JP2004192252A - 電気機器の監視制御システム及び監視制御方法 - Google Patents
電気機器の監視制御システム及び監視制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】制御装置21によって、集中管理センタ10からの温度調整装置23の制御命令が受信され、この制御命令に基づいて温度調整装置の設定温度が変更され、当該温度調整装置23が前記設定温度に達するまでの消費電力と到達時間の情報とを受け取り、前記集中管理センタ10に送信し、この集中管理センタ10は、前記消費電力または到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記温度調整装置23のメンテナンスが必要とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば建物内に設置された温度調整装置の制御、監視に係り、特に温度調整装置のメンテナンスや取り替え時期の情報を当該温度調整装置自身が収集し、送信する電気機器の監視制御システム及び監視制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、事務所や店舗等の建物に設置されている温度調整装置は、省エネルギーと居住者の温熱感覚を快適に保つこととを両立することを目的とした制御、監視システムが求められつつある。このようなシステムにおいては、例えば外気温、日射量、居住者人数といった要素から、熱負荷、室温変化、壁の温度変化を予想した上で最適な省エネルギー制御を実施する等、これまで以上にきめ細かな監視、制御システムが必要とされている。また1つの建家内に配置された温度調整装置を一括して管理するシステムも提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−307250公報(第4−5頁、第1図)。
【0004】
【特許文献2】
特開2001−133102公報(第3−4頁、第1図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシステムでは、温度調整装置自身の性能が省エネルギーと居住者の快適性に大きく影響するが、一般に温度調整装置、例えば空調機等において、フィルターの目詰まり等による性能の劣化や、空調能力と負荷のアンバランスが発生した等により、設定温度に達するまでに要する時間が多少長くなったり、消費電力が増加する等の状況が発生しても、空調機の全体のシステムとして認識できないことが多い。このような状態であると、省エネルギー効果や居住者の快適性を提供することが困難となるため、これらの問題に対応するために保守要員等による定期的な巡回、検診等による作業が必要となり、維持費としての負担が多きいという問題がある。また1つの建家内に配置された温度調整装置を一括して管理するシステムでは、複数の建家内に配置されている空調機等を一括管理することができない。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、異なる建家内に設置された温度調整装置の状態を当該温度調整装置自身が検出し、この検出された情報を管理センタ側で一括して管理することで、温度調整装置の巡回保守作業の作業量を図ることができる電気機器の監視制御システム及び監視制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、建家に設けられた電気機器と、前記建家に設けられた前記電気機器を制御する制御装置と、この制御装置が保持する情報を通信網を介して共有する管理サーバとを備えた電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0008】
また、前記電気機器が当該電気機器の温度を検出する温度検出手段を有することを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0009】
さらに、前記電気機器が当該電気機器の消費電力を検出する消費電力検出手段を有することを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0010】
また、前記管理サーバが、前記電気機器の前記温度検出手段で検出された温度の情報及び前記消費電力検出手段で検出された消費電力の情報から前記電気機器のメンテナンスの必要の有無を判定し、前記メンテナンスが実行されたメンテナンス情報を管理することを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0011】
また、本発明は、消費電力検出手段及び温度検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムであって、前記制御装置は、前記ホストコンピュータ装置からの前記電気装置の制御命令を受信する受信手段と、この制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行手段と、前記消費電力検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力の情報と、前記温度検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報とを記憶する第1の情報記憶手段と、記第1の情報記憶手段に記憶された前記消費電力及び到達時間の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信手段とを備え、前記ホストコンピュータ装置は、前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信手段と、前記制御装置から前記消費電力及び到達時間の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶手段と、前記第2の情報記憶手段により記憶された前記消費電力または到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証手段とを備えることを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0012】
