JP2004199180A - 電子著作物の流通システム上の著作物再生に関する監査機能 - Google Patents
電子著作物の流通システム上の著作物再生に関する監査機能 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】インターネット上での著作物の配信サービスにおいて、デジタル形式による著作物の違法あるいは正規コピーかを、その発行時まで追跡、特定する事を可能にする。また、これらデジタル形式の著作物の配信を行うサーバーの監査機能をそのシステムに組み込み、流通システムの運用の監視を行うと共に著作権上のコンフリクトの解消を可能とする。
【解決手段】通常、設けられるデジタルコンテンツの配信サーバー以外に、流通システムの監査を行なう監理サーバーを設け、すべての配信される著作物の発行時のファイル名、その後の売買、譲渡、貸与記録をすべて、この監理サーバーに記録する。配信サーバーでは、配信ファイル、再生プログラムにて、利用者のログインID、時間、ファイル名などによる著作権上のコンフリクトのチェックを常に行う。著作権上のコンフリクトが発生した際には、上記データを元に正規のコピーを特定する。
【選択図】図1
【解決手段】通常、設けられるデジタルコンテンツの配信サーバー以外に、流通システムの監査を行なう監理サーバーを設け、すべての配信される著作物の発行時のファイル名、その後の売買、譲渡、貸与記録をすべて、この監理サーバーに記録する。配信サーバーでは、配信ファイル、再生プログラムにて、利用者のログインID、時間、ファイル名などによる著作権上のコンフリクトのチェックを常に行う。著作権上のコンフリクトが発生した際には、上記データを元に正規のコピーを特定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットなどを通じたオンライン上にてデジタル・コンテンツの配信を行う、著作権の保護を念頭に置いたシステムとして利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
著作物の著作権は、著作物の違法コピーにより侵害される事例が増加の一途を辿っている。特に、コンピューター並びにインターネットの普及と、各種記録可能媒体及びこれら媒体への記録装置の低価格化を背景に違法コピーの製作、販売は、ますます容易かつ広範に行われつつあるのが現状である。
こういった中で、これまでの著作権の保護あるいは、その担保を目的とする各種システムは、大きく分けて、以下のように大別する事ができる。
* 電子透かしに関するもの。
* 暗号化、複合化に関するもの。
* 複製防止に関するもの。
* 著作権料算定とその課金に関するもの。
【0003】
「電子透かし」とは、デジタル・コンテンツの中に著作権情報などを識別する情報を埋め込むことにより、著作権の管理を行おうとする手段である(特開平11 -212461、特開平11 - 007241、特開平11 - 069137、特開平11 - 066010など)。暗号化、複合化とは、デジタル・コンテンツ再生のために必要な電子鍵をユーザーが購入することにより再生を可能とする仕組み(特開 2002-229447、特開 2002-109105、特開平 08-287014、特開平08 - 288940、特開平11 - 215384など)。また、各種ハードウェアの機械的、電子的な複製防止に関する物も多く見受けられる(特開 2001-243707、特開 2002-252720、特開平 05-120809)。
また、これら技術を組み合わせることにより、著作権料の算定を行たり、算定された著作権料を課金する各種手段やシステムも多く考案されている(特開 2001-034666、特開 2001-184287、特開 2002-007605など)。
本発明の著作権保護に対するアプローチは以下の通りである。
* デジタル・コンテンツを含む作成された電子ファイルのファイル名は、それぞれ固有のもので、流通システム上に一つしか存在しない。
* 「正規に複製される、すべての電子ファイルのコピーは、それぞれ個別に識別される。
【0004】
また、ここで言う「アクセス権」は、以下の様に規定する。
* 「アクセス権」とは、特定の著作物から著作権管理者の意向に沿って製作されたコピーに対して、この権利を供与された者に対する、あらかじめ同意した条件の元で、自由にその著作物を再生し、閲覧、視聴することができる権利。
* また、アクセス権は、販売、譲渡、貸与などの方法により第三者に移管することができるものである。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の第一の課題は、デジタル形式による著作物の違法あるいは正規コピーかを、そのオリジナルまで追跡、特定する事を可能にする事である。
本発明の第二の課題は、これらデジタル形式の著作物の配信を行うサーバーの監査機能をそのシステムに組み込み、流通システムの運用の監視を行うと共に著作権上のコンフリクトの解消を可能とすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(システム構成)
本発明に関わるシステム構成は、 図1に示す通りで、以下のものからなる。
1. 流通システム監理サーバー装置(以下、監理サーバー)
2. コンテンツ配信サーバー装置(以下、配信サーバー)
3. ユーザー端末装置(通常のコンピューター)
4. オリジナル・ファイル提供者端末装置(通常のコンピューター)
5. 各装置を繋ぎ、情報の交流を行うネットワーク(インターネット)
以下に、システムを構成する各々の構成員について説明する。
【0007】
(監理サーバー装置の役割)
著作権の管理システム及び著作物流通システムの中心的構成員である配信サーバー装置の不正利用を防止するために配信サーバー装置の登録と、そのデータベース管理、タイムキーパー・モジュールの同期、ユーザーのアクセス権が付与されるオリジナル・コピー・ファイルのファイル名の登録とその後の売買、譲渡、貸与の記録等、流通システム全般の監査的役割を行う。
【0008】
(監理サーバー装置の構成)
監理サーバー装置は、上記の監査的役割を担うために、以下の4つのモジュールと4つのデータベースをシステム内に持つ。
* 監理サーバーの各モジュール及びデータベースのモニターなど、システム管理者に対するインターフェース機能を担う「監理サーバー管理モジュール」
* 流通システム上にあるすべての時計が同じ時刻を刻む為に、参照する大本となる時間を刻んでいる「マスター・タイムキーパー・モジュール」
* 配信サーバーによる登録およびチェックイン手続きの開始から終了までの実行と記録を行う「配信サーバー向けインターフェース・モジュール」
