JP2004219931A - 素子基板、電子装置、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

素子基板、電子装置、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電源線と、その電源線と隣接する他の電源線とのショートを抑制する素子基板、電子装置、電気光学装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】電源電圧供給線Loを介して供給される電源電圧に基づいて前記電源電圧とは異なった値を有する駆動電圧VoG,VoB,VoRをそれぞれ発生させる抵抗分圧回路32を素子基板上に形成した。そして、前記駆動電圧VoGを緑用画素回路30Gに形成された緑用駆動トランジスタQdGに、前記駆動電圧VoBを青用画素回路30Bに形成された青用駆動トランジスタQdBに、前記駆動電圧VoRを赤用画素回路30Rに形成された赤用駆動トランジスタQdRに供給するようにした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、素子基板、電子装置、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶素子、有機EL素子、電気泳動素子、電子放出素子等といった電気光学素子を複数備えた表示ディスプレイの駆動方式の一つにアクティブマトリクス駆動方式がある。アクティブマトリクス駆動方式の表示ディスプレイには、データ線、走査線及び電源線が設けられている。そして、データ線と走査線とが互いに交差する位置に、電気光学素子とその電気光学素子に駆動電力を供給する駆動トランジスタが設けられている。前記駆動トランジスタは前記電源線に接続され、その電源線から供給される電源電圧が印加されるようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第WO98/36407号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記電気光学装置は、多層配線構造を成している。そして、前記電源線は、他の電源線と同じ配線層に隣接して形成されている。従って、電源線の製造時に、不純物の混入等によって、電源線とその電源線に隣接する他の電源線とがショートしてしまう場合がある。このため、電気光学装置の歩留まりが劣化してしまう。
【0005】
また、近年、有機ELディスプレイの高精細化に伴って画素回路を高密度で配置されることが要求されている。この画素回路の高密度配置に伴って、電源線間の距離が短くなるため、開口率が低下してしまい、歩留まりの低下に加えて、電源線の寄生容量が大きくなることから表示品位の劣化を招きやすい。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、電源線と、その電源線と隣接する他の電源線とのショートを抑制する素子基板、電子装置、電気光学装置及び電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の素子基板は、第1の端子と第2の端子とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第1の電子素子の前記第2の端子に印加する駆動電圧を生成する素子基板であって、基板と、前記基板上に形成された複数の電源線と、前記複数の電源線の少なくとも1つの電源線を介して供給される電源電圧を変換して、前記電源電圧とは異なる少なくとも一つの電圧を生成する、前記基板上に形成された電圧変換部と、を備え、前記電圧変換部で生成した前記少なくとも1つの電圧が前記駆動電圧として用いられる。
【0008】
これによれば、第1の電子素子及び第2の電子素子に印加される、それぞれ異なった電圧値を有する電圧を、一つの電源電圧から発生させることができる電圧変換部を備えた素子基板を提供することができる。
【0009】
本発明の素子基板は、第1の端子と第2の端子とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第1の電子素子の前記第2の端子に印加する駆動電圧を生成する素子基板であって、基板と、前記基板上に形成された複数の電源線と、前記複数の電源線の少なくとも1つの電源線を介して供給される電源電圧を変換して、前記電源電圧とは異なる少なくとも一つの電圧を生成する、前記基板上に形成された電圧変換部と、前記電圧変換部で変換された前記少なくとも1つの電圧を出力する出力端に接続された少なくとも1つのトランジスタと、を備え、前記少なくとも1つのトランジスタは前記第2の端子に接続されている。
【0010】
これによれば、第1の電子素子及び第2の電子素子に印加される、それぞれ異なった電圧値を有する電圧を、一つの電源電圧から発生させることができる電圧変換部を備えた素子基板を提供することができる。
【0011】
本発明の電子装置は、第1の端子と第2の端子とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第1の電子素子と、第3の端子と第4の端子とを備え、前記第3の端子と前記第4の端子との間の電圧差、または、前記第4の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第2の電子素子と、電源線を介して供給される電源電圧に基づいて、前記電源電圧とは異なる値を有する少なくとも一つの電圧を発生させる電圧変換部とを含み、前記第1の電子素子と前記第2の電子素子と前記電圧変換部とは、同一基板上に形成され、前記電圧変換部は、前記第1の電子素子あるいは前記第2の電子素子の数に応じて設けられ、前記少なくとも一つの電圧は、前記第2端子または前記第4端子に印加されるようにした。
【0012】
これによれば、第1の電子素子及び第2の電子素子に印加される、それぞれ異なった電圧値を有する電圧を、一つの電源電圧から発生させることができる電圧変換部を備えた。このことによって、第1の電子素子及び第2の電子素子毎の電源線を設ける必要がないので、その分だけ電源線の本数を削減することができる。従って、製造時の電源線のショートを抑制することができる。
【0013】
この電子装置において、前記少なくとも一つの電圧は、少なくとも一つのトランジスタを介して前記第4端子に印加されるようにしてもよい。
これによれば、電源電圧が異なるトランジスタ毎に電源線を設ける必要がないので、その分だけ電源線の本数を削減することができる。
【0014】
この電子装置において、前記電圧変換部は抵抗素子を含んでもよい。抵抗素子として、ダイオードやトランジスタなども採用可能である。
これによれば、電源電圧を抵抗素子で分圧することで所望の値の電圧値を容易に発生させることができる。
【0015】
本発明の電気光学装置は、データ線と、走査線と、電源線とを含む電気光学装置において、第1の端子と第2の端子とを備え、前記データ線から供給されるデータ信号に応じて前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値が決定され、且つ、その決定された前記電圧差、または、前記電圧値に依存して光学特性または電気特性が変化する第1の電気光学素子と、第3の端子と第4の端子とを備え、前記データ線から供給されるデータ信号に応じて前記第3の端子と前記第4の端子との間の電圧差、または、前記第4の端子に印加される電圧値が決定され、且つ、その決定された前記電圧差、または、前記電圧値に依存して光学特性または電気特性が変化する第2の電気光学素子と、前記電源線を介して供給される電源電圧に基づいて、前記電源電圧とは異なる値を有する少なくとも一つの電圧を発生させる電圧変換部とを含み、前記第1の電気光学素子と前記第2の電気光学素子と前記電圧変換部とは、同一基板上に形成され、前記電圧変換部は、前記第1の電気光学素子あるいは前記第2の電気光学素子の数に応じて設けられ、前記少なくとも一つの電圧は、前記第2の端子または前記第4の端子に印加されるようにした前記電圧は、前記第4端子に印加されるようにした。
【0016】
これによれば、第1の電気光学素子及び第2の電気光学素子にそれぞれ印加される、異なった電圧値を有する電圧を、一つの電源電圧から発生させることができる電圧変換部を備えた。このことによって、第1の電気光学素子または第2の電気光学素子毎の電源線を設ける必要がないので、その分だけ電源線の本数を削減することができる。従って、製造時の電源線のショートを抑制することができる。この結果、電気光学装置の歩留まりを向上させることができる。また、第1の電気光学素子及び第2の電気光学素子毎の電源線を設ける必要がないので、その分だけ電気光学装置の高開口率化及び高密度化を実現することができる。
【0017】
この電気光学装置は、前記少なくとも一つの電圧は、少なくとも一つのトランジスタを介して前記第4端子に印加されてもよい。
これによれば、電源電圧が異なるトランジスタ毎に電源線を設ける必要がないので、その分だけ電源線の本数を削減することができる。
【0018】
