JP2004212284A - Gas concentration detector - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検出ガス中の特定成分のガス濃度を検出するガス濃度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のガス濃度検出装置として、限界電流式のガス濃度センサを用い、例えば車両用エンジンから排出される排ガス中のNOx(窒素酸化物)を検出するものがある。ガス濃度センサは、例えばポンプセル、センサセル及びモニタセルよりなるセンサ素子を有し、ポンプセルではチャンバに導入した排ガス中の酸素の排出又は汲み込みが行われ同時に排ガス中の酸素濃度検出が行われる。また、センサセルではポンプセルを通過した後のガスからNOx濃度(特定成分のガス濃度)が検出され、モニタセルではポンプセル通過後のチャンバ内の残留酸素濃度が検出される。
【0003】
上記ガス濃度センサでは、センサ素子が所定の活性状態にあることを前提に酸素濃度やNOx濃度が正常に検出される。そのため一般には、センサ素子の近傍にヒータを設け、このヒータの発熱によりセンサ素子を加熱して素子活性状態を保持するようにしている。例えば、センサ素子の抵抗値を検出し、その素子抵抗値が活性温度相当の目標値になるようヒータを断続的に通電するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
より具体的に説明すると、ガス濃度センサ(いわゆるNOxセンサ)では、センサセルのNOx活性電極において排ガス中のNOxが分解され、その際発生する酸素イオンが当該センサセル内を流れる。このとき、センサセル内を流れる電流を計測することによりNOx濃度が検出される。センサセル電流はnA(ナノアンペア)オーダの微小電流であり、センシング回路内の高抵抗(例えば1.5MΩ)の電流検出抵抗を通じてその微小電流が計測されるようになっている。一方、ヒータはヒータ駆動回路により断続的に通電される。このとき、A(アンペア)オーダのヒータ電流がON/OFF制御される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−171435号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通りNOx濃度を検出するためのセンサセル電流はnAオーダであるのに対し、ヒータ電流はAオーダであり、単純に比較すると電流レベルが10^9倍違うこととなる。また通常、センシング回路とヒータ駆動回路とは同一の回路基板上に混在した状態で搭載される。故に、センシング回路にはヒータのON/OFF切り換え時に発生するノイズが乗ってしまい、NOx濃度の必要な検出精度が確保できなくなるおそれがあった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヒータ駆動系からのノイズの影響を抑制し、ガス濃度の検出精度を向上させることができるガス濃度検出装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のガス濃度検出装置では前提として、ガス濃度検出時においてセンシング回路によりセンサ素子に流れる電流が計測される。そして、この計測された電流値によりガス濃度が検出される。一方、ヒータ駆動回路により、ヒータが断続的に通電されてセンサ素子が所定の活性状態に保持される。センシング回路とヒータ駆動回路とは同一の回路基板上に実装されており、これら各回路にはグランド端子部を通じて外部より基準電位が取り込まれる。特に請求項1の発明では、センシング回路における基準電位を設定するグランドパターンと、ヒータ駆動回路における基準電位を設定するグランドパターンとを前記グランド端子部又はその近傍を起点として分離して設けている。
【0009】
要するに、ヒータ駆動回路によるヒータ通電が断続(ON/OFF)される時にはそれが原因でノイズが発生する。このとき、ヒータ電流はA(アンペア)オーダであるのに対し、ガス濃度検出時に流れる電流はnA(ナノアンペア)〜mA(ミリアンペア)の微小レベルであるため、センシング回路による電流計測にノイズの悪影響が及ぶことが懸念される。これに対し本発明では、上記の如く各グランドパターンがグランド端子部を挟んで分離配置されるため、センシング回路へのヒータ電流の回り込みが防止できる。つまり、センシング回路における基準電位の変動が防止でき、基準電位が安定する。故に、ヒータ駆動系からのノイズの影響が抑制でき、ガス濃度の検出精度が向上する。
【0010】
但し、「グランド端子部」は、グランド端子そのものであることを含む他、グランド端子に接続され同じ基準電位に保持されたグランド端子相当部分を含むものと定義する。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、センシング回路における基準電位を設定するグランドパターンと、ヒータ駆動回路における基準電位を設定するグランドパターンとを前記回路基板上に一体的に設け、これら各グランドパターンの分岐点に前記グランド端子部を設けている。かかる場合にも上記請求項1と同様に、ヒータ駆動系からのノイズの影響が抑制でき、ガス濃度の検出精度が向上する。
【0012】
更に、請求項3に記載の発明では、センシング回路における基準電位を設定するグランドパターンと、ヒータ駆動回路における基準電位を設定するグランドパターンとを前記回路基板上に一体的に設け、これら各グランドパターンの分岐点に対して何れかのグランドパターン側か、或いはその逆側にずれた位置に前記グランド端子部を設けている。かかる場合にも上記請求項1と同様に、ヒータ駆動系からのノイズの影響が抑制でき、ガス濃度の検出精度が向上する。つまり、実質上影響のない範囲内(基準電位の変動が生じない範囲内)であれば、各グランドパターンの分岐点とグランド端子部とがずれていたとしてもそれが許容される。
【0013】
実際には請求項4に記載したように、センシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとを、前記回路基板上で異なる2方向に展開して設けると良い。
【0014】
又は、請求項5に記載したように、センシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとを、前記回路基板上で平行にならないようにして設けると良い。請求項4,5の構成によれば、ヒータ電流による電磁波ノイズの影響が排除できる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、ヒータ駆動回路用のグランドパターンを、センシング回路用のグランドパターンとの接続部付近で一部細くしている。この場合、グランドパターンの一部細い部位は高抵抗となる。故に、ヒータ通電のON/OFF時におけるノイズの影響がセンシング回路側に伝わりにくくなり、センシング回路の基準電位がより一層安定したものとなる。
【0016】
請求項7,9に記載の発明では、回路基板上における前記センシング回路の設置領域と前記ヒータ駆動回路の設置領域とを互いに離間した位置に設けた。この場合、ヒータ駆動回路では当該回路内を流れるヒータ電流により磁束が発生し、それに伴う電磁波ノイズもセンシング回路における計測精度の悪化の要因となりうるが、本発明によればこうした不都合も解消される。故に、より一層のガス濃度検出精度の向上が期待できる。
【0017】
また、請求項8,10に記載の発明では、多層基板を用いて回路構成が具体化される装置にあって、ヒータ駆動回路用のグランドパターンと電源パターンとを絶縁層を挟んで上下に重ねて設け且つそれら各パターンの電流の流れの向きが互いに逆になるよう構成している。この場合、上記の各パターンに電流が流れると、その電流の流れの向きに応じて磁束が発生するが、それら各パターンに流れる電流の向きが互いに逆であれば、各パターンにより磁束が相殺される。故に、ヒータ電流によって発生する電磁波ノイズの影響が低減できる。
【0018】
上記請求項8又は10の発明では請求項11に記載したように、ヒータ駆動回路用のグランドパターンと電源パターンとを、絶縁層を挟んで上下に50%以上の領域で重ねて設けると良い。より望ましくは、各パターンの重なり部分を80%以上とすると良い。
