JP2004217868A - Coal thermal hydrocracking process - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭を水素雰囲気下において、必要に応じ、さらに水蒸気雰囲気下において急速に水素化熱分解、ガス化させて、ガス、オイル、チャーを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在までに、石炭を高温高圧下において水素と反応させて、直接、メタンを始めとする炭化水素ガスおよびベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)を始めとするオイルを製造する石炭水添ガス化または水素化熱分解と呼ばれるプロセスがいくつか提案されている。
【0003】
本発明者らも、石炭、チャーおよび炭素質原料の酸素によるガス化で生じる高温ガス中に、水素ガスを混合し、水素濃度を高めたガス雰囲気中に石炭を吹き込み、石炭の急速加熱、熱分解反応を気流層で行わせ、特に、BTXを高収率で得ることが可能であり、かつ、設備のイニシャルコストを低減し、熱補給の必要がない高い熱効率の石炭水素化熱分解方法を提案している(特許文献1参照)。
【0004】
また、本発明者らは、チャーのガス化反応を促進することによって、チャーの生成量を削減することを目的として、下段が高温ガス化炉で上段が熱分解ガス化反応炉である二段二室構造の炉を用い、高温ガス化炉において、石炭、チャー、および、炭素質原料の1種または2種以上を酸素と共に吹き込み、発生した高温ガスを、直ちに、熱分解ガス化反応炉へ導入し、熱分解ガス化反応炉において、石炭および水蒸気を同時に添加し、石炭の熱分解によって生成したチャーのガス化反応を行わせることを特徴とする石炭の気流床型ガス化方法を提供した(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−228973号公報
【特許文献2】
特開2002−155289号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1において提案されているプロセスは、BTXを始めとするオイルを、高い収率で製造することが可能であり、かつ、設備のイニシャルコストを低減し、熱補給の必要がない高い熱効率の石炭水素化熱分解方法である。しかし、この方法においては、石炭を水素化熱分解炉で熱分解することによって生じる大量のチャー(水素化熱分解炉へ投入した石炭中の炭素分に対する収率として40〜70質量%−C)を熱分解炉後段のサイクロンで分離し、その全量または一部を、別途設置された高温ガス化炉へリサイクルして高温のガスへ転換し、その顕熱を水素化熱分解炉のための熱源とする必要がある。
【0007】
しかし、粒径分布に富んだ状態(チャー同士の凝集のため)で大量に発生するチャーを途切れることなくリアルタイムで、かつ、一定の負荷量で長期間安定して高温ガス化炉へ供給(リサイクル)するための経済的に信頼性のある技術は、未だ開発されていないのが現状である。
【0008】
また、チャーリサイクル設備、すなわち、チャーを分離回収するためのサイクロン、後段配管での閉塞防止のため粒径分布に富んだチャーを分級(篩い分け)する振動篩い、分離したチャーを貯蔵するチャーホッパー、粒径の大きなチャーを粉砕する粉砕機、あるいは、分離貯蔵したチャーを再び高温ガス化炉へ導入するためのチャー供給設備は大がかりなものになってしまい、設備コストの中で大きな部分を占めてしまう。
【0009】
また、さらに、回収したチャーは高温であるため、廃熱ボイラー等によって熱回収をすることが可能であればプロセス全体での熱効率向上に寄与するが、チャーのような紛体から効率良く熱回収を行う技術は依然として確立されていない。
【0010】
特許文献2に開示された発明はチャーを熱分解ガス化反応炉でガス化反応を行わせ、石炭からCO、H2リッチなガスを得ることを目的とした発明であり、石炭からガスだけでなく、BTXをはじめとするオイルを同時に得ることを目的とする本発明とは技術的思想が異なる。
【0011】
本発明の目的は、水素化熱分解炉内において生成するチャーのガス化反応を促進することによって、チャーの生成量を削減し、チャーのハンドリングに伴う種々の課題を解決し、ガスおよびオイルを高収率で得ることができる石炭の水素化熱分解方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
【0013】
(1)下段が高温ガス化炉で上段が水素化熱分解炉である二段二室構造の炉を用い、高温ガス化炉において、石炭、チャーおよび炭素質原料の1種または2種以上を酸素と共に吹き込み、部分酸化反応を起こさせることによって発生した、水素、一酸化炭素、水蒸気、および、二酸化炭素を主成分とする高温ガスを発生させ、その後、該高温ガスを直ちに水素化熱分解炉に導入し、該高温ガス中に石炭および水素を吹き込み、生成したチャーを高温ガス化炉へ循環し、石炭の水素化熱分解反応および生成したチャーのガス化反応を行わせることを特徴とする石炭の水素化熱分解方法。
【0014】
(2)前記水素化熱分解炉に導入した高温ガス中に、さらに、水蒸気を、石炭および水素と同時に吹き込むことを特徴とする前記(1)に記載の石炭の水素化熱分解方法。
【0015】
(3)前記高温ガス化炉における反応条件を、圧力1.0MPa以上および温度1400〜1700℃とし、前記水素化熱分解炉における反応条件を、圧力1.0MPa以上、温度500〜1200℃、ガス滞留時間1sec以上、および、上向きのガス流速0.1〜10m/secとすることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の石炭の水素化熱分解方法。
