JP2004230531A

JP2004230531A - Rotating saw

Info

Publication number: JP2004230531A
Application number: JP2003024575A
Authority: JP
Inventors: Haruo Inoue; 治男井上; Makoto Kawanishi; 眞川西
Original assignee: Allied Material Corp
Current assignee: Allied Material Corp
Priority date: 2003-01-31
Filing date: 2003-01-31
Publication date: 2004-08-19
Anticipated expiration: 2023-01-31
Also published as: JP4144863B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a rotating saw using a super hard sintered body, having high durability and long life, and suppressing chipping and the damage of a base plate when cutting material easily causing earth and sand wear of a tip, such as high silicon aluminium alloy, autoclaved lightweight concrete (ALC), metal matrix composite (MMC), semisintered super hard alloy, semisintered ceramic, and ceramic material. <P>SOLUTION: The rotating saw is provided with a plurality of tips made of a super hard sintered body on the periphery of a disc-shaped base metal. Super hard particles composing the super hard sintered body are 10 to 100 μm in average diameter, and at least an rake angle of a cutting edge of the tip is made to be a negative angle. The tip is alternately arranged with ridge blade tips and flat blade tips, and the height of the flat blade tips is made to be lower than that of the ridge blade tips. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、金属材料などを切断するために刃部となるチップに超硬質焼結体を用いた回転鋸に関するものであり、チップが土砂摩耗を受け易い材料の切断に好適な回転鋸に関する。より特定的には、エンジンのシリンダブロックなどに用いられるハイシリコンアルミニウム合金の切断に好適な回転鋸に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、ステンレス鋼などの切断には、円盤状の基板の外周に焼結体のチップが設けられた回転鋸が用いられている。このような回転鋸における刃先のチッピング対策として、例えば特許文献１に記載の技術がある。特許文献１は、主に粘性が高く且つ熱伝導率の低い金属、例えばオーステナイト系ステンレス鋼を切断するための回転鋸を開示している。その内容は、超硬合金製の山刃チップと、同じく超硬合金製の平刃チップとを有し、平刃チップの数を山刃チップの数より多くし、平刃チップを連続させて配置したものである。このようなチップの形状および配置にすることにより、大きな負荷がかかる平刃チップの一部が欠損しても他の平刃チップが補完するため、長期にわたって良好な切断性能を維持することができる。
【０００３】
一方、切削工具用のチップ材料としてはダイヤモンド焼結体が知られている。特許文献２は、ダイヤモンド粒子径が０．１〜７０μｍであってダイヤモンド粒子の含有量が８０〜９９体積％、焼結助剤として鉄、コバルトなどを用いたダイヤモンド焼結体を開示している。
【０００４】
【特許文献１】
実開平７−１５２２４号公報（第２、４〜５頁、図１、２）
【特許文献２】
特開平１１−２４０７６２号公報（第２頁、第１１頁）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献１のチップは、超硬合金製であり、切断する材料はオーステナイト系ステンレス鋼のようなものを対象としている。しかしながら、上記のようなチップを用いて、例えばハイシリコンアルミニウム合金を切断する場合、硬いシリコン粒子があるので、超硬合金製のチップでは摩耗が激しく寿命が短くなって実用的な製品が得られない。
【０００６】
一方で、ダイヤモンド焼結体など、特許文献２に示すような超硬質焼結体を回転鋸のチップとすることも考えられる。しかし、このような超硬質チップでは、１０μｍ未満の微細な超硬質粒子を含有するので土砂摩耗しやすくチッピングが発生する。このような焼結体を用いて、ハイシリコンアルミニウム合金などを切断すると、不連続な切屑が生じるため回転鋸のチップの刃先はチッピングを起こす。さらに土砂摩耗を受けてチップを構成する超硬質粒子が脱落して刃先が後退する。土砂摩耗とは、チップすくい面から逃げ面にかけて、切刃周辺が土砂崩れするように摩耗することを言う。その結果、切断抵抗や振動が大きくなって台金も損傷を受け、回転鋸の寿命が短くなるという問題があった。
【０００７】
従って、本発明の主目的は、超硬質焼結体チップを用いた回転鋸において、チッピングや基板の損傷が発生しにくく、長寿命の回転鋸を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、土砂摩耗しやすい難削材料の切断においても耐久性が高い回転鋸を提供することにある。
本発明の別の目的は、台金の振動を低減して、台金の振動に伴う切刃のチッピングを抑制できる回転鋸を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明回転鋸の第１の特徴は、円板状の台金の外周に超硬質焼結体からなる複数のチップが設けられた回転鋸であって、超硬質焼結体を構成する超硬質粒子の平均粒径は１０〜１００μｍであり、チップの刃先のすくい角は負角とし、チップは山刃チップと平刃チップを交互に配置させるとともに、平刃チップの高さは山刃チップより低くしたことである。この高さの差は、０．１〜０．４ｍｍとするのが好ましい。
【０００９】
