensitive material, but the addition layer is preferably added to the layer having the photosensitive layer, and more preferably to the organic silver salt-containing layer. The azolium salt may be added at any step in the coating solution preparation. When added to the organic silver salt-containing layer, any step from the preparation of the organic silver salt to the preparation of the coating solution may be used. To immediately before coating. The azolium salt may be added by any method such as powder, solution, fine particle dispersion. Moreover, you may add as a solution mixed with other additives, such as a sensitizing dye, a reducing agent, and a color toning agent. In the present invention, any amount of the azolium salt may be added, but 1 × 10 10 per silver mole.-6Preferred is 1 mol or more and 2 mol or less.-3More preferably, it is more than mol and less than 0.5 mol.
[0282]
(Other additives)
1) Mercapto, disulfide, and thiones
In the present invention, a mercapto compound, a disulfide compound, and a thione compound can be contained in order to suppress or promote development to control development, to improve spectral sensitization efficiency, and to improve storage stability before and after development. JP-A-10-62899, paragraphs 0067 to 0069, JP-A-10-186572, the compound represented by the general formula (I) and specific examples thereof include paragraphs 0033 to 0052, EP 080376A1, No. 20 pages, lines 36-56. Of these, mercapto-substituted heteroaromatic compounds described in JP-A-9-297367, JP-A-9-304875, JP-A-2001-100388, JP-A-2001-104213, JP-A-2001-104214, and the like are preferable.
[0283]
2) Color preparation
In the photothermographic material of the present invention, it is preferable to add a color toning agent. Regarding the color toning agent, paragraph Nos. 0054 to 0055 of JP-A No. 10-62899, page 21, lines 23 to 48 of European Patent Publication No. 0803764A1, No. 2000-356317 and JP-A-2000-187298. In particular, phthalazinones (phthalazinone, phthalazinone derivatives or metal salts; for example, 4- (1-naphthyl) phthalazinone, 6-chlorophthalazinone, 5,7 -Dimethoxyphthalazinone and 2,3-dihydro-1,4-phthalazinedione); phthalazinones and phthalic acids (eg phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid, diammonium phthalate, sodium phthalate) , Potassium phthalate and tetrachlorophthalic anhydride) Phthalazines (phthalazine, phthalazine derivatives or metal salts; for example 4- (1-naphthyl) phthalazine, 6-isopropylphthalazine, 6-t-butylphthalazine, 6-chlorophthalazine, 5,7-dimethoxyphthalazine and 2 , 3-dihydrophthalazine); a combination of phthalazines and phthalic acids is preferred, and a combination of phthalazines and phthalic acids is particularly preferred. Of these, a particularly preferred combination is a combination of 6-isopropylphthalazine and phthalic acid or 4-methylphthalic acid.
[0284]
3) Plasticizer, lubricant
The plasticizer and lubricant that can be used in the photosensitive layer of the present invention are described in paragraph No. 0117 of JP-A No. 11-65021. The slip agent is described in JP-A No. 11-84573, paragraph numbers 0061 to 0064 and Japanese Patent Application No. 11-106881, paragraph numbers 0049 to 0062.
[0285]
4) Dyes and pigments
In the photosensitive layer of the present invention, various dyes and pigments (for example, CI Pigment Blue 60, CI Pigment Blue 64, C.I. Pigment Blue 64, C.I. I. Pigment Blue 15: 6) can be used. These are described in detail in WO98 / 36322, JP-A-10-268465, JP-A-11-338098 and the like.
[0286]
5) Ultra-high contrast agent
In order to form an ultrahigh contrast image suitable for printing plate making applications, it is preferable to add an ultrahigh contrast agent to the image forming layer. As for the ultra-high contrast agent and its addition method and addition amount, the formulas of JP-A No. 11-65021, paragraph No. 0118, JP-A No. 11-223898, paragraph Nos. 0136 to 0193, and Japanese Patent Application No. 11-87297 are disclosed. (H), compounds of formulas (1) to (3), compounds of formulas (A) and (B), compounds of general formulas (III) to (V) described in Japanese Patent Application No. 11-91652 (specific compounds) : Chemical Formula 21 to Chemical Formula 24), and the high contrast accelerator are described in paragraph No. 0102 of JP-A No. 11-65021 and paragraph Nos. 0194 to 0195 of JP-A No. 11-223898.
[0287]
In order to use formic acid or formate as a strong fogging substance, it is preferably contained at 5 mmol or less, more preferably 1 mmol or less, per mol of silver on the side having the image forming layer containing photosensitive silver halide.
When the ultrahigh contrast agent is used in the photothermographic material of the present invention, it is preferable to use an acid formed by hydrating diphosphorus pentoxide or a salt thereof in combination. Acids or salts thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide include metaphosphoric acid (salt), pyrophosphoric acid (salt), orthophosphoric acid (salt), triphosphoric acid (salt), tetraphosphoric acid (salt), hexametalin An acid (salt) etc. can be mentioned. Examples of the acid or salt thereof formed by hydrating diphosphorus pentoxide particularly preferably include orthophosphoric acid (salt) and hexametaphosphoric acid (salt). Specific examples of the salt include sodium orthophosphate, sodium dihydrogen orthophosphate, sodium hexametaphosphate, ammonium hexametaphosphate and the like.
Amount of acid or salt thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide (1m photosensitive material)2The coating amount per unit) may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but 0.1 to 500 mg / m2Is preferably 0.5 to 100 mg / m2Is more preferable.
[0288]
(Preparation and application of coating solution)
The preparation temperature of the image forming layer coating solution of the present invention is preferably 30 ° C. or more and 65 ° C. or less, more preferably 35 ° C. or more and less than 60 ° C., and more preferably 35 ° C. or more and 55 ° C. or less. Moreover, it is preferable that the temperature of the image forming layer coating liquid immediately after the addition of the polymer latex is maintained at 30 ° C. or higher and 65 ° C. or lower.
[0289]
(Layer structure and components)
The image forming layer of the present invention is composed of one or more layers on a support. In the case of a single layer, it consists of an organic silver salt, a photosensitive silver halide, a reducing agent and a binder, and optionally contains additional materials such as toning agents, coating aids and other auxiliary agents. In the case of two or more layers, an organic silver salt and a light-sensitive silver halide are contained in the first image forming layer (usually a layer adjacent to the support), and some in the second image forming layer or both layers. Must contain other ingredients. The construction of a multicolor photosensitive photothermographic material may include a combination of these two layers for each color and all components in a single layer as described in US Pat. No. 4,708,928. May be included. In the case of multi-dye multicolor photosensitive photothermographic materials, each emulsion layer is generally functional or non-functional between each photosensitive layer as described in US Pat. No. 4,460,681. By using different barrier layers, they are distinguished from each other and held.
The photothermographic material of the present invention can have a non-photosensitive layer in addition to the image forming layer. The non-photosensitive layer includes (a) a surface protective layer provided on the image forming layer (on the side farther than the support), (b) between the plurality of image forming layers and between the image forming layer and the protective layer. It can be classified into an intermediate layer provided therebetween, (c) an undercoat layer provided between the image forming layer and the support, and (d) a back layer provided on the opposite side of the image forming layer.
[0290]
In addition, although a layer acting as an optical filter can be provided, it is provided as the layer (a) or (b). The antihalation layer is provided on the photosensitive material as the layer (c) or (d).
[0291]
1) Surface protective layer
In the photothermographic material of the invention, a surface protective layer can be provided for the purpose of preventing adhesion of the image forming layer. The surface protective layer may be a single layer or a plurality of layers.
The surface protective layer is described in JP-A No. 11-65021, paragraph numbers 0119 to 0120 and JP-A No. 2000-171936.
As the binder for the surface protective layer of the present invention, gelatin is preferable, but it is also preferable to use polyvinyl alcohol (PVA) or a combination thereof. As gelatin, inert gelatin (for example, Nitta gelatin 750), phthalated gelatin (for example, Nitta gelatin 801), and the like can be used. Examples of PVA include those described in paragraph Nos. 0009 to 0020 of JP-A No. 2000-171936. Completely saponified PVA-105, partially saponified PVA-205, PVA-335, and modified polyvinyl alcohol MP- Preferred is 203 (trade name, manufactured by Kuraray Co., Ltd.). Polyvinyl alcohol coating amount of protective layer (per layer) (support 1m2Per unit) as 0.3 to 4.0 g / m2Is preferable, 0.3 to 2.0 g / m2Is more preferable.
[0292]
Total binder (including water-soluble polymer and latex polymer) coating amount of surface protective layer (per layer) (support 1m)2As per) 0.3 to 5.0 g / m2Is preferable, 0.3 to 2.0 g / m2Is more preferable.