この電気光学装置において、前記走査線と接続し、該走査線から供給されるスイッチング信号によりオン状態またはオフ状態に制御されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子がオン状態となることにより前記データ線から供給されるデータ信号を電荷量として保持する容量素子と、前記トランジスタと接続し、前記電荷量に基づいたそれぞれ異なった電流レンジで駆動する前記第1の電気光学素子または前記第2の電気光学素子と、を含む電子回路を複数備えていてもよい。
【0019】
これによれば、アクティブマトリクス駆動型の電気光学装置の製造時の電源線のショートを抑制することができる。また、アクティブマトリクス駆動型の高開口率化及び高密度化を実現することができる。
【0020】
この電子装置において、前記電圧変換部は抵抗素子を含んでもよい。
これによれば、電源電圧を抵抗素子で分圧することで所望の値の電圧値を容易に発生させることができる。
【0021】
この電気光学装置は、前記第1の電気光学素子または前記第2の電気光学素子は、それぞれ、緑色発光、青色発光及び赤色発光を示す電気光学素子のうちのいずれか2つであってもよい。
これによれば、フルカラー表示可能な電気光学装置の電源線の本数を削減することができる。
【0022】
この電気光学装置において、前記緑色を発光させる電気光学素子同士、前記青色を発光させる電気光学素子同士または前記赤色を発光させる電気光学素子同士が隣接して配置されないようにしてもよい。
これによれば、緑色を発光させる電気光学素子同士、青色を発光させる電気光学素子同士または赤色を発光させる電気光学素子同士が隣接して配置されない電気光学装置の電源線の本数を削減することができる。
【0023】
この電気光学装置において、前記電気光学素子はEL素子であってもよい。
これによれば、電気光学素子がEL素子で構成された電気光学装置の電源線の本数を削減することができる。
【0024】
この電気光学装置において、前記EL素子は発光層が有機材料で構成されていてもよい。
これによれば、電気光学素子が有機EL素子で構成された電気光学装置の電源線の本数を削減することができる。
【0025】
本発明における電子機器は、上記記載の素子基板を実装した。
この電子機器によれば、電源線の本数が少ない素子基板を備えた電子機器を提供することができる。
【0026】
本発明の電子機器は、上記記載の電気光学装置を実装した。
この電子機器によれば、表示品位が電気光学装置を備えた電子機器を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜10に従って説明する。図1は、電子装置又は電気光学装置としての有機ELディスプレイの概略構成図である。図2は、制御用ICの内部構成を示すブロック図である。図3は、表示パネル部及びデータ線駆動回路の回路構成の一部を示す電気的構成図である。図4は、画素回路の回路構成図である。図5は、画素回路の一部断面図である。
【0028】
尚、本実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
【0029】
図1に示すように、有機ELディスプレイ10は、その略中央部に表示領域Pを有する表示パネル部11と、該表示パネル部11の図中下側に接続され、前記表示領域Pに表示される画像を制御するための各種制御信号を生成する制御用IC12とを備えている。
【0030】
表示パネル部11は、素子基板H上に形成されている。表示パネル部11は、前記表示領域Pの左右両側部に形成された一対の走査線駆動回路13と、表示領域Pを介して前記制御用IC12と対向する位置に形成された検査回路14とを備えている。また、表示パネル部11は、電源配線15と陰極配線16とを備えている。
【0031】
表示パネル部11は、図3に示すように、その表示領域Pの列方向に沿って延びる複数の緑、青及び赤用データ線XGm,XBm,XRm(mは自然数)が配設されている。緑、青及び赤用データ線XGm,XBm,XRmは、表示領域Pの左端側から第1の緑用データ線XG1、第1の青用データ線XB1、第1の赤用データ線XR1、第2の緑用データ線XG2、・・・の順に配設されている。また、表示パネル部11は、その行方向に沿って延びる複数の走査線Yn(nは自然数)が配設されている。そして、緑、青及び赤用データ線XGm,XBm,XRmと走査線Ynとの交差部に対応する位置に、複数の電子回路としての画素回路30がマトリクス状に配置形成されている。
【0032】
走査線駆動回路13は、走査制御信号に基づいて前記複数の走査線Ynのうち、1本を選択駆動して1行分の画素回路群を選択する。そして、選択された画素回路群に走査信号を出力する。
【0033】
検査回路14は、制御用IC12から出力される各種制御信号等を検出し、製造途中や出荷時の有機ELディスプレイ10の品質、欠陥の検査を行うための回路である。
【0034】
電源配線15は、図3に示すように、前記走査線Ynに平行して配設された電源線としての電源電圧供給線Loに接続されている。電源電圧供給線Loは、電源配線15を介して後記する電源電圧Voを各画素回路30に供給する。
【0035】
陰極配線16は、前記電源配線15の外側に形成され、前記表示領域Pを囲むように略コ字状に形成されている。
制御用IC12は、ポリイミドテープT上に実装されている。ポリイミドテープTは、その一側が接着剤等によって表示パネル部11(素子基板H)に接着されている。制御用IC12は、図示しない外部装置と接続されるとともに、前記走査線駆動回路13、前記電源配線15及び前記陰極配線16と電気的に接続されている。
【0036】
制御用IC12は、図2に示すように、走査制御信号生成回路17、データ線駆動回路18、電源電圧生成回路19及び陰極用電源回路20が内蔵されている。
【0037】
走査制御信号生成回路17は、前記外部装置から供給される信号に基づいて走査制御信号を生成し、その生成された走査制御信号を前記走査線駆動回路13に出力する。
【0038】
データ線駆動回路18は、複数の単一ライン駆動回路18G,18B,18Rを備えている(図3参照)。複数の単一ライン駆動回路18G,18B,18Rは、それぞれ、前記外部装置から供給される信号に基づいて緑、青及び赤用データ信号VDG,VDB,VDRを生成し、その生成された各データ信号VDG,VDB,VDRを対応する緑、青及び赤用データ線XGm,XBm,XRmに出力する。
【0039】
電源電圧生成回路19は、電源電圧Voを生成するとともに、生成された電源電圧Voを前記電源配線15に出力する。この電源電圧Voは、後記する緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの駆動電圧VoG,VoB,VoRより大きくなるように予め設定されている。陰極用電源回路20は、表示パネル部11に形成された前記陰極配線16に接続されている。
【0040】
次に、画素回路30について図4に従って説明する。
画素回路30は、図4に示すように、その形成領域に、四角升状の緑用画素形成領域ZG、青用画素形成領域ZB、赤用画素形成領域ZR及びダミー形成領域ZSが設けられている。この四角升状に割り当てられた各形成領域ZG,ZB,ZR,ZS(各画素回路30G,30B,30R)の配置は、本実施形態では、図3及び図4に示すように、上段の左側を緑用画素形成領域ZG、右側を青用画素形成領域ZBに割り当てている。また、その下段の左側をダミー形成領域ZS、右側を赤用画素形成領域ZRに割り当てている。そして、四角升状に形成された緑用画素形成領域ZG、青用画素形成領域ZB、赤用画素形成領域ZR及びダミー形成領域ZSとで1画素の領域が形成されている。
【0041】
前記緑用画素形成領域ZGには、緑用画素回路30Gが形成されている。又、前記青用画素形成領域ZBには、青用画素回路30Bが形成されている。前記赤用画素形成領域ZRには、赤用画素回路30Rが形成されている。尚、ダミー形成領域ZSには、前記各画素回路30G,30B,30Rのいずれもが形成されていない領域である。
【0042】
従って、前記表示パネル領域Pの上下及び左右両端に位置する画素回路30を除いた、各画素回路30の各緑用画素形成領域ZG、青用画素形成領域ZB、赤用画素形成領域ZR及びダミー形成領域ZSは、隣接する各画素回路30の各緑用画素形成領域ZG、青用画素形成領域ZB、赤用画素形成領域ZR及びダミー形成領域ZSに対して他の形成領域を1つ挟んだ位置関係に形成される。
【0043】
緑用画素回路30Gは有機材料で構成された発光層から緑色の光を放射する緑用有機EL素子31Gと、その緑用有機EL素子31Gに供給される駆動電流を生成する緑用駆動トランジスタQdG、保持キャパシタCo及びスイッチングトランジスタQsとを備えている。緑用駆動トランジスタQdGはpチャネルTFTで構成されている。スイッチングトランジスタQsはnチャネルTFTで構成されている。
【0044】
緑用駆動トランジスタQdGは、そのドレインが緑用有機EL素子31Gの陽極に接続されている。緑用有機EL素子31Gの陰極は接地されている。緑用駆動トランジスタQdGのゲート/ソース間には保持キャパシタCoが接続されている。緑用駆動トランジスタQdGのソースは電圧変換部としての抵抗分圧回路32に接続されている。
【0045】
緑用画素回路30GのスイッチングトランジスタQsのゲートは、対応する走査線Ynに接続されている。又、スイッチングトランジスタQsのドレインは対応する緑用データ線XGmに接続され、ソースは前記緑用駆動トランジスタQdGのゲートに接続されている。