この回転鋸において、超硬質焼結体としては、ダイヤモンド焼結体やＣＢＮ焼結体を用いることができる。超硬質焼結体を構成する超硬質粒子の平均粒径を通常より大きい１０〜１００μｍのものを使用することで土砂摩耗が発生しにくくなる。この理由は、超硬質粒子径が大きいので結合相の中に同粒子が埋め込まれていて、高温のハイシリコンアルミニウム合金の切粉がチップの上を通り過ぎる際に結合相が取り去られても、超硬質粒子が脱落しにくいからである。また、チップの刃先のすくい角を負角とすることで刃先自体の強度が向上するため、チッピングが発生しにくくなる。そして、山刃チップと平刃チップを交互に配置させ、平刃チップの高さを山刃チップより低くすることで、切断抵抗を低減させ、振動も抑制することができる。その結果、刃先に加わるダメージも少なくなるので、上記の超硬質粒子の粒径と相まってチッピング防止効果が高くなる。なお、平刃チップとは、チップを回転鋸の回転方向前側から見たときの切れ刃稜の形状が直線であり、山刃チップとは切れ刃稜の形状が台形状になったものをいう。
【００１０】
本発明回転鋸の第２の特徴は、上記の回転鋸において、すくい角αの負角を−１〜−２０°としたことにある。一般的に、すくい角を負角とすることにより、切れ味が悪化するが刃先強度が高くなるので、両者のバランスをとることが重要である。−１°より小さいと刃先強度がより高くなり、逆に、−２０°より大きくすることにより、切れ味をよりよくすることができる。その結果、切断抵抗が低くなり、台金のビビリ防止に効果がある。
【００１１】
本発明回転鋸の第３の特徴は、上記の回転鋸を、チップを土砂摩耗させやすい材料の切断用としたことである。土砂摩耗とは、液体とその中に混在する固形物によって進む摩耗のことで、土砂が崩れるようなイメージで、切刃周辺が摩耗する摩耗形態のことである。本発明の回転鋸を使用することで、土砂摩耗を起こしやすい被削材に対してもチッピングを防止でき、切れ刃稜の形状変化も小さくすることができるので、回転鋸の寿命を大幅に向上させることができる。チップを土砂摩耗させやすい材料としては、ハイシリコンアルミニウム合金、軽量気泡コンクリート（ＡＬＣ）、金属基複合材（ＭＭＣ）、半焼結の超硬合金、半焼結のセラミックス、窯業系材料などが挙げられる。
【００１２】
本発明回転鋸の第４の特徴は、上記の回転鋸において、円板状の台金に制振用のスリットを設けたことである。制振用のスリットは、基板の強度を低下させずに振動の減衰性能を高くすることができる。土砂摩耗しやすい材料を切断するとき、切断抵抗により高速回転している台金が変形し、切刃のチッピングの原因となることがある。制振用のスリットを設けることにより、台金の変形が抑制され切刃のチッピングを防止する上で効果がある。さらに、切断時の騒音も抑制できる。
【００１３】
スリットの形態としては、外周側と内周側に一対のジグザグ状のスリットを組み合わせたものが望ましい。例えば、直線スリットの端部に半円スリットを連続し、さらに逆向きの半円スリットの端部に別の直線スリットを連続させて、これを繰り返してジグザグ状としたスリットを組み合わせる。ジグザグ状のスリットは、その振れ幅が、徐々に小さくなるような構成が好適である。一対のジグザグ状のスリットは、各々連続することなく設けることが望ましい。例えば、直線状のスリットと半円スリットを交互に連続させることで各ジグザグ状のスリットを形成した場合、このスリットで囲まれる箇所は舌片状に形成される。外周側の第一のジグザグ状スリットの内周側端部に形成される舌片に、内周側の第二のジグザグ状スリットの始点があり、以下第一のスリットと同様に内周側に向かう第二のスリットを形成することで制振に効果的な形態のスリットを形成できる。つまり、第一のスリットと第二のスリットではジグザグの方向が互いに逆になっていることが好適である。両スリットは、台金の外周側から内周側に向けて形成されている。このスリットは、例えばレーザにより加工する。レーザ加工によれば、高精度にスリットを形成することができる。
【００１４】
さらに、この制振用スリットには、樹脂を充填することが好ましい。樹脂の充填により、一層制振効果を向上することができる。樹脂の具体例としては、フェノール系、ポリイミド系、エポキシ系又はシリコン系のいずれかであることが望ましい。
【００１５】
本発明回転鋸の第５の特徴は、上記の回転鋸において、円板状の台金の外周縁部に、チップを台金に装着する際の熱膨張による歪を抑制する歪み防止用スリットを設けたことである。一般に、チップもしくはチップの台座となる刃台を台金に接合するには、ロウ付けが用いられる。その際、台金も加熱されて熱膨張するため、この膨張分を逃がしておかないと台金が歪む。台金が歪むと、チップの回転軌跡がずれるのでチッピングなどの原因となる。チップが装着される外周縁部に歪み防止用スリットを設けることで、このような台金の歪みを防止し、チッピングを抑制することができる。
【００１６】
歪み防止用スリットは、台金の外周縁部において、所定間隔でスリットを設けることが好ましい。例えば、外周から中心に向かうスリットを設けることが好適である。歪み防止用スリットの長さは、チップ接合時の熱影響が及びやすい範囲に形成できれば十分である。
【００１７】
本発明回転鋸の第６の特徴は、上記の回転鋸において、円板状の台金を回転方向前側から見て、台金の一方の側面とチップの一方の側面との距離Ｌ１と、台金の他方の側面とチップの他方の側面との距離Ｌ２とを異なるようにしたことである。例えば、エンジンのシリンダブロックの湯口を切断する場合、製品として残される本体側と、切断して廃棄される湯口側とでは、切粉の排出され易さが全く異なり、製品として残される本体側は、被削材の形態上、台金と被削材に囲まれるため、切粉の流れが悪くなり本体側の台金側面には切粉が溶着し易い。そこで、台金の一方の側面とチップの一方の側面との距離Ｌ１と、台金の他方の側面とチップの他方の側面との距離Ｌ２とを異ならせることで、台金に切粉が付着することを抑制し、回転鋸の寿命を長くすることができる。つまり、製品として残される被削材の本体側における台金とチップのクリアランスＬ１を、被削材の廃棄側における台金とチップのクリアランスＬ２より大きくすることで、台金における被削材本体側の切粉の排出を円滑にし、台金への切粉の付着を抑制する。
【００１８】
さらに、本発明回転鋸において、切刃の好ましい逃げ角βは、１０〜２０°である。本発明ではすくい角が負角なので、逃げ角をそれ以上にしなければ、チップと被削材が接触しスムースな切削は難しい。逃げ角βが２０°を越えると、刃先強度が不足して寿命が短くなる。また、逃げ角βが１０°未満であれば切れ味が悪くなる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明の回転鋸の側面を図１、そのチップ部を拡大して図２に示す。図１に示す本発明の回転鋸は、ＳＫＳ５やＳＫＳ５１などの鋼製の薄板円板からなる台金２の外周に、超硬合金からなる刃台３が接合される。さらに刃台３の上に、超硬合金基台４ｂと超硬質焼結体チップ４ａが接合されてなるチップ４がロウ付けなどの方法で接合されている。そして、図１の回転方向Ｒに、回転鋸を回転させて使用する。
【００２０】
