【０００１】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、微粒子金属酸化物分散ペーストとこれを配合した塗料に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、貯蔵安定性の向上、また微粒子金属酸化物の二次凝集の防止を図ることができ、さらには環境に優しい塗料の実現にも有用な、微粒子金属酸化物分散ペーストとこれを配合した塗料に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、地球環境の配慮や生態系の保全等から、トルエンやキシレン等の芳香族化合物の溶媒としての使用には十分な配慮が必要とされており、その使用に際しては届出の義務を負うようになっている。この環境汚染物質排出・移動登録制度（PRTR）の対象物質については、環境面においても、また施工者や使用者の負担の面から、なるべく使用しないような対応がなされている。
【０００３】
一方、従来より、塗装皮膜の硬度を上げることや、クラック発生の防止のために塗料中に微粒子金属酸化物を混合することがよく知られており、あらかじめ微粒子金属酸化物のみを水、あるいは有機溶媒中に分散させペースト状にし、塗料中に添加させることにより、微粒子金属酸化物の分散性が高い塗料が得ることができるとしている。そして、この分散性を高めるため、分散剤等の各種の添加剤が用いられ、これらの添加剤は上記のPRTR対象物質である芳香族系溶媒中でその効果を発揮する場合が多いことから、使用できる溶媒が限定されていた。
【０００４】
このような問題を解決するため、芳香族系溶媒を利用しなくとも、分散効果等を向上させるため、混合時にせん断速度のを特定化することや、粘度の調整等の各種条件の設定が検討されている。たとえば、顔料が均一に分散させる顔料ペーストの製造方法として、ジオルガノポリシロキサンと炭素、金属、金属酸化物や金属炭酸塩から選ばれる粉体状の顔料との混合物に初期せん断速度5m/min以上、回転物のクリアランス100μm以下のせん断工程を少なくとも１回行い、最終仕上がり粘度が25℃において100〜100000p（ポイズ）の顔料ペーストを得ることにより、ジオルガノポリシロキサンに顔料が均一に分散して長期間保存しても凝集や沈降が生じない高い保存安定性を有する顔料ペーストを製造することが提案されている（特許文献１）。
【０００５】
【特許文献１】
特開平7-292122号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のとおりの提案された方法では、せん断速度を特定化し、また粘度や温度の調整、回転物のクリアランス管理等の煩雑な条件設定を要するという大変に大きな負担がともなうという問題点が依然として残されており、また環境に優しい塗料への適用の観点でも必ずしも十分とはいえなかった。
【０００７】
そこでこの出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来の問題点を解消し、トルエンやキシレン等の芳香族化合物を使用しなくとも、長期にわたっての貯蔵安定性を実現することができ、かつ、極性の高い溶剤系や水系塗料等への混合時に生じる微粒子金属酸化物の二次凝集を防止することができる、新しい微粒子金属酸化物分散ペーストを提供することを課題としている。
【０００８】
また、この出願の発明は、この微粒子金属酸化物分散ペーストによって、環境に優しい塗料を提供することを課題としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決する手段として、第１には微粒子金属酸化物分散ペーストであって、沸点が100℃以上の高沸点溶剤を含むことを特徴とする微粒子金属酸化物分散ペーストを、第２には、高沸点溶剤が、微粒子金属酸化物100重量部に対し、50〜200重量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項１の微粒子金属酸化物分散ペーストを提供する。
【００１０】
また、第３には、上記第１または第２の発明の微粒子金属酸化物分散ペーストを極性溶剤系塗料に配合したことを特徴とする溶剤系塗料を、そして第４には、上記第１または第２の発明の微粒子金属酸化物分散ペーストを配合したことを特徴とする水系塗料を提供する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。
【００１２】
この出願の発明における、「微粒子金属酸化物」としては、酸性、塩基性、中性、両性、あるいは複合性に制限されず、使用目的により、適宜に選択できる。たとえば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化銀、酸化金、酸化セリウム等が挙げることができる。
【００１３】
微粒子金属酸化物とともに塗料に混合される「高沸点溶剤」は、常温ではほとんど揮発しない溶剤であり、一般的に用いられる高沸点溶剤でよいが、その沸点は100℃以上のものとする。なかでも、沸点が120℃以上のものであることがより好ましい。このような高沸点溶剤としては、たとえば、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、シクロヘキサン、フェノール、1,2-プロパンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クレゾール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、ニトロベンゼン、アセトアミド等が使用できる。入手の簡便性、アルコール溶剤との相溶性、PRTR非対象物質等を考慮すると、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、シクロヘキサン、1,2-プロパンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。そして、この出願の発明の微粒子金属酸化物分散ペーストに含有される高沸点溶剤の含有量としては、微粒子金属酸化物100重量部に対して、高沸点溶剤は50〜200重量部の範囲であることが好ましい。
【００１４】
また、微粒子金属酸化物等を水や有機溶媒中に分散させる際の分散性を向上させるものとして、分散剤の利用もできる。「分散剤」としては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸系共重合体、ポリオキシエチレンアルキルアミンやソルビタントリオレエート等が例示できる。
【００１５】
微粒子金属酸化物分散ペーストにおける他の溶剤として、極性溶剤あるいは非極性溶剤等を必要に応じて適宜に混合することができる。極性溶剤を用いることが特に好ましい。ただ、その混合量としては、高沸点溶剤100重量部に対して、その他の溶剤は100重量部未満であることが好ましい。この場合の「極性溶剤」といしては、微粒子金属酸化物との親和性や高沸点溶剤との相溶性を有するものであって、水、ジメチルスルホキシド（DMSO)、アセトン並びにメタノールやエタノール、プロピレングリコール等のアルコール類等が例示できる。