【0046】
青用画素回路30Bは有機材料で構成された発光層から青色の光を放射する青用有機EL素子31Bと、その青用有機EL素子31Bに供給される駆動電流を生成する青用駆動トランジスタQdB、保持キャパシタCo及びスイッチングトランジスタQsとを備えている。青用駆動トランジスタQdBはpチャネルTFTで構成されている。スイッチングトランジスタQsはnチャネルTFTで構成されている。
【0047】
青用駆動トランジスタQdBは、そのドレインが青用有機EL素子31Bの陽極に接続されている。青用有機EL素子31Bの陰極は接地されている。青用駆動トランジスタQdBのゲート/ソース間には保持キャパシタCoが接続されている。青用駆動トランジスタQdBのソースは後記する抵抗分圧回路32に接続されている。
【0048】
青用画素回路30BのスイッチングトランジスタQsのゲートは、対応する走査線Ynに接続されている。又、スイッチングトランジスタQsは、そのドレインが対応する青用データ線XBmに接続され、ソースが前記青用駆動トランジスタQdBのゲートに接続されている。
【0049】
赤用画素回路30Rは有機材料で構成された発光層から赤色の光を放射する赤用有機EL素子31Rと、その赤用有機EL素子31Rに供給される駆動電流を生成する赤用駆動トランジスタQdR、保持キャパシタCo及びスイッチングトランジスタQsとを備えている。赤用駆動トランジスタQdRはpチャネルTFTで構成されている。スイッチングトランジスタQsはnチャネルTFTで構成されている。
【0050】
赤用駆動トランジスタQdRは、そのドレインが前記有機EL素子31Rの陽極に接続されている。赤用有機EL素子31Rの陰極は接地されている。赤用駆動トランジスタQdRのゲート/ソース間には保持キャパシタCoが接続されている。赤用駆動トランジスタQdRのソースは後記する抵抗分圧回路32に接続されている。
【0051】
赤用画素回路30Rのスイッチング用トランジスタQsのゲートは、対応する走査線Ynに接続されている。又、スイッチング用トランジスタQsのドレインは対応する赤用データ線XRmに接続され、ソースは赤用駆動トランジスタQdRのゲートに接続されている。
【0052】
また、前記緑用有機EL素子31G、前記青用有機EL素子31B及び前記赤用有機EL素子31Rは、それぞれ異なった電流レンジで駆動するように予め設定されている。
【0053】
そして、前記各緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30Rを一つの組としてその1組が1つの画素回路30を構成している。つまり、前記緑用有機EL素子31B同士、前記青用有機EL素子31B同士または前記赤用有機EL素子31R同士が隣接して配置されないように構成されている。
【0054】
尚、特許請求の範囲に記載された第1の電子素子、第2の電子素子、第1の電気光学素子または第2の電気光学素子は、それぞれ、本実施形態における緑用有機EL素子31G、青用有機EL素子31B及び赤用有機EL素子31Rから選ばれる有機EL素子に対応している。また、特許請求の範囲に記載されたトランジスタ、及び、スイッチング素子は、それぞれ、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdR、及び、スイッチングトランジスタQsに対応している。さらに、特許請求の範囲に記載された第1の端子及び第2の端子は、それぞれ、本実施形態における緑用有機EL素子31G、青用有機EL素子31B及び赤用有機EL素子31Rから選ばれる有機EL素子の陽極及び陰極に対応している。また、特許請求の範囲に記載された第4の端子は、本実施形態における緑用有機EL素子31G、青用有機EL素子31B及び赤用有機EL素子31Rから選ばれる有機EL素子の陽極に対応している。
【0055】
このように構成された画素回路30内の緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRと前記電源電圧供給線Loとの間には抵抗素子で構成された電圧変換回路部としての抵抗分圧回路32が形成されている。つまり、抵抗分圧回路32は、前記緑用有機EL素子31G、青用有機EL素子31B及び赤用有機EL素子31Rと同一基板上に形成されている。
【0056】
抵抗分圧回路32は、その第1の電極K1が前記電源電圧供給線Loに接続されるとともに第2電極K2が接地されている。抵抗分圧回路32は、前記電源電圧供給線Loを介して供給される電源電圧Voに基づいて前記電源電圧Voとは異なった値を有する緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの各々の駆動電圧VoG,VoB,VoRをそれぞれ発生させる。即ち、抵抗分圧回路32は、前記電源電圧Voを分圧することで、前記緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの各々の駆動電圧VoG,VoB,VoRを生成し、その生成した駆動電圧VoG,VoB,VoRを、各緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRのソースに供給する。
【0057】
詳述すると、抵抗分圧回路32はその内部に抵抗RG,RB,RR,Roを有している。抵抗RGは、その大きさが電源電圧Voを分圧して緑用駆動トランジスタQdGの駆動電圧VoGと等しくなるように設定されている。そして、緑用駆動トランジスタQdGはその駆動電圧VoGに応じた電流レンジの駆動電流Ielを前記緑用有機EL素子31Gに供給する。抵抗RBは、その大きさが電源電圧Voを分圧して青用駆動トランジスタQdBの駆動電圧VoBと等しくなるように設定されている。そして、青用駆動トランジスタQdBはその駆動電圧VoBに応じた電流レンジの駆動電流Ielを前記青用有機EL素子31Bに供給する。抵抗RRは、その大きさが電源電圧Voを分圧して赤用駆動トランジスタQdRの駆動電圧VoRと等しくなるように設定されている。そして、赤用駆動トランジスタQdRはその駆動電圧VoRに応じた電流レンジの駆動電流Ielを前記赤用有機EL素子31Rに供給する。また、抵抗Roは所定の大きさを有する接地抵抗である。このように、前記抵抗分圧回路32を抵抗RG,RB,RR,Roで構成だけで、各駆動電圧VoG,VoB,VoRを生成することができる。従って、前記抵抗分圧回路32を容易に構成することができる。
【0058】
従って、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRに対応した各緑、青及び赤用駆動電圧VoG,VoB,VoRを供給するための電源電圧供給線をそれぞれ設ける必要がないので、その分だけ隣接する電源電圧供給線Lo同士を離間して配置することができる。つまり、電源電圧供給線Loは、緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30Rのうち2つの画素回路分離間して形成することができるので、電源電圧供給線Loと、該電源電圧供給線Loに隣接する他の電源電圧供給線Loとが従来のものと比べて離間して形成することができるので、製造時における不純物の混入等による電源電圧供給線Lo間のショートを抑制することができる。また、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRに対応した各緑、青及び赤用駆動電圧VoG,VoB,VoRを供給するための電源電圧供給線をそれぞれ設ける必要がないので、その分だけ緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30Rの開口率を向上させることができる。
【0059】
尚、本実施形態においては、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの各々の駆動電圧VoG,VoB,VoRは、緑用駆動トランジスタQdG、青用駆動トランジスタQdB、赤用駆動トランジスタQdRの順に小さくなるように設定されている。従って、図4に示すように、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの各ソースと抵抗分圧回路32との接続位置は、緑用駆動トランジスタQdG、青用駆動トランジスタQdB、赤用駆動トランジスタQdRの順に接地方向に偏倚する。この緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRと抵抗分圧回路32との接続位置は、これに限定されるものではなく、各緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31Rの各発光層を形成する材料や各緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31Rの素子構造等によって適宜変更してもよい。
【0060】
そして、このように構成された有機ELディスプレイ10によれば、各走査線Ynが順番に選択される。そして、その選択された走査線Yn上の各画素回路30(各画素回路30G,30B,30R)に各データ線XGm,XBm,XRmを介してそれぞれ対応する緑、青及び赤用データ信号VDG,VDB,VDRが保持キャパシタCoに供給される。
