JP2004186903A - スイッチングシステム,管理システム,伝送路終端装置およびバッファ容量割り当て方法 - Google Patents

スイッチングシステム,管理システム,伝送路終端装置およびバッファ容量割り当て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチングシステムの出方路バッファにおいて、通信品質の維持,保守作業負担の軽減を図り、システムの品質基準を柔軟に変更できかつ経済的にシステムを構築することが可能な、バッファ容量割り当て方法を提供する。
【解決手段】ATMスイッチングシステム50が、セルを出力する複数の出方路9aと複数の出方路9a間で共用してセルを保持する共用バッファ部8と複数の出方路9a毎に設けられセルのアドレスを格納するアドレス格納バッファ32dとを有するOLT10と、OLT10を管理する管理システム7とをそなえ、管理システム7が、データ入力部13,算出部14,保持部11,決定部12,通知部15をそなえるとともに、OLT10が、管理システム7の通知部15が通知したバッファ容量に基づいて複数の出方路9aのそれぞれについての占有バッファ容量を割り当てる割り当て部6aをそなえて構成する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトラヒックセルのスイッチング処理を行なう装置が有する出方路バッファのバッファ容量の自動割り当てに用いて好適な、スイッチングシステム,管理システム,伝送路終端装置およびバッファ容量割り当て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速かつ大容量のデータ通信が可能なネットワークの需要が増加しており、帯域保証型サービスが広く提供されている。この帯域保証型サービスは、ネットワークの輻輳により伝送帯域が減少しないように、一定の保証帯域(伝送容量又は伝送速度)をユーザに保証するものである。これに対して、インターネットは、保証帯域などを保証しないベストエフォート型であり、一般に、簡易かつ低価格なネットワークを構築するためのものである。
【0003】
よく知られているように、ATM(Asynchronous Transfer Mode)スイッチングシステムは、非同期で固定長のセル(以下、特に断らない限り、ATMセルを表す。)を多重し、物理的に同一な経路に、論理的に、ユーザごとに、そして、通信サービスごとに、別個のコネクションを設定する。これらについてのコネクションにより、低速の電子メールデータと高速のリアルタイムデータ(例えば音声,映像)とを混在させて伝送可能である。また、コネクションの種類は、VPC(Virtual Path Connection)とVCC(Virtual Channel Connection)とが知られている。
【0004】
これらの電子メールデータおよびリアルタイムデータを比較すると、電子メールデータについては、データ遅延又はその遅延時間の変動がユーザに大きな影響を与えることは比較的少ない。一方、リアルタイムデータについては、データ遅延又はその遅延時間の変動は、ユーザに大きな影響を与えることがあり、遅延又は変動は抑制される必要がある。
【0005】
このため、次に述べる管理システムは、効率的なデータ伝送を図るために、被管理システムにおけるデータの種類に応じて保証帯域を変更できるようになっている。
図19はATMスイッチングシステムの要部を示す図である。この図19に示すATMスイッチングシステム250は、OLT(Optical Line Terminal:光伝送路終端装置)100,200と、管理システム(NE−OpS[Network Element Operations System]とも称される。)160と、ATMネットワーク150とをそなえるとともに、集線装置107,ONT(Optical Network Terminal)103,LAN105をそなえて構成されている。
【0006】
ここで、OLT100,200は、それぞれ、ユーザ側からのフレーム(又はパケット)とATMネットワーク側のセルとを相互に変換して変換したセルとフレームとを出力し、ATMネットワーク150からのセルをスイッチして再度ATMネットワーク150に出力することによりセルを中継するものである。また、管理システム160は、これらのOLT100,200を管理するものである。そして、ONT103は、LAN(Local Area Network)105におけるフレームとセルとを変換してインタフェース機能を有するものであり、集線装置107は複数のONT103からの出力を集線し、その集線したセルをOLT100に出力するものである。
【0007】
これにより、ONT103は、複数のLAN105からのデータを集線し、その集線したデータをセルに変換してOLT100,200に入力する。そして、OLT100は、LAN105から送信されたデータの種類および宛先のそれぞれに応じて設定されたコネクションごとにスイッチングし、宛先のOLT200にデータを送信する。各コネクションは、サービスクラスが与えられ、そのサービスクラスには、帯域を保証する度合いに応じたパラメータが与えられている。
【0008】
なお、以下、「割り当て」とは、固定的にリソースを確保して使用する、という意味で用いる。
サービスクラスの一例は、ネットワーク内のリソース(ネットワークが転送可能な帯域)の一部を固定的に割り当て、輻輳時においても常時、一定の帯域を確保し伝送するものが知られている。また、輻輳時は最低限保証する帯域で伝送し輻輳が解除されたときには、その時点におけるネットワーク内リソースの空き部分も利用し、より多く伝送するサービスクラスもあり、それ以外に、常時、ネットワーク内リソースの空きを利用して伝送するサービスクラスなどがある。それらの詳細については後述する。
【0009】
さらに、管理システム160は、OLT100,200の負荷を監視し、また、その負荷が分散されるように、各OLT100,200を制御および管理し、これにより、効率的なデータ伝送を図っている。換言すれば、OLT100,200は、被管理システムとして、管理システム160によって、常時監視されているのである。
【0010】
具体的な監視(制御又は管理)の対象例は、図19に示すOLT100のATMスイッチ100cである。ここで、図19に示すOLT100は、LAN105側のインタフェースカード(例えばパッシブダブルスター型[PDS型]IFカード)100a,100bと、IF(インタフェース)カード100a,100bから出力されたセルをスイッチングして出力するATMスイッチ(スイッチ部:ATMスイッチングシステム)100cと、ATMスイッチ100cから出力されたセルをATMネットワーク150に対して出力する出力インタフェース(中継インタフェース又は中継IF)100dと、管理システム160からの制御信号を受信してOLT100の各ユニットを制御する制御部100eとをそなえて構成されている。
【0011】
ATMスイッチ100cについてさらに詳述する。
ATMスイッチ100cは、一部又は全ての出方路(出力方路)間において、各出方路に出力するセルを一時的に保持するためのバッファ(例えば出方路バッファ)を有し、携帯端末104からのフレームを変換したセルのセル長又はセルの読み書きタイミングを考慮し、例えばセルを時間的に平均して出力しセルをスイッチするものである。これにより、コネクションに割り当てられた容量を超える容量のセル出力が抑制される。なお、以下、特に断らない限り、トラヒックデータ(セル,フレーム又はパケット)をトラヒックと称する。
【0012】
これに対して、ATMスイッチ100cは、コネクションに割り当てられた容量を超える容量のセルが入力された場合、受信したセルを廃棄する。ネットワーク品質の観点からは、ATMスイッチ100cは、セル廃棄を回避する必要があり、大容量の出方路バッファを設けなければならないが、セルは非同期で送受信されるので、バースト性が高い。従って、ピーク時のトラヒックに対応する出方路バッファの容量が増大すると、平常時において、出方路バッファの使用されない空き領域が大きくなり、ハードウェア資源の使用効率が悪化する。このため、従来、オペレータ(保守者)は、出方路バッファのバッファ容量を適切に割り当てを行なっていた。
【0013】
図20は従来の共用出方路バッファのバッファ容量(容量,バッファ量,バッファサイズ,バッファ領域又は領域)の割り当てモデルを説明するための図であって、この図20に示すバッファ容量(領域)B1,B2は、いずれも、CBR(Constant Bit Rate)用であり、容量B3は帯域保証を要しないUBR(Unspecified Bit Rate)用である。ここで、容量B1はコネクションへの割り当て済みのものであって、予め確保された帯域保証型トラヒックのうちの既にコネクションに割り当てられたトラヒック用の領域である。容量B2はその方路向けに割り当てられているが、未だコネクションに割り当てられていない帯域保証型トラヒック用の領域である。容量B3は帯域保証を要しない領域であって、この容量B3が空いている間は常時使用可能な領域である。これらの容量B1,B2を含むバッファ容量は、予めオペレータによって出方路を設定するときに割り当てられ、そのサイズは変更されうる。
【0014】
また、従来、帯域保証型トラヒックのバッファを確保する場合、単一の品質基準情報(品質基準:具体的にはセル廃棄率を表す。)のみが考慮されていた。従って、図20に示す容量B2に相当する部分は、将来用いられる帯域保証型サービスのために常時確保され、帯域保証型トラヒックはその通信品質を維持しながら伝送可能である。
【0015】
次に、このバッファの動作(Q1)〜(Q3)の一例について詳述する。
(Q1)OLT100(図19参照)は、「256個まで蓄積できるバッファを用いて150Mbpsのレート」で伝送する。OLT100の能力は、出方路バッファにおいて、150Mbpsのレートでセルを転送できる。CBRセルの廃棄率は、CBR用のバッファ容量を算出するために用いられる。この廃棄率を例えば一定値α[%]とする。
【0016】
(Q2)ネットワーク設計者は、予め、出方路バッファの全トラヒックのうちの例えば9割がCBRトラヒックである場合においても、CBRセルの廃棄率をα[%]以下で転送できるように方針を決定する。この方針は、その決定時において、出方路バッファに収容されるCBRセルのピークセルレートに関係なく、将来的に、CBRトラヒックを伝送したい顧客又はトラヒックを拡大する顧客が増加する場合を考慮する。
【0017】
(Q3)この出方路バッファを通過するCBRトラヒックが小さい(例えば15Mbps)場合、又は出方路バッファに、ピークセルレート15MbpsのCBRコネクションが一本だけ設定されている場合であっても、CBRトラヒックが全トラヒックのうちの9割のトラヒックを占有したときに、廃棄率がα[%]以下になるようにCBR用バッファ容量が確保される。
【0018】
このバッファ容量を得る方法は、図20に示す割り当てモデルから、例えば、256セルのうちの30セルがCBRセルとして計算する。この計算において、確実に転送されるCBRトラヒックのみが考慮される場合は、15Mbpsは全トラヒックの10[%]となるので、必要なCBRバッファ用セル数は例えば5セルとなる。
【0019】
これらの動作(Q1)〜(Q3)と、容量B1〜B3との対応について説明する。容量B1,B2およびB3は、それぞれ、5,25セル(30−5=25)および226セル(256−30=226)となる。CBRトラヒックは廃棄されずに転送される一方、UBRトラヒックは、トラヒック量が増加すると、容量B3からあふれるのでそのあふれた分は廃棄される。
【0020】
なお、従来技術として、加入者交換機であって、端末装置から帯域変更要求があった場合には、加入者交換機が空帯域テーブルに記憶された値と比較することにより変更の可否を決定し、端末装置からの要求帯域に基づきダイナミックに帯域を変更するものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、高速な帯域変更が可能となる。
【0021】
また、特許文献2に開示されたATM装置における帯域制御装置は、必要時にOAM(Operation,Administation and Maintenance:保守運用)セルなどの管理用セル挿入用の帯域を確保し、OAMセルなどの管理用セルを挿入しないときはその帯域をABR、UBRなどのべストエフォート型サービスのセル送出に割り当てるようになっている。これにより、ネットワークリソースの有効活用を図れる。
【0022】
【特許文献1】
特許3085515号公報
【特許文献2】
特開2000−151630号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ATMスイッチングシステム250は、帯域保証を要しないトラヒックが大量に存在する場合においてもトラヒックの伝送に使用されないバッファ(容量B2部分)を常時確保し、その結果、バッファが有効に活用されず、経済的でないという課題がある。
【0024】
この容量B2を最小にするために、オペレータがバッファ容量を変更する方法もあるが、常時バッファ容量を適切な値にするために、オペレータは頻繁にバッファ容量を変更しなければならず、非常に煩雑であった。このため、頻繁な保守作業からオペレータを解放するため、バッファ容量を多めに確保せざるを得ず、結果的に、やはり、経済的なシステムを構築できないという課題があった。
