JP2004233644A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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JP2004233644A JP2003021999A JP2003021999A JP2004233644A JP 2004233644 A JP2004233644 A JP 2004233644A JP 2003021999 A JP2003021999 A JP 2003021999A JP 2003021999 A JP2003021999 A JP 2003021999A JP 2004233644 A JP2004233644 A JP 2004233644A
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Toshiki Hayamizu
俊樹 速水
Hidetoshi Katayanagi
秀敏 片柳
Hajime Tanaka
一 田中
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Abstract

【課題】加熱ローラまたは加圧ローラの表面に亀裂が生じることが抑止されることによって、あるいは溶融トナーの加熱ローラからの分離性を向上させ、加熱ローラにおけるオフセット現象が抑止されることによって、長期間に亘って安定した定着を行うことができる定着装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】緩衝層を形成する緩衝層形成材料の伸び率の値が、弾性層を形成する弾性層形成材料の伸び率の値との差の絶対値が100%以下となることにより、あるいは緩衝層形成材料の伸び率の値が、弾性層形成材料の伸び率の値および離型層を形成する離型層形成材料の伸び率の値の範囲であることにより、加熱ローラおよび加圧ローラの表面に亀裂が生じることが抑止される。また、加熱ローラの離型層の表面における溶融トナーの接触角度を規定することにより、溶融トナーの加熱ローラからの分離性を向上させることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真を形成する画像形成装置においては、記録材の一面に一様に転写されているトナーを当該記録材に熱定着させるために、記録材の一面に接する加熱ローラと、この加熱ローラに圧接されるよう配置された加圧ローラとを備えてなる定着装置が広く用いられている。
【0003】
トナーの記録材への熱定着は、記録材が加熱ローラと加圧ローラとの間を通過する過程において、トナー粒子が加熱され、溶融したトナーが記録材に染み込み、記録材に固着されることにより行われる。この熱定着は、加熱ローラと加圧ローラとの圧接部分(ニップ部)により形成される定着領域で行われる。
【0004】
このニップ部において、定着時に記録材にシワが発生したとき、加熱ローラまたは加圧ローラの表面に亀裂が生じることがある。これは、加熱ローラおよび加圧ローラは、伸び率が異なる材料により形成される複数の層を表面に有するところ、2つの層が隣接する界面において層形成材料の伸びの差が大きいことが原因であることが判明した。
【0005】
一方、溶融トナーの加熱ローラからの分離性を向上させるために、加熱ローラの表面にシリコーンオイルなどの離型オイルを供給する方法が用いられている。しかし、定着装置の小型化を図るためには、離型オイルを加熱ローラの表面に供給しないで定着を行う方法が有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、定着時に記録材にシワが発生したときにも、加熱ローラまたは加圧ローラの表面に亀裂が生じることが抑止され、長期間に亘って安定した定着を行うことができる定着装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、離型オイルが供給されない加熱ローラを具える定着装置において、溶融トナーの加熱ローラからの分離性が高く、加熱ローラにおけるオフセット現象を十分抑制することのできる定着装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の定着装置を備えてなる画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の定着装置は、加熱ローラと、この加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなり、