【0061】
つまり、各緑用単一ライン駆動回路18Gにて生成された緑用データ信号VDGは、前記走査線駆動回路13から走査信号が供給されるタイミングで、データ線XGmを介して対応する緑用画素回路30Gに供給される。すると、緑用画素回路30Gは、前記緑用データ信号VDGに応じた電荷量を保持キャパシタCoに充電するとともに、緑用駆動トランジスタQdGは、その充電された電荷量に応じた駆動電流Ielを緑用有機EL素子31Gに供給する。その結果、緑用有機EL素子31Gが発光動作する。
【0062】
同様に、各青用単一ライン駆動回路18Bにて生成された青用データ信号VDBは、前記走査線駆動回路13から走査信号が供給されるタイミングで、データ線XBmを介して対応する青用画素回路30Bに供給される。すると、青用画素回路30Bは、前記青用データ信号VDBに応じた電荷量を保持キャパシタCoに充電するとともに、青用駆動トランジスタQdBは、その充電された電荷量に応じた駆動電流Ielを青用有機EL素子31Bに供給する。その結果、青用有機EL素子31Bが発光動作する。
【0063】
同様に、各赤用単一ライン駆動回路18Rにて生成された赤用データ信号VDRは、前記走査線駆動回路13から走査信号が供給されるタイミングで、データ線XRmを介して対応する赤用画素回路30R供給される。すると、赤用画素回路30Rは、前記赤用データ信号VDRに応じた電荷量を保持キャパシタCoに充電するとともに、赤用駆動トランジスタQdRは、その充電された電荷量に応じた駆動電流Ielを赤用有機EL素子31Rに供給する。その結果、赤用有機EL素子31Rが発光動作する。
【0064】
そして、緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31Rが順次データ信号VDG,VDB,VDRに応じて発光動作して画像が表示される。
次に、画素回路30の構造について図5に従って説明する。図5は、前記抵抗分圧回路32と、該抵抗分圧回路32に接続された前記緑用駆動トランジスタQdG及び前記青用駆動トランジスタQdBとを含む画素回路30の一部断面図である。尚、図5に示す一部断面図は、図1中のA−A’線に沿う断面に対応している。
【0065】
図5に示すように、ガラス基板40上には、二酸化珪素(SiO)で形成された下地保護層41が積層され、この下地保護層41上には多結晶シリコンで構成されたシリコン層42,43が形成されている。シリコン層42,43及び下地保護層41上には、二酸化珪素(SiO)又は窒化珪素(SiN)で構成されたゲート絶縁層44が形成されている。そして、シリコン層42,43上には、ゲート絶縁層44を介してゲート電極45,46が形成されている。
【0066】
ゲート絶縁層44を介してゲート電極45と対向するシリコン層42の領域がチャネル領域42Cである。シリコン層42のうち、チャネル領域42Cの図中左側には低濃度ドレイン領域42LD及び高濃度ドレイン領域42HDが形成されている。一方、シリコン層42のうち、チャネル領域42Cの図中右側には低濃度ソース領域42LS及び高濃度ソース領域42HSが形成されている。
【0067】
一方、シリコン層43においては、ゲート絶縁層44を介してゲート電極46と対向する領域がチャネル領域43Cとなっている。そして、シリコン層43のうち、チャネル領域43Cの図中左側には低濃度ソース領域43LS及び高濃度ソース領域43HSが形成されている。一方、チャネル領域43Cの図中右側には低濃度ドレイン領域43LD及び高濃度ドレイン領域43HDが形成されている。
【0068】
前記ゲート電極45,46及びゲート絶縁層44上は、二酸化珪素(SiO)で構成された第2層間絶縁層ID2が形成されている。
第2層間絶縁層ID2上には、前記シリコン層42の高濃度ソース領域42HS及び高濃度ドレイン領域42HDに対応する位置にソース電極47及びドレイン電極48が形成されている。前記ソース電極47及び前記ドレイン電極48は、それぞれ、ゲート絶縁層44及び第2層間絶縁層ID2を開孔して形成された第1及び第2コンタクトホールC1,C2を介して、前記シリコン層42の高濃度ソース領域42HS及び高濃度ドレイン領域42HDと電気的に接続されている。そして、シリコン層42、ゲート電極45、ソース電極47及びドレイン電極48で緑用駆動トランジスタQdGが構成されている。
【0069】
同様に、第2層間絶縁層ID2上には、前記シリコン層43の高濃度ソース領域43HS及び高濃度ドレイン領域43HDに対応する位置にソース電極49及びドレイン電極50が形成されている。前記ソース電極49及び前記ドレイン電極50は、それぞれ、ゲート絶縁層44及び第2層間絶縁層ID2を開孔して形成された第3及び第4コンタクトホールC3,C4を介して、前記シリコン層42の高濃度ソース領域43HS及び高濃度ドレイン領域43HDと電気的に接続されている。
【0070】
そして、シリコン層43、ゲート電極46、ソース電極49及びドレイン電極50で青用駆動トランジスタQdBが構成されている。
また、第2層間絶縁層ID2上であって且つ前記緑用駆動トランジスタQdBのソース電極47と青用駆動トランジスタQdBのソース電極49との間には二酸化珪素(SiO)で構成された抵抗分圧回路32が形成されている。この抵抗分圧回路32は緑用駆動トランジスタQdBのソース電極47と接続されているとともに、青用駆動トランジスタQdBのソース電極49と接続されている。また、抵抗分圧回路32は図示しない赤用駆動トランジスタQdRのソース電極とも接続されている。
【0071】
前記第2層間絶縁層ID2上には二酸化珪素(SiO)で形成された第1層間絶縁層ID1が形成されている。第1層間絶縁層ID1上にはスズドープ酸化インジウム(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)といった透明導電性薄膜で構成された画素電極51a,51bと、無機材料で構成された第1バンク52とが形成されている。
【0072】
画素電極51aは、前記第2層間絶縁層ID2を貫通する第5コンタクトホールC5を介して前記緑用駆動トランジスタQdGのドレイン電極48と電気的に接続されている。透明電極51a上には正孔注入/輸送層53aと、緑色の光を放射する有機材料で構成された発光層53bとから構成される緑用機能層GLが形成されている。
【0073】
画素電極51bは、前記第2層間絶縁層ID2を貫通する第6コンタクトホールC6を介して前記青用駆動トランジスタQdBのドレイン電極50と電気的に接続されている。透明電極51b上には正孔注入/輸送層53cと、青色の光を放射する有機材料で構成された発光層53dとから構成される青用機能層BLが形成されている。尚、前記画素電極51a,51bは、それぞれ、緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31R(または、緑、青及び赤用機能層GL,BL,RL)以外の液晶素子等といった電気光学素子の場合において、特許請求の範囲に記載された第2の端子に対応していてもよい。または、第5及び第6コンタクトホールC5,C6が、それぞれ、緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31R(または、緑、青及び赤用機能層GL,BL,RL)以外の液晶素子等といった電気光学素子の場合において、特許請求の範囲に記載された第2の端子に対応していてもよい。
【0074】
第1バンク層52は、各画素電極51a,51bの周縁部上に乗上げて形成されている。また、第1バンク層52は、緑用機能層GLと青用機能層BLの間に備えられており、緑用機能層GLと青用機能層BLを区画している。
【0075】
前記第1バンク層52上には、第2バンク層54が形成されている。第2バンク層54は、緑用機能層GLと青用機能層BLの間に備えられており、前記第1バンク層52と同様に、緑用機能層GLと青用機能層BLを区画している。
【0076】
そして、本実施形態においては、前記ガラス基板40、下地保護層41,ゲート絶縁層44、第1層間絶縁層ID1及び第2層間絶縁層ID2とで素子基板Hを構成している。また、前記素子基板Hは、これに限定されるものではなく、前記ガラス基板40、下地保護層41,ゲート絶縁層44、第1層間絶縁層ID1及び第2層間絶縁層ID2に加えて、第1バンク層52及び第2バンク層54で構成されたものであってもよい。
【0077】
第2バンク層54及び緑用機能層GL、青用機能層BL上には陰極層55が形成されている。陰極層55は第1陰極層55aと該第1陰極層55a上に積層される第2陰極層55bとから構成されている。陰極層55は、画素電極51a,51bの対向電極として緑用機能層GLと青用機能層BLに電流を供給する機能を有する。第1陰極層55aはフッ化リチウム(LiF)とカルシウム(Ca)の積層体又は、アルミニウム(Al)とカルシウム(Ca)の積層体から構成されている。また、第2陰極層55bは、緑用機能層GLと青用機能層BLから発した光をガラス基板40側に反射させる機能をも有し、例えば、Al、Ag、Mg/Ag積層体等から構成されている。
【0078】