【0025】
また、従来は、出方路バッファの品質基準には、単一基準が適用されており、ユーザが必要とする品質基準又はそのシステムを運用するオペレータが計画する品質基準のATMスイッチングシステム250を柔軟に構築することは困難である。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ATMスイッチングシステムにおけるトラヒックの蓄積および伝送する出方路バッファにおいて、通信上の定められた品質を維持するとともに、保守作業負担の軽減を図り、システムの品質基準を柔軟に変更できかつ経済的にシステムを構築することが可能な、スイッチングシステム,管理システム,伝送路終端装置およびバッファ容量割り当て方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のスイッチングシステムは、トラヒックデータを出力する複数の出方路と、複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と、複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部と、通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項1)。
【0027】
また、本発明のスイッチングシステムは、複数の出方路と共用バッファ部とアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、伝送路終端装置を管理する管理システムとをそなえ、この管理システムが、第1保証帯域占有率を算出する算出部と、第2保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出された第1保証帯域占有率と、保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえるとともに、伝送路終端装置が、管理システムの通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部をそなえて構成されたことを特徴としている(請求項2)。
【0028】
さらに、本発明の管理システムは、複数の出方路と共用バッファ部とアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置の複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項3)。
【0029】
そして、本発明の伝送路終端装置は、トラヒックデータを出力する複数の出方路と、トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファと、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、管理システムの算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項4)。
【0030】
また、本発明のバッファ容量割り当て方法は、トラヒックデータを出力する複数の出方路と複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置とを管理する管理システムが、伝送路終端装置について、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出し(算出ステップ)、伝送路終端装置又は管理システムのうちのいずれか一方が、算出ステップにて算出された第1保証帯域占有率と帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部に保持された前記テーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部のバッファ容量を決定し(決定ステップ)、決定ステップにて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知し(通知ステップ)、通知ステップにて通知されたバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる(割り当てステップ)ことを特徴としている(請求項5)。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の一実施形態の説明
図1は本発明の一実施形態に係るATMスイッチングシステム(スイッチングシステム又は伝送システム)の概略的な構成図である。この図1に示すATMスイッチングシステム50は、低速の電子メールデータと高速のリアルタイムデータ(例えば音声,映像)とを混在させて伝送するものであって、電子メールデータ,音声データなどのデータの種類に応じて保証帯域を変更可能になっている。そして、ATMスイッチングシステム50は、セル(ATMセル)を伝送するATMネットワーク150,セルをスイッチングするOLT(Optical Line Terminal)10,20からなる伝送系と、OLT10,20を管理又は制御する制御系(管理システム7)と、ユーザがこれらのOLT10,20にアクセスするための以下に述べるアクセス系とをそなえて構成されている。
【0032】
(1)アクセス系
アクセス系の一例として、図1に示すOLT10には、セルを集線するための集線装置107を介して、3種類のアクセスラインが接続されている。すなわち、第1のアクセスラインは、携帯電話などの移動端末104,移動端末104と無線送受信する基地局102と、基地局102およびOLT10間をインタフェースするDSU(Digital Service Unit)101とを有する。第2のアクセスラインは、例えば企業などのネットワークを表すLAN105と、LAN105からのフレーム(又はパケット)およびATMセル間をインタフェースするONT103とを有する。さらに、第3のアクセスラインは、例えば企業などの内線電話105aと、内線電話105aに起因するフレームとセルとの間をインタフェースするATM−ONT103aとを有する。また、OLT20にも、同一のアクセスラインが接続されている。
【0033】
これにより、例えばLAN105から出力されるフレームは、ONT103にて宛先情報を含むセルにセル化され、セルは他のアクセスラインから送信されたセルとともにOLT10にて非同期で多重化されてスイッチングされる。また、OLT10は、同一の宛先情報を含むセルについては、同一のコネクション(コネクション)を付してスイッチングする。そして、スイッチングされた各セルは、ATMネットワーク150,OLT20をそれぞれ介して、対向するONT103に伝送され、対向するLAN105に受信される。従って、各ユーザは、伝送系にアクセスできる。
【0034】
なお、OLT20からOLT10に対してセルを転送する場合も、同様であるので、重複した説明を省略する。
(2)伝送系
(2−1)OLT10,20
OLT10,20は、それぞれ、トラヒックデータ(例えばセル,フレーム又はパケット:以下、セルを用いて説明する。)を出力する複数の出方路9aと、複数の出方路9a間で共通して使用(共用)してセルを保持する共用バッファ部8と、出方路9aごとに設けられたアドレス格納バッファ32dとを有する。これらのOLT10,20の有する機能は、アクセス系からのセルをスイッチして伝送するとともにATMネットワーク150からの自分宛のセルを抽出し抽出したセルをアクセス系に分配することである。また、OLT10,20は、ともに、電子メールデータ又は音声データなどのデータ種類に応じて、保証帯域を変更できるようになっている。
【0035】
なお、これらのOLT10,20の構成については後述する。
(2−2)保証帯域
保証帯域は、例えば、OLT10,20は、CBR,VBR(Variable Bit Rate),ABR(Available Bit Rate)およびUBRなどが知られている。ここで、CBRは、音声,映像データのような遅延および遅延変動が極めて小さいデータのためのものであって、固定した帯域を占有する。VBRは、固定帯域を占有するとともに伝送速度が可変なものである。このVBRは、例えば動画像の場面が変更するときは伝送速度を上げ、また、動画像の場面の動きが少ないときは伝送速度を下げる。さらに、ABRは、固定帯域を占有せずに、利用可能な空き帯域を用いて伝送するものである。このABRが用いられる場合、トラヒック量がスイッチ部6の処理能力を超えると、スイッチ部6がセルを廃棄する。従って、セル廃棄を防止するために、フロー制御が行なわれる。そして、UBRは、このフロー制御を行なわず、空き帯域を用いて伝送するものである。
【0036】
これにより、OLT10,20は、いずれも、コネクションごとに与えられたサービスパラメータに応じて、帯域を確保し、空きの帯域を利用してセルを転送し、ATMネットワーク150および他のOLT(図示省略)を介してセル,フレームなどを中継する。
(2−3)スイッチ部(共用バッファスイッチ部)6
図17は本発明の一実施形態に係るスイッチ部6の概略的な構成図である。この図17に示すスイッチ部6は、多重部32aと、共用バッファ部8と、アドレス格納バッファ32dと、分離部32cと、帯域保証用バッファ割り当て部(割り当て部)6aとをそなえて構成されている。ここで、多重部32aは、複数のセルA〜Dを多重するものであり、分離部32cは、アドレス格納バッファ32dに格納されたセルの宛先に応じてセルを分離出力するものである。
【0037】
そして、共用バッファ部8は、全ての出方路9a(図3参照)間で共用しセルを保持するものであって、この機能は、例えば1024セル分のバッファメモリにより実現される。共用バッファ部8は、以下に述べるアドレス格納バッファ32dに保持された格納アドレスの順番に基づいて読み出されるようになっている。この共用バッファ部8は大容量であって、16個の出方路9aが共用し、他の装置からのセルを一時的に保持する。
【0038】
さらに、アドレス格納バッファ32dは、出力路9aごとに共用バッファ部8のアドレス管理を行なうものであって、最大256セル分(256個)のアドレスを保持できる容量をもつFIFO(First In First Out)バッファ33a〜33e(出方路1〜出方路16と表示したもの。)を16個有する。これらの16個のFIFOバッファ33a〜33eは、それぞれ、セルを保持するものではなく、共用バッファ部8のどの位置(又は領域)に、所望のセルが書き込まれているかを表すアドレスを保持する。
【0039】
図17において、セルA,B,C,D,Eが、それぞれ、出方路1,出方路1,出方路4,出方路3,出方路16とした場合、スイッチ部6に入力されたセルA〜Eは、多重部32aにて多重化され、各セルA〜Eは、順番に読み込まれ、共用バッファ部8のアドレス#x,#y,#z,#wおよび#qに格納される。そして、セルA,Bの格納アドレス#x,#yは、いずれも、出方路1に対応するFIFOバッファ33aに格納され、FIFOバッファ33aは、256個のうちの2個のセルアドレスがバッファリング(又はキューイング)される。
【0040】
さらに、セルCの格納アドレス#zは出方路4に対応するFIFOバッファ33dに格納され、また、セルD,Eの格納アドレス#w,#qは出方路3,出方路16に対応するFIFOバッファ33d,33eに格納される。
一方、セルを出力する場合は、例えば出方路1が指定されると、FIFOバッファ33aに格納されたアドレス#x,#yに保持されたセルA,Bが読み出され、また、出方路3,4および16にそれぞれ格納されたアドレス#w,#zおよび#qから、セルD,CおよびEが読み出される。これらのセルA〜Dは、それぞれ、分離部32cにて分離されて各出方路1〜16に出力されるのである。
【0041】
このように、16個のFIFOバッファ33a〜33eに格納された共用バッファ部8のアドレスが順に読み出され、読み出されたアドレスをもつ共用バッファ部8から、セルが読み出され、順次転送される。
また、FIFOバッファ33a〜33eが保持可能なアドレス数は、帯域保証用バッファ割り当て部6aによって、変更されるようになっている。FIFOバッファ33aの一例は、例えば図18(a)に示すように、CBR用のFIFOバッファ34aと、UBR用のFIFOバッファ34bと、セレクタ35とをそなえて構成されている。CBR用のFIFOバッファ34aとUBR用のFIFOバッファ34bとが保持可能なアドレス数は、いずれも、帯域保証用バッファ割り当て部6aによって、192,64に設定されている。また、FIFOバッファ33aの全体が保持可能なアドレス数は256個に設定されており、これらの個数が適応的に変更されるのである。
【0042】
そして、セレクタ35は、帯域保証用バッファ割り当て部6aによって、CBR用のFIFOバッファ34aと、UBR用のFIFOバッファ34bとのうちの一方を選択し、選択したアドレスに保持されたセルを共用バッファ部8から読み出してそのセルが出力されるのである。
また、図18(b)は図18(a)に示すFIFOバッファ33aの変形例であり、CBRおよびUBRを含む複数のQoS(Quality of Service:サービスの品質)1〜QoS4のそれぞれに対応したFIFOバッファ36a〜36dとセレクタ35とをそなえて構成されている。そして、これらのFIFOバッファ36a〜36dが保持可能なアドレス数は、やはり、帯域保証用バッファ割り当て部6aによって、設定されるようになっている。
【0043】
