JP2004217535A - Crystallization of protein trimestatin, determination of structural coordinate, use of structural coordinate - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶化されたトリメスタチン(trimestatin)蛋白質、そのアミノ酸配列の3次元構造座標及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患は死亡の原因となり得る病気であり、心筋梗塞における動脈硬化は血小板の凝集が原因となっている。血小板は、止血や血栓症において重要な役割をしており、血管内皮の損傷などでさまざまな生理学的物質によって活性化された結果、血小板糖蛋白質GPIIb/IIIa(αIIbβ3とも呼ばれる)の活性化によってフィブリノーゲンなどに網状に結合し凝集体を形成する(Kleiman, T.A.等, Wiley Encyclopedia of Molecular Medicine Volume 3, John& Wiley Sons, 1784−1798(2002):非特許文献1)。
【0003】
動脈硬化の治療法として、現在行われているのが風船型のカテーテルを閉塞部で膨らませる経皮的冠動脈介入術(PCI)やバイパス手術などである。しかし、PCIの治療後に風船などでつけられた傷によって急性の血栓症や再狭窄が起こるなど問題点があり、現在まで血栓症を防ぐためにアスピリン(抗血小板剤)、ヘパリン(抗凝固剤)が使われてきたが、アスピリンは血小板凝集を弱く阻害するだけであった。それ以外の治療法に、抗GPIIb/IIIa抗体であるc7E3(abciximab)があり、GPIIb/IIIaに結合し凝集を阻害する。臨床検査では従来のアスピリン、ヘパリンに比べて、より優れた成績を上げている。しかし、 abciximab はGPIIb/IIIa とフィブリノーゲンの結合部位であるArg−Gly−Asp(RGD)には結合せず、立体阻害、コンフォメーションの効果によりレセプターへの分子の接近を阻害している(Robinson, C. , Drugs Fut., 20, 457−63(1995):非特許文献2;Genatta, T.B.等, Ann. Pharmacol., 30, 251−7(1996):非特許文献3; 米国特許第5440020号明細書:特許文献1)。
【0004】
RGD配列を含むペプチドがGPIIb/IIIaに結合することにより効果的に、GPIIb/IIIaの接着機能を阻害する。血小板の凝集を阻害する物質としてdisintegrinがあり、Arg−Gly−Asp(RGD)やLys−Gly−Asp(KGD)配列を蛇毒由来のdisintegrinの多くは含んでいる(Plow, E.F.等, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 82, 8057−8061 (1985):非特許文献4;Niewiarowski, S.等, Semin. Hematol., 31, 289−300(1994):非特許文献5)。Sistrurus milarus barbouriの蛇毒(Barbourin)は、KGD配列をもつ73残基のアミノ酸からなるdisintegrinで、GPIIb/IIIaに特異的で、環状にすると活性が高くなる。このBarbourinに基づいてデザインされたEptifibatide(製品名:Integrilin)が現在市販されている(Scarborough, R.M.等, J. Biol. Chem., 268, 1066−73(1993):非特許文献6; Scarborough, R.M., Drugs Fut., 23, 585−590(1998):非特許文献7;米国特許第5968902号明細書:特許文献2)。
【0005】
インテグリンとdisintegrinの構造的な結合様式を明らかにすることによって、結合特異性及び、高い阻害活性を有する変異体、及び化合物を設計することが可能となる。現在、インテグリンαVβ3とArg−Gly−Aspとの複合体の立体構造が結晶化によるX線結晶解析で明らかにされており、ArgとAspが異なった方向に結合サイトがあることがわかっている(Xiong, J.P.等, Science, 296, 151−155(2002):非特許文献8)。
【0006】
また、米国特許第5587360号公報にはコラーゲンに結合することで血小板凝固を阻害する物質について開示されており、また、米国特許第5493020には、ペプチドではないαIIbβ3の阻害物質について開示されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5440020号明細書
【特許文献2】
米国特許第5968902号明細書
【特許文献3】
米国特許第5587360号明細書
【特許文献4】
米国特許第5493020号明細書
【特許文献5】
特開平6−309385号公報
【0008】
【非特許文献1】
Kleiman, T.A.等, Wiley Encyclopedia of Molecular Medicine Volume 3, John & Wiley Sons, 1784−1798(2002)
【非特許文献2】
Robinson, C. , Drugs Fut., 20, 457−63(1995)
【非特許文献3】
Genatta, T.B.等, Ann. Pharmacol., 30, 251−7(1996)
【非特許文献4】
Plow, E.F.等, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 82, 8057−8061 (1985)
【非特許文献5】
Niewiarowski, S.等, Semin. Hematol., 31, 289−300(1994)
【非特許文献6】
Scarborough, R.M.等, J. Biol. Chem., 268, 1066−73(1993)
【非特許文献7】
Scarborough, R.M., Drugs Fut., 23, 585−590(1998)
【非特許文献8】
Xiong, J.P.等, Science, 296, 151−155(2002)
【非特許文献9】
Rahman, S.等, Biochem. J., 335, 247−257(1998)
【非特許文献10】
Pfaff, M.等,Cell Adhes. Commun., 2, 491−501(1994)
【非特許文献11】
Marcinkiewicz, C.等, Blood, 90, 1565−1575(1997)
【非特許文献12】
Okuda, D.等, J. Biochem., 130, 407−415(2001)
【非特許文献13】
Wyckoff, H.W.等, Methods in Enzymology 114,Academic Press(1985)
【非特許文献14】
Wyckoff, H.W.等, Methods in Enzymology 115, Academic Press(1985)
【非特許文献15】
Yamada, M.等, J. Mol. Biol., 243, 310−326(1996)
【非特許文献16】
Gabb, H.A.等, J. Mol. Biol., 272, 106−120(1997)
【非特許文献17】
Lattman, E., Methods in Enzymology 115, Academic Press, 55−76(1985)
【非特許文献18】
竹中章郎、勝部幸輝、笹田義夫訳、J.ドレント著、蛋白質のX線結晶解析法、シュプリンガー・フェアラーク東京、204−224(1998)
【非特許文献19】
CCP4(Collaborative Computational Project, Number 4), Acta Cryst.,D50, 760−763(1994)
【非特許文献20】
Navaza, J., Acta Cryst., A50, 157−163 (1994)
なお、非特許文献9〜20については後述する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、X線結晶構造解析により解明されたdisintegrin側の配列はRGDを含む5残基のみであり、これだけでは結合特異性が説明できず、RGDの前後の配列及びN末端配列が、結合特異性や活性に関与していることが生化学的に証明されている(Rahman, S.等, Biochem. J., 335, 247−257(1998):非特許文献9; Pfaff,M.等,Cell Adhes. Commun., 2, 491−501(1994):非特許文献10 ; Marcinkiewicz, C.等, Blood, 90, 1565−1575(1997):非特許文献11)。
【0010】
そのため、disintegirnの機能を解明するためにはRGDの前後の配列の構造様式を明らかにする必要がある。また、新たに設計した化合物が、副作用を引き起こしたり、異なる効果を示す可能性があるため、この化合物に結合するかどうかGPIIb/IIIa以外の受容体との親和性をも調べる必要がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するためにトリメレスラス・フラボビリディス(Trimeresurus flavoviridis)由来の蛇毒中に含まれるディスインテグリン(disintegrin)であるトリメスタチン(trimestatin)を結晶化し、X線を用いた構造解析によりRGD配列の前後を含む配列の3次元構造座標を初めて決定したことにある。この3次元構造座標を用いることにより、動脈硬化等における血栓形成を防ぐための薬剤として有効であるインテグリン阻害剤を設計するにあたり、RGD配列以外の部分の情報を用い、GPIIb/IIIaへの結合特異性を有し、阻害活性、及び構造安定性の高いtrimestatinの変異体を同定、検索、評価または設計すること、ならびにその受容体を探索または同定することを可能にした。
【0012】
更に、本発明はtrimestatinの結晶を要旨とする。更に、本発明はtrimestatinの変異体、インテグリン阻害活性を有する化合物を探索、設計、同定または評価、あるいはその受容体を探索または同定するために使用する表1に示した3次元構造座標を要旨とする。更に、本発明はtrimestatinの変異体またはインテグリン阻害活性を有する化合物を探索、設計、同定または評価、あるいはその受容体を探索または同定するために使用する3次元構造座標の全部または、一部を格納しているコンピュータ用記憶媒体と、その使用を要旨とする。
【0013】
更に、本発明は上記にあるアミノ酸配列、上記に記載の3次元構造座標の全部または一部の配列、上記にあるコンピュータ記憶媒体を使用することを特徴とするインテグリン阻害活性、高い構造安定性及び結合特異性を有する蛋白質または化合物を同定、探索、評価または設計、あるいはその受容体を探索、同定する方法を要旨とする。
【0014】
すなわち、本発明には以下の各態様が含まれる。
