JP2004194924A - Method and apparatus of measuring cerebral function - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method of measuring the cerebral function with higher average rate of recognition of the cerebral function than achieved by a conventional method. <P>SOLUTION: A plurality of kinds of brain-wave signals from the brain of a subject are previously measured in response to the variation of the situation. A cerebral function determination reference signal is obtained under each prescribed condition for determining the cerebral function quantatively based on the plurality of measured brain-wave signals and by a fractal dimension analysis method. A plurality of brain-wave signals from the brain of the subject under a prescribed situation are measured. A cerebral function measuring analysis signal is obtained by using the plurality of brain-wave signals obtained in the actual measuring step and by the fractal dimension analysis method. Finally, the condition of the cerebral function of the subject is measured by analyzing and determining the cerebral function measuring analysis signal by a prescribed method of determination using the cerebral function determining reference signal. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脳機能(思考、感情、運動命令等)を定量的に計測する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの心の状態は脳の活動(脳機能)により与えられ、その活動は脳波信号のような頭皮電位として、外部から観測することができる。脳波信号を用いて感情を定量的に測る従来の方法が、1997年に発行された「Artif LifeRobotics」のVol.1の第15頁〜第19頁(非特許文献1)にToshimitsu Musha、Yuniko Terasaki、Hasnine A.Haque、及びGeorge A.Ivanitsky等が発表した 「Feature extraction from EEGs associated with emotions.」と題する論文に記載されている。この従来の方法では、感情(脳機能の一つ)を感性スペクトル解析法という判別方法を用いて定量化している。この感性スペクトル解析法では、4種類程度の感情に対応した10ch程度の脳波信号を用い、信号処理と認識処理によって各感性を定量的に評価している。感性スペクトル解析法では、脳波信号をフーリエ解析してデータから認識に適した特徴量を抽出する方法として、θ、α、β波の各帯域におけるチャンネル間の相互相関係数を用いている。
【0003】
この公知の感性スペクトル解析法では、具体的に10個の皿電極を国際10−20電極法に基づき、Fp1、Fp2、F3、F4、T3、T4、P3、P4、O1、O2に配置する。基準電極は右耳朶A2とする。サンプリング周波数は100[Hz]程度で、脳波信号はフーリエ変換によってθ波(5〜8Hz)、α波(8〜13Hz)、β波(13〜20Hz)の成分に分けられる。従来の方法では、5[Hz]以下の周波数帯は、瞬きなどのアーチファクトの影響を考慮して除外している。また、20[Hz]以上の成分からの寄与は小さいとの判断によりこれらの成分も除外している。各周波数帯域における45組(=10C2)の相互相関係数を5.12[sec](〜0.64[sec])ごとに評価し、135個の変数を得る。そして電位間の相互相関係数c(α;jk)を電極jとkのα波帯域の相互相関係数とすると、相互相関係数は下記の式(1)で与えられる。
【0004】
【数1】

Figure 2004194924
ここで、上記式(1)において、Xj(fn)はj番目の電極のn番目の周波数成分である。またΣαの範囲はα波の周波数帯域である。これらの135個の組が入力ベクトルyとなる。yに線形変換行列Cを用いて4次元ベクトルz=(z1、z2、z3、z4)に線形変換する。これらの成分の大きさが感性の状態に相当する特徴量のレベルとなる。従来の方法の開発者等は、線形変換行列Cを感性マトリックス、4次元ベクトルzを感性ベクトルと呼んでいる。これらは以下の式(2)のように関係付けられる。
【0005】
【数2】
Figure 2004194924
ここでdは定数ベクトルである。そして感性マトリックスの数値を求める際は、基準となる感性状態を想起するというメンタルトレーニングを行った者を被験者とする。被験者はまず「怒り」をイメージし、10ch.の脳波測定計(EEG計)によって脳波信号を記録する。このプロセスを、他の3つの感性状態、「悲しみ」、「喜び」、「リラックス」でも行う。感性マトリックスの数値は、それぞれの感性状態についてz=(1、0、0、0)、(0、1、0、0)、(0、0、1、0)、(0、0、0、1)等となるように決定する。また、(0、0、0、0)は被験者に特別な感性状態が現れていない、標準状態とみなす。これらの感性状態は他と直交する。zの各構成要素を、それぞれ関連付けられた感性状態の指標とし、大きさをその感性の発現レベルとみなしている。
【0006】
また特開平9−56833号公報(特許文献1)には、脳波の時系列データを相関次元法により解析するために、フラクタル次元の一つの尺度である相関次元をコンピュータで計算すること、そして電気刺激パルス発生装置でカオスニューロン回路を用いることが示されている。
【0007】
【非特許文献1】「Artif Life Robotics」のVol.1の第15頁〜第19頁
【0008】
【特許文献1】特開平9−56833号公報(発明の詳細な説明)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、認識に用いる感性の特徴量が多いだけでなく、感性(脳機能の一つ)の平均認識率が低いという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、従来よりも脳機能の認識に用いる特徴量が少なくて済む脳機能計測方法及び装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、従来よりも脳機能の平均認識率が高い脳機能計測方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の脳機能計測方法では、まず状況の変化に対応して被測定者の脳から複数種類の脳波信号(脳波、脳磁波、fMRI信号等の脳機能に係る生体信号を含む)を予め測定する(事前測定ステップ)。ここで被測定者とは、例えば診察の対象となる特定人であってもよいし、汎用的なデータを得るために予め定めた条件を満たす平均的な人であってもよい。次に測定した複数の脳波信号と所定の解析法とに基づいて脳機能を定量的に判別するための脳機能判別用リファレンス信号を所定の条件下ごとにそれぞれ取得する(リファレンス信号取得ステップ)。そして所定の状況下にある被測定者の脳から複数の脳波信号を測定し(実測ステップ)、実測ステップで得た複数の脳波信号と所定の解析法とを用いて脳機能計測用解析信号を取得する(脳機能計測用解析信号取得ステップ)。最後に、脳機能計測用解析信号を脳機能判別用リファレンス信号を用いて所定の判別法により解析判別することにより被測定者の脳機能の状態を計測する(判別ステップ)。本発明においては、この所定の解析法としてフラクタル次元解析法を用いる。
【0013】
脳波の特徴を表す量として、近年研究が行われている量の一つに、フラクタル次元がある。例えば、1985年に発行された「Phys. Lett.」のVol.111A、No.3の第152頁〜第156頁にA.Babloyantz、J.M.Salazar、及びC.Nicolisが「Evidence of chaotic dynamics of brain activity during the sleep cycle」と題して発表した論文や、1986年に発行された「Phys.Lett.」のVol.118、No.2の第63頁〜第66頁に、I.Dvorak及びJ.Siskaが「On some Problems encountered in the estimation of the correlation dimension of the EEG.」と題する論文や、1992年に発行された「信学論」のVol.J75−A、No.6の第1045頁〜第1053頁に、西藤聖二、平川一美、及び原田康平が「脳波の相関次元」と題して発表した論文や、1995年に発行された「信学論」Vol.J78−A、No.2の第161頁〜第168頁に、小河清隆及び中川匡弘が「脳波におけるカオスとフラクタル性」と題して発表した論文に、脳の特徴を表す量としてフラクタル次元が考えられることが示されている。フラクタルは、自然界における不規則かつ複雑な自己相似性を有する構造の特徴付けを与え、信号や画像の自己アフィン性の評価に用いられてきた。信号のフラクタル性はHurst指数及びフラクタル次元を用いて定量的に評価できる。発明者は、このフラクタル性に着目し、脳波信号に基づいて脳機能を定量的に判別するために、脳波信号に基づく信号からフラクタル次元を求めるフラクタル解析法を用いると、従来よりも脳機能の認識に用いる特徴量が少なくて済む上、従来よりも脳機能の平均認識率を大幅に向上させることができることを見出した。
【0014】
なおリファレンス信号取得ステップ及び脳機能計測用解析信号取得ステップでは、複数の脳波信号を予め定めた複数の帯域に分離し、各帯域毎に脳機能判別用リファレンス信号及び脳機能計測用解析信号を取得するのが好ましい。このようにすれば帯域毎に判別が行えるため、脳機能の平均認識率を更に高めることができる。
【0015】