* 配信サーバーにおける著作物アクセス権に関するコンフリクトが発生した際に関連データベースを参照の上、コンフリクトの原因を究明する「クロスレファレンス・モジュール」
* 流通システムの下にあるすべての配信サーバーに関する情報を記録している「配信サーバー管理・データベース」
* 配信サーバーにてある全ての著作物に関する情報を記録している「著作物・マスター・データベース」
* 配信サーバーにて行われたすべての売買、譲渡、貸与情報を記録している「監理サーバー・トランザクション・データベース」
* 配信サーバーのチェックイン記録である「監理サーバー・チェックイン記録・データベース」
【0009】
(配信サーバー装置の役割)
配信サーバーは著作権の管理システム及び著作物流通システムの構成員であると同時に、ユーザー、コンテンツ発行者、監理サーバーを結ぶ、流通システムの、言わばハブ的な役割を担っていると同時に、著作権の管理システムとして、ユーザーの著作物に対するアクセスの管理を行う。また、著作物流通システムの構成員として、著作者から受け取ったコンテンツ・オリジナル・ファイルから、著作権管理を行うためのオリジナル・コピー・ファイルを作成し、更に、著作物をユーザーに配布販売するに当たっては、著作物をその流通システムに乗せるためのコンテンツ配信ファイルの作成を行う。
【0010】
(配信サーバー装置の構成)
配信サーバー装置上記の役割を担うために、以下の7つのモジュールと5つのデータベースをそのシステム内に持つ。
* 配信サーバー管理者用インターフェース、コンテンツ提供者端末装置からのオリジナル・ファイルの受け取り及び、定期的な監理サーバーへのチェックインを行う「配信サーバー管理モジュール」
* 監理サーバーのマスター・タイムキーパー・モジュールに同期し、更に、ユーザー端末装置の時計を同期させるために用いられる「タイムキーパー・モジュール」
* ユーザーの特定のデジタルコンテンツへのアクセスを他のモジュール、データベースなどを参照しながら、許可/却下を行う「アクセス管理モジュール」
* コンテンツ提供者からのオリジナル・ファイルを受け取り、管理サーバーからオリジナル・コピー・ファイル名の発給を受ける段階から、ユーザーに配信出来る配信ファイル作成を行うまでのプロセスを担う「ファイル・プロセス・モジュール」
* 著作物の売買、譲渡、貸与発生の際に関するデータの書き換え、及び、記録データの監理サーバーに対するチェックインとデータの授受を行う「トランザクション・モジュール」
* アクセス監理モジュールによりアクセスを許可されたユーザーにファイルのダウンロードを行うファイルのリストを提示し、配信ファイル作成直前のコンテンツ・オリジナル・コピーファイルが格納されている「ファイル・ストレッジ・モジュール」
* 著作物の売買、譲渡、貸与が行われた後、課金や、支払いに関わるデータの授受と、各種課金、支払いサービスとのインターフェースを行う「課金・支払いモジュール」
* ファイル・ストレッジ・モジュール内の著作物へのアクセス権を有するユーザーに関する各種データを含む「購読者管理データベース」
* ファイル・ストレッジ・モジュールに著作物を提供している、あるいは、提供する意志を表明しているコンテンツ提供者に関する各種データを含む「著作物発行者管理データベース」
* ユーザーに配信された配信ファイルに関するデータを含む「配信ファイル管理データベース」
* 監理サーバーに対するチェックイン記録データを含む「配信サーバー・チェックイン記録データベース」
* コンテンツ・ファイル・ストレッジ・モジュール内の著作物の売買、譲渡、貸与に関する記録データである「配信サーバー・トランザクション・データベース」
【0011】
(ユーザー端末装置の役割)
ユーザー端末装置は、ユーザーがユーザーの有するアクセス権を行使して、配信サーバー内の再生ソフトあるいは、コンテンツにアクセス、ダウンロードを行い、再生ソフトを用いて、著作物の再生を行うものである。
ユーザー端末装置としてのハードウェアは、通常のハードディスクなどを持ったコンピューターあるいは、携帯用のノートパソコン、PDAなどの端末装置や、携帯電話などで、端末装置内部に日付と時間が呼び出し可能な機能を有し、配信サーバーによる同期が可能で、かつ本文書で規定された機能を持つ再生ソフトが実行可能な端末装置でなければならない。
【0012】
(オリジナル・ファイル提供者端末装置の役割)
オリジナル・ファイル提供者端末装置は、著作権管理者であるオリジナル・ファイル提供者がその管理する著作物を配信サーバーを通してユーザーにアクセス権の売買、譲渡、貸与する際、配信サーバーに対して、オリジナル・ファイルを配信サーバーに送信する際に用いられる。
オリジナル・ファイルの配信サーバーへの送信は、必ずしもコンピューター同士の通信を介する必要はないが、オリジナル・ファイルが配信サーバーにオリジナル・ファイルとして引き渡される段階では、予め定められたファイル形式の電子ファイルである必要がある。
【0013】
(流通システム上で使われる著作物のファイル名)
配信サーバーの管理者は、通常、著作権管理者との間で同著作物を電子著作物として販売する契約を結ぶ。これが完了した時点で、管理者は、電子著作物を出版社、あるいは、著作者から直接、オリジナル・ファイルの形で受領し、配信サーバーのファイル・ストレッジ・モジュールの定められた個所に格納する。
【0014】
次に、出版社、著者の意向に基づいて、指定数のオリジナル・コピー・ファイル名が監理サーバーにより用意される。オリジナル・コピー・ファイルは、コンテンツの内容は、オリジナル・ファイルと同一であるが、それぞれ固有のファイル名を持つことで、識別が可能となる。
【0015】
ユーザーがアクセス権を行使し、配信サーバーからのコンテンツのダウンロードの要求を行うことにより、オリジナル・コピー・ファイルから配信ファイルが毎回、新たに作成される。
【0016】
ユーザーがユーザー端末装置にて再生を行う配信ファイルは、オリジナル・コピー・ファイルにコントロール・ヘッダーと呼ばれる、実行型プログラムと参照データからなる部分が付け加えられ、更に、オリジナル・コピー・ファイルのファイル名に更に、シリアル番号がつけられて配信ファイル名となる。このファイル名は、コントロール・ヘッダーのデータ部分の一部を構成する。流通システム上で使用される著作物のファイル名の関係は、 図14の通りである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(流通システム内で行われる各種手続き)
配信サーバー・ソフトと配信サーバー装置の登録