(1)トリメスタチン(trimestatin)の結晶。
(2)トリメスタチンが配列番号:1のアミノ酸配列を有する上記項目(1)に記載の結晶。
(3)結晶が単斜晶系で空間群C2を有する上記項目(1)または(2)に記載の結晶。
(4)結晶の単位格子がa=47.5Å、b=48.1Å、c=37.7Å、β=126.8°である上記項目(3)に記載の結晶。
(5)トリメスタチン(trimestatin)の変異体、又はインテグリン阻害活性を有する化合物を、探索、設計、同定または評価するための、あるいは、その受容体を探索または同定するための表1に示したトリメスタチン3次元構造座標。
(6)上記項目(5)記載の3次元構造座標を示すモデルを初期モデルとして、分子設計手段により、エネルギー的な安定性が向上した構造を有するトリメスタチン変異体を得ることを特徴とするトリメスタチン変異体の構造決定方法。
(7)上記項目(5)記載の3次元構造座標を示すモデルを初期モデルとして、分子設計手段により、エネルギー的な安定性が向上した構造を有するインテグリン阻害活性を有する化合物を得ることを特徴とするインテグリン阻害活性を有する化合物の構造決定方法。
(8)(A)トリメスタチン(trimestatin)の変異体またはインテグリン阻害活性を有する化合物を探索、設計、同定または評価するための、あるいは、その受容体を探索または同定するための上記項目(5)に記載された3次元構造座標;
(B)上記項目(5)に記載された3次元構造座標をモデルとして、分子置換法によって決定されたトリメスタチンの主要部分の主鎖及び、Cα炭素の位置との平均二乗偏差が2Å以下である3次元構造座標;及び
(C)上記項目(5)に記載の3次元構造座標を示すモデルを初期モデルとして、分子設計手段により得られた、可能な限りエネルギー的に安定な構造を与える蛋白質または化合物の3次元構造座標;
から選択された全部または一部を格納しているコンピュータ用記憶媒体。
(9) (a)上記項目(5)に記載の3次元構造座標;(b)上記項目(5)に記載の3次元構造座標をモデルとして、分子置換法によって決定されたトリメスタチン(trimestatin)の主要部分の主鎖及び、Cα炭素の位置との平均二乗偏差が2Å以下である3次元構造座標;(c)上記項目(5)に記載の3次元構造座標であるモデルを初期モデルとして、分子設計手段により、エネルギー的な安定性が向上した構造を有する蛋白質または化合物の3次元構造座標;から選択された全部または一部の配列、あるいは上記項目(8)に記載のコンピュータ記憶媒体から得られた情報に基づいて、アミノ酸を1個以上挿入、欠失、改変または、化学的に修飾することにより、インテグリン阻害活性を有し、高い結合特異性を有する構造を設計する工程を有することを特徴とするtrimestatinの変異体またはインテグリン阻害活性を有する化合物を同定、探索、評価または設計、あるいはその受容体を探索または同定する方法。
(10) 分子置換法を用いた蛋白質結晶構造解析における、上記項目(5)〜(9)のいずれかに記載の3次元構造座標の全部又は、一部の使用、及び上記項目(9)に記載のコンピュータ記憶媒体の使用。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明書において、アミノ酸、ペプチド及び蛋白質の表記には下記に示すIUPACとIUBの生化学命名委員会(CBN)で採用されている略語を用いている。また、蛋白質のアミノ酸は左から右の方向でN末端からC末端方向を表している。
AまたはAla : アラニン
VまたはVal : バリン
LまたはLeu : ロイシン
IまたはIle : イソロイシン
PまたはPro : プロリン
FまたはPhe : フェニルアラニン
WまたはTrp : トリプトファン
MまたはMet : メチオニン
GまたはGly : グリシン
SまたはSer : セリン
TまたはThr : トレオニン
CまたはCys : システイン
QまたはGln : グルタミン
NまたはAsn : アスパラギン
YまたはTyr : チロシン
KまたはLys : リシン
RまたはArg : アルギニン
HまたはHis : ヒスチジン
DまたはAsp : アスパラギン酸
EまたはGlu : グルタミン酸。
【0016】
1.Trimestatinの結晶化
本発明に用いるtrimestatinは、Trimeresurus flavoviridis由来の蛇毒中に含まれるdisintegrinである(Okuda, D.等, J. Biochem., 130, 407−415(2001):非特許文献12)。
【0017】
蛋白質の3次元構造を解析するために用いられる手法としてX線結晶構造解析が多く用いられている。X線結晶構造解析とは、蛋白質を結晶化し、X線を当て散乱したX線の回折像から蛋白質の3次元構造を解析する方法である。結晶化とは、イオン強度、塩濃度、温度、沈殿剤、pHなど溶解度に関係する物理化学的因子を組み合わせることにより、蛋白質を結晶として析出させる方法である。また、蛋白質の結晶化法として静止バッチ法、自由界面拡散法、微量透析法、蒸気拡散法などがある。結晶化の際には、さまざまな結晶化条件を試してみて、最良な結晶化条件を決定する必要がある(Wyckoff, H.W.等, Methods in Enzymology 114,Academic Press(1985) :非特許文献13; Wyckoff, H.W.等, Methods in Enzymology 115, Academic Press(1985) :非特許文献14)。
【0018】
本発明で用いるtrimestatinの結晶は以下にあるような方法で調整される。まず始めに、trimestatinを高純度に精製する必要があるが、これはカラムクロマトグラフィーなどの方法を単独または、異なる方法を組み合わせることにより行われる。次にtrimestatinを結晶化する方法であるが、これにはバッチ法、蒸気拡散法、微量透析法などを用いることができる。これらの方法を用いて更に、最適な結晶化条件を探す必要がある。ただし、他の方法で同じ結晶が得られることは一般的な事実であるので、同一の結晶学的定数をもつtrimestatinの結晶が得られたとしても、それは本発明の範囲内となる。
【0019】
2.Trimestatinの3次元構造の座標
このようにして得られた配列番号:1に示すtrimestatinの結晶をX線による結晶構造解析を行い3次元構造座標を明らかにした。Trimestatinの結晶は単斜晶系で空間群C2に属し、a=47.5Å, b=48.1Å, C=37.7Å, β=126.8°の格子定数を持つ。結晶の単位格子の形を図3に示す。この結晶をX線結晶構造解析により3次元構造座標を初めて明らかにした。得られた構造座標をProtein Data Bankフォーマットで表1(表1−1〜1−17)に示す。trimestatinの70残基のうちC末端のAsp69とLeu70は電子密度地図では見ることができなかった。表1において、左から順に、1列目はこの行が原子座標を示していることを表している。2列目は、その原子の順番を、3列目は原子名を、4列目はアミノ酸名を、5列目は分子鎖の識別記号を、6列目はアミノ酸残基の順番を、7から9列目はÅ単位でX、Y、Z軸の原子座標を表しており、10列目は原子の占有率を、11列目は温度因子を表している。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
【0029】
【表10】
【0030】
【表11】
【0031】
【表12】
【0032】
【表13】
【0033】
【表14】
【0034】
【表15】
【0035】
【表16】
【0036】
【表17】
表1の3次元構造座標より得られるtrimestatinの3次元構造座標のコンピュータグラフィックスによる詳細図を図1に示し、図2に概略図を示す。ペプチド鎖は、6個のジスルフィド結合によって細長く、厳密な形に折りたたまれており、2次構造はおおまかに一連のターンと2個の短い逆平行βシートの部分からなっている。RGD配列のArg49とAsp51の側鎖は反対の方向を指している。5個のプロリンのうちPro9, Pro12, Pro23はターン構造の2番目の位置にある。インテグリン型受容体によって認識されるRGD配列はThr43からCys57までの長く不規則な15残基のヘアピンループの先端にある。逆平行β鎖は一方の鎖のAsp55ともう一方の鎖のCys45−Arg46にあるβ隆起のためややねじれている。両鎖は6個の水素結合によって結合されており、その内4個が主鎖間で、1個が主鎖と側鎖間で、1個が側鎖間の水素結合である。ヘアピンループの付け根部分では、2個のジスルフィドブリッジ、Cys32−Cys57, Cys45−Cys64が存在する。後者のブリッジによってC末端領域が折り返しRGDループに接近する。これによってTrp67のインドール環がPro53に疎水的に接触する。もう一つのβシートは分子の中央に位置し、シート内に水素結合を持ち、Cys32−Lys39の間にヘアピンループがある。disintegrinに厳密に保存されているPhe38のフェニル環は、Gln26のメチレン側鎖とGln60−Ser61の主鎖の間に挿入されている。Phe38はN末とC末サブドメインの間の相対的な動きを減少させるために分子の中心で支柱の役割をしていると解せられる。
【0037】
ここで、trimestatinの変異体の結晶の構造であっても本発明による結晶構造と実質的に一致するものは本発明の範囲である。また、配列番号:1の配列に対して1つまたは数個のアミノ酸の欠失、置換または付加により得られるtrimestatinと同様のインテグリン阻害活性を有する変異体も本発明の範囲にある。更に、各配列の開始位置及び終了位置も本発明にとって厳密なものでなく、N末端及びC末端に別の蛋白質が付加しているもの、N末端及びC末端に1個以上のアミノ酸残基が付加したものなど、trimestatinの分子について実質的な変化をもたらさないものについては本発明に含まれる。また、糖鎖が結合したもの、糖鎖が切断されたものなどについても、trimestatinの分子について実質的な変化をもたらさないものについては、本発明の範囲である。実質的に一致するものとは、構造の主要部分の対応する部分の主鎖又はCα炭素の部分の位置の平均二乗偏差がおよそ2Å以下である構造のことである。なお、表1に示した本発明の3次元構造座標をコンピュータによる計算に用いる場合などで、各原子の相対的な配置を変化させず、3次元空間内で並進、回転、対称などの移動操作の結果として得られる新たな3次元構造座標も本発明の範囲である。
【0038】
表1の構造座標はtrimestatinの構造を表しており、表1の構造からtrimestatinのインテグリンへの結合様式、及び結合特異性を解明でき、trimestatinの変異体、及びtrimestatinのように機能する、すなわちディスインテグリンとしての活性を有する化合物を同定、検索、評価または設計、あるいはその受容体を探索または同定することができる。
【0039】
3. trimestatinの3次元構造座標を利用した分子設計のためのコンピュータの使用
