【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平偏波の電波通信を行う指向性ダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた通信機に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図12(a)には特許文献1に記載されている指向性ダイバーシチアンテナの一つが模式的な平面図により示されている。この指向性ダイバーシチアンテナ30において、2つの放射素子31a,31bが間隔を介して配置されており、これら放射素子31a,31b間には、λ/4の移相回路32が設けられている。また、外部の高周波回路33と、放射素子31a,31bとを接続するための信号導通路34が設けられ、この信号導通路34にはスイッチ回路35が介設されている。
【0003】
このスイッチ回路35は2つのスイッチ36a,36bを有している。それらスイッチ36a,36bのスイッチオン・オフ状態を変化させることで、放射素子31a,31bと高周波回路33との接続状態が変化する。
【0004】
つまり、スイッチ36a,36bのうちのスイッチ36aのみがスイッチオンしている状態では、放射素子31aはスイッチ36aを介し高周波回路33に直接的に接続し、放射素子31bはλ/4移相回路32とスイッチ36aを介して高周波回路33と接続する。また、スイッチ36a,36bのうちのスイッチ36bのみがスイッチオンしている状態では、放射素子31aはλ/4移相回路32とスイッチ36bを介して高周波回路33と接続し、放射素子31bはスイッチ36bを介し高周波回路33に直接的に接続する。さらに、スイッチ36a,36bの両方が共にスイッチオンしている状態では、放射素子31aはスイッチ36aを介し直接的に高周波回路33に接続し、また、放射素子31bはスイッチ36bを介し直接的に高周波回路33に接続する。
【0005】
このように、スイッチ回路35の切り換え動作によって、放射素子31a,31bと、高周波回路33との接続状態が切り換わり、λ/4移相回路32によって、放射素子31aに励起する電界と、放射素子31bに励起する電界との位相関係が変化する。指向性ダイバーシチアンテナ30の指向性は、放射素子31a,31bの電界の合成により定まるものである。スイッチ回路35の切り換えによる放射素子31a,31b間の電界の位相関係の変化によって、放射素子31a,31bの電界の合成状態が変化して、図12(b)に示すように、指向性ダイバーシチアンテナ30の指向性は、実線37aや一点鎖線37bや二点鎖線37cのように、図のy−z平面に沿って変化する。
【0006】
図13には、別の指向性ダイバーシチアンテナの一例が模式的に示されている。この指向性ダイバーシチアンテナ40は特許文献2に記載されているものである。この指向性ダイバーシチアンテナ40は1つの方形状の放射素子41(導体パッチ)を有し、この放射素子41には、2つの給電部42a,42bが互いに隣り合う放射素子41の辺41a,41bにそれぞれ設けられている。
【0007】
この指向性ダイバーシチアンテナ40では、給電部42aが外部の高周波回路(図示せず)に接続されているときと、給電部42bが高周波回路に接続されているときとで、放射素子41に励起する電界の向きが変化し、これにより、指向性ダイバーシチアンテナ40の指向性が変化する。
【0008】
上記以外の指向性ダイバーシチアンテナの構成も提案されている。例えば、特許文献3,4,5には、それぞれ、指向性が異なる2つの放射素子を設け、それら放射素子を択一的に切り換えることによって、指向性を切り換える構成が示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−86825号公報
【特許文献2】
特開平7−226615号公報
【特許文献3】
特開2000−36780号公報
【特許文献4】
特開2000−59128号公報
【特許文献5】
特開2000−124735号公報
【特許文献6】
特開平8−335819号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示す特許文献1の構成では、指向性ダイバーシチアンテナ30の指向性は、図12のy−z平面上だけの変化であり、通信感度が良い方向が限定されてしまうという問題がある。
【0011】
また、図13に示す特許文献2の構成では、放射素子は1つであり、また、特許文献3〜5の構成では、同時に複数の放射素子を動作させるのではなく、放射素子の1つを択一的に切り換えて動作させる構成である。このように、特許文献2〜5の構成では、1つの放射素子で通信を行うので、アンテナ利得の向上に限界がある。また、放射素子の面に対して鉛直な方向の指向性が最大となり、低仰角方向のアンテナ利得が小さい。このことから、低仰角方向の通信感度が悪いという問題がある。
【0012】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、指向性を大きく変化させることができ、また、低仰角方向の通信感度の向上が容易な指向性ダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた通信機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、水平偏波の電波通信を行う指向性ダイバーシチアンテナ装置であって、対を成すマイクロストリップパッチアンテナが間隔を介し略同一平面上に配置されており、それら対を成すマイクロストリップパッチアンテナには、それぞれ、同じ方向の同相の水平偏波の電界を各マイクロストリップパッチアンテナに励起させるための同相側の給電部が設けられると共に、前記同相の水平偏波の励起方向と直交する方向に互いに逆相の水平偏波の電界を各マイクロストリップパッチアンテナに励起させるための逆相側の給電部が設けられており、また、各マイクロストリップパッチアンテナの同相側の給電部に共通に接続する同相側の合成回路と、各マイクロストリップパッチアンテナの逆相側の給電部に共通に接続する逆相側の合成回路とが設けられ、さらに、それら同相側の合成回路と、逆相側の合成回路とのうちの選択された一方を外部の高周波回路に切り換え接続させるためのスイッチ回路が設けられており、当該スイッチ回路の切り換えに応じて対を成すマイクロストリップパッチアンテナの水平偏波の合成の電界の指向性が変化することを特徴としている。また、この発明の通信機は、この発明の特有な構成を備えた指向性ダイバーシチアンテナ装置が設けられていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には第1実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置が模式的な平面図により示されている。この第1実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置1は、対を成すマイクロストリップパッチアンテナ2,3と、合成回路4,5と、スイッチ回路6とを有して構成されている。
【0016】
第1実施形態例では、マイクロストリップパッチアンテナ2,3は同一の方形状を呈し、互いに間隔を介し一辺を対向させて同一平面上に並設されている。この第1実施形態例では、図1において、マイクロストリップパッチアンテナ2の下側の辺2Dには給電部72が、また、マイクロストリップパッチアンテナ3の上側の辺3Uには給電部73が、それぞれ、設けられている。換言すれば、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の互いに対向し合う辺2R,3Lの対角となる端部P2,P3にそれぞれ連接して前記対向し合う辺2R,3Lに直交する方向に伸長する辺2D,3Uに、それぞれ、給電部72,73が設けられている。この第1実施形態例では、給電部72,73は、それぞれ、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の辺2D,3Uの中点に設けられている。
【0017】
また、マイクロストリップパッチアンテナ2,3のうちの一方側(図1の例ではマイクロストリップパッチアンテナ3)には、他方側と対向し合う辺3Lに給電部83が設けられ、他方側(マイクロストリップパッチアンテナ2)の前記対向し合う辺2Rに対して背面側となる辺2Lには給電部82が設けられている。この第1実施形態例では、それら給電部82,83は、辺2L,3Lの中点に設けられている。
【0018】
給電部72,73は、それぞれ、別々の信号導通路102,103によって共通の合成回路4に接続されている。この合成回路4は信号導通路12によってスイッチ回路6に接続されている。また、給電部82,83は、それぞれ、別々の信号導通路112,113によって共通の合成回路5に接続されている。この合成回路5は、信号導通路13によってスイッチ回路6に接続されている。
【0019】
スイッチ回路6は、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチにより構成されており、この第1実施形態例では、外部の高周波回路14(例えば通信機の受信回路)を、合成回路4,5の一方に切り換え接続させる構成を備えている。このスイッチ回路6の切り換え動作は、例えば、通信機に設けられている制御回路15によって制御される。
【0020】
この第1実施形態例では、スイッチ回路6の切り換え動作によって高周波回路14が合成回路4に接続されている場合には、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の給電部72,73が合成回路4を介して高周波回路14に接続された状態となる。この場合、マイクロストリップパッチアンテナ2,3には、同じ方向(この例では、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の中心O2,O3を直線状に結ぶ方向(ここでは、エンドファイア方向と記す))に互いに逆相の水平偏波の電界が励起される。すなわち、給電部72,73は逆相側の給電部と成し、また、合成回路4は逆相側の合成回路と成す。なお、この明細書中では、そのようなマイクロストリップパッチアンテナ2,3の動作状態を逆相励振モードと呼ぶ。
【0021】
指向性ダイバーシチアンテナ装置1の指向性は、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の水平偏波の合成の電界により定まるものである。マイクロストリップパッチアンテナ2,3が逆相励振モードでもって励振する場合には、指向性ダイバーシチアンテナ装置1は、例えば図2と図3(a)のグラフ中の点線Aに示されるような水平偏波の指向性(アンテナ利得特性)を持つ。それら図2および図3(a)のグラフは、発明者が行ったシミュレーションにより得られたものであり、図2は、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の面を上方側から見た場合における指向性ダイバーシチアンテナ装置1の水平偏波の指向性を表している。図3(a)は、指向性ダイバーシチアンテナ装置1を図1の下側から見た場合における水平偏波の指向性を表している。なお、図3(a)の横軸Xはマイクロストリップパッチアンテナ2,3の表面位置に対応している。また、本発明者が行った上記シミュレーションでは、マイクロストリップパッチアンテナ2,3が形成されている誘電体基板の比誘電率は10とし、当該誘電体基板の厚みは0.8mmとし、マイクロストリップパッチアンテナ2,3は正方形状と成して当該正方形状の一辺の長さは9.5mmとし、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の中心O2,O3間の距離は25mmとし、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の共振周波数は約4.9GHzとした条件の下で計算を行った。
