【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザーなどの光により情報の記録あるいは再生などを行なう情報記録媒体に関し、特に情報を記録する記録層を有する情報層を2層以上有する多層相変化型情報記録媒体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−RやCD−RWなどの光ディスクは、ポリカーボネートなどのプラスチックの円形基板の上に記録層を設け、さらにその上にアルミニウムや金、銀などの金属を蒸着またはスパッタリングして反射層を形成したもので、基板面側からレーザー光を入射して、信号の記録、再生を行なう。近年、コンピューター等で扱う情報量が増加したことから、DVD−RAM、DVD+R/RWのような、光ディスクの信号記録容量の増大、および信号情報の高密度化が進んでいる。CDの記録容量は650MB程度で、DVDは4.7GB程度であるが、今後、更なる高記録密度化が要求されている。
【0003】
このような高記録密度媒体を実現するために、使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化することが提案されている。また、記録再生を行なうピックアップに用いられる対物レンズの開口数を大きくすることで、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポットサイズを小さくして、高記録密度が可能となる。しかしながら、レーザーの短波長化や対物レンズの開口数の増大などにより、スポットサイズを小さくして記録密度を高める方法には限界があり、情報記録層を片面に2層設けることによって容量を高める技術が、例えば特許第2702905号公報、特開2000−215516号公報、特開2000−222777号公報および特開2001−243655号公報などで提案されている。
【0004】
しかしながら、2層相変化光ディスクは学会などで発表されてはいる(たとえばODS2001 Technical Digest P22)が、多くの課題が存在する。例えば、レーザー光照射側から見て手前にある情報層をレーザー光が透過しなければ、奥側にある記録層を記録、再生できない。そのために手前側の情報層は、AgやAlなどの金属反射層をなくすか、光が十分透過するくらい極薄にしなければならない。
【0005】
相変化記録は、記録層にレーザー光を照射させて急冷することにより非晶質マークを形成する。反射層がないか、もしくは極薄な記録媒体では、熱拡散が小さいために、非晶質マークを形成することが困難になる。
【0006】
CD−RWなどの相変化光ディスクに用いられているSb−Te共晶系記録材料は、Ge−Sb−Te化合物系とは違い、繰り返し記録の際、溶融消去するために、消去比が優れていることが知られている。また、高感度で記録マークのアモルファス部の輪郭が明確であるという優れた特徴を有している。しかし、マークを形成する際、Ge−Sb−Te化合物に比べて急冷構造をとることが必要で、反射層の薄い構造では、先ほど述べたようにマーク形成が困難になる。また、繰り返し記録した場合、記録層に熱的なダメージが蓄積されるため、オーバーライト特性に欠点がある。
【0007】
反射層を薄くした場合、反射層が担っていた熱拡散を補助する層を反射層の上に設けることが、例えば特開2000−222777号公報に開示されている。すなわち、熱拡散補助層として、比較的熱伝導率の大きく、光吸収率の小さなAl−N、Si−C、Al−N−Oなどの窒化物、炭化物または酸化物を用い、熱拡散補助層の膜厚dを0<d≦(5/16)λ/n又は(7/16)λ/n<d≦(1/2)λ/nの範囲内にすることが開示されている。この膜厚範囲は、記録層の結晶での吸収率をAc、非晶質での吸収率をAaとしたとき、Ac/Aaの値を大きくし、かつ透過率も大きくするという目的で設けられている。しかし、このような反射層の薄い層構成では、結晶での反射率と非晶質での反射率の差(コントラスト)が小さいという問題がある。しかしながら、前記公報には、この問題についての効果の記載はない。また、熱拡散層の膜厚のみ開示されているが、第1保護層の膜厚もまた記録媒体の透過率、吸収率に大きく関与するため、第1保護層と熱拡散層の両方の膜厚が考慮されなければならない。
【0008】
【特許文献1】
特許第2702905号公報
【特許文献2】
特開2000−215516号公報
【特許文献3】
特開2000−222777号公報
【特許文献4】
特開2001−243655号公報
【特許文献5】
特開2002−150613号公報
【非特許文献1】
ODS2001 Technical Digest P22
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多層相変化型情報記録媒体において、従来技術における前記課題を解決し、反射層を薄くした場合でも、記録媒体の冷却能を向上させ、結晶と非晶質とのコントラストを大きくでき、再生誤りが少なく、信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上記目的に合致する相変化型情報記録媒体とその製造方法を見出し本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、第一に、請求項1では、光の入射によって結晶状態と非晶質状態との可逆的相変化により情報を記録する記録層を有する情報層が2層以上からなる多層相変化型情報記録媒体において、光入射側からみて最も奥側に形成された情報層以外の情報層の少なくとも1層が、第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順からなり、上記第1保護層の屈折率をnU、上記熱拡散層の屈折率をnHとしたとき、上記第1保護層の膜厚dUが(3+8l)λ/16nU≦dU≦(9+8l)λ/16nUおよび/又は上記熱拡散層の膜厚dHが(3+8m)λ/17nH≦dH≦(9+8m)λ/17nH(両式中、l、m=0、1)の範囲内にあることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0011】
第二に、請求項2では、上記請求項1記載の多層相変化型情報記録媒体において、記録・再生を行なう光波長領域での熱拡散層の屈折率が1.6以上であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0012】
第三に、請求項3では、上記請求項2記載の多層相変化型情報記録媒体において、熱拡散層が窒化物、酸化物、硫化物、窒酸化物、炭化物、弗化物のいずれか少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0013】
第四に、請求項4では、上記請求項3記載の多層相変化型情報記録媒体において、熱拡散層がITO(酸化インジウム−酸化スズ)を主成分としてなることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0014】
第五に、請求項5では、上記請求項1乃至4のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体において、第1保護層が酸化物、窒化物、硫化物、炭化物のいずれかを主成分としてなることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0015】
第六に、請求項6では、上記請求項5記載の多層相変化型情報記録媒体において、第1保護層がZnSおよびSiO2を主成分とする混合物からなることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0016】
第七に、請求項7では、上記請求項1乃至6のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体において、反射層がAgを主成分としてなることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0017】
第八に、請求項8では、上記請求項1乃至7のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体において、反射層の厚さが、3〜20nmであることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0018】
第九に、請求項9では、上記請求項1乃至8のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体において、記録層が、SbおよびTeを主体とし、Ag、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、およびPの群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0019】
第十に、請求項10では、上記請求項1乃至9のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体において、記録層の厚さが、3〜15nmであることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0020】
第十一に、請求項11では、上記請求項1乃至10のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体であって、かつ、第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、上記第1情報層が、上記第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層薄膜からなり、該第1基板側から光を入射させたときの該第1情報層の平均光透過率が40〜70%であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0021】
第十二に、請求項12では、上記請求項1乃至11のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体において、第1基板の厚さが0.05μm〜0.6mmの範囲内であることを特徴とする多層相変化型情報記録媒体が提供される。
【0022】
第十三に、請求項13では、上記請求項1乃至12のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体で、第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、上記第1情報層が、上記第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層薄膜からなる多層相変型情報記録媒体の製造方法であって、該第1基板上に該第1情報層を、該第2基板上に該第2情報層をそれぞれ積層する成膜工程と、該第1情報層及び該第2情報層を記録可能な初期状態に初期化する工程と、該第1情報層と該第2情報層とが向かい合うように中間層を介して貼り合わせる密着工程とを含むことを特徴とする多層相変型情報記録媒体の製造方法が提供される。
【0023】
