JP2004208102A - ドメイン名解決処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドメイン名解決処理を高速化し、ネットワーク負荷を軽減する。
【解決手段】ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求を受けたDNSクライアント・アプリケーション101は、一致するドメイン名をドメイン名解決情報格納メモリ領域102から検索し、一致するドメイン名が取得できた場合、対応するIPアドレスをネットワークアプリケーション100に返却し、一致するものが取得できなかった場合、DNSサーバ・アプリケーション200にドメイン名解決要求を行い、DNSサーバ・アプリケーション200から送信されてきたドメイン名解決処理結果をネットワーク・アプリケーション100に返却する。
【選択図】 図1
【解決手段】ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求を受けたDNSクライアント・アプリケーション101は、一致するドメイン名をドメイン名解決情報格納メモリ領域102から検索し、一致するドメイン名が取得できた場合、対応するIPアドレスをネットワークアプリケーション100に返却し、一致するものが取得できなかった場合、DNSサーバ・アプリケーション200にドメイン名解決要求を行い、DNSサーバ・アプリケーション200から送信されてきたドメイン名解決処理結果をネットワーク・アプリケーション100に返却する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドメイン名解決処理方法に関し、特に、ドメイン名をIP(Internet Protocol)アドレスに変換するドメイン名解決処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IPプロトコルを使用するネットワークでは、所定の端末装置が通信相手の端末装置のドメイン名に対応するIPアドレスをDNS(Domain Name System)サーバに問い合わせ、DNSサーバから通知されたIPアドレスを使用して通信相手である端末装置とのデータ送信が可能となる。図2は従来のDNSの構成および動作を示している。DNSは、クライアントマシン1のネットワーク・アプリケーション10、DNSクライアント・アプリケーション11と、サーバマシン2のDNSサーバ・アプリケーション20から構成されている。ネットワーク・アプリケーション10は、通信手段としてTCP/IP(transmission control protocol/internet protocol)プロトコルを使用するものである。通信相手の指定方法としては、ドメイン名の指定が可能である。なお、通信する前には通信相手と接続する必要があるが、ドメイン名が判明しているだけでは通信相手を特定できないため、DNSクライアント・アプリケーション11へのドメイン名解決要求の送信とドメイン名解決結果の受信機能も有する。DNSクライアント・アプリケーション11は、ネットワーク・アプリケーション10から受信したドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション20へ送信する機能と、DNSサーバ・アプリケーション20から受信したドメイン名解決結果をネットワーク・アプリケーション10へ送信する機能を有する。なお、DNSサーバ・アプリケーション20との通信には、DNSプロトコルが使用される。DNSサーバ・アプリケーション20は、DNSクライアント・アプリケーション11から受信したドメイン名解決要求に応答して、ドメイン名からIPアドレスを特定するドメイン名解決処理を行い、ドメイン名解決処理結果をDNSクライアント・アプリケーション11へ送信する機能を有する。なお、DNSクライアント・アプリケーション11との通信には、DNSプロトコルが使用される。
また、端末装置に不揮発性の記憶手段を設け、DNSサーバにより名前解決を行ったとき、名前解決した情報を不揮発性の記憶手段に自動的に登録し、以降はその登録した情報に基づいて名前解決を行うようにしたものがある。ここで、DNSとは、ドメイン名とIPアドレスの変換(名前解決)を要求するクライアントと、実際に名前解決を行うDNSサーバから構成され、クライアントが通信を希望する相手のドメイン名をDNSサーバに対して通知すると、DNSサーバからドメイン名に対応するIPアドレスが返答される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−028343号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インターネットブラウザでWebサイトを閲覧しようとするとき、ネットワークが混んでいるとDNSサーバからのレスポンスも遅い場合が多い。また、DNSを利用しているアプリケーションは、インターネットブラウザだけではなく、TCP/IPを使用しているアプリケーション(TCP/IP−AP)のほぼ全てと言える程多数あるため、単純にDNSのみのネットワークトラフィックを考慮しただけでも、そのトラフィック量は計り知れないものがある。このように、DNSサーバからのレスポンスが遅くなるという問題と、DNSプロトコルにおけるネットワークトラフィックが増大するという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載の端末装置では、DNSサーバの他にインターネットにおける名前解決装置を設置するというものであるが、機器構成が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、DNSクライアント・アプリケーションにドメイン名解決情報を格納するメモリ領域を設けることにより、ドメイン名解決処理におけるネットワークトラフィック、DNSサーバへの負荷、および通信料を低減させるとともに、ドメイン名解決処理を高速化することができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のドメイン名解決処理方法は、ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを有し、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理方法であって、DNSクライアント・アプリケーションは、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶し、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索し、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存することを特徴とする。
また、メモリ領域に記憶されたドメイン名解決情報は、DNSクライアント・アプリケーションが終了するとき、所定の記憶装置に保存され、DNSクライアント・アプリケーションが起動されるとき、記憶装置からドメイン名解決情報が読み込まれ、メモリ領域に展開されるようにすることができる。