またリファレンス信号取得ステップ及び脳機能計測用解析信号取得ステップでは、複数の脳波信号を予め定めた複数の帯域に分離し、帯域分離した複数の脳波信号から選択した2つ脳波信号の差や積等を取ることにより2つの脳波信号間の相互相関の信号を作り、この相互相関の信号をフラクタル次元解析法により解析することが好ましい。このようにすると各帯域におけるチャンネル(複数種類の脳波信号)間の相関信号のパワー、即ち、チャンネル間の混合信号(複数種類の脳波信号)のフラクタル性を特徴量として捉えることができる。そしてチャンネル間の混合信号を用いると脳波信号に含まれるノイズをある程度除去できるため、更に脳機能の平均認識率を更に高めることができる。
【0016】
またフラクタル次元解析法では、相互相関の信号をそれぞれ微小時間間隔毎に解析して各微小時間間隔におけるフラクタル次元を求め、各微小時間間隔毎の相互相関の信号のフラクタル次元の変化を時間に対する相関次元として表すのが好ましい。このようにすると瞬時のフラクタル次元を求める場合よりも、ノイズの影響を受けることなく演算精度を高めることができる。
【0017】
本発明で使用可能な所定の判別法は任意である。例えば、線形写像と相互相関計数のマトリックスの演算結果を用いて判別結果を得る判別法を用いてもよい。この場合には、リファレンス信号取得ステップでは、脳機能判別用リファレンス信号として相互相関計数を求める。そして脳機能計測用解析信号取得ステップでは脳機能計測用解析信号として線形写像を得る。このような判別法を用いる場合でも、本発明によれば、従来よりも脳機能の認識に用いる特徴量が少なくて済む。また従来よりも脳機能の平均認識率を高めることができる。
【0018】
また所定の判別法としては、ニューラルネットを用いることができる。ニューラルネットを用いると、線形写像を求める場合よりも、簡単にしかも脳機能の平均認識率を高めることができる。例えば、ニューラルネットが、階層型ニューラルネット或いは階層型カオスニューラルネットの場合には、脳機能判別用リファレンス信号をニューラルネットの出力層に与えられることにより学習した後、判別が行える。
【0019】
本発明が対象とする脳機能計測装置は、状況の変化に対応して被測定者の脳から複数種類の脳波信号を予め測定し、測定した複数の脳波信号と所定の解析法とに基づいて脳機能を定量的に判別するための脳機能判別用リファレンス信号を取得したものを記憶するリファレンス信号記憶手段と、所定の状況下にある被測定者の脳から複数の脳波信号を測定する測定手段と、測定手段により測定した複数の脳波信号と所定の解析法とを用いて脳機能計測用解析信号を取得する脳機能計測用解析信号取得手段と、脳機能計測用解析信号を脳機能判別用リファレンス信号を用いて所定の判別法により解析判別することにより被測定者の脳機能の状態を計測する判別手段とを備えている。特に、本発明の装置では、脳機能判別用リファレンス信号がフラクタル次元解析法を用いて得たものであり、脳機能計測用解析信号取得手段では所定の解析法としてフラクタル次元解析法を用いることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の脳機能計測方法を実施する脳機能計測装置の実施の形態の一例の構成を概略的に示すブロック図である。この実施の形態では、人間の脳機能の一つである感性すなわち「怒り」、「悲しみ」、「喜び」、「リラックス」などの4種類程度の感情に対応した10ch程度の脳波信号を用いる。そしてフラクタル次元解析法を用いた信号処理と認識処理または判別ステップによって各感性を定量的に評価する。
【0022】
リファレンス信号記憶手段1には、学習ステップにより求めたデータ即ち脳機能判別用リファレンス信号が格納される。まず状況の変化(「怒り」、「悲しみ」、「喜び」、「リラックス」状態)にそれぞれ対応して被測定者の脳から複数種類の脳波信号を予め測定する(事前測定ステップ)。複数種類の脳波信号を測定するための電極(チャンネル)は図2に示すように被測定者の脳に配置される。脳波信号の測定はシールドルームにおいて行う。次に測定した複数の脳波信号と後述するフラクタル次元解析法とに基づいて脳機能を定量的に判別するための脳機能判別用リファレンス信号を「怒り」、「悲しみ」、「喜び」、「リラックス」状態のそれぞれの状況に関して取得する(リファレンス信号取得ステップ)。このようにして取得した脳機能判別用リファレンス信号が、リファレンス信号記憶手段1に格納される。
【0023】
測定手段2は、脳機能判別用リファレンス信号を取得する際に被測定者の頭部に付けられた電極と同じものを用いることができる。測定手段2は、所定の状況下(「怒り」、「悲しみ」、「喜び」または「リラックス」状態)にある被測定者の脳からそれぞれ複数の脳波信号を測定する(実測ステップ)。脳機能計測用解析信号取得手段3は、実測ステップで測定手段2が得た複数の脳波信号とフラクタル次元解析法とを用いて脳機能計測用解析信号を取得する(脳機能計測用解析信号取得ステップ)。最後に、判別手段4は、脳機能計測用解析信号を脳機能判別用リファレンス信号を用いて所定の判別法により解析判別することにより被測定者の脳機能の状態を計測する(判別ステップ)。
【0024】
図3は、図1の実施の形態を用いて実行する脳機能判別方法の一例の概念を示した図である。前述のリファレンス信号取得ステップ及び脳機能計測用解析信号取得ステップでは、複数の脳波信号を予め定めた複数の帯域[θ波(5〜8Hz),α波(8〜13Hz)とβ波(13〜20Hz)の周波数帯域]に分離し、各帯域毎に所定の条件下における脳機能判別用リファレンス信号及び脳機能計測用解析信号を取得する。リファレンス信号取得ステップ及び脳機能計測用解析信号取得ステップ(装置であれば脳機能計測用解析信号取得手段3)では、複数の脳波信号を予め定めた複数の帯域に分離し、帯域分離した複数の脳波信号から選択した2つ脳波信号の差や積等を取ることにより2つの脳波信号間の相互相関の信号を作る。そしてこの相互相関の信号をフラクタル次元解析法により解析する。3つのθ、α及びβの3つの帯域であれば、1つの帯域の場合よりも3倍のフラクタル次元を得ることになる。
【0025】
本発明で使用可能な所定の判別法は任意である。例えば、図3の例では線形写像と相互相関計数のマトリックスの演算結果を用いて判別結果を得る判別法を用いる。図4に示す式において、[C1,1・・・C1,n]が脳機能計測用解析信号により与えられるフラクタル次元の線形写像であり、[Y・・・Y3m]がある条件下(例えば悲しみの条件下)において学習して得た相互相関係数であり、これらの相互相関係数は脳機能判別用リファレンス信号により与えられる。また[d・・・d]は定数であり、[Z・・Z]が判別結果として得られる出力である。この出力は例えば[0100]のように現れ、例えばこの場合は悲しみの状態にあることを示すものとする。もし測定手段2により測定した脳波信号に基づいて、得られた出力が[0100]であれば、被測定者が悲しみの状態にあることを計測したことになる。
【0026】
次に、本実施の形態で用いるフラクタル次元解析法について説明する。この実施の形態では、フラクタル次元の推定方法として、フラクショナル微積分を用いて対象信号の複雑性を変化させ、その後、最尤推定法によりリファレンスとなるフラクタル次元を持つ信号との比較を行うことにより、フラクタル次元の推定を行う。リファレンスとなる信号としては、フラクタル次元2.5の信号を用いた。また、フラクショナル微分演算の手法としては、Grunwald−Letnikovによる表現[3]を用いる。時系列f(t)に関するp階フラクショナル微分は、下記の(3)式のように定義される。
【0027】
【数3】
Figure 2004194924
ここで、Dは微分演算子(D=d/dt)で、e−Dhはシフト演算子(e−Dhf(t)=f(t−h))を表す。
【0028】
p階微分された信号r(t)=Dpf(t)がリファレンスデータに近い性質を有することの評価尺度として、最尤推定法に基づく以下の評価関数を用いる。p階微分された信号r(t)の分散・共分散行列R(p)は下記(4)式のように定義される。
【0029】
【数4】
Figure 2004194924
r(t)を確率変数とみなし、下記式(5)のガウス分布を仮定する。
【0030】
【数5】
Figure 2004194924
最尤推定法により、下記式(6)のエントロピーI(p)、
【数6】
Figure 2004194924
を最小とする微分階数pを探索する。ここで、Rwはリファレンスデータとなるフラクタル次元2.5の信号の分散・共分散行列であり、I(p)が最小となるpから、フラクタル次元の推定値DはD=2.5−pと推定される。
【0031】
次に、フラクタル分析解析法を用いて得た結果を用いて感性を定量化するために発明者が考えた感性フラクタル次元解析法の具体例について説明する。まず4〜10個程度の皿電極を国際10−20電極法に基づき、頭部全域に配置する。特に、経験的に、10chもしくは6chでの測定が望ましく、配置部位としては、10chの場合は、図2に示すFp1、Fp2、F3、F4、T3、T4、P3、P4、O1、O2に配置する。また、6chの場合は、後述の検証結果より、Fp1、Fp2、T3、T4、O1、O2などに配置することにより、良い認識率を得ることができる。基準電極は右耳朶A2とする。測定データは、カットオフ周波数30[Hz]程度のローパスフィルタ、時定数0.3[sec]程度のハイパスフィルタを通過させた後に、サンプリング周波数fs=128[Hz]程度、量子化ビット数16[bits]のA/D変換器を用いてパーソナルコンピュータ等に入力する。
【0032】
フラクタル次元解析を行う前に、入力された4〜10ch程度のデータを用いて、電極間の差信号を作成する。これは、電極間の電位差に相当する。この処理により、10chの場合、45組(=10)の信号が作成され、6chの場合、15組(=)の信号が作成される。この処理は、時刻をt、i番目の電極からの入力値をxi(t)、i番目の電極とj番目の電極との間の相関信号をyij(t)とすると、下記(7)式のように表される。
【0033】
【数7】
Figure 2004194924
これらmチャンネルのデータに対して得られる、個の電極間電位差yij(t)を、図5に示すように時間領域で窓幅t=1〜4[sec]程度の矩形の解析窓を乗じて切り出し、f点の相関信号を得る。そして窓の移動幅またはずらし幅をtstep、窓の位置をnとすると、切り出された信号yij はベクトルを用いて下記の(8)式のように表される。
【0034】
【数8】
Figure 2004194924
ここで、窓のずらし幅即ち移動幅tstepは、0.1〜1.0[sec]程度である。切り出された相関信号yij それぞれに対して、フラクショナル微積分と最尤推定法を用いたフラクタル次元推定法を用いたフラクタル次元解析を行い、次元の入力信号ベクトルyを作成する。フラクタル次元を求める処理をFract(・)とすると、yは以下の式(9)のように表される。
【0035】
【数9】
Figure 2004194924
この入力信号ベクトルy[脳機能計測用解析信号]を、線形写像やニューラルネットなどの認識部即ち判別手段にて学習及び認識することにより、感性解析が可能となる。
【0036】
線形写像を用いる場合、yに線形写像Cを用いて4次元ベクトルz=(z 、z 、z 、z )に線形変換を行う。これらの成分の大きさが感性の状態に相当する特徴量のレベルとなる。これは、以下の式(10)のように表される。