このように、FIFOバッファ34a,34bおよび36a〜36dの保持可能なアドレス数が、変更できるので、システムの品質基準を柔軟に変更できかつ経済的にシステムを構築できる。
また、このように、出方路1〜16の多様な品質基準に対応したセル量の選択が可能となる。
【0044】
(2−4)本発明を適用したスイッチング
OLT10,20(図1など参照)は、16個のFIFOバッファ33a〜33eのそれぞれについて、256セル分のうちのKセル分(Kは256以下の自然数を表す。)がCBRとして用いられ、また、残りの(256−K)セル分がUBRとして用いられる。
【0045】
図17に示すセルA,Bはともに出方路1宛であり、セルC,Dはそれぞれ出方路4,3宛である。これにより、入力されたセルA〜Eは多重部32aにて多重され、多重されたセルA〜Dは、それぞれ、共用バッファ部8の格納アドレス#x,#y,#z,#wおよび#qに保持され、また、保持された格納アドレス#x〜#qは、いずれも、アドレス格納バッファ32dに格納される。
【0046】
一方、保持されたセルを出力するタイミングは、読み出し部(図示省略)が、アドレス格納バッファ32dを周期的又は順番に読み出して、格納アドレス#x〜#qを取得し、その取得した例えば格納アドレス#xに基づいて格納されたセルAを出力するのである。
具体的には、読み出し部は、アドレス格納バッファ32dの格納アドレス#xを読み出し、この読み出した格納アドレス#xに格納されたセルAを取得する。また、読み出し部は、アドレス格納バッファ32dの格納アドレス#zを読み出すが、情報が蓄積されていないので何もせずに処理を終了し、その後、格納アドレス#z〜#qについても同様に処理する。
【0047】
このアドレス格納バッファ32dにより、入力されたセル数が大きい場合に、負荷を分散させることができる。従って、例えばユーザが、1個のFIFOバッファ33aが256セル分のアドレスを保持する場合、256セルのうちの何セルをCBRに用い、また、残りの何セルをUBRに用いるかについて、柔軟に設定可能となる。
【0048】
このため、共用バッファ部8が16個の出方路9aによって共用される場合に、セル自体は共用バッファ部8に格納され、また、各セルが格納されたアドレスはアドレス格納バッファ32dに保持される。そして、この状態において、アドレス格納バッファ32の領域を、CBR用,UBR用などの各クラスに割り当てることが可能となる。
【0049】
なお、これらのセル数および共用バッファ部8の個数は、一例であって、これらの値に限定されるものではなく、種々、変更して実施可能である。
(3)制御系
管理システム7(図1など参照)は、2以上の被管理システム(以下に述べるOLT10,20など)と接続され、被管理システムの回線管理、実装管理、障害監視、試験、性能監視などを行なうものであり、ATMネットワーク150の負荷状況に応じて、バッファ容量を適切に制御するものである。
【0050】
図2は本発明の一実施形態に係る管理システム7と被管理システムとを説明するための図である。この図2に示す管理システム7は、OLT10,20とOLT10,20と同一機能を有するOLT30とを管理しており、また、各OLT10,20,30などの各装置が、被管理システムN1,N2,N3として機能している。これらの被管理システムN1,N2,N3は、ATMスイッチングシステム50又はフレームスイッチングシステム(図示省略)を構成しており、これらのATMスイッチングシステム50又はフレームスイッチングシステムは、一般に、ITU−T(International Telecommunication Union−Telecommunication:国際電気通信連合),ATMフォーラム(ATM Forum)又はフレームリレーフォーラムなどの標準化機関によって標準化された仕様が実現されている。また、被管理システムN1,N2,N3は、それぞれ、アクセス系と接続されてフレームを転送する回線L1,L3,L5と、ATMネットワーク150と接続されてセルを伝送する回線L2,L4,L6と、これらの回線L1〜L6および管理システム7間にてセルをスイッチングするスイッチ部(SW:Switch)6が設けられている。
【0051】
これにより、被管理システムN1〜N3における帯域などの性能が常時管理され、また、管理システム7は、障害を検出すると、障害通知又は復旧のために管理システム7を制御する。また、管理システム7は、セキュリティおよび課金のための使用履歴を管理する機能を設けることもできる。
なお、図2に示す符号のうちの上述したものと同一符号を有するものは、同一のものを表す。
【0052】
図6は本発明の一実施形態に係るATMスイッチングシステム50の構成図であり、管理システム7がOLT10に帯域保証コネクションを設定するときの出方路の帯域保証用バッファ割り当ての流れが表示されている。
この図6に示すATMスイッチングシステム50は、セルを出力する複数の出方路9aと、複数の出方路9a間で共用してセルを保持する共用バッファ部8とを有するOLT10,20と、これらのOLT10,20を管理する管理システム7とをそなえている。図6には、管理システム7がOLT10に帯域保証用のデータを設定するようになっている。
【0053】
この管理システム7は、データ入力部13,保証帯域占有率算出部(算出部)14,データ保持部(保持部)11,保証帯域用バッファ容量決定部(決定部)12,制御信号送信部(通知部)15をそなえて構成されている。
ここで、データ入力部13は、オペレータからの帯域保証用コネクションの保証帯域と、出方路9aにおける品質基準とを入力又は選択されるものである。
【0054】
また、保証帯域占有率算出部14は、複数の出方路9aが物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す保証帯域占有率(第1保証帯域占有率)を算出するものである。すなわち、保証帯域占有率算出部14は、OLT10の複数の出方路9aに収容されるコネクションに割り当てられた保証帯域の合計が、その出方路9aにおける物理的に伝送可能な帯域に対する割合を計算する。
【0055】
データ保持部11は、帯域保証を要する帯域の割合を示す保証帯域占有率(第2保証帯域占有率)と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持するものである。すなわち、データ保持部11は、品質基準情報(CBRトラヒックのセル廃棄率)ごとの、保証帯域占有率(CBR収容比率:一つの出方路の物理帯域に対するその出方路に流入し転送されるCBRトラヒックの帯域の割合)と、CBRトラヒックをその品質基準で転送するために必要なバッファ容量との関係を保持している。
【0056】
換言すれば、データ保持部11は、CBR収容比率と目標バッファ容量とを対応付けたグラフ(図5参照)を表すテーブルデータを保持し、また、グラフのテーブルデータを、複数の出方路9aのセル廃棄率ごとに保持している。従って、管理システム7によってセル廃棄率が指定されるようになっている。これにより、オペレータは、ユーザが必要とする品質基準を柔軟にサポートできる。また、オペレータは、ユーザが要求するATMスイッチングシステム50の品質基準を考慮したシステム設計が可能となる。
【0057】
また、保証帯域用バッファ容量決定部12は、保証帯域占有率算出部14にて算出された保証帯域占有率と、データ保持部11に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部8のバッファ容量を決定するものである。
制御信号送信部15は、保証帯域用バッファ容量決定部12にて決定されたバッファ容量をOLT10,20などに通知するものであり、通知部として機能する。
【0058】
また、OLT10は、制御信号送信部15が通知したバッファ容量に基づいて、複数の出方路9aごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる帯域保証用バッファ割り当て部(割り当て部)6aを有する。
また、これら以外のもので上述したものと同一符号を表すものは、同一のものを表す。これにより、オペレータによって入力されたデータに基づいて、決定されたバッファ容量は、制御信号送信部15から保証帯域用バッファ容量通知メッセージとしてOLT10に送信される。
【0059】
また、これにより、管理システム7は被管理システム(例えば図2参照)における負荷を分散させることができ、さらに、装置故障を迅速に発見して対応できるので、オペレータは、ユーザに対して、効率的かつ安定したネットワークアクセスを提供できる。従って、ユーザは、帯域変更サービスが保証される。
(4)OLT10,20の構成
図3は本発明の一実施形態に係るOLT10およびOLT20のブロック図である。この図3に示すOLT10は、制御部7aと、例えばM個の入力インタフェース100a〜100cと、スイッチ部(ATMスイッチ部)6と、例えばN個の出力インタフェース100dとをそなえて構成されている。なお、M,Nはいずれも2以上の整数を表す。
【0060】
ここで、制御部7aは、管理システム7からの制御信号を受信してOLT10の各ユニットを制御するものである。また、M個の入力インタフェース100a〜100cは、それぞれ、DSU101,ONT103側に設けられたシングルスター型(SS:Single Star又はSL:Single Lineとも称する。)インタフェースカード(IFカード)又はパッシブダブルスター型(PDS:Passive Double Star)インタフェースカードである。
【0061】
なお、図3に示すM個の入力インタフェース100a〜100cは、ユーザ側のフレーム又はセルの集線と、ATMネットワーク150からのフレームの分配との各機能を有し、また、いずれも、入力されたフレーム又はセルによる帯域(入力帯域)を制御する入力帯域制御部23aを設けている。なお、入力インタフェース100a〜100cの入力側とは、特に断らない限り、アクセス系側を意味する。
【0062】
スイッチ部6は、入力インタフェース100a〜100cから出力された信号をスイッチングして出力するものであって、共用バッファ部8と、アドレス格納バッファ32d(アドレスと表示したもの)と、帯域保証用バッファ割り当て部(割り当て部:以下、バッファ割り当て部と称する。)6aとをそなえて構成されている。
【0063】
この共用バッファ部8は、複数の出方路9a間で共用してセルを保持するものである。また、アドレス格納バッファ32dは、複数の出方路9aごとに設けられセルのアドレスを格納するものである。そして、このアドレス格納バッファ32dに保持された格納アドレスが変更されることにより、共用バッファ部8に保持されているセルのうちの実際に読み出されるセル数(セル量)が変動するようになっている。なお、図3に示す「出方路バッファ1」などの表示は、便宜的に、アドレス格納バッファ32dに保持された格納アドレスに基づいて、共用バッファ部8からセルが読み出されることを表したものである。
【0064】
これにより、帯域保証を必要とするコネクションの設定,解除又はそのコネクションの帯域変更に応じて、出方路9aの帯域保証用トラヒックのバッファ容量が更新される。
次に、バッファ割り当て部6aは、管理システム7の制御信号送信部15(図6参照)が通知したバッファ容量に基づいてN個の出力インタフェース100dのそれぞれに設けられたセルを出力する出方路9aのそれぞれについての占有バッファ容量を割り当てるものである。
【0065】
出力インタフェース100dは、ともに、ATMネットワーク150側に設けられたインタフェースカード(IFカード)であり、ATMセルを送信する機能を有する。
従って、本発明のATMスイッチングシステム50(図1,図2参照)は、セル,フレーム又はパケットなどのトラヒックデータを出力する複数の出方路9aと、複数の出方路9a間で共有してトラヒックデータを保持する共用バッファ部8と、出方路9aごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファ32dとを有するOLT10,20と、複数の出方路9aが物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す保証帯域占有率を算出する保証帯域占有率算出部14と、保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持するデータ保持部11と、保証帯域占有率算出部14にて算出された保証帯域占有率とデータ保持部11に保持されたテーブルデータとに基づいてバッファ容量を決定する保証帯域用バッファ容量決定部12と、保証帯域用バッファ容量決定部12にて決定されたバッファ容量をOLT10,20に通知する制御信号送信部15と、制御信号送信部15が通知したバッファ容量に基づいて出方路9aごとに指定された品質基準を満たすための帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部6aとをそなえて構成されたことになる。
【0066】
これにより、スイッチ部6は、セル長およびセルの読み書きタイミングを考慮してスイッチングする。さらに、スイッチ部6の状態は、管理システム7によって管理されている。
なお、図3に示すOLT10a,20aは、それぞれ、後述する変形例において、詳述する。
【0067】
次に、この共用バッファ部8について図4を用いて詳述する。
