JP2004185720A - マルチヒット検出回路および内容アドレス可能メモリ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチヒット検出回路の入力数を増やすと、素子数およびレイアウト面積が急激に増大する。
【解決手段】複数の入力IN1〜INnのうちハイレベルの入力の数に応じて検出線BLの電位をレベル変化させ、検出電圧Vblを生成する第1の電圧生成回路3Aと、ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で、検出電圧Vblとの電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧Vrefを生成する第2の電圧生成回路3Bと、検出電圧Vblと参照電圧Vrefとを比較し、ハイレベルの入力数がK以上の場合にマルチヒット信号S3を出力する比較回路32と、を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の入力IN1〜INnのうちハイレベルの入力の数に応じて検出線BLの電位をレベル変化させ、検出電圧Vblを生成する第1の電圧生成回路3Aと、ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で、検出電圧Vblとの電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧Vrefを生成する第2の電圧生成回路3Bと、検出電圧Vblと参照電圧Vrefとを比較し、ハイレベルの入力数がK以上の場合にマルチヒット信号S3を出力する比較回路32と、を有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の入力のうち所定レベルの入力が所定数以上の場合にマルチヒット信号を出力するマルチヒット検出回路と、このマルチヒット検出回路を有する内容アドレス可能メモリ装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチヒット検出回路は、あるN個(Nは2以上の整数)のデジタル信号の中に所定数、通常は2つ以上のハイ(H)レベルの信号があるか否かを検出する回路である。
マルチヒット検出回路は、例えば、デコーダなど、入力したアドレス信号により1箇所だけを選択すべき回路の出力に接続され、デコーダにより2箇所以上を選択するような信号がデコーダから出力されてしまう場合、そのデコーダなどの出力のエラーを検出するのに用いる。あるいは、CAM(content addressable memory)において、1つの入力された検索データとマッチする登録データ(エントリィ)がデバイス内に2つ以上あることを検出するのにマルチヒット検出回路を用いる。
【0003】
図7(A)に、マルチヒット検出回路の最も単純な例を示す。マルチヒット検出回路、即ちN個の入力信号のうち2つ以上の信号で“ハイ(H)”レベルを検出したときに“H”レベルの信号を出力する回路は、Nが2の場合、単純なアンド(AND)回路である。アンドゲート素子100の2つの入力IN1およびIN2の双方が“H”のとき、アンドゲート素子100の出力OUT2が“H”、少なくとも一方の入力が“ロー(L)”レベルのとき、出力OUT2が“L”となる。
【0004】
図7(B)に、N=4の時のマルチヒット検出回路の構成を示す。この場合のマルチヒット検出回路は、3個の2入力アンドゲート素子100A,100B,100Cと、4個の2入力オア(OR)ゲート素子101A,101B,101C,101Dとから構成されている。このマルチヒット検出回路は、4つの入力IN1,IN2,IN3,IN4を2つの組に分け、各組で論理積(AND)の演算を行ってから、その演算結果を論理和する第1の回路演算部102と、逆に、各組で最初に論理和の演算を行ってから、その演算結果を論理積する第2の回路演算部103とを有する。第1の回路演算部102では、組にした2つの入力の双方が“H”となるものが1組でもあると、その出力が“H”となる。第2の回路演算103では、2つの組の各組に“H”が1つずつの場合でも、その出力が“H”となる。したがって、オアゲート素子101Dの出力は、4つの入力の2個以上が“H”のとき“H”、4つの入力の0個または1個が“H”のとき“L”となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7(A)および図7(B)に示すように、マルチヒット検出回路をアンドゲート素子とオアゲート素子を用いて構成させた場合、入力数、即ちNの数が大きくなればなるほど素子数が増大し、レイアウト的に大きな面積が必要となる。
【0006】
本発明は、入力数を増やした場合でも素子数の急激な増大を抑制でき、また、レイアウト面積もあまり増えないマルチヒット検出回路と、これを用いた内容アドレス可能メモリ装置とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマルチヒット検出回路は、複数の入力のうちハイレベルの入力の数に応じて検出線の電位をレベル変化させ、検出電圧を生成する第1の電圧生成回路と、前記ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で、前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧を生成する第2の電圧生成回路と、前記検出電圧と前記参照電圧とを比較し、前記ハイレベルの入力数がK以上の場合にマルチヒット信号を出力する比較回路と、を有する。
好適に、前記第1の電圧生成回路の前記検出線と前記第2の電圧供給回路の出力線とに接続され、前記検出電圧および前記参照電圧を前記比較回路に適合した電圧レベルに調整するレベル調整回路を、さらに有する。
【0008】
本発明に係る内容アドレス可能メモリ装置は、検索データを入力し、入力した検索データと格納データとを比較し、データ内容が同じときは前記格納データのアドレスを出力する内容アドレス検索が可能なメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイから出力されるアドレスが複数の場合にマルチヒット信号を出力するマルチヒット検出回路と、を有する内容アドレス可能メモリ装置であって、前記マルチヒット検出回路が、前記メモリセルアレイから出力されるアドレスの数に応じて検出線の電位をレベル変化させ、検出電圧を生成する第1の電圧生成回路と、前記メモリセルアレイから出力されるアドレスの数が2と1の場合で、前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧を生成する第2の電圧生成回路と、前記検出電圧と前記参照電圧とを比較し、前記所定レベルの入力数が複数の場合に前記マルチヒット信号を出力する比較回路と、を有する。