[0293]
2) Antihalation layer
In the photothermographic material of the present invention, the antihalation layer can be provided on the side far from the light source with respect to the photosensitive layer.
[0294]
As for the antihalation layer, paragraphs 0123 to 0124 of JP-A-11-65021, JP-A-11-223898, 9-230531, 10-36695, 10-104779, 11-231457, 11 -352625, 11-352626 and the like.
The antihalation layer contains an antihalation dye having absorption at the exposure wavelength. When the exposure wavelength is in the infrared region, an infrared absorbing dye may be used, and in that case, a dye having no absorption in the visible region is preferable.
When antihalation is performed using a dye having absorption in the visible range, it is preferable that the dye color does not substantially remain after image formation, and a means for decoloring by the heat of heat development is used. In particular, it is preferable to add a thermally decolorable dye and a base precursor to the non-photosensitive layer to function as an antihalation layer. These techniques are described in JP-A-11-231457 and the like.
[0295]
The amount of decoloring dye added is determined by the use of the dye. In general, the optical density (absorbance) measured at the target wavelength is used in an amount exceeding 0.1. The optical density is preferably 0.15 to 2, and more preferably 0.2 to 1. The amount of dye used to obtain such an optical density is generally 0.001 to 1 g / m.2Degree.
[0296]
When the dye is decolored in this way, the optical density after heat development can be reduced to 0.1 or less. Two or more kinds of decoloring dyes may be used in combination in a heat decoloring type recording material or a photothermographic material. Similarly, two or more kinds of base precursors may be used in combination.
In the thermal decoloration using such decoloring dye and base precursor, a substance (for example, diphenylsulfone, which lowers the melting point by 3 ° C. (deg) or more when mixed with a base precursor as described in JP-A No. 11-352626). 4-Chlorophenyl (phenyl) sulfone), 2-naphthyl benzoate and the like are preferably used in view of thermal decoloring properties.
[0297]
3) Back layer
The back layer applicable to the present invention is described in paragraph Nos. 0128 to 0130 of JP-A No. 11-65021.
[0298]
In the present invention, a colorant having an absorption maximum at 300 to 450 nm can be added for the purpose of improving the silver color tone and the temporal change of the image. Such colorants are disclosed in JP-A-62-210458, JP-A-63-104046, JP-A-63-103235, JP-A-63-208846, JP-A-63-306436, JP-A-63-141435, and JP-A-01-61745. No. 1, Japanese Patent Laid-Open No. 2001-100363, and the like.
Such colorants are typically 0.1 mg / m2~ 1g / m2The back layer provided on the opposite side of the photosensitive layer is preferable as the layer to be added in the range of.
In order to adjust the base color tone, it is preferable to use a dye having an absorption peak at 580 to 680 nm. As the dye for this purpose, azomethine-based oil-soluble dyes described in JP-A-4-359967 and JP-A-4-359968 having a small absorption intensity on the short wavelength side, and phthalocyanine-based water-soluble dyes described in Japanese Patent Application No. 2002-96797 are preferable. The dye for this purpose may be added to any layer, but is more preferably added to the non-photosensitive layer on the emulsion surface side or the back surface side.
[0299]
The photothermographic material in the invention is a so-called single-sided photosensitive material having a photosensitive layer containing at least one silver halide emulsion on one side of a support and a back layer on the other side. preferable.
[0300]
4) Matting agent
In the present invention, it is preferable to add a matting agent for improving transportability, and the matting agent is described in paragraph Nos. 0126 to 0127 of JP-A No. 11-65021. Matting agent is photosensitive material 1m2When expressed in a coating amount per unit, preferably 1 to 400 mg / m2, More preferably 5 to 300 mg / m2It is.
In the present invention, the shape of the matting agent may be either a regular shape or an irregular shape, but is preferably a regular shape, and a spherical shape is preferably used. The average particle size is preferably 0.5 to 10 μm, more preferably 1.0 to 8.0 μm, and still more preferably 2.0 to 6.0 μm. The variation coefficient of the size distribution is preferably 50% or less, more preferably 40% or less, and still more preferably 30% or less. Here, the coefficient of variation is a value represented by (standard deviation of particle size) / (average value of particle size) × 100. It is also preferable to use two types of matting agents having a small variation coefficient and having an average particle size ratio larger than 3.
The emulsion surface may have any matte degree as long as no stardust failure occurs, but the Beck smoothness is preferably 30 seconds or more and 2000 seconds or less, and particularly preferably 40 seconds or more and 1500 seconds or less. The Beck smoothness can be easily determined by Japanese Industrial Standard (JIS) P8119 "Smoothness test method using Beck tester for paper and paperboard" and TAPPI standard method T479.
[0301]
In the present invention, the matte degree of the back layer is preferably a Beck smoothness of 1200 seconds or less and 10 seconds or more, preferably 800 seconds or less and 20 seconds or more, and more preferably 500 seconds or less and 40 seconds or more.
[0302]
In the present invention, the matting agent is preferably contained in the outermost surface layer of the photosensitive material, the layer functioning as the outermost surface layer, or a layer close to the outer surface, and is contained in a layer acting as a so-called protective layer. It is preferable.
[0303]
5) Polymer latex
In particular, when the photothermographic material of the present invention is used for printing applications in which dimensional change is a problem, it is preferable to use a polymer latex for the surface protective layer or the back layer. For such polymer latex, “Synthetic resin emulsion (Hiraku Okuda, Hiroshi Inagaki, published by Kobunshi Publishing (1978))”, “Application of synthetic latex (Takaaki Sugimura, Ikuo Kataoka, Junichi Suzuki, Keiji Kasahara, Takashi "Molecular Publications (1993))" and "Synthetic Latex Chemistry (Muroichi Muroi, published by High Polymers Publication (1970))", specifically, methyl methacrylate (33.5% by mass) / Ethyl acrylate (50 wt%) / methacrylic acid (16.5 wt%) copolymer latex, methyl methacrylate (47.5 wt%) / butadiene (47.5 wt%) / itaconic acid (5 wt%) copolymer Latex, latex of ethyl acrylate / methacrylic acid copolymer, methyl methacrylate (58.9% by mass) / 2-ethyl Latex of xyl acrylate (25.4 mass%) / styrene (8.6 mass%) / 2-hydroxyethyl methacrylate (5.1 mass%) / acrylic acid (2.0 mass%) copolymer, methyl methacrylate (64. 0 mass%) / styrene (9.0 mass%) / butyl acrylate (20.0 mass%) / 2-hydroxyethyl methacrylate (5.0 mass%) / acrylic acid (2.0 mass%) copolymer latex, etc. Is mentioned. Furthermore, as a binder for the surface protective layer, a combination of polymer latex described in Japanese Patent Application No. 11-6872 and a technique described in Paragraph Nos. 0021 to 0025 of Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-267226, Japanese Patent Application No. 11-6872 The technology described in paragraph numbers 0027 to 0028 of the specification and the technology described in paragraph numbers 0023 to 0041 of JP 2000-19678 may be applied. The ratio of the polymer latex in the surface protective layer is preferably 10% by mass or more and 90% by mass or less, and particularly preferably 20% by mass or more and 80% by mass or less of the total binder.
[0304]
6) Membrane pH
The photothermographic material of the present invention preferably has a film surface pH of 7.0 or less, more preferably 6.6 or less before heat development. The lower limit is not particularly limited, but is about 3. The most preferred pH range is in the range of 4 to 6.2. The film surface pH is preferably adjusted using an organic acid such as a phthalic acid derivative, a non-volatile acid such as sulfuric acid, or a volatile base such as ammonia from the viewpoint of reducing the film surface pH. In particular, ammonia is volatile and is preferable for achieving a low film surface pH because it can be removed before the coating process or heat development.
In addition, it is also preferable to use ammonia in combination with a nonvolatile base such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, or lithium hydroxide. In addition, the measuring method of film surface pH is described in paragraph number 0123 of Unexamined-Japanese-Patent No. 2000-284399.
[0305]
7) Hardener
A hardener may be used for each layer such as the photosensitive layer, protective layer, and back layer of the present invention. Examples of hardeners include T.W. H. There are various methods described in “THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION” by James (published by Macmillan Publishing Co., Inc., published in 1977), pages 77 to 87. -S-triazine sodium salt, N, N-ethylenebis (vinylsulfoneacetamide), N, N-propylenebis (vinylsulfoneacetamide), polyvalent metal ions described on page 78 of the same, U.S. Pat. No. 4,281, Polyisocyanates such as 060 and JP-A-6-208193, epoxy compounds such as US Pat. No. 4,791,042, and vinyl sulfone compounds such as JP-A-62-289048 are preferably used. .