図4は本発明の一実施形態に係る共用バッファ部8の割り当てを模式的に示す図である。この図4に示す共用バッファ部8は、出方路9aの帯域保証用に割り当てられていないバッファ容量(容量)B2,B3と、出方路9aの帯域保証用に既に割り当てられた容量B1とを有する。そして、容量B2,B3は、管理システム7からの制御信号によって可変に増減されるようになっている。
【0068】
(5)バッファ容量割り当て方法
本バッファ容量割り当て方法は、次に示す方針又は動作(P1)〜(P3)に基づいている。
(P1)基本方針として、ATMスイッチングシステム50は、複数の出方路9a間で共用される共用バッファ部8と、各出方路9aに例えば256セル分のアドレスを蓄積(格納)できるアドレス格納バッファ32dとをそなえ、共用バッファ部8とアドレス格納バッファ32dとをCBRおよびUBRの両コネクションにおいて共有する。ATMスイッチングシステム50は、一本の出方路9aについて150Mbpsのレートでトラヒック(トラヒックデータ)を転送できるものとする。そして、CBR廃棄率は、複数の廃棄率(例えば、α,β,γ[各単位は%]といった値)のうちの一つが選択され、また、出方路9aごとに選択されるようになっており、その出方路のCBR用バッファ容量を算出するために用いられる。
【0069】
(P2)出方路9aにおけるCBR廃棄率を例えば廃棄率α[%]に決定する。
(P3)UBRコネクションは既に設定されており、トラヒックが存在する出方路9aに、ピークセルレートが15MbpsのCBRコネクションが初めて一本設定された場合、CBRコネクションの最大値は、この出方路9aが物理的に転送可能なトラヒックのうちの10[%]に相当する(この10%が保証帯域占有率である。)。この占有率と選択されたCBRセル廃棄率α[%]との関係から、必要なCBRバッファ容量が、例えば5セルと算出される。そして、256セルのうちの5セル分がCBR用として使用され、残りの251セル分が、UBR用として使用される。
【0070】
これにより、共用バッファ部8の未使用領域が、UBR用バッファ分(例えば251セル分)として利用され、UBRセルの廃棄数を減少させることができる。なお、CBRトラヒックは、この出方路9aに着く前に、OLT10の入力帯域制御部23a(図3参照)などによって、契約されたピークセルレート以下のレートに抑制される。また、未使用領域に相当する容量B2(図20参照)が有効に利用され、UBRセルの廃棄数が少なくなるので、効率的かつ経済的なATMスイッチングシステム50が構築される。
【0071】
本発明のバッファ割り当て方法は、まず、セル,フレーム又はパケットなどのトラヒックデータを出力する複数の出方路9aと複数の出方路9a間で共用してセルを保持する共用バッファ部8とを有するOLT10,20とを管理する管理システム7が、OLT10,20について、複数の出方路9aが物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す保証帯域占有率を算出する(算出ステップ)。
【0072】
次に、管理システム7が、容量B2のバッファ容量を増設し、それに続いてコネクション対応の保証帯域を設定する。これにより、新規コネクションに関するトラヒックは、共用バッファ部8又はアドレス格納バッファ32dの増設後に流れるため、既存の帯域保証型コネクションのトラヒックに悪影響を与えることなく、適切な出方路バッファを割り当てることが可能となる。
【0073】
そして、管理システム7が、算出ステップにて算出された保証帯域占有率と帯域保証を要する帯域の割合を示す保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持するデータ保持部11に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部8のバッファ容量を決定する(決定ステップ)。
【0074】
また、管理システム7は、決定ステップにて決定されたバッファ容量をOLT10,20に通知し(通知ステップ)、この通知ステップにて通知されたバッファ容量に基づいて、管理システム7は、複数の出方路9aごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる(割り当てステップ)。
従って、コネクション対応の保証帯域が解除され、それに続いて容量B2のバッファ容量が削減される。これにより、削除されたコネクションに関するトラヒックが流れなくなってから、出方路9aに出力するために読み出されたセル量(図3参照)が削減される。
【0075】
これにより、帯域増量要求のあったコネクションの増量分のトラヒックは、例えば共用バッファ部8又はアドレス格納バッファ32dの増設後に流れるため、既存の帯域保証型コネクションのトラヒックに悪影響を与えずに、トラヒックに対応する適切な送信セル量を割り当てることが可能となる。
このように、帯域減量要求の対象となるコネクションの減量分のトラヒックが送受信されなくなってから、実際に読み出された量(図3参照)が削減されるため、やはり、適切なセル量が維持できる。
【0076】
(6)バッファ領域の増減の算出方法
次に、バッファ領域の増減の算出について、図5に示すグラフを用いて説明する。この図5に示すグラフを用いることにより、図9(a)〜図9(d)に示すコネクションが設定される。
図5は本発明の一実施形態に係るバッファ容量を決定するためのグラフを示す図であり、この図5に示すグラフは、ユーザ又はオペレータが計画する品質基準のバッファ容量を選択するためのものである。ここで、横軸は出方路9aの保証帯域占有率(出方路CBR占有率,出方路CBR比率)であって、出方路9aが物理的に転送可能なトラヒックに対するCBRトラヒックの比率を表している。一方、縦軸はその比率において必要なバッファ容量(セル数)を表す。
【0077】
管理システム7は、このグラフのテーブルデータ(出方路の保証帯域占有率とそれに対応して必要な出方路のバッファ容量との関係)を、品質基準(廃棄率αの基準と廃棄率βの基準)ごとに有する。具体的には、算出に必要な複数点における品質基準であり、これについては後述する。
ここで、廃棄率α,βは、いずれも比率であり、「何セル転送したら1セルが廃棄されるか」を示す値であって、グラフにおいてはα>βの関係にある。すなわち、廃棄率αは、廃棄率βに比較して時間当たりに廃棄されるセル数が多いので、伝送品質は廃棄率αよりも廃棄率βのほうがよいことになる。また、同一のCBR占有率においては、廃棄率βが、必要なバッファ容量が大きいことを意味する。なお、CBRは一例であって他のサービスクラスを用いることもできる。
【0078】
すなわち、廃棄率βは廃棄率αよりも大きいので、廃棄されるセル数が多く、廃棄率βの伝送品質は、廃棄率αの伝送品質よりも低いことを表す。さらに、このグラフは、例えば2種類の廃棄率α,βをパラメータとしており、管理システム7は、廃棄率をパラメータにした2本のグラフのうちの適切なものを選択できるようになっている。例えば、廃棄率α,βが、それぞれ、1.0*pow(10,−10)[%],0.5*pow(10,−10)[%]とする。ここで、*は乗算,pow(10,−10)は10のマイナス10乗をそれぞれ表す。
【0079】
各出方路9aについて適用される品質基準は、各出方路9aのインタフェースが登録されるときに、オペレータによって指定されるか、又は指定されないときは、予め設定されたデフォルト値が用いられる。出方路9aのCBR用のバッファ容量は、品質基準と出方路9aの保証帯域占有率とに基づいて決定される。
従来、出方路9aの品質基準には、単一基準が適用されており、ユーザが必要とする品質基準、又はオペレータが計画する品質基準を有するATMスイッチングシステム50を柔軟に構築することが困難であった。これに対して、本発明は、OLT10.20は、複数の品質基準のうちの所望の品質基準を選択できるため、多様な品質基準のATMスイッチングシステム50を柔軟に構築できる。
【0080】
そして、このように、管理システム7が目標とする品質基準に対応する出方路バッファ容量決定部12と、算出された結果を管理システム7に通知する制御信号送信部15とを設けるとともに、被管理システム(10,20)が管理システム7より通知されたセル量を割り当てる割り当て部6aを設けているので、多様な品質基準をもつATMネットワークシステム50の構築が可能となる。
【0081】
次に、図6および図7を参照して、管理システム7が、OLT10(又はOLT20)にコネクション確立と帯域確保とを設定する流れ(M1)〜(M7)について説明する。これらの図6,図7に示す符号のうちの上述したものと同一符号を有するものは同一のものを表す。
(M1)図6に示すオペレータは、予め管理システム7にCBRコネクション設定要求コマンドと、その帯域保証用CBRコネクションの保証帯域とをデータ入力部13に入力し、出方路9aにおける品質基準(具体的には、セル廃棄率)を選択する。この入力および選択によって、ATMスイッチングシステム50は、ユーザの契約するピークセルレート(Peak Cell Rate:PCR)におけるセルの転送を保証するのである。つまり、ユーザはピークセルレートでフレームを送信でき、また、ピークセルレート以上のフレームを送信する場合は、ATMスイッチングシステム50がそのピークセルレートを超えた分のトラヒックを廃棄する。
【0082】
(M2)管理システム7は、出方路9aにおける、CBRコネクションの保証帯域の物理帯域に対する占有率を算出する。
(M3)管理システム7は、出方路9aにおける、CBR占有率とセル廃棄率とに基づいて、CBR帯域を保証するために必要なCBR用バッファ容量を算出する。
【0083】
(M4)管理システム7は、管理されるOLT10に対して、(M3)にて算出したCBR用バッファ容量を通知し、(M1)にて要求されたコネクションの設定を要求する。
(M5)また、図7は本発明の一実施形態に係るセルの流れを説明するための図であるが、この図7に示すOLT10の制御部21は、管理システム7からの通知を受信すると、例えば入力インタフェース1(入力インタフェース100a)に対してCBR用バッファ容量を入力し、入力インタフェース1に設けられた入力帯域制御部23aは、コネクションごとに帯域をチェックし、入力されたバッファ容量を共用バッファ部8のうちのアドレス格納バッファ32dに通知する。そして、アドレス格納バッファ32dは、通知されたバッファ容量に従って、CBR用バッファ容量を設定し、また、出方路9aごとに帯域をチェックする。なお、この図7に示す矢印はトラヒック量とトラヒックの流れとを表す。
【0084】
なお、図7に示す「出方路バッファ1」などの表示は、便宜的に、アドレス格納バッファ32dに保持された格納アドレスに基づいて、共用バッファ部8からセルが読み出されることを表したものである。
(M6)OLT10のスイッチ部6(図6,図7)は、入力インタフェース1に入力されたセルを出力インタフェース1(出力インタフェース100a)に対して転送するためのコネクションを設定する。そして、そのコネクションに基づいて、セルがATMネットワーク150に伝送される。なお、図7に示す点線はパスを表す。
【0085】
(M7)OLT10の入力帯域制御部23aは、ユーザAからのセル送信を許容し、入力されるセルを監視し、また、契約帯域よりも多く送信されたセルを廃棄する。
なお、図7に示す入力インタフェース2,3(入力インタフェース100b,100c)についても、入力インタフェース1と同様であり、また、OLT20についても、OLT10と同様であるので、それらについての重複した説明を省略する。
【0086】
次に、図6,図8および図9(a)〜図9(d)を参照して本発明のバッファ容量割り当て方法について説明する。これらに示す符号で上述したものと同一符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
最初に、グラフを用いてCBRコネクションを一本づつ設定する場合における、流入したトラヒックの処理の流れと、バッファ容量の割り当て処理の流れとのそれぞれについて説明する。
【0087】
図9(a)〜図9(d)はいずれも本発明の一実施形態に係るCBRコネクションを一本づつ設定した場合における流入トラヒックとバッファ容量との割り当ての流れを説明するための図である。これらの図9(a)〜図9(d)にそれぞれ表示した「出方路バッファ1」などの表示は、便宜的に、アドレス格納バッファ32d(図17参照)に保持された格納アドレスに基づいて、共用バッファ部8からセルが読み出されることを表したものである。
【0088】
この図9(a)に示す共用バッファ部8はUBR用とCBR用との2種類の領域を有し、また、出力インタフェース100dは、物理帯域150Mbpsを有する。出方路9aにCBRコネクションが設定(収容)されていないので、CBR用バッファにトラヒックが流入しない。なお、図9(a)においては図示省略するが、出方路バッファ8bおよび他の出方路バッファ8cにおいても、同様である。
【0089】
次に、図9(b)は図9(a)の状態においてピークセルレート15MbpsのCBRコネクションが一本設定され、これが出方路に収容される場合のバッファ容量割り当て方法を説明するための図である。この図9(b)および以下に述べる図9(c),図9(d)に示す共用バッファ部8および出力インタフェース100dは、図9(a)に示すそれらと同一である。
【0090】
