JP2004208855A - 携帯型計測表示装置およびその制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【目的】医師等の操作に基づいて患者の脈拍を簡便に計測し,かつ表示する。
【構成】患者の脈の拍動のタイミングに合わせてパルス・カウント・ボタンが押下される(ステップ51)。カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測が開始される(ステップ52)。最低計測回数(N)以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から最低計測回数(N)以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間とカウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数が算出される(ステップ60)。算出された脈拍数が表示画面上に表示される(ステップ61)。
【選択図】 図6
【構成】患者の脈の拍動のタイミングに合わせてパルス・カウント・ボタンが押下される(ステップ51)。カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測が開始される(ステップ52)。最低計測回数(N)以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から最低計測回数(N)以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間とカウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数が算出される(ステップ60)。算出された脈拍数が表示画面上に表示される(ステップ61)。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【技術分野】
この発明は,携帯型計測表示装置およびその制御プログラム,より詳細には,患者の脈拍数または点滴速度を計測して表示する装置およびその制御プログラムに関する。
【0002】
【発明の背景】
人の脈拍を計測する脈拍計として,圧力センサを用いたもの,LEDおよびフォトトランジスタを用いたもの等が提案されている(LEDおよびフォトトランジスタを用いたものについて,特許文献1および特許文献2参照)。これらの脈拍計は,いずれも医師等が介在することなく自動的に人の脈拍数を計測するものである。
【0003】
他方,実際の医療現場では,医師等が患者の手首等を掴むことによって患者の脈の拍動を把握するとともに,腕時計等の秒針を見て患者の脈拍数を計測しているのが実状である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−191569号公報(第4頁)
【特許文献2】
特開平10−323343号公報(第5頁−第7頁)
【0005】
【発明の開示】
この発明は,医師等の操作に基づいて患者の脈拍を簡便に計測し,かつ表示することができる携帯型の計測表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
またこの発明は,医師等の操作に基づいて点滴速度を簡便に計測し,かつ表示することができる携帯型の計測表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
第1の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,最低計測回数を記憶した第1記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
またこの発明は,上述の携帯型計測表示装置を制御するプログラムも提供している。この発明によるプログラムは,与えられる最低計測回数を記憶させ,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させ,最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出させ,算出した脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示させるように携帯型計測表示装置を制御するものである。
【0009】
この発明による携帯型計測表示装置は次の2つの機能を実現する。
【0010】
その1は,患者の手首等から得られる脈の拍動に基づいて患者の脈拍をサンプリングし,サンプリングされた値(時間)に基づいて1分間の脈拍数を算出して表示する機能である。
【0011】
その2は,アンプルから患者に投与される点滴の落下タイミングに基づいて点滴の落下タイミングをサンプリングし,サンプリングされた値(時間)に基づいて1分間の点滴速度(投与速度)を算出して表示する機能である。
【0012】
携帯型計測表示装置はカウント・ボタンを備えている。患者の脈拍(拍動)に合わせてカウント・ボタンが押下されると(そのように携帯型計測表示装置が用いられると),携帯型計測表示装置は患者の脈拍数を算出しかつ表示する装置として機能する。アンプルから落下する点滴の落下のタイミングに合わせてカウント・ボタンが押下されると(そのように携帯型計測表示装置が用いられると),携帯型計測表示装置は点滴速度を算出しかつ表示する装置として機能する。
【0013】
カウント・ボタンの最初の押下をトリガとして,タイマによる時間計測が開始される。患者の脈拍(拍動)または点滴の落下に合わせてカウント・ボタンは継続的かつ間欠的に押下される。
【0014】
最低計測回数が記憶されている。最低計測回数回目(たとえばN回目)のカウント・ボタンの押下に応じて,最初(1回目)のカウント・ボタンの押下からN回目のカウント・ボタンの押下までの上記タイマに基づく経過時間と,カウント・ボタンの押下回数(N)とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。算出された脈拍数または点滴速度が表示画面上に可視的に表示される。
【0015】
さらにカウント・ボタンが押下されると((N+1)回目),最初(1回目)のカウント・ボタンの押下からN+1回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数(N+1)とに基づいて1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。第1の発明によると,最低計測回数回以上のカウント・ボタンの押下であれば,カウント・ボタンの押下のたびに1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出されて表示される。
【0016】
最低計測回数は,実際の1分間の人の脈拍数または点滴数よりも少ない回数であってもよい。1分間よりも短い時間におけるカウント・ボタンの押下であっても,経過時間とカウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の脈拍数または点滴速度に換算される。1分間を超える時間におけるカウント・ボタンの押下であっても,1分間の脈拍数または点滴速度に換算される。
【0017】
この発明によると,携帯型計測表示装置の操作者(一般的には医師または看護師)によって押下されるカウント・ボタンの押下のタイミングに基づいて脈拍数または点滴速度が算出される。医師等の操作が介在するので,信頼性の高い計測結果を得ることができる。
【0018】
またこの発明によると,最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下の度に,1分間の脈拍数または点滴数が算出されて表示される。より多くカウント・ボタンを押下する(計測の時間を長くする)ことによって,精度の高い計測結果を得ることができる。
【0019】
一実施態様では,携帯型計測表示装置は,計測開始から計測終了までの測定時間を記憶した第2記憶手段,および上記第2記憶手段に記憶された測定時間の経過に応じて,測定終了を報知する報知手段を備えている。たとえば,所定の測定時間が経過すると,表示されている脈拍数または点滴速度を点滅表示させる。操作者は測定が終了した(測定に十分な時間が経過した)ことを視認することができる。もちろん,点滅表示に代えて,または加えて音(ブザー,音声等),振動等によって測定終了を操作者に知らせるようにしてもよい。
【0020】
好ましくは,携帯型計測表示装置は,無入力設定時間を記憶する無入力設定時間記憶手段をさらに備え,上記カウント・ボタンの押下のそれぞれから上記無入力設定時間中に次のカウント・ボタンの押下が無かった場合に,処理を終了する手段をさらに備えている。押下されるべきタイミングでカウント・ボタンが押下されなかったような場合に測定表示の処理が終了することになる。正確でない脈拍数または点滴速度が表示されてしまうことを,未然に防止することができる。
【0021】
第2の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,計測回数を記憶した記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,上記計測回数よりも1回小さい回数前のカウント・ボタンの押下から上記計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と上記計測回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0022】
計測回数が記憶されている。所定の計測回数目(たとえば,N回目)のカウント・ボタンの押下に応じて,所定の計測回数(N)よりも1回小さい回数前(すなわち,1回目)のカウント・ボタンの押下からN回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,計測回数(N)とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。算出された脈拍数または点滴速度が表示画面上に可視的に表示される。
【0023】
さらにカウント・ボタンが押下されると((N+1)回目),2回目のカウント・ボタンの押下からN+1回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と計測回数Nとに基づいて脈拍数または点滴速度が算出される。第2の発明によると,最も新しい所定の計測回数分の経過時間が用いられて,カウント・ボタンの押下のたびに,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出されて表示される。
