JP2004210774A - 急性心筋梗塞治療のための遺伝子導入剤およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 裸のプラスミド中にコードされた肝細胞成長因子(HGF)遺伝子を左心室内に持続注入することにより、心筋に導入されるか否かについて、ラット急性心筋梗塞モデルで経胸腔的超音波照射(US/MB)法による超微粒気泡崩壊をテストした。
【解決手段】 US/MBの間コントロール・プラスミド投与を受けたラットあるいはHGFプラスミド単独投与を受けたラットと比較し、US/MBと共に裸のHGFプラスミド持続注入を受けたラットの左心室ジオメトリーおよび連続心エコー検査における機能の悪化がより低く、組織瘢痕形成も少なく左心室重量は増加し、処置後3週の損傷部位において血管新生/動脈新生が顕著であった。従ってUS/MB法は、裸のプラスミドの全身投与により、心筋梗塞後の血管新生を増強し左心室リモデリングを抑制するHGF遺伝子の心筋への導入を可能とするものである。
【選択図】 なし
【解決手段】 US/MBの間コントロール・プラスミド投与を受けたラットあるいはHGFプラスミド単独投与を受けたラットと比較し、US/MBと共に裸のHGFプラスミド持続注入を受けたラットの左心室ジオメトリーおよび連続心エコー検査における機能の悪化がより低く、組織瘢痕形成も少なく左心室重量は増加し、処置後3週の損傷部位において血管新生/動脈新生が顕著であった。従ってUS/MB法は、裸のプラスミドの全身投与により、心筋梗塞後の血管新生を増強し左心室リモデリングを抑制するHGF遺伝子の心筋への導入を可能とするものである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、心筋梗塞後の血管新生を増強し左心室リモデリングを抑制する方法に関する。
本明細書における略語
DNA および cDNA; デオキシリボ核酸、相補的デオキシリボ核酸
HGF; 肝細胞成長因子
ISP; イソプロテレノール
LV; 左心室または、左心室の
LVEDD; 左心室拡張末期容量
LVESD; 左心室収縮末期容量
MB または MBs; 超微粒気泡(複数形)
MCE; 心筋造影心エコー検査
MI; 心筋梗塞
US; 超音波
US/MB; 超音波超微粒気泡崩壊
DNA および cDNA; デオキシリボ核酸、相補的デオキシリボ核酸
HGF; 肝細胞成長因子
ISP; イソプロテレノール
LV; 左心室または、左心室の
LVEDD; 左心室拡張末期容量
LVESD; 左心室収縮末期容量
MB または MBs; 超微粒気泡(複数形)
MCE; 心筋造影心エコー検査
MI; 心筋梗塞
US; 超音波
US/MB; 超音波超微粒気泡崩壊
急性心筋梗塞(MI)は、梗塞部位の心筋細胞死による肥大あるいは動脈瘤形成や、非梗塞部位の肥厚および線維化を伴った左心室拡張を含む、左心室(LV)の好ましくないリモデリングをもたらす(1)。
肝細胞成長因子(HGF)は、広範な細胞、特に上皮細胞および内皮細胞に対し、多面的効果を現すことが知られている(2)。しかし最近、c-Met/HGF受容体が、心筋梗塞後の生残心筋の境界領域中と非梗塞部位中の心筋細胞に広範に発現していることが示された(3)。またHGFが、酸化ストレスによる心筋細胞死を防止すること(3)、また虚血・再灌流誘発に先立つHGF遺伝子導入が、再灌流障害を減弱することについても報告されている(4)。
さらに、冠動脈結紮直後のHVJ-リポソーム直接注射によるHGF細胞移入は、梗塞心筋および非梗塞心筋双方において血管新生を誘導し、結果として慢性期における心筋血流を保つ(5)。従って、HGFは心筋梗塞の治療に応用される心臓向性成長因子の1つとなり得る。とりわけ心筋梗塞の急性期におけるHGF遺伝子導入は、梗塞規模およびそれに続く左心室リモデリングを減少させる可能性がある。
ウイルスベクターは、高い細胞移入効率により、昨今の遺伝子治療の大半において利用されている。しかしながら、ウイルス・タンパクは標的となる宿主/組織に好ましくない免疫応答をもたらすので(6)、非ウイルス性遺伝子送達技術の開発を促進している。
その点において、骨格筋(7,35)および心筋(9,36)への成長因子の遺伝子移入にあたり、効果は必要十分でないにも関わらず裸のプラスミドDNAの直接注射が用いられてきた。ただし心筋へのプラスミドの直接注射は、心外膜からの方法であるため外科処置を要し(36)、カテーテルによる心内膜心筋への注射、心臓内での電気機械的誘導マッピング・システム(9)あるいは心臓内エコー検査(10)を要する。
最近、超音波超微粒気泡崩壊(US/MB)法が、薬物および遺伝子の特定対象組織への新たな局所送達手法として提案された。現在のところ超音波(US)コントラスト剤として用いられている超微粒気泡(MBs)は、超音波の生物活性を増強することができる。音響出力および他の要因に依存して、超微粒気泡は超音波エネルギーにより破壊され局所衝撃波を生じる(11)。超微粒気泡の存在は、近隣の細胞膜等の固形膜に一過性の穿孔を生じさせる(11)キャビテーションのための超音波エネルギーのしきい値を低下させる。組織レベルで、そのようなキャビテーションおよび衝撃波は、局所的に毛細血管壁を崩壊させることができ、間質空間への生理活性物質送達を可能にする(12,13)。超音波超微粒気泡崩壊は、アデノウイルスによるレポーター遺伝子であるβ-ガラクトシダーゼの、心筋への細胞移入を促進することが知られている(14,15)。しかしながら、裸の遺伝子と超音波超微粒気泡崩壊との組み合わせによる、心筋への機能性遺伝子導入は、これまで示されていなかった。従って本研究において本発明者らは、循環血液中に持続注入されている裸のプラスミドDNA中にコードされたHGFの心筋への遺伝子導入は、心筋をターゲットとする経胸腔的超音波照射による超微粒気泡の崩壊によって、ラットにおける急性心筋梗塞の病理像を改善することができるという仮説をテストした。
特開2002-145784号公報には、例えば生体へ直接遺伝子などを導入することができるパーフルオロカーボンのような超微粒気泡ミクロスフェアを含有する遺伝子導入製剤が開示されている。しかしこの先行技術は、例えば脳、消化管、血管、筋肉、取り分け癌組織などの、生体の特定部位への遺伝子導入を目指すものである。
また特表平5−505131号公報には、カテーテルを用い、パーフルオロカーボン乳剤を使用した酸素化溶液を心臓に送る方法が開示されている。しかしさらに血管新生遺伝子を併用する方法については、全く記載されていない。
まだ、心筋梗塞後の左心室リモデリングを抑制する有効性の高い治療方法は開発されておらず、心筋梗塞の予後改善にあたり必要不可欠である。
本発明の実施により、重症虚血下における細胞死の防止および/または虚血軽減のため側副血行路補充が可能となり、梗塞後リモデリングを防止し得る。
本発明におけるパーフルオロカーボンとは、1以上のフッ素原子で置換された、2〜5個の炭素原子を有する炭化水素である。
好ましい具体例の1つはパーフルオロプロパン、特に製品名オプチゾンTMとして販売されている1,1,1,2,2,3,3,3-オクタフルオロプロパンである。
本発明における治療用遺伝子とは、肝細胞成長因子(HGF)、bFGF、aFGF、TGFβ、VEGF、BMP、PDGF、TGFα、他のサイトカインあるいはそれらの類縁物質等の血管新生因子をコードする遺伝子である。
好ましい治療用遺伝子として具体例の1つは、肝細胞成長因子(HGF)をコードする遺伝子、あるいはプラスミド中に挿入されれた肝細胞成長因子(HGF)をコードする遺伝子である。