【００１６】
この出願の発明の微粒子金属酸化物分散ペーストを配合した塗料の形態としては、有機溶剤系塗料、または水系塗料があり、塗装の対象や目的により適宜に選択することができる。「有機溶剤系塗料」は、塗料を希釈する時に揮発性有機溶剤を用いており、塗膜の長期安定性に優れ（耐久性が高い）、乾燥時間が短く、比較的安価であるという特徴を有している。「水系塗料」は、塗料を希釈する時に揮発性有機溶剤の代わりに水を使うため、環境への負荷が少ないといった特徴を有している。有機溶媒系塗料としては、極性の高い溶媒を用いるか、あるいは塗料組成物として全体の極性が高いものが、この出願の発明の微粒子金属酸化物分散ペーストの配合にとって有利であり、好ましい。
【００１７】
高沸点溶剤を含有する微粒子金属酸化物分散ペーストの調整方法は各種の形態であってよいが、たとえば好適な方法の一つとしては、低沸点のアルコールと分散剤との混合物をディスパー等で攪拌しながら、微粒子金属酸化物を徐々に添加して一次分散を行い、ダイノミール等で二次分散を行い、これによって得られた混合物に高沸点溶剤を添加して高沸点溶剤を含有する微粒子金属酸化物分散ペーストを得る方法を例示することができる。もちろん、この形態に限定されることではない。
【００１８】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明について説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
【００１９】
【実施例】
以下、5種類の微粒子金属酸化物分散ペーストの実施例と比較対照として5種類の比較例を作製して比較評価した。
【００２０】
なお、以下の例においては、微粒子金属酸化物を分散した初期ペーストとして、酸化亜鉛100重量部、メタノール30重量部、分散剤5重量部を混合して得たものを用いている。実施例等では、この初期ペーストに対し高沸点溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルアセテート（PGMac）や、極性溶剤としてのメタノール、また極性の高い塗料としてのMC-T560（松下電工化研社製）が添加されている。
【００２１】
また、以下の各実施例および各比較例における各種測定方法は共通である。まず、凝集量の測定方法として、25μフィルターを用いた濾過方法を利用し、また粘度の測定方法として、B型粘度計（トキメック社製）を利用した。塗膜乾燥速度は、ハンドスプレーガン（岩田社製）を利用して、市販のアルマイト板に塗装し、80℃のバッチ式乾燥機で10分間乾燥させて、直ちに指触および指圧測定、並びに塗膜硬度測定（鉛筆硬度試験：一般に硬度順として9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5Bおよび6Bである）を行い、比較評価した。
【００２２】
（実施例１）
酸化亜鉛分散ペースト100重量部に対して、PGMac 50重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストにおける、貯蔵初期時と3ヶ月後の貯蔵安定性を酸化亜鉛凝集量および粘度によって測定・比較評価した。また、MC-T560との混合時の二次凝集量とその塗料乾燥速度を検討した。
【００２３】
（実施例２）
酸化亜鉛分散ペースト100重量部に対して、PGMac 100重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００２４】
（実施例３）
酸化亜鉛分散ペースト100重量部に対して、PGMac 200重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定。評価を行った。
【００２５】
（実施例４）
実施例１の酸化亜鉛分散ペーストに対して、さらにメタノール5重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００２６】
（実施例５）
実施例１の酸化亜鉛分散ペーストに、さらにメタノール25重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００２７】
（比較例１）
何も添加しない酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００２８】
（比較例２）
酸化亜鉛分散ペースト100重量部に対して、PGMac 1重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００２９】
（比較例３）
酸化亜鉛分散ペースト100重量部に対して、PGMac 500重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００３０】
（比較例４）
酸化亜鉛分散ペースト100重量部に対して、メタノール 50重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００３１】
（比較例５）
実施例１の酸化亜鉛分散ペーストに、さらにメタノール100重量部を添加した酸化亜鉛分散ペーストを実施例１と同様の測定・評価を行った。
【００３２】
以上の実施例1〜5と比較例1〜5の結果は、表１に示したとおりであった。いずれの実施例においても、凝集物はなく、粘度も低く、さらに二次凝集物もないことが確認された。一方、比較例においては、凝集物が多く、また粘度も高くなっていることが確認された。
【００３３】
【表１】
【００３４】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、トルエンやキシレン等の芳香族化合物を使用せずに、長期にわたっての貯蔵安定性が実現することができ、かつ、極性の高い溶剤系や水系塗料等への混合時に生じる微粒子金属酸化物の二次凝集を防止することができる新しい微粒子金属酸化物分散ペーストが提供される。
【００３５】
また、この出願の発明の微粒子金属酸化物分散ペーストを配合することによって、環境に優しい塗料が提供される。