【0024】
第3の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,計測開始から計測結果表示を開始するまでの設定時間を記憶した記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,上記記憶手段に記憶された設定時間の経過に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記設定時間内の最終のカウント・ボタンの押下までの経過時間とその間のカウント・ボタンの押下数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0025】
第3の発明によると,所定の設定時間の経過に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記設定時間内の最終のカウント・ボタンの押下までの経過時間とその間のカウント・ボタンの押下数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。
【0026】
第4の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,指定回数を記憶する記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,上記指定回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0027】
第4の発明によると,最初のカウント・ボタンの押下から所定の指定回数回のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,上記指定回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。
【0028】
第2〜第4のいずれの発明においても,携帯型計測表示装置の操作者(一般的には医師または看護師)によって押下されるカウント・ボタンの押下のタイミングに基づいて脈拍数または点滴速度が算出される。医師等の操作が介在するので,信頼性の高い計測結果を得ることができる。
【0029】
もちろん,第1から第4の発明における脈拍数または点滴速度の算出のうち,いずれか2以上を1つの携帯型計測表示装置において実現することもできる。この場合には,第1から第4の発明のいずれの計測(第1算出手段,第2算出手段,第3算出手段または第4算出手段)によって脈拍数または点滴速度を算出するかを選択する選択手段が,携帯型計測表示装置に設けられる。
【0030】
【実施例の説明】
図1は,医療過誤防止システムにおいて用いられる携帯型端末1を正面から見たものである。
【0031】
携帯型端末1の左側面において,その上部に音声の入力開始および終了のスイッチングのためのボイスレコーダ・ボタン5が設けられている。ボイスレコーダ・ボタン5が押下されている間,後述するマイクロフォン6から入力する音声が,ハードディスクに記録される。携帯型端末1の上面においてその右側にはバーコードをスキャンするためのバーコード・スキャナ11が設けられている。後述するスキャナ・ボタン8が押されている間,バーコードの読取のためのレーザがバーコード・スキャナ11から出射される。携帯型端末1の右面においてその下側にはリセット・ボタン12が設けられている。
【0032】
携帯型端末1の正面に,そのほぼ全面にわたって液晶表示画面3が設けられている。液晶表示画面3に後述する種々の画像(ウインドウ)が表示される。また,液晶表示画面3は入力装置(タッチ・パネル)としても用いられる。
【0033】
液晶表示画面3の右上に携帯型端末1の電源をオン,オフする電源ボタン2が設けられている。液晶表示画面3の左上には音声を入力するためのマイクロフォン6が設けられている。
【0034】
液晶表示画面3の下側の中央に十字キー4が設けられている。十字キー4は,液晶表示画面3を用いた種々のデータの入力に用いられる。十字キー4の左側には予備ボタン7およびスキャナ・ボタン8が設けられている。また十字キー4の右側には予備ボタン9およびプログラム起動ボタン10が設けられている。予備ボタン7および9は,プログラム起動ボタンその他の機能をユーザが割り付けることができるボタンである。プログラム起動ボタン10はプログラムを起動するときに押下される。
【0035】
図2は携帯型端末1の電気的構成を示すブロック図である。
【0036】
携帯型端末1の全体の動作はCPU21によって制御される。CPU21に,入力装置22(上述の各種ボタンおよびタッチ・パネルとしての液晶表示画面3),液晶表示画面3を含む表示装置23,マイクロフォン6,スキャナ11,ネットワークを介してデータ等の送受信を行うための通信装置24,ワークエリア,バッファエリア等を提供するメモリ25および各種プログラムおよびデータを記憶するためのハードディスク26が接続されている。
【0037】
ハードディスク26には種々のプログラムおよびデータを記憶することができる。記憶されたプログラムおよびデータがCPU21によって実行されることにより,携帯型端末1は特定の機能を有する(ユーザに特定の処理を提供する)ものとなる。
【0038】
この実施例においては,携帯型端末1のハードディスク26には,携帯型端末1を医療過誤防止システムの一構成要素として動作させるためのプログラムおよびデータ,すなわち携帯型端末1用の医療過誤防止プログラムが記憶されている。医療過誤防止プログラムは,簡潔に言えば,患者のバイタル・データ(体温,血圧,脈拍,呼吸数,排便回数,排尿回数,尿量等),注射データ,内服薬データ,検査データおよび輸血データを,携帯型端末1を用いて簡便に入力できるようにするためのプログラムである。
【0039】
医療過誤防止プログラムは,種々の内部プログラムを含む。以下の説明では,医療過誤防止プログラムによって呼出される脈拍測定プログラム(医療過誤防止プログラムの一部として位置づけられるものであってもよい)に基づく携帯型端末1の動作を中心に説明する。脈拍測定プログラムは,患者の脈拍を簡便に,かつ正確に測定するためのプログラムである。
【0040】
ハードディスク26には,上述の脈拍測定プログラムとともに,OS(オペレーティング・システム),医師・看護師データベース,患者データベースおよび設定データも記憶されている。脈拍測定プログラムおよび上述の各種データ(データベースに記憶されているデータ)の詳細については後述することにする。
【0041】
図3は,医療過誤防止プログラムによる処理の流れと,脈拍測定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図3において,ステップ31からステップ33の処理は医療過誤防止プログラムによる処理である。ステップ34以降の処理が脈拍測定プログラムによる処理である。図4(A) および(B) ならびに図5(A) および(B) は,液晶表示画面3に表示される画面例を示している。
【0042】
患者の脈拍を測定する場合,医師または看護師(以下,医師等という)は携帯型端末1を携帯して患者を訪問する。電源スイッチ2が押下され,プログラム起動ボタン10が押下されると医療過誤防止プログラムが起動する。
【0043】
液晶表示画面3上にネームカード・スキャン画面(図4(A) )が表示される(ステップ31)。医師等はバーコードが記載されたネームカードを所持しており,ネームカードに記載されたバーコードを,バーコード・スキャナ11でスキャンする。ハードディスク26の医師・看護師データベースには,バーコード情報とそのバーコード情報に対応する医師等の氏名とが記憶されている。バーコード・スキャナ11によってネームプレートのバーコードがスキャンされると,そのバーコード情報によって医師等(すなわち,患者の脈拍を測定しようとしている医師等)が特定される。
【0044】
さらにハードディスク26に記憶されている患者データベースには,患者のそれぞれについて,患者画像,患者ID,氏名,生年月日等が記憶され,かつその患者の担当医師または看護師の氏名(IDでもよい)が記憶されている。
【0045】
バーコード・スキャナ11によってネームプレートのバーコードがスキャンされると,バーコード情報によって特定される医師等の氏名が医師・看護師データベースから読出され,その医師等の担当患者のデータが患者データベースから読出される。図4(B) はバーコード・スキャナ11によってネームプレートのバーコードがスキャンされた後に,液晶表示画面3上に表示される担当患者一覧画面W2を示している(ステップ32)。担当患者一覧画面W2(図4(B) )には,担当医師等の氏名と,その医師等の担当患者の画像および氏名が一覧に表示される。
【0046】
医師等は,脈拍を測定すべき患者を,担当患者一覧画面W2に表示される患者の画像の中から選択する(液晶表示画面3上をタップする)。すると,その患者についてのバイタル・データを入力するための画面W3(図5(A) )が液晶表示画面3上に表示される(ステップ33)。
【0047】
バイタル・データ入力画面W3(図5(A) )の上部には,患者の画像,患者ID,患者氏名,性別,生年月日,血液型,入院病棟名および診療科名を表示する欄が表示される。バイタル・データ入力画面W3の中央には,体温,血圧,脈拍,呼吸数,排便数,排尿回数および尿量を入力および表示する入力ボックス欄が表示される。バイタル・データ入力画面W3の下部には脈拍測定ボタンW3aおよび登録ボタンW3bが表示される。
【0048】
体温入力欄には体温計を用いて計測された患者の体温が,血圧入力欄には血圧計を用いて計測された患者の最高血圧値および最低血圧値が,呼吸入力欄には医師等が計測した患者の1分間の呼吸数が,排便入力欄には患者の申告による1日の排便回数が,排尿入力欄には患者の申告による1日の排尿回数が,尿量入力欄には患者の申告による1回の排尿量が,それぞれ入力される。
【0049】
脈拍入力欄には,後述するようにして医師等によって計測される患者の1分間の脈拍数が入力される。
【0050】
登録ボタンW3bが押下(タップ)されると,体温入力欄,血圧入力欄,脈拍入力欄,呼吸入力欄,排便入力欄,排尿入力欄および尿量入力欄に入力された数値(バイタル・データ)が,携帯型端末1のハードディスク26に記憶される。もちろん,通信装置24によってネットワークを介してデータ保存のための装置(コンピュータ)にバイタル・データを送信し,データ保存装置においてバイタル・データを記憶するようにしてもよい。
【0051】
脈拍測定ボタンW3aがタップされると,脈拍測定のための処理(脈拍測定プログラムによる処理)が実行される。
【0052】
はじめに,測定型の選択と各種設定のための画面(測定型選択および設定画面)W4が液晶表示画面3上に表示される(ステップ34;図5(B) )。