(N1)本バッファ容量割り当て方法は、管理システム7のデータ入力部13(図6参照)が、OLT10についてピークセルレート15MbpsのCBRコネクション設定要求を受けて、コネクションが設定されると、そのコネクションを収容する出方路9aにおいて、ピークセルレート15MbpsのCBRトラヒックが流入する可能性が生じる。
【0091】
(N2)このCBRコネクションのピークセルレート15Mbpsに対し、帯域(そのCBRコネクションを収容する出方路9aが物理的に転送可能な帯域)が、例えば150Mbpsの場合の保証帯域占有率(CBR収容率)は10[%]と算出される。
(N3)前記(N1)のCBRコネクションが設定されると、ATMスイッチングシステム50は、出方路9aの容量を、15Mbps分のデータを指定された廃棄率以下で転送する必要がある。
【0092】
このため、管理システム7は、算出された保証帯域占有率(この場合は10[%])と、保証帯域占有率および必要なバッファ容量を対応付けたグラフ(図8参照)とに基づいて、バッファ容量を例えば5セルと決定する。そして、OLT10のバッファ割り当て部6a(図7)は、決定された5セルを通知されると、この5セルのバッファ容量に基づいて、その出方路9aのCBR用のバッファ容量として5セル分を割り当てる(図9(b)の共用バッファ部8参照)。
【0093】
(N4)図9(c)は、図9(b)の状態においてさらにピークセルレート30MbpsのCBRコネクションを追加設定する場合を示している。また、すべてのCBRコネクションが出方路に収容される場合を示している。ここで、データ入力部13は、ピークセルレート30MbpsのCBRコネクション設定要求を受ける。
【0094】
(N5)図9(c)において、この出方路が収容するCBRトラヒックの帯域は、合計で45Mbps(15Mbps+30Mbps)となり、コネクション設定後においては、最大45Mbps分のCBRトラヒックが流入する可能性が生じる。
(N6)このため、(N3)と同様に、管理システム7は、CBR用としてのバッファ容量をグラフから算出し、算出された10セルをバッファ割り当て部6aがバッファに割り当てる。
【0095】
(N7)さらに、図9(d)はピークセルレート90Mbpsのコネクションを追加設定する場合の例が表示され、すべてのCBRコネクションが出方路に収容される場合が示されている。データ入力部13は、ピークセルレート90MbpsのCBRコネクションを設定する。
(N8)図9(d)において、この出方路が収容するCBRトラヒックの帯域は、合計で135Mbps(15Mbps+30Mbps+90Mbps)となり、コネクション設定後においては、最大で135Mbps分のCBRトラヒックが流入する可能性が生じる。
【0096】
(N9)管理システム7は、CBR用としてバッファ容量を、グラフから算出し、算出した30セルは、バッファ割り当て部6aによってバッファに割り当てられる。
また、(N1)〜(N9)にて説明した割り当ては、コネクションの設定時を契機(タイミング)としている。
【0097】
このように、トラヒックの蓄積および伝送するアドレス格納バッファ32dが、通信上の定められた品質を維持するとともに、保守作業負担の軽減を図り、ATMスイッチングシステム50の品質基準を柔軟に変更できかつ経済的にシステムを構築できる。
(7)作用説明
上述のごとく構成された本発明の一実施形態のATMスイッチングシステム50におけるアドレス格納バッファ32dの割り当て方法の4パターンについて、それぞれ、図11(a),(b)〜図14(a),(b)をそれぞれ参照して詳述する。
【0098】
本発明のバッファ容量割り当て方法と従来の方法とを比較すると、従来は、常時、出方路の帯域保証型コネクションのバッファ容量を適切な値にするため、出方路9aのインタフェースを作成するとき又はインタフェース作成後にオペレータが操作した出方路バッファを割り当てていた。また、オペレータは手動のバッファ容量割り当て又は固定値のバッファ容量割り当てを行なっていたため、各出方路9aについて、常時適切なバッファ容量にしておくことが困難であった。
【0099】
本バッファ容量割り当て方法は、出方路9aのバッファ容量に関し、割り当てが、コネクションの設定時,コネクションの解除時又はコネクションの帯域変更による帯域保証型コネクション帯域の変更時のうちのいずれかの時又は全ての時を契機として、ATMスイッチングシステム50が自動的にバッファ容量を算出して自動的に初期割り当て又は再割り当てが行なわれる。
【0100】
さらに、本バッファ容量割り当て方法によれば、コネクションに対応する帯域の増減に連動して出方路バッファ容量が割り当てられるので、バッファ容量の空き領域(空き領域のバッファ)を常時最小限に維持することができ、その結果、空き領域が、帯域保証を要しない他のサービスのために割り当て可能となり、経済的なATMスイッチングシステム50の構築が可能となる。
【0101】
換言すれば、ATMスイッチングシステム50には、初期割り当て又は再割り当てするための割り当て部6aが設けられている。さらに、帯域保証型コネクションを設定するとき、好ましくは、出方路バッファ容量を再度割り当てるときに、この割り当て部6aに設けられた回避手段は、例えば悪影響を及ぼす可能性のような、帯域保証型コネクションのトラヒックの伝送品質に影響を与えうる設定内容を回避するようになっている。これにより、安定した伝送品質が保証される。
【0102】
以下、まず、図11(a),(b)を用いて、セル廃棄率の登録方法について説明する。図11(a)は本発明の一実施形態に係る管理システム7の出方路インタフェースのセル廃棄率の登録例を説明するためのフローチャートであって、管理システム7がセル廃棄率の登録を示す例である。
出方路インタフェースの登録が開始されると、ステップ101において、管理システム7は、セル廃棄率の指定の有無を判定し、指定がある場合は、YESルートを通り、指定された値を登録し(ステップ103)、終了する。一方、ステップ101において、指定がない場合は、NOルートを通り、管理システム7は、デフォルト値を登録して (ステップ102)終了する。また、登録されたセル廃棄率は、後述するステップ110において、帯域保証用バッファ容量を得るために用いられる。
【0103】
なお、図11(b)は被管理システム(10,20)の動作を示すものであり、図11(a)の処理中においては、被管理システム(10,20)は、特段の動作をしない。
次に、本発明のバッファ容量割り当て方法は、以下の(F1)〜(F4)がある。ここで、(F1)〜(F3)に示す割り当て方法によれば、「バッファ容量の増減」と「コネクション対応の帯域設定増減」の順序を工夫することにより、伝送品質を保持しながら、コネクションの設定、解除および保証帯域変更が可能となる。
【0104】
(F1)この割り当て方法は、コネクション設定解除要求のときに、まず、コネクション解除により、コネクションに割り当てた保証帯域が使用される可能性をなくし、その後、そのコネクションが収容されていた出方路に帯域保証用として割り当てられていたバッファ容量を削減することにより、帯域削減の影響を他の帯域保証帯域型コネクションのトラヒックに影響を与えずに、伝送品質を維持しながら、コネクション設定解除を行なう。
【0105】
図13(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係るコネクションの解除と出方路バッファ容量の削減方法とを説明するためのフローチャートである。図13(a),(b)に示すステップ301〜308は、コネクションの帯域設定解除と出方路のバッファ容量の設定に着目したものであり、最初に、コネクション対応の帯域を減量設定し、続いて、減量する帯域分の出方路バッファ容量の削減を行なう。
【0106】
管理システム7は、コネクション削除要求を受け付けると、帯域保証するコネクション、例えばCBRコネクションの削除であるか否かを判定し(ステップ301),帯域保証するコネクション削除の場合は、被管理システム(10,20)にコネクション対応の帯域設定解除指示を出す(ステップ302)。
続いて、既に出方路に割り当てられた保証帯域より削除されるコネクションに設定されている保証帯域を減算し(ステップ303)、出方路の物理帯域に対する保証帯域の占有率を算出して(ステップ304)、被管理システム(10,20)にこの値を通知して、出方路バッファ割り当ての更新を指示する(ステップ305)。
【0107】
被管理システム(10,20)は、管理システム7からの指示に基づき、その順にコネクション対応の帯域設定解除(ステップ306)、保証帯域占有率とセル廃棄率による出方路の帯域保証用バッファの算出(ステップ307)、算出結果に基づく出方路バッファの割り当て(ステップ308)を行なう。
従って、コネクション削除時に、管理システム7より被管理システム(10,20)にコネクション対応の帯域設定解除指示を出し、続いて、管理システム7においてセルが出力される出方路9aの保証帯域占有率を算出して被管理システム(10,20)にセルが出力される出方路9aの帯域保証用バッファ容量の算出と設定を指示し、被管理システム(10,20)においては、管理システム7の指示に基づいて、コネクション対応の帯域設定解除と出方路バッファの再割り当てとが行なわれる。
【0108】
また、この割り当ては、通信コネクションの解除時を契機としている。そして、最初に、削除されたコネクションの帯域が削除され、続いて、削除されるコネクションが使用していた帯域に相当する出方路バッファ容量が削減される。このように、トラヒックの伝送品質が保持された状態のままで共用バッファ部8のバッファ容量が適切に制御される。
【0109】
(F2)この割り当て方法は、コネクションの保証帯域を変更するとき、保証帯域減量時と保証帯域増量時とのそれぞれにおいて、コネクション帯域設定と、バッファ量増減割り当ての順序を変更することにより、伝送品質を維持しながらコネクション保証帯域の変更をするものであって、具体的には、次の(F2−1)および(F2−2)の方法がある。
【0110】
(F2−1)コネクションの保証帯域を増量する場合には、保証帯域増量分に応じてそのコネクションを収容する出方路の帯域保証用バッファ容量を増量し、その後、入力インタフェース100a〜100cなどにおいて行なわれるそのコネクションへの入力帯域制限を帯域保証増量分だけ増加するように再設定する。従って、バッファ容量を増加させた後において、帯域保証分を増量したコネクションが保証帯域を使用する可能性を生じさせるので、既存のコネクションの帯域保証型トラヒックに影響を与えずに、伝送品質を維持しながらコネクション保証帯域を増量する。
【0111】
(F2−2)コネクションの保証帯域を減量する場合には、まず、入力インタフェース100a〜100cなどにおいて行なわれるそのコネクションへの入力帯域制限を帯域保証増量分だけ減量するように再設定する。そして、そのコネクションに割り当てられた保証帯域が使用される可能性をなくし、その後、そのコネクションが収容されていた出方路に、帯域保証用として割り当てられていたバッファ容量を減量することにより、帯域減量の影響を他の帯域保証型コネクションのトラヒックに影響を与えずに、伝送品質を維持しながらコネクション保証帯域を減少する。
【0112】
図14(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係るコネクション保証帯域変更時の出方路バッファ容量の増減方法を説明するためのフローチャートである。これらの図14(a),(b)に示すステップ401〜412は、コネクションの帯域変更設定と出方路のバッファ容量変更の設定に着目したフローチャートであり、コネクション設定の詳細については省略されている。また、被管理システム(10,20)が、バッファ容量を算出する保証帯域用バッファ容量決定部12としての機能を発揮する場合のものである。
【0113】
管理システム7は、コネクションの保証帯域変更要求を受け、その変更内容が帯域増加を要求するものか削減を要求するものかを判定する(ステップ401)。
そして、変更が帯域増加を要求する場合は、出方路に割り当てられた保証帯域に、既存コネクションの増加保証帯域分を加算する(ステップ403)。ステップ403で算出した値から、出方路の物理帯域に対する保証帯域占有率を算出し(ステップ405)、これを被管理システム(10,20)へ通知する(ステップ406)。被管理システム(10,20)は、ステップ406で通知された保証帯域占有率と、セル廃棄率から出方路における帯域保証用バッファ容量を算出し(ステップ410)、バッファ割り当てを行なう。管理システム7は、もう一度、この変更の要求が増加なのか削減なのかを判断し(ステップ407)、増加である場合に、被管理システム(10,20)に対して、コネクション対応の帯域増加設定を指示する(ステップ408)。これを受け、被管理システム(10,20)は、コネクション対応の帯域増加設定を行なう(ステップ412)。
【0114】
変更が帯域削減を要求する場合は、管理システム7はコネクション対応の帯域削減設定を被管理システム(10,20)に対して指示する(ステップ402)。これを受け、被管理システム(10,20)はコネクション対応の帯域削減設定を行なう(ステップ409)。続いて管理システム7は、出方路に割り当てられた保証帯域から当コネクションの削減保証帯域分を減算し(ステップ404)、これを用いて出方路の物理帯域に対する保証帯域占有率を算出し(ステップ405)、さらに、これを被管理システム(10,20)に通知する(ステップ406)。被管理システム(10,20)は、ステップ406で通知された保証帯域占有率と、セル廃棄率から出方路における帯域保証用バッファ容量を算出し(ステップ410)、バッファ割り当てを行なう。