【0019】
例えば、自動車排ガス中のNOxを検出するNOxセンサは、チャンバ内の酸素の出入を調整するポンプセルや、ポンプセル通過後のガスからNOxを分解しその際移動する酸素イオン量よりNOx濃度を検出するセンサセルを有しており、そのセンサセルに流れる電流はnAオーダの微小電流となる。こうしたNOxセンサに本発明が好適に採用できる。要は、請求項12に記載したように、前記センサ素子は、チャンバに導入した被検出ガス中の酸素を排出又は汲み込む第1セルと、第1セル通過後のガスを取り込んで当該ガス中の特定成分を分解しその際移動する酸素イオン量より特定成分のガス濃度を検出する第2セルとを有し、前記センシング回路は、少なくとも第2セルに流れる微小電流を計測するものであると良い。
【0020】
また、例えば排ガス中の酸素濃度(すなわち空燃比)を検出するA/Fセンサ、或いはガス濃度センサの酸素濃度検出部(ポンプセル)を対象にしても本発明が好適に採用できる。要は、請求項13に記載したように、前記センサ素子は、被検出ガス中の酸素を分解しその際移動する酸素イオン量より酸素濃度を検出するものであり、前記センシング回路は、酸素の分解時に流れる微小電流を計測するものであると良い。つまり、酸素濃度検出時の計測電流(mAオーダ)は、微小電流といってもNOx濃度検出時の計測電流に比べて電流レベルが大きいが、回路配置の制約などによりセンシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとが比較的近い位置に配置される場合などにはやはりヒータ駆動に伴うノイズの影響が懸念される。かかる場合にあっても、本発明の適用により基準電位の変動が抑制でき、高精度な酸素濃度(空燃比)の検出が実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態におけるガス濃度検出装置は、例えば自動車用エンジンに適用されるものであって、限界電流式ガス濃度センサを用い、被検出ガスである排ガス中の酸素濃度や特定成分のガス濃度としてのNOx濃度を検出する。
【0022】
先ずはじめに、ガス濃度センサの構成を図2を用いて説明する。図2のガス濃度センサは、「第1セル」としてのポンプセル、「第2セル」としてのセンサセル及び「第3セル」としてのモニタセルからなる3セル構造を有し、排ガス中の酸素濃度とNOx濃度とを同時に検出可能な、いわゆる複合型ガスセンサとして具体化されている(但し、NOxセンサとしての具体化も可能)。本実施の形態では、上記3セルによりセンサ素子が構成されている。なお、モニタセルは、ポンプセル同様、ガス中の酸素排出の機能を具備するため、第2のポンプセルと称される場合もある。図2(a)は、センサ素子の先端部構造を示す断面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。
【0023】
ガス濃度センサ100において、酸素イオン伝導性材料からなる固体電解質(固体電解質素子)141,142はシート状をなし、アルミナ等の絶縁材料からなるスペーサ143を介して図の上下に所定間隔を隔てて積層されている。このうち、図の上側の固体電解質141にはピンホール141aが形成されており、このピンホール141aを介して当該センサ周囲の排ガスが第1チャンバ144内に導入される。第1チャンバ144は、絞り部145を介して第2チャンバ146に連通している。符号147は多孔質拡散層である。
【0024】
図の下側の固体電解質142には、第1チャンバ144に対面するようにしてポンプセル110が設けられており、ポンプセル110は、第1チャンバ144内に導入した排ガス中の酸素を排出又は汲み込む働きをすると共に酸素排出又は汲み込みの際に排ガス中の酸素濃度を検出する。ここで、ポンプセル110は、固体電解質142を挟んで上下一対の電極111,112を有し、そのうち特に第1チャンバ144側の電極111はNOx不活性電極(NOxガスを分解し難い電極)である。ポンプセル110は、第1チャンバ144内に存在する酸素を分解して電極112より大気通路150側に排出する。
【0025】
また、図の上側の固体電解質141には、第2チャンバ146に対面するようにしてモニタセル120及びセンサセル130が設けられている。モニタセル120は、第2チャンバ146内の残留酸素濃度に応じて起電力、又は電圧印加に伴い電流出力を発生する。また、センサセル130は、ポンプセル110を通過した後のガスからNOx濃度を検出する。
【0026】
特に本実施の形態では、図2(b)に示すように、排ガスの流れ方向に対して同等位置になるよう、モニタセル120及びセンサセル130が並列に配置されると共に、これら各セル120,130の大気通路148側の電極が共通電極122となっている。すなわち、モニタセル120は、固体電解質141とそれを挟んで対向配置された電極121及び共通電極122とにより構成され、センサセル130は、同じく固体電解質141とそれを挟んで対向配置された電極131及び共通電極122とにより構成されている。なお、モニタセル120の電極121(第2チャンバ146側の電極)はNOxガスに不活性なAu−Pt等の貴金属からなるのに対し、センサセル130の電極131(第2チャンバ146側の電極)はNOxガスに活性な白金Pt、ロジウムRh等の貴金属からなる。
【0027】
図3(a)は、モニタセル120及びセンサセル130の電極配置を第2チャンバ146側から見た平断面図であり、図3(b)は、これら各セルの電極配置を大気通路148側から見た平断面図である。本構成によれば、モニタセル120及びセンサセル130では排ガス導入距離が同じになる。その結果、ポンプセル110通過後の残留酸素に対するモニタセル120とセンサセル130との感度が同等になり、精度の高いガス濃度検出が可能になる。但し、モニタセル120及びセンサセル130の電極は、図3(a)のように、排ガスの流れ方向に沿って並列に配置すること以外に、排ガスの流れ方向に前後(すなわち、図の左右)に配置することも可能である。例えば、モニタセル120を上流側(図の左側)に、センサセル13を下流側(図の右側)に配置する。また、各セルにおいて共通電極122を用いることも必須ではなく、各セル個別の電極を用いることも可能である。
【0028】
固体電解質142の図の下面にはアルミナ等よりなる絶縁層149が設けられ、この絶縁層149により大気通路150が形成されている。また、絶縁層149には、センサ全体を加熱するためのヒータ(発熱体)151が埋設されている。ヒータ151はポンプセル110、モニタセル120及びセンサセル130を含めたセンサ全体を活性状態にすべく、外部からの給電により熱エネルギを発生させる。
【0029】
上記構成のガス濃度センサ100において、排ガスは多孔質拡散層147及びピンホール141aを通って第1チャンバ144に導入される。そして、この排ガスがポンプセル110近傍を通過する際、ポンプセル電極111,112間に電圧Vpを印加することで分解反応が起こり、第1チャンバ144内の酸素濃度に応じてポンプセル110を介して酸素が出し入れされる。なおこのとき、第1チャンバ144側の電極111がNOx不活性電極であるので、ポンプセル110では排ガス中のNOxは分解されず、酸素のみが分解されて大気通路150に排出される。そして、ポンプセル110に流れた電流(ポンプセル電流Ip)により、排ガス中に含まれる酸素濃度が検出される。
【0030】
ポンプセル110近傍を通過した排ガスは第2チャンバ146に流れ込み、モニタセル120では、ガス中の残留酸素濃度に応じた出力が発生する。モニタセル120の出力は、モニタセル電極121,122間に所定の電圧Vmを印加することでモニタセル電流Imとして検出される。また、センサセル電極131,122間に所定の電圧Vsを印加することでガス中のNOxが還元分解され、その際発生する酸素が大気通路148に排出される。このとき、センサセル130に流れた電流(センサセル電流Is)により、排ガス中に含まれるNOx濃度が検出される。
【0031】