【0016】
(4)前記水素化熱分解炉内にて、該熱分解炉の直径に対して1/2〜1/5の直径からなる旋回円の接線方向から、石炭および水素を吹き込むことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の石炭の水素化熱分解方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。図1に本発明に関するフローシートを、図2に本発明の高温ガス化炉と水素化熱分解炉からなる二段二室型炉内における反応メカニズムを示す。
【0018】
高温ガス化炉2において発生した高温ガス(主成分は、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、水蒸気(H2O)、および、二酸化炭素(CO2))は、スロートを介して高温ガス化炉2と直結している水素化熱分解炉1へ直ちに導入される。
【0019】
高温ガスの残部成分として、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、エチレン(C2H6)、プロピレン(C3H6)の1種または2種以上の合計を、20体積%以下含有しても良い。
【0020】
高温ガス中には、10〜35%程度の水素が当初より含有されているが、水素化熱分解炉1内における石炭の水素化熱分解反応を促進するため、別途、水素ノズル4から水素ガスを添加することによって水素濃度はさらに高められる。
【0021】
ここで、高温ガスの温度は、高温ガス化炉の炉温に依存するが、ガス化反応速度を促進し、かつ、水素化熱分解炉からのガスの逆流を防ぐために、圧力は1.0MPa以上とすることが好ましい。圧力の上限は特に定めないが、必要以上の高圧とすることによる設備コストの上昇を防ぐためには、5MPa以下とすることが好ましい。
【0022】
また、反応温度は、1200℃より低いと石炭が充分にガス化せず、かつ、スラグ(石炭中の灰分が溶融したもの)を連続的に安定して高温ガス化炉2の底部より抜き出すこともできなくなり一方、1700℃を超えると、高温ガス化炉2の炉壁の寿命を極度に短縮し、かつ、放熱による熱損失も増加させるので、1200〜1700℃とすることが好ましい。
【0023】
水素化熱分解炉1内において、石炭吹き込みノズル3から吹き込まれた石炭(微粉炭)および水素ノズル4から吹き込まれた水素は、先の高温ガスと混合されることによって、急速加熱ならびに熱分解される。
【0024】
まず、反応の最初に起きる熱分解一次反応において、石炭は熱分解ガス(主成分は、H2、CO、CO2、H2O、炭化水素ガス)、および、重質なタール、チャーへと分解される。
【0025】
これらの熱分解反応生成物は、引き続き、水素との反応を主反応とする熱分解二次反応によって、熱分解ガス中の炭化水素ガスは、さらに、低分子量の炭化水素ガス(メタン、エタン等)へ、タールは、炭化水素ガスあるいはBTX、ナフタレンのような軽質オイルへと分解される。
【0026】
また、チャーの一部も、(1)式において示される水素化反応によってメタン(CH4)を主とする炭化水素ガス、あるいは(2)および(3)式において示されるガス化反応によって、COあるいはH2へと転換される。
C(チャー) + H2 → 炭化水素ガス ……(1)
C(チャー) + CO2 → 2CO ……(2)
C(チャー) + H2O → CO + H2 ……(3)
【0027】
これらのチャーに関する反応の中で、(3)式の水蒸気によるガス化反応は、ある同一の反応条件(温度、圧力)において、他の2つの反応よりも数倍以上反応速度が速いため、水素化熱分解炉内におけるチャーの生成量を削減する最も効果的な反応である。
【0028】
また、本発明のように、石炭が急速に加熱(100℃/sec以上)されて生成したチャーは、比較的低温度域(700〜1100℃)においても、これらのガス(H2、CO2、水蒸気)との反応性が極めて優れている活性なチャーであるため、さらに、水蒸気ガス化反応を生じさせるのに好適である。
【0029】
水素化熱分解炉1内において、チャーと反応させるための水蒸気は、高温ガス化炉2から導入される高温ガス中の成分として供給される。また、チャーの水蒸気ガス化反応に関する反応速度は、圧力、温度、水蒸気濃度の濃度上昇に伴って大きくなる。
【0030】
従って、ある一定の圧力、温度条件下において、可能な限り短い反応時間内でガス化反応を促進し、チャー生成量を、さらに削減するためには、水素化熱分解炉1内へ別途ダイレクトに水蒸気ノズル5により水蒸気を添加して、水素化熱分解炉内の水蒸気分圧を高めてやっても良い。
【0031】
水素化熱分解炉1におけるガスの滞留時間は、ガスあるいはタールが充分に熱分解二次反応され、かつ、必要以上に炉のサイズが大きくならない程度(0.5〜10秒)とすることが望ましい。
【0032】
一方、一般的に、熱分解されて生成したチャーは、ガスよりも長時間炉内へ滞留するが、特に、本発明において、チャーと水蒸気との反応を充分に進行させるためには、チャーの滞留時間ができるだけ長くなるように、すなわち、チャーが水素化熱分解炉内においてある程度滞留するように、水素化熱分解炉内の上向きのガス流速を制御することが重要である。
【0033】
その際の適切な流速は、チャーの性状(比重、粒径等)によっても異なるが、0.1〜10m/sec程度とすることが好適である。なお、ガス流速が0.1m/secよりも小さな場合には、チャーは上向きのガスにほとんど気流同伴されず、高温ガス化炉の方へ落下してしまう。
