JP2004189898A

JP2004189898A - Method of manufacturing polyethylene terephthalate

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Publication number: JP2004189898A
Application number: JP2002359817A
Authority: JP
Inventors: Masanori Inuzuka; 正憲犬塚; Hiroshi Ishikawa; 石川　　浩; Masakazu Sakano; 正和坂野
Original assignee: Nippon Sharyo Ltd
Current assignee: Nippon Sharyo Ltd
Priority date: 2002-12-11
Filing date: 2002-12-11
Publication date: 2004-07-08

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide high-quality regenerated PET by reducing the weight ratio of the DEG component in obtained PET. <P>SOLUTION: The method has a depolymerizing process of forming crude bis-(β-hydroxyethyl)terephthalate(BHET) by reacting a polyethylene terephthalate(PET) raw material with ethylene glycol in the final stage to depolymerize the PET raw material, a purifying process of forming purified BHET by purifying the crude BHET at least through distillation and a polymerizing process of obtaining PET by adding a polymerization catalyst to the purified BHET to polymerize it. In the polymerizing process, a specified amount of terephthalic acid is added. The method permits increasing the amount of regenerated PET produced and lowering the weight ratio of the DEG component in the regenerated PET according to the amount of regenerated PET increased. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエチレンテレフタレート(以下、ＰＥＴともいう)の製造方法に関し、より詳しくはＰＥＴを解重合することにより得られたビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレ−ト（以下、ＢＨＥＴともいう）を原料とする、ＰＥＴの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＰＥＴは化学的安定性に優れ、軽量かつ適度な強度をもつため、飲料ボトルやフィルム、衣料用繊維等に好適に使用されている。それとともにＰＥＴ製品の廃棄物（以下、廃ＰＥＴという）も増加しており、資源回収及びゴミの減量化の観点からも、廃ＰＥＴをケミカルリサイクルし、リサイクル品も新品のＰＥＴと同様に使用できることが求められている。
【０００３】
ＰＥＴのケミカルリサイクルとして、廃ＰＥＴを直接エチレングリコール（以下、ＥＧともいう）と反応させて解重合することによりＰＥＴの中間原料であるＢＨＥＴを生成し、得られた粗製ＢＨＥＴに対して、脱色・脱イオン・ＥＧ除去等を行った後に蒸留操作を行って精製ＢＨＥＴとし、これを再生ＰＥＴ原料として重縮合する方法が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００４】
また、高結晶化状態にあるＰＥＴでも効率的に分解することのできるＰＥＴの解重合方法として、ＰＥＴとＢＨＥＴ及び／又はその低縮合物とを加熱して予備解重合し、得られた予備解重合生成物をＥＧと反応させる方法が知られている（例えば、特許文献２参照。）。こうして予備解重合及びＥＧによる解重合を経て得られた粗製ＢＨＥＴは、脱色・脱イオン・ＥＧ除去工程等を経て蒸留操作により精製ＢＨＥＴとされた後、重縮合により再生ＰＥＴとされる。
【０００５】
なお、粗製ＢＨＥＴを精製するための従来の蒸留操作では、精製ＢＨＥＴを留出した後の蒸留残渣は廃棄していた。そこで、本出願人は、オリゴエチレンテレフタレートを含む物質によってＰＥＴを予備解重合した後、得られた予備解重合生成物をＥＧとの反応により解重合して粗製ＢＨＥＴとし、しかもこの粗製ＢＨＥＴを蒸留により精製する際に発生する蒸留残渣を、上記オリゴエチレンテレフタレートを含む物質に用いるという、極めて効率的なＰＥＴのリサイクル方法について、既に特許出願している（特願２００２−１２４５０２号）。この方法によれば、従来は廃棄していた蒸留残渣の有効利用を図れるとともに、解重合に要するＥＧの使用量を低減させることができる。
【０００６】
【特許文献１】
国際公開第０１／２９１１０Ａ１号パンフレット（第４−６頁、第１１−１３頁）
【特許文献２】
特開２００１−４８８３４号公報（第３−５頁）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法により得られる精製ＢＨＥＴは、予備解重合工程やＥＧによる解重合工程の他、精製工程等でＥＧを含む状態で繰り返し加熱されるためか、正確な原因は不明であるが、不純物としてのジエチレングリコール(以下、ＤＥＧと略す。)成分が増加する傾向があった。このため、このＤＥＧ成分を含む精製ＢＨＥＴを重縮合して得られたＰＥＴは、ＰＥＴ中に含まれるＤＥＧ成分の重量比の高いもの（５重量％程度）となり、ＰＥＴの軟化点が低下する等、品質上の問題があった。
【０００８】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、得られるＰＥＴ中のＤＥＧ成分の重量比を低下させることのできるＰＥＴの製造法を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のポリエチレンテレフタレートの製造方法は、ポリエチレンテレフタレート原料を最終的にはエチレングリコールと反応させて解重合することにより、粗製ＢＨＥＴを得る解重合工程と、上記粗製ＢＨＥＴを少なくとも蒸留操作することにより精製して精製ＢＨＥＴを得る精製工程と、上記精製ＢＨＥＴに重合触媒を加えて重合することによりポリエチレンテレフタレートを得る重合工程とを備えたポリエチレンテレフタレートの製造方法において、上記重合工程でテレフタル酸を所定量添加することを特徴とするものである。
【００１０】
このＰＥＴの製造方法では、重合工程で精製ＢＨＥＴを重合する際に、重合触媒の他に所定量のテレフタル酸を添加することにより、得られる再生ＰＥＴの生成量を増やすことができ、その結果再生ＰＥＴの増量分に応じて該再生ＰＥＴ中のＤＥＧ成分の重量比（再生ＰＥＴ全体の重量に対するＤＥＧ成分の重量）を低下させることができる。したがって、本発明の製造方法によれば、軟化点が低下する等の品質低下を招くことがなく、高品質のＰＥＴを得ることができる。
【００１１】
好適な態様において、前記テレフタル酸の添加量は、前記精製ＢＨＥＴのモル数以下であり、かつ、該精製ＢＨＥＴに不可避的に含有されるジエチレングリコール成分のモル数以上である。
【００１２】
好適な態様において、前記解重合工程は、前記ポリエチレンテレフタレート原料を、ＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートのうちの少なくとも一種を含む予備解重合用物質によって予備解重合して予備解重合生成物を得る予備解重合工程と、該予備解重合生成物を前記エチレングリコールよって解重合して前記粗製ＢＨＥＴを得る本解重合工程とからなる。
【００１３】
ここに、上記オリゴエチレンテレフタレートとは、下記化学式で示されるものをいう。
【００１４】
−［ＯＣＨ₂ＣＨ₂ＯＣＯＣ₆Ｈ₄ＣＯ］_n 、（ｎは２〜２０程度）
この態様によれば、解重合に要する反応時間の短縮化を図ることができるとともに、解重合に使用するＥＧ量や触媒量を低減させることができる。
【００１５】
好適な態様において、前記予備解重合工程では、前記予備解重合用物質中に含まれるＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートの総量が、前記ポリエチレンテレフタレート原料１重量部に対して０．３〜３重量部となるように、該ポリエチレンテレフタレート原料に対して該予備解重合用物質を用いる。
【００１６】
好適な態様において、前記予備解重合用物質は、前記精製工程以前に実施した先の精製工程で副生された既得蒸留残渣を少なくとも一部に含む。
【００１７】
この態様によれば、従来は廃棄していた蒸留残渣の有効利用を図ることができるとともに、廃棄物の発生量を低減させることができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明のＰＥＴの製造方法は、解重合工程と、精製工程と、重合工程とを備えている。
【００１９】
上記解重合工程では、ポリエチレンテレフタレート原料を最終的にはエチレングリコールと反応させて解重合することにより、粗製ＢＨＥＴを得る。
【００２０】
この重解合工程で用いる上記ＰＥＴ原料としては、飲料ボトル、フィルムや衣料用繊維等の新品のＰＥＴ製品を製造する段階で発生する屑ＰＥＴや、ＰＥＴ製品としての飲料ボトル等を使用した後の回収ＰＥＴを好適に使用することができる。また、テレフタル酸やＥＧ以外の成分（例えば、製品の用途に応じて適宜加えられるイソフタル酸等）が５モル％程度共重合されたＰＥＴを使用することもできる。
【００２１】
上記ＰＥＴ原料の形状としては特に制限はなく、解重合槽に投入しうる形状であれば如何なる形状でもよい。例えば、回収ＰＥＴのそのままの製品形状でも、フィルムやボトル等を裁断したフレーク状のものでもよい。
【００２２】
この重解合工程では、ＰＥＴ原料を直接ＥＧと反応させて解重合することによりＰＥＴの中間原料であるＢＨＥＴを生成してもよいが、ＰＥＴ原料をいったん予備解重合し、得られた予備解重合生成物をＥＧによって解重合することが好ましい。こうすれば、反応時間の短縮化を図ることができるとともに、解重合に使用するＥＧ量や触媒量を低減させることができる。
【００２３】
すなわち、上記解重合工程は、上記ポリエチレンテレフタレート原料を、ＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートのうちの少なくとも一種を含む予備解重合用物質によって予備解重合して予備解重合生成物を得る予備解重合工程と、該予備解重合生成物をＥＧによって解重合して粗製ＢＨＥＴを得る本解重合工程とからなることが好ましい。
【００２４】
ここに、上記予備解重合工程で用いる上記予備解重合用物質としては、公知の任意の方法で生成されたＢＨＥＴ及び／又はそのオリゴマーや、公知の任意の方法で生成されたオリゴエチレンテレフタレートを用いることもできるが、当該精製工程以前に実施した先の精製工程（当該予備解重合工程を実施する当該サイクル以前に実施した先のサイクルにおける精製工程）で副生された既得蒸留残渣を少なくとも一部に含むものを用いることが好ましい。こうすれば、従来は廃棄していた蒸留残渣の有効利用を図ることができるとともに、廃棄物の発生量を低減させることができる。
【００２５】
なお、精製工程で粗製ＢＨＥＴを蒸留操作により精製する際に副生される蒸留残渣は、主としてエチレンテレフタレートあるいはこの低縮合物からなり、その組成の一例を挙げると、エチレンテレフタレートが６０〜８０重量％程度（約７０重量％）、エチレンテレフタレートダイマーが１５〜２５重量％程度（約２０重量％）、及びエチレンテレフタレートトリマーを含むその他の物質が１〜１５重量％程度（約１０重量％）の割合で混在する物質である。
【００２６】
また、この予備解重合工程で用いる予備解重合用物質としては、当該予備解重合工程以前に実施した先の予備解重合工程（当該予備解重合工程を実施する当該サイクル以前に実施した先のサイクルにおける予備解重合工程や、別途単独で先に実施した予備解重合工程）で得られた既得予備解重合生成物を少なくとも一部に含むものを用いることもできる。
【００２７】
なお、予備解重合工程で得られる予備解重合生成物は、オリゴエチレンテレフタレート（エチレンテレフタレートのオリゴマー）を主成分とする物質である。
【００２８】
このように、上記予備解重合用物質としては、好適には、先の精製工程で副生された既得蒸留残渣若しくは先の予備解重合工程で得られた既得予備解重合生成物を単独で又はこれらを混合して用いたり、又はこれらに公知の任意の方法で生成されたＢＨＥＴ（及び／又はそのオリゴマー）を混合したもの用いたりすることができる。
【００２９】
なお、ＰＥＴの製造工程に付随して行われるＥＧ（このＥＧはＰＥＴの製造時に副生したもの）の精製蒸留時に副生する蒸留残渣もＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートの少なくとも一つを含んでいる限り使用することができる。
【００３０】
また、上記予備解重合用物質には、ＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレート以外に、ＥＧや他成分が少量共重合された改質ＰＥＴ等が含まれていてもよい。ただし、ＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレート以外の物質が予備解重合用物質中に含まれる場合の許容量は、該予備解重合用物質１００重量部に対して１〜５重量部未満である。
【００３１】
ここに、上記既得蒸留残渣及び上記既得予備解重合生成物の少なくとも一つを上記予備解重合用物質に用いる場合は、先の精製工程や先の予備解重合工程での溶融状態を保持したままの既得蒸留残渣や既得予備解重合生成物を用いることが好ましい。溶融状態にある既得蒸留残渣や既得予備解重合生成物を溶融状態のままで用いれば、予備解重合する際に所定温度に加熱するための手間やエネルギを低減させることができる。
【００３２】
また、上記既得蒸留残渣及び上記既得予備解重合生成物の少なくとも一つを上記予備解重合用物質に用いる場合は、ＰＥＴの解重合反応をより促進させる観点より、ＢＨＥＴ及びそのオリゴマーのうちの少なくとも一種であって該既得蒸留残渣や該既得予備解重合生成物よりも平均重縮合度が小さいものを加えることが好ましい。
【００３３】
上記予備解重合工程では、上記予備解重合用物質中に含まれるＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートの総量が、上記ＰＥＴ原料１重量部に対して０．３〜３重量部となるように、該ＰＥＴ原料に対して該予備解重合用物質を用いることが好ましい。特に好ましくは、ＰＥＴ原料１重量部に対して、予備解重合用物質中に含まれるＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートの総量を０．５〜２重量部とすることである。ＰＥＴ原料に対する予備解重合用物質の使用量を少なくし過ぎると、予備解重合の開始時に、溶融状態の予備解重合用物質に固体であるＰＥＴが溶け込みにくくなることから、該予備解重合が進んで攪拌が容易に可能となるまでに時間が掛かるだけでなく、該予備解重合が完了して反応物が均一の溶液になるまでに時間が掛かることとなり、予備解重合の反応時間が極端に長くなってしまうおそれがある。また、得られる予備解重合生成物の平均重縮合度が大きくなってしまい、予備解重合の効果の不十分な生成物を本解重合工程に用いることとなり、好ましくない。一方、ＰＥＴ原料に対する予備解重合用物質の使用量を多くし過ぎれば、反応容器が過大となり、経済的に有利でない。
【００３４】
