JP2004215957A - 発射体の発射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】子どもであっても簡単に、筒型発射体を発射させることができる発射体の発射装置を提供する。
【解決手段】発射体の発射装置1は、装置本体30を有する。装置本体30には、案内軸2と、案内軸2に沿って摺動する摺動部材10と、摺動部材10に形成され、筒型飛行体100を嵌合して取り付ける嵌合部材11と、摺動部材10を一方に付勢する弾性部材6と、弾性部材6の弾性に抗して摺動部材10を他方向に移動させた位置で摺動部材10を係止する係止手段50と、係止手段50の係止を解除して、弾性部材6の弾性により摺動部材10を一方に移動させ、嵌合部材11に嵌合している筒型発射体100を一方向に発射させる解除手段60とが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】発射体の発射装置1は、装置本体30を有する。装置本体30には、案内軸2と、案内軸2に沿って摺動する摺動部材10と、摺動部材10に形成され、筒型飛行体100を嵌合して取り付ける嵌合部材11と、摺動部材10を一方に付勢する弾性部材6と、弾性部材6の弾性に抗して摺動部材10を他方向に移動させた位置で摺動部材10を係止する係止手段50と、係止手段50の係止を解除して、弾性部材6の弾性により摺動部材10を一方に移動させ、嵌合部材11に嵌合している筒型発射体100を一方向に発射させる解除手段60とが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、弾性部材の弾発力により発射体を発射する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の弾性部材の弾発力により発射体を発射する発射装置は、弾性部材を発射する方向と平行な方向に変形させ、弾発力を蓄積するものであった(例えば、特許文献1)。また、筒型発射体は、筒状に形成された本体を把持し、開口部を飛ばす方向に向けて、本体を回転させるようにして投げると、本体内に空気が流れるようにして飛行する(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭50−140593号公報
【特許文献2】
特開昭54−26144号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の発射装置は、飛行体に対して加えられる弾性部材の弾発力の方向は、発射される方向のみであり、発射体を回転させる方向に弾発力を加えることはできなかった。すなわち、例えば筒型発射体のように飛ばす方向に向けて、発射体を回転させるようにして投げなければ、所望する方向に飛ばすことが出来ない発射体を発射するには適していなかった。そのため経験とある程度の力が必要であり、子どもにとって飛ばすことは難しいという問題点があった。また、弾を弾性部材の弾発力により発射する発射装置はあったが、上記筒型発射体を発射する発射装置は存在しなかった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み発明されたものであって、弾性部材の弾発力によって発射体を発射する発射装置において、発射体に対し発射する方向と平行な方向のみならず、発射体を回転させる方向にも弾性部材の弾発力を加えることが可能な発射装置、特に筒型発射体を発射するのに適した発射装置を提供することを第1の目的とする。また、本願発明は、筒型発射体を弾性力の弾発力により発射する発射装置を提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発射体の発射装置は、上記第1の目的を達成するため、装置本体と、前記装置本体と弾性部材を介して連結された摺動部材であって、前記装置本体に対し移動することにより、前記発射体が発射される方向および前記発射体を回転させる方向に前記弾性部材に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材と、前記摺動部材に設けられ、前記発射体と嵌合し取付可能な嵌合部材とからなる。
【0007】
本願請求項2記載の発射体の発射装置は、上記第1の目的を達成するため、前記発射体が筒型形状である。
【0008】
本願請求項3記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、装置本体には、案内軸と、案内軸に沿って摺動する摺動部材と、摺動部材に形成され、筒型発射体を嵌合して取り付ける嵌合部材と、摺動部材を一方に付勢する弾性部材と、弾性部材の弾性に抗して摺動部材を他方向に移動させた位置で摺動部材を係止する係止手段と、係止手段の係止を解除して、弾性部材の弾性により摺動部材を一方に移動させ、嵌合部材に嵌合している筒型発射体を一方向に発射させる解除手段とが設けられている。
【0009】
本願請求項4記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記弾性部材は、コイルスプリング状に形成され、一端が摺動部材に係止され、他端が装置本体に係止され、弾性により摺動部材を回転させることができるようになっている。
【0010】
本願請求項5記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記装置本体には、係止手段により係止された摺動部材を弾性部材の弾性に抗して一方向のみ回転可能にする逆転防止手段が設けられている。
【0011】
本願請求項6記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記装置本体には、解除手段をロックして解除不能にするロック手段が設けられている。
【0012】
本願請求項7記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記嵌合部材の周囲には、筒型発射体の内側面に形成された第1の係合部に係合する第2の係合部が形成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本願発明に係る発射体の発射装置の実施の形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る発射体の発射装置の一つの実施の形態を示す全体斜視図である。図2は、図1の発射体の発射装置の分解斜視図である。図3は、図1の側面断面図である。図4は、図3の動きを説明する側面断面図である。図5は、図1の要部断面図である。図6は、発射体の一例である筒型発射体の斜視図である。