そして、前記陰極層55の第2陰極層55bは図1に示した前記陰極配線16に接続されている。第2陰極層55b上には、窒素(N)といった不活性ガスが充填された領域SPを介して封止基板56が形成されている。
【0079】
次に、本実施形態の表示パネル部11の製造方法を図6〜図10に従って説明する。図6〜図10は、図5に示した緑及び青用画素回路30G,30Bを含む表示パネル部11の断面図である。
【0080】
図6(a)に示すように、まず、ガラス基板40上に、二酸化珪素(SiO)で構成された下地保護層41を形成する。その後、プラズマCVD法等を用いて前記下地保護層41を構成する前記二酸化珪素(SiO)をアモルファス化した後、レーザアニール法又は急速加熱法により結晶粒を成長させて多結晶シリコンで構成されたシリコン層60を形成する。
【0081】
次に、図6(b)に示すように、前記シリコン層60をフォトリソグラフィ法によりパターニングして島状のシリコン層42,43を形成し、続いて、各シリコン層42,43及び下地保護層41上に二酸化珪素(SiO)で構成された膜厚約30nm〜200nmのゲート絶縁層44を形成する。このゲート絶縁層44の形成は、プラズマCVD法、熱酸化法等により行う。
【0082】
次に、図6(c)に示すように、ゲート絶縁層44上にイオン注入選択マスクM1を形成し、この状態でリンイオン(P)を約1×1015cm−2のドーズ量でイオン注入する。その結果、シリコン層42,43中に高濃度ソース領域42HS,43HS及び高濃度ドレイン領域42HD,43HDが形成される。
【0083】
次に、前記イオン注入選択マスクM1をアッシングして除去した後に、ゲート絶縁層44上に膜厚約500nm程度のアルミニウム(Al)膜を形成する。その後、前記アルミニウム膜をパターニングすることにより、図7(a)に示すゲート電極45,46を形成する。このゲート電極45,46は、それぞれ前記緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのゲート電極に対応する。また、このとき、上記パターニングにより、電源配線15及び陰極配線16を同時に形成する。
【0084】
続いて、図7(b)に示すように、前記ゲート電極45,46をマスクとし、前記シリコン層42,43に対してリンイオン(P)を約4×1013cm−2のドーズ量でイオン注入する。その結果、シリコン層42,43中に低濃度ソース領域42LS,43LS及び低濃度ドレイン領域42LD,43LDが形成される。
【0085】
次に、ゲート絶縁層44の全面に二酸化珪素(SiO)で構成された第2層間絶縁層ID2を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法及びエッチングによって、図7(c)に示すように、各緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのソース電極47,49及びドレイン電極48,50に対応する位置に第1〜第4コンタクトホールC1,C2,C3,C4形成用の各孔H1,H2,H3,H4を形成する。また、このとき、電源配線15に対応する位置に電源用コンタクトホールCL形成用の孔HLを形成するとともに、陰極配線16に対応する位置に第1陰極用コンタクトホールCK1形成用の孔HK1を形成する。
【0086】
次に、図8(a)に示すように、第2層間絶縁層ID2上に、アルミニウム(Al)の金属からなる導電層を形成することにより、先に形成した孔H1,H2,H3,H4,HL,HK1にアルミニウム(Al)を埋め込んで第1〜第4コンタクトホールC1,C2,C3,C4、電源用コンタクトホールCL及び第1陰極用コンタクトホールCK1を形成する。その後、CMP(化学的機械的研磨)等を用いて第2層間絶縁層ID2上のアルミニウム(Al)膜を除去するとともに第2層間絶縁層ID2を平坦化処理した後、第1コンタクトホールC1と第3コンタクトホールC3との間に開口部Qmを有するマスクM2を形成する。そして、CVD法によって、前記開口部Qmに二酸化珪素(SiO)膜を形成する。この開口部Qmに構成された二酸化珪素(SiO)膜が、前記抵抗分圧回路32となる。
【0087】
次に、マスクM2をアッシングして除去した後に、図8(b)に示すように、第2層間絶縁層ID2上に蒸着法によってアルミニウム(Al)で構成された膜厚約200nmないし800nm程度の緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのソース電極47,49、ドレイン電極48,50、電源電圧供給線Lo及び第1陰極用コンタクト部LK1を形成する。このとき、抵抗分圧回路32の一端(電極K1)が図示しない位置にて電源電圧供給線Loに接続するように形成するとともに、同抵抗分圧回路32の所定の位置にて各緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのソース電極47,49と接続するように形成する。また、抵抗分圧回路32の、前記電源電圧供給線Loと接続されていない方の一端(電極K2)には、隣接する他の抵抗分圧回路32の前記一端(電極K2)と図示しないアルミニウム配線を介して互いに接続される。そして、このアルミニウム配線は、前記第1陰極用コンタクト部LK1に接続される。
【0088】
このようにすることによって、電源電圧供給線Loは抵抗分圧回路32を介して緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのソース電極47,49と電気的に接続した状態となる。
【0089】
次に、図8(c)に示すように、第2層間絶縁層ID2上に、CVD法等によって二酸化珪素(SiO)で構成された第1層間絶縁層ID1を形成する。この第1層間絶縁層ID1は、膜厚が約1〜2μm程度となるように形成されることが望ましい。
【0090】
続いて、図9(a)に示すように、第1層間絶縁層ID1の、各緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのドレイン電極48,50に対応する位置をフォトリソグラフィ法及びエッチングによって除去して第5及び第6コンタクトホールC5,C6形成用の孔H5,H6を形成する。また、このとき、第1層間絶縁層ID1の、前記第1陰極用コンタクト部LK1に対応する部分に第2陰極用コンタクトホールCK2形成用の孔HK2を形成する。その後、第1層間絶縁層ID1上であって、前記第2陰極用コンタクトホールCK2形成用の孔HK2が形成された部分を除いて、スズドープ酸化インジウム(ITO)の薄膜を形成する。このことによって、前記第5及び第6コンタクトホール形成用の孔H5,H6を前記ITOで埋めて第5及び第6コンタクトホールC5,C6を形成する。
【0091】
続いて、図9(b)に示すように、前記ITO薄膜をパターニングして、前記第5及び第6コンタクトホールC5,C6に接続するように画素電極51a,51bを形成する。このことによって、画素電極51a,51bと、前記緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのソース電極48,50とが電気的に接続された状態となる。また、第2陰極用コンタクトホールCK2形成用の孔HK2に蒸着法によってアルミニウム(Al)を第2陰極用コンタクトホールCK2形成用の孔CK2を埋め込んで第2陰極用コンタクトホールCK2を形成するとともに、第2陰極用コンタクト部LK2を形成する。
【0092】
次に、図9(c)に示すように、第1層間絶縁層ID1及び画素電極51a,51bに、CVD法、TEOS法、スパッタ法、蒸着法等によってSiO、TiO、SiN等の無機質膜を形成する。そして、この無機質膜が画素電極51a,51bの一部が開口する態様にて形成されるように、同無機質膜をパターニングして第1バンク層52を形成する。
【0093】
第1バンク層52は、その膜厚が約50〜200nmの範囲であることが好ましく、特に150nmがよい。膜厚が50nm未満では、第1バンク層52が正孔注入/輸送層53a,53cより薄くなり、正孔注入/輸送層53a,53cの平坦性を確保できなくなるので好ましくない。また、膜厚が200nmを越えると、第1バンク層52による段差が大きくなって、正孔注入/輸送層53a,53c上に積層する発光層53b,53dの平坦性を確保できなくなるので好ましくない。
【0094】
その後、図10(a)に示すように、第1バンク層52上に、有機物で構成された第2バンク層54を形成する。この第2バンク層54は、第1バンク層52上に形成されるとともに、画素電極51a,51bの一部が開口する態様にてパターニングして形成されている。
【0095】
第2バンク層54は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の通常のレジストから形成されている。この第2バンク層54の厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、正孔注入/輸送層53a,53c及び発光層53b,53dの合計膜厚より第2バンク層54が薄くなり、発光層53b,53dが上部開口部から溢れるおそれがあるので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、上部開口部による段差が大きくなり、第2バンク層54上に形成する陰極層55のステップガバレッジを確保できなくなるので好ましくない。また、第2バンク層54の厚さを2μm以上にすれば、後記する陰極層55と画素電極51a,51bとの絶縁を高めることができる点でより好ましい。