また、本発明の解重合工程では、従来から公知の解重合触媒を用いることができる。この解重合触媒としては、エステル交換反応を促進する化合物であれば如何なるものでもよく、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。より具体的には、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、ナトリウムメチラート等を用いることができる。
【００３５】
上記解重合触媒の添加時期は、ＰＥＴ原料を直接ＥＧにより解重合させる場合はＰＥＴ原料をＥＧにより解重合させる反応の開始時までの段階であればよく、また、上記予備解重合工程を実施する場合は予備解重合生成物をＥＧにより解重合させる反応の開始時までの段階であればよい。
【００３６】
解重合触媒の添加量は、ＰＥＴ原料を直接ＥＧにより解重合させる場合はＰＥＴ原料１重量部に対して０．０１〜０．０００１重量部とすることが好ましく、また、上記予備解重合工程を実施する場合はＰＥＴ原料及び予備解重合用物質（この予備解重合用物質中に含まれるＢＨＥＴ及びそのオリゴマー並びにオリゴエチレンテレフタレートの総量）の総量１重量部に対して０．０１〜０．０００１重量部とすることが好ましい。この解重合触媒の添加量が０．０００１重量部よりも少ないと十分な触媒効果が発揮されず、逆に０．０１重量部を超えて添加してもそれに見合う効果の向上を期待できないばかりでなく、精製工程に悪影響を及ぼすことがある。
【００３７】
上記予備解重合工程を実施するには、まず上記予備解重合用物質を所定量予備解重合槽に仕込み、加熱して液状となす。加熱温度は該物質が液状となる温度以上であればよい。予備解重合用物質が液状になる温度は、該予備解重合用物質中に含まれている物質の重縮合度によって変化するが、１２０〜２５０℃程度とすることができる。なお、前述したように溶融状態にある既得蒸留残渣等を予備解重合用物質に用いる場合は、既に液状となっているので、予備解重合槽の加熱温度を２００℃程度以下とすることができる。
【００３８】
次いで、液状となった予備解重合用物質に所定量のＰＥＴ原料を添加し予備解重合を進める。このときの予備解重合温度は１２０〜２５０℃程度とすることができる。なお、予備解重合温度が１２０℃よりも低いと、生成する粗ＢＨＥＴが固化したり、解重合反応の速度が小さくなったりして、好ましくない。また、予備解重合の反応時間に制限はないが、ＰＥＴの添加後、このＰＥＴが見掛け上完全に反応液中に溶け込んだ状態となった時点以降１時間程度、同温度と攪拌を保てば十分である。
【００３９】
こうして予備解重合工程を実施した後は、得られた予備解重合生成物をＥＧによって解重合して粗製ＢＨＥＴを得る本解重合工程を実施する。
【００４０】
この本解重合工程を実施するには、予備解重合に用いた反応槽（予備解重合槽）に予め加熱しておいたＥＧの所定量を添加して、あるいはこの工程を実施するために用意され、所定量のＥＧが仕込まれて加熱された状態にある別の反応槽（本解重合槽）へ予備解重合生成物の所定量を添加して解重合を進めればよい。
【００４１】
このとき添加されるＥＧの量は、理論的には、該反応に供する予備解重合生成物中のＥＧ成分及び添加されるＥＧ中のＥＧ成分の総量と該予備解重合生成物中のテレフタル酸成分とのモル比が２：１となる量であるが、該解重合反応を円滑に行う為及び次の精製工程を円滑に実施する為に、上記理論量の２〜１０倍量のＥＧを添加することが好ましく、上記理論量の４〜８倍量のＥＧを添加することが特に好ましい。
【００４２】
本解重合工程における反応温度は１８０〜２５０℃の範囲が好ましい。１８０℃未満の温度では、反応速度が小さくなり好ましくない。一方、２５０℃を超える温度にすると、ＥＧの常圧下の沸点を大きく超えるため、反応装置の耐圧上の問題から好ましくない。
【００４３】
本解重合工程における反応時間は反応温度によって変化するが、予備解重合生成物と添加ＥＧとが均一の液体となったことが確認された後３時間程度で十分である。
【００４４】
なお、上記予備解重合工程を実施することなく、ＰＥＴ原料を直接ＥＧと反応させて解重合することによりＢＨＥＴを生成する場合も、上記本解重合工程に準ずる方法により実施することができる。
【００４５】
こうして得られた粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液は、次の精製工程で少なくとも蒸留操作されることにより精製されて精製ＢＨＥＴとされる。
【００４６】
ここに、上記粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液中には、着色剤や添加物等、ＰＥＴ原料中に含まれていた不純物が残存している。これらの不純物を残存させたまま蒸留精製すると、得られる精製ＢＨＥＴは黄褐色に変色することがあり、これを次の重縮合工程で重縮合しても製品に用いることができる高品質のＰＥＴを得ることができない。
【００４７】
そこで、精製工程では、解重合工程で得られた粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液から着色剤、アニオン・カチオン等を除去する脱色・脱イオン工程を、蒸留操作により精製する蒸留工程の前に実施することが好ましい。
【００４８】
上記脱色工程では、上記粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液を公知の脱色剤（例えば活性炭や白土）に接触させることにより、脱色することができる。
【００４９】
上記脱イオン工程では、上記粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液をカチオン交換樹脂及び／又はアニオン交換樹脂と接触させることにより、該粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液から金属カチオンとその対アニオンを除去することができる。
【００５０】
ここに、粗製ＢＨＥＴ中のイオン（アニオン及びカチオン）含有量が１００ｐｐｍ以上であると、蒸留精製時に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、上記脱イオン工程では、粗製ＢＨＥＴ中のイオン含有量が５０ｐｐｍ以下となるように脱イオンすることが好ましい。
【００５１】
上記蒸留操作により精製する蒸留工程では、粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液からＥＧを除去する方法は特に限定されない。しかし、ＢＨＥＴの化学的な性質上、出来る限り低温でかつ出来る限り短時間で蒸留しなければ、蒸留釜に滞留中や蒸発中に望まぬ重合が進むおそれがある。そこで、この蒸留工程では、より短時間でかつより低温でＥＧを除去すべく、分子蒸留器を用いることが好ましい。このとき、分子蒸留器内の圧力は３０Ｐａ以下、蒸留温度は２２０℃以下、蒸留器内でのＢＨＥＴの滞留時間は１分以内とすることが好ましい。このような条件で分子蒸留すれば、粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液の仕込量を調整することにより、仕込まれたＢＨＥＴの約９０重量％を精製ＢＨＥＴとして単離することが可能となる。
【００５２】
ここに、上記蒸留工程で、精製ＢＨＥＴの回収率を高くし過ぎると、すなわち蒸留残渣を少なくし過ぎると、蒸留残渣中の不純物の濃度が高くなりすぎ、場合によっては重合反応を起こしてＰＥＴが生成されてしまう。そして、このＰＥＴによって蒸留器の抜出口付近が閉塞され、蒸留器が故障する等のトラブルが発生するおそれがあるため、蒸留残渣をある程度残しておくことが好ましい。一方、前述のとおり、蒸留残渣は上記予備解重合工程で上記予備解重合用物質として利用することができ、予備解重合用物質として利用する場合は蒸留残渣中のＢＨＥＴ成分の含有量が多い方が予備解重合をより短時間で完了させることができるが、蒸留残渣中のＢＨＥＴ成分の含有量を多くし過ぎると精製ＢＨＥＴの回収率が低下してしまう。これらを比較考慮して、精製ＢＨＥＴの回収率は７０〜９０重量％程度とすることが好ましく、８０重量％程度とすることが特に好ましい。なお、残りのＢＨＥＴ成分は高沸点の残渣と共に釜残として蒸留器底部に残る。
【００５３】
こうして得られた精製ＢＨＥＴは、次の重合工程で、重合触媒を加えて重合することにより再生ＰＥＴとされる。
【００５４】
この重合工程で用いる重合触媒としては特に限定されないが、三酸化アンチモンや二酸化ゲルマニウム等を好適に用いることができる。その添加量は使用する触媒の種類によって異なるが、例えば三酸化アンチモンを使用する場合には、重合工程で精製されるＰＥＴに対して８ミリモル％程度、二酸化ゲルマニウムの場合には３０ミリモル％程度で十分である。
【００５５】
ここに、公知の方法により製造されるＰＥＴには、その製造中に不可避的に副生されるＤＥＧ成分が混在している。このため、本発明で用いるＰＥＴ原料にもＤＥＧ成分が含まれている。そして、このＰＥＴ原料を用いて、上記解重合工程及び上記精製工程を実施すると、正確な理由は定かでないが、これらの工程中にＤＥＧの副生が進む。このため、上記精製工程で得られた精製ＢＨＥＴには、ＰＥＴ原料における含有率よりも高い含有率でＤＥＧ成分が含まれている。なお、このＤＥＧ成分中には、ＤＥＧとテレフタル酸とからなるエステル化合物も含まれている。そして、このＤＥＧ成分を多く含んだ精製ＢＨＥＴを公知の重合方法で重合すると、得られるＰＥＴ中にはＤＥＧ成分が５重量％以上含まれてくる可能性があるので、前述のとおり軟化点の低下等の品質劣化が著しくなる。
【００５６】
そこで、本発明に係る重合工程では、上記精製ＢＨＥＴに上記重合触媒を加えて重合する際に、テレフタル酸を所定量添加することを特徴とする。このように重合工程でテレフタル酸を添加することにより、得られる再生ＰＥＴの生成量を増やすことができ、その結果再生ＰＥＴの増量分に応じて該再生ＰＥＴ中のＤＥＧ成分の重量比（再生ＰＥＴ全体の重量に対するＤＥＧ成分の重量）を低下させるできる。したがって、本発明の製造方法によれば、軟化点が低下する等の品質低下を招くことがなく、高品質のＰＥＴを得ることができる。
【００５７】
すなわち、ＢＨＥＴ１モル中には２モル分のＥＧ単位と１モル分のテレフタル酸単位とが含まれている。一方、生成しようとするＰＥＴの繰り返し単位には１モル分のＥＧ単位と１モル分のテレフタル酸単位とが含まれている。このため、ＢＨＥＴを公知の方法でそのまま高温、高真空下で重合触媒により重縮合してＰＥＴを製造する場合には、理論的には、ＢＨＥＴ１モル当たり、１モル分のＰＥＴ（ＰＥＴの繰り返し単位の分子量に等しいグラム数のＰＥＴの量を１モルとして計算している。以下、同様。）が生成されるとともに、１モルのＥＧが副生されることになる。
【００５８】
この点、本発明に係る重合工程のように、上記精製ＢＨＥＴを重合する際にテレフタル酸が添加されると、理論的には、ＢＨＥＴ１モル当たり、ＢＨＥＴ１モル中に含まれる２モル分のＥＧ単位及び１モル分のテレフタル酸単位と、添加された１モル分のテレフタル酸とが反応することにより、２モル分のＰＥＴが生成されることになる。このため、重合に供する精製ＢＨＥＴ量及び添加されるテレフタル酸の添加量に応じて、得られる再生ＰＥＴの生成量を増やすことができ、その結果再生ＰＥＴの増量分に応じて該再生ＰＥＴ中のＤＥＧ成分の重量比を低下させるできる。
【００５９】
このとき、テレフタル酸の添加量の下限は、上記精製ＢＨＥＴに不可避的に含有されているＤＥＧ成分のモル数とすることが好ましい。テレフタル酸の添加量が上記精製ＢＨＥＴに含有されているＤＥＧ成分のモル数よりも少ないと、再生ＰＥＴ中のＤＥＧ成分の重量比を低下させる効果が小さくなり、好ましくない。
【００６０】
一方、テレフタル酸の添加量の上限は、上記精製ＢＨＥＴのモル数とすることが好ましい。テレフタル酸の添加量が上記精製ＢＨＥＴのモル数よりも多いと、生成されるＰＥＴにおいてＴＡ末端（テレフタル酸の末端）の数が多くなりすぎ、生成されるＰＥＴの品質低下が生じるため、好ましくない。
【００６１】
また、上述のとおり、ＢＨＥＴ１モル中にはＥＧ単位が２モル分含まれている一方、ＰＥＴの繰り返し単位にはＥＧ単位が１モル分含まれており、ＢＨＥＴを公知の方法でそのまま高温、高真空下で重縮合してＰＥＴを製造する場合には、ＢＨＥＴ１モル当たり１モル分のＥＧ単位に相当するＥＧが副生され、これを系外に除去する必要がある。この点、本発明に係る重合工程では、添加されたテレフタル酸１モル分と副生されるはずであったＥＧ１モル分とが反応して１モル分のＰＥＴが生成され、ＥＧの副生が回避される。このため、テレフタル酸の添加量に応じて、副生されるＥＧの量を低減させることができる。このとき、重合に供する精製ＢＨＥＴのモル数と添加されるテレフタル酸のモル数とが同等であれば、理論的には、副生されるＥＧ量を零とすることが可能となる。したがって、テレフタル酸の添加量としては、副生されるＥＧ量をより低減させる観点からは、重合に供する精製ＢＨＥＴのモル数と同等のモル数とすることが最適となる。
【００６２】
なお、上記重合工程における温度や真空度等の反応条件は、特に限定されず、公知の重合方法と同程度とすることができる。
【００６３】
また、上記重合工程におけるテレフタル酸の添加時期としては、ＢＨＥＴの重合開始時以前であればいつでもよく、例えば重合用の反応器に上記精製ＢＨＥＴの一部を仕込み、加熱溶解させたところへ、残余の上記精製ＢＨＥＴに予めテレフタル酸を混合させたスラリー状の混合物を一気に、又は徐々に添加して重合を進めることができる。
【００６４】
上述の通り、本発明は廃棄物或いは屑としてしか扱えなかったＰＥＴから高品質の再生ＰＥＴを効率的に製造する方法であり、産業上或いは社会的に要求されている廃棄物低減という目的に合致する極めて優れた方法である。
【００６５】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記述において「部」として示すものは特に限定しない限り、重量部を示す。
【００６６】
（実施例１）
本実施例は、以下に示す予備解重合工程、本解重合工程、精製工程及び重合工程を実施することにより、回収ＰＥＴボトルから再生ＰＥＴを製造するものである。
【００６７】
＜出発原料の準備＞
まず、使用済みの回収ＰＥＴボトルを公知の方法で粉砕、異樹脂等の除去及び脱水処理することにより、ＰＥＴフレークとし、このＰＥＴフレークを後述する予備解重合工程で用いるＰＥＴ原料（Ａ）とした。
【００６８】
一方、テレフタル酸とＥＧとを１：１．４のモル比でエステル化重縮合することにより、ＢＨＥＴ約３５重量％と、重縮合度２〜４のＢＨＥＴのオリゴマー約６５％とを含む予備解重合用物質（Ｂ）を準備した。
【００６９】
＜予備解重合工程＞
そして、ステンレス製予備解重合反応容器に上記予備解重合用物質（Ｂ）１９０部を入れ、約１９０℃まで加熱することによって溶解させた後、攪拌下に上記ＰＥＴ原料（Ａ）３８４部を投入した。同温度で予備解重合反応を１．５時間続け、反応を終了した。この反応器には還流器をセットしていたので、反応中実質的に系外へ除去されるものはなかった。こうして予備解重合生成物（Ｃ）５７４部を得た。
【００７０】
＜本解重合工程＞
次に、上記予備解重合生成物（Ｃ）の半量２８７部を温度を低下させずに別の容器（本解重合反応容器）へ移した。そして、前もって１８０℃まで加熱しておいたＥＧ３００部と、解重合触媒としての炭酸ソーダ３部とを本解重合反応容器に加え、攪拌下に温度を２２０℃に保ちながら２時間解重合反応を行うことにより、粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（Ｄ）を得た。
【００７１】
この粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（Ｄ）の一部を取出し、分析したところ、ＢＨＥＴ約３６０部、ＥＧ２１５部、及びその他１２部からなり、総量５８７部であった。なお、このその他の部分は殆ど解重合が不十分なオリゴエチレンテレフタレートであった。
【００７２】
＜精製工程＞
上記粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（Ｄ）５８７部を８０℃、大気圧の条件下で活性炭を充填した塔に通して脱色処理した後、同じ条件下でカチオン交換塔及びアニオン交換塔を通して脱イオン処理した。こうして脱色・脱イオン処理した粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液を分子蒸留器に通して先ずＥＧの蒸留除去を行い、次いでＢＨＥＴそのものの蒸留を行って精製ＢＨＥＴ（Ｅ）を得た。得られた精製ＢＨＥＴの分量、回収率及びＤＥＧ含有量等を表１に示す。
【００７３】
【表１】