監理サーバー管理者は、配信サーバー管理者とのシステム運用の契約が成立したら、配信サーバー管理者に配信サーバー・ソフトを配布する。配信サーバー・ソフトの導入は、配信サーバー管理者により行われるが、導入されたソフトは、導入されたハードウェアとともに、監理サーバーに登録されなければ作動しない。登録される情報は、配信サーバー管理者に関する情報(会社名、住所、管理者名、電話番号、電子メールなど)の他に、導入された配信サーバー・ソフトの登録番号と一つの登録番号に対して、インターネット上のアドレス1つと3つまでのハードウェア(ハードディスク)の筐体番号、が登録される。
【0018】
登録された配信サーバーに関するデータはすべて、監理サーバー内の「配信サーバー装置登録データベース」に記録され、配信サーバー装置の定期的チェックインの際には必ず照会される。配信サーバー管理者に関する情報、登録番号とハードウェアの筐体番号などの参照結果が異なる場合は、配信サーバーの一部機能(ファイル・プロセス・モジュールと課金・支払いモジュール)を一時的に停止する処理を履行する。
【0019】
配信サーバーによるチェックイン作業
監理サーバーの役割は、システム全体の監査的役割である。よって、監理サーバーは、流通システム全体の情報が集中する配信サーバーの挙動を定期的にチェックするとともに、現在、管理下で運用されている配信サーバーが、正規に登録、運用されているものかを常に把握している必要がある。
【0020】
これを可能にするために、配信サーバーは流通システム監理・サーバーにチェックイン( 図2参照)しなければ、あるいは、チェックイン作業が正常に狩猟しなければ、一部機能(ファイル・プロセス・モジュールと課金・支払いモジュール)が作動しなくなるプログラムが施される。
【0021】
配信サーバーによるチェックインには、以下の6つの場合がある。
* 最長1週間の周期で行われる定期的チェックイン( 図3参照)
* 配信サーバー・ソフトを立ち上げ直後に行われるシステム・アップ・チェックイン( 図4参照)
* 配信サーバー・ソフトのシステム・ダウン直前に行うシステム・ダウン・チェックイン( 図5参照)
* 新規のコンテンツ配信を行うときのコンテンツ登録のためのチェックイン( 図6参照)
* コンテンツ売買、譲渡、貸与が行われた際のチェックイン( 図7参照)
* アクセス権に関するコンフリクトが発生した際のチェックイン( 図8参照)
【0022】
監理サーバー内の「配信サーバー・チェックイン記録・データベース」は、以下のデータを記録する。
* 配信サーバーのソフト登録番号
* チェックインの種類
* チェックイン開始時間
* チェックイン終了時間
【0023】
タイムキーパー・モジュールの同期
本システムにおいて、時間による管理は極めて重要な意味を持ち、すべてのサーバーが同時刻を刻んでいる事は必須条件となる。
配信サーバー装置によるチェックイン作業が行われるときには、必ず、配信サーバー内「タイムキーパー・モジュール」の監理サーバー内「マスター・タイムキーパー・モジュール」に対する同期が行われる。
【0024】
「著作物マスター・データベース」の管理
オリジナル・コピー・ファイルは、それぞれが固有のファイル名を持つことになるが、著作権管理者が複数の配信サーバーからの販売、配信を行う場合、ファイル名の重複が起らぬ様、すべてのオリジナル・コピー・ファイルのファイル名は、監理サーバーが発給し、「著作物・マスター・データベース」に登録、記録される。「著作物・マスター・データベース」に登録、記録が完了しない限り、配信サーバーにおけるオリジナル・コピー・ファイルの販売、譲渡、貸与のための配信ファイルの作成はできない。
【0025】
アクセス権の売買・譲渡、貸与と「監理サーバー・トランザクション・データベース」
オリジナル・コピー・ファイルが作成された段階で、そのオリジナル・コピー・ファイルへのアクセス権は、第三者に対して、販売、譲渡及び貸与することが可能となる。
アクセス権の販売・譲渡及び貸与は、本流通システムにおいて、当該ファイルに対するアクセス権を販売、譲渡、貸与先であるログインIDを持つユーザーに対して恒久的、あるいは、一時的に移管する行為である。配信サーバーにおいて行われる売買、譲渡、貸与の記録についても、全て監理サーバー内の「監理サーバー・トランザクション・データベース」に記録される。
【0026】
ユーザーの著作物に対するアクセス管理
ユーザーによる著作物の再生は、以下に示す、配信ファイルのコントロール・ヘッダー部の実行プログラムとコンテンツ配信サーバーにより実行されるアクセス権のチェック作業が行われ、許可された後、実行される。( 図9 図10 図11及び図12を参照)
* 再生ソフトの有効性によるチェック(オフライン)。ユーザーのコンピューターがオフライン状態のとき、再生ソフトの前回ログイン時間から一定時間(1週間)以上が経過していない事。また、再生ソフトが参照する再生不許可ファイル・リストの大きさが定められた大きさ以下である必要がある。
* 再生ソフトのシリアル番号と、前回ログイン時間のチェック(オンライン)。再生ソフトのシリアル番号と前回ログイン時間のチェックを行い、配信サーバーの持つデータと異なる場合は、この、再生ソフトは使用不可となる。その場合、再度、再生ソフトのダウンロードと導入を行わねばならない。
* ユーザーのログインIDとパスワードのチェック(オンライン)。アクセスをリクエストしているサーバーで、有効なログインIDとパスワードでログインしている事、また、同時に同一ログインIDで既に一人以上がログインしていない事が必須。
* ユーザー端末装置の時計の「タイムキーパー・モジュール」に対する同期(オンライン)。
* ファイル名のチェック(オフライン)。配信ファイルのコントロール・ヘッダーに記録されているファイル名と、実際につけられているファイル名が一致しない場合、ファイルは開ける事が出来ない。
* ファイルの同時アクセスのチェック(オンライン)。同名のファイルが同時に他のログインIDにより開かれていないかどうかをチェックする。既に開かれている場合は、ファイルは開ける事が出来ない。
* ファイルの時限チェック(オフライン)。配信ファイルが再生に関して、コントロール・ヘッダーに記されている開始時間、終了時間が指定されている場合、現在時間がこの間になければファイルは開かない。
【0027】
オンライン・オフライン状態の区別と再生ソフトの時限付き使用
ユーザー端末装置が配信サーバーにログインしている状態をオンライン状態、同サーバーにログインしていない状態をオフライン状態として、区別される。
一台のユーザー端末装置で、複数の配信サーバーに同時にログインする事は出来るが、同一の配信サーバーに一台、あるいは、2台以上のユーザー端末装置から同時に、同一のログインIDでオンライン状態になることはできない。
再生ソフトは、ユーザーが一定期間(1週間)以上続けてオフライン状態で使用する事はできない。この場合、参照されるのは、ユーザー端末装置内にある時計であるため、一定期間を過ぎても、ユーザーが時計を所定内に戻せば再生ソフトはオフライン状態でも、一時的に使用可能となる。