【0115】
また、帯域増量および帯域減量時の割り当ては、通信コネクションの保証帯域変更時を契機としている。換言すれば、帯域削減時の割り当ては、保証帯域削減時を契機としている。
このように、既に設定されているコネクションの保証帯域を変更する際のバッファ容量変更とコネクション対応の帯域設定とをトラヒックの伝送品質を保持されながら行なわれる。
【0116】
(F3)この方法は、コネクション設定要求のときに、保証帯域に応じて出方路のバッファ容量を増量し、その後、コネクションを設定することにより、バッファ容量を増加させた後において、新たなコネクションにおいて保証帯域を使用する可能性を生じさせることから、既存のコネクションの帯域保証型トラヒックに影響を与えずに、伝送品質を維持しながら、コネクションを設定するものである。
【0117】
図12(a)は本発明の一実施形態に係るコネクションの帯域設定と出方路のバッファ容量の設定とを説明するためのフローチャートである。この図12(a)は、管理システムにおけるコネクションの新規設定時の出方路バッファ容量の設定を説明するためのものである。
図12(a),(b)にそれぞれに示すステップ104〜114は、最初に新規設定のコネクションの帯域に相当する出方路バッファ容量を増設し、続いて、新規設定のコネクションに帯域を割り当てる。なお、コネクション設定の詳細については省略されている。
【0118】
ここで、管理システム7のフローチャートは、新規コネクション設定要求の受付から開始される。すなわち、管理システム7は、その新規コネクション設定要求が、管理システム7により帯域保証されるコネクション(例えばCBRコネクション)であるか否かを判定する(ステップ104)。そして、その新規コネクション設定要求が、管理システム7により帯域保証されるものでない場合には、NOルートを通り、処理は完了する。一方、ステップ104において、管理システム7により帯域保証されるものである場合には、YESルートを通り、ステップ105において、さらに、管理システム7は、コネクションの保証帯域の指定の有無に基づいて判定する。
【0119】
保証帯域が指定されている場合には、YESルートを通り、管理システム7は保証帯域を登録する(ステップ107)。一方、保証帯域が指定されていない場合には、NOルートを通り、管理システム7は、コネクションの保証帯域としてデフォルト値を登録する(ステップ106)。
続いて、管理システム7は、既に出方路に割り当てられた保証帯域に、保証帯域(上記のステップ106又はステップ107)にて得られた保証帯域を加算し(ステップ108)、ステップ108にて得られた値について、出方路の物理帯域に対する保証帯域占有率を算出する(ステップ109)。さらに、管理システム7は、ステップ102又はステップ103にて得た値と、ステップ109にて算出した値と、グラフを表すテーブルデータ(図5参照)とをそれぞれ用いて、出方路における帯域保証用のバッファ容量を算出し(ステップ110)、そのバッファ容量を被管理システム(10,20)に通知する(ステップ111)。その後に、管理システム7は、被管理システム(10,20)に対して、コネクション対応の帯域設定を指示し(ステップ112)、処理が終了する。
【0120】
従って、ステップ104〜ステップ112は、新規コネクション設定時に、管理システム7が対象となる出方路の帯域保証用バッファ容量を算出し、また、被管理システム(10,20)がその対象となる出方路の帯域保証用バッファ容量を設定する。
次に、図12(b)は本発明の一実施形態に係る被管理システム(10,20)のコネクション対応の帯域設定を説明するためのフローチャートであり、被管理システム(10,20)におけるコネクションの新規設定時の出方路バッファ容量の設定を説明するためのものである。
【0121】
被管理システム(10,20)は、管理システム7から、出方路対応の帯域保証コネクション用バッファ容量を通知されると(図12(a)に示すステップ111)、出方路バッファを割り当てる(ステップ113)。また、被管理システム(10,20)は、コネクション対応の帯域設定指示を受信されると(図12(a)に示すステップ112)、コネクション対応の帯域を設定し、各順番に設定する(ステップ114)。
【0122】
このように、本ATMスイッチングシステム50において、管理システム7又は被管理システム(10,20)は、グラフ(図5参照)に対応したテーブルデータを保持し、このグラフを用いて、トラヒックの蓄積および伝送に用いる共用バッファ部8のバッファ容量を制御する。また、ユーザは、品質基準を指定できる。
【0123】
従って、本ATMスイッチングシステム50は、オペレータによる保守作業負担を軽減でき、また、通信上の定められた品質を維持できる。
このようにして、品質基準を柔軟に変更でき、効率的かつ経済的なATMスイッチングシステム50を構築できる。
なお、ATMスイッチングシステム50は、多様な品質基準に対応するために、種々、変形できる。
【0124】
図10は本発明の一実施形態の変形例に係るATMスイッチングシステムの構成図である。この図10に示すATMスイッチングシステム50aは、セルを出力する複数の出方路9aとその複数の出方路9a間で共用してセルを保持する共用バッファ部8とを有するOLT10aと、このOLT10aを管理する管理システム7aとをそなえて構成されており、上述した符号と同一符号を有するものは同一のものを表す。ここで、管理システム7aは、保証帯域占有率算出部14,制御信号送信部15とをそなえるとともに、OLT10a(又は20a)がデータ保持部11,保証帯域用バッファ容量決定部12,帯域保証用バッファ割り当て部22とをそなえて構成されている。
【0125】
これにより、管理システム7aの保証帯域占有率算出部14において、その出方路9aが物理的に転送可能なトラヒックに対しその出方路が収容する帯域保証を必要とするトラヒックの割合を示す保証帯域占有率が算出され、制御信号送信部15において、保証帯域占有率算出部14にて算出された保証帯域占有率がOLT10aに通知される。
【0126】
また、被管理システム(10,20)のデータ保持部11において、保証帯域占有率と必要なバッファ容量とを対応付けたテーブルデータが保持されている。保証帯域用バッファ容量決定部12において、管理システム7aから通知された保証帯域占有率と、データ保持部11に保持されたテーブルデータとを比較してバッファ容量が決定される。また、帯域保証用バッファ割り当て部22において、保証帯域用バッファ容量決定部12が決定したバッファ容量に基づいて出方路9aの帯域保証用のバッファ容量が割り当てられる。
【0127】
従って、被管理システム(10,20)側が、グラフ(図5参照)のテーブルデータを保持し、バッファ容量を算出するので、処理負担が軽減される。
(F4)この方法は、コネクション設定要求のときに、保証帯域に応じて出方路バッファ容量を増量し、その後において、コネクションに応じた保証帯域を増量することにより、伝送品質を維持しながらコネクションを設定する。
【0128】
この(F4)の方法は、前記(F1)〜(F3)と全く同一方法を、機能配備が異なるシステムにおいて実施する場合のものである。すなわち、(F4)の方法は、図6に示すデータ保持部11,保証帯域用バッファ容量決定部12がそれぞれ管理システム側に含まれずに、被管理システム(10,20)側に含まれる場合の例である。
【0129】
図15(a)は本発明の一実施形態の変形例に係る管理システムの出方路インタフェースのセル廃棄率の登録例を説明するためのフローチャートであり、図15(b)は被管理システム(10,20)の動作を説明するための図である。
この図15(a)に示すステップ201〜ステップ204は、ともに、出方路インタフェース登録時におけるセル廃棄率の登録を示す例である。
【0130】
管理システム7は、出方路インタフェースの登録時に、セル廃棄率の指定の有無を判定する(ステップ201)。指定がある場合は、管理システム7は、ステップ201において、YESルートを通り、管理システム7指定された値を登録し(ステップ203)、指定がない場合は、NOルートを通り、デフォルト値を登録する(ステップ202)。また、登録されたセル廃棄率は、被管理システム(10,20)に通知される(ステップ204)。
【0131】
また、コネクション帯域を変更する時の出方路バッファ割り当て方法は、図14(a),(b)に示すステップ401〜412を用いることができる。すなわち、管理システム7aがセルが出力される出方路9aの帯域保証用バッファ容量を算出し、被管理システム(10,20)が帯域保証用バッファ容量を設定する。
【0132】
コネクションの新規設定時は、図16(a),(b)に示すようになる。
図16(a)は本発明の一実施形態の変形例に係る管理システムにおけるコネクションの新規設定時の出方路バッファ容量の設定を説明するためのフローチャートであり、図16(b)は本発明の一実施形態の変形例に係る被管理システム(10,20)におけるコネクションの新規設定時の出方路バッファ容量の設定を説明するためのフローチャートである。
【0133】
管理システム7は、新規コネクション設定要求を受け付けると、帯域保証するコネクション、例えばCBRコネクションであるか否かを判定し(ステップ205)、帯域保証するコネクションの場合には、コネクションの保証帯域の値の指定があるか否か(ステップ206)により、指定されている保証帯域の値を登録するか(ステップ208)又はデフォルト値を登録する(ステップ207)。続いて、既に出方路に割り当てられた保証帯域に前述の(ステップ206)又は(ステップ207)にて得られた保証帯域を加算する(ステップ209)。続いて、この値を被管理システム(10,20)へ通知する(ステップ211)。被管理システム(10,20)は、ステップ204で通知された値とステップ211で通知された値と図2に示すグラフに相当するデータから、出方路における帯域保証バッファ容量を求め(ステップ213)、出方路バッファ割り当てを行なう(ステップ214)。続いて、管理システム7はコネクション対応の帯域設定を被管理システム(10,20)へ対して行ない(ステップ212)、これに応じて被管理システム(10,20)はコネクション対応の帯域設定を行なう(ステップ215)。
【0134】
このように、帯域保証型コネクション設定時に行なう出方路バッファ容量の再割り当て時に、既存の帯域保証型コネクションのトラヒックの伝送品質に悪影響を及ぼす可能性を回避する回避手段として、最初に帯域増量するコネクションの増加帯域分の出方路バッファ容量を増設して、続いて、コネクション対応の帯域を増量設定する方法を規定する。
【0135】
そして、このように、上記と同様の効果が得られるほかに、例えばユーザからの多様な品質基準の要求に対応可能となり、高い品質のサービスを提供できる。
このようにして、ユーザが選択する帯域保証型トラヒックの品質基準と収容コネクションの保証帯域の変動に応じてスイッチングを行なう装置の出方路バッファのバッファ容量を、品質基準を満たしながら自動的に無駄なく割り当て可能となる。
【0136】
(B)その他
本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
上記のATMスイッチングシステム50,50aに設けられたネットワーク要素は、それぞれ、管理システム又は被管理システムを意識しないで構成することもできる。
【0137】
本発明のATMスイッチングシステム50b(図示省略)は、セルを出力する複数の出方路9aとその複数の出方路9a間で共用してセルを保持する共用バッファ部8と、複数の出方路9aごとに設けられるアドレス保持用共用バッファ部(図示省略)と、出方路9aが物理的に転送可能な帯域に対して出方路9aが収容する帯域保証を要するコネクションの帯域の割合を示す保証帯域占有率を算出する保証帯域占有率算出部14と、占有率と目標バッファ容量とを対応付けたテーブルデータを保持するデータ保持部11と、保証帯域占有率算出部14にて決定された占有率と、データ保持部11に保持されたテーブルデータとに基づいてバッファ容量を算出する保証帯域用バッファ容量決定部12と、保証帯域用バッファ容量決定部12にて算出されたバッファ容量に基づいて複数の出方路9aのそれぞれについての占有バッファ容量を割り当てる帯域保証用バッファ割り当て部22をそなえて構成されている。
【0138】
このようにすれば、ATMネットワーク50bの負荷状況に応じて、バッファ容量を適切に制御できる。
このように、グラフに対応したデータを管理システム7又は被管理システム(10,20)にて保持し、その品質基準の指定が可能となるので、ユーザが必要とする品質基準又はスイッチングシステムを設置するオペレータが計画する品質基準を柔軟にサポート可能となる。
そして、このように、管理システム7が目標とする品質基準に対応する出方路バッファ容量決定部12と算出された結果を管理システム7に通知する通知部15とを設けるとともに、被管理システム(10,20)が管理システム7より通知された出方路バッファ8aを割り当てる割り当て部6aを設けているので、多様な品質基準をもつATMネットワークシステムの構築が可能となる。
【0139】
本発明のスイッチングシステムは、伝送システムに用いられるほか、それ以外のシステムにおいても適用可能である。