【0014】
発射体の発射装置1は、装置本体30と、前記装置本体30と弾性部材6を介して連結された摺動部材10であって、前記装置本体30に対し移動することにより、前記発射体100が発射される方向および前記発射体100を回転させる方向に前記弾性部材6に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材10と、前記摺動部材10に設けられ、前記発射体106と嵌合し取付可能な嵌合部材11とからなる。前記発射体100は、筒型形状であっても良い。
【0015】
発射体の発射装置1は、装置本体30を有する。装置本体30には、案内軸2と、案内軸2に沿って摺動自在であって、且つ、案内軸2の周囲を回転自在な摺動部材10と、摺動部材10に形成され、例えば筒型の発射体100を嵌合して取り付ける嵌合部材11と、摺動部材10を一方(発射体100を発射する方向)に付勢する弾性部材6と、弾性部材6の弾性に抗して摺動部材10を他方向に移動させた位置で摺動部材10を係止する係止手段50と、係止手段50の係止を解除して、弾性部材6の弾性により摺動部材10を一方に移動させ、嵌合部材11に嵌合している発射体100を一方向に発射させる解除手段60とが設けられている。
【0016】
上記弾性部材6は、コイルスプリング状に形成され、一端6aが摺動部材10に係止され、他端6bが装置本体30に係止されている。前記摺動部材10は、該弾性部材6の弾性により案内部材2の周囲を回転可能となっている。上記装置本体30には、係止手段50により係止された摺動部材10を弾性部材6の弾性に抗して案内軸2の円周方向の一方向のみ回転可能とし、他方向に回転不可能にする逆転防止手段80が設けられている。
【0017】
さらに、上記装置本体30には、解除手段60をロックして解除不能にするロック手段70が設けられている。また、上記嵌合部材11の周囲には、発射体100に形成された第1の係合部103(例えば、第1の係合部は筒型発射体の場合、その内側面101に形成される)に係合する第2の係合部12が形成されている。
【0018】
発射体の発射装置1の実施の形態について詳細に説明する。なお、発射体の一例として筒型発射体を用いるが、本発明における発射体の形状はこれに限定されるものではない。しかし、本発明に係る発射装置が、特に筒型発射体を発射するのに適していることは前述のとおりである。最初に案内軸2について説明する。案内軸2は、金属、硬質合成樹脂等によって、丸軸状に形成され、前部に透孔3が形成され、後部に等間隔で複数の取付孔5・・が形成されている。案内軸2には、摺動部材10が摺動自在に設けられ、さらにコイルスプリング状の弾性部材6が巻装されている。
【0019】
摺動部材10は、筒状に形成され、略中央部に円板状の嵌合部材11が設けられている。嵌合部材11の周縁には、略半円凹部状の第2の係合部12が等間隔で複数形成されている。また、摺動部材10の後部には、段部14を介して爪車13が形成されている。段部14が、後記係止手段50に係止される係止部を構成する。爪車13は、一方に傾斜面15、他方に垂直面16が形成された歯17が複数形成されている。摺動部材10は、弾性部材6の先部を嵌合する凹部19が形成され、凹部19の底部に、前記弾性部材6の一端6aを差し込む差込孔20が形成されている。
【0020】
案内軸2の先部には、筒状のストッパー部材21と、環状の緩衝部材25が設けられている。ストッパー部材21は、硬質合成樹脂、金属等によって形成され、ネジ通し穴22が設けられている。ストッパー部材21は、ネジ通し穴22及び透孔3にネジ23を挿通してねじ込むことにより、案内軸2に固定されている。緩衝部材25は、スポンジ、ゴム等の弾性素材によって形成され、摺動部材10の衝突を緩衝する。
【0021】
装置本体30は、ピストル形状に形成され、前記案内軸2を保持する保持部31と、保持部31を取り付ける握り部90とからなる。保持部31は、矩形体状に形成され、右枠32と、右枠32にネジ35等によって固定される左枠33とからなる。右枠32及び左枠33の後部は、内側に案内軸2を保持する保持凹部36,37が形成され、外側にネジ通し穴39,39、40,40が形成されている。一方の枠、例えば左枠33のネジ通し穴40,40には、雌ネジが形成されている。ネジ通し穴39と39の間の距離及びネジ通し穴40と40の間の距離は、案内軸2の取付孔5と5の間の距離と略同じとなっている。
【0022】
案内軸2は、ネジ41・・を右枠32のネジ通し穴39,39、案内軸2の取付孔5,5、左枠33のネジ通し穴40,40に差し込んでねじ込むことにより、保持部31に固定される。なお、案内軸2は、ネジ41・・を差し込む案内軸2の取付孔5,5の位置により、長さを調節し、弾性部材6に蓄積される弾力を調整することができる。
【0023】
装置本体30には、係止手段50及び係止手段50の係止を解除する解除手段60が設けられている。係止手段50は、矩形軸状に形成された係止杆51と、係止杆51の前部上面に形成された係止突起52と、係止杆51の後部上面に形成された軸受け片53とからなる。軸受け片53は、矩形体状に形成され、前記案内軸2を案内する案内孔55が形成され、案内孔55の周縁一側に前記弾性部材6の他端6bを係止する係止溝56が形成されている。なお、弾性部材6の他端6bは、装置本体30の一側、例えば、保持部31の右枠32又は左枠33、案内軸2の後端等に係止されても構わない。軸受け片53は、右枠32に形成された開口45と左枠33に形成された開口46から突出している。また、係止杆51の略中央には、軸受け孔57が形成されている。
【0024】
解除手段60は、略コ字状に形成された揺動部材61と、揺動部材61の下部に設けられた指掛け片62と、揺動部材61の後端に設けられた係合突起63とからなる。揺動部材61は、一対のアーム65,65を有し、前部に軸受け孔66,66が形成されている。前記係止杆51は、一対のアーム65,65間に取り付けられる。
【0025】