好適に、前記第1の電圧生成回路の前記検出線と前記第2の電圧供給回路の出力線とに接続され、前記検出電圧および前記参照電圧を前記比較回路に適合した電圧レベルに調整するレベル調整回路を、さらに有する。
【0009】
このような構成のマルチヒット検出回路、および、これを用いた内容アドレス可能メモリ装置(CAM)において、ハイレベルの入力(あるいはアドレスの出力情報)が入力されたときに、第1の電圧生成回路によって、そのハイレベルの入力(または、メモリセルアレイから出力されたアドレス)の数Kに応じて検出線の電圧(検出電圧)が、例えば所定ステップで変化する。一方、第2の電圧生成回路によって参照電圧が生成される。参照電圧は、ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値を有する。メモリセルアレイからアドレスが出力されるCAMの場合、Kを2とする。
前記検出電圧は、この参照電圧と比較回路によって比較される。したがって、比較回路からは、ハイレベルの入力(あるいは、メモリセルアレイから出力されるアドレス)の数がK以上の場合とKに満たない場合とで異なる論理のマルチヒット信号が出力される。このとき、比較回路に入力される検出電圧および参照電圧の直流電圧レベルがレベル調整回路により最適化されているため、比較回路が安定に動作する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、内容アドレス可能メモリ装置(CAM)に内蔵されたマルチヒット検出回路を例として説明する。
【0011】
図1は、CAMの概略構成を示すブロック図である。
例えばSRAMベースのCAMセルからなるCAMセルアレイ1と、入力した検索データSDのビット列から、CAMセルアレイ1内の格納データと比較を行うビットのみ選択するグローバル・マスク・レジスタ(Global MASK Resister)2と、マルチヒット検出回路3と、プライオリティ・エンコーダ(Priority Encoder)4とを有する。
マルチヒット検出回路3は、検索データと同じ内容の格納データがCAMセルアレイ1内にある(以下、“ヒットした”と言う)とき、そのデータのヒット情報およびアドレスを、マルチヒット検出回路3およびプライオリティ・エンコーダ4に出力する。マルチヒット検出回路3は、入力したヒット情報から複数のヒット(マルチヒット)があったことを検出して、マルチヒットの場合、マルチヒット信号S3を出力する。プライオリティ・エンコーダ4は、例えばアドレス順位で決まるプライオリティに応じて、入力したアドレスのうちプライオリティが最も高い1つのアドレスのみ出力する(出力信号S4)。
【0012】
図2は、入力がN個のマルチヒット検出回路の回路図である。
マルチヒット検出回路3は、第1の電圧生成回路3A、第2の電圧生成回路3B、電圧センスアンプ(S.A.)32、プルアップ回路33、および、図示を省略したタイミング回路を有する。なお、タイミング回路は、動作タイミングの信号Stを外部から入力できる場合、内部でタイミング信号Stを生成するための構成としては省略できる。
電圧センスアンプ32が本発明の比較回路の一実施の形態であり、プルアップ回路33が本発明のレベル調整回路の一実施の形態である。
【0013】
第1の電圧生成回路3Aは、N個の入力IN1,…,INnの1つを一方の入力端子に入力するアンドゲート素子30−1,…,30−nと、アンドゲート素子30−1,…,30−nの出力にゲートが接続されたNMOSトランジスタT1,…,Tnと、を有する。NMOSトランジスタT1,…,Tnのドレインがビット線BLに接続され、それらのソースが接地されている。NMOSトランジスタT1,…,Tnは、例えば所定のトランジスタサイズを有し一括して形成されることにより、同じバイアス条件で所定のオン電流Inを流すことができる。NMOSトランジスタT1,…,Tnは、入力IN1〜INnの論理に応じて所定の電流Inを選択的に流す定電流源として機能する。
アンドゲート素子30−1,…,30−nの他方の入力端子は、上記したタイミング信号Stが一括して印加される。
【0014】
第2の電圧生成回路3Bは、上記NMOSトランジスタT1〜Tnと同じサイズで一括して形成されるNMOSトランジスタTD1〜TDnを有する。NMOSトランジスタTD1〜TDnのドレインが参照ビット線BLrefに接続され、これらのソースおよびゲートが接地されている。NMOSトランジスタTD1〜TDnは、常時オフ状態であるため直接動作に関係しないが、参照ビット線BLrefの負荷容量をビット線BLの負荷容量と揃えることを意図して設けられている。
【0015】
第2の電圧生成回路3Bは、さらに、参照電圧生成時に参照電流を流す定電流源としてのNMOSトランジスタTref(以下、参照トランジスタという)を有する。参照トランジスタTrefのドレインが参照ビット線BLrefに接続され、そのソースが接地されている。参照トランジスタTrefのゲートに、アンドゲート素子31を介してタイミング信号Stが印加される。アンドゲート素子31の2つの入力にタイミング信号Stが印加され、その出力が参照トランジスタTrefのゲートに接続されている。アンドゲート素子31は、タイミング信号Stの印加タイミングを、第1および第2の電圧生成回路3A,3Bで揃えることを意図して設けられている。
参照トランジスタTrefは、例えば、そのサイズがNMOSトランジスタT1〜Tnより大きく設計されることにより、前記したオン電流InのT倍のオン電流を流すことができる。本例における、このT倍のオン電流は、複数のヒットを検出するための基準電流であることから1<T<2を満たす係数TとしてT=1.5が望ましい。
【0016】
一方、第1の電圧生成回路3Aに、上記参照トランジスタTrefと同じサイズで一括して形成されるNMOSトランジスタTrefDを有する。NMOSトランジスタTrefDのドレインがビット線BLに接続され、これらのソースおよびゲートが接地されている。NMOSトランジスタTrefDは、常時オフ状態であるため直接動作に関係しないが、ビット線BLの負荷容量を参照ビット線BLrefの負荷容量と揃えることを意図して設けられている。
【0017】