【0022】
マイクロストリップパッチアンテナ2,3が逆相励振モードでもって動作している場合には、マイクロストリップパッチアンテナ2,3のそれぞれの水平偏波の電界は互いに逆相であることから、マイクロストリップパッチアンテナ2,3間の領域では、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の水平偏波の電界は打ち消し合う。このため、図3(a)に示されるように、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の面に垂直な方向への水平偏波の電界の広がりは抑制されている。これに対して、エンドファイア方向の外側に向かうと、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の各水平偏波の電界は合成されて強め合う。したがって、逆相励振モード中における指向性ダイバーシチアンテナ装置1は、図2の点線Aに示されるようにエンドファイア方向の指向性を持ち、特に、図3(a)の点線Aに示されるようにマイクロストリップパッチアンテナ2,3の中心O2,O3間の中点O1(図1参照)を通りマイクロストリップパッチアンテナ2,3の面に垂直な中心線に対してエンドファイア方向に傾いた(図3(a)のグラフの例では約45°傾いた)方向に強い指向性を持つことができる。つまり、低仰角方向のアンテナ利得の向上を図ることができる。
【0023】
本発明者は、マイクロストリップパッチアンテナ2,3のうちの一方だけが動作してエンドファイア方向の水平偏波の電界が励起されている場合の指向性(アンテナ利得特性)を前記同様のシミュレーションによって求めた。その結果が図2および図3(a)の点線Cに示されている。この第1実施形態例における逆相励振モード中の指向性ダイバーシチアンテナ装置1の指向性(図2と図3(a)の点線A)と、マイクロストリップパッチアンテナが単体である場合の指向性(図2と図3(a)の点線C)との比較からも分かるように、この第1実施形態例では、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の水平偏波が合成されるので、各マイクロストリップパッチアンテナ2,3の水平偏波の合成により電界を強め合う領域においては、マイクロストリップパッチアンテナが単体である場合に比べて、より強い指向性を得ることができる(アンテナ利得の向上を図ることができる)。また、マイクロストリップパッチアンテナが単体である場合には、マイクロストリップパッチアンテナの面に対して垂直な方向に特に強い指向性を示したのに対して、第1実施形態例の構成では、逆相励振モード中には、そのマイクロストリップパッチアンテナの面に対して垂直な方向の指向性は弱く、エンドファイア方向における低仰角方向の指向性が強いというマイクロストリップパッチアンテナ2,3の逆相の水平偏波の合成から得られる特有な指向性を持つことができる。
【0024】
スイッチ回路6の切り換え動作によって高周波回路14が合成回路5に接続されている場合には、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の給電部82,83が合成回路5を介して高周波回路14に接続された状態となる。この場合、マイクロストリップパッチアンテナ2,3には、それぞれ、エンドファイア方向に直交する方向(ここでは、ブロードサイド方向と記す)に同相の水平偏波の電界が励起される。すなわち、給電部82,83は同相側の給電部と成し、また、合成回路5は同相側の合成回路と成す。なお、この明細書中では、そのようなマイクロストリップパッチアンテナ2,3の動作状態を同相励振モードと呼ぶ。
【0025】
この同相励振モードの場合には、指向性ダイバーシチアンテナ装置1は、例えば図2のグラフ中の実線Bに示されるように、ブロードサイド方向に水平偏波の指向性を持つ。また、マイクロストリップパッチアンテナ2,3のそれぞれの水平偏波の電界は同相であるので、マイクロストリップパッチアンテナが1つしか動作しない場合(例えば図2の鎖線D参照)よりも、ブロードサイド方向の全体に渡って電界が強め合って、指向性を強くすることができる。特に、ブロードサイド方向の中でも、マイクロストリップパッチアンテナ2,3間の領域では、それらマイクロストリップパッチアンテナ2,3の同相の電界の合成によって、指向性がより強くなる。このことは、本発明者による前記同様のシミュレーションの結果(図3(b)の実線B参照)にも見ることができる。図3(b)のグラフは、指向性ダイバーシチアンテナ装置1を図1の左右方向から見た場合における水平偏波の指向性(アンテナ利得)を表しており、横軸Yはマイクロストリップパッチアンテナ2,3の表面位置に対応している。この図3(b)に示されるように、同相励振モードの場合には、指向性ダイバーシチアンテナ装置1は、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の面に垂直な方向に特に強い指向性を持つ。つまり、マイクロストリップパッチアンテナ2,3が同相励振モードでもって動作している場合には、指向性ダイバーシチアンテナ装置1は、逆相励振モード時の指向性が弱い方向を補うような指向性を持つことができる。
【0026】
この第1実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置1では、スイッチ回路6の切り換え動作によって、マイクロストリップパッチアンテナ2,3が逆相励振モードと同相励振モードとのうちの何れか一方の動作状態に切り換わり、これにより、指向性ダイバーシチアンテナ装置1の指向性を、互いに直交するエンドファイア方向とブロードサイド方向とのうちの何れか一方に切り換えることができる。また、エンドファイア方向の指向性を示す場合には、特に低仰角方向(例えば、45°方向)の指向性が強くなり、また、ブロードサイド方向の指向性を示す場合には、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の面に水平な方向の指向性が強くなるというように、指向性が特に強である方向、つまり、特に通信感度が良好となる方向も切り換えることができる。
【0027】
また、第1実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置1では、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の合成の電界を利用しているので、マイクロストリップパッチアンテナ2,3のうちの一方側だけを励振させた場合(図2と図3(a)、(b)に示す点線Cと鎖線Dを参照)に比べて、指向性を強くすること(アンテナ利得を向上させること)ができる。
【0028】
なお、例えば、合成回路4,5と、スイッチ回路6と、信号導通路102,103,112,113,12,13とを同一の誘電体基板に形成し、また、その誘電体基板の表面に直接的にマイクロストリップパッチアンテナ2,3が形成されている構成として、指向性ダイバーシチアンテナ装置1が1つのモジュール部品となっている形態としてもよいし、例えば、通信機の回路基板に合成回路4,5やスイッチ回路6等がそれぞれ別々に配設されて指向性ダイバーシチアンテナ装置1が形成される構成としてもよい。
【0029】
また、この第1実施形態例では、説明を分かり易くするために、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の各辺を説明する際に紙面に表されている姿勢状態のままを述べたが、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の姿勢は特に限定されるものではない。
【0030】
以下に、第2実施形態例を説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0031】
この第2実施形態例では、図4に示されるように、マイクロストリップパッチアンテナ2,3には、それぞれ、互いに対向し合う辺2R,3Lに同相側の給電部82,83が設けられ、また、上側の辺2U,3U(換言すれば、対向し合う辺2R,3Lの同じ側の端部Pに連接する隣の辺2U,3U)には逆相側の給電部72,73が設けられている。この第2実施形態例では、それら給電部72,73,82,83は、それぞれ、各辺2U,3U,2R,3Lの中点に設けられている。
【0032】
マイクロストリップパッチアンテナ2,3の各逆相側の給電部72,73は、それぞれ、別々の信号導通路102,103を介して共通の逆相側の合成回路4に接続されている。それら信号導通路102,103のうちの一方側(図示の例では、信号導通路103)には信号の位相を180°変換させるための位相回路17が介設されている。マイクロストリップパッチアンテナ2,3における給電部72,73の配設位置だけを見ると、それら給電部72,73がスイッチ回路6によって高周波回路14に接続された際に、マイクロストリップパッチアンテナ2,3には同相の水平偏波の電界が励起されるのではないかと思われるかもしれないが、この第2実施形態例では、給電部72,73と、合成回路4とを接続する信号導通路102,103のうちの一方側(103)に位相回路17を介設することによって、第1実施形態例と同様に、給電部72,73を逆相側の給電部として機能させることができる。
【0033】
また、給電部82,83に関しても同様に、第2実施形態例では、それら給電部82,83をそれぞれ共通の合成回路5に接続させるための信号導通路112,113のうちの一方側(113)に位相回路18が介設されている。その位相回路18も、位相回路17と同様に、信号の位相を180°変換させる回路構成を有している。これにより、給電部82,83は、見かけ上、逆相側の給電部の位置に設けられているが、同相側の給電部として機能することができる。
【0034】
給電部72,73,82,83の配設位置、および、信号導通路に位相回路17,18を設ける構成以外の構成は、第1実施形態例と同様である。この第2実施形態例の構成においても、第1実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置1と同様に動作して、第1実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる。
【0035】
以下に、第3実施形態例を説明する。なお、第3実施形態例の説明において、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0036】
第3実施形態例では、図5に示されるように、マイクロストリップパッチアンテナ2,3のうちの一方側(図示の例ではマイクロストリップパッチアンテナ2)には、逆相側の給電部72のみが設けられ、同相側の給電部82は省略されている。マイクロストリップパッチアンテナ2,3の各逆相側の給電部72,73は、それぞれ個別の信号導通路102,103を介して共通の逆相側の合成回路4に接続され、当該合成回路4は、信号導通路12を介してスイッチ回路6に接続されている。
【0037】
また、マイクロストリップパッチアンテナ2の同相側の給電部82が省略されているので、同相側の合成回路5は省略されており、マイクロストリップパッチアンテナ3の同相側の給電部83は直接的にスイッチ回路6に接続されている。スイッチ回路6は、逆相側の合成回路4と、マイクロストリップパッチアンテナ3の同相側の給電部83とのうちの一方を択一的に外部の高周波回路14に切り換え接続させる構成と成す。
【0038】