【0034】
また、逆に、ガス流速が10m/secよりも大きな場合には、チャーはほとんど水素化熱分解炉内へ滞留せずに、ガスとほぼ同じ滞留時間内において炉から放出されてしまうため、チャーのガス化反応を促進させる観点からは好ましくない。
【0035】
水素化熱分解炉1内の反応条件は、温度500〜1200℃、圧力1〜10MPa、水素濃度10〜70%とすることが好ましいが、特に、BTXおよびナフタレンのような軽質オイル成分の収率を向上させ、また、製造に関わるコストを低減するためには、温度600〜900℃、圧力2〜5MPa、水素濃度25〜50%とすることが望ましい。
【0036】
水素化熱分解炉1から放出された熱分解反応生成物の中で、チャーは、サイクロン6においてガス、オイルと分離される。分離されたチャーは、チャーリサイクル設備9を経由した後、水素化熱分解炉1の下部に直結された高温ガス化炉2へ石炭と共に導入され、ガス化剤である酸素によって、1200〜1700℃の高温でガス化され、高温ガス(主成分はH2、CO、H2O、CO2)に転換される。
【0037】
チャーのリサイクル率は特に限定しないが、10%以上リサイクルすることにより、ガス化率が顕著に向上し、リサイクル率が高いほど高温ガスの収率が高くなるので、100%高温ガス化炉へ循環することが最適である。この際、高温ガス化炉内の温度制御(過昇温防止)の目的も兼ねて、ガス化剤として水蒸気を酸素と併用しても良い。また、この際、チャーおよび石炭の代わりに他の炭素質資源を使用しても良い。
【0038】
特に、水素含有量の大きな炭素質資源(例えば、天然ガス、石油残渣、廃プラスチック、バイオマス等)を使用した場合、発生する高温ガス中の水素濃度が上昇し、別途水素濃度富化のために添加する水素を削減、あるいは省略できる効果もある。
【0039】
ガスおよびオイルは、ガス精製設備8において分離され、ガス中の硫黄は脱硫設備において除去され、製品ガスとなる。製品ガスの一部は抜き出され、必要に応じ、水素転換設備10におけるCOのH2への転化(シフト反応)および脱炭酸(図示しない)の後、水素リッチガスとして水素ノズル4から水素化熱分解炉1内へリサイクルされる。無論、製品ガスを使用せずに、他から調達した水素を添加用水素として使用しても良い。
【0040】
水素および水蒸気の吹き込み位置としては、極めて短時間の反応である熱分解一次反応において、石炭が急速加熱、熱分解されることによって生成する反応性に優れたチャー(活性チャー)、重質なタールおよび炭化水素ガスが、直ちに、水素、水蒸気と接触して反応するように、水素化熱分解炉1の石炭吹き込み位置(石炭吹き込みノズル3位置)の上方に設置した水素ノズル4から水蒸気を添加し、水蒸気ノズル5から水蒸気を添加することが望ましい。
【0041】
従って、水素ノズル4、水蒸気ノズル5は、通常、石炭吹き込みノズル3の上方50cm以内に設置するが、この位置は、使用する炭種あるいは温度条件によって適時変更することが望ましい。
【0042】
また、石炭の熱分解一次、二次反応の過程において、タールの一部がガスではなくススとして析出し、ガスおよびオイル収率の低下、および、配管やバルブ閉塞等のトラブルを引き起こす場合があるが、水素化熱分解炉1内に直接水蒸気を吹き込むことは、ススの発生量を抑制するためにも極めて有効である。
【0043】
この場合の水素、水蒸気の添加位置としては、石炭の吹き込み位置と同レベルの位置とし、該位置から水素、水蒸気を添加する(例えば、水素吹き込みノズル4および石炭吹き込みノズル3、または、水蒸気吹き込みノズル5および石炭吹き込みノズル3を二重管構造とすることによって、水素ノズル4または水蒸気ノズル5を、石炭吹き込みノズル3と兼用し、石炭と水素または水蒸気を、同時に供給する)ことが望ましい。
【0044】
なお、石炭の吹き込み位置よりも下方の位置において水素、水蒸気を添加することは、高温ガス化炉2から発生した高温ガスの温度を低下させ、さらには、高温ガスと水素化熱分解炉1へ吹き込まれた石炭が接触した時点での温度、すなわち、熱分解初期温度の低下を招くので、好ましくない。
【0045】
図4に、水素化熱分解炉1における石炭および水素の吹き込み方法について示す。石炭および水素の吹き込み方向は、水素化熱分解炉1内におけるチャーの粒子滞留時間をできる限り長くし、チャーと水素との反応時間を充分確保することができるように、旋回流とすることが好適である。
【0046】
そのためには、石炭および水素を各々のノズルから、旋回円の接線方向に向けて吹き込むことが必要である。必要に応じ、水蒸気も旋回円の接線方向に向けて吹き込むことが好ましい。
【0047】
その際の旋回円径が、水素化熱分解炉1の直径に対して1/2よりも大きいと、水素化熱分解炉1壁面への石炭の付着、または、石炭粒子による浸食が生じる場合があるので望ましくない。
【0048】
また、逆に、旋回円径が、水素化熱分解炉1の直径に対して1/5よりも小さい場合には、充分な粒子滞留時間を確保するための旋回流が生じない。
【0049】
従って、旋回円径は、水素化熱分解炉1の直径に対して1/2〜1/5の範囲であることが好適である。
【0050】
このようにすることによって、熱分解一次反応によって生成した活性チャーは、効率良く水素化反応および水蒸気との反応を起こすので、結果として、水素化熱分解炉1内を過度な高圧、高温状態にすることなく、短い反応時間内でチャー発生量を削減し、水素化熱分解炉1もコンパクトとすることが可能となる。
【0051】