また、一定期間が過ぎて、使用が出来なくなった再生ソフトは、再び、オンライン状態にする事で使用可能となる。
【0028】
再生ソフトによるログイン
再生ソフトは、ログインの際、ユーザーが入力する、サーバーID、ログインIDとパスワードの参照以外に、再生ソフトのシリアル番号と前回のログイン時間の参照を行う。再生ソフトは、前回ログイン時に、ログイン時間をコンテンツ配信サーバーから時間のデータを受け取りシステム内にファイルを作り記録する。このデータが次回、ログインの際に、サーバーID、ログインID、パスワード、再生ソフトのシリアル番号とともに、参照される。サーバーID、ログインID、パスワードの3項目と、再生ソフトのシリアル番号と前回ログイン時間の2項目はそれぞれ、いずれが異なっても、ログインできない。特に、再生ソフトのシリアル番号と前回ログイン時間が異なる場合、この再生ソフトは使用不可となり、コンテンツ配信ファイルの再生のためには、再度ダウンロードと導入を行わねばならない。
【0029】
コンテンツ配信ファイルの入手
ユーザーは、導入した再生ソフトでコンテンツを楽しむ事が出来るが、コンテンツの入手方法は、新規販売されたものの購入、再販売されたものの購入、譲渡、貸与の4つの方法で可能となる。いずれの場合も、ひとつ、あるいは、複数の配信サーバーを介して入手する事となる。
【0030】
配信ファイルは、特に著作権管理者が著作物の広範囲は配布を希望しない限り、その再生に時間的な制限がつけられる(通常1週間)。オンライン状態で配信ファイルをダウンロードする場合は、すでに、ハードディスク内にある同内容のファイルを上書きすることによりファイルが更新される。
【0031】
配信ファイルの時限付き使用の他に、特に、新聞や、雑誌、無料購読期間を付したコンテンツについては、アクセス権が配信サーバー内のアクセス監理モジュールにより制限される場合がある。
【0032】
著作物の売買、譲渡、貸与
著作物の売買は、オリジナル・コピー・ファイルのアクセス権の売買、譲渡、貸与契約と、それに伴う、オリジナル・コピー・ファイルに関する情報の「購読者データベース」への書き込み、消去、書き換え、及び、配信サーバーによる監理サーバーへの売買、譲渡、貸与記録の送信の正常終了と書き込み完了により成立する。
配信ファイルの再販売は、オリジナル・コピー・ファイルの売買行為と、とそれに伴う、オリジナル・コピー・ファイルのコンテンツ配信・サーバー間の移動(コピーと消去)及び、売買記録の監理サーバーへの登録及び、配信サーバーによる監理サーバーへのコンテンツ売買データ送信のためのチェックインが正常に終了することにより成立する。
【0033】
著作権に関するコンフリクトとその追跡
本発明を通して構築される著作物流通システムで検知されうる著作権上のコンフリクトは以下の通りである。
* 同一時間に2つ以上の同じ配信ファイルに対するアクセスが発生した場合。
* 著作物の売買、譲渡、貸与が発生したときに、当該著作物に対するアクセス権の売買元、譲渡元、貸与元のデータが、著作物データベースの記録と異なる場合。
前者のコンフリクトは、配信サーバーにて、後者のコンフリクトは監理サーバーにて検知される。以上の著作権上の問題が発生した場合、監理サーバーのクロスレファレンス・モジュールは、まず、監理サーバー内の「著作物マスター・データベース」、「監理サーバー・トランザクション・データベース」から当該ファイルに関するすべての記録を引き出し、時系列にその発行から、現在までのデータを並べ、「アクセス権時系列表」を作成し、これまでのアクセス権所有者の変遷を追跡する。このとき、当該アクセス権の売買、譲渡、貸与元と売買、譲渡、貸与先を並べて行く。( 図15Aを参照)
最後の売買、譲渡、貸与先と現在、コンフリクトを起こしている配信サーバーへの複数のアクセスのID、あるいは、現在コンフリクトを起こしている売買、譲渡、貸与元のアクセスIDを参照し、当該ファイルに対する正規のアクセス権の特定を行う。
もし、「アクセス権時系列表」内に、売買、譲渡、貸与先が、直前の売買、譲渡、貸与元と一致しないデータがある場合( 図15Bを参照)、アクセス権所有者が連続する2つ以上の「アクセス権時系列表」を作成する( 図15C及びDを参照)。
それぞれの「アクセス権時系列表」の先頭行の売買、譲渡、貸与元IDを「著作物マスター・データベース」の当該データに参照して、正規の「アクセス権時系列表」を特定する。次に、特定された正規の「アクセス権時系列表」の最終行の売買、譲渡、貸与先IDとコンフリクトの元となるデータを比較、正規コピーを特定する。
同じ作業を「著作物マスター・データベース」と「配信サーバー・トランザクション・データベース」を使って行い、配信サーバー側の正規の「アクセス権時系列表」の元となるデータを特定する。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、デジタル形式による著作物の違法あるいは正規コピーかを、そのオリジナルまで追跡、特定する事を可能にする事で、著者及び出版者など著作権管理者が、著作権の濫用防止を可能とし、デジタルコンテンツ著作物の、より活発な流通システムを提供する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システムのブロック・ダイアグラム
【図2】配信サーバーのチェックイン作業
【図3】定期的チェックイン作業
【図4】配信サーバー・ソフトを立ち上げ直後に行うシステム・アップ・チェックイン作業
【図5】配信サーバー・ソフトのシステム・ダウン直前に行うシステム・ダウン・チェックイン作業
【図6】新規のコンテンツ配信を行う際のコンテンツ登録のためのチェックイン作業
【図7】コンテンツ売買、譲渡、貸与が行われた際のチェックイン作業
【図8】アクセス権に関するコンフリクトが発生した際のチェックイン作業
【図9】ユーザーと再生ソフトのチェック及びファイルのチェック
【図10】再生ソフトの有効性のチェック
【図11】再生ソフトのシリアル番号と、前回ログイン時間のチェック
【図12】ユーザーのログインIDとパスワードのチェック
【図13】コンフリクト解消作業
【図14】流通システム上で使用される著作物のファイル名
【図15】例を使ったコンフリクトの解消作業
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットなどを通じたオンライン上にてデジタル・コンテンツの配信を行う、著作権の保護を念頭に置いたシステムとして利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
著作物の著作権は、著作物の違法コピーにより侵害される事例が増加の一途を辿っている。特に、コンピューター並びにインターネットの普及と、各種記録可能媒体及びこれら媒体への記録装置の低価格化を背景に違法コピーの製作、販売は、ますます容易かつ広範に行われつつあるのが現状である。