最も好ましい組み合わせは、パーフルオロカーボンまたはパーフルオロプロパンとして1,1,1,2,2,3,3,3-オクタフルオロプロパンと、プラスミド中に挿入されれた肝細胞成長因子(HGF)をコードする遺伝子である。
本導入剤の好ましい投与経路は、超音波照射下での血液への持続注入である。
本発明について実施例によりさらに詳しく説明するが、これらには限定されない。
方法
1) プラスミドの構築
HGF発現ベクターを製造するために、ヒトHGF cDNA(2.2kb)を、サイトメガロ・ウイルスのプロモーター/エンハンサーを利用する単純真核発現プラスミドpVax1(Invitrogen社、東京、日本)中に挿入した。またHGF cDNAを含まないpVax1ベクターをコントロールとして使用した。
方法
1) プラスミドの構築
HGF発現ベクターを製造するために、ヒトHGF cDNA(2.2kb)を、サイトメガロ・ウイルスのプロモーター/エンハンサーを利用する単純真核発現プラスミドpVax1(Invitrogen社、東京、日本)中に挿入した。またHGF cDNAを含まないpVax1ベクターをコントロールとして使用した。
2) 動物の調製
本実験計画は香川医科大学動物実験委員会の承認を得たものである。全54匹の雄性Sprague-Dawleyラット(250-300g)を、ペントバルビタール・ナトリウム(65mg/kg)を0.9%食塩水6mLに希釈し、腹腔内注射により麻酔した。
プラスミドDNA注射のため、薄ポリエチレンカテーテル(PE10)を右外頸動脈から左心室(LV)に進めた。別の複数ポリエチレンカテーテル(PE50)を、血圧および心拍数測定のため左大腿動脈に1本挿入し、他を超微粒気泡持続注入のため左大腿静脈に挿入した。動物には気管内チューブを通し、呼吸装置(SN-480-7、信濃、東京、日本)を用い室内空気を給気した。左側面開胸術を、第四肋間腔において施行した。外科的処置後、急速に胸壁封鎖をするため皮膚および筋肉を重ね合わせて縫合糸を設置した。左冠状動脈を大動脈から本来の位置に2mm離れて、4.0絹糸により完全に結紮した。注射器を用い胸腔内の空気を除いた後、先に設置した縫合糸を結束し切開口を閉じた。冠状動脈結紮後2時間以内に、ラットを無作為に以下の3群に分けた。
超音波超微粒気泡崩壊と共にHGFプラスミド投与した群(HGF-US/MB群) (n=20)、
HGFプラスミドのみ投与した群(HGF単独群) (n=18) および
超音波超微粒気泡崩壊と共にコントロール・ベクター投与した群(pVax1-US/MB群) (n=18)
HGF発現を免疫組織学的に確認するため、心筋梗塞7日後に各群半数のラットを屠殺した。残り半分は心筋梗塞3週後、左心室リモデリングおよびそれに続く組織病理学的変化の程度を評価するため、連続心エコー検査および心カテーテル検査に供した。
本実験計画は香川医科大学動物実験委員会の承認を得たものである。全54匹の雄性Sprague-Dawleyラット(250-300g)を、ペントバルビタール・ナトリウム(65mg/kg)を0.9%食塩水6mLに希釈し、腹腔内注射により麻酔した。
プラスミドDNA注射のため、薄ポリエチレンカテーテル(PE10)を右外頸動脈から左心室(LV)に進めた。別の複数ポリエチレンカテーテル(PE50)を、血圧および心拍数測定のため左大腿動脈に1本挿入し、他を超微粒気泡持続注入のため左大腿静脈に挿入した。動物には気管内チューブを通し、呼吸装置(SN-480-7、信濃、東京、日本)を用い室内空気を給気した。左側面開胸術を、第四肋間腔において施行した。外科的処置後、急速に胸壁封鎖をするため皮膚および筋肉を重ね合わせて縫合糸を設置した。左冠状動脈を大動脈から本来の位置に2mm離れて、4.0絹糸により完全に結紮した。注射器を用い胸腔内の空気を除いた後、先に設置した縫合糸を結束し切開口を閉じた。冠状動脈結紮後2時間以内に、ラットを無作為に以下の3群に分けた。
超音波超微粒気泡崩壊と共にHGFプラスミド投与した群(HGF-US/MB群) (n=20)、
HGFプラスミドのみ投与した群(HGF単独群) (n=18) および
超音波超微粒気泡崩壊と共にコントロール・ベクター投与した群(pVax1-US/MB群) (n=18)
HGF発現を免疫組織学的に確認するため、心筋梗塞7日後に各群半数のラットを屠殺した。残り半分は心筋梗塞3週後、左心室リモデリングおよびそれに続く組織病理学的変化の程度を評価するため、連続心エコー検査および心カテーテル検査に供した。
3) 冠状動脈閉塞中の心筋損傷部位の決定
広帯域(5-12MHz)発信器「S12 of SONOS5500 (Philips Medical Systems社、アンドーバー、マサチューセッツ)」を用いて、MCEを行った。10%オプチゾン(Mallinckrodt Medical社)を0.2mL/分で静脈内持続投与する間、中乳頭筋レベルにおける左心室短軸画像を、4心臓周期間隔でパルスを与えながら誘発する収縮末期心電図をMOディスクに記録した(図1A)。損傷部位は混濁欠損表示された心筋部位として決定した。損傷部位サイズは、全左心室心筋面積に対する百分率で表した。
広帯域(5-12MHz)発信器「S12 of SONOS5500 (Philips Medical Systems社、アンドーバー、マサチューセッツ)」を用いて、MCEを行った。10%オプチゾン(Mallinckrodt Medical社)を0.2mL/分で静脈内持続投与する間、中乳頭筋レベルにおける左心室短軸画像を、4心臓周期間隔でパルスを与えながら誘発する収縮末期心電図をMOディスクに記録した(図1A)。損傷部位は混濁欠損表示された心筋部位として決定した。損傷部位サイズは、全左心室心筋面積に対する百分率で表した。
4) 超音波超微粒気泡崩壊によるHGF遺伝子導入
心筋損傷部位の決定後、20%オプチゾンを大腿静脈から0.2mL/分の速度で5分間持続注入した。超微粒気泡持続注入開始1分後、HGFをコードするプラスミド(1.5mg)、HGF cDNAをコードしないpVAX1(1.5mg)または0.9%食塩水を、左心室カテーテルを通し1mL/分の速度で1.5分間、血液プール中に持続注入した。プラスミド持続注入と同時に、SONOS 5500 S3発信器を用い超調和モードで(transmit 1.3 MHz/receive 3.6 MHz)超音波照射も開始した。28Hzで誘発される3フレームのバーストとして、収縮末期エネルギーを左心室洞の中心に焦点を当て、ピーク陰圧-2160kPaの超音波を毎8心臓周期間隔で発信した(図1B)。それぞれのバーストは、心筋中ですべての見える超微粒気泡を除去し、8心臓周期間隔でのパルス間隔は、次のバースト前に完全な超微粒気泡の補充を可能とする(14)。HGF単独群では、20%オプチゾンの代わりに0.9%食塩水を同じ速度で持続注入した。従ってすべてのラットは、3mLの流体を60分間の処置中投与された。容積過負荷により起こり得る鬱血性心不全の進行を防止するため、全ラットに対し処置前にフロセミド(0.4mg/kg)を筋肉内注射した。