【００７４】
なお、イオン含有量はイオンクロマトグラフィーによる分析値である。また、蒸留残渣は、エチレンテレフタレートが約７０重量％、エチレンテレフタレートダイマーが約２０重量％、及びエチレンテレフタレートトリマーを含むその他の物質が約１０重量％の割合で混在する物質であった。
【００７５】
＜重合工程＞
上記精製ＢＨＥＴ（Ｅ）を用いて以下に示す方法にて重合した。
【００７６】
窒素置換されたステンレス製溶解容器に上記精製ＢＨＥＴ（Ｅ）８０部を入れ、１６０℃まで加熱してこのＢＨＥＴを完全に溶解した後、市販の触媒グレードの三酸化アンチモン０．０３部を追加し、この三酸化アンチモン粉末が溶解したことを確認後、テレフタル酸１６６部を更に追加し、均一の混合物（Ｆ）とした。
【００７７】
一方、窒素置換された別のステンレス製重合用容器に上記精製ＢＨＥＴ（Ｅ）１７４部を入れ、攪拌下に１３０℃まで加熱溶解させ、そこへ上記混合物（Ｆ）を徐々に添加した。混合されたテレフタル酸が完全に分散された後、加熱を強め徐々に内温を上げ、この混合物が透明な液体となるまで常圧下に加熱を続けた。透明となつた時点での内温は２４０℃であり、大部分水からなる低沸成分が蒸留除去されたが、除去されたものの中にはＥＧは実質的に含まれていなかった。また、上記混合部（Ｆ）の添加以降、反応に要した時間は約１時間であった。
【００７８】
その後、系の圧力を徐々に減じて最終的に１５Ｐａまで低下し、６０分経過後、重合反応を終了させた。
【００７９】
こうして得られたＰＥＴ（Ｇ）の一部３５０部を取出し、３５℃のオルソクロロフェノール中に１．２ｇ／１００ｍｌの濃度でＰＥＴを添加したときの粘度、カラーマシンによる色調ｂ値、及びこのＰＥＴ中に含まれるＤＥＧ成分の含有率を調べた。その結果を表２に示す。なお、粘度はオルソクロロフェノールの粘度との対数粘度で示している。また、色調ｂ値は、色差計で測定した値でＡＳＴＭ−Ｄ１４８２−５７Ｔによる表示法で示している。
【００８０】
【表２】