[0306]
The hardening agent is added as a solution, and the addition time of this solution into the protective layer coating solution is from 180 minutes before to immediately before application, preferably from 60 minutes to 10 seconds before application. As long as the effects of the present invention are sufficiently exhibited, there is no particular limitation. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid fed to the coater is a desired time, and N.I. Harnby, M.M. F. Edwards, A.D. W. There is a method of using a static mixer or the like described in Chapter 8 of Nienow's Koji Takahashi's “Liquid Mixing Technology” (published by Nikkan Kogyo Shimbun, 1989).
[0307]
8) Surfactant
JP-A No. 11-65021 paragraph No. 0132 for surfactants applicable to the present invention, paragraph No. 0133 for solvents, paragraph No. 0134 for supports, paragraph No. for antistatic or conductive layers No. 0136 for the method of obtaining a color image, and paragraph Nos. 0061 to 0064 of JP-A No. 11-84573 and paragraph Nos. 0049 to 0062 of Japanese Patent Application No. 11-106881 for the slip agent.
In the present invention, it is preferable to use a fluorosurfactant. Specific examples of the fluorosurfactant include compounds described in JP-A Nos. 10-197985, 2000-19680, 2000-214554 and the like. Further, a polymeric fluorine-based surfactant described in JP-A-9-281636 is also preferably used. In the photothermographic material of the present invention, it is preferable to use a fluorosurfactant described in JP-A No. 2002-82411, Japanese Patent Application Nos. 2001-242357 and 2001-264110. In particular, the fluorosurfactants described in Japanese Patent Application Nos. 2001-242357 and 2001-264110 are preferable from the viewpoints of charge adjustment ability, stability of the coated surface, and smoothness when coating and manufacturing with an aqueous coating solution. The fluorine-based surfactant described in Japanese Patent Application No. 2001-264110 is most preferable in that it has a high charge adjustment capability and requires a small amount of use.
In the present invention, the fluorosurfactant can be used on either the emulsion surface or the back surface, and is preferably used on both surfaces. Further, it is particularly preferable to use in combination with a conductive layer containing the above-described metal oxide. In this case, sufficient performance can be obtained even if the amount of the fluorosurfactant used on the surface having the conductive layer is reduced or removed.
The preferred amount of the fluorosurfactant is 0.1 mg / m for each of the emulsion surface and the back surface.2~ 100mg / m2In the range, more preferably 0.3 mg / m2~ 30mg / m2Range, more preferably 1 mg / m2-10 mg / m2Range. In particular, the fluorosurfactant described in Japanese Patent Application No. 2001-264110 has a large effect and is 0.01 to 10 mg / m.2Is preferably in the range of 0.1 to 5 mg / m2The range of is more preferable.
[0308]
9) Antistatic agent
In the present invention, it is preferable to have a conductive layer containing a metal oxide or a conductive polymer. The antistatic layer may serve as an undercoat layer, a back layer surface protective layer, or the like, or may be provided separately. As the conductive material for the antistatic layer, a metal oxide in which conductivity is improved by introducing oxygen defects or different metal atoms into the metal oxide is preferably used. Examples of metal oxides are ZnO, TiO2, SnO2And for ZnO, addition of Al and In, SnO2For Sb, Nb, P, halogen elements, etc., TiO2In contrast, addition of Nb, Ta or the like is preferable. Especially SnO with Sb added2Is preferred. The amount of different atoms added is preferably in the range of 0.01 to 30 mol%, more preferably in the range of 0.1 to 10 mol%. The shape of the metal oxide may be spherical, needle-like, or plate-like, but the long axis / uniaxial ratio is 2.0 or more, preferably 3.0 to 50 in terms of the effect of imparting conductivity. Good. The amount of metal oxide used is preferably 1 mg / m2~ 1000mg / m2In the range, more preferably 10 mg / m2~ 500mg / m2Range, more preferably 20 mg / m2~ 200mg / m2Range. The antistatic layer of the present invention may be disposed on either the emulsion surface side or the back surface side, but is preferably disposed between the support and the back layer. Specific examples of the antistatic layer of the present invention include paragraph No. 0135 of JP-A No. 11-65021, JP-A Nos. 56-143430, 56-143431, 58-62646, No. 56-120519, JP-A No. 11-120. No. 84573, paragraph numbers 0040 to 0051, US Pat. No. 5,575,957, and JP-A No. 11-223898, paragraph numbers 0078 to 0084.
[0309]
10) Support
The transparent support is a polyester, particularly polyethylene, which has been heat-treated in a temperature range of 130 to 185 ° C. in order to relieve internal strain remaining in the film during biaxial stretching and to eliminate thermal shrinkage strain generated during heat development. Terephthalate is preferably used. In the case of a photothermographic material for medical use, the transparent support may be colored with a blue dye (for example, dye-1 described in Examples of JP-A-8-240877) or may be uncolored. Examples of the support include water-soluble polyesters disclosed in JP-A-11-84574, styrene-butadiene copolymers described in JP-A-10-186565, and vinylidene chloride described in JP-A-2000-39684 and Japanese Patent Application No. 11-106881, paragraph numbers 0063 to 0080. It is preferable to apply an undercoating technique such as a copolymer. When the emulsion layer or the back layer is coated on the support, the water content of the support is preferably 0.5 wt% or less.
[0310]
11) Other additives
An antioxidant, a stabilizer, a plasticizer, an ultraviolet absorber, or a coating aid may be further added to the photothermographic material. Various additives are added to either the photosensitive layer or the non-photosensitive layer. With respect to these, WO 98/36322, EP 803764A1, JP-A-10-186567, 10-18568 and the like can be referred to.
[0311]
12) Application method
The photothermographic material in the invention may be applied by any method. Specifically, various coating operations including extrusion coating, slide coating, curtain coating, dip coating, knife coating, flow coating, or extrusion coating using a hopper of the type described in US Pat. No. 2,681,294. And Stephen F. Kistler, Peter M. et al. Extrusion coating or slide coating described in pages 399 to 536 of “LIQUID FILM COATING” (CHAPMAN & HALL, 1997) by Schweizer is preferably used, and slide coating is particularly preferably used. An example of the shape of a slide coater used for slide coating is shown in FIG. 11b. 1 If desired, two or more layers can be simultaneously coated by the method described on pages 399 to 536 of the same document, the method described in US Pat. No. 2,761,791 and British Patent No. 837,095. . In the present invention, particularly preferred coating methods are those described in JP-A Nos. 2001-194748, 2002-153808, 2002-153803, and 2002-182333.
[0312]
The organic silver salt-containing layer coating solution in the present invention is preferably a so-called thixotropic fluid. Regarding this technique, JP-A-11-52509 can be referred to. In the present invention, the organic silver salt-containing layer coating solution has a shear rate of 0.1 S.-1The viscosity in is preferably 400 mPa · s or more and 100,000 mPa · s or less, and more preferably 500 mPa · s or more and 20,000 mPa · s or less. Also, shear rate 1000S-1Is preferably from 1 mPa · s to 200 mPa · s, more preferably from 5 mPa · s to 80 mPa · s.
[0313]
In the case of preparing the coating liquid of the present invention, a known in-line mixer or implant mixer is preferably used when mixing two kinds of liquids. A preferred in-line mixer of the present invention is described in JP-A No. 2002-85948, and an implant mixer is described in JP-A No. 2002-90940.
The coating solution in the present invention is preferably subjected to defoaming treatment in order to keep the coated surface state good. A preferable defoaming treatment method of the present invention is the method described in JP-A No. 2002-66431.
When applying the coating solution of the present invention, it is preferable to perform static elimination in order to prevent adhesion of dust, dust, and the like due to electric resistance of the support. An example of a preferable static elimination method in the present invention is described in JP-A No. 2002-143747.
In the present invention, it is important to precisely control the drying air and the drying temperature in order to dry the non-setting image forming layer coating solution. The preferred drying method of the present invention is described in detail in JP-A Nos. 2001-194749 and 2002-139814.
The photothermographic material of the present invention is preferably subjected to a heat treatment immediately after coating and drying in order to improve film formability. The temperature of the heat treatment is preferably in the range of 60 ° C. to 100 ° C. as the film surface temperature, and the heating time is preferably in the range of 1 second to 60 seconds. A more preferable range is a film surface temperature of 70 to 90 ° C. and a heating time of 2 to 10 seconds. A preferable heat treatment method of the present invention is described in JP-A No. 2002-107872.
In order to stably and continuously produce the photothermographic material of the present invention, the production methods described in JP-A Nos. 2002-156728 and 2002-182333 are preferably used.
[0314]
The photothermographic material is preferably a mono-sheet type (a type capable of forming an image on the photothermographic material without using another sheet such as an image receiving material).