心筋損傷部位の決定後、20%オプチゾンを大腿静脈から0.2mL/分の速度で5分間持続注入した。超微粒気泡持続注入開始1分後、HGFをコードするプラスミド(1.5mg)、HGF cDNAをコードしないpVAX1(1.5mg)または0.9%食塩水を、左心室カテーテルを通し1mL/分の速度で1.5分間、血液プール中に持続注入した。プラスミド持続注入と同時に、SONOS 5500 S3発信器を用い超調和モードで(transmit 1.3 MHz/receive 3.6 MHz)超音波照射も開始した。28Hzで誘発される3フレームのバーストとして、収縮末期エネルギーを左心室洞の中心に焦点を当て、ピーク陰圧-2160kPaの超音波を毎8心臓周期間隔で発信した(図1B)。それぞれのバーストは、心筋中ですべての見える超微粒気泡を除去し、8心臓周期間隔でのパルス間隔は、次のバースト前に完全な超微粒気泡の補充を可能とする(14)。HGF単独群では、20%オプチゾンの代わりに0.9%食塩水を同じ速度で持続注入した。従ってすべてのラットは、3mLの流体を60分間の処置中投与された。容積過負荷により起こり得る鬱血性心不全の進行を防止するため、全ラットに対し処置前にフロセミド(0.4mg/kg)を筋肉内注射した。
5) 心エコー検査、血流力学検査および左心室重量測定
左心室容積および部分短縮の連続変化を評価するため、経胸腔的心エコー検査を、SONOS5500 S12 発信器を用い、処置後毎週施行した。左心室圧測定のため、処置後3週の最終エコー検査直後、右総頸動脈を通じ左心室カテーテル法検査を、超小圧発信器SPR-671(Millar Instruments社、ヒューストン、テキサス)を用いて施行した。イソプロテレノール(10-7mol/L、0.2mL、1分以上)持続注入前および注入中の、左心室圧一次導関数のピーク正および負値(Max-dP/dt, Min-dP/dt)および最大血圧と最低血圧の差としてのdeveloped pressureを、前述のように測定した(16)。血流力学検査の完了にあたり適切な麻酔をなし、心臓を摘出した。左心室重量を測定後、左心室切片を短軸方向に3mm厚で切り出した。左心室の一部を-80℃で冷凍保存し、残りの左心室をAzan-Malloryと免疫組織化学的染色のため、4%冷パラホルムアルデヒド溶液中に24時間浸漬した。
左心室容積および部分短縮の連続変化を評価するため、経胸腔的心エコー検査を、SONOS5500 S12 発信器を用い、処置後毎週施行した。左心室圧測定のため、処置後3週の最終エコー検査直後、右総頸動脈を通じ左心室カテーテル法検査を、超小圧発信器SPR-671(Millar Instruments社、ヒューストン、テキサス)を用いて施行した。イソプロテレノール(10-7mol/L、0.2mL、1分以上)持続注入前および注入中の、左心室圧一次導関数のピーク正および負値(Max-dP/dt, Min-dP/dt)および最大血圧と最低血圧の差としてのdeveloped pressureを、前述のように測定した(16)。血流力学検査の完了にあたり適切な麻酔をなし、心臓を摘出した。左心室重量を測定後、左心室切片を短軸方向に3mm厚で切り出した。左心室の一部を-80℃で冷凍保存し、残りの左心室をAzan-Malloryと免疫組織化学的染色のため、4%冷パラホルムアルデヒド溶液中に24時間浸漬した。
6) 組織病理学的分析
組織瘢痕のサイズおよび間質性線維化の評価: 梗塞および間質性線維化に対応する組織瘢痕を決定するため、Azan-Mallory染色を用いた。組織瘢痕サイズは、左心室心筋中壁の全周辺長に対する組織瘢痕長の百分率として表した。
心臓内のHGF発現: HGF発現のための免疫染色を、ヒトHGFに対する一次抗体(Dako社、カーピンテリア、カルフォルニア)を用い、商業検出キット(Simple Stain MAX PO、ニチレイ、東京、日本)により心臓組織のパラフィン固定部位に対し実施した。0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)溶液を、抗体の希釈および切片の洗浄処理両方に用いた。内因性ペルオキシドを、3%H2O2純PBS中で15分間処理して不活性化した。すべての非特異的免疫活性は、1%ウシ血清アルブミン・0.01M PBS・0.1% Tween 20との予備培養により抑止した。HGFに対する抗体をスライド上に置き、4℃で24時間、次いで37℃で30分間それぞれ培養した。スライドを洗浄し、3,3'-ジアミノベンジジン溶液(ニチレイ、東京、日本)で7分間染色した。
組織瘢痕のサイズおよび間質性線維化の評価: 梗塞および間質性線維化に対応する組織瘢痕を決定するため、Azan-Mallory染色を用いた。組織瘢痕サイズは、左心室心筋中壁の全周辺長に対する組織瘢痕長の百分率として表した。
心臓内のHGF発現: HGF発現のための免疫染色を、ヒトHGFに対する一次抗体(Dako社、カーピンテリア、カルフォルニア)を用い、商業検出キット(Simple Stain MAX PO、ニチレイ、東京、日本)により心臓組織のパラフィン固定部位に対し実施した。0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)溶液を、抗体の希釈および切片の洗浄処理両方に用いた。内因性ペルオキシドを、3%H2O2純PBS中で15分間処理して不活性化した。すべての非特異的免疫活性は、1%ウシ血清アルブミン・0.01M PBS・0.1% Tween 20との予備培養により抑止した。HGFに対する抗体をスライド上に置き、4℃で24時間、次いで37℃で30分間それぞれ培養した。スライドを洗浄し、3,3'-ジアミノベンジジン溶液(ニチレイ、東京、日本)で7分間染色した。
7) 血管新生および動脈新生の分析
血管新生を、前述(17)のように内皮細胞性アルカリフォスファターゼ染色を用いて評価した。動脈硬化は、ネズミの内因性α-平滑筋アクチンに対する(17)モノクロナール抗体であるHHF-35(Dako社、カーピンテリア、カルフォルニア)免疫組織化学染色により評価した。HHF-35は主として中から大動脈を染色する。毛細血管密度および動脈密度は、高出力光学フィールドあたりの血管数をカウントして定量した。
免疫組織化学検査は、損傷部位および遠部の対照部位に対し行った。それぞれの心臓標本について、少なくとも5ヶ所を評価した。標本の認識はブラインド状態で観察を行った。
血管新生を、前述(17)のように内皮細胞性アルカリフォスファターゼ染色を用いて評価した。動脈硬化は、ネズミの内因性α-平滑筋アクチンに対する(17)モノクロナール抗体であるHHF-35(Dako社、カーピンテリア、カルフォルニア)免疫組織化学染色により評価した。HHF-35は主として中から大動脈を染色する。毛細血管密度および動脈密度は、高出力光学フィールドあたりの血管数をカウントして定量した。
免疫組織化学検査は、損傷部位および遠部の対照部位に対し行った。それぞれの心臓標本について、少なくとも5ヶ所を評価した。標本の認識はブラインド状態で観察を行った。
8) 統計分析
すべてのデータは平均±標準偏差(SD)で示す。特定の段階におけるグループ間の有意差は、Bonferroni補正付き片側分散分析(ANOVA)により評価した。連続変化を検定するため、Bonferroni補正付き連続片側分散分析を用いた。イソプロテレノールによるパラメーターの変化は、対応のあるStudentのt-検定により評価した。P<0.05を有意差ありとした。
すべてのデータは平均±標準偏差(SD)で示す。特定の段階におけるグループ間の有意差は、Bonferroni補正付き片側分散分析(ANOVA)により評価した。連続変化を検定するため、Bonferroni補正付き連続片側分散分析を用いた。イソプロテレノールによるパラメーターの変化は、対応のあるStudentのt-検定により評価した。P<0.05を有意差ありとした。