また、本伝送路終端装置は、光セル以外の他のセル,フレーム又はパケットをスイッチングするシステムに適用することもできる。
上述の説明において使用したバッファの個数,帯域などの値は、いずれも、一例であって、それら以外の値を使用することもできる。
【0140】
(C)付記
(付記1) トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、
該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部と、
該通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴とする、スイッチングシステム。
【0141】
(付記2) トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、
該伝送路終端装置を管理する管理システムとをそなえ、
該管理システムが、
該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえるとともに、
該伝送路終端装置が、
該管理システムの該通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部をそなえて構成されたことを特徴とする、スイッチングシステム。
【0142】
(付記3) トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、
該伝送路終端装置を管理する管理システムとをそなえ、
該管理システムが、
該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
該算出部にて算出された該第1保証帯域占有率を該伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえるとともに、
該伝送路終端装置が、
帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
該管理システムの算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
該決定部にて決定された該バッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴とする、スイッチングシステム。
【0143】
(付記4) トラヒックデータを出力する複数の出方路と、
該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、
該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファと、
該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部と、
該通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴とする、スイッチングシステム。
【0144】
(付記5) 該保持部が、
該テーブルデータを、該複数の出方路の品質基準情報毎に保持するように構成されたことを特徴とする、付記1〜付記4のいずれか一に記載のスイッチングシステム。
(付記6) 該算出部が、
該品質基準情報としてトラヒックデータ廃棄率を用いて該第1保証帯域占有率を算出するように構成されたことを特徴とする、付記1〜付記4のいずれか一に記載のスイッチングシステム。
【0145】
(付記7) 該割り当て部が、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションの伝送品質に影響を与えうる設定内容を回避する回避手段を設けて構成されたことを特徴とする、付記1〜付記4のいずれか一に記載のスイッチングシステム。
(付記8) トラヒックデータを出力する複数の出方路と該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置の該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえて構成されたことを特徴とする、管理システム。
【0146】
(付記9) トラヒックデータを出力する複数の出方路と、
該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、
該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファと、
帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
該管理システムの算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
該決定部にて決定された該バッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴とする、伝送路終端装置。
【0147】
(付記10) トラヒックデータを出力する複数の出方路と該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置とを管理する管理システムが、該伝送路終端装置について、該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出ステップと、
該伝送路終端装置又は該管理システムのうちのいずれか一方が、該算出ステップにて算出された該第1保証帯域占有率と帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部に保持された前記テーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部のバッファ容量を決定する決定ステップと、
該決定ステップにて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知ステップと、
該通知ステップにて通知された該バッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当てステップとをそなえたことを特徴とする、バッファ容量割り当て方法。
【0148】
(付記11) 該割り当てステップは、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションの設定時,該通信コネクションの解除時又は該通信コネクションの帯域変更時のうちの少なくとも一つを契機とすることを特徴とする、付記10記載のバッファ容量割り当て方法。
(付記12) 該割り当てステップは、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションの伝送品質に影響を与えうる設定内容を回避することを特徴とする、付記10記載のバッファ容量割り当て方法。
【0149】
(付記13) 該割り当てステップは、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションの設定前に該伝送帯域に応じた複数の出方路のバッファ容量を増加させる増加ステップと、
該通信コネクションに応じた伝送帯域を設定する設定ステップとをそなえたことを特徴とする、付記10記載のバッファ容量割り当て方法。
【0150】
(付記14) 該割り当てステップは、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションに応じた伝送帯域を解除する解除ステップと、
該伝送帯域に応じた複数の出方路に割り当てられたバッファ容量を削減する削減ステップとをそなえたことを特徴とする、付記10記載のバッファ容量割り当て方法。
【0151】
(付記15) 該割り当てステップは、
該伝送帯域に応じた複数の出方路のバッファ容量を増量するバッファ容量増量ステップと、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションに応じた伝送帯域を増量する伝送帯域増量ステップとをそなえたことを特徴とする、付記10記載のバッファ容量割り当て方法。
【0152】
(付記16) 該割り当てステップは、
所定の伝送帯域を有する通信コネクションに応じた伝送帯域を削減する第1削減ステップと、
該伝送帯域に応じた複数の出方路ごとに割り当てられたバッファ容量を削減する第2削減ステップとをそなえたことを特徴とする、付記10記載のバッファ容量割り当て方法。
【0153】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のスイッチングシステム(請求項1,2),管理システム(請求項3),伝送路終端装置(請求項4)およびバッファ容量割り当て方法(請求項5)によれば、以下のような効果ないしは利点がある。
(1)本発明のスイッチングシステムによれば、トラヒックデータを出力する複数の出方路と複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部と、通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されているので、出方路の多様な品質基準に対応した出方路バッファの容量の選択が可能となり、回線に収容するユーザ又は管理システムを設けるオペレータが要請する品質基準をもつシステムを柔軟に構築できる(請求項1)。
【0154】
(2)本発明のスイッチングシステムによれば、管理システムが、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえるとともに、伝送路終端装置が、管理システムの通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されているので、帯域保証を必要とするコネクションの設定、解除、そのコネクションの帯域変更に対応して、自動的に出方路の帯域保証用トラヒックのバッファ容量が更新され、また、将来用いられる可能性のある帯域保証用トラヒックのためにバッファを予め確保することが不要となる。従って、オペレータの手を煩わせることなく常時、経済的なバッファ割り当て可能となる(請求項2)。
【0155】
(3)トラヒックデータを出力する複数の出方路と複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、伝送路終端装置を管理する管理システムとをそなえ、管理システムが、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率を伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえるとともに、伝送路終端装置が、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、管理システムの算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されて、上記と同様の効果が得られるほかに、スイッチングシステムは、例えばユーザからの多様な品質基準の要求に対応可能となり、高い品質のサービスを提供できる。
【0156】
(4)本発明のスイッチングシステムによれば、トラヒックデータを出力する複数の出方路と複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファと、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部と、通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されているので、スイッチングシステムの負荷状況に応じて、バッファ容量を適切に制御できる。
【0157】
(5)保持部が、テーブルデータを、複数の出方路の品質基準情報ごとに保持するように構成されてもよく、このようにすれば、処理負担が軽減される。
(6)算出部が、品質基準情報としてトラヒックデータ廃棄率を用いて第1保証帯域占有率を算出するように構成されてもよく、このようにすれば、複数の品質基準のうちの所望の品質基準を選択できるため、多様な品質基準情報を用いたスイッチングシステムを構築できる。
【0158】
(7)割り当て部が、所定の伝送帯域を有する通信コネクションの伝送品質に影響を与えうる設定内容を回避する回避手段を設けて構成されてもよく、このようにすれば、安定した伝送品質が保証される。
(8)本発明の管理システムによれば、トラヒックデータを出力する複数の出方路と複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置の複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえて構成されているので、共用バッファ部の未使用領域を例えばUBR用バッファ分として利用できUBRセルの廃棄数を減少させることができる。また、未使用領域が有効に利用され、効率的かつ経済的なスイッチングシステムを構築できる(請求項3)。
【0159】
(9)本発明の伝送路終端装置によれば、トラヒックデータを出力する複数の出方路と、トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファと、帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、管理システムの算出部にて算出された第1保証帯域占有率と、保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、決定部にて決定されたバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されているので、常時、バッファの容量を適切に割り当てられる(請求項4)。