[0315]
13) Packaging materials
The light-sensitive material of the present invention is preferably packaged with a packaging material having a low oxygen permeability and / or moisture permeability in order to suppress fluctuations in photographic performance during raw storage or to improve curling, curling, etc. Oxygen permeability is 50ml / atm · m at 25 ° C2· It is preferably not more than day, more preferably 10 ml / atm · m2-Day or less, more preferably 1.0 ml / atm.m2-Day or less. Moisture permeability is 10 g / atm · m2· Day or less, more preferably 5 g / atm · m2· Day or less, more preferably 1 g / atm · m2-Day or less.
Specific examples of the packaging material having low oxygen permeability and / or moisture permeability are disclosed in, for example, JP-A-8-254793. This is a packaging material described in JP-A-2000-206653.
14) Other available technologies
[0316]
Techniques that can be used for the photothermographic material of the present invention include EP80364A1, EP883022A1, WO98 / 36322, JP56-62648, 58-62644, JP9-43766, and 9-. 281637, 9-297367, 9-304869, 9-311405, 9-329865, 10-10669, 10-62899, 10-69023, 10-186568, 10-90823, 10-171106, 10-186565, 10-186567, 10-186567 to 10-186572, 10-197974, 10-197982, 10 -197983, 10-197985 to 10-197987, 10- 07001, 10-207004, 10-221807, 10-282601, 10-288823, 10-288824, 10-307365, 10-312038, 10-339934 11-7100, 11-15105, 11-24200, 11-24201, 11-30201, 11-30832, 11-84574, 11-65021, 11-109547, 11-125880, 11-129629, 11-133536 to 11-133539, 11-133542, 11-133543, 11-223898, 11-352627, 11- 305377, 11-305378, 11-305384, 11-30538 11-316435, 11-327076, 11-338096, 11-338098, 11-338099, 11-343420, JP 2000-187298, 2000-10229 2000-47345, 2000-206642, 2000-98530, 2000-98531, 2000-112059, 2000-112060, 2000-112104, 2000-112604, No. 2000-171936 is also mentioned.
[0317]
In the case of a multicolor color photothermographic material, each emulsion layer is generally a functional or non-functional barrier layer between each photosensitive layer as described in U.S. Pat. No. 4,460,681. Are used to keep them distinguished from each other.
The construction in the case of a multicolor color photothermographic material may include a combination of these two layers for each color and all within a single layer as described in US Pat. No. 4,708,928. Ingredients may be included.
[0318]
(Image forming method)
1) Exposure
Red to infrared emitting He-Ne laser, red semiconductor laser, or blue to green emitting Ar+, He—Ne, He—Cd laser, blue semiconductor laser. Preferred is a red to infrared semiconductor laser, and the peak wavelength of the laser light is 600 nm to 900 nm, preferably 620 nm to 850 nm. On the other hand, in recent years, in particular, a module in which an SHG (Second Harmonic Generator) element and a semiconductor laser are integrated and a blue semiconductor laser have been developed, and a laser output device in a short wavelength region has been closed up. The blue semiconductor laser is expected to increase in demand in the future because high-definition image recording is possible, the recording density is increased, and a stable output is obtained with a long lifetime. The peak wavelength of the blue laser light is preferably 300 nm to 500 nm, particularly preferably 400 nm to 500 nm.
It is also preferable that the laser light is oscillated in a vertical multi by a method such as high frequency superposition.
[0319]
2) Thermal development
The photothermographic material of the present invention may be developed by any method, but is usually developed by raising the temperature of the photothermographic material exposed imagewise. The preferred development temperature is 80 to 250 ° C, preferably 100 to 140 ° C, more preferably 110 to 130 ° C. The development time is preferably 1 to 60 seconds, more preferably 3 to 30 seconds, still more preferably 5 to 25 seconds, and 6 to 14 seconds.
[0320]
Either a drum type heater or a plate type heater may be used as the thermal development method, but the plate type heater method is more preferable. The heat development method using the plate type heater method is preferably a method described in JP-A-11-133572, and a visible image is obtained by bringing a photothermographic material having a latent image formed thereon into contact with a heating means in a heat developing unit. In the heat development apparatus, the heating unit includes a plate heater, and a plurality of press rollers are disposed to face each other along one surface of the plate heater, and the press roller is disposed between the press roller and the plate heater. A heat development apparatus characterized in that heat development is performed by passing a photothermographic material. It is preferable to divide the plate heater into 2 to 6 stages and lower the temperature about 1 to 10 ° C. at the tip. For example, there are examples in which four sets of plate heaters that can be independently controlled are used and controlled so as to be 112 ° C., 119 ° C., 121 ° C., and 120 ° C. Such a method is also described in JP-A-54-30032, which can exclude moisture and organic solvents contained in the photothermographic material out of the system, and rapidly develop the photothermographic material. It is also possible to suppress a change in the shape of the support of the photothermographic material due to the heating.
[0321]
In order to reduce the size of the heat developing machine and shorten the heat development time, it is preferable to be able to control the heater more stably. In addition, the exposure of one sheet of photosensitive material is started from the top and the exposure is finished to the rear end. It is desirable to start the heat development before the time. Imagers capable of rapid processing preferred in the present invention are described in, for example, Japanese Patent Application Nos. 2001-088832 and 091114.
[0322]
When the silver salt in the photothermographic material coating film is thermally developed, it is reduced to metallic silver by a reducing agent to form an image. The utilization efficiency of silver for an image is generally referred to as a silver development rate.
In the present invention, the silver development rate is the unit of silver converted into reduced silver by heat development, where A is the number of moles of the total silver amount (total of organic silver salt and silver halide) per unit area in the photothermographic material. When the number of moles per area is B, it is defined as B / A × 100.
Specifically, as a method for obtaining the development rate, first, the number of moles B of reduced silver is obtained. The undeveloped organic silver salt and photosensitive halogenation are obtained by immersing the photothermographic material exposed and developed to give the maximum density in a 10% methanol solution of 2,2 '-(ethylenedithio) diethanol for 1 hour. Fix silver. It is then washed with a methanol solution and dried. The amount of silver per unit area is measured from the fluorescent X-ray intensity. It can be obtained by obtaining a calibration curve with a known amount of silver applied in advance. Next, the method for obtaining the mole number A of the total silver amount in the photothermographic material can be obtained by obtaining the total coated silver amount from the fluorescent X-ray intensity using an undeveloped photothermographic material.
[0323]
The photothermographic material of the present invention preferably has a silver development rate of 70% or more at the maximum density. More preferably, it is 80% or more.
[0324]
A higher silver development rate is preferable because the utilization efficiency of the organic silver salt is higher, and a higher maximum density can be obtained with a smaller amount of the organic silver salt. As a result of diligent analysis on the silver development rate, the present inventors have found that a part of the organic silver salt is converted to silver halide by the organic polyhalogen compound, and the silver development rate is high if sufficiently developed. However, it has been found that optimum photographic properties (for example, fog, image color tone, gradation, etc.) can be obtained under developing conditions with a lower silver development rate. Therefore, maintaining the characteristics of the photothermographic material such as storage stability, photographic performance, or rapid developability and increasing the silver development rate is a fundamental and permanent requirement always required in the design of photothermographic materials. It was a challenge.
In particular, among the photographic characteristics, the image color tone is highly dependent on the silver development rate, and it has not been easy to obtain a high development rate at the same time while obtaining the optimum developed silver color tone.
[0325]
Image color tone can be evaluated by sensory evaluation, but quantitatively, a defined in JIS Z8729 standard*b*Hue angle obtained from coordinates (hab).
[0326]
3) System
As a medical laser imager provided with an exposure part and a heat development part, Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL and DryPIX7000 can be exemplified. Regarding FM-DPL, Fuji Medical Review No. 8, pages 39 to 55, and it goes without saying that those techniques are applied as a laser imager of the photothermographic material of the present invention. Further, it can also be applied as a photothermographic material for a laser imager in “AD network” proposed by Fuji Film Medical Co., Ltd. as a network system adapted to the DICOM standard.
[0327]
(Use of the present invention)
The photothermographic material of the present invention forms a black and white image by a silver image, and is used as a photothermographic material for medical diagnosis, a photothermographic material for industrial photography, a photothermographic material for printing, and a photothermographic material for COM. It is preferably used.
[0328]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
Example 1
[0329]
(Preparation of PET support)
1) Film formation)
Using terephthalic acid and ethylene glycol, PET having an intrinsic viscosity of IV = 0.66 (measured at 25 ° C. in phenol / tetrachloroethane = 6/4 (weight ratio)) was obtained according to a conventional method. This was pelletized, dried at 130 ° C. for 4 hours, melted at 300 ° C., extruded from a T-die and quenched, and an unstretched film having a thickness of 175 μm after heat setting was prepared.