第十四に、請求項14では、上記請求項1乃至12のいずれか1項記載の多層相変化型情報記録媒体で、第1基板上に、少なくとも第1情報層、中間層、第2情報層、第2基板をこの順に備え、上記第1情報層が、上記第1基板に近い側から順に第1保護層、記録層、第2保護層、反射層、熱拡散層の順に備えた多層薄膜からなる多層相変型情報記録媒体の製造方法であって、上記第2基板上に上記第2情報層を積層する第1成膜工程と、該第2情報層上に中間層を形成する中間層形成工程と、該中間層上に該第1情報層を積層する第2成膜工程と、該第1情報層上に該第1基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、該第1情報層および該第2情報層を記録可能な状態に初期化する工程からなることを特徴とする多層相変型情報記録媒体の製造方法が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる多層相変化型情報記録媒体の概略断面図である。第1基板3の上に、第1情報層1、中間層4、第2情報層2、第2基板5を順次蓄積した構造からなるものである。第1情報層1は、第1保護層11、記録層12、第2保護層13、反射層14、熱拡散層15からなり、第2情報層2は、第1保護層21、記録層22、第2保護層23、反射層24からなる。また、図示しないが、第1基板3と第1保護層11の間に透明層を設けてもよい。尚、本発明は、上記構成になんら限定されるものではない。
【0025】
第1基板3、第2基板5の材料は通常、ガラス、セラミックスあるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などがあげられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ましい。また、情報層を形成する面には案内溝などの凹凸パターン(グルーブ)が形成されることが好ましく、射出成形または、フォトポリマー法などによって成型される。第1基板3は、第1情報層上に樹脂を塗布したのちに硬化させて形成してもよい。
【0026】
図2に第1基板3と第2基板5に案内溝が形成されている2層相変化型情報記録媒体の1例を示す。また、図3に第2基板5と中間層4にグルーブが形成されている2層相変化型情報記録媒体の1例を示す。製造方法によってどちらの構造をとっても構わない。
基板、中間層に形成された案内溝の凹部に記録を行なっても良いし、凸部に記録を行なっても良いし、その両方に記録をしても構わない。第1基板の厚さは特に限定されないが、0.05〜0.6mm程度が好ましい。より好ましくは、0.05〜0.15mm、0.5〜0.6mmの範囲である。第2基板5の厚さは特に限定されないが、第1基板3の厚さとの合計が1.2mm程度になることが好ましく、0.6〜1.95mmの範囲である。第2基板5は、記録再生光に対して不透明でも良く、第1基板3とは、材質、溝形状が異なっても良い。
【0027】
中間層4の材料は通常、セラミックスあるいは樹脂であるが、光硬化性樹脂、遅効性樹脂が成形性、コストの点で好適である。図3のように中間層4にグルーブが形成されてもよく、射出成形または、フォトポリマー法などによって成形される。中間層4は、記録再生を行なう際に、ピックアップが第1情報層と第2情報層とを識別し、光学的に分離可能とする厚さであり、10〜50μmが好ましい。10μmより薄いと、層間クロストークが生じてしまう。50μmより厚いと、第2情報記録層を記録再生する際に、球面収差が発生し、記録再生が困難になってしまう。
【0028】
記録層12、22の材料としては、Ge−Te系、Ge−Te−Sb系、Ge−Sn−Te系などのカルコゲン系合金薄膜を用いることが多いが、Sb−Te共晶系薄膜が、記録(アモルファス化)感度・速度、及び消去比が極めて良好なため、記録層の材料として適している。これらの記録層材料にはさらなる性能向上、信頼性向上などを目的にAg、In、Ge、Se、Sn、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Pt、Au、S、B、C、Pなど他の元素や不純物を添加することができる。
【0029】
これらの記録層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。記録層12の厚さは、3〜15nmであることが好ましい。3nm以下だと、均一な膜にするのが困難となる。15nm以上だと、透過率が低下してしまう。
【0030】
反射層14、24としては、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて記録層を非晶質化しやすくするなどの目的から、熱伝導率の高い金属、たとえば、Au、Ag、Cu、W、Al、Taなど、またはそれらの合金などを用いることができる。また、添加元素としては、Cr、Ti、Si、Pd、Ta、Ndなどが使用される。第1情報層は高い透過率が必要とされるため、反射率14は、屈折率の低く、熱伝導率の高いAgまたはその合金が好ましい。
【0031】
このような反射層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。反射層24は、50〜200nm、好適には80〜150nmとするのがよい。50nmより薄くなると繰り返し記録特性が低下し、200nmより厚くなると感度の低下を生じる。反射層14の厚さは、3〜20nmであることが好ましい。3nmより薄いと、厚さが均一で緻密な膜を作ることが困難になる。20nmより厚いと、透過率が減少し、第2情報層の記録再生が困難になる。
【0032】
保護層11、13、21、23は記録層12、22の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有するもので、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物やダイヤモンドライクカーボンあるいは、それらの混合物があげられる。これらの材料は、単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じて不純物を含んでもよい。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要である。具体的には、ZnSとSiO2との混合物が最も好ましいと考えている。
【0033】
このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。第1保護層21の厚さは、20〜200nmであることが好ましい。20nm以下であると、記録時の熱によって、基板または光透過層が変形してしまい、繰り返し記録特性が低下する。200nmより厚いと、量産性に問題が生じてくる。これらの範囲で、最適な反射率になるように、膜厚の設計を行なう。
【0034】
第2保護層13、23の膜厚は、3〜40nmであることが好ましい。3nmより薄いと、記録感度が低下してしまう。40nmより厚いと、記録層に熱が蓄積され、オーバーライト特性に劣化が生じる。
【0035】
熱拡散層15としては、レーザー照射された記録層の冷却能を向上させるために、熱伝導率が大きいことが望まれる。具体的には、300Kでの熱伝導率が、0.1W/m・K以上であることが好ましい。また、奥側の情報層に光が透過するよう、レーザー光波長での吸収率が小さいことも望まれる。以上のことから、窒化物、酸化物、硫化物、窒酸化物、炭化物、弗化物の少なくとも1種を含むことが好ましい。例えば、AlN、Al2O3、SiC、SiN、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)、DLC(ダイアモンドライクカーボン)、BNなどがあげられるが、ITOが最も好ましいと考えている。酸化スズは、1〜10重量%含まれていることが好ましい。これより少ない、若しくは多いと熱伝導率および透過率が低下してしまう。また、保存信頼性の向上などを目的に他の元素を添加してもよい。これらの元素は、光学的性質に影響を与えない範囲で添加することができ、0.1〜5重量%含まれているのが好ましい。これより少ないと、効果が得られなくなる。多いと消衰係数が大きくなって透過率が減少してしまったり、熱伝導率が大幅に低下してしまう。
【0036】
また、情報の記録再生に用いるレーザー光の波長において、屈折率は1.6以上であることが好ましい。これより小さいと、第1情報層の透過率を大きくするのが困難になる。情報の記録・再生に用いるレーザー光の波長において、消衰係数が1.0以下であることが好ましい。さらには、0.5以下であるのがより好ましい。1.0より大きいと第1情報層での吸収率が増大し、第2情報層の記録・再生が困難になる。
【0037】
このような熱拡散層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
【0038】
第1保護層11と熱拡散層15の膜厚を調節することにより、記録媒体のコントラストを大きくすることが出来る。すなわち、第1保護層11の屈折率をnU、熱拡散層15の屈折率をnHとしたとき、第1保護層の膜厚dUが(3+8l)λ/16nU≦dU≦(9+8l)λ/16nUおよび/又は、熱拡散層の膜厚dHが(3+8m)λ/17nH≦dH≦(9+8m)λ/17nH(l、m=0、1)の範囲内にある場合、記録媒体のコントラストを大きくすることが出来る。第1保護層11および熱拡散層15が、ともにこの範囲外の場合、光干渉効果により光透過率が非常に高くなってしまい、反射率のコントラストがとれなくなってしまう。第1保護層の膜厚dUが3λ/16nUよりも薄い場合は基板が記録時の熱でダメージを受ける可能性がある。又、熱拡散層dHが3λ/17nHよりも薄い場合は、放熱効果が十分得られなくなる。どちらの場合もオーバーライト特性が劣化してしまう。また、lおよび/又はmが2以上の膜厚では、第1保護層11、熱拡散層15は応力が大きくなり、クラックや剥離が生じてしまう。
【0039】
また、本発明の2層相変化型情報記録媒体の第1情報層1は、記録・再生に用いるレーザー光波長での平均光透過率は40〜70%であるのが好ましい。さらには45%〜60%以下であるのが好ましい。初期化後に、記録を行なった2層相変化型情報記録媒体では、記録層がアモルファス状態である面積が結晶状態である面積よりも小さいので、アモルファスでの光透過率は結晶状態での光透過率よりも小さくても構わない。平均光透過率とは、結晶状態での光透過率とアモルファス状態での光透過率との平均の光透過率のことをさす。
【0040】
以下、本発明の相変化型情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の多層相変化型情報記録媒体の製造方法のひとつは、成膜工程、初期化工程、密着工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。
【0041】
成膜工程としては、第1基板3のグルーブが設けられた面に第1情報層1を、第2基板5のグルーブが設けられた面に第2情報層2をそれぞれ成膜する。第1情報層1、第2情報層2は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。スパッタリング法は、一般にアルゴンなどの不活性ガスを流しながら成膜を行なうが、その際、酸素、窒素などを混入させながら、反応スパッタリングさせてもよい。
【0042】
初期化工程として、第1情報層1、第2情報層2に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。初期化工程の際にレーザー光エネルギーにより膜が浮いてきてしまうおそれがある場合には、初期化工程の前に、第1情報層、第2情報層の上にUV樹脂などを塗布してスピンコートし、紫外線を照射して硬化させ、オーバーコートを施しても良い。
【0043】
密着工程として、第1情報層と第2情報層とを向かい合わせながら、第1基板と第2基板とを中間層4を介して貼り合わせる。例えば、いずれか一方の膜面にUV樹脂を塗布し、膜面同士を向かい合わせて両基板を加圧、密着させ、紫外線を照射して樹脂を硬化させることができる。この場合、UV樹脂が中間層となる。密着工程を行なった後に、前記初期化工程を行なっても構わない。その場合には、第1基板側から、第1情報層、第2情報層の初期化を行なう。
【0044】
また、もう一つの多層相変化型情報記録媒体の製造方法は、第1成膜工程、中間層形成工程、第2成膜工程、基板貼り合わせ工程と、初期化工程からなり、基本的にはこの順に各工程を行なう。この製造方法により、高密度記録に対応した相変化型情報記録媒体を製造することができる。