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The invention of this application relates to a particulate metal oxide dispersed paste and a coating material containing the same. More specifically, the invention of this application can improve storage stability and prevent secondary agglomeration of particulate metal oxides, and is also useful for realizing environmentally friendly coatings. The present invention relates to a dispersion paste and a paint containing the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, due to consideration of the global environment and preservation of ecosystems, it has been necessary to give due consideration to the use of aromatic compounds such as toluene and xylene as solvents. Has become. Regarding substances subject to the Environmental Pollutant Release and Transfer Registration System (PRTR), efforts are made to minimize the use of these substances in terms of the environment and the burden on installers and users.
[0003]
On the other hand, conventionally, it has been well known to increase the hardness of a coating film and to mix a particulate metal oxide in a paint in order to prevent the occurrence of cracks. It is stated that by dispersing in a solvent to form a paste and adding it to the paint, a paint having high dispersibility of the fine metal oxide can be obtained. In order to enhance the dispersibility, various additives such as a dispersant are used, and since these additives often exert their effects in the above-mentioned aromatic solvent which is a target substance of PRTR, Solvents that can be used were limited.
[0004]
In order to solve such problems, without using an aromatic solvent, in order to improve the dispersing effect, etc., it is necessary to specify the shear rate at the time of mixing and to set various conditions such as adjusting the viscosity. Have been. For example, as a method of producing a pigment paste in which the pigment is uniformly dispersed, a mixture of diorganopolysiloxane and a powdery pigment selected from carbon, a metal, a metal oxide and a metal carbonate is subjected to an initial shear rate of 5 m / min or more. The pigment is uniformly dispersed in the diorganopolysiloxane by performing at least one shearing step with a clearance of the rotating object of 100 μm or less to obtain a pigment paste having a final finished viscosity of 100 to 100,000 p (poise) at 25 ° C. It has been proposed to produce a pigment paste having high storage stability that does not cause aggregation or sedimentation even when stored for a period of time (Patent Document 1).
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-7-292122
[Problems to be solved by the invention]
However, the proposed method as described above still has a problem that it involves a very heavy burden of specifying a shear rate, adjusting viscosity and temperature, and setting complicated conditions such as clearance management of a rotating object. However, it is not always sufficient from the viewpoint of application to environmentally friendly paints.
[0007]
Therefore, the invention of this application has been made in view of the circumstances described above, and solves the conventional problems, without using aromatic compounds such as toluene and xylene, and has a long-term storage stability. To provide a new fine particle metal oxide dispersed paste that can realize the above-mentioned and can prevent secondary aggregation of the fine particle metal oxide generated when mixed into a highly polar solvent-based or water-based paint. It is an issue.