【0053】
後述するように,脈拍測定には,追記型測定,一定入力数型測定,定時型測定,混合型測定,回数指定型測定およびメトロノーム型測定の6種類の測定方法(モード)がある。いずれの測定方法によって患者の脈拍を測定するかが,測定型選択および設定画面W4が用いられて医師等によって選択される。
【0054】
また測定型選択および設定画面W4では,平均を計算する最低回数(N),平均を計算する回数(P),測定時間(I),設定時間(J)およびリセット時間(T)を入力するための入力ボックスが設けられている。これらの回数および時間についての詳細は,後述する。
【0055】
以下,上述の6種類の脈拍測定のそれぞれについて説明する。
【0056】
(1)追記型測定
図6は追記型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図7は追記型測定の例を分かりやすく示すものである。
【0057】
追記型測定は,患者の脈拍(拍動)にタイミングを合わせて携帯型端末1のパルス・カウント・ボタンを押下(タップ)し,所定回数以上の押下が行われたときに,押下のたびに患者の1分間の脈拍数を計算し,表示する測定である。
【0058】
医師等は,測定型選択および設定画面W4において,「1.追記型」をタップし,かつ「平均を計算する最低回数」と「リセット時間」とを設定する。選択された測定型,設定された平均を計算する最低回数(N)およびリセット時間(T)は,ハードディスク26に設定データとして記憶される。その後,測定型選択および設定画面W4の下部の「登録」ボタンがタップされると,液晶表示画面3には,再びバイタル・データ入力画面W3(図5(A) )が表示される。このとき,バイタル・データ入力画面W3の脈拍入力欄は空欄である。
【0059】
バイタル・データ入力画面W3の脈拍測定ボタンW3aが,パルス・カウント・ボタンとして用いられる。医師等は,たとえば携帯型端末1を左手に持ち,右手で患者の手首を持つ。患者の手首の脈動のタイミングに合わせて,携帯型端末1の脈拍測定ボタン(パルス・カウント・ボタン)W3aを親指で押下(タップ)する(ステップ51)。
【0060】
パルス・カウント・ボタンW3aが押下されると,タイマ28による時間計測がスタートする。また,メモリ25にカウンタmが設けられ,カウンタmが初期化される(m=1)(ステップ52)。
【0061】
パルス・カウント・ボタンW3aが押下された後,次の(2回目の)パルス・カウント・ボタン5の押下までに所定の時間(たとえば,3秒)(これがリセット時間(T)である)が経過した場合(ステップ53でYES ),またはリセット・スイッチ12が押下された場合(ステップ54でYES )には,脈拍測定(脈拍数算出)は終了(または中止)される。「リセット時間」は,上述のように測定型選択および設定画面W4(図5(B) )が用いられてあらかじめ設定された時間である。
【0062】
医師等は,患者の脈動に合わせてパルス・カウント・ボタンW3aを間欠的に押下する(ステップ55)。パルス・カウンタ・ボタンW3aが押下されるたびに,カウンタmがインクリメントされる。また,メモリ25にはパルス・カウント・ボタンW3aが押下されるたびに,初回もしくは前回の押下からの経過時間または押下のそれぞれのタイミングを表す時刻が一時的に記憶される。
【0063】
平均を計算する最低回数(N)とカウンタm(パルス・カウント・ボタンW3aの押下回数)とが比較される(ステップ59)。平均を計算する最低回数(N)は,上述のように測定型選択および設定画面W4においてあらかじめ設定された数値である。たとえば,平均を計算する最低回数が「4」であるとする。パルス・カウント・ボタンW3aが4回押下されると,測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタン5の押下)から4回目のパルス・カウント・ボタン5の押下までの経過時間と,カウント数(この例では4)とが用いられて,1分間の患者の脈拍数が計算される(ステップ60)。
【0064】
たとえば,測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタン5の押下)から4回目のパルス・カウント・ボタン5の押下までの経過時間がt1秒とすると,1分間の患者の脈拍数は4×60/t1で算出される。
【0065】
算出された患者の1分間の脈拍数は,液晶表示画面3上に表示されているバイタル・データ入力画面W3の脈拍入力欄に表示される(ステップ61)。
【0066】
医師がさらに5回目のパルス・カウント・ボタン5の押下を行うと(ステップ55),測定開始から5回目のパルス・カウント・ボタン5の押下までの経過時間と,カウント数「5」とが用いられて患者の1分間の脈拍数が再度計算される(ステップ60)。新たに算出された脈拍数がバイタル・データ入力画面W3の脈拍入力欄上に表示される(表示更新)。
【0067】
パルス・カウント・ボタン5が押下された後,パルス・カウント・ボタン5が所定時間中(リセット時間(T)中)に押下されなかった場合(ステップ57でYES ),またはリセット・ボタン12が押下されると,追記型の脈拍数測定は終了する。
【0068】
医師等が登録ボタンW3bを押下することによって,脈拍数を含む患者のバイタル・データがハードディスク26に記憶される,または通信装置24を介して携帯型端末1からデータ保存用コンピュータに送信されて保存される。
【0069】
(2)一定入力数型測定
図8は一定入力数型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図9は一定入力数型測定の例を分かりやすく示すものである。図8に示す一定入力数型測定の処理は,脈拍数の計算の処理(ステップ71)を除いて,上述の追記型測定の処理(図6)と同じであるので,図8に示すフローチャートにおいて図6に示す処理と同じ処理について同一の符号を付し,重複説明を省略する。
【0070】
医師等は,測定型選択および設定画面W4を用いて「2.一定入力数」を選択し,かつ「平均を計算する最低回数(N)」と,「平均を計算する回数(P)」と「リセット時間(T)」とを設定する。
【0071】
一定入力数型の脈拍数計測では,直前の「平均を計算する回数(P)」のパルス・カウント・ボタンW3aの押下の間の所要時間に基づいて,患者の1分間の脈拍数が計算される(ステップ71)。たとえば,平均を計算する最低回数(N)を「4」とし,かつ平均を計算する回数(P)も「4」とする。4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下(第4入力)が行われると(ステップ59でYES ),1分間の脈拍数は最初(1回目)のパルス・カウント・ボタンW3aの押下から4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの時間(t1)(平均を計算する回数(P)から1を減算した回数分遡ったパルス・カウント・ボタンW3aの押下(第1回目の押下)から4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの時間)が用いられて算出される(ステップ71)。続いて5回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下(第5入力)が行われると,2回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下から5回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの時間(t2)が用いられて,1分間の患者の脈拍数が算出される(ステップ71)。
【0072】
(3)定時型測定
図10は定時型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図11は定時型測定の一例を分かりやすく示すものである。図10に示すフローチャートにおいて,図6に示すフローチャートと同一の処理には同一の符号を付し,重複した説明を省略する。
【0073】
医師等は,測定型選択および設定画面W4において,「3.定時型」をタップし,かつ「測定時間(I)」と「リセット時間(T)」とを設定する。
【0074】
測定開始(第1回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)から2回目以降のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの経過時間が,上述のあらかじめ設定されている測定時間(I)を超えているかどうかが判断される(ステップ72)。経過時間が測定時間(I)を超えていない場合には,次のパルス・カウント・ボタンW3aの押下を待つ(ステップ72でNO)。
【0075】
測定開始からパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの経過時間が測定時間(I)を超えている場合(ステップ72でYES ),I秒内におけるパルス・カウント・ボタンW3aの押下数(カウンタmのカウント数)と,その所要時間とに基づいて,患者の1分間の脈拍数が計算される(ステップ73)。
【0076】
たとえば,図11を参照して,第4入力(4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)と第5入力(5回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)との間において設定時間(I)を経過したとすると,第5入力が行われたときに,第1入力から第4入力までの経過時間(t)とカウント数(m=4)が用いられて,患者の1分間の脈拍数が算出される。
【0077】
(4)混合型測定
図12は混合型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図13は混合型測定の処理の一例を分かりやすく示すものである。図12に示すフローチャートにおいて図6に示すものと同じ処理には同一符号を付し,重複説明を避ける。
【0078】
混合型測定は,上述の追記型測定に加えて,所定時間経過後に脈拍数を固定および点滅表示させる測定である。
【0079】
医師等は,測定型選択および設定画面W4を用いて,「4.混合型」をタップし,かつ「平均を計算する最低回数(N)」,「リセット時間(T)」および「設定時間(J)」を設定する。
【0080】
上述したように,測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)からの経過時間と,設定された平均を計算する最低回数(N)以上のパルス・カウント・ボタンW3aの押下回数(カウント数)とに基づいて,1分間の患者の脈拍数が算出されて表示される(ステップ60,61)。