[0330]
This was longitudinally stretched 3.3 times using rolls with different peripheral speeds, and then stretched 4.5 times with a tenter. The temperatures at this time were 110 ° C. and 130 ° C., respectively. Thereafter, the film was heat-fixed at 240 ° C. for 20 seconds and relaxed by 4% in the lateral direction at the same temperature. After slitting the chuck part of the tenter, knurling is performed on both ends and 4 kg / cm.2And a roll having a thickness of 175 μm was obtained.
[0331]
2) Surface corona discharge treatment
Using a solid state corona discharge treatment machine 6KVA model manufactured by Pillar, both surfaces of the support were treated at room temperature at 20 m / min. From the current and voltage readings at this time, the support is 0.375 kV · A · min / m.2It was found that the process was done. The treatment frequency at this time was 9.6 kHz, and the gap clearance between the electrode and the dielectric roll was 1.6 mm.
[0332]
3) Undercoat
1) Preparation of undercoat layer coating solution
Formulation (1) (for the undercoat layer on the photosensitive layer side)
59 g of pesresin A-520 (30% by mass solution) manufactured by Takamatsu Yushi Co., Ltd.
Polyethylene glycol monononyl phenyl ether
(Average number of ethylene oxides = 8.5) 5.4 g of 10% by mass solution
MP-1000 (polymer fine particles, average particle size 0.4 μm) 0.91 g manufactured by Soken Chemical Co., Ltd.
935 ml of distilled water
[0333]
[0334]
Formula (3) (Back side 2nd layer)
SnO2/ SbO (9/1 mass ratio, average particle size 0.038 μm, 17 mass% dispersion) 84 g
Gelatin (10 mass% aqueous solution) 89.2g
8.6 g, manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., Metroz TC-5 (2% by weight aqueous solution)
MP-1000 0.01g made by Soken Chemical Co., Ltd.
10% 1% by weight aqueous solution of sodium dodecylbenzenesulfonate
NaOH (1% by mass) 6 ml
Proxel (ICI) 1ml
805 ml of distilled water
[0335]
2) Undercoat
After both surfaces of the biaxially stretched polyethylene terephthalate support having a thickness of 175 μm are subjected to the corona discharge treatment, the undercoat coating solution formulation {circle around (1)} is applied to one surface (photosensitive layer surface) with a wire bar. .6ml / m2(Per side) and dried at 180 ° C. for 5 minutes, and then the undercoat coating solution formulation (2) is applied to the back surface (back surface) with a wire bar at a wet coating amount of 5.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 5 minutes, and further, the undercoat coating solution formulation (3) is applied to the back surface (back surface) with a wire bar at a wet coating amount of 7.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 6 minutes to prepare an undercoat support.
[0336]
(Back layer)
1) Adjustment of back layer coating solution
(Preparation of solid fine particle dispersion (a) of base precursor)
2.5 kg of the base precursor compound 1 and 300 g of surfactant (trade name: Demol N, manufactured by Kao Corporation), 800 g of diphenylsulfone, 1.0 g of benzoisothiazolinone sodium salt and distilled water were added to make a total amount of 8 Then, the mixture was dispersed with beads using a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.). In the dispersion method, the mixed solution was fed to UVM-2 filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm by a diaphragm pump, and dispersed at an internal pressure of 50 hPa or more until a desired average particle size was obtained.
The dispersion was subjected to spectral absorption measurement, and the ratio of absorbance at 450 nm to absorbance at 650 nm (D450 / D650) in the spectral absorption of the dispersion was dispersed to 3.0. The obtained dispersion was diluted with distilled water so that the concentration of the base precursor was 25% by weight, and was filtered for removal of dust (polypropylene filter having an average pore size of 3 μm) for practical use.
[0337]
2) Preparation of dye solid fine particle dispersion
6.0 kg of cyanine dye compound-1 and 3.0 kg of sodium p-dodecylbenzenesulfonate, 0.6 kg of surfactant Demol SNB manufactured by Kao Corporation, and antifoaming agent (trade name: Surfynol 104E, Nissin Chemical) 0.15 kg manufactured by Co., Ltd. was mixed with distilled water to make a total liquid volume of 60 kg. The mixed solution was dispersed with 0.5 mm zirconia beads using a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Corporation).
The dispersion was subjected to spectral absorption measurement and dispersed until the ratio of the absorbance at 650 nm to the absorbance at 750 nm (D650 / D750) in the spectral absorption of the dispersion was 5.0 or more. The obtained dispersion was diluted with distilled water so that the concentration of the cyanine dye was 6% by mass, and subjected to filter filtration (average pore size: 1 μm) for removing dust.
[0338]
3) Preparation of antihalation layer coating solution
The container is kept at 40 ° C., and gelatin is dissolved by adding 40 g of gelatin, 20 g of monodisperse polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 8 μm, particle size standard deviation 0.4), 0.1 g of benzoisothiazolinone, and 490 ml of water. It was. Further, 2.3 ml of 1 mol / l sodium hydroxide aqueous solution, 40 g of the above dye solid fine particle dispersion, 90 g of the solid fine particle dispersion (a) of the above base precursor, 12 ml of 3% by weight aqueous solution of sodium polystyrenesulfonate, 10 mass of SBR latex % Liquid 180 g was mixed. Immediately before coating, 80 ml of a 4% by weight aqueous solution of N, N-ethylenebis (vinylsulfonacetamide) was mixed to obtain a coating solution for preventing halation.
[0339]
4) Preparation of back surface protective layer coating solution
The container was kept at 40 ° C., and 40 g of gelatin, 35 mg of benzoisothiazolinone, and 840 ml of water were added to dissolve the gelatin. Further, 5.8 ml of 1 mol / l sodium hydroxide aqueous solution, 1.5 g of liquid paraffin emulsion as liquid paraffin, 10 ml of 5% by weight aqueous solution of di (2-ethylhexyl) sodium sulfosuccinate, 20 ml of 3% by weight aqueous sodium polystyrene sulfonate solution , 2.4 ml of 2% solution of fluorosurfactant (F-1), 2.4 ml of 2 wt% solution of fluorosurfactant (F-2), methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / Acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 57/8/28/5/2) Latex 19% liquid 32g was mixed. Immediately before coating, 25 ml of a 4% by weight N, N-ethylenebis (vinylsulfone acetamide) aqueous solution was mixed to prepare a coating solution for the back surface protective layer.
[0340]
4) Application of back layer
On the back surface side of the undercoat support, the gelatin coating amount of the antihalation layer coating solution is 0.52 g / m.2In addition, the back surface protective layer coating solution has a gelatin coating amount of 1.7 g / m.2A multi-layer coating was applied and dried to form a back layer.
[0341]
(Image forming layer, intermediate layer, and surface protective layer)
1. Preparation of coating materials
1) Silver halide emulsion
(Preparation of silver halide emulsion 1)
A solution prepared by adding 3.1 ml of 1% by mass potassium bromide solution to 1421 ml of distilled water and further adding 3.5 ml of 0.5 mol / L sulfuric acid and 31.7 g of phthalated gelatin was stirred in a stainless steel reaction vessel. While maintaining the liquid temperature at 40 ° C., the solution A diluted with 92.2 ml of distilled water added to 22.22 g of silver nitrate, 15.3 g of potassium bromide and 0.8 g of potassium iodide in a distilled water volume of 97.4 ml. The whole amount of the solution B diluted to 1 was added at a constant flow rate over 45 seconds. 1 x 10 per mole of silver-4The total amount of iridium hexachloride (III) potassium salt was added in a molar amount 20 seconds after the start of addition of solution A and solution B. Thereafter, 10 ml of a 3.5% by mass aqueous hydrogen peroxide solution was added, and 10.8 ml of a 10% by mass aqueous solution of benzimidazole was further added. Further, a solution C in which distilled water was added to 51.86 g of silver nitrate to be diluted to 317.5 ml, a solution D in which 44.2 g of potassium bromide and 2.2 g of potassium iodide were diluted with distilled water to a volume of 400 ml was added to solution C. Was added at a constant flow rate over 20 minutes, and solution D was added by the controlled double jet method while maintaining pAg at 8.1. In addition, 5 seconds after completion of the addition of the solution C, an aqueous solution of potassium iron (II) hexacyanide was added at 3 × 10 5 per mol of silver.-4The whole molar amount was added. The pH was adjusted to 3.8 using 0.5 mol / L sulfuric acid, stirring was stopped, and a precipitation / desalting / water washing step was performed. The pH was adjusted to 5.9 with 1 mol / L sodium hydroxide to prepare a silver halide dispersion having a pAg of 8.0.