プルアップ回路33は、ドレインがビット線BLに接続されたPMOSトランジスタTPと、ドレインが参照ビット線BLrefに接続されたPMOSトランジスタTPrefと、を有する。これらのPMOSトランジスタTP,TPrefはプルアップトランジスタと称され、そのゲートが接地され、ソースが電源電圧Vddの供給線に接続されている。
【0018】
電圧センスアンプ32は、ビット線BLおよび参照ビット線BLrefに接続され、動作時のビット線電圧(検出電圧)Vblを、動作時の参照ビット線電圧(参照電圧)Vrefと比較し、電源電圧レベルの信号に増幅し、これにより比較結果に応じたマルチヒット信号S3を出力する回路である。
【0019】
電圧センスアンプ回路32としては、例えば図3(A)または図3(B)に示す回路構成が採用できる。
図3(A)に、いわゆるラッチ型センスアンプを示す。このセンスアンプは、2つのPMOSトランジスタP1,P2と2つのNMOSトランジスタN1,N2とからなるラッチ回路を有する。ラッチ回路のNMOSトランジスタN1と接地電位との間に、NMOSトランジスタN3とN5が直列接続され、NMOSトランジスタN2と接地電位との間にNMOSトランジスタN4とN5が直列接続されている。ドレインがNMOSトランジスタN3とN4の各ソースに接続され、ソースが接地された共有のNMOSトランジスタN5は、ゲートにセンスアンプイネーブル信号SAenが入力されることにより、動作時に常時オンする。NMOSトランジスタN3とN4は入力トランジスタであり、NMOSトランジスタN3のゲートに第1の入力IN1としてビット線電圧(検出電圧)Vblが印加され、NMOSトランジスタN4のゲートに第2の入力IN2として参照ビット線電圧(参照電圧)Vrefが印加される。
【0020】
図3(B)に、いわゆるカレントミラー型センスアンプを示す。このセンスアンプは、カレントミラー型ダイナミック負荷を構成する2つのPMOSトランジスタP3とP4、3つのNMOSトランジスタN6〜N8とからなる。トランジスタN6とN7は入力用、トランジスタN8は電流制御用である。トランジスタN8のソースが接地されている。電源電圧Vddの供給線とトランジスタN8のドレインとの間に、トランジスタP3とN6が縦続接続され、これと並列に、トランジスタP4とN7が縦続接続されている。トランジスタP3,P4およびN8のゲートが、トランジスタP3とN6の接続中点に接続されている。
【0021】
このように構成されるマルチヒット検出回路に、入力IN1〜INnが印加され、その論理が確定した時点でタイミング信号Stをローからハイにする。
【0022】
このときの、ビット線BLおよび参照ビット線BLrefの電圧変化の波形を、図4に示す。
参照ビット線BLrefの電圧(参照電圧Vref)は、オン電流がIn×Tの参照トランジスタTrefにより引き下げられる一方で、プルアップトランジスタTPrefから供給されるプルアップ電流Ipにより上昇しようとする。参照電圧Vrefは、T倍のオン電流In×T(1<T<2)およびプルアップ電流Ipを用い、次式(1)のように表される。
【数1】
Vref=Vdd×Ip/(T×In+Ip)…(1)
【0023】
一方、ビット線側の電圧は、入力IN1からINnの中のハイレベルの入力信号の個数により、以下のように決まる。
【0024】
ハイレベルの入力信号の個数が1の時、ビット線BLの電圧(検出電圧Vbl)は、ハイレベルの信号に対応した1つのトランジスタTx(1≦x≦N)のオン電流Inにより引き下げられる一方で、プルアップトランジスタTPから供給されるプルアップ電流Ipにより上昇しようとする。検出電圧Vblは、プリチャージ電圧を電源電圧Vddとしたとき、オン電流Inおよびプルアップ電流Ipを用い、次式(2)のように表される。
【数2】
Vbl=Vdd×Ip/(In+Ip)…(2)
【0025】
上記式(1)および式(2)より、このときの検出電圧Vblは参照電圧Vrefより大きくなる。この関係を、図4において破線(1High時の検出電圧Vbl)と実線(参照電圧Vref)により示す。
【0026】
ハイレベルの入力信号の個数が複数K(2≦K≦N)の時、ビット線BLの電圧(検出電圧Vbl)は、ハイレベルの信号に対応したK個のトランジスタのオン電流In×Kにより引き下げられる一方で、プルアップトランジスタTPから供給されるプルアップ電流Ipにより上昇しようとする。検出電圧Vblは、プリチャージ電圧を電源電圧Vddとしたとき、K(2≦K≦N)倍のオン電流In×Kおよびプルアップ電流Ipを用い、次式(3)のように表される。
【数3】
Vbl=Vdd×Ip/(K×In+Ip)…(3)
上記式(1)および式(3)より、このときの検出電圧Vblは参照電圧Vrefより小さくなる。図4において、一点破線によりハイレベルの信号数が2(2 High)の時の検出電圧Vblを示し、二点破線によりハイレベルの信号数がN(N High)の時の検出電圧Vblを示す。ハイレベルの信号数がK個の場合、この2つの電圧の中間の検出電圧をとる。
【0027】
以上のように、参照トランジスタTrefを流れる電流の係数Tを1<T<2に設定することによって、N個の入力信号のうちハイレベルの信号数が2未満の時は、ビット線の電位Vblは参照電圧Vrefより高くなり、ハイレベルの信号数が2以上の時は、ビット線の電位Vblは参照電圧Vrefより低くなる。このビット線と参照ビット線間の電圧差を電圧センスアンプ32により増幅すると、ハイレベルの入力が複数の場合のみハイレベルとなるようなマルチヒット信号S3を、電圧センスアンプ32から出力させることができ、これによりマルチヒットの検出が可能となる。
【0028】
ところで、図3(A)(または図3(B))に示すセンスアンプは、入力をNMOSゲート、即ちNMOSトランジスタN3とN4(またはN6とN7)のゲートで受けている。このため、これらの入力トランジスタは、ソース・ドレイン電流Idsがほぼゲート電圧のみで決まるように飽和領域で動くのが望ましい。
【0029】
図5は、カレントミラー型センスアンプのゲイン特性を示すグラフである。図5において、横軸はセンスアンプ入力の直流(DC)電圧レベルを示し、縦軸は、入力電圧(ビット線電圧Vblおよび参照電圧Vref)と出力電圧を示す。センスアンプの入力電圧が電源電圧Vdd近傍であると、図3(B)に示すセンスアンプの入力トランジスタN6およびN7が線形領域で動作することになる。このため、センスアンプのゲインが、入力信号のDCレベルが電源電圧Vddに近づくにつれて急激に低下する。
