JP2004200428A - 冷却装置 - Google Patents

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JP2004200428A
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Riichi Sawano
理一 澤野
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Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
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Abstract

【課題】低負荷運転と高負荷運転とに切り替えられる半導体素子等の被冷却体に結合された冷却装置の冷却能力を高めて、小形化を図る。
【解決手段】被冷却体に結合する固体で形成された冷却体に、温度によって凝固と融解を繰り返す相変化物質とこの相変化物質の融解時の形状を凝固時の形状に保持するための形状保持剤との混合物からなる熱媒体を充填し、被冷却物体の発熱が小さい低負荷運転時には、固体の冷却体のみで冷却を行い、被冷却体の発熱が大きくなる高負荷運転時には、固体の冷却体と熱媒体の両方で相変化物質の融解潜熱を利用して冷却を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子機器、特に半導体素子のような発熱する素子の冷却に適した冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器に使用されるマイクロプロセッサに代表される半導体集積回路等の半導体素子は年々集積度が上がるとともに高出力化しているため、これらの素子の発熱量も増加する一方である。そのため、これらの発熱する素子を効果的に冷却するための装置が種々提案されている。
【0003】
代表的な冷却装置としては、図15に示すような放熱フィン101を有する冷却体10がある。この冷却体10を半導体素子等の被冷却体30に熱的に結合し、被冷却体30の発生する熱を冷却体10に伝達し、その表面の多数の放熱フィン101と周囲の空気の温度差を利用した自然対流により放熱して冷却する方法や、放熱フィンの周囲の空気を冷却ファンにより移動させ、強制対流により冷却する方法がとられている。
【0004】
また、半導体素子等の被冷却体にヒートパイプの一端を伝熱的に接続し、ヒートパイプの他端を冷却体に伝熱的に接続し、被冷却体の熱を、ヒートパイプを介して冷却体へ伝達し、この冷却体から周囲の空気中へ対流により放熱し、被冷却体を冷却する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の冷却体や冷却ファンを用いた冷却装置には次のような問題がある。
【0006】
半導体素子等の被冷却体が、通常は発熱量の低い低負荷で作動し、その後に発熱量の高い高負荷で一定時間作動する場合、図15に示す冷却体10により、あるいはこれと冷却ファンを組み合わせて冷却する装置では、図16に示すように被冷却体の温度は、被冷却体の発熱量に応じて時間とともに上昇する一方であり、特に負荷の大きくなった高発熱時(図16のB‐C期間)には、被冷却体の許容限界温度Tsを高くとって、冷却体および冷却ファインの冷却能力を小さく設計した場合は、被冷却体の温度がこの限界温度Tsに近い温度になったり、これを超えたりすることがある。半導体素子等の被冷却体の温度が限界温度を超えると、その性能が低下したり、素子が焼損したりする。
【0007】
また、被冷却体の上昇限界温度Tsを低くとって、冷却体や冷却ファンの冷却能力を大きく設計した場合は、冷却体や冷却ファンが寸法的に大きくなるため、電子機器の全体が筐体を含めて大きくなり、製造コストが増大する問題が生じる。
【0008】