水素化熱分解炉1内の反応条件は、熱分解一次反応によって生成したタールおよびチャーが、引き続き、充分な熱分解二次反応を起こすことのできる条件、すなわち、タールは完全に炭化水素ガス又は軟質オイルに分解し、かつ、チャーは前述の炭化水素ガス化及びガス化反応が促進されるレベルの反応条件を選択しなければならない。
【0052】
そのような反応条件は炭種によっても異なるが、一般的には、反応条件が、圧力1.0MPa未満、温度(熱分解初期温度)500℃未満、ガス滞留時間0.5sec未満のいずれか一つにでも該当すると、タールの完全ガス化・オイル化およびチャーガス化反応の促進は不可能となる。
【0053】
【実施例】
(本発明例)
図1に示したフローに従って、石炭1000t/dayの水素化熱分解を実施した。図3にプロセスのマスバランスを示す。
【0054】
石炭(粒径200メッシュ以下、平均40μm)25t/hrを、温度780℃、圧力2.5MPa、水素濃度45%(高温ガス中の水素とリサイクル水素を合わせたガス中の水素濃度)の条件下の水素化熱分解炉において処理を行った。
【0055】
その結果、チャーの生成量は7.5t/hr(水素化熱分解炉へ投入した石炭中の炭素に対して37質量%)となり、生成したチャー全量をサイクロンで回収した後、17t/hrの石炭と共に、高温ガス化炉において、酸素1.6万Nm3/hrおよび水蒸気10t/hrをガス化剤とした1560℃での高温ガス化を行った。
【0056】
1560℃で発生した高温ガス中6万Nm3/hr(wet)中には、水素が27%、水蒸気(H2O)が14%、CO2が6%含有されており、直ちに、上段に直結した水素化熱分解炉へ導入することによって、水素化熱分解反応に必要な熱源、水素源(一部)、および、チャーのガス化反応を生じさせるための水蒸気源、CO2源として機能した。
【0057】
水素化熱分解炉内のガス流速は1.3m/sec(ガス滞留時間2sec)としたところ、チャーの水素化熱分解炉内における滞留が認められた(チャー平均滞留時間30sec)。
【0058】
生成したガス9万Nm3/hr(dry)の内、2.3万Nm3/hr(dry)は水素リッチガスに転換後(シフト反応および脱炭酸)、水素化熱分解炉内へリサイクルを行った。なお、本発明例においては、水素化熱分解炉内への水蒸気の更なる添加は行わなかった。
【0059】
最終的な製品としては、H2、COリッチな中カロリーガスが6.7万Nm3/hr(dry)、ベンゼンおよびナフタレンを主成分(オイル中のベンゼンおよびナフタレン収率:61質量%)とするオイルが4t/hr得られ、(4)式で示される今回の条件における二段二室型の気流床型炉(水素化熱分解炉+高温ガス化炉の一体型炉)のエネルギー転換効率は89%であった。
【0060】
エネルギー転換効率=(製品潜熱〈ガス+オイル〉)/(石炭潜熱)×100 ……(4)
なお、高温ガス化炉へ投入する石炭量に対してリサイクルするチャーの量が相対的に少なかったため、チャーリサイクル設備のトラブルによってチャーの供給が停止あるいは減少した場合にも、石炭の供給量をその分増加させることによって、安定した操業を継続することが充分に可能であった。
【0061】
また、チャーの発生量が少なかったため、チャーリサイクル設備(サイクロン、チャーホッパー、振動篩い、チャー供給装置、チャークーラー)を小型・簡素化することが可能となった。
【0062】
(比較例)
高温ガス化炉において、水素ガスをリサイクルも添加もしない点を除いて、本発明例と同一の条件で実験を行ったところ、チャーの生成量は7.0t/hr(水素化熱分解炉へ投入した石炭中の炭素に対して35質量%)となり、1600℃で発生した高温ガス中5.9万Nm3/hr(wet)中には、水素が25%、水蒸気(H2O)が16%、CO2が7%含有されており、直ちに、上段に直結した水素化熱分解炉へ導入することによって、水素化熱分解反応に必要な熱源、水素源、および、チャーのガス化反応を生じさせるための水蒸気源、CO2源として機能した。
【0063】
最終的な製品としては、H2、COリッチな中カロリーガスが8.0万Nm3/hr(dry)、オイルが4.5t/hr得られたが、オイル中のベンゼンおよびナフタレンの収率は17質量%であった。
【0064】
【発明の効果】
本発明により、水素化熱分解炉内において生成するチャーのガス化反応を促進することによって、チャーの生成量を削減し、チャーのハンドリングに伴う種々の課題を解決した石炭の水素化熱分解方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するフローシートを示す図である。
【図2】本発明の二段二室構造の炉内における反応メカニズムを示す図である。
【図3】本発明の実施例におけるプロセスのマスバランス(試験結果)を示す図である。
【図4】水素化熱分解炉における石炭および水素の吹き込み位置を示す図である。
【符号の説明】
1…水素化熱分解炉
2…高温ガス化炉
3…石炭吹き込みノズル
4…水素ノズル
5…水蒸気ノズル
6…サイクロン
7…熱回収設備
8…精製設備
9…チャーリサイクル設備
10…水素転換設備[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for producing gas, oil and char by subjecting coal to hydrogen pyrolysis and gasification rapidly in a hydrogen atmosphere and, if necessary, further in a steam atmosphere.
