JP2004212135A - 流体抵抗測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体中の物体が流体から受ける力を測定するには歪ゲージを使用していたため、温度ドリフトの問題があり、壊れやすく、また埋め込んで使用できなかった。
【解決手段】流体流れ上に配置した計測平板が流体流れによって受ける抵抗を測定するに際して、固定平板と間隔をもってステンレスワイヤで吊し、計測平板と固定平板間にFBGセンサAとFBGセンサBとを固定し、固定平板上にFBGセンサCを設け、これらのFBGセンサを怒りファイバーで直列に接続する。FBGセンサAとFBGセンサBとは固定板が流体流れによって受ける抵抗による力を歪みとして計測し、FBGセンサCは計測平板の温度を計測する。FBGセンサAとFBGセンサBとによる歪み信号はFBGセンサCの検出温度によって補正し、正確な流体抵抗を測定する。
【選択図】 図1
【解決手段】流体流れ上に配置した計測平板が流体流れによって受ける抵抗を測定するに際して、固定平板と間隔をもってステンレスワイヤで吊し、計測平板と固定平板間にFBGセンサAとFBGセンサBとを固定し、固定平板上にFBGセンサCを設け、これらのFBGセンサを怒りファイバーで直列に接続する。FBGセンサAとFBGセンサBとは固定板が流体流れによって受ける抵抗による力を歪みとして計測し、FBGセンサCは計測平板の温度を計測する。FBGセンサAとFBGセンサBとによる歪み信号はFBGセンサCの検出温度によって補正し、正確な流体抵抗を測定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイバーブラッググレーティング(FBG)の波長選択性を利用した歪み測定手法を用いて、流体の流れによる物体が受ける摩擦抵抗、圧力抗力、更には揚力等を測定する流体抵抗測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機、船舶、特に高速列車等の陸運分野においては、機体と周囲の空気や水との壁面摩擦抵抗力を測定する必要があり、また飛行機等では翼等が流体によって受ける力としての揚力を測定する必要がある。以下このような、流体中の物体が流体によって受ける力を総称して「流体抵抗」と呼ぶ。このような流体抵抗を測定するために種々の手法が提案されており、歪みゲージを使用して抗力を測定した例もある。また、例えば下記特許文献1に記載しているように、風洞等に機体の形状を縮小した供試体を設置し、力検出センサにより機体の流体摩擦抵抗を測定することも提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−260622号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように歪ゲージを使用するものにおいては、歪ゲージには温度ドリフトの問題があり、壊れやすく、また埋め込んで使用することができないのでその設置が困難である。
【0005】
したがって本発明は、歪ゲージのような温度ドリフトを生じることのない装置を用いて流体抵抗を測定することができ、またその設置が容易な流体抵抗測定装置を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の流体抵抗測定装置は、流体に接する物体における流体の力を受けて変位する部分に固定した第1FBGセンサと、前記物体における流体の力を受けない部分に固定した第2FBGセンサと、前記第1FBGセンサ及び前記第2FBGセンサを接続する光ファイバーと、前記光ファイバーにより第1FBGセンサ及び前記第2FBGセンサの信号を入力し、前記第1FBGセンサからの流体から受けた力による歪み信号に対して、前記第2FBGセンサで検出した温度信号により補正を行い、流体により受ける力を測定する演算手段とを備えたものである。
【0007】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記物体が流体によって受ける力は摩擦力であり、前記摩擦力は流体に接して可動に支持した物体と周囲の固定物体との間に固定した前記第1FBGセンサからの歪み信号により検出するようにしたものである。
【0008】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記流体の力を受けて変位する部分には第3FBGセンサを設け、前記演算手段は前記第1FBGセンサと第3FBGセンサの両歪み信号を入力して演算するようにしたものである。
【0009】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記物体が流体によって受ける力は揚力であり、前記揚力は前記物体を支持するロッドの上面に固定した前記第1FBGセンサからの歪み信号により検出するようにしたものである。