trimestatinの結晶から得られる3次元構造座標を、分子の3次元構造座標を表現することができるコンピュータプログラムが動作するコンピュータまたはそのコンピュータの記憶媒体に入力することで、trimestatinの立体構造を表現することが可能になる。
【0040】
コンピュータの記憶媒体としては、trimestatinから得られた構造座標をプログラムに導くことができるものであれば特に限定されない。例えば、メモリ、プロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどである。
【0041】
本発明におけるtrimestatinの3次元構造座標を、分子の3次元構造座標を表示することができるコンピュータプログラムが起動するコンピュータに入力し、視覚的及びエネルギー的安定性を検討することで、インテグリン阻害活性を有し、基質特異性、又は構造安定性の高い変異体、及び化合物を設計することが可能になる。
【0042】
蛋白質分子の3次元構造座標を表示することができる市販のコンピュータプログラムは、好ましくは、分子の3次元構造座標を入力するための入力部、入力された3次元構造座標を用いてコンピュータの画面(ディスプレイ)で蛋白質の立体構造を表現するための表現部、表現された分子内における各原子間の距離や結合角などを測定するための測定部、3次元構造座標を追加または修正するための追加修正部などの各種の部分から構成することができる。更に、分子の座標を元に、分子の構造エネルギーを計算するための分子構造エネルギー計算部、水分子などの溶媒分子を考慮して自由エネルギーを計算するための自由エネルギー計算部などを追加的に有するものであってもよい。なお、分子の3次元構造座標はコンピュータ内の記憶装置に保持し、これを画面表示するようにプログラムを設定してもよい。
【0043】
例えば、アクセルリス社から販売されているコンピュータプログラムであるInsightIIやQUANTAは、このために用いるプログラムの例であるが、これらのプログラムに限定されない。また、プログラムは、シリコングラフィクス社やサンマイクロシステムズ社などから販売されているワークステーションと呼ばれているコンピュータに導入されて使用されるが、これらに限定されない。
【0044】
Trimestatinの変異体の設計方法の一つにコンピュータ又はその記憶媒体に本発明にかかるtrimestatinの3次元構造座標を記憶させ、それに基づいてtrimestatinの立体構造を表示させ、視覚的検討によって行う方法がある。まず、コンピュータにtrimestatinの3次元構造座標を入力し、それに基づいて蛋白質の立体構造を画面に表示させる。そして、この立体構造上で1個以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入やアミノ酸の化学的修飾などを行い、その結果からできた化合物の空間的なコンフォメーションをコンピュータ上で表示させ、インテグリン阻害剤としてより適切な構造を探索していく。3次元構造を表記する方法としてクリスタルアイ、立体視、ステレオ対があるが、必ずしも3次元を表記する方法としてこれらに限定されない。
【0045】
Trimestatinの変異体の設計方法は、例えば、
(1)trimestatinの3次元構造座標に基づいてコンピュータの画面にtrimestatinの立体構造を表示させる工程と、
(2)画面に表示されたtrimestatinの立体構造上で1個以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入、あるいは化学的に親水基、疎水基、ペプチド構造類似化合物による置き換えなどのアミノ酸の化学修飾を行う構造変更工程と、
(3)前記構造変更にともなう空間的なコンフォメーションを画面に表示させる工程と、
(4)前記コンフォメーションを用いてインテグリン阻害剤として機能する構造を検索し、決定する工程と、
を有して構成することができる。
【0046】
このような処理を行う装置としては、例えば、必要に応じて記憶装置が付加されている演算装置とデータやプログラムに応じて各種の画像を表示し得るディスプレイとを有するコンピュータシステムを主体とし、
(A)trimestatinの3次元構造座標に基づいてコンピュータの画面にtrimestatinの立体構造を表示させる手段と、
(B)画面に表示されたtrimestatinの立体構造上で1個以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入、あるいはアミノ酸の化学修飾を行う構造変更のための手段と、
(C)前記構造変更にともなう空間的なコンフォメーションを画面に表示させる手段と、
(D)前記コンフォメーションを用いてインテグリン阻害剤として機能する構造を検索し、決定する手段と、
を少なくとも有するものを挙げることができる。
【0047】
更に、視覚的な探索をした化合物の構造のエネルギーを計算することでエネルギー的な安定性を求めることができる。エネルギー的な安定性は、結合エネルギー、自由エネルギーで評価できる。エネルギー計算は、分子力場計算を行うコンピュータープログラムを用いることによって行うことができる。例えばInsightIIのDISCOVERモジュールなどがあるが、これらに限定されない。また、分子軌道計算によっても、化合物のエネルギー的安定性を求めることができる。分子軌道計算を行うプログラムに、例えば、GAUSIAAN社のGAUSIAAN 98,Q−chem, Inc.のQ−chem、アクセルリス社のInsightIIのDMoLモジュール, NEC社のAMOSSなどがあるが、これらに限定されない。これらの視覚的、計算化学的手法で変異体を探索していくことで、構造安定性が高い変異体を求めることができる。また、受容体とtrimestatinの3次元構造座標を用いて、立体構造をコンピュータ上に表示して重ね合わせることによって、視覚的、エネルギー的に安定に受容体と結合とするようにtrimestatin部分を変異させることで、インテグリン阻害活性及び結合特異性を有する変異体を設計することができる。このときに使用するコンピュータ、コンピュータプログラム、記憶媒体に特に制限はない。
【0048】
上記の方法(視覚的手法、計算化学的手法、受容体との結合モデルなどの分子設計方法または手段)を組み合わせるか、繰り返し行うことによってもインテグリン阻害活性、高い結合特異性、構造安定性を有するtrimestatinの変異体を設計することができる。また、データベースに登録されている蛋白質の3次元立体構造座標を用いて、網羅的にコンピュータでドッキングシミュレーションを行い、上記で設計したtrimestatinの変異体に安定的に結合する受容体を探索することができる。ドッキングシミュレーションを行うプログラムとしてADAM(Yamada,M.等, J. Mol. Biol., 243, 310−326(1996):非特許文献15)やDOCK、FTDOCK(Gabb, H.A.等, J. Mol. Biol., 272, 106−120(1997):非特許文献16)、NEC社のAMOSSなどがあるが、これらに限定されない。
【0049】
また、受容体を探索する方法には、リガンドと受容体の3次元構造をコンピュータ上に表示し重ね合わせることにより視覚的に最適な受容体を探索する方法がある。その他にも、エネルギー的に安定に結合する受容体を分子力場計算、あるいは分子軌道計算を用いることによって探索することができる。
【0050】
また、これらの手法を組み合わせることでも受容体を探索できる。このときに使用するコンピュータ又は、記憶媒体には特に制限はない。
【0051】
4.インテグリン阻害活性を有する化合物を設計するためのtrimestatinの3次元構造座標の使用
本発明による表1に示したtrimestatinの3次元構造座標の全部、又は一部をコンピュータに入力してコンピュータプログラムを用いることにより、特開平6−309385号公報(特許文献5)に示されたような方法によって、リガンド分子の3次元構造座標から生理活性を有するリガンドの分子構造を決定することができる。リガンド分子の3次元構造座標を用いることによって、活性を有する化合物を設計する方法であれば特にこの方法に制限されない。
【0052】
また、データベースに登録されている蛋白質の3次元立体構造座標を用いて、網羅的にコンピュータでドッキングシミュレーションを行い、上記で設計した化合物に安定的に結合する受容体を探索することができる。ドッキングシミュレーションを行うプログラムとしてADAMやDOCK、FTDOCK、AMOSSなどがあるが、これらに限定されない。また、受容体を探索する方法には、リガンドと受容体の3次元構造をコンピュータ上に表示し重ね合わせることにより視覚的に最適な受容体を探索する方法がある。その他にも、エネルギー的に安定に結合する受容体を分子力場計算、あるいは分子軌道計算を用いることによって探索することができる。また、これらの手法を組み合わせることでも受容体を探索できる。このときに使用するコンピュータ又は、記憶媒体には特に制限はない。
【0053】
5.分子置換法によるX線結晶解析を行うためのtrimestatinの構造座標の使用
本発明による表1に示したtrimestatinの3次元構造座標のすべて又はその一部を使用することで、trimestatinの全部又は一部を含んでいる結晶、又はtrimestatinと有意な相同性を持つアミノ酸配列を持つ蛋白質の結晶などのX線結晶解析の方法の一つとして用いられている分子置換法(Lattman, E., Methods in Enzymology 115, Academic Press, 55−76(1985) 非特許文献17; 竹中章郎、勝部幸輝、笹田義夫訳、J.ドレント著、蛋白質のX線結晶解析法、シュプリンガー・フェアラーク東京、204−224(1998) 非特許文献18)で、構造座標決定の際に重原子同型置換法を用いず、構造座標が未知の蛋白質の結晶のX線回折像から得られる構造因子からその構造座標を決定することが可能である。分子置換法を行う時には、分子置換法に用いるプログラムを起動することができるコンピュータを用いる。プログラムは、例えばAMoRe(CCP4(Collaborative Computational Project, Number 4), Acta Cryst.,D50, 760−763(1994):非特許文献19; Navaza, J., Acta Cryst., A50, 157−163 (1994):非特許文献20)プログラムパッケージに含まれるプログラムなどがあるが、使用するプログラムとしてこのプログラムに限定されない。本発明のtrimestatinの3次元構造座標を使用して分子置換法を適用することができる結晶としては、trimestatinの全部又は一部を含んでいる結晶、trimestatinと有意な相同性を持つアミノ酸配列を持つ他の蛋白質から得られた結晶、trimestatinと結合する化合物とtrimestatinの複合体、trimestatinとアミノ酸残基において有意な相同性を持つ蛋白質を含むもの、trimestatinの変異体及びそれを含むものなどから得られた結晶、また更にそれらの複合体から得られた結晶に適応することができる。有意な相同性とは、一般に、挿入配列を許すアミノ酸配列で20%以上、好ましくは30%以上一致している場合のことである。実際に結晶のX線回折像から得られた以外の未知物質の結晶において、本発明による表1に示したtrimestatinの3次元構造座標の全部又は一部を用いて分子置換法により構造解析することは、有意な解が得られた場合には本発明の範囲である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0055】