一方、ラッチ型センスアンプの場合、一般に入力信号のDCレベルが電源電圧Vdd近傍のときは、入力信号のDCレベルVdd/2程度の時と比較して、センスアンプが正しく出力するためには、より大きな入力電位差(図5の“delta 1”に相当する電位差)を必要とする。
このように、一般的な電圧センスアンプは、電源電圧レベルの電位差を大きな振幅にまで一気に増幅することは、あまり望ましくない。
【0030】
ここで、本実施の形態の比較例として、一般的なSRAMのデータ読み出し時のセンシング動作を考える。
図6(A)は、SRAMのセンスアンプ構成を示すブロック図である。また、図6(B)は、SRAMのデータ読み出し時のビット線電位の時間変化を示すグラフである。SRAMの場合、電位がVddとVdd−ΔVであるビット線対の電位差を増幅するが、センスアンプの入力電圧が電源電圧Vdd近傍であるため、センスアンプを2段で使う場合が多い。このとき1段目のセンスアンプ(1st S.A.)は多少増幅も行なうが、主に差動信号をレベルシフトさせるために設けられている。このレベルシフト後の作動信号(ビット線対の電位差)を、2段目のセンスアンプ(2nd S.A.)により、電源電圧レベルの大きな振幅の信号に増幅する。2段目のセンスアンプに入力される信号は、1段目のセンスアンプによりレベルシフトおよび増幅がなされていることから、動作が入力トランジスタの飽和領域で行われ、また、入力電位差がある程度大きい。そのため、2段目のセンスアンプの動作が安定する。
【0031】
本実施の形態では、電圧センスアンプ32を安定動作させるため、プルアップトランジスタTP,TPrefのオン電流Ipに、以下のような条件を設けている。
第1に、参照ビット線BLrefの電位を電圧センスアンプの入力NMOSトランジスタN3,N4(またはN6,N7)のしきい値電圧Vthsaより高くする(第1条件)。
第2に、参照ビット線BLrefの電位を電圧センスアンプの入力NMOSトランジスタN3,N4(またはN6,N7)が飽和領域で動作するように設定する(第2条件)。
【0032】
上記第1条件を式で表すと、次式(4)のようになる。
【数4】
Vdd×Ip/(T×In+Ip)≧Vthsa…(4)
また、入力NMOSトランジスタN3,N4(またはN6,N7)の線形領域と飽和領域の境界を、例えばVds=Vgs−Vthsaとすると(Vds:ソース・ドレイン間電圧、Vgs:ソース・ゲート間電圧)、上記第2条件は、次式(5)のように表すことができる。
【数5】
Vdd×Ip/(T×In+Ip)≦Vdd−Vthsa…(5)
これらの式で、Tは前述したように1<T<2を満たす係数である。
【0033】
上記式(4)と式(5)より、次式(6)が成り立つ。
【数6】
Vthsa/Vdd≦Ip/(T×In+Ip)
≦(Vdd−Vthsa)/Vdd …(6)
【0034】
上記式(6)を満たすようなプルアップPMOSトランジスタのオン電流Ipを設定すれば、センスアンプ1段で安定動作が可能なマルチヒット検出回路が実現できる。なお、プルアップトランジスタのオン電流Ipの調整範囲を拡大するために、例えば各トランジスタT1〜Tnのサイズを予め変えることにより、第1の電圧生成回路の各トランジスタT1〜Tnのオン電流Inを最適化してもよい。
【0035】
本発明の実施の形態によれば、以下の利益が得られる。
第1に、回路素子数が少なく回路面積が小さいマルチヒット検出回路が実現できる。特に、入力数が多い場合、従来のロジック回路構成の場合より回路素子数が格段に少なく、占有面積が非常に小さいマルチヒット検出回路が実現できる。2つの信号線、即ちビット線BLと参照ビット線BLrefに沿って回路素子が配置できるので、特にCAMのマルチヒット検出回路に適したレイアウトが可能である。
レベル調整回路としてプルアップ回路33を有していることから、ビット線BLおよび参照ビット線BLrefのDCレベルを電圧センスアンプ32が安定動作する領域にシフトさせ、結果として、センスアンプ1段で安定な動作が保証できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、入力数を増やした場合でも素子数の急激な増大を抑制でき、また、レイアウト面積もあまり増えないマルチヒット検出回路と、これを用いた内容アドレス可能メモリ装置とを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るCAMの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、入力がN個のマルチヒット検出回路の回路図である。
【図3】(A)および(B)は、電圧センスアンプ回路の構成例を示す回路図である。
【図4】ビット線および参照ビット線の電圧変化の波形図である。
【図5】カレントミラー型センスアンプのゲイン特性を示すグラフである。
【図6】(A)はSRAMのセンスアンプ構成を示すブロック図である。(B)は、SRAMのデータ読み出し時のビット線電位の時間変化を示すグラフである。
【図7】(A)および(B)は、マルチヒット検出回路を論理ゲート素子を用いて形成した場合の回路ブロック図である。
【符号の説明】
1…CAMセルアレイ、2…グローバル・マスク・レジスタ、3…マルチヒット検出回路、3A…第1の電圧生成回路、3B…第2の電圧生成回路、4…プライオリティ・エンコーダ、30−1〜30−n,31…アンドゲート素子、32…比較回路としての電圧センスアンプ、33…レベル調整回路としてのプルアップ回路、BL…検出線としてのビット線、BLref…参照ビット線、T1〜Tn,Tref…定電流源としてのNMOSトランジスタ、TP,TPref…プルアップトランジスタ、TD1〜TDn,TrefD…負荷容量を調整するためのトランジスタ、Vbl…検出電圧、Vref…参照電圧。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の入力のうち所定レベルの入力が所定数以上の場合にマルチヒット信号を出力するマルチヒット検出回路と、このマルチヒット検出回路を有する内容アドレス可能メモリ装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチヒット検出回路は、あるN個(Nは2以上の整数)のデジタル信号の中に所定数、通常は2つ以上のハイ(H)レベルの信号があるか否かを検出する回路である。