結果
54匹中38匹のラットが、心筋梗塞および処置後1週間生存していた。しかし7匹のラットが処置前に死亡し、9匹のラットは処置中ないし処置直後に死亡した。7日目に免疫組織化学検査を行った21匹のラットを除き、以後3週の最終評価までに死亡したラットはいなかった。3群間において、7日目まで死亡率に差は認められなかった。
17% HGF-US/MB群
28% pVax1-US/MB群
14% HGF単独群
54匹中38匹のラットが、心筋梗塞および処置後1週間生存していた。しかし7匹のラットが処置前に死亡し、9匹のラットは処置中ないし処置直後に死亡した。7日目に免疫組織化学検査を行った21匹のラットを除き、以後3週の最終評価までに死亡したラットはいなかった。3群間において、7日目まで死亡率に差は認められなかった。
17% HGF-US/MB群
28% pVax1-US/MB群
14% HGF単独群
MCE時に、生存ラットにおける損傷部位のサイズを3群間比較した。
45±5% 短軸方向画像における総梗塞面積 HGF-US/MB群
47±4% 同、pVax1-US/MB群
47±6% 同、HGF単独群
45±5% 短軸方向画像における総梗塞面積 HGF-US/MB群
47±4% 同、pVax1-US/MB群
47±6% 同、HGF単独群
1) 超音波超微粒気泡崩壊によるHGF遺伝子細胞移入効率
HGF遺伝子細胞移入の程度を、7日目におけるHGF発現として群間比較した。有意なHGF発現はHGF-US/MB群のみ観察されたのに対し、pVax1-US/MB群あるいはHGF単独群いずれにおいても発現は認められなかった(図2A)。HGF発現程度は、HGF-US/MB群における損傷部位の周縁部分および遠部の対照部位と同様であった(図2B)。
HGF遺伝子細胞移入の程度を、7日目におけるHGF発現として群間比較した。有意なHGF発現はHGF-US/MB群のみ観察されたのに対し、pVax1-US/MB群あるいはHGF単独群いずれにおいても発現は認められなかった(図2A)。HGF発現程度は、HGF-US/MB群における損傷部位の周縁部分および遠部の対照部位と同様であった(図2B)。
2) 心筋梗塞後の左心室ジオメトリーにおける連続変化
表1は、心エコー検査各測定値の連続変化をまとめたものである。各群における、収縮末期および拡張末期の左心室断面ベースライン値(それぞれ、LVESD、LVEDD)、心臓内左室内径短縮率(FS)、拡張末期の心室中隔厚み(IVS)、左心室後部壁(PW)は同程度であった。LVESDおよびLVEDDにおける進行性の増加が観察され、pVax1-US/MB群およびHGF単独群におけるFSの改善は認められなかった。IVSの厚みは薄いままであったが、PWの厚みは2群間で変化なかった。従って左心室重量は、これら2群において徐々に増加した。しかしながらHGF-US/MB群において、LVESDは変化なくLVEDDがわずかに増加し、結果としてFSを改善した。IVSの厚みは回復を示しPWは変化しなかったので、左心室重量は変化しなかった。従って図3に示したように、3週目における左心室ジオメトリーの実質的改善はHGF-US/MB群においてのみ成功した。さらに3週目における左心室重量は、HGF-US/MB群において他の2群よりも有意に低かった。従って心筋梗塞後の左心室リモデリングは、HGF-US/MB群においてのみ首尾良く予防された。
表1は、心エコー検査各測定値の連続変化をまとめたものである。各群における、収縮末期および拡張末期の左心室断面ベースライン値(それぞれ、LVESD、LVEDD)、心臓内左室内径短縮率(FS)、拡張末期の心室中隔厚み(IVS)、左心室後部壁(PW)は同程度であった。LVESDおよびLVEDDにおける進行性の増加が観察され、pVax1-US/MB群およびHGF単独群におけるFSの改善は認められなかった。IVSの厚みは薄いままであったが、PWの厚みは2群間で変化なかった。従って左心室重量は、これら2群において徐々に増加した。しかしながらHGF-US/MB群において、LVESDは変化なくLVEDDがわずかに増加し、結果としてFSを改善した。IVSの厚みは回復を示しPWは変化しなかったので、左心室重量は変化しなかった。従って図3に示したように、3週目における左心室ジオメトリーの実質的改善はHGF-US/MB群においてのみ成功した。さらに3週目における左心室重量は、HGF-US/MB群において他の2群よりも有意に低かった。従って心筋梗塞後の左心室リモデリングは、HGF-US/MB群においてのみ首尾良く予防された。
表1 左心室ジオメトリーの変化
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左室内径短縮率(%) LVESD(mm)
HGF pVax1 HGF HGF pVax1 HGF
-US/MB群 -US/MB群 単独群 -US/MB群 -US/MB群 単独群
------------------------------------------------------------------------
ベースライン
10±5 13±4 13±4 6.7±0.5 6.4±0.3 6.5±0.3
1 週 15±8 12±2 12±5 6.7±0.5* 7.2±0.2† 7.6±0.6†
2 週 17±6 11±2 11±2 6.8±0.5* 7.9±0.4† 8.1±0.5†
3 週 19±7† 11±2 11±3 6.7±0.5* 8.2±0.3† 8.6±0.7†
------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------
左室内径短縮率(%) LVESD(mm)
HGF pVax1 HGF HGF pVax1 HGF
-US/MB群 -US/MB群 単独群 -US/MB群 -US/MB群 単独群
------------------------------------------------------------------------
ベースライン
10±5 13±4 13±4 6.7±0.5 6.4±0.3 6.5±0.3
1 週 15±8 12±2 12±5 6.7±0.5* 7.2±0.2† 7.6±0.6†
2 週 17±6 11±2 11±2 6.8±0.5* 7.9±0.4† 8.1±0.5†
3 週 19±7† 11±2 11±3 6.7±0.5* 8.2±0.3† 8.6±0.7†
------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------
LVEDD(mm) IVST(mm)
HGF pVax1 HGF HGF pVax1 HGF
-US/MB群 -US/MB群 単独群 -US/MB群 -US/MB群 単独群
------------------------------------------------------------------------
ベースライン
7.5±0.4 7.3±0.2 7.4±0.4 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1
1週 8.0±0.5* 8.2±0.2† 8.6±0.3† 1.4±0.1* 1.2±0.1† 1.2±0.1†
2週 8.2±0.6*† 8.9±0.2† 9.1±0.5† 1.3±0.2*† 1.1±0.1† 1.1±0.1†
3週 8.3±0.6*† 9.2±0.3† 9.7±0.7† 1.3±0.2*† 1.1±0.1† 1.1±0.1†