【0037】
【数10】
Figure 2004194924
ここでdは定数ベクトルである。
【0038】
解析を行うに先立ち、先に説明したように学習に用いる脳機能判別用リファレンス信号を得るための脳波信号を測定する必要がある。脳機能判別用リファレンス信号を得るための脳波信号の測定では、被験者即ち被測定者に、基準となる「怒り」、「悲しみ」、「喜び」、「リラックス」などの感性状態を想起するというメンタルトレーニングを行ってもらった後に測定を行う。また、緊張などによる影響を避けるため、過去に数度の脳波測定を経験した者を対象とするのが好ましい。測定時には、実験者の指示により被験者は一つの感性をイメージし、その脳波が脳波計等の測定手段2によって記録される。このプロセスを、基準とする感性状態全てに対して行う。線形写像の数値は、4つの基準感性の場合、それぞれの感性状態がz=(1、0、0、0)、(0、1、0、0)、(0、0、1、0)、(0、0、0、1)などとなるように決定する。また、(0、0、0、0)は被験者に特別な感性状態が現れていない、標準状態とみなす。また、これらの感性状態は他と直交する。zの各構成要素を、それぞれ関連付けられた感性状態の指標とし、大きさをその感性の発現レベルとみなす。これにより、感性状態を定量的に解析することが可能となる。
【0039】
次に性能比較実験の結果を説明する。
【0040】
[実験条件]
脳波測定装置には、日本光電社製EEG−5210を用いた。測定データはA/D変換ボード(Canopus社製ADXM−FX98、A/D変換分解能16bits、チャンネル数16ch。)を通し、パーソナルコンピュータで記録した。その際のサンプリング周波数、ハイカット周波数、ローカット時定数は、それぞれ128Hz、30Hz、0.3secとした。測定部位は、国際10−20電極法に基づき、Fp1、Fp2、F3、F4、T3、T4、P3、P4、O1、O2の10点の単極測定とし、右耳朶A2を基準電極とした。測定環境としては、環境ノイズや、被験者に与える心理的影響を一定に保つことを目的とし、すべて同一のシールドルーム内にて測定を行った。被験者は心身ともに健康な22〜24歳の男子5名で、全て開眼安静状態にて測定を行った。また、既に複数回の脳波測定を経験し、脳波測定に慣れた被験者から測定したデータのみを用いた。
【0041】
測定時は、被験者に対してanger(怒り)、sadness(悲しみ)、joy(喜び)、relaxation(リラックス)の4種類の基準感性を測定することを告げ、それぞれの感性状態を想起するメンタルトレーニングを行ってもらった。その後、
1.一つの感性をイメージし、その状態を10分程度維持するよう告げる。
【0042】
2.初めの3分程度は被験者の準備期間とし、記録を行わない期間とする。
【0043】
3.その後、3〜5分間の記録を行い、これを学習に用いるリファレンスデータとする。
【0044】
4.続けて、1〜3分間の記録を行い、これをテストに用いる評価用データとする。
【0045】
5.5分程度の休息の後、1.にもどり、次の感性を告げる。
【0046】
という手順で測定を行った。
【0047】
[基準入力としてのリファレンス信号に対する学習性能比較]
例えば実験のために予め用意した喜びの状態を明確に表している信号(これをリファレンス信号という)の認識率を示した表を図6に示す。この実験では、従来技術の欄で説明した公知の感性スペクトル解析法を用いた場合を「ESAM」と表し、本実施の形態の感性フラクタル次元解析法を用いた場合を「EFAM」と表している。図6から分かるように、両手法共に80%を上回る認識率となっており、本実施の形態において数%の学習率の改善がみられるものの、ほぼ同程度の認識率となった。
【0048】
リファレンス信号を入力した場合の解析例について、感性スペクトル解析法による解析結果を図7(A)に示し、感性フラクタル次元解析法による解析結果を図7(B)に示す。認識率自体は共に80%以上の認識率となっているが、その出力値の時間推移をみるならば、感性スペクトル解析法は各出力値[anger(怒り)、sadness(悲しみ)、joy(喜び)、relaxation(リラックス)]の変動が激しく変動しており、不規則な出力であるといえる。すなわち[0010]が正確に出難い。これに対して図7(B)に示されるように、本実施の形態によればjoy(喜び)の出力だけが大きく現れており、その他の出力の変動は少ない。したがって本発明の実施の形態によれば、[0010]の出力が確実に得られる。
【0049】
[評価用信号に対する認識性能比較]
評価用信号(実際に測定される脳波信号に近いものとして予め用意した信号でこの実験の場合には喜びを表す信号)の認識率を示す表を図8に示す。感性スペクトル解析法(ESAM)においては、被験者C、Dにおいて、4感性の認識率平均が49%、48%と、50%以下の平均認識率となっている。感性フラクタル次元解析法(EFAM)においては、感性間平均の認識率が89%と、大幅に改善されている。5人平均でも、感性スペクトル解析法では52%の平均認識率であるが、感性フラクタル次元解析法では80%の平均認識率となっている。また、4感性の中で最も低い認識率に注目するならば、感性スペクトル解析法では被験者B、C、D、Eにおいて、最低認識率が20〜32%となっており、5人の被験者中で4人において、1/3以下の認識率となっている基準感性が存在している。最低認識率が低い場合、標的感性を批評的感性と認識してしまう第1種エラーが生じると共に、非標的感性を標的感性と認識してしまう第2種エラーが生じる。そのため、標的感性の認識率の低下だけでなく、全感性の認識結果の信頼性低下にもつながる。感性フラクタル次元解析法では、先の被験者における最低認識率が48〜75%と改善されている。
【0050】
評価用信号を入力した場合の解析例について、感性スペクトル解析法による解析結果を図9(A)に示し、感性フラクタル次元解析法による解析結果を図9(B)に示す。この例はjoyの評価用信号を入力したもので、感性スペクトル解析法では36%の認識率であったが、感性フラクタル次元解析法においては95%の認識率となり、認識率が大幅に改善されていることが分かる。
【0051】
[測定手段の電極数の減少と電極配置の関係]
感性フラクタル次元解析法において、使用する電極数を減らした場合の認識率の変化と、電極数を減らした場合における電極配置について検証を行った。配置する電極は左右対称とし、図2に示したFp1とFp2をまとめてFpと表し、以下同様にF、T、P、Oと表す。図10及び図11に、評価用信号に対する第1種及び第2種の認識率、最低認識率の被験者間平均、及び、被験者5人の中での最低認識率を示す。これらの結果より、電極の配置によって、電極数8、及び6の場合でも、電極数10の場合と比べ、認識率を大きく下げることなく解析できることがわかる。また、評価用データに対する認識率では、EFAM(8ch)において78%(第1種)、EFAM(6ch)において80%(第1種)、EFAM(4ch)において71%(同上)と、ESAM(10ch)における認識率52%(同上)よりも優れた認識率を得られており、感性フラクタル次元解析法が、未学習データに対する認識において優れた性能をもつことが確認できる。
【0052】
また、チャンネル数を減少させた場合において、第1種及び第2種認識率より検証を行った。その結果、4ch配置した場合では、後頭部Oと、前頭部−側頭部の組み合わせで最低認識率平均が高くなっている。6ch配置した場合、前頭部Fp、Fに電極4chを集中させた場合に平均最低認識率が下がっている。逆に、側頭部Tと、後頭部OもしくはPが入っている組み合わせで、平均最低認識率が高くなっている。8ch配置した場合では、側頭部T、及び後頭部Oに電極を配置しなかった場合に、認識率の低下がみられる。
【0053】
フラクタル次元解析法を用いた信号処理と認識処理によって各感性を定量的に評価すると、従来の感性スペクトル解析法を用いる場合に比べ、認識に用いる感性の特徴量の数を同条件下で1/3にまで抑えることができた。また、認識として線形写像を用いて行った評価実験では、学習時に用いていない脳波データに対する認識率の比較において、従来に比べて平均約30%の認識率向上がみられた。また少ないチャンネル数でも、認識率を保つことができるため、電極の装着時間を短縮することができ、必要となる生体アンプの数も減らすことが可能であることから、解析に始めるにあたり必要となるコストの削減も可能である。したがって本発明を用いると、さまざまな事例への感性解析の適用や、脳波を用いたヒューマンインターフェイスの研究への応用などが期待できる。
【0054】
図12は、判別手段4で用いることができる判別法として階層型カオスニューラルネットワークを用いる場合の概念を示す図である。この例は、10チャンネルで測定した脳波信号を処理するシステムであり、入力を前処理としてθ波、α波及びβ波の3つの3帯域に分離し、相互相関等の処理に加えてフラクタル次元解析を行う。そのため135個の入力信号が生成され、これが階層型カオスニューラルネットワークの入力となる。また中間層は、45個のニューロンが配置され、出力には喜怒哀楽の4つの感性に相当するニューロンが配置される。そして学習の基本となる標準的な喜怒哀楽を感じる外部刺激を被測定者に見せて、その喜怒哀楽等の感性に相当する教師信号(脳機能判別用リファレンス信号)を出力層のニューロンに与える。この例でも前の例と同様に、フラクタル次元解析を行うので、従来のように生体信号の振幅情報からだけでは得られない脳活動における複雑性に係る情報を取り出して感性情報を抽出することができる。なお脳波信号(生体信号)の前処理として独立成分解析を導入することにより、生体ノイズを除去し、より確度の高い計測・処理が実現可能になる。
【0055】
ニューラルネットについては多くの論文が出されているだけでなく、種々の公開された特許公報にもその利用態様が示されており、公知である。例えば、2001年1月に発行された「電子情報通信学会論文誌」のA Vol.J84−ANo.1 第33頁〜第41頁に中川匡弘及び小野坂良男が「周期カオスニューロンを用いた誤差逆伝搬法」と題する論文の中にも階層型カオスニューラルネットワークについて紹介されている。また特開平5−40840号公報、特開平6−337852号公報、特開平8−212275号公報、特開平8−235351号公報にニューラルネットワークの利用形態の例が示されている。
【0056】
図12に示すように判別法として、階層型カオスニューラルネットワークを用いる場合には、入力層にフラクタル次元解析法により得た脳機能計測用解析信号を入力し、出力層に脳機能判別用リファレンス信号を入力しておけばよい。図13は、同じ条件で脳波信号を計測した場合において、ニューラルネットワーク(NN)を用いた場合と線形写像を用いた場合の結果を示す。図13から分かるように、図2の実施の形態における線形写像を求める場合よりも、ニューラルネットワーク(NN)を用いると、脳機能の平均認識率を高めることができる。
【0057】