【００８１】
表２に示されるように、本実施例により得られた再生ＰＥＴは、テレフタル酸とＥＧとの重縮合反応により得られた新品ＰＥＴと同等以上の品質を有していた。
【００８２】
（実施例２）
本実施例は、以下に示す予備解重合工程、本解重合工程、精製工程及び重合工程を実施することにより、回収ＰＥＴボトルから再生ＰＥＴボトルを製造するものである。
【００８３】
＜出発原料の準備＞
まず、実施例１と同様に、使用済みの回収ＰＥＴボトルからＰＥＴフレークを得て、このＰＥＴフレークの一部を後述する予備解重合工程で用いるＰＥＴ原料（ａ）とした。
【００８４】
一方、ステンレス反応容器にＥＧ４，７００部及び解重合触媒としての炭酸ソーダ７．０部を入れて密閉し、攪拌下に加熱をしながら上記ＰＥＴフレーク１，９２０部を一気に加え、反応温度を２１０℃まで上げた。この時の圧力は０．２ＭＰａ・Ｇだった。その約２時間後には該ＰＥＴフレークが完全にＥＧに溶解したが、更に同温度での攪拌と加熱を続け、ほぼ完全にＰＥＴがＢＨＥＴに分解するまで反応を続けた。得られた反応物から不溶物を濾過して除いたところ、僅かに黄色に着色した透明な溶液が得られた。
【００８５】
この溶液を８０℃まで冷却し、大気圧下で活性炭を充填した塔に通して脱色処理した後、同じ条件下でカチオン交換塔及びアニオン交換塔を通して脱イオン処理した。
【００８６】
こうして、粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液６，４２０部を得た。この粗製ＢＨＥＴ中に含まれるイオン含有量（金属カチオン及び対アニオン類の総量）は４５ｐｐｍであった。
【００８７】
次いで、上記粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液を再度１２０℃まで加熱し、分子蒸留器を用いて、圧力２００〜３００Ｐａ、温度１４０〜１６０℃にて蒸留し、単離しているＥＧ約１，５００部を蒸留除去した。除去後の混合溶液にはＢＨＥＴ２，４６０部が残留していた。この溶液を更に、分子蒸留器へ導入し、圧力１０〜３０Ｐａ、温度１９０から２２０℃にて蒸留し、ＥＧ３，８００部を更に除去し、ＢＨＥＴ１９７０部を単離したところ、蒸留残渣４９０部が得られた。
【００８８】
なお、この蒸留操作により得られた蒸留残渣は、エチレンテレフタレートが約７０重量％、エチレンテレフタレートダイマーが約２０重量％、及びエチレンテレフタレートトリマーを含むその他の物質が約１０重量％の割合で混在する物質であった。
【００８９】
そして、この既得蒸留残渣を後述する予備解重合工程で用いる予備解重合用物質（ｂ）とした。
【００９０】
＜予備解重合工程＞
予備解重合用物質（Ｂ）の代わりに予備解重合用物質（ｂ）を用いること以外は、実施例１と同様にして、予備解重合生成物（ｃ）５７４部を得た。
【００９１】
＜本解重合工程＞
予備解重合生成物（Ｃ）の代わりに予備解重合生成物（ｃ）を用いること及び添加するＥＧ量を３２０部とする以外は、上記実施例１と同様にして、粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（ｄ）を得た。
【００９２】
この粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（ｄ）の一部を取出し、分析したところ、ＢＨＥＴ約３６５部、ＥＧ２３５部、及びその他７部からなり、総量６０７部であった。なお、このその他の部分は殆ど解重合が不十分なオリゴエチレンテレフタレートであった。
【００９３】
＜精製工程＞
粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（Ｄ）５８７部の代わりに粗製ＢＨＥＴのＥＧ溶液（ｄ）を用いること以外は、上記実施例１と同様にして、精製ＢＨＥＴ（ｅ）を得た。得られた精製ＢＨＥＴの分量、回収率、ＤＥＧ含有量等を表３に示す。
【００９４】
【表３】