------------------------------------------------------------------------
LVEDD(mm) IVST(mm)
HGF pVax1 HGF HGF pVax1 HGF
-US/MB群 -US/MB群 単独群 -US/MB群 -US/MB群 単独群
------------------------------------------------------------------------
ベースライン
7.5±0.4 7.3±0.2 7.4±0.4 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1
1週 8.0±0.5* 8.2±0.2† 8.6±0.3† 1.4±0.1* 1.2±0.1† 1.2±0.1†
2週 8.2±0.6*† 8.9±0.2† 9.1±0.5† 1.3±0.2*† 1.1±0.1† 1.1±0.1†
3週 8.3±0.6*† 9.2±0.3† 9.7±0.7† 1.3±0.2*† 1.1±0.1† 1.1±0.1†
------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------
PWT(mm) LVM(mg)
HGF pVax1 HGF HGF pVax1 HGF
-US/MB群 -US/MB群 単独群 -US/MB群 -US/MB群 単独群
------------------------------------------------------------------------
ベースライン
1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1 1.26±0.07 1.25±0.04 1.25±0.06
1週 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1 1.28±0.08 1.29±0.06† 1.31±0.06†
2週 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1 1.29±0.10*† 1.34±0.02† 1.38±0.08†
3週 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.2 1.30±0.10*† 1.44±0.03† 1.46±0.09†
------------------------------------------------------------------------
* P<0.05(対HGFおよびpVax1)、† P<0.05 (対ベースライン)。
HGF(肝細胞成長因子)、HGF-US/MB群(US/MBと共に裸のHGFプラスミド持続注入)、pVax1-US/MB群(US/MBと共にコントロールプラスミド持続注入)、HGF単独群(US/MBなしに裸のHGFプラスミド持続注入)。
US/MB(超音波超微粒気泡崩壊)、RA(損傷部位)、LV(左心室または、左心室の)、LVESD(左心室収縮末期容量)、LVEDD(左心室拡張末期容量)、IVST(心室内隔壁の厚み)、PWT(後壁の厚み)、LVM(左心室重量)。
PWT(mm) LVM(mg)
HGF pVax1 HGF HGF pVax1 HGF
-US/MB群 -US/MB群 単独群 -US/MB群 -US/MB群 単独群
------------------------------------------------------------------------
ベースライン
1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1 1.26±0.07 1.25±0.04 1.25±0.06
1週 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1 1.28±0.08 1.29±0.06† 1.31±0.06†
2週 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.1 1.29±0.10*† 1.34±0.02† 1.38±0.08†
3週 1.6±0.1 1.6±0.1 1.6±0.2 1.30±0.10*† 1.44±0.03† 1.46±0.09†
------------------------------------------------------------------------
* P<0.05(対HGFおよびpVax1)、† P<0.05 (対ベースライン)。
HGF(肝細胞成長因子)、HGF-US/MB群(US/MBと共に裸のHGFプラスミド持続注入)、pVax1-US/MB群(US/MBと共にコントロールプラスミド持続注入)、HGF単独群(US/MBなしに裸のHGFプラスミド持続注入)。
US/MB(超音波超微粒気泡崩壊)、RA(損傷部位)、LV(左心室または、左心室の)、LVESD(左心室収縮末期容量)、LVEDD(左心室拡張末期容量)、IVST(心室内隔壁の厚み)、PWT(後壁の厚み)、LVM(左心室重量)。
3) 血流力学データ
表2は血流力学の各変数およびイソプロテレノール持続注入後の変化をまとめたものである。(イソプロテレノール投与前)心拍数および最高血圧のベースライン値は、3群間で同様であった。左心室developed pressureは、HGF-US/MB群において左心室拡張末期圧が高かったため、pVax1-US/MB群およびHGF単独群のそれらよりも有意に高かった。HGF-US/MB群におけるベースラインでの最大dP/dt値および最低dP/dt値は、他の2群のそれらと比べ大きかった。HGF-US/MB群におけるすべての値はイソプロテレノールに反応し増加したが、pVax1-US/MB群およびHGF単独群では心拍数のみ反応した。従ってHGF-US/MB群においてのみ、筋収縮性刺激への反応性が保たれた。
表2は血流力学の各変数およびイソプロテレノール持続注入後の変化をまとめたものである。(イソプロテレノール投与前)心拍数および最高血圧のベースライン値は、3群間で同様であった。左心室developed pressureは、HGF-US/MB群において左心室拡張末期圧が高かったため、pVax1-US/MB群およびHGF単独群のそれらよりも有意に高かった。HGF-US/MB群におけるベースラインでの最大dP/dt値および最低dP/dt値は、他の2群のそれらと比べ大きかった。HGF-US/MB群におけるすべての値はイソプロテレノールに反応し増加したが、pVax1-US/MB群およびHGF単独群では心拍数のみ反応した。従ってHGF-US/MB群においてのみ、筋収縮性刺激への反応性が保たれた。
表2 血流力学データ
---------------------------------------------------
HGF-US/MB群 pVax1-US/MB群 HGF単独群
---------------------------------------------------
SBP (mmHg)
BL 127±16 115±17 119±15
ISP 146±12*‡ 117±16 128±22
---------------------------------------------------
DP (mmHg)
BL 120±16† 100±14 101±16