因みに、ポンプセル110では、その都度の排ガス中の酸素濃度(すなわちポンプセル電流Ip)に応じて印加電圧Vpが可変に制御されるようになっており、一例として、当該ポンプセル110の限界電流特性に基づき作成された印加電圧マップを用い、その都度のポンプセル電流Ipに応じて印加電圧Vpが制御される。これにより、排ガス中の酸素濃度が高くなるほど印加電圧が高電圧側にシフトするようにして印加電圧制御が実施される。
【0032】
次に、ガス濃度検出装置の電気的な構成を図1を用いて説明する。なお図1には、前述のガス濃度センサ100を用いたガス濃度検出装置を示すが、モニタセル120及びセンサセル130の電極配置については、便宜上、横並びの状態で示す。
【0033】
図1において、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)300は、CPU、A/D変換器、D/A変換器、I/Oポート等を備える周知の論理演算回路にて構成されており、各セル110〜130の印加電圧をD/A変換器(D/A0〜D/A2)より適宜出力する。また、マイコン300は、各セル110〜130に流れる電流の計測結果を取り込むべく、センシング回路200内における各端子Vc、Ve、Vd、Vb、Vg、Vhの電圧をA/D変換器(A/D0〜A/D5)より各々入力する。マイコン300は、ポンプセル110やセンサセル130で計測された電流値に基づいて排ガス中の酸素濃度(A/F)やNOx濃度を検出し、その検出結果をD/A変換器(D/A4,D/A3)や通信回路を介して外部のエンジンECU等に出力する。
【0034】
センシング回路200の構成について詳しくは、ポンプセル110において一方の電極112には、基準電源201及びオペアンプ202により基準電圧Vaが印加され、他方の電極111には、オペアンプ203及び電流検出抵抗204を介してマイコン300の指令電圧Vbが印加される。指令電圧Vbの印加に際し、排ガス中の酸素濃度に応じてポンプセル110に電流が流れると、その電流が電流検出抵抗204により検出される。つまり、電流検出抵抗204の両端子電圧Vb,Vdがマイコン300に取り込まれ、その電圧Vb,Vdによりポンプセル電流Ipが算出される。
【0035】
また、モニタセル120及びセンサセル130の共通電極122には、基準電源205及びオペアンプ206により基準電圧Vfが印加され、共通電極122とは異なる方のセンサセル電極131には、オペアンプ207及び電流検出抵抗208を介してマイコン300の指令電圧Vgが印加される。指令電圧Vgの印加に際し、ガス中のNOx濃度に応じてセンサセル130に電流が流れると、その電流が電流検出抵抗208により検出される。つまり、電流検出抵抗208の両端子電圧Vg,Vhがマイコン300に取り込まれ、その電圧Vg,Vhによりセンサセル電流Isが算出される。
【0036】
また、共通電極122とは異なる方のモニタセル電極121には、LPF(ローパスフィルタ)209、オペアンプ210及び電流検出抵抗211を介してマイコン300の指令電圧Vcが印加される。指令電圧Vcの印加に際し、ガス中の残留酸素濃度に応じてモニタセル120に電流が流れると、その電流が電流検出抵抗211により検出される。つまり、電流検出抵抗211の両端子電圧Vc,Veがマイコン300に取り込まれ、その電圧Vc,Veによりモニタセル電流Imが算出される。なお、LPF209は、例えば抵抗及びコンデンサからなる一次フィルタにて実現される。
【0037】
また本実施の形態では、いわゆる掃引法を用い、例えばモニタセル120を対象に「素子抵抗値」としての素子インピーダンスが検出される。つまり、モニタセル120のインピーダンス検出時において、マイコン300により、モニタセル印加電圧(指令電圧Vc)が正側又は負側の少なくとも何れかに瞬間的に(例えば数10〜100μsec程度の時間で)切り換えられる。この印加電圧は、LPF209により正弦波的になまされつつモニタセル120の両電極に印加される。交流電圧の周波数は10kHz以上が望ましく、LPF209の時定数は5μsec程度で設定される。そして、その時の電圧変化量と電流変化量とからモニタセル120の素子インピーダンスが算出される(インピーダンス=電圧変化量/電流変化量)。なお、素子抵抗値として、素子インピーダンスに代えてその逆数である素子アドミタンスを検出する構成であっても良い。
【0038】
因みに、モニタセル120及びセンサセル130では、一方の電極を共通電極122としたため、基準電圧側のドライブ回路が削減できるというメリットや、ガス濃度センサ100からのリード線の取り出し本数が削減できるというメリットが得られる。また、モニタセル120とセンサセル130とは同じ固体電解質141で隣り合って形成されるため、掃引時には隣の電極に電流が流れ、素子インピーダンスの検出精度が悪化することが懸念されるが、共通電極122を設けることで一方の電極が同じ電位となり、この影響が低減できる。
【0039】
また、モニタセル120では残留酸素濃度を検出する際に数μA程度の電流しか流れないのに対し、インピーダンス検出のための掃引時には数mA程度の電流が流れる。このオーダの異なる電流を同じ検出抵抗で検出すると、オーバーレンジしたり、検出精度が悪くなったりする。そこで本実施の形態では、モニタセル120による残留酸素検出時とインピーダンス検出時とで電流検出抵抗を切り換えることとしている。具体的には、電流検出抵抗211に並列に、別の電流検出抵抗212とスイッチ回路213(例えば、半導体スイッチ)とを設けている。そして、マイコン300のI/Oポートからの出力により、スイッチ回路213をON/OFFさせるよう構成する。この場合、通常のガス濃度検出時には、スイッチ回路213をOFF(開放)し、電流検出抵抗211による数100kΩ程度の抵抗でモニタセル電流Imを検出する。これに対し、インピーダンス検出時には、スイッチ回路213をON(閉鎖)し、電流検出抵抗211及び212による数100Ω程度の抵抗でモニタセル電流Imを検出する。
【0040】
また、ガス濃度センサ100のヒータ151は、ヒータ駆動回路250により断続的に通電される。つまり、ヒータ駆動回路250は、ヒータ駆動用のスイッチング素子としてのMOSFET251と、このMOSFET251に逆向きに接続された逆流防止用のMOSFET252と、MOSFET駆動用のドライバ253とを有する。マイコン300内のCPUは、制御指令値DutyをI/Oポートから出力してMOSFETドライバ253を駆動する。このとき、電源254(例えばバッテリ電源:VB=12V)からヒータ151へ供給される電力がMOSFET251によりPWM制御され、これによりヒータ151が断続的に通電される。
【0041】
上述したマイコン300をはじめ、センシング回路200やヒータ駆動回路250は同一の回路基板上に実装されている。そして、この回路基板に設けられたコネクタ部を通じてガス濃度センサ100やエンジンECU等への電気的な接続がなされるようになっている。この場合、回路基板は、複数(例えば6層)の絶縁層が積層されてなる多層基板により構成されている。つまり、絶縁層毎に銅箔等による導体パターンが設けられると共に、絶縁層にスルーホールが形成されてこのスルーホール内に充填された導体部材を通じて絶縁層間が導通されるようになっている。多層基板構造については従来より種々の技術が提案、実用化されており、その多層基板構造は任意の技術を採用すれば良いため詳細の図示及びその説明を省略するが、以下には、図4〜図6を用いて本実施の形態の要部構成を説明する。
【0042】
先ずは図4を用い、回路基板に設けられる端子列について説明する。図4に示すように、回路基板の側縁部には、複数の端子(T1〜T9等)が一列に並んだ状態で配置されており、これら各端子を通じてガス濃度センサ100の各セル110〜130やヒータ151の電気的な操作が行われる他、別装置との通信等が行われるようになっている。主要なものを簡単に説明すれば、ポンプセル110は端子T8−T9間に、モニタセル120は端子T1−T3間に、センサセル130は端子T2−T3間にそれぞれ接続される。端子T3はモニタセル、センサセルの共通端子である。また、ヒータ151は端子T5−T7間に接続される。端子T4はグランド端子(グランド端子部)であり、端子T4を通じて外部より基準電位(本実施の形態では0V)が取り込まれる。また、端子T6はバッテリ端子であり、端子T6を通じてバッテリ電圧が取り込まれる。