また、メモリ領域は、DNSクライアント・アプリケーション内に存在するバッファ領域であるようにすることができる。
また、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報に含まれるドメイン名と一致するドメイン名を含むドメイン名解決情報が既にメモリ領域に存在する場合、ドメイン名解決情報はメモリ領域に上書き保存されるようにすることができる。
請求項5に記載のドメイン名解決処理装置は、ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを備え、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理装置であって、DNSクライアント・アプリケーションは、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶する記憶手段と、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索する検索手段と、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却する返却手段と、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存する保存手段とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載のドメイン名解決処理プログラムは、ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを有し、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理装置を制御するドメイン名解決処理プログラムであって、DNSクライアント・アプリケーションに、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶するステップと、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索するステップと、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却するステップと、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存するステップとを実行させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、インターネットのドメイン名解決の手段として世界で標準的に使用されているDNS(Domain Name System)によるドメイン名解決手続きを高速化させる手法を提供するものである。なお、この高速化手法の適用は、ドメイン名解決のためのネットワークトラフィックを軽減させることにも寄与するものである。
【0009】
図2は、本発明のドメイン名解決処理方法が適用されるDNSの構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態は、DNSのクライアント/サーバモデルを想定しており、クライアントマシン(DNSクライアント)300のネットワーク・アプリケーション100、DNSクライアント・アプリケーション101、DNSクライアント・アプリケーション101内のドメイン名解決情報格納メモリ領域102と、サーバマシン(DNSサーバ)400のDNSサーバ・アプリケーション200等から構成されている。なお、クライアントマシン300とサーバマシン400は相互に通信可能なインターネット等のネットワークに接続されているものとする。
【0010】
図1に示した実施の形態においては、図2に示した実施の形態において、DNSクライアント・アプリケーション101内にドメイン名解決情報格納メモリ領域102を構成要素として追加するようにしている。その他の構成および動作は、図2を参照して上述した場合と同様であるので、その説明は適宜省略する。
【0011】
図2に示したネットワーク・アプリケーション10と、図1に示したネットワーク・アプリケーション100、図2に示したDNSサーバ・アプリケーション20と、図1に示したDNSサーバ・アプリケーション200は、全く同等の機能を有するものとする。
【0012】
以下、図2に示した実施の形態の動作について説明する。ネットワーク・アプリケーション100とDNSサーバ・アプリケーション200の動作に関しては、図2に示した従来のネットワーク・アプリケーション10とDNSサーバ・アプリケーション20の場合とそれぞれ同様であり、変更はない。変更箇所は、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102が構成要素として追加されたDNSクライアント・アプリケーション101の部分のみである。よって、図2に関しては、DNSクライアント・アプリケーション101の動作のみについて説明することにする。
【0013】
DNSクライアント・アプリケーション101は、構成要素として、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102を有しており、このドメイン名解決情報格納メモリ領域102を使用することにより、ドメイン名解決処理の高速化が実現されている。
【0014】
DNSクライアント・アプリケーション101は、ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求を受信すると、直接DNSサーバ・アプリケーション200へドメイン名解決要求を送信するのではなく、その前にドメイン名解決情報格納メモリ領域102に対してドメイン名解決情報の検索処理を実行する。ドメイン名解決情報格納メモリ領域102には、一度解決されたドメイン名と対応するIP(internet protocol)アドレスの組情報(ドメイン名解決情報)が格納されている。
【0015】
ここで、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102にドメイン名解決要求されたドメイン名と一致するものが存在した場合、一致したドメイン名解決情報をネットワーク・アプリケーション100へ返却し、一致するものがない場合や一致したドメイン名解決情報が不正な場合は、受信したドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション200へ送信する。
【0016】
そして、DNSサーバ・アプリケーション200からの返却データを受信し、受信した返却データをネットワーク・アプリケーション100へ返却する。DNSクライアント・アプリケーション101はこのような処理を実行する機能を有しており、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102へのアクセス機能も追加されている。
【0017】