マルチヒット検出回路は、例えば、デコーダなど、入力したアドレス信号により1箇所だけを選択すべき回路の出力に接続され、デコーダにより2箇所以上を選択するような信号がデコーダから出力されてしまう場合、そのデコーダなどの出力のエラーを検出するのに用いる。あるいは、CAM(content addressable memory)において、1つの入力された検索データとマッチする登録データ(エントリィ)がデバイス内に2つ以上あることを検出するのにマルチヒット検出回路を用いる。
【0003】
図7(A)に、マルチヒット検出回路の最も単純な例を示す。マルチヒット検出回路、即ちN個の入力信号のうち2つ以上の信号で“ハイ(H)”レベルを検出したときに“H”レベルの信号を出力する回路は、Nが2の場合、単純なアンド(AND)回路である。アンドゲート素子100の2つの入力IN1およびIN2の双方が“H”のとき、アンドゲート素子100の出力OUT2が“H”、少なくとも一方の入力が“ロー(L)”レベルのとき、出力OUT2が“L”となる。
【0004】
図7(B)に、N=4の時のマルチヒット検出回路の構成を示す。この場合のマルチヒット検出回路は、3個の2入力アンドゲート素子100A,100B,100Cと、4個の2入力オア(OR)ゲート素子101A,101B,101C,101Dとから構成されている。このマルチヒット検出回路は、4つの入力IN1,IN2,IN3,IN4を2つの組に分け、各組で論理積(AND)の演算を行ってから、その演算結果を論理和する第1の回路演算部102と、逆に、各組で最初に論理和の演算を行ってから、その演算結果を論理積する第2の回路演算部103とを有する。第1の回路演算部102では、組にした2つの入力の双方が“H”となるものが1組でもあると、その出力が“H”となる。第2の回路演算103では、2つの組の各組に“H”が1つずつの場合でも、その出力が“H”となる。したがって、オアゲート素子101Dの出力は、4つの入力の2個以上が“H”のとき“H”、4つの入力の0個または1個が“H”のとき“L”となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7(A)および図7(B)に示すように、マルチヒット検出回路をアンドゲート素子とオアゲート素子を用いて構成させた場合、入力数、即ちNの数が大きくなればなるほど素子数が増大し、レイアウト的に大きな面積が必要となる。
【0006】
本発明は、入力数を増やした場合でも素子数の急激な増大を抑制でき、また、レイアウト面積もあまり増えないマルチヒット検出回路と、これを用いた内容アドレス可能メモリ装置とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマルチヒット検出回路は、複数の入力のうちハイレベルの入力の数に応じて検出線の電位をレベル変化させ、検出電圧を生成する第1の電圧生成回路と、前記ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で、前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧を生成する第2の電圧生成回路と、前記検出電圧と前記参照電圧とを比較し、前記ハイレベルの入力数がK以上の場合にマルチヒット信号を出力する比較回路と、を有する。
好適に、前記第1の電圧生成回路の前記検出線と前記第2の電圧供給回路の出力線とに接続され、前記検出電圧および前記参照電圧を前記比較回路に適合した電圧レベルに調整するレベル調整回路を、さらに有する。
【0008】
本発明に係る内容アドレス可能メモリ装置は、検索データを入力し、入力した検索データと格納データとを比較し、データ内容が同じときは前記格納データのアドレスを出力する内容アドレス検索が可能なメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイから出力されるアドレスが複数の場合にマルチヒット信号を出力するマルチヒット検出回路と、を有する内容アドレス可能メモリ装置であって、前記マルチヒット検出回路が、前記メモリセルアレイから出力されるアドレスの数に応じて検出線の電位をレベル変化させ、検出電圧を生成する第1の電圧生成回路と、前記メモリセルアレイから出力されるアドレスの数が2と1の場合で、前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧を生成する第2の電圧生成回路と、前記検出電圧と前記参照電圧とを比較し、前記所定レベルの入力数が複数の場合に前記マルチヒット信号を出力する比較回路と、を有する。
好適に、前記第1の電圧生成回路の前記検出線と前記第2の電圧供給回路の出力線とに接続され、前記検出電圧および前記参照電圧を前記比較回路に適合した電圧レベルに調整するレベル調整回路を、さらに有する。
【0009】
このような構成のマルチヒット検出回路、および、これを用いた内容アドレス可能メモリ装置(CAM)において、ハイレベルの入力(あるいはアドレスの出力情報)が入力されたときに、第1の電圧生成回路によって、そのハイレベルの入力(または、メモリセルアレイから出力されたアドレス)の数Kに応じて検出線の電圧(検出電圧)が、例えば所定ステップで変化する。一方、第2の電圧生成回路によって参照電圧が生成される。参照電圧は、ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値を有する。メモリセルアレイからアドレスが出力されるCAMの場合、Kを2とする。
前記検出電圧は、この参照電圧と比較回路によって比較される。したがって、比較回路からは、ハイレベルの入力(あるいは、メモリセルアレイから出力されるアドレス)の数がK以上の場合とKに満たない場合とで異なる論理のマルチヒット信号が出力される。このとき、比較回路に入力される検出電圧および参照電圧の直流電圧レベルがレベル調整回路により最適化されているため、比較回路が安定に動作する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、内容アドレス可能メモリ装置(CAM)に内蔵されたマルチヒット検出回路を例として説明する。
【0011】
図1は、CAMの概略構成を示すブロック図である。
例えばSRAMベースのCAMセルからなるCAMセルアレイ1と、入力した検索データSDのビット列から、CAMセルアレイ1内の格納データと比較を行うビットのみ選択するグローバル・マスク・レジスタ(Global MASK Resister)2と、マルチヒット検出回路3と、プライオリティ・エンコーダ(Priority Encoder)4とを有する。
