JP2004223139A - 子宮内膜細胞採取器 - Google Patents

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Yujihiko Inaba
愈滋彦 稲葉
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Abstract

【課題】本発明は、患者に負担をかけないように膣内から子宮口まで挿入される可撓性チューブの小径化を図りながら、全体構造を簡素化して、医師が容易に操作できるようにし、細胞の採取も適切に行われるようにした子宮内膜細胞採取器を提供する。
【解決手段】採取器本体としての可撓性チューブ13の外径が従来のものより著しく小径の2.7〜2.9mmに設定され、同チューブ13内に摺動可能に挿入される棒状体16の先端部は、チューブ13からの突出時に弯曲形状に維持可能とされて、同棒状体16の先端に装着されたブラッシュ17は、患者に苦痛を与えることなく子宮内膜細胞を採取できるように毛の直径を0.06〜0.065mmに細く設定されるとともに、起毛時の外径を6〜10mmに設定される。そして、医師の操作の簡易化を図るため、筒状外周面を有するハンドル14は、その長さを10〜30mmに設定されるとともに、その外径を3〜10mmに設定される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、子宮体癌の診断のために用いられる子宮内膜細胞採取器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の子宮内膜細胞採取器としては、本出願人の出願に係る特公昭63−1855号公報に記載のものがある。すなわち、図4および図5に示すごとく、大径の可撓性チューブ1aの先端部に小径の可撓性チューブ1bの基端部が挿入固着されて、その挿入部の隙間を塞ぐ大径のストッパリング1cが設けられており、上記可撓性チューブ1aの基端開口から挿入された剛性丸棒2と同丸棒2に接続されて上記可撓性チューブ1a内に延在する弾性棒状体3が設けられている。そして、弾性棒状体3の先端部には、子宮内底部から細胞を採取するための毛足の短いブラッシュ4が装着されている。
【0003】
また、大径の可撓性チューブ1aの内部には、バネ5が装填され、同バネ5を圧縮するように丸棒2を上記チューブ1a内へ押し込んだ際に同チューブの外端縁に当接するストッパー6が、同丸棒2の外端に設けられている。
【0004】
このように構成された従来の子宮内膜細胞採取器では、その使用に際し、上記可撓性チューブの外端部に形成されたフランジ7とストッパー6との間に図4に示すごとく人差指および中指と親指とを架け渡して剛性丸棒2の押込み操作を行い、このようにして突き出したブラッシュ4を子宮底に沿って旋回操作させる際に、親指で剛性丸棒2のストッパー6を押し続ける必要があり、操作が複雑になって、医師に負担をかけることになる。
【0005】
また、大径の可撓性チューブ1aと小径の可撓性チューブ1bとからなる二重のチューブ構造となるため、大径の可撓性チューブ1aの直径が4mm程度まで太くなり、患者に著しい違和感を与えることになる。
【0006】
しかも、ブラッシュ4は小径の可撓性チューブ1b内に格納可能とされるので、毛足が短くなり、同ブラッシュ4の旋回による細胞の採取に際して患者に負担をかけるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、患者に苦痛を与えないように膣内から子宮口まで挿入される可撓性チューブの小径化を図りながら、全体構造を簡素化して、医師が容易に操作できるようにし、細胞の採取も適切に行われるようにした子宮内膜細胞採取器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明の子宮内膜細胞採取器は、膣を経由して少なくとも子宮口まで挿入される外径2.7〜2.9mm,長さ170〜200mmの可撓性チューブと、同チューブ内に摺動可能に挿通された長さ120〜150mmの剛性丸棒と、同丸棒の先端に接続されて上記チューブの内部を摺動可能に通り同チューブの先端開口から突出しうる長さ90〜110mmで少なくとも先端部が弯曲形状に維持可能の棒状体と、同棒状体の先端部に設けられ上記チューブからの突出時に起毛状態となるブラッシュと、同ブラッシュの上記チューブ内への引込み状態で同チューブの内端開口を閉じるべく上記ブラッシュの先端に装着された小球とを具えるとともに、上記チューブの外端開口から突出した上記丸棒の外端部に同心的に装着された長さ10〜30mm,外径3〜10mmの筒状外周面を有するハンドルを具えていることを特徴としている。
【0009】
また本発明の子宮内膜細胞採取器は、上記ブラッシュの起毛時の外径が6〜10mmに設定され、同ブラッシュの毛の太さとしての直径が0.06〜0.065mmに設定されていることを特徴としている。
【0010】
上述の本発明の子宮内膜細胞採取器では、膣を経由して少なくとも子宮口まで挿入される可撓性チューブの外径が2.7〜2.9mmの範囲に著しく細く設定されるので、患者に与える負担が大幅に軽減され、また医師の操作手順においても、ブラッシュの突き出し後に子宮底に沿い同ブラッシュを旋回させる操作が、筒状の長くて適切なサイズのハンドルを親指と人差指とで把持しながら容易に行えるようになる。
【0011】
また、上記ブラッシュの起毛時の外径が6〜10mmの範囲に設定されて毛足が長くなるので、子宮底に沿う同ブラッシュの当たりが柔軟になり、したがって患者に苦痛を与えることがなく、しかも、その長い毛足により子宮内膜細胞の採取が的確に行われるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施形態としての子宮内膜細胞採取器について説明すると、図1はその側面図、図2はそのブラッシュを突き出した状態を示す縦断面図、図3はその使用状態を示す説明図である。
【0013】