この第3実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置1も、第1や第2の各実施形態例と同様に動作するが、この第3実施形態例では、マイクロストリップパッチアンテナ2におけるブロードサイド方向の水平偏波はアンテナ動作に関与しない。このため、ブロードサイド方向のアンテナ利得は、第1や第2の各実施形態例に比べて、やや落ちるものの、第1や第2の各実施形態例とほぼ同様の優れた効果を得ることができる。
【0039】
以下に、第4実施形態例を説明する。なお、この第4実施形態例の説明において、第1〜第3の各実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0040】
ところで、トランスの一つとして、図6に示されるような構成を持つものがある。このトランス20は、一般的には平衡−不平衡変換に用いられるものであり、バラントランスと呼ばれている。このバラントランス20は、平衡側コイル21と、不平衡側コイル22とが電磁結合して成る構成を備えている。平衡側コイル21には中間タップ23が設けられており、この中間タップ23はグランドに接地される。不平衡側コイル22の一端側22aは外部の回路に接続され、他端側22bはグランドに接地される。
【0041】
このようなバラントランス20において、例えば、外部の回路から不平衡側コイル22の端部22aを介して信号が入力すると、不平衡側コイル22の信号通電に起因して平衡側コイル21に電圧が誘起され、これにより、平衡側コイル21の両端部21a,21bから、それぞれ、互いに逆相の信号が出力される。換言すれば、平衡側コイル21の両端部21a,21bのうちの一方側からは、不平衡側コイル22に入力した信号と同相の信号が出力され、他方側からは、その信号と180°位相がずれた信号(つまり、逆相の信号)が出力される。
【0042】
また上記とは反対に、両端部21a,21bからそれぞれ信号が平衡側コイル21に入力すると、不平衡側コイル22に電圧が誘起されて当該不平衡側コイル22から端部22aを通して信号が外部に出力される。この不平衡側コイル22の出力信号は、平衡側コイル21の端部21a側からの入力信号と、端部21b側からの入力信号とのうちの一方側の入力信号の位相を180°ずらした信号と、他方側の入力信号とを合成した信号となる。
【0043】
本発明者は、そのようなバラントランス20の平衡不平衡変換動作に着目した。つまり、バラントランス20は、例えば第2実施形態例に示した合成回路4,5の機能と、位相回路17,18の機能との両方の機能を備えていることに本発明者は気付いて、この第4実施形態例において特有な構成を考え出した。すなわち、この第4実施形態例では、第2実施形態例に示した逆相側の合成回路4および位相回路17(図4参照)に代えて、図7に示されるように、逆相側のバラントランス20Aを設けている。また、第2実施形態例に示した同相側の合成回路5および位相回路18に代えて、同相側のバラントランス20Bを設けている。
【0044】
逆相側のバラントランス20Aを構成する平衡側コイル21の一端側はマイクロストリップパッチアンテナ2の逆相側の給電部72に接続され、平衡側コイル21の他端側はマイクロストリップパッチアンテナ3の逆相側の給電部73に接続されている。また、逆相側のバラントランス20Aの不平衡側コイル22の一端側はグランドに接続され、他端側はスイッチ回路6に接続されている。
【0045】
同相側のバラントランス20Bの平衡側コイル21の一端側はマイクロストリップパッチアンテナ2の同相側の給電部82に接続され、平衡側コイル21の他端側はマイクロストリップパッチアンテナ3の同相側の給電部83に接続されている。また、同相側のバラントランス20Bの不平衡側コイル22の一端側はグランドに接続され、他端側はスイッチ回路6に接続されている。
【0046】
スイッチ回路6は、逆相側のバラントランス20Aの不平衡側コイル22と、同相側のバラントランス20Bの不平衡側コイル22とのうちの一方側を選択的に外部の高周波回路14に切り換え接続させる構成と成す。このスイッチ回路6の切り換え動作は、第1〜第3の各実施形態例と同様に、例えば通信機の制御回路15の制御動作により行われる。
【0047】
上記以外の構成は第2実施形態例と同様である。この第4実施形態例では、逆相側のバラントランス20Aを構成する平衡側コイル21の両端部は、それぞれ、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の各々の見かけ上の同相側の給電部と見られる位置に個別に接続されているが、それら見かけ上の同相側の給電部は、次に示すようなバラントランス20Aの動作によって逆相側の給電部72,73として機能することができる。
【0048】
つまり、バラントランス20Aは、高周波回路14側から信号が入力した場合には、平衡不平衡変換動作によって平衡側コイル21の両端部からそれぞれ互いに逆相の信号を各マイクロストリップパッチアンテナ2,3の給電部72,73に向けて出力する。また、各マイクロストリップパッチアンテナ2,3の給電部72,73から、それぞれ、逆相の信号がバラントランス20Aに入力した場合には、前述したようなバラントランス20Aの平衡不平衡変換動作(つまり、それら入力信号のうちの一方側の信号の位相を180°ずらした信号と、他方側の信号とを合成した信号を出力する動作)によって、バラントランス20Aは、同相信号の合成信号を出力することと等価となることから、給電部72,73側からの入力信号を強めて高周波回路14側に向けて出力する。このようなバラントランス20Aの平衡不平衡変換動作によって、見かけ上は同相側の給電部と見られる給電部が、逆相側の給電部72,73として機能することができる。
【0049】
なお、逆相側の給電部72,73からそれぞれ同相の信号がバラントランス20Aに入力することがあるが、この場合には、バラントランス20Aの平衡不平衡変換動作によって、バラントランス20Aは、逆相信号の合成を行うことと等価になるので、互いの信号が相殺されて、バラントランス20Aの不平衡側コイル22から信号は出力されない。
【0050】
この第4実施形態例では、同相側の給電部82,83に関しても上記同様である。すなわち、同相側の給電部82,83は、見かけ上、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の各々の逆相側の給電部と見られる位置に配置されているが、それら逆相側の給電部と見られる給電部82,83は、同相側のバラントランス20Bの平衡不平衡変換動作によって、同相側の給電部として機能することができる。
【0051】
したがって、この第4実施形態例に示した構成を備えることによって、第2実施形態例と同様に動作することができて、第1〜第3の各実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる。その上、第2実施形態例よりも回路構成の簡略化を図ることができて更なる小型化を図ることができる。
【0052】
以下に、第5実施形態例を説明する。第5実施形態例は通信機に関するものであり、この第5実施形態例の通信機において特徴的なことは、第1〜第4の各実施形態例に示した指向性ダイバーシチアンテナ装置1のうちの何れか1つが設けられていることである。なお、その指向性ダイバーシチアンテナ装置1の説明は第1〜第4の各実施形態例で述べたので、その重複説明は省略する。
【0053】
また、この第5実施形態例の通信機の制御回路には、指向性ダイバーシチアンテナ装置1のスイッチ回路6の切り換え動作を制御するためのダイバーシチ制御部が設けられている。例えば、そのダイバーシチ制御部は、指向性ダイバーシチアンテナ装置1から、逆相側の合成回路4側(逆相の給電部72,73側)からの無線通信の受信信号(つまり逆相励振モードによる受信信号)と、同相側の合成回路5側(同相の給電部82,83側)からの無線通信の受信信号(つまり同相励振モードによる受信信号)とを高周波回路14を介して取り込む。
【0054】
そして、ダイバーシチ制御部は、その取り込んだ受信信号に基づいて、逆相励振モードによる無線通信と、同相励振モードによる無線通信とのうち、より良好に無線通信を行うことができるのはどちらであるかを選択する。この選択動作によって逆相励振モードによる無線通信を選択した場合には、ダイバーシチ制御部は、指向性ダイバーシチアンテナ装置1のスイッチ回路6を逆相側の合成回路4側(逆相の給電部72,73側)に切り換える。また、同相励振モードによる無線通信を選択した場合には、ダイバーシチ制御部は、指向性ダイバーシチアンテナ装置1のスイッチ回路6を同相側の合成回路5側(同相の給電部82,83側)に切り換える。
【0055】
上記以外の通信機の構成には様々な構成があり、ここでは、何れの構成をも採用してよく、その説明は省略する。この第5実施形態例の通信機は、第1〜第4の実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置1のうちの一つが設けられているので、アンテナ利得向上により通信感度を高めることができて、通信の信頼性を向上させることができる。
【0056】
なお、この発明は第1〜第5の各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第1〜第5の各実施形態例では、対を成すマイクロストリップパッチアンテナ2,3は同一のものとしたが、例えば、加工精度の問題などにより、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の大きさや形状が僅かにばらつくことがある。このような場合には、マイクロストリップパッチアンテナ2,3は同一と見なすことができて、第1〜第5の各実施形態例と同様に指向性ダイバーシチアンテナ装置1は動作することができる。つまり、マイクロストリップパッチアンテナ2,3は同一に限定されるものではない。また、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の形状は互いに直交する二方向の水平偏波を励起することができる形状であればよく、方形状に限定されるものではない。
【0057】
また、第2実施形態例では、逆相側の給電部72,73を個別に逆相側の合成回路4に接続するための信号導通路102,103のうちの一方に位相回路17を設けると共に、同相側の給電部82,83を個別に同相側の合成回路5に接続するための信号導通路112,113のうちの一方に位相回路18を設ける構成であったが、例えば、図8(a)に示されるように、同相側の信号導通路112,113のうちの一方側に位相回路18を設ける構成とし、逆相側の給電部72,73は、第1実施形態例と同様の位置に設けて位相回路17を設けない構成としてもよい。
【0058】
また、例えば、図8(b)に示されるように、逆相側の信号導通路102,103のうちの一方側に位相回路17を設ける構成とし、同相側の給電部82,83は、第1実施形態例と同様の位置に設けて位相回路18を設けない構成としてもよい。
【0059】
さらに、図8(a)、(b)の変形例として、第4実施形態例に示したバラントランス20を用いた構成としてもよい。つまり、図8(a)に示す同相側の合成回路5および位相回路18を設けるのに代えて、図9(a)に示すようにバラントランス20Bを設ける構成としてもよい。また、図8(b)に示す逆相側の合成回路4および位相回路17を設けるのに代えて、図9(b)に示すようにバラントランス20Aを設ける構成としてもよい。
【0060】
さらに、第3実施形態例では、マイクロストリップパッチアンテナ2には、逆相側の給電部72だけが設けられる構成であったが、例えば、図10(a)に示されるように、マイクロストリップパッチアンテナ2には、同相側の給電部82だけが設けられる構成としてもよい。この場合には、もちろん、同相側の合成回路5は設けられるが、逆相側の合成回路4は省略される。この場合、スイッチ回路6には、同相側の合成回路5が接続され、また、マイクロストリップパッチアンテナ3の逆相側の給電部73が直接的に接続される。