こういった中で、これまでの著作権の保護あるいは、その担保を目的とする各種システムは、大きく分けて、以下のように大別する事ができる。
* 電子透かしに関するもの。
* 暗号化、複合化に関するもの。
* 複製防止に関するもの。
* 著作権料算定とその課金に関するもの。
【0003】
「電子透かし」とは、デジタル・コンテンツの中に著作権情報などを識別する情報を埋め込むことにより、著作権の管理を行おうとする手段である(特開平11 -212461、特開平11 - 007241、特開平11 - 069137、特開平11 - 066010など)。暗号化、複合化とは、デジタル・コンテンツ再生のために必要な電子鍵をユーザーが購入することにより再生を可能とする仕組み(特開 2002-229447、特開 2002-109105、特開平 08-287014、特開平08 - 288940、特開平11 - 215384など)。また、各種ハードウェアの機械的、電子的な複製防止に関する物も多く見受けられる(特開 2001-243707、特開 2002-252720、特開平 05-120809)。
また、これら技術を組み合わせることにより、著作権料の算定を行たり、算定された著作権料を課金する各種手段やシステムも多く考案されている(特開 2001-034666、特開 2001-184287、特開 2002-007605など)。
本発明の著作権保護に対するアプローチは以下の通りである。
* デジタル・コンテンツを含む作成された電子ファイルのファイル名は、それぞれ固有のもので、流通システム上に一つしか存在しない。
* 「正規に複製される、すべての電子ファイルのコピーは、それぞれ個別に識別される。
【0004】
また、ここで言う「アクセス権」は、以下の様に規定する。
* 「アクセス権」とは、特定の著作物から著作権管理者の意向に沿って製作されたコピーに対して、この権利を供与された者に対する、あらかじめ同意した条件の元で、自由にその著作物を再生し、閲覧、視聴することができる権利。
* また、アクセス権は、販売、譲渡、貸与などの方法により第三者に移管することができるものである。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の第一の課題は、デジタル形式による著作物の違法あるいは正規コピーかを、そのオリジナルまで追跡、特定する事を可能にする事である。
本発明の第二の課題は、これらデジタル形式の著作物の配信を行うサーバーの監査機能をそのシステムに組み込み、流通システムの運用の監視を行うと共に著作権上のコンフリクトの解消を可能とすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(システム構成)
本発明に関わるシステム構成は、 図1に示す通りで、以下のものからなる。
1. 流通システム監理サーバー装置(以下、監理サーバー)
2. コンテンツ配信サーバー装置(以下、配信サーバー)
3. ユーザー端末装置(通常のコンピューター)
4. オリジナル・ファイル提供者端末装置(通常のコンピューター)
5. 各装置を繋ぎ、情報の交流を行うネットワーク(インターネット)
以下に、システムを構成する各々の構成員について説明する。
【0007】
(監理サーバー装置の役割)
著作権の管理システム及び著作物流通システムの中心的構成員である配信サーバー装置の不正利用を防止するために配信サーバー装置の登録と、そのデータベース管理、タイムキーパー・モジュールの同期、ユーザーのアクセス権が付与されるオリジナル・コピー・ファイルのファイル名の登録とその後の売買、譲渡、貸与の記録等、流通システム全般の監査的役割を行う。
【0008】
(監理サーバー装置の構成)
監理サーバー装置は、上記の監査的役割を担うために、以下の4つのモジュールと4つのデータベースをシステム内に持つ。
* 監理サーバーの各モジュール及びデータベースのモニターなど、システム管理者に対するインターフェース機能を担う「監理サーバー管理モジュール」
* 流通システム上にあるすべての時計が同じ時刻を刻む為に、参照する大本となる時間を刻んでいる「マスター・タイムキーパー・モジュール」
* 配信サーバーによる登録およびチェックイン手続きの開始から終了までの実行と記録を行う「配信サーバー向けインターフェース・モジュール」
* 配信サーバーにおける著作物アクセス権に関するコンフリクトが発生した際に関連データベースを参照の上、コンフリクトの原因を究明する「クロスレファレンス・モジュール」
* 流通システムの下にあるすべての配信サーバーに関する情報を記録している「配信サーバー管理・データベース」
* 配信サーバーにてある全ての著作物に関する情報を記録している「著作物・マスター・データベース」
* 配信サーバーにて行われたすべての売買、譲渡、貸与情報を記録している「監理サーバー・トランザクション・データベース」
* 配信サーバーのチェックイン記録である「監理サーバー・チェックイン記録・データベース」
【0009】
(配信サーバー装置の役割)
配信サーバーは著作権の管理システム及び著作物流通システムの構成員であると同時に、ユーザー、コンテンツ発行者、監理サーバーを結ぶ、流通システムの、言わばハブ的な役割を担っていると同時に、著作権の管理システムとして、ユーザーの著作物に対するアクセスの管理を行う。また、著作物流通システムの構成員として、著作者から受け取ったコンテンツ・オリジナル・ファイルから、著作権管理を行うためのオリジナル・コピー・ファイルを作成し、更に、著作物をユーザーに配布販売するに当たっては、著作物をその流通システムに乗せるためのコンテンツ配信ファイルの作成を行う。
【0010】
(配信サーバー装置の構成)
配信サーバー装置上記の役割を担うために、以下の7つのモジュールと5つのデータベースをそのシステム内に持つ。
* 配信サーバー管理者用インターフェース、コンテンツ提供者端末装置からのオリジナル・ファイルの受け取り及び、定期的な監理サーバーへのチェックインを行う「配信サーバー管理モジュール」
* 監理サーバーのマスター・タイムキーパー・モジュールに同期し、更に、ユーザー端末装置の時計を同期させるために用いられる「タイムキーパー・モジュール」
* ユーザーの特定のデジタルコンテンツへのアクセスを他のモジュール、データベースなどを参照しながら、許可/却下を行う「アクセス管理モジュール」
* コンテンツ提供者からのオリジナル・ファイルを受け取り、管理サーバーからオリジナル・コピー・ファイル名の発給を受ける段階から、ユーザーに配信出来る配信ファイル作成を行うまでのプロセスを担う「ファイル・プロセス・モジュール」