さらに、これまでは、半導体素子等の被冷却体が、コンピュータの無停電電源装置のように商用電源が停電していない通常運転時は、バッテリーの充電電力を負担するだけの低負荷運転が行われ、商用電源が停電した非常運転時は、比較的短い時間であるが、コンピュータへの供給電力を全部負担する高負荷運転が行われるような装置に用いられる場合でも、これに結合される冷却体や冷却ファンは、高負荷運転状態での熱的条件に基づいて設計する必要があるため、低負荷での運転が長い割には大形化する問題がある。
【0009】
なお、電子機器等の筐体の大きさが制限されている場合には、前記したヒートパイプを用いて筐体の外で冷却体の周囲空気との対流により冷却するようにしても、同様の問題が生じる。
【0010】
この発明は、前記のような問題を解消するため、半導体素子等の被冷却体を冷却する冷却装置を小形にし、電子機器を省スペースでかつ低コストにすることのできる新規の冷却装置を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を達成するため、この発明は、被冷却体に熱的に結合されてこの被冷却体の冷却を行う冷却装置が、固体の冷却体と、この冷却体に設けられた熱媒体収容室と、この熱媒体収容室内に収容され冷却体と熱的に結合された、温度によって凝固と融解を繰り返す相変化物質とこの相変化物質の融解時の形状を凝固時の形状に保持するための形状保持剤との混合物からなる熱媒体とにより構成されていることことを特徴とするものである。
【0012】
前記の発明において、冷却体の放熱量を被冷却体の最大発熱量より小さくし、冷却体で放熱されない熱を相変化物質で吸収するようにすることができる。
【0013】
また、前記の発明において、冷却体内に熱媒体収容室を設け、これに熱媒体を充填するようにしてもよい。この場合、冷却体に複数の放熱フィンを間隔をおいて設け、これらの放熱フィン間の空所を熱媒体収容室とすることができる。さらに前記放熱フィンの内部にそれぞれ空所を形成し、この空所を熱媒体収容室にするようにしてもよい。
【0014】
そして、放熱フィンの内外の空所に放熱フィンと熱的に結合して熱伝導体を設け、また、冷却体および放熱フィン部に気密の空所を形成し、この気密空所内に気液飽和状態または気固飽和状態の熱輸送作動媒体を封入することにより冷却体から相変化物質への熱伝導または放熱フィンから外気への放熱をより高めることができる。
【0015】
さらに前記の各発明において、相変化物質の相変化温度が被冷却体の許容上限温度以下にするのが効果的である。
【0016】
また、前記各発明において、冷却体のこれと熱的に結合された相変化物質と接触する面の一部または全部に凹凸面を形成することができる。
【0017】
さらにまた、前記各発明において、冷却体および放熱フィンを構成する熱伝導部材を面方向の熱伝導率を厚さ方向の熱伝導率より大きくした材料とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1は、この発明による冷却装置を模式的に示す斜視図である。
【0020】
この図1において、1は、表面に間隔をおいて複数の放熱フィン11を設けた冷却体である。この冷却体1の外見的形状は、図7に示す従来の冷却体と同じであるが、各放熱フィン11の間の空所を、外から加わる熱によって凝固と融解の二相変化を繰り返し行う相変化物質とこの相変化物質の融解時の形状を凝固時の形状に保持するための形状保持剤との混合物からなる熱媒体2を収容するための熱媒体収容室12とし、ここに熱媒体2が充填されている。冷却体1の下面には、半導体素子等のように自己発熱による温度上昇を抑えるために冷却する必要のある被冷却体3が熱的に結合されている。
【0021】
冷却体1は、従来と同様に熱伝導のよい銅、アルミニウム、ニッケルおよびそれらの合金等からなる固体の熱伝導材により形成される。
【0022】
熱媒体2には、パラフィン類やパラフィンとポリエチレンの共重合体のように、常温では凝固して固形を示し、温度が上昇し相変化点温度を超えると融解し、その際に大量の融解潜熱を蓄積し、蓄積した熱を放熱することより温度が相変化点温度より低下すると再び凝固するような相変化物質と、この相変化物質が融解したときその形状を凝固時の形状に保持されるためにシリカ粉末やタルク粉末等の形状保持剤との混合物を用いる。これにより、相変化物質が融解されたとき熱媒体2が流動化することなく固形状態に保持することができるため、冷却体1に形成する熱媒体収容室を密閉形状とする必要がない。