【0061】
さらに、第3実施形態例の特有な構成に、第2実施形態例の特有な構成を組み合わせてもよい。つまり、図10(b)、(c)に示されるように、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の両方に設けられる側の給電部を個別に合成回路4(5)に接続する2つの信号導通路102,103(112,113)のうちの一方側に第2実施形態例に示したような位相回路17(18)を設けてもよい。
【0062】
さらに、図10(b)、(c)の変形例として、第4実施形態例に示したバラントランス20を用いた構成としてもよい。つまり、図10(b)に示す逆相側の合成回路4および位相回路17を設けるのに代えて、図11(a)に示すようにバラントランス20Aを設ける構成としてもよい。また、図10(c)に示す同相側の合成回路5および位相回路18を設けるのに代えて、図11(b)に示すようにバラントランス20Bを設ける構成としてもよい。
【0063】
さらに、第1〜第5の各実施形態例に示した図示の例では、マイクロストリップパッチアンテナ2,3に対し側面側から給電する例を示したが、マイクロストリップパッチアンテナ2,3の裏面側から給電ピンを利用して第1〜第5の各実施形態例に示した給電部72,73,82,83に給電する構成としてもよい。この場合にも第1〜第5の各実施形態例と同様の効果を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
この発明によれば、対を成すマイクロストリップパッチアンテナのそれぞれに同じ方向の同相の水平偏波の電界を励起させることができる同相励振モードと、それら各マイクロストリップパッチアンテナに前記同相の水平偏波の励起方向と直交する方向に互いに逆相の水平偏波の電界を励起させる逆相励振モードとの2つのモードを持つことが可能な構成とし、さらに、スイッチ回路によって、それら2つのモードのうちの一方側が切り換えられて動作する構成を備えた。
【0065】
この発明では、同相励振モードでのマイクロストリップパッチアンテナの励振方向と、逆相励振モードでのマイクロストリップパッチアンテナの励振方向とは直交しており、同相励振モードでのマイクロストリップパッチアンテナの励振による水平偏波の指向性と、逆相励振モードでのマイクロストリップパッチアンテナの励振による水平偏波の指向性とは略直交関係となる。このため、スイッチ回路によるモード切り換えによって、この発明の指向性ダイバーシチアンテナ装置は、指向性を大きく変化させることができる。
【0066】
その上、この発明では、対を成すマイクロストリップパッチアンテナがそれぞれ逆相励振モードでもって励振しているときには、それらマイクロストリップパッチアンテナ間の領域では、電界が打ち消し合ってアンテナ利得が低くなるが、それ以外の逆相励振モードの励振方向の領域では、各マイクロストリップパッチアンテナの電界は強め合うこととなり、マイクロストリップパッチアンテナが1つである場合に比べて、アンテナ利得を向上させることができる。特に、低仰角方向のアンテナ利得を強めることができる。
【0067】
また、対を成すマイクロストリップパッチアンテナが同相励振モードでもってそれぞれ励振しているときには、各マイクロストリップパッチアンテナの電界は同相であるので、各マイクロストリップパッチアンテナの電界の合成によって、マイクロストリップパッチアンテナが1つである場合に比べて、励振方向全体に渡ってアンテナ利得を強めることができる。特に、マイクロストリップパッチアンテナの面に垂直な方向に大きなアンテナ利得を持たせることができる。つまり、同相励振モードでは、逆相励振モード時にアンテナ利得が最も低下してしまう領域でのアンテナ利得が最も高くなり、指向性ダイバーシチアンテナ装置全体で見れば、ヌル点を無くすことができる。また、もちろん、同相励振モードにおいても、マイクロストリップパッチアンテナが1つである場合に比べて、低仰角方向のアンテナ利得を強めることができる。
【0068】
よって、この発明の指向性ダイバーシチアンテナ装置は、アンテナ利得の向上によって通信感度を高めることができる。特に、低仰角方向の水平偏波の通信感度の安定化を図ることができる。このため、低仰角方向での通信を行うことが多い無線LAN通信や、ホットスポット通信等に大きな成果を上げることが可能となる。
【0069】
また、この発明の指向性ダイバーシチアンテナ装置は、対を成すマイクロストリップパッチアンテナと合成回路とスイッチ回路という何れも簡単な構成のものだけで構成することができるので、小型低背化が容易である。このことから、この発明の指向性ダイバーシチアンテナ装置は、PCMIAカード等のカード型の端末や、ノート型パソコン等の携帯型の情報端末機器に内蔵することが容易となる。
【0070】
対を成すマイクロストリップパッチアンテナはそれぞれ略同一の方形状と成し、これらマイクロストリップパッチアンテナは、互いに一辺を間隔を介し対向させて配設されており、この対を成すマイクロストリップパッチアンテナの一方側の前記対向し合う辺と、他方側のマイクロストリップパッチアンテナの前記対向し合う辺に対して背面側と成す辺とには、それぞれ、同相側の給電部が設けられ、また、対を成すマイクロストリップパッチアンテナの前記対向し合う辺の互いに対角となる端部にそれぞれ連接して前記対向し合う辺に直交する方向に伸長する辺には、それぞれ、逆相側の給電部が設けられているものにあっては、非常に簡単な回路構成で、上記のような優れた効果を得ることができる。
【0071】
また、位相回路が設けられているものにあっては、例えば、信号導通路を形成することができる領域が限定されているような場合においても、その限定された領域内で信号導通路を形成し、また、位相回路を利用することで、対を成すマイクロストリップパッチアンテナに上記同様に同相励振モードと逆相励振モードの動作を行わせることができて、上記同様の優れた効果を得ることができる。
【0072】
さらに、バラントランスを用いたものにあっては、バラントランスは、合成回路としての機能と位相回路としての機能との両方の機能を備えたものであるので、バラントランスを設けることにより、合成回路および位相回路が設けられているものに比べて、上記のような優れた効果を持つ指向性ダイバーシチアンテナ装置のより一層の小型化を促進させることができる。
【0073】
さらに、対を成すマイクロストリップパッチアンテナのうちの一方側は、同相側の給電部と、逆相側の給電部とのうちの一方側だけが設けられているものにあっては、信号導通路や合成回路の削減を図ることができて、回路構成の簡略化を図ることができる。これにより、指向性ダイバーシチアンテナ装置の小型化を促進させることができる。また、対を成すマイクロストリップパッチアンテナの両方共に同相側の給電部および逆相側の給電部が設けられている場合とは僅かに指向性が異なる。換言すれば、給電部を省略するだけで、指向性を可変することができる。このことから、例えば、要求の指向性に応じて選択した給電部を各マイクロストリップパッチアンテナにそれぞれ設けることによって、ニーズにより合った指向性を持つ指向性ダイバーシチアンテナ装置を提供することができる。
【0074】
この発明において特有な構成を持つ指向性ダイバーシチアンテナ装置が設けられている通信機にあっては、上記のように指向性ダイバーシチアンテナ装置は小型低背化が容易であることから、その指向性ダイバーシチアンテナ装置の小型低背化によって、通信機の小型化を図ることが容易となる。また、この発明の指向性ダイバーシチアンテナ装置は低仰角方向のアンテナ利得の向上が図られていることから、低仰角方向の通信感度が良い通信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置を模式的に示したモデル図である。
【図2】図1の構成を持つ指向性ダイバーシチアンテナ装置の指向性(アンテナ利得特性)の一例を表すグラフである。
【図3】図2とは異なる方向から図1の指向性ダイバーシチアンテナ装置を見たときの指向性(アンテナ利得特性)の一例を表したグラフである。
【図4】第2実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置を説明するためのモデル図である。
【図5】第3実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置を説明するためのモデル図である。
【図6】バラントランスの等価回路図である。
【図7】第4実施形態例の指向性ダイバーシチアンテナ装置を説明するためのモデル図である。
【図8】その他の実施形態例を説明するための図である。
【図9】図8に示した構成の変形例としてバラントランスを用いた構成例を説明するための図である。
【図10】さらに、その他の実施形態例を説明するための図である。
【図11】図10に示した構成の変形例としてバラントランスを用いた構成例を説明するための図である。
【図12】特許文献1に記載の指向性ダイバーシチアンテナの一つを説明するための図である。
【図13】特許文献2に記載の指向性ダイバーシチアンテナの一つを説明するための図である。
【符号の説明】
1 指向性ダイバーシチアンテナ装置
2,3 マイクロストリップパッチアンテナ
4 逆相側の合成回路
5 同相側の合成回路
6 スイッチ回路
72,73 逆相側の給電部
82,83 同相側の給電部
17,18 位相回路
20,20A,20B バラントランス[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a directional diversity antenna device for performing horizontally polarized radio wave communication and a communication device including the same.
[0002]
[Background Art]
FIG. 12A is a schematic plan view of one of the directional diversity antennas described in Patent Document 1. In this directional diversity antenna 30, two radiating elements 31a and 31b are arranged with an interval therebetween, and a λ / 4 phase shift circuit 32 is provided between these radiating elements 31a and 31b. Further, a signal conducting path 34 for connecting the external high-frequency circuit 33 to the radiating elements 31a and 31b is provided, and a switch circuit 35 is provided in the signal conducting path 34.
[0003]
This switch circuit 35 has two switches 36a and 36b. By changing the on / off state of the switches 36a and 36b, the connection state between the radiating elements 31a and 31b and the high frequency circuit 33 changes.