[0342]
The silver halide dispersion was maintained at 38 ° C. with stirring, 5 ml of a 0.34 mass% 1,2-benzisothiazolin-3-one methanol solution was added, and the temperature was raised to 47 ° C. after 40 minutes. 20 minutes after the temperature rise, sodium benzenethiosulfonate was 7.6 × 10 6 in 1 mol of silver with a methanol solution.-55 minutes later, tellurium sensitizer C was added with methanol solution to 3.5 × 10 5 per mole of silver.-4Mole was added and aged for 91 minutes. Thereafter, a methanol solution having a molar ratio of the spectral sensitizing dye A and the sensitizing dye B of 3: 1 was 1.4 × 10 4 as the sum of the sensitizing dyes A and B per mole of silver.-3After 1 minute, 1.3 ml of a 0.8% by weight methanol solution of N, N′-dihydroxy-N ″ -diethylmelamine was added, and after 4 minutes, 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole was added with a methanol solution. 4.8 x 10 per mole of silver-3Mole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole in a methanol solution to 5.4 × 10 5 per mole of silver-3Mole and 1- (3-Methylureidophenyl) -5-mercaptotetrazole in aqueous solution to 8.5 × 10 5 per mole of silver-3A silver halide emulsion 1 was prepared by adding a molar amount.
[0343]
The grains in the silver halide emulsion thus prepared were silver iodobromide grains containing 3.5 mol% of iodine with an average sphere equivalent diameter of 0.06 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%. The particle size and the like were determined from an average of 1000 particles using an electron microscope. The [100] face ratio of the particles was determined to be 80% using the Kubelka-Munk method.
[0344]
(Preparation of silver halide emulsion 2)
In the preparation of silver halide emulsion 1, silver halide emulsion 2 was prepared in the same manner except that the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 40 ° C. to 33 ° C. The emulsion grains of the silver halide emulsion 2 were silver iodobromide cubic grains containing 3.5 mol% of iodine having an average sphere equivalent diameter of 0.045 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%.
[0345]
(Preparation of silver halide emulsion 3)
A silver halide emulsion 3 was obtained in the same manner as the emulsion 1 except that the liquid temperature at the time of grain formation was changed to 28 ° C. in the preparation of the silver halide emulsion 1. The emulsion grains of the silver halide emulsion 3 were silver iodobromide grains containing 3.5 mol% of iodine with an average sphere equivalent diameter of 0.035 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 20%.
[0346]
(Preparation of diluted emulsions 1 to 3 for coating solution)
Each silver halide emulsion was dissolved, and benzothiazolium iodide was dissolved in a 1% by mass aqueous solution at 7 × 10 5 per mol of silver.-3Mole was added. Further, water is added so that the silver halide content per kg of the diluted emulsion for coating solution is 31.8 g as silver, and 1- (3-methylureidophenyl) is adjusted to 0.34 g per kg of the diluted emulsion for coating solution. -5-mercaptotetrazole was added.
Further, as "a compound in which a one-electron oxidant produced by one-electron oxidation can emit one or more electrons", each of compounds 1, 20 and 26 is 2 × 10 2 per mole of silver halide.-3Molar amounts were added.
[0347]
2) Preparation of fatty acid silver dispersion A
Henkel behenic acid (product name Edenor C22-85R) 87.6 Kg, distilled water 423 L, 5 mol / L NaOH aqueous solution 49.2 L, t-butyl alcohol 120 L were mixed, and the reaction was stirred at 75 ° C. for 1 hour. To obtain a sodium behenate solution A. Separately, 206.2 L (pH 4.0) of an aqueous solution containing 40.4 kg of silver nitrate was prepared and kept warm at 10 ° C. A reaction vessel containing 635 L of distilled water and 30 L of t-butyl alcohol was kept at 30 ° C., and with sufficient stirring, the total amount of the previous sodium behenate solution A and the total amount of silver nitrate aqueous solution were kept at a constant flow rate for 93 minutes 15 Added over seconds and 90 minutes. At this time, only the aqueous silver nitrate solution is added for 11 minutes after the start of the addition of the aqueous silver nitrate solution, and then the addition of the sodium behenate solution A is started. Was added. At this time, the temperature in the reaction vessel was 30 ° C., and the external temperature was controlled so that the liquid temperature was constant. The pipe of the addition system for the sodium behenate solution A was prepared by keeping warm by circulating hot water outside the double pipe so that the liquid temperature at the outlet at the tip of the addition nozzle was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution A and the addition position of the aqueous silver nitrate solution were arranged symmetrically around the stirring axis, and were adjusted so as not to contact the reaction solution.
[0348]
After completion of the addition of sodium behenate solution A, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, heated to 35 ° C. over 30 minutes, and then aged for 210 minutes. Immediately after completion of aging, the solid content was separated by centrifugal filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of filtered water reached 30 μS / cm. Thus, a fatty acid silver salt was obtained. The obtained solid content was stored as a wet cake without drying.
[0349]
When the morphology of the obtained silver behenate particles was evaluated by electron microscope photography, the average values were a = 0.14 μm, b = 0.4 μm, c = 0.6 μm, average aspect ratio 5.2, average sphere equivalent diameter. It was a flake-like crystal having a variation coefficient of 15% for a sphere equivalent diameter of 0.52 μm. (A, b, and c are the text provisions)
[0350]
19.3 kg of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217) and water are added to a wet cake corresponding to a dry solid content of 260 kg, and the whole amount is set to 1000 kg, and then slurried with a dissolver blade, and further a pipeline mixer (manufactured by Mizuho Kogyo Co., Ltd.). : PM-10 type).
[0351]
Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1260 kg / cm of a disperser (trade name: Microfluidizer M-610, manufactured by Microfluidics International Corporation, using a Z-type interaction chamber).2And was treated three times to obtain a silver behenate dispersion. The cooling operation was carried out by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber, and adjusting the temperature of the refrigerant to a dispersion temperature of 18 ° C.
[0352]
3) Preparation of reducing agent dispersion
(Preparation of dispersion of comparative reducing agent S-1)
Comparative reducing agent S-1 (6,6′-di-t-butyl-4,4′-dimethyl-2,2′-butylidenephenol) and 10 kg of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203) 10 kg of 10% by weight aqueous solution of 10) of water was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, dispersed for 3 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0. 2 g and water were added to prepare a reducing agent concentration of 25% by mass. This dispersion was heat-treated at 60 ° C. for 5 hours to obtain a comparative reducing agent S-1 dispersion. The reducing agent particles contained in the reducing agent dispersion thus obtained had a median diameter of 0.50 μm and a maximum particle diameter of 1.6 μm or less. The obtained reducing agent dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0353]
(Preparation of dispersion of reducing agent of the present invention)
(The reducing agent dispersion preparation of the present invention was prepared in the same manner as the preparation of the comparative reducing agent S-1 dispersion. The reducing agent of the present invention used is shown in Table 1.
[0354]
[0355]
4) Preparation of hydrogen bonding compound-1 dispersion
10 kg of water is added to 10 kg of a 10 wt% aqueous solution of hydrogen bonding compound-1 (tri (4-t-butylphenyl) phosphine oxide) and denatured polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203). Mix to make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, and dispersed for 4 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare a hydrogen bonding compound concentration of 25% by mass. This dispersion was heated at 40 ° C. for 1 hour and then further heated at 80 ° C. for 1 hour to obtain a hydrogen bonding compound-1 dispersion. The hydrogen bonding compound particles contained in the hydrogen bonding compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.45 μm and a maximum particle diameter of 1.3 μm or less. The obtained hydrogen bonding compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0356]
5) Preparation of development accelerator-1 dispersion
To 10 kg of development accelerator-1 and 20 kg of a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203), 10 kg of water was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 3 hours 30 minutes in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0.2 g and water were added to adjust the concentration of the development accelerator to 20% by mass to obtain a development accelerator-1 dispersion. The development accelerator particles contained in the development accelerator dispersion thus obtained had a median diameter of 0.48 μm and a maximum particle diameter of 1.4 μm or less. The obtained development accelerator dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
6) Preparation of dispersion of development accelerator-2
The solid dispersion of Development Accelerator-2 was also dispersed by the same method as Development Accelerator-1, and a 20% by mass dispersion was obtained.