【0081】
脈拍数が表示されるたびに,パルス・カウント・ボタンW3aの押下のタイミングにおける測定開始からの経過時間と,あらかじめ設定されている設定時間(J)とが比較される(ステップ74)。
【0082】
パルス・カウント・ボタンW3aの押下のときの経過時間が設定時間(J)を超えると(ステップ74),脈拍入力欄に表示されている脈拍数が点滅表示される。ここで混合型測定は終了することになる。医師等が続けてパルス・カウント・ボタンW3aを押下すると,さらに最低回数(N)のパルス・カウント・ボタンW3aの押下が行われるまでは点滅表示が続くことになる。
【0083】
(5)回数指定型測定
図14は回数指定型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図15は回数指定型測定の処理の一例を分かりやすく示すものである。図14に示すフローチャートにおいて,図6に示すフローチャートと同一の処理には同一符号を付し,重複説明を避ける。
【0084】
回数指定型測定では,測定型選択および設定画面W4が用いられて設定される平均を計算する回数(P)が指定回数として用いられる。カウンタ・パルス・ボタンW3aが指定回数回押下されると(ステップ76でYES ),測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)からの経過時間と指定回数(P)とに基づいて,患者の1分間の脈拍数が計算される(ステップ77)。算出された脈拍数が液晶表示画面3の脈拍入力欄に表示されると,回数指定型測定は終了する(ステップ61)。
【0085】
(6)メトロノーム型測定
図16はメトロノーム型測定の処理の流れを示すフローチャートである。メトロノーム型測定は,患者の脈の拍動に携帯型端末1のインジケータ点滅が合うように,インジケータ点滅の速度を調節するものである。
【0086】
医師等は測定型選択および設定画面W4において「6.メトロノーム型」をタップする。脈拍測定ボタンW3aが押下されると(ステップ81),液晶表示画面3上に,インジケータが点滅し,インジケータの1分間の点滅速度(数値)が表示される(図示略;ステップ82)。
【0087】
医師等は,患者の拍動とインジケータの点滅速度のタイミングが合うように,スローボタン(たとえば予備ボタン7)およびファーストボタン(たとえば予備ボタン9)を押して点滅速度を下げる,または上げる(ステップ83,86,ステップ84,87)。リセット・ボタン12が押下されると,メトロノーム型測定が終了する(ステップ85)。確定ボタン(図示略)が押下されると,表示されている点滅速度(数値)が,患者の脈拍数として用いられて脈拍入力欄に表示される。
【0088】
上述の例では,患者の脈拍数の測定に携帯型端末1を利用する例を説明したが,点滴速度の計測に利用することもできる。この場合には,上述の(1)から(5)の測定型ではアンプル中の点滴の落下のタイミングに合わせてパルス・カウント・ボタンW3aが押下される。(6)の測定型(メトロノーム型測定)では点滴の落下のタイミングとインジケータの点滅速度が合うように,点滅速度が調節される。
【0089】
図17は体温計と一体化された脈拍測定装置を示すもので,図17(A) は体温計一体型脈拍測定装置をその正面(表)から見たもの,図17(B) は体温計一体型脈拍測定装置をその背面(裏)から見たものをそれぞれ示している。体温計一体型脈拍測定装置は,患者の体温を計測するために用いられるとともに,上述したメトロノーム型測定を除く,5種類の測定型(追記型測定,一定入力数型測定,定時型測定,混合型測定,および回数指定型測定)のいずれかによって,患者の1分間の脈拍数(または点滴数)を測定するために用いられる。
【0090】
体温計一体型脈拍測定装置90は,その先端に体温を計測するための金属部分が設けられ,正面の中央部には計測された体温値を表示するための表示装置91が設けられている。
【0091】
さらに,体温計一体型脈拍測定装置90の背面の中央部には,患者の脈拍数および測定型番号を表示する表示装置94が設けられている。表示装置94の右側にパルス・カウント・ボタン92が,左側にリセット・ボタン93がそれぞれ設けられている。
【0092】
体温計一体型脈拍測定装置90の内部には,RAM,ROM,タイマ,脈拍数算出処理回路(上述の5種類の測定型により脈拍数を算出する回路)等が内蔵されている(図示略)。
【0093】
パルス・カウント・ボタン92およびリセット・ボタン93が同時に3秒以上押下されると測定型の選択モードに進み,表示装置94の画面上に測定型の選択のための番号が表示される。カウント・ボタン92が押下されることによって表示されている測定型番号がインクリメントされる。最後の番号の表示の後にカウント・ボタン92が押下されると,最初の番号の表示に戻る。測定型の選択モード中においてリセット・ボタン93が押下されると,表示装置94の画面上に表示されている番号によって特定される測定型が選択される。なお,上述した平均を計算する最低回数(N),平均を計算する回数(P),測定時間(I),設定時間(J)およびリセット時間(T)は,あらかじめ設定された回数および時間が用いられる(ROMに記憶されている)。
【0094】
医師等によってパルス・カウント・ボタン92が患者の脈の拍動に合わせて押下される。上述したように,選択された測定型に応じた処理によって,1分間の患者の脈拍数が算出される。算出された脈拍数が表示装置94の画面上に表示される。
【0095】
図18はペン一体型脈拍測定装置の外観を示している。ペン95の外周面に表示装置98が設けられている。表示装置98の右側にカウント・ボタン96が,左側にリセット・ボタン97がそれぞれ設けられている。ペン95にもRAM,ROM,タイマ,脈拍数算出処理回路等が内蔵されており,選択された測定型に応じた処理によって,患者の1分間の脈拍数(または点滴数)が算出されて表示装置98の画面上に表示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯型端末の外観を示す。
【図2】携帯型端末の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】医療過誤防止プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】(A) および(B) は液晶表示画面に表示される画面例を示している。
【図5】(A) および(B) は液晶表示画面に表示される画面例を示している。
【図6】追記型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】追記型測定の一例を時系列的に示す。
【図8】一定入力数型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】一定入力数型測定の一例を時系列的に示す。
【図10】定時型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】定時型測定の一例を時系列的に示す。
【図12】混合型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】混合型測定の一例を時系列的に示す。
【図14】回数指定型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】回数指定型測定の一例を時系列的に示す。
【図16】メトロノーム型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】(A) は体温計一体型脈拍測定装置の正面図を,(B) はその背面図をそれぞれ示している。
【図18】ペン一体型脈拍測定装置の外観を示している。
【符号の説明】
1 携帯型端末
3 液晶表示画面
4 十字キー
W3 バイタル・データ入力画面
W3a 脈拍測定ボタン
10 プログラム起動ボタン
12,93,97 リセット・ボタン
21 CPU
25 メモリ
26 ハードディスク
28 タイマ
92,96 パルス・カウント・ボタン
【技術分野】
この発明は,携帯型計測表示装置およびその制御プログラム,より詳細には,患者の脈拍数または点滴速度を計測して表示する装置およびその制御プログラムに関する。
【0002】
【発明の背景】
人の脈拍を計測する脈拍計として,圧力センサを用いたもの,LEDおよびフォトトランジスタを用いたもの等が提案されている(LEDおよびフォトトランジスタを用いたものについて,特許文献1および特許文献2参照)。これらの脈拍計は,いずれも医師等が介在することなく自動的に人の脈拍数を計測するものである。
【0003】
他方,実際の医療現場では,医師等が患者の手首等を掴むことによって患者の脈の拍動を把握するとともに,腕時計等の秒針を見て患者の脈拍数を計測しているのが実状である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−191569号公報(第4頁)
【特許文献2】
特開平10−323343号公報(第5頁−第7頁)
【0005】
【発明の開示】
この発明は,医師等の操作に基づいて患者の脈拍を簡便に計測し,かつ表示することができる携帯型の計測表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
またこの発明は,医師等の操作に基づいて点滴速度を簡便に計測し,かつ表示することができる携帯型の計測表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
第1の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,最低計測回数を記憶した第1記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
またこの発明は,上述の携帯型計測表示装置を制御するプログラムも提供している。この発明によるプログラムは,与えられる最低計測回数を記憶させ,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させ,最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出させ,算出した脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示させるように携帯型計測表示装置を制御するものである。
【0009】
この発明による携帯型計測表示装置は次の2つの機能を実現する。
【0010】
その1は,患者の手首等から得られる脈の拍動に基づいて患者の脈拍をサンプリングし,サンプリングされた値(時間)に基づいて1分間の脈拍数を算出して表示する機能である。