即ち、制御装置によって、ホストコンピュータ装置からの電気装置の制御命令が受信され、この制御命令に基づいて電気装置の設定温度が変更される。そして前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力と到達時間の情報とを受け取り、前記ホストコンピュータ装置に送信する。前記ホストコンピュータ装置は、前記消費電力または到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とする。
【0013】
従って、異なる建家内に設置された温度調整装置の状態を当該温度調整装置自身が検出し、この検出された情報をホストコンピュータ装置が設置されている管理センタ側で一括して管理することで、温度調整装置の巡回保守作業の作業量の負荷を軽減することができる。
【0014】
さらに本発明は、消費電力検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムであって、前記制御装置は、前記ホストコンピュータ装置からの前記電気装置の制御命令を受信する受信手段と、この制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行手段と、前記消費電力検出手段から受け取った情報に基づいて前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力の情報を受け取り、記憶する第1の情報記憶手段と、前記第1の情報記憶手段に記憶された前記消費電力の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信手段とを備え、前記ホストコンピュータ装置は、前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信手段と、前記制御装置から前記消費電力の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶手段と、前記第2の情報記憶手段により記憶された前記消費電力の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証手段とを備えることを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0015】
また本発明は、温度検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムであって、前記制御装置は、前記ホストコンピュータ装置からの前記電気装置の制御命令を受信する受信手段と、この制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行手段と、前記温度検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報を受け取り、記憶する第1の情報記憶手段と、前記第1の情報記憶手段に記憶された前記到達時間の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信手段とを備え、前記ホストコンピュータ装置は、前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信手段と、前記制御装置から前記到達時間の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶手段と、前記第2の情報記憶手段により記憶された前記到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証手段とを備えることを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0016】
さらに、前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされ、前記電気装置のメンテナンスが行われた後、再度前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされるまでの期間が所定の閾値に達すると、前記電気装置の寿命とする寿命検証手段をさらに備えることを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0017】
また、前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報が所定の閾値に達すると、前記電気装置の寿命とする寿命検証手段をさらに備えることを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0018】
さらに、前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされ、前記電気装置のメンテナンスが行われた後、再度前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされるまでの期間、または前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報が所定の閾値に達すると、前記電気装置の寿命とする寿命検証手段をさらに備えることを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0019】