また本発明の脳機能計測方法及び装置を用いると、携帯型感性計測・処理システムを構築でき、現代社会におけるストレスの解消装置として、個人のみならず医療期間での利用が期待される。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、脳波信号に基づいて脳機能を定量的に判別するために、脳波信号に基づく信号からフラクタル次元を求めるフラクタル解析法を用いるので、従来よりも脳機能の認識に用いる特徴量が少なくて済む上、従来よりも脳機能の平均認識率を大幅に向上させることができる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脳機能計測方法を実施する脳機能計測装置の実施の形態の一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】脳波信号を得るための電極の配置を示す図である。
【図3】図1の実施の形態を用いて実行する脳機能判別方法の一例の概念を示す図である。
【図4】マトリックスを示す図である。
【図5】解析窓を用いた信号の切り出しを説明するために用いる図である。
【図6】リファレンス信号に対する認識率を表にして示す図である。
【図7】(A)は感性スペクトル解析法による解析結果を示す図であり、(B)は感性フラクタル次元解析法による解析結果を示す図である。
【図8】評価用信号の認識率を表で示す図である。
【図9】(A)は評価用信号を入力した場合の感性スペクトル解析法による解析結果を示す図であり、(B)は感性フラクタル次元解析法による解析結果を示す図である。
【図10】評価用信号に対する第1種の認識率、最低認識率の被験者間平均及び被験者5人の中での最低認識率を表で示す図である。
【図11】評価用信号に対する第2種の認識率、最低認識率の被験者間平均及び被験者5人の中での最低認識率を表で示す図である。
【図12】判別法として階層型カオスニューラルネットワークを用いる場合の概念を示す図である。
【図13】同じ条件で脳波信号を計測した場合において、ニューラルネットワーク(NN)を用いた場合と線形写像を用いた場合の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 リファレンス信号記憶手段
2 測定手段
3 脳機能計測用解析信号取得手段
4 判別手段[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method and an apparatus for quantitatively measuring a brain function (thinking, emotion, motor command, etc.).
[0002]
[Prior art]
The state of the human heart is given by brain activity (brain function), and the activity can be externally observed as a scalp potential such as an electroencephalogram signal. A conventional method for quantitatively measuring emotion using an electroencephalogram signal is described in "Artif LifeRobotics" published in 1997, Vol. 1 pages 15 to 19 (Non-Patent Document 1), Toshimitsu Musha, Yuniko Terasaki, Hasine A. Haque, and George A .; Ivanitsky et al., In a paper entitled "Feature extraction from EEGs associated with emulations." In this conventional method, emotions (one of brain functions) are quantified using a discrimination method called a sensitivity spectrum analysis method. In this sensitivity spectrum analysis method, each sensitivity is quantitatively evaluated by signal processing and recognition processing using brain wave signals of about 10 ch corresponding to about four kinds of emotions. In the sensitivity spectrum analysis method, a cross-correlation coefficient between channels in each band of θ, α, and β waves is used as a method of Fourier-analyzing an electroencephalogram signal and extracting a feature amount suitable for recognition from data.
[0003]
In this known sensitivity spectrum analysis method, specifically, ten dish electrodes are arranged at Fp1, Fp2, F3, F4, T3, T4, P3, P4, O1, and O2 based on the international 10-20 electrode method. The reference electrode is the right earlobe A2. The sampling frequency is about 100 [Hz], and the brain wave signal is divided into components of θ wave (5 to 8 Hz), α wave (8 to 13 Hz), and β wave (13 to 20 Hz) by Fourier transform. In the conventional method, the frequency band of 5 [Hz] or less is excluded in consideration of the influence of artifacts such as blinking. In addition, these components are also excluded by judging that the contribution from components of 20 [Hz] or more is small. Forty-five sets (= 10C2) of cross-correlation coefficients in each frequency band are evaluated every 5.12 [sec] (〜0.64 [sec]), and 135 variables are obtained. If the cross-correlation coefficient c (α; jk) between the potentials is the cross-correlation coefficient of the α-wave band of the electrodes j and k, the cross-correlation coefficient is given by the following equation (1).
[0004]
(Equation 1)
Figure 2004194924
Here, in the above equation (1), Xj (fn) is the n-th frequency component of the j-th electrode. The range of Σα is the frequency band of α waves. These 135 sets are the input vector y. Linear conversion is performed to a four-dimensional vector z = (z1, z2, z3, z4) using a linear conversion matrix C for y. The size of these components is the level of the feature amount corresponding to the state of sensitivity. Developers of the conventional method refer to the linear transformation matrix C as a sensitivity matrix and the four-dimensional vector z as a sensitivity vector. These are related as in the following equation (2).
[0005]
(Equation 2)
Figure 2004194924
Here, d is a constant vector. When calculating the value of the sensitivity matrix, a subject who has performed mental training of recalling a reference sensitivity state is set as a subject. The subject first imagined "anger", and 10ch. EEG signals are recorded by an EEG meter (EEG meter). This process is also performed for the other three emotional states, "sadness," "joy," and "relax." The values of the sensitivity matrix are as follows: z = (1, 0, 0, 0), (0, 1, 0, 0), (0, 0, 1, 0), (0, 0, 0, 1) It is determined so as to be as follows. Also, (0, 0, 0, 0) is regarded as a standard state in which no special emotional state has appeared in the subject. These sensitivity states are orthogonal to the others. Each component of z is used as an index of the associated kansei state, and the magnitude is regarded as the expression level of the kansei.