[0357]
7) Preparation of polyhalogen compound
(Preparation of organic polyhalogen compound-1 dispersion)
10 kg of organic polyhalogen compound-1 (tribromomethanesulfonylbenzene), 10 kg of a 20% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Poval MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd.), 0.4 kg of a 20% by weight aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate, Then, 14 kg of water was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare an organic polyhalogen compound concentration of 26% by mass to obtain an organic polyhalogen compound-1 dispersion. The organic polyhalogen compound particles contained in the polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.41 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0358]
(Preparation of organic polyhalogen compound-2 dispersion)
10 kg of organic polyhalogen compound-2 (N-butyl-3-tribromomethanesulfonylbenzoamide), 20 kg of a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Poval MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd.), and 20 of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate 0.4 kg of a mass% aqueous solution was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare an organic polyhalogen compound concentration of 30% by mass. This dispersion was heated at 40 ° C. for 5 hours to obtain an organic polyhalogen compound-2 dispersion. The organic polyhalogen compound particles contained in the polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.40 μm and a maximum particle diameter of 1.3 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0359]
8) Preparation of phthalazine compound-1 solution
8 kg of modified polyvinyl alcohol MP203 manufactured by Kuraray Co., Ltd. was dissolved in 174.57 kg of water, and then 3.15 kg of a 20 wt% aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate and 70 wt% of phthalazine compound-1 (6-isopropylphthalazine). % Aqueous solution 14.28 kg was added to prepare a 5 mass% solution of phthalazine compound-1.
[0360]
9) Preparation of mercapto compound
(Preparation of mercapto compound-1 aqueous solution)
7 g of mercapto compound-1 (1- (3-sulfophenyl) -5-mercaptotetrazole sodium salt) was dissolved in 993 g of water to obtain a 0.7% by mass aqueous solution.
[0361]
(Preparation of mercapto compound-2 aqueous solution)
20 g of mercapto compound-2 (1- (3-methylureidophenyl) -5-mercaptotetrazole) was dissolved in 980 g of water to obtain a 2.0 mass% aqueous solution.
[0362]
10) Preparation of pigment-1 dispersion
C. I. Pigment Blue 60 (64 g) and Kao Corp. Demol N (6.4 g) were added to 250 g of water and mixed well to obtain a slurry. Prepare 800 g of zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, put them in a vessel together with the slurry, and disperse with a disperser (1/4 G sand grinder mill: manufactured by IMEX Co., Ltd.) for 25 hours. A pigment-1 dispersion was obtained by adjusting the concentration to 5% by mass. The pigment particles contained in the pigment dispersion thus obtained had an average particle size of 0.21 μm.
[0363]
11) Preparation of SBR latex solution
The SBR latex was prepared as follows.
In a polymerization kettle of a gas monomer reactor (TAS-2J type manufactured by Pressure Glass Industrial Co., Ltd.), 287 g of distilled water and a surfactant (Pionin A-43-S (manufactured by Takemoto Yushi Co., Ltd.)): solid content 48.5 (Mass%) 7.73 g, 1 mol / liter NaOH 14.06 ml, ethylenediaminetetraacetic acid tetrasodium salt 0.15 g, styrene 255 g, acrylic acid 11.25 g, tert-dodecyl mercaptan 3.0 g were put, the reaction vessel was sealed and the stirring speed was Stir at 200 rpm. After degassing with a vacuum pump and repeating nitrogen gas replacement several times, 108.75 g of 1,3-butadiene was injected to raise the internal temperature to 60 ° C. A solution obtained by dissolving 1.875 g of ammonium persulfate in 50 ml of water was added thereto, and the mixture was stirred as it was for 5 hours. The mixture was further heated to 90 ° C. and stirred for 3 hours. After the reaction was completed, the internal temperature was lowered to room temperature, and then 1 mol / liter NaOH and NH.4Na with OH+Ion: NH4 +The addition treatment was performed so that the ion was 1: 5.3 (molar ratio), and the pH was adjusted to 8.4. Thereafter, the mixture was filtered with a polypropylene filter having a pore size of 1.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored, and 774.7 g of SBR latex was obtained. When the halogen ions were measured by ion chromatography, the chloride ion concentration was 3 ppm. As a result of measuring the concentration of the chelating agent by high performance liquid chromatography, it was 145 ppm.
[0364]
The latex has an average particle size of 90 nm, Tg = 17 ° C., solid content concentration of 44 mass%, equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH, 0.6 mass%, ion conductivity of 4.80 mS / cm (measurement of ion conductivity is A latex stock solution (44 mass%) was measured at 25 ° C. using a conductivity meter CM-30S manufactured by Toa Denpa Kogyo Co., Ltd.).
[0365]
2. Adjustment of coating solution
1) Preparation of image forming layer coating solutions-1-25
The fatty acid silver dispersion A obtained above is added so as to have the silver amount shown in Table 1, and water, pigment-1 dispersion, organic polyhalogen compound-1 dispersion, organic polyhalogen compound-2 dispersion, phthalazine compound -1 solution, SBR latex (Tg: 17 ° C) liquid, present invention and comparative reducing agent dispersion (shown in Table 1), hydrogen bonding compound-1 dispersion, development accelerator-1 dispersion, mercapto compound- 1 aqueous solution and mercapto compound-2 aqueous solution were sequentially added so as to have the following coating amounts, and a silver halide diluted emulsion (shown in Table 1) was added immediately before coating, and the well-mixed image forming layer coating solution was left as it was The solution was fed to the coating die and applied.
[0366]
The viscosity of the image forming layer coating solution-1 was 40 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
The viscosity of the coating solution at 38 ° C. using a Haake RheoStress RS150 is 30, 43, 41, 28, 20 [mPa · s] at shear rates of 0.1, 1, 10, 100, 1000 [1 / second], respectively. s].
[0367]
The amount of zirconium in the coating solution was 0.30 mg per 1 g of silver.
[0368]
2) Preparation of intermediate layer coating solution
Polyvinyl alcohol PVA-205 (manufactured by Kuraray Co., Ltd.) 1000 g, pigment-1 dispersion 163 g, blue dye compound-1 (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd .: Kayafect Turquoise RN Liquid 150) aqueous solution 33 g, sulfosuccinic acid di ( 2-ethylhexyl) sodium salt 5% aqueous solution 27 ml, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 57/8/28/5/2) latex 19% by weight solution 4200 ml 27 ml of 5% by mass aqueous solution of Aerosol OT (manufactured by American Cyanamid Co., Ltd.), 135 ml of 20% by mass aqueous solution of diammonium phthalate, and water so that the total amount becomes 10000 g, so that the pH becomes 7.5 The intermediate layer coating solution was adjusted with NaOH to 8.9 m / M2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 58 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0369]
3) Preparation of surface protective layer first layer coating solution
100 g of inert gelatin and 10 mg of benzoisothiazolinone are dissolved in 840 ml of water, and a methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 57/8/28/5/2) latex 19 180% by weight of liquid, 46 ml of 15% by weight methanol solution of phthalic acid, and 5.4 ml of 5% by weight aqueous solution of di (2-ethylhexyl) sulfosuccinate sodium salt were added and mixed. 40ml mixed with static mixer, coating solution amount is 26.1ml / m2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 20 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0370]
4) Preparation of surface protective layer second layer coating solution
Inert gelatin (100 g) and benzoisothiazolinone (10 mg) are dissolved in 800 ml of water, and liquid paraffin emulsion is 8.0 g as liquid paraffin, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio). 57/8/28/5/2) 180 g of latex 19% by weight, 40 ml of phthalic acid 15% by weight methanol solution, 5.5 ml of 1% by weight of fluorosurfactant (F-1), fluorosurfactant 5.5% of 1% by weight aqueous solution of the agent (F-2), 28 ml of 5% by weight aqueous solution of di (2-ethylhexyl) sodium sulfosuccinate, 4 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 0.7 μm), polymethyl A mixture of 21 g of methacrylate fine particles (average particle size 4.5 μm) 8.3 ml / m with a surface protective layer coating solution2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 19 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0371]
3. Preparation of photothermographic material
A photothermographic material sample was applied simultaneously on the surface opposite to the back surface by the slide bead coating method in the order of the image forming layer, intermediate layer, surface protective layer first layer, and surface protective layer second layer from the undercoat surface. It was created. At this time, the coating solution for the image forming layer and the intermediate layer was adjusted to 31 ° C., the coating solution for the first surface protective layer was adjusted to 36 ° C., and the coating solution for the second surface protective layer was adjusted to 37 ° C.
Coating amount of each compound in the image forming layer (g / m2) Is as follows.
[0372]
Pigment (C.I. Pigment Blue 60) 0.036
Polyhalogen compound-1 0.12
Polyhalogen compound-2 0.26
Phthalazine Compound-1 0.20
SBR latex 9.70
Hydrogen bonding compound-1 0.30
Development accelerator-1 0.02
Mercapto Compound-1 0.002
Mercapto compound-2 0.012
Silver halide (as Ag) 0.08
[0373]
The coating and drying conditions are as follows.
The coating was performed at a speed of 160 m / min, the gap between the coating die tip and the support was set to 0.10 to 0.30 mm, and the pressure in the decompression chamber was set to be 196 to 882 Pa lower than the atmospheric pressure. The support was neutralized with an ion wind before coating.