【0010】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記物体が流体によって受ける力は揚力であり、前記揚力は前記物体と該物体下方の固定部材間に固定した光ファイバーに設けた前記第1FBGセンサからの歪み信号としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は流体抵抗(前記のように流体中の物体が流体によって受ける力を総称している)を測定するため光ファイバーとその光ファイバーに設けたFBG(ファイバーブラッググレーティング)を用いるものであり、図1には実際に本発明の有効性を確認するために使用した本発明の1実施例としての実験装置の概要を示している。本発明はこのような構造の装置によって、特に乱流場における摩擦抵抗及び圧力抗力を測定することができる。
【0012】
図1にはFBGを用いた壁面摩擦抵抗測定装置の概念図を示し、実際には1000mm×500mm×5000mmの試験風洞を用い、その入り口から3m下流に、計測平板を直径0.3mmのステンレスワイヤー4本で吊し、固定平板と平行に設置する。この固定板と計測平板の間に後述するセンサを図示の例ではセンサAとセンサBの2個の摩擦抵抗測定用センサを直列に配置し、更に図示の例ではその先端側に温度補償用のセンサCを設けている。
【0013】
ここで用いるセンサは、図2にセンサ部の概念図を示しているように、例えば直径125μmの光ファイバーのコアには、Λnm間隔で屈折率が周期的に変化している部分があり、それらの集合体で1つのセンサ部を形成している。これらのセンサ部に対して、
λB=2n0Λ (1)
を満たす特定のBragg波長(λB)だけが選択的に反射される。ここでn0はグレーティング部のコアにおける平均屈折率である。
【0014】
ファイバーの伸縮、即ち歪みは荷重(W)だけでなく、温度変化(ΔT)によっても変化するため、λBもWとΔTの関数になる。そのため、複数のセンサ部を摩擦力測定部と周辺温度測定部に分けて測定を行う。図1に示すように3つのセンサA,B,Cを配置したものにおいては、センサAとBを用いて、直径0.3mmのステンレス製のワイヤーで吊された測定平板の摩擦応力を検出する。図3に荷重とセンサ部の伸び(ε)の関係を示す。
【0015】
図1においてセンサCは周辺温度を測定するために張力を与えないように設置する。センサA及びBの温度依存性による伸縮量をセンサCで計測した温度に対して基準温度での変位量に補正することによって、温度によるドリフトを補正することができる。これらの演算は光ファイバーからのこれらのセンサの信号を入力する別途設けた演算手段によって演算することができる。
【0016】
測定平板への水平方向の荷重に対するFBGの歪みの関係を図3に示す。歪みはセンサA及びBから得られたBragg波長のシフト量の合計から、センサCの温度変化を補正する。図3においては全ての測定値をT=30℃に補正されている。ここで使用したファイバーの場合、以下の関係式が成り立つことがわかった。
ΔλB=λB(T+1)−λB(T)=0.010nm (2)
ここでλB(T)は、センサCの周辺温度がT(℃)の時のBragg波長である。ここで用いたFBGでは、検出可能なBragg波長の最小値が1.0×10−6であるので、摩擦抗力に換算すると1mN以下の精度で抗力を測定することが可能となった。
【0017】
このようなFBGを用いた壁面摩擦抵抗測定装置により測定した流速uに対するファイバーの歪みの関係を図4に示す。ここで使用した試験風洞においてはu<5m/sでは層流であるが、u>5m/sで測定平板の下流部から流量の増加とともに層流から乱流へと遷移する。図4から、流速が増加するにつれて、ファイバーの歪みが増加することがわかる。10m/sで能動制御を行った場合、0.5%程度の微小な摩擦抵抗力の変化を測定することが可能であるためアクチュエータの性能評価を行うための手法として有用である。いくつかのアクチュエータによる壁面摩擦抗力の変化をFBGを利用する壁面摩擦抵抗測定装置で計測した結果を図5及び図6のグラフに示しており、図5は水槽を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示し、図6は同様に、風洞を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示している。
【0018】
上記実施例においては、物体が流体から受ける力を測定する手段として、計測平板と固定平板間に2個のFBGセンサを設けた例を示したが、1個のみでもよい。また、温度を測定するためのFBGセンサは必要な箇所に複数設けることもできる。
【0019】
本発明によるFBGを用いた流体抵抗測定装置は上記のような流体抗力を測定する以外に、例えば図7に示すような翼の揚力測定装置としても利用することができる。図示する例においては、翼型10は中が空洞になっており、この翼型を外部に支持する固定棒11は片側から翼型内を貫通して図中の固定面12における固定部13において固定し支持している。