【0011】
その2は,アンプルから患者に投与される点滴の落下タイミングに基づいて点滴の落下タイミングをサンプリングし,サンプリングされた値(時間)に基づいて1分間の点滴速度(投与速度)を算出して表示する機能である。
【0012】
携帯型計測表示装置はカウント・ボタンを備えている。患者の脈拍(拍動)に合わせてカウント・ボタンが押下されると(そのように携帯型計測表示装置が用いられると),携帯型計測表示装置は患者の脈拍数を算出しかつ表示する装置として機能する。アンプルから落下する点滴の落下のタイミングに合わせてカウント・ボタンが押下されると(そのように携帯型計測表示装置が用いられると),携帯型計測表示装置は点滴速度を算出しかつ表示する装置として機能する。
【0013】
カウント・ボタンの最初の押下をトリガとして,タイマによる時間計測が開始される。患者の脈拍(拍動)または点滴の落下に合わせてカウント・ボタンは継続的かつ間欠的に押下される。
【0014】
最低計測回数が記憶されている。最低計測回数回目(たとえばN回目)のカウント・ボタンの押下に応じて,最初(1回目)のカウント・ボタンの押下からN回目のカウント・ボタンの押下までの上記タイマに基づく経過時間と,カウント・ボタンの押下回数(N)とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。算出された脈拍数または点滴速度が表示画面上に可視的に表示される。
【0015】
さらにカウント・ボタンが押下されると((N+1)回目),最初(1回目)のカウント・ボタンの押下からN+1回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数(N+1)とに基づいて1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。第1の発明によると,最低計測回数回以上のカウント・ボタンの押下であれば,カウント・ボタンの押下のたびに1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出されて表示される。
【0016】
最低計測回数は,実際の1分間の人の脈拍数または点滴数よりも少ない回数であってもよい。1分間よりも短い時間におけるカウント・ボタンの押下であっても,経過時間とカウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の脈拍数または点滴速度に換算される。1分間を超える時間におけるカウント・ボタンの押下であっても,1分間の脈拍数または点滴速度に換算される。
【0017】
この発明によると,携帯型計測表示装置の操作者(一般的には医師または看護師)によって押下されるカウント・ボタンの押下のタイミングに基づいて脈拍数または点滴速度が算出される。医師等の操作が介在するので,信頼性の高い計測結果を得ることができる。
【0018】
またこの発明によると,最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下の度に,1分間の脈拍数または点滴数が算出されて表示される。より多くカウント・ボタンを押下する(計測の時間を長くする)ことによって,精度の高い計測結果を得ることができる。
【0019】
一実施態様では,携帯型計測表示装置は,計測開始から計測終了までの測定時間を記憶した第2記憶手段,および上記第2記憶手段に記憶された測定時間の経過に応じて,測定終了を報知する報知手段を備えている。たとえば,所定の測定時間が経過すると,表示されている脈拍数または点滴速度を点滅表示させる。操作者は測定が終了した(測定に十分な時間が経過した)ことを視認することができる。もちろん,点滅表示に代えて,または加えて音(ブザー,音声等),振動等によって測定終了を操作者に知らせるようにしてもよい。
【0020】
好ましくは,携帯型計測表示装置は,無入力設定時間を記憶する無入力設定時間記憶手段をさらに備え,上記カウント・ボタンの押下のそれぞれから上記無入力設定時間中に次のカウント・ボタンの押下が無かった場合に,処理を終了する手段をさらに備えている。押下されるべきタイミングでカウント・ボタンが押下されなかったような場合に測定表示の処理が終了することになる。正確でない脈拍数または点滴速度が表示されてしまうことを,未然に防止することができる。
【0021】
第2の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,計測回数を記憶した記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,上記計測回数よりも1回小さい回数前のカウント・ボタンの押下から上記計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と上記計測回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0022】
計測回数が記憶されている。所定の計測回数目(たとえば,N回目)のカウント・ボタンの押下に応じて,所定の計測回数(N)よりも1回小さい回数前(すなわち,1回目)のカウント・ボタンの押下からN回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,計測回数(N)とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。算出された脈拍数または点滴速度が表示画面上に可視的に表示される。
【0023】
さらにカウント・ボタンが押下されると((N+1)回目),2回目のカウント・ボタンの押下からN+1回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と計測回数Nとに基づいて脈拍数または点滴速度が算出される。第2の発明によると,最も新しい所定の計測回数分の経過時間が用いられて,カウント・ボタンの押下のたびに,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出されて表示される。
【0024】
第3の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,計測開始から計測結果表示を開始するまでの設定時間を記憶した記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,上記記憶手段に記憶された設定時間の経過に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記設定時間内の最終のカウント・ボタンの押下までの経過時間とその間のカウント・ボタンの押下数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0025】
第3の発明によると,所定の設定時間の経過に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記設定時間内の最終のカウント・ボタンの押下までの経過時間とその間のカウント・ボタンの押下数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。
【0026】
第4の発明による携帯型計測表示装置は,患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,指定回数を記憶する記憶手段,経過時間を計時するタイマ,上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,上記指定回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えていることを特徴とする。
【0027】
第4の発明によると,最初のカウント・ボタンの押下から所定の指定回数回のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,上記指定回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度が算出される。
【0028】
第2〜第4のいずれの発明においても,携帯型計測表示装置の操作者(一般的には医師または看護師)によって押下されるカウント・ボタンの押下のタイミングに基づいて脈拍数または点滴速度が算出される。医師等の操作が介在するので,信頼性の高い計測結果を得ることができる。
【0029】
もちろん,第1から第4の発明における脈拍数または点滴速度の算出のうち,いずれか2以上を1つの携帯型計測表示装置において実現することもできる。この場合には,第1から第4の発明のいずれの計測(第1算出手段,第2算出手段,第3算出手段または第4算出手段)によって脈拍数または点滴速度を算出するかを選択する選択手段が,携帯型計測表示装置に設けられる。
【0030】
【実施例の説明】
図1は,医療過誤防止システムにおいて用いられる携帯型端末1を正面から見たものである。
【0031】
携帯型端末1の左側面において,その上部に音声の入力開始および終了のスイッチングのためのボイスレコーダ・ボタン5が設けられている。ボイスレコーダ・ボタン5が押下されている間,後述するマイクロフォン6から入力する音声が,ハードディスクに記録される。携帯型端末1の上面においてその右側にはバーコードをスキャンするためのバーコード・スキャナ11が設けられている。後述するスキャナ・ボタン8が押されている間,バーコードの読取のためのレーザがバーコード・スキャナ11から出射される。携帯型端末1の右面においてその下側にはリセット・ボタン12が設けられている。
【0032】
携帯型端末1の正面に,そのほぼ全面にわたって液晶表示画面3が設けられている。液晶表示画面3に後述する種々の画像(ウインドウ)が表示される。また,液晶表示画面3は入力装置(タッチ・パネル)としても用いられる。
【0033】
液晶表示画面3の右上に携帯型端末1の電源をオン,オフする電源ボタン2が設けられている。液晶表示画面3の左上には音声を入力するためのマイクロフォン6が設けられている。
【0034】
液晶表示画面3の下側の中央に十字キー4が設けられている。十字キー4は,液晶表示画面3を用いた種々のデータの入力に用いられる。十字キー4の左側には予備ボタン7およびスキャナ・ボタン8が設けられている。また十字キー4の右側には予備ボタン9およびプログラム起動ボタン10が設けられている。予備ボタン7および9は,プログラム起動ボタンその他の機能をユーザが割り付けることができるボタンである。プログラム起動ボタン10はプログラムを起動するときに押下される。
【0035】
図2は携帯型端末1の電気的構成を示すブロック図である。
【0036】