図３は、回転鋸のチップを回転方向Ｒの前側から見たとき、山刃チップと平刃チップが同一の位置にあった時の切れ刃稜の位置関係を示す。チップは、山刃チップと平刃チップからなり、これらが交互に台金上に接合されている。チップ４は、回転方向Ｒの前側に超硬質粒子の平均粒径が１０〜１００μｍの超硬質焼結体４ａ、そしてこの超硬質焼結体４ａの回転方向Ｒの後側には超硬合金基台４ｂを有し、この基台４ｂと刃台３がろう付けなどにより接合されている。超硬質焼結体４ａとして、ダイヤモンド焼結体やＣＢＮ焼結体が使用される。山刃チップと平刃チップの刃先先端部はすくい角が負角となるように取り付けられている。
【００２１】
図３において、山刃チップは切れ刃稜５を回転方向Ｒの前側から見た時の形状が台形状に形成され、山刃チップの中央部の切れ刃稜５ａは平刃チップの切刃稜５と平行になっており、両端部の切れ刃稜５ｂは傾斜が付けられている。図３に示すように、平刃チップの高さは山刃チップより低くなっており、山刃チップの中央部の切れ刃稜５ａは平刃チップの切れ刃稜５よりも僅かながら外周側に突出している。これらチップの高さの差は、０．１〜０．４ｍｍとするのが好ましく、山刃チップの中央部の切れ刃稜５ａの長さは、平刃チップの切れ刃稜５の長さの３０〜７０％とするのが好ましい。このようにすることで山刃チップにより切削した後、山刃チップで除去しきれなかった部分を平刃チップで除去するので、平刃チップへの負担を軽減して切削精度を向上させることができる。また、山刃チップで切削した部分が、回転鋸の案内溝の役割を果たし回転鋸の振動やビビリを防ぐ上で効果がある。
【００２２】
図４、図５は、図３と同様に、切れ刃稜を回転方向前側から見たときのチップの形状を示している。図４に示す平刃チップは、先が幅広の形状をしている。このような形状とすることで、被削物との接触面積を減らし、切断抵抗を小さくすることが出来る。また、図５に示す山刃チップは、先端部が狭くなっている。これら二つのチップは、先端部を除き重ね合わせると同じ形状をしている。
【００２３】
【実施例】
（実施例１）
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。本発明の回転鋸として、図１に示すものを製作した。図２を参照して、チップ４の素材として超硬合金基台４ｂ上ダイヤモンド焼結体４ａが接合されたブランクを、所定の形状に切断した後、砥石による研削および研磨を行って、山刃チップおよび平刃チップを製作した。これらのチップ４を材質がＳＫＳ５の台金２に接合された刃台３の部分に交互にろう付けして本発明の回転鋸とした。台金２には、刃台３をロウ付けするときに加熱されるので、熱歪が発生する。この熱歪みの影響を取り除くために、歪み防止用スリット８が設けられている。さらには工作機械に取り付けるための、取り付けネジ９が形成されている。実施例と比較例では、超硬質焼結体４ａとしてダイヤモンド焼結体を用いた。
【００２４】
この回転鋸の仕様は以下の通りである。
外径：２５０ｍｍ
基板厚み：４．５ｍｍ
刃幅：６．０ｍｍ
ダイヤモンドの平均粒径：１０μｍ（超硬質焼結体の粒子）
刃先のすくい角α ：−１°
刃先の逃げ角β ：１５°
チップ形状：山刃チップと平刃チップを交互に配置
山刃チップと平刃チップの高さの差：０．３ｍｍ
【００２５】
（実施例２〜７、比較例１〜９）
実施例１の回転鋸におけるダイヤモンド焼結体４ａの平均粒径または刃先のすくい角αのいずれかを本発明の範囲内で変更した仕様のものを実施例２〜７として製作した。また、実施例１の回転鋸における超硬質焼結体としてダイヤモンド焼結体４ａの平均粒径、刃先のすくい角α、チップ４の形状のいずれか１〜３種類を本発明の範囲外に変更した仕様のものを比較例１〜９として製作した。なお、比較例においてチップ４の配列として４通りのものを製作した。比較例１、２および６は本発明のものと同じ山刃チップと平刃チップを交互に取り付けたものである。比較例３はすべてが山刃チップのものであり、比較例４はすべてが平刃チップのものである。比較例５、７、８および９は切れ刃稜５に傾斜がついた傾斜チップのもので、図８に示すように傾斜チップの傾斜の方向を交互にして千鳥状に設けたものである。以下表の中では、千鳥と称す。実施例および比較例の仕様を表１に示す。
【００２６】
【表１】

【００２７】
上記の回転鋸を用いて、ハイシリコンアルミニウム合金（Ｓｉ含有率：１２質量％）の切断を行った。切断条件を以下に示す。
【００２８】
回転数（周速度）：２３６５ｍｉｎ^−１（１８５７ｍ／ｍｉｎ）
切り込み量：３０ｍｍ
送り速度：３６０ｍｍ／ｍｉｎ
被削材のサイズ：厚さ１００ｍｍ×幅１００ｍｍ×長さ３００ｍｍ
【００２９】
上記の条件で切断を行い、寿命、チッピングの有無、切断抵抗を測定した。その結果を表２に示す。なお寿命は、回転鋸の寿命までの切り口の切断面積の総和であり、１つの切り口の切断面積と切断個数をかけた数値である。切断抵抗については、評価開始時に測定し、実施例１のものを基準（１．０）として、相対値で表している。
【００３０】
【表２】

【００３１】
実施例１〜３および比較例１を比較すると、超硬質焼結体を構成するダイヤモンドの平均粒径の違いによる差が見られる。本発明の平均粒径１０〜１００μｍのものについては、寿命が長い上に切断抵抗も低く、特に粒径が大きくなるほど両者とも向上する傾向が見られた。これに対し、比較例１の平均粒径が５μｍと小さいものは寿命が大幅に短くなり、切断抵抗も高くなった。
【００３２】
実施例１および４〜７と比較例２を比較すると、チップのすくい角による差が見られる。すくい角が負角のものは切断抵抗が低くなり寿命も長い。但し、−３０°になるとやや切断抵抗が高くなるので、寿命と切断抵抗の観点からは−１０〜−２０°のものがより好ましい。これに対し、比較例２は、すくい角を正角の１°としたので切断抵抗は低かったが、寿命が大幅に短くなった。なお、チッピングについてはいずれのものも発生しなかった。
【００３３】
実施例１と比較例３〜５を比較すると、実施例１の山刃チップと平刃チップの組合せのものは寿命も長く切断抵抗も低い。これに対し、比較例３の山刃チップのみのものは、切断抵抗は低いものの寿命が短くなる傾向が見られた。また、比較例４の平刃チップのみのものはチッピングが生じて寿命が短くなり、切断抵抗も高くなる傾向が見られた。さらに、比較例５の千鳥刃チップのものは、チッピングが生じて寿命は短く、切断抵抗も非常に高くなった。
【００３４】
比較例９は、チップの素材の平均粒径、すくい角、チップ形状のいずれも本発明の範囲外とした従来の回転鋸である。これと本発明の実施例１の回転鋸と比較すると、大幅に寿命が長く、チッピングも少なく、切断抵抗も低いことがわかる。この比較例９の上記の３つの要件のうち、いずれか１つを本発明の範囲のものにしたのが比較例６〜８の回転鋸である。比較例６は、山刃チップと平刃チップの配列を本発明と同様に交互にした場合、チッピングは発生しなかったが切断抵抗がやや高く寿命は短くなった。また、比較例７ですくい角を本発明の範囲のものにした場合、チッピングは発生しなかったが、切断抵抗が高く寿命も短くなった。さらに、比較例８でチップの素材の平均粒径を本発明の範囲のものにした場合、チッピングは発生し、切断抵抗は高く、寿命も短くなった。
【００３５】
以上の結果を総合して検討すると、切断抵抗の大小はチップ配列によるところが比較的大きいが、これだけで解決できるものではない。また、寿命とチッピングに関しては、チップの素材の平均粒径とすくい角によるところが大きいが、これにチップ形状を特定することで飛躍的に向上することがわかり、上記の３つの要件を組み合わせることにより大きな効果が得られることがわかった。