【0023】
図2にこのような冷却装置における被冷却体3の運転状態の変化にともなう温度変化の推移を示す。図2の縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
【0024】
冷却体1の放熱(冷却)能力は、被冷却体3の最大の発熱量よりも小さく形成されているが、被冷却体3が低負荷で運転されている期間(図2のA−B)では、被冷却体3の発熱量が小さいため、冷却体1だけで被冷却体3を十分に冷却することができ、被冷却体3の温度は図2に実線のカーブで示すように許容上限温度Ts以下の所定の温度T1に保たれる。しかし、被冷却体3が一定の高負荷運転期間(図2のB−C)になると、発熱量がほぼ最大発熱量まで増大し、冷却体1での放熱能力を超えるため、被冷却体3の温度がT1からさらに上昇する。被冷却体3の温度が熱媒体2の相変化物質の相変化点温度Tfに達すると相変化物質が融解を始めるので、熱媒体2は相変化物質の融解潜熱として冷却体1で負担しきれない被冷却体3からの熱を吸収し蓄積するため、被冷却体3の温度は、相変化物質の相変化点温度Tfを超えることなくほぼTf付近に一定に保たれる。高負荷運転期間(B−C)の終わり付近になると相変化物質のほぼ全量が融解されるため、融解潜熱による熱の吸収能力がなくなり、被冷却体3の温度がさらに上昇を始めるが、直ぐに低負荷運転期間(C−D)へ移り、被冷却体3の発熱量が低下するとともに,冷却体1の温度が上昇している分だけ放熱量が増大するため、被冷却体3の温度は低下に転じるとともに、熱媒体2の相変化物質に吸収された熱が冷却体1を介して徐々に放熱され、相変化物質が凝固を始め、融解潜熱による冷却が可能となるB点の状態に復帰する。
【0025】
図13に示す、従来の冷却装置における被冷却体30の運転状態における温度変化の推移をこの発明の場合と比較できるように図2に点線のカーブで示す。
【0026】
図2から、明らかなように、従来の冷却装置においては、冷却体10は、半導体素子等の被冷却体30の高負荷運転に対応する冷却能力を有する大きさに形成されているので、低負荷運転期間A−Bにおいては、被冷却体30の温度は、この発明の被冷却体3の温度より低く保たれるが、高負荷運転期間B−Cになると上限温度Ts付近まで急激に上昇する。
【0027】
この従来の冷却装置に比べると、この発明の冷却装置によれば、被冷却体の温度上昇を低くすることができるため、特に、被冷却体が半導体素子の場合、寿命を長くすることができる。
【0028】
次にこの発明のより具体的な実施例について説明する。
【0029】
(実施例)
図3および図4はこの発明の第1の実施例を示すもので、図3はその正面断面図、図4はその平面断面図である。
【0030】
図3および図4における放熱フィン11を設けた冷却体1は固体のアルミニウムから構成されている。各放熱フィン11間の外部の空所により形成された熱媒体収容室12に充填された熱媒体2は、70℃に凝固融解の相変化点を有するパラフィンとポリエチレンの共重合体からなる相変化物質とシリカ粉末からなる形状保持材との混合物を用いている。
【0031】
熱媒体2は、相変化物質だけでなく形状保持材を含有しているため、パラフィンとポリエチレンの共重合体からなる相変化物質が融解して流動化しても凝固時の形状に保持されるため、冷却体1の放熱フィン11間の外部空所の前後の開放端が図4に示されるように閉塞されていなくとも流出することがないので、冷却体に熱媒体2を囲う手段を設ける必要がなく熱媒体収容室の構成が簡単となる。
【0032】
冷却体1には無停電電源装置の電力変換器を構成する出力用半導体素子が被冷却体3として熱的に結合されている。無停電電源装置は、コンピュータのように商用電源が停電した場合に、停電処理が必要な機器における商用電源の停電時のバックアップ電源として用いられる。したがって、出力用半導体素子の発熱は、商用電源の非停電時は小さく、停電時は大きいという特徴を持っている。また、停電時のバックアップ運転可能時間は、無停電電源装置内のバッテリー容量によって、例えば5分以内というような比較的短い時間に設定される。