[0008]
It is another object of the invention of the present application to provide an environmentally friendly paint using the fine metal oxide dispersed paste.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a means for solving the above-mentioned problems, the invention of this application firstly provides a fine particle metal oxide dispersion paste, which comprises a high-boiling solvent having a boiling point of 100 ° C. or higher. 2. The fine-particle metal oxide-dispersed paste according to claim 1, wherein the paste comprises a high-boiling solvent in a proportion of 50 to 200 parts by weight based on 100 parts by weight of the fine-particle metal oxide. I will provide a.
[0010]
Thirdly, a solvent-based paint characterized by blending the particulate metal oxide dispersion paste of the first or second invention with a polar solvent-based paint, and fourthly, the first or the above-mentioned first or second invention. A water-based coating material characterized by incorporating the particulate metal oxide dispersion paste of the second invention.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The invention of this application has the features as described above, and embodiments thereof will be described in detail below.
[0012]
The “particulate metal oxide” in the invention of this application is not limited to acidic, basic, neutral, amphoteric, or complex, and can be appropriately selected depending on the purpose of use. For example, magnesium oxide, titanium oxide, chromium oxide, manganese oxide, iron oxide, cobalt oxide, copper oxide, zinc oxide, zirconium oxide, silver oxide, gold oxide, cerium oxide, and the like can be given.
[0013]
The “high-boiling solvent” mixed in the paint together with the fine metal oxide is a solvent that hardly volatilizes at room temperature and may be a commonly used high-boiling solvent, but the boiling point is 100 ° C. or higher. Especially, it is more preferable that the boiling point is 120 ° C. or higher. Examples of such a high boiling point solvent include butyl acetate, pentyl acetate, cyclohexane, phenol, 1,2-propanediol, propylene glycol monomethyl ether acetate, cresol, dipropylene glycol monomethyl ether, benzyl alcohol, nitrobenzene, acetamide and the like. Can be used. Considering the convenience of availability, compatibility with alcohol solvents, substances not subject to PRTR, etc., butyl acetate, pentyl acetate, cyclohexane, 1,2-propanediol, propylene glycol monomethyl ether acetate and dipropylene glycol monomethyl ether are preferred. And, as the content of the high-boiling solvent contained in the particulate metal oxide dispersion paste of the invention of the present application, based on 100 parts by weight of the particulate metal oxide, the high-boiling solvent is in the range of 50 to 200 parts by weight. Is preferred.
[0014]
In addition, a dispersant can be used to improve the dispersibility when dispersing the fine metal oxide or the like in water or an organic solvent. Examples of the “dispersant” include sodium polyacrylate, polycarboxylic acid copolymer, polyoxyethylene alkylamine, sorbitan trioleate, and the like.
[0015]
A polar solvent or a non-polar solvent or the like can be appropriately mixed as necessary as another solvent in the fine metal oxide dispersion paste. It is particularly preferred to use a polar solvent. However, the amount of the other solvent is preferably less than 100 parts by weight based on 100 parts by weight of the high boiling point solvent. In this case, the “polar solvent” has an affinity with the fine particle metal oxide and a compatibility with the high boiling point solvent, and includes water, dimethyl sulfoxide (DMSO), acetone, and methanol, ethanol, propylene. Examples include alcohols such as glycol.
[0016]
The form of the paint containing the fine particle metal oxide dispersed paste of the invention of this application includes an organic solvent-based paint and a water-based paint, and can be appropriately selected depending on the object and purpose of coating. "Organic solvent-based paints" use volatile organic solvents when diluting paints, and have excellent long-term stability (high durability), short drying times, and relatively low cost. Have. “Water-based paints” have the characteristic that they use less water than volatile organic solvents when diluting the paints, and therefore have less impact on the environment. As the organic solvent-based coating material, a solvent having a high polarity or a coating composition having a high polarity as a whole is advantageous and preferable for the compounding of the fine metal oxide dispersion paste of the invention of this application.
[0017]
The method for preparing the particulate metal oxide dispersion paste containing a high-boiling solvent may be in various forms. For example, one preferred method is to stir a mixture of a low-boiling alcohol and a dispersant with a disper or the like. While adding the fine particle metal oxide gradually, the first dispersion is carried out, and the second dispersion is carried out with dynomir, etc., and a high boiling solvent is added to the resulting mixture to obtain a fine metal oxide containing the high boiling solvent. A method for obtaining a material-dispersed paste can be exemplified. Of course, it is not limited to this mode.
[0018]
Therefore, examples will be shown below, and the invention of this application will be described in more detail. Of course, the invention is not limited by the following examples.