加熱ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方は、弾性層と、この弾性層の外周面を覆う緩衝層と、この緩衝層の外周面を覆う離型層とを有し、
緩衝層を形成する緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層を形成する弾性層形成材料の伸び率A(%)との差の絶対値が100%以下となる値であることを特徴とする。
【0008】
本発明の定着装置は、緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層形成材料の伸び率A(%)および離型層を形成する離型層形成材料の伸び率C(%)に対して、下記式(1)または下記式(2)が成り立つ値であることを特徴とする。
【0009】
【数2】
式(1) A≦B≦C
式(2) C≦B≦A
【0010】
本発明の定着装置は、緩衝層形成材料が、フッ素樹脂とフッ素ゴムとの混合物からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の定着装置は、加熱ローラと、この加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなり、
加熱ローラは、その表面に離型層を有し、
当該離型層の表面における溶融トナーの接触角度が45度以上であることを特徴とする。
【0012】
本発明の定着装置は、加熱ローラの離型層の硬度が55〜70°であることを特徴とする。
【0013】
本発明の定着装置は、加熱ローラの離型層の表面粗さRzが2.0μm以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載の定着装置を備えてなることを特徴とする。
【0015】
【作用】
上記のような緩衝層が弾性層と離型層との間に介在することにより、定着時に記録材にシワが発生したときにも、弾性層と離型層との間に、それらの中間の伸び特性を有する材料よりなる緩衝層が設けられていることにより、隣接する界面の各々に係る材料間の伸びの差を小さなものとすることができ、その結果、加熱ローラあるいは加圧ローラの表面に亀裂が生じることを抑止することができる。
【0016】
また、離型オイルが供給されない加熱ローラによってトナーを記録材に定着する定着装置において、加熱ローラの離型層の表面における溶融トナーの接触角度が45度以上であることにより、溶融トナーの当該離型層に対する付着力が弱くなるため、分離性が大きくなり、加熱ローラにおけるオフセット現象を十分抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の構成の一例を示す説明図、図2は、図1の画像形成装置における定着装置の構成の一例を示す説明図である。
【0018】
図1における画像形成装置は、原稿を光学的に走査して原稿の画像を読み取って画像データを形成する画像読取部11と、
この画像読取部11によって形成された画像データに基づいて、各々表面にトナー像が形成される感光体31Y、31M、31C、31Kを有する4つのトナー像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kおよび各トナー像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kにおいて形成され、一次転写された一次転写トナー像を担持するための中間転写ベルト22とを有するトナー像形成装置20と、
この中間転写ベルト22の表面に形成された一次転写トナー像を記録材の表面に転写する二次転写部12と、
記録材の表面に転写された二次転写トナー像を定着させるための定着装置40と、
画像形成が完了した記録材を搬出する搬出口15とを備えてなる。
同図において、17は中間転写ベルト用クリーニング部であり、18a、18b、18cは記録材カセットである。
【0019】
トナー像形成装置20においては、図1において矢印方向に循環移動する中間転写ベルト22は複数のローラ22a、22b、22c、22d等によって支持されており、この中間転写ベルト22の下向方向の直線状の移動路に沿って、トナー像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kがこの順に並列配置されている。
ここで、トナー像形成ユニット21Yは黄色のトナー像を形成し、トナー像形成ユニット21Mはマゼンタ色のトナー像を形成し、トナー像形成ユニット21Cはシアン色のトナー像を形成し、トナー像形成ユニット21Kは黒色のトナー像を形成するものである。
【0020】