ドメイン名解決情報格納メモリ領域102は、DNSクライアント・アプリケーション101内に存在するドメイン名解決情報を格納しているバッファ領域である。ドメイン名解決情報とは、DNSクライアント・アプリケーション101がドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション200へ送信したときにDNSサーバ・アプリケーション200から返却されるドメイン名解決処理結果(IPアドレス)とドメイン名の組情報のことである。
【0018】
なお、ドメイン名解決情報をDNSクライアント・アプリケーション101が取得する度に、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102へドメイン名解決情報が保存・蓄積されて行く(保存数はシステムやアプリケーションによる)が、同一ドメイン名の解決情報が既にドメイン名解決情報格納メモリ領域102に存在する場合は、上書き保存される。
【0019】
また、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に蓄積されているドメイン名解決情報は、DNSクライアント・アプリケーション101が終了すると同時に、外部(ファイル等)へ出力され、DNSクライアント・アプリケーション101が起動するときに外部から入力される。例えば、DNSクライアント・アプリケーション101が終了すると直前に、外部に接続されたハードディスク等の記憶装置に記憶され、DNSクライアント・アプリケーション101が起動した直後に記憶装置から読み出され、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に展開される。このようにして、一度解決されたドメイン名解決情報は永続的に記憶装置に保存される。ドメイン名解決情報格納メモリ領域は102には、一度解決されたドメイン名解決情報が展開され、ドメイン名解決処理が効率よく行われる役割を果たす。
【0020】
次に、図2を参照して、本実施の形態の動作について詳細に説明する。まず、ドメイン名解決要求を行うネットワーク・アプリケーション100は、DNSクライアント・アプリケーション101へ、ドメイン名解決要求を送信する。また、ネットワーク・アプリケーション100は、DNSクライアント・アプリケーション101から処理結果が返却されるまで、待機状態へ移行する(ステップA11)。
【0021】
次に、ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求を受信したDNSクライアント・アプリケーション101は、ネットワーク・アプリケーション100へ返却するためのドメイン名解決情報を取得するために、まずドメイン名解決情報格納メモリ領域102に対して、ドメイン名解決情報の検索処理を実行する(ステップA12)。
【0022】
次に、DNSクライアント・アプリケーション101が、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102からドメイン名の検索を行い、一致するドメイン名が存在する場合、そのドメイン名と対応するIPアドレスからなるドメイン名解決情報を検索結果として取得する(ステップA13)。
【0023】
ここで、検索結果として、ドメイン名解決要求されているドメイン名と一致するドメイン名解決情報を取得した場合は、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102から取得したドメイン名解決情報を、そのままネットワーク・アプリケーション100へ返却情報として送信する(ステップA17)。
【0024】
一方、ステップA13において、ドメイン名解決要求されているドメイン名と一致するドメイン名解決情報を取得したとしても、その情報が不正であったり、一致するドメイン名解決情報を取得できなかった場合は、受信したドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション200へ送信し、DNSサーバ・アプリケーション200からドメイン名解決処理の結果が返却されるまで、DNSクライアント・アプリケーション101は待機状態へ移行する(ステップA14)。
【0025】
次に、DNSクライアント・アプリケーション101から受信したドメイン名解決要求に基づいて、DNSサーバ・アプリケーション200がドメイン名解決処理を実行する(ステップA15)。なお、このドメイン名解決処理は、通常のDNSサーバの処理と同等である。
【0026】
次に、ドメイン名解決処理の結果を示すデータを、DNSサーバ・アプリケーション200がDNSクライアント・アプリケーション101へ送信する。なお、ドメイン名解決処理の結果を示すデータを受け取ったDNSクライアント・アプリケーション101は、待機状態から通常状態へ移行する(ステップA16)。
【0027】
次に、DNSクライアント・アプリケーション101が、ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求に対するドメイン名解決結果を示すデータ(DNSサーバ・アプリケーション200から送られてきたもの)を、ネットワーク・アプリケーション100へ返却する(ステップA17)。
【0028】
上述したように、クライアントマシン300のDNSクライアント・アプリケーション101は、処理を終了するとき、クライアントマシン300の図示せぬハードディスク等の記憶装置に、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納されたドメイン名解決情報を出力して記憶させる。また、DNSクライアント・アプリケーション101が起動されるとき、図示せぬ記憶装置からドメイン名解決情報を読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納する。
【0029】
このとき、記憶装置に記憶されている全てのドメイン名解決情報を読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納するようにしてもよいし、頻繁に使用されるもの、或いは、最近使用されたものを所定数だけ読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納するようにしてもよい。
【0030】
サーバマシン400からのレスポンスが遅くなるという問題と、DNSプロトコルにおけるネットワークトラフィックが増大するという問題は、本実施の形態を使用することで最小限に抑えることができる。何故なら、インターネットの利用方法として、一度過去に訪れたことのある同じ場所へアクセスすることが多いからであり、同一ドメインへのアクセスは、本実施の形態の高速化手法を適用すると、クライアントマシン300がサーバマシン400へアクセスすることなくドメイン名解決処理を行うことができるからである。
【0031】