【0045】
第1成膜工程として、第2基板上のグルーブの設けられた面に第2情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
中間層形成工程として、第2情報層上にグルーブを有する中間層を形成する。例えば、第2情報層上にUV樹脂を全面に塗布し、ガラスなどの紫外光を透過することのできる材料でつくられたスタンパを押し当てたまま紫外線を照射して硬化させて、溝を形成することができる。
第2成膜工程として、中間層4上に第1情報層を成膜する。成膜方法は、前述の通りである。
基板貼り合わせ工程として、第1情報層上に、第1基板3を貼り合わせる。例えば、ポリカーボネートフィルムからなる第1基板3と、第2基板5の第1保護層11面をUV樹脂を介して貼り合わせ、UVを照射させて硬化させる。このとき、UV樹脂が透明層となる。UV樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させて第1基板3とすることもできる。
初期化工程として、第1基板側から、第1情報層1、第2情報層2に対して、レーザー光などのエネルギー光を出射することにより全面を初期化、すなわち記録層を結晶化させる。第2情報層の初期化工程は、中間層形成工程直後に行なってもよい。
【0046】
3層の情報層を有する場合の製造方法は、例えば、第1成膜工程、中間層形成工程、第2成膜工程を行なった後に、さらに中間層形成工程、成膜工程を追加すればよい。4層以上の情報層の場合は、増える情報層の分だけ、中間層形成工程、成膜工程を追加すればよい。
【0047】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0048】
[実施例1〜6、比較例1〜3]
直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上に、ZnS−20mol%SiO2からなる第1保護層、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層を6nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第2保護層を10nm、Ag−Pd(1at.%)−Cu(1at.%)からなる反射層を10nm、ITOからなる熱拡散層の順に成膜を行ない、図1の2層相変化情報記録媒体の一部である第1情報層を作製した。
【0049】
図4に、このときの光学シミュレーション結果を示す。ここで、第1保護層および熱拡散層の膜厚を0〜160nmの間で変化させ、記録層が結晶のときの反射率Rcと非晶質のときの反射率Raとの差ΔR(Rc−Ra)を光学計算した。横軸は第1保護層の膜厚で、縦軸は熱拡散層の膜厚であり、ΔRを等高線で表している。また、計算に用いた各材料の光学定数は表1のとおりである。(計算波長は405nm)
【0050】
【表1】
【0051】
図4から、第1保護層の膜厚dUが(3+8l)λ/16nU≦dU≦(9+8l)λ/16nU及び/又は熱拡散層の膜厚dHが(3+8m)λ/17nH≦dH≦(9+8m)λ/17の範囲(l、m=0,1,2…)でΔRが大きくなることがわかる。
【0052】
上記した材料を使って実際に第1情報層を作製した。保護層11および熱拡散層15の膜厚は表2に示すとおりである。第1保護層、第2保護層、記録層、反射層の成膜は、Arガス雰囲気中のスパッタ法で、熱拡散層に関しては、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとし、電気伝導率、透過率が大きくなるArガスとO2ガスの比で成膜を行なった。各層を成膜した上に、スピンコーターを用いてオーバーコート層を設けた。
【0053】
分光器を用いて第1情報層の波長405nmにおける透過率、反射率を測定した後に、基板側からレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。ここでまた、波長405nmにおける透過率、反射率を測定した。
【0054】
作製された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長 405nm
NA=0.65
線速 6.0m/s
トラックピッチ 0.40μm
【0055】
線密度0.18μm/bitでの3TのC/Nを測定した。
【0056】
測定した透過率と、反射率から求めた反射率差ΔR(=Rc−Ra)とC/Nの値を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
記録層の光学定数などの誤差があるためか、図4に示す計算結果とはΔRの絶対値は異なるが、相対的な大きさは計算結果と一致し、本発明の光ディスクは第1情報層のΔRを大きくできることがわかった。また、C/Nも50dB以上と良好な値となった。
【0059】
次に実施例1〜6で作製した第1情報層を用いて、2層光ディスクを作製した。すなわち、直径12cm、厚さ0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に表2に示す厚さのZnS−20mol%SiO2からなる第1保護層、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第2保護層15nm、Ag−Pd(1at.%)−Cu(1at.%)からなる反射層10nm、表2に示す厚さのITOからなる熱拡散層の順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を作製した。熱拡散層に関してはArとO2の混合ガスを用いた。また、同様の基板を第2基板として、第2基板上にAl−Ti(1wt.%)からなる反射層を120nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第1保護層90nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜して第2情報層を作製した。
【0060】
次に、第1情報層、第2情報層に対して、それぞれ第1基板側、第2情報層膜面側からレーザー光を照射させ、初期化処理を行なった。
【0061】
次に、第1情報層の膜面上に紫外線硬化樹脂を塗布し、第2基板の第2情報層面側を貼り合わせてスピンコートし、第1基板側から紫外線光を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて中間層とし、2つの情報層を有する2層相変化型情報記録媒体を作製した。中間層の厚さは30μmとした。
【0062】
作製された各ディスクについて下記条件で記録した。
レーザー波長 405nm
NA=0.65
線速 6.0m/s
トラックピッチ 0.40μm
【0063】
線密度0.18μm/bitでの第1情報層、第2情報層の3TマークのC/Nおよび、1000回繰り返し記録後のC/Nを測定したところ、第1情報層、第2情報層どちらも50dB以上のC/Nが得られ、1000回繰り返し記録後も良好であった。
【0064】
また、その他の試作実験からも、第1情報層の記録層膜厚が3〜15nm、反射層が3〜20nm、熱拡散層が20〜200nmの範囲であると、第1情報層、第2情報層ともに良好な記録再生ができ、また、第2情報層を良好に記録再生するためには、第1情報層の透過率が40%以上必要であることが確認された。
【0065】
[実施例7]
実施例7として、直径12cm、厚さ1.1mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つポリカーボネート樹脂からなる基板上にAl−Ti(1wt.%)からなる反射層を120nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第2保護層20nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層12nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第1保護層60nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第2情報層を形成した。
【0066】
このようにして形成した第2情報層上に、2P法によって、連続溝によるトラッキングガイドの凹凸を持つ中間層を形成した。中間層の厚さは25μmである。
さらにその上にITOからなる熱拡散層120nmを設け、Ag−Pd(1at.%)−Cu(1at.%)からなる反射層10nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第2保護層15nm、Ge4Ag1In3Sb70Te22からなる記録層6nm、ZnS−20mol%SiO2からなる第1保護層130nmの順にArガス雰囲気中のスパッタ法で製膜し、第1情報層を形成した。熱拡散層に関しては、ArとO2の混合ガスをスパッタガスとし、電気伝導率、透過率が大きくなるArガスとO2ガスの比で成膜を行なった。
【0067】
さらに第1情報層膜面上に直径12cm、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムからなる第1基板を、45μmの厚さの両面粘着シートを介して貼り合わせて2層相変化型情報記録媒体を作製した。
【0068】
次いで、大口径の半導体レーザーを有する初期化装置によって、ディスクの記録層の初期化処理を行なった。また、これとは別に、厚さ1.1mmの基板に第1情報層と第1基板を同様に設け、初期化前後の透過率、反射率を測定したところ、初期化前の透過率は44%、初期化後の透過率は47%、初期化前後の反射率差ΔRは7%であった。
【0069】
作製されたそれぞれのメディアについて下記条件で記録した。
レーザー波長 405nm
NA=0.85
線速 6.5m/s
トラックピッチ 0.32μm
【0070】
線密度0.14μm/bitでの第1情報層と第2情報層の3TマークのC/Nおよび、1000回繰り返し記録後のC/Nを測定したところ、どちらも50dB以上と良好であった。
【0071】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の多層相変化型情報記録媒体によれば、光入射側から見て最も奥側に形成された情報層以外の情報層の少なくとも1層の第1保護層および熱拡散層の両方の屈折率と膜厚との関係を規定したことから、該情報層の記録層の結晶と非晶質の反射率のコントラストを大きくすることができ、再生誤りが少ない信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体を得ることができる。
【0072】
請求項2の多層相変化型情報記録媒体によれば、記録・再生を行う光波長領域での上記熱拡散層の屈折率が1.6以上であることから、手前側に位置する情報層の透過率を大きくすることができ、奥側の情報層の感度を上げることができる。
【0073】
請求項3の多層相変化型情報記録媒体によれば、熱拡散層が窒化物、酸化物、窒酸化物、炭化物、フッ化物の少なくとも1種を含むことから、熱伝導率が大きく、レーザー光が照射された記録層の冷却機能を向上させるのみでなく、レーザー光波長における吸収率が小さいため、手前側に位置する情報層の透過率を大きくすることができ、奥側の情報層の感度を上げることができる。
【0074】
請求項4の多層相変化型情報記録媒体によれば、熱拡散層がITOを主成分とすることから、上記冷却機能および透過率を最も得やすい。
【0075】
請求項5の多層相変化型情報記録媒体によれば、第1保護層が酸化物、窒化物、硫化物、炭化物のいずれかからなることから、記録層の劣化変質を防ぎ、接着強度を高め、かつ記録特性を高める保護層材料として好適である上、屈折率をコントロールできるため、記録層の結晶と非晶質の反射率のコントラストを大きくすることができる。