[0004]
That is, when only the switch 36a of the switches 36a and 36b is switched on, the radiating element 31a is directly connected to the high frequency circuit 33 via the switch 36a, and the radiating element 31b is connected to the λ / 4 phase shift circuit 32. And the high frequency circuit 33 via the switch 36a. When only the switch 36b of the switches 36a and 36b is turned on, the radiating element 31a is connected to the high-frequency circuit 33 via the λ / 4 phase shift circuit 32 and the switch 36b, and the radiating element 31b is switched on. It is directly connected to the high frequency circuit 33 via 36b. Further, when both the switches 36a and 36b are switched on, the radiating element 31a is directly connected to the high frequency circuit 33 via the switch 36a, and the radiating element 31b is directly connected to the high frequency circuit via the switch 36b. Connect to circuit 33.
[0005]
As described above, the connection state between the radiating elements 31a and 31b and the high-frequency circuit 33 is switched by the switching operation of the switch circuit 35, and the electric field excited by the λ / 4 phase shift circuit 32 to the radiating element 31a and the radiating element The phase relationship with the electric field excited at 31b changes. The directivity of the directional diversity antenna 30 is determined by the combination of the electric fields of the radiating elements 31a and 31b. Due to the change in the phase relationship of the electric field between the radiating elements 31a and 31b due to the switching of the switch circuit 35, the combined state of the electric fields of the radiating elements 31a and 31b changes, and as shown in FIG. The directivity of 30 changes along the yz plane in the figure, as indicated by the solid line 37a, the one-dot chain line 37b, and the two-dot chain line 37c.
[0006]
FIG. 13 schematically shows an example of another directional diversity antenna. The directional diversity antenna 40 is described in Patent Document 2. The directional diversity antenna 40 has one radiating element 41 (conductor patch) having a rectangular shape. The radiating element 41 has two feeding portions 42a and 42b on the sides 41a and 41b of the radiating element 41 adjacent to each other. Each is provided.
[0007]
In the directional diversity antenna 40, the radiating element 41 is excited when the power supply unit 42a is connected to an external high-frequency circuit (not shown) and when the power supply unit 42b is connected to a high-frequency circuit. The direction of the electric field changes, whereby the directivity of the directional diversity antenna 40 changes.
[0008]
Other configurations of the directional diversity antenna have been proposed. For example, Patent Documents 3, 4, and 5 each show a configuration in which two radiation elements having different directivities are provided, and the directivity is switched by selectively switching the radiation elements.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-7-86825
[Patent Document 2]
JP-A-7-226615
[Patent Document 3]
JP 2000-36780 A
[Patent Document 4]
JP-A-2000-59128
[Patent Document 5]
JP 2000-124735 A
[Patent Document 6]
JP-A-8-335819
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In the configuration of Patent Document 1 shown in FIG. 12, the directivity of the directional diversity antenna 30 is a change only on the yz plane in FIG. 12, and there is a problem that a direction in which the communication sensitivity is good is limited.
[0011]
Further, in the configuration of Patent Literature 2 shown in FIG. 13, the number of radiating elements is one. In the configurations of Patent Literatures 3 to 5, instead of operating a plurality of radiating elements simultaneously, one of the radiating elements is used. In this configuration, the operation is performed by selectively switching. As described above, in the configurations of Patent Literatures 2 to 5, since communication is performed using one radiating element, there is a limit in improving the antenna gain. Further, the directivity in the direction perpendicular to the surface of the radiating element is maximized, and the antenna gain in the low elevation angle direction is small. For this reason, there is a problem that the communication sensitivity in the low elevation angle direction is poor.
[0012]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to provide a directional diversity antenna device capable of greatly changing the directivity and easily improving communication sensitivity in a low elevation angle direction. An object of the present invention is to provide a communication device provided with the communication device.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides means for solving the above problems with the following configuration. That is, the present invention is directed to a directional diversity antenna device for performing horizontally polarized radio wave communication, in which a pair of microstrip patch antennas are arranged on substantially the same plane with an interval therebetween, and the pair of microstrip patch antennas is arranged. Each of the patch antennas is provided with an in-phase power supply unit for exciting an in-phase horizontally polarized electric field in the same direction to each microstrip patch antenna, and is orthogonal to the in-phase horizontal polarized wave excitation direction. A power supply unit on the opposite phase side is provided for exciting the horizontally polarized electric fields in opposite directions to each microstrip patch antenna in the direction, and a common power supply unit on the in-phase side of each microstrip patch antenna is provided. Connect the in-phase side combined circuit and the opposite-phase common connection to the feeder on the opposite-phase side of each microstrip patch antenna. And a switch circuit for switching and connecting a selected one of the in-phase side synthesis circuit and the opposite-phase side synthesis circuit to an external high-frequency circuit. The directivity of the combined electric field of the horizontally polarized waves of the paired microstrip patch antennas changes according to the switching of the switch circuit. Further, a communication device according to the present invention is characterized in that a directional diversity antenna device having a unique configuration according to the present invention is provided.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0015]
FIG. 1 is a schematic plan view showing a directional diversity antenna device according to the first embodiment. The directional diversity antenna device 1 according to the first embodiment includes a pair of microstrip patch antennas 2 and 3, synthesizing circuits 4 and 5, and a switch circuit 6.
[0016]
In the first embodiment, the microstrip patch antennas 2 and 3 have the same square shape and are arranged side by side on the same plane with one side facing each other with an interval therebetween. In the first embodiment, a feeder 7 is provided on the lower side 2D of the microstrip patch antenna 2 in FIG. 2 The upper side 3U of the microstrip patch antenna 3 has a feeder 7 3 Are provided, respectively. In other words, diagonal ends P of opposing sides 2R, 3L of microstrip patch antennas 2, 3 2 , P 3 To the sides 2D and 3U extending in the direction orthogonal to the opposing sides 2R and 3L, respectively. 2 , 7 3 Is provided. In the first embodiment, the power supply 7 2 , 7 3 Are provided at the midpoints of the sides 2D and 3U of the microstrip patch antennas 2 and 3, respectively.
[0017]
In addition, one of the microstrip patch antennas 2 and 3 (the microstrip patch antenna 3 in the example of FIG. 1) has a feeder 8 on a side 3L facing the other side. 3 A power supply unit 8 is provided on a side 2L on the back side of the opposite side 2R on the other side (microstrip patch antenna 2). 2 Is provided. In the first embodiment, the power supply units 8 2 , 8 3 Is provided at the midpoint between sides 2L and 3L.
[0018]
Power supply unit 7 2 , 7 3 Are respectively separate signal paths 10 2 , 10 3 Are connected to a common combining circuit 4. The synthesizing circuit 4 is connected to the switch circuit 6 by a signal conducting path 12. In addition, the power supply unit 8 2 , 8 3 Are respectively separate signal paths 11 2 , 11 3 Are connected to a common synthesizing circuit 5. The synthesizing circuit 5 is connected to the switch circuit 6 by a signal conducting path 13.
[0019]
The switch circuit 6 is configured by an SPDT (Single Pole Double Throw) switch. In the first embodiment, an external high-frequency circuit 14 (for example, a receiving circuit of a communication device) is connected to one of the combining circuits 4 and 5. A configuration for switching connection is provided. The switching operation of the switch circuit 6 is controlled by, for example, a control circuit 15 provided in a communication device.
[0020]
In the first embodiment, when the high-frequency circuit 14 is connected to the synthesizing circuit 4 by the switching operation of the switch circuit 6, the power supply unit 7 of the microstrip patch antennas 2 and 3 2 , 7 3 Are connected to the high-frequency circuit 14 via the synthesis circuit 4. In this case, the microstrip patch antennas 2 and 3 have the same direction (in this example, the center O of the microstrip patch antennas 2 and 3). 2 , O 3 Are linearly polarized (in this case, referred to as an end-fire direction), and horizontally polarized electric fields having mutually opposite phases are excited. That is, the power supply unit 7 2 , 7 3 Is a negative-phase side power supply unit, and the combining circuit 4 is a negative-phase side combining circuit. In this specification, such an operation state of the microstrip patch antennas 2 and 3 is referred to as a reversed-phase excitation mode.
[0021]
The directivity of the directional diversity antenna device 1 is determined by the combined electric field of the horizontally polarized waves of the microstrip patch antennas 2 and 3. When the microstrip patch antennas 2 and 3 are excited in the opposite-phase excitation mode, the directional diversity antenna apparatus 1 is, for example, a horizontally polarized antenna as shown by a dotted line A in the graphs of FIGS. It has wave directivity (antenna gain characteristics). The graphs in FIGS. 2 and 3A are obtained by a simulation performed by the inventor, and FIG. 2 shows the directivity when the surfaces of the microstrip patch antennas 2 and 3 are viewed from above. 2 shows the directivity of the horizontal polarization of the diversity antenna device 1. FIG. 3A shows the directivity of horizontal polarization when the directional diversity antenna device 1 is viewed from the lower side of FIG. The horizontal axis X in FIG. 3A corresponds to the surface position of the microstrip patch antennas 2, 3. In the simulation performed by the inventor, the relative permittivity of the dielectric substrate on which the microstrip patch antennas 2 and 3 are formed is set to 10, the thickness of the dielectric substrate is set to 0.8 mm, and The antennas 2 and 3 have a square shape, the length of one side of the square is 9.5 mm, and the center O of the microstrip patch antennas 2 and 3 is O. 2 , O 3 The calculation was performed under the condition that the distance between them was 25 mm and the resonance frequency of the microstrip patch antennas 2 and 3 was about 4.9 GHz.