【００９５】
なお、蒸留残渣は、エチレンテレフタレートが約７０重量％、エチレンテレフタレートダイマーが約２０重量％、及びエチレンテレフタレートトリマーを含むその他の物質が約１０重量％の割合で混在する物質であった。
【００９６】
＜重合工程＞
上記精製ＢＨＥＴ（ｅ）を用いて以下に示す方法にて重合した。
【００９７】
窒素置換されたステンレス製溶解容器に上記精製ＢＨＥＴ（ｅ）１２７部を入れ、１３０℃まで加熱してこのＢＨＥＴを完全に溶解した後、市販の触媒グレードの二酸化ゲルマニウム０．０３部を追加し、この二酸化ゲルマニウム粉末が溶解したことを確認後、テレフタル酸１６６部を更に追加し、均一の混合物（ｆ）とした。
【００９８】
一方、窒素置換された別のステンレス製重合用容器に上記精製ＢＨＥＴ（ｅ）１２７部を入れ、攪拌下に１３０℃まで加熱溶解させ、そこへ上記混合物（ｆ）を徐々に添加した。混合されたテレフタル酸が完全に分散された後、加熱を強め徐々に内温を上げ、この混合物が透明な液体となるまで常圧下に加熱を続けた。透明となつた時点での内温は２４０℃であり、大部分水からなる低沸成分が蒸留除去されたが、除去されたものの中にはＥＧは実質的に含まれていなかった。また、上記混合部（ｆ）の添加以降、反応に要した時間は約７０分であった。
【００９９】
その後、系の圧力を徐々に減じて最終的に１９Ｐａまで低下し、８０分経過後、重合反応を終了させた。
【０１００】
こうして得られたＰＥＴ（ｇ）の一部３４０部を取出し、３５℃のオルソクロロフェノール中に１．２ｇ／１００ｍｌの濃度でＰＥＴを添加したときの粘度、カラーマシンによる色調ｂ値、及びこのＰＥＴ中に含まれるＤＥＧ成分の含有率を調べた。その結果を表４に示す。
【０１０１】
【表４】