【0076】
請求項6の多層相変化型情報記録媒体によれば、第1保護層がZnSとSiO2を主成分とする混合物からなることから、これら材料が保護層材料として好ましいだけでなく、SiO2の含量を変化させることによってZnS−SiO2の屈折率をコンロトールできる。
【0077】
請求項7の多層相変化型情報記録媒体によれば、反射層がAgを主成分とすることから、屈折率が低く、情報層に高い透過率を与えることができるため、全情報層の記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
【0078】
請求項8の多層相変化型情報記録媒体によれば、上記反射層の厚さが3〜20nmであることから、均一で緻密な膜が形成できるのみならず、透過率の高い情報層を得ることができるため、全情報層の記録再生特性の優れた記録媒体が得られる。
【0079】
請求項9の多層相変化型情報記録媒体によれば、上記記録層が、SbおよびTeを主体とするため、記録感度、記録速度、及び消去比が良好であり、さらに、Ag、In等の元素や不純物を添加するため、さらに性能を向上させるとともに情報層の透過率を高くすることができるため、全情報層の記録再生特性の優れた記録媒体を得ることができる。
【0080】
請求項10の多層相変化型情報記録媒体によれば、上記記録層の厚さが、3〜15nmであることから、均一で、かつ高い透過率の情報層を得ることができるため、全情報層の記録再生特性の優れた記録媒体を得ることができる。
【0081】
請求項11の多層相変化型情報記録媒体によれば、第1基板側から光を入射させたときの第1情報層の平均透過率を40〜70%としたことから、第1情報層、第2情報層がともに感度がよく、記録再生特性の優れた多層相変化型情報記録媒体を得ることができる。
【0082】
請求項12の多層相変化型情報記録媒体によれば、上記記録媒体において、第1基板の厚さが0.05μm〜0.6mmの範囲内であることから、ピックアップのNAが変化しても良好に記録再生ができ、高密度記録ができ、再生誤りが少ない信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体を提供することができる。
【0083】
請求項13の多層相変化型情報記録媒体の製造方法によれば、特定の各工程を含むことから、第1情報層、第2情報層がともに感度がよく、第1情報層の結晶と非晶質とのコントラストが大きく、再生誤りの少ない信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体を製造することができる。
【0084】
請求項14の多層相変化型情報記録媒体の製造方法によれば、高NAピックアップでも良好に高密度で記録再生ができ、第1情報層、第2情報層がともに感度がよく、第1情報層の結晶と非晶質とのコントラストが大きく、再生誤りの少ない信頼性の優れた多層相変化型情報記録媒体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層相変化型情報記録媒体の一例を示す概略断面図。
【図2】第1基板と第2基板に案内溝が形成されている場合を示す本発明の多層相変化型情報記録媒体の概略断面図。
【図3】第2基板と中間層にグルーブが形成されている場合を示す本発明の多層相変化型情報記録媒体の概略断面図。
【図4】実施例の記録媒体の光学シュミレーション結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 第1情報層
2 第2情報層
3 第1基板
4 中間層
5 第2基板
11 第1保護層
12 記録層
13 第2保護層
14 反射層
15 熱拡散層
21 第1保護層
22 記録層
23 第2保護層
24 反射層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an information recording medium for recording or reproducing information by light such as a laser, and more particularly to a multilayer phase change type information recording medium having two or more information layers having a recording layer for recording information, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Optical discs such as CD-R and CD-RW have a recording layer provided on a plastic circular substrate such as polycarbonate, and a reflective layer formed thereon by vapor deposition or sputtering of a metal such as aluminum, gold, or silver. A laser beam is incident from the substrate side to record and reproduce signals. In recent years, as the amount of information handled by computers and the like has increased, the signal recording capacity of optical disks, such as DVD-RAM and DVD + R / RW, has increased, and the density of signal information has been increasing. The recording capacity of a CD is about 650 MB and that of a DVD is about 4.7 GB, but further higher recording density is required in the future.
[0003]
In order to realize such a high recording density medium, it has been proposed to shorten the laser wavelength to be used to a blue light region. In addition, by increasing the numerical aperture of an objective lens used for a pickup that performs recording and reproduction, the spot size of laser light applied to an optical recording medium can be reduced, and high recording density can be achieved. However, there is a limit to the method of increasing the recording density by reducing the spot size due to the shortening of the wavelength of the laser and the increase in the numerical aperture of the objective lens. The technology of increasing the capacity by providing two information recording layers on one side is limited. Have been proposed in, for example, Japanese Patent No. 2702905, JP-A-2000-215516, JP-A-2000-222777, and JP-A-2001-243655.
[0004]
However, although a two-layer phase change optical disk has been announced at a conference or the like (for example, ODS2001 Technical Digest P22), there are many problems. For example, if the laser beam does not pass through the information layer on the near side as viewed from the laser beam irradiation side, the recording layer on the back side cannot be recorded and reproduced. For this purpose, the information layer on the near side must be free of a metal reflective layer such as Ag or Al, or be extremely thin enough to transmit light sufficiently.
[0005]
In the phase change recording, an amorphous mark is formed by irradiating a laser beam to a recording layer and rapidly cooling the recording layer. In the case of a recording medium having no reflective layer or an extremely thin recording medium, it is difficult to form an amorphous mark due to low thermal diffusion.
[0006]
Unlike the Ge-Sb-Te compound, the Sb-Te eutectic recording material used for phase-change optical disks such as CD-RW has an excellent erasing ratio because it is melt-erased during repeated recording. Is known to be. Further, it has an excellent feature that the outline of the amorphous portion of the recording mark is clear with high sensitivity. However, when forming a mark, it is necessary to take a quenched structure as compared with a Ge-Sb-Te compound, and it is difficult to form a mark with a thin reflective layer as described above. In addition, when recording is repeated, thermal damage is accumulated in the recording layer, and therefore, there is a defect in overwrite characteristics.