例えば、同一サイトへアクセスする必要が10回ある場合、最初の1回はサーバマシン400へのアクセスが発生するが、残りの9回はクライアントマシン300内でドメイン名解決処理が可能となる。なお、インターネット利用ユーザは、インターネットブラウザを使用する場合、過去に一度訪れたことのある目的サイトへはブックマークを利用して行くことが多い。また、通常使用するメールにおいても、毎回同じPOP(post office protocol)サーバやSMTP(simple mail transfer protocol)サーバへアクセスしているため、効果は大きい。また、インターネット利用システムの場合も、毎回特定のサイトへアクセスして通信処理を行うことが多いため、効果が期待できる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態により、次のような効果が得られる。第1の効果は、ドメイン名解決処理が高速化されることである。これは、過去に一度ドメイン名解決を行ったものであれば、そのドメイン名解決情報がドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納されているため、サーバマシン400まで問い合わせる必要がないからである。従って、サーバマシン400でのドメイン名解決処理時間と、サーバマシン400との通信処理時間がなくなる。その結果、クライアントマシン300での処理時間のみとなるので、高速化が実現される。
【0033】
第2の効果は、ドメイン名解決処理におけるネットワークトラフィックが軽減されることである。従来方式(図2)では、全てのドメイン名解決処理をサーバマシン2へ問い合わせていたため、ドメイン名解決処理を行う際は常にネットワーク通信処理が発生していたが、高速化手法を適用した本実施の形態(図1)では、一度ドメイン名解決されたエントリは再度DNSサーバへ問い合わせる必要がないため、ネットワーク通信処理の回数も減る。よって、ネットワークトラフィックが軽減される。
【0034】
第3の効果は、クライアントマシン300のDNSクライアント・アプリケーション101が、処理を終了するとき、クライアントマシン300の図示せぬハードディスク等の記憶装置に、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納されたドメイン名解決情報を出力して記憶させ、DNSクライアント・アプリケーション101が起動されるとき、記憶装置からドメイン名解決情報を読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納するようにしたため、クライアントマシン300の電源がオフされたときでもドメイン名解決情報が失われることがなく、ドメイン名解決処理を常に効率よく、かつ高速に行うことができることである。また、ドメイン名解決情報は外部の記憶装置に永続的に保存されるため、DNSサーバがダウンしたり、何らかの理由でドメイン名解決情報が消失した場合でも一度解決されたドメイン名解決情報に関してはドメイン名解決処理を行うことができる。
【0035】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係るドメイン名解決処理方法によれば、DNSクライアント・アプリケーションが、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶し、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索し、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存するようにしたので、ドメイン名解決処理におけるネットワークトラフィック、DNSサーバへの負荷、および通信料を低減し、ドメイン名解決処理を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を応用したDNSの構成例を示すブロック図である。
【図2】従来のDNSの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,300 クライアントマシン
2,400 サーバマシン
10,100 ネットワーク・アプリケーション
11,101 DNSクライアント・アプリケーション
20,200 DNSサーバ・アプリケーション
102 ドメイン名解決情報格納メモリ領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドメイン名解決処理方法に関し、特に、ドメイン名をIP(Internet Protocol)アドレスに変換するドメイン名解決処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IPプロトコルを使用するネットワークでは、所定の端末装置が通信相手の端末装置のドメイン名に対応するIPアドレスをDNS(Domain Name System)サーバに問い合わせ、DNSサーバから通知されたIPアドレスを使用して通信相手である端末装置とのデータ送信が可能となる。図2は従来のDNSの構成および動作を示している。DNSは、クライアントマシン1のネットワーク・アプリケーション10、DNSクライアント・アプリケーション11と、サーバマシン2のDNSサーバ・アプリケーション20から構成されている。ネットワーク・アプリケーション10は、通信手段としてTCP/IP(transmission control protocol/internet protocol)プロトコルを使用するものである。通信相手の指定方法としては、ドメイン名の指定が可能である。なお、通信する前には通信相手と接続する必要があるが、ドメイン名が判明しているだけでは通信相手を特定できないため、DNSクライアント・アプリケーション11へのドメイン名解決要求の送信とドメイン名解決結果の受信機能も有する。DNSクライアント・アプリケーション11は、ネットワーク・アプリケーション10から受信したドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション20へ送信する機能と、DNSサーバ・アプリケーション20から受信したドメイン名解決結果をネットワーク・アプリケーション10へ送信する機能を有する。なお、DNSサーバ・アプリケーション20との通信には、DNSプロトコルが使用される。DNSサーバ・アプリケーション20は、DNSクライアント・アプリケーション11から受信したドメイン名解決要求に応答して、ドメイン名からIPアドレスを特定するドメイン名解決処理を行い、ドメイン名解決処理結果をDNSクライアント・アプリケーション11へ送信する機能を有する。なお、DNSクライアント・アプリケーション11との通信には、DNSプロトコルが使用される。