【0096】
このようにして、緑用機能層GL及び青用機能層BLは、第2バンク54より薄く形成されている。
その後、第1及び第2バンク層52,54の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域を形成する。本実施例においてはプラズマ処理工程により、各領域を形成するものとしている。具体的には、前記プラズマ処理工程は、画素電極51a,51b及び第1バンク層52を親液性にする親液化工程と、第2バンク層54を撥液性にする撥液化工程とを少なくとも具備している。
【0097】
詳しくは、第1及び第2バンク層52,54を所定温度(例えば70〜80℃程度)に加熱し、次いで親液化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。続いて、撥液化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、プラズマ処理のために加熱された第1及び第2バンク層52,54を室温まで冷却することで、親液性及び撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
【0098】
その後、画素電極51a,51b上に、緑用機能層GL及び青用機能層BLをインクジェット法により形成する。詳しくは、緑用機能層GL及び青用機能層BLは、正孔注入/輸送層53a,53cを形成する所定の材料を含む組成物インクを吐出・乾燥した後に、発光層53b,53dを形成する所定の材料を含む組成物インクを吐出・乾燥することにより形成される。尚、この緑用機能層GL及び青用機能層BLの形成工程以降は、正孔注入/輸送層53a,53c及び発光層53b,53dの酸化を防止するため、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気といった不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0099】
次に、図10(b)に示すように、第2バンク層54及び緑用機能層GL及び青用機能層BL上にフッ化リチウム(LiF)とカルシウム(Ca)の積層体又はアルミニウム(Al)とカルシウム(Ca)の積層体から構成される第1陰極層55aを形成する。続いて、Al、Ag、Mg/Ag積層体等から構成される第2陰極層55bを形成する。このとき、第2陰極層55bは前記第2陰極用コンタクト部LK2に接続されるように形成されている。この第1陰極層55aと第2陰極層55bとで陰極層55を構成する。
【0100】
最後に、基板Gの両側部にエポキシ樹脂等で構成された封止材60を塗布し、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気といった不活性ガス雰囲気中にて陰極層55を覆うように封止材60を介して封止基板56を基板Gに接合する。このとき、陰極層55と封止基板56との間には窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気といった不活性ガスが充填された領域SPが形成される。このようにして、表示パネル部11が製造される。
【0101】
前記実施形態の有機ELディスプレイによれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)本実施形態では、電源電圧供給線Loを介して供給される電源電圧Voに基づいて前記電源電圧Voとは異なった値を有する緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの各々の駆動電圧VoG,VoB,VoRをそれぞれ発生させる。抵抗分圧回路32を素子基板H上に形成した。
【0102】
このことによって、1本の電源電圧供給線Loで画素回路30の各緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRにそれぞれ駆動電圧VoG,VoB,VoRを供給することができる。従って、緑用駆動トランジスタQdG、青用駆動トランジスタQdB及び赤用駆動トランジスタQdR毎に、その各駆動電圧VoG,VoB,VoRを供給する電源電圧供給線を設ける必要がないので、その分だけ電源電圧供給線の本数を削減することができる。
【0103】
また、電源電圧供給線Loと、該電源電圧供給線Loと隣接する他の電源電圧供給線Loとを緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30Rのうち2つの画素回路分離間して形成することができる。従って、電源電圧供給線Loの製造時における不純物の混入等による電源電圧供給線Lo間のショートを抑制することができる。従って、電源電圧供給線Loの本数が削減された分だけ、画素回路30の開口率を向上させることができる。
【0104】
また、電源電圧供給線Loの本数が削減された分だけ、各緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30Rを互いに高密度に配置形成することができるので、高精細な有機ELディスプレイ10を提供することができる。
【0105】
(2)本実施形態では、抵抗RG,RB,RR,Roで抵抗分圧回路32を構成した。従って、前記抵抗分圧回路32を容易に構成することができる。
尚、表示パネル部11の製造方法は前記製造方法に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図11〜図14に従って説明する。
【0106】
図11は、表示パネル部の概略的な電気的構成図である。図12は、画素回路の回路構成図である。図13は、画素回路の一部断面図である。
本実施形態の有機ELディスプレイ10は、前記第1実施形態における抵抗分圧回路32が分圧用配線Foになるとともに前記第2層間絶縁層ID2に形成した第1及び第3コンタクトホールC1,C3の直径を変化させたことのみ変更している。従って、本実施形態において、前記第1実施形態と同じ構成部材については符号を等しくし、その詳細な説明を省略する。
【0107】
本実施形態の表示領域Pは、図11に示すように、その各画素回路30内に、その一端が電源電圧供給線Loに接続された分圧用配線Foが形成されている。分圧用配線Foは、図12に示すように、緑、青及び赤用配線抵抗Ra,Rb,Rcを介してそれぞれ緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30B内の各緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRのソースに接続されている。
【0108】
緑用配線抵抗Raは、その大きさが電源電圧供給線Loを介して供給される電源電圧Voを緑用配線抵抗Raによって降圧して、緑用駆動トランジスタQdGの駆動電圧VoGにするように設定されている。青用配線抵抗Rbは、その大きさが電源電圧供給線Loを介して供給される電源電圧Voを青用配線抵抗Rbによって降圧して青用駆動トランジスタQdBの駆動電圧VoBにするように設定されている。赤用配線抵抗Rcは、その大きさが電源電圧供給線Loを介して供給される電源電圧Voを赤用配線抵抗Rcによって降圧して赤用駆動トランジスタQdRの駆動電圧VoRにするように設定されている。
【0109】
緑用配線抵抗Raは、図13に示すように、緑用駆動トランジスタQdGのソース電極47と、その高濃度ソース領域42HSとを電気的に接続する第1コンタクトホールC1の直径daを所定の大きさに形成することで実現している。青用配線抵抗Rbは、青用駆動トランジスタQdBのソース電極49と、その高濃度ソース領域43HSとを電気的に接続する第3コンタクトホールC3の直径dbを所定の大きさに形成することで実現している。
【0110】
赤用配線抵抗Rcは、赤用駆動トランジスタQdRの図示しないソース電極と、その高濃度ソース領域とを電気的に接続するコンタクトホールの直径を所定の大きさに形成することで実現している。
【0111】
尚、本実施形態においては、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdRの各々の駆動電圧VoG,VoB,VoRは、緑用駆動トランジスタQdG、青用駆動トランジスタQdB、赤用駆動トランジスタQdRの順に小さくなるように設定されている。従って、図13に示すように、第1コンタクトホールC1の直径daは、第3コンタクトホールC3の直径dbより大きくなるように形成されている。この各第1及び第3コンタクトホールC1,C3の直径da,dbの関係は、これに限定されるものではなく、緑用発光層53b、青用発光層53d及び赤用発光層を形成する材料や各緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31Rの素子構造等によって適宜変更してもよい。
【0112】