実施例1 Trimestatinの精製方法
Trimeresrus flavoviridisの凍結乾燥した毒は(財)日本蛇族学術研究所(群馬県)から購入した。その粗毒は50 mM Tris−HCl buffer(pH 8.0)に溶解し、溶解しなかったものは遠心分離により取り除いた。上清はSuperdex 75 pgを用いた分子ふるいクロマトグラフィーで分画した。分画はヒト血小板のADP誘導凝固の阻害活性で分析した。活性のあった分画を集め、SP−Sepharose High Performanceと逆相HPLCの2種類のカラムにかけた。Trimestatinの収量は粗毒1 gあたり4.2 mgであった。SDS−PAGEでのtrimestatinの分子量は、還元下、非還元下で8 kDaだった。純度はCoomassie Brilliant Blue染色による16%ポリアクリルアミド電気泳動から推測した。
【0056】
実施例2 trimestatinの結晶化方法
凍結乾燥したtrimestatinの蛋白質サンプルは濃度が30.0 mg/mlになるように調製した。結晶化条件はCrystal Screen kits 1と2(Hampton Research社)を用いたマイクロバッチ法によって探索した。一般的に、0.4 μlの蛋白質溶液と1.2 μlのスクリーニング溶媒と混合した。条件は多くの実験によって探索され、単結晶(一片がそれぞれ0.3 mm)が0.5 μlの蛋白質溶液を30%ポリエチレングリコール0.6 μlと0.1 M硫酸アンモニウム0.6 μlとを混合して293 Kで放置する条件下で得られた。
【0057】
実施例3 trimestatinの回折実験法
結晶は凍結防止剤(同じ結晶化条件で与えられた20%エチレングリコール)で浸漬処理後、100 Kの液体窒素気流中で急速冷凍した。完全な1.7 Åデータセットは、Photon Factory(高エネルギー加速器研究機構),beamline BL6A(λ = 1.00Å)で得られた。すべてのデータセットはDPS/Mosflmを使って処理した。データ収集と精密化における統計は以下の数値である。分解能の範囲(Å):30.0−1.7 (1.76−1.70)、精密化における反射数:7,538 (737)、完全性(%):99.8 (100.0)、R因子(%):18.9 (22.9)、Rfree因子:22.9 (27.8)、但し括弧内は最外角の分解能を示す。
【0058】
蛋白質中での水素原子以外の原子数:507、水分子数:147、標準値からの平均2乗偏差値は結合長で0.004Å、結合角で1.2°、平均の温度因子は23.2Å2である。
【0059】
実施例4 trimestatinの構造決定と最精密化法
trimestatinの結晶は単斜晶系で空間群C2に属し、a=47.5Å, b=48.1Å, c=37.7Å, β=126.8°の格子定数を持っていた。その構造は、flavoridinのNMR構造(PDB code 1fvl)を使用してAMoReでの分子置換法によって解かれた。最初の試みでは、サーチモデルとして1fvlの各々の18分子を使ったものは、多くの探索パラメータを使用したが顕著な解は得られなかった。次に1fvl全体(18分子を平均したもの)を探索モデルとして試した。そのため、一定のB因子(20Å2)を持つ以下の3種の全体モデルが準備された。All−atom model(全原子からなるサーチモデル)、poly−AG model(グリシン以外のアミノ酸残基をアラニンに置き換えたサーチモデル)、poly−SAG model(グリシン、アラニン以外のアミノ酸残基をセリンに置き換えたサーチモデル)。15.0と3.5Å分解能の間のデータを用いてAMoRe packageによる分子置換を行った。回転関数は明確な解を出すことはできなかった。並進関数はすべての回転関数ピーク値を使って計算され、all−atom modelまたはpoly−SAG model(poly−AG modelは全く明確な解が得られなかった)を用いそれぞれ1個の顕著な解が得られた。
【0060】
この解は結晶内パッキングによって評価された。All−atom modelを使った分子置換の解は、CNSプログラムを使ったねじれ分子動力学精密化にかけられ、15.0と1.7Å分解能の間のデータを用いてR因子は44.6%、Rfree因子は45.7%までそれぞれ向上した。このモデルは自動モデル化プログラムARP/wARPの開始モデルとして使われ、200回の自動モデル化サイクル後、R因子は19.2%まで向上した。さらにモデル構築はプログラムOで行われた。モデルは1.7Åのネイティブデータを用いてCNSで精密化された(統計は実施例4の下部)。PROCHEKによれば精密化モデルの各残基はRamachandranプロットの許容範囲内であった。
【0061】
実施例5 インテグリン阻害剤の設計方法
インテグリン阻害剤の設計は図4の流れ図に従って設計できる。この流れ図では、trimestatinの3次元構造をコンピュータに入力し、視覚的、エネルギー的に受容体との結合能を評価していき、分子置換や化学的修飾を繰り返し行うことにより、最適なインテグリン阻害剤を設計する。
【0062】
実施例6 副作用を防ぐためにインテグリンαVβ3とtrimestatinの相互作用を減少させる方法
TrimestatinとαVβ3(PDB code IL5G)の間のドッキングシミュレーションはFTDOCKと分子シミュレーションパッケージInsight II 2000(Accelrys社)を使用して行った。Trimestatinは移動する分子とし、一方でMIDAS部位を含むαV(残基:A1−A438)とβ3(残基:B111−B351)のパートナードメインは静止する分子として使用した。計算では、1方向に214グリッド単位 (グリッド点間隔: 0.70 Å)をとった空間中で並進、回転走査するために使用し、surface complementaryとelectrostatic filterで制限した。経験的スコアリングは残基−残基間ポテンシャルを使用して行った。適切な複合体モデルを選択するために、trimestatinのArg49とαVドメインのAsp150の間を4.5 Åに距離を制限すると、最良のスコアを持つ良い候補モデルが得られた。モデルのエネルギー最小値化は最大の各原子間に働く力が10−4 kcal/mol・Åに至るまでInsight IIのDISCOVERモジュール内のCVFF力場を使用して行った。計算は1.0の誘電率を使用して真空中で行った。主鎖原子の座標は固定し、側鎖原子は構造の変形を避けるために最初のモデルに拘束した。省略したtrimestatinのC末端残基Asp69、Ile70は最後に付け加えた。
【0063】
αVβ3とtrimestatinとの間で相互作用しているアミノ酸残基のコンピュータグラフィックスによる詳細図を図5に示し、図6に模式図を表している。RGD配列にあるArg49のグアニジン基とAsp51のカルボキシル基の位置は、αVβ3に結合した環状ペンタペプチドリガンドのそれらの位置と良く一致している。従って、Arg49はプロペラドメインのAsp150、Asp218との間に塩橋を、Thr212との間に水素結合を形成しており、Asp51はβAドメインのMIDAS(metal ion dependent adhesion site)でMn2+に直接結合している。中央の残基のGly50はαVβ3と相互作用していない。しかし、環状ペンタペプチドGly残基はαVといくつか疎水相互作用をしている。この違いは明らかに主鎖のコンフォメーションの違いからきている。環状ペンタペプチドの残りの2個の残基はαVβ3に面していなく、相互作用していない。しかしながら、天然のtrimestatinリガンドの場合には、他の結合サイトがこのモデルで見つけられた。1)RGD配列の隣のPhe52はプロペラドメインのTyr178とβ3ドメインのTyr166と疎水作用をしている。環状ペンタペプチドはこの位置にPheを含んでいる。しかし環状化によるコンフォメーションの制約のためとD−アミノ酸(D−Phe)のため、側鎖は違った方向を指している。2)Pro53はβ3ドメインのAsp179とAsp214と相互作用している。3)Arg66のグアニジニウム基はプロペラドメインのAsp148へ塩橋を形成し、さらにAsp150へも塩橋を形成している。4)Trp67はプロペラドメインのAsp148、β3ドメインのTyr166、Asp179と相互作用している。5)Asn68の側鎖はプロペラドメインのThr116、Lys119、Glu121、Asp148と水素結合している。6)Asp69の主鎖はプロペラドメインのLys119と水素結合している。
【0064】
上記の相互作用している残基を図7の流れ図のように視覚的、エネルギー的に安定的に結合しないように(しかし、GPIIb/IIIaとの結合は保つ)分子置換、及び化学的修飾を行うことで、副作用を防ぐためにαVβ3との結合を弱め、GPIIb/IIIaと強く結合するようにtrimestatinの変異体を設計することができる。
【0065】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】trimestatinの立体構造を主鎖リボン図により表した立体構造図である。C末端の2個の残基は省略した。RGD配列にはラベルがあり、側鎖はボールアンドスティック図で示してある。6個のジスルフィド結合はボールアンドスティック図で示してある。図はMOLSCRIPT(Kraulis, J., J. Appl. Crystallogr., 24, 946−950(1993))とRASTER3D(Meritt E.A.等, Methods Enzymol., 277, 505−524(1997))を使用して作成した。
【図2】trimestatinの構造の概略図である。
【図3】trimestatinの結晶の単位格子を表した図である。
【図4】インテグリン阻害剤の設計方法のフローチャートである。
【図5】相互作用部位の拡大した立体図。相互作用している残基はラベルを付けたボールアンドスティック図で示してある。図はMOLSCRIPTを使用して作成した。
【図6】trimestatinとαVβIIIの間のアミノ酸残基の相互作用を結線で示した図である。
【図7】副作用を防ぐためにαVβ3にtrimestatinが結合しないようにする方法のフローチャートである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a crystallized trimestatin protein, its three-dimensional structural coordinates of its amino acid sequence, and its use.