図1〜3に示すように、膣11を経由して少なくとも子宮口12まで挿入される可撓性のポリエチレン製チューブ13の内部に、金属製パイプ状の剛性丸棒14が摺動可能に挿通されており、同丸棒14の基端部にはチューブ13よりも大径の円筒状外周面を有するハンドル15が固着されている。
【0014】
また、丸棒14の先端部には、ステンレス鋼の弾性棒状体16が接続されていて、同棒状体16はチューブ13の内部を摺動可能に通り同チューブ13の先端開口から突出できるように配設されている。そして、棒状体16がチューブ13の先端開口から突出した状態では、同棒状体16の先端部が弯曲形状を保ちうるように構成されている。
【0015】
また、棒状体16の弯曲しうる先端部には、ブラッシュ17が設けられ、同ブラッシュ17の先端には、棒状体16がチューブ13内に引込められたときに同チューブ13の先端開口縁13aに当接しうるストッパーとしての小球18が設けられている。
【0016】
本実施形態における可撓性チューブ13は、従来のものと比べて著しく小径化されていて、同チューブ13の外径は2.7〜2.9mmの範囲に設定されており、同チューブ13の長さは170〜200mmの範囲に設定される。
【0017】
また、丸棒14の長さは120〜150mmの範囲に設定され、先端部に弯曲形状を保持しうる棒状体16の中心線に沿う長さは90〜110mmの範囲に設定されている。
【0018】
さらに、ブラッシュ17については、同ブラッシュ17の起毛時の外径がかなり大きくなるように6〜10mmに設定され、同ブラッシュ17の毛の太さはできるだけ細くするように、毛の直径を0.06〜0.065mmの範囲に設定されている。
【0019】
上述のように、医師の患者に対する診療の際に膣11および子宮口12に挿入されるチューブ13の外径が著しく小径化される半面、筒状外周面を有するハンドル14については、図3に示すごとく指でつまんで回動させる操作を行いやすくするため、同ハンドル14の外径が3〜10mmの範囲に設定されるとともに、同ハンドルの長さは10〜30mmの範囲に設定されている。
【0020】
上述の本実施形態の子宮内膜細胞採取器では、膣11を経由して少なくとも子宮口12まで挿入される可撓性チューブ13の外径が、従来のものと比べて著しく細い2.7〜2.9mmの範囲に設定されるので、患者に与える負担が著しく軽くなり、また医師の操作手順においても、ブラッシュ17の突き出し後に子宮底19に沿い同ブラッシュ17を旋回させる操作が、筒状の長くて適切なサイズのハンドル14を図3に示すごとく親指と人差指とで把持しながら容易に行えるようになる。
【0021】
また、ブラッシュ17の起毛時の外径が6〜10mmの範囲に設定されて毛足が長くなるので、その毛の太さが細くなるように0.06〜0.065mmの範囲に設定されることと相まって、子宮底19に沿うブラッシュ17の当たりが柔軟になり、したがって患者に苦痛を与えることがなく、しかも、その長い毛足により子宮内膜細胞の採取が的確に行われるようになる。
【0022】
このようにして、本実施形態の子宮内膜細胞採取器によれば、患者に負担をかけないように膣内から子宮口まで挿入される可撓性チューブ13の小径化を図りながら、全体構造を著しく簡素化して、医師が容易に操作できるようにし、しかも子宮内膜細胞の採取も適切に行われるようになる利点が得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の子宮内膜細胞採取器によれば次のような効果が得られる。
(1) 膣を経由して少なくとも子宮口まで挿入される可撓性チューブの外径が2.7〜2.9mmの範囲に設定されるので、患者に与える負担が著しく軽くなり、また医師の操作手順においても、ブラッシュの突き出し後に子宮底に沿い同ブラッシュを旋回させる操作が、筒状の長くて適切なサイズのハンドルを親指と人差指とで把持しながら容易に行えるようになる。
(2) 上記ブラッシュの起毛時の外径が6〜10mmの範囲に設定されて毛足が長くなるので、子宮底に沿う同ブラッシュの当たりが柔軟になり、したがって患者に苦痛を与えることがなく、しかも、その長い毛足により子宮内膜細胞の採取が的確に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての子宮内膜細胞採取器の側面図である。
【図2】図1の子宮内膜細胞採取器のブラッシュを突き出した状態を示す縦断面図である。
【図3】図1,2の子宮内膜細胞採取器の操作要領を示す説明図である。
【図4】従来の子宮内膜細胞採取器の縦断面図である。
【図5】図4の子宮内膜細胞採取器の内部部材を取り出して示す側面図である。
【符号の説明】
11 膣
12 子宮口
13 チューブ
13a チューブ先端開口縁
14 剛性丸棒
15 ハンドル
16 弾性棒状体
17 ブラッシュ
18 小球

Claims (2)

  1. 膣を経由して少なくとも子宮口まで挿入される外径2.7〜2.9mm,長さ170〜200mmの可撓性チューブと、同チューブ内に摺動可能に挿通された長さ120〜150mmの剛性丸棒と、同丸棒の先端に接続されて上記チューブの内部を摺動可能に通り同チューブの先端開口から突出しうる長さ90〜110mmで少なくとも先端部が弯曲形状に維持可能の棒状体と、同棒状体の先端部に設けられ上記チューブからの突出時に起毛状態となるブラッシュと、同ブラッシュの上記チューブ内への引込み状態で同チューブの内端開口を閉じるべく上記ブラッシュの先端に装着された小球とを具えるとともに、上記チューブの外端開口から突出した上記丸棒の外端部に同心的に装着された長さ10〜30mm,外径3〜10mmの筒状外周面を有するハンドルを具えていることを特徴とする、子宮内膜細胞採取器。
  2. 上記ブラッシュの起毛時の外径が6〜10mmに設定され、同ブラッシュの毛の太さとしての直径が0.06〜0.065mmに設定されていることを特徴とする、子宮内膜細胞採取器。
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