【0160】
(10)本発明のバッファ容量割り当て方法によれば、トラヒックデータを出力する複数の出方路と複数の出方路間で共用してトラヒックデータを保持する共用バッファ部と複数の出方路ごとに設けられトラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置とを管理する管理システムが、伝送路終端装置について、複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出ステップと、伝送路終端装置又は管理システムのうちのいずれか一方が、算出ステップにて算出された第1保証帯域占有率と帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部に保持された前記テーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部のバッファ容量を決定する決定ステップと、決定ステップにて決定されたバッファ容量を伝送路終端装置に通知する通知ステップと、通知ステップにて通知されたバッファ容量に基づいて、少なくとも複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当てステップとをそなえているので、発生しうる通信品質の低下の発生が抑止される(請求項5)。
【0161】
(11)割り当てステップは、所定の伝送帯域を有する通信コネクションの設定時,通信コネクションの解除時又は通信コネクションの帯域変更時のうちの少なくとも一つを契機としてもよく、このようにすれば、オペレータによる保守作業負担を軽減でき、また、通信上の定められた品質を維持できる。
割り当てステップは、具体的には、次に示す(12)〜(16)を用いることができる。
【0162】
(12)通所定の伝送帯域を有する通信コネクションの伝送品質に影響を与えうる設定内容を回避することもでき、このようにすれば、安定した伝送品質が保証される。
(13)所定の伝送帯域を有する通信コネクションの設定前に伝送帯域に応じた複数の出方路のバッファ容量を増加させる増加ステップと、通信コネクションに応じた伝送帯域を設定する設定ステップとをそなえることもできる。
【0163】
(14)所定の伝送帯域を有する通信コネクションに応じた伝送帯域を解除する解除ステップと、伝送帯域に応じた複数の出方路に割り当てられたバッファ容量を削減する削減ステップとをそなえることもできる。
(15)伝送帯域に応じた複数の出方路のバッファ容量を増量するバッファ容量増量ステップと、所定の伝送帯域を有する通信コネクションに応じた伝送帯域を増量する伝送帯域増量ステップとをそなえる。このようにすれば、安定した伝送品質が保証される。
【0164】
(16)割り当てステップは、所定の伝送帯域を有する通信コネクションに応じた伝送帯域を削減する第1削減ステップと、伝送帯域に応じた複数の出方路ごとに割り当てられたバッファ容量を削減する第2削減ステップとをそなえる。このようにすれば、トラヒックの伝送品質が保持された状態のままで共用バッファ部のバッファ容量が適切に制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るATMスイッチングシステムの概略的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る管理システムと被管理システムとを説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るOLTのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る共用バッファ部の割り当てを模式的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るバッファ容量のを決定するためのグラフを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るATMスイッチングシステムの構成図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るセルの流れを説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る保証帯域占有率と必要なバッファ容量とを対応付けたグラフを示す図である。
【図9】(a)〜(d)はいずれも本発明の一実施形態に係るCBRコネクションを一本づつ設定した場合における流入トラヒックとバッファ容量との割り当ての流れを説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態の変形例に係るATMスイッチングシステムの構成図である。
【図11】(a)は本発明の一実施形態に係る管理システムの出方路インタフェースのセル廃棄率の登録例を説明するためのフローチャートであり、(b)は本発明の一実施形態に係る被管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】(a)は本発明一実施形態に係るコネクションの帯域設定と出方路のバッファ容量の設定とを説明するためのフローチャートであり、(b)は本発明の一実施形態に係る被管理システムのコネクション対応の帯域設定を説明するためのフローチャートである。
【図13】(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係るコネクションの解除と出方路バッファ容量の削減方法とを説明するためのフローチャートである。
【図14】(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態に係るコネクション保証帯域変更時の出方路バッファ容量の増減方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】(a)は本発明の一実施形態の変形例に係る管理システムの出方路インタフェースのセル廃棄率の登録例を説明するためのフローチャートであり、(b)は被管理システムの動作を説明するための図である。
【図16】(a)は本発明の一実施形態の変形例に係る管理システムにおけるコネクションの新規設定時の出方路バッファ容量の設定を説明するためのフローチャートであり、(b)は本発明の一実施形態の変形例に係る被管理システムにおけるコネクションの新規設定時の出方路バッファ容量の設定を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態に係る共用バッファスイッチの概略的な構成図である。
【図18】(a)は本発明の一実施形態に係るFIFOバッファの構成例を示す図であり、(b)は本発明の一実施形態に係るFIFOバッファの変形構成例を示す図である。
【図19】管理システムの要部を示す図である。
【図20】従来の共用出方路バッファのバッファ容量の割り当てモデルを説明するための図である。
【符号の説明】
6 スイッチ部
6a,22 帯域保証用バッファ割り当て部
7 管理システム
7a,21 制御部
8 共用バッファ部
8a〜8c 出方路バッファ
9a 出方路
10,10a,20,20a,30 OLT(伝送路終端装置,被管理システム)
11 データ保持部(保持部)
12 保証帯域用バッファ容量決定部(決定部)
13 データ入力部
14 保証帯域占有率算出部(算出部)
15 制御信号送信部(通知部)
21a 制御信号受信部
23a 入力帯域制御部
32a 多重部
32c 分離部
32d アドレス格納バッファ
33a〜33e FIFOバッファメモリ
34a CBR用のFIFOバッファ
34b UBR用のFIFOバッファ
35 セレクタ
50,50a,50b ATMスイッチングシステム
100a〜100c 入力インタフェース
100d 出力インタフェース(中継インタフェース)
101 DSU
102 基地局
103 ONT
103a ATM−ONT
104 移動端末
105 LAN
105a 内線電話
107 集線装置
150 ATMネットワーク
150a 伝送装置

Claims (5)

  1. トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、
    該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
    帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
    該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
    該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部と、
    該通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴とする、スイッチングシステム。
  2. トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置と、
    該伝送路終端装置を管理する管理システムとをそなえ、
    該管理システムが、
    該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
    帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
    該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
    該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえるとともに、
    該伝送路終端装置が、
    該管理システムの該通知部が通知したバッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部をそなえて構成されたことを特徴とする、スイッチングシステム。
  3. トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置の該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出部と、
    帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
    該算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
    該決定部にて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知部とをそなえて構成されたことを特徴とする、管理システム。
  4. トラヒックデータを出力する複数の出方路と、
    該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、
    該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファと、
    帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と、必要なバッファ容量と、品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部と、
    該管理システムの算出部にて算出された第1保証帯域占有率と該保持部に保持されたテーブルデータとに基づいて、上記の共用バッファ部およびアドレス格納バッファが読み出すバッファ容量を決定する決定部と、
    該決定部にて決定された該バッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当て部とをそなえて構成されたことを特徴とする、伝送路終端装置。
  5. トラヒックデータを出力する複数の出方路と、該複数の出方路間で共用して該トラヒックデータを保持する共用バッファ部と、該複数の出方路ごとに設けられ該トラヒックデータのアドレスを格納するアドレス格納バッファとを有する伝送路終端装置とを管理する管理システムが、該伝送路終端装置について、該複数の出方路が物理的に転送可能な帯域に対する帯域保証を要する帯域の割合を示す第1保証帯域占有率を算出する算出ステップと、
    該伝送路終端装置又は該管理システムのうちのいずれか一方が、該算出ステップにて算出された該第1保証帯域占有率と帯域保証を要する帯域の割合を示す第2保証帯域占有率と必要なバッファ容量と品質基準情報とを対応付けたテーブルデータを保持する保持部に保持された前記テーブルデータとに基づいて上記の共用バッファ部のバッファ容量を決定する決定ステップと、
    該決定ステップにて決定されたバッファ容量を該伝送路終端装置に通知する通知ステップと、
    該通知ステップにて通知された該バッファ容量に基づいて、少なくとも該複数の出方路ごとに指定された品質基準を満たす帯域保証用バッファ容量を割り当てる割り当てステップとをそなえたことを特徴とする、バッファ容量割り当て方法。
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