また、端末装置に不揮発性の記憶手段を設け、DNSサーバにより名前解決を行ったとき、名前解決した情報を不揮発性の記憶手段に自動的に登録し、以降はその登録した情報に基づいて名前解決を行うようにしたものがある。ここで、DNSとは、ドメイン名とIPアドレスの変換(名前解決)を要求するクライアントと、実際に名前解決を行うDNSサーバから構成され、クライアントが通信を希望する相手のドメイン名をDNSサーバに対して通知すると、DNSサーバからドメイン名に対応するIPアドレスが返答される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−028343号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インターネットブラウザでWebサイトを閲覧しようとするとき、ネットワークが混んでいるとDNSサーバからのレスポンスも遅い場合が多い。また、DNSを利用しているアプリケーションは、インターネットブラウザだけではなく、TCP/IPを使用しているアプリケーション(TCP/IP−AP)のほぼ全てと言える程多数あるため、単純にDNSのみのネットワークトラフィックを考慮しただけでも、そのトラフィック量は計り知れないものがある。このように、DNSサーバからのレスポンスが遅くなるという問題と、DNSプロトコルにおけるネットワークトラフィックが増大するという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載の端末装置では、DNSサーバの他にインターネットにおける名前解決装置を設置するというものであるが、機器構成が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、DNSクライアント・アプリケーションにドメイン名解決情報を格納するメモリ領域を設けることにより、ドメイン名解決処理におけるネットワークトラフィック、DNSサーバへの負荷、および通信料を低減させるとともに、ドメイン名解決処理を高速化することができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のドメイン名解決処理方法は、ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを有し、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理方法であって、DNSクライアント・アプリケーションは、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶し、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索し、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存することを特徴とする。
また、メモリ領域に記憶されたドメイン名解決情報は、DNSクライアント・アプリケーションが終了するとき、所定の記憶装置に保存され、DNSクライアント・アプリケーションが起動されるとき、記憶装置からドメイン名解決情報が読み込まれ、メモリ領域に展開されるようにすることができる。
また、メモリ領域は、DNSクライアント・アプリケーション内に存在するバッファ領域であるようにすることができる。
また、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報に含まれるドメイン名と一致するドメイン名を含むドメイン名解決情報が既にメモリ領域に存在する場合、ドメイン名解決情報はメモリ領域に上書き保存されるようにすることができる。
請求項5に記載のドメイン名解決処理装置は、ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを備え、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理装置であって、DNSクライアント・アプリケーションは、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶する記憶手段と、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索する検索手段と、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却する返却手段と、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存する保存手段とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載のドメイン名解決処理プログラムは、ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを有し、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理装置を制御するドメイン名解決処理プログラムであって、DNSクライアント・アプリケーションに、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶するステップと、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索するステップと、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却するステップと、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存するステップとを実行させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、インターネットのドメイン名解決の手段として世界で標準的に使用されているDNS(Domain Name System)によるドメイン名解決手続きを高速化させる手法を提供するものである。なお、この高速化手法の適用は、ドメイン名解決のためのネットワークトラフィックを軽減させることにも寄与するものである。
【0009】
図2は、本発明のドメイン名解決処理方法が適用されるDNSの構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態は、DNSのクライアント/サーバモデルを想定しており、クライアントマシン(DNSクライアント)300のネットワーク・アプリケーション100、DNSクライアント・アプリケーション101、DNSクライアント・アプリケーション101内のドメイン名解決情報格納メモリ領域102と、サーバマシン(DNSサーバ)400のDNSサーバ・アプリケーション200等から構成されている。なお、クライアントマシン300とサーバマシン400は相互に通信可能なインターネット等のネットワークに接続されているものとする。
【0010】
図1に示した実施の形態においては、図2に示した実施の形態において、DNSクライアント・アプリケーション101内にドメイン名解決情報格納メモリ領域102を構成要素として追加するようにしている。その他の構成および動作は、図2を参照して上述した場合と同様であるので、その説明は適宜省略する。
【0011】
図2に示したネットワーク・アプリケーション10と、図1に示したネットワーク・アプリケーション100、図2に示したDNSサーバ・アプリケーション20と、図1に示したDNSサーバ・アプリケーション200は、全く同等の機能を有するものとする。