【0033】
以上により、冷却体1の冷却能力を、非停電時の出力用半導体素子の発熱量に見合って、例えば25Wとし、熱媒体2の充填量を、停電時の出力用半導体素子の発熱量,例えば90Wを5分吸収可能な融解潜熱量となるように選定する。すなわち、次の関係となるようにする。
【0034】
(1)停電時発熱量(90W) =
冷却体放熱量(25W) + 相変化物質融解潜熱量(65W)
(2)非停電時発熱量(25W) = 冷却体放熱量(25W)
この実施例の運転動作を、図5を用いて説明する。図5の縦軸は温度、横軸は時間を示す。
【0035】
図5におけるA点は、無停電電源装置の運転開始点(非停電時)で、このときの出力用半導体素子(被冷却体3)の温度は、周囲温度(例えば20℃)と同じである。出力用半導体素子からの発熱量は25W一定で、冷却体1で放熱(冷却)されるが、この放熱は、冷却体1と周囲空気の温度差による対流により行われるので、時間の経過と共に被冷却体の半導体素子3の温度は上昇する。被冷却体の半導体素子の温度は、冷却体1からの放熱量が25Wととなる温度差で釣り合う温度が、ここでは熱媒体2の相変化物質の相変化点温度70℃と同じ温度となるように冷却体1の大きさを決めている。
【0036】
次にB点で商用電源が停電となり、無停電電源装置がバックアップ運転を開始し、被冷却体の出力用半導体素子3が全負荷を担い、発熱量が90Wに増大する。このとき、冷却体1の放熱量は25Wと変わらないので、残りの65Wの発熱分が相変化物質2を加熱し、これを融解させ融解潜熱として熱媒体2の相変化物質に吸収されるため、被冷却体の半導体素子3の温度はほぼ70℃のまま一定に保たれ、温度上昇が抑えられる。熱媒体2の量は、相変化物質の融解潜熱量が無停電電源装置の最大バックアップ時間5分を考慮して、
65(W) × 5(分) × 60(秒) = 19.5(kJ)
となるようにすればよい。熱媒体2の相変化物質は、潜熱により冷却(熱吸収)を行うので、従来のアルミニウム等からなる固体の冷却体のように顕熱で冷却を行う冷却体より小さな体積で大きな熱吸収(冷却)を行うことができる。
【0037】
次のC点で停電の復帰により無停電電源装置のバックアップ運転が終了すると、被冷却体の半導体素子が低負荷運転となり、その発熱量が25Wに減少する。C点が最大バックアップ時間5分の経過時点であれば、熱媒体2の相変化物質の量は所望される冷却能力一杯に選ばれ、また被冷却体に熱慣性があるため、C点における被冷却体および相変化物質の温度は、70℃を超えて被冷却体の半導体素子の許容上限温度100℃付近まで上昇する。このため、冷却体1からの放熱量は、25Wより大きく、被冷却体の半導体素子の発熱量と熱媒体2の相変化物質の凝固潜熱を放熱することにより相変化物質2は凝固を開始し、バッテリーの充電が完了し次回の停電時のバックアップ運転が可能となるD点までに、B点と同様に融解潜熱により熱吸収のできる凝固状態となる。バックアップ運転後のバッテリーの充電時間(C−D間)は、通常12時間以上かかるので、熱媒体2の相変化物質の凝固潜熱を放熱するには十分である。
【0038】
図6にこの発明で使用する冷却体1をさらに改良した実施例を示す。
【0039】
図6(a)は、図3に示す冷却体を改良したもので、その一部を拡大して示す。図6(a)における冷却体1の放熱フィン11間の空所に設けた熱媒体収容室12内において、冷却体1がここに充填された熱媒体2と接触する面の底面部分に凸部14aが設けられ、底面部分が凹凸面をなしている。この凸部14aは、図8(b)に示すように凹部14bであってもよい。これらの凹凸部は、1個または複数個設けることができる。
【0040】