【0020】
中空の翼型内における固定棒11の上端面には、その軸線に沿って光ファイバー14を設けており、その光ファイバー14に温度測定用のFBGセンサAと、流体流れによって抵抗を受ける翼型により固定棒が流体流れ方向に歪むのを検出するFBGセンサBとを固定し、この光ファイバーを固定棒の周面上で側方に導いてこの部分にFBGセンサCを固定することにより翼型が揚力によって上下に移動する力を固定棒の上下動の歪みとして検出するようにしている。
【0021】
翼型の揚力を測定するには、更に図8に示すようにセンサを配置し各センサを光ケーブル16により接続して測定を行っても良い。図8に示す例においては、片側または両側を固定棒で支持した翼型10の下面17に翼型の温度測定を測定するFBGセンサAを設け、翼型の下面17と風洞下面部18との間に張設した光ファイバー部分に翼型が流体流れによって受ける揚力を測定するFBGセンサBを設け、更に、風洞下面部18に風洞の温度を測定するFBGセンサCを設けている。このような装置によっても、翼型の揚力によってFBGBが伸びて歪みを生じるため、この揚力を正確に測定することができる。
【0022】
FBGセンサによる歪みの計測によって流体に接する物体における流体の力を測定する手法は、上記のような実施例以外に、流体に接する物体が流体の力を受けて変位する部分に設けるならば、更に種々の部材に対してFBGセンサを設け、種々の流体の力を測定することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記のように第1FBGセンサを用いて流体に接する物体における流体の力を歪み信号として測定し、1本の光ファイバーに前記第1FBGセンサの他に第2FBGセンサを直列に設けるのみて温度を容易に測定することができる。したがってその温度信号によって第1FBGセンサの信号を補正することによって温度ドリフトのない歪みを検出することができ、正確な前記流体の力を検出することができるとともに、その設置が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す模式図である。
【図2】本発明に用いるFBGの説明図である。
【図3】同実施例において、測定平板への水平方向の荷重に対するFBGの歪みの関係を示すグラフである。
【図4】同実施例において、FBGを用いた壁面摩擦抵抗測定装置により測定した流速uに対するファイバーの歪みの関係を示すグラフである。
【図5】水槽を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示すグラフである。
【図6】風洞を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示すグラフである。
【図7】本発明を翼の揚力測定装置に適用した実施例を示す図である。
【図8】本発明を翼の揚力測定装置に適用した他の実施例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイバーブラッググレーティング(FBG)の波長選択性を利用した歪み測定手法を用いて、流体の流れによる物体が受ける摩擦抵抗、圧力抗力、更には揚力等を測定する流体抵抗測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機、船舶、特に高速列車等の陸運分野においては、機体と周囲の空気や水との壁面摩擦抵抗力を測定する必要があり、また飛行機等では翼等が流体によって受ける力としての揚力を測定する必要がある。以下このような、流体中の物体が流体によって受ける力を総称して「流体抵抗」と呼ぶ。このような流体抵抗を測定するために種々の手法が提案されており、歪みゲージを使用して抗力を測定した例もある。また、例えば下記特許文献1に記載しているように、風洞等に機体の形状を縮小した供試体を設置し、力検出センサにより機体の流体摩擦抵抗を測定することも提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−260622号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように歪ゲージを使用するものにおいては、歪ゲージには温度ドリフトの問題があり、壊れやすく、また埋め込んで使用することができないのでその設置が困難である。
【0005】