[0002]
[Prior art]
Arteriosclerotic diseases such as ischemic heart disease are diseases that can cause death, and arteriosclerosis in myocardial infarction is caused by platelet aggregation. Platelets play an important role in hemostasis and thrombosis. Fibrinogen is activated by platelet glycoprotein GPIIb / IIIa (also called αIIbβ3) as a result of being activated by various physiological substances such as damage to vascular endothelium. (Kleiman, TA, et al., Wiley Encyclopedia of Molecular Medicine Volume 3, John & Wiley Sons, 1784-1798 (2002): Non-Patent Document 1).
[0003]
As a treatment method of arteriosclerosis, percutaneous coronary intervention (PCI) or bypass surgery in which a balloon-shaped catheter is inflated at an occluded portion is currently performed. However, there are problems such as acute thrombosis and restenosis caused by balloon and other injuries after PCI treatment. To date, aspirin (antiplatelet agent) and heparin (anticoagulant) have been used to prevent thrombosis. Although used, aspirin only weakly inhibits platelet aggregation. Another treatment is the anti-GPIIb / IIIa antibody, c7E3 (abciximab), which binds to GPIIb / IIIa and inhibits aggregation. In clinical tests, it has performed better than conventional aspirin and heparin. However, abciximab does not bind to Arg-Gly-Asp (RGD), which is a binding site between GPIIb / IIIa and fibrinogen, and inhibits access of the molecule to the receptor by steric inhibition and conformational effects (Robinson, C., Drugs Fut., 20, 457-63 (1995): Non-Patent Document 2; Genatta, TB, et al., Ann. Pharmacol., 30, 251-7 (1996): Non-Patent Document 3; No. 544020 specification: Patent Document 1).
[0004]
The binding function of GPIIb / IIIa is effectively inhibited by binding of the peptide containing the RGD sequence to GPIIb / IIIa. Disintegrin is a substance that inhibits platelet aggregation, and most of disintegrin derived from snake venom contain the Arg-Gly-Asp (RGD) or Lys-Gly-Asp (KGD) sequence (Plow, EF, etc.). Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 82, 8057-8061 (1985): Non-Patent Document 4; Niewirowski, S. et al., Semin. Hematol., 31, 289-300 (1994): Non-Patent Document 4. Patent Document 5). Sistrulus milarus barbourian snake venom (Barbourin) is a disintegrin consisting of 73 amino acids having a KGD sequence, which is specific to GPIIb / IIIa and becomes more active when cyclized. Eptifibatide (product name: Integrilin) designed based on this Barbourin is currently commercially available (Scarborough, RM et al., J. Biol. Chem., 268, 1066-73 (1993): Non-Patent Document 6). Scarborough, RM, Drugs Fut., 23, 585-590 (1998): Non-Patent Document 7; U.S. Patent No. 5,968,902: Patent Document 2).
[0005]
By elucidating the structural binding mode between integrin and disintegrin, it becomes possible to design mutants and compounds having binding specificity and high inhibitory activity. At present, the three-dimensional structure of the complex of integrin αVβ3 and Arg-Gly-Asp has been revealed by X-ray crystallography by crystallization, and it is known that Arg and Asp have binding sites in different directions ( Xiong, JP, et al., Science, 296, 151-155 (2002): Non-Patent Document 8).
[0006]
Also, US Pat. No. 5,587,360 discloses a substance that inhibits platelet coagulation by binding to collagen, and US Pat. No. 5,493,020 discloses an inhibitor of αIIbβ3, which is not a peptide.
[0007]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 5,440,020
[Patent Document 2]
U.S. Pat. No. 5,968,902
[Patent Document 3]
U.S. Pat. No. 5,587,360
[Patent Document 4]
U.S. Pat. No. 5,493,020
[Patent Document 5]
JP-A-6-309385
[0008]
[Non-patent document 1]
Kleiman, T .; A. Et al., Wiley Encyclopedia of Molecular Medicine Volume 3, John & Wiley Sons, 1784-1798 (2002).
[Non-patent document 2]
Robinson, C .; , Drugs Fut. , 20, 457-63 (1995).
[Non-Patent Document 3]
Genatta, T .; B. Et al., Ann. Pharmacol. , 30, 251-7 (1996)
[Non-patent document 4]
Plow, E.A. F. Et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 82, 8057-8061 (1985).
[Non-Patent Document 5]
Niewirowski, S .; Et al., Semin. Hematol. , 31, 289-300 (1994).
[Non-Patent Document 6]
Scarborough, R .; M. J. et al. Biol. Chem. , 268, 1066-73 (1993).
[Non-Patent Document 7]
Scarborough, R .; M. , Drugs Fut. , 23, 585-590 (1998).
[Non-Patent Document 8]
Xiong, J .; P. Et al., Science, 296, 151-155 (2002).
[Non-Patent Document 9]
Rahman, S.M. Et al., Biochem. J. , 335, 247-257 (1998).
[Non-Patent Document 10]
Pfaff, M .; Et al., Cell Adhes. Commun. , 2, 491-501 (1994).
[Non-Patent Document 11]
Markinkiewicz, C.I. Et al., Blood, 90, 1565-1575 (1997).
[Non-Patent Document 12]
Okuda, D.A. J. et al. Biochem. , 130, 407-415 (2001).
[Non-patent document 13]
Wyckoff, H .; W. Et al., Methods in Enzymology 114, Academic Press (1985).
[Non-patent document 14]
Wyckoff, H .; W. Et al., Methods in Enzymology 115, Academic Press (1985).
[Non-Patent Document 15]
Yamada, M .; J. et al. Mol. Biol. , 243, 310-326 (1996).
[Non-Patent Document 16]
Gabb, H .; A. J. et al. Mol. Biol. , 272, 106-120 (1997).
[Non-Patent Document 17]
Latman, E .; , Methods in Enzymology 115, Academic Press, 55-76 (1985).
[Non-Patent Document 18]
Translated by Akio Takenaka, Kouki Katsube, Yoshio Sasada, Drent, X-ray crystallography of proteins, Springer Verlag Tokyo, 204-224 (1998)
[Non-Patent Document 19]
CCP4 (Collaborative Computational Project, Number 4), Acta Cryst. , D50, 760-763 (1994).
[Non-Patent Document 20]
Navaza, J .; , Acta Cryst. , A50, 157-163 (1994).
Non-patent documents 9 to 20 will be described later.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, the sequence on the disintegrin side elucidated by X-ray crystal structure analysis is only 5 residues including RGD, and this alone cannot explain the binding specificity, and the sequence before and after RGD and the N-terminal sequence are And bioactivity have been demonstrated to be involved in the activity (Rahman, S., et al., Biochem. J., 335, 247-257 (1998): Non-Patent Document 9; Pfaff, M., et al., Cell. Commun., 2, 491-501 (1994): Non-Patent Document 10; Marcinkiewicz, C. et al., Blood, 90, 1565-1575 (1997): Non-Patent Document 11).
[0010]
Therefore, in order to elucidate the function of disintegirn, it is necessary to clarify the structure of the sequence before and after RGD. In addition, since the newly designed compound may cause side effects or show different effects, it is necessary to examine the affinity with a receptor other than GPIIb / IIIa to bind to the compound.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have solved the above-mentioned problems by crystallizing trimestatin, which is a disintegrin contained in snake venom derived from Trimeresus flavoviridis, and forming X. That is, the three-dimensional structural coordinates of an array including before and after the RGD array are determined for the first time by a structural analysis using a line. By using these three-dimensional structural coordinates, in designing an integrin inhibitor that is effective as a drug for preventing thrombus formation in arteriosclerosis or the like, binding specificity to GPIIb / IIIa can be determined using information of a part other than the RGD sequence. It has become possible to identify, search, evaluate or design a mutant of trimestatin which has high inhibitory activity and structural stability, and to search or identify its receptor.
[0012]
Further, the present invention provides a crystal of trimestatin. In addition, the present invention provides a summary of the three-dimensional structural coordinates shown in Table 1 used for searching, designing, identifying or evaluating a mutant of trimestatin, a compound having an integrin inhibitory activity, or for searching or identifying a receptor thereof. I do. Further, the present invention stores all or a part of three-dimensional structural coordinates used for searching, designing, identifying or evaluating a mutant of trimestatin or a compound having an integrin inhibitory activity, or for searching or identifying a receptor thereof. The gist of the present invention is a storage medium for a computer and its use.
[0013]
Further, the present invention provides the amino acid sequence described above, the sequence of all or a part of the three-dimensional structural coordinates described above, the integrin inhibitory activity characterized by using the computer storage medium described above, high structural stability and The gist is a method of identifying, searching, evaluating or designing a protein or compound having binding specificity, or searching and identifying a receptor thereof.
[0014]
That is, the present invention includes the following embodiments.
(1) Crystals of trimestatin.
(2) The crystal according to the above item (1), wherein trimestatin has the amino acid sequence of SEQ ID NO: 1.
(3) The crystal according to the above item (1) or (2), wherein the crystal is monoclinic and has a space group C2.