係止手段50及び解除手段60は、係止杆51の軸受け孔57及び一対のアーム65,65の軸受け孔66,66に支軸67を差し込んで、回動自在に連結され、さらに支軸67の両側が右枠32の取付孔42及び左枠33の取付孔43に回動自在に取り付けられ、保持部31に対して回動可能となっている。係止手段50は、これの軸受け片53が解除手段60のアーム65,65に載った形で係合している。
【0026】
解除手段60の指掛け片62は、指を引っ掛けやすくするため湾曲しており、ピストルの引き金状になっている。解除手段60の揺動部材61は、前記保持凹部36,37の下部に形成された段部47と揺動部材61間に介装されたバネ状の弾性部材69によって下方に付勢されている。
【0027】
保持部31の後部には、ロック手段70が設けられている。ロック手段70は、胴部71と、胴部71の上部に設けられた押し下げ片72と、胴部71の下部に形成された突出片73とからなる。胴部71は、前面に前記解除手段60の係合突起63を係合する係合凹部75が形成され、さらに軸受け孔76が形成されている。突出片73には、コイルスプリング状の弾性部材77の一端78を引っ掛ける引っ掛け孔79が形成されている。
【0028】
ロック手段70は、右枠32の取付孔48及び左枠33の取付枠49に取り付けられる支軸58を軸受け孔76に挿通して回動自在に取り付けられ、且つ弾性部材77によって下方に付勢されている。弾性部材77の他端59は、後記握り部90に固定された固定軸94に係止されている。
【0029】
保持部31の先部には、前記摺動部材10の爪車13を遊嵌する凹部85が形成されている。凹部85は、右枠32の先部に形成された略コ字状の切り欠き86と、左枠33の先部に形成された略コ字状の切り欠き87とが重ね合わされて形成されている。
【0030】
又、保持部31の先部には、逆転防止手段80が設けられている。逆転防止手段80は、合成樹脂素材等の弾性素材によって形成され、可撓杆81と、可撓杆81の先部に形成された爪部82と、可撓杆81の後部に形成された固定部83とからなり、爪部82が凹部85に突出し前記爪車13と係合するように、固定部83が右枠31(又は左枠33)に固定されている。固定は、接着剤、ネジ等によって行われる。
【0031】
又、保持部31の先部には、凹部86を挟んで両側に、ガイド部材88,88がネジ35によって取り付けられている。ガイド部材88,88は、後記発射体100の内側面101を支持して発射体100を安定して案内するためのものであり、特に素材に限定されるものではないが、スポンジ、合成ゴム、軟質合成樹脂素材等の弾性素材によって形成されている。
【0032】
保持部31は、握り部90に取り付けられている。握り部90は、右半体91と、左半体92とからなり、右半体91と左半体92が接合され、ネジ93によって一体的に組み立てられる。保持部31は、右半体91の上端及び左半体92の上端に載置され、右半体91の上端壁95と左半体92の上端壁96に挟まれ、上端壁95及び上端壁96に形成された透孔97,98に挿通するネジ99・・によって固定して取り付けられている。
【0033】
発射体100は、筒型形状にプラスチック、紙、金属板等によって形成され、前端周縁が均等に若干重たくなるように、錘部材が設けられている。内周面101略中間部には、前記摺動部材10の嵌合部材11に係合する係合段部102が形成されている。この係合段部102には、嵌合部材11の略半円凹部状の第2の係合部12に係合する突起状の第1の係合部103が等間隔で複数形成されている。
【0034】
発射装置1は、上記構成を有し、発射体100を摺動部材10の嵌合部材11に、係合段部102が嵌合部材11に当接するまで嵌挿する。発射体100は、これの第1の係合部103が嵌合部材11の第2の係合部12と係合し、摺動部材10に回動不能に取り付けられる。摺動部材10を弾性部材6の弾性に抗して後方に押し込むと弾性部材6に発射体100が発射される方向の弾力が蓄積され、摺動部材10の係止部14が係止手段50の係止突起52に係止されることにより(図3参照)、摺動部材10は弾性部材6によって発射される方向に付勢された状態で固定される。発射体100は、内周面101が保持部31の先部に取り付けられたガイド部材88,88によって支持され、安定して案内される。
【0035】
発射体100を、弾性部材6の弾性に抗して案内軸2の円周方向の一方向に回転させ、弾性部材6に捩り方向の弾性を蓄える。発射体100は、他方向に回転させようとしても、逆転防止手段80の爪部82が爪車13の垂直面16に引っ掛かり、回転不能であるが、一方向に回転させる場合は、逆転防止手段80の爪部82が爪車13の傾斜面15によって歯17を乗り越えるので、回転させることができる。
【0036】解除手段60の指掛け片62に指を掛け、弾性部材69の弾性に抗して指掛け片62を引くと、支軸67を中心として揺動部材61が上方(反時計方向)に回動しようとするが、係合突起63がロック手段70の係合凹部75に係合してロックされているため、回動できず、指掛け片62を引くことができない。即ち、解除手段60は、ロック手段70によって解除不能にロックされている。
【0037】
ロック手段70の押し下げ片72を弾性部材77の弾性に抗して押し下げると、ロック手段70は、支軸58を中心として回動し、係合突起63がロック手段70の係合凹部75から外れてロックが解除されるため、解除手段60が回動可能となり、解除手段60の指掛け片62に指を掛け、弾性部材69の弾性に抗して指掛け片62を引くと、支軸67を中心として揺動部材61が上方(反時計方向)に回動する。
【0038】
揺動部材61が上方(反時計方向)に回動すると、係止手段51の一側に係合して、即ち、軸受け片53を押し上げ、係止手段51は、支軸67を中心として反時計方向に回動し、係止突起52が摺動部材61の係止部14から外れる。摺動部材10は、図4に示すように、弾性部材6に蓄積された捩り方向の弾力により、他方に回転するとともに、弾性部材6に蓄積された発射体100を発射する方向の弾力により押し出され、緩衝部材25に圧接する。
【0039】
摺動部材6に取り付けられた発射体100は、摺動部材6とともに案内軸2の周囲を回転しながら案内軸2に沿って押し出され、摺動部材6が緩衝部材25に圧接したとき、発射体100に働く慣性力により、第1の係合部103と第2の係合部12との係合が外れて案内軸2から発射させられ、回転しながら飛行する。従って、回転しないで発射される場合に比べ、飛行距離が長くなっており、しかも変化せず真っ直ぐに飛ばすことができる。