【0012】
以下、図2に示した実施の形態の動作について説明する。ネットワーク・アプリケーション100とDNSサーバ・アプリケーション200の動作に関しては、図2に示した従来のネットワーク・アプリケーション10とDNSサーバ・アプリケーション20の場合とそれぞれ同様であり、変更はない。変更箇所は、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102が構成要素として追加されたDNSクライアント・アプリケーション101の部分のみである。よって、図2に関しては、DNSクライアント・アプリケーション101の動作のみについて説明することにする。
【0013】
DNSクライアント・アプリケーション101は、構成要素として、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102を有しており、このドメイン名解決情報格納メモリ領域102を使用することにより、ドメイン名解決処理の高速化が実現されている。
【0014】
DNSクライアント・アプリケーション101は、ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求を受信すると、直接DNSサーバ・アプリケーション200へドメイン名解決要求を送信するのではなく、その前にドメイン名解決情報格納メモリ領域102に対してドメイン名解決情報の検索処理を実行する。ドメイン名解決情報格納メモリ領域102には、一度解決されたドメイン名と対応するIP(internet protocol)アドレスの組情報(ドメイン名解決情報)が格納されている。
【0015】
ここで、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102にドメイン名解決要求されたドメイン名と一致するものが存在した場合、一致したドメイン名解決情報をネットワーク・アプリケーション100へ返却し、一致するものがない場合や一致したドメイン名解決情報が不正な場合は、受信したドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション200へ送信する。
【0016】
そして、DNSサーバ・アプリケーション200からの返却データを受信し、受信した返却データをネットワーク・アプリケーション100へ返却する。DNSクライアント・アプリケーション101はこのような処理を実行する機能を有しており、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102へのアクセス機能も追加されている。
【0017】
ドメイン名解決情報格納メモリ領域102は、DNSクライアント・アプリケーション101内に存在するドメイン名解決情報を格納しているバッファ領域である。ドメイン名解決情報とは、DNSクライアント・アプリケーション101がドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション200へ送信したときにDNSサーバ・アプリケーション200から返却されるドメイン名解決処理結果(IPアドレス)とドメイン名の組情報のことである。
【0018】
なお、ドメイン名解決情報をDNSクライアント・アプリケーション101が取得する度に、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102へドメイン名解決情報が保存・蓄積されて行く(保存数はシステムやアプリケーションによる)が、同一ドメイン名の解決情報が既にドメイン名解決情報格納メモリ領域102に存在する場合は、上書き保存される。
【0019】
また、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に蓄積されているドメイン名解決情報は、DNSクライアント・アプリケーション101が終了すると同時に、外部(ファイル等)へ出力され、DNSクライアント・アプリケーション101が起動するときに外部から入力される。例えば、DNSクライアント・アプリケーション101が終了すると直前に、外部に接続されたハードディスク等の記憶装置に記憶され、DNSクライアント・アプリケーション101が起動した直後に記憶装置から読み出され、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に展開される。このようにして、一度解決されたドメイン名解決情報は永続的に記憶装置に保存される。ドメイン名解決情報格納メモリ領域は102には、一度解決されたドメイン名解決情報が展開され、ドメイン名解決処理が効率よく行われる役割を果たす。
【0020】
次に、図2を参照して、本実施の形態の動作について詳細に説明する。まず、ドメイン名解決要求を行うネットワーク・アプリケーション100は、DNSクライアント・アプリケーション101へ、ドメイン名解決要求を送信する。また、ネットワーク・アプリケーション100は、DNSクライアント・アプリケーション101から処理結果が返却されるまで、待機状態へ移行する(ステップA11)。
【0021】
次に、ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求を受信したDNSクライアント・アプリケーション101は、ネットワーク・アプリケーション100へ返却するためのドメイン名解決情報を取得するために、まずドメイン名解決情報格納メモリ領域102に対して、ドメイン名解決情報の検索処理を実行する(ステップA12)。
【0022】
次に、DNSクライアント・アプリケーション101が、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102からドメイン名の検索を行い、一致するドメイン名が存在する場合、そのドメイン名と対応するIPアドレスからなるドメイン名解決情報を検索結果として取得する(ステップA13)。
【0023】
ここで、検索結果として、ドメイン名解決要求されているドメイン名と一致するドメイン名解決情報を取得した場合は、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102から取得したドメイン名解決情報を、そのままネットワーク・アプリケーション100へ返却情報として送信する(ステップA17)。
【0024】
一方、ステップA13において、ドメイン名解決要求されているドメイン名と一致するドメイン名解決情報を取得したとしても、その情報が不正であったり、一致するドメイン名解決情報を取得できなかった場合は、受信したドメイン名解決要求をDNSサーバ・アプリケーション200へ送信し、DNSサーバ・アプリケーション200からドメイン名解決処理の結果が返却されるまで、DNSクライアント・アプリケーション101は待機状態へ移行する(ステップA14)。
【0025】