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-56833 (Patent Literature 1) discloses that a computer calculates a correlation dimension, which is one measure of a fractal dimension, in order to analyze time-series data of brain waves by a correlation dimension method. The use of chaotic neuron circuits in stimulation pulse generators has been shown.
[0007]
[Non-Patent Document 1] “Artif Life Robotics” Vol. Page 15 to 19 of 1
[0008]
[Patent Document 1] JP-A-9-56833 (Detailed description of the invention)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The conventional method has a problem that not only is there a large amount of kansei features used for recognition, but also the average recognition rate of kansei (one of brain functions) is low.
[0010]
An object of the present invention is to provide a brain function measurement method and apparatus which require less feature amounts for recognition of brain functions than in the past.
[0011]
It is another object of the present invention to provide a brain function measurement method and apparatus having a higher average recognition rate of brain function than in the past.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In the brain function measuring method of the present invention, first, a plurality of types of brain wave signals (including biological signals related to brain functions such as brain waves, brain magnetic waves, and fMRI signals) are measured in advance from the subject's brain in response to changes in the situation. (Pre-measurement step). Here, the subject may be, for example, a specific person to be examined, or an average person who satisfies a predetermined condition for obtaining general-purpose data. Next, a reference signal for brain function determination for quantitatively determining a brain function based on a plurality of measured brain wave signals and a predetermined analysis method is obtained for each predetermined condition (reference signal obtaining step). Then, a plurality of electroencephalogram signals are measured from the subject's brain under a predetermined condition (actual measurement step), and the plurality of electroencephalogram signals obtained in the actual measurement step and an analysis signal for brain function measurement are obtained using a predetermined analysis method. Acquire (analysis signal acquisition step for brain function measurement). Finally, the state of the brain function of the subject is measured by analyzing and determining the analysis signal for brain function measurement using a reference signal for determining brain function by a predetermined determination method (determination step). In the present invention, a fractal dimension analysis method is used as the predetermined analysis method.
[0013]
One of the quantities that have been studied in recent years as quantities representing the characteristics of brain waves is the fractal dimension. For example, in Phys. Lett., 1985, Vol. 111A, No. 3 on pages 152-156. Babroyantz, J. et al. M. Salazar, and C.I. Nicolis published a paper entitled "Evidence of Chaotic Dynamics of Brain Activity Durability the Sleep Cycle," and Vol. Of "Phys. Lett." Published in 1986. 118, no. 2 pp. 63-66. Dvorak and J.M. Sika has published a paper entitled "On some Problems Encountered in the Estimation of the Correlation Dimension of the EEG.", And a vol. J75-A, No. 6, pages 1045 to 1053, a paper published by Seiji Nishito, Kazumi Hirakawa and Kohei Harada entitled "Correlation Dimensions of EEG", and a paper entitled "Religion Theory" Vol. J78-A, No. 2 pages 161 to 168, a paper published by Kiyotaka Ogawa and Masahiro Nakagawa entitled "Chaos and Fractalness in EEG" shows that fractal dimensions can be considered as quantities representing brain features. I have. Fractals provide a characterization of irregular and complex self-similar structures in nature and have been used to evaluate the self-affineness of signals and images. The fractal property of the signal can be quantitatively evaluated using the Hurst index and the fractal dimension. The inventor pays attention to this fractal property, and uses a fractal analysis method of obtaining a fractal dimension from a signal based on an electroencephalogram signal to quantitatively determine a brain function based on an electroencephalogram signal. It has been found that the amount of features used for recognition can be reduced, and that the average recognition rate of brain functions can be significantly improved as compared with the related art.
[0014]
In the reference signal acquisition step and the brain function measurement analysis signal acquisition step, a plurality of brain wave signals are separated into a plurality of predetermined bands, and a brain function determination reference signal and a brain function measurement analysis signal are acquired for each band. Is preferred. In this way, the discrimination can be performed for each band, so that the average recognition rate of the brain function can be further increased.
[0015]
In the reference signal acquisition step and the brain function measurement analysis signal acquisition step, the plurality of brain wave signals are separated into a plurality of predetermined bands, and the difference or product of two brain wave signals selected from the plurality of band-separated brain wave signals. It is preferable to create a cross-correlation signal between the two electroencephalogram signals by taking the above, and analyze the cross-correlation signal by a fractal dimension analysis method. In this way, the power of the correlation signal between channels (a plurality of types of brain wave signals) in each band, that is, the fractal property of a mixed signal (a plurality of types of brain wave signals) between channels can be grasped as a feature amount. The use of the mixed signal between the channels allows the noise contained in the brain wave signal to be removed to some extent, so that the average recognition rate of the brain function can be further increased.
[0016]
In the fractal dimension analysis method, a cross-correlation signal is analyzed at each minute time interval to determine a fractal dimension at each minute time interval, and a change in the fractal dimension of the cross-correlation signal at each minute time interval is correlated with time. It is preferably represented as a dimension. In this way, the calculation accuracy can be improved without being affected by noise as compared with the case where the instantaneous fractal dimension is obtained.
[0017]
The predetermined discrimination method usable in the present invention is arbitrary. For example, a discrimination method of obtaining a discrimination result by using a calculation result of a matrix of a linear mapping and a cross-correlation coefficient may be used. In this case, in the reference signal obtaining step, a cross-correlation coefficient is obtained as a reference signal for brain function determination. In the brain function measurement analysis signal acquiring step, a linear mapping is obtained as a brain function measurement analysis signal. Even when such a discrimination method is used, according to the present invention, the amount of features used for recognizing brain functions can be smaller than in the past. Further, the average recognition rate of the brain function can be increased as compared with the related art.
[0018]
Also, a neural network can be used as the predetermined discrimination method. When a neural network is used, the average recognition rate of brain functions can be increased more easily than when a linear mapping is obtained. For example, when the neural network is a hierarchical neural network or a hierarchical chaotic neural network, the learning can be performed after learning by supplying a reference signal for brain function determination to an output layer of the neural network.
[0019]
The brain function measurement device targeted by the present invention measures in advance a plurality of types of brain wave signals from the subject's brain in response to changes in the situation, based on the measured plurality of brain wave signals and a predetermined analysis method Reference signal storage means for storing a reference signal for brain function determination for quantitatively determining brain function, and measurement means for measuring a plurality of electroencephalogram signals from the subject's brain under predetermined conditions A brain function measurement analysis signal acquisition means for acquiring a brain function measurement analysis signal using a plurality of brain wave signals measured by the measurement means and a predetermined analysis method; and a brain function measurement analysis signal for brain function discrimination. Determining means for measuring the state of the brain function of the subject by analyzing and determining by a predetermined determining method using the reference signal. In particular, in the apparatus of the present invention, the reference signal for brain function discrimination is obtained using a fractal dimension analysis method, and the analysis signal acquisition means for measuring brain function uses a fractal dimension analysis method as a predetermined analysis method. Features.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0021]
FIG. 1 is a block diagram schematically illustrating a configuration of an example of an embodiment of a brain function measurement device that performs a brain function measurement method of the present invention. In this embodiment, about 10 ch of brain wave signals corresponding to four kinds of emotions such as "anger", "sadness", "joy", and "relaxation" which are one of the human brain functions are used. Each sensibility is quantitatively evaluated by signal processing and recognition processing using a fractal dimension analysis method or a discrimination step.
[0022]
The reference signal storage unit 1 stores data obtained in the learning step, that is, a reference signal for determining brain function. First, a plurality of types of electroencephalogram signals are measured in advance from the subject's brain in response to changes in the situation ("anger", "sadness", "joy", "relaxed"). Electrodes (channels) for measuring a plurality of types of brain wave signals are arranged on the brain of the subject as shown in FIG. The measurement of the brain wave signal is performed in a shield room. Next, reference signals for brain function determination for quantitatively determining brain function based on a plurality of measured electroencephalogram signals and a fractal dimension analysis method described later are referred to as “anger”, “sadness”, “joy”, and “relax”. The state is acquired for each state (reference signal acquiring step). The reference signal for brain function determination obtained in this way is stored in the reference signal storage unit 1.
[0023]
As the measuring means 2, the same electrode as the electrode attached to the head of the subject when acquiring the reference signal for determining brain function can be used. The measuring means 2 measures a plurality of electroencephalogram signals from the brain of the subject in a predetermined situation (“anger”, “sadness”, “joy” or “relaxed” state) (actual measurement step). The brain function measurement analysis signal acquiring unit 3 acquires a brain function measurement analysis signal using a plurality of brain wave signals obtained by the measurement unit 2 in the actual measurement step and a fractal dimension analysis method (brain function measurement analysis signal acquisition). Steps). Finally, the discriminating means 4 measures the state of the brain function of the subject by analyzing and discriminating the analysis signal for brain function measurement using a reference signal for discriminating brain function by a predetermined discrimination method.