【0043】
図5には、複数の絶縁層のうち、2層の絶縁層Z1,Z2についてその要部を示しており、これら各絶縁層Z1,Z2には各層共通に前記図4で説明した端子列が同様に設けられている。(a)に示す絶縁層Z1には、ヒータ駆動回路250用の電源パターンP1が設けられている。この電源パターンP1には図中矢印の向きでヒータ電流ihが流れる。
【0044】
また、(b)に示す絶縁層Z2には、グランド端子T4に接続されたグランドパターンP2が設けられている。このグランドパターンP2は、センシング回路用のグランドパターンP3と、ヒータ駆動回路用のグランドパターンP4とを一体的に有するものであり、これら各グランドパターンP3,P4はグランド端子T4を起点として分離して設けられている。見方を変えれば、各グランドパターンP3,P4の分岐点B1にグランド端子T4が設けられているとも言える。この場合特に、各グランドパターンP3,P4が回路基板上で異なる2方向に展開して(すなわち、ほぼ180度開いた状態で)設けられている。ヒータ駆動回路用のグランドパターンP4には図中矢印の向きでヒータ電流ihが流れる。
【0045】
図5(b)に示すグランドパターン構成によれば、各グランドパターンP3,P4がグランド端子T4を挟んで分離配置されるため、センシング回路200へのヒータ電流ihの回り込みが防止でき、センシング回路200における基準電位の安定化が実現できる。つまり、ヒータ電流はA(アンペア)オーダであるのに対し、センサセル電流はnA(ナノアンペア)の微小レベルであるため、センシング回路200側では、ヒータ駆動系で発生したノイズによる悪影響が懸念されるが、こうした問題が解消される。
【0046】
また、図5の(a),(b)には、センシング回路200の設置領域R1と、ヒータ駆動回路250の設置領域R2とを点線枠で示しており、これら各領域R1,R2が互いに離間した位置に設けられていることが分かる。この場合、ヒータ駆動回路250では当該回路250内を流れるヒータ電流ihにより磁束が発生し、それに伴う電磁波ノイズもNOx濃度の検出精度悪化の要因となりうるが、本構成によればこうした不都合も解消される。
【0047】
また、ヒータ駆動回路250側では、グランドパターンP4と電源パターンP1とが各々異なる絶縁層Z1,Z2にあって上下に重ねて設けられ、且つそれら各パターンのヒータ電流ihの流れの向きが互いに逆になっている。図6は、電源側及びグランド側の各パターンP1,P4が重なった状態で配置されることを示す平面図である。この場合、電源側及びグランド側の各パターンP1,P4にヒータ電流ihが流れると磁束が発生するが、それら各パターンに流れるヒータ電流ihの向きが互いに逆であるため、各パターンの磁束が互いに打ち消される。故に、ヒータ電流ihによって発生する電磁波ノイズの影響が低減できる。
【0048】
因みに、同一の絶縁層上で電源側及びグランド側の各パターンを並べて設けた場合と、異なる絶縁層上で上下に重ねて各パターンを設けた場合とを比較すると、前者の場合はパターン間のギャップが最低1〜2mm程度はできるのに対し、後者の場合はパターン間のギャップ(上下の間隔)は絶縁層の厚さである0.4mm程度になる。従って、各パターンを上下に重ねることにより、磁束の打ち消し合いの効果を高めることができる。
【0049】
各パターンP1,P4は、絶縁層を挟んで上下に50%以上の領域で重ねて設けられると良い。より望ましくは、各パターンの重なり部分を80%以上とすると良い。各パターンの重なる領域が大きくなるほど、電磁波ノイズの低減効果が高められる。
【0050】
また、ヒータ駆動回路用のグランドパターンP4を見ると、センシング回路用のグランドパターンP3との接続部付近(分岐点B1)で一部細くなっている(図のA部)。この場合、グランドパターンP4の一部細い部位は高抵抗となる。故に、ヒータ通電のON/OFF時におけるノイズの影響がセンシング回路200側に伝わりにくくなり、センシング回路200の基準電位がより一層安定したものとなる。
【0051】
以上詳述した本実施の形態によれば、
(1)センシング回路用のグランドパターンP3とヒータ駆動回路用のグランドパターンP4とをグランド端子T4を挟んで分離配置したこと、
(2)センシング回路200の設置領域とヒータ駆動回路250の設置領域とを互いに離間した位置に設けたこと、
(3)ヒータ駆動回路用のグランドパターンP4と電源パターンP1とを絶縁層を挟んで設け、各々の電流の流れの向きを互いに逆にしたこと、
により、ヒータ駆動系からのノイズの影響が抑制でき、NOx濃度の検出精度が向上する。これに加え、ポンプセル110による酸素濃度検出においても同様の効果を奏し、酸素濃度の検出精度が向上する。
【0052】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0053】
上記実施の形態では、センシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとの分岐点にグランド端子を設けるよう構成したが、この構成を変更し、各グランドパターンの分岐点に対して何れかのグランドパターン側か、或いはその逆側にずれた位置にグランド端子を設ける構成であっても良い。例えば、図7に示すグランドパターンP11は、センシング回路用のグランドパターンP12と、ヒータ駆動回路用のグランドパターンP13とを一体的に有し、各グランドパターンP11,P12が分岐点B2で分岐している。この場合、前記図5(b)とは異なり、分岐点B2とグランド端子T4とが一致しないものの、かかる場合にも上記実施の形態と同様に、ヒータ駆動系からのノイズの影響が抑制でき、ガス濃度の検出精度が向上する。つまり、実質上影響のない範囲内(基準電位の変動が生じない範囲内)であれば、各グランドパターンの分岐点とグランド端子とがずれていたとしてもそれが許容される。
【0054】
また上記実施の形態では、センシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとを回路基板上で異なる2方向に展開して(すなわち、ほぼ180度開いた状態で)設けたが、これを変更し、各グランドパターンをL字状に展開したり、鋭角な角度で展開したりする構成であっても良い。但し、各グランドパターンは交わらず、平行にならないように配置されると良い。
【0055】
グランドパターン上にグランド端子が直接設けられる構成でなくとも、グランド端子に接続され同じ基準電位に保持されるグランド端子相当部分がグランドパターン上に設けられる構成としても良い。具体的には、図8に示すように、グランドパターンP2とグランド端子T4とを離間して設ける。そして、グランドパターンP2の端子接続部11(グランド端子部に相当)とグランド端子T4とを配線12で電気的に接続する。この場合には、端子接続部11をグランドパターンP3,P4の分岐点又はその近傍に設ければよく、かかる構成にあっても既述の優れた効果を奏することに変わりない。
【0056】
上記実施の形態のガス濃度検出装置では、
(1)センシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとをグランド端子を挟んで分離配置した構成、
(2)センシング回路の設置領域とヒータ駆動回路の設置領域とを互いに離間した位置に設けた構成、
(3)ヒータ駆動回路用のグランドパターンと電源パターンとを絶縁層を挟んで設け、各々の電流の流れの向きを互いに逆にした構成、
を何れも採用したが、何れか1つ又は2つを採用したとしても従来に無い効果を奏する。故に、上記(1)〜(3)の構成を選択的に用いて実現することも可能である。
【0057】
回路基板とヒータとを電気的に接続する電線のプラス側とマイナス側とをツイストする構成としても良い。この場合、電線周りに磁束が発生してもその磁束が互いに打ち消され合い、ノイズの発生が抑制される。
【0058】
NOx濃度を検出可能なガス濃度センサの他に、特定成分のガス濃度としてHC濃度やCO濃度を検出可能なガス濃度センサにも適用できる。この場合、ポンプセル(第1セル)にて被検出ガス中の余剰酸素を排出し、センサセル(第2セル)にて余剰酸素排出後のガスからHCやCOを分解してHC濃度やCO濃度を検出する。
【0059】