図6(c)は、さらに変形した冷却体を示す。この図6(c)において、13は、相変化物質2の充填される冷却体1の内部に設けた空所であり、この空所13に充填された相変化物質2と冷却体1の接触する面の一部に凸部14cが設けられ、接触面の一部が凹凸面をなしている。この凹凸面は、冷却体1の相変化物質2と接触する面のすべての面に設けるようにしてもよい。
【0041】
図6に示すように、冷却体1の熱媒体2と接触する面の一部または全部に凹凸面を設けると、熱媒体2内へ冷却体1の一部が入り込むことになるので、冷却体1から熱媒体2への伝熱面積が増大するとともに、熱媒体2が、融解状態から凝固状態へ変化するのにともなって体積が収縮する際にその移動が抑制されることにより、冷却体と熱媒体との接触部分での剥がれが防止でき、冷却体と熱媒体の緊密な接触状態を維持できるため、冷却体1とこれに充填された熱媒体2との熱伝達を良好にすることができる効果が得られる。なお、冷却体に設ける凹凸の個数は多くした方が効果は大きくなる。
【0042】
次に、この発明の第2の実施例について説明する。
【0043】
図7は、第2の実施例の基本的構成を示すものである。この実施例においては、冷却体1の受熱部10と放熱部を形成する放熱フィン11aが、別体で構成されている。放熱フィン11aは板状の熱伝導材を内部および外部に空所が形成されるように複数回蛇行状に折り曲げ加工され、その受熱部10との対向部分は、この受熱部10にろう付けや溶接により熱的および機械的に結合される。放熱フィン11aの内部に形成された空所が熱媒体収容室12aとなり、それぞれに相変化物質と形状保持剤との混合物からなる熱媒体2が充填される。受熱部10に半導体素子等の発熱する被冷却体3が熱的に結合される。
【0044】
被冷却体3に発生した熱は、受熱部10へ移動し、この受熱部10を伝って、放熱フィン11aおよび放熱フィン内の熱媒体収容室の熱媒体2へ達する。放熱フィン11aの熱伝導率は熱媒体2の熱伝導率よりも高く、放熱フィン11aの温度が上昇して周囲の外気中へ放熱するとともに熱媒体2へも伝達し、この熱媒体の温度を上昇させるが、放熱フィン11aの放熱量を被冷却体の定常時の発熱量に見合った量になるように設計されているので、熱媒体2の温度は放熱フィン11aの到達温度と平衡し、このような熱移動によって被冷却体3が冷却される。
【0045】
被冷却体3の発熱量が増加する非定常時には放熱フィン11aの放熱量を超える熱は熱媒体2の相変化物質の相変化時の潜熱を利用して蓄積し、被冷却体の発生する熱を効果的に吸収し、これを冷却する。
【0046】
このように構成すると、冷却体上面の放熱面積を減少させることなく内部の空所の容積を大きくすることができるので、熱媒体2の充填量を多くすることができ、したがって、熱吸収量を増大させることができる。
【0047】
図8にこの実施例の変形例を示す。図8の実施例は、冷却体1の受熱部10と放熱部の放熱フィン11aを板状の熱伝導材を折り曲げ加工して一体的に形成したものである。平坦な部分が受熱部10を形成し、蛇行部分が放熱部となる放熱フィン11aを形成する。放熱フィン11aの内部に形成された空所は熱媒体収容室12aとなり、熱媒体2が充填され、受熱部10に被冷却体3が熱的に結合される。
【0048】
この実施例においても、前記の場合と同様に、被冷却体3の熱は冷却体の受熱部10から放熱フィン11aおよび放熱フィンの内部の熱媒体収容室12a内の熱媒体2へ伝達されて冷却される。
【0049】
ここで、受熱部および放熱フィンを構成する熱伝導材に、その面方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率より大きくなるような異方向性の熱伝導性を有する材料、たとえば炭素繊維シートや燐片状結晶を有するセラミックスを用いた複合材を用いた場合、受熱部10から放熱フィン11aへの熱伝導が効率的になり冷却効果を向上することができる。
【0050】