[0022]
When the microstrip patch antennas 2 and 3 operate in the opposite-phase excitation mode, the microstrip patch antennas 2 and 3 have the respective horizontally polarized electric fields having phases opposite to each other. In the region between the microstrip patch antennas 2 and 3, the horizontally polarized electric fields of the microstrip patch antennas 2 and 3 cancel each other. Therefore, as shown in FIG. 3A, the spread of the horizontally polarized electric field in the direction perpendicular to the plane of the microstrip patch antennas 2 and 3 is suppressed. On the other hand, when going outward in the end fire direction, the electric fields of the horizontally polarized waves of the microstrip patch antennas 2 and 3 are combined and strengthened. Therefore, the directional diversity antenna apparatus 1 in the opposite-phase excitation mode has directivity in the end-fire direction as shown by a dotted line A in FIG. 2, and in particular, as shown by a dotted line A in FIG. Center O of microstrip patch antennas 2 and 3 2 , O 3 Midpoint O between 1 It is strong in a direction inclined toward the end fire direction (about 45 ° in the example of the graph of FIG. 3A) with respect to a center line passing through (see FIG. 1) and perpendicular to the planes of the microstrip patch antennas 2 and 3. Can have directivity. That is, the antenna gain in the low elevation angle direction can be improved.
[0023]
The present inventor has calculated the directivity (antenna gain characteristic) of the microstrip patch antennas 2 and 3 by the same simulation as above when only one of the microstrip patch antennas 2 and 3 is operated to excite a horizontally polarized electric field in the endfire direction. I asked. The result is shown by the dotted line C in FIG. 2 and FIG. In the first embodiment, the directivity of the directional diversity antenna device 1 during the reverse-phase excitation mode (the dotted line A in FIGS. 2 and 3A) and the directivity when the microstrip patch antenna is a single unit ( As can be seen from the comparison between the dotted line C) of FIG. 2 and FIG. 3A, in the first embodiment, since the horizontally polarized waves of the microstrip patch antennas 2 and 3 are combined, each microstrip patch In a region where the electric fields are strengthened by combining the horizontally polarized waves of the antennas 2 and 3, stronger directivity can be obtained as compared with the case where the microstrip patch antenna is a single unit (the antenna gain can be improved). it can). In the case where the microstrip patch antenna is a single unit, a particularly strong directivity is exhibited in a direction perpendicular to the plane of the microstrip patch antenna, whereas the configuration of the first embodiment has the opposite phase. During the excitation mode, the directivity in the direction perpendicular to the plane of the microstrip patch antenna is weak, and the directivity in the low elevation angle direction in the endfire direction is strong. It can have a unique directivity obtained from the combination of polarizations.
[0024]
When the high-frequency circuit 14 is connected to the synthesizing circuit 5 by the switching operation of the switch circuit 6, the feeding unit 8 of the microstrip patch antennas 2 and 3 2 , 8 3 Are connected to the high-frequency circuit 14 via the synthesis circuit 5. In this case, the microstrip patch antennas 2 and 3 are each excited with an in-phase horizontally polarized electric field in a direction orthogonal to the end fire direction (here, referred to as a broadside direction). That is, the power supply unit 8 2 , 8 3 Is a power supply unit on the in-phase side, and the combining circuit 5 is a combining circuit on the in-phase side. In this specification, such an operation state of the microstrip patch antennas 2 and 3 is called an in-phase excitation mode.
[0025]
In the case of the in-phase excitation mode, the directional diversity antenna apparatus 1 has a directivity of horizontally polarized waves in the broadside direction, for example, as shown by a solid line B in the graph of FIG. Also, since the electric fields of the horizontally polarized waves of the microstrip patch antennas 2 and 3 are in phase, the direction of the broadside direction is smaller than when only one microstrip patch antenna operates (see, for example, the chain line D in FIG. 2). The electric field is strengthened over the whole, and the directivity can be increased. In particular, in the area between the microstrip patch antennas 2 and 3 in the broadside direction, the directivity becomes stronger due to the combination of the in-phase electric fields of the microstrip patch antennas 2 and 3. This can also be seen from the result of the same simulation by the present inventor (see the solid line B in FIG. 3B). The graph of FIG. 3B shows the directivity (antenna gain) of horizontal polarization when the directional diversity antenna device 1 is viewed from the left and right directions in FIG. 1, and the horizontal axis Y is the microstrip patch antenna 2 , 3 correspond to the surface positions. As shown in FIG. 3B, in the case of the in-phase excitation mode, the directional diversity antenna device 1 has a particularly strong directivity in a direction perpendicular to the planes of the microstrip patch antennas 2 and 3. That is, when the microstrip patch antennas 2 and 3 are operating in the in-phase excitation mode, the directional diversity antenna device 1 has a directivity that compensates for a direction in which the directivity in the opposite-phase excitation mode is weak. be able to.
[0026]
In the directional diversity antenna device 1 according to the first embodiment, the switching operation of the switch circuit 6 causes the microstrip patch antennas 2 and 3 to be in one of the operation mode of the anti-phase excitation mode and the in-phase excitation mode. Thus, the directivity of the directional diversity antenna device 1 can be switched to one of an end fire direction and a broadside direction that are orthogonal to each other. In addition, when the directivity in the end fire direction is indicated, the directivity in the low elevation angle direction (for example, the 45 ° direction) is particularly strong, and when the directivity in the broadside direction is indicated, the microstrip patch antenna is used. The direction in which the directivity is particularly strong, that is, the direction in which the communication sensitivity is particularly good, can be switched such that the directivity in the direction horizontal to the planes 2 and 3 becomes stronger.
[0027]
In the directional diversity antenna device 1 of the first embodiment, since the combined electric field of the microstrip patch antennas 2 and 3 is used, only one of the microstrip patch antennas 2 and 3 is excited. (See dotted line C and chain line D shown in FIGS. 2 and 3A and 3B), the directivity can be increased (the antenna gain can be improved).
[0028]
In addition, for example, the combining circuits 4 and 5, the switch circuit 6, and the signal conducting path 10 2 , 10 3 , 11 2 , 11 3 , 12 and 13 are formed on the same dielectric substrate, and the microstrip patch antennas 2 and 3 are formed directly on the surface of the dielectric substrate. It is also possible to adopt a configuration in which the directional diversity antenna device 1 is formed by separately arranging the synthesizing circuits 4 and 5 and the switch circuit 6 on a circuit board of a communication device. It may be.
[0029]
Further, in the first embodiment, in order to make the description easy to understand, when describing each side of the microstrip patch antennas 2 and 3, the posture state shown on the paper is described, The positions of the patch antennas 2 and 3 are not particularly limited.
[0030]
Hereinafter, a second embodiment will be described. In the description of the second embodiment, the same components as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and the overlapping description of the common portions will be omitted.
[0031]
In the second embodiment, as shown in FIG. 4, the microstrip patch antennas 2 and 3 respectively have in-phase feed portions 8 on the sides 2R and 3L facing each other. 2 , 8 3 Are provided on the upper sides 2U and 3U (in other words, the adjacent sides 2U and 3U connected to the end P on the same side of the opposing sides 2R and 3L). 2 , 7 3 Is provided. In the second embodiment, the power supply units 7 2 , 7 3 , 8 2 , 8 3 Are provided at the midpoints of the sides 2U, 3U, 2R, and 3L, respectively.
[0032]
Feeding section 7 on the opposite phase side of each of microstrip patch antennas 2 and 3 2 , 7 3 Are respectively separate signal paths 10 2 , 10 3 Are connected to a common combining circuit 4 on the opposite phase side. Those signal paths 10 2 , 10 3 (In the illustrated example, the signal conducting path 10 3 ) Is provided with a phase circuit 17 for converting the phase of the signal by 180 °. Feeding section 7 in microstrip patch antennas 2 and 3 2 , 7 3 Looking at only the arrangement positions of 2 , 7 3 It may be assumed that when is connected to the high-frequency circuit 14 by the switch circuit 6, the microstrip patch antennas 2 and 3 will be excited with an in-phase horizontally polarized electric field. In the embodiment, the power supply unit 7 2 , 7 3 And a signal conduction path 10 connecting the 2 , 10 3 One side (10 3 ), The power supply unit 7 is provided similarly to the first embodiment. 2 , 7 3 Can function as a power feeding unit on the opposite phase side.
[0033]
In addition, the power supply unit 8 2 , 8 3 Similarly, in the second embodiment, the power supply units 8 2 , 8 3 Signal connection paths 11 for connecting each to the common combining circuit 5 2 , 11 3 One side (11 3 ), A phase circuit 18 is interposed. Like the phase circuit 17, the phase circuit 18 has a circuit configuration for converting the phase of a signal by 180 °. Thereby, the power supply unit 8 2 , 8 3 Is apparently provided at the position of the power supply unit on the opposite phase side, but can function as the power supply unit on the in-phase side.
[0034]
Power supply unit 7 2 , 7 3 , 8 2 , 8 3 Are the same as those in the first embodiment except for the arrangement position and the configuration in which the phase circuits 17 and 18 are provided in the signal conduction path. Also in the configuration of the second embodiment, the same operation as the directional diversity antenna device 1 of the first embodiment can be performed, and the same excellent effects as those of the first embodiment can be obtained.
[0035]
Hereinafter, a third embodiment will be described. In the description of the third embodiment, the same components as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and the overlapping description of the common portions will be omitted.
[0036]
In the third embodiment, as shown in FIG. 5, one of the microstrip patch antennas 2 and 3 (the microstrip patch antenna 2 in the illustrated example) is provided with a feeder 7 on the opposite phase side. 2 And the power supply unit 8 on the in-phase side 2 Is omitted. Feeding section 7 on the opposite phase side of each of microstrip patch antennas 2 and 3 2 , 7 3 Are the individual signal paths 10 2 , 10 3 Are connected to a common combining circuit 4 on the opposite phase side, and the combining circuit 4 is connected to a switch circuit 6 via a signal conduction path 12.
[0037]
In addition, the feeding section 8 on the in-phase side of the microstrip patch antenna 2 2 Are omitted, the synthesizing circuit 5 on the in-phase side is omitted, and the feeding unit 8 on the in-phase side of the microstrip patch antenna 3 is omitted. 3 Are directly connected to the switch circuit 6. The switch circuit 6 includes a synthesizing circuit 4 on the opposite phase side and a feeder 8 on the in-phase side of the microstrip patch antenna 3. 3 Is selectively connected to an external high-frequency circuit 14 for connection.