[0024]
FIG. 3 is a diagram showing the concept of an example of a brain function determination method executed using the embodiment of FIG. In the above-described reference signal obtaining step and brain function measurement analysis signal obtaining step, the plurality of brain wave signals are divided into a plurality of predetermined bands [θ wave (5 to 8 Hz), α wave (8 to 13 Hz), and β wave (13 to 20 Hz), and a reference signal for determining brain function and an analysis signal for measuring brain function under predetermined conditions are acquired for each band. In the reference signal acquisition step and the brain function measurement analysis signal acquisition step (in the case of the apparatus, the brain function measurement analysis signal acquisition means 3), the plurality of brain wave signals are separated into a plurality of predetermined bands, and the plurality of band separated The cross-correlation signal between the two brain wave signals is created by taking the difference or product of the two brain wave signals selected from the brain wave signals. The signal of the cross-correlation is analyzed by a fractal dimension analysis method. With three bands of θ, α and β, three times the fractal dimension is obtained as compared with the case of one band.
[0025]
The predetermined discrimination method usable in the present invention is arbitrary. For example, in the example shown in FIG. 3, a discrimination method for obtaining a discrimination result by using a calculation result of a matrix of a linear mapping and a cross-correlation coefficient is used. In the equation shown in FIG.1,1... C1, n] Is a fractal dimension linear mapping given by the brain function measurement analysis signal, and [Y1... Y3m] Is a cross-correlation coefficient obtained by learning under a certain condition (for example, a sad condition), and these cross-correlation coefficients are given by a reference signal for brain function discrimination. [D1... d4] Is a constant and [Z1..Z4] Is an output obtained as a determination result. This output appears, for example, as [0100], and indicates that, for example, in this case, it is in a state of sadness. If the obtained output is [0100] based on the electroencephalogram signal measured by the measuring means 2, it means that the subject is in a state of sadness.
[0026]
Next, a fractal dimension analysis method used in the present embodiment will be described. In this embodiment, as a method of estimating the fractal dimension, the complexity of the target signal is changed using fractional calculus, and thereafter, the signal is compared with a signal having a fractal dimension serving as a reference by the maximum likelihood estimation method. Estimate the fractal dimension. A signal having a fractal dimension of 2.5 was used as a reference signal. Further, as a method of the fractional differential operation, the expression [3] by Grunwald-Letnikov is used. The p-order fractional derivative with respect to the time series f (t) is defined as the following equation (3).
[0027]
(Equation 3)
Figure 2004194924
Here, D is a differential operator (D = d / dt), and e-Dh is a shift operator (e-Dhf (t) = f (th)).
[0028]
The following evaluation function based on the maximum likelihood estimation method is used as an evaluation criterion for determining that the p-order differentiated signal r (t) = Dpf (t) has a property close to the reference data. The variance / covariance matrix R (p) of the p-order differentiated signal r (t) is defined as the following equation (4).
[0029]
(Equation 4)
Figure 2004194924
r (t) is regarded as a random variable, and a Gaussian distribution of the following equation (5) is assumed.
[0030]
(Equation 5)
Figure 2004194924
By the maximum likelihood estimation method, the entropy I (p) of the following equation (6),
(Equation 6)
Figure 2004194924
Search for the differential order p that minimizes Here, Rw is a variance / covariance matrix of a signal of fractal dimension 2.5 serving as reference data, and from p at which I (p) is minimized, an estimated value D of the fractal dimension is D = 2.5−p It is estimated to be.
[0031]
Next, a specific example of the Kansei fractal dimension analysis method considered by the inventor to quantify the Kansei using the result obtained by using the fractal analysis analysis method will be described. First, about 4 to 10 dish electrodes are arranged over the entire head based on the International 10-20 Electrode Law. In particular, empirically, it is desirable to measure at 10 ch or 6 ch. In the case of 10 ch, the arrangement site is arranged at Fp1, Fp2, F3, F4, T3, T4, P3, P4, O1, O2 shown in FIG. I do. In the case of 6 ch, a good recognition rate can be obtained by arranging Fp1, Fp2, T3, T4, O1, O2, and the like based on the verification result described later. The reference electrode is the right earlobe A2. The measurement data is passed through a low-pass filter with a cutoff frequency of about 30 [Hz] and a high-pass filter with a time constant of about 0.3 [sec], and then has a sampling frequency fs = about 128 [Hz] and a quantization bit number of 16 [Hz]. bits] into a personal computer or the like using an A / D converter.
[0032]
Before performing the fractal dimension analysis, a difference signal between the electrodes is created using the input data of about 4 to 10 ch. This corresponds to the potential difference between the electrodes. By this processing, in the case of 10 ch, 45 sets (=10C2) Are created, and in the case of 6 channels, 15 sets (=6C2) Is created. In this processing, when the time is t, the input value from the i-th electrode is xi (t), and the correlation signal between the i-th electrode and the j-th electrode is yij (t), the following equation (7) is used. Is represented as
[0033]
(Equation 7)
Figure 2004194924
Obtained for these m channels of data,mC2Potential difference y between the electrodesij(T) is changed to a window width t in the time domain as shown in FIG.w= 1 to 4 [sec] and cut out by multiplying by a rectangular analysis window, fstwObtain a point correlation signal. And the window movement width or shift width is tstep, And the position of the window is n, the cut-out signal yij nIs represented by the following equation (8) using a vector.
[0034]
(Equation 8)
Figure 2004194924
Here, the shift width of the window, that is, the movement width tstepIs about 0.1 to 1.0 [sec]. The extracted correlation signal yij nFor each, fractal dimension analysis using fractal dimension estimation method using fractional calculus and maximum likelihood estimation method,mC2Dimensional input signal vector ynCreate If the process for obtaining the fractal dimension is Fract (•), ynIs expressed as in the following equation (9).
[0035]
(Equation 9)
Figure 2004194924
This input signal vector ynBy learning and recognizing the [analysis signal for brain function measurement] with a recognition unit such as a linear mapping or a neural network, that is, a discrimination means, it is possible to perform a sensitivity analysis.
[0036]
When using a linear mapping, ynAnd a four-dimensional vector z using the linear mapping Cn= (Z1 n, Z2 n, Z3 n, Z4 n) Performs a linear transformation. The size of these components is the level of the feature amount corresponding to the state of sensitivity. This is represented by the following equation (10).
[0037]
(Equation 10)
Figure 2004194924
Here, d is a constant vector.
[0038]
Prior to performing the analysis, it is necessary to measure an electroencephalogram signal for obtaining a brain function determination reference signal used for learning as described above. In the measurement of an electroencephalogram signal for obtaining a reference signal for brain function discrimination, the subject, that is, the subject, is mentally reminded of a reference sensational state such as "anger", "sadness", "joy", or "relaxation". Measure after training. In addition, in order to avoid the influence of tension or the like, it is preferable to target those who have experienced several EEG measurements in the past. At the time of measurement, the subject images one sensibility according to the instruction of the experimenter, and his brain waves are recorded by the measuring means 2 such as an electroencephalograph. This process is performed for all of the reference emotional states. In the case of four reference kansei, the values of the linear mapping are zn= (1, 0, 0, 0), (0, 1, 0, 0), (0, 0, 1, 0), (0, 0, 0, 1), and the like. Also, (0, 0, 0, 0) is regarded as a standard state in which no special emotional state has appeared in the subject. Also, these emotional states are orthogonal to the others. znAre used as indices of the kansei states associated with each other, and the size is regarded as the expression level of the kansei. This makes it possible to quantitatively analyze the emotional state.
[0039]
Next, the results of the performance comparison experiment will be described.
[0040]
[Experiment conditions]
EEG-5210 manufactured by Nihon Kohden was used for the electroencephalogram measurement device. The measurement data was recorded with a personal computer through an A / D conversion board (ADXM-FX98, manufactured by Canopus, A / D conversion resolution 16 bits, number of channels 16 ch). The sampling frequency, high cut frequency, and low cut time constant at that time were 128 Hz, 30 Hz, and 0.3 sec, respectively. The measurement site was a monopolar measurement of 10 points of Fp1, Fp2, F3, F4, T3, T4, P3, P4, O1, and O2 based on the international 10-20 electrode method, and the right earlobe A2 was used as a reference electrode. All measurements were performed in the same shielded room with the aim of keeping the environmental noise and the psychological effect on the subject constant. The subjects were five boys, 22 to 24 years old, who were both physically and mentally healthy. In addition, only data measured from a subject who has already undergone electroencephalogram measurement multiple times and is accustomed to electroencephalogram measurement was used.