また、前記メンテナンス時期検証手段または寿命検証手段は、前記消費電力検出手段から受け取った1日の消費電力の変化情報と、前記温度検出手段から受け取った1日の温度変化の情報とに基づいて、前記消費電力及び温度の変化が最も少ない時間帯に検証を行うことを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0020】
さらに、前記メンテナンス時期検証手段または寿命検証手段は、前記メンテナンス時期検証手段または寿命検証手段は、前記電気装置の初期性能、温度調整空間の容量及び外部からの熱負荷の変動に基づいて検証することを特徴とする電気機器の監視制御システムとしたものである。
【0021】
また本発明は、消費電力検出手段及び温度検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムを用いた電気機器の監視制御方法であって、前記ホストコンピュータ装置が、前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信ステップと、前記制御装置が、前記制御命令を受信する受信ステップ手段と、前記制御装置が、前記制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行ステップと、前記制御装置が、前記消費電力検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力の情報と、前記温度検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報とを記憶する第1の情報記憶ステップと、前記制御装置が、前記第1の情報記憶手段に記憶された前記消費電力及び到達時間の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信ステップと、前記ホストコンピュータ装置が、前記消費電力及び到達時間の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶ステップと、前記ホストコンピュータ装置が、前記第2の情報記憶手段により記憶された前記消費電力または到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証ステップとを備えることを特徴とする電気機器の監視制御方法としたものである。
【0022】
また本発明は、建家に設けられた電気機器と、前記建家に設けられた前記電気機器を制御する制御装置と、この制御装置が保持する情報を通信網を介して共有する管理サーバとを備えた電気機器の監視制御システムを用いた電気機器の監視制御方法であって、前記管理サーバは、前記制御装置に前記電気機器の設定温度を変更する指示を送信し、前記温度検出手段で検出された温度変化の推移情報及び前記消費電力検出手段で検出された消費電力の変化の推移情報を受信し、受信したこれらの推移情報と、当該管理サーバで保持している予め設定された前記電気機器の温度及び消費電力の情報の期待値とを比較し、前記推移情報と前記期待値との相違度合いから前記電気機器の性能を判定することを特徴とする電気機器の監視制御方法としたものである。
【0023】
即ち、管理サーバが受信した建家内で検出された温度変化の推移情報及び消費電力の変化の推移情報と、管理サーバで保持している予め設定された電気機器の温度及び消費電力の情報の期待値とが管理サーバによって比較され、前記推移情報と前記期待値との相違度合いから前記電気機器の性能が判定される。
【0024】
従って、異なる建家内に設置された温度調整装置の状態を当該温度調整装置自身が検出し、この検出された情報をホストコンピュータ装置が設置されている管理センタ側で一括して管理することで、温度調整装置の巡回保守作業の作業量の負荷を軽減することができる。
【0025】
さらに本発明は、建家に設けられた電気機器と、前記建家に設けられた前記電気機器を制御する制御装置と、この制御装置が保持する情報を通信網を介して共有する管理サーバとを備えた電気機器の監視制御システムを用いた電気機器の監視制御方法であって、前記管理サーバは、前記制御装置に前記電気機器の設定温度を変更する指示を送信し、前記温度検出手段で検出された温度変化の推移情報及び前記消費電力検出手段で検出された消費電力の変化の推移情報を受信し、受信したこれらの推移情報と前記メンテナンス情報とを比較し、前記電気機器の寿命を判定することを特徴とする電気機器の監視制御方法としたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気機器の監視制御システムの構成を示す系統構成図である。
【0027】
本実施形態の電気機器の監視制御システムは、例えば異なる建家20に設置されている空調機等の温度調整装置が自身のメンテナンス等の情報を検出し、この検出した情報を集中管理センタ10で一括管理するものである。
【0028】
この電気機器の監視制御システムでは、各種の通信事業者が所有し管理する広域通信網11によって、この広域通信網11には、温度調節を行うための空調機等の温度調整装置23が設置されている複数の建家20と、これらの建家20に設置されている温度調整装置23の一括管理を行う集中管理センタ10とが接続されている。
【0029】
広域通信網11としては、電話通信事業者が所有する電話網またはテレビ局等が所有するケーブルTV網等が挙げられる。
【0030】
建家20は、少なくとも制御装置21、電源供給装置22、単数または複数の温度調整装置23を有する。また前記集中管理センタ10は記憶装置10aを有する。
【0031】