[0038]
The directional diversity antenna device 1 of the third embodiment also operates in the same manner as the first and second embodiments, but in the third embodiment, the directional diversity antenna device 1 in the broadside direction of the microstrip patch antenna 2 is different. Horizontal polarization does not contribute to antenna operation. For this reason, although the antenna gain in the broadside direction is slightly lower than that of each of the first and second embodiments, it is possible to obtain almost the same excellent effects as those of the first and second embodiments. it can.
[0039]
Hereinafter, a fourth embodiment will be described. In the description of the fourth embodiment, the same components as those of the first to third embodiments are denoted by the same reference numerals, and the overlapping description of the common portions will be omitted.
[0040]
Incidentally, there is a transformer having a configuration as shown in FIG. 6 as one of the transformers. The transformer 20 is generally used for balanced-unbalanced conversion, and is called a balun transformer. The balun transformer 20 has a configuration in which a balanced side coil 21 and an unbalanced side coil 22 are electromagnetically coupled. The balanced coil 21 is provided with an intermediate tap 23, which is grounded. One end 22a of the unbalanced coil 22 is connected to an external circuit, and the other end 22b is grounded.
[0041]
In such a balun transformer 20, for example, when a signal is input from an external circuit via the end 22 a of the unbalanced coil 22, a voltage is applied to the balanced coil 21 due to the signal conduction of the unbalanced coil 22. As a result, signals having phases opposite to each other are output from both ends 21 a and 21 b of the balanced-side coil 21. In other words, one of the two ends 21a and 21b of the balanced-side coil 21 outputs a signal in phase with the signal input to the unbalanced-side coil 22, and the other side outputs a signal having a 180 ° phase. Are output (that is, signals of opposite phases).
[0042]
Conversely, when a signal is input to the balanced side coil 21 from both ends 21a and 21b, a voltage is induced in the unbalanced side coil 22 and a signal is output from the unbalanced side coil 22 to the outside through the end 22a. Is output. The output signal of the unbalanced coil 22 is shifted by 180 ° in the phase of the input signal on one side of the input signal from the end 21a of the balanced side coil 21 and the input signal from the end 21b. The signal is a signal obtained by combining the signal and the input signal on the other side.
[0043]
The inventor has paid attention to such a balanced-unbalanced conversion operation of the balun transformer 20. In other words, the inventor has noticed that the balun transformer 20 has both the functions of the synthesizing circuits 4 and 5 and the functions of the phase circuits 17 and 18 shown in the second embodiment, for example. A unique configuration has been devised in the fourth embodiment. That is, in the fourth embodiment, as shown in FIG. 7, instead of the opposite-phase combining circuit 4 and the phase circuit 17 (see FIG. 4) shown in the second embodiment, the opposite-phase A balun transformer 20A is provided. A balun transformer 20B on the in-phase side is provided instead of the synthesizing circuit 5 and the phase circuit 18 on the in-phase side shown in the second embodiment.
[0044]
One end of the balanced side coil 21 constituting the balun transformer 20 </ b> A on the opposite phase side is connected to the feeding section 7 on the opposite phase side of the microstrip patch antenna 2. 2 And the other end of the balanced side coil 21 is connected to the feeding section 7 on the opposite phase side of the microstrip patch antenna 3. 3 It is connected to the. One end of the unbalanced coil 22 of the balun transformer 20 </ b> A on the opposite phase is connected to the ground, and the other end is connected to the switch circuit 6.
[0045]
One end of the balanced side coil 21 of the in-phase side balun transformer 20B is connected to the in-phase side feeder 8 of the microstrip patch antenna 2. 2 And the other end of the balanced side coil 21 is connected to the feeder 8 on the in-phase side of the microstrip patch antenna 3. 3 It is connected to the. One end of the unbalanced coil 22 of the balun transformer 20B on the in-phase side is connected to the ground, and the other end is connected to the switch circuit 6.
[0046]
The switch circuit 6 selectively switches and connects one of the unbalanced coil 22 of the balun transformer 20A on the opposite phase side and the unbalanced coil 22 of the balun transformer 20B on the same phase side to the external high-frequency circuit 14. Configuration. The switching operation of the switch circuit 6 is performed, for example, by the control operation of the control circuit 15 of the communication device, as in the first to third embodiments.
[0047]
The configuration other than the above is the same as that of the second embodiment. In the fourth embodiment, both ends of the balanced-side coil 21 constituting the anti-phase balun transformer 20A are regarded as apparent in-phase side feeders of the microstrip patch antennas 2 and 3, respectively. The power supply units on the apparent in-phase side are connected to the power supply unit 7 on the opposite-phase side by the operation of the balun transformer 20A as described below. 2 , 7 3 Can function as
[0048]
In other words, when a signal is input from the high-frequency circuit 14, the balun transformer 20 </ b> A outputs signals having opposite phases from both ends of the balanced-side coil 21 to the respective microstrip patch antennas 2 and 3 by the balanced-unbalanced conversion operation. Power supply unit 7 2 , 7 3 Output to. In addition, the feeding section 7 of each of the microstrip patch antennas 2 and 3 2 , 7 3 Therefore, when signals having opposite phases are input to the balun transformer 20A, respectively, the balanced-unbalanced conversion operation of the balun transformer 20A (that is, the phase of the signal on one side of the input signals is shifted by 180 °). The operation of outputting a signal obtained by combining the shifted signal and the signal on the other side) is equivalent to outputting the combined signal of the in-phase signal. 2 , 7 3 The input signal from the side is strengthened and output toward the high frequency circuit 14 side. Due to the balance-unbalance conversion operation of the balun transformer 20A, the power supply unit apparently regarded as the power supply unit on the in-phase side is changed to the power supply unit 7 on the opposite phase side. 2 , 7 3 Can function as
[0049]
Note that the power supply unit 7 on the opposite phase side 2 , 7 3 May be input to the balun transformer 20A. In this case, the balun transformer 20A is equivalent to synthesizing the opposite-phase signal by the balance-unbalance conversion operation of the balun transformer 20A. Therefore, the signals are canceled each other, and no signal is output from the unbalanced side coil 22 of the balun transformer 20A.
[0050]
In the fourth embodiment, the power supply unit 8 on the in-phase side 2 , 8 3 Is the same as above. That is, the power supply unit 8 on the in-phase side 2 , 8 3 Is arranged at a position which is apparently regarded as a feeder on the opposite phase side of each of the microstrip patch antennas 2 and 3, but a feeder 8 which is regarded as a feeder on the opposite phase is used. 2 , 8 3 Can function as an in-phase side power supply unit by the balance-unbalance conversion operation of the in-phase side balun transformer 20B.
[0051]
Therefore, by providing the configuration shown in the fourth embodiment, it is possible to operate in the same manner as in the second embodiment, and to obtain the same excellent effects as in the first to third embodiments. be able to. In addition, the circuit configuration can be simplified as compared with the second embodiment, and the size can be further reduced.
[0052]
Hereinafter, a fifth embodiment will be described. The fifth embodiment relates to a communication device. A characteristic of the communication device of the fifth embodiment is that the directional diversity antenna device 1 shown in each of the first to fourth embodiments is different. Is provided. Since the directional diversity antenna device 1 has been described in the first to fourth embodiments, a repeated description thereof will be omitted.
[0053]
The control circuit of the communication device according to the fifth embodiment is provided with a diversity control unit for controlling the switching operation of the switch circuit 6 of the directional diversity antenna device 1. For example, the diversity control unit sends a signal from the directional diversity antenna device 1 to the combining circuit 4 on the opposite phase side (the feeding unit 7 having the opposite phase). 2 , 7 3 ) And the received signal of the wireless communication (ie, the received signal in the opposite-phase excitation mode) from the synthesizing circuit 5 on the in-phase side (the in-phase power supply unit 8). 2 , 8 3 Side) (ie, a received signal in the in-phase excitation mode) via the high-frequency circuit 14.
[0054]
Then, based on the received signal, the diversity control unit can perform better wireless communication out of the wireless communication in the opposite-phase excitation mode and the wireless communication in the in-phase excitation mode. Or choose. If the selection operation selects the wireless communication in the opposite-phase excitation mode, the diversity control unit switches the switch circuit 6 of the directional diversity antenna device 1 to the opposite-phase combining circuit 4 side (the opposite-phase power supply unit 7). 2 , 7 3 Side). When the wireless communication in the in-phase excitation mode is selected, the diversity control unit switches the switch circuit 6 of the directional diversity antenna device 1 to the in-phase side synthesizing circuit 5 side (the in-phase power supply unit 8). 2 , 8 3 Side).
[0055]
There are various configurations of the communication device other than the above, and any configuration may be adopted here, and description thereof will be omitted. Since the communication device of the fifth embodiment is provided with one of the directional diversity antenna devices 1 of the first to fourth embodiments, the communication sensitivity can be increased by improving the antenna gain. , Communication reliability can be improved.
[0056]
Note that the present invention is not limited to the first to fifth embodiments, but can adopt various embodiments. For example, in each of the first to fifth embodiments, the pair of microstrip patch antennas 2 and 3 are the same, but the size of the microstrip patch antennas 2 and 3 is large due to, for example, a problem of processing accuracy. The pod shape may vary slightly. In such a case, the microstrip patch antennas 2 and 3 can be regarded as the same, and the directional diversity antenna device 1 can operate similarly to the first to fifth embodiments. That is, the microstrip patch antennas 2 and 3 are not limited to the same. Further, the shape of the microstrip patch antennas 2 and 3 may be any shape as long as it can excite horizontal polarized waves in two directions orthogonal to each other, and is not limited to a square shape.