* 著作物の売買、譲渡、貸与発生の際に関するデータの書き換え、及び、記録データの監理サーバーに対するチェックインとデータの授受を行う「トランザクション・モジュール」
* アクセス監理モジュールによりアクセスを許可されたユーザーにファイルのダウンロードを行うファイルのリストを提示し、配信ファイル作成直前のコンテンツ・オリジナル・コピーファイルが格納されている「ファイル・ストレッジ・モジュール」
* 著作物の売買、譲渡、貸与が行われた後、課金や、支払いに関わるデータの授受と、各種課金、支払いサービスとのインターフェースを行う「課金・支払いモジュール」
* ファイル・ストレッジ・モジュール内の著作物へのアクセス権を有するユーザーに関する各種データを含む「購読者管理データベース」
* ファイル・ストレッジ・モジュールに著作物を提供している、あるいは、提供する意志を表明しているコンテンツ提供者に関する各種データを含む「著作物発行者管理データベース」
* ユーザーに配信された配信ファイルに関するデータを含む「配信ファイル管理データベース」
* 監理サーバーに対するチェックイン記録データを含む「配信サーバー・チェックイン記録データベース」
* コンテンツ・ファイル・ストレッジ・モジュール内の著作物の売買、譲渡、貸与に関する記録データである「配信サーバー・トランザクション・データベース」
【0011】
(ユーザー端末装置の役割)
ユーザー端末装置は、ユーザーがユーザーの有するアクセス権を行使して、配信サーバー内の再生ソフトあるいは、コンテンツにアクセス、ダウンロードを行い、再生ソフトを用いて、著作物の再生を行うものである。
ユーザー端末装置としてのハードウェアは、通常のハードディスクなどを持ったコンピューターあるいは、携帯用のノートパソコン、PDAなどの端末装置や、携帯電話などで、端末装置内部に日付と時間が呼び出し可能な機能を有し、配信サーバーによる同期が可能で、かつ本文書で規定された機能を持つ再生ソフトが実行可能な端末装置でなければならない。
【0012】
(オリジナル・ファイル提供者端末装置の役割)
オリジナル・ファイル提供者端末装置は、著作権管理者であるオリジナル・ファイル提供者がその管理する著作物を配信サーバーを通してユーザーにアクセス権の売買、譲渡、貸与する際、配信サーバーに対して、オリジナル・ファイルを配信サーバーに送信する際に用いられる。
オリジナル・ファイルの配信サーバーへの送信は、必ずしもコンピューター同士の通信を介する必要はないが、オリジナル・ファイルが配信サーバーにオリジナル・ファイルとして引き渡される段階では、予め定められたファイル形式の電子ファイルである必要がある。
【0013】
(流通システム上で使われる著作物のファイル名)
配信サーバーの管理者は、通常、著作権管理者との間で同著作物を電子著作物として販売する契約を結ぶ。これが完了した時点で、管理者は、電子著作物を出版社、あるいは、著作者から直接、オリジナル・ファイルの形で受領し、配信サーバーのファイル・ストレッジ・モジュールの定められた個所に格納する。
【0014】
次に、出版社、著者の意向に基づいて、指定数のオリジナル・コピー・ファイル名が監理サーバーにより用意される。オリジナル・コピー・ファイルは、コンテンツの内容は、オリジナル・ファイルと同一であるが、それぞれ固有のファイル名を持つことで、識別が可能となる。
【0015】
ユーザーがアクセス権を行使し、配信サーバーからのコンテンツのダウンロードの要求を行うことにより、オリジナル・コピー・ファイルから配信ファイルが毎回、新たに作成される。
【0016】
ユーザーがユーザー端末装置にて再生を行う配信ファイルは、オリジナル・コピー・ファイルにコントロール・ヘッダーと呼ばれる、実行型プログラムと参照データからなる部分が付け加えられ、更に、オリジナル・コピー・ファイルのファイル名に更に、シリアル番号がつけられて配信ファイル名となる。このファイル名は、コントロール・ヘッダーのデータ部分の一部を構成する。流通システム上で使用される著作物のファイル名の関係は、 図14の通りである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(流通システム内で行われる各種手続き)
配信サーバー・ソフトと配信サーバー装置の登録
監理サーバー管理者は、配信サーバー管理者とのシステム運用の契約が成立したら、配信サーバー管理者に配信サーバー・ソフトを配布する。配信サーバー・ソフトの導入は、配信サーバー管理者により行われるが、導入されたソフトは、導入されたハードウェアとともに、監理サーバーに登録されなければ作動しない。登録される情報は、配信サーバー管理者に関する情報(会社名、住所、管理者名、電話番号、電子メールなど)の他に、導入された配信サーバー・ソフトの登録番号と一つの登録番号に対して、インターネット上のアドレス1つと3つまでのハードウェア(ハードディスク)の筐体番号、が登録される。
【0018】
登録された配信サーバーに関するデータはすべて、監理サーバー内の「配信サーバー装置登録データベース」に記録され、配信サーバー装置の定期的チェックインの際には必ず照会される。配信サーバー管理者に関する情報、登録番号とハードウェアの筐体番号などの参照結果が異なる場合は、配信サーバーの一部機能(ファイル・プロセス・モジュールと課金・支払いモジュール)を一時的に停止する処理を履行する。
【0019】
配信サーバーによるチェックイン作業
監理サーバーの役割は、システム全体の監査的役割である。よって、監理サーバーは、流通システム全体の情報が集中する配信サーバーの挙動を定期的にチェックするとともに、現在、管理下で運用されている配信サーバーが、正規に登録、運用されているものかを常に把握している必要がある。
【0020】
これを可能にするために、配信サーバーは流通システム監理・サーバーにチェックイン( 図2参照)しなければ、あるいは、チェックイン作業が正常に狩猟しなければ、一部機能(ファイル・プロセス・モジュールと課金・支払いモジュール)が作動しなくなるプログラムが施される。
【0021】
配信サーバーによるチェックインには、以下の6つの場合がある。
* 最長1週間の周期で行われる定期的チェックイン( 図3参照)
* 配信サーバー・ソフトを立ち上げ直後に行われるシステム・アップ・チェックイン( 図4参照)
* 配信サーバー・ソフトのシステム・ダウン直前に行うシステム・ダウン・チェックイン( 図5参照)
* 新規のコンテンツ配信を行うときのコンテンツ登録のためのチェックイン( 図6参照)
* コンテンツ売買、譲渡、貸与が行われた際のチェックイン( 図7参照)
* アクセス権に関するコンフリクトが発生した際のチェックイン( 図8参照)
【0022】
監理サーバー内の「配信サーバー・チェックイン記録・データベース」は、以下のデータを記録する。
* 配信サーバーのソフト登録番号