[0007]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-222777 discloses that, when the reflection layer is made thin, a layer that assists the heat diffusion carried by the reflection layer is provided on the reflection layer. That is, a nitride, carbide, or oxide such as Al-N, Si-C, or Al-NO having relatively high thermal conductivity and low light absorption is used as the heat diffusion auxiliary layer. It is disclosed that the film thickness d is within the range of 0 <d ≦ (5/16) λ / n or (7/16) λ / n <d ≦ (1/2) λ / n. This film thickness range is provided for the purpose of increasing the value of Ac / Aa and increasing the transmittance when the absorption in the crystal of the recording layer is Ac and the absorption in the amorphous is Aa. ing. However, such a thin layer structure of the reflective layer has a problem that the difference (contrast) between the reflectance in a crystal and the reflectance in an amorphous state is small. However, the publication does not describe the effect on this problem. Although only the thickness of the thermal diffusion layer is disclosed, the thickness of the first protective layer also greatly affects the transmittance and absorption of the recording medium. Thickness must be considered.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2702905
[Patent Document 2]
JP 2000-215516 A
[Patent Document 3]
JP 2000-222777 A
[Patent Document 4]
JP 2001-243655 A
[Patent Document 5]
JP-A-2002-150613
[Non-patent document 1]
ODS2001 Technical Digest P22
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the problems of the prior art in a multilayer phase change type information recording medium, and can improve the cooling capacity of the recording medium and increase the contrast between the crystal and the amorphous phase even when the reflective layer is thinned. It is another object of the present invention to provide a multi-layer phase change type information recording medium having few reproduction errors and excellent reliability and a method of manufacturing the same.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above-mentioned problems of the prior art, and as a result, have found a phase-change type information recording medium meeting the above-mentioned object and a manufacturing method thereof, and have reached the present invention.
That is, according to the present invention, first, in claim 1, the number of information layers having a recording layer for recording information by reversible phase change between a crystalline state and an amorphous state by light incidence is from two or more layers. In the multilayer phase change type information recording medium, at least one of the information layers other than the information layer formed at the innermost side as viewed from the light incident side includes a first protective layer, a recording layer, a second protective layer, a reflective layer, The first protective layer has a refractive index of n U , The refractive index of the heat diffusion layer is n H , The film thickness d of the first protective layer U Is (3 + 8l) λ / 16n U ≦ d U ≤ (9 + 8l) λ / 16n U And / or the thickness d of the thermal diffusion layer H Is (3 + 8m) λ / 17n H ≦ d H ≤ (9 + 8m) λ / 17n H (Wherein, l, m = 0, 1), there is provided a multilayer phase change type information recording medium characterized by being within the range.
[0011]
Secondly, according to a second aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to the first aspect, the refractive index of the heat diffusion layer in an optical wavelength region where recording / reproduction is performed is 1.6 or more. Is provided.
[0012]
Thirdly, in a third aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to the second aspect, the heat diffusion layer is formed of at least one of nitride, oxide, sulfide, nitride oxide, carbide, and fluoride. Provided is a multilayer phase change type information recording medium characterized by including a seed.
[0013]
Fourthly, according to a fourth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to the third aspect, the thermal diffusion layer is mainly composed of ITO (indium oxide-tin oxide). An information recording medium is provided.
[0014]
Fifthly, in a fifth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to fourth aspects, the first protective layer is made of any one of oxide, nitride, sulfide, and carbide. There is provided a multilayer phase change type information recording medium characterized by being a main component.
[0015]
Sixth, in a sixth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to the fifth aspect, the first protective layer is formed of ZnS and SiO 2. 2 A multi-layer phase change type information recording medium characterized by comprising a mixture mainly composed of:
[0016]
Seventh, a seventh aspect of the present invention is the multi-layer phase change information recording medium according to any one of the first to sixth aspects, wherein the reflective layer comprises Ag as a main component. A recording medium is provided.
[0017]
Eighthly, according to an eighth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to seventh aspects, the reflective layer has a thickness of 3 to 20 nm. A changeable information recording medium is provided.
[0018]
Ninthly, in a ninth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to eighth aspects, the recording layer is mainly composed of Sb and Te, and Ag, In, Ge, Se, It contains at least one selected from the group consisting of Sn, Al, Ti, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Pd, Pt, Au, S, B, C, and P. Is provided.
[0019]
Tenthly, according to a tenth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to ninth aspects, the recording layer has a thickness of 3 to 15 nm. A changeable information recording medium is provided.
[0020]
Eleventhly, Claim 11 provides the multilayer phase change type information recording medium according to any one of Claims 1 to 10, wherein at least a first information layer and an intermediate layer are provided on a first substrate. , A second information layer, and a second substrate in this order, and the first information layer includes a first protection layer, a recording layer, a second protection layer, a reflection layer, and a heat diffusion layer in order from the side closer to the first substrate. A multi-layered phase change type information recording medium, comprising a multilayer thin film provided in order, wherein an average light transmittance of the first information layer when light is incident from the first substrate side is 40 to 70%. Is provided.
[0021]
Twelfthly, according to a twelfth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to eleventh aspects, the first substrate has a thickness within a range of 0.05 μm to 0.6 mm. A multilayer phase change type information recording medium is provided.
[0022]
Thirteenth, a thirteenth aspect is the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to twelfth aspects, wherein at least a first information layer, an intermediate layer, and a second information layer are formed on a first substrate. A multi-layer comprising a layer and a second substrate in this order, wherein the first information layer comprises a first protective layer, a recording layer, a second protective layer, a reflective layer, and a heat diffusion layer in this order from the side closer to the first substrate A method of manufacturing a multilayer phase-change information recording medium comprising a thin film, wherein a film formation step of laminating the first information layer on the first substrate and the second information layer on the second substrate, respectively; A step of initializing the first information layer and the second information layer to a recordable initial state, and an adhesion step of bonding the first information layer and the second information layer via an intermediate layer so as to face each other. A method for manufacturing a multilayer phase-changeable information recording medium characterized by comprising:
[0023]
Fourteenthly, according to a fourteenth aspect, in the multilayer phase change type information recording medium according to any one of the first to twelfth aspects, at least a first information layer, an intermediate layer, and a second information layer are provided on a first substrate. A multi-layer comprising a layer and a second substrate in this order, wherein the first information layer comprises a first protective layer, a recording layer, a second protective layer, a reflective layer, and a heat diffusion layer in this order from the side closer to the first substrate A method for manufacturing a multilayer phase-change information recording medium comprising a thin film, comprising: a first film forming step of laminating the second information layer on the second substrate; and an intermediate step of forming an intermediate layer on the second information layer. A layer forming step, a second film forming step of laminating the first information layer on the intermediate layer, a substrate bonding step of bonding the first substrate on the first information layer, and a first information layer And a step of initializing the second information layer to a recordable state. Granulation method is provided.
[0024]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
FIG. 1 is a schematic sectional view of a multilayer phase change type information recording medium according to one embodiment of the present invention. It has a structure in which a first information layer 1, an intermediate layer 4, a second information layer 2, and a second substrate 5 are sequentially accumulated on a first substrate 3. The first information layer 1 includes a first protective layer 11, a recording layer 12, a second protective layer 13, a reflective layer 14, and a heat diffusion layer 15, and the second information layer 2 includes a first protective layer 21, a recording layer 22. , A second protective layer 23, and a reflective layer 24. Although not shown, a transparent layer may be provided between the first substrate 3 and the first protective layer 11. The present invention is not limited to the above configuration.
[0025]
The material of the first substrate 3 and the second substrate 5 is usually glass, ceramics or resin, and a resin substrate is suitable in terms of moldability and cost. Examples of the resin include polycarbonate resin, acrylic resin, epoxy resin, polystyrene resin, acrylonitrile-styrene copolymer resin, polyethylene resin, polypropylene resin, silicone resin, fluorine resin, ABS resin, urethane resin, etc. Acrylic resins such as polycarbonate resin and polymethyl methacrylate (PMMA), which are excellent in moldability, optical properties, and cost, are preferable. Further, it is preferable that an uneven pattern (groove) such as a guide groove is formed on the surface on which the information layer is formed, and is formed by injection molding or a photopolymer method. The first substrate 3 may be formed by applying a resin on the first information layer and then curing the resin.
[0026]
FIG. 2 shows an example of a two-layer phase change type information recording medium in which guide grooves are formed in the first substrate 3 and the second substrate 5. FIG. 3 shows an example of a two-layer phase change type information recording medium in which grooves are formed in the second substrate 5 and the intermediate layer 4. Either structure may be adopted depending on the manufacturing method.
The recording may be performed on the concave portion of the guide groove formed in the substrate or the intermediate layer, the recording may be performed on the convex portion, or the recording may be performed on both of them. The thickness of the first substrate is not particularly limited, but is preferably about 0.05 to 0.6 mm. More preferably, it is in the range of 0.05 to 0.15 mm and 0.5 to 0.6 mm. Although the thickness of the second substrate 5 is not particularly limited, the total thickness with the thickness of the first substrate 3 is preferably about 1.2 mm, and is in the range of 0.6 to 1.95 mm. The second substrate 5 may be opaque to recording / reproducing light, and may be different in material and groove shape from the first substrate 3.