次に、DNSクライアント・アプリケーション101から受信したドメイン名解決要求に基づいて、DNSサーバ・アプリケーション200がドメイン名解決処理を実行する(ステップA15)。なお、このドメイン名解決処理は、通常のDNSサーバの処理と同等である。
【0026】
次に、ドメイン名解決処理の結果を示すデータを、DNSサーバ・アプリケーション200がDNSクライアント・アプリケーション101へ送信する。なお、ドメイン名解決処理の結果を示すデータを受け取ったDNSクライアント・アプリケーション101は、待機状態から通常状態へ移行する(ステップA16)。
【0027】
次に、DNSクライアント・アプリケーション101が、ネットワーク・アプリケーション100からのドメイン名解決要求に対するドメイン名解決結果を示すデータ(DNSサーバ・アプリケーション200から送られてきたもの)を、ネットワーク・アプリケーション100へ返却する(ステップA17)。
【0028】
上述したように、クライアントマシン300のDNSクライアント・アプリケーション101は、処理を終了するとき、クライアントマシン300の図示せぬハードディスク等の記憶装置に、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納されたドメイン名解決情報を出力して記憶させる。また、DNSクライアント・アプリケーション101が起動されるとき、図示せぬ記憶装置からドメイン名解決情報を読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納する。
【0029】
このとき、記憶装置に記憶されている全てのドメイン名解決情報を読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納するようにしてもよいし、頻繁に使用されるもの、或いは、最近使用されたものを所定数だけ読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納するようにしてもよい。
【0030】
サーバマシン400からのレスポンスが遅くなるという問題と、DNSプロトコルにおけるネットワークトラフィックが増大するという問題は、本実施の形態を使用することで最小限に抑えることができる。何故なら、インターネットの利用方法として、一度過去に訪れたことのある同じ場所へアクセスすることが多いからであり、同一ドメインへのアクセスは、本実施の形態の高速化手法を適用すると、クライアントマシン300がサーバマシン400へアクセスすることなくドメイン名解決処理を行うことができるからである。
【0031】
例えば、同一サイトへアクセスする必要が10回ある場合、最初の1回はサーバマシン400へのアクセスが発生するが、残りの9回はクライアントマシン300内でドメイン名解決処理が可能となる。なお、インターネット利用ユーザは、インターネットブラウザを使用する場合、過去に一度訪れたことのある目的サイトへはブックマークを利用して行くことが多い。また、通常使用するメールにおいても、毎回同じPOP(post office protocol)サーバやSMTP(simple mail transfer protocol)サーバへアクセスしているため、効果は大きい。また、インターネット利用システムの場合も、毎回特定のサイトへアクセスして通信処理を行うことが多いため、効果が期待できる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態により、次のような効果が得られる。第1の効果は、ドメイン名解決処理が高速化されることである。これは、過去に一度ドメイン名解決を行ったものであれば、そのドメイン名解決情報がドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納されているため、サーバマシン400まで問い合わせる必要がないからである。従って、サーバマシン400でのドメイン名解決処理時間と、サーバマシン400との通信処理時間がなくなる。その結果、クライアントマシン300での処理時間のみとなるので、高速化が実現される。
【0033】
第2の効果は、ドメイン名解決処理におけるネットワークトラフィックが軽減されることである。従来方式(図2)では、全てのドメイン名解決処理をサーバマシン2へ問い合わせていたため、ドメイン名解決処理を行う際は常にネットワーク通信処理が発生していたが、高速化手法を適用した本実施の形態(図1)では、一度ドメイン名解決されたエントリは再度DNSサーバへ問い合わせる必要がないため、ネットワーク通信処理の回数も減る。よって、ネットワークトラフィックが軽減される。
【0034】
第3の効果は、クライアントマシン300のDNSクライアント・アプリケーション101が、処理を終了するとき、クライアントマシン300の図示せぬハードディスク等の記憶装置に、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納されたドメイン名解決情報を出力して記憶させ、DNSクライアント・アプリケーション101が起動されるとき、記憶装置からドメイン名解決情報を読み出し、ドメイン名解決情報格納メモリ領域102に格納するようにしたため、クライアントマシン300の電源がオフされたときでもドメイン名解決情報が失われることがなく、ドメイン名解決処理を常に効率よく、かつ高速に行うことができることである。また、ドメイン名解決情報は外部の記憶装置に永続的に保存されるため、DNSサーバがダウンしたり、何らかの理由でドメイン名解決情報が消失した場合でも一度解決されたドメイン名解決情報に関してはドメイン名解決処理を行うことができる。
【0035】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係るドメイン名解決処理方法によれば、DNSクライアント・アプリケーションが、ドメイン名とIPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶し、ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、ドメイン名と一致するものをメモリ領域から検索し、ドメイン名と一致するものが検索されたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスをDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、DNSサーバから処理結果として得られたドメイン名解決情報をDNSネットワーク・アプリケーションに返却し、ドメイン名解決情報をメモリ領域に保存するようにしたので、ドメイン名解決処理におけるネットワークトラフィック、DNSサーバへの負荷、および通信料を低減し、ドメイン名解決処理を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を応用したDNSの構成例を示すブロック図である。
【図2】従来のDNSの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,300 クライアントマシン
2,400 サーバマシン