また、A/Fセンサについても本発明が適用できる。例えば、回路配置の制約などによりセンシング回路用のグランドパターンとヒータ駆動回路用のグランドパターンとが比較的近い位置に配置される場合などにはやはりヒータ駆動に伴うノイズの影響が懸念される。かかる場合にあっても、本発明の適用により基準電位の変動が抑制でき、高精度な酸素濃度(空燃比)の検出が実現できる。
【0060】
更に、自動車用以外のガス濃度検出装置に用いること、排ガス以外のガスを被検出ガスとすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるガス濃度検出装置の概要を示す構成図である。
【図2】ガス濃度センサの構成を示す断面図である。
【図3】モニタセル及びセンサセルの電極配置を示す平断面図である。
【図4】回路基板の端子列を説明するための平面図である。
【図5】電源パターン及びグランドパターンを示す平面図である。
【図6】電源パターン及びグランドパターンを示す平面図である。
【図7】グランドパターンの別の構成例を示す平面図である。
【図8】グランドパターンの別の構成例を示す平面図である。
【符号の説明】
100…ガス濃度センサ、
110…ポンプセル、
120…モニタセル、
130…センサセル、
141,142…固体電解質、
144…第1チャンバ、
146…第2チャンバ、
151…ヒータ、
200…センシング回路、
250…ヒータ駆動回路、
P1…電源パターン、
P3,P12…センシング回路用のグランドパターン、
P4,P13…ヒータ駆動回路用のグランドパターン、
T4…グランド端子。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas concentration detection device that detects a gas concentration of a specific component in a gas to be detected.
[0002]
[Prior art]
As this type of gas concentration detecting device, there is a device which uses a limiting current type gas concentration sensor and detects, for example, NOx (nitrogen oxide) in exhaust gas discharged from a vehicle engine. The gas concentration sensor has a sensor element composed of, for example, a pump cell, a sensor cell, and a monitor cell. In the pump cell, oxygen in exhaust gas introduced into the chamber is discharged or pumped, and at the same time, oxygen concentration in the exhaust gas is detected. The sensor cell detects the NOx concentration (gas concentration of a specific component) from the gas after passing through the pump cell, and the monitor cell detects the residual oxygen concentration in the chamber after passing through the pump cell.
[0003]
In the above gas concentration sensor, the oxygen concentration and the NOx concentration are normally detected on the assumption that the sensor element is in a predetermined active state. Therefore, in general, a heater is provided near the sensor element, and the sensor element is heated by the heat generated by the heater to maintain the element active state. For example, the resistance value of a sensor element is detected, and the heater is intermittently energized so that the element resistance value becomes a target value corresponding to the activation temperature (for example, see Patent Document 1).
[0004]
More specifically, in a gas concentration sensor (a so-called NOx sensor), NOx in exhaust gas is decomposed at a NOx active electrode of a sensor cell, and oxygen ions generated at that time flow in the sensor cell. At this time, the NOx concentration is detected by measuring the current flowing in the sensor cell. The sensor cell current is a minute current of the order of nA (nano-ampere), and the minute current is measured through a high-resistance (for example, 1.5 MΩ) current detection resistor in the sensing circuit. On the other hand, the heater is energized intermittently by the heater drive circuit. At this time, the heater current on the order of A (ampere) is ON / OFF controlled.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-2000-171435
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the sensor cell current for detecting the NOx concentration is on the order of nA, whereas the heater current is on the order of A, and the current level differs by a factor of 10 ^ 9 when compared simply. Usually, the sensing circuit and the heater drive circuit are mounted on the same circuit board in a mixed state. Therefore, noise generated when the heater is turned on / off may be superimposed on the sensing circuit, and the necessary detection accuracy of the NOx concentration may not be secured.