携帯型端末1の全体の動作はCPU21によって制御される。CPU21に,入力装置22(上述の各種ボタンおよびタッチ・パネルとしての液晶表示画面3),液晶表示画面3を含む表示装置23,マイクロフォン6,スキャナ11,ネットワークを介してデータ等の送受信を行うための通信装置24,ワークエリア,バッファエリア等を提供するメモリ25および各種プログラムおよびデータを記憶するためのハードディスク26が接続されている。
【0037】
ハードディスク26には種々のプログラムおよびデータを記憶することができる。記憶されたプログラムおよびデータがCPU21によって実行されることにより,携帯型端末1は特定の機能を有する(ユーザに特定の処理を提供する)ものとなる。
【0038】
この実施例においては,携帯型端末1のハードディスク26には,携帯型端末1を医療過誤防止システムの一構成要素として動作させるためのプログラムおよびデータ,すなわち携帯型端末1用の医療過誤防止プログラムが記憶されている。医療過誤防止プログラムは,簡潔に言えば,患者のバイタル・データ(体温,血圧,脈拍,呼吸数,排便回数,排尿回数,尿量等),注射データ,内服薬データ,検査データおよび輸血データを,携帯型端末1を用いて簡便に入力できるようにするためのプログラムである。
【0039】
医療過誤防止プログラムは,種々の内部プログラムを含む。以下の説明では,医療過誤防止プログラムによって呼出される脈拍測定プログラム(医療過誤防止プログラムの一部として位置づけられるものであってもよい)に基づく携帯型端末1の動作を中心に説明する。脈拍測定プログラムは,患者の脈拍を簡便に,かつ正確に測定するためのプログラムである。
【0040】
ハードディスク26には,上述の脈拍測定プログラムとともに,OS(オペレーティング・システム),医師・看護師データベース,患者データベースおよび設定データも記憶されている。脈拍測定プログラムおよび上述の各種データ(データベースに記憶されているデータ)の詳細については後述することにする。
【0041】
図3は,医療過誤防止プログラムによる処理の流れと,脈拍測定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図3において,ステップ31からステップ33の処理は医療過誤防止プログラムによる処理である。ステップ34以降の処理が脈拍測定プログラムによる処理である。図4(A) および(B) ならびに図5(A) および(B) は,液晶表示画面3に表示される画面例を示している。
【0042】
患者の脈拍を測定する場合,医師または看護師(以下,医師等という)は携帯型端末1を携帯して患者を訪問する。電源スイッチ2が押下され,プログラム起動ボタン10が押下されると医療過誤防止プログラムが起動する。
【0043】
液晶表示画面3上にネームカード・スキャン画面(図4(A) )が表示される(ステップ31)。医師等はバーコードが記載されたネームカードを所持しており,ネームカードに記載されたバーコードを,バーコード・スキャナ11でスキャンする。ハードディスク26の医師・看護師データベースには,バーコード情報とそのバーコード情報に対応する医師等の氏名とが記憶されている。バーコード・スキャナ11によってネームプレートのバーコードがスキャンされると,そのバーコード情報によって医師等(すなわち,患者の脈拍を測定しようとしている医師等)が特定される。
【0044】
さらにハードディスク26に記憶されている患者データベースには,患者のそれぞれについて,患者画像,患者ID,氏名,生年月日等が記憶され,かつその患者の担当医師または看護師の氏名(IDでもよい)が記憶されている。
【0045】
バーコード・スキャナ11によってネームプレートのバーコードがスキャンされると,バーコード情報によって特定される医師等の氏名が医師・看護師データベースから読出され,その医師等の担当患者のデータが患者データベースから読出される。図4(B) はバーコード・スキャナ11によってネームプレートのバーコードがスキャンされた後に,液晶表示画面3上に表示される担当患者一覧画面W2を示している(ステップ32)。担当患者一覧画面W2(図4(B) )には,担当医師等の氏名と,その医師等の担当患者の画像および氏名が一覧に表示される。
【0046】
医師等は,脈拍を測定すべき患者を,担当患者一覧画面W2に表示される患者の画像の中から選択する(液晶表示画面3上をタップする)。すると,その患者についてのバイタル・データを入力するための画面W3(図5(A) )が液晶表示画面3上に表示される(ステップ33)。
【0047】
バイタル・データ入力画面W3(図5(A) )の上部には,患者の画像,患者ID,患者氏名,性別,生年月日,血液型,入院病棟名および診療科名を表示する欄が表示される。バイタル・データ入力画面W3の中央には,体温,血圧,脈拍,呼吸数,排便数,排尿回数および尿量を入力および表示する入力ボックス欄が表示される。バイタル・データ入力画面W3の下部には脈拍測定ボタンW3aおよび登録ボタンW3bが表示される。
【0048】
体温入力欄には体温計を用いて計測された患者の体温が,血圧入力欄には血圧計を用いて計測された患者の最高血圧値および最低血圧値が,呼吸入力欄には医師等が計測した患者の1分間の呼吸数が,排便入力欄には患者の申告による1日の排便回数が,排尿入力欄には患者の申告による1日の排尿回数が,尿量入力欄には患者の申告による1回の排尿量が,それぞれ入力される。
【0049】
脈拍入力欄には,後述するようにして医師等によって計測される患者の1分間の脈拍数が入力される。
【0050】
登録ボタンW3bが押下(タップ)されると,体温入力欄,血圧入力欄,脈拍入力欄,呼吸入力欄,排便入力欄,排尿入力欄および尿量入力欄に入力された数値(バイタル・データ)が,携帯型端末1のハードディスク26に記憶される。もちろん,通信装置24によってネットワークを介してデータ保存のための装置(コンピュータ)にバイタル・データを送信し,データ保存装置においてバイタル・データを記憶するようにしてもよい。
【0051】
脈拍測定ボタンW3aがタップされると,脈拍測定のための処理(脈拍測定プログラムによる処理)が実行される。
【0052】
はじめに,測定型の選択と各種設定のための画面(測定型選択および設定画面)W4が液晶表示画面3上に表示される(ステップ34;図5(B) )。
【0053】
後述するように,脈拍測定には,追記型測定,一定入力数型測定,定時型測定,混合型測定,回数指定型測定およびメトロノーム型測定の6種類の測定方法(モード)がある。いずれの測定方法によって患者の脈拍を測定するかが,測定型選択および設定画面W4が用いられて医師等によって選択される。
【0054】
また測定型選択および設定画面W4では,平均を計算する最低回数(N),平均を計算する回数(P),測定時間(I),設定時間(J)およびリセット時間(T)を入力するための入力ボックスが設けられている。これらの回数および時間についての詳細は,後述する。
【0055】
以下,上述の6種類の脈拍測定のそれぞれについて説明する。
【0056】
(1)追記型測定
図6は追記型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図7は追記型測定の例を分かりやすく示すものである。
【0057】
追記型測定は,患者の脈拍(拍動)にタイミングを合わせて携帯型端末1のパルス・カウント・ボタンを押下(タップ)し,所定回数以上の押下が行われたときに,押下のたびに患者の1分間の脈拍数を計算し,表示する測定である。
【0058】
医師等は,測定型選択および設定画面W4において,「1.追記型」をタップし,かつ「平均を計算する最低回数」と「リセット時間」とを設定する。選択された測定型,設定された平均を計算する最低回数(N)およびリセット時間(T)は,ハードディスク26に設定データとして記憶される。その後,測定型選択および設定画面W4の下部の「登録」ボタンがタップされると,液晶表示画面3には,再びバイタル・データ入力画面W3(図5(A) )が表示される。このとき,バイタル・データ入力画面W3の脈拍入力欄は空欄である。
【0059】
バイタル・データ入力画面W3の脈拍測定ボタンW3aが,パルス・カウント・ボタンとして用いられる。医師等は,たとえば携帯型端末1を左手に持ち,右手で患者の手首を持つ。患者の手首の脈動のタイミングに合わせて,携帯型端末1の脈拍測定ボタン(パルス・カウント・ボタン)W3aを親指で押下(タップ)する(ステップ51)。
【0060】
パルス・カウント・ボタンW3aが押下されると,タイマ28による時間計測がスタートする。また,メモリ25にカウンタmが設けられ,カウンタmが初期化される(m=1)(ステップ52)。
【0061】
パルス・カウント・ボタンW3aが押下された後,次の(2回目の)パルス・カウント・ボタン5の押下までに所定の時間(たとえば,3秒)(これがリセット時間(T)である)が経過した場合(ステップ53でYES ),またはリセット・スイッチ12が押下された場合(ステップ54でYES )には,脈拍測定(脈拍数算出)は終了(または中止)される。「リセット時間」は,上述のように測定型選択および設定画面W4(図5(B) )が用いられてあらかじめ設定された時間である。
【0062】
医師等は,患者の脈動に合わせてパルス・カウント・ボタンW3aを間欠的に押下する(ステップ55)。パルス・カウンタ・ボタンW3aが押下されるたびに,カウンタmがインクリメントされる。また,メモリ25にはパルス・カウント・ボタンW3aが押下されるたびに,初回もしくは前回の押下からの経過時間または押下のそれぞれのタイミングを表す時刻が一時的に記憶される。
【0063】
平均を計算する最低回数(N)とカウンタm(パルス・カウント・ボタンW3aの押下回数)とが比較される(ステップ59)。平均を計算する最低回数(N)は,上述のように測定型選択および設定画面W4においてあらかじめ設定された数値である。たとえば,平均を計算する最低回数が「4」であるとする。パルス・カウント・ボタンW3aが4回押下されると,測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタン5の押下)から4回目のパルス・カウント・ボタン5の押下までの経過時間と,カウント数(この例では4)とが用いられて,1分間の患者の脈拍数が計算される(ステップ60)。
【0064】
たとえば,測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタン5の押下)から4回目のパルス・カウント・ボタン5の押下までの経過時間がt1秒とすると,1分間の患者の脈拍数は4×60/t1で算出される。
【0065】
算出された患者の1分間の脈拍数は,液晶表示画面3上に表示されているバイタル・データ入力画面W3の脈拍入力欄に表示される(ステップ61)。