図9に、図8に示す実施例をさらに変形した実施例を示す。この図9に示す実施例においては、受熱部、放熱フィンを構成する熱伝導材として、中空部を有する部材を使用し、冷却体の外壁部に密閉された気密の空所15を形成し、この気密の空所に、気液飽和状態または気固飽和状態の熱伝導作動媒体を気密に封入している。このように構成するとヒートパイプと同様に、受熱部が被冷却体からの熱を受熱して温度が上昇することにより、熱伝導作動媒体が蒸発して気化して熱を放熱部を構成する放熱フィン部へ伝達し、ここで冷却されて凝縮されて受熱部へ戻る作用を密閉空間内で繰り返すことにより、効果的に冷却体の受熱部から放熱部および熱媒体への熱移動を行うことができ、冷却効果が高めるこことができるようになる。
【0051】
図10ないし図12に、冷却体の放熱フィンの外気への放熱効果および放熱フィンからその内部の熱媒体2への熱伝導効果を高めるために変形した実施例を示す。
【0052】
図10の実施例は、放熱フィン間の外部の空所にそれぞれ放熱フィンと熱的に結合した補助熱伝導部材4を多数設けたものである。このように放熱フィンの外側に補助熱伝導部材4を多数設けると、放熱フィンの放熱面積が拡大されるので放熱効果が増大する。
【0053】
図11の実施例は、放熱フィンの内部の空所にそれぞれ蛇行形状の補助熱伝導部材を挿入し、放熱フィンおよび受熱部に熱的に結合している。このようにすると、放熱フィン11aおよび受熱部10から熱媒体収容室に充填された熱媒体2への熱伝導をためることができ、冷却効果を向上できる。
【0054】
図12に示す実施例は、放熱フィン11aの内外の空所に蛇行形状に形成された補助熱伝導部材4aおよび5を挿入し、放熱フィン11aから外気および熱媒体2への熱伝導を効果を高め、冷却効果の向上を図ったものである。
【0055】
前記各実施例において、熱媒体が相変化物質と形状保持剤との混合物から構成され、相変化物質の融解時にも凝固時の形状を保持するので、冷却体に形成される熱媒体収容室は、密閉空間とならないように積極的に一部を開放ししている。このため、熱媒体をこの熱媒体収容室の開放部分から収容室内に充填することができ、これを容易に行うことができる。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、被冷却体に熱的に結合されてこの被冷却体の冷却を行う冷却装置を、固体の冷却体と、この冷却体に設けられた熱媒体収容室と、この熱媒体収容室内に収容され冷却体と熱的に結合された、温度によって凝固と融解を繰り返す相変化物質とこの相変化物質の融解時の形状を凝固時の形状に保持するための形状保持剤との混合物からなる熱媒体とにより構成することにより、熱媒体に含まれる相変化物質の融解潜熱を利用して冷却することが可能となるので、冷却装置全体の冷却能力が向上し、従来と同じ大きさの装置であればより発熱量の大きい被冷却体の冷却が可能となり、また被冷却体の発熱量が同じであれば冷却装置の大きさを小さくすることができる効果がある。
【0057】
この発明は、特に、無停電電源装置のように、商用電願が停電していない通常の運転期間では、定格出力の4分の1程度の出力の低負荷で運転され、商用電源が停電したときに短時間だけ行われるバックアップ運転期間において定格出力の100%の高負荷で運転される装置において使用される半導体素子等の冷却装置に適用し、低負荷運転時の発熱を固定冷却体で負担し、高負荷運転時の発熱を固体の冷却体と相変化物質を含む熱媒体の両方で負担するようにすると、固体の冷却体をより小形にでき、この発明の効果が際立つようになる。
【0058】
さらに、固体の冷却体に多数の放熱フィンを間隔をおいて設け、これらの放熱フィン間の内外の空所を熱媒体の収容室としてこの中に相変化物質と形状保持剤との混合物からなる熱媒体を充填するようにすると、冷却装置の寸法を増加することなく相変化物質の充填量を多くすることができ、また熱媒体収容室が開放された空間であっても相変化物質の融解時に流出することがないため、装置を小形にできかつ、熱媒体の充填が容易となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理的構成を示す斜視図。
【図2】この発明の動作を説明に用いる被冷却体の温度変化を示す図。
【図3】この発明の第1の実施例を示す正面断面図。
【図4】この発明の第1の実施例を示す平面断面図。