[0027]
The material of the intermediate layer 4 is usually a ceramic or a resin, but a photocurable resin or a slow-acting resin is preferred in terms of moldability and cost. A groove may be formed in the intermediate layer 4 as shown in FIG. 3, and is formed by injection molding or a photopolymer method. The intermediate layer 4 has a thickness that enables the pickup to identify the first information layer and the second information layer when performing recording and reproduction, and is optically separable, and preferably 10 to 50 μm. If the thickness is less than 10 μm, interlayer crosstalk occurs. If the thickness is more than 50 μm, spherical aberration will occur when recording and reproducing the second information recording layer, making recording and reproduction difficult.
[0028]
As a material of the recording layers 12 and 22, a chalcogen-based alloy thin film such as a Ge-Te-based, Ge-Te-Sb-based, or Ge-Sn-Te-based thin film is often used, but an Sb-Te eutectic thin film is used. Since the recording (amorphization) sensitivity / speed and the erasing ratio are extremely good, it is suitable as a material for the recording layer. These recording layer materials include Ag, In, Ge, Se, Sn, Al, Ti, V, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Pd, and the like for the purpose of further improving performance and reliability. Other elements and impurities such as Pt, Au, S, B, C, and P can be added.
[0029]
These recording layers can be formed by various vapor deposition methods, for example, a vacuum evaporation method, a sputtering method, a plasma CVD method, a photo CVD method, an ion plating method, an electron beam evaporation method, and the like. Among them, the sputtering method is excellent in mass productivity, film quality, and the like. The thickness of the recording layer 12 is preferably 3 to 15 nm. If it is 3 nm or less, it is difficult to form a uniform film. If it is 15 nm or more, the transmittance will decrease.
[0030]
As the reflective layers 14 and 24, metals having high thermal conductivity, such as Au, Ag, Cu, W, Al, Ta, or the like, or an alloy thereof can be used. In addition, Cr, Ti, Si, Pd, Ta, Nd, or the like is used as the additional element. Since the first information layer requires a high transmittance, the reflectance 14 is preferably Ag or an alloy thereof having a low refractive index and a high thermal conductivity.
[0031]
Such a reflective layer can be formed by various vapor deposition methods, for example, a vacuum deposition method, a sputtering method, a plasma CVD method, a photo CVD method, an ion plating method, an electron beam deposition method, or the like. Among them, the sputtering method is excellent in mass productivity, film quality, and the like. The reflective layer 24 has a thickness of 50 to 200 nm, preferably 80 to 150 nm. When the thickness is less than 50 nm, the repetitive recording characteristics deteriorate, and when the thickness is more than 200 nm, the sensitivity is lowered. The thickness of the reflection layer 14 is preferably 3 to 20 nm. When the thickness is less than 3 nm, it is difficult to form a dense film having a uniform thickness. If the thickness is more than 20 nm, the transmittance will decrease, and it will be difficult to read / write the second information layer.
[0032]
The protective layers 11, 13, 21, and 23 have the functions of preventing deterioration and deterioration of the recording layers 12, 22 and increasing the adhesive strength and enhancing the recording characteristics. 2 , ZnO, SnO 2 , Al 2 O 3 , TiO 2 , In 2 O 3 , MgO, ZrO 2 Metal oxides such as Si 3 N 4 , AlN, TiN, nitride such as ZrN, ZnS, In 2 S 3 , TaS 4 Such as sulfide, SiC, TaC, B 4 Examples thereof include carbides such as C, WC, TiC, and ZrC, diamond-like carbon, and mixtures thereof. These materials can be used alone as a protective layer, or as a mixture of each other. Further, impurities may be included as necessary. The melting point of the protective layer needs to be higher than that of the recording layer. Specifically, ZnS and SiO 2 Are considered most preferred.
[0033]
Such a protective layer can be formed by various vapor deposition methods, for example, a vacuum deposition method, a sputtering method, a plasma CVD method, a photo CVD method, an ion plating method, an electron beam deposition method, or the like. Among them, the sputtering method is excellent in mass productivity, film quality, and the like. The thickness of the first protective layer 21 is preferably 20 to 200 nm. When the thickness is less than 20 nm, the substrate or the light transmitting layer is deformed by the heat during recording, and the repetitive recording characteristics deteriorate. If the thickness is more than 200 nm, a problem occurs in mass productivity. In these ranges, the film thickness is designed so as to obtain the optimum reflectance.
[0034]
The thickness of the second protective layers 13 and 23 is preferably 3 to 40 nm. If the thickness is less than 3 nm, the recording sensitivity will decrease. If the thickness is larger than 40 nm, heat is accumulated in the recording layer, and the overwrite characteristics are deteriorated.
[0035]
It is desired that the thermal diffusion layer 15 has a high thermal conductivity in order to improve the cooling ability of the recording layer irradiated with the laser. Specifically, it is preferable that the thermal conductivity at 300 K is 0.1 W / m · K or more. It is also desirable that the absorptance at the laser light wavelength be small so that the light can pass through the information layer on the back side. From the above, it is preferable to include at least one of nitride, oxide, sulfide, nitride oxide, carbide, and fluoride. For example, AlN, Al 2 O 3 , SiC, SiN, ITO (indium oxide-tin oxide), DLC (diamond-like carbon), BN, etc., and ITO is considered to be the most preferable. Tin oxide is preferably contained in an amount of 1 to 10% by weight. If the amount is less or more than this, the thermal conductivity and the transmittance decrease. Further, other elements may be added for the purpose of improving storage reliability and the like. These elements can be added in a range that does not affect the optical properties, and are preferably contained in an amount of 0.1 to 5% by weight. If less than this, the effect cannot be obtained. If the amount is too large, the extinction coefficient increases and the transmittance decreases, or the thermal conductivity significantly decreases.
[0036]
Further, the refractive index is preferably 1.6 or more at the wavelength of the laser beam used for recording and reproducing information. If it is smaller than this, it becomes difficult to increase the transmittance of the first information layer. The extinction coefficient is preferably 1.0 or less at the wavelength of the laser beam used for recording and reproducing information. More preferably, it is 0.5 or less. If it is larger than 1.0, the absorptance in the first information layer will increase, and it will be difficult to record / reproduce in the second information layer.
[0037]
Such a thermal diffusion layer can be formed by various vapor phase epitaxy methods, for example, a vacuum evaporation method, a sputtering method, a plasma CVD method, a photo CVD method, an ion plating method, an electron beam evaporation method, or the like. Among them, the sputtering method is excellent in mass productivity, film quality, and the like.
[0038]
By adjusting the thicknesses of the first protective layer 11 and the thermal diffusion layer 15, the contrast of the recording medium can be increased. That is, the refractive index of the first protective layer 11 is n U And the refractive index of the heat diffusion layer 15 is n H , The film thickness d of the first protective layer U Is (3 + 8l) λ / 16n U ≦ d U ≤ (9 + 8l) λ / 16n U And / or the thickness d of the thermal diffusion layer H Is (3 + 8m) λ / 17n H ≦ d H ≤ (9 + 8m) λ / 17n H When it is within the range of (l, m = 0, 1), the contrast of the recording medium can be increased. When the first protective layer 11 and the thermal diffusion layer 15 are both out of this range, the light transmittance becomes extremely high due to the light interference effect, and the contrast of the reflectance cannot be obtained. Thickness d of first protective layer U Is 3λ / 16n U If it is thinner, the substrate may be damaged by heat during recording. Also, the heat diffusion layer d H Is 3λ / 17n H If it is thinner, a sufficient heat radiation effect cannot be obtained. In either case, the overwrite characteristics deteriorate. When the thickness of l and / or m is 2 or more, the stress of the first protective layer 11 and the thermal diffusion layer 15 increases, and cracks and peeling occur.
[0039]
The first information layer 1 of the two-layer phase change type information recording medium of the present invention preferably has an average light transmittance of 40 to 70% at a laser beam wavelength used for recording / reproducing. More preferably, it is 45% to 60% or less. In the two-layer phase-change type information recording medium on which the recording is performed after the initialization, the area where the recording layer is in the amorphous state is smaller than the area where the recording layer is in the crystalline state. It may be smaller than the rate. The average light transmittance refers to an average light transmittance of the light transmittance in a crystalline state and the light transmittance in an amorphous state.
[0040]
Hereinafter, a method for manufacturing the phase change type information recording medium of the present invention will be described.