この結果、画素回路30を構成する緑、青及び赤用画素回路30G,30B,30Rで1つの分圧用配線Foを共有することができる。従って、前記第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0113】
次に、本実施形態の表示パネル部11の製造方法を図14を参照して説明する。
図14(a)に示すように、ゲート絶縁層44上に二酸化珪素(SiO)で構成された第2層間絶縁層ID2を形成する。その後、フォトリソグラフィ法及びエッチング処理を施すことで第2層間絶縁層ID2の緑用駆動トランジスタQdGのソース電極47及びドレイン電極48に対応する位置に第1コンタクトホールC1及び第2コンタクトホールC2形成用の孔Ha,H2を形成する。また、青用駆動トランジスタQdBのソース電極49及びドレイン電極50に対応する位置に第3コンタクトホールC3及び第4コンタクトホールC4形成用の孔Hb,H4を形成する。更に、このとき、電源配線15に対応する位置に電源用コンタクトホールCL形成用の孔HLを形成するとともに、陰極配線16に対応する位置に第1陰極用コンタクトホールCK1形成用の孔HK1を形成する。
【0114】
このとき、前記第1コンタクトホールC1形成用の孔Haの直径daを所望の抵抗値となるように形成する。また、第3コンタクトホールC3形成用の孔Hbの直径dbを所望の抵抗値になるように形成する。
【0115】
続いて、図14(b)に示すように、第2層間絶縁層ID2を覆うように、アルミニウム(Al)の金属からなる厚さ約200nmないし800nm程度の導電層を蒸着法により形成し、その後、その導電層をパターニングすることによって、先に形成した孔Ha,Hb,H2,H4,HL,HK1に前記アルミニウム(Al)を埋め込んで各コンタクトホールC1,C2,C3,C4,CL,CK1を形成する。また、前記パターニングによって、第1コンタクトホールC1及び第2コンタクトホールC2上には、ソース電極47及びドレイン電極48が形成される。同様に、第3コンタクトホールC3及び第4コンタクトホールC4上には、ソース電極49及びドレイン電極50が形成される。
【0116】
また、前記電源用コンタクトホールCL及び前記第1陰極用コンタクトホールCK1上に電源電圧供給線Lo及び第1陰極用コンタクト部LK1が形成される。更に、ソース電極47,49間には分圧用配線Foが前記ソース電極47,49と同時に形成される。このとき、分圧用配線Foはその一端が電源電圧供給線Loに接続されるようにパターニング形成される。
【0117】
このようにすることによって、電源電圧供給線Loは分圧用配線Foを介して緑及び青用駆動トランジスタQdG,QdBのソース電極47,49と電気的に接続可能となる。
【0118】
以降、前記第1実施形態と同様に、画素電極51a,51b、第1及び第2バンク層52,54、緑用機能層GL及び青用機能層BL、陰極層55を形成した後、封止層56を形成する。このようにして、図13に示す表示パネル部11を製造する。
【0119】
尚、表示パネル部11の製造方法は前記製造方法に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
(第3実施形態)
次に、第1又は第2実施形態で説明した電気光学装置としての有機ELディスプレイ10の電子機器の適用について図15及び図16に従って説明する。有機ELディスプレイ10は、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等種々の電子機器に適用できる。
【0120】
図15は、モバイル型パーソナルコンピュータの構成を示す斜視図を示す。図15において、パーソナルコンピュータ70は、キーボード71を備えた本体部72と、前記有機ELディスプレイ10を用いた表示ユニット73とを備えている。この場合においても、有機ELディスプレイ10を用いた表示ユニット73は前記第1及び第2実施形態と同様な効果を発揮する。
【0121】
図16は、携帯電話の構成を示す斜視図を示す。図16において、携帯電話80は、複数の操作ボタン81、受話口82、送話口83、前記有機ELディスプレイ10を用いた表示ユニット73を備えている。この場合においても、有機ELディスプレイ10を用いた表示ユニット83は前記第1及び第2実施形態と同様な効果を発揮する。
【0122】
尚、発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○前記第2実施形態では、緑用駆動トランジスタQdGのソース電極47と、その高濃度ソース領域42HSとを電気的に接続する第1コンタクトホールC1に緑用配線抵抗Raを形成した。また、青用駆動トランジスタQdBのソース電極49と、その高濃度ソース領域43HSとを電気的に接続する第3コンタクトホールC3に青用配線抵抗Rbを形成した。更に、赤用駆動トランジスタQdRのソース電極と、その高濃度ソース領域とを電気的に接続するコンタクトホールに赤用配線抵抗Rcを形成した。
【0123】
これを、第1層間絶縁層ID1に形成される第5コンタクトホールC5の直径を適宜調整して形成することで、第5コンタクトホールC5に緑用配線抵抗Raを形成するようにしてもよい。同様に、第1層間絶縁層ID1に形成される第6コンタクトホールC6の直径を適宜調整して形成することで、第6コンタクトホールC6に青用配線抵抗Rbを形成するようにしてもよい。同様に、第1層間絶縁層ID1に形成される赤用駆動トランジスタQdRのドレインとその画素電極とを電気的に接続するコンタクトホールの直径を適宜調整して形成することで、同コンタクトホールに赤用配線抵抗Rcを形成するようにしてもよい。このようにすることによって、前記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0124】
○前記実施形態では、電源電圧供給線Loが走査線Ynに沿って配置されていたが、これに限定されるものではなく、電源電圧供給線Loが走査線Ynと直交するように配置されたものであってもよい。
【0125】
○前記第1実施形態では、抵抗分圧回路32を二酸化珪素(SiO)で形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、多結晶シリコンで形成するようにしてもよい。また、このとき、この多結晶シリコンに例えばリンやボロンといった不純物をイオン注入法で添加されたドープドシリコンを使用してもよい。このとき、注入される不純物のドーズ量を制御することで、多結晶シリコンのシート抵抗を所望の大きさに制御することができる。
【0126】
○前記実施形態では、表示パネル部11の上段の左側に緑用画素形成領域ZG、上段の右側に青用画素形成領域ZBを割り当てた。又、下段の左側には、ダミー形成領域ZS、下段の右側に赤用画素形成領域ZRを割り当てた。これを、例えば、表示パネル部11の上段の左側に赤用画素形成領域ZR、上段の右側に緑用画素形成領域ZGを割り当てた。又、下段の左側には、ダミー形成領域ZS、下段の右側に青用画素形成領域ZBを割り当てるようにしてもよい。
【0127】
つまり、画素回路30を構成する緑用画素形成領域ZG、青用画素形成領域ZB、ダミー形成領域ZS、赤用画素形成領域ZRの形成位置は限定されるものではない。
【0128】
○前記第1及び第2実施形態では、有機ELディスプレイ10は、制御用IC12、走査線駆動回路13及び検査回路14のそれぞれが独立した電子部品によって構成されるようにした。これを、制御用IC12、走査線駆動回路13及び検査回路14が1チップの半導体集積回路装置によって構成されていてもよい。又、各制御用IC12、走査線駆動回路13及び検査回路14の全部若しくは一部が一体となった電子部品として構成されていてもよい。このようにすることで、前記第1及び第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0129】
○前記第1及び第2実施形態では、各緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdR及びスイッチング用トランジスタQsはそれぞれp型、n型TFTであったが、これに限定されることはなく、例えば、緑、青及び赤用駆動トランジスタQdG,QdB,QdR及びスイッチング用トランジスタQsがそれぞれp型TFTであってもよい。
【0130】
○前記第1及び第2実施形態では、緑用画素形成領域ZG及び右側に形成された青用画素形成領域ZBと、ダミー形成領域ZS及び右側に形成された赤用画素形成領域ZRとの間に、抵抗分圧回路32を形成したが、これに限定されることはなく、抵抗分圧回路32の配置は画素回路30内であればよい。
【0131】
○前記第1及び第2実施形態では、電子回路として画素回路30に具体化して好適な効果を得たが、緑、青及び赤用有機EL素子31G,31B,31R以外の例えばLEDやFED等の発光素子のような電気光学素子を駆動する電子回路に具体化してもよい。
【0132】
○前記第1及び第2実施形態では、第1及び第2の電子素子または第1及び第2の電気光学素子として有機EL素子31G,31B,31Rについて具体化したが、無機EL素子に具体化してもよい。つまり、無機EL素子からなる無機ELディスプレイに応用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の有機ELディスプレイの概略構成図である。