[0041]
At the time of measurement, the subject was told to measure four types of reference sensibility: angel (anger), sadness (sadness), joy (joy), and relaxation (relaxation), and mental training to recall each sensation state I went. afterwards,
1. I imagine one sensibility and tell her to keep that state for about 10 minutes.
[0042]
2. The first three minutes are a preparation period for the subject and a period during which no recording is performed.
[0043]
3. Thereafter, recording for 3 to 5 minutes is performed, and this is used as reference data used for learning.
[0044]
4. Subsequently, recording for 1 to 3 minutes is performed, and this is used as evaluation data used for the test.
[0045]
After resting for 5.5 minutes, 1. Return and tell the next sensitivity.
[0046]
The measurement was performed according to the following procedure.
[0047]
[Comparison of learning performance with reference signal as reference input]
For example, FIG. 6 shows a table showing the recognition rate of a signal (referred to as a reference signal) clearly indicating a state of pleasure prepared in advance for an experiment. In this experiment, the case where the known sensitivity spectrum analysis method described in the section of the related art is used is represented as “ESAM”, and the case where the sensitivity fractal dimension analysis method of the present embodiment is used is represented as “EFAM”. . As can be seen from FIG. 6, the recognition rates of both methods are higher than 80%, and although the learning rate is improved by several% in the present embodiment, the recognition rates are almost the same.
[0048]
FIG. 7A shows an analysis result by the sensitivity spectrum analysis method and FIG. 7B shows an analysis result by the sensitivity fractal dimension analysis method in an analysis example in which a reference signal is input. The recognition rate itself is a recognition rate of 80% or more. If the output value changes over time, the emotional spectrum analysis method indicates that each output value [anger (anger), sadness (sadness), joy (joy) ), Relaxation (relaxation)] fluctuates remarkably, and it can be said that the output is irregular. That is, [0010] is difficult to come out accurately. On the other hand, as shown in FIG. 7 (B), according to the present embodiment, only the output of joy (joy) appears largely, and other outputs have little fluctuation. Therefore, according to the embodiment of the present invention, the output of [0010] is reliably obtained.
[0049]
[Comparison of recognition performance for evaluation signals]
FIG. 8 shows a table showing the recognition rate of the evaluation signal (a signal prepared in advance as a signal close to the actually measured brain wave signal and representing joy in this experiment). In the sensitivity spectrum analysis method (ESAM), the average recognition rate of the four sensitivity of subjects C and D is 49% and 48%, which is an average recognition rate of 50% or less. In the emotional fractal dimension analysis method (EFAM), the recognition rate of the average between emotions is greatly improved to 89%. Even with the five-person average, the sensitivity recognition analysis method has an average recognition rate of 52%, but the sensitivity fractal dimension analysis method has an average recognition rate of 80%. In addition, if attention is paid to the lowest recognition rate among the four sensitivity, the lowest recognition rate is 20 to 32% in subjects B, C, D, and E according to the sensitivity spectrum analysis method. Thus, among four persons, there is a reference sensitivity having a recognition rate of 1/3 or less. When the minimum recognition rate is low, a type 1 error that recognizes a target sensitivity as a critical sensitivity occurs, and a type 2 error that recognizes a non-target sensitivity as a target sensitivity occurs. Therefore, not only does the recognition rate of the target sensitivity decrease, but also the reliability of the recognition result of the total sensitivity decreases. In the Kansei fractal dimension analysis method, the minimum recognition rate in the previous subject has been improved to 48 to 75%.
[0050]
FIG. 9A shows an analysis result by the emotional spectrum analysis method and FIG. 9B shows an analysis result by the emotional fractal dimension analysis method in an analysis example in which an evaluation signal is input. In this example, a signal for evaluation of joy was input, and the recognition rate was 36% in the sensitivity spectrum analysis method, but was 95% in the sensitivity fractal dimension analysis method, and the recognition rate was greatly improved. You can see that.
[0051]
[Relationship between decrease in number of electrodes of measurement means and electrode arrangement]
In the Kansei fractal dimension analysis method, the change of the recognition rate when the number of electrodes used was reduced and the electrode arrangement when the number of electrodes were reduced were verified. The electrodes to be arranged are symmetrical, and Fp1 and Fp2 shown in FIG. 2 are collectively represented as Fp, and similarly represented as F, T, P, and O. FIGS. 10 and 11 show the first and second types of recognition rates for the evaluation signal, the average of the lowest recognition rates among subjects, and the lowest recognition rate among the five subjects. From these results, it can be seen that, depending on the arrangement of the electrodes, the analysis can be performed without significantly lowering the recognition rate even when the number of electrodes is 8 or 6, as compared with the case where the number of electrodes is 10. The recognition rates for the evaluation data are 78% (first type) in EFAM (8 ch), 80% (first type) in EFAM (6 ch), 71% (same as above) in EFAM (4 ch), and ESAM ( A recognition rate better than the recognition rate of 52% (same as above) at 10 ch) was obtained, and it can be confirmed that the sensitivity fractal dimension analysis method has excellent performance in recognizing unlearned data.
[0052]
In addition, when the number of channels was reduced, verification was performed based on the type 1 and type 2 recognition rates. As a result, when 4 channels are arranged, the lowest recognition rate average is higher in the occipital region O and the combination of the frontal region and the temporal region. When 6 channels are arranged, the average lowest recognition rate decreases when the electrodes 4ch are concentrated on the frontal regions Fp and F. Conversely, in the combination including the temporal region T and the occipital region O or P, the average lowest recognition rate is high. In the case where 8 channels are arranged, a decrease in the recognition rate is observed when no electrodes are arranged on the temporal region T and the occipital region O.
[0053]
When each kansei is quantitatively evaluated by signal processing and recognition processing using fractal dimension analysis, the number of kansei features used for recognition is reduced by 1 / It could be reduced to 3. In addition, in an evaluation experiment performed using linear mapping as recognition, an average recognition rate improvement of about 30% as compared with the related art was found in comparison of the recognition rate for brain wave data not used during learning. In addition, since the recognition rate can be maintained even with a small number of channels, the electrode mounting time can be shortened, and the number of required biological amplifiers can be reduced. Cost reduction is also possible. Therefore, when the present invention is used, application of sensitivity analysis to various cases and application to human interface research using brain waves can be expected.
[0054]
FIG. 12 is a diagram showing a concept in a case where a hierarchical chaotic neural network is used as a discriminating method that can be used by the discriminating means 4. This example is a system for processing an electroencephalogram signal measured on 10 channels. The input is separated into three bands of θ wave, α wave and β wave as pre-processing, and fractal dimension is added in addition to processing such as cross-correlation. Perform analysis. As a result, 135 input signals are generated, which are input to the hierarchical chaotic neural network. In the intermediate layer, forty-five neurons are arranged, and neurons corresponding to four sensibilities of emotions are arranged at the output. Then, the subject is presented with a standard stimulus of emotions and emotions, which is the basis of learning, and a teacher signal (a reference signal for brain function discrimination) corresponding to the sensibility of emotions and emotions is output to neurons in the output layer. give. In this example, as in the previous example, fractal dimension analysis is performed, so it is possible to extract sensitivity information by extracting information related to complexity in brain activity that cannot be obtained only from amplitude information of biological signals as in the past. it can. Introducing independent component analysis as preprocessing of an electroencephalogram signal (biological signal) removes biological noise, thereby realizing more accurate measurement and processing.
[0055]
A number of papers have been published on neural nets, and various published patent publications also show the manner of use thereof and are known. For example, A Vol. Of “Transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers” issued in January 2001. J84-ANo. 1 On pages 33 to 41, Masahiro Nakagawa and Yoshio Onosaka also introduce a hierarchical chaotic neural network in a paper entitled "Error Back Propagation Method Using Periodic Chaotic Neurons". Japanese Patent Application Laid-Open Nos. H5-40840, H6-337852, H8-212275, and H8-235351 disclose examples of the use of neural networks.
[0056]
As shown in FIG. 12, when a hierarchical chaotic neural network is used as a discrimination method, an analysis signal for brain function measurement obtained by a fractal dimension analysis method is input to an input layer, and a reference signal for brain function discrimination is output to an output layer. Should be entered. FIG. 13 shows the results of the case where the neural network (NN) is used and the case where the linear mapping is used when the brain wave signal is measured under the same conditions. As can be seen from FIG. 13, the average recognition rate of the brain function can be increased by using the neural network (NN) as compared with the case of obtaining the linear mapping in the embodiment of FIG.
[0057]
Further, by using the brain function measuring method and apparatus of the present invention, a portable sensation measuring and processing system can be constructed, and is expected to be used not only for individuals but also for medical treatment as a stress relief apparatus in modern society.
[0058]
【The invention's effect】
According to the present invention, a fractal analysis method for obtaining a fractal dimension from a signal based on an electroencephalogram signal is used to quantitatively determine a brain function based on an electroencephalogram signal. And the advantage that the average recognition rate of the brain function can be greatly improved as compared with the related art.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram schematically illustrating a configuration of an example of an embodiment of a brain function measurement device that performs a brain function measurement method of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an arrangement of electrodes for obtaining an electroencephalogram signal.