[0007]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a gas concentration detection device capable of suppressing the influence of noise from a heater drive system and improving the gas concentration detection accuracy. It is to be.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In the gas concentration detection device of the present invention, as a premise, a current flowing through the sensor element is measured by the sensing circuit at the time of gas concentration detection. Then, the gas concentration is detected based on the measured current value. On the other hand, the heater is intermittently energized by the heater drive circuit, and the sensor element is maintained in a predetermined active state. The sensing circuit and the heater drive circuit are mounted on the same circuit board, and each of these circuits receives a reference potential from outside through a ground terminal. In particular, in the invention of
[0009]
In short, when heater energization by the heater drive circuit is intermittent (ON / OFF), noise is generated due to this. At this time, while the heater current is on the order of A (ampere), the current flowing at the time of detecting the gas concentration is a minute level of nA (nano ampere) to mA (milliampere). Is concerned. On the other hand, in the present invention, since the respective ground patterns are separately arranged with the ground terminal portion interposed therebetween as described above, it is possible to prevent the heater current from flowing into the sensing circuit. That is, the fluctuation of the reference potential in the sensing circuit can be prevented, and the reference potential is stabilized. Therefore, the influence of noise from the heater drive system can be suppressed, and the detection accuracy of the gas concentration is improved.
[0010]
However, the "ground terminal portion" is defined to include not only the ground terminal itself but also a portion corresponding to the ground terminal connected to the ground terminal and held at the same reference potential.
[0011]
According to the second aspect of the present invention, a ground pattern for setting a reference potential in the sensing circuit and a ground pattern for setting a reference potential in the heater drive circuit are integrally provided on the circuit board, and each of these ground patterns is provided. The ground terminal section is provided at a branch point of the above. In this case, as in the first aspect, the influence of noise from the heater drive system can be suppressed, and the detection accuracy of the gas concentration is improved.
[0012]
Further, according to the third aspect of the present invention, a ground pattern for setting a reference potential in the sensing circuit and a ground pattern for setting a reference potential in the heater drive circuit are integrally provided on the circuit board. The ground terminal portion is provided at a position shifted to one of the ground patterns or the opposite side to the branch point. In this case, as in the first aspect, the influence of noise from the heater drive system can be suppressed, and the detection accuracy of the gas concentration is improved. In other words, as long as the branch point of each ground pattern and the ground terminal portion are displaced within a range where there is substantially no influence (within a range where the reference potential does not fluctuate), it is allowed.
[0013]
Actually, as described in claim 4, it is preferable that the ground pattern for the sensing circuit and the ground pattern for the heater drive circuit are developed and provided in two different directions on the circuit board.
[0014]
Alternatively, the ground pattern for the sensing circuit and the ground pattern for the heater drive circuit may be provided so as not to be parallel on the circuit board. According to the configuration of the fourth and fifth aspects, the influence of the electromagnetic wave noise due to the heater current can be eliminated.
[0015]
According to the invention described in claim 6, the ground pattern for the heater drive circuit is partially narrowed in the vicinity of the connection portion with the ground pattern for the sensing circuit. In this case, a part of the ground pattern that is thin has high resistance. Therefore, the influence of noise when the heater power is turned ON / OFF is less likely to be transmitted to the sensing circuit side, and the reference potential of the sensing circuit is further stabilized.
[0016]
According to the seventh and ninth aspects of the present invention, the installation area of the sensing circuit and the installation area of the heater drive circuit on the circuit board are provided at positions separated from each other. In this case, in the heater drive circuit, a magnetic flux is generated by the heater current flowing in the circuit, and the electromagnetic wave noise accompanying the magnetic flux may cause deterioration of measurement accuracy in the sensing circuit. According to the present invention, such inconvenience is solved. Therefore, further improvement in gas concentration detection accuracy can be expected.
[0017]
According to the invention of claims 8 and 10, there is provided an apparatus whose circuit configuration is embodied using a multilayer substrate, wherein a ground pattern and a power supply pattern for a heater drive circuit are vertically stacked with an insulating layer interposed therebetween. And the direction of the current flow in each pattern is opposite to each other. In this case, when a current flows in each of the above-described patterns, a magnetic flux is generated in accordance with the direction of the flow of the current.If the directions of the currents flowing in the respective patterns are opposite to each other, the magnetic flux is canceled by the respective patterns. You. Therefore, the effect of electromagnetic wave noise generated by the heater current can be reduced.
[0018]
In the invention of claim 8 or 10, as described in
[0019]
For example, a NOx sensor that detects NOx in automobile exhaust gas is a pump cell that regulates the flow of oxygen in and out of a chamber, and a sensor cell that decomposes NOx from gas after passing through the pump cell and detects the NOx concentration from the amount of oxygen ions that move at that time. And the current flowing through the sensor cell is a minute current on the order of nA. The present invention can be suitably applied to such a NOx sensor. In short, as described in claim 12, the sensor element has a first cell that discharges or pumps oxygen in the gas to be detected introduced into the chamber, and a gas that has passed through the first cell, and takes in the gas. A second cell for decomposing the specific component and detecting the gas concentration of the specific component from the amount of oxygen ions moving at that time, wherein the sensing circuit measures at least a minute current flowing through the second cell. good.
[0020]
Further, the present invention can be suitably applied to, for example, an A / F sensor that detects an oxygen concentration (that is, an air-fuel ratio) in exhaust gas or an oxygen concentration detecting unit (pump cell) of a gas concentration sensor. In short, as described in claim 13, the sensor element decomposes oxygen in the gas to be detected and detects the oxygen concentration from the amount of oxygen ions moving at that time. It is preferable to measure a minute current flowing during decomposition. In other words, the measured current (mA order) at the time of detecting the oxygen concentration has a higher current level than the measuring current at the time of detecting the NOx concentration, even though it is a very small current. In the case where the ground pattern for the heater drive circuit is disposed at a position relatively close to the heater drive circuit, the influence of noise accompanying the heater drive is also concerned. Even in such a case, the variation of the reference potential can be suppressed by applying the present invention, and highly accurate detection of the oxygen concentration (air-fuel ratio) can be realized.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. The gas concentration detection device according to the present embodiment is applied to, for example, an automobile engine, and uses a limiting current type gas concentration sensor to determine the oxygen concentration in the exhaust gas to be detected or the gas concentration of a specific component. Is detected.
[0022]
First, the configuration of the gas concentration sensor will be described with reference to FIG. The gas concentration sensor of FIG. 2 has a three-cell structure including a pump cell as a “first cell”, a sensor cell as a “second cell”, and a monitor cell as a “third cell”. It is embodied as a so-called composite gas sensor that can simultaneously detect the concentration and the concentration (however, it can be embodied as a NOx sensor). In the present embodiment, a sensor element is constituted by the three cells. Note that the monitor cell may be referred to as a second pump cell because it has a function of discharging oxygen in gas, similarly to the pump cell. FIG. 2A is a cross-sectional view illustrating the structure of the distal end portion of the sensor element, and FIG. 2B is a cross-sectional view taken along line AA of FIG. 2A.