したがって本発明は、歪ゲージのような温度ドリフトを生じることのない装置を用いて流体抵抗を測定することができ、またその設置が容易な流体抵抗測定装置を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の流体抵抗測定装置は、流体に接する物体における流体の力を受けて変位する部分に固定した第1FBGセンサと、前記物体における流体の力を受けない部分に固定した第2FBGセンサと、前記第1FBGセンサ及び前記第2FBGセンサを接続する光ファイバーと、前記光ファイバーにより第1FBGセンサ及び前記第2FBGセンサの信号を入力し、前記第1FBGセンサからの流体から受けた力による歪み信号に対して、前記第2FBGセンサで検出した温度信号により補正を行い、流体により受ける力を測定する演算手段とを備えたものである。
【0007】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記物体が流体によって受ける力は摩擦力であり、前記摩擦力は流体に接して可動に支持した物体と周囲の固定物体との間に固定した前記第1FBGセンサからの歪み信号により検出するようにしたものである。
【0008】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記流体の力を受けて変位する部分には第3FBGセンサを設け、前記演算手段は前記第1FBGセンサと第3FBGセンサの両歪み信号を入力して演算するようにしたものである。
【0009】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記物体が流体によって受ける力は揚力であり、前記揚力は前記物体を支持するロッドの上面に固定した前記第1FBGセンサからの歪み信号により検出するようにしたものである。
【0010】
また、本発明に係る他の流体抵抗測定装置は、前記物体が流体によって受ける力は揚力であり、前記揚力は前記物体と該物体下方の固定部材間に固定した光ファイバーに設けた前記第1FBGセンサからの歪み信号としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は流体抵抗(前記のように流体中の物体が流体によって受ける力を総称している)を測定するため光ファイバーとその光ファイバーに設けたFBG(ファイバーブラッググレーティング)を用いるものであり、図1には実際に本発明の有効性を確認するために使用した本発明の1実施例としての実験装置の概要を示している。本発明はこのような構造の装置によって、特に乱流場における摩擦抵抗及び圧力抗力を測定することができる。
【0012】
図1にはFBGを用いた壁面摩擦抵抗測定装置の概念図を示し、実際には1000mm×500mm×5000mmの試験風洞を用い、その入り口から3m下流に、計測平板を直径0.3mmのステンレスワイヤー4本で吊し、固定平板と平行に設置する。この固定板と計測平板の間に後述するセンサを図示の例ではセンサAとセンサBの2個の摩擦抵抗測定用センサを直列に配置し、更に図示の例ではその先端側に温度補償用のセンサCを設けている。
【0013】
ここで用いるセンサは、図2にセンサ部の概念図を示しているように、例えば直径125μmの光ファイバーのコアには、Λnm間隔で屈折率が周期的に変化している部分があり、それらの集合体で1つのセンサ部を形成している。これらのセンサ部に対して、
λB=2n0Λ (1)
を満たす特定のBragg波長(λB)だけが選択的に反射される。ここでn0はグレーティング部のコアにおける平均屈折率である。
【0014】
ファイバーの伸縮、即ち歪みは荷重(W)だけでなく、温度変化(ΔT)によっても変化するため、λBもWとΔTの関数になる。そのため、複数のセンサ部を摩擦力測定部と周辺温度測定部に分けて測定を行う。図1に示すように3つのセンサA,B,Cを配置したものにおいては、センサAとBを用いて、直径0.3mmのステンレス製のワイヤーで吊された測定平板の摩擦応力を検出する。図3に荷重とセンサ部の伸び(ε)の関係を示す。
【0015】
図1においてセンサCは周辺温度を測定するために張力を与えないように設置する。センサA及びBの温度依存性による伸縮量をセンサCで計測した温度に対して基準温度での変位量に補正することによって、温度によるドリフトを補正することができる。これらの演算は光ファイバーからのこれらのセンサの信号を入力する別途設けた演算手段によって演算することができる。
【0016】
測定平板への水平方向の荷重に対するFBGの歪みの関係を図3に示す。歪みはセンサA及びBから得られたBragg波長のシフト量の合計から、センサCの温度変化を補正する。図3においては全ての測定値をT=30℃に補正されている。ここで使用したファイバーの場合、以下の関係式が成り立つことがわかった。
ΔλB=λB(T+1)−λB(T)=0.010nm (2)
ここでλB(T)は、センサCの周辺温度がT(℃)の時のBragg波長である。ここで用いたFBGでは、検出可能なBragg波長の最小値が1.0×10−6であるので、摩擦抗力に換算すると1mN以下の精度で抗力を測定することが可能となった。
【0017】