【0066】
医師がさらに5回目のパルス・カウント・ボタン5の押下を行うと(ステップ55),測定開始から5回目のパルス・カウント・ボタン5の押下までの経過時間と,カウント数「5」とが用いられて患者の1分間の脈拍数が再度計算される(ステップ60)。新たに算出された脈拍数がバイタル・データ入力画面W3の脈拍入力欄上に表示される(表示更新)。
【0067】
パルス・カウント・ボタン5が押下された後,パルス・カウント・ボタン5が所定時間中(リセット時間(T)中)に押下されなかった場合(ステップ57でYES ),またはリセット・ボタン12が押下されると,追記型の脈拍数測定は終了する。
【0068】
医師等が登録ボタンW3bを押下することによって,脈拍数を含む患者のバイタル・データがハードディスク26に記憶される,または通信装置24を介して携帯型端末1からデータ保存用コンピュータに送信されて保存される。
【0069】
(2)一定入力数型測定
図8は一定入力数型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図9は一定入力数型測定の例を分かりやすく示すものである。図8に示す一定入力数型測定の処理は,脈拍数の計算の処理(ステップ71)を除いて,上述の追記型測定の処理(図6)と同じであるので,図8に示すフローチャートにおいて図6に示す処理と同じ処理について同一の符号を付し,重複説明を省略する。
【0070】
医師等は,測定型選択および設定画面W4を用いて「2.一定入力数」を選択し,かつ「平均を計算する最低回数(N)」と,「平均を計算する回数(P)」と「リセット時間(T)」とを設定する。
【0071】
一定入力数型の脈拍数計測では,直前の「平均を計算する回数(P)」のパルス・カウント・ボタンW3aの押下の間の所要時間に基づいて,患者の1分間の脈拍数が計算される(ステップ71)。たとえば,平均を計算する最低回数(N)を「4」とし,かつ平均を計算する回数(P)も「4」とする。4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下(第4入力)が行われると(ステップ59でYES ),1分間の脈拍数は最初(1回目)のパルス・カウント・ボタンW3aの押下から4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの時間(t1)(平均を計算する回数(P)から1を減算した回数分遡ったパルス・カウント・ボタンW3aの押下(第1回目の押下)から4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの時間)が用いられて算出される(ステップ71)。続いて5回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下(第5入力)が行われると,2回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下から5回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの時間(t2)が用いられて,1分間の患者の脈拍数が算出される(ステップ71)。
【0072】
(3)定時型測定
図10は定時型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図11は定時型測定の一例を分かりやすく示すものである。図10に示すフローチャートにおいて,図6に示すフローチャートと同一の処理には同一の符号を付し,重複した説明を省略する。
【0073】
医師等は,測定型選択および設定画面W4において,「3.定時型」をタップし,かつ「測定時間(I)」と「リセット時間(T)」とを設定する。
【0074】
測定開始(第1回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)から2回目以降のパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの経過時間が,上述のあらかじめ設定されている測定時間(I)を超えているかどうかが判断される(ステップ72)。経過時間が測定時間(I)を超えていない場合には,次のパルス・カウント・ボタンW3aの押下を待つ(ステップ72でNO)。
【0075】
測定開始からパルス・カウント・ボタンW3aの押下までの経過時間が測定時間(I)を超えている場合(ステップ72でYES ),I秒内におけるパルス・カウント・ボタンW3aの押下数(カウンタmのカウント数)と,その所要時間とに基づいて,患者の1分間の脈拍数が計算される(ステップ73)。
【0076】
たとえば,図11を参照して,第4入力(4回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)と第5入力(5回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)との間において設定時間(I)を経過したとすると,第5入力が行われたときに,第1入力から第4入力までの経過時間(t)とカウント数(m=4)が用いられて,患者の1分間の脈拍数が算出される。
【0077】
(4)混合型測定
図12は混合型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図13は混合型測定の処理の一例を分かりやすく示すものである。図12に示すフローチャートにおいて図6に示すものと同じ処理には同一符号を付し,重複説明を避ける。
【0078】
混合型測定は,上述の追記型測定に加えて,所定時間経過後に脈拍数を固定および点滅表示させる測定である。
【0079】
医師等は,測定型選択および設定画面W4を用いて,「4.混合型」をタップし,かつ「平均を計算する最低回数(N)」,「リセット時間(T)」および「設定時間(J)」を設定する。
【0080】
上述したように,測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)からの経過時間と,設定された平均を計算する最低回数(N)以上のパルス・カウント・ボタンW3aの押下回数(カウント数)とに基づいて,1分間の患者の脈拍数が算出されて表示される(ステップ60,61)。
【0081】
脈拍数が表示されるたびに,パルス・カウント・ボタンW3aの押下のタイミングにおける測定開始からの経過時間と,あらかじめ設定されている設定時間(J)とが比較される(ステップ74)。
【0082】
パルス・カウント・ボタンW3aの押下のときの経過時間が設定時間(J)を超えると(ステップ74),脈拍入力欄に表示されている脈拍数が点滅表示される。ここで混合型測定は終了することになる。医師等が続けてパルス・カウント・ボタンW3aを押下すると,さらに最低回数(N)のパルス・カウント・ボタンW3aの押下が行われるまでは点滅表示が続くことになる。
【0083】
(5)回数指定型測定
図14は回数指定型測定の処理の流れを示すフローチャートである。図15は回数指定型測定の処理の一例を分かりやすく示すものである。図14に示すフローチャートにおいて,図6に示すフローチャートと同一の処理には同一符号を付し,重複説明を避ける。
【0084】
回数指定型測定では,測定型選択および設定画面W4が用いられて設定される平均を計算する回数(P)が指定回数として用いられる。カウンタ・パルス・ボタンW3aが指定回数回押下されると(ステップ76でYES ),測定開始(1回目のパルス・カウント・ボタンW3aの押下)からの経過時間と指定回数(P)とに基づいて,患者の1分間の脈拍数が計算される(ステップ77)。算出された脈拍数が液晶表示画面3の脈拍入力欄に表示されると,回数指定型測定は終了する(ステップ61)。
【0085】
(6)メトロノーム型測定
図16はメトロノーム型測定の処理の流れを示すフローチャートである。メトロノーム型測定は,患者の脈の拍動に携帯型端末1のインジケータ点滅が合うように,インジケータ点滅の速度を調節するものである。
【0086】
医師等は測定型選択および設定画面W4において「6.メトロノーム型」をタップする。脈拍測定ボタンW3aが押下されると(ステップ81),液晶表示画面3上に,インジケータが点滅し,インジケータの1分間の点滅速度(数値)が表示される(図示略;ステップ82)。
【0087】
医師等は,患者の拍動とインジケータの点滅速度のタイミングが合うように,スローボタン(たとえば予備ボタン7)およびファーストボタン(たとえば予備ボタン9)を押して点滅速度を下げる,または上げる(ステップ83,86,ステップ84,87)。リセット・ボタン12が押下されると,メトロノーム型測定が終了する(ステップ85)。確定ボタン(図示略)が押下されると,表示されている点滅速度(数値)が,患者の脈拍数として用いられて脈拍入力欄に表示される。
【0088】
上述の例では,患者の脈拍数の測定に携帯型端末1を利用する例を説明したが,点滴速度の計測に利用することもできる。この場合には,上述の(1)から(5)の測定型ではアンプル中の点滴の落下のタイミングに合わせてパルス・カウント・ボタンW3aが押下される。(6)の測定型(メトロノーム型測定)では点滴の落下のタイミングとインジケータの点滅速度が合うように,点滅速度が調節される。
【0089】
図17は体温計と一体化された脈拍測定装置を示すもので,図17(A) は体温計一体型脈拍測定装置をその正面(表)から見たもの,図17(B) は体温計一体型脈拍測定装置をその背面(裏)から見たものをそれぞれ示している。体温計一体型脈拍測定装置は,患者の体温を計測するために用いられるとともに,上述したメトロノーム型測定を除く,5種類の測定型(追記型測定,一定入力数型測定,定時型測定,混合型測定,および回数指定型測定)のいずれかによって,患者の1分間の脈拍数(または点滴数)を測定するために用いられる。
【0090】
体温計一体型脈拍測定装置90は,その先端に体温を計測するための金属部分が設けられ,正面の中央部には計測された体温値を表示するための表示装置91が設けられている。
【0091】
さらに,体温計一体型脈拍測定装置90の背面の中央部には,患者の脈拍数および測定型番号を表示する表示装置94が設けられている。表示装置94の右側にパルス・カウント・ボタン92が,左側にリセット・ボタン93がそれぞれ設けられている。
【0092】
体温計一体型脈拍測定装置90の内部には,RAM,ROM,タイマ,脈拍数算出処理回路(上述の5種類の測定型により脈拍数を算出する回路)等が内蔵されている(図示略)。
【0093】