[0023]
In the
[0024]
A
[0025]
Further, a
[0026]
In particular, in the present embodiment, as shown in FIG. 2B, the
[0027]
FIG. 3A is a plan sectional view of the electrode arrangement of the
[0028]
An insulating
[0029]
In the
[0030]
The exhaust gas that has passed near the
[0031]
Incidentally, in the
[0032]
Next, the electrical configuration of the gas concentration detection device will be described with reference to FIG. Although FIG. 1 shows a gas concentration detection device using the above-described
[0033]
In FIG. 1, a microcomputer (hereinafter abbreviated as a microcomputer) 300 includes a well-known logical operation circuit including a CPU, an A / D converter, a D / A converter, an I / O port, and the like. Applied voltages to the
[0034]
For details of the configuration of the
[0035]
The reference voltage Vf is applied to the
[0036]
The command voltage Vc of the
[0037]
In the present embodiment, a so-called sweep method is used to detect the element impedance as the “element resistance value” for the
[0038]
Incidentally, in the
[0039]
In the
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
First, a row of terminals provided on a circuit board will be described with reference to FIG. As shown in FIG. 4, a plurality of terminals (T1 to T9 and the like) are arranged in a line at a side edge of the circuit board, and each
[0043]
FIG. 5 shows a main part of two insulating layers Z1 and Z2 among a plurality of insulating layers. Each of the insulating layers Z1 and Z2 has the terminal row described in FIG. It is provided similarly. The power supply pattern P1 for the
[0044]
Further, a ground pattern P2 connected to the ground terminal T4 is provided on the insulating layer Z2 shown in FIG. The ground pattern P2 integrally has a ground pattern P3 for a sensing circuit and a ground pattern P4 for a heater drive circuit. These ground patterns P3 and P4 are separated from the ground terminal T4 as a starting point. Is provided. In other words, it can be said that the ground terminal T4 is provided at the branch point B1 of each of the ground patterns P3 and P4. In this case, in particular, the ground patterns P3 and P4 are provided in two different directions on the circuit board (that is, in a state where they are opened by about 180 degrees). The heater current ih flows through the ground pattern P4 for the heater drive circuit in the direction of the arrow in the figure.
[0045]
According to the ground pattern configuration shown in FIG. 5B, since the ground patterns P3 and P4 are separately arranged with the ground terminal T4 interposed therebetween, it is possible to prevent the heater current ih from sneaking into the
[0046]
5A and 5B, the installation region R1 of the
[0047]
On the
[0048]
By the way, comparing the case where the respective patterns on the power supply side and the ground side are provided side by side on the same insulating layer and the case where the respective patterns are provided on top of each other on different insulating layers, the former case shows the While the gap can be at least about 1 to 2 mm, in the latter case, the gap between the patterns (upper and lower intervals) is about 0.4 mm, which is the thickness of the insulating layer. Therefore, the effect of canceling out the magnetic flux can be enhanced by overlapping the patterns vertically.
[0049]
The patterns P1 and P4 are preferably provided so as to be overlapped with each other in an area of 50% or more with the insulating layer interposed therebetween. More preferably, the overlapping portion of each pattern is set to 80% or more. As the overlapping area of each pattern becomes larger, the effect of reducing electromagnetic wave noise is enhanced.
[0050]
Further, looking at the ground pattern P4 for the heater drive circuit, a part thereof becomes thinner in the vicinity of the connection with the ground pattern P3 for the sensing circuit (branch point B1) (part A in the figure). In this case, a part of the ground pattern P4 having a small thickness has high resistance. Therefore, the influence of noise when the heater power is turned ON / OFF is less likely to be transmitted to the
[0051]
According to the present embodiment described in detail above,
(1) The ground pattern P3 for the sensing circuit and the ground pattern P4 for the heater drive circuit are separately arranged with the ground terminal T4 interposed therebetween.
(2) The installation area of the
(3) The ground pattern P4 and the power supply pattern P1 for the heater drive circuit are provided with the insulating layer interposed therebetween, and the directions of the current flows are reversed.
Thereby, the influence of noise from the heater drive system can be suppressed, and the detection accuracy of the NOx concentration is improved. In addition to this, the same effect is obtained in the detection of oxygen concentration by the
[0052]
The present invention is not limited to the description in the above embodiment, and may be implemented, for example, as follows.
[0053]
In the above-described embodiment, the ground terminal is provided at a branch point between the ground pattern for the sensing circuit and the ground pattern for the heater drive circuit. A ground terminal may be provided at a position shifted to the ground pattern side or the opposite side. For example, the ground pattern P11 shown in FIG. 7 integrally includes a ground pattern P12 for a sensing circuit and a ground pattern P13 for a heater drive circuit. Each of the ground patterns P11 and P12 branches at a branch point B2. I have. In this case, unlike FIG. 5B, although the branch point B2 and the ground terminal T4 do not coincide with each other, the influence of noise from the heater drive system can be suppressed in such a case as in the above-described embodiment. Gas concentration detection accuracy is improved. In other words, as long as the difference between the branch point of each ground pattern and the ground terminal is within a range where there is substantially no influence (within a range where the reference potential does not fluctuate), it is allowed.
[0054]
In the above embodiment, the ground pattern for the sensing circuit and the ground pattern for the heater drive circuit are provided in two different directions on the circuit board (that is, in a state where they are opened by approximately 180 degrees). May be changed, and each ground pattern may be developed in an L shape or may be developed at an acute angle. However, it is preferable that the ground patterns do not intersect and are arranged so as not to be parallel.
[0055]
Instead of the configuration in which the ground terminal is provided directly on the ground pattern, a configuration corresponding to the ground terminal connected to the ground terminal and held at the same reference potential may be provided on the ground pattern. Specifically, as shown in FIG. 8, the ground pattern P2 and the ground terminal T4 are provided separately. Then, the terminal connection portion 11 (corresponding to the ground terminal portion) of the ground pattern P2 and the ground terminal T4 are electrically connected by the wiring 12. In this case, the
[0056]
In the gas concentration detection device of the above embodiment,
(1) a structure in which a ground pattern for a sensing circuit and a ground pattern for a heater drive circuit are separately arranged with a ground terminal interposed therebetween;
(2) a configuration in which the installation area of the sensing circuit and the installation area of the heater drive circuit are provided at positions separated from each other;
(3) a configuration in which a ground pattern and a power supply pattern for a heater drive circuit are provided with an insulating layer interposed therebetween, and the directions of current flow are reversed from each other;
Are adopted, but even if one or two of them are adopted, an effect which has not been achieved in the past can be obtained. Therefore, it is also possible to implement by selectively using the configurations (1) to (3).