このようなFBGを用いた壁面摩擦抵抗測定装置により測定した流速uに対するファイバーの歪みの関係を図4に示す。ここで使用した試験風洞においてはu<5m/sでは層流であるが、u>5m/sで測定平板の下流部から流量の増加とともに層流から乱流へと遷移する。図4から、流速が増加するにつれて、ファイバーの歪みが増加することがわかる。10m/sで能動制御を行った場合、0.5%程度の微小な摩擦抵抗力の変化を測定することが可能であるためアクチュエータの性能評価を行うための手法として有用である。いくつかのアクチュエータによる壁面摩擦抗力の変化をFBGを利用する壁面摩擦抵抗測定装置で計測した結果を図5及び図6のグラフに示しており、図5は水槽を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示し、図6は同様に、風洞を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示している。
【0018】
上記実施例においては、物体が流体から受ける力を測定する手段として、計測平板と固定平板間に2個のFBGセンサを設けた例を示したが、1個のみでもよい。また、温度を測定するためのFBGセンサは必要な箇所に複数設けることもできる。
【0019】
本発明によるFBGを用いた流体抵抗測定装置は上記のような流体抗力を測定する以外に、例えば図7に示すような翼の揚力測定装置としても利用することができる。図示する例においては、翼型10は中が空洞になっており、この翼型を外部に支持する固定棒11は片側から翼型内を貫通して図中の固定面12における固定部13において固定し支持している。
【0020】
中空の翼型内における固定棒11の上端面には、その軸線に沿って光ファイバー14を設けており、その光ファイバー14に温度測定用のFBGセンサAと、流体流れによって抵抗を受ける翼型により固定棒が流体流れ方向に歪むのを検出するFBGセンサBとを固定し、この光ファイバーを固定棒の周面上で側方に導いてこの部分にFBGセンサCを固定することにより翼型が揚力によって上下に移動する力を固定棒の上下動の歪みとして検出するようにしている。
【0021】
翼型の揚力を測定するには、更に図8に示すようにセンサを配置し各センサを光ケーブル16により接続して測定を行っても良い。図8に示す例においては、片側または両側を固定棒で支持した翼型10の下面17に翼型の温度測定を測定するFBGセンサAを設け、翼型の下面17と風洞下面部18との間に張設した光ファイバー部分に翼型が流体流れによって受ける揚力を測定するFBGセンサBを設け、更に、風洞下面部18に風洞の温度を測定するFBGセンサCを設けている。このような装置によっても、翼型の揚力によってFBGBが伸びて歪みを生じるため、この揚力を正確に測定することができる。
【0022】
FBGセンサによる歪みの計測によって流体に接する物体における流体の力を測定する手法は、上記のような実施例以外に、流体に接する物体が流体の力を受けて変位する部分に設けるならば、更に種々の部材に対してFBGセンサを設け、種々の流体の力を測定することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記のように第1FBGセンサを用いて流体に接する物体における流体の力を歪み信号として測定し、1本の光ファイバーに前記第1FBGセンサの他に第2FBGセンサを直列に設けるのみて温度を容易に測定することができる。したがってその温度信号によって第1FBGセンサの信号を補正することによって温度ドリフトのない歪みを検出することができ、正確な前記流体の力を検出することができるとともに、その設置が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す模式図である。
【図2】本発明に用いるFBGの説明図である。
【図3】同実施例において、測定平板への水平方向の荷重に対するFBGの歪みの関係を示すグラフである。
【図4】同実施例において、FBGを用いた壁面摩擦抵抗測定装置により測定した流速uに対するファイバーの歪みの関係を示すグラフである。
【図5】水槽を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示すグラフである。
【図6】風洞を用いてレイノルズ数と摩擦抗力係数の関係を計測した結果を示すグラフである。
【図7】本発明を翼の揚力測定装置に適用した実施例を示す図である。
【図8】本発明を翼の揚力測定装置に適用した他の実施例を示す図である。
Claims (5)
- 流体に接する物体における流体の力を受けて変位する部分に固定した第1FBGセンサと、
前記物体における流体の力を受けない部分に固定した第2FBGセンサと、
前記第1FBGセンサ及び前記第2FBGセンサを接続する光ファイバーと、