トナー像形成ユニット21Yにおいては、一次転写部35Yにおいて中間転写ベルト22が移動する方向にあわせて回転される感光体31Yが備えられていると共に、この感光体31Yの外周面領域には、その回転方向に沿って、この感光体31Yを、例えばグリッドとコロナ放電ワイヤによるコロナ放電によって一様に帯電するための帯電部32Yと、一様に帯電した感光体31Yに対して、画像読取部11の画像のデータに基づいて例えばレーザーダイオードからレーザー光を放射して露光を行うことにより、その表面に静電荷像を形成する像露光部33Yと、感光体31Yの表面に形成された静電荷像を現像する現像部34Yと、中間転写ベルト22を介して感光体31Yを圧接する圧接用ローラ36Yと、感光体31Yに形成されたトナー像を中間転写ベルト22に一次転写させる一次転写部35Yと、感光体31Yの表面に残留している未転写トナーの除去を行う感光体用のクリーニング部37Yとが備えられている。
また、他のトナー像形成ユニット21M、21C、21Kも、各々、上記のトナー像形成ユニット21Yと同様の構成とされている。
【0021】
トナー像形成装置20は、4つのトナー像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kのすべてが作動されることにより、カラー画像を形成する機能を、あるいはトナー像形成ユニット21Kに係る感光体31Kを利用することにより、黒色のトナーのみによるモノクロ画像を形成する機能を有する。
【0022】
定着装置40は、図2に詳細に示されているように、記録材Pの未定着の二次転写トナー像が担持された面に接するよう配置された加熱ローラ41と、これに圧接されるよう設けられた加圧ローラ44とを備えてなり、加熱ローラ41と加圧ローラ44との圧接部分(ニップ部N)により定着領域が形成される。定着装置40は、当該定着領域に記録材Pが搬送されると、例えば加熱源42によって加熱された加熱ローラ41の熱が記録材Pに与えられ、記録材P上の転写トナー像の熱定着を行う機能を有する。
図2において、51および52は非接触型の温度検知手段である。また、45は、加熱ローラ用のクリーニングローラである。
【0023】
加熱ローラ41は、円筒状の芯金411、この芯金411の外周面に形成された弾性層412、この弾性層412の外周面に形成された緩衝層413およびこの緩衝層413の外周面に形成された離型層414からなり、加熱ローラ41内に例えばハロゲンランプなどのヒータよりなる加熱源42が内蔵されている。加熱ローラ41の表面に形成されている離型層414は、溶融トナーの加熱ローラ41に対する離型性を良好なものとする機能を有する。
【0024】
また、加圧ローラ44は、円筒状の芯金441、この芯金441の外周面に形成された弾性層442、この弾性層442の外周面に形成された緩衝層443およびこの弾性層443の外周面に形成された離型層444からなり、表面の離型層444は、当該加圧ローラ44の表面を平滑なものとし、加熱ローラ41および加圧ローラ44の劣化を抑止する機能を有する。
【0025】
ここで、加熱源42は、芯金411の内部において、図2において紙面に対して垂直な方向に伸びるよう配置されており、温度センサ51、52によって検知される加熱ローラ41および加圧ローラ44の表面の温度に基づき、図示しない制御手段により、加熱ローラ41および加圧ローラ44の表面の温度を設定温度域に維持する機能を有する。
加熱ローラ41は、加熱源42を内蔵せず、加熱源42は加熱ローラ41から独立して存在し、加熱ローラ41と加熱源42とに接続されるベルトコンベヤによって加熱源42の熱が加熱ローラ41に伝達される構成のものでもよい。また、加熱ローラ41が加熱源42を内蔵せず、加圧ローラ44が加熱源を有する構成とすることもできる。
【0026】
芯金411および芯金441を形成する芯金形成材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属のいずれかまたはそれらの合金を挙げることができる。
【0027】
弾性層412および弾性層442を形成する弾性層形成材料の具体例としては、例えばシリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、加熱ローラ41の弾性層412の厚みは、通常、1〜5mmであるが、熱定着作業を高速化する場合には、1〜3mmであることが好ましい。
【0028】
離型層414および離型層444を形成する離型層形成材料の具体例としては、例えばテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂などの離型性樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどの弾性体などが挙げられる。