[0019]
【Example】
Hereinafter, five types of comparative examples were prepared and comparatively evaluated as examples of five types of fine metal oxide dispersed pastes and comparative examples.
[0020]
In the following examples, as an initial paste in which fine metal oxide particles are dispersed, a paste obtained by mixing 100 parts by weight of zinc oxide, 30 parts by weight of methanol, and 5 parts by weight of a dispersant is used. In Examples, propylene glycol monomethyl acetate (PGMac) as a high boiling point solvent, methanol as a polar solvent, and MC-T560 (manufactured by Matsushita Electric Works, Ltd.) as a highly polar paint were added to this initial paste. Have been.
[0021]
Further, various measuring methods in the following examples and comparative examples are common. First, a filtration method using a 25μ filter was used as a method for measuring the amount of aggregation, and a B-type viscometer (manufactured by Tokimec) was used as a method for measuring viscosity. The coating film drying speed was measured using a hand spray gun (manufactured by Iwata Co., Ltd.), coated on a commercially available alumite plate, dried for 10 minutes with a batch dryer at 80 ° C, and immediately measured for finger touch and finger pressure, and coated. Perform film hardness measurement (pencil hardness test: generally 9H, 8H, 7H, 6H, 5H, 4H, 3H, 2H, H, F, HB, B, 2B, 3B, 4B, 5B and 6B in order of hardness) And comparatively evaluated.
[0022]
(Example 1)
The storage stability of the zinc oxide dispersion paste containing 50 parts by weight of PGMac added to 100 parts by weight of the zinc oxide dispersion paste at the initial stage of storage and after three months was measured, compared and evaluated by the amount of zinc oxide aggregated and the viscosity. In addition, the amount of secondary agglomeration during mixing with MC-T560 and the paint drying speed were examined.
[0023]
(Example 2)
The same measurement and evaluation as in Example 1 were performed on a zinc oxide dispersed paste obtained by adding 100 parts by weight of PGMac to 100 parts by weight of the zinc oxide dispersed paste.
[0024]
(Example 3)
The same measurement as in Example 1 was performed on a zinc oxide dispersion paste obtained by adding 200 parts by weight of PGMac to 100 parts by weight of the zinc oxide dispersion paste. An evaluation was performed.
[0025]
(Example 4)
The zinc oxide dispersion paste obtained by adding 5 parts by weight of methanol to the zinc oxide dispersion paste of Example 1 was measured and evaluated in the same manner as in Example 1.
[0026]
(Example 5)
The zinc oxide dispersion paste obtained by adding 25 parts by weight of methanol to the zinc oxide dispersion paste of Example 1 was subjected to the same measurement and evaluation as in Example 1.
[0027]
(Comparative Example 1)
The same measurement and evaluation as in Example 1 were performed on the zinc oxide dispersion paste to which nothing was added.
[0028]
(Comparative Example 2)
The same measurement and evaluation as in Example 1 were performed on a zinc oxide dispersed paste obtained by adding 1 part by weight of PGMac to 100 parts by weight of the zinc oxide dispersed paste.
[0029]
(Comparative Example 3)
The same measurement and evaluation as in Example 1 were performed on a zinc oxide dispersed paste obtained by adding 500 parts by weight of PGMac to 100 parts by weight of the zinc oxide dispersed paste.
[0030]
(Comparative Example 4)
The zinc oxide dispersion paste obtained by adding 50 parts by weight of methanol to 100 parts by weight of the zinc oxide dispersion paste was measured and evaluated in the same manner as in Example 1.
[0031]
(Comparative Example 5)
The zinc oxide dispersion paste obtained by further adding 100 parts by weight of methanol to the zinc oxide dispersion paste of Example 1 was subjected to the same measurement and evaluation as in Example 1.
[0032]
The results of Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 5 were as shown in Table 1. In each of the examples, it was confirmed that there was no aggregate, the viscosity was low, and there was no secondary aggregate. On the other hand, in the comparative example, it was confirmed that there were many aggregates and the viscosity was high.
[0033]
[Table 1]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the invention of this application, storage stability for a long time can be realized without using an aromatic compound such as toluene or xylene, and a highly polar solvent-based or water-based paint or the like can be realized. The present invention provides a new fine particle metal oxide dispersed paste capable of preventing secondary aggregation of the fine particle metal oxide generated during mixing with the powder.
[0035]
In addition, an environmentally friendly paint is provided by blending the particulate metal oxide dispersion paste of the invention of this application.