(4) The crystal according to the above item (3), wherein the unit cell of the crystal is a = 47.5 °, b = 48.1 °, c = 37.7 °, and β = 126.8 °.
(5) Trimestat shown in Table 1 for searching, designing, identifying or evaluating a mutant of trimestatin or a compound having an integrin inhibitory activity, or for searching or identifying a receptor thereof. Statin 3D structural coordinates.
(6) Using a model showing the three-dimensional structural coordinates described in the item (5) as an initial model, a trimestatin mutant having a structure with improved energy stability is obtained by molecular designing means. A method for determining the structure of a statin mutant.
(7) A compound having an integrin inhibitory activity having a structure with improved energy stability is obtained by molecular designing means using a model showing the three-dimensional structural coordinates described in the above item (5) as an initial model. Of determining the structure of a compound having an integrin inhibitory activity.
(8) (A) The above item (5) for searching, designing, identifying or evaluating a mutant of trimestatin or a compound having an integrin inhibitory activity, or for searching or identifying a receptor thereof. Three-dimensional structural coordinates described in
(B) Using the three-dimensional structural coordinates described in the above item (5) as a model, the mean square deviation between the position of the main chain and the Cα carbon of the main part of trimestatin determined by the molecular replacement method is 2 ° or less. Certain three-dimensional structural coordinates; and
(C) Three-dimensional structural coordinates of a protein or compound that gives a structure that is as energetically stable as possible obtained by molecular design means, using the model representing the three-dimensional structural coordinates described in the above item (5) as an initial model. ;
A storage medium for a computer that stores all or a part selected from.
(9) (a) three-dimensional structural coordinates according to item (5); (b) trimestatin determined by a molecular replacement method using the three-dimensional structural coordinates according to item (5) as a model Three-dimensional structural coordinates in which the mean square deviation from the main chain of the main part and the position of the Cα carbon is 2 ° or less; (c) a model that is the three-dimensional structural coordinates described in the above item (5) as an initial model; A three-dimensional structural coordinate of a protein or compound having a structure with improved energy stability by molecular designing means; or all or part of sequences selected from the three-dimensional structural coordinates, or the computer storage medium described in item (8) above. Insertion, deletion, modification or chemical modification of one or more amino acids based on the information provided, has integrin inhibitory activity and has high binding specificity Identifying a compound having a mutant or integrin inhibitory activity trimestatin characterized by having a step of designing the concrete, search, evaluation, or design, or a method of searching or identifying its receptor.
(10) Use of all or part of the three-dimensional structural coordinates according to any of the above items (5) to (9) in protein crystal structure analysis using a molecular replacement method, and the use of the above item (9). Use of the described computer storage medium.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present specification, amino acids, peptides and proteins are represented by the following abbreviations adopted by the IUPAC and IUB Biochemical Nomenclature Committee (CBN). Further, the amino acids of the protein represent the N-terminal to C-terminal directions from left to right.
A or Ala: alanine
V or Val: Valine
L or Leu: Leucine
I or Ile: Isoleucine
P or Pro: Proline
F or Phe: phenylalanine
W or Trp: tryptophan
M or Met: methionine
G or Gly: glycine
S or Ser: Serine
T or Thr: threonine
C or Cys: cysteine
Q or Gln: glutamine
N or Asn: Asparagine
Y or Tyr: tyrosine
K or Lys: lysine
R or Arg: Arginine
H or His: histidine
D or Asp: aspartic acid
E or Glu: glutamic acid.
[0016]
1. Crystallization of Tristatatin
Tristatatin used in the present invention is disintegrin contained in snake venom derived from Trimeresurus flavoviridis (Okuda, D. et al., J. Biochem., 130, 407-415 (2001): Non-Patent Document 12).
[0017]
X-ray crystal structure analysis is often used as a technique used to analyze the three-dimensional structure of a protein. X-ray crystal structure analysis is a method of crystallizing a protein and analyzing the three-dimensional structure of the protein from a diffraction image of the X-ray scattered by X-ray irradiation. Crystallization is a method in which proteins are precipitated as crystals by combining physicochemical factors related to solubility such as ionic strength, salt concentration, temperature, precipitant, and pH. The protein crystallization method includes a stationary batch method, a free interface diffusion method, a microdialysis method, and a vapor diffusion method. In crystallization, it is necessary to try various crystallization conditions and determine the best crystallization conditions (Wyckoff, HW, etc., Methods in Enzymology 114, Academic Press (1985): Non-Patent Document). Reference 13; Wyckoff, HW, et al., Methods in Enzymology 115, Academic Press (1985): Non-patent Reference 14).
[0018]
The crystal of trimestatin used in the present invention is prepared by the following method. First, it is necessary to purify trimstatin to high purity, which is performed by a method such as column chromatography alone or by combining different methods. Next, there is a method of crystallizing trimstatin, which can be performed by a batch method, a vapor diffusion method, a microdialysis method, or the like. Using these methods, it is further necessary to find optimal crystallization conditions. However, since it is a general fact that the same crystal can be obtained by other methods, even if a crystal of trimestatin having the same crystallographic constant is obtained, it is within the scope of the present invention.
[0019]
2. The coordinates of the three-dimensional structure of the Tristatin
The crystal of trimestatin shown in SEQ ID NO: 1 thus obtained was subjected to X-ray crystal structure analysis to clarify the three-dimensional structural coordinates. Tristatatin crystals are monoclinic and belong to the space group C2, and have lattice constants of a = 47.5 °, b = 48.1 °, C = 37.7 °, and β = 126.8 °. FIG. 3 shows the shape of the unit cell of the crystal. The three-dimensional structural coordinates of this crystal were first clarified by X-ray crystal structure analysis. The obtained structural coordinates are shown in Table 1 (Tables 1-1 to 1-17) in the Protein Data Bank format. Asp69 and Leu70 at the C-terminal among the 70 residues of trimestatin could not be seen on the electron density map. In Table 1, in order from the left, the first column indicates that this row indicates the atomic coordinates. The second column indicates the order of the atoms, the third column indicates the atomic name, the fourth column indicates the amino acid name, the fifth column indicates the identification code of the molecular chain, the sixth column indicates the order of the amino acid residues, and the seventh column indicates the order of the amino acid residues. , The ninth column represents the atomic coordinates of the X, Y, and Z axes in units of Å, the tenth column represents the occupancy of atoms, and the eleventh column represents the temperature factor.
[0020]
[Table 1]
[0021]
[Table 2]
[0022]
[Table 3]
[0023]
[Table 4]
[0024]
[Table 5]
[0025]
[Table 6]
[0026]
[Table 7]
[0027]
[Table 8]
[0028]
[Table 9]
[0029]
[Table 10]
[0030]
[Table 11]
[0031]
[Table 12]
[0032]
[Table 13]
[0033]
[Table 14]
[0034]
[Table 15]
[0035]
[Table 16]
[0036]
[Table 17]
FIG. 1 shows a detailed view of the three-dimensional structure coordinates of trimstatin obtained from the three-dimensional structure coordinates in Table 1 by computer graphics, and FIG. 2 shows a schematic diagram thereof. The peptide chain is elongated and tightly folded by six disulfide bonds, and the secondary structure is roughly composed of a series of turns and two short antiparallel β-sheets. The side chains of Arg49 and Asp51 in the RGD sequence point in opposite directions. Pro9, Pro12 and Pro23 of the five prolines are at the second position of the turn structure. The RGD sequence recognized by the integrin-type receptor is at the tip of a long, irregular 15 residue hairpin loop from Thr43 to Cys57. The antiparallel β-strand is slightly twisted due to the β-ridges at Asp55 on one strand and Cys45-Arg46 on the other strand. Both chains are linked by six hydrogen bonds, four of which are between the main chains, one is between the main chain and the side chains, and one is a hydrogen bond between the side chains. At the base of the hairpin loop, there are two disulfide bridges, Cys32-Cys57, Cys45-Cys64. The latter bridge turns the C-terminal region back to the RGD loop. This brings the indole ring of Trp67 into hydrophobic contact with Pro53. Another β-sheet is located in the center of the molecule, has a hydrogen bond in the sheet, and has a hairpin loop between Cys32-Lys39. The phenyl ring of Phe38, which is strictly conserved in disintegrin, is inserted between the methylene side chain of Gln26 and the main chain of Gln60-Ser61. Phe38 is thought to play a role as a pillar at the center of the molecule to reduce the relative movement between the N-terminal and C-terminal subdomains.
[0037]
Here, even if the crystal structure of the mutant of trimestatin substantially matches the crystal structure according to the present invention, it is within the scope of the present invention. Further, a mutant having the same integrin inhibitory activity as trimestatin obtained by deleting, substituting or adding one or several amino acids to the sequence of SEQ ID NO: 1 is also within the scope of the present invention. Furthermore, the starting position and the ending position of each sequence are not strict for the present invention, and those in which another protein is added to the N-terminus and C-terminus, and that one or more amino acid residues are present Those that do not cause a substantial change in the molecule of trimestatin, such as those added, are included in the present invention. In addition, those having a sugar chain bonded, a sugar chain being cleaved, and the like that do not substantially change the molecule of trimestatin are within the scope of the present invention. Substantially identical is a structure in which the mean square deviation of the position of the main chain or Cα carbon portion of the corresponding portion of the main portion of the structure is less than about 2 °. In the case where the three-dimensional structure coordinates of the present invention shown in Table 1 are used for calculation by a computer, for example, translation operations such as translation, rotation, and symmetry in a three-dimensional space without changing the relative arrangement of each atom. The new three-dimensional structure coordinates obtained as a result are also within the scope of the present invention.