具体的には、離型層形成材料は、例えば(1)厚さ20〜100μmのフッ素樹脂製チューブを被覆することによって形成されるもの、(2)フッ素樹脂塗料を、厚さ20〜100μmに塗布することによって形成されるもの、(3)厚さ20〜500μmのシリコーンゴムやフッ素ゴム、或いはフッ素ゴムとフッ素樹脂との混合物などを円筒状に成形加工し、その成形品を装着することによって形成されるものである。
加圧ローラ44の離型層形成材料がフッ素樹脂である場合には、当該離型層形成材料の熱伝導率が低いため、加圧ローラ44には加熱ローラ41の熱が一層伝達されにくいものとなり、加熱ローラ41に係る熱を高い効率で有効に熱定着に利用することができる。
【0029】
加圧ローラ44のローラ硬度(「製品硬度」ともいわれる。)は、加熱ローラ41のローラ硬度より大きいことが好ましく、例えば、加熱ローラ41のローラ硬度が70〜80°であり、加圧ローラ44のローラ硬度が80〜88°であることが好ましい。ここで、「ローラ硬度」は、「C型測定器」(Asker社製)を用いて測定されるローラ全体の硬度をいう。
【0030】
加圧ローラ44のローラ硬度が加熱ローラ41のローラ硬度より大きいことにより、図3に示すように、ニップ部Nの形状が、ローラ硬度の小さい加熱ローラ41側に凸となるよう歪んだものとなり、加熱ローラ41と加圧ローラ44との離型角θの大きさが、ニップ部Nの形状が歪んでいない場合の離型角に比べて大きくなる。よって、溶融トナーの加熱ローラ41に対する分離性が大きくなり、熱定着作業の高速化を図ることが容易となる。ここで、「離型角」は、加熱ローラ41と加圧ローラ44とのニップ部Nの端点における加熱ローラ41の接線と加圧ローラ44の接線とがなす角度をいう。
【0031】
加熱ローラ41と加圧ローラ44との間のローラ硬度の差が小さいときは、ニップ部Nの形状の、加熱ローラ41側への歪みの度合いが小さくなり、加熱ローラ41と加圧ローラ44の離型角が小さくなるので、溶融トナーの加熱ローラ41に対する分離性が小さくなる。
一方、加熱ローラ41と加圧ローラ44との間のローラ硬度の差が大きいときは、ニップ部Nの形状の、加熱ローラ41側への歪みの度合いが大きくなり、加熱ローラ41および加圧ローラ44の損傷が発生しやすくなる。
【0032】
以上のような定着装置40においては、下記の(a)〜(c)の条件を満たすものとすることにより、目的とする効果を得ることができる。
【0033】
(a) 緩衝層形成材料および弾性層形成材料の種類を選ぶことにより、緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層形成材料の伸び率A(%)との差の絶対値が100%以下となるようにする。弾性層形成材料の伸び率Aは、通常170〜270%であり、緩衝層形成材料の伸び率Bは、通常210〜330%である。この条件が満たされることにより、定着時に記録材Pにシワが発生したときにも、緩衝層と弾性層とが隣接する界面に係る材料間の伸びの差を小さなものとすることができ、その結果、加熱ローラ41または加圧ローラ44の表面に亀裂が生じることを抑止することができる。
【0034】
緩衝層形成材料の伸び率B(%)と弾性層形成材料の伸び率A(%)との差の絶対値が100%より大きい場合は、定着時に記録材Pにシワが発生したとき、緩衝層と離型層とが隣接する界面に係る材料間の伸びの差が大きいので、加熱ローラ41または加圧ローラ44の表面に亀裂が発生することがある。
【0035】
緩衝層形成材料、弾性層形成材料および離型層形成材料の伸びは、物体に引張荷重が加えられ、破断したときの変形量であり、Lの長さの部分が変形後にL’になったとき、伸びaは下記式(3)で定義される値であり、伸び率bは下記式(4)で定義される値である。
【0036】
【数3】
式(3) a=L’−L
式(4) b=((L’−L)/L)×100(%)
【0037】
(b) 緩衝層形成材料、弾性層形成材料および離型層形成材料を選ぶことにより、緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層形成材料の伸び率A(%)と、離型層形成材料の伸び率C(%)との範囲となるようにする。弾性層形成材料の伸び率Aは、通常170〜270%であり、緩衝層形成材料の伸び率Bは、通常210〜330%であり、離型層形成材料の伸び率Cは、通常230〜370%である。この条件が満たされることにより、定着時に記録材Pにシワが発生したときにも、弾性層と離型層との間に、それらの中間の伸び特性を有する材料よりなる緩衝層が設けられていることにより、隣接する界面の各々に係る材料間の伸びの差を小さなものとすることができ、その結果、加熱ローラ41または加圧ローラ44の表面における亀裂の発生を抑止することができる。