In the subsequent chilling zone, after cooling the coating solution with wind at a dry bulb temperature of 10 to 20 ° C., the coating solution is transported in a non-contact manner, and dried at a dry bulb temperature of 23 to 45 ° C. It dried with the dry wind of the wet bulb temperature 15-21 degreeC.
After drying, the humidity was adjusted at 25 ° C. and humidity of 40 to 60% RH, and then the film surface was heated to 70 to 90 ° C. After heating, the film surface was cooled to 25 ° C.
The photothermographic material thus prepared had a Beck smoothness of 550 seconds on the photosensitive layer surface side and 130 seconds on the back surface. Further, the pH of the film surface on the photosensitive layer surface side was measured and found to be 6.0.
[0374]
The chemical structures of the compounds used in the examples of the present invention are shown below.
[0375]
Embedded image
[0376]
Embedded image
[0377]
Embedded image
[0378]
Embedded image
[0379]
4). Evaluation of photographic performance
1) Preparation
The obtained sample was cut into half-cut sizes, packaged in the following packaging materials in an environment of 25 ° C. and 50% RH, stored at room temperature for 2 weeks, and then evaluated as follows.
(Packaging material)
PET 10 μm / PE 12 μm / Aluminum foil 9 μm / Ny 15 μm / Polyethylene 50% polyethylene containing 3% carbon
Oxygen permeability: 0.02 ml / atm · m2・ 25 ° C./day, moisture permeability: 0.10 g / atm · m2・ 25 ℃ ・ day
[0380]
2) Exposure and development of photosensitive materials
Each sample was exposed with Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL (mounted with a 660 nm semiconductor laser with a maximum output of 60 mW (IIIB)), and thermally developed (112 ° C. to 119 ° C. to 121 ° C. to 121 ° C. set to 4 ° C. For a total of 24 seconds).
The obtained image was evaluated with a densitometer.
[0381]
3) Evaluation of photographic performance
(Dark thermal image preservation)
The sample after the heat development treatment was allowed to stand at 1000 lux under a fluorescent lamp for 10 minutes, and then stored for 7 days in a light-shielded environment at 50 ° C. and 70% RH. Density fluctuation (ΔD) at a density of 3.3 immediately after heat development3.3) Was measured.
(Measurement of hue angle)
CIE standard a defined in JIS Z8729 standard at a concentration of 1.2*b*The angle obtained from the coordinates.
The medical sensitive material is preferably in the range of 180 ° to 270 °, more preferably in the range of 210 ° to 260 °.
[0382]
The obtained results are shown in Table 1.
[0383]
[Table 1]
[0384]
The sample of the present invention had a preferable image color tone and good image storage stability.
[0385]
Example 2
1. Preparation of photothermographic material
(Preparation of image forming layer coating solutions 2-1 to 2-25)
Fatty acid silver dispersion B is added so as to have the silver amount shown in Table 2, 135 ml of water, 36 g of pigment-1 dispersion, 25 g of organic polyhalogen compound-1 dispersion, 39 g of organic polyhalogen compound-2 dispersion, phthalazine Add 171 g of Compound-1 solution, 1060 g of SBR latex (Tg: 17 ° C.) liquid, and the present invention and the comparative reducing agent dispersion (shown in Table 2) in such an amount that the amount of reducing agent is 0.16 mol per mol of silver. , 55 g of hydrogen bonding compound-1 dispersion, 4.8 g of development accelerator-1 dispersion, 5.2 g of development accelerator-2 dispersion, 8 ml of mercapto compound-2 aqueous solution, 2.1 g of color tone adjusting agent-1 dispersion Then, 8 ml of the mercapto compound-2 aqueous solution was sequentially added, and 140 g of a silver halide diluted emulsion (shown in Table 2) was added immediately before coating, and the well-mixed image forming layer coating solution was used as is for the coating die. Feeding, and was applied.
The viscosity of the image forming layer coating solution 2-1 was 40 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
The viscosity of the coating solution at 38 ° C. using a Haake RheoStress RS150 is 30, 43, 41, 28, 20 [mPa · s] at shear rates of 0.1, 1, 10, 100, 1000 [1 / second], respectively. s].
[0386]
The amount of zirconium in the coating solution was 0.30 mg per 1 g of silver.
[0387]
(Preparation of fatty acid silver dispersion B)
1) Preparation of recrystallized behenic acid
Henkel behenic acid (product name Edenor C22-85R) 100 kg was mixed in 1200 kg isopropyl alcohol, dissolved at 50 ° C., filtered through a 10 μm filter, cooled to 30 ° C., and recrystallized. The cooling speed during recrystallization was controlled at 3 ° C./hour. The obtained crystals were centrifugally filtered, washed with 100 kg of isopropyl alcohol, and then dried. When the obtained crystals were esterified and subjected to GC-FID measurement, the behenic acid content was 96%, and in addition, 2% lignoceric acid, 2% arachidic acid, and 0.001% erucic acid were contained.
[0388]
2) Preparation of fatty acid silver dispersion
Recrystallized behenic acid 88 kg, distilled water 422 L, 5 mol / L NaOH aqueous solution 49.2 L and t-butyl alcohol 120 L were mixed and stirred at 75 ° C. for 1 hour to react to obtain sodium behenate solution B. Separately, 206.2 L (pH 4.0) of an aqueous solution containing 40.4 kg of silver nitrate was prepared and kept warm at 10 ° C. A reaction vessel containing 635 L of distilled water and 30 L of t-butyl alcohol was kept at 30 ° C., and with sufficient stirring, the total amount of the previous sodium behenate solution B and the total amount of silver nitrate aqueous solution were kept at a constant flow rate for 93 minutes 15 Added over seconds and 90 minutes. At this time, only the silver nitrate aqueous solution is added for 11 minutes after the start of the addition of the silver nitrate aqueous solution, and then the addition of the sodium behenate solution B is started. After the addition of the silver nitrate aqueous solution, only the sodium behenate solution B is added for 14 minutes and 15 seconds Was added. At this time, the temperature in the reaction vessel was 30 ° C., and the external temperature was controlled so that the liquid temperature was constant. The pipe of the addition system for the sodium behenate solution B was kept warm by circulating hot water outside the double pipe so that the liquid temperature at the outlet at the tip of the addition nozzle was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution B and the addition position of the silver nitrate aqueous solution were symmetrically arranged around the stirring axis, and were adjusted so as not to contact the reaction solution.
[0389]
After completion of the addition of the sodium behenate solution B, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, heated to 35 ° C. over 30 minutes, and then aged for 210 minutes. Immediately after completion of aging, the solid content was separated by centrifugal filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of filtered water reached 30 μS / cm. Thus, a fatty acid silver salt was obtained. The obtained solid content was stored as a wet cake without drying.
When the morphology of the obtained silver behenate particles was evaluated by electron microscope photography, the average values were a = 0.21 μm, b = 0.4 μm, c = 0.4 μm, average aspect ratio 2.1, and equivalent sphere diameter. The crystal had a coefficient of variation of 11%. (A, b, and c are the text provisions)
[0390]
19.3 kg of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217) and water are added to a wet cake corresponding to a dry solid content of 260 kg, and the whole amount is set to 1000 kg, and then slurried with a dissolver blade, and further a pipeline mixer (manufactured by Mizuho Kogyo Co., Ltd.). : PM-10 type).
[0390]
Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1150 kg / cm of a dispersing machine (trade name: Microfluidizer M-610, manufactured by Microfluidics International Corporation, using a Z-type interaction chamber).2And was treated three times to obtain a silver behenate dispersion. The cooling operation was carried out by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber, and adjusting the temperature of the refrigerant to a dispersion temperature of 18 ° C.
[0392]
(Application)
In the same manner as in Example 1, only the image forming layer coating solution was changed and applied.
Coating amount of each compound in the image forming layer (g / m2) Is as follows.
[0393]
Pigment (C.I. Pigment Blue 60) 0.036
Polyhalogen compound-1 0.13
Polyhalogen compound-2 0.20
Phthalazine Compound-1 0.20
SBR latex 9.43
Hydrogen bonding compound-1 0.14
Development accelerator-1 0.019
Development accelerator-2 0.016
Color tone adjuster-1 0.006
Mercapto compound-2 0.003
Silver halide (as Ag) 0.09
[0394]
2. Performance evaluation
(Exposure, heat development)
Each panel was exposed with Fuji Medical Co., Ltd. dry laser imager DRYPIX7000 (mounted with a 660 nm semiconductor laser with a maximum output of 50 mW (IIIB)) and heat developed (three panel heaters set at 107 ° C-121 ° C-121 ° C) For a total of 14 seconds).
[0395]
[Table 2]
[0396]
The obtained results are shown in Table 2. The sample of the present invention had a preferable image color tone and good image storage stability.
[0397]
【The invention's effect】
The present invention provides a photothermographic material having improved image color tone and image storage stability at the same time.