マルチヒット検出回路3は、検索データと同じ内容の格納データがCAMセルアレイ1内にある(以下、“ヒットした”と言う)とき、そのデータのヒット情報およびアドレスを、マルチヒット検出回路3およびプライオリティ・エンコーダ4に出力する。マルチヒット検出回路3は、入力したヒット情報から複数のヒット(マルチヒット)があったことを検出して、マルチヒットの場合、マルチヒット信号S3を出力する。プライオリティ・エンコーダ4は、例えばアドレス順位で決まるプライオリティに応じて、入力したアドレスのうちプライオリティが最も高い1つのアドレスのみ出力する(出力信号S4)。
【0012】
図2は、入力がN個のマルチヒット検出回路の回路図である。
マルチヒット検出回路3は、第1の電圧生成回路3A、第2の電圧生成回路3B、電圧センスアンプ(S.A.)32、プルアップ回路33、および、図示を省略したタイミング回路を有する。なお、タイミング回路は、動作タイミングの信号Stを外部から入力できる場合、内部でタイミング信号Stを生成するための構成としては省略できる。
電圧センスアンプ32が本発明の比較回路の一実施の形態であり、プルアップ回路33が本発明のレベル調整回路の一実施の形態である。
【0013】
第1の電圧生成回路3Aは、N個の入力IN1,…,INnの1つを一方の入力端子に入力するアンドゲート素子30−1,…,30−nと、アンドゲート素子30−1,…,30−nの出力にゲートが接続されたNMOSトランジスタT1,…,Tnと、を有する。NMOSトランジスタT1,…,Tnのドレインがビット線BLに接続され、それらのソースが接地されている。NMOSトランジスタT1,…,Tnは、例えば所定のトランジスタサイズを有し一括して形成されることにより、同じバイアス条件で所定のオン電流Inを流すことができる。NMOSトランジスタT1,…,Tnは、入力IN1〜INnの論理に応じて所定の電流Inを選択的に流す定電流源として機能する。
アンドゲート素子30−1,…,30−nの他方の入力端子は、上記したタイミング信号Stが一括して印加される。
【0014】
第2の電圧生成回路3Bは、上記NMOSトランジスタT1〜Tnと同じサイズで一括して形成されるNMOSトランジスタTD1〜TDnを有する。NMOSトランジスタTD1〜TDnのドレインが参照ビット線BLrefに接続され、これらのソースおよびゲートが接地されている。NMOSトランジスタTD1〜TDnは、常時オフ状態であるため直接動作に関係しないが、参照ビット線BLrefの負荷容量をビット線BLの負荷容量と揃えることを意図して設けられている。
【0015】
第2の電圧生成回路3Bは、さらに、参照電圧生成時に参照電流を流す定電流源としてのNMOSトランジスタTref(以下、参照トランジスタという)を有する。参照トランジスタTrefのドレインが参照ビット線BLrefに接続され、そのソースが接地されている。参照トランジスタTrefのゲートに、アンドゲート素子31を介してタイミング信号Stが印加される。アンドゲート素子31の2つの入力にタイミング信号Stが印加され、その出力が参照トランジスタTrefのゲートに接続されている。アンドゲート素子31は、タイミング信号Stの印加タイミングを、第1および第2の電圧生成回路3A,3Bで揃えることを意図して設けられている。
参照トランジスタTrefは、例えば、そのサイズがNMOSトランジスタT1〜Tnより大きく設計されることにより、前記したオン電流InのT倍のオン電流を流すことができる。本例における、このT倍のオン電流は、複数のヒットを検出するための基準電流であることから1<T<2を満たす係数TとしてT=1.5が望ましい。
【0016】
一方、第1の電圧生成回路3Aに、上記参照トランジスタTrefと同じサイズで一括して形成されるNMOSトランジスタTrefDを有する。NMOSトランジスタTrefDのドレインがビット線BLに接続され、これらのソースおよびゲートが接地されている。NMOSトランジスタTrefDは、常時オフ状態であるため直接動作に関係しないが、ビット線BLの負荷容量を参照ビット線BLrefの負荷容量と揃えることを意図して設けられている。
【0017】
プルアップ回路33は、ドレインがビット線BLに接続されたPMOSトランジスタTPと、ドレインが参照ビット線BLrefに接続されたPMOSトランジスタTPrefと、を有する。これらのPMOSトランジスタTP,TPrefはプルアップトランジスタと称され、そのゲートが接地され、ソースが電源電圧Vddの供給線に接続されている。
【0018】
電圧センスアンプ32は、ビット線BLおよび参照ビット線BLrefに接続され、動作時のビット線電圧(検出電圧)Vblを、動作時の参照ビット線電圧(参照電圧)Vrefと比較し、電源電圧レベルの信号に増幅し、これにより比較結果に応じたマルチヒット信号S3を出力する回路である。
【0019】
電圧センスアンプ回路32としては、例えば図3(A)または図3(B)に示す回路構成が採用できる。
図3(A)に、いわゆるラッチ型センスアンプを示す。このセンスアンプは、2つのPMOSトランジスタP1,P2と2つのNMOSトランジスタN1,N2とからなるラッチ回路を有する。ラッチ回路のNMOSトランジスタN1と接地電位との間に、NMOSトランジスタN3とN5が直列接続され、NMOSトランジスタN2と接地電位との間にNMOSトランジスタN4とN5が直列接続されている。ドレインがNMOSトランジスタN3とN4の各ソースに接続され、ソースが接地された共有のNMOSトランジスタN5は、ゲートにセンスアンプイネーブル信号SAenが入力されることにより、動作時に常時オンする。NMOSトランジスタN3とN4は入力トランジスタであり、NMOSトランジスタN3のゲートに第1の入力IN1としてビット線電圧(検出電圧)Vblが印加され、NMOSトランジスタN4のゲートに第2の入力IN2として参照ビット線電圧(参照電圧)Vrefが印加される。
【0020】
図3(B)に、いわゆるカレントミラー型センスアンプを示す。このセンスアンプは、カレントミラー型ダイナミック負荷を構成する2つのPMOSトランジスタP3とP4、3つのNMOSトランジスタN6〜N8とからなる。トランジスタN6とN7は入力用、トランジスタN8は電流制御用である。トランジスタN8のソースが接地されている。電源電圧Vddの供給線とトランジスタN8のドレインとの間に、トランジスタP3とN6が縦続接続され、これと並列に、トランジスタP4とN7が縦続接続されている。トランジスタP3,P4およびN8のゲートが、トランジスタP3とN6の接続中点に接続されている。