【0038】
緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層形成材料の伸び率A(%)および離型層形成材料の伸び率C(%)より大きいときは、または緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層形成材料の伸び率A(%)および離型層形成材料の伸び率C(%)より小さいときは、弾性層と離型層との間に緩衝層を設けても、隣接する界面の各々に係る材料間の伸びの差を小さくすることができないため、加熱ローラ41または加圧ローラ44の表面に亀裂が生じることを抑止することができない。
【0039】
(c) 緩衝層形成材料が、フッ素樹脂とフッ素ゴムとの混合物からなることにより、緩衝層の耐久性および耐熱性が向上され、定着装置の寿命を長くすることができる。
【0040】
また、離型オイルが供給されない加熱ローラ41に具える定着装置40において、下記の(d)〜(f)の条件を満たすものとすることにより、目的とする効果を得ることができる。
【0041】
(d) 加熱ローラの離型層414の表面における溶融トナーの接触角度が45度以上であることにより、溶融トナーの当該離型層に対する付着力が弱くなるため、この溶融トナーの加熱ローラ41に対する分離性が大きくなり、加熱ローラ41におけるオフセット現象を十分抑制することができる。
【0042】
加熱ローラの離型層414の表面における溶融トナーの接触角度が45度より小さい場合は、溶融トナーの当該離型層に対する付着力が強くなるため、溶融トナーの離型層414に対する分離性が悪くなり、加熱ローラ41に溶融トナーが付着することがある。
【0043】
接触角度は、溶融トナーの自由表面が離型層に接する場所で、離型層の表面と溶融トナーとのなす角度と定義される。離型層の表面における溶融トナーの接触角度は、溶融トナーの離型層に対する付着力が大きい場合には小さく、付着力が小さい場合には大きくなる。
【0044】
(e) 加熱ローラ41の離型層の硬度は55〜70°である。この「離型層の硬度」は、離型層によって形成されているローラの外表面の表層部分の硬度であって、その大きさによりニップ部Nの形状が影響を受けるものではなく、「マイクロゴム硬度計」により測定されるものである。
また、加圧ローラ44の離型層の硬度は55〜70°であることが好ましい。
加熱ローラ41および加圧ローラ44の離型層の硬度がそれぞれ55〜70°であることにより、画質の良好な可視画像を形成することができる。
【0045】
(f) 加熱ローラ41の離型層の表面粗さRzが2.0μm以下であることにより、加熱ローラ41の表面が滑らかになるので、溶融トナーの加熱ローラ41に対する分離性が大きくなる。
【0046】
加熱ローラ41の離型層の表面粗さRzが2.0μmより大きいときは、加熱ローラ41の表面の凹凸の度合いが大きくなるため、溶融トナーの加熱ローラ41に対する分離性が小さくなる。
【0047】
表面粗さRzは、対象物の表面の滑らかさの程度を表す表示方法で、対象からランダムに抜き取られた各部分における十点平均粗さの平均値と定義される。
【0048】
(d)〜(f)の条件は、離型オイルが供給されない加熱ローラ41を具える定着装置40について記載したものであるが、離型オイルが供給される加熱ローラを有する定着装置についても本発明は適用される。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
下記に示す加熱ローラおよびこの加熱ローラに圧接される加圧ローラの条件に従って、画像形成テストを行った。
【0051】
加熱ローラおよび加圧ローラは、それぞれ、弾性層と、この弾性層の外周面を覆う緩衝層と、この緩衝層の外周面を覆う離型層の三層を有し、弾性層形成材料はシリコーンゴムからなり、当該弾性層形成材料の伸び率は210%であり、緩衝層形成材料はフッ素ゴムとフッ素との混合物からなり、当該緩衝層形成材料の伸び率は270%であり、離型層形成材料はテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)からなり、当該離型層形成材料の伸び率は314%である。加熱ローラの温度は200℃に、また加圧ローラの温度は180℃に設定され、加熱ローラの線速度は220mm/sに設定された。
【0052】
実施例1で示される加熱ローラおよび加圧ローラの条件において、10万枚の画像の形成を行い、その結果、加熱ローラまたは加圧ローラの表面に亀裂は発生せず、常に良好な画像が安定して得られた。
【0053】
(実施例2)