* チェックインの種類
* チェックイン開始時間
* チェックイン終了時間
【0023】
タイムキーパー・モジュールの同期
本システムにおいて、時間による管理は極めて重要な意味を持ち、すべてのサーバーが同時刻を刻んでいる事は必須条件となる。
配信サーバー装置によるチェックイン作業が行われるときには、必ず、配信サーバー内「タイムキーパー・モジュール」の監理サーバー内「マスター・タイムキーパー・モジュール」に対する同期が行われる。
【0024】
「著作物マスター・データベース」の管理
オリジナル・コピー・ファイルは、それぞれが固有のファイル名を持つことになるが、著作権管理者が複数の配信サーバーからの販売、配信を行う場合、ファイル名の重複が起らぬ様、すべてのオリジナル・コピー・ファイルのファイル名は、監理サーバーが発給し、「著作物・マスター・データベース」に登録、記録される。「著作物・マスター・データベース」に登録、記録が完了しない限り、配信サーバーにおけるオリジナル・コピー・ファイルの販売、譲渡、貸与のための配信ファイルの作成はできない。
【0025】
アクセス権の売買・譲渡、貸与と「監理サーバー・トランザクション・データベース」
オリジナル・コピー・ファイルが作成された段階で、そのオリジナル・コピー・ファイルへのアクセス権は、第三者に対して、販売、譲渡及び貸与することが可能となる。
アクセス権の販売・譲渡及び貸与は、本流通システムにおいて、当該ファイルに対するアクセス権を販売、譲渡、貸与先であるログインIDを持つユーザーに対して恒久的、あるいは、一時的に移管する行為である。配信サーバーにおいて行われる売買、譲渡、貸与の記録についても、全て監理サーバー内の「監理サーバー・トランザクション・データベース」に記録される。
【0026】
ユーザーの著作物に対するアクセス管理
ユーザーによる著作物の再生は、以下に示す、配信ファイルのコントロール・ヘッダー部の実行プログラムとコンテンツ配信サーバーにより実行されるアクセス権のチェック作業が行われ、許可された後、実行される。( 図9 図10 図11及び図12を参照)
* 再生ソフトの有効性によるチェック(オフライン)。ユーザーのコンピューターがオフライン状態のとき、再生ソフトの前回ログイン時間から一定時間(1週間)以上が経過していない事。また、再生ソフトが参照する再生不許可ファイル・リストの大きさが定められた大きさ以下である必要がある。
* 再生ソフトのシリアル番号と、前回ログイン時間のチェック(オンライン)。再生ソフトのシリアル番号と前回ログイン時間のチェックを行い、配信サーバーの持つデータと異なる場合は、この、再生ソフトは使用不可となる。その場合、再度、再生ソフトのダウンロードと導入を行わねばならない。
* ユーザーのログインIDとパスワードのチェック(オンライン)。アクセスをリクエストしているサーバーで、有効なログインIDとパスワードでログインしている事、また、同時に同一ログインIDで既に一人以上がログインしていない事が必須。
* ユーザー端末装置の時計の「タイムキーパー・モジュール」に対する同期(オンライン)。
* ファイル名のチェック(オフライン)。配信ファイルのコントロール・ヘッダーに記録されているファイル名と、実際につけられているファイル名が一致しない場合、ファイルは開ける事が出来ない。
* ファイルの同時アクセスのチェック(オンライン)。同名のファイルが同時に他のログインIDにより開かれていないかどうかをチェックする。既に開かれている場合は、ファイルは開ける事が出来ない。
* ファイルの時限チェック(オフライン)。配信ファイルが再生に関して、コントロール・ヘッダーに記されている開始時間、終了時間が指定されている場合、現在時間がこの間になければファイルは開かない。
【0027】
オンライン・オフライン状態の区別と再生ソフトの時限付き使用
ユーザー端末装置が配信サーバーにログインしている状態をオンライン状態、同サーバーにログインしていない状態をオフライン状態として、区別される。
一台のユーザー端末装置で、複数の配信サーバーに同時にログインする事は出来るが、同一の配信サーバーに一台、あるいは、2台以上のユーザー端末装置から同時に、同一のログインIDでオンライン状態になることはできない。
再生ソフトは、ユーザーが一定期間(1週間)以上続けてオフライン状態で使用する事はできない。この場合、参照されるのは、ユーザー端末装置内にある時計であるため、一定期間を過ぎても、ユーザーが時計を所定内に戻せば再生ソフトはオフライン状態でも、一時的に使用可能となる。
また、一定期間が過ぎて、使用が出来なくなった再生ソフトは、再び、オンライン状態にする事で使用可能となる。
【0028】
再生ソフトによるログイン
再生ソフトは、ログインの際、ユーザーが入力する、サーバーID、ログインIDとパスワードの参照以外に、再生ソフトのシリアル番号と前回のログイン時間の参照を行う。再生ソフトは、前回ログイン時に、ログイン時間をコンテンツ配信サーバーから時間のデータを受け取りシステム内にファイルを作り記録する。このデータが次回、ログインの際に、サーバーID、ログインID、パスワード、再生ソフトのシリアル番号とともに、参照される。サーバーID、ログインID、パスワードの3項目と、再生ソフトのシリアル番号と前回ログイン時間の2項目はそれぞれ、いずれが異なっても、ログインできない。特に、再生ソフトのシリアル番号と前回ログイン時間が異なる場合、この再生ソフトは使用不可となり、コンテンツ配信ファイルの再生のためには、再度ダウンロードと導入を行わねばならない。
【0029】
コンテンツ配信ファイルの入手
ユーザーは、導入した再生ソフトでコンテンツを楽しむ事が出来るが、コンテンツの入手方法は、新規販売されたものの購入、再販売されたものの購入、譲渡、貸与の4つの方法で可能となる。いずれの場合も、ひとつ、あるいは、複数の配信サーバーを介して入手する事となる。
【0030】
配信ファイルは、特に著作権管理者が著作物の広範囲は配布を希望しない限り、その再生に時間的な制限がつけられる(通常1週間)。オンライン状態で配信ファイルをダウンロードする場合は、すでに、ハードディスク内にある同内容のファイルを上書きすることによりファイルが更新される。
【0031】
配信ファイルの時限付き使用の他に、特に、新聞や、雑誌、無料購読期間を付したコンテンツについては、アクセス権が配信サーバー内のアクセス監理モジュールにより制限される場合がある。
【0032】
著作物の売買、譲渡、貸与
著作物の売買は、オリジナル・コピー・ファイルのアクセス権の売買、譲渡、貸与契約と、それに伴う、オリジナル・コピー・ファイルに関する情報の「購読者データベース」への書き込み、消去、書き換え、及び、配信サーバーによる監理サーバーへの売買、譲渡、貸与記録の送信の正常終了と書き込み完了により成立する。