【０１０２】
表４に示されるように、本実施例により得られた再生ＰＥＴは、テレフタル酸とＥＧとの重縮合反応により得られた新品ＰＥＴと同等以上の品質を有していた。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing polyethylene terephthalate (hereinafter, also referred to as PET), and more particularly, to bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate (hereinafter, also referred to as BHET) obtained by depolymerizing PET. And a method of manufacturing PET.
[0002]
[Prior art]
Since PET has excellent chemical stability, is lightweight and has appropriate strength, it is suitably used for beverage bottles, films, textiles for clothing, and the like. At the same time, waste of PET products (hereinafter referred to as waste PET) is increasing, and from the viewpoint of resource recovery and reduction of garbage, waste PET can be chemically recycled, and recycled products can be used like new PET. Is required.
[0003]
As a chemical recycling of PET, waste PET is directly reacted with ethylene glycol (hereinafter, also referred to as EG) and depolymerized to produce BHET which is an intermediate material of PET, and the obtained crude BHET is decolorized. A method is known in which after performing deionization and EG removal, a distillation operation is performed to obtain purified BHET, and this is polycondensed as a recycled PET raw material (for example, see Patent Document 1).
[0004]
In addition, as a method of depolymerizing PET that can efficiently decompose even PET in a highly crystallized state, PET and BHET and / or a low condensate thereof are heated to be preliminarily depolymerized, and the resulting preliminarily depolymerized polymer is obtained. A method of reacting a polymerization product with EG is known (for example, see Patent Document 2). The crude BHET obtained through the preliminary depolymerization and the depolymerization by EG is converted into purified BHET by a distillation operation through decolorization / deionization / EG removal steps and the like, and is then converted into regenerated PET by polycondensation.
[0005]
In the conventional distillation operation for purifying crude BHET, the distillation residue after distilling purified BHET was discarded. Therefore, the present applicant preliminarily depolymerizes PET with a substance containing oligoethylene terephthalate, depolymerizes the obtained predepolymerized product by reaction with EG to obtain crude BHET, and furthermore, distills this crude BHET by distillation. A patent application has already been filed for a highly efficient PET recycling method in which a distillation residue generated during purification by using as a substance containing oligoethylene terephthalate is used (Japanese Patent Application No. 2002-124502). According to this method, it is possible to effectively use the distillation residue conventionally discarded, and to reduce the amount of EG required for depolymerization.
[0006]
[Patent Document 1]
WO 01/29110 A1 pamphlet (pages 4-6, 11-13)
[Patent Document 2]
JP 2001-48834 A (pages 3 to 5)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the exact cause of the purified BHET obtained by the above-described conventional method is unknown, probably because it is repeatedly heated in a state including EG in the purification step in addition to the preliminary depolymerization step and the depolymerization step using EG. The diethylene glycol (hereinafter abbreviated as DEG) component as an impurity tended to increase. Therefore, the PET obtained by polycondensation of the purified BHET containing the DEG component has a high weight ratio (about 5% by weight) of the DEG component contained in the PET, and the softening point of the PET decreases. There was a quality problem.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a method for producing PET that can reduce the weight ratio of the DEG component in the obtained PET.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The method for producing polyethylene terephthalate of the present invention for solving the above-mentioned problems includes a depolymerization step of obtaining a crude BHET by finally reacting a polyethylene terephthalate raw material with ethylene glycol to depolymerize, and at least distilling the crude BHET. A method for producing polyethylene terephthalate, comprising: a purification step of obtaining purified BHET by operation and a polymerization step of adding a polymerization catalyst to the purified BHET to obtain polyethylene terephthalate. It is characterized in that a predetermined amount of acid is added.
[0010]
In this method for producing PET, when a purified BHET is polymerized in the polymerization step, a predetermined amount of terephthalic acid is added in addition to the polymerization catalyst, so that the amount of regenerated PET obtained can be increased. The weight ratio of the DEG component in the recycled PET (the weight of the DEG component relative to the weight of the entire recycled PET) can be reduced according to the increase in the amount of the PET. Therefore, according to the production method of the present invention, high-quality PET can be obtained without causing deterioration in quality such as a decrease in softening point.
[0011]
In a preferred embodiment, the amount of the terephthalic acid added is equal to or less than the number of moles of the purified BHET, and equal to or more than the number of moles of the diethylene glycol component inevitably contained in the purified BHET.
[0012]
In a preferred embodiment, the depolymerization step comprises preliminarily depolymerizing the polyethylene terephthalate raw material with a predepolymerization material containing at least one of BHET and its oligomers and oligoethylene terephthalate to obtain a predepolymerization product A pre-depolymerization step; and a main depolymerization step of depolymerizing the pre-depolymerized product with the ethylene glycol to obtain the crude BHET.
[0013]
Here, the oligoethylene terephthalate refers to one represented by the following chemical formula.
[0014]
-[OCH_TwoCH_TwoOCOC₆H_FourCO]_n , (N is about 2 to 20)
According to this aspect, the reaction time required for depolymerization can be reduced, and the amount of EG and catalyst used for depolymerization can be reduced.
[0015]
In a preferred embodiment, in the preliminary depolymerization step, the total amount of BHET and its oligomer and oligoethylene terephthalate contained in the substance for preliminary depolymerization is 0.3 to 3 parts by weight based on 1 part by weight of the polyethylene terephthalate raw material. The pre-depolymerization substance is used for the polyethylene terephthalate raw material so as to be a part.
[0016]
In a preferred embodiment, the material for pre-depolymerization includes at least a part of a previously obtained distillation residue by-produced in a previous purification step performed before the purification step.
[0017]
According to this aspect, it is possible to effectively use the distillation residue conventionally discarded, and it is possible to reduce the amount of waste generated.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The method for producing PET of the present invention includes a depolymerization step, a purification step, and a polymerization step.
[0019]
In the depolymerization step, the raw material of polyethylene terephthalate is finally reacted with ethylene glycol to depolymerize, thereby obtaining crude BHET.
[0020]
As the PET raw material used in this multiple disassembly step, beverage bottles, scrap PET generated at the stage of manufacturing new PET products such as films and clothing fibers, and beverage bottles as PET products after using the same are used. Recovered PET can be suitably used. Further, PET in which components other than terephthalic acid and EG (eg, isophthalic acid appropriately added depending on the use of the product) are copolymerized at about 5 mol% can also be used.
[0021]
The shape of the PET raw material is not particularly limited, and may be any shape as long as it can be put into the depolymerization tank. For example, the recovered PET may be used as it is, or may be in the form of a flake formed by cutting a film, a bottle, or the like.
[0022]
In this heavy disassembly step, BHET, which is an intermediate material of PET, may be produced by directly reacting the PET raw material with EG to depolymerize the PET raw material. Preferably, the polymerization product is depolymerized with EG. In this way, the reaction time can be shortened, and the amount of EG and the amount of catalyst used for depolymerization can be reduced.
[0023]
That is, in the depolymerization step, the polyethylene terephthalate raw material is preliminarily depolymerized by a preliminarily depolymerizing substance containing at least one of BHET and its oligomer and oligoethylene terephthalate to obtain a preliminarily depolymerized product. Preferably, the method comprises a step and a main depolymerization step of obtaining a crude BHET by depolymerizing the preliminary depolymerized product with EG.
[0024]
Here, as the substance for pre-depolymerization used in the pre-depolymerization step, BHET produced by any known method and / or an oligomer thereof, or oligoethylene terephthalate produced by any known method is used. However, at least a part of the obtained distillation residue by-produced in the previous purification step performed before the purification step (the purification step in the previous cycle performed before the cycle in which the preliminary depolymerization step is performed) is performed. Is preferably used. This makes it possible to effectively use the distillation residue that has been conventionally discarded, and to reduce the amount of waste generated.
[0025]
The distillation residue produced as a by-product when the crude BHET is purified by a distillation operation in the purification step is mainly composed of ethylene terephthalate or a low condensate thereof. (About 70% by weight), about 15 to 25% by weight of ethylene terephthalate dimer (about 20% by weight), and about 1 to 15% by weight of other substances including ethylene terephthalate trimer (about 10% by weight). It is a mixed substance.
[0026]
In addition, as the material for the pre-depolymerization used in the pre-depolymerization step, the pre-depolymerization step performed before the pre-depolymerization step (the previous cycle performed before the cycle in which the pre-depolymerization step is performed) is used. In which the pre-depolymerization product obtained in the preliminary de-polymerization step or the pre-depolymerization step separately carried out previously) can be used.
[0027]
The pre-depolymerization product obtained in the pre-depolymerization step is a substance containing oligoethylene terephthalate (oligomer of ethylene terephthalate) as a main component.
[0028]
Thus, as the material for pre-depolymerization, preferably, the obtained pre-depolymerized residue obtained in the previous pre-depolymerization step or the obtained distillation residue by-produced in the previous purification step alone or These can be used as a mixture, or BHET (and / or an oligomer thereof) produced by any known method can be used as a mixture.
[0029]
The distillation residue produced as a by-product during the purification and distillation of EG (the EG produced as a by-product during the production of PET) performed in connection with the PET production process also contains at least one of BHET, its oligomer, and oligoethylene terephthalate. Can be used as long as
[0030]
In addition, in addition to BHET and its oligomer and oligoethylene terephthalate, EG and modified PET obtained by copolymerizing a small amount of other components may be contained in the above-mentioned material for preliminary depolymerization. However, when a substance other than BHET and its oligomer and oligoethylene terephthalate is contained in the pre-depolymerization substance, the allowable amount is 1 to less than 5 parts by weight based on 100 parts by weight of the pre-depolymerization substance.
[0031]
Here, when at least one of the previously obtained distillation residue and the previously obtained pre-depolymerization product is used as the pre-depolymerization substance, the molten state in the previous purification step or the previous pre-depolymerization step is maintained. It is preferable to use a previously obtained distillation residue or a previously obtained pre-depolymerized product. If the previously obtained distillation residue and the previously obtained pre-depolymerized product in the molten state are used in the molten state, the time and energy required for heating to a predetermined temperature during the pre-depolymerization can be reduced.
[0032]
When at least one of the previously obtained distillation residue and the previously obtained pre-depolymerization product is used as the pre-depolymerization substance, at least one of BHET and its oligomer is used from the viewpoint of further promoting the depolymerization reaction of PET. It is preferable to add one which is one kind and has an average degree of polycondensation smaller than that of the previously obtained distillation residue or the previously obtained pre-depolymerized product.
[0033]
In the pre-depolymerization step, the total amount of BHET and its oligomer and oligoethylene terephthalate contained in the pre-depolymerization substance is 0.3 to 3 parts by weight with respect to 1 part by weight of the PET raw material. It is preferable to use the pre-depolymerization substance with respect to the PET raw material. Particularly preferably, the total amount of BHET, its oligomer and oligoethylene terephthalate contained in the material for pre-depolymerization is 0.5 to 2 parts by weight with respect to 1 part by weight of the PET raw material. If the amount of the pre-depolymerization substance used is too small relative to the PET raw material, at the start of the pre-depolymerization, the solid PET hardly dissolves into the molten pre-depolymerization substance, so that the pre-depolymerization proceeds. Not only does it take time until stirring becomes easily possible, but it also takes time before the pre-depolymerization is completed and the reactants become a homogeneous solution, and the pre-depolymerization reaction time is extremely There is a risk that it will be longer. Further, the average degree of polycondensation of the obtained pre-depolymerization product becomes large, and a product having an insufficient pre-depolymerization effect is used in the main depolymerization step, which is not preferable. On the other hand, if the amount of the material for preliminary depolymerization with respect to the PET raw material is too large, the reaction vessel becomes excessively large, which is not economically advantageous.
[0034]
In the depolymerization step of the present invention, a conventionally known depolymerization catalyst can be used. As the depolymerization catalyst, any compound may be used as long as it promotes the transesterification reaction, and examples thereof include hydroxides and carbonates of alkali metals. More specifically, caustic soda, sodium carbonate, sodium methylate and the like can be used.
[0035]
When the PET raw material is directly depolymerized by EG, the addition timing of the depolymerization catalyst may be a stage until the start of the reaction of depolymerizing the PET raw material by EG, and the preliminary depolymerization step is performed. In this case, it may be a stage up to the start of the reaction for depolymerizing the pre-depolymerized product by EG.
[0036]
When the PET raw material is directly depolymerized by EG, the amount of the depolymerization catalyst is preferably 0.01 to 0.0001 parts by weight based on 1 part by weight of the PET raw material. When it is carried out, 0.01 to 0.0001 weight per 1 weight part of the total amount of the PET raw material and the substance for preliminary depolymerization (total amount of BHET and its oligomer and oligoethylene terephthalate contained in this substance for preliminary depolymerization) It is preferable to use a part. If the amount of the depolymerization catalyst is less than 0.0001 part by weight, a sufficient catalytic effect cannot be exhibited. Conversely, if the amount exceeds 0.01 part by weight, the effect corresponding thereto cannot be expected to be improved. And may adversely affect the purification process.
[0037]
In order to carry out the pre-depolymerization step, first, a predetermined amount of the pre-depolymerization substance is charged into a pre-depolymerization tank and heated to a liquid state. The heating temperature may be higher than the temperature at which the substance becomes liquid. The temperature at which the substance for pre-depolymerization becomes liquid varies depending on the degree of polycondensation of the substance contained in the substance for pre-depolymerization, but can be about 120 to 250 ° C. In addition, as described above, when the obtained distillation residue or the like in a molten state is used as a substance for preliminary depolymerization, since the liquid is already in a liquid state, the heating temperature of the preliminary depolymerization tank can be set to about 200 ° C. or less. .
[0038]
Next, a predetermined amount of a PET raw material is added to the liquid material for preliminary depolymerization, and the preliminary depolymerization proceeds. The preliminary depolymerization temperature at this time can be about 120 to 250 ° C. If the preliminary depolymerization temperature is lower than 120 ° C., the resulting crude BHET is undesirably solidified or the rate of the depolymerization reaction is reduced. The reaction time of the pre-depolymerization is not limited. However, after the addition of PET, the same temperature and stirring are maintained for about one hour after the PET is apparently completely dissolved in the reaction solution. It is enough.
[0039]
After performing the pre-depolymerization step in this way, the pre-depolymerization step of obtaining the crude BHET by depolymerizing the obtained pre-depolymerization product with EG is performed.
[0040]
In order to carry out the main depolymerization step, a predetermined amount of EG which has been heated in advance is added to the reaction tank (preliminary depolymerization tank) used for the preliminary depolymerization, or it is prepared to carry out this step. Then, a predetermined amount of the preliminary depolymerization product may be added to another reaction tank (main depolymerization tank) in which a predetermined amount of EG is charged and heated, and the depolymerization may proceed.
[0041]
The amount of EG added at this time is, theoretically, the total amount of the EG component in the predepolymerized product to be subjected to the reaction and the EG component in the added EG, and the terephthalic acid in the predepolymerized product. The molar ratio to the components is 2: 1. In order to smoothly perform the depolymerization reaction and smoothly perform the next purification step, EG is used in an amount of 2 to 10 times the theoretical amount. It is preferable to add EG, and it is particularly preferable to add 4 to 8 times the theoretical amount of EG.
[0042]
The reaction temperature in this depolymerization step is preferably in the range of 180 to 250 ° C. If the temperature is lower than 180 ° C., the reaction rate is undesirably reduced. On the other hand, if the temperature exceeds 250 ° C., the boiling point of EG under normal pressure is greatly exceeded, which is not preferable from the viewpoint of the pressure resistance of the reactor.
[0043]
Although the reaction time in the present depolymerization step varies depending on the reaction temperature, about 3 hours is sufficient after it is confirmed that the preliminary depolymerization product and the added EG have become a uniform liquid.
[0044]
In addition, even if BHET is produced by directly reacting a PET raw material with EG and depolymerizing without performing the preliminary depolymerization step, it can be performed by a method according to the above-described depolymerization step.
[0045]
The EG solution of the crude BHET thus obtained is purified by performing at least a distillation operation in the next purification step to obtain purified BHET.
[0046]
Here, in the EG solution of the crude BHET, impurities such as coloring agents and additives contained in the PET raw material remain. Purification by distillation with these impurities remaining may result in the resulting purified BHET turning yellow-brown, and high-quality PET that can be used in products even if polycondensed in the next polycondensation step. I can't get it.
[0047]
Therefore, in the purification step, a decolorization / deionization step of removing a colorant, anions and cations from the EG solution of crude BHET obtained in the depolymerization step may be performed before the distillation step of purifying by a distillation operation. preferable.
[0048]
In the decolorization step, decolorization can be performed by bringing the EG solution of the crude BHET into contact with a known decolorizing agent (for example, activated carbon or clay).
[0049]
In the deionization step, the metal cation and its counter anion can be removed from the crude BHET EG solution by contacting the crude EG solution of BHET with a cation exchange resin and / or an anion exchange resin.
[0050]
Here, if the content of ions (anions and cations) in the crude BHET is 100 ppm or more, there is a possibility of adverse effects during distillation purification. For this reason, in the above deionization step, it is preferable to perform deionization so that the ion content in the crude BHET becomes 50 ppm or less.
[0051]
In the distillation step of purifying by the above-mentioned distillation operation, the method of removing EG from the EG solution of crude BHET is not particularly limited. However, due to the chemical nature of BHET, undesired polymerization may proceed during residence or evaporation in the still if the distillation is not carried out at the lowest possible temperature and in the shortest possible time. Therefore, in this distillation step, it is preferable to use a molecular still in order to remove EG in a shorter time and at a lower temperature. At this time, the pressure in the molecular still is preferably 30 Pa or less, the distillation temperature is 220 ° C. or less, and the residence time of BHET in the still is preferably 1 minute or less. By performing molecular distillation under such conditions, it is possible to isolate about 90% by weight of the charged BHET as purified BHET by adjusting the charged amount of the EG solution of the crude BHET.
[0052]
Here, in the above-mentioned distillation step, if the recovery rate of the purified BHET is too high, that is, if the distillation residue is too small, the concentration of impurities in the distillation residue becomes too high, and in some cases, a polymerization reaction occurs and PET is generated. Will be generated. Then, since the PET may block the vicinity of the outlet of the distiller and cause troubles such as breakdown of the distiller, it is preferable to leave some distillation residue. On the other hand, as described above, the distillation residue can be used as the pre-depolymerization substance in the pre-depolymerization step, and when the distillation residue is used as the pre-depolymerization substance, the content of the BHET component in the distillation residue is larger. Can complete the preliminary depolymerization in a shorter time, but if the content of the BHET component in the distillation residue is too large, the recovery of purified BHET will be reduced. In consideration of these, the recovery rate of the purified BHET is preferably about 70 to 90% by weight, and particularly preferably about 80% by weight. The remaining BHET component remains in the bottom of the still as a bottom with the high boiling point residue.
[0053]
In the next polymerization step, the purified BHET obtained in this manner is polymerized by adding a polymerization catalyst to be recycled PET.
[0054]
The polymerization catalyst used in this polymerization step is not particularly limited, but antimony trioxide, germanium dioxide and the like can be suitably used. The amount of addition depends on the type of catalyst used. For example, when antimony trioxide is used, it is about 8 mmol% with respect to PET purified in the polymerization step, and when germanium dioxide is used, it is about 30 mmol%. It is enough.
[0055]
Here, the PET component produced by a known method contains a DEG component inevitably produced as a by-product during the production. Therefore, the PET component used in the present invention also contains a DEG component. When the above-mentioned depolymerization step and the above-mentioned purification step are carried out using this PET raw material, the by-product of DEG proceeds during these steps, although the exact reason is not clear. For this reason, the purified BHET obtained in the above purification step contains the DEG component at a higher content than the content in the PET raw material. The DEG component also contains an ester compound composed of DEG and terephthalic acid. When the purified BHET containing a large amount of the DEG component is polymerized by a known polymerization method, the obtained PET may contain 5% by weight or more of the DEG component. And the like, the quality deterioration becomes remarkable.
[0056]
Therefore, in the polymerization step according to the present invention, a predetermined amount of terephthalic acid is added when the polymerization is performed by adding the polymerization catalyst to the purified BHET. By adding terephthalic acid in the polymerization step in this manner, the amount of the obtained regenerated PET can be increased, and as a result, the weight ratio of the DEG component (regenerated PET) in the regenerated PET depends on the increased amount of the regenerated PET. (The weight of the DEG component with respect to the total weight). Therefore, according to the production method of the present invention, high-quality PET can be obtained without causing deterioration in quality such as a decrease in softening point.
[0057]
That is, one mole of BHET contains two moles of EG units and one mole of terephthalic acid units. On the other hand, the PET repeating unit to be formed contains one mole of EG unit and one mole of terephthalic acid unit. For this reason, when BHET is subjected to polycondensation with a polymerization catalyst under high temperature and high vacuum as it is in a known manner to produce PET, theoretically, 1 mol of PET (PET repeating unit) per mol of BHET Is calculated assuming that the amount of PET in the number of grams equal to the molecular weight of is 1 mol. The same applies to the following.), And 1 mol of EG is by-produced.
[0058]
In this regard, when terephthalic acid is added during the polymerization of the purified BHET as in the polymerization step according to the present invention, theoretically, 2 moles of EG unit contained in 1 mole of BHET per mole of BHET And one mole of terephthalic acid reacts with one mole of terephthalic acid added, thereby producing two moles of PET. For this reason, the amount of the obtained regenerated PET can be increased in accordance with the amount of purified BHET to be subjected to polymerization and the amount of terephthalic acid to be added. As a result, the amount of regenerated PET in the The weight ratio of the DEG component can be reduced.
[0059]
At this time, the lower limit of the addition amount of terephthalic acid is preferably the number of moles of the DEG component inevitably contained in the purified BHET. If the amount of terephthalic acid added is smaller than the number of moles of the DEG component contained in the purified BHET, the effect of reducing the weight ratio of the DEG component in the recycled PET becomes small, which is not preferable.
[0060]
On the other hand, the upper limit of the amount of terephthalic acid to be added is preferably the number of moles of the purified BHET. If the amount of terephthalic acid added is greater than the number of moles of the purified BHET, the number of TA terminals (terephthalic acid terminals) in the produced PET becomes too large, and the quality of the produced PET is deteriorated. .
[0061]
Further, as described above, one mole of BHET contains two moles of EG units, while one mole of PET repeating units contains one mole of EG units. In the case of producing PET by polycondensation under vacuum, EG corresponding to 1 mole of EG unit per mole of BHET is produced as a by-product, and it is necessary to remove this out of the system. In this regard, in the polymerization step according to the present invention, 1 mole of the added terephthalic acid reacts with 1 mole of EG which should have been by-produced to produce 1 mole of PET, and EG by-product is produced. Be avoided. Therefore, the amount of EG produced as a by-product can be reduced in accordance with the amount of terephthalic acid added. At this time, if the number of moles of purified BHET to be used for polymerization is equal to the number of moles of terephthalic acid to be added, theoretically, the amount of by-produced EG can be reduced to zero. Therefore, from the viewpoint of further reducing the amount of EG produced as a by-product, the amount of terephthalic acid to be added is optimally the same as the number of moles of purified BHET used for polymerization.
[0062]
The reaction conditions such as the temperature and the degree of vacuum in the polymerization step are not particularly limited, and may be the same as those of a known polymerization method.
[0063]
The terephthalic acid may be added in the polymerization step at any time before the start of the polymerization of BHET. For example, a part of the purified BHET is charged into a polymerization reactor, and the residue is heated and dissolved. The above-mentioned purified BHET may be mixed with terephthalic acid in advance, or a slurry-like mixture may be added at once or gradually to promote the polymerization.
[0064]
As described above, the present invention is a method for efficiently producing high-quality recycled PET from PET that could only be treated as waste or waste, and meets the purpose of industrial or socially demanding waste reduction. This is a very good way to
[0065]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples, but the present invention is not limited thereto. In the following description, “parts” means “parts by weight” unless otherwise specified.
[0066]
(Example 1)
In this example, recycled PET is produced from a recovered PET bottle by performing the following preliminary depolymerization step, main depolymerization step, purification step, and polymerization step.
[0067]
<Preparation of starting materials>
First, a used recovered PET bottle is pulverized by a known method, removed of a different resin, etc., and dewatered to obtain a PET flake, and the PET flake is used as a PET raw material (A) used in a preliminary depolymerization step described later. .
[0068]
On the other hand, terephthalic acid and EG are esterified and polycondensed at a molar ratio of 1: 1.4, whereby a preliminary solution containing about 35% by weight of BHET and about 65% of an oligomer of BHET having a degree of polycondensation of 2 to 4 is obtained. A substance for polymerization (B) was prepared.
[0069]
<Preliminary depolymerization step>
Then, 190 parts of the substance for pre-depolymerization (B) is put into a stainless steel pre-depolymerization reaction vessel, dissolved by heating to about 190 ° C., and 384 parts of the PET raw material (A) is added under stirring. did. Preliminary depolymerization reaction was continued at the same temperature for 1.5 hours to complete the reaction. Since a reflux condenser was set in this reactor, there was substantially no substance removed outside the system during the reaction. Thus, 574 parts of a pre-depolymerization product (C) was obtained.
[0070]
<Main depolymerization step>
Next, 287 parts of the half amount of the pre-depolymerization product (C) was transferred to another container (main depolymerization reaction container) without lowering the temperature. Then, 300 parts of EG previously heated to 180 ° C. and 3 parts of sodium carbonate as a depolymerization catalyst are added to the depolymerization reaction vessel, and the depolymerization reaction is performed for 2 hours while maintaining the temperature at 220 ° C. with stirring. As a result, an EG solution (D) of crude BHET was obtained.
[0071]
A part of this crude EG solution (B) of BHET was taken out and analyzed, and as a result, it was composed of about 360 parts of BHET, 215 parts of EG, and 12 parts of others, and the total amount was 587 parts. In addition, the other part was oligoethylene terephthalate which was almost insufficiently depolymerized.
[0072]
<Purification process>
587 parts of the above crude BHET EG solution (D) were decolorized by passing through a column filled with activated carbon at 80 ° C. and atmospheric pressure, and then deionized through a cation exchange column and an anion exchange column under the same conditions. . The EG solution of the crude BHET thus decolorized and deionized was passed through a molecular still to remove EG by distillation, and then the BHET itself was distilled to obtain purified BHET (E). Table 1 shows the amount, recovery rate, DEG content, and the like of the obtained purified BHET.
[0073]
[Table 1]