【0021】
このように構成されるマルチヒット検出回路に、入力IN1〜INnが印加され、その論理が確定した時点でタイミング信号Stをローからハイにする。
【0022】
このときの、ビット線BLおよび参照ビット線BLrefの電圧変化の波形を、図4に示す。
参照ビット線BLrefの電圧(参照電圧Vref)は、オン電流がIn×Tの参照トランジスタTrefにより引き下げられる一方で、プルアップトランジスタTPrefから供給されるプルアップ電流Ipにより上昇しようとする。参照電圧Vrefは、T倍のオン電流In×T(1<T<2)およびプルアップ電流Ipを用い、次式(1)のように表される。
【数1】
Vref=Vdd×Ip/(T×In+Ip)…(1)
【0023】
一方、ビット線側の電圧は、入力IN1からINnの中のハイレベルの入力信号の個数により、以下のように決まる。
【0024】
ハイレベルの入力信号の個数が1の時、ビット線BLの電圧(検出電圧Vbl)は、ハイレベルの信号に対応した1つのトランジスタTx(1≦x≦N)のオン電流Inにより引き下げられる一方で、プルアップトランジスタTPから供給されるプルアップ電流Ipにより上昇しようとする。検出電圧Vblは、プリチャージ電圧を電源電圧Vddとしたとき、オン電流Inおよびプルアップ電流Ipを用い、次式(2)のように表される。
【数2】
Vbl=Vdd×Ip/(In+Ip)…(2)
【0025】
上記式(1)および式(2)より、このときの検出電圧Vblは参照電圧Vrefより大きくなる。この関係を、図4において破線(1High時の検出電圧Vbl)と実線(参照電圧Vref)により示す。
【0026】
ハイレベルの入力信号の個数が複数K(2≦K≦N)の時、ビット線BLの電圧(検出電圧Vbl)は、ハイレベルの信号に対応したK個のトランジスタのオン電流In×Kにより引き下げられる一方で、プルアップトランジスタTPから供給されるプルアップ電流Ipにより上昇しようとする。検出電圧Vblは、プリチャージ電圧を電源電圧Vddとしたとき、K(2≦K≦N)倍のオン電流In×Kおよびプルアップ電流Ipを用い、次式(3)のように表される。
【数3】
Vbl=Vdd×Ip/(K×In+Ip)…(3)
上記式(1)および式(3)より、このときの検出電圧Vblは参照電圧Vrefより小さくなる。図4において、一点破線によりハイレベルの信号数が2(2 High)の時の検出電圧Vblを示し、二点破線によりハイレベルの信号数がN(N High)の時の検出電圧Vblを示す。ハイレベルの信号数がK個の場合、この2つの電圧の中間の検出電圧をとる。
【0027】
以上のように、参照トランジスタTrefを流れる電流の係数Tを1<T<2に設定することによって、N個の入力信号のうちハイレベルの信号数が2未満の時は、ビット線の電位Vblは参照電圧Vrefより高くなり、ハイレベルの信号数が2以上の時は、ビット線の電位Vblは参照電圧Vrefより低くなる。このビット線と参照ビット線間の電圧差を電圧センスアンプ32により増幅すると、ハイレベルの入力が複数の場合のみハイレベルとなるようなマルチヒット信号S3を、電圧センスアンプ32から出力させることができ、これによりマルチヒットの検出が可能となる。
【0028】
ところで、図3(A)(または図3(B))に示すセンスアンプは、入力をNMOSゲート、即ちNMOSトランジスタN3とN4(またはN6とN7)のゲートで受けている。このため、これらの入力トランジスタは、ソース・ドレイン電流Idsがほぼゲート電圧のみで決まるように飽和領域で動くのが望ましい。
【0029】
図5は、カレントミラー型センスアンプのゲイン特性を示すグラフである。図5において、横軸はセンスアンプ入力の直流(DC)電圧レベルを示し、縦軸は、入力電圧(ビット線電圧Vblおよび参照電圧Vref)と出力電圧を示す。センスアンプの入力電圧が電源電圧Vdd近傍であると、図3(B)に示すセンスアンプの入力トランジスタN6およびN7が線形領域で動作することになる。このため、センスアンプのゲインが、入力信号のDCレベルが電源電圧Vddに近づくにつれて急激に低下する。
一方、ラッチ型センスアンプの場合、一般に入力信号のDCレベルが電源電圧Vdd近傍のときは、入力信号のDCレベルVdd/2程度の時と比較して、センスアンプが正しく出力するためには、より大きな入力電位差(図5の“delta 1”に相当する電位差)を必要とする。
このように、一般的な電圧センスアンプは、電源電圧レベルの電位差を大きな振幅にまで一気に増幅することは、あまり望ましくない。
【0030】
ここで、本実施の形態の比較例として、一般的なSRAMのデータ読み出し時のセンシング動作を考える。
図6(A)は、SRAMのセンスアンプ構成を示すブロック図である。また、図6(B)は、SRAMのデータ読み出し時のビット線電位の時間変化を示すグラフである。SRAMの場合、電位がVddとVdd−ΔVであるビット線対の電位差を増幅するが、センスアンプの入力電圧が電源電圧Vdd近傍であるため、センスアンプを2段で使う場合が多い。このとき1段目のセンスアンプ(1st S.A.)は多少増幅も行なうが、主に差動信号をレベルシフトさせるために設けられている。このレベルシフト後の作動信号(ビット線対の電位差)を、2段目のセンスアンプ(2nd S.A.)により、電源電圧レベルの大きな振幅の信号に増幅する。2段目のセンスアンプに入力される信号は、1段目のセンスアンプによりレベルシフトおよび増幅がなされていることから、動作が入力トランジスタの飽和領域で行われ、また、入力電位差がある程度大きい。そのため、2段目のセンスアンプの動作が安定する。
【0031】
本実施の形態では、電圧センスアンプ32を安定動作させるため、プルアップトランジスタTP,TPrefのオン電流Ipに、以下のような条件を設けている。
第1に、参照ビット線BLrefの電位を電圧センスアンプの入力NMOSトランジスタN3,N4(またはN6,N7)のしきい値電圧Vthsaより高くする(第1条件)。
第2に、参照ビット線BLrefの電位を電圧センスアンプの入力NMOSトランジスタN3,N4(またはN6,N7)が飽和領域で動作するように設定する(第2条件)。
【0032】
上記第1条件を式で表すと、次式(4)のようになる。
【数4】
Vdd×Ip/(T×In+Ip)≧Vthsa…(4)
また、入力NMOSトランジスタN3,N4(またはN6,N7)の線形領域と飽和領域の境界を、例えばVds=Vgs−Vthsaとすると(Vds:ソース・ドレイン間電圧、Vgs:ソース・ゲート間電圧)、上記第2条件は、次式(5)のように表すことができる。