【0040】
解除手段60の指掛け片62から指を外すと、弾性部材69の弾性により、指掛け部材73は元の位置に復帰し、同じく、ロック手段70の押し下げ片72の押し下げを解除すると、ロック手段70が元の位置に復帰し、解除手段60をロックする。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願請求項1に係る発射体の発射装置は、装置本体と、前記装置本体と弾性部材を介して連結された摺動部材であって、前記装置本体に対し移動することにより、前記発射体が発射される方向および前記発射体を回転させる方向に前記弾性部材に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材と、前記摺動部材に設けられ、前記発射体と嵌合し取付可能な嵌合部材とからなるので、発射体を弾性部材の弾発力によって発射体を発射する発射装置において、発射体に対し発射する方向と平行な方向のみならず、発射体を回転させる方向にも弾性部材の弾発力を加えることが可能であるという効果がある。
【0042】
本願請求項2に係る発射体の発射装置は、前記発射体が筒型形状であるので、筒型発射体を自動的に発射させることができ、経験とある程度の力が不要なので、子どもであっても簡単に、筒型発射体を発射することができるという効果がある。
【0043】
本願請求項3に係る発射体の発射装置は、装置本体に、案内軸と、案内軸に沿って摺動する摺動部材と、摺動部材に形成され、筒型発射体を嵌合して取り付ける嵌合部材と、摺動部材を一方に付勢する弾性部材と、弾性部材の弾性に抗して摺動部材を他方向に移動させた位置で摺動部材を係止する係止手段と、係止手段の係止を解除して、弾性部材の弾性により摺動部材を一方に移動させ、嵌合部材に嵌合している筒型発射体を一方向に発射させる解除手段とが設けられているので、筒型発射体を自動的に発射させることができ、経験とある程度の力が不要なので、子どもであっても簡単に、筒型発射体を発射して飛行させることができるという効果がある。
【0044】
本願請求項4に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記弾性部材が、コイルスプリング状に形成され、一端が摺動部材に係止され、他端が装置本体に係止され、弾性により摺動部材を回転させることができるようになっているので、筒型発射体を回転させて飛行させることができ、所望する方向に真っ直ぐに飛ばすことができるという効果がある。
【0045】
本願請求項5に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記装置本体には、係止手段により係止された摺動部材を弾性部材の弾性に抗して一方向のみ回転可能にする逆転防止手段が設けられているので、筒型発射体の回転速度を自由に調節することができるという効果がある。
【0046】
本願請求項6に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記装置本体には、解除手段をロックして解除不能にするロック手段が設けられているので、筒型発射体を不用意に発射してしまう虞がないという効果がある。
【0047】
本願請求項7に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記嵌合部材の周囲に、筒型発射体の内側面に形成された第1の係合部に係合する第2の係合部が形成されているこので、摺動部材の回転を損失することなく筒型発射体に伝えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る発射体の発射装置の一つの実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の発射体の発射装置の分解斜視図である。
【図3】図1の側面断面図である。
【図4】図3の動きを説明する側面断面図である。
【図5】図1の要部断面図である。
【図6】発射体の一例である筒型発射体の斜視図である。
【符号の説明】
1 発射体の発射装置
2 案内軸
3 透孔
5 取付孔
6 弾性部材
6a 一端
6b 他端
10 摺動部材
11 嵌合部材
12 第2の係合部
13 爪車
14 係止部(段部)
15 傾斜面
16 垂直面
17 歯
19 凹部
20 差込孔
21 ストッパー部材
22 ネジ通し穴
23 ネジ
25 緩衝部材
30 装置本体
31 保持部
32 右枠
33 左枠
35 ネジ
36 保持凹部
37 保持凹部
39 ネジ通し穴
40 ネジ通し穴
41 ネジ
42 取付孔
43 取付孔
45 開口
46 開口
47 段部
48 取付孔
49 取付枠
50 係止手段
51 係止杆
52 係止突起
53 軸受け片
55 案内孔
56 係止溝
57 軸受け孔
58 支軸
59 他端
60 解除手段
61 揺動部材
62 指掛け片
63 係合突起
65 アーム
66 軸受け孔
67 支軸
69 弾性部材
70 ロック手段
71 胴部
72 押し下げ片
73 突出片
75 係合凹部
76 軸受け孔
77 弾性部材
78 一端
79 引っ掛け孔
80 逆転防止手段
81 可撓杆
82 爪部
83 固定部
85 凹部
86 切り欠き
87 切り欠き
88 ガイド部材
90 握り部
91 右半体
92 左半体
93 ネジ
94 固定軸
95 上端壁
96 上端壁
97 透孔
98 透孔
99 ネジ
100 発射体(筒型発射体)
101 内周面
102 係合段部
103 第1の係合部
【発明の属する技術分野】
本願発明は、弾性部材の弾発力により発射体を発射する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の弾性部材の弾発力により発射体を発射する発射装置は、弾性部材を発射する方向と平行な方向に変形させ、弾発力を蓄積するものであった(例えば、特許文献1)。また、筒型発射体は、筒状に形成された本体を把持し、開口部を飛ばす方向に向けて、本体を回転させるようにして投げると、本体内に空気が流れるようにして飛行する(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭50−140593号公報
【特許文献2】