[0002]
[Prior art]
Up to now, coal hydrogasification or hydrogen, where coal is reacted with hydrogen under high temperature and pressure to directly produce hydrocarbon gas including methane and oil including benzene, toluene, xylene (BTX) Several processes called pyrolysis have been proposed.
[0003]
The present inventors also mixed hydrogen gas into high-temperature gas generated by gasification of coal, char, and carbonaceous raw materials with oxygen, and blown coal into a gas atmosphere having an increased hydrogen concentration to rapidly heat and heat coal. The cracking reaction is carried out in a gas stream bed. In particular, it is possible to obtain BTX at a high yield, and to reduce the initial cost of equipment and to provide a high thermal efficiency coal hydrothermal cracking method that does not require heat supply. It has been proposed (see Patent Document 1).
[0004]
In addition, the present inventors aimed to reduce the amount of char generation by accelerating the gasification reaction of char, the lower stage is a high-temperature gasification furnace and the upper stage is a pyrolysis gasification reactor. Using a two-chamber furnace, in a high-temperature gasifier, one or more of coal, char, and carbonaceous raw materials are blown together with oxygen, and the generated high-temperature gas is immediately sent to a pyrolysis gasification reactor. The present invention provides a gas-bed type gasification method of coal, characterized in that coal and steam are simultaneously added in a pyrolysis gasification reactor to cause a gasification reaction of char generated by thermal decomposition of coal. (See Patent Document 2).
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-228973 [Patent Document 2]
JP-A-2002-155289
[Problems to be solved by the invention]
The process proposed in Patent Document 1 is capable of producing BTX and other oils at a high yield, reduces the initial cost of equipment, and has a high thermal efficiency without the need for heat replenishment. This is a coal hydrogenation pyrolysis method. However, in this method, a large amount of char generated by pyrolyzing coal in a hydrocracking furnace (40 to 70% by mass-C as a yield based on carbon content in coal charged into the hydrocracking furnace). Is separated in a cyclone at the latter stage of the pyrolysis furnace, and the whole or part of it is recycled to a separately installed high-temperature gasification furnace to convert it into high-temperature gas, and the sensible heat is used as a heat source for the hydrogenation pyrolysis furnace It is necessary to
[0007]
However, a large amount of char generated in a state rich in particle size distribution (due to agglomeration of chars) is supplied to the high-temperature gasification furnace in real time without interruption and with a constant load for a long period of time (recycling). At present, no economically reliable technology has been developed yet.
[0008]
Char recycling equipment, ie, a cyclone for separating and recovering char, a vibrating sieve for classifying (sieving) char having a large particle size distribution in order to prevent clogging in a downstream pipe, and a char hopper for storing separated char. The crusher for crushing large-sized chars or the char supply equipment for introducing the separated and stored chars into the high-temperature gasification furnace again becomes large, and occupies a large part of the equipment cost. Would.
[0009]
In addition, since the recovered char has a high temperature, if it is possible to recover heat using a waste heat boiler or the like, it will contribute to improving the thermal efficiency of the entire process. The technology to perform is not yet established.
[0010]
The invention disclosed in
[0011]
An object of the present invention is to promote the gasification reaction of char generated in a hydrocracking furnace, thereby reducing the amount of generated char, solving various problems associated with the handling of char, and reducing gas and oil. An object of the present invention is to provide a method for hydrocracking coal which can be obtained in a high yield.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention to solve such a problem is as follows.