[0074]
In addition, the ion content is an analysis value by ion chromatography. The distillation residue was a substance containing about 70% by weight of ethylene terephthalate, about 20% by weight of ethylene terephthalate dimer, and about 10% by weight of other substances including ethylene terephthalate trimer.
[0075]
<Polymerization step>
Using the purified BHET (E), polymerization was carried out by the method shown below.
[0076]
80 parts of the purified BHET (E) was placed in a nitrogen-displaced stainless steel dissolving vessel, heated to 160 ° C. to completely dissolve the BHET, and then 0.03 parts of a commercially available catalyst grade antimony trioxide was added. After confirming that the antimony trioxide powder was dissolved, 166 parts of terephthalic acid was further added to obtain a uniform mixture (F).
[0077]
On the other hand, 174 parts of the purified BHET (E) was placed in another stainless steel polymerization vessel purged with nitrogen, and dissolved by heating to 130 ° C. with stirring, and the mixture (F) was gradually added thereto. After the mixed terephthalic acid was completely dispersed, the heating was increased to gradually increase the internal temperature, and heating was continued under normal pressure until the mixture became a transparent liquid. The internal temperature at the time when it became transparent was 240 ° C., and the low-boiling components composed mostly of water were distilled off, but EG was not substantially contained in the removed components. The time required for the reaction after the addition of the mixing section (F) was about 1 hour.
[0078]
Thereafter, the pressure of the system was gradually decreased to finally decrease to 15 Pa, and after 60 minutes, the polymerization reaction was terminated.
[0079]
A part (350 parts) of the PET (G) thus obtained was taken out, and the viscosity when adding PET at a concentration of 1.2 g / 100 ml in orthochlorophenol at 35 ° C., the color b value by a color machine, and the PET The content of the DEG component contained therein was examined. Table 2 shows the results. The viscosity is shown as a logarithmic viscosity with respect to the viscosity of orthochlorophenol. The color tone b value is a value measured by a color difference meter, and is indicated by a display method according to ASTM-D1482-57T.
[0080]
[Table 2]