ISP 142±12†‡ 99±15 109±27
---------------------------------------------------
HR (bpm)
BL 385±16 388±17 391±17
ISP 410±17‡ 411±9‡ 415±13‡
---------------------------------------------------
Max dP/dt (mmHg/sec)
BL 7699±944† 4958±745 4537±900
ISP 11943±2839†‡ 7120±889 5567±1499
---------------------------------------------------
Min dP/dt (mmHg/sec)
BL 5113±626† 3715±701 3858±353
ISP 5914±1084† 3812±311 3551±539
---------------------------------------------------
* P<0.05(対HGF単独群)、† P<0.05(対pVax1-US/MB群およびHGF単独群)、‡ P<0.05(対ベースライン)。
HGF(肝実質細胞成長因子)、HGF-US/MB群(US/MBと共に裸のHGFプラスミド持続注入)、pVax1-US/MB群(US/MBと共にコントロールプラスミド持続注入)、HGF単独群(US/MBなしに裸のHGFプラスミド持続注入)。
US/MB(超音波超微粒気泡崩壊)、SBP(最高血圧)、DP(developed pressure)、HR(心拍数)、BL(ベースライン)、ISP(イソプロテレノール投与中)
---------------------------------------------------
HGF-US/MB群 pVax1-US/MB群 HGF単独群
---------------------------------------------------
SBP (mmHg)
BL 127±16 115±17 119±15
ISP 146±12*‡ 117±16 128±22
---------------------------------------------------
DP (mmHg)
BL 120±16† 100±14 101±16
ISP 142±12†‡ 99±15 109±27
---------------------------------------------------
HR (bpm)
BL 385±16 388±17 391±17
ISP 410±17‡ 411±9‡ 415±13‡
---------------------------------------------------
Max dP/dt (mmHg/sec)
BL 7699±944† 4958±745 4537±900
ISP 11943±2839†‡ 7120±889 5567±1499
---------------------------------------------------
Min dP/dt (mmHg/sec)
BL 5113±626† 3715±701 3858±353
ISP 5914±1084† 3812±311 3551±539
---------------------------------------------------
* P<0.05(対HGF単独群)、† P<0.05(対pVax1-US/MB群およびHGF単独群)、‡ P<0.05(対ベースライン)。
HGF(肝実質細胞成長因子)、HGF-US/MB群(US/MBと共に裸のHGFプラスミド持続注入)、pVax1-US/MB群(US/MBと共にコントロールプラスミド持続注入)、HGF単独群(US/MBなしに裸のHGFプラスミド持続注入)。
US/MB(超音波超微粒気泡崩壊)、SBP(最高血圧)、DP(developed pressure)、HR(心拍数)、BL(ベースライン)、ISP(イソプロテレノール投与中)
4) 心筋線維化の程度
図4はAzan-Mallory染色の代表例であり、各グループにおける左心室リモデリング程度の違いを明らかにするため、染色された部分を低倍率で示した。左冠状動脈閉塞による心筋梗塞に対応した広い組織瘢痕部位は、pVax1-US/MB群のラット(中央)およびHGF単独群のラット(右)において観察された。対照的に前壁における組織瘢痕は、HGF-US/MB群(左)において一層小さかった。HGF-US/MB群、pVax1-US/MB群およびHGF単独群における瘢痕サイズは、全心臓の心筋中間壁の長さに対し、それぞれ16±6、39±5、40±4%であった(P<0.0001)。従って組織病理学検査は、US-MBと組み合わせたHGFプラスミド投与が、再灌流しない心筋梗塞における保護効果も発揮し、結果的に左心室リモデリングを防止したことを示している。
図4はAzan-Mallory染色の代表例であり、各グループにおける左心室リモデリング程度の違いを明らかにするため、染色された部分を低倍率で示した。左冠状動脈閉塞による心筋梗塞に対応した広い組織瘢痕部位は、pVax1-US/MB群のラット(中央)およびHGF単独群のラット(右)において観察された。対照的に前壁における組織瘢痕は、HGF-US/MB群(左)において一層小さかった。HGF-US/MB群、pVax1-US/MB群およびHGF単独群における瘢痕サイズは、全心臓の心筋中間壁の長さに対し、それぞれ16±6、39±5、40±4%であった(P<0.0001)。従って組織病理学検査は、US-MBと組み合わせたHGFプラスミド投与が、再灌流しない心筋梗塞における保護効果も発揮し、結果的に左心室リモデリングを防止したことを示している。
5) 毛細血管および動脈の密度
内因性内皮細胞性アルカリフォスファターゼ染色は、pVax1-US/MB群のラット(図5B)およびHGF単独投与群のラット(図5C)と比較して、HGF-US/MB群のラットにおいて梗塞部位に隣接した心筋における毛細血管の増加を示した(図5A)。そのような違いは、損傷部位から離れた非梗塞部分においては認められなかった(図5D,5E,5F)。梗塞に隣接した部位における毛細血管密度は、pVax1-US/MB群およびHGF単独群のそれと比較し、HGF-US/MB群において2倍高かった(図5G)のに対し、梗塞から離れた非梗塞部位のそれは3群間で同様であった(図5H)。
図6は、3群間で動脈新生程度を比較するために、HHF-35免疫組織化学染色の結果を示したものである。他群のそれ(図6Bおよび6C)と比べ、HGF-US/MB群のラット(図6A)において、梗塞部分に隣接した部位に血管数が有意に増加したことは注目に値する。そのような違いは、梗塞から離れた非梗塞部位のそれには認められなかった(図6D,6Eおよび6F)。HGF-US/MB群の梗塞部分に隣接する小動脈数は、他の2グループのそれらと比較し3倍高かったが、梗塞から離れた非梗塞部位のそれは3群間で同様であった(図6Gおよび6H)。従ってHGF-US/MB群においてのみ、梗塞に隣接した境界部位に血管新生およびそれに続くと思われる動脈新生の増強が認められたことは、注目に値する。