[0013]
(1) Using a two-stage two-chamber furnace in which the lower stage is a high-temperature gasifier and the upper stage is a hydrocracking furnace, and in the high-temperature gasifier, one or more of coal, char, and carbonaceous raw materials are used. A high-temperature gas containing hydrogen, carbon monoxide, water vapor, and carbon dioxide as main components, which is generated by blowing together with oxygen to cause a partial oxidation reaction, is generated. And injecting coal and hydrogen into the high-temperature gas, circulating the generated char to a high-temperature gasifier, and performing a hydrogenolysis reaction of the coal and a gasification reaction of the generated char. Hydropyrolysis of coal.
[0014]
(2) The method for hydrocracking coal according to (1), wherein steam is further blown into the high-temperature gas introduced into the hydrocracking furnace simultaneously with coal and hydrogen.
[0015]
(3) The reaction conditions in the high-temperature gasification furnace are a pressure of 1.0 MPa or more and a temperature of 1400 to 1700 ° C., and the reaction conditions in the hydropyrolysis furnace are a pressure of 1.0 MPa or more, a temperature of 500 to 1200 ° C. and gas The method for hydrocracking coal according to the above (1) or (2), wherein the residence time is 1 sec or more and the upward gas flow rate is 0.1 to 10 m / sec.
[0016]
(4) In the hydrocracking furnace, coal and hydrogen are blown from a tangential direction of a turning circle having a diameter of 1/2 to 1/5 of a diameter of the pyrolysis furnace. The method for hydrocracking coal according to any one of the above (1) to (3).
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. FIG. 1 shows a flow sheet relating to the present invention, and FIG. 2 shows a reaction mechanism in a two-stage two-chamber type furnace comprising a high-temperature gasification furnace and a hydropyrolysis furnace according to the present invention.
[0018]
The high-temperature gas (main components are hydrogen (H 2 ), carbon monoxide (CO), water vapor (H 2 O), and carbon dioxide (CO 2 )) generated in the high-
[0019]
One or two of methane (CH 4 ), ethane (C 2 H 6 ), propane (C 3 H 8 ), ethylene (C 2 H 6 ), and propylene (C 3 H 6 ) as the remaining components of the high-temperature gas The total of the above may be contained at 20% by volume or less.
[0020]
The high-temperature gas contains about 10 to 35% of hydrogen from the beginning. However, in order to promote the hydropyrolysis reaction of coal in the hydropyrolysis furnace 1, hydrogen gas is separately supplied from the hydrogen nozzle 4. Is added to further increase the hydrogen concentration.
[0021]
Here, the temperature of the high-temperature gas depends on the furnace temperature of the high-temperature gasification furnace. However, in order to accelerate the gasification reaction rate and prevent the gas from flowing back from the hydrocracking furnace, the pressure is set to 1.0 MPa. It is preferable to make the above. The upper limit of the pressure is not particularly limited, but is preferably 5 MPa or less in order to prevent an increase in equipment cost due to an excessively high pressure.
[0022]
When the reaction temperature is lower than 1200 ° C., the coal is not sufficiently gasified, and slag (having ash in the coal melted) is continuously and stably extracted from the bottom of the high
[0023]
In the hydrocracking furnace 1, the coal (pulverized coal) blown from the coal blowing nozzle 3 and the hydrogen blown from the hydrogen nozzle 4 are rapidly heated and pyrolyzed by being mixed with the high-temperature gas. You.
[0024]
First, in the pyrolysis primary reaction that occurs at the beginning of the reaction, coal is converted into pyrolysis gas (main component is H 2 , CO, CO 2 , H 2 O, hydrocarbon gas), and heavy tar and char. Decomposed.
[0025]
These pyrolysis reaction products are successively subjected to a pyrolysis secondary reaction mainly comprising a reaction with hydrogen, and the hydrocarbon gas in the pyrolysis gas is further reduced to low molecular weight hydrocarbon gas (methane, ethane, etc.). The tar is decomposed into hydrocarbon gas or light oils such as BTX and naphthalene.
[0026]
In addition, a part of the char is also converted into a hydrocarbon gas mainly composed of methane (CH4) by the hydrogenation reaction shown in the formula (1) or CO or CO by the gasification reaction shown in the formulas (2) and (3). It is converted to H 2.
C (char) + H 2 → hydrocarbon gas ... (1)
C (char) + CO 2 → 2 CO ... (2)
C (char) + H 2 O → CO + H 2 (3)
[0027]
Among the reactions relating to these chars, the gasification reaction with steam of the formula (3) has a reaction rate several times higher than that of the other two reactions under the same reaction conditions (temperature and pressure). This is the most effective reaction to reduce the amount of char generated in the pyrolysis furnace.
[0028]
Further, as in the present invention, char generated by heating coal rapidly (100 ° C./sec or more) generates these gases (H 2 , CO 2 ) even in a relatively low temperature range (700 to 1100 ° C.). , Steam), which is suitable for further causing a steam gasification reaction.