One of the methods for manufacturing a multilayer phase change type information recording medium of the present invention comprises a film forming step, an initializing step, and a contacting step, and basically performs each step in this order.
[0041]
In the film forming process, the first information layer 1 is formed on the surface of the first substrate 3 where the groove is provided, and the second information layer 2 is formed on the surface of the second substrate 5 where the groove is provided. The first information layer 1 and the second information layer 2 can be formed by various vapor deposition methods, for example, a vacuum evaporation method, a sputtering method, a plasma CVD method, a photo CVD method, an ion plating method, an electron beam evaporation method, and the like. Among them, the sputtering method is excellent in mass productivity, film quality, and the like. In the sputtering method, film formation is generally performed while flowing an inert gas such as argon. At this time, reactive sputtering may be performed while mixing oxygen, nitrogen, or the like.
[0042]
In the initialization step, the entire surface is initialized by emitting energy light such as laser light to the first information layer 1 and the second information layer 2, that is, the recording layer is crystallized. If there is a possibility that the film may float due to the energy of the laser beam during the initialization step, apply a UV resin or the like on the first information layer and the second information layer before the initialization step, and spin It may be coated, cured by irradiating ultraviolet rays, and overcoated.
[0043]
As an adhesion step, the first substrate and the second substrate are bonded together with the intermediate layer 4 facing the first information layer and the second information layer. For example, a UV resin is applied to one of the film surfaces, the two substrates are pressed against each other with the film surfaces facing each other, brought into close contact with each other, and the resin can be cured by irradiating ultraviolet rays. In this case, the UV resin becomes the intermediate layer. After performing the adhesion step, the initialization step may be performed. In that case, the first information layer and the second information layer are initialized from the first substrate side.
[0044]
Another method for manufacturing a multilayer phase change type information recording medium includes a first film forming step, an intermediate layer forming step, a second film forming step, a substrate bonding step, and an initialization step. Each step is performed in this order. With this manufacturing method, a phase-change information recording medium compatible with high-density recording can be manufactured.
[0045]
As a first film forming step, a second information layer is formed on the surface of the second substrate on which the groove is provided. The film forming method is as described above.
As an intermediate layer forming step, an intermediate layer having a groove is formed on the second information layer. For example, a groove is formed by applying a UV resin on the entire surface of the second information layer and irradiating and curing ultraviolet rays while pressing a stamper made of a material capable of transmitting ultraviolet light, such as glass, to form a groove. can do.
As a second film forming step, a first information layer is formed on the intermediate layer 4. The film forming method is as described above.
As a substrate bonding step, the first substrate 3 is bonded on the first information layer. For example, the first substrate 3 made of a polycarbonate film and the surface of the first protective layer 11 of the second substrate 5 are bonded via a UV resin, and are cured by irradiating UV. At this time, the UV resin becomes a transparent layer. The first substrate 3 can also be formed by applying a UV resin and irradiating ultraviolet rays to cure the resin.
In the initialization step, the entire surface is initialized by emitting energy light such as laser light from the first substrate side to the first information layer 1 and the second information layer 2, that is, the recording layer is crystallized. The step of initializing the second information layer may be performed immediately after the step of forming the intermediate layer.
[0046]
In the case of a manufacturing method having three information layers, for example, after performing a first film forming step, an intermediate layer forming step, and a second film forming step, an intermediate layer forming step and a film forming step may be further added. . In the case of four or more information layers, an intermediate layer forming step and a film forming step may be added for the increased number of information layers.
[0047]
【Example】
Next, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0048]
[Examples 1 to 6, Comparative Examples 1 to 3]
ZnS-20mol% SiO2 was deposited on a substrate made of a polycarbonate resin having a diameter of 12 cm, a thickness of 0.6 mm, and tracking guides formed by continuous grooves on the surface. 2 First protective layer made of Ge 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 6 nm, ZnS-20 mol% SiO 2 A second protective layer of 10 nm, a reflective layer of Ag-Pd (1 at.%)-Cu (1 at.%) Of 10 nm, and a thermal diffusion layer of ITO are formed in this order. A first information layer, which is a part of the change information recording medium, was manufactured.
[0049]
FIG. 4 shows an optical simulation result at this time. Here, the film thickness of the first protective layer and the thermal diffusion layer is changed between 0 and 160 nm, and the difference ΔR (Rc between the reflectance Rc when the recording layer is crystalline and the reflectance Ra when the recording layer is amorphous -Ra) was calculated optically. The horizontal axis represents the thickness of the first protective layer, the vertical axis represents the thickness of the thermal diffusion layer, and ΔR is represented by a contour line. Table 1 shows the optical constants of each material used in the calculation. (Calculated wavelength is 405nm)
[0050]
[Table 1]
[0051]
FIG. 4 shows that the thickness d of the first protective layer U Is (3 + 8l) λ / 16n U ≦ d U ≤ (9 + 8l) λ / 16n U And / or the thickness d of the thermal diffusion layer H Is (3 + 8m) λ / 17n H ≦ d H It can be seen that ΔR increases in the range (l, m = 0, 1, 2,...) Of ≦ (9 + 8m) λ / 17.
[0052]
The first information layer was actually manufactured using the above-mentioned materials. The thicknesses of the protective layer 11 and the thermal diffusion layer 15 are as shown in Table 2. The first protective layer, the second protective layer, the recording layer, and the reflective layer are formed by a sputtering method in an Ar gas atmosphere. 2 Is used as a sputtering gas, and Ar gas and O, which increase electric conductivity and transmittance, are used as sputtering gas. 2 Film formation was performed at a gas ratio. After forming each layer, an overcoat layer was provided using a spin coater.
[0053]
After measuring the transmittance and the reflectance of the first information layer at a wavelength of 405 nm using a spectroscope, the substrate was irradiated with laser light to perform an initialization process. Here, the transmittance and the reflectance at a wavelength of 405 nm were also measured.
[0054]
Recording was performed on the produced disks under the following conditions.
Laser wavelength 405nm
NA = 0.65
Linear velocity 6.0m / s
Track pitch 0.40 μm
[0055]
C / N of 3T at a linear density of 0.18 μm / bit was measured.
[0056]
Table 2 shows the measured transmittance, the reflectance difference ΔR (= Rc−Ra) obtained from the reflectance, and the value of C / N.
[0057]
[Table 2]
[0058]
Although the absolute value of ΔR is different from the calculation result shown in FIG. 4 due to an error such as the optical constant of the recording layer, the relative size matches the calculation result, and the optical disc of the present invention has the first information layer. It can be seen that ΔR can be increased. Also, the C / N was a good value of 50 dB or more.
[0059]
Next, a two-layer optical disk was manufactured using the first information layers manufactured in Examples 1 to 6. That is, a ZnS-20 mol% SiO 2 having a thickness shown in Table 2 was formed on a first substrate made of a polycarbonate resin having a diameter of 12 cm, a thickness of 0.6 mm, and a tracking guide formed by continuous grooves on the surface. 2 First protective layer made of Ge 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer 6 nm, ZnS-20 mol% SiO 2 Sputter in an Ar gas atmosphere in this order: a second protective layer 15 nm made of, a reflective layer 10 nm made of Ag-Pd (1 at.%)-Cu (1 at.%), And a thermal diffusion layer made of ITO having a thickness shown in Table 2. A first information layer was formed by a film forming method. Ar and O for the thermal diffusion layer 2 Was used. A similar substrate is used as a second substrate, and a reflection layer made of Al—Ti (1 wt.%) Is formed on the second substrate at 120 nm and ZnS-20 mol% SiO 2 is used. 2 20 nm second protective layer made of Ge 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer of 12 nm, ZnS-20 mol% SiO 2 The first information layer was formed by sputtering in an Ar gas atmosphere in the order of the first protective layer having a thickness of 90 nm to form a second information layer.
[0060]
Next, the first information layer and the second information layer were irradiated with laser light from the first substrate side and the second information layer film side, respectively, to perform an initialization process.
[0061]
Next, an ultraviolet curable resin is applied on the film surface of the first information layer, the second information layer surface side of the second substrate is bonded and spin-coated, and ultraviolet light is irradiated from the first substrate side to emit the ultraviolet curable resin. Was cured to form an intermediate layer, thereby producing a two-layer phase change type information recording medium having two information layers. The thickness of the intermediate layer was 30 μm.
[0062]
Recording was performed on the produced disks under the following conditions.