【００３６】
（実施例８）
図６に示す制振用スリット７を５つ設けた台金を用いた以外は、実施例１と同様の回転鋸を作製した。外周側の第一のスリットは、スリット幅０．１〜０．３ｍｍとし、ジグザグ状の振り幅は最大３５ｍｍ、スリット間隔（舌片の幅）を９ｍｍとし第一スリットの舌片を３個とし、第二のスリットの舌片も３個とした。第二のスリット幅は、第一のスリット幅と同じとした。このスリットを概観すると、図からも明らかなように半径方向から傾斜している。スリットのすべての端部は、スリットが割れ目になって広がらないように、スリット幅より大きな直径の円形穴を形成した。この制振用スリットは、薄い回転台金の振動を抑制する働きがあり、本発明の台金の振動抑制に効果があることが判った。制振用スリット７の中には、エポキシ樹脂を含浸した。ただし、制振用スリット７は、３対以上のときに特に効果が大きい。しかしながら、数が多すぎると台金の剛性が下がるので８対以上は好ましくない。いうまでもなく、各スリットは等間隔で設けることで効果を発揮する。
【００３７】
前記した実施例に記載されているのと同様の切断条件で切断テストをした。切断抵抗はわずかに下がる程度であったが、寿命は１２０００ｃｍ^２であった。おそらくは、振動が抑制されるので、チップの通る道筋が安定し、寿命が長くなったものと考えられる。このスリットは、レーザで加工された。
【００３８】
（実施例９）
さらには、図７に示す台金とチップの位置関係を有し、その他は実施例１と同じ回転鋸を作製した。図７は、図３などと同様に山刃チップと平刃チップを重ねて記載したものであるが、チップ４の台金２に対する取り付け位置が左右対称になっていない。図７でＬ１、Ｌ２で示した距離は、台金２の側面とチップ４の側面との距離を示しているが、Ｌ１を１．２ｍｍ、Ｌ２を０．８ｍｍとしＬ１を長くしてある。一般的に排出される切粉の一部のものは、工具などに付着して残る。そして、被削材の切り落とされる側からの切粉は広い空間に逃げることが出来るが、本体側の切粉は逃げ場がないので工具などによく付着する。本発明では、本体側の台金とチップ側面との距離Ｌ１を大きくすることで、寿命をさらに長くすることが出来る。
【００３９】
【発明の効果】
以上説明したように、超硬質粒子の平均粒径を１０〜１００μｍとし、すくい角を負角とし、山刃チップと平刃チップを交互に配列することにより、寿命が長く、切断抵抗も低い回転鋸を提供することができる。従って、高精度な加工を高能率、低コストで行うことができる。さらには、制振用のスリットを台金に設けることで、台金自体の振動を防止でき、超硬質焼結体からなるチップのチッピングを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転鋸を示す側面図である。
【図２】図１のチップ周辺の拡大側面図である。
【図３】本発明の回転鋸のチップを回転方向Ｒの前側から見た時、山刃チップと平刃チップが同じ位置にあるときの両者の切れ刃稜の位置関係を示す説明図である。
【図４】本発明及び比較例で使用されたの平刃チップを回転方向Ｒの前側から見たときの説明図である。
【図５】本発明及び比較例で使用された山刃チップを回転方向Ｒの前側から見たときの説明図である。
【図６】本発明の別の実施例の側面図である。
【図７】本発明のさらに別の実施例の回転鋸を回転方向Ｒの前側から見たときの局部拡大図である。
【図８】比較例の回転鋸の千鳥刃チップを回転方向前側から見た時の切れ刃稜の位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
１回転鋸
２台金
３刃台
４チップ
４ａ超硬質焼結体
４ｂ超硬合金基台
５切れ刃稜
５ａ中央部切れ刃稜
５ｂ端部切れ刃稜
６すくい面
７制振用スリット
８ひずみ防止用スリット
９取り付けネジ
α すくい角
β 逃げ角
Ｌ１、Ｌ２台金の側面とチップの側面のクリアランス
Ｒ回転方向[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotary saw using an ultra-hard sintered body for a tip serving as a blade for cutting a metal material or the like, and relates to a rotary saw suitable for cutting a material whose tip is susceptible to earth and sand wear. More specifically, the present invention relates to a rotary saw suitable for cutting a high silicon aluminum alloy used for a cylinder block of an engine or the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for cutting stainless steel or the like, a rotary saw having a sintered chip provided on the outer periphery of a disk-shaped substrate has been used. As a countermeasure against chipping of the cutting edge in such a rotary saw, for example, there is a technique described in Patent Document 1. Patent Literature 1 discloses a rotary saw mainly for cutting a metal having high viscosity and low thermal conductivity, for example, austenitic stainless steel. The contents include a cemented carbide mountain blade tip and a cemented carbide flat blade tip.The number of flat blade tips is larger than the number of mountain blade tips, It is arranged. By adopting such a shape and arrangement of the insert, even if a part of the flat blade tip to which a large load is applied is lost, the other flat blade tip complements the chip, so that good cutting performance can be maintained for a long time. .