[0038]
The structural coordinates in Table 1 represent the structure of trimestatin, and from the structure in Table 1, the binding mode of trimestatin to the integrin and the binding specificity can be elucidated, and it functions like a mutant of trimestatin, and functions like trimstatin, ie, Compounds having integrin activity can be identified, searched, evaluated or designed, or their receptors can be searched or identified.
[0039]
3. Use of computer for molecular design using three-dimensional structural coordinates of trimestatin
Representing the three-dimensional structure of trimstatin by inputting the three-dimensional structural coordinates obtained from the crystal of trimestatin into a computer running a computer program capable of expressing the three-dimensional structural coordinates of a molecule or a storage medium of the computer Becomes possible.
[0040]
The storage medium of the computer is not particularly limited as long as the structure coordinates obtained from the trimesterin can be led to a program. For example, a memory, a proppy disk, a hard disk, an optical disk, a magneto-optical disk, a magnetic tape, and the like.
[0041]
The three-dimensional structural coordinates of trimestatin in the present invention are input to a computer that is activated by a computer program capable of displaying the three-dimensional structural coordinates of a molecule, and the integrin inhibitory activity is determined by examining the visual and energy stability. It is possible to design mutants and compounds having high substrate specificity or structural stability.
[0042]
A commercially available computer program capable of displaying the three-dimensional structural coordinates of a protein molecule is preferably an input unit for inputting the three-dimensional structural coordinates of the molecule, and a computer screen using the input three-dimensional structural coordinates ( Display) to represent the three-dimensional structure of the protein, to measure the distance and bond angle between atoms in the represented molecule, and to add or modify 3D structural coordinates It can be composed of various parts such as a correction unit. Furthermore, based on the coordinates of the molecule, a molecular structure energy calculator for calculating the structural energy of the molecule and a free energy calculator for calculating the free energy in consideration of solvent molecules such as water molecules are additionally provided. May be provided. Note that the three-dimensional structural coordinates of the molecule may be stored in a storage device in the computer, and a program may be set so as to display this on a screen.
[0043]
For example, InsightII and QUANTA, which are computer programs sold by Accelrys, are examples of programs used for this purpose, but are not limited to these programs. The program is installed in a computer called a workstation sold by Silicon Graphics, Sun Microsystems, or the like, and is used, but is not limited thereto.
[0044]
One of the design methods of the mutants of Tristatin is a method of storing the three-dimensional structural coordinates of trimestatin according to the present invention in a computer or its storage medium, displaying the three-dimensional structure of trimestatin based on the coordinates, and performing a visual examination. . First, the three-dimensional structure coordinates of trimstatin are input to a computer, and the three-dimensional structure of the protein is displayed on the screen based on the coordinates. Then, one or more amino acid substitutions, deletions, insertions, and chemical modifications of the amino acids are performed on the three-dimensional structure, and the spatial conformation of the resulting compound is displayed on a computer to inhibit integrin inhibition. We will search for a more suitable structure as an agent. Although there are crystal eye, stereoscopic view, and stereo pair as a method of expressing a three-dimensional structure, the method of expressing a three-dimensional structure is not necessarily limited to these.
[0045]
Methods for designing mutants of Tristatin include, for example,
(1) displaying the three-dimensional structure of trimstatin on a computer screen based on the three-dimensional structural coordinates of trimstatin;
(2) Chemical modification of amino acids, such as substitution, deletion or insertion of one or more amino acids, or chemical substitution with a hydrophilic group, a hydrophobic group, or a peptide structure analogous compound on the three-dimensional structure of trimestatin displayed on the screen. A structural change process to be performed;
(3) displaying a spatial conformation accompanying the structural change on a screen;
(4) using the conformation to search for and determine a structure that functions as an integrin inhibitor;
Can be configured.
[0046]
As an apparatus for performing such processing, for example, a computer system having an arithmetic unit to which a storage device is added as necessary and a display capable of displaying various images in accordance with data and programs, is mainly used.
(A) means for displaying a three-dimensional structure of trimstatin on a computer screen based on three-dimensional structure coordinates of trimstatin;
(B) means for structural change by substitution, deletion or insertion of one or more amino acids, or chemical modification of amino acids on the three-dimensional structure of trimstatin displayed on the screen;
(C) means for displaying a spatial conformation accompanying the structural change on a screen;
(D) means for searching for and determining a structure that functions as an integrin inhibitor using the conformation;
Can be mentioned.
[0047]
Further, the energy stability can be obtained by calculating the energy of the structure of the visually searched compound. Energy stability can be evaluated based on binding energy and free energy. The energy calculation can be performed by using a computer program that performs a molecular force field calculation. Examples include, but are not limited to, the InsightII DISCOVER module. The energy stability of the compound can also be determined by molecular orbital calculation. Examples of programs for calculating molecular orbitals include, for example, GAUSIAAN 98, Q-chem, Inc. of GAUSIAAN. Q-chem, Accelrys's InsightII DMoL module, NEC's AMOSS, etc., but are not limited thereto. By searching for mutants using these visual and computational chemistry techniques, mutants with high structural stability can be obtained. In addition, by using the three-dimensional structural coordinates of the receptor and trimstatin to display and superimpose the three-dimensional structure on a computer, the trimstatin portion is mutated so as to stably and visually bind to the receptor. Thereby, a mutant having integrin inhibitory activity and binding specificity can be designed. There are no particular restrictions on the computer, computer program, and storage medium used at this time.
[0048]
Combination or repetition of the above methods (visual techniques, computational chemistry techniques, molecular design methods or means such as receptor binding models, etc.), also has integrin inhibitory activity, high binding specificity, and structural stability Mutants of trimestatin can be designed. In addition, it is possible to comprehensively perform a docking simulation using a computer using the three-dimensional three-dimensional structure coordinates of the proteins registered in the database to search for a receptor that stably binds to the mutant of trimestatin designed above. it can. As a program for performing docking simulation, ADAM (Yamada, M., et al., J. Mol. Biol., 243, 310-326 (1996): Non-Patent Document 15), DOCK, FTDOCK (Gabb, HA, et al., J. Mol. Mol. Biol., 272, 106-120 (1997): Non-Patent Document 16), NEC Corporation's AMOSS, and the like, but are not limited thereto.
[0049]
As a method of searching for a receptor, there is a method of displaying a three-dimensional structure of a ligand and a receptor on a computer and superimposing the three-dimensional structure on the computer to search for a visually optimal receptor. In addition, a receptor that stably binds energetically can be searched for by using molecular force field calculation or molecular orbital calculation.
[0050]
Receptors can also be searched for by combining these methods. There is no particular limitation on the computer or storage medium used at this time.
[0051]
4. Use of three-dimensional structural coordinates of trimestatin to design compounds with integrin inhibitory activity
By inputting all or a part of the three-dimensional structure coordinates of trimstatin shown in Table 1 according to the present invention to a computer and using a computer program, the results are as disclosed in JP-A-6-309385 (Patent Document 5). By such a method, the molecular structure of a ligand having biological activity can be determined from the three-dimensional structural coordinates of the ligand molecule. The method is not particularly limited as long as it is a method of designing a compound having activity by using the three-dimensional structural coordinates of the ligand molecule.
[0052]
Further, docking simulation can be comprehensively performed by a computer using the three-dimensional three-dimensional structure coordinates of the protein registered in the database, and a receptor that stably binds to the compound designed above can be searched. Examples of the program for performing the docking simulation include ADAM, DOCK, FTDOCK, and AMOS, but are not limited thereto. As a method of searching for a receptor, there is a method of displaying a three-dimensional structure of a ligand and a receptor on a computer and superimposing the three-dimensional structure on the computer to search for a visually optimal receptor. In addition, a receptor that stably binds energetically can be searched for by using molecular force field calculation or molecular orbital calculation. Receptors can also be searched for by combining these methods. There is no particular limitation on the computer or storage medium used at this time.
[0053]
5. Use of structural coordinates of trimestatin for X-ray crystallographic analysis by molecular replacement method
By using all or a part of the three-dimensional structure coordinates of trimestatin shown in Table 1 according to the present invention, a crystal containing all or a part of trimestatin or an amino acid sequence having significant homology with trimestatin can be obtained. Molecular replacement method (Lattman, E., Methods in Enzymology 115, Academic Press, 55-76 (1985)), which is used as one of the methods of X-ray crystallography such as crystal of protein having. Translated by Katsube Yukiki and Sasada Yoshio, J. Dorrent, Protein X-ray Crystallography, Springer Verlag Tokyo, 204-224 (1998) Non-patent Document 18) X-ray diffraction of protein crystal with unknown structure coordinates It is possible to determine the structural coordinates from structure factors derived from the image. When performing the molecular replacement method, a computer capable of starting a program used for the molecular replacement method is used. The program is, for example, AMoRe (CCP4 (Collaborative Computational Project, Number 4)), Acta Cryst., D50, 760-763 (1994):
[0054]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
[0055]
Example 1 Purification method of Tristatatin
The freeze-dried poison of Trimeresrus flavoviridis was purchased from Japan Snake Tribe Research Institute (Gunma Prefecture). The crude poison was dissolved in 50 mM Tris-HCl buffer (pH 8.0), and the undissolved one was removed by centrifugation. The supernatant was fractionated by molecular sieving chromatography using Superdex 75 pg. Fractions were analyzed for the inhibitory activity of human platelets on ADP-induced coagulation. Active fractions were collected and applied to two types of columns, SP-Sepharose High Performance and reverse phase HPLC. The yield of Tristatatin was 4.2 mg / g of crude venom. The molecular weight of trimstatin on SDS-PAGE was 8 kDa under reduced and non-reduced conditions. Purity was estimated from 16% polyacrylamide electrophoresis by Coomassie Brilliant Blue staining.