[0081]
As shown in Table 2, the recycled PET obtained in this example had a quality equal to or higher than that of a new PET obtained by a polycondensation reaction between terephthalic acid and EG.
[0082]
(Example 2)
In this example, a recycled PET bottle is manufactured from a recovered PET bottle by performing the following preliminary depolymerization step, main depolymerization step, purification step, and polymerization step.
[0083]
<Preparation of starting materials>
First, in the same manner as in Example 1, PET flakes were obtained from a used recovered PET bottle, and a part of the PET flakes was used as a PET raw material (a) used in a preliminary depolymerization step described later.
[0084]
On the other hand, 4,700 parts of EG and 7.0 parts of sodium carbonate as a depolymerization catalyst were placed in a stainless steel reaction vessel, which was then sealed. ℃. The pressure at this time was 0.2 MPa · G. About 2 hours later, the PET flakes were completely dissolved in EG, but stirring and heating were continued at the same temperature, and the reaction was continued until PET was almost completely decomposed into BHET. When the insolubles were removed by filtration from the obtained reaction product, a transparent solution slightly colored yellow was obtained.
[0085]
The solution was cooled to 80 ° C., decolorized by passing through a column filled with activated carbon under atmospheric pressure, and then deionized through a cation exchange column and an anion exchange column under the same conditions.
[0086]
Thus, 6,420 parts of a crude BHET EG solution was obtained. The ion content (total amount of metal cations and counter anions) contained in the crude BHET was 45 ppm.
[0087]
Next, the above crude EG solution of BHET was heated again to 120 ° C., and distilled at a pressure of 200 to 300 Pa and a temperature of 140 to 160 ° C. using a molecular still to distill about 1,500 parts of the isolated EG. Removed. 2,460 parts of BHET remained in the mixed solution after the removal. The solution was further introduced into a molecular still, and distilled at a pressure of 10 to 30 Pa and a temperature of 190 to 220 ° C. to further remove 3,800 parts of EG and isolate 1970 parts of BHET to obtain 490 parts of a distillation residue. Was done.
[0088]
The distillation residue obtained by this distillation operation is a substance containing about 70% by weight of ethylene terephthalate, about 20% by weight of ethylene terephthalate dimer, and about 10% by weight of other substances including ethylene terephthalate trimer. Met.
[0089]
Then, the obtained distillation residue was used as a pre-depolymerization substance (b) used in a pre-depolymerization step described later.
[0090]
<Preliminary depolymerization step>
574 parts of a pre-depolymerization product (c) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the pre-depolymerization substance (B) was used instead of the pre-depolymerization substance (B).
[0091]
<Main depolymerization step>
Except that the pre-depolymerization product (C) is used in place of the pre-depolymerization product (C) and the amount of EG to be added is 320 parts, the EG solution of crude BHET ( d) was obtained.
[0092]
A part of the crude EG solution (d) of BHET was taken out and analyzed. As a result, it was composed of about 365 parts of BHET, 235 parts of EG, and other 7 parts, and the total amount was 607 parts. In addition, the other part was oligoethylene terephthalate which was almost insufficiently depolymerized.
[0093]
<Purification process>
Purified BHET (e) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the crude BHET EG solution (d) was used instead of 587 parts of the crude BHET EG solution (D). Table 3 shows the amount, recovery rate, DEG content, etc. of the obtained purified BHET.
[0094]
[Table 3]

[0095]
The distillation residue was a substance containing about 70% by weight of ethylene terephthalate, about 20% by weight of ethylene terephthalate dimer, and about 10% by weight of other substances including ethylene terephthalate trimer.
[0096]
<Polymerization step>
Using the purified BHET (e), polymerization was carried out by the method shown below.
[0097]
127 parts of the purified BHET (e) were placed in a nitrogen-displaced stainless steel dissolution vessel, heated to 130 ° C. to completely dissolve the BHET, and then 0.03 parts of a commercially available catalyst-grade germanium dioxide was added. After confirming that the germanium dioxide powder was dissolved, 166 parts of terephthalic acid was further added to obtain a uniform mixture (f).
[0098]
Separately, 127 parts of the purified BHET (e) were placed in another nitrogen-purged stainless steel polymerization vessel, heated and dissolved to 130 ° C. with stirring, and the mixture (f) was gradually added thereto. After the mixed terephthalic acid was completely dispersed, the heating was increased to gradually increase the internal temperature, and heating was continued under normal pressure until the mixture became a transparent liquid. The internal temperature at the time when it became transparent was 240 ° C., and the low-boiling components composed mostly of water were distilled off, but EG was not substantially contained in the removed components. The time required for the reaction after the addition of the mixing section (f) was about 70 minutes.
[0099]
Thereafter, the pressure of the system was gradually reduced to finally decrease to 19 Pa, and after 80 minutes, the polymerization reaction was terminated.
[0100]
A portion (340 parts) of the PET (g) thus obtained was taken out, and the viscosity when adding PET at a concentration of 1.2 g / 100 ml in orthochlorophenol at 35 ° C., the color tone b value by a color machine, and the PET The content of the DEG component contained therein was examined. Table 4 shows the results.
[0101]
[Table 4]

[0102]
As shown in Table 4, the recycled PET obtained in this example had a quality equal to or higher than that of a new PET obtained by a polycondensation reaction between terephthalic acid and EG.

Claims

A depolymerization step of obtaining a crude bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate by finally reacting the polyethylene terephthalate raw material with ethylene glycol to depolymerize;
A purification step of purifying the crude bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate by performing at least a distillation operation to obtain a purified bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate;
A polymerization step of obtaining a polyethylene terephthalate by adding a polymerization catalyst to the purified bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate and polymerizing the same,
A method for producing polyethylene terephthalate, wherein a predetermined amount of terephthalic acid is added in the polymerization step.

The amount of the terephthalic acid to be added is not more than the number of moles of the purified bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate, and is inevitably contained in the purified bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate. The method for producing polyethylene terephthalate according to claim 1, wherein the number of moles of the diethylene glycol component is equal to or greater than the number of moles.

In the depolymerization step, the polyethylene terephthalate raw material is pre-depolymerized by a pre-depolymerization substance containing at least one of bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate, an oligomer thereof, and oligoethylene terephthalate. A pre-depolymerization step of obtaining a polymerization product; and a main depolymerization step of depolymerizing the pre-depolymerization product with the ethylene glycol to obtain the crude bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate. The method for producing polyethylene terephthalate according to claim 1 or 2, wherein:

In the pre-depolymerization step, the total amount of bis- (β-hydroxyethyl) terephthalate, its oligomer and oligoethylene terephthalate contained in the pre-depolymerization substance is 0 to 1 part by weight of the polyethylene terephthalate raw material. 4. The method for producing polyethylene terephthalate according to claim 3, wherein the material for preliminary depolymerization is used with respect to the polyethylene terephthalate raw material so as to be 3 to 3 parts by weight.

The method for producing polyethylene terephthalate according to claim 3 or 4, wherein the material for pre-depolymerization includes at least a part of a previously obtained distillation residue by-produced in a previous purification step performed before the purification step. .