特開昭54−26144号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の発射装置は、飛行体に対して加えられる弾性部材の弾発力の方向は、発射される方向のみであり、発射体を回転させる方向に弾発力を加えることはできなかった。すなわち、例えば筒型発射体のように飛ばす方向に向けて、発射体を回転させるようにして投げなければ、所望する方向に飛ばすことが出来ない発射体を発射するには適していなかった。そのため経験とある程度の力が必要であり、子どもにとって飛ばすことは難しいという問題点があった。また、弾を弾性部材の弾発力により発射する発射装置はあったが、上記筒型発射体を発射する発射装置は存在しなかった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み発明されたものであって、弾性部材の弾発力によって発射体を発射する発射装置において、発射体に対し発射する方向と平行な方向のみならず、発射体を回転させる方向にも弾性部材の弾発力を加えることが可能な発射装置、特に筒型発射体を発射するのに適した発射装置を提供することを第1の目的とする。また、本願発明は、筒型発射体を弾性力の弾発力により発射する発射装置を提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発射体の発射装置は、上記第1の目的を達成するため、装置本体と、前記装置本体と弾性部材を介して連結された摺動部材であって、前記装置本体に対し移動することにより、前記発射体が発射される方向および前記発射体を回転させる方向に前記弾性部材に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材と、前記摺動部材に設けられ、前記発射体と嵌合し取付可能な嵌合部材とからなる。
【0007】
本願請求項2記載の発射体の発射装置は、上記第1の目的を達成するため、前記発射体が筒型形状である。
【0008】
本願請求項3記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、装置本体には、案内軸と、案内軸に沿って摺動する摺動部材と、摺動部材に形成され、筒型発射体を嵌合して取り付ける嵌合部材と、摺動部材を一方に付勢する弾性部材と、弾性部材の弾性に抗して摺動部材を他方向に移動させた位置で摺動部材を係止する係止手段と、係止手段の係止を解除して、弾性部材の弾性により摺動部材を一方に移動させ、嵌合部材に嵌合している筒型発射体を一方向に発射させる解除手段とが設けられている。
【0009】
本願請求項4記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記弾性部材は、コイルスプリング状に形成され、一端が摺動部材に係止され、他端が装置本体に係止され、弾性により摺動部材を回転させることができるようになっている。
【0010】
本願請求項5記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記装置本体には、係止手段により係止された摺動部材を弾性部材の弾性に抗して一方向のみ回転可能にする逆転防止手段が設けられている。
【0011】
本願請求項6記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記装置本体には、解除手段をロックして解除不能にするロック手段が設けられている。
【0012】
本願請求項7記載の発射体の発射装置は、上記第2の目的を達成するため、前記嵌合部材の周囲には、筒型発射体の内側面に形成された第1の係合部に係合する第2の係合部が形成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本願発明に係る発射体の発射装置の実施の形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る発射体の発射装置の一つの実施の形態を示す全体斜視図である。図2は、図1の発射体の発射装置の分解斜視図である。図3は、図1の側面断面図である。図4は、図3の動きを説明する側面断面図である。図5は、図1の要部断面図である。図6は、発射体の一例である筒型発射体の斜視図である。
【0014】
発射体の発射装置1は、装置本体30と、前記装置本体30と弾性部材6を介して連結された摺動部材10であって、前記装置本体30に対し移動することにより、前記発射体100が発射される方向および前記発射体100を回転させる方向に前記弾性部材6に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材10と、前記摺動部材10に設けられ、前記発射体106と嵌合し取付可能な嵌合部材11とからなる。前記発射体100は、筒型形状であっても良い。
【0015】
発射体の発射装置1は、装置本体30を有する。装置本体30には、案内軸2と、案内軸2に沿って摺動自在であって、且つ、案内軸2の周囲を回転自在な摺動部材10と、摺動部材10に形成され、例えば筒型の発射体100を嵌合して取り付ける嵌合部材11と、摺動部材10を一方(発射体100を発射する方向)に付勢する弾性部材6と、弾性部材6の弾性に抗して摺動部材10を他方向に移動させた位置で摺動部材10を係止する係止手段50と、係止手段50の係止を解除して、弾性部材6の弾性により摺動部材10を一方に移動させ、嵌合部材11に嵌合している発射体100を一方向に発射させる解除手段60とが設けられている。
【0016】
上記弾性部材6は、コイルスプリング状に形成され、一端6aが摺動部材10に係止され、他端6bが装置本体30に係止されている。前記摺動部材10は、該弾性部材6の弾性により案内部材2の周囲を回転可能となっている。上記装置本体30には、係止手段50により係止された摺動部材10を弾性部材6の弾性に抗して案内軸2の円周方向の一方向のみ回転可能とし、他方向に回転不可能にする逆転防止手段80が設けられている。
【0017】
さらに、上記装置本体30には、解除手段60をロックして解除不能にするロック手段70が設けられている。また、上記嵌合部材11の周囲には、発射体100に形成された第1の係合部103(例えば、第1の係合部は筒型発射体の場合、その内側面101に形成される)に係合する第2の係合部12が形成されている。
【0018】