[0003]
On the other hand, a diamond sintered body is known as a chip material for a cutting tool. Patent Document 2 discloses a diamond sintered body having a diamond particle diameter of 0.1 to 70 μm, a diamond particle content of 80 to 99% by volume, and iron, cobalt or the like as a sintering aid. .
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Laid-Open Publication No. Hei 7-15224 (pages 2, 4-5, FIGS. 1 and 2)
[Patent Document 2]
JP-A-11-240762 (pages 2 and 11)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The chip of Patent Document 1 is made of a cemented carbide, and the material to be cut is intended for austenitic stainless steel. However, when cutting a high silicon aluminum alloy using the above-mentioned tip, for example, there is hard silicon particles, so a cemented carbide tip is subject to severe wear and short life, and a practical product is obtained. Absent.
[0006]
On the other hand, it is also conceivable to use a super-hard sintered body such as a diamond sintered body as shown in Patent Document 2 as a tip for a rotary saw. However, such an ultra-hard chip contains fine ultra-hard particles of less than 10 μm, and is liable to wear due to earth and sand, and chipping occurs. When a high silicon aluminum alloy or the like is cut using such a sintered body, discontinuous chips are generated, so that the cutting edge of the rotary saw chip is chipped. Further, the super hard particles constituting the chip fall off due to earth and sand wear, and the cutting edge retreats. Sediment wear refers to wear around the cutting edge from the chip rake face to the flank face so that the periphery of the cutting edge collapses. As a result, there is a problem that the cutting resistance and the vibration are increased, the base metal is damaged, and the life of the rotary saw is shortened.
[0007]
Therefore, a main object of the present invention is to provide a rotary saw using a super-hard sintered body chip, which is less likely to cause chipping and damage to a substrate and has a long life.
Another object of the present invention is to provide a rotary saw having high durability even when cutting a difficult-to-cut material that is liable to wear.
Another object of the present invention is to provide a rotary saw capable of reducing vibration of the base metal and suppressing chipping of the cutting blade due to the vibration of the base metal.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
A first feature of the rotary saw of the present invention is a rotary saw in which a plurality of chips made of a super-hard sintered body are provided on the outer periphery of a disk-shaped base metal. The average particle diameter of the particles is 10 to 100 μm, the rake angle of the cutting edge of the tip is a negative angle, the tip is alternately arranged with a mountain blade tip and a flat blade tip, and the height of the flat blade tip is higher than that of the mountain blade tip. That is, it was lowered. This difference in height is preferably 0.1 to 0.4 mm.
[0009]
In this rotary saw, a diamond sintered body or a CBN sintered body can be used as the super-hard sintered body. By using the super-hard particles constituting the super-hard sintered body having an average particle diameter of 10 to 100 μm which is larger than usual, earth and sand abrasion hardly occurs. The reason for this is that the particles are embedded in the binder phase because the super hard particle diameter is large, and even when the high temperature high silicon aluminum alloy chips pass over the chip, the binder phase is removed, This is because the ultra-hard particles do not easily fall off. Further, since the strength of the cutting edge itself is improved by setting the rake angle of the cutting edge of the tip to a negative angle, chipping hardly occurs. By arranging the mountain blade tips and the flat blade tips alternately and making the height of the flat blade tips lower than that of the mountain blade tips, cutting resistance can be reduced and vibration can be suppressed. As a result, the damage applied to the cutting edge is reduced, and the chipping prevention effect is enhanced in combination with the above-mentioned particle diameter of the super hard particles. The flat blade tip has a straight cutting edge ridge when the tip is viewed from the rotation direction front side of the rotary saw, and the mountain blade tip refers to a cutting edge having a trapezoidal shape. .
[0010]
A second feature of the rotary saw of the present invention is that in the above rotary saw, the negative angle of the rake angle α is -1 to -20 °. Generally, by setting the rake angle to a negative angle, the sharpness is deteriorated, but the edge strength is increased. Therefore, it is important to balance the two. If the angle is smaller than -1 °, the edge strength becomes higher. Conversely, if the angle is larger than -20 °, the sharpness can be improved. As a result, the cutting resistance is reduced, which is effective in preventing the base metal from chattering.
[0011]
A third feature of the rotary saw of the present invention is that the rotary saw described above is used for cutting a material which is liable to wear the tip with earth and sand. Sediment wear refers to wear that progresses due to a liquid and solid matter mixed therein, and is a form of wear in which the periphery of a cutting edge is worn with an image that soil and sand collapse. By using the rotary saw of the present invention, chipping can be prevented even for a work material which is liable to cause earth and sand wear, and the shape change of the cutting edge ridge can be reduced, so that the life of the rotary saw is greatly improved. Can be done. Examples of the material that easily causes the chip to wear with earth and sand include high silicon aluminum alloy, lightweight cellular concrete (ALC), metal matrix composite (MMC), semi-sintered cemented carbide, semi-sintered ceramics, and ceramic materials.