【数5】
Vdd×Ip/(T×In+Ip)≦Vdd−Vthsa…(5)
これらの式で、Tは前述したように1<T<2を満たす係数である。
【0033】
上記式(4)と式(5)より、次式(6)が成り立つ。
【数6】
Vthsa/Vdd≦Ip/(T×In+Ip)
≦(Vdd−Vthsa)/Vdd …(6)
【0034】
上記式(6)を満たすようなプルアップPMOSトランジスタのオン電流Ipを設定すれば、センスアンプ1段で安定動作が可能なマルチヒット検出回路が実現できる。なお、プルアップトランジスタのオン電流Ipの調整範囲を拡大するために、例えば各トランジスタT1〜Tnのサイズを予め変えることにより、第1の電圧生成回路の各トランジスタT1〜Tnのオン電流Inを最適化してもよい。
【0035】
本発明の実施の形態によれば、以下の利益が得られる。
第1に、回路素子数が少なく回路面積が小さいマルチヒット検出回路が実現できる。特に、入力数が多い場合、従来のロジック回路構成の場合より回路素子数が格段に少なく、占有面積が非常に小さいマルチヒット検出回路が実現できる。2つの信号線、即ちビット線BLと参照ビット線BLrefに沿って回路素子が配置できるので、特にCAMのマルチヒット検出回路に適したレイアウトが可能である。
レベル調整回路としてプルアップ回路33を有していることから、ビット線BLおよび参照ビット線BLrefのDCレベルを電圧センスアンプ32が安定動作する領域にシフトさせ、結果として、センスアンプ1段で安定な動作が保証できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、入力数を増やした場合でも素子数の急激な増大を抑制でき、また、レイアウト面積もあまり増えないマルチヒット検出回路と、これを用いた内容アドレス可能メモリ装置とを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るCAMの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、入力がN個のマルチヒット検出回路の回路図である。
【図3】(A)および(B)は、電圧センスアンプ回路の構成例を示す回路図である。
【図4】ビット線および参照ビット線の電圧変化の波形図である。
【図5】カレントミラー型センスアンプのゲイン特性を示すグラフである。
【図6】(A)はSRAMのセンスアンプ構成を示すブロック図である。(B)は、SRAMのデータ読み出し時のビット線電位の時間変化を示すグラフである。
【図7】(A)および(B)は、マルチヒット検出回路を論理ゲート素子を用いて形成した場合の回路ブロック図である。
【符号の説明】
1…CAMセルアレイ、2…グローバル・マスク・レジスタ、3…マルチヒット検出回路、3A…第1の電圧生成回路、3B…第2の電圧生成回路、4…プライオリティ・エンコーダ、30−1〜30−n,31…アンドゲート素子、32…比較回路としての電圧センスアンプ、33…レベル調整回路としてのプルアップ回路、BL…検出線としてのビット線、BLref…参照ビット線、T1〜Tn,Tref…定電流源としてのNMOSトランジスタ、TP,TPref…プルアップトランジスタ、TD1〜TDn,TrefD…負荷容量を調整するためのトランジスタ、Vbl…検出電圧、Vref…参照電圧。
Claims (6)
- 複数の入力のうちハイレベルの入力の数に応じて検出線の電位をレベル変化させ、検出電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
前記ハイレベルの入力数がK(K:2以上の整数)とK−1との場合で、前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧を生成する第2の電圧生成回路と、
前記検出電圧と前記参照電圧とを比較し、前記ハイレベルの入力数がK以上の場合にマルチヒット信号を出力する比較回路と、
を有するマルチヒット検出回路。 - 前記第1の電圧生成回路は、前記検出線に並列に接続され、対応する前記入力が所定レベルである場合にそれぞれ一定電流が流れる複数の定電流源を含み、
前記第2の電圧生成回路は、前記参照電圧の出力線に接続され、上記第1の電圧生成回路に入力が印加されたときに、前記一定電流の1倍より大きく2倍より小さい一定の参照電流が流れる参照電流源を含む
請求項1に記載のマルチヒット検出回路。 - 前記第1の電圧生成回路の前記検出線と前記第2の電圧供給回路の出力線とに接続され、前記検出電圧および前記参照電圧を前記比較回路に適合した電圧レベルに調整するレベル調整回路を、
さらに有する請求項1に記載のマルチヒット検出回路。 - 検索データを入力し、入力した検索データと格納データとを比較し、データ内容が同じときは前記格納データのアドレスを出力する内容アドレス検索が可能なメモリセルアレイと、
前記メモリセルアレイから出力されるアドレスが複数の場合にマルチヒット信号を出力するマルチヒット検出回路と、を有する内容アドレス可能メモリ装置であって、
前記マルチヒット検出回路が、
前記メモリセルアレイから出力されるアドレスの数に応じて検出線の電位をレベル変化させ、検出電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
前記メモリセルアレイから出力されるアドレスの数が2と1の場合で、前記検出電圧との電圧の大小関係が逆転する値の参照電圧を生成する第2の電圧生成回路と、
前記検出電圧と前記参照電圧とを比較し、前記所定レベルの入力数が複数の場合に前記マルチヒット信号を出力する比較回路と、
を有する内容アドレス可能メモリ装置。 - 前記第1の電圧生成回路は、前記検出線に並列に接続され、対応する前記入力が所定レベルである場合にそれぞれ一定電流が流れる複数の定電流源を含み、
前記第2の電圧生成回路は、前記参照電圧の出力線に接続され、上記第1の電圧生成回路に入力が印加されたときに、前記一定電流の1倍より大きく2倍より小さい一定電流が流れる定電流源を含む
請求項4に記載の内容アドレス可能メモリ装置。 - 前記第1の電圧生成回路の前記検出線と前記第2の電圧供給回路の出力線とに接続され、前記検出電圧および前記参照電圧を前記比較回路に適合した電圧レベルに調整するレベル調整回路を、
さらに有する請求項4に記載の内容アドレス可能メモリ装置。
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