発射体の発射装置1の実施の形態について詳細に説明する。なお、発射体の一例として筒型発射体を用いるが、本発明における発射体の形状はこれに限定されるものではない。しかし、本発明に係る発射装置が、特に筒型発射体を発射するのに適していることは前述のとおりである。最初に案内軸2について説明する。案内軸2は、金属、硬質合成樹脂等によって、丸軸状に形成され、前部に透孔3が形成され、後部に等間隔で複数の取付孔5・・が形成されている。案内軸2には、摺動部材10が摺動自在に設けられ、さらにコイルスプリング状の弾性部材6が巻装されている。
【0019】
摺動部材10は、筒状に形成され、略中央部に円板状の嵌合部材11が設けられている。嵌合部材11の周縁には、略半円凹部状の第2の係合部12が等間隔で複数形成されている。また、摺動部材10の後部には、段部14を介して爪車13が形成されている。段部14が、後記係止手段50に係止される係止部を構成する。爪車13は、一方に傾斜面15、他方に垂直面16が形成された歯17が複数形成されている。摺動部材10は、弾性部材6の先部を嵌合する凹部19が形成され、凹部19の底部に、前記弾性部材6の一端6aを差し込む差込孔20が形成されている。
【0020】
案内軸2の先部には、筒状のストッパー部材21と、環状の緩衝部材25が設けられている。ストッパー部材21は、硬質合成樹脂、金属等によって形成され、ネジ通し穴22が設けられている。ストッパー部材21は、ネジ通し穴22及び透孔3にネジ23を挿通してねじ込むことにより、案内軸2に固定されている。緩衝部材25は、スポンジ、ゴム等の弾性素材によって形成され、摺動部材10の衝突を緩衝する。
【0021】
装置本体30は、ピストル形状に形成され、前記案内軸2を保持する保持部31と、保持部31を取り付ける握り部90とからなる。保持部31は、矩形体状に形成され、右枠32と、右枠32にネジ35等によって固定される左枠33とからなる。右枠32及び左枠33の後部は、内側に案内軸2を保持する保持凹部36,37が形成され、外側にネジ通し穴39,39、40,40が形成されている。一方の枠、例えば左枠33のネジ通し穴40,40には、雌ネジが形成されている。ネジ通し穴39と39の間の距離及びネジ通し穴40と40の間の距離は、案内軸2の取付孔5と5の間の距離と略同じとなっている。
【0022】
案内軸2は、ネジ41・・を右枠32のネジ通し穴39,39、案内軸2の取付孔5,5、左枠33のネジ通し穴40,40に差し込んでねじ込むことにより、保持部31に固定される。なお、案内軸2は、ネジ41・・を差し込む案内軸2の取付孔5,5の位置により、長さを調節し、弾性部材6に蓄積される弾力を調整することができる。
【0023】
装置本体30には、係止手段50及び係止手段50の係止を解除する解除手段60が設けられている。係止手段50は、矩形軸状に形成された係止杆51と、係止杆51の前部上面に形成された係止突起52と、係止杆51の後部上面に形成された軸受け片53とからなる。軸受け片53は、矩形体状に形成され、前記案内軸2を案内する案内孔55が形成され、案内孔55の周縁一側に前記弾性部材6の他端6bを係止する係止溝56が形成されている。なお、弾性部材6の他端6bは、装置本体30の一側、例えば、保持部31の右枠32又は左枠33、案内軸2の後端等に係止されても構わない。軸受け片53は、右枠32に形成された開口45と左枠33に形成された開口46から突出している。また、係止杆51の略中央には、軸受け孔57が形成されている。
【0024】
解除手段60は、略コ字状に形成された揺動部材61と、揺動部材61の下部に設けられた指掛け片62と、揺動部材61の後端に設けられた係合突起63とからなる。揺動部材61は、一対のアーム65,65を有し、前部に軸受け孔66,66が形成されている。前記係止杆51は、一対のアーム65,65間に取り付けられる。
【0025】
係止手段50及び解除手段60は、係止杆51の軸受け孔57及び一対のアーム65,65の軸受け孔66,66に支軸67を差し込んで、回動自在に連結され、さらに支軸67の両側が右枠32の取付孔42及び左枠33の取付孔43に回動自在に取り付けられ、保持部31に対して回動可能となっている。係止手段50は、これの軸受け片53が解除手段60のアーム65,65に載った形で係合している。
【0026】
解除手段60の指掛け片62は、指を引っ掛けやすくするため湾曲しており、ピストルの引き金状になっている。解除手段60の揺動部材61は、前記保持凹部36,37の下部に形成された段部47と揺動部材61間に介装されたバネ状の弾性部材69によって下方に付勢されている。
【0027】
保持部31の後部には、ロック手段70が設けられている。ロック手段70は、胴部71と、胴部71の上部に設けられた押し下げ片72と、胴部71の下部に形成された突出片73とからなる。胴部71は、前面に前記解除手段60の係合突起63を係合する係合凹部75が形成され、さらに軸受け孔76が形成されている。突出片73には、コイルスプリング状の弾性部材77の一端78を引っ掛ける引っ掛け孔79が形成されている。
【0028】
ロック手段70は、右枠32の取付孔48及び左枠33の取付枠49に取り付けられる支軸58を軸受け孔76に挿通して回動自在に取り付けられ、且つ弾性部材77によって下方に付勢されている。弾性部材77の他端59は、後記握り部90に固定された固定軸94に係止されている。
【0029】
保持部31の先部には、前記摺動部材10の爪車13を遊嵌する凹部85が形成されている。凹部85は、右枠32の先部に形成された略コ字状の切り欠き86と、左枠33の先部に形成された略コ字状の切り欠き87とが重ね合わされて形成されている。
【0030】
又、保持部31の先部には、逆転防止手段80が設けられている。逆転防止手段80は、合成樹脂素材等の弾性素材によって形成され、可撓杆81と、可撓杆81の先部に形成された爪部82と、可撓杆81の後部に形成された固定部83とからなり、爪部82が凹部85に突出し前記爪車13と係合するように、固定部83が右枠31(又は左枠33)に固定されている。固定は、接着剤、ネジ等によって行われる。
【0031】
又、保持部31の先部には、凹部86を挟んで両側に、ガイド部材88,88がネジ35によって取り付けられている。ガイド部材88,88は、後記発射体100の内側面101を支持して発射体100を安定して案内するためのものであり、特に素材に限定されるものではないが、スポンジ、合成ゴム、軟質合成樹脂素材等の弾性素材によって形成されている。
【0032】