図2は、温度調整装置23の詳細構成例を示す機能ブロック図である。温度調整装置23は、前記電源供給装置22から電源の供給を受ける電源部34と、建家20の温度調整を行う温度調整部33と、建家20の温度調整場所の温度を検出し、前記制御装置21に出力する温度検出手段31と、当該温度調整装置23の消費電力を検出し、検出した消費電力の情報を制御装置21に出力する消費電力検出手段32とを有する。また制御装置21は、温度検出手段31から出力された温度の情報及び消費電力の情報と、当該温度調整装置23のメンテナンスやオーバーホール時に温度調整装置23から出力される温度の情報及び消費電力の情報のそれぞれの期待値(予想される値)を記憶する記憶手段21aを有する。またこの期待値は、温度調整装置23の初期性能、建家20内の温度調整空間の容量及び温度調整装置23の外部からの熱負荷の変動等様々な要因を考慮して算出してもよい。
【0032】
次に、本実施形態に係る電気機器の監視制御方法を適用した電気機器の監視制御システムの動作について図3のシーケンス図を参照して説明する。
【0033】
S1で、集中管理センタ10は、温度変更の指示である制御命令を広域通信網11を介して温度調整装置23の制御装置21に送信する。S2で、この制御命令を受信した温度調整装置23の制御装置21は、温度調整部33に制御命令に基づいて所定の設定温度への変更の指示を出す。S3で、温度調整装置23の制御装置21は、S2で指示された温度変更が行われた後、この設定温度に達するまでの消費電力の情報を消費電力検出手段32により出力する。また温度調整装置23の制御装置21は、設定温度に達するまでの到達時間の情報を温度検出手段31により出力する。そして温度調整装置23の制御装置21は、これらの情報を記憶手段21aに記憶する一方、これらの情報及び記憶手段21aに保存されている期待値を広域通信網11を介して集中管理センタ10に送信する。
【0034】
S4で、集中管理センタ10は、S3において送信された情報を受信し、記憶装置10aに記憶する。S5で、集中管理センタ10は、記憶装置10aに記憶された情報に基づいて、温度調整装置23の性能を診断する。この温度調整装置23の性能の診断方法の詳細については図4及び図5を参照して説明する。
【0035】
図4は、温度調整装置23が設定温度に達するまでに要する時間推移を継続的に示す概念例である。縦軸は、温度調整装置23が設定された温度に達するまでに要する時間であり、横軸は経過する年月日である。
【0036】
図4に示すように、一般に温度調整装置23が使用され、年月日yが経過するに従い、設定温度に達するまでに要する時間τは徐々に長くなるため、グラフは右肩上がりの直線となる。例えば、温度調整装置23が新設時の正常値τ0から最初にメンテナンスを行うまでの経過期間(メンテナンスの周期)をΔT1とすると、設定温度に達するまでに要する時間τは正常値τ0から徐々に長くなり、予め設定されているメンテナンスが必要な値の時間τ1に達するとメンテナンスを実施する。このメンテナンスにより、設定温度に達するまでに要する時間τは、新設時(またはオーバーホール時)の初期値τ0近くまで下がる。このとき、設定温度に達するまで時間の初期値τ0とメンテナンス後の設定温度に達するまで時間値τ2との差(τ2−τ0)をΔt1とし、メンテナンスを行った年月日yをメンテナンス時期y1とする。そして温度調整装置23を継続的に使用することにより、メンテナンスが必要な時間値τ1に達すると2回目のメンテナンスが行われる。2回目のメンテナンス周期はΔT2であり、初期値τ0との差(τ3−τ0)はΔt2となる。
【0037】
このような継続使用により、メンテナンス周期ΔTnは、次のように変化する。
【0038】
ΔT1>ΔT2>ΔT3>ΔT4>ΔT5
また、メンテナンス周期ΔTnの変化に従って、Δtnは、次のように変化する。
【0039】
Δt1<Δt2<Δt3<Δt4
以上のようなメンテナンス周期ΔTn及びΔtn両者の推移から、例えばメンテナンス周期ΔTnが予め設定してある所定の値以下、またはΔtnが予め設定してある所定の値以上になると、集中管理センタ10は温度調整装置23の交換やオーバーホールが必要であると判定する(寿命検証手段)。なお、実際に寿命と判定される値である寿命判定時期は、温度調整装置23の個体差や用途によって異なるため、必要に応じてそれぞれの温度調整装置23に対して個別に決定する必要がある。
【0040】
また、図5は、温度調整装置23が設定温度に達するまでに要する消費電力の推移を継続的に示す概念例である。縦軸は、温度調整装置23が設定された温度に達するまでに要する消費電力であり、横軸は経過する年月日である。
【0041】
図5に示すように、一般に温度調整装置23が使用され、年月日yが経過するに従い、設定温度に達するまでに要する消費電力sは徐々に長くなるため、グラフは右肩上がりの直線となる。例えば、温度調整装置23が新設時の正常値s0から最初にメンテナンスを行うまでの経過期間(メンテナンスの周期)をΔT1とすると、設定温度に達するまでに要する消費電力sは正常値s0から徐々に長くなり、予め設定されているメンテナンスが必要な値の消費電力s1に達するとメンテナンスを実施する。このメンテナンスにより、設定温度に達するまでに要する消費電力sは、新設時(またはオーバーホール時)の初期値s0近くまで下がる。このとき、設定温度に達するまで時間の初期値s0とメンテナンス後の設定温度に達するまで時間値s2との差(s2−s0)をΔW1とし、メンテナンスを行った年月日yをメンテナンス時期y1とする。そして温度調整装置23を継続的に使用することにより、メンテナンスが必要な消費電力値s1に達すると2回目のメンテナンスが行われる。2回目のメンテナンス周期はΔT2であり、初期値s0との差(s3−s0)はΔW2となる。
【0042】