[0057]
In the second embodiment, the power supply unit 7 on the opposite phase side is used. 2 , 7 3 For individually connecting to the synthesizing circuit 4 on the opposite phase side 2 , 10 3 Is provided with a phase circuit 17 and the power supply unit 8 on the in-phase side. 2 , 8 3 11 for individually connecting to the synthesizing circuit 5 on the in-phase side 2 , 11 3 8A, the phase circuit 18 is provided in one of the signal paths 11. For example, as shown in FIG. 2 , 11 3 And a phase circuit 18 is provided on one side of the 2 , 7 3 May be provided at the same position as in the first embodiment, and the phase circuit 17 is not provided.
[0058]
Also, for example, as shown in FIG. 2 , 10 3 And a power supply unit 8 on the in-phase side. 2 , 8 3 May be provided at the same position as in the first embodiment, and the phase circuit 18 is not provided.
[0059]
Further, as a modification of FIGS. 8A and 8B, a configuration using the balun transformer 20 shown in the fourth embodiment may be adopted. That is, instead of providing the in-phase combining circuit 5 and the phase circuit 18 shown in FIG. 8A, a configuration may be adopted in which a balun transformer 20B is provided as shown in FIG. 9A. Also, instead of providing the opposite-phase combining circuit 4 and the phase circuit 17 shown in FIG. 8B, a configuration may be adopted in which a balun transformer 20A is provided as shown in FIG. 9B.
[0060]
Further, in the third embodiment, the microstrip patch antenna 2 is provided with a feeder 7 on the opposite phase side. 2 However, for example, as shown in FIG. 10A, the microstrip patch antenna 2 is provided with a feeder 8 on the in-phase side. 2 May be provided. In this case, of course, the in-phase side synthesizing circuit 5 is provided, but the in-phase side synthesizing circuit 4 is omitted. In this case, the synthesizing circuit 5 on the in-phase side is connected to the switch circuit 6, and the feeding unit 7 on the anti-phase side of the microstrip patch antenna 3 is connected. 3 Are directly connected.
[0061]
Further, the unique configuration of the third embodiment may be combined with the unique configuration of the second embodiment. That is, as shown in FIGS. 10 (b) and 10 (c), two signal conducting paths for individually connecting the feeder provided on both of the microstrip patch antennas 2 and 3 to the combining circuit 4 (5). 10 2 , 10 3 (11 2 , 11 3 ) May be provided with a phase circuit 17 (18) as shown in the second embodiment.
[0062]
Further, as a modified example of FIGS. 10B and 10C, a configuration using the balun transformer 20 shown in the fourth embodiment may be adopted. That is, instead of providing the opposite-phase combining circuit 4 and the phase circuit 17 shown in FIG. 10B, a configuration in which a balun transformer 20A is provided as shown in FIG. Also, instead of providing the in-phase side synthesizing circuit 5 and the phase circuit 18 shown in FIG. 10C, a configuration may be adopted in which a balun transformer 20B is provided as shown in FIG. 11B.
[0063]
Furthermore, in the illustrated examples shown in the first to fifth embodiments, an example is shown in which power is supplied to the microstrip patch antennas 2 and 3 from the side surface. Power supply unit 7 shown in each of the first to fifth embodiments using a power supply pin from 2 , 7 3 , 8 2 , 8 3 May be configured to supply power to the power supply. In this case, the same effects as those of the first to fifth embodiments can be obtained.
[0064]
【The invention's effect】
According to the present invention, the in-phase excitation mode capable of exciting the in-phase horizontally polarized electric field in the same direction to each of the paired microstrip patch antennas, and the in-phase horizontal polarization mode to each of the microstrip patch antennas And a reverse-phase excitation mode for exciting electric fields of mutually opposite phases of horizontal polarization in a direction orthogonal to the excitation direction of Is configured to operate with one side switched.
[0065]
In the present invention, the excitation direction of the microstrip patch antenna in the in-phase excitation mode is orthogonal to the excitation direction of the microstrip patch antenna in the antiphase excitation mode, and the excitation direction of the microstrip patch antenna in the in-phase excitation mode The directivity of horizontal polarization and the directivity of horizontal polarization by excitation of the microstrip patch antenna in the opposite-phase excitation mode are substantially orthogonal. Therefore, the directivity diversity antenna apparatus of the present invention can greatly change the directivity by mode switching by the switch circuit.
[0066]
In addition, in the present invention, when the paired microstrip patch antennas are each excited in the opposite-phase excitation mode, in the region between the microstrip patch antennas, the electric fields cancel each other out and the antenna gain is reduced. In other regions in the excitation direction of the opposite-phase excitation mode, the electric fields of the microstrip patch antennas reinforce each other, and the antenna gain can be improved as compared with the case where there is one microstrip patch antenna. In particular, the antenna gain in the low elevation angle direction can be enhanced.
[0067]
When the paired microstrip patch antennas are excited in the in-phase excitation mode, the electric fields of the microstrip patch antennas are in phase. The antenna gain can be increased over the entire excitation direction as compared with the case where there is only one. In particular, a large antenna gain can be provided in a direction perpendicular to the surface of the microstrip patch antenna. In other words, in the in-phase excitation mode, the antenna gain is highest in the region where the antenna gain is the lowest in the opposite-phase excitation mode, and the null point can be eliminated in the entire directional diversity antenna apparatus. Also, of course, even in the in-phase excitation mode, the antenna gain in the low-elevation angle direction can be increased as compared with the case where one microstrip patch antenna is provided.
[0068]
Therefore, the directional diversity antenna device of the present invention can increase the communication sensitivity by improving the antenna gain. In particular, it is possible to stabilize the communication sensitivity of horizontal polarization in the low elevation angle direction. For this reason, great results can be achieved in wireless LAN communication, hot spot communication, and the like, which often perform communication in a low elevation angle direction.
[0069]
In addition, the directional diversity antenna device of the present invention can be configured with only a simple configuration of a microstrip patch antenna, a combining circuit, and a switch circuit that form a pair, so that reduction in size and height is easy. . Accordingly, the directional diversity antenna device of the present invention can be easily incorporated in a card-type terminal such as a PCMIA card or a portable information terminal such as a notebook computer.
[0070]
The microstrip patch antennas forming a pair have substantially the same rectangular shape, and these microstrip patch antennas are arranged with one side facing each other with an interval therebetween, and one of the microstrip patch antennas forming the pair The opposite side of the micro-strip patch antenna and the side of the other side of the microstrip patch antenna which are on the back side with respect to the opposite side are provided with an in-phase feeder, respectively, and form a pair. The opposite sides of the microstrip patch antenna are connected to opposite diagonal ends of the opposing sides and extend in a direction perpendicular to the opposing sides. In such a case, the above-described excellent effects can be obtained with a very simple circuit configuration.
[0071]
In the case where the phase circuit is provided, for example, even when the region where the signal conduction path can be formed is limited, the signal conduction path is formed in the limited region. In addition, by using the phase circuit, it is possible to cause the paired microstrip patch antennas to operate in the same-phase excitation mode and the opposite-phase excitation mode as described above, and to obtain the same excellent effects as described above. Can be.
[0072]
Furthermore, in the case of using a balun transformer, the balun transformer has both the function as a synthesizing circuit and the function as a phase circuit. Further, as compared with a device provided with a phase circuit, it is possible to further reduce the size of the directional diversity antenna device having the above-described excellent effects.
[0073]
Further, one side of the pair of microstrip patch antennas is provided with only one of the in-phase side feeder and the opposite-phase side feeder. And the number of synthesis circuits can be reduced, and the circuit configuration can be simplified. Thereby, miniaturization of the directional diversity antenna device can be promoted. In addition, both the microstrip patch antennas forming a pair have slightly different directivities from the case where the in-phase side power supply unit and the anti-phase side power supply unit are provided. In other words, the directivity can be changed only by omitting the power supply unit. For this reason, for example, by providing a feeding unit selected according to the required directivity in each of the microstrip patch antennas, it is possible to provide a directional diversity antenna device having directivity more suited to needs.
[0074]
In a communication device provided with a directional diversity antenna device having a specific configuration according to the present invention, the directional diversity antenna device can be easily reduced in size and height as described above, and therefore, the directional diversity antenna device is used. The reduction in size and height of the antenna device facilitates downsizing of the communication device. Further, since the directional diversity antenna apparatus of the present invention is designed to improve the antenna gain in the low elevation angle direction, it is possible to provide a communication device having good communication sensitivity in the low elevation angle direction.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a model diagram schematically showing a directional diversity antenna device according to a first embodiment.
FIG. 2 is a graph showing an example of directivity (antenna gain characteristic) of the directional diversity antenna device having the configuration of FIG.
3 is a graph showing an example of directivity (antenna gain characteristic) when the directivity diversity antenna apparatus of FIG. 1 is viewed from a direction different from that of FIG. 2;
FIG. 4 is a model diagram illustrating a directional diversity antenna device according to a second embodiment;
FIG. 5 is a model diagram illustrating a directional diversity antenna device according to a third embodiment;
FIG. 6 is an equivalent circuit diagram of the balun transformer.
FIG. 7 is a model diagram illustrating a directional diversity antenna device according to a fourth embodiment;
FIG. 8 is a diagram for explaining another embodiment.
FIG. 9 is a diagram for explaining a configuration example using a balun transformer as a modification of the configuration shown in FIG. 8;
FIG. 10 is a diagram for explaining still another embodiment.
FIG. 11 is a diagram for explaining a configuration example using a balun transformer as a modification of the configuration shown in FIG. 10;
FIG. 12 is a diagram for explaining one of the directional diversity antennas described in Patent Document 1.
FIG. 13 is a diagram for explaining one of the directional diversity antennas described in Patent Document 2.
[Explanation of symbols]
1 Directivity diversity antenna device
2,3 microstrip patch antenna
4 Combining circuit on the opposite phase
5 Combining circuit on the common mode
6 Switch circuit
7 2 , 7 3 Negative phase feeder
8 2 , 8 3 In-phase power supply
17,18 phase circuit
20, 20A, 20B Balun transformer