[0029]
In the hydrocracking furnace 1, steam for reacting with the char is supplied as a component in the high-temperature gas introduced from the high-
[0030]
Therefore, in order to promote the gasification reaction within the shortest possible reaction time under a certain pressure and temperature conditions, and to further reduce the amount of char generation, it is necessary to separately directly enter into the hydrocracking furnace 1. Steam may be added by the
[0031]
The residence time of the gas in the hydrothermal cracking furnace 1 is set to such an extent that the gas or tar is sufficiently reacted by pyrolysis and the furnace size is not increased more than necessary (0.5 to 10 seconds). desirable.
[0032]
On the other hand, in general, the char generated by pyrolysis stays in the furnace for a longer time than the gas. In particular, in the present invention, in order to allow the reaction between the char and the steam to sufficiently proceed, the char of the char is required. It is important to control the upward gas flow rate in the hydrocracking furnace so that the residence time is as long as possible, i.e., that the char remains to some extent in the hydrocracking furnace.
[0033]
The appropriate flow rate at that time depends on the properties (specific gravity, particle size, etc.) of the char, but is preferably about 0.1 to 10 m / sec. If the gas flow rate is smaller than 0.1 m / sec, the char falls almost without the gas flow to the upward gas and falls toward the high-temperature gasifier.
[0034]
On the other hand, when the gas flow rate is greater than 10 m / sec, the char hardly stays in the hydrothermal cracking furnace, but is discharged from the furnace within substantially the same residence time as the gas. Is not preferable from the viewpoint of accelerating the gasification reaction.
[0035]
The reaction conditions in the hydrocracking furnace 1 are preferably a temperature of 500 to 1200 ° C., a pressure of 1 to 10 MPa, and a hydrogen concentration of 10 to 70%. In particular, the yield of light oil components such as BTX and naphthalene In order to improve the temperature and reduce the cost related to the production, it is desirable to set the temperature to 600 to 900 ° C., the pressure to 2 to 5 MPa, and the hydrogen concentration to 25 to 50%.
[0036]
In the pyrolysis reaction product discharged from the hydrocracking furnace 1, the char is separated from gas and oil in the
[0037]
The char recycling rate is not particularly limited, but by recycling 10% or more, the gasification rate is remarkably improved, and the higher the recycling rate, the higher the yield of high-temperature gas. It is best to do. At this time, steam may be used in combination with oxygen as a gasifying agent also for the purpose of controlling the temperature in the high temperature gasifier (preventing excessive temperature rise). At this time, other carbonaceous resources may be used instead of char and coal.
[0038]
In particular, when a carbonaceous resource having a large hydrogen content (for example, natural gas, petroleum residue, waste plastic, biomass, etc.) is used, the hydrogen concentration in the generated high-temperature gas increases, and the hydrogen concentration increases separately. There is also an effect that hydrogen to be added can be reduced or omitted.
[0039]
The gas and oil are separated in the
[0040]
Hydrogen and water vapor are injected in the primary reaction of pyrolysis, which is an extremely short-time reaction. In addition, steam is added from a hydrogen nozzle 4 installed above a coal injection position (coal injection nozzle 3 position) of the hydropyrolysis furnace 1 so that the hydrocarbon gas immediately contacts and reacts with hydrogen and steam. It is desirable to add steam from the
[0041]
Therefore, the hydrogen nozzle 4 and the
[0042]
Also, in the course of the primary and secondary reactions of thermal decomposition of coal, part of the tar is deposited as soot instead of gas, which may cause a decrease in gas and oil yields and problems such as clogging of pipes and valves. However, blowing steam directly into the hydrocracking furnace 1 is extremely effective also for suppressing the amount of soot generated.
[0043]
In this case, the hydrogen and steam addition positions are at the same level as the coal injection position, and hydrogen and steam are added from this position (for example, the hydrogen injection nozzle 4 and the coal injection nozzle 3 or the steam injection nozzle It is desirable that the hydrogen nozzle 4 and the
[0044]
The addition of hydrogen and steam at a position below the coal injection position lowers the temperature of the high-temperature gas generated from the high-
[0045]
FIG. 4 shows a method of blowing coal and hydrogen in the hydrocracking furnace 1. The blowing direction of the coal and hydrogen may be a swirling flow so that the residence time of the particles of the char in the hydrocracking furnace 1 is made as long as possible and the reaction time between the char and the hydrogen can be sufficiently ensured. It is suitable.
[0046]
For that purpose, it is necessary to blow coal and hydrogen from each nozzle in the tangential direction of the swirling circle. If necessary, it is preferable that steam is also blown in the tangential direction of the swirling circle.
[0047]
If the turning circle diameter at that time is larger than 直径 of the diameter of the hydrothermal cracking furnace 1, adhesion of coal to the wall of the hydrothermal cracking furnace 1 or erosion by coal particles may occur. Is not desirable.
[0048]
Conversely, if the swirling circle diameter is smaller than 1/5 of the diameter of the hydrothermal cracking furnace 1, no swirling flow for securing a sufficient particle residence time is generated.
[0049]
Therefore, the turning circle diameter is preferably in the range of 範 囲 to に 対 し て of the diameter of the hydrocracking furnace 1.