このような継続使用により、メンテナンス周期ΔTnは、次のように変化する。
【0043】
ΔT1>ΔT2>ΔT3>ΔT4>ΔT5
また、メンテナンス周期ΔTnの変化に従って、ΔWnは、次のように変化する。
【0044】
ΔW1<ΔW2<ΔW3<ΔW4
以上のようなメンテナンス周期ΔTn及びΔWn両者の推移から、例えばメンテナンス周期ΔTnが予め設定してある所定の値以下、またはΔWnが予め設定してある所定の値以上になると、集中管理センタ10は温度調整装置23の交換やオーバーホールが必要であると判定する(寿命検証手段)。なお図4の場合と同様に、実際に寿命と判定される値である寿命判定時期は、温度調整装置23の個体差や用途によって異なるため、必要に応じてそれぞれの温度調整装置23に対して個別に決定する必要がある。
【0045】
また、上述した図4及び図5から得られる情報を考慮して、総合的に温度調整装置23の交換やオーバーホールが必要であると判定してもよい。例えば、ΔTn、Δtn、ΔWnのいずれかが予め設定した閾値に達したとき、またはΔTn、Δtn、ΔWnのすべてが予め設定した閾値に達したとき、等である。
【0046】
従って、本実施形態によれば、異なる建家20内に設置された温度調整装置23の状態を当該温度調整装置23自身が検出し、この検出された情報を集中管理センタ10側で一括して管理することで、異なる建家20内に設置された温度調整装置23の巡回保守作業の作業量を軽減することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電気機器の監視制御方法を適用した電気機器の監視制御システムは、第1の実施形態によってなされる温度調整装置23の性能及び寿命の検証を当該性能及び寿命に影響を及ぼす様々な要因が少ない時間帯に行うものである。従って、本実施形態に係る電気機器の監視制御システムは、この構成を第1の実施形態に係る電気機器の監視制御システムと同一とし、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
温度調整装置23が設置されている建家20である事務所や店舗では、温度調整装置23が例えば空調機である場合には、居住者の出入りに伴うドアの開閉、居住者の人数、OA機器の稼働に伴う発熱等による熱負荷の変動により、温度調整装置23の正しい性能及び寿命の検証(評価)が出来ない場合や困難な場合が考えられる。また同様に、温度調整装置23が店舗等の低温ショーケースである場合には、顧客等による扉の開閉、商品の収納数、収納状態等によって同様に温度調整装置23の正しい性能及び寿命の評価が出来ない場合や困難な場合が考えられる。
【0049】
そこで、一般に事務所であれば、居住者の出入りが少なく、OA機器の稼働も少ない深夜等の時間帯であれば、温度調整装置23の性能及び寿命の検証に影響を及ぼす様々な要因が少ない。また24時間営業の店舗であっても、日中に比べ顧客の出入りは少なく、影響を及ぼす様々な要因が少ない。従って、これらの時間帯に検証を行うことにより、さらに正しい検証結果を得ることができる。具体的には、影響を及ぼす要因の少ない時間帯の特定は、消費電力検出手段32から受け取った1日の消費電力の変化情報と、温度検出手段31から受け取った1日の温度変化の情報とに基づいて、消費電力及び温度の変化が最も少ない時間帯を特定する。また、要因が大きいと考えられる特定日や特定曜日の検証を行う日から除外することにより、さらに精度の高い検証結果を得ることができる。
【0050】
従って、以上のような実施形態によれば、温度調整装置23の性能及び寿命の検証(評価)に影響を及ぼす要因が少ない時間帯に当該検証を行うことにより、より正しい検証結果を得ることが可能となる。
【0051】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る電気機器の監視制御方法を適用した電気機器の監視制御システムは、期待値を予め採取されたデータから設定せずに、データを採取することなく、予想して算出するものである。
【0052】
本実施形態で用いる期待値を算出するために用いるデータは、温度調整装置23の初期性能、建家内の温度調整空間の容量及び温度調整装置23の外部からの熱負荷の変動等のデータである。これらのデータは、期待値を設定するために新たに採取必要なデータではなく、集中管理センタ10側に予め保持しているデータであり、これらの様々なデータを用いることによって、期待値を算出する。
【0053】
従って、本実施形態によれば、温度調整装置23の性能及び寿命の検証のために用いる期待値を求めるために、新たにデータを採取することがなく、効率よく温度調整装置23の性能及び寿命の検証を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、温度調整装置の状態を当該温度調整装置自身が検出し、この検出された情報を管理センタ側で一括して管理して、温度調整装置の性能及び寿命を検証する。
【0055】
したがってこの発明によれば、異なる建家内に設置された温度調整装置の巡回保守作業の作業量を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電気機器の監視制御システムを示す系統構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る温度調整装置とこの温度調整装置に接続された電源供給装置及び制御装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電気機器の監視制御システムの動作及び電気装置制御監視方法を示すシーケンス図である。
【図4】温度調整装置が設定温度に達するまでに要する時間推移を継続的に表した概念図である。