FIG. 3 is a diagram showing the concept of an example of a brain function determination method executed using the embodiment of FIG. 1;
FIG. 4 is a diagram showing a matrix.
FIG. 5 is a diagram used to explain signal extraction using an analysis window.
FIG. 6 is a table showing recognition rates for reference signals.
FIG. 7A is a diagram showing an analysis result by a sensitivity spectrum analysis method, and FIG. 7B is a diagram showing an analysis result by a sensitivity fractal dimension analysis method.
FIG. 8 is a table showing a recognition rate of an evaluation signal in a table.
FIG. 9A is a diagram showing an analysis result by a sensitivity spectrum analysis method when an evaluation signal is input, and FIG. 9B is a diagram showing an analysis result by a sensitivity fractal dimension analysis method.
FIG. 10 is a table showing a first type recognition rate, an average of the lowest recognition rates among subjects, and a lowest recognition rate among five subjects with respect to an evaluation signal.
FIG. 11 is a table showing the second type of recognition rate, the average between subjects of the lowest recognition rate, and the lowest recognition rate among five subjects for the evaluation signal.
FIG. 12 is a diagram showing a concept when a hierarchical chaotic neural network is used as a discriminating method.
FIG. 13 is a diagram showing the results of a case where a neural network (NN) is used and a case where a linear mapping is used, when an electroencephalogram signal is measured under the same conditions.
[Explanation of symbols]
1 Reference signal storage means
2 Measurement means
3 Brain function measurement analysis signal acquisition means
4 Determination means

Claims (8)

状況の変化に対応して被測定者の脳から複数種類の脳波信号を予め測定する事前測定ステップと、
測定した前記複数の脳波信号と所定の解析法とに基づいて脳機能を定量的に判別するための脳機能判別用リファレンス信号を状況の変化に対応してそれぞれ取得するリファレンス信号取得ステップと、
所定の状況下にある前記被測定者の脳から複数の脳波信号を測定する実測ステップと、
前記実測ステップで得た前記複数の脳波信号と前記所定の解析法とを用いて脳機能計測用解析信号を取得する脳機能計測用解析信号取得ステップと、
前記脳機能計測用解析信号を前記脳機能判別用リファレンス信号を用いて所定の判別法により解析判別することにより前記被測定者の脳機能の状態を計測する脳機能計測方法であって、
前記所定の解析法としてフラクタル次元解析法を用いることを特徴とする脳機能計測方法。
A pre-measurement step of pre-measuring a plurality of types of electroencephalogram signals from the subject's brain in response to changes in the situation,
Reference signal acquisition step of acquiring a reference signal for brain function determination for quantitatively determining a brain function based on the plurality of measured brain wave signals and a predetermined analysis method in accordance with a change in situation,
An actual measurement step of measuring a plurality of electroencephalogram signals from the subject's brain under a predetermined situation,
A brain function measurement analysis signal obtaining step of obtaining a brain function measurement analysis signal using the plurality of brain wave signals obtained in the actual measurement step and the predetermined analysis method,
A brain function measurement method for measuring the state of the brain function of the subject by analyzing and determining the analysis signal for brain function measurement by a predetermined determination method using the reference signal for brain function determination,
A brain function measurement method, wherein a fractal dimension analysis method is used as the predetermined analysis method.
前記リファレンス信号取得ステップ及び前記脳機能計測用解析信号取得ステップでは、前記複数の脳波信号を予め定めた複数の帯域に分離し、各帯域毎に前記脳機能判別用リファレンス信号及び前記脳機能計測用解析信号を取得することを特徴とする請求項1に記載の脳機能計測方法。In the reference signal obtaining step and the brain function measurement analysis signal obtaining step, the plurality of brain wave signals are separated into a plurality of predetermined bands, and the reference signals for brain function determination and the brain function measurement are provided for each band. The brain function measurement method according to claim 1, wherein an analysis signal is obtained. 前記リファレンス信号取得ステップ及び前記脳機能計測用解析信号取得ステップでは、前記複数の脳波信号を予め定めた複数の帯域に分離し、帯域分離した前記複数の脳波信号から選択した2つ脳波信号の差や積等を取ることにより前記2つの脳波信号間の相互相関の信号を作り、
前記相互相関の信号を前記フラクタル次元解析法により解析することを特徴とする請求項1または2に記載の脳機能計測方法。
In the reference signal acquiring step and the brain function measurement analysis signal acquiring step, the plurality of brain wave signals are separated into a plurality of predetermined bands, and a difference between two brain wave signals selected from the plurality of band-separated brain wave signals. By taking the product or the like, a signal of the cross-correlation between the two brain wave signals is created,
The brain function measurement method according to claim 1, wherein the cross-correlation signal is analyzed by the fractal dimension analysis method.
前記フラクタル次元解析法では、
前記相互相関の信号をそれぞれ微小時間間隔毎に解析して各微小時間間隔におけるフラクタル次元を求め、
前記各微小時間間隔毎の前記相互相関の信号の前記フラクタル次元の変化を時間に対する相関次元として表すことを特徴とする請求項1,2または3に記載の脳機能計測方法。
In the fractal dimension analysis method,
The signal of the cross-correlation is analyzed at each minute time interval to determine a fractal dimension at each minute time interval,
4. The brain function measurement method according to claim 1, wherein a change in the fractal dimension of the cross-correlation signal at each of the minute time intervals is represented as a correlation dimension with respect to time.
前記所定の判別法として、線形写像と相互相関計数のマトリックスの演算結果を用いて判別結果を得る判別法を用い、
前記リファレンス信号取得ステップでは、前記脳機能判別用リファレンス信号として前記相互相関計数を求め、
前記脳機能計測用解析信号取得ステップでは前記脳機能計測用解析信号として前記線形写像を得ることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の脳機能計測方法。
As the predetermined discriminating method, using a discriminating method of obtaining a discriminating result by using an operation result of a linear mapping and a matrix of a cross-correlation coefficient,
In the reference signal obtaining step, the cross-correlation coefficient is obtained as the brain function determination reference signal,
5. The brain function measurement method according to claim 1, wherein the linear mapping is obtained as the brain function measurement analysis signal in the brain function measurement analysis signal acquiring step.
前記所定の判別法としてニューラルネットを用いることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の脳機能計測方法。The brain function measurement method according to claim 1, 2, 3, or 4, wherein a neural network is used as the predetermined discrimination method. 前記ニューラルネットは、階層型ニューラルネットまたは階層型カオスニューラルネットであり、
前記脳機能判別用リファレンス信号を前記ニューラルネットの出力層に与えることを特徴とする請求項6に記載の脳機能計測方法。
The neural network is a hierarchical neural network or a hierarchical chaotic neural network,
7. The brain function measurement method according to claim 6, wherein the reference signal for brain function determination is provided to an output layer of the neural network.
状況の変化に対応して被測定者の脳から複数種類の脳波信号を予め測定し、測定した前記複数の脳波信号と所定の解析法とに基づいて脳機能を定量的に判別するための脳機能判別用リファレンス信号を取得したものを記憶するリファレンス信号記憶手段と、
所定の状況下にある前記被測定者の脳から複数の脳波信号を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定した前記複数の脳波信号と前記所定の解析法とを用いて脳機能計測用解析信号を取得する脳機能計測用解析信号取得手段と、
前記脳機能計測用解析信号を前記脳機能判別用リファレンス信号を用いて所定の判別法により解析判別することにより前記被測定者の脳機能の状態を計測する判別手段とを備えた脳機能計測装置であって、
前記脳機能判別用リファレンス信号がフラクタル次元解析法を用いて得たものであり、前記脳機能計測用解析信号取得手段では前記所定の解析法としてフラクタル次元解析法を用いることを特徴とする脳機能計測装置。
A brain for measuring a plurality of types of electroencephalogram signals in advance from the subject's brain in response to a change in the situation, and for quantitatively determining a brain function based on the measured plurality of electroencephalogram signals and a predetermined analysis method Reference signal storage means for storing the acquired function determination reference signal,
Measuring means for measuring a plurality of electroencephalogram signals from the subject's brain under a predetermined situation,
Brain function measurement analysis signal acquisition means for acquiring a brain function measurement analysis signal using the plurality of brain wave signals measured by the measurement means and the predetermined analysis method,
A brain function measurement apparatus comprising: a determination unit configured to analyze and determine the analysis signal for brain function measurement by a predetermined determination method using the reference signal for brain function determination to measure a state of brain function of the subject. And
The brain function determination reference signal is obtained by using a fractal dimension analysis method, and the brain function measurement analysis signal obtaining means uses a fractal dimension analysis method as the predetermined analysis method. Measuring device.
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