[0056]
Example 2 Method of crystallizing trimstatin
The freeze-dried trimestatin protein sample was prepared to a concentration of 30.0 mg / ml. The crystallization conditions were searched by a micro-batch method using Crystal Screen kits 1 and 2 (Hampton Research). Generally, 0.4 μl of protein solution and 1.2 μl of screening solvent were mixed. The conditions were explored by a number of experiments and a single crystal (each 0.3 mm) of 0.5 μl protein solution was mixed with 0.6 μl of 30% polyethylene glycol and 0.6 μl of 0.1 M ammonium sulfate. At 293 K.
[0057]
Example 3 Tristatatin Diffraction Experimental Method
The crystals were immersed in a cryoprotectant (20% ethylene glycol provided under the same crystallization conditions) and then rapidly frozen in a 100 K liquid nitrogen stream. The complete 1.7 ° data set was obtained on a Photon Factory (High Energy Accelerator Research Organization), beamline BL6A (λ = 1.00 °). All data sets were processed using DPS / Mosflm. The statistics for data collection and refinement are as follows. Resolution range (Å): 30.0-1.7 (1.76-1.70), number of reflections in refinement: 7,538 (737), completeness (%): 99.8 (100.0) ), R factor (%): 18.9 (22.9), Rfree factor: 22.9 (27.8), where the value in parentheses indicates the resolution of the outermost angle.
[0058]
The number of atoms other than hydrogen atoms in the protein: 507, the number of water molecules: 147, the mean square deviation from the standard value is a bond length of 0.004 °, a bond angle of 1.2 °, and an average temperature factor of 23. .2Å 2 It is.
[0059]
Example 4 Structure determination of trimestatin and the most precise method
The crystal of trimestatin was monoclinic and belonged to the space group C2, and had lattice constants of a = 47.5 °, b = 48.1 °, c = 37.7 °, and β = 126.8 °. The structure was solved by molecular replacement with AMoRe using the flavoridin NMR structure (PDB code 1fvl). In the first attempt, using 18 molecules of each of 1fvl as search models, many search parameters were used, but no significant solution was obtained. Next, the entire 1fvl (average of 18 molecules) was tried as a search model. Therefore, a certain B factor (20Å 2 ) Were prepared for the following three models. All-atom model (search model consisting of all atoms), poly-AG model (search model in which amino acid residues other than glycine are replaced with alanine), poly-SAG model (amino acid residues other than glycine and alanine are replaced with serine) Search model). Molecular replacement by AMoRe package was performed using data between 15.0 and 3.5 ° resolution. The rotation function could not give a clear solution. The translation function was calculated using all the rotation function peak values, and one remarkable solution was obtained using all-atom model or poly-SAG model (poly-AG model did not give any clear solution). Obtained.
[0060]
This solution was evaluated by intracrystalline packing. The solution of molecular replacement using the All-atom model was subjected to torsional molecular dynamics refinement using the CNS program, using data between 15.0 and 1.7 ° resolution to find an R factor of 44.6%, The Rfree factor improved to 45.7%, respectively. This model was used as a starting model for the automatic modeling program ARP / wARP, and after 200 automatic modeling cycles, the R-factor had increased to 19.2%. Further, the model construction was performed by the program O. The model was refined in the CNS using 1.7 ° native data (statistics below in Example 4). According to PROCHEK, each residue in the refined model was within the acceptable range of the Ramachandran plot.
[0061]
Example 5 Method for Designing Integrin Inhibitor
The design of the integrin inhibitor can be designed according to the flowchart of FIG. In this flowchart, the optimal integrin inhibitor is obtained by inputting the three-dimensional structure of trimestatin into a computer, visually and energetically assessing the ability to bind to the receptor, and repeatedly performing molecular substitution and chemical modification. Design.
[0062]
Example 6 Method for reducing the interaction of integrin αVβ3 with trimestatin to prevent side effects
The docking simulation between Tristatatin and αVβ3 (PDB code IL5G) was performed using FTDOCK and a molecular simulation package Insight II 2000 (Accelrys). Tristatatin was used as a migrating molecule, while the partner domains of αV (residues: A1-A438) and β3 (residues: B111-B351) containing MIDAS sites were used as resting molecules. In the calculation, translation and rotation scanning were performed in a space having 214 grid units (grid point interval: 0.70 °) in one direction, and were limited by a surface completion elementary and an electrostatic filter. Empirical scoring was performed using residue-residue potentials. Restricting the distance between Tristatatin's Arg49 and Asp150 of the αV domain to 4.5 ° to select an appropriate complex model yielded a good candidate model with the best score. The energy minimization of the model means that the maximum force between each atom is 10 -4 Using the CVFF force field in the DISCOVER module of Insight II down to kcal / mol · Å. Calculations were performed in vacuum using a dielectric constant of 1.0. The coordinates of the main chain atoms were fixed, and the side chain atoms were constrained in the original model to avoid structural deformation. The omitted C-terminal residues Asp69 and Ile70 of trimestatin were added at the end.
[0063]
FIG. 5 shows a detailed view of the amino acid residues interacting between αVβ3 and trimstatin by computer graphics, and FIG. 6 shows a schematic diagram thereof. The positions of the guanidine group of Arg49 and the carboxyl group of Asp51 in the RGD sequence are in good agreement with those positions of the cyclic pentapeptide ligand bound to αVβ3. Therefore, Arg49 forms a salt bridge with Asp150 and Asp218 of the propeller domain and a hydrogen bond with Thr212, and Asp51 forms Mn by MIDAS (metal ion dependent adhesion site) of the βA domain. 2+ Directly bound to. The central residue, Gly50, does not interact with αVβ3. However, the cyclic pentapeptide Gly residue has some hydrophobic interactions with αV. This difference clearly comes from the difference in the main-chain conformation. The remaining two residues of the cyclic pentapeptide are not facing αVβ3 and do not interact. However, in the case of the native trimestatin ligand, other binding sites were found in this model. 1) Phe52 adjacent to the RGD sequence has a hydrophobic action with Tyr178 of the propeller domain and Tyr166 of the β3 domain. The cyclic pentapeptide contains Phe at this position. However, the side chains point in different directions due to conformational constraints due to cyclization and D-amino acids (D-Phe). 2) Pro53 interacts with Asp179 and Asp214 in the β3 domain. 3) The guanidinium group of Arg66 forms a salt bridge to Asp148 of the propeller domain, and also forms a salt bridge to Asp150. 4) Trp67 interacts with Asp148 of the propeller domain and Tyr166 and Asp179 of the β3 domain. 5) The side chain of Asn68 is hydrogen-bonded to Thr116, Lys119, Glu121, and Asp148 of the propeller domain. 6) The main chain of Asp69 is hydrogen-bonded with Lys119 of the propeller domain.
[0064]
The above-described interacting residues are not visually and energetically stably bound as shown in the flow chart of FIG. 7 (but keep the binding to GPIIb / IIIa), and the chemical modification is performed. By doing so, a mutant of trimestatin can be designed to weaken the binding to αVβ3 to prevent side effects and to strongly bind to GPIIb / IIIa.
[0065]
[Sequence list]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a three-dimensional structure diagram showing the three-dimensional structure of trimestatin by a main chain ribbon diagram. The two C-terminal residues have been omitted. The RGD sequence is labeled and the side chains are shown in a ball and stick diagram. The six disulfide bonds are shown in a ball and stick diagram. The figure uses MOLSCRIPT (Kraulis, J., J. Appl. Crystallogr., 24, 946-950 (1993)) and RASTER3D (Meritt EA, et al., Methods Enzymol., 277, 505-524 (1997)). Created.
FIG. 2 is a schematic diagram of the structure of trimstatin.
FIG. 3 is a diagram illustrating a unit cell of a crystal of trimestatin.
FIG. 4 is a flowchart of a method for designing an integrin inhibitor.
FIG. 5 is an enlarged three-dimensional view of an interaction site. The interacting residues are shown in the labeled ball and stick diagram. The figure was created using MOLSCRIPT.
FIG. 6 is a diagram showing the interaction of amino acid residues between trimestatin and αVβIII by connecting lines.
FIG. 7 is a flowchart of a method for preventing trimstatin from binding to αVβ3 to prevent side effects.
Claims (10)
(2)請求項5に記載された3次元構造座標をモデルとして、分子置換法によって決定されたトリメスタチンの主要部分の主鎖及び、Cα炭素の位置との平均二乗偏差が2Å以下である3次元構造座標;及び
(3)請求項5に記載の3次元構造座標を示すモデルを初期モデルとして、分子設計手段により得られた、可能な限りエネルギー的に安定な構造を与える蛋白質または化合物の3次元構造座標;
から選択された全部または一部を格納しているコンピュータ用記憶媒体。(1) The method according to claim 5 for searching, designing, identifying, or evaluating a mutant of trimestatin or a compound having an integrin inhibitory activity, or for searching or identifying a receptor thereof. Dimensional structure coordinates;
(2) Using the three-dimensional structural coordinates described in claim 5 as a model, the mean square deviation between the main chain of the main part of trimestatin and the position of the Cα carbon determined by the molecular replacement method is 2 ° or less. And (3) a protein or compound obtained by molecular design means and giving a structure that is as energy-stable as possible, using the model showing the three-dimensional structure coordinates according to claim 5 as an initial model. Dimensional structure coordinates;
A storage medium for a computer that stores all or a part selected from.
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