【図5】温度調整装置が設定温度に達するまでに要する消費電力量の推移を継続的に表した概念図である。
【符号の説明】
10…集中管理センタ
10a…記憶装置
11…広域通信網
20…建家
21…制御装置
21a…記憶手段
22…電源供給装置
23…温度調整装置
31…温度検出手段
32…消費電力検出手段
33…温度調整部
34…電源部
107…正常値
108…閾値
109…メンテナンス時期
110…寿命判定時期
Claims (15)
- 建家に設けられた電気機器と、
前記建家に設けられた前記電気機器を制御する制御装置と、
この制御装置が保持する情報を通信網を介して共有する管理サーバと、
を備えた電気機器の監視制御システム。 - 請求項1に記載の電気機器の監視制御システムにおいて、前記電気機器は、当該電気機器の温度を検出する温度検出手段を有することを特徴とする電気機器の監視制御システム。
- 請求項1に記載の電気機器の監視制御システムにおいて、前記電気機器は、当該電気機器の消費電力を検出する消費電力検出手段を有することを特徴とする電気機器の監視制御システム。
- 請求項1に記載の電気機器の監視制御システムにおいて、前記管理サーバは、前記電気機器の前記温度検出手段で検出された温度の情報及び前記消費電力検出手段で検出された消費電力の情報から前記電気機器のメンテナンスの必要の有無を判定し、前記メンテナンスが実行されたメンテナンス情報を管理することを特徴とする電気機器の監視制御システム。
- 消費電力検出手段及び温度検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムであって、
前記制御装置は、
前記ホストコンピュータ装置からの前記電気装置の制御命令を受信する受信手段と、この制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行手段と、
前記消費電力検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力の情報と、前記温度検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報とを記憶する第1の情報記憶手段と、
前記第1の情報記憶手段に記憶された前記消費電力及び到達時間の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信手段とを備え、
前記ホストコンピュータ装置は、
前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信手段と、
前記制御装置から前記消費電力及び到達時間の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶手段と、
前記第2の情報記憶手段により記憶された前記消費電力または到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証手段と
を備えることを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 消費電力検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムであって、
前記制御装置は、
前記ホストコンピュータ装置からの前記電気装置の制御命令を受信する受信手段と、この制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行手段と、
前記消費電力検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力の情報を受け取り、記憶する第1の情報記憶手段と、
前記第1の情報記憶手段に記憶された前記消費電力の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信手段とを備え、
前記ホストコンピュータ装置は、
前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信手段と、
前記制御装置から前記消費電力の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶手段と、
前記第2の情報記憶手段により記憶された前記消費電力の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証手段と
を備えることを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 温度検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムであって、
前記制御装置は、
前記ホストコンピュータ装置からの前記電気装置の制御命令を受信する受信手段と、この制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行手段と、
前記温度検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報を受け取り、記憶する第1の情報記憶手段と、
前記第1の情報記憶手段に記憶された前記到達時間の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信手段とを備え、
前記ホストコンピュータ装置は、
前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信手段と、
前記制御装置から前記到達時間の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶手段と、
前記第2の情報記憶手段により記憶された前記到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証手段と