内因性内皮細胞性アルカリフォスファターゼ染色は、pVax1-US/MB群のラット(図5B)およびHGF単独投与群のラット(図5C)と比較して、HGF-US/MB群のラットにおいて梗塞部位に隣接した心筋における毛細血管の増加を示した(図5A)。そのような違いは、損傷部位から離れた非梗塞部分においては認められなかった(図5D,5E,5F)。梗塞に隣接した部位における毛細血管密度は、pVax1-US/MB群およびHGF単独群のそれと比較し、HGF-US/MB群において2倍高かった(図5G)のに対し、梗塞から離れた非梗塞部位のそれは3群間で同様であった(図5H)。
図6は、3群間で動脈新生程度を比較するために、HHF-35免疫組織化学染色の結果を示したものである。他群のそれ(図6Bおよび6C)と比べ、HGF-US/MB群のラット(図6A)において、梗塞部分に隣接した部位に血管数が有意に増加したことは注目に値する。そのような違いは、梗塞から離れた非梗塞部位のそれには認められなかった(図6D,6Eおよび6F)。HGF-US/MB群の梗塞部分に隣接する小動脈数は、他の2グループのそれらと比較し3倍高かったが、梗塞から離れた非梗塞部位のそれは3群間で同様であった(図6Gおよび6H)。従ってHGF-US/MB群においてのみ、梗塞に隣接した境界部位に血管新生およびそれに続くと思われる動脈新生の増強が認められたことは、注目に値する。
ディスカッション
本報告は、超音波を介した気体封入超微粒気泡崩壊(US/MB)法により、治療用タンパク遺伝子の心臓への送達に成功したことを、初めて報告するものである。左心室を経由して血液プールに持続注入されたHGF cDNAをコードする裸のプラスミドは、静脈中へ超微粒気泡持続注入する間、心臓に超音波照射することにより、成功裏に心筋に送達された。実験的心筋梗塞の急性期における、本方法によるHGF遺伝子の送達は、組織瘢痕形成の減少および慢性期における左心室リモデリング防止により、成功裏に心臓を改善した。
本報告は、超音波を介した気体封入超微粒気泡崩壊(US/MB)法により、治療用タンパク遺伝子の心臓への送達に成功したことを、初めて報告するものである。左心室を経由して血液プールに持続注入されたHGF cDNAをコードする裸のプラスミドは、静脈中へ超微粒気泡持続注入する間、心臓に超音波照射することにより、成功裏に心筋に送達された。実験的心筋梗塞の急性期における、本方法によるHGF遺伝子の送達は、組織瘢痕形成の減少および慢性期における左心室リモデリング防止により、成功裏に心臓を改善した。
1) 超音波超微粒気泡崩壊による遺伝子導入
心筋への遺伝子治療に関する従来の試みは、プラスミドDNAの直接注射(10,18)、組織へのアデノウイルス・ベクター(19,20)のような、侵襲的かつ危険性の高い方法が用いられてきた。アデノウイルス・ベクターは効果的であるが、激しい免疫原性を含むいくつかの理論上の不利益が存在する(6,21)。患者に使用するには、高遺伝子移入効率を有し副作用のない、非ウイルス性プラスミドDNAによる遺伝子導入の革新が望まれる。
心筋への遺伝子治療に関する従来の試みは、プラスミドDNAの直接注射(10,18)、組織へのアデノウイルス・ベクター(19,20)のような、侵襲的かつ危険性の高い方法が用いられてきた。アデノウイルス・ベクターは効果的であるが、激しい免疫原性を含むいくつかの理論上の不利益が存在する(6,21)。患者に使用するには、高遺伝子移入効率を有し副作用のない、非ウイルス性プラスミドDNAによる遺伝子導入の革新が望まれる。
何人かの研究者により、超微粒気泡崩壊法が心臓(14)を含む特定組織への遺伝子送達に利用し得ることが報告されている(22-24)。生体内での毛細血管内における、超微粒気泡に対する超音波効果の顕微鏡観察(12,13)では、超音波が超微粒気泡を崩壊させ、血球の管外溢出をもたらす局所的微細血管破裂につながると報告された。このようにして高分子ミクロスフェアが実質組織へ200μmまで送達可能となり静脈投与された(12)、US/MB法による血管壁関門を突き破って組織への生物活性剤の微少注入の基礎が提供された。従ってUS/MB法は、裸のプラスミドを用いin vivoで動物の血管壁に、内皮性一酸化窒素合成酵素遺伝子の移入増強すること(24)、また抗腫瘍遺伝子であるp-53プラスミドの、動脈再閉塞動物モデルにおいて一時的に摘出された頸動脈への導入(7)が示された。より最近、US/MB法が裸のプラスミドのラット後肢筋肉内への直接注射によりHGFの骨格筋への送達を強化し、活用されている(9)。最近Shohetら(14)は、超微粒気泡に載せられたアデノウイルス・ベクターを用い、β-ガラクトシダーゼを発現するレポーター遺伝子の心臓への送達が達成されることを示し、この方法の心臓への応用を拡張した。
本研究ではUS/MBと組み合わせた際に、直接注射あるいは冠血管を通じた注射ではなく左心室内の血液プール注入により、裸のHGFプラスミドが心筋移入された。この結果は、US/MB法との組み合わせが、治療用遺伝子の心筋への非侵襲的かつ非ウイルス性細胞移入を可能にし得ることを示唆している。
2) HGFによる心筋梗塞時の心臓保護
HGFは多様な細胞の成長、運動、形態形成を調節する多面的作用を有する因子であり、体液性伝達物質として、形態学的組織相互作用を引き起こす上皮系-間葉系相互作用において役割を果たしている(2)。取り分けHGFは、各種成長因子の中でも内皮細胞に特異的であり、最も強力な血管新生のための有糸分裂促進剤の1つであることが知られている(25)。HGFの生物学的作用は、プロト癌遺伝子であるc-Metによりコードされた、膜貫通型のチロシン・リン酸化酵素受容体への結合に依存している。心筋梗塞時には、梗塞部位の周辺においてc-Met発現強度が最も高く、HGFへの感度および効果はこの部位において強化される(3,26)。梗塞関連動脈を経た血液を集めた血管中の高HGF濃度は、急性心筋梗塞後に再灌流した患者において、左心室拡大の重症度がより低いことを示した(27)。しかし、急性心筋梗塞時における心臓へのHGF遺伝子の導入が、慢性期における左心室機能不全の進展を減じるかどうかは、まだ明らかにはなっていない。
HGFは多様な細胞の成長、運動、形態形成を調節する多面的作用を有する因子であり、体液性伝達物質として、形態学的組織相互作用を引き起こす上皮系-間葉系相互作用において役割を果たしている(2)。取り分けHGFは、各種成長因子の中でも内皮細胞に特異的であり、最も強力な血管新生のための有糸分裂促進剤の1つであることが知られている(25)。HGFの生物学的作用は、プロト癌遺伝子であるc-Metによりコードされた、膜貫通型のチロシン・リン酸化酵素受容体への結合に依存している。心筋梗塞時には、梗塞部位の周辺においてc-Met発現強度が最も高く、HGFへの感度および効果はこの部位において強化される(3,26)。梗塞関連動脈を経た血液を集めた血管中の高HGF濃度は、急性心筋梗塞後に再灌流した患者において、左心室拡大の重症度がより低いことを示した(27)。しかし、急性心筋梗塞時における心臓へのHGF遺伝子の導入が、慢性期における左心室機能不全の進展を減じるかどうかは、まだ明らかにはなっていない。