保持部31は、握り部90に取り付けられている。握り部90は、右半体91と、左半体92とからなり、右半体91と左半体92が接合され、ネジ93によって一体的に組み立てられる。保持部31は、右半体91の上端及び左半体92の上端に載置され、右半体91の上端壁95と左半体92の上端壁96に挟まれ、上端壁95及び上端壁96に形成された透孔97,98に挿通するネジ99・・によって固定して取り付けられている。
【0033】
発射体100は、筒型形状にプラスチック、紙、金属板等によって形成され、前端周縁が均等に若干重たくなるように、錘部材が設けられている。内周面101略中間部には、前記摺動部材10の嵌合部材11に係合する係合段部102が形成されている。この係合段部102には、嵌合部材11の略半円凹部状の第2の係合部12に係合する突起状の第1の係合部103が等間隔で複数形成されている。
【0034】
発射装置1は、上記構成を有し、発射体100を摺動部材10の嵌合部材11に、係合段部102が嵌合部材11に当接するまで嵌挿する。発射体100は、これの第1の係合部103が嵌合部材11の第2の係合部12と係合し、摺動部材10に回動不能に取り付けられる。摺動部材10を弾性部材6の弾性に抗して後方に押し込むと弾性部材6に発射体100が発射される方向の弾力が蓄積され、摺動部材10の係止部14が係止手段50の係止突起52に係止されることにより(図3参照)、摺動部材10は弾性部材6によって発射される方向に付勢された状態で固定される。発射体100は、内周面101が保持部31の先部に取り付けられたガイド部材88,88によって支持され、安定して案内される。
【0035】
発射体100を、弾性部材6の弾性に抗して案内軸2の円周方向の一方向に回転させ、弾性部材6に捩り方向の弾性を蓄える。発射体100は、他方向に回転させようとしても、逆転防止手段80の爪部82が爪車13の垂直面16に引っ掛かり、回転不能であるが、一方向に回転させる場合は、逆転防止手段80の爪部82が爪車13の傾斜面15によって歯17を乗り越えるので、回転させることができる。
【0036】解除手段60の指掛け片62に指を掛け、弾性部材69の弾性に抗して指掛け片62を引くと、支軸67を中心として揺動部材61が上方(反時計方向)に回動しようとするが、係合突起63がロック手段70の係合凹部75に係合してロックされているため、回動できず、指掛け片62を引くことができない。即ち、解除手段60は、ロック手段70によって解除不能にロックされている。
【0037】
ロック手段70の押し下げ片72を弾性部材77の弾性に抗して押し下げると、ロック手段70は、支軸58を中心として回動し、係合突起63がロック手段70の係合凹部75から外れてロックが解除されるため、解除手段60が回動可能となり、解除手段60の指掛け片62に指を掛け、弾性部材69の弾性に抗して指掛け片62を引くと、支軸67を中心として揺動部材61が上方(反時計方向)に回動する。
【0038】
揺動部材61が上方(反時計方向)に回動すると、係止手段51の一側に係合して、即ち、軸受け片53を押し上げ、係止手段51は、支軸67を中心として反時計方向に回動し、係止突起52が摺動部材61の係止部14から外れる。摺動部材10は、図4に示すように、弾性部材6に蓄積された捩り方向の弾力により、他方に回転するとともに、弾性部材6に蓄積された発射体100を発射する方向の弾力により押し出され、緩衝部材25に圧接する。
【0039】
摺動部材6に取り付けられた発射体100は、摺動部材6とともに案内軸2の周囲を回転しながら案内軸2に沿って押し出され、摺動部材6が緩衝部材25に圧接したとき、発射体100に働く慣性力により、第1の係合部103と第2の係合部12との係合が外れて案内軸2から発射させられ、回転しながら飛行する。従って、回転しないで発射される場合に比べ、飛行距離が長くなっており、しかも変化せず真っ直ぐに飛ばすことができる。
【0040】
解除手段60の指掛け片62から指を外すと、弾性部材69の弾性により、指掛け部材73は元の位置に復帰し、同じく、ロック手段70の押し下げ片72の押し下げを解除すると、ロック手段70が元の位置に復帰し、解除手段60をロックする。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願請求項1に係る発射体の発射装置は、装置本体と、前記装置本体と弾性部材を介して連結された摺動部材であって、前記装置本体に対し移動することにより、前記発射体が発射される方向および前記発射体を回転させる方向に前記弾性部材に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材と、前記摺動部材に設けられ、前記発射体と嵌合し取付可能な嵌合部材とからなるので、発射体を弾性部材の弾発力によって発射体を発射する発射装置において、発射体に対し発射する方向と平行な方向のみならず、発射体を回転させる方向にも弾性部材の弾発力を加えることが可能であるという効果がある。
【0042】
本願請求項2に係る発射体の発射装置は、前記発射体が筒型形状であるので、筒型発射体を自動的に発射させることができ、経験とある程度の力が不要なので、子どもであっても簡単に、筒型発射体を発射することができるという効果がある。
【0043】
本願請求項3に係る発射体の発射装置は、装置本体に、案内軸と、案内軸に沿って摺動する摺動部材と、摺動部材に形成され、筒型発射体を嵌合して取り付ける嵌合部材と、摺動部材を一方に付勢する弾性部材と、弾性部材の弾性に抗して摺動部材を他方向に移動させた位置で摺動部材を係止する係止手段と、係止手段の係止を解除して、弾性部材の弾性により摺動部材を一方に移動させ、嵌合部材に嵌合している筒型発射体を一方向に発射させる解除手段とが設けられているので、筒型発射体を自動的に発射させることができ、経験とある程度の力が不要なので、子どもであっても簡単に、筒型発射体を発射して飛行させることができるという効果がある。
【0044】
本願請求項4に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記弾性部材が、コイルスプリング状に形成され、一端が摺動部材に係止され、他端が装置本体に係止され、弾性により摺動部材を回転させることができるようになっているので、筒型発射体を回転させて飛行させることができ、所望する方向に真っ直ぐに飛ばすことができるという効果がある。
【0045】