[0012]
A fourth feature of the rotary saw of the present invention is that, in the above rotary saw, a slit for damping is provided in the disk-shaped base. The damping slit can enhance the vibration damping performance without reducing the strength of the substrate. When cutting a material that is susceptible to earth and sand wear, the cutting metal rotating at high speed may be deformed due to cutting resistance, which may cause chipping of the cutting blade. The provision of the slit for vibration suppression is effective in suppressing deformation of the base metal and preventing chipping of the cutting blade. Further, noise at the time of cutting can be suppressed.
[0013]
As the form of the slit, a combination of a pair of zigzag slits on the outer peripheral side and the inner peripheral side is desirable. For example, a semicircular slit is continued at the end of the linear slit, another linear slit is continued at the end of the opposite semicircular slit, and this is repeated to combine zigzag slits. The zigzag slit preferably has a configuration in which the deflection width gradually decreases. It is desirable that the pair of zigzag slits be provided without being continuous. For example, when each zigzag slit is formed by alternately continuing a linear slit and a semicircular slit, a portion surrounded by the slit is formed in a tongue shape. On the tongue formed at the inner peripheral end of the first zigzag slit on the outer peripheral side, there is a starting point of the second zigzag slit on the inner peripheral side, and thereafter on the inner peripheral side like the first slit. By forming the second slit that faces, a slit in a form effective for vibration suppression can be formed. That is, it is preferable that the zigzag directions of the first slit and the second slit are opposite to each other. Both slits are formed from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the base metal. This slit is processed by, for example, a laser. According to the laser processing, the slit can be formed with high precision.
[0014]
Further, it is preferable to fill the damping slit with a resin. By filling the resin, the vibration damping effect can be further improved. As a specific example of the resin, it is preferable to use any of phenol, polyimide, epoxy, and silicon.
[0015]
The fifth feature of the rotary saw of the present invention is that, in the rotary saw described above, a distortion preventing slit for suppressing distortion due to thermal expansion when the chip is mounted on the base metal is provided on the outer peripheral edge of the disk-shaped base metal. That is the provision. Generally, brazing is used to join a chip or a blade base serving as a base of the chip to a base metal. At this time, since the base metal is also heated and thermally expanded, the base metal is distorted unless this expansion is allowed to escape. If the base metal is distorted, the rotation trajectory of the chip is shifted, which causes chipping or the like. By providing a distortion preventing slit at the outer peripheral edge portion where the chip is mounted, such distortion of the base metal can be prevented, and chipping can be suppressed.
[0016]
It is preferable that the slit for distortion prevention is provided at predetermined intervals on the outer peripheral edge of the base metal. For example, it is preferable to provide a slit extending from the outer periphery toward the center. The length of the slit for preventing distortion is sufficient if it can be formed in a range in which the influence of heat at the time of chip bonding easily spreads.
[0017]
A sixth feature of the rotary saw according to the present invention is that, in the rotary saw described above, the distance L1 between one side of the base and one side of the chip, The difference is that the distance L2 between the other side of the gold and the other side of the chip is different. For example, when cutting the gate of the cylinder block of the engine, the ease with which the chips are discharged is completely different between the main body side that is left as a product and the gate side that is cut and discarded. Since the work material is surrounded by the base metal and the work material, the flow of the chips is deteriorated, and the chips are easily welded to the side of the base metal on the main body side. Thus, by making the distance L1 between one side of the base metal and one side of the chip different from the distance L2 between the other side of the base metal and the other side of the chip, chips adhere to the base metal. Can be suppressed and the life of the rotary saw can be prolonged. That is, the clearance L1 between the base metal and the chip on the main body side of the work material left as a product is made larger than the clearance L2 between the base metal and the chip on the disposal side of the work material, so that The discharge of chips is smooth and the adhesion of chips to the base metal is suppressed.
[0018]
Furthermore, in the rotary saw of the present invention, a preferable clearance angle β of the cutting blade is 10 to 20 °. In the present invention, since the rake angle is a negative angle, if the clearance angle is not further increased, the chip comes into contact with the work material and smooth cutting is difficult. When the clearance angle β exceeds 20 °, the blade edge strength becomes insufficient and the life is shortened. If the clearance angle β is less than 10 °, the sharpness becomes poor.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a side view of the rotary saw of the present invention, and FIG. 2 is an enlarged view of a tip portion thereof. In the rotary saw of the present invention shown in FIG. 1, a blade base 3 made of a cemented carbide is joined to an outer periphery of a base metal 2 made of a thin steel disk such as SKS5 or SKS51. Further, on the blade base 3, a chip 4 formed by bonding a cemented carbide base 4b and a super-hard sintered body chip 4a is joined by a method such as brazing. Then, the rotary saw is used by rotating the rotary saw in the rotation direction R of FIG.
[0020]
FIG. 3 shows the positional relationship of the cutting edge ridge when the tip of the rotary saw is viewed from the front side in the rotation direction R and the tip of the mountain blade and the tip of the flat blade are at the same position. The tip is composed of a mountain blade tip and a flat blade tip, which are alternately joined on a base. The chip 4 has a superhard sintered body 4a having an average particle size of 10 to 100 μm on the front side in the rotation direction R, and a cemented carbide base on the rear side in the rotation direction R of the superhard sintered body 4a. The base 4b and the blade base 3 are joined by brazing or the like. As the super-hard sintered body 4a, a diamond sintered body or a CBN sintered body is used. The tip ends of the mountain blade tip and the flat blade tip are mounted such that the rake angle is a negative angle.
[0021]
In FIG. 3, the cutting edge ridge 5 has a trapezoidal shape when the cutting edge ridge 5 is viewed from the front side in the rotation direction R, and the cutting edge ridge 5 a at the center of the cutting edge ridge is a cutting edge ridge of a flat blade tip. The cutting edge ridges 5b at both ends are inclined. As shown in FIG. 3, the height of the flat blade tip is lower than that of the mountain blade tip, and the cutting edge ridge 5a at the center of the mountain blade tip is slightly outer than the cutting edge ridge 5 of the flat blade tip. It is protruding. The difference between the heights of these tips is preferably 0.1 to 0.4 mm, and the length of the cutting edge ridge 5a at the center of the mountain blade tip is equal to the length of the cutting edge ridge 5 of the flat blade tip. The content is preferably set to 30 to 70%. In this way, after cutting with the mountain blade tip, the part that could not be removed with the mountain blade tip is removed with the flat blade tip, so that the load on the flat blade tip can be reduced and cutting accuracy can be improved. it can. Further, the portion cut by the mountain blade tip serves as a guide groove for the rotary saw, which is effective in preventing vibration and chatter of the rotary saw.
[0022]
4 and 5 show the shape of the tip when the cutting edge is viewed from the front side in the rotation direction, as in FIG. The flat blade tip shown in FIG. 4 has a wide tip. With such a shape, the contact area with the workpiece can be reduced, and the cutting resistance can be reduced. The tip of the mountain blade tip shown in FIG. 5 is narrow. These two chips have the same shape when overlapped except for the tip.
[0023]
【Example】
(Example 1)
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. The rotary saw of the present invention was manufactured as shown in FIG. Referring to FIG. 2, after cutting a blank in which a diamond sintered body 4 a is bonded on a cemented carbide base 4 b as a material of a chip 4 into a predetermined shape, grinding and polishing with a grindstone are performed. A tip and a flat blade tip were produced. These chips 4 were alternately brazed to the portion of the blade base 3 joined to the base metal 2 of SKS5 to obtain a rotary saw of the present invention. Since the base metal 2 is heated when the blade base 3 is brazed, thermal distortion occurs. In order to remove the influence of the thermal distortion, a distortion preventing slit 8 is provided. Further, a mounting screw 9 for mounting to a machine tool is formed. In the example and the comparative example, a diamond sintered body was used as the super-hard sintered body 4a.
[0024]
The specifications of this rotary saw are as follows.
Outer diameter: 250mm
Substrate thickness: 4.5 mm
Blade width: 6.0mm
Average particle size of diamond: 10 μm (particles of super-hard sintered body)
Rake angle α of cutting edge: -1 °
Clearance angle β of cutting edge: 15 °
Tip shape: Mountain blade tip and flat blade tip are alternately arranged. Height difference between mountain blade tip and flat blade tip: 0.3 mm
[0025]
(Examples 2 to 7, Comparative Examples 1 to 9)
Examples 2 to 7 were manufactured with specifications in which any one of the average particle diameter of the diamond sintered body 4a and the rake angle α of the cutting edge in the rotary saw of Example 1 was changed within the scope of the present invention. In addition, any one to three kinds of the average particle diameter, the rake angle α of the cutting edge, and the shape of the tip 4 of the diamond sintered body 4a as the super-hard sintered body in the rotary saw of Example 1 were changed outside the scope of the present invention. Those having the specified specifications were produced as Comparative Examples 1 to 9. In the comparative example, four types of chips 4 were manufactured. In Comparative Examples 1, 2 and 6, the same mountain blade tip and flat blade tip as those of the present invention were alternately attached. Comparative Example 3 is all of a mountain blade tip, and Comparative Example 4 is all of a flat blade tip. Comparative Examples 5, 7, 8, and 9 are the inclined tips in which the cutting edge 5 is inclined. As shown in FIG. 8, the inclined tips are alternately provided in a staggered manner. In the table below, it is called staggered. Table 1 shows the specifications of Examples and Comparative Examples.
[0026]
[Table 1]

[0027]
Using the above rotary saw, high silicon aluminum alloy (Si content: 12% by mass) was cut. The cutting conditions are shown below.
[0028]
Revolution (peripheral speed): 2365 min ^-1 (1857 m / min)
Cutting depth: 30mm
Feeding speed: 360mm / min
Work material size: thickness 100 mm x width 100 mm x length 300 mm
[0029]
Cutting was performed under the above conditions, and the life, the presence or absence of chipping, and the cutting resistance were measured. Table 2 shows the results. The life is the sum of the cut areas of the cuts up to the life of the rotary saw, and is a numerical value obtained by multiplying the cut area of one cut by the number of cuts. The cutting resistance was measured at the start of the evaluation, and is expressed as a relative value with the reference of Example 1 as the reference (1.0).
[0030]
[Table 2]

[0031]
When Examples 1 to 3 and Comparative Example 1 are compared, a difference due to a difference in the average particle diameter of diamond constituting the ultra-hard sintered body is seen. In the case of the present invention having an average particle diameter of 10 to 100 μm, the life was long and the cutting resistance was low. In particular, both tended to improve as the particle diameter increased. On the other hand, in Comparative Example 1 having a small average particle size of 5 μm, the life was significantly shortened, and the cutting resistance was increased.
[0032]
When Examples 1 and 4 to 7 are compared with Comparative Example 2, a difference due to the rake angle of the chip is found. If the rake angle is negative, the cutting resistance is low and the life is long. However, since the cutting resistance becomes slightly higher at −30 °, the one having −10 ° to −20 ° is more preferable from the viewpoint of life and cutting resistance. On the other hand, in Comparative Example 2, the rake angle was set to a regular angle of 1 °, so that the cutting resistance was low, but the life was significantly shortened. No chipping occurred.
[0033]
Comparing Example 1 with Comparative Examples 3 to 5, the combination of the mountain blade tip and the flat blade tip of Example 1 has a long life and low cutting resistance. On the other hand, in the case of only the mountain blade tip of Comparative Example 3, although the cutting resistance was low, the life tended to be short. In addition, in the case of only the flat blade tip of Comparative Example 4, chipping occurred, the life was shortened, and the cutting resistance tended to increase. Further, in the case of the staggered blade tip of Comparative Example 5, chipping occurred, the life was short, and the cutting resistance was extremely high.