配信ファイルの再販売は、オリジナル・コピー・ファイルの売買行為と、とそれに伴う、オリジナル・コピー・ファイルのコンテンツ配信・サーバー間の移動(コピーと消去)及び、売買記録の監理サーバーへの登録及び、配信サーバーによる監理サーバーへのコンテンツ売買データ送信のためのチェックインが正常に終了することにより成立する。
【0033】
著作権に関するコンフリクトとその追跡
本発明を通して構築される著作物流通システムで検知されうる著作権上のコンフリクトは以下の通りである。
* 同一時間に2つ以上の同じ配信ファイルに対するアクセスが発生した場合。
* 著作物の売買、譲渡、貸与が発生したときに、当該著作物に対するアクセス権の売買元、譲渡元、貸与元のデータが、著作物データベースの記録と異なる場合。
前者のコンフリクトは、配信サーバーにて、後者のコンフリクトは監理サーバーにて検知される。以上の著作権上の問題が発生した場合、監理サーバーのクロスレファレンス・モジュールは、まず、監理サーバー内の「著作物マスター・データベース」、「監理サーバー・トランザクション・データベース」から当該ファイルに関するすべての記録を引き出し、時系列にその発行から、現在までのデータを並べ、「アクセス権時系列表」を作成し、これまでのアクセス権所有者の変遷を追跡する。このとき、当該アクセス権の売買、譲渡、貸与元と売買、譲渡、貸与先を並べて行く。( 図15Aを参照)
最後の売買、譲渡、貸与先と現在、コンフリクトを起こしている配信サーバーへの複数のアクセスのID、あるいは、現在コンフリクトを起こしている売買、譲渡、貸与元のアクセスIDを参照し、当該ファイルに対する正規のアクセス権の特定を行う。
もし、「アクセス権時系列表」内に、売買、譲渡、貸与先が、直前の売買、譲渡、貸与元と一致しないデータがある場合( 図15Bを参照)、アクセス権所有者が連続する2つ以上の「アクセス権時系列表」を作成する( 図15C及びDを参照)。
それぞれの「アクセス権時系列表」の先頭行の売買、譲渡、貸与元IDを「著作物マスター・データベース」の当該データに参照して、正規の「アクセス権時系列表」を特定する。次に、特定された正規の「アクセス権時系列表」の最終行の売買、譲渡、貸与先IDとコンフリクトの元となるデータを比較、正規コピーを特定する。
同じ作業を「著作物マスター・データベース」と「配信サーバー・トランザクション・データベース」を使って行い、配信サーバー側の正規の「アクセス権時系列表」の元となるデータを特定する。
【0034】
【発明の効果】
本発明により、デジタル形式による著作物の違法あるいは正規コピーかを、そのオリジナルまで追跡、特定する事を可能にする事で、著者及び出版者など著作権管理者が、著作権の濫用防止を可能とし、デジタルコンテンツ著作物の、より活発な流通システムを提供する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】システムのブロック・ダイアグラム
【図2】配信サーバーのチェックイン作業
【図3】定期的チェックイン作業
【図4】配信サーバー・ソフトを立ち上げ直後に行うシステム・アップ・チェックイン作業
【図5】配信サーバー・ソフトのシステム・ダウン直前に行うシステム・ダウン・チェックイン作業
【図6】新規のコンテンツ配信を行う際のコンテンツ登録のためのチェックイン作業
【図7】コンテンツ売買、譲渡、貸与が行われた際のチェックイン作業
【図8】アクセス権に関するコンフリクトが発生した際のチェックイン作業
【図9】ユーザーと再生ソフトのチェック及びファイルのチェック
【図10】再生ソフトの有効性のチェック
【図11】再生ソフトのシリアル番号と、前回ログイン時間のチェック
【図12】ユーザーのログインIDとパスワードのチェック
【図13】コンフリクト解消作業
【図14】流通システム上で使用される著作物のファイル名
【図15】例を使ったコンフリクトの解消作業
Claims (6)
- デジタル・コンテンツの配信サーバー装置に対する監査を目的とする監理サーバー装置へのチェックイン作業とその手続き。
- 個々の配信ファイルを識別するために配信ファイルに与えられた電子ファイルの種類と、それらの作成手順およびファイル名の構造。
- 個々の配信ファイルを識別するために配信ファイルに与えられたコントロール・ヘッダーと配信サーバーによって実行されるチェック作業とその手続き。
- 流通システム上にあるすべての著作物配信ファイルに対するアクセス権の所有者を明確にするために、監理サーバーにおいて、流通システム下にあるすべての著作物の登録と、その後の当該アクセス権の売買、譲渡、貸与記録であるトランザクション・データを監理サーバーにおいて管理する仕組み。
- 流通システム上の監理サーバーあるいは配信サーバーにおいて著作権上のコンフリクトの検知を行うための手順。
- 著作権上のコンフリクトが監理サーバーあるいは配信サーバーで検知された場合に、このコンフリクトを解消するために著作物の売買、譲渡、貸与記録であるトランザクションデータを追跡し、違法あるいは、正規コピーの追跡と特定を行い、コンフリクトの原因を明確にするための作業とその手続き。
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Cited By (2)
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WO2007032315A1 (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | コンテンツ管理システム及びコンテンツ管理装置 |
JP2011523312A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-08-04 | アルカテル−ルーセント | 貢献作成者のチェーンを介して作成されているマルチメディアストリーム上でトランザクションを実行するための方法およびシステム |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002364121A patent/JP2004199180A/ja active Pending
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JP2011523312A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-08-04 | アルカテル−ルーセント | 貢献作成者のチェーンを介して作成されているマルチメディアストリーム上でトランザクションを実行するための方法およびシステム |
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