[0050]
By doing so, the activated char generated by the primary pyrolysis reaction efficiently causes a hydrogenation reaction and a reaction with steam, and as a result, the inside of the hydropyrolysis furnace 1 is brought to an excessively high pressure and high temperature. The amount of char generation can be reduced within a short reaction time without performing the reaction, and the hydrothermal cracking furnace 1 can be made compact.
[0051]
The reaction conditions in the hydrocracking furnace 1 are such that tar and char generated by the primary pyrolysis reaction can continue to cause a sufficient secondary pyrolysis reaction, that is, the tar is completely hydrocarbon gas or It decomposes to a soft oil and the char must select a level of reaction conditions that promotes the aforementioned hydrocarbon gasification and gasification reactions.
[0052]
Although such reaction conditions vary depending on the type of coal, generally, the reaction conditions are any one of a pressure of less than 1.0 MPa, a temperature (initial thermal decomposition temperature) of less than 500 ° C., and a gas residence time of less than 0.5 sec. In any case, it is impossible to completely promote the gasification / oilization of tar and the char gasification reaction.
[0053]
【Example】
(Example of the present invention)
According to the flow shown in FIG. 1, hydropyrolysis of 1000 t / day of coal was performed. FIG. 3 shows the mass balance of the process.
[0054]
Coal (particle size 200 mesh or less, average 40 μm) 25 t / hr, temperature 780 ° C., pressure 2.5 MPa, hydrogen concentration 45% (hydrogen concentration in the gas combining hydrogen in high-temperature gas and recycled hydrogen) In a hydrocracking furnace.
[0055]
As a result, the production amount of char was 7.5 t / hr (37% by mass based on the carbon in the coal charged into the hydrocracking furnace), and after collecting the entire produced char by a cyclone, the production amount of char was 17 t / hr. Along with the coal, high-temperature gasification at 1560 ° C. was performed in a high-temperature gasifier using 16,000 Nm 3 / hr of oxygen and 10 t / hr of steam as a gasifying agent.
[0056]
60,000 Nm 3 / hr (wet) in the high-temperature gas generated at 1560 ° C. contains 27% of hydrogen, 14% of water vapor (H 2 O), and 6% of CO 2 , and immediately by introducing to the direct hydrogenated pyrolysis furnace, the heat source required for hydrogenation thermal decomposition reaction, a hydrogen source (part), and water vapor source for producing a gasification reaction of the char, functions as a CO 2 source did.
[0057]
When the gas flow rate in the hydropyrolysis furnace was 1.3 m / sec (
[0058]
Of the generated gas of 90,000 Nm 3 / hr (dry), 23,000 Nm 3 / hr (dry) is converted into a hydrogen-rich gas (shift reaction and decarboxylation), and then recycled into the hydrocracking furnace. Was. In the example of the present invention, further addition of steam to the hydrocracking furnace was not performed.
[0059]
As final products, H 2 , CO-rich medium calorie gas contains 67,000 Nm 3 / hr (dry), benzene and naphthalene as main components (yield of benzene and naphthalene in oil: 61% by mass). Conversion efficiency of a two-stage two-chamber gas-bed furnace (hydropyrolysis furnace + high-temperature gasification furnace integrated furnace) under the present conditions expressed by equation (4) Was 89%.
[0060]
Energy conversion efficiency = (product latent heat <gas + oil>) / (coal latent heat) x 100 ... (4)
In addition, since the amount of char to be recycled was relatively small compared to the amount of coal charged to the high-temperature gasifier, even if the supply of char was stopped or decreased due to trouble in the char recycling equipment, the amount of coal supplied was By increasing the number of minutes, stable operation could be continued.
[0061]
Also, since the amount of generated char was small, it became possible to reduce the size and simplification of the char recycling equipment (cyclone, char hopper, vibrating sieve, char feeder, char cooler).
[0062]
(Comparative example)
In a high-temperature gasification furnace, an experiment was performed under the same conditions as those of the present invention except that hydrogen gas was neither recycled nor added. As a result, the production amount of char was 7.0 t / hr (to the hydrocracking furnace). 35 mass% with respect to the carbon in the input coal) 25% of hydrogen and 25% of steam (H 2 O) are contained in 59,000 Nm 3 / hr (wet) in the high-temperature gas generated at 1600 ° C. It contains 16% and 7% of CO 2, and is immediately introduced into the directly connected hydropyrolysis furnace to generate the heat source, hydrogen source, and char gasification reaction required for the hydropyrolysis reaction. As a source of water vapor, CO 2 to produce
[0063]
As final products, 80,000 Nm 3 / hr (dry) of H 2 and CO-rich medium calorie gas and 4.5 t / hr of oil were obtained, but the yield of benzene and naphthalene in the oil was obtained. Was 17% by mass.
[0064]
【The invention's effect】
According to the present invention, a method for hydrothermal cracking of coal, in which the amount of char generated is reduced by promoting the gasification reaction of char generated in the hydrocracking furnace, and various problems associated with the handling of the char have been solved. Can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing a flow sheet according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a reaction mechanism in a two-stage two-chamber furnace of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing a mass balance (test result) of a process in an example of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing positions of blowing coal and hydrogen in the hydrocracking furnace.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ...
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