10,100 ネットワーク・アプリケーション
11,101 DNSクライアント・アプリケーション
20,200 DNSサーバ・アプリケーション
102 ドメイン名解決情報格納メモリ領域
Claims (6)
- ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを有し、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理方法であって、
前記DNSクライアント・アプリケーションは、
前記ドメイン名と前記IPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶し、
前記ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、前記ドメイン名と一致するものを前記メモリ領域から検索し、
前記ドメイン名と一致するものが検索されたとき、前記ドメイン名に対応する前記IPアドレスを前記DNSネットワーク・アプリケーションに返却し、
前記ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、前記DNSサーバから処理結果として得られた前記ドメイン名解決情報を前記DNSネットワーク・アプリケーションに返却し、前記ドメイン名解決情報を前記メモリ領域に保存する
ことを特徴とするドメイン名解決処理方法。 - 前記メモリ領域に記憶された前記ドメイン名解決情報は、前記DNSクライアント・アプリケーションが終了するとき、所定の記憶装置に保存され、前記DNSクライアント・アプリケーションが起動されるとき、前記記憶装置から前記ドメイン名解決情報が読み込まれ、前記メモリ領域に展開される
ことを特徴とする請求項1に記載のドメイン名解決処理方法。 - 前記メモリ領域は、前記DNSクライアント・アプリケーション内に存在するバッファ領域である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドメイン名解決処理方法。 - 前記DNSサーバから処理結果として得られた前記ドメイン名解決情報に含まれるドメイン名と一致するドメイン名を含むドメイン名解決情報が既に前記メモリ領域に存在する場合、前記ドメイン名解決情報は前記メモリ領域に上書き保存される
ことを特徴とするドメイン名解決処理方法。 - ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを備え、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理装置であって、
前記DNSクライアント・アプリケーションは、
前記ドメイン名と前記IPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶する記憶手段と、
前記ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、前記ドメイン名と一致するものを前記メモリ領域から検索する検索手段と、
前記ドメイン名と一致するものが検索されたとき、前記ドメイン名に対応する前記IPアドレスを前記DNSネットワーク・アプリケーションに返却する返却手段と、
前記ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、前記DNSサーバから処理結果として得られた前記ドメイン名解決情報を前記DNSネットワーク・アプリケーションに返却し、前記ドメイン名解決情報を前記メモリ領域に保存する保存手段と
を備えることを特徴とするドメイン名解決処理装置。 - ネットワーク・アプリケーションと、DNSクライアント・アプリケーションとを有し、ドメイン名をIPアドレスに変換するドメイン名解決処理を行うドメイン名解決処理装置を制御するドメイン名解決処理プログラムであって、
前記DNSクライアント・アプリケーションに、
前記ドメイン名と前記IPアドレスとを対応付けたドメイン名解決情報をメモリ領域に記憶するステップと、
前記ネットワーク・アプリケーションから所定のドメイン名のIPアドレスへの変換を要求するドメイン名解決要求を受け、前記ドメイン名と一致するものを前記メモリ領域から検索するステップと、
前記ドメイン名と一致するものが検索されたとき、前記ドメイン名に対応する前記IPアドレスを前記DNSネットワーク・アプリケーションに返却するステップと、
前記ドメイン名と一致するものが検索できなかったとき、所定のDNSサーバに対してドメイン名解決要求を送信し、前記DNSサーバから処理結果として得られた前記ドメイン名解決情報を前記DNSネットワーク・アプリケーションに返却し、前記ドメイン名解決情報を前記メモリ領域に保存するステップと
を実行させることを特徴とするドメイン名解決処理プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002375932A JP2004208102A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | ドメイン名解決処理方法 |
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JP2002375932A JP2004208102A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | ドメイン名解決処理方法 |
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JP2002375932A Pending JP2004208102A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | ドメイン名解決処理方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004208102A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013504235A (ja) * | 2009-09-02 | 2013-02-04 | ジエマルト・エス・アー | セキュアデバイスがターゲットサーバのipアドレスを解決する方法 |
CN110730251A (zh) * | 2019-09-10 | 2020-01-24 | 北京字节跳动网络技术有限公司 | 一种解析域名的方法、装置、介质和电子设备 |
CN112769802A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-07 | 微医云(杭州)控股有限公司 | 基于服务端的访问校验方法、装置、电子设备及存储介质 |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002375932A patent/JP2004208102A/ja active Pending
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