を備えることを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 前記請求項5乃至7のいずれかの電気機器の監視制御システムにおいて、
前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされ、前記電気装置のメンテナンスが行われた後、再度前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされるまでの期間が所定の閾値に達すると、前記電気装置の寿命とする寿命検証手段をさらに備えることを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 前記請求項5乃至7のいずれかの電気機器の監視制御システムにおいて、
前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報が所定の閾値に達すると、前記電気装置の寿命とする寿命検証手段をさらに備えることを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 前記請求項5乃至7のいずれかの電気機器の監視制御システムにおいて、
前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされ、前記電気装置のメンテナンスが行われた後、再度前記メンテナンス時期検証手段によってメンテナンスが必要とされるまでの期間、または前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報が所定の閾値に達すると、前記電気装置の寿命とする寿命検証手段をさらに備えることを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 前記請求項5乃至10のいずれかの電気機器の監視制御システムにおいて、
前記メンテナンス時期検証手段または寿命検証手段は、前記消費電力検出手段から受け取った1日の消費電力の変化情報と、前記温度検出手段から受け取った1日の温度変化の情報とに基づいて、前記消費電力及び温度の変化が最も少ない時間帯に検証を行うことを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 前記請求項5乃至10のいずれかの電気機器の監視制御システムにおいて、
前記メンテナンス時期検証手段または寿命検証手段は、前記メンテナンス時期検証手段または寿命検証手段は、前記電気装置の初期性能、温度調整空間の容量及び外部からの熱負荷の変動に基づいて検証することを特徴とする電気機器の監視制御システム。 - 消費電力検出手段及び温度検出手段を備えた複数の電気装置と、これらの電気装置のそれぞれに接続された複数の制御装置と、これらの制御装置を管理するホストコンピュータ装置と、このホストコンピュータ装置と前記複数の制御装置との間を通信回線により接続して通信を可能にする通信網とを具備した電気機器の監視制御システムを用いた電気機器の監視制御方法であって、
前記ホストコンピュータ装置が、前記制御装置に前記電気装置の制御命令を送信する命令送信ステップと、
前記制御装置が、前記制御命令を受信する受信ステップと、
前記制御装置が、前記制御命令に基づいて前記電気装置の設定温度を変更する命令実行ステップと、
前記制御装置が、前記消費電力検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの消費電力の情報と、前記温度検出手段から受け取った前記電気装置が前記設定温度に達するまでの到達時間の情報とを記憶する第1の情報記憶ステップと、
前記制御装置が、前記第1の情報記憶手段に記憶された前記消費電力及び到達時間の情報を前記ホストコンピュータ装置に送信する情報送信ステップと、
前記ホストコンピュータ装置が、前記消費電力及び到達時間の情報を受信し、記憶する第2の情報記憶ステップと、
前記ホストコンピュータ装置が、前記第2の情報記憶手段により記憶された前記消費電力または到達時間の情報が所定の閾値に達すると前記電気装置のメンテナンスが必要とするメンテナンス時期検証ステップと、
を備えることを特徴とする電気機器の監視制御方法。 - 建家に設けられた電気機器と、前記建家に設けられた前記電気機器を制御する制御装置と、この制御装置が保持する情報を通信網を介して共有する管理サーバとを備えた電気機器の監視制御システムを用いた電気機器の監視制御方法であって、
前記管理サーバは、前記制御装置に前記電気機器の設定温度を変更する指示を送信し、前記温度検出手段で検出された温度変化の推移情報及び前記消費電力検出手段で検出された消費電力の変化の推移情報を受信し、受信したこれらの推移情報と、当該管理サーバで保持している予め設定された前記電気機器の温度及び消費電力の情報の期待値とを比較し、前記推移情報と前記期待値との相違度合いから前記電気機器の性能を判定することを特徴とする電気機器の監視制御方法。 - 建家に設けられた電気機器と、前記建家に設けられた前記電気機器を制御する制御装置と、この制御装置が保持する情報を通信網を介して共有する管理サーバとを備えた電気機器の監視制御システムを用いた電気機器の監視制御方法であって、
前記管理サーバは、前記制御装置に前記電気機器の設定温度を変更する指示を送信し、前記温度検出手段で検出された温度変化の推移情報及び前記消費電力検出手段で検出された消費電力の変化の推移情報を受信し、受信したこれらの推移情報と前記メンテナンス情報とを比較し、前記電気機器の寿命を判定することを特徴とする電気機器の監視制御方法。
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