HGFは、正常ないし梗塞心筋のいずれにおいても血管新生を誘導することができる(5)。HGFは、血管内皮依存性の冠血流を維持することにより、虚血により引き起こされた血管の機能不全を回復させる可能性がある(5,28,29)。心筋梗塞時にこれらの効果は、効果のある梗塞関連動脈を提供し、および側副血行路を発達させることにより、心筋救助および梗塞サイズ減少させることにより、明らかな利益をもたらし得る。事実、青木らは再灌流を伴わない急性心筋梗塞モデルにおいて、冠動脈結紮直後、HVJ-リポソーム直接注射によるHGF遺伝子導入が、梗塞部位における灌流回復を可能にすることを示した(5)。しかしながら、慢性期における機能変化は示されていなかった。本研究においては、連続した心エコー検査による観察において、コントロールプラスミドを投与された群あるいはUS/MB法なしにHGFプラスミドを投与された群では左心室のリモデリングが進展したが、HGF-US/MB群においてはそのようなリモデリングがより少なく、また左室内径短縮率はむしろ徐々に改善したことを明らかにした。処置後3週にアルカリフォスファターゼとHHF-35染色をそれぞれ評価し、US/MB法併用にてHGF遺伝子が細胞移入したと思われる組織瘢痕部位限界において、毛細血管および小動脈を含む有意な血管新生が観察された。重要なことは、処置前は同様な損傷部位サイズであったにもかかわらず、処置後3週のHGF-US/MB群における、梗塞中心に対応した組織瘢痕の形成は有意に小さかったことである。そのような効果は、左心室圧測定により静止時およびイソプロテレノール持続注入時に評価されたように、HGF-US/MB群において左心室機能の維持をもたらしたことが組織病理学的に示された。
血管新生に加え心臓のHGF系は、心筋梗塞の急性期における心筋の生存性に寄与し、虚血傷害に対し細胞保護作用をも発揮した(3)。さらに最近の研究では、HGFは多様な細胞、取り分け大半の上皮細胞および内皮細胞において抗酸化作用および反アポトーシス作用を有すること、また心虚血時の気絶心筋および冬眠心筋の回復に寄与することが示された。
HGFは創傷治癒過程および組織瘢痕形成防止を制御することができる(30)。HGFは、MMP-1およびウロキナーゼ・プラスミノゲン活性化因子の活性化を通じて細胞外マトリックスの分解を促進し、またアンジオテンシンIIにより誘導される心線維芽細胞においてTGF-β発現阻害することを通し細胞外マトリックスの合成を阻害する(8,31)。従ってHGFは線維化を抑止するユニークな成長因子である。事実、ヒト組み換えHGFの投与は、肝(32)および肺障害モデル(33)における線維化を抑制および/または消退した。谷山らは動物モデルにおいて、ヒトHGF cDNAを含むHVJ-リポソーム複合体の心筋細胞移入が、心筋症に進展する心筋の線維化を防止することを示した(8)。
遺伝子導入後、比較的早期のHGFの発現レベルは、重症虚血下における細胞死の直接防止効果を発揮するのに十分であり、および/または虚血軽減のため潜在性の側副血行路補充を含む他の血管機能を増強すると思われる。それに続く亜急性期において、血管新生はより重要性を増し心筋梗塞をさらに改善する一方、抗線維化作用が組織瘢痕形成防止の役割を果たす。梗塞サイズの減少は、引き続き起こる非梗塞部位への機械的ストレスおよび神経液性刺激を限定的にすることができる。結果的に左心室重量を増す。心筋梗塞急性期における心臓へのHGF遺伝子導入により、これらすべての過程は梗塞後リモデリング防止奏功に向け一体化し得る。
3) 本研究の限定
我々は血液プール中にプラスミドを持続注入したので、組織内にプラスミドを直接注射した従来の研究[20μg/body(22)、および100-500μg/body(7)]と比べ、本研究では比較的高用量のHGFプラスミド(1500μg/body)が必要であった。多くの国において臨床使用が許可されている超微粒気泡の、起こり得る音響特性変化を避けるため、従来の研究において全身投与(14)あるいはin vitro適用された(24)ように、プラスミドは超微粒気泡の殻には載せなかった。プラスミドの超微粒気泡殻への取り込みあるいは付着は、プラスミドの全身循環への拡散を防止することができ、また超音波を照てられた部位での局所的プラスミド放出することも可能とすることにより、プラスミド投与量を低下させる。
我々は血液プール中にプラスミドを持続注入したので、組織内にプラスミドを直接注射した従来の研究[20μg/body(22)、および100-500μg/body(7)]と比べ、本研究では比較的高用量のHGFプラスミド(1500μg/body)が必要であった。多くの国において臨床使用が許可されている超微粒気泡の、起こり得る音響特性変化を避けるため、従来の研究において全身投与(14)あるいはin vitro適用された(24)ように、プラスミドは超微粒気泡の殻には載せなかった。プラスミドの超微粒気泡殻への取り込みあるいは付着は、プラスミドの全身循環への拡散を防止することができ、また超音波を照てられた部位での局所的プラスミド放出することも可能とすることにより、プラスミド投与量を低下させる。
最近の技術的進歩はいくつかの新規な造影剤、例えばリン脂質により安定化したパーフルオロカーボン・ガスの超微粒気泡や、血中長期持続性および超音波への同調応答のため二層膜殻を有する超微粒気泡などを実現した。このような超微粒気泡におけるプラスミドの抱合は、US/MB法の有効性を増すことができる。
US/MB法による遺伝子細胞移入の有効性は、超微粒気泡の構造のみならず照射条件にも依存する。本研究において使用した超音波システムは臨床使用許可されたものであり、その照射条件はUS/MB法で超微粒気泡崩壊を起こすことができるものである。よって本知見は大動物とヒトにおいて再現可能だと思われる。しかしながら、多様な音響特性を有する特定の対象器官に対する照射条件は、最適化される必要がある。同様に臨床造影心エコー検査の場において毛細血管の破綻が起こり得ることが知られており、おそらく機序として本結果が基礎をなしているので、有効性は、超音波強度のみならず超微粒気泡濃度の観点から、安全性との接点を探りながら将来の研究においてさらに検討されるべきものである。
Claims (7)
- パーフルオロカーボンおよび治療用遺伝子からなる、急性心筋梗塞治療のための遺伝子導入剤。
- パーフルオロカーボンがパーフルオロプロパンから選ばれた、請求項1記載の導入剤。
- パーフルオロカーボンまたはパーフルオロプロパンが1,1,1,2,2,3,3,3-オクタフルオロプロパンである、請求項1または2いずれか記載の導入剤。
- 治療用遺伝子が肝細胞成長因子(HGF)をコードするものである、請求項1記載の遺伝子導入剤。
- 治療用遺伝子がプラスミドに挿入された肝細胞成長因子(HGF)をコードするものである、請求項1記載の遺伝子導入剤。
- パーフルオロカーボンまたはパーフルオロプロパンが1,1,1,2,2,3,3,3-オクタフルオロプロパンであり、治療用遺伝子がプラスミドに挿入された肝細胞成長因子(HGF)をコードするものである、請求項1ないし5いずれか記載の導入剤。
- 超音波照射下に血中に注入することを特徴とする、請求項1ないし6いずれか記載の導入剤の使用方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10765669B2 (en) | 2016-12-15 | 2020-09-08 | Korea Research Institute Of Bioscience And Biotechnology | Pharmaceutical composition for preventing or treating DYRK-related diseases, containing pyridine-based compound as active ingredient |
-
2003
- 2003-12-22 JP JP2003425052A patent/JP2004210774A/ja not_active Withdrawn
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