パルス・カウント・ボタン92およびリセット・ボタン93が同時に3秒以上押下されると測定型の選択モードに進み,表示装置94の画面上に測定型の選択のための番号が表示される。カウント・ボタン92が押下されることによって表示されている測定型番号がインクリメントされる。最後の番号の表示の後にカウント・ボタン92が押下されると,最初の番号の表示に戻る。測定型の選択モード中においてリセット・ボタン93が押下されると,表示装置94の画面上に表示されている番号によって特定される測定型が選択される。なお,上述した平均を計算する最低回数(N),平均を計算する回数(P),測定時間(I),設定時間(J)およびリセット時間(T)は,あらかじめ設定された回数および時間が用いられる(ROMに記憶されている)。
【0094】
医師等によってパルス・カウント・ボタン92が患者の脈の拍動に合わせて押下される。上述したように,選択された測定型に応じた処理によって,1分間の患者の脈拍数が算出される。算出された脈拍数が表示装置94の画面上に表示される。
【0095】
図18はペン一体型脈拍測定装置の外観を示している。ペン95の外周面に表示装置98が設けられている。表示装置98の右側にカウント・ボタン96が,左側にリセット・ボタン97がそれぞれ設けられている。ペン95にもRAM,ROM,タイマ,脈拍数算出処理回路等が内蔵されており,選択された測定型に応じた処理によって,患者の1分間の脈拍数(または点滴数)が算出されて表示装置98の画面上に表示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯型端末の外観を示す。
【図2】携帯型端末の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】医療過誤防止プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】(A) および(B) は液晶表示画面に表示される画面例を示している。
【図5】(A) および(B) は液晶表示画面に表示される画面例を示している。
【図6】追記型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】追記型測定の一例を時系列的に示す。
【図8】一定入力数型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】一定入力数型測定の一例を時系列的に示す。
【図10】定時型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】定時型測定の一例を時系列的に示す。
【図12】混合型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】混合型測定の一例を時系列的に示す。
【図14】回数指定型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】回数指定型測定の一例を時系列的に示す。
【図16】メトロノーム型測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】(A) は体温計一体型脈拍測定装置の正面図を,(B) はその背面図をそれぞれ示している。
【図18】ペン一体型脈拍測定装置の外観を示している。
【符号の説明】
1 携帯型端末
3 液晶表示画面
4 十字キー
W3 バイタル・データ入力画面
W3a 脈拍測定ボタン
10 プログラム起動ボタン
12,93,97 リセット・ボタン
21 CPU
25 メモリ
26 ハードディスク
28 タイマ
92,96 パルス・カウント・ボタン
Claims (11)
- 患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,
最低計測回数を記憶した第1記憶手段,
経過時間を計時するタイマ,
上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,
最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および
算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えた,携帯型計測表示装置。 - 計測開始から計測終了までの測定時間を記憶した第2記憶手段,および
上記第2記憶手段に記憶された測定時間の経過に応じて,測定終了を報知する報知手段を備えた,請求項1に記載の携帯型計測表示装置。 - 患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,
計測回数を記憶した記憶手段,
経過時間を計時するタイマ,
上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,
計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,上記計測回数よりも1回小さい回数前のカウント・ボタンの押下から上記計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と上記計測回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および
算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えた,携帯型計測表示装置。 - 患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,
計測開始から計測結果表示を開始するまでの設定時間を記憶した記憶手段,
経過時間を計時するタイマ,
上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,
上記記憶手段に記憶された設定時間の経過に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記設定時間内の最終のカウント・ボタンの押下までの経過時間とその間のカウント・ボタンの押下数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および
算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えた,携帯型計測表示装置。 - 患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン,
指定回数を記憶する記憶手段,
経過時間を計時するタイマ,
上記カウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させるタイマ制御手段,
上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,上記指定回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出する算出手段,および
算出された脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示する表示手段を備えた,携帯型計測表示装置。 - 無入力設定時間を記憶する無入力設定時間記憶手段をさらに備え,
上記カウント・ボタンの押下のそれぞれから上記無入力設定時間中に次のカウント・ボタンの押下が無かった場合に,処理を終了する手段をさらに備えた,
請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯型計測表示装置。 - 与えられる最低計測回数を記憶させ,
患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させ,
最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記最低計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,カウント・ボタンの押下回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出させ,
算出した脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示させるように携帯型計測表示装置を制御する,プログラム。 - 与えられる計測開始から計測終了までの測定時間を記憶させ,
上記測定時間の経過に応じて,上記表示画面上に表示されている脈拍数または点滴速度を点滅表示させるように携帯型計測表示装置を制御する,請求項7に記載のプログラム。 - 与えられる計測回数を記憶させ,
患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させ,
計測回数以上のカウント・ボタンの押下のそれぞれに応じて,上記計測回数よりも1回小さい回数前のカウント・ボタンの押下から上記計測回数以上のカウント・ボタンの押下までの経過時間と上記計測回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出させ,
算出した脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示させるように携帯型計測表示装置を制御する,プログラム。 - 与えられる計測開始から計測結果表示を開始するまでの設定時間を記憶させ,
患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタンの押下に応じてタイマによる時間計測を開始させ,
上記設定時間の経過に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記設定時間内の最終のカウント・ボタンの押下までの経過時間とその間のカウント・ボタンの押下数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出させ,
算出した脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示するように携帯型計測表示装置を制御する,プログラム。 - 与えられる指定回数を記憶させ,
患者の脈の拍動または点滴落下のタイミングに合わせて押下されるカウント・ボタン押下に応じてタイマによる時間計測を開始させ,
上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下に応じて,最初のカウント・ボタンの押下から上記指定回数回目のカウント・ボタンの押下までの経過時間と,上記指定回数とに基づいて,1分間の患者の脈拍数または1分間の点滴速度を算出させ,
算出した脈拍数または点滴速度を表示画面上に可視的に表示するように携帯型計測表示装置を制御する,プログラム。
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