前記光ファイバーにより第1FBGセンサ及び前記第2FBGセンサの信号を入力し、前記第1FBGセンサからの流体から受けた力による歪み信号に対して、前記第2FBGセンサで検出した温度信号により補正を行い、流体により受ける力を測定する演算手段とを備えたことを特徴とする流体抵抗測定装置。 - 前記物体が流体によって受ける力は摩擦力であり、
前記摩擦力は流体に接して可動に支持した物体と周囲の固定物体との間に固定した前記第1FBGセンサからの歪み信号により検出することを特徴とする請求項1記載の流体抵抗測定装置。 - 前記流体の力を受けて変位する部分には第3FBGセンサを設け、
前記演算手段は前記第1FBGセンサと第3FBGセンサの両歪み信号を入力して演算することを特徴とする請求項1記載の流体抵抗測定装置。 - 前記物体が流体によって受ける力は揚力であり、
前記揚力は前記物体を支持するロッドの側面に固定した前記第1FBGセンサからの歪み信号により検出することを特徴とする請求項1記載の流体抵抗測定装置。 - 前記物体が流体によって受ける力は揚力であり、
前記揚力は前記物体と該物体下方の固定部材間に固定した光ファイバーに設けた前記第1FBGセンサからの歪み信号であることを特徴とする請求項1記載の流体抵抗測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002380259A JP2004212135A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 流体抵抗測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002380259A JP2004212135A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 流体抵抗測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004212135A true JP2004212135A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32816539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002380259A Pending JP2004212135A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 流体抵抗測定装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004212135A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009192409A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-08-27 | Ihi Inspection & Instrumentation Co Ltd | ひずみ計測装置及びその計測方法 |
CN104865004A (zh) * | 2015-06-11 | 2015-08-26 | 洛阳理工学院 | 一种新型局部阻力系数测定实验装置 |
CN107991059A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-05-04 | 天津航天瑞莱科技有限公司 | 一种列车外表面受风情况的模拟装置 |
CN108801585A (zh) * | 2018-04-20 | 2018-11-13 | 温州大学激光与光电智能制造研究院 | 一种基于激光测距的材料表面流体阻力测试装置 |
CN110779679A (zh) * | 2019-11-21 | 2020-02-11 | 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 | 一种校准箱压力补偿室对高精度测力天平影响的修正方法 |
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CN110806302B (zh) * | 2019-11-21 | 2021-01-08 | 中国空气动力研究与发展中心低速空气动力研究所 | 一种能够解耦六分量作用力的压力补偿装置 |
CN113670558A (zh) * | 2021-08-30 | 2021-11-19 | 中国空气动力研究与发展中心设备设计与测试技术研究所 | 用于风洞漏冷监测的光纤快速定位方法 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002380259A patent/JP2004212135A/ja active Pending
Cited By (13)
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