本願請求項5に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記装置本体には、係止手段により係止された摺動部材を弾性部材の弾性に抗して一方向のみ回転可能にする逆転防止手段が設けられているので、筒型発射体の回転速度を自由に調節することができるという効果がある。
【0046】
本願請求項6に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記装置本体には、解除手段をロックして解除不能にするロック手段が設けられているので、筒型発射体を不用意に発射してしまう虞がないという効果がある。
【0047】
本願請求項7に係る発射体の発射装置は、上記効果に加え、上記嵌合部材の周囲に、筒型発射体の内側面に形成された第1の係合部に係合する第2の係合部が形成されているこので、摺動部材の回転を損失することなく筒型発射体に伝えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る発射体の発射装置の一つの実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の発射体の発射装置の分解斜視図である。
【図3】図1の側面断面図である。
【図4】図3の動きを説明する側面断面図である。
【図5】図1の要部断面図である。
【図6】発射体の一例である筒型発射体の斜視図である。
【符号の説明】
1 発射体の発射装置
2 案内軸
3 透孔
5 取付孔
6 弾性部材
6a 一端
6b 他端
10 摺動部材
11 嵌合部材
12 第2の係合部
13 爪車
14 係止部(段部)
15 傾斜面
16 垂直面
17 歯
19 凹部
20 差込孔
21 ストッパー部材
22 ネジ通し穴
23 ネジ
25 緩衝部材
30 装置本体
31 保持部
32 右枠
33 左枠
35 ネジ
36 保持凹部
37 保持凹部
39 ネジ通し穴
40 ネジ通し穴
41 ネジ
42 取付孔
43 取付孔
45 開口
46 開口
47 段部
48 取付孔
49 取付枠
50 係止手段
51 係止杆
52 係止突起
53 軸受け片
55 案内孔
56 係止溝
57 軸受け孔
58 支軸
59 他端
60 解除手段
61 揺動部材
62 指掛け片
63 係合突起
65 アーム
66 軸受け孔
67 支軸
69 弾性部材
70 ロック手段
71 胴部
72 押し下げ片
73 突出片
75 係合凹部
76 軸受け孔
77 弾性部材
78 一端
79 引っ掛け孔
80 逆転防止手段
81 可撓杆
82 爪部
83 固定部
85 凹部
86 切り欠き
87 切り欠き
88 ガイド部材
90 握り部
91 右半体
92 左半体
93 ネジ
94 固定軸
95 上端壁
96 上端壁
97 透孔
98 透孔
99 ネジ
100 発射体(筒型発射体)
101 内周面
102 係合段部
103 第1の係合部
Claims (7)
- 発射体の発射装置であって、装置本体と、前記装置本体と弾性部材を介して連結された摺動部材であって、前記装置本体に対し移動することにより、前記発射体が発射される方向および前記発射体を回転させる方向に前記弾性部材に弾性力を蓄積可能な前記摺動部材と、前記摺動部材に設けられ、前記発射体と嵌合し取付可能な嵌合部材とからなることを特徴とする発射体の発射装置。
- 前記発射体が筒型形状であることを特徴とする請求項1記載の発射体の発射装置。
- 装置本体には、案内軸と、案内軸に沿って摺動する摺動部材と、摺動部材に形成され、筒型発射体を嵌合して取り付ける嵌合部材と、摺動部材を一方に付勢する弾性部材と、弾性部材の弾性に抗して摺動部材を他方向に移動させた位置で摺動部材を係止する係止手段と、係止手段の係止を解除して、弾性部材の弾性により摺動部材を一方に移動させ、嵌合部材に嵌合している筒型発射体を一方向に発射させる解除手段とが設けられていることを特徴とする発射体の発射装置。
- 弾性部材は、コイルスプリング状に形成され、一端が摺動部材に係止され、他端が装置本体に係止され、弾性により摺動部材を回転させることができるようになっていることを特徴とする請求項3記載の発射体の発射装置。
- 装置本体には、係止手段により係止された摺動部材を弾性部材の弾性に抗して一方向のみ回転可能にする逆転防止手段が設けられていることを特徴とする請求項4記載の発射体の発射装置。
- 装置本体には、解除手段をロックして解除不能にするロック手段が設けられていること特徴とする請求項3、4又は5記載の発射体の発射装置。
- 嵌合部材の周囲には、筒型発射体の内側面に形成された第1の係合部に係合する第2の係合部が形成されていること特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の発射体の発射装置。
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JP (1) | JP2004215957A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006035089A1 (es) * | 2004-09-15 | 2006-04-06 | Garcia Calvo Benigno | Dispositivo para accionar extintores contra incendios |
KR200453292Y1 (ko) * | 2010-12-09 | 2011-04-20 | 정병욱 | 수평비행 놀이기구 장치 |
CN103893976A (zh) * | 2012-12-25 | 2014-07-02 | 何思妮 | 弹射飞碟专用弹射器 |
CN106914022A (zh) * | 2015-12-28 | 2017-07-04 | 何思妮 | 新型弹射飞碟专用弹射器 |
-
2003
- 2003-01-16 JP JP2003008261A patent/JP2004215957A/ja active Pending
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20051003 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060220 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |