JP2004206823A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気テープカートリッジを落とした場合に、使用の可否を判断できる磁気テープカートリッジを提供する。
【解決手段】磁気テープカートリッジJKは、外部から目視により確認可能な衝撃検知素子30を備え、前記検知素子30は、少なくとも1つの開口部を有した第1容器1と、前記第1容器1に満たした液体2と、前記第1容器1が内部に固定され、内壁面に拡散層6が形成された第2容器5とを備えて構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気テープカートリッジJKは、外部から目視により確認可能な衝撃検知素子30を備え、前記検知素子30は、少なくとも1つの開口部を有した第1容器1と、前記第1容器1に満たした液体2と、前記第1容器1が内部に固定され、内壁面に拡散層6が形成された第2容器5とを備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータ等のデータ保存用の磁気テープカートリッジを外部記録媒体として用いて、磁気テープドライブでデータを記録・再生することが行われている。この種の磁気テープカートリッジは、一般に樹脂を射出成形してなるカートリッジケースの内部に、単一または2つのリールの磁気テープを巻装して収容したものである。この磁気テープカートリッジの取り扱いで問題となるのは、例えば、ユーザが誤って落としてしまったときの破損である。この破損に関しては、以下の特許文献1が参考になる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−298541号公報(第5頁、13頁および14頁、第1図参照)
【0004】
特許文献1においては、磁気テープを外部に引き出すための開口部が、カートリッジケースのコーナーに比較的近い部分に設けられていると、構造上剛性が低く、不用意な取り扱いを受けた場合に開口部が破損することを従来技術の問題の一つとしている。そして、具体的な対応策として、磁気テープカートリッジのコーナーから内側に離して開口部を設け、誤って落とした場合にも破損し難い構造としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した特許文献1の磁気テープカートリッジは、カートリッジケース自体の破損についての課題を解決したものであり、カートリッジケース内部の磁気テープの破損については何ら記載されていない。
しかし、磁気テープカートリッジの落下により、内部の磁気テープが破損する可能性もある。この場合には、外部から不具合を判断できないため、ユーザはそのまま磁気テープカートリッジを使用してしまう可能性が高く、データの消失につながりかねない。
【0006】
例えば、磁気テープを繰り返し使用していると、磁気テープドライブで始動、停止する際などに磁気テープが幅方向に動くことがあり、これを原因として、磁気テープが局部的にはみ出し、いわゆる巻乱れが生じることがある。この巻乱れは、それ自体不具合を発生させるものではないが、巻乱れが発生した状態で磁気テープカートリッジを落とした場合には、はみ出した磁気テープがカートリッジケースの内壁にぶつかり、折れ曲がることがある。この折れ曲がりが発生した磁気テープは、しばらくはそのまま使用できるが、繰り返し走行させるうちに折れ曲がりの箇所を起点として磁性層が剥離するなどして、データの読み取りエラーが発生する可能性がある。
【0007】
そこで、このような問題に鑑み本発明がなされたもので、本発明は、磁気テープカートリッジを落とした場合に、使用の可否を判断できる磁気テープカートリッジを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
磁気テープカートリッジは、一定以上の衝撃が加わったことが外部から目視により認識可能な衝撃検知素子を有することを特徴とする。
このような磁気テープカートリッジによれば、衝撃検知素子の色、形状の変化等を目視して磁気テープカートリッジに一定以上の衝撃が加わったことが認識できる。そのため、カートリッジケースの内部にある磁気テープに一定以上の衝撃が加わったことを、ユーザが外部から判断できる。
【0009】
前記した磁気テープカートリッジにおいて、衝撃検知素子は、少なくとも1つの開口部を有した第1容器と、第1容器に満たされた液体と、第1容器が内部に固定され、内壁面に拡散層が形成された第2容器とを備えて構成されているのが好ましい。
このような磁気テープカートリッジでは、通常時は、第1容器内の液体は、開口部において表面張力により第1容器内に収まっているが、外部から一定以上の衝撃が加わると、表面張力で液体の液面を保持しきれなくなり、開口部から液体がこぼれる。そして、液体が第2容器の内壁面に付着する。第2容器の内壁面には、拡散層が形成されているので、液体が第2容器の内壁面に広がる。従って、ユーザは、第2容器を見て、液体の色の付着により、磁気テープカートリッジに一定以上の衝撃が加わったことを認識できる。
【0010】
前記した磁気テープカートリッジにおいて、衝撃検知素子は複数設けられ、各開口部の向きが互いに異なっているのが好ましい。
前記した第1容器、第2容器及び第1容器に満たされた液体からなる衝撃検知装置は、第1容器の開口部の向きと、衝撃が加わった方向とが45度の角度をなす時に最も液体がこぼれやすく、この角度からずれるにつれて、高い衝撃が加わらなければ液体が第1容器からこぼれない。従って、各開口部の向きを変えて複数の衝撃検知素子を設けることで、磁気テープカートリッジが衝撃を受ける時の検知素子の反応のばらつきを平均化し、衝撃検知機能の安定化を図ることができる。
【0011】
また、前記した磁気テープカートリッジにおいて、衝撃検知素子は、カートリッジケースに対し着脱可能に取り付けられ、交換可能であるのが好ましい。
このような磁気テープカートリッジによれば、何らかの原因で誤って衝撃検知素子を破損した場合に、新しい衝撃検知素子に交換することができる。また、磁気テープカートリッジに保存するデータの内容によっては、特にデータの安全性を高くしたい場合もあるので、衝撃検知素子を交換可能にすることで、必要な安全性に応じた衝撃基準の衝撃検知素子を使用することができる。
【0012】
第1容器は、第2容器から取り出し可能に固定されているとともに、開口部は、大きさが調整可能に構成されているのが好ましい。
このようにすることで、ユーザが使用する環境条件によって衝撃を検知する程度を調整することができる。これは、開口部の面積の大きさによって液体の表面張力が変動する原理を利用するものである。なお、開口部が大きいと液膜を破壊する衝撃力は小さくなる。
【0013】
【発明の実施形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの詳細について説明する。
参照する図面において、図1(a)は、第1実施形態の磁気テープカートリッジに衝撃検知素子を取り付けた実施形態の斜視図を示す。図1(b)は、第1実施形態の衝撃検知素子の構成を説明する斜視図を示す。
【0014】
図1(a)に示すように、磁気テープカートリッジJKは、略直方体に形成されたカートリッジケース内に2つのリールを具備しており、その外壁に略円柱形の衝撃検知素子30が設けられている。この衝撃検知素子30は、図1(b)に示すように、第1容器サブアッセンブリ10と、第2容器サブアッセンブリ20とで主に構成されている。
【0015】
第1容器サブアッセンブリ10は、略有底円筒状に形成される第1容器1と、その表面張力により第1容器1内に収まる液体2と、その内周面が螺刻された螺着体3と、この螺着体3と第1容器1を結合する固定部4より構成される。
詳細には、図1(d)を参照すると、第1容器1と螺着体3とを固定部4を介して接合し、第1容器1の開口部より液体2を満たすことで第1容器サブアッセンブリ10が完成する。なお、この液体2は、その液面に表面張力が作用することにより、重力方向に係わらず、どちらの方向に傾けても第1容器1内からこぼれないようになっている。そして、この液面に所定値以上の外力が加わることで、第1容器1から液体2がこぼれる仕組みになっている。
【0016】
第1容器1は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成されている。また、開口部の大きさは適宜に設定可能である。例えば、図1(c)に示すように、開口部の直径をd2より小さいd1に設定した場合は、直径をd2に設定した場合よりも大きい衝撃力に耐えることができる。これは、液面に作用する表面張力は、直径をd2に設定したときよりd1に設定したときの方が大きいからである。なお、この液体2はその液面に対して45度の方向から外力が加わると、第1容器1から最もこぼれ易くなっている。
液体2は、水およびアルコールなどの液体を主成分とし、赤や青などの着色剤で着色されている。なお、この液体2の凝固点、気化点および異なる環境下での液面に作用する表面張力の変動を考慮して、その成分を任意に設定可能である。
螺着体3は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成された略有底円筒状の部材であり、その内周面が螺刻されるとともに、その底面に前記固定部4が結合される。
固定部4は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成されている。なお、この固定部4を形成する材料は、衝撃検知時に加わる衝撃力に耐えることのできる材質および構造を適宜に設定可能である。
【0017】
第2容器サブアッセンブリ20は、第2容器5と、第2容器5の内壁面に塗布された拡散層6、および第2容器5の端部に螺刻された螺着部7から構成される。
第2容器5は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成されている。
拡散層6は、ぬれ性の良い材質で形成されている。なお、第1容器1のサブアセンブリ10の液体2と異なる色を使用すると変色によりユーザによる衝撃検知率が高まる。
螺着部7は、螺着体3と螺合可能なように螺刻されるとともに液漏れを防止するのに十分な加工精度で成形されている。
なお、衝撃検知素子30としては、例えば、住友スリーエム株式会社製の落下衝撃検知チューブを利用するのが好ましい。
【0018】
つぎに、磁気テープカートリッジJKを落としたときの衝撃検知素子30の作用について説明する。
外部から一定以上の衝撃を与えた場合、例えば、ユーザによる不用意な取り扱いにより磁気テープカートリッジJKを落下させてしまった場合は、衝撃検知素子30が変色する。これは、第1容器1の液体2の表面に働く張力に対して、外部から加わる衝撃力が勝り、液体2の表面が破壊されることを意味する。そして、第1容器1から液体2がこぼれ落ち、第2容器5の内壁面の拡散層6に染み渡り、第2容器5の内壁に塗布した拡散層6の色が、第1容器1に満たされた液体2の色に変色する。これにより、磁気テープカートリッジJKに一定以上の衝撃が加わって、そのカートリッジケースの表面に傷がつかずに内部の磁気テープのみが破損したことを、ユーザに知らせることができる。
【0019】
そして、本実施形態に関し次の作用効果がある。
磁気テープカートリッジJKの破損を、ユーザが外部から判断できる。言い換えると、第1容器1から液体2が第2容器5に拡散することにより、磁気テープの破損をユーザに知らせることができる。なお、磁気テープカートリッジJKに衝撃検知素子30を着脱可能に取り付けても良く、この場合は再度使用する場合に新しい検知素子に交換する便宜を図れる。
【0020】
〔その他の実施形態〕
以下に、本発明に係る磁気テープカートリッジにおけるその他の実施形態について説明する。
参照する図面において、図2(a)および(b)は、その他の実施形態を説明する斜視図を示す。なお、図2のその他の実施形態の説明で、図1の第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付して説明を省略した。
図2(a)を参照すると、磁気テープカートリッジJKに、2つの衝撃検知素子30が同一の外壁に設置されている。この磁気テープカートリッジJKの外壁の長手方向の一端部付近に1つの衝撃検知素子30がその第1容器1の開口部をこの外壁の長手方向外側に向けて設置され、外壁の長手方向の他端部付近に2つめの衝撃検知素子30がその第1容器1の開口部を上方に向けて設置されている。
図2(b)は、磁気テープカートリッジJKに4つの衝撃検知素子30が2つの隣接した外壁に設置されたものである。具体的には、2つの外壁にそれぞれ衝撃検知素子30を2つずつ設置している。
なお、衝撃検知素子30を設置する磁気テープカートリッジJKの外壁および設置する素子30の数量や方向は、本実施形態に拘束されるものではなく、適宜に設定可能である。
【0021】
これらの実施形態では以下の作用効果がある。
磁気テープカートリッジJKの衝撃を受ける姿勢に起因して検知素子30が検知ミスをすることがなくなるので、どの方向から衝撃を受けても確実に衝撃検知することができる。
【0022】
【発明の効果】
本願発明により、不用意な取り扱いにより磁気テープカートリッジを落下させた場合に、内部の磁気テープ自体が傷を受けたことを衝撃検知素子の変色を見ることで判断できる。これにより早期にデータバックアップをとる等の対応策を取ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、磁気テープカートリッジに衝撃検知素子を取り付けた実施形態の斜視図を示す。
(b)は、衝撃検知素子の構成を説明する斜視図を示す。
【図2】(a)および(b)は、その他の実施形態を説明する斜視図を示す。
【符号の説明】
JK 磁気テープカートリッジ
1 第1容器
2 液体
3 螺着体
4 固定部
5 第2容器
6 拡散層
7 螺着部
30 衝撃検知素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータ等のデータ保存用の磁気テープカートリッジを外部記録媒体として用いて、磁気テープドライブでデータを記録・再生することが行われている。この種の磁気テープカートリッジは、一般に樹脂を射出成形してなるカートリッジケースの内部に、単一または2つのリールの磁気テープを巻装して収容したものである。この磁気テープカートリッジの取り扱いで問題となるのは、例えば、ユーザが誤って落としてしまったときの破損である。この破損に関しては、以下の特許文献1が参考になる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−298541号公報(第5頁、13頁および14頁、第1図参照)
【0004】
特許文献1においては、磁気テープを外部に引き出すための開口部が、カートリッジケースのコーナーに比較的近い部分に設けられていると、構造上剛性が低く、不用意な取り扱いを受けた場合に開口部が破損することを従来技術の問題の一つとしている。そして、具体的な対応策として、磁気テープカートリッジのコーナーから内側に離して開口部を設け、誤って落とした場合にも破損し難い構造としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した特許文献1の磁気テープカートリッジは、カートリッジケース自体の破損についての課題を解決したものであり、カートリッジケース内部の磁気テープの破損については何ら記載されていない。
しかし、磁気テープカートリッジの落下により、内部の磁気テープが破損する可能性もある。この場合には、外部から不具合を判断できないため、ユーザはそのまま磁気テープカートリッジを使用してしまう可能性が高く、データの消失につながりかねない。
【0006】
例えば、磁気テープを繰り返し使用していると、磁気テープドライブで始動、停止する際などに磁気テープが幅方向に動くことがあり、これを原因として、磁気テープが局部的にはみ出し、いわゆる巻乱れが生じることがある。この巻乱れは、それ自体不具合を発生させるものではないが、巻乱れが発生した状態で磁気テープカートリッジを落とした場合には、はみ出した磁気テープがカートリッジケースの内壁にぶつかり、折れ曲がることがある。この折れ曲がりが発生した磁気テープは、しばらくはそのまま使用できるが、繰り返し走行させるうちに折れ曲がりの箇所を起点として磁性層が剥離するなどして、データの読み取りエラーが発生する可能性がある。
【0007】
そこで、このような問題に鑑み本発明がなされたもので、本発明は、磁気テープカートリッジを落とした場合に、使用の可否を判断できる磁気テープカートリッジを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
磁気テープカートリッジは、一定以上の衝撃が加わったことが外部から目視により認識可能な衝撃検知素子を有することを特徴とする。
このような磁気テープカートリッジによれば、衝撃検知素子の色、形状の変化等を目視して磁気テープカートリッジに一定以上の衝撃が加わったことが認識できる。そのため、カートリッジケースの内部にある磁気テープに一定以上の衝撃が加わったことを、ユーザが外部から判断できる。
【0009】
前記した磁気テープカートリッジにおいて、衝撃検知素子は、少なくとも1つの開口部を有した第1容器と、第1容器に満たされた液体と、第1容器が内部に固定され、内壁面に拡散層が形成された第2容器とを備えて構成されているのが好ましい。
このような磁気テープカートリッジでは、通常時は、第1容器内の液体は、開口部において表面張力により第1容器内に収まっているが、外部から一定以上の衝撃が加わると、表面張力で液体の液面を保持しきれなくなり、開口部から液体がこぼれる。そして、液体が第2容器の内壁面に付着する。第2容器の内壁面には、拡散層が形成されているので、液体が第2容器の内壁面に広がる。従って、ユーザは、第2容器を見て、液体の色の付着により、磁気テープカートリッジに一定以上の衝撃が加わったことを認識できる。
【0010】
前記した磁気テープカートリッジにおいて、衝撃検知素子は複数設けられ、各開口部の向きが互いに異なっているのが好ましい。
前記した第1容器、第2容器及び第1容器に満たされた液体からなる衝撃検知装置は、第1容器の開口部の向きと、衝撃が加わった方向とが45度の角度をなす時に最も液体がこぼれやすく、この角度からずれるにつれて、高い衝撃が加わらなければ液体が第1容器からこぼれない。従って、各開口部の向きを変えて複数の衝撃検知素子を設けることで、磁気テープカートリッジが衝撃を受ける時の検知素子の反応のばらつきを平均化し、衝撃検知機能の安定化を図ることができる。
【0011】
また、前記した磁気テープカートリッジにおいて、衝撃検知素子は、カートリッジケースに対し着脱可能に取り付けられ、交換可能であるのが好ましい。
このような磁気テープカートリッジによれば、何らかの原因で誤って衝撃検知素子を破損した場合に、新しい衝撃検知素子に交換することができる。また、磁気テープカートリッジに保存するデータの内容によっては、特にデータの安全性を高くしたい場合もあるので、衝撃検知素子を交換可能にすることで、必要な安全性に応じた衝撃基準の衝撃検知素子を使用することができる。
【0012】
第1容器は、第2容器から取り出し可能に固定されているとともに、開口部は、大きさが調整可能に構成されているのが好ましい。
このようにすることで、ユーザが使用する環境条件によって衝撃を検知する程度を調整することができる。これは、開口部の面積の大きさによって液体の表面張力が変動する原理を利用するものである。なお、開口部が大きいと液膜を破壊する衝撃力は小さくなる。
【0013】
【発明の実施形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る磁気テープカートリッジの詳細について説明する。
参照する図面において、図1(a)は、第1実施形態の磁気テープカートリッジに衝撃検知素子を取り付けた実施形態の斜視図を示す。図1(b)は、第1実施形態の衝撃検知素子の構成を説明する斜視図を示す。
【0014】
図1(a)に示すように、磁気テープカートリッジJKは、略直方体に形成されたカートリッジケース内に2つのリールを具備しており、その外壁に略円柱形の衝撃検知素子30が設けられている。この衝撃検知素子30は、図1(b)に示すように、第1容器サブアッセンブリ10と、第2容器サブアッセンブリ20とで主に構成されている。
【0015】
第1容器サブアッセンブリ10は、略有底円筒状に形成される第1容器1と、その表面張力により第1容器1内に収まる液体2と、その内周面が螺刻された螺着体3と、この螺着体3と第1容器1を結合する固定部4より構成される。
詳細には、図1(d)を参照すると、第1容器1と螺着体3とを固定部4を介して接合し、第1容器1の開口部より液体2を満たすことで第1容器サブアッセンブリ10が完成する。なお、この液体2は、その液面に表面張力が作用することにより、重力方向に係わらず、どちらの方向に傾けても第1容器1内からこぼれないようになっている。そして、この液面に所定値以上の外力が加わることで、第1容器1から液体2がこぼれる仕組みになっている。
【0016】
第1容器1は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成されている。また、開口部の大きさは適宜に設定可能である。例えば、図1(c)に示すように、開口部の直径をd2より小さいd1に設定した場合は、直径をd2に設定した場合よりも大きい衝撃力に耐えることができる。これは、液面に作用する表面張力は、直径をd2に設定したときよりd1に設定したときの方が大きいからである。なお、この液体2はその液面に対して45度の方向から外力が加わると、第1容器1から最もこぼれ易くなっている。
液体2は、水およびアルコールなどの液体を主成分とし、赤や青などの着色剤で着色されている。なお、この液体2の凝固点、気化点および異なる環境下での液面に作用する表面張力の変動を考慮して、その成分を任意に設定可能である。
螺着体3は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成された略有底円筒状の部材であり、その内周面が螺刻されるとともに、その底面に前記固定部4が結合される。
固定部4は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成されている。なお、この固定部4を形成する材料は、衝撃検知時に加わる衝撃力に耐えることのできる材質および構造を適宜に設定可能である。
【0017】
第2容器サブアッセンブリ20は、第2容器5と、第2容器5の内壁面に塗布された拡散層6、および第2容器5の端部に螺刻された螺着部7から構成される。
第2容器5は、硬質ガラスまたは硬質樹脂などの硬質材で形成されている。
拡散層6は、ぬれ性の良い材質で形成されている。なお、第1容器1のサブアセンブリ10の液体2と異なる色を使用すると変色によりユーザによる衝撃検知率が高まる。
螺着部7は、螺着体3と螺合可能なように螺刻されるとともに液漏れを防止するのに十分な加工精度で成形されている。
なお、衝撃検知素子30としては、例えば、住友スリーエム株式会社製の落下衝撃検知チューブを利用するのが好ましい。
【0018】
つぎに、磁気テープカートリッジJKを落としたときの衝撃検知素子30の作用について説明する。
外部から一定以上の衝撃を与えた場合、例えば、ユーザによる不用意な取り扱いにより磁気テープカートリッジJKを落下させてしまった場合は、衝撃検知素子30が変色する。これは、第1容器1の液体2の表面に働く張力に対して、外部から加わる衝撃力が勝り、液体2の表面が破壊されることを意味する。そして、第1容器1から液体2がこぼれ落ち、第2容器5の内壁面の拡散層6に染み渡り、第2容器5の内壁に塗布した拡散層6の色が、第1容器1に満たされた液体2の色に変色する。これにより、磁気テープカートリッジJKに一定以上の衝撃が加わって、そのカートリッジケースの表面に傷がつかずに内部の磁気テープのみが破損したことを、ユーザに知らせることができる。
【0019】
そして、本実施形態に関し次の作用効果がある。
磁気テープカートリッジJKの破損を、ユーザが外部から判断できる。言い換えると、第1容器1から液体2が第2容器5に拡散することにより、磁気テープの破損をユーザに知らせることができる。なお、磁気テープカートリッジJKに衝撃検知素子30を着脱可能に取り付けても良く、この場合は再度使用する場合に新しい検知素子に交換する便宜を図れる。
【0020】
〔その他の実施形態〕
以下に、本発明に係る磁気テープカートリッジにおけるその他の実施形態について説明する。
参照する図面において、図2(a)および(b)は、その他の実施形態を説明する斜視図を示す。なお、図2のその他の実施形態の説明で、図1の第1実施形態と同じ部分については同一の符号を付して説明を省略した。
図2(a)を参照すると、磁気テープカートリッジJKに、2つの衝撃検知素子30が同一の外壁に設置されている。この磁気テープカートリッジJKの外壁の長手方向の一端部付近に1つの衝撃検知素子30がその第1容器1の開口部をこの外壁の長手方向外側に向けて設置され、外壁の長手方向の他端部付近に2つめの衝撃検知素子30がその第1容器1の開口部を上方に向けて設置されている。
図2(b)は、磁気テープカートリッジJKに4つの衝撃検知素子30が2つの隣接した外壁に設置されたものである。具体的には、2つの外壁にそれぞれ衝撃検知素子30を2つずつ設置している。
なお、衝撃検知素子30を設置する磁気テープカートリッジJKの外壁および設置する素子30の数量や方向は、本実施形態に拘束されるものではなく、適宜に設定可能である。
【0021】
これらの実施形態では以下の作用効果がある。
磁気テープカートリッジJKの衝撃を受ける姿勢に起因して検知素子30が検知ミスをすることがなくなるので、どの方向から衝撃を受けても確実に衝撃検知することができる。
【0022】
【発明の効果】
本願発明により、不用意な取り扱いにより磁気テープカートリッジを落下させた場合に、内部の磁気テープ自体が傷を受けたことを衝撃検知素子の変色を見ることで判断できる。これにより早期にデータバックアップをとる等の対応策を取ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、磁気テープカートリッジに衝撃検知素子を取り付けた実施形態の斜視図を示す。
(b)は、衝撃検知素子の構成を説明する斜視図を示す。
【図2】(a)および(b)は、その他の実施形態を説明する斜視図を示す。
【符号の説明】
JK 磁気テープカートリッジ
1 第1容器
2 液体
3 螺着体
4 固定部
5 第2容器
6 拡散層
7 螺着部
30 衝撃検知素子
Claims (5)
- 一定以上の衝撃が加わったことが外部から目視により認識可能な衝撃検知素子を有することを特徴とする磁気テープカートリッジ。
- 請求項1記載の磁気テープカートリッジにおいて、
前記衝撃検知素子は、少なくとも1つの開口部を有した第1容器と、前記第1容器に満たされた液体と、前記第1容器が内部に固定され、内壁面に拡散層が形成された第2容器とを備えて構成されたことを特徴とする磁気テープカートリッジ。 - 請求項2記載の磁気テープカートリッジにおいて、
前記衝撃検知素子は複数設けられ、各開口部の向きが互いに異なっていることを特徴とする磁気テープカートリッジ。 - 請求項2記載の磁気テープカートリッジにおいて、
前記衝撃検知素子は、カートリッジケースに対し着脱可能に取り付けられ、交換可能であることを特徴とする磁気テープカートリッジ。 - 請求項2記載の磁気テープカートリッジにおいて、
前記第1容器は、前記第2容器から取り出し可能に固定されているとともに、前記開口部は、大きさが調整可能に構成されたことを特徴とする磁気テープカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376514A JP2004206823A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 磁気テープカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376514A JP2004206823A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 磁気テープカートリッジ |
Publications (1)
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---|---|
JP2004206823A true JP2004206823A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32813965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002376514A Pending JP2004206823A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 磁気テープカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004206823A (ja) |
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2002
- 2002-12-26 JP JP2002376514A patent/JP2004206823A/ja active Pending
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