[0057]
The configuration may be such that the plus side and the minus side of the electric wire for electrically connecting the circuit board and the heater are twisted. In this case, even if a magnetic flux is generated around the electric wire, the magnetic fluxes cancel each other, and the generation of noise is suppressed.
[0058]
In addition to the gas concentration sensor capable of detecting the NOx concentration, the present invention can be applied to a gas concentration sensor capable of detecting the HC concentration and the CO concentration as the gas concentrations of the specific components. In this case, the pump cell (first cell) exhausts excess oxygen in the gas to be detected, and the sensor cell (second cell) decomposes HC and CO from the gas after exhausting excess oxygen to reduce the HC and CO concentrations. To detect.
[0059]
The present invention is also applicable to an A / F sensor. For example, when the ground pattern for the sensing circuit and the ground pattern for the heater driving circuit are arranged at relatively close positions due to restrictions on the circuit arrangement, the influence of noise due to heater driving is also concerned. Even in such a case, the variation of the reference potential can be suppressed by applying the present invention, and highly accurate detection of the oxygen concentration (air-fuel ratio) can be realized.
[0060]
Furthermore, it is also possible to use the gas concentration detecting device other than those for automobiles, and to use gas other than exhaust gas as the gas to be detected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram illustrating an outline of a gas concentration detection device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view illustrating a configuration of a gas concentration sensor.
FIG. 3 is a plan sectional view showing electrode arrangement of a monitor cell and a sensor cell.
FIG. 4 is a plan view for explaining a terminal row of a circuit board.
FIG. 5 is a plan view showing a power supply pattern and a ground pattern.
FIG. 6 is a plan view showing a power supply pattern and a ground pattern.
FIG. 7 is a plan view showing another configuration example of the ground pattern.
FIG. 8 is a plan view showing another configuration example of the ground pattern.
[Explanation of symbols]
100 ... gas concentration sensor,
110 ... pump cell,
120 monitor cell,
130 ... sensor cell,
141, 142 ... solid electrolyte,
144 ... first chamber,
146 ... second chamber,
151 ... heater,
200… Sensing circuit,
250: heater drive circuit,
P1 ... power supply pattern,
P3, P12: Ground pattern for sensing circuit
P4, P13: Ground pattern for heater drive circuit,
T4: Ground terminal.
Claims (13)
前記センシング回路における基準電位を設定するグランドパターンと、前記ヒータ駆動回路における基準電位を設定するグランドパターンとを前記グランド端子部又はその近傍を起点として分離して設けたことを特徴とするガス濃度検出装置。The present invention is applied to a gas concentration sensor including a sensor element having a solid electrolyte and detecting a gas concentration of a specific component in a gas to be detected, and a heater for heating the sensor element to a predetermined active state. And a heater drive circuit for intermittently energizing the heater. Each of these circuits is mounted on the same circuit board, and each circuit has an external reference potential through a ground terminal. In a gas concentration detection device configured to take in
Gas concentration detection, wherein a ground pattern for setting a reference potential in the sensing circuit and a ground pattern for setting a reference potential in the heater drive circuit are provided separately from the ground terminal portion or its vicinity as a starting point. apparatus.
前記センシング回路における基準電位を設定するグランドパターンと、前記ヒータ駆動回路における基準電位を設定するグランドパターンとを前記回路基板上に一体的に設け、これら各グランドパターンの分岐点に前記グランド端子部を設けたことを特徴とするガス濃度検出装置。The present invention is applied to a gas concentration sensor including a sensor element having a solid electrolyte and detecting a gas concentration of a specific component in a gas to be detected, and a heater for heating the sensor element to a predetermined active state. And a heater drive circuit for intermittently energizing the heater. Each of these circuits is mounted on the same circuit board, and each circuit has an external reference potential through a ground terminal. In a gas concentration detection device configured to take in
A ground pattern for setting a reference potential in the sensing circuit and a ground pattern for setting a reference potential in the heater drive circuit are integrally provided on the circuit board, and the ground terminal portion is provided at a branch point of each of the ground patterns. A gas concentration detection device, comprising:
前記センシング回路における基準電位を設定するグランドパターンと、前記ヒータ駆動回路における基準電位を設定するグランドパターンとを前記回路基板上に一体的に設け、これら各グランドパターンの分岐点に対して何れかのグランドパターン側か、或いはその逆側にずれた位置に前記グランド端子部を設けたことを特徴とするガス濃度検出装置。The present invention is applied to a gas concentration sensor including a sensor element having a solid electrolyte and detecting a gas concentration of a specific component in a gas to be detected, and a heater for heating the sensor element to a predetermined active state. And a heater drive circuit for intermittently energizing the heater. Each of these circuits is mounted on the same circuit board, and each circuit has an external reference potential through a ground terminal. In a gas concentration detection device configured to take in
A ground pattern for setting a reference potential in the sensing circuit and a ground pattern for setting a reference potential in the heater drive circuit are integrally provided on the circuit board, and any one of the branch points of these ground patterns is provided. A gas concentration detection device, wherein the ground terminal portion is provided at a position shifted to a ground pattern side or a reverse side thereof.
回路基板上における前記センシング回路の設置領域と前記ヒータ駆動回路の設置領域とを互いに離間した位置に設けたことを特徴とするガス濃度検出装置。The present invention is applied to a gas concentration sensor including a sensor element having a solid electrolyte and detecting a gas concentration of a specific component in a gas to be detected, and a heater for heating the sensor element to a predetermined active state. And a heater drive circuit for intermittently energizing the heater. Each of these circuits is mounted on the same circuit board, and each circuit has an external reference potential through a ground terminal. In a gas concentration detection device configured to take in
A gas concentration detection device, wherein an installation area of the sensing circuit and an installation area of the heater drive circuit on a circuit board are provided at positions separated from each other.
前記回路基板は複数の絶縁層が積層されてなる多層基板であり、ヒータ駆動回路用のグランドパターンと電源パターンとを絶縁層を挟んで上下に重ねて設け且つそれら各パターンの電流の流れの向きが互いに逆になるよう構成したことを特徴とするガス濃度検出装置。The present invention is applied to a gas concentration sensor including a sensor element having a solid electrolyte and detecting a gas concentration of a specific component in a gas to be detected, and a heater for heating the sensor element to a predetermined active state. And a heater drive circuit for intermittently energizing the heater. Each of these circuits is mounted on the same circuit board, and each circuit has an external reference potential through a ground terminal. In a gas concentration detection device configured to take in
The circuit board is a multilayer board in which a plurality of insulating layers are stacked, and a ground pattern and a power supply pattern for a heater drive circuit are provided one above the other with the insulating layer interposed therebetween, and the direction of current flow in each of the patterns is provided. Are configured to be opposite to each other.
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