[0034]
Comparative Example 9 is a conventional rotary saw in which all of the average particle diameter, the rake angle, and the tip shape of the tip material were outside the scope of the present invention. Comparing this with the rotary saw of Example 1 of the present invention, it can be seen that the life is remarkably long, chipping is small, and cutting resistance is low. Of the three requirements of Comparative Example 9, any one of which falls within the scope of the present invention is the rotary saw of Comparative Examples 6 to 8. In Comparative Example 6, when the arrangement of the mountain blade tips and the flat blade tips was alternated in the same manner as in the present invention, chipping did not occur, but the cutting resistance was slightly higher and the life was shorter. When the rake angle in Comparative Example 7 was within the range of the present invention, chipping did not occur, but the cutting resistance was high and the life was short. Further, when the average particle size of the material of the chip was set in the range of the present invention in Comparative Example 8, chipping occurred, the cutting resistance was high, and the life was short.
[0035]
Comprehensively examining the above results, the magnitude of the cutting resistance is relatively large depending on the chip arrangement, but it cannot be solved by this alone. In addition, the life and chipping largely depend on the average particle size and rake angle of the chip material, but it is found that the chip shape is significantly improved by specifying this, and by combining the above three requirements It turned out that a great effect was obtained.
[0036]
(Example 8)
A rotary saw was manufactured in the same manner as in Example 1 except that a base metal provided with five slits 7 for damping shown in FIG. 6 was used. The first slit on the outer peripheral side has a slit width of 0.1 to 0.3 mm, a zigzag swing width of up to 35 mm, a slit interval (width of the tongue piece) of 9 mm, and three first slit tongue pieces. The number of tongue pieces of the second slit was also three. The second slit width was the same as the first slit width. When this slit is viewed from the outside, it is inclined from the radial direction as is clear from the drawing. All ends of the slit formed circular holes with a diameter larger than the slit width so that the slit did not crack and spread. It has been found that the damping slit has a function of suppressing the vibration of the thin rotating base metal, and is effective in suppressing the vibration of the base metal of the present invention. The damping slit 7 was impregnated with an epoxy resin. However, the effect of the damping slits 7 is particularly large when there are three or more pairs. However, if the number is too large, the rigidity of the base metal decreases, so that eight or more pairs are not preferable. Needless to say, the effect is exhibited by providing the slits at equal intervals.
[0037]
A cutting test was performed under the same cutting conditions as described in the above examples. The cutting resistance was only slightly reduced, but the service life was 12000 cm ² . Probably, since the vibration is suppressed, the path through which the chip passes is stabilized, and the life is prolonged. This slit was machined with a laser.
[0038]
(Example 9)
Further, a rotary saw having the same positional relationship between the base metal and the chip as shown in FIG. FIG. 7 shows the mountain blade tip and the flat blade tip overlapping each other as in FIG. 3 and the like, but the mounting position of the tip 4 with respect to the base metal 2 is not symmetrical. The distances indicated by L1 and L2 in FIG. 7 indicate the distance between the side surface of the base metal 2 and the side surface of the chip 4, but L1 is 1.2 mm, L2 is 0.8 mm, and L1 is lengthened. Some of the generally-discharged chips remain on tools and the like. The chips from the cut side of the work material can escape to a wide space, but the chips on the main body side adhere to tools and the like because there is no escape place. In the present invention, the life can be further extended by increasing the distance L1 between the base metal on the main body side and the chip side surface.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, the average particle size of the super hard particles is set to 10 to 100 μm, the rake angle is set to a negative angle, and the mountain blade tips and the flat blade tips are alternately arranged, so that the rotating life is long and the cutting resistance is low. Saw can be provided. Therefore, highly accurate processing can be performed with high efficiency and low cost. Furthermore, by providing a slit for vibration suppression in the base metal, vibration of the base metal itself can be prevented, and chipping of a chip made of a super-hard sintered body can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a rotary saw according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged side view around the chip of FIG. 1;
FIG. 3 is an explanatory view showing the positional relationship between the cutting edge of the rotary saw of the present invention when the mountain blade tip and the flat blade tip are at the same position when viewed from the front side in the rotation direction R. .
FIG. 4 is an explanatory view when the flat blade tip used in the present invention and the comparative example is viewed from the front side in the rotation direction R.
FIG. 5 is an explanatory diagram when the mountain blade tip used in the present invention and the comparative example is viewed from the front side in the rotation direction R.
FIG. 6 is a side view of another embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a partially enlarged view of a rotary saw according to still another embodiment of the present invention when viewed from the front side in the rotation direction R.
FIG. 8 is an explanatory view showing the positional relationship of the cutting edge when the staggered blade tip of the rotary saw of the comparative example is viewed from the front side in the rotation direction.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Rotary saw 2 Base metal 3 Blade base 4 Tip 4a Super hard sintered body 4b Cemented carbide base 5 Cutting edge ridge 5a Central cutting edge ridge 5b End cutting edge ridge 6 Rake surface 7 Damping slit 8 Strain prevention Slit 9 Mounting screw α Rake angle β Clearance angle L1, L2 Clearance R between the side of base metal and the side of chip

Claims

A rotary saw provided with a plurality of chips made of a super-hard sintered body on an outer periphery of a disk-shaped base metal,
The average particle size of the super hard particles constituting the super hard sintered body is 10 to 100 μm,
The rake angle of the cutting edge of the tip is a negative angle,
A rotary saw as set forth in claim 1, wherein the tip is configured such that a mountain blade tip and a flat blade tip are alternately arranged, and the height of the flat blade tip is lower than that of the mountain blade tip.

The rotary saw according to claim 1, wherein the rake angle is -1 to -20 °.

The rotary saw according to claim 1, wherein the tip is used for cutting a material which is liable to wear.

The rotary saw according to any one of claims 1 to 3, wherein a slit for damping is provided in the disk-shaped base metal.

5. A slit for preventing distortion, which suppresses distortion due to thermal expansion when a chip is mounted on the base metal, is provided at an outer peripheral edge of the disk-shaped base metal. The rotary saw described in Crab.

When the disk-shaped base is viewed from the front in the rotation direction, a distance L1 between one side of the base and one side of the chip, a distance L2 between the other side of the base and the other side of the chip, and 6. The rotary saw according to claim 1, wherein