Laser wavelength 405nm
NA = 0.65
Linear velocity 6.0m / s
Track pitch 0.40 μm
[0063]
When the C / N of the 3T mark on the first information layer and the second information layer at a linear density of 0.18 μm / bit and the C / N after repeated recording 1000 times were measured, the first information layer and the second information layer were measured. In both cases, a C / N of 50 dB or more was obtained, and it was good even after repeated recording 1000 times.
[0064]
Also, from other trial production experiments, when the thickness of the recording layer of the first information layer is 3 to 15 nm, the thickness of the reflective layer is 3 to 20 nm, and the thickness of the heat diffusion layer is 20 to 200 nm, the first information layer and the second It has been confirmed that good recording and reproduction can be performed on both information layers, and that the transmittance of the first information layer must be 40% or more in order to perform good recording and reproduction on the second information layer.
[0065]
[Example 7]
As Example 7, a reflective layer made of Al-Ti (1 wt.%) Was formed on a substrate made of a polycarbonate resin having a diameter of 12 cm, a thickness of 1.1 mm, and having tracking guide irregularities formed by continuous grooves on its surface, with a thickness of 120 nm and ZnS-20 mol. % SiO 2 20 nm second protective layer made of Ge 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer of 12 nm, ZnS-20 mol% SiO 2 A first information layer was formed by sputtering in an Ar gas atmosphere in the order of the first protective layer of 60 nm.
[0066]
On the second information layer thus formed, an intermediate layer having irregularities of the tracking guide by the continuous groove was formed by the 2P method. The thickness of the intermediate layer is 25 μm.
Further, a heat diffusion layer 120 nm made of ITO is provided thereon, a reflection layer 10 nm made of Ag-Pd (1 at.%)-Cu (1 at.%), ZnS-20 mol% SiO 2 15 nm second protective layer made of Ge 4 Ag 1 In 3 Sb 70 Te 22 Recording layer 6 nm, ZnS-20 mol% SiO 2 The first information layer was formed by sputtering in the Ar gas atmosphere in the order of the first protective layer of 130 nm. As for the thermal diffusion layer, Ar and O 2 Is used as a sputtering gas, and Ar gas and O, which increase electric conductivity and transmittance, are used as sputtering gas. 2 Film formation was performed at a gas ratio.
[0067]
Further, a first substrate made of a polycarbonate film having a diameter of 12 cm and a thickness of 50 μm was adhered on the first information layer film surface via a double-sided pressure-sensitive adhesive sheet having a thickness of 45 μm to produce a two-layer phase change type information recording medium. .
[0068]
Next, the recording layer of the disk was initialized by an initialization device having a large-diameter semiconductor laser. Separately, the first information layer and the first substrate were similarly provided on a substrate having a thickness of 1.1 mm, and the transmittance and the reflectance before and after the initialization were measured. %, The transmittance after initialization was 47%, and the reflectance difference ΔR before and after initialization was 7%.
[0069]
Recording was performed on each of the produced media under the following conditions.
Laser wavelength 405nm
NA = 0.85
Linear velocity 6.5m / s
Track pitch 0.32μm
[0070]
When the C / N of the 3T mark of the first information layer and the second information layer at a linear density of 0.14 μm / bit and the C / N after repeated recording 1000 times were measured, both were as good as 50 dB or more. .
[0071]
【The invention's effect】
As described above, according to the multilayer phase-change type information recording medium of claim 1, at least one of the first protective layer and the thermal layer other than the information layer formed at the innermost side when viewed from the light incident side. Since the relationship between the refractive index and the film thickness of both diffusion layers is defined, the contrast between the crystal and amorphous reflectances of the recording layer of the information layer can be increased, and the read error can be reduced. An excellent multilayer phase change type information recording medium can be obtained.
[0072]
According to the multilayer phase change type information recording medium of claim 2, the refractive index of the heat diffusion layer in the optical wavelength region where recording / reproduction is performed is 1.6 or more, so that the information layer located on the near side can be used. The transmittance can be increased, and the sensitivity of the information layer on the back side can be increased.
[0073]
According to the multilayer phase change type information recording medium of claim 3, since the thermal diffusion layer contains at least one of nitride, oxide, nitride oxide, carbide, and fluoride, the thermal conductivity is large, and the laser light In addition to improving the cooling function of the recording layer irradiated with, the absorption of the laser light wavelength is small, so the transmittance of the information layer located on the near side can be increased, and the sensitivity of the information layer on the back side can be increased Can be raised.
[0074]
According to the multi-layer phase change type information recording medium of the fourth aspect, since the thermal diffusion layer contains ITO as a main component, the cooling function and the transmittance are most easily obtained.
[0075]
According to the multi-layer phase change type information recording medium of the fifth aspect, since the first protective layer is made of any one of oxide, nitride, sulfide, and carbide, the recording layer is prevented from being deteriorated and deteriorated, and the adhesive strength is increased. In addition, since it is suitable as a protective layer material for improving recording characteristics and the refractive index can be controlled, the contrast between the crystal and amorphous reflectances of the recording layer can be increased.
[0076]
According to the multilayer phase change type information recording medium of claim 6, the first protective layer is made of ZnS and SiO2. 2 These materials are not only preferred as protective layer materials, but also include SiO 2 2 Of ZnS-SiO by changing the content of 2 Can be controlled.
[0077]
According to the multi-layer phase change type information recording medium of the present invention, since the reflective layer contains Ag as a main component, the refractive index is low and the information layer can have a high transmittance. A multilayer phase change type information recording medium having excellent reproduction characteristics can be provided.
[0078]
According to the multilayer phase change type information recording medium of claim 8, since the thickness of the reflective layer is 3 to 20 nm, not only a uniform and dense film can be formed, but also an information layer having a high transmittance is obtained. Therefore, a recording medium having excellent recording and reproducing characteristics of all information layers can be obtained.
[0079]
According to the multi-layer phase change type information recording medium of the ninth aspect, since the recording layer is mainly composed of Sb and Te, the recording sensitivity, the recording speed, and the erasing ratio are good. Since the addition of elements and impurities can further improve the performance and increase the transmittance of the information layer, it is possible to obtain a recording medium having excellent recording and reproduction characteristics of all information layers.
[0080]
According to the multilayer phase change type information recording medium of claim 10, since the thickness of the recording layer is 3 to 15 nm, an information layer having a uniform and high transmittance can be obtained. A recording medium having excellent recording and reproducing characteristics of the layer can be obtained.
[0081]
According to the multilayer phase change type information recording medium of claim 11, the average transmittance of the first information layer when light is incident from the first substrate side is 40 to 70%. It is possible to obtain a multilayer phase change type information recording medium in which both the second information layers have good sensitivity and have excellent recording and reproduction characteristics.
[0082]
According to the multilayer phase change type information recording medium of the twelfth aspect, in the recording medium, since the thickness of the first substrate is in the range of 0.05 μm to 0.6 mm, even if the NA of the pickup changes. It is possible to provide a highly reliable multi-layer phase change type information recording medium capable of performing good recording and reproduction, performing high-density recording, and having few reproduction errors.
[0083]
According to the method of manufacturing a multilayer phase change type information recording medium according to the thirteenth aspect, since each of the specific steps is included, both the first information layer and the second information layer have high sensitivity, and the crystal of the first information layer is not sensitive. It is possible to manufacture a multi-layer phase change type information recording medium which has a high contrast with the crystal quality and a small number of reproduction errors and excellent reliability.
[0084]
According to the method of manufacturing a multi-layer phase change type information recording medium of the present invention, high-density recording and reproduction can be performed with a high NA pickup, the first information layer and the second information layer are both sensitive, and It is possible to manufacture a multilayer phase change type information recording medium having a high contrast between a layer crystal and an amorphous layer and having a small number of reproduction errors and excellent reliability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing an example of a multilayer phase change type information recording medium of the present invention.
FIG. 2 is a schematic sectional view of the multilayer phase change type information recording medium of the present invention, showing a case where guide grooves are formed in a first substrate and a second substrate.
FIG. 3 is a schematic sectional view of the multilayer phase change type information recording medium of the present invention, showing a case where grooves are formed in a second substrate and an intermediate layer.
FIG. 4 is a graph showing an optical simulation result of the recording medium of the example.
[Explanation of symbols]
1 First information layer
2 Second information layer
3 First substrate
4 Middle class
5 Second substrate
11 First protective layer
12 Recording layer
13 Second protective layer
14 Reflective layer
15 Thermal diffusion layer
21 First protective layer
22 Recording layer
23 Second protective layer
24 Reflective layer