【図2】制御用ICの内部構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態の表示パネル部及びデータ線駆動回路の内部回路構成を示す電気的構成図である。
【図4】第1実施形態の画素回路の回路図である。
【図5】第1実施形態の画素回路の一部断面図である。
【図6】(a),(b),(c)は、第1実施形態の表示パネル部の製造方法を説明するための図である。
【図7】(a),(b),(c)は、第1実施形態の表示パネル部の製造方法を説明するための図である。
【図8】(a),(b),(c)は、第1実施形態の表示パネル部の製造方法を説明するための図である。
【図9】(a),(b),(c)は、第1実施形態の表示パネル部の製造方法を説明するための図である。
【図10】(a),(b)は、第1実施形態の表示パネル部の製造方法を説明するための図である。
【図11】第2実施形態の表示パネル部及びデータ線駆動回路の内部回路構成を示す電気的構成図である。
【図12】第2実施形態の画素回路の回路図である。
【図13】第2実施形態の画素回路の一部断面図である。
【図14】(a),(b)は、第2実施形態の表示パネル部の製造方法を説明するための図である。
【図15】第3実施形態を説明するためのモバイル型パーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図16】第3実施形態を説明するための携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
Co 容量素子としての保持キャパシタ
H 素子基板
Iel 駆動電流
Lo 電源線としての電源電圧供給線
Qs スイッチング素子としてのスイッチングトランジスタ
QdG,QdB,QdR トランジスタとしての緑、青及び赤用駆動トランジスタ
Xm データ線
Yn 走査線
10 電気光学装置としての有機ELディスプレイ
30 電子回路としての画素回路
30G,30B,30R 緑、青及び赤用画素回路
31G,31B,31R 第1及び第2の電子素子または第1及び第2の電気光学素子としての緑、青及び赤用有機EL素子
32 電圧変換部としての抵抗分圧回路
GL 発光層としての緑用機能層
BL 発光層としての青用機能層
80 電子機器としてのパーソナルコンピュータ
90 電子機器としての携帯電話

Claims (15)

  1. 第1の端子と第2の端子とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第1の電子素子の前記第2の端子に印加する駆動電圧を生成する素子基板であって、
    基板と、
    前記基板上に形成された複数の電源線と、
    前記複数の電源線の少なくとも1つの電源線を介して供給される電源電圧を変換して、前記電源電圧とは異なる少なくとも一つの電圧を生成する、前記基板上に形成された電圧変換部と、を備え、
    前記電圧変換部で生成した前記少なくとも1つの電圧が前記駆動電圧として用いられることを特徴とする素子基板。
  2. 第1の端子と第2の端子とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第1の電子素子の前記第2の端子に印加する駆動電圧を生成する素子基板であって、
    基板と、
    前記基板上に形成された複数の電源線と、
    前記複数の電源線の少なくとも1つの電源線を介して供給される電源電圧を変換して、前記電源電圧とは異なる少なくとも一つの電圧を生成する、前記基板上に形成された電圧変換部と、
    前記電圧変換部で変換された前記少なくとも1つの電圧を出力する出力端に接続された少なくとも1つのトランジスタと、を備え、
    前記少なくとも1つのトランジスタは前記第2の端子に接続されていることを特徴とする素子基板。
  3. 第1の端子と第2の端子とを備え、前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第1の電子素子と、
    第3の端子と第4の端子とを備え、前記第3の端子と前記第4の端子との間の電圧差、または、前記第4の端子に印加される電圧値に依存して、光学特性または電気特性が変化する第2の電子素子と、
    電源線を介して供給される電源電圧に基づいて、前記電源電圧とは異なる値を有する少なくとも一つの電圧を発生させる電圧変換部と
    を含み、
    前記第1の電子素子と前記第2の電子素子と前記電圧変換部とは、同一基板上に形成され、
    前記電圧変換部は、前記第1の電子素子あるいは前記第2の電子素子の数に応じて設けられ、
    前記少なくとも一つの電圧は、前記第2端子または前記第4端子に印加されるようにしたことを特徴とする電子装置。
  4. 請求項3に記載の電子装置において、
    前記少なくとも一つの電圧は、少なくとも一つのトランジスタを介して前記第4端子に印加されることを特徴とする電子装置。
  5. 請求項3または4のいずれか1つに記載の電子装置において、
    前記電圧変換部は抵抗素子を含むことを特徴とする電子装置。
  6. データ線と、走査線と、電源線とを含む電気光学装置において、
    第1の端子と第2の端子とを備え、前記データ線から供給されるデータ信号に応じて前記第1の端子と前記第2の端子との間の電圧差、または、前記第2の端子に印加される電圧値が決定され、且つ、その決定された前記電圧差、または、前記電圧値に依存して光学特性または電気特性が変化する第1の電気光学素子と、
    第3の端子と第4の端子とを備え、前記データ線から供給されるデータ信号に応じて前記第3の端子と前記第4の端子との間の電圧差、または、前記第4の端子に印加される電圧値が決定され、且つ、その決定された前記電圧差、または、前記電圧値に依存して光学特性または電気特性が変化する第2の電気光学素子と、
    前記電源線を介して供給される電源電圧に基づいて、前記電源電圧とは異なる値を有する少なくとも一つの電圧を発生させる電圧変換部と
    を含み、
    前記第1の電気光学素子と前記第2の電気光学素子と前記電圧変換部とは、同一基板上に形成され、
    前記電圧変換部は、前記第1の電気光学素子あるいは前記第2の電気光学素子の数に応じて設けられ、
    前記少なくとも一つの電圧は、前記第2の端子または前記第4の端子に印加されるようにしたことを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6に記載の電気光学装置において、
    前記少なくとも一つの電圧は、少なくとも一つのトランジスタを介して前記第4端子に印加されることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項6または7に記載の電気光学装置において、
    前記走査線と接続し、該走査線から供給されるスイッチング信号によりオン状態またはオフ状態に制御されるスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子がオン状態となることにより前記データ線から供給されるデータ信号を電荷量として保持する容量素子と、
    前記トランジスタと接続し、前記電荷量に基づいたそれぞれ異なった電流レンジで駆動する前記第1の電気光学素子または前記第2の電気光学素子と、
    を含む電子回路を複数備えたことを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記電圧変換部は抵抗素子で構成されていることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記第1の電気光学素子または前記第2の電気光学素子は、それぞれ、緑色発光、青色発光及び赤色発光を示す電気光学素子のうちのいずれか2つであることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10に記載の電気光学装置において、
    前記緑色を発光させる電気光学素子同士、前記青色を発光させる電気光学素子同士または前記赤色を発光させる電気光学素子同士が隣接して配置されないようにしたことを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項6乃至11のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記電気光学素子はEL素子であることを特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項12に記載の電気光学装置において、
    前記EL素子は発光層が有機材料で構成されていることを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項1または2に記載の素子基板を備えていることを特徴とする電子機器。
  15. 請求項6乃至13の何れか1つに記載の電気光学装置を実装していることを特徴とする電子機器。
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