下記に示す加熱ローラ、この加熱ローラに圧接される加圧ローラおよび現像剤の条件に従って、画像形成テストを行った。
【0054】
加熱ローラは、この加熱ローラの表面に形成されている離型層を有し、離型層形成材料はテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)からなる。離型層の硬度は64°であり、また表面粗さRzは1.5μmであり、当該離型層の表面と溶融トナーとの接触角度は49.7度であった。加熱ローラの温度は200℃に、また加圧ローラの温度は180℃に設定された。現像剤は、スチレン−アクリル樹脂からなる重合トナーとキャリアとの混合物を使用した。
【0055】
実施例2で示される加熱ローラ、加圧ローラおよびトナーの条件において、10万枚の画像の形成を行い、その結果、加熱ローラにおけるオフセット現象は発生せず、常に良好な画像が安定して得られた。
【0056】
【発明の効果】
本発明により、定着時に記録材にシワが発生したときにも、加熱ローラまたは加圧ローラの表面に亀裂が生じることが抑止され、長期間に亘って安定した定着を行うことができる定着装置を提供することができる。
また、離型オイルが供給されない加熱ローラを具える定着装置において、溶融トナーの加熱ローラからの分離性が高く、加熱ローラにおけるオフセット現象を十分抑制することのできる定着装置を提供することができる。
さらに、上記の定着装置を備えてなる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の構成の一例を示す説明図である。
【図2】図1の画像形成装置における定着装置の構成の一例を示す説明図である。
【図3】図2の定着装置におけるニップ部および離型角を示す説明図である。
【符号の説明】
11 画像読取部
12 二次転写部
15 搬出口
17 中間転写ベルト用クリーニング部
18a、18b、18c 記録材カセット
20 トナー像形成装置
21Y、21M、21C、21K トナー像形成ユニット
22 中間転写ベルト
22a、22b、22c、22d ローラ
31Y、31M、31C、31K 感光体
32Y、32M、32C、32K 帯電部
33Y、33M、33C、33K 像露光部
34Y、34M、34C、34K 現像部
35Y、35M、35C、35K 一次転写部
36Y、36M、36C、36K 圧接用ローラ
37Y、37M、37C、37K クリーニング部
40 定着装置
41 加熱ローラ
411 芯金
412 弾性層
413 緩衝層
414 離型層
42 加熱源
44 加圧ローラ
441 芯金
442 弾性層
443 緩衝層
444 離型層
45 クリーニングローラ
51、52 温度センサ

Claims (7)

  1. 加熱ローラと、この加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなり、
    加熱ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方は、弾性層と、この弾性層の外周面を覆う緩衝層と、この緩衝層の外周面を覆う離型層とを有し、
    緩衝層を形成する緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層を形成する弾性層形成材料の伸び率A(%)との差の絶対値が100%以下となる値であることを特徴とする定着装置。
  2. 緩衝層形成材料の伸び率B(%)が、弾性層形成材料の伸び率A(%)および離型層を形成する離型層形成材料の伸び率C(%)に対して、下記式(1)または下記式(2)が成り立つ値であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
    Figure 2004233644
  3. 緩衝層形成材料が、フッ素樹脂とフッ素ゴムとの混合物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 加熱ローラと、この加熱ローラに圧接される加圧ローラとからなり、
    加熱ローラは、その表面に離型層を有し、
    当該離型層の表面における溶融トナーの接触角度が45度以上であることを特徴とする定着装置。
  5. 加熱ローラの離型層の硬度が55〜70°であることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 加熱ローラの離型層の表面粗さRzが2.0μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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