【図5】この発明の第1の実施例の動作説明に用いる被冷却体の温度変化を示す図。
【図6】(a)、(b)および(c)は、それぞれこの発明の第1の実施例のさらに異なる変形例を示す部分断面図。
【図7】この発明の第2の実施例を示す正面断面図。
【図8】この発明の第2の実施例の変形例を示す正面断面図。
【図9】この発明の第2の実施例の異なる変形例を示す正面断面図。
【図10】この発明の第2の実施例のさらに異なる変形例を示す正面断面図。
【図11】この発明の第2の実施例の別の変形例を示す正面断面図。
【図12】この発明の第2の実施例のさらに別の変形例を示す正面断面図。
【図13】従来の冷却装置を概略的に示す斜視図。
【図14】従来の冷却装置の動作説明に用いる被冷却体の温度変化を示す図。
【符号の説明】
1:固体の冷却体、10:受熱部、12:熱媒体収容室、11、11a:放熱フィン、2:熱媒体、3:被冷却体、4,5:補助熱伝導部材

Claims (11)

  1. 被冷却体に熱的に結合されてこの被冷却体の冷却を行う冷却装置が、固体の冷却体と、この冷却体に設けられた熱媒体収容室と、この熱媒体収容室内に収容され冷却体と熱的に結合された、温度によって凝固と融解を繰り返す相変化物質とこの相変化物質の融解時の形状を凝固時の形状に保持するための形状保持剤との混合物からなる熱媒体とにより構成されていることことを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1記載の冷却装置において、冷却体の最大放熱量を被冷却体の最大発熱量より小さくし、冷却体で放熱されない熱を相変化物質で吸収することを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1または2記載の冷却装置において、前記冷却体内に熱媒体収容室を設けたことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項3に記載の冷却装置において、前記冷却体に複数の放熱フィンを間隔をおいて設け、これらの放熱フィン間の空所を熱媒体収容室としたことを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項3記載の冷却装置において、冷却体に複数の放熱フィンを間隔をおいて設け、これらの放熱フィンの内部にそれぞれ空所を形成し、この空所を熱媒体収容室としたことを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項5記載の冷却装置において、前記冷却体と放熱フィンに渡って気密の空所を設け、この気密空所に気液飽和状態または気固飽和状態の熱輸送作動媒体を封入したことを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項5または6記載の冷却装置において、前記各放熱フィン間の外部空所内にそれぞれ放熱フィンに熱的に結合した補助熱伝導部材を設けたことことを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項5または6記載の冷却装置において、前記各放熱フィンの内部空所内でそれぞれ放熱フィンに熱的に結合した補助熱伝導部材を設けたことことを特徴とする冷却装置。
  9. 請求項1ないし8の何れかに記載の冷却装置において、相変化物質の相変化温度が被冷却体の許容上限温度以下であることを特徴とする冷却装置。
  10. 請求項1ないし9の何れかに記載の冷却装置において、前記冷却体における相変化物質と接触する面の一部または全部が凹凸面をなしていることを特徴とする冷却装置。
  11. 請求項1ないし10の何れかに記載の冷却装置において、前記冷却体および放熱フィンを構成する部材が、面方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率